2025年07月

2025年07月30日

またまた「互いに素」(3)

 「押して動く機関車」あるいはそれを実現するための歯車装置が売り出されているが、うまく動かないものがあるそうだ。

 押せば動くのだが、特定の場所で引っ掛かるという。それも例の研磨で直る可能性があるが、気が進まない話だろう。筆者が40年前に発表した時に、守らなければならない全ての項目は公表してある。にもかかわらずそれを守らず、わざわざ出来の悪いものを作っている。文字が読めないのか、それとも記事と違うものを作れば盗作と言われないだろうと考えたのだろうか。

 筆者はこれについて特許を取るつもりは全くなかった。公知の事実を組み合わせただけで何も工夫はない。3つの項目さえ守れば、誰でもできることだった。その第一は「歯数が互いに素」であった。
 これすらも実現できないほど模型製作会社は出来の悪い人を集めているのだろうか。韓国製で4/40というのを見て天を仰いだが、後に日本製でも4/40を見付けた。案の定、引っ掛かる。最低だ。

 互いに素であれば、3分も廻せば最高の性能が発揮できる。これは筆者の友人が彼の最初の1つを組んだ時、立ち会って確認した。
 組んだものを廻しながら、 
「ゴロゴロするよ。そんなの関係ないんじゃないの?」と言ったが、しばらく廻しているうちに、「凄い!全く抵抗を感じない。」と叫んだのだ。
 彼はそれ以降、ことある度に「互いに素でなくっちゃ、だめなんだよ。」と言って歩いてくれた。 

2025年07月28日

またまた「互いに素」(2)

gears-inside-a-windmill-in-the-small-town-of-zaanse オランダの風車の話を聞いた。以前にも扱ったが、そこで使われている木製歯車互いに素になっている。 これは経験から来たものだろう。割り切れると特定の歯にいつも負荷が掛かり、折れたりしたと推測する。そこで頭の良い人が、歯数を一つ増やしてみたところうまく行ったのだ。(その増やした歯のことをある言葉で表す筈なのだが、思い出せない。)

 ところで、日本の模型の歯車はそのほとんどが割り切れる。おかしいとは思うが、実際にあまり不都合を感じていないそうだ。しかし、この間見せてもらったものは走らせると、かすかにゴン、ゴン、ゴンという周期的な音が発生している。分解して見せてもらうとやはり歯数は割り切れる。
 持ち主は悲しそうな顔をしたので、「バラして虫眼鏡で歯先を見てご覧。」と伝えた。
「何かおかしなところがあるに違いないから、その部分を1200番くらいのサンドペーパを折ったもので磨ると直るよ。良く洗って組立てるとうまく行くはずだ。」と補足した。

 しばらくして電話があり、うまく行ったようで嬉しそうだった。歯切りの時のめくれがあったそうだ。ゴミを噛むと同じ事になるから、「ギヤボックスの中をよく洗うように。」と勧めておいた。


2025年07月26日

またまた「互いに素」(1)

 最近、この互いに素についての話題をよく振られる。当たり前過ぎて話題にもならない筈なのに、色々な人がそれぞれ異なる面白いことを教えてくれるのは興味深い。

 歯車の歯数が互いに割り切れると何が起こるかということは、筆者が小学校の時に気が付いたことだ。というよりも気が付かされたことだ。
 当時の筆者は車のカタログを見るのが好きな少年だった。毎日カタログを隅から隅まで見て、丸暗記するほどだった。その中でギヤ比は割り切れないことに気が付いた。父にその理由を聞くと、「割り切れたら何が起こるか考えてみよ。」としか言わなかった。彼は答を言わない人だったので、かなりの期間それについて考えた。

 割り切れると、同じ歯が何回か廻って同じ歯に当たることに気が付いた。何もなければ良いが、その歯に傷が付いていたら、ゴミを噛んでいたら、ということを考えた。多分自分で気が付いたわけではなく、誰か大人の会話の中にそのヒントがあったに違いない。
 絵を描いて確かめて父に報告すると、「よくできたな。」と褒めては貰えたが、「これは常識なのだぞ。」と付け加えられた。

