2024年11月

2024年11月30日

cab interior

UP 2-8-0 painted and lettered この機関車を KKC 集会に持って行った。何かアピールすることを書かねばならないので、「窓が開いているのが好きです」とだけ書いておいた。(写真はnortherns484氏撮影)
  
 窓からも後ろからもキャブ内は丸見えであるから、ごく簡単にbackhead(火室後部)を作っておいた。
 
backhead この機関車は小型機ではあるが、装備は大型機のものを流用している。特に注目すべきは water columnである。普通の水面計ではなく、より高性能な太いものを用いているのだ。 
 正確な水位が分かるのは良いが、これがあると室内はさぞかし暑かっただろうと思う。普通型の水面計に比べ表面積が10倍以上もありそうだ。そこが約 200 ℃である。 
 オイル焚きであるから、火室扉はそのタイプにした。メータ類は文字も針もなく、白いだけであるが、誰もそれには気付かない。ハンドル類は例によって赤く塗った。機関士は Weston製があったのでそれを乗務させた。たくさんあったのにもう残り少ない。 

UP 2-8-0 on spurUP 2-8-0 窓枠はビリジアンを塗った。この色は当鉄道では2輌目である。UPでは採用例が比較的多い。偶然にもアメリカの森林鉄道の機関車を持っていらしたLittle Yoshi 氏の機関車にも同じ色が塗ってあった。  

2024年11月28日

続 coach passengers

UP coach passengers (9) 先日のKKCの会合では、会員の見せている各ブースを、今野氏が案内して、説明を聞く時間を設けてくれている。これは良い方法で、ほとんどの人の言いたいことを互いに知らせ合うことが出来る。

coach passengers 順繰りに廻って来てくれた30人程度の会員集団に、
「何の変哲もない客車ですが、まあ見ててください。」とパカッと音を立てて、側面を開いて見せた。その瞬間に「オオッ」とか「ワァッ」という歓声が一斉に上がったのには、こちらが驚いた。
「まさかの部分が開いたし、閉めると全く隙間がなくなって、開いた痕跡もないのは凄い。」という声を戴いた。「照明等の電装も簡単になるから素晴らしい方法だ。」と言う。今野氏は、「dda40xさんは、こういう遊びもしているのですよ。」と結んだ。

 この方法を平岡氏に事前にお見せした時に、「これはうまい方法だ。」と褒めて戴いたのは嬉しかった。普通は屋根が取れる。それが外れないように留めるのはなかなか大変で面倒であることを指摘された。
「反対側の側面を強力に接着して強度部材としています。」と申し上げると「正しい方法です。5面が剛性を持っていれば強度は十分ですから。」とのことであった。

 窓ガラスにデロデロ感があるのは面白いとみなさんがおっしゃる。当時の板ガラスの製法も披露したので余計に興味が湧いたようだ。コンビニで弁当容器の透明部分を吟味して買う、という話をすると大笑いだ。

UP coach passengers (7)UP coach passengers (1) 人形には丁寧に色を塗っていない。既に塗装が剥げているものもある。どうせデロデロのガラスで良く見えない筈とは言っているものの、実際には側板を外して中を見せているのだから、困ったものだ。この写真は側板を外して手前に持ってきて撮影している。中はこの程度のボケ方で見える。

 磁石のサイズと個数を調べていた人がいたのは、さすがだ。この方法が成功したのは、アメリカでは側板をブリキ板で作る方法が当時の主流だったからだ。その板の腰の強さの効果は無視できない。

 トイレの便器の模型を売っていることに驚いた人がいる。鉛合金製である。洗面台もある。洗面台は角に付けるタイプと壁に付けるタイプの二種がある。鏡は額縁が唐草模様になっていて、鏡そのものはガラスではなく、鏡面の金属板である。
 消火器の色は赤いのではないか、という質問があったが、アメリカでは銀色である。 
  
 この側面が開く方法は、いろいろな点で便利であるのでお薦めしたい。照明の電線を切り離し可能にする必要が無いのが良いという御意見も戴いている。 

 台車は新規製造の3Dプリントだ。バネは別部品の金属製をはめてある。全くのダミィだが、台車自体が柔軟に捻られるので、脱線しにくい。

2024年11月26日

coach passengers

UP coach passengers (4) コウチに乗客を乗せた。庶民の人形だ。姿勢を整え、彩色した。どうやら縮尺は1/43,1/48,1/50の三種があるような気がする。大きなものはプロレスラのような感じだ。長過ぎる脚は縮め、広い肩や尻を削って無理やり座らせたのもある。
 それほど細かく塗らなくても窓ガラスがクリアでないので、良く見えないからこの程度で良い筈だった。

