2023年04月
2023年04月29日
続 思わぬ到来品

この機関車はB&O鉄道の最初の機関車で、極めて調子が良くなかったようだ。出力は1馬力を下回っていたという。馬に負けたのだ。
日本の子供向けの図書にも絵が載っているとお知らせを受けた。スキャナで読み込んだ画像を戴いたが、著作権を侵害するので載せる訳にはいかない。本島三良著「世界の鉄道」1969年にあるとのことだ。

2023年04月27日
思わぬ到来品

大き目に見えたので心配であった縮尺も、正しい 1/48 であった。この機関車は、鼻先が丸いのしか見たことがなかったので、この尖った鼻先は間違いだと思っていた。内側に厚板を貼り足して削るつもりだったが、初期型のみは尖っていたことがわかった。この模型は鼻の先端に洋白の飾りがついている。これはB&Oの模型である。

2023年04月25日
2023年04月23日
牽引力ってなんだろう
最近「牽引力を測定しました」という記事が目立つ。中身はかなり疑問符がつく。
牽引力は機関車に固有のものである。通常は乾燥した平面の線路上で測定する。勾配上では当然減少する。
その記事では客貨車を牽いて坂を登らせ、機関車の後ろに付けた測定器で得た数値をテレメータ化して送っている。「牽引力を測定した」とあるが、それは牽引力でも何でも無い。その列車の曲線上、および勾配上での牽引抵抗である。
”測定”された数字がぱらぱらと変化するから楽しいが、意味があるとも思えない。バネ秤に糸を付けて引っ張れば、どの地点の抵抗が一番大きいかはすぐわかる。「変化することがわかった」とあるが、変化しないわけはないのだ。
曲線、勾配、被牽引車の特性がごちゃ混ぜでは、測定は限りなく不可能に近い。これはケチを付けているのでは無い。正しい自然科学の探究の姿勢を持ちたいと主張しているのである。
(上記のリンク内の文言はすでに修正済み。またこの原稿を事前に今野氏にはお見せしている。)
牽引力は機関車に固有のものである。通常は乾燥した平面の線路上で測定する。勾配上では当然減少する。
その記事では客貨車を牽いて坂を登らせ、機関車の後ろに付けた測定器で得た数値をテレメータ化して送っている。「牽引力を測定した」とあるが、それは牽引力でも何でも無い。その列車の曲線上、および勾配上での牽引抵抗である。
”測定”された数字がぱらぱらと変化するから楽しいが、意味があるとも思えない。バネ秤に糸を付けて引っ張れば、どの地点の抵抗が一番大きいかはすぐわかる。「変化することがわかった」とあるが、変化しないわけはないのだ。
曲線、勾配、被牽引車の特性がごちゃ混ぜでは、測定は限りなく不可能に近い。これはケチを付けているのでは無い。正しい自然科学の探究の姿勢を持ちたいと主張しているのである。
(上記のリンク内の文言はすでに修正済み。またこの原稿を事前に今野氏にはお見せしている。)
2023年04月21日
歩み板の取付

あるコンテストで筆者の機関車がわしづかみにされている証拠写真が有った。その後ろにはそれを見ても気にせずニヤニヤしている人まで写っている。その箱には持ち方を大きな字で説明した紙を入れてあったが、ラニングボードはひん曲げられ、あらぬ姿で返ってきた。
骨は入れてあったが、歩み板そのものは薄いので曲がってしまったのだ。骨の部分は尖っているので、そこを避けて持ったようで、あまり意味はなかった。それを見て、ある友人は、「歩み板の裏側に見えないようにトゲをたくさん付けておくと良いかな。」と言った。
2023年04月19日
4-8-4 のイコライジング

当初重ね板バネを作るつもりだったが、あまり見えないので、ソリッドのバネ様のものを作って試したところ、調子がよく、バネは要らないということになってしまったようだ。これはその後、事あるたびに内野氏と、バネが利くようにすべきことを話した。結局のところ、内野氏が走らせている環境では、バネの効果が見えなかったようだ。
筆者のように、高軸重で長い列車を牽いてある程度の速度で走らせると、バネなしで良いと言うのはいささか乱暴であることに気づくはずだ。そのうち、前述の細くした部分は潰れてしまうであろう。重ね板バネの緩衝能力はすばらしい。祖父江氏はその種のバネを採用した機関車を何度も作っているので、
「冗談じゃねぇよ。『バネなしでいいんだ』なんて言う奴ぁ、ろくに走らせちゃぁいねえんだよ。ガンガン走らせたら壊れっちまうぜ。」と言った。
内野氏はこの機関車に筆者の高効率ギヤを装備して、重ね板バネに改造するつもりだったが、間に合わなかった。
2023年04月17日
4-4-0のイコライジング

