2025年06月
2025年06月12日
carbon black hopper

スクラッチ・ビルトかと思ったのだが、Weaver の 34ft covered hopper を切継いで40ftにしてあった。良く出来ている。
側面はいわゆる slabside である。普通のホッパは骨が外に出ているか、内側にあってリヴェットが見えているものが多い。これは全熔接で骨を内側に入れた構造で、文字通り slab(板)状である。
Canadian National はこの種のカーボンブラック専用のホッパ車をたくさん持っているようだ。
これも太い掴み棒を細くして塗装した。ハシゴはあまり気にならなかったので取り替えなかった。
ACIのlabelが貼ってある。これは1970年代のもので当時は海上コンテナにも貼ってあり、日本にもたくさん来ていた。しかし光学読取りというのは汚れには弱く、すぐに廃止されてしまい、その後は電波方式になった。
下のホッパ部分は木材を切出して作られて目止めしてある。素晴らしい仕上がりだ。途中の長さを伸ばした部分も木製の芯にプラスティック板を貼ったようだ。剛性感があり、安心できる。
掴み棒が細いと十分実感が出る。
2025年06月10日
epoxy casting による貨車


これらは25年ほど前、カリフォルニアのSam から買ったものだ。サムは退職後自宅でカツミ製の貨車を測定し、原型を作った。シリコーン・ゴムで型取りをし、それにエポキシを注型してこの種の貨車を作っていた。始めは無蓋車であった。 大した数は作っていない。せいぜい50輌くらいだろう。
最初は e-bayを通して買い、それらはすぐ完成させた。他にはないかと聞くとカヴァド・ホッパを作ったという。送ってくれると言うのだが、たまたま San Jose で O scale の集まりがあって講演に行くからと伝えると、出店するから会おうと言う。
とても誠実な人で、奥さんのジュディも一生懸命手伝っていた。材質についてのアドヴァイスもすぐに取り入れてくれ、長く付き合えると思っていたが、間もなく亡くなってしまった。
下廻りとの寸法の食違いがあり、定盤の上で測定して削るべきところは削った。全プラスティック製は壊れやすいので、ブラス製アングルを貼り付けている。細かいものは全てブラスで作り直した。このエポキシ樹脂には filler が入っているのでそう簡単には壊れない。
どういうわけか、この2輌が20年以上未完のままだったので、一気に完成させることにした。ちょうど良いディカールがあったというのが、その大きな要素である。
2025年06月08日
続 safety placards



その他、用途別に貼って行ったが、石油運搬用にはあと20輌分必要である。それらは、Texaco のタンク車が大半である。
2025年06月06日
safety placards
ディカールの整理をしていたら、タンク車に取り付けられているsafety placards という小さな菱形ディカ―ルのセットがかなりの量、出て来た。
タンク車は数十輌ある。その中でこれが貼ってあるのは数輌しかなかった。積荷は石油系のものが大半だが、硫酸、塩素、水酸化ナトリウム水溶液、硫黄、その他極めて危ないものがいくつかある。
その種の危険物をまず選り分けて、該当するものを貼っていくことにした。このディカールは水に沈めるだけで菱形が浮き上がるので、貼るのは楽である。これをいちいち切り離していたら、どうかなりそうだ。
これは塩素である。タンクのジャケットにそう書いてあるので、そのように貼らざるを得ない。このコード番号は一覧表を探して確かめてある。
これは今ではほとんど製造されなくなった4エチル鉛というアンチノック剤専用のタンク車である。今は航空ガソリン用だけに使用される極めて危険な毒物である。これを一般貨車に混ぜて輸送していたというのも、今となっては驚くばかりである。
これは石油ガスである。密度が小さいので大きなタンクである。近代型であって、当鉄道では少数派である。
問題はワイン運搬用車である。これは運用していた当時の写真を見ても何もプラカードが入っていない。専用列車なので問題が無かったのかもしれない。
タンク車は数十輌ある。その中でこれが貼ってあるのは数輌しかなかった。積荷は石油系のものが大半だが、硫酸、塩素、水酸化ナトリウム水溶液、硫黄、その他極めて危ないものがいくつかある。
その種の危険物をまず選り分けて、該当するものを貼っていくことにした。このディカールは水に沈めるだけで菱形が浮き上がるので、貼るのは楽である。これをいちいち切り離していたら、どうかなりそうだ。



問題はワイン運搬用車である。これは運用していた当時の写真を見ても何もプラカードが入っていない。専用列車なので問題が無かったのかもしれない。
2025年06月04日
プラスティック製貨車の改番

この貨車は先回採り上げた Weaver のカヴァド・ホッパだ。大きな数字で UP78698 と印刷されている。もう1輌同じ番号があるのでなんとかしたかった。同じ大きさのディカールがあったのだが、残念ながらそれは赤文字であった。
下地の薄いグレィは意外と硬い塗料なので、鋭い刃物で軽く撫でると黒文字だけ剥がせる。そうしておいて黒の塗料を細い筆で補えば行けそうな気がする。 ”8”の中を削って上の方を少し足せば ”0” になる筈である。



いずれすべてのプラスティック製品を作り替えることになるような気がしてきた。そういう意味でもこの種の貨車の数は減らしておきたい。
2025年06月02日
ore car の手直し

「台車のキングピン位置が間違っているから気分が悪い。」と友人に言うと、「僕は気にならないけど、どうしてそんなに気になるのか?」と彼に逆に聞かれた。
筆者の父親は技術者で、この種の構造物を見た瞬間に何かを感じる人だった。そしてその感想は、2つの内のどちらかだった。
「この設計は正しい。」
「これは間違っている。すぐ壊れる。」
実際に長持ちするものは正しい設計で、壊れたものは金属が疲労していたものが多い。
そういう人に育てられてしまうと、無意識にそれを考えるようになってしまった。だから、以前述べたようにトラス構造が間違っていると、気持ちが悪くてしょうがなかった。気付かずにいたならば、もう少し楽しく人生を送れたに違いない。

プラ製のはどうしようもないので床板を外して切り刻んで、新たに作ったブラス製床板に接着した。連結器付近は上廻りに付いているので、外して切り詰めて床板に貼り付けた。大きな隙間は光硬化パテで埋めて塗装したら継ぎ目は分からなくなった。
これで荷重が直接台車に掛かる正しい設計となり、精神衛生上とても良くなった。