2007年01月09日
機関士の仕事

一言で言えば、"keeping stretched"(常に連結器に一定の張力が掛かるよう)にするのだ。これに気を遣わないと、下り坂から上り坂に差し掛かったとき連結器が急にぴんと張り、そのショックで連結器が切れる。連結器が切れれば、列車には非常ブレーキが掛かる。機関士はスペアの連結器ナックルを持って行き、取り替えて再連結する。
このような時間浪費で列車は遅れを生じる。対向列車が優等列車のときは、退避予定時間までに駅に着けないと、正面衝突事故の原因を作ることになる。
一つの区間に一つの列車しか入れないようになっているのだから、そんなことは起こりえないはずだが、人間のやることにはミスもありうる。予定時間までに到着すればそのようなことは起こらない。だから列車を遅らせる要因はすべて排除しなければならない。
機関士の胸ポケットには時刻表が入っている。優等列車、次優等列車の時刻は正確に決まっている。自分の運転している列車の退避時間に余裕がないと、大変あせることになる。特に困るのは優等列車が自分の後ろについているときである。これを"Sticking"(くっつく)と言う。言い訳は許されない。
対向列車しかも優等列車を待たせることは、決して許されない。中でも特別優等列車に対しては15分前に退避させなければならないのだ。
機関士はいつも正確な時計を持っている。その時計はオゥヴァオールの胸ポケットに入れてある。鎖を持って時計を引き出し、時計を見つめる。それはまさに機関士である。貴方の頭の中の機関士像はそれと一致するだろうか。