2015年07月26日

続 frog numbers 

 Fast Tracksという会社がある。web siteが立派で、なかなか大したものだと思っていたが、中身は少々怪しい。最近の工業レベルを反映して、レーザカット、CNCフライスでジグを作って、材料とともに売っている。様々なテクニックを駆使して、ポイント等を簡単に作れるように準備している。動画もたくさんあるので、買わなくても楽しめる。
 Fast Tracks の♯4のYポイントのフログ角は14.04度で、#8は7.13度である。すなわちどちらも簡易式での値だ。NMRAのRP準拠と言っているので、NMRAも怪しい。このままでは操車場の線が平行にならない。

 以前にフランジの件で書いたように、NMRAにはまともな人材がいないようだ。いずれアメリカの雑誌に書いて、反応を見てみよう。

 
 多少角度が違っても、線路を敷くときに少し曲げれば難なく敷けるのであろう。実物であれば、乗り心地が大幅に悪くなるので大問題になるが、模型であれば構わないということなのかもしれない。
 しかし、きちんとしたものを売れば、その会社の評価も上がるはずだ。この会社には直接言ってみよう。改善されれば大したものだ。

 先回のTMSの旧号はすぐ探せた。それを読んだ場所、時期がわかっていたので、その前後を探したら、ちょうど中心の6月号にあった。南海の凸電が表紙だ。鉄道模型に熱中していた少年期が思い出される。
 他の記事も拾い読みしたが、ディテールをどうするかという記事ばかりだ。動力機構とか線路関係の記事などほとんどありはしない。この状態が50年も続いた結果が、現在につながっている。
 細密な完成品がこれだけ豊富にあるのに、動力機構が素晴らしいと感じるものはまずない。どれもこれも、効率が悪く、音が出やすい設計のように、筆者には思える。ほとんどがギヤボックスがなく、むき出しの歯車をつけている。
 ある先輩はこう言う。「日本の鉄道模型はフルパワーで30分走るとおかしくなる。たいていギヤが減ってしまう。」
 そうだろうと思う。両方ブラスの歯車を使っているからだ。小さいほうを快削鋼にするだけでも20倍くらい持つ。もちろん潤滑は大事だ。油を差しても、走り出したら無潤滑の状態に近い。そろそろ気が付いてもよさそうなのだが、走らせている人は少ないのだ。

追記
 fast track には優先車線という意味がある。アメリカの高速道路では最中央の1ないし2車線は優先車線であり、2人以上乗車の際には使える。一人で乗っていると捕まれば数百ドルの罰金である。
 それを走るためのリアルな人形を売っているようだ。おそらく摘発されると大変なことになるはずだ。
 高速道路上の実際の表記は少し変えて、Fast Trakになっている。 


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コメント一覧

1. Posted by YUNO   2015年07月27日 01:27
実物の線路でも、ポイントの直前、直後に小さなカーブが不自然に続いているのを複数の場所で見た記憶があります。
今まであまり深く考えたことがなかったので、具体的な場所は思い出せませんが、次からは注意深く観察します。
いちいち最適な角度のフログを製造するのはコストが掛かるので、近い角度の既製品で妥協しているのかと思っていましたが、実情はどうなのでしょうね。
2. Posted by dda40x   2015年07月27日 12:14
確かにありますね。見たことがあります。
側線などは、変なつながり具合のオン・パレードですね。
3. Posted by たづ   2015年07月30日 20:12
先日20年以上前に買ったNの蒸機を分解注油しました。
いわゆる「オイルレスメタル」でも潤滑油はほぼ揮発し、最高電圧まで上げないとそもそも起動しない状態になっていましたが、注油で直りました。
NのみならずHOでも、日本製の模型の場合付随台車のピボット軸を集電路にしているので、TMSのように「注油しない」と指示してしまうのでしょう。

本来は別に集電ブラシを当てるべきで、模型を始めたころのKATO製品の動力車はそういう作りでした。残念ながら客車は同社でもそうではありません。
軸受はきちんと潤滑して車軸・軸受とも長く保たせ、別に電気経路を確保するという構造の配慮が、スケールを問わず必要なはずですが、一度しみついたものはなかなか直りませんね。

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