 それ以降、この内容について非常に敏感になり、間違った設計が世の中に沢山あることに気が付いた。しかしそれらは手廻しの器械などで、さしたる不都合は起こらなかった。

2025年07月24日

車体の強度

 このブログでは、模型車輌の強度について書くことが多かった。少なくとも軽衝突(ヤードの中での衝突程度)では壊れないことを念頭に置いている。
 機関車の場合は、何かの間違いで列車の後部に追突した時にも壊れない(自力で走れる)程度の設計をする。しかし、HO以下の場合は壊れるほどのことはめったにないらしい。

 しばらく前、貨車を垂直に卓上から落としたことがあった。連結器を下にして車輌の長さ方向に力が掛かった。金属製の Kadee 連結器はめり込むこともなく車体に傷もつかなかった。望ましいことではないが、この種の事故は起こりうる。しかし耐えるようにしておきたい。

 よくある構造では車体(上廻り)の端に連結器がネジ留めされているものだ。連結器を下にして落下すると、連結器取り付け部分が座屈し、車体がぐちゃりと歪む。
 車体を貫く背骨が床板に堅固に付き、その末端に組込まれたある程度の厚板に連結器が付いていたらどうなるだろう。連結器が壊れても、力は床板全体に分散し、車体に伝わる。まず壊れることはない。
 また、連結器はブラスのネジで留めることにしている。これは衝突時に剪断されることもある。その時、エネルギィを吸収するので被害はより少なくなる。 

2025年07月22日

続 ハンダ付け

 炭素棒方式であれば、すぐに温度が上がり、ハンダが融ける。出力が大きく、 200 Wほど出るからである。ガス火による加熱も良いが、下手をすると反ってしまう。筆者は予熱用にしか使わない。素手では触れないほどの温度に加熱しておいて、コテで付けるのが手軽だ。
 横には水を入れたバケツを用意し、終わった瞬間に投げ込む。水は頻繁に替える。筆者は卓上に水を入れたコップを置く。急速に冷やしたいときは口に含んでおいて、終わった瞬間に吹き掛ける。

 筆者は塩酸を入れた塩化亜鉛水溶液を好んで使うので、ハンダ付け作業は外で行う。室内でやると、家じゅうの刃物が錆びてしまう。塩酸の湯気は刺激があるが、毒ではない。塩酸は体内にもある。微量であるから問題ない。 

 床板のような見かけを問わない部分では、ハンダは必要量の2割増し程度を置き、加熱する。そうすると融けたハンダは目的部分に富士山の裾野のように付き、優美であると同時にきわめて強固である。先回の写真では、付けた後で位置を動かしたりしているので派手にはみ出しているが、薄い膜なので気にする必要はない。
 この種のはみ出しハンダを削ってブラスの地肌を出すことに価値を認めている人が多いが、根本的に間違っている薄い銀色の膜はハンダとブラスとの合金であり、それを無くするということは地金のブラスを削ることだ。すなわち凹んでしまう。 

 ハンダが見えない工作が素晴らしいという誤謬を無くしたい。 

2025年07月20日

ハンダ付け

freight cars 友人が来訪し、作り掛けの貨車、客車群、機関車を見て行った。その感想は、一言で言えば、
「ハンダ付けがすごい」
ということであった。
 これは決して、綺麗に付けてあるとかハンダが見えないという意味ではないハンダは接合部周辺の車体表面に広がり、薄い膜になっている。すべての部品が隙間なく付けられ、浮いているところはない。力の掛かるところは厚い板を組合わせて必要量のハンダが継ぎ目を埋めているということである。一見ハンダだらけであるが、必要な個所に確実に入っている。しかも接合部は良く密着しているので、ハンダと銅、亜鉛の合金が出来て強力に接着されている


 今後鉄道模型界がどの方向に進んで行くのかはよく分からないところがあるが、ブラスの板材、棒材を切ってハンダ付けする技能は不可欠のことであろう。最近の雑誌記事に、ペースト礼賛記事があったが、あれがその進むべき方向を誤らせるのではないかと心配する向きは多い。

 大きなコテ、塩化亜鉛(できれば塩酸を含むと良い)、63%ハンダを用意し、事前の清掃、正しい隙間、十分な加熱、適切な洗浄があれば、ハンダ付けは完璧にできる。某模型店のハンダ付けに関するvideo を見たが、正しいとは言えない部分が多々ある。 