UP coach passengers (6) 通路に立っている人も必要である。洗面所、トイレには人が居た方が良い。側板が外れる方は丸見えであるから、便器、洗面器、鏡、トイレットペーパ(toilet roll holder が正しい名称だろう)も付けた。床板には磁石が見える


UP coach passengers (5) 紙は少し黄色くした。聞いた話によると、アメリカでトイレットぺーパが白くなったのは1950年代だそうだ。それまでは、今でいう茶封筒のような色をしていた。 
 1970年代でもアメリカの公衆トイレの紙には色があったのを覚えている。米軍基地のトイレで見たことがあるという人も居る。(今回、インターネットで探すと、当時の現物を持っている人が写真を UPしていたので紹介した。これらを見ると当時のことを思い出す。)

 便器は白く、座板は茶系統の色だ。 便座に座っている人を作るつもりだったがやめた。
 便器の中には何もない。中身の写真を発表するような人も居るようだが、筆者はそういうことはしない。

2024年11月24日

続々 UP GP9

hand stanchions 長い手摺は金属製である。プラスティックの射出成型品が弱いので、それをブラスで作り直すつもりで手順を考え、覚悟を決めていたが、思わぬ形で解決した。現在はAtlas 社が組んで売っているので、そのメンテナンス・パーツが手に入ることが分かったのだ。高いものではなかった。stanchion(縦の柱の部分)は鋼板をプレス成型してある。とにかくブラスに比べて堅いので有難い。針金部分の剛性は素晴らしいものだ。ブラス製では絶対になしえない剛性がある。
 現在の Atlas 社製は、ダイキャスト製の台枠である。プラスティックの車体と位置は合っているが、下側の孔を拡げておく必要がある。
 スタンションのピンの太さを測定して拡げたが、塗装したら入りにくくなった。塗膜を外して接着するとスーパーXは素晴らしい強度を発揮する。

 窓ガラスを嵌め、マーカライトなども透明部品を付ける。これがなかなか大変な仕事だ。この車体を購入してから早くも15年も経ってしまった。
 走行は楽しめる。ヤードから25輌の貨車(約10 kg)を牽き出し、1.9%の坂を登る。ぎりぎりであるが、それが楽しい。もう一輌作って固定連結で重入換機として活用することになっている。

Lithium Batteries 電池がリチウムイオン電池で、直列充電ができないのが今のところ唯一の難点である。12 V 近辺で直列充電ができる電池を探している。もう一台の機関車の中に入れて、駐泊所の線路間に突き出した接点から充電したいのだ。ラジコン用の12 V Ni−MHがあるが、これはどの程度信頼性があるのだろう。直列充電で偏りが出ないのだろうか。大きさは入りそうだ。この機関車と組む補助機関車は、受信機が無いのでボディ・シェルの中は空いている。幅が 25 mm、高さが45mm 長さが150 mm以下なら問題ない。
 リチウムイオン電池3本であると、各電池の電圧を個別に測りながら充電しないと危険であろう。端子を4本にする回路も考えているが、もっと楽で確実な方法を探している。
 端子を増やすには線路の間以外にも給砂装置のホース状のものを活用するという手がある。奥まった所なら、ストラクチュアの壁から突き出させるのでも良い。もちろん普段は隠れていて、所定の位置に停車すると伸びて接触する構造にするわけだ。
 とにかく、発火することが無いように最深の注意を払いたい。 

2024年11月22日

続 UP GP9

 この赤のストライプを貼るのは、UPのディーゼル電気機関車の塗装で、最も気が滅入る作業であった。灰色部分に貼ると地の色が暗いので、赤く見えない。2枚重ねても感心しない。仕方が無いので下地を銀色に塗り分けてから赤のストライプを貼ってみたが、そんな手間を掛けるのなら、マスキングして赤を塗り分けるべきである。以前はそうしていたが、大変な手間が掛かるし、見栄えがするかというとそうでもない。赤い部分は彩度を高くして目立たせねば、本物のように見えないのだ。とにかくこの作業は嫌で、あまりしたくなかった。

