2020年05月17日
続 貨車の塗装


ともかく、30年以上掛かって修復し、見られる形になったが、側面には軽く凹みがあって、これは直せなかった。この凹みを伊藤 剛氏がご覧になると、”Authentic!"とおっしゃったに違いない。
底の排出口あたりの出来が良くなく、いろいろな資料を見て作り替えたが、気に入らなかった。15年ほど前、テキサスの男が、Weaverの車輛の上廻りに、韓国で作らせた3-bayの下廻りを嵌め込むというアフターマーケットを作った。筆者も10輌分ほど購入し、その殆どはプラスティック車輛の改造に使ったが、2輌はこのブラス製品に使った。微妙に寸法が異なるので、かなり苦労して切り継ぎをしている。全部スクラッチから作るべきであった。おそらく半分以下の時間でできたであろう。

これはラッカ・スプレイではない。エナメル・スプレイでねっとりした塗料が噴出する。垂直面でも垂れず塗りやすいが、HO以下の模型には使いにくいだろう。塗膜がやや厚めであり、ディテールが埋まる可能性があるからだ。しかし、この種の大きな面のある貨車には、非常に適する。このエナメル塗料は不器用な平均的アメリカ人でも、まず失敗しないようにしてあるのだろう。固まるのに数時間を要する。朝塗って夕方取り込めばよい。つるつるぴかぴかに仕上がる。当鉄道の黒いタンク車数十輌は、ほとんどこのスプレイで塗った。ディカールを貼るのが容易で助かった。もちろん、あとで艶を抑えてある。

興味深い動画がある。たまに見る風景だが、ここまでのものは珍しい。
コメント一覧
1. Posted by 長年読ませてもらっています 2020年05月17日 11:01
「アフターマーケットを作った」という表現に驚きました。実はこの部分は日本では間違って使われている場合がほとんどで、正しいものは初めて見ました。
元々は車業界で使われている言葉で、車の後付け部品とか、アップグレード用交換部品、消耗品などの商売です。厳密には中古車販売はこれに含まれません。
今回の記事ではプラスチック車体の下廻りを、韓国製(ブラス)下廻りに取り換えるわけですから、厳密な意味でのアフターマーケットを作ったことになります。
いつも、貴ブログでは表現が非常に厳密なので、読みごたえがあります。「スクラッチから作る」というのも同様に感動しています。
元々は車業界で使われている言葉で、車の後付け部品とか、アップグレード用交換部品、消耗品などの商売です。厳密には中古車販売はこれに含まれません。
今回の記事ではプラスチック車体の下廻りを、韓国製(ブラス)下廻りに取り換えるわけですから、厳密な意味でのアフターマーケットを作ったことになります。
いつも、貴ブログでは表現が非常に厳密なので、読みごたえがあります。「スクラッチから作る」というのも同様に感動しています。
2. Posted by dda40x 2020年05月21日 21:21
コメントありがとうございます。
確かに日本語の中でのアフターマーケットの使い方は間違っているのが多いですね。鉄道模型の記事を検索してみましたら、ありました。中古をアフターマーケットで手に入れた、などの表現ですね。単に中古で手に入れたと書けば良いことですね。
亡くなった友人がシヴォレのアフターマーケットの店を経営していました。面白いものがいっぱいあって、店の中を歩き回ると幸せになりました。古い車でも手を入れて新品同様にしている人がいるので、そのための店でした。
「スクラッチで作る」というのも変なものですね。”built from scratch” ですから、そういう表現にしていますが、そこを見抜かれた方は、貴殿が初めてではないかと思います。scratchは地面に引いた線を表すので、開始点です。何もないところから作ったのですからそういう表現をしているのですね。
確かに日本語の中でのアフターマーケットの使い方は間違っているのが多いですね。鉄道模型の記事を検索してみましたら、ありました。中古をアフターマーケットで手に入れた、などの表現ですね。単に中古で手に入れたと書けば良いことですね。
亡くなった友人がシヴォレのアフターマーケットの店を経営していました。面白いものがいっぱいあって、店の中を歩き回ると幸せになりました。古い車でも手を入れて新品同様にしている人がいるので、そのための店でした。
「スクラッチで作る」というのも変なものですね。”built from scratch” ですから、そういう表現にしていますが、そこを見抜かれた方は、貴殿が初めてではないかと思います。scratchは地面に引いた線を表すので、開始点です。何もないところから作ったのですからそういう表現をしているのですね。
3. Posted by 愛読者 2020年05月25日 16:59
いやぁ、参りました。
スクラッチで作るものだと思っていました。スクラッチは材料の切れ端だと長らく信じていました。何かでそんなことを読んだ覚えがあるのですが、思い出せません。
最近はインターネットがあるので、細かい用例などを簡単に知ることが出来ます。ウェディング・ケーキをスクラッチから作るなどという記事を見付けました。
昔は辞書に載っていなければそれでおしまいでしたから、隔世の感です。scratch-building という表現があります。これはハイフンでつないであるのですね。
dda40xさんは英語の細かいところまで理解できる方で、そういう意味でも模型界では貴重な存在です。
スクラッチで作るものだと思っていました。スクラッチは材料の切れ端だと長らく信じていました。何かでそんなことを読んだ覚えがあるのですが、思い出せません。
最近はインターネットがあるので、細かい用例などを簡単に知ることが出来ます。ウェディング・ケーキをスクラッチから作るなどという記事を見付けました。
昔は辞書に載っていなければそれでおしまいでしたから、隔世の感です。scratch-building という表現があります。これはハイフンでつないであるのですね。
dda40xさんは英語の細かいところまで理解できる方で、そういう意味でも模型界では貴重な存在です。