当時入手できた4-4-0は100%が先台車にコイルスプリングを付けていて、奇妙な動きをしていた。バネが強過ぎるのでボイラ内に錘が入っていて、それがちょうど釣り合うため、ひょこひょこと上下動して奇妙なものであった。
動輪に入っているバネが程よい硬さなら、先台車のバネをなくすると同時に、高さ調整のワッシャだけにすると良くなると伝えたら、彼は早速やった。うまくいったそうだ。外した錘を叩き伸ばしてキャブ内に積んだので、牽引力も増したようだ。
さらに動輪をイコライズするだけで、抜群の走りになるはずだし、テンダの重さの前半分を引っ掛けるようにすると、牽引力が増すと伝えた。その後のことは詳しくは聞いていないが、やったはずだ。
この種の工夫は、理屈がわかっていれば、如何ようにも膨らむ。しかし、この話がTMSに載った後も、製品でこの方法を取ったのは見たことがないし、アマチュアの作品もおかしなものが大半だった。
先ごろ、クラブの会員で4-4-0を作られた方が居たので、お知らせした。結果は上々のようで嬉しい。
2023年04月15日
2023年04月11日
蒸気溜 および 砂箱を作る

最近のむすこたかなし氏のブログで扱われた内容である。蒸気溜の裾をどうするかの問題である。祖父江氏によると、
「一輌しか作らねぇんだったら、ハンダの丸みが簡単だよぉ。塗れば分かりゃしねぇや。10輌までなら、裾を曲げてヤスリ掛けだぁ。」
ということで、筆者はその2つの方法でやってきた。
今回の内野氏の方法とほぼ同じである。異なるのは最後の丸みを付けたペンチで、筆者は歯科の技工用の安物のペンチのセットを使っている。凹面と凸面が組み合わさるものだ。手元にあるものはインド製とある。
追記:この技法はTMS348号に載っているとお知らせを戴いた。
2023年04月09日
ユーレイという亡霊
最近、ユーレイという言葉がウェブ上によく出てくる。すでに死語だと思っていたのだが、これだけ頻繁に出てくると気分が良くない。
1960年代のTMSなどによく出ていた。要するに客車、貨車などに動力を入れ、機関車の非力を補うものである。昔はDCCなどはなかったから、機関車とユーレイは同調せず、ガーガーと後ろの方で唸っていたのをよく見た。
要するに列車の抵抗が非常に大きく、機関車だけでは牽けないということである。本来は客貨車の抵抗を減じることを真っ先にすべきである。それでも牽けないのは、そもそもその勾配ではその列車を牽くことが出来ない条件にある。勾配の緩和、急曲線の廃止、勾配用の機関車の導入など、本物の条件そのままである。模型での解決方法なら、ゴムタイヤの装着もあるだろう。
異常に重い全金属製客車を数輌も軽量機関車に牽かせて急坂を登らせるのは、全く無理な相談なのだ。
まずは牽かれるものの責任を追求してから、こういうことを考えるべきである。筆者のレイアウトで120輌を牽かせて坂を登らせて見せると、
「何台の貨車に動力が仕掛けてあるのですか。」
と聞く人がかなり多い。列車全体を手で押させると仰天する。
「なんでこんなに摩擦が少ないのですか。」
やろうと思えば出来る範囲にあることなのである。それをどうしてやらないかが、理解しがたい。クラブの目標として掲げて取り組めば、すぐ解決するだろう。もっとも、勾配線の無いクラブではその必要性を感じにくいかもしれない。勾配線を装備すべきである。
1960年代のTMSなどによく出ていた。要するに客車、貨車などに動力を入れ、機関車の非力を補うものである。昔はDCCなどはなかったから、機関車とユーレイは同調せず、ガーガーと後ろの方で唸っていたのをよく見た。
要するに列車の抵抗が非常に大きく、機関車だけでは牽けないということである。本来は客貨車の抵抗を減じることを真っ先にすべきである。それでも牽けないのは、そもそもその勾配ではその列車を牽くことが出来ない条件にある。勾配の緩和、急曲線の廃止、勾配用の機関車の導入など、本物の条件そのままである。模型での解決方法なら、ゴムタイヤの装着もあるだろう。
異常に重い全金属製客車を数輌も軽量機関車に牽かせて急坂を登らせるのは、全く無理な相談なのだ。
