2015年01月31日
PRR T1

素晴らしい機関車である。日本製であるから、ハンダ付けが確実で外れないのが良い。当初、この機関車の動力装置はアメリカ製で、アルミブロックをフライスで切り出したボールベアリング入りのギヤボックスが付いていた。動きはいま一つだった。抵抗が大きく、固いのだ。多分グリスが粘いのである。高回転部の軸が必要以上に太い。モータの出力の大半が失われてしまう。土屋氏は祖父江氏に送って2モータ、三条ウォームに改造してもらった。押すと電灯が点く。

図面等はアメリカから提供されているので、正確であるが、メカニズムには理解できない点がある。どういうわけか、テンダ台車は2軸ずつイコライズされていて、バネがない。4点支持なのである。機関車も動軸2軸づつがイコライズされているが、バネが入っている。それはよいが、先台車、従台車はバネで軽く押さえてあるだけで、先輪としての役割を果たしているかは疑問である。
筆者がアメリカに居たときに、購入して日本に送った。日本製の刻印が打ってあるのに、税関で高い税率を掛けられた事を思い出す。結局は安くなったが、その時のやり取りが面倒で、思い出すと疲れる。
思えば土屋氏にはたくさん購入して送ったものだ。当時はアメリカが不況で、このような嗜好品の価格は相対的に安かった。調子に乗ってたくさん購入して送ったら、「アメリカの中古市場の相場が上がった」と、ある友人から文句が来た。値切らずに買ったので、「日本人は物の買い方を知らない。迷惑がかかるから値段交渉をせよ。」と言って来たのだ。バブルの絶頂期のことである。
それらは全て祖父江氏によって改装され、世界最高の走りを見せる。土屋氏が、「このコレクションには祖父江氏の能力が具現化した模型が揃っている。そのすべてがある。」というのはそう意味である。