 ハンダ付けした部分が外れる原因は沁み込んでいないこと以外に、ハンダの種類の問題がある。スズ63%の共晶ハンダを使えば、融けたものが一瞬で全部固まるので、こしあん状態になることはない。すなわちどの部分も同じ組成になる。どうしてこれを使わないのかが理解できない。強度などという言葉を出す人が居るが、正しく付いていればはるかに強度がある。浮いていたり、こしあん状態のハンダでは駄目なのである。
 いろいろな場面でそのこしあん状態を見ることがある。「スズ63%を使うべきだ」と言うだけでは駄目なので、小さなサンプルを渡すようにしている。すぐに感想が来る。
「素晴らしい。どうしてこれが一般化しないのだろう。」
「出版社には大きな責任がある。」と皆が言う。

 TMSの300号近辺にこのスズ63%ハンダの件は1回だけ載っていたように記憶している。その後は全く見なかったし、菅原氏も興味がなさそうだった。その辺りが大きな問題だ。


 先述のBill Melis氏、祖父江氏、内野氏は全く同じことを言った。
「どの部品を持って機関車をぶら下げても取れてはいけない。」
「ハンダは外に見えているのが正常」
 しかし、いつのころからか、TMS誌上ではハンダが見えない模型を礼賛する記事が目立つようになった。とんでもない間違いである。

 筆者の車輌群は全て上述の方針で作られている。
「板を貼り合わせるときは、ハンダが向こう側から出なければいけない。」
 加熱方式はコテでも良いが、大きなコテ先を用意すること。できれば銅の塊をコテ先にロウ付けして熱容量を稼ぐと良い。そうすれば、100 Wのコテでも十分な予熱により、厚板を付けることが出来る。


2025年07月18日

boxcar を作る

 結局のところ、組めそうなものをすべて引っ張り出して作業している。40ft の他、50ft の物も同時に取り組んでいる。まとめると工作は早いからだ。

40ft boxcars 3枚の床板に背骨と肋骨を付けねばならない。チャネル材を用意してあったのでそれをネジで仮留めして、ハンダ付けした。ガスで焙って100 ℃程度に予熱してから炭素棒で付けた。これが完全密着していないと弱い。薄い床板に付ける肋骨はブラス製である。押さえ込んでハンダを完全に流すときわめて強固な床板になった。連結器座の部分にはチャネルに喰い込ませた 1 mm板を貼り重ねてある。これが無いと、連結時にめり込む可能性がある。   

underside of the roof 屋根と側面の板はヘロヘロの 0.25 mmのブラス製である、極端に薄く、しかも焼きなましてプレスしてあるので、指で押せば凹む。裏に骨を入れなければ持たない。側面は 6x6 のアングルを4本ずつ完全にハンダ付けすると形を保つ。元々は木板でできた箱に板を貼り付ける構造なので、それ自身に強度があるわけはないのだ。妻板は出所の分からないプレスした板で、これは 0.8 mm程度もある。車体の四隅のアングルとハンダ付けすれば丈夫になる。 
 問題は床板であった。長いので、長さ方向に力が掛かると座屈する可能性があった。短いものは 0.55 mm厚を使ったが、50ft の方はジャンクの 1 mmの板である。こんな大きなものを手で切り出すのは疲れる。電動ニブラに定規を付けて切った。あっという間に長方形を切り出せた。部品が足らないので、以前作って貰った焼結ナイロン製の肋骨を付けた。S師が左右で色分けしてくれたので分かり易い。これは素晴らしいアイデアである。


2025年07月16日

タンクを丸める

 タンクを丸めると書いたところ、複数の方からそのテクニックを公開するよう要請があった。  
 こういうことは通称3本ローラという道具さえあれば極めて簡単である。この道具が無いと名人芸になる。それは筆者の方針から外れる。祖父江氏でさえも、
「手で丸めてうまく行くわけねえよ。」と言っていたくらいなのである。