まずは牽かれるものの責任を追求してから、こういうことを考えるべきである。筆者のレイアウトで120輌を牽かせて坂を登らせて見せると、
「何台の貨車に動力が仕掛けてあるのですか。」
と聞く人がかなり多い。列車全体を手で押させると仰天する。
「なんでこんなに摩擦が少ないのですか。」
やろうと思えば出来る範囲にあることなのである。それをどうしてやらないかが、理解しがたい。クラブの目標として掲げて取り組めば、すぐ解決するだろう。もっとも、勾配線の無いクラブではその必要性を感じにくいかもしれない。勾配線を装備すべきである。
2023年04月07日
六角ジョイントのナット
六角ジョイントのM1.4ナットに孔をあけるやり方が話題になっていた。はっきり言ってしまえばそれほど気にしなくても良い。というのは、多少のフレがあっても、それは吸収されてしまうからだ。とは言え、フレはないほうが気分が良い。
紹介されていた方法は、六角ナットを保持するドーナツ状のヤトイを作って万力に銜え、万力の位置をXYテーブルで微調整して孔をあけるというものだ。この用途には十分ではあるが、心出し器なしで、これで心を出すのはかなりの熟練が必要だ。真似をして失敗する人もあるだろう。
最近会った友人がどうやったら良いだろうと聞くので、こう答えた。
「六角ナットにM1.4のブラスのネジを入れてハンダ付けする。それを旋盤のチャックに銜えて、センタドリルでΦ1穴をあける。次いで希望の径のドリルを使って穴をあけてやると六角部分はドリルに突き刺さって回収されるはずだよ。2つ3つなら一度にできる。」
これなら自然に心は出る。リーマを通したほうが良いだろうが、その時軸が傾かないようにする。
ネジは無駄になるが、高いものではない。ブラスネジは軟らかくてよく削れるはずだ。これは無くなるヤトイである。この手法は歯車の軸孔径を大きくする時などにも使う。その時はちょうど嵌まるシャフトを作る。覚えておいて損はないテクニックである。三爪チャックではつかみにくい。小径のコレットがあると良い。コレットの平行部分が長ければ、たくさんのナットをネジで軽く締めてハンダ付けし、その一連のナットをコレットに入れて締めると心は出る。一気にドリルで貫通させることも出来るだろう。もちろん後でハンダを外す。
[追記] いろいろな質問が来るが、結論として、「多少の振れなどはすべて吸収されますから、とんでもない振れでなければ、問題ありません。」とお答えしている。
紹介されていた方法は、六角ナットを保持するドーナツ状のヤトイを作って万力に銜え、万力の位置をXYテーブルで微調整して孔をあけるというものだ。この用途には十分ではあるが、心出し器なしで、これで心を出すのはかなりの熟練が必要だ。真似をして失敗する人もあるだろう。
最近会った友人がどうやったら良いだろうと聞くので、こう答えた。
「六角ナットにM1.4のブラスのネジを入れてハンダ付けする。それを旋盤のチャックに銜えて、センタドリルでΦ1穴をあける。次いで希望の径のドリルを使って穴をあけてやると六角部分はドリルに突き刺さって回収されるはずだよ。2つ3つなら一度にできる。」
これなら自然に心は出る。リーマを通したほうが良いだろうが、その時軸が傾かないようにする。
ネジは無駄になるが、高いものではない。ブラスネジは軟らかくてよく削れるはずだ。これは無くなるヤトイである。この手法は歯車の軸孔径を大きくする時などにも使う。その時はちょうど嵌まるシャフトを作る。覚えておいて損はないテクニックである。三爪チャックではつかみにくい。小径のコレットがあると良い。コレットの平行部分が長ければ、たくさんのナットをネジで軽く締めてハンダ付けし、その一連のナットをコレットに入れて締めると心は出る。一気にドリルで貫通させることも出来るだろう。もちろん後でハンダを外す。
[追記] いろいろな質問が来るが、結論として、「多少の振れなどはすべて吸収されますから、とんでもない振れでなければ、問題ありません。」とお答えしている。
2023年04月05日
続々々々 伊藤 剛氏のGandy Dancers