Nicro Scale Decal 今回は Champion Decal ではなく Microscaleのストライプであった。大量にあったので少しでも使おうと封を切った。はさみで細く切り、片方の端をぎりぎりまで切り落として、デッキ端に合わせて貼り易くした。
 水に浸けて貼り始めたところ、その美しさに仰天した。赤が鮮やかなのである。下の灰色に引っ張られず、正しい赤が出ている。
ディカール膜の裏を見ると白い。ということは、白を先に印刷してから、赤をその上に印刷したのだ。これには参った。

UP GP9 素晴らしい仕上がりである。実はこのMicro Scale Decalは10年も前に買ったのだ。そしてその間にも、出来の悪い Champ Decal をいやいや使っていたわけだ。新しいものを使ってみなかった自分自身に腹が立った。とりあえず、Champ の赤ストライプの残部はかなりあったが、ゴミ箱に叩き込んだ。

 貼った状態はコントラストが良く、実物が使っている3MのScotchlite のテープのような感じがする。実物は夜間に車のヘッドライトなどをよく反射して、視認性が素晴らしいものなのだ。

 急にUPのディーゼル機関車を沢山塗りたくなってきた。

2024年11月20日

UP GP9

UP GP9’s  プラスティック製の機関車は、当鉄道では極めてまれである。A氏にDead Railの機関車をDCC化して戴いた時に、金属製機関車では電波の通りが悪いかも知れないと、プラスティック製の外装をかぶせたのだ。
 この機関車は Red Caboose から売り出された大変な細密キットで、まともには組めない。すべてのハンドレイルがプラスティック製で、それを小さな穴に嵌めなければならない。大方の人は折ってしまうだろうし、持った時に簡単に壊れる。要するに、ソリッドモデルとしては非常に優秀だが、走らせる模型としては不合格だというわけだ。

 金属製のグラブアイアン(握り型のハシゴ)を差し込む構造に作り変えねばならない。大変な手間で参った。もう二度と作るまい。この型は Atlas 社に売り渡されたようで、現在は中国で組んで塗装している。   
 長いハンドレイルは壊れる。大きな模型は壊れ易いのだ。 長いハンドレイルはたまたまAtlas社の補修用として販売している金属製を手に入れることが出来たので有難かった。材料は鋼材である。磁石に付くのだ。とても堅くて具合が良い。

 塗装は、ディカールを大量に持っているUPの黄色にする。プラスティック用のプライマを掛け、黄色を先に塗る。次いで灰色を塗って、ディカールを貼り始めた。この赤のストライプが曲者で、今までは発色が悪かったのだ。
 この作例では素晴らしいコントラストを示している。なぜだろうか?

2024年11月18日

続 UP2-8-0

 蒸気機関車の塗装は気楽で楽しい。ディーゼル機関車や客車などと比べるとかなり大まかである。
 バラして順に塗るのだが、塗り分けの境目をどうするかだけは手順をよく考えねばならない。
 
up2-8-0 painting in progress 今回は煙室、火室はグラファイト色に塗った。室内は天井と壁を緑で塗った。床は黒である。火室後部は外せるようにして別に塗る。各種ハンドルも筆で赤く塗った。カドミウム・レッドである。この写真では煙室とキャブ内をマスキングしている。煙室は普通のマスキングだが、キャブ内にはスポンジを詰め込み、窓枠の内面に当てている。こうすればキャブ内には吹き込まない。

UP 2-8-0 (3)UP 2-8-0 (5) こうして塗った状態がこれである。フロクイルなので、塗ってから1週間は塗膜が軟らかい。

UP 2-8-0 (4) 机の上で寝かせるときは必ずこのようにクッションを敷く必要がある。窓枠は別の色で筆塗りするので気にすることもない。 

2024年11月16日

UP 2-8-0

 この機種はC57と呼ばれることが多いが、様々なヴァリエイションがある。この模型がどの形式をプロトタイプとしているのかは不明だが、Max Gray はカリフォルニアの会社だったから、西海岸のどこかにあったものを参考にしていた筈だ。