 まず、ローラに掛ける最初の部分終わりの部分は、ゴムハンマで打って曲げておく必要がある。
 最初と最後の部分の丸味が所定の大きさになっていれば1回通せば出来上がりだ。ここがコツである

form the tank body1) 細い丸金床上でゴムハンマで端をやや強めに叩き、所定の曲がり方より少し細くなるように曲げる。それを太い方の上で叩いて戻す。(ここまで2分)要するに、目的の曲率より1割程度強く曲げ、それを太い金床の上で戻すわけである。この写真では両端が曲がっているのがお分かりだろう。

rolling up2) サンプルのタンクと合わせてみて十分に近くなっていれば、ローラに咥えこんで軽く締め、廻すと引き込まれる。(ここまで2分)
 この時、3本のローラは自然に所定の位置関係になっているはずである。この意味をよく考えて戴きたい。

finished tank body3)ローラを最後まで廻してから、ローラを外して抜き取る。(ここまで1分)
 というわけで5分でできあがりだ。簡単である。
 この写真では、曲がり具合と丸金床の半径を比較している。


 ローラは、細いものも持っているので直径15 mmくらいは可能だろう。ただ、丸金床がその細さの物がないと、それを作らねばならないかもしれない。今回お見せした丸金床は前回頒布したものと、自作の太いものを使用している。

homemade tanker 丸め上がったタンクを台枠に載せた。タンク車ほど作るのが簡単で楽しい作業はない。

2025年07月14日

HOサイズの慣性増大装置

inertia emphasizers O and HO 先日のクラブの例会で現物を見せてもらった。実に軽快に、よく走る。HOサイズでも十二分の慣性を持っている。これが貨車に入るのは間もなくだ。日本型蒸気機関車はテンダが小さいので、その点は不利である。 

 フライホィールは縦置きでボールベアリング1個で支えてある。多少ふらふらするような気もするが、フライホイールのジャイロ効果で抑え込まれ、ほとんど問題ないそうだ。チェインからの音がわずかにあるが、殆ど無音と言っても良い。
 衝突時にどうなるかはよく分からないが、普通の運転では全く問題ないそうである。今後の報告を待ちたい。 

 大きさを考えると、その慣性の大きさには驚く。HOではできないと言っていた人が居るらしいが、訂正せざるを得ないだろう。
 チェインの使い方には驚く。巧妙な方法である。片方のフライホィールは邪魔になるところを逃げているので、円筒形ではない部分がある。

 素晴らしい試みであるから、HOの皆さんもさらなる挑戦をして戴きたい。

<追記> 新たな動画が発表された。  

2025年07月12日

続 panel side gondola を修復する

 この側板の膨らみはどういうわけか斜めになっている部分が上である。キットを組んだ人は、砂利などを積むなら下側が斜面の方が落ちやすくて良いように思ったのだろう。
 しかし今回の修理で、バラしたものを筆者もうっかり上下逆に付けそうになった。要するに間違った方がより自然に見えるというわけだ。

 この種の貨車は、側板が金属でないと掴んだ瞬間に壊れる場合がある。側板に剛性が無いからである。自重を支えきれないからだ。この種の木製中古貨車を手に入れた時は、下記の補強が不可欠だ。

corner metal parts 補強にアングルにリヴェットを打ったものをエポキシ接着剤で貼り付けた。バリを取って正確に貼り付けたので、実に丈夫になった。このアングルは加工硬化しているからだ。この種の補修には不可欠のものである。

 角にはコーナ補強板を貼った。この部品があるだけで、実感的になる。各種リブや補剛材の欠落部分を補い、割れた部分には光硬化パテを押し込んで、一応の修復が完了したので黒く塗った。連結器は珍しい Model Diecasting の自動解放可能なものであったが、調子は良くない。

MoPac panel side gon painted 貨車なのでツルツルピカピカにする必要はなく、この程度のボテボテさがちょうど良い。光の角度で、木製であることが良くわかる。ディカールはヘラルドしか見つからなかった。完成まで時間が掛かると覚悟した。

2025年07月10日

panel side の gondola を修復する 

SunCoast Model 50年以上前、Walthersのカタログを眺めていた。このキットが欲しかったが製造元も品切れで、西部の田舎町では手に入りそうもなかった。

