2019年04月09日
「蒸機を作ろう」

過去に菅原道雄氏の「鉄道模型工作技法」という書籍があった。これは良い本だとは思ったが、さすがにもう古いと感じるようになってから久しい。菅原氏とは20年ほど前、親しくお話しする機会があった。Low-Dが開発された頃である。その現物や、高精度のギヤボックス、軸箱もお見せした。
「工作機械を導入せねば、精度の悪い模型しかできませんよ。」
すると菅原氏は、
「これは凄いですね。しかし、そういう本は私の手には負いかねます。貴方が書いてください。」
と言われた。そのことも、当ブログを始めたきっかけの一つになっている。
今回のプロジェクトが始まってから、もう数年経つ。その間、出版社に刊行を依頼したが、何年も動かずに止まっていた。世の中の動きは速く、その間に情勢が変わって入手不能になる機械も出て来た。
そこで今野氏は、「自費出版でやろう!」と執筆者に声を掛け、原稿の再編集に立ち上がったのだ。執筆者に原稿を差し戻し、すべてに再度手を入れて戴いた。筆者も微力ながら、お手伝いした。
機関車をブラスで作るというのは、最近の若い模型人にとっては、かなり敷居が高いと感じる人が多いそうだ。しかし筆者たちの世代は、それが当然であった。プラスティック製、ダイキャスト製の機関車など、殆ど無かったのだから。
高校生の時から、ブラス板を糸鋸で切りまくって現在に至る。ハンダゴテは20本くらい買っただろう。ヤスリは何グロスか使いつぶした。ハンダ付けのテクニックを磨くのには苦労したが、炭素棒を使えばそのようなテクニックは要らなくなる。工作機械を導入したのは40年位前だが、それから工作スピードはかなり上がった。
この本では、工作機械を使った工作にかなりのページを割いている。機械を持てば、楽に、正確にできる。特に蒸気機関車の台枠、ロッドの工作は機械を使えば、簡単で確実である。
機械の価格は、相対的に安くなった。ただし、中国製の感心しない機械であるから、全部ばらして、ネジの取換から始めるべきだ。締めると首が飛ぶような、粗悪なネジを使っていることがあるから、油断はできない。ネジ専門店で、日本製のネジを購入してこなければならない。
このブログでも工作機械の整備の記事をいくつか書いた。機械本体の価格と同じくらいの投資をすると、実に良いものになる。そうして作り上げた工作機械は自分の体の一部のように働いてくれる。
この本では、達人たちのテクニックが惜しみなく披露され、後進の人たちに勇気を与えている。
「既製品を買い集めるのをしばらくやめて、工具に投資すれば、楽しい人生が送れる」
というメッセージを送っているのだ。この本の価格が2,500円というのは、いささか安過ぎると感じている。
直接購入を希望される方は、konno#m1.bstream.jp(#を@に交換)に連絡されたい。送料は360円である。
コメント一覧
1. Posted by nextcube 2019年04月09日 12:39
初心者なのでまとまった本があるのは有難いです。一般販売が開始されたらぜひ購入したいと思います。
2. Posted by コン 2019年04月10日 10:23
この本に関しては、本当にお世話になりました。
出版に関してはド素人でしたので、dda40x氏のご支援が無ければ出来ない事でした。感謝申し上げます。
出版に関してはド素人でしたので、dda40x氏のご支援が無ければ出来ない事でした。感謝申し上げます。
3. Posted by dda40x 2019年04月10日 21:36
>>1
今野氏のブログには連絡先がありますので、そこにメイルを送られると良いと思います。
⇒ 本文に連絡先を載せました。
今野氏のブログには連絡先がありますので、そこにメイルを送られると良いと思います。
⇒ 本文に連絡先を載せました。
4. Posted by dda40x 2019年04月10日 21:39
>>2
今野様
本当にお疲れ様でした。
一時はどうなるかと思いましたが、何とか発刊まで持って行けました。
続編を用意せねばなりませんね。頑張りましょう。
今野様
本当にお疲れ様でした。
一時はどうなるかと思いましたが、何とか発刊まで持って行けました。
続編を用意せねばなりませんね。頑張りましょう。