916-Victorian-Railways-Aus-Vauclain-Compound-2-8-0-No.V499 弁装置も各種ある。ボールドウィンで作られたものの中には、Vauclain Compound もあった。ヴォークレイン複式は往復動慣性質量が大きく、高速では走れなかった。アイデア倒れで、多少効率が良くても、使いにくいものであったらしい。メンテナンス・コストも大きかったので、後に大半が標準型に改造されている。 
 この絵はこのサイトからお借りしている。これはオーストラリアに輸出されたもののようだが、いかにもアメリカ的なデザインである。 

 さて、筆者の模型のことであるが、キャブ前方のドアは開放とした。すなわち夏仕様である。窓枠は緑にした。この種の小さな機関車は相対的にキャブが大きいので、中を覗き込まれてしまう。すなわち、「室内は室外である」わけで、ある程度は作っておかねばならない。火室後部は丸見えであるから、先回の Rawlins で撮った写真を基にまとめた。正確ではないが、それらしく見えるようにしただけである。

 ウェザリングは最少にして、やや艶のある状態を楽しむことにした。 

2024年11月14日

D型機

UP 2-8-0 (1)UP 2-8-0 (2) この17日に綿商会館で開かれる KKC 集会の今年のお題は「D型機」であった。たくさんあるのでどれでも良いのだが、いつも 4-8-4 ばかり持って行くのは気が退けた。せっかくだから新作を持って行こうと思い、塗ってないものを探した。
 
 Lobaugh の下廻りを利用したミカドを完成させたいが、やや時間が足らない。スクラッチから作っているマウンテンは ヴァルヴ・ギヤをヤング式にしているが、これも間に合いそうもない。そうなると 30時間で出来るものは 2-8-0 しかなかった。

 綿商会館は来年には取り壊されるようなので、そこでは今年が最後になるとのことだったが、来年は取り壊し前の9月に行うとの発表があった。

UP6053UP355 UP には各種の 2-8-0 がある。製造所はいくつかある。また製造年は非常に長期に亘っている。使用期間が長いので、ほとんどが改造で原型からはかなり離れたところにある。支線ではその線区に合わせて特色ある改造が施されている。

 筆者としては細いヴァンダビルト・テンダの機種が好きである。石炭焚きでも、箱型テンダは好きではない。右の写真はテンダを太いものと振り替えている。これは 2-10-2 用のテンダのように見える。

 この模型は30年以上前に入手したもので、動力改良を施してある。Tom Harveyの家の近くの公園で実物と対面した。小さいが、バランスの取れた機関車である。
 製造はKTMだが、祖父江製作所ではない。この種のストレイト・ボイラのものは祖父江氏のところに注文が行かなかったようだ。内側を覗くと、ハンダ付けのプラクティスはかなり違う。ハンダが完全に廻っていない。

 引越しを何度か経験しているので、あちこち壊れていて、部品がかなり無くなっている。塗装済みのものは丁寧に梱包するが、未塗装のものは、つい荒っぽく扱ってしまったようだ。ハンダ付けが完全でなかったのが大きな原因だろう。
 ジャンク箱を探してそれらしきヘッドライトその他を探し、手摺を付けた。あちこちのハンダ付けもかなり緩んでいたので、炭素棒で完全に付け直した。力のかかるところは銀ハンダで付けた。もう壊れることはないだろう。

 よく水洗し、乾燥させた。Canonのモータの外側がかなり錆びていたので削った。再塗装する。
 この機関車は黒塗装だから簡単だが、メリハリのあるものにしたい。現役時の、ある程度艶ありの状態にするつもりだ。 

2024年11月12日

続 Lehigh Valley の電車

power truck この台車を見て欲しい。実に不思議な構成で、しばし頭が混乱した。モータ軸の位置を黄色矢印で示した。車軸の向こう側が、界磁のコイルであって、車軸は界磁と電機子との間を通っているわけだ。こうしてモータを台車内に収めて、左のギヤボックスで回転を落としている。
 手前のくにゃりと曲がった針金はトルクアームだ。要するにモータ部が反トルクで回転するのを、これで持ちこたえているのだ。ここだけはひどい作りだ。

 おそらく1960年代の製品である。この作者はモータを自分で製造しているのであるから、1000個ほど作っているはずだ。ここまでであれば腑に落ちる話なのだが、スプリング・ベルトがある。これはいったい何が目的なのだろう。車輪の外側にあるのは初めて見た。

