2016年02月23日
UP FEF3

これはUPの4-8-4の最終型で、Tom Harveyが "flying machine"と言った高性能機関車である。16輌編成(1000 ton)の列車を単機で牽き、ディーゼルの牽く列車に勝つことができた機関車だ。5000馬力以上を連続して出すことができる機関車は、他に極めて少数しかない。しかも航続距離が長いという点では、この機関車は抜きん出ていた。
Tom からいろいろな話を聞くうちに、この機関車が欲しくなった。祖父江氏が作ってアメリカに輸出したカツミ製の機関車を2輌、手に入れたのだが、走らせてみると出力に不足を感じた。音も大きく、電流は4 Aも喰う。
効率計算ができた3条ウォームを取付け、モータはエスキャップの大出力コアレスモータを使うことで、どのような設定ができるか試算してみた。この機関車は性能を事前に策定した機関車であって、考えられる最高の性能を発揮するように作られた。そういう意味では、おそらく世界で唯一の模型機関車である。 効率は50%を超えている。とれいん誌の123号に詳しい記事がある。
その他の機関車は、この成功を受け、大体この辺りでよかろうという設計である。すなわち限界までの性能は期待していないが、それで十分なのである。
プルマンの10輌編成を牽いて1.56%の坂を駆け上がらせる。それをご覧になった方は、どなたも「おおっ」と声を出される。重い列車を軽々と牽いて、新幹線並みの加速が可能である。最高速は200 km/hは出る。効率が50%を超えると、信じられないほど動きが軽やかである。残念ながら、すでにDCC化されているので、効率計算はできにくい状況だ。
DCの時代には、2輌を同一線路に置いて片方を押すと、発電してもう一方が走った。
模型の機関車は、動輪径が大きいほど効率が良い。回転数が少ないからだ。回転が多いと、様々な摩擦が付随して起こり、損である。そういう意味でも、ギヤ比が大きな機関車は概して低効率である。効率を上げるには、低回転で大トルクのモータを採用することである。
先回、PRRのQ2の効率が意外に低くて不思議だったが、その謎が解けた。おマヌケなことに、客車の車内燈や前照燈の電流を差引くのを忘れていた。補正後の計算では、ちゃんと40%台をマークしていた。
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コメント一覧
1. Posted by nextcube 2016年02月23日 20:49

先日eBayでアウトレットのコアレスモーターを落札して換装してみましたが残念な事にギア比が1:25なのでスケールスピードまで回りません。仰る通りボールベアリングや効率の良いギアで摩擦を極力減らした上でトルクや回転数を計算してギアとモーターを選ばないと重たいOゲージは低速から高速まで走れないみたいですね。素人にはギア1つとっても中々敷居が高いのですが精進したいと思います。
2. Posted by dda40x 2016年02月25日 21:23
コメントありがとうございます。
モータの性能を極限まで引き出すには、起動トルクとギヤ比から算出される最大の軸重よりも少し小さくする必要があります。 楽々とスリップする必要があるのです。
そうでないとモータが焼けてしまいます。
その時のコイルの発熱を逃がす熱抵抗のデータも大切です。
ギヤ比が大きいと、何も考えなくても走ることは走るのですが、効率は悪く、やかましくなります。
理想としては低ギヤ比(4:1程度)にできればと思います。最近はコアレスモータの種類も増え、低速大トルクのものが見つかると思います。
モータの性能を極限まで引き出すには、起動トルクとギヤ比から算出される最大の軸重よりも少し小さくする必要があります。 楽々とスリップする必要があるのです。
そうでないとモータが焼けてしまいます。
その時のコイルの発熱を逃がす熱抵抗のデータも大切です。
ギヤ比が大きいと、何も考えなくても走ることは走るのですが、効率は悪く、やかましくなります。
理想としては低ギヤ比(4:1程度)にできればと思います。最近はコアレスモータの種類も増え、低速大トルクのものが見つかると思います。