2009年08月03日
続々 「DCCで楽しむ鉄道模型」
“走らせる鉄道模型”という極めて当然なことが、この本では扱われている。
DCCが導入されれば、走らせたくなるのは当然である。走らせるためにはそのような機構が必要である。日本の鉄道模型のもっともおろそかにされていた部分が変化せざるを得なくなったのである。
この本はその部分を大いに改善してくれるであろうと思う。
筆者は固定のレイアウトを持たない人こそDCCを始めるべきだと思っていた。その実例がこの本に載っている。スナップ・トラック(要するにお座敷運転のパチパチつなぐ線路)を使ってもすぐできる。ポイントの動作は走行電流から取れる。ほとんどのポイント用デコーダは走行電流を少しずつとって充電し、指令に従って放電させて動かす。走っている車輌がつんのめることもない。
ポイントマシンとコントロールボードを結ぶ、あのうっとうしい電線がすべてなくなる。これは大変大きな進歩である。大規模な組み立てレイアウトでは電線だけで20 kgもあることもあるのだ。
サウンド付き車輌の運転の楽しさにも触れている。実は筆者がDCC化したのは10年ほど前だが、サウンドが目的であった。
当時は高価であったが、現在はそうでもない。動力車を購入する価格で何台ものサウンド化が実現する。これは楽しい。
日本の模型屋さんの中でDCCについての知識のあるところは少ない。やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに。この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。
この本の続編(応用編)の出版を期待したい。
DCCが導入されれば、走らせたくなるのは当然である。走らせるためにはそのような機構が必要である。日本の鉄道模型のもっともおろそかにされていた部分が変化せざるを得なくなったのである。
この本はその部分を大いに改善してくれるであろうと思う。
筆者は固定のレイアウトを持たない人こそDCCを始めるべきだと思っていた。その実例がこの本に載っている。スナップ・トラック(要するにお座敷運転のパチパチつなぐ線路)を使ってもすぐできる。ポイントの動作は走行電流から取れる。ほとんどのポイント用デコーダは走行電流を少しずつとって充電し、指令に従って放電させて動かす。走っている車輌がつんのめることもない。
ポイントマシンとコントロールボードを結ぶ、あのうっとうしい電線がすべてなくなる。これは大変大きな進歩である。大規模な組み立てレイアウトでは電線だけで20 kgもあることもあるのだ。
サウンド付き車輌の運転の楽しさにも触れている。実は筆者がDCC化したのは10年ほど前だが、サウンドが目的であった。
当時は高価であったが、現在はそうでもない。動力車を購入する価格で何台ものサウンド化が実現する。これは楽しい。
日本の模型屋さんの中でDCCについての知識のあるところは少ない。やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに。この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。
この本の続編(応用編)の出版を期待したい。
コメント一覧
1. Posted by northerns484 2009年08月05日 01:01
以下、まとまりのない私見を述べることをご容赦ください。
> やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに
組み立て式線路で単純なエンドレスを組んでDCCで機関車を走らせてみれば、その手間はDCの場合と変わらず、サウンドが付加されることで楽しみが何倍にも増えるということがわかると思うのですが、その第一関門を越える人が少ないようです。
DCCは難しいとか、CV値の設定などをすべて理解しなければ使えない、という先入観で、手を出さない人が多いような気がします。
> この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。
アメリカでは、Broadway Limited Importsのように、DCCを簡単に楽しんでもらうにはどういう製品を提供したら良いか、というユーザー側の視点に立った製品作りができるメーカーがある、というのも大きいと思います。このようなメーカーが出てくるのは、「(新しい楽しみ方ができるようになったから、)皆で楽しもうよ」という米国の趣味界の姿勢が背景にあると思っていて、日本の趣味界との差を感じます。それも、もとをただすと雑誌の不作為に起因するのかもしれませんが。
> やってみれば簡単で誰もが欲しがるものなのに
組み立て式線路で単純なエンドレスを組んでDCCで機関車を走らせてみれば、その手間はDCの場合と変わらず、サウンドが付加されることで楽しみが何倍にも増えるということがわかると思うのですが、その第一関門を越える人が少ないようです。
DCCは難しいとか、CV値の設定などをすべて理解しなければ使えない、という先入観で、手を出さない人が多いような気がします。
> この状態を放置してきた日本の雑誌の不作為の罪は大きいと思う。
アメリカでは、Broadway Limited Importsのように、DCCを簡単に楽しんでもらうにはどういう製品を提供したら良いか、というユーザー側の視点に立った製品作りができるメーカーがある、というのも大きいと思います。このようなメーカーが出てくるのは、「(新しい楽しみ方ができるようになったから、)皆で楽しもうよ」という米国の趣味界の姿勢が背景にあると思っていて、日本の趣味界との差を感じます。それも、もとをただすと雑誌の不作為に起因するのかもしれませんが。