2013年12月16日
続々々々々 Lucin Cutoff

一番大きな流入河川は北東部からのBear Riverである。北東部の湾は土砂で埋まり、とても浅いので塩田が発達している。深さ1mほどの見渡す限りの塩田に湖水を導き入れ、太陽光をよく吸収するように青い染料を溶かす。放置しておけば塩が析出するので、それをブルドーザでかき集めて出来上がりである。ブルドーザのキャタピラ(クローラ)は塩水に浸かり、エンジン部分と人間だけが水面から出ている。仕事が終わって陸地に上がってくると、キャタピラは全く錆びていない。飽和食塩水中には酸素が溶けにくいので、錆が発生しないのだ。使用しない時にしばらく外に置いてあると、多少錆びる。
水面の上下は、降雨量によって決まる。80年代の水面上昇により、Causeway(築堤)は大幅に積み増しを余儀なくされた。防波堤になった貨車は、もう見ることができない。完全に埋められてしまったのだ。
南北の水面差が大きくなると、築堤に掛かる力も大きくなって、不安だ。製塩業者は湖水の塩分が減少して、商売が上がったりだと訴訟になった。結局のところ、築堤を一部破り、橋を架けて南北の水が通じるようにした。

この湖は大きさが九州程度で、深さが7、8m程度らしい。もちろん水位が高くなると、10m以上の深さになる。流入と蒸発のバランスが取れていれば良いのだが、たまにそれがずれると、人間はあたふたするのだ。流出河川のない湖は、往々にしてこのようなことになる。