 普通のゴンドラ(無蓋車)は側面が平板で、リブが付けてある。砂利などを積む時の容量を稼ぐためにその panel(側板)をプレスで外に膨らませた。こうすると加工硬化でより丈夫になるのも利点の一つだ。
 しかしこの模型は木製品だから、その膨らみの断面の板を貼り付けても内側は平面のままであって妙なものではある。積荷で隠す以外ない。あるいは金属板を本当にプレスで押し出して、内側が凹んでいるのを見せねばならない。最近はHOのプラ製品が出ているようだが、内側は凹んでいない。

pressed side gondola その後、組んだものをジャンク市で入手したが、その間違いを直すために15年以上かかってしまった。

Car Cyc.51Mopac panel side gon 実物の写真を探し出した。Car Cyclopedia 1949-51にあった。膨らんでいる部分の位置がこの模型よりも少し高いような気もするが、仕方が無い。

 この模型は組まれたのを安く買ったのは良いが、側板の上下が反転していた。あまり優秀でない接着剤で付いていたので、引き剥がして付け替えるのは簡単だと思った。ところが、うっかり1/4くらいのところで側板を割ってしまったのだ。そのまま放置してあったが、今回一念発起して修復を開始した。


2025年07月08日

続 タンク車を組む

Lionel tank on brass frameLionel and brass frame 一方、ダイキャストのタンクの方はブラスで新製した台枠に付けることにすれば軽くなる。これは簡単な工作である。背骨には太いチャネルを使って、衝突に耐えるようにした。
 ダイキャストの下廻りには、Made in the United States of America 1950と陽刻してあった。このころのダイキャストは割れることはない。アメリカ製でも戦前のものには駄目なものがある。

6-dome and 3-dome 他には懸案の 6-dome の硫黄用がある。殆ど出来ているので、これも同時に仕上げている。ドームは3Dの師に作って貰った。直射日光に当たったわけではないが、色が変わって来たので早く塗ってしまいたい。

 硫黄は密度が大きくはないから、容積が大きい。水蒸気を注入して120 ℃ほどにすれば融けて簡単に取り出せる。作業用のステップの位置を迷っていたが、高いほど作業が楽そうである。ディカールはなかなか決まらないが、タイヤの Firestone にする予定である。
  
 もう1輌は過酸化水素用のアルミニウム製タンク車である。これは簡単にできたが、軽過ぎた。錘を入れるのは台枠に取り付けるアンカー部分の箱状部分にしようと思う。Du Pont のロゴのディカールは見つかったが、その他はどうするか悩んでいる。


2025年07月06日

タンク車を組む

Tankers (1) 仕掛り品の 40-ft 型(8000ガロン程度)タンク車が4輌あった。日本製のブラス2輌、鉄板製の1輌とダイキャスト製だ。最後は古いライオネルでタンク本体のエンド部分だけがプラスティックであり、その他の部分は一体のダイキャストである。内部を三方から押している型で、非常に良く出来ている。鋳物の割れは発生していない。なかなか良い。

Tankers (2) しかし台車キングピンの位置は良くない。おそらく連結開放装置を付けるためにずらしたものと推測する。
 一方、鉄板製はボロボロに錆びている。撮影時には、仮にブラス製の台枠に載せた。

Steel and Brass 左の鉄板製は薄くて ( t 0.25 ) とても軽いので、そのタンクボディに重いダイキャストの下廻りを付けてはどうかと思いついた。しかし載せてみると形が良くない。
 この1950年頃の日本製は図面もなく、雑誌の写真だけで作っていたそうだ。台枠の構造がおかしいので、それは直ちに捨てた。タンクだけを使うつもりだったが、やはり細過ぎる。結局、これも廃棄した。かなり手間を掛けたが、直せないし、どんどん錆びて穴が開きそうだ。
 仕方が無いから、t 0.4のブラス板を丸めて作る。簡単だ。エンドはプレスではなく、挽物を作るつもりだったが、3Dプリント製にする。クラブの友人が助けてくれると言う。初めての試みで、楽しみだ。リヴェットはディカールを貼るつもりだ。