 スプリング・ベルトを使う人は多い。たぶん価値があると思っているわけだが、実際にはほとんど意味がない。時間がある方は牽引力が増えるのか減るのかを電流を調べながら行うと良いだろう。
 ここでは、そのスプリング・ベルトのプーリィが小さいからトルクは引張力は大きくなり、ベルトはよく伸びる。その際の損失は膨大だ。
 それが両側にある。これは効果があると考えたのだろうか。結果は極めて怪しい。損失はますます大きくなるに違いない。

 1輌で走る電車であれば、1軸伝動で何ら問題ない。多少の勾配であっても引っ掛からない。持ち主の KT氏には、まずベルトを外してみて、調子が良くなるのを確認してくださいとお伝えした。
 その次は簡単な吊り掛け駆動に改装すれば、極めて快調になるはずと助言した。  

2024年11月10日

Lehigh Valley の電車

 Lehigh Valleyとはどこのことだろうと迷う人は多い。ニューヨークの西の方約80 km、Pensylvania州の東部にある地方で、工業都市がたくさんある。アメリカの重工業基盤を作った地域だ。Valleyとは言うが、峡谷ではない。アパラシア山脈中(老年期山脈)にあるがかなり広い平地がある。
 Allentown, Bethlehem, Eastonなどの工業都市が並んでいる。それらを結ぶ電車があった。現在は工業都市群ではなくなったが、ペンシルヴェイニア州の文化の中心地のひとつである。

Lehigh Valley (2)Lehigh Valley (1) 先日の会合でこの電車をKT氏から見せてもらった。アメリカの職人が作った物で、貴重な品である。車体はブラス製で車内まで細かく出来ている。艶のある硬い塗膜が施されている。全体のバランスも良い。後述するが、駆動装置が独特だ。
 作者の名前はよく分からないが、その業界では名を成した人らしい。
 アメリカの職人には腕の良い人も居るので、それに当たれば幸運である。ただ、その確率は極めて低い。

 筆者は蒸気機関車を作った達人はかなりの数を知っているが、電車はほとんど知らないので、今回の電車を見てかなり驚いた。 

2024年11月08日

dining car interior

8c380891 食堂車の内装は手間が掛かる、とアメリカの達人から聞いている。取り付けるものが多いのだ。

 テイブル、椅子、食器、料理、カトラリィ、カーテン、花、照明、乗客、ウェイトレス、ウェイター、コック、厨房設備、食品材料、飲物等を揃えねばならない。普通の客車の5倍以上の苦労があるそうだ。
 また、食堂車の照明は他より少し明るくし、内部の色の彩度を上げるのがコツだそうだ。そうでないと、中がよく分からないのだそうだ。他の車輌はともかく、食堂車は目立つようにするべきだという意見だった。

 Danに習ったコツを披露すると、壁の高さは同じなので、適当な材料で一定の高さのものを大量に作っておく。それを切って,曲げて作ると早いそうだ。筆者は薄いアルミ板( t 0.6)を用いる。軽く、ある程度の腰があるので成型が楽である。丸い壁も容易にできる。塗装したものを床にスーパーXで取り付ける。そう簡単に壊れるものではない。  

 個室になっている部分は全てを作る必要はない。ブラインドを下ろしておき、一部を作る。走るのを見るだけなのだから、細部には拘る必要がない。

2024年11月06日

dining car

West_Side_Diner_Providence_RI 食堂車のことを diner ダイナと呼ぶことも多い。しかし、アメリカの日常会話では、ダイナという言葉は街角にある軽食堂を指す時代になった。


Summit_diner_1024x658 これは、廃車になった食堂車の台車を外したものを地面に置いて軽食堂を始めたことから始まった。小さなものが多かったので、客が増えると収容できなくなった。側壁を切り取って幅を広げたが、全体を新たに建て直す場合が多くなった。そのうちに食堂車の雰囲気を残す食堂をダイナと呼ぶようになったのだ。現在はずいぶんと巨大になり、客車数台分ほどの面積を持つものが多い。正統派のダイナはもうほとんど残っていないだろう。筆者は数箇所行ったことがあるが、すでに無くなっている。
  
