2009年09月08日
UP7001
製造当時はハリマンの影響下にあったから、SPもUPも同じ基本設計で出来ている。実はLobaughの製品はSPのMT3なのである。それをUP7000に改造した。
この機関車は、故稲見氏の製造である。祖父江氏がMT3, MT4を作り、それを稲見武夫氏が増産してUPにしたわけだ。数が少なく入手は難しいが、高価ではない。長く待っていればたまに出る。US Hobbiesから発売されたままの商品はあまりにものっぺりしていて面白くない。これはかなり加工してある。
実物はALCOのスケネクタディ工場製で、当時世界最大のマウンテンであった。その後もっと重いマウンテンが出現したのでその座を譲った。
この機関車は当時のUPの機関車の中で最も重く、導入に際しては橋梁、築堤などすべてを補強しなければならなかった。当初は特急牽引機として華々しくデヴュウしたが、動輪径が73インチとやや小さく、他社が80インチ動輪を特急牽引機に採用し始めてからは、あまり評価が高いとは言えなかった。 戦後、UPはシャーマン・ヒルの補機としてUP5000(2-10-2)と共に使用していた。
実物は、Young式ヴァルヴギヤを持っていたが、のちにワルシャート式に換装されている。この模型はワルシャートである。
ヤング式は賢い方法で、90度ずれたヴァルヴモーションを取り出すのに反対側のクランクから採っている。ワルシャートではリターンクランクから採っているが、反対側から採れば機構が簡単になり、ずれもなくなる。
というのはヴァルヴモーションがクロスヘッドから採られているからである。この方法なら、誤差がゼロになる。リターンクランクから採ったのでは最前部と最後部は正しいが、途中は位相が微妙に狂うはずだ。
LoboughのUP7000はヤング式で作られている。いずれお見せできるが、下廻りは完全なスクラッチ・ビルトである。