2025年07月04日

Revell の gas truck

Revell gas truck 1955gas truck (1) このセミトレーラ・トラックは1/48 サイズである。神戸の集会に持って行った。興味深く見てくれた人が居たのは嬉しい。この縮尺の自動車模型は種類が少ないので、アメリカのたいていのOゲージャは持っているのだ。
 しばらく前にテキサスのデニスがお土産にくれたものだ。消火器は銀色であり、箱絵はあまり正しくない。

 これは1955年にRevell 社が売り出した製品だ。当時日本ではまだプラスティック・キットが無かったころである。これは古いものではあるが面白い設計がされていて驚いた。

gas truck (2) キャブが前に傾くようにできている。その軸はこの曲がった部品である。曲げてあるから、横にぐいと押すと、多少しなって穴にはまる。実にうまい工夫で、こんな弱いポリスチレンであっても割れたりはしない。

tortion bars 裏を見るとトレーラのサスペンションが重ね板バネでないことに気が付く。なんとトーション・バーである。このリンクの9番目に絵がある。こんな重いものでも支えられたのであろうか。Fruehauf(日本ではフルハーフと言うが、米語での発音はフルゥホウフに近い。)の設計である。ショックアブソーバがあるが、どうなっているのか、もう少し詳しく知りたいものだ。


 筆者はトーション・バーには良い思い出が無い。1960年頃父が買ったトヨペット・コロナ(2代目)の前輪のサスペンションがこれであった。父は「スペースの要らない方法で賢い」と褒めていたが、一月も経たないうちに右が折れて、みじめな姿で帰って来た。
 トヨタ自動車の友人に電話を掛け、怒っていた。ショット・ピーニングの不良だそうで、他にも複数の事故があったそうだ。トヨタはそれに懲りたのか、その後トーション・バ―を採用した車は出していないようだ。 

2025年07月02日

boxcar を完成させる

Lobaugh roofs ブラス製の仕掛かり品の入った箱をすべて出して眺めた。boxcarの箱には半完成品が2輌あった。部品箱から必要なものを拾い出して並べるとすぐ出来そうだ。ディカールは各鉄道の物がたくさんある。  

50-ft roof 面白いのはLobaughの屋根板である。良く出来ている。AとC を合わせると40-ftの貨車用で、間にスペーサの B を挟むと50-ft用になる。重なる部分はヤスリで少し削って薄くすると目立たない。押さえ込んでハンダ付けすると、継ぎ目があることが分からない。

Coca-Cola このATSFの側板はブリキ製で、再生品である。裏にはCoca-Colaの印刷がある。アメリカ製の物で再生材料が使ってあるものは稀で、Athearnの1940年代の物しかない。

 表面の塗装が傷むのを覚悟するなら、裏にアングルをハンダ付けすればよい。塗装を温存したければ、裏の塗料を丁寧に剥がしてエポキシ接着剤でアングルを貼ることになる。あとは頭を使えば、ネジ留めで組めるだろう。

 屋根は細かく出来たプラスティック製もあるが、金属製には敵わない。ドアはプレスしたものもあるが、鉛合金の鋳造品もなかなか良い。ウェイト代わりに貼っておくという手もある。

 側面はアングルを貼って剛性を持たせ、床板をネジ留めする。既製品は、塗装時にバラすとどれでも合ってしまうから、後で苦労する。この時の穴の位置はランダムにすると、特定の組み合わせしか組めなくなるから具合が良い。いわゆる fool proof である。
 妻板はどこの製品か不明のものがたくさんあるので、ごく適当に付ける。ドアは鉛合金の鋳造品があるのでそれを貼り付ければ出来上がりだ。
 問題点は扉のレイルである。ハンダ付けすれば大丈夫だが、接着では取れてしまう。

 一番苦労するのはラニングボードだ。鋼製でない時代の物は木製である。これは意外と厚い。1インチ(25.4 mm)以上ある。薄ければ貫通して割れてしまうからだろう。Tom Harvey の話によると、鋼製スパイクの付いた靴があって、それで凍った板の上を歩いて行ったそうである。だからこそ木の板でなければならなかったのだ。そんな危険なことをいつまでやっていたのかは知らないが、凄い話ではある。

追記 Coca-Cola の写真を追加掲載した。

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