 最近のアメリカでは鉄道旅行をする人が極端に少ないので、数少ない Amtrak の食堂車にはもの珍しさで来る人が多いようだ。
 すでに日本では、極めて高価なパッケージ旅行でしか食堂車は利用できないそうである。東海道山陽新幹線に食堂車が付いていたころが懐かしい。出張時に飛行機が取れない時は、かなりの頻度で利用していた。隣に相撲取りが座ってしまい、狭い思いをしたこともあった。

 アメリカの食堂車は3回くらいしか利用していない。Amtrakだからあまり雰囲気が良くなかった。昔の本物の時代の食堂車を利用して見たかった。その当時は黄色人種は入れてもらえたかどうかは分からないが。
 当時の映画を見て、その雰囲気を味わう程度だ。当時のテイブルクロスは手に入れた。皿も少しはある。レシピ集の本も手に入れたので、挑戦してみたこともある 。

 自宅を建てた時、台所をdining car のkitchenと同じ形にするつもりだったが、諸般の事情で実現できなかった。この映画は撮影所のセットで撮っているようだが、長い時間、場面が見られる。

 模型化に当たっての問題は、食卓の上にあるものをどうやって用意するかだ。もちろんお客さんもかなり用意せねばならない。

UP diner (2)UP diner このキットも Walthers の製品だ。少し手を加えてUP風にしてある。内装はある程度分かっているので、それに近付けたい。 

2024年11月04日

またまた solarium

solarium  当鉄道には solarium は3輌ある。UPが2輌とAlton Limited のが1輌である。UPの塗色は緑と2-tone gray と違えてある。

 「よほど solarium が好きなんだね。」と友人は言う。そうかもしれない。日本にはない車輌である。興味を持ったのは椙山 満氏の影響が大きい。

solarium interior (2)Walthers solarium interior plan 日光浴室部分の窓が2枚のと3枚のがある。窓が大きいので内装を省くわけにはいかない。ここの窓は磨きガラスである。各種の車輌の写真を眺めて、どれにしようかと悩む。椅子のデザインもいろいろあり、迷う。これはAlton Limited用である。
 椅子を並べてみて、構想を練る。いろいろな家具を作らねばならないが、便器だけは売るほどある。 

 立派な厨房が付いて、大きなダイニング・テーブルを装備したタイプが好きである。屋根上には排気口がいくつもついている。ローストビーフを作るための大きなグリルが装備されているのだ。贅沢に貸切りで行くのであろう。日光浴室側は飲み物を用意するビュフェもある。そこには大きな冷蔵庫があり、屋根上のハッチから氷を入れるようになっている。
 ソファは1人用が多い。リクラインするものが欲しい。脚乗せが付いているものが良い。作らざるを得ない。

 カーペットはカタログから切り抜いたものを多量に確保している。ラウンジの窓は磨きガラスが使ってある場合が多い。

2024年11月02日

続々 coach interior

 しかし、この Keil Line の座席には一つ大きな欠点がある。それは物理的なバランスだ。本体の背ずりと座板はプラスティックで軽い。それに活字金で出来た座布団を貼るのだ。形は良いが、これが妙に重い。それを接着すると、椅子は自立できず、前にひっくり返る。肘掛けも活字金なので、それを貼れば重くなって安定するかと思ったが、やはり前に傾いて転ぶ。先日の記事で角棒に載せてあるのは、脚で自立させるのを諦めて、広い面で受けて転ぶのを防いでいるのだ。この状態で塗装した。   

coach seatsseats installed この自立できないということは、室内を完成させるのに、膨大な手間が掛かるということである。間隔を保つ簡単なジグさえあれば直ちに全数を貼りつけて完成の予定だったのだが、40個を貼るのに2日も掛かった。椅子がひっくり返らないように押さえが必要で、それがあると間隔保持のジグが使えない。結局一つずつ貼った。少し間隔がおかしくなったり、微妙に前に傾いたところもあるが、窓ガラスの歪みで見えなくなるだろう。屋根と床板に、小さな磁石が埋まっているのが見えるかもしれない。この程度で十分な保持力がある。

UP coach (2)UP coach (1) この写真では壁の仕上げがまだ完成されていない状態だ。洗面所等も置いていない。それを置くとこのような写真は撮れない。床の薄いアルミ板に欠き取りがあるのは、側板を受けるアングルの逃げである。

 洗面所はアルミ板を曲げて作った。側板が開く方は便器などをつけたが、見えない方は何もない。1930年代のカー・サイクロを見て、それらしく作ったのだ。 

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