ゆっくり動かしているので、工夫4人の動作がイコライズされている様子がよく分かる。退避モードになると、4人ずつ退避する。
親方が笛を吹く瞬間の顔の向きを見て戴きたい。笛は口にくわえられる。音はDCCの警笛の中から選んだそうである。
あとは列車の在線検知と連動させるだけで、A氏の努力に拍手を送りたい。時間を掛けて下さって結構ですとお願いしたが、面白くてどんどんやってしまったとのことである。能力ある人がクラブに入って、素晴らしい結果を出された。
これがクラブの本来の姿である。出来ること、やりたいこと、をクラブで実現するのである。日本のクラブでは往々にして、期日までにあれをやろうなどと決めたりして、困ってしまう人もいる。出来る人が、出来ることを、みんなのためにやるという姿勢が大切である。筆者がアメリカで見たクラブは、どれもその様になっていた。
2023年04月03日
続 高効率ギヤ
過去にも何度か書いたが、この歯車の設計にはかなりの時間を掛けている。普通のウォームではない。進み角が大きくなると、ウォーム・ホイールも多少変化する。そのあたりのことは細かく計算した。
仕様を決めただけで業者に発注して、「設計した」と言い張る人もいるが、それではうまくいかないのは自明だ。
今回のHOにも使えるギヤセットは、Oゲージのディーゼル、電車用でもある。徹底的な工夫により、極めて高効率で、音もしない。
先日の来客は、音がしないのには感服したとおっしゃる。音はするはずはないのだが、普通のHOのウォーム・ギヤセットはやかましいと言う。何か根本的なところが間違っているのだ。1条のウォームで進み角が小さいので、ほとんど何も考えることはないが、音がするそうだ。
「かなりのノウハウが詰まっているのですよね。」とその来客は感想を述べられた。確かにそれはあるが、それは本を読んで計算を繰り返しただけで、筆者自身の発見ではない。これは、良いものを作ろうと思えば当然するべき努力である。コンピュータに数式を入れてグラフを描かせ、効率の計算をしたと信じる人も居るから困ったものだ。
仕様を決めただけで業者に発注して、「設計した」と言い張る人もいるが、それではうまくいかないのは自明だ。
今回のHOにも使えるギヤセットは、Oゲージのディーゼル、電車用でもある。徹底的な工夫により、極めて高効率で、音もしない。
先日の来客は、音がしないのには感服したとおっしゃる。音はするはずはないのだが、普通のHOのウォーム・ギヤセットはやかましいと言う。何か根本的なところが間違っているのだ。1条のウォームで進み角が小さいので、ほとんど何も考えることはないが、音がするそうだ。
「かなりのノウハウが詰まっているのですよね。」とその来客は感想を述べられた。確かにそれはあるが、それは本を読んで計算を繰り返しただけで、筆者自身の発見ではない。これは、良いものを作ろうと思えば当然するべき努力である。コンピュータに数式を入れてグラフを描かせ、効率の計算をしたと信じる人も居るから困ったものだ。
2023年04月01日
高効率ギヤ
高効率ギヤで機関車群を改装された方が来訪した。もう20輌程改装したそうだ。
「人生を無駄にしました。」とおっしゃるので何事かと聞くと、
「数年前まで、このギヤの存在を知らなかったのです。80年代にとれいん誌に載ったのを見ていなかったので、動力改造に無駄な時間を使ってしまった。」
確かにTMSに載せなかったのは、失敗だったかもしれない。読者の数も層も違った。それには一つ理由があった。
この種のアイデアを人に見せると、それをすぐに特許申請する輩が居るのである。それを察知したので、直ちに雑誌に載せれば、公知の事実となり、誰も特許申請ができなくなる。筆者は、この特許で金儲けができるとは思わなかった。模型界の売上高は見当が付いていたからだ。このアイデアは広く使われるべきもので、特許で縛るのは良くないと思った。誰でも出来るように要点をすべて書いた。
すぐに載せてくれるのはとれいんしか無く、思った通り一月で載った。それで解決と思っていたが、某模型店が特許申請をしたという情報を得た。出向いて社長に会うと、驚いたことに、
「あれはうちで作ったもので、特許の権利はうちにある。」と言う。そこで、そのとれいん誌を開いてみせると絶句した。
「あなたが特許を申請する一月以上前に、この雑誌が発行されていますね。」
その後のことは思い出すのも面倒だが、一つだけ呆れたことを言ったのは覚えている。
「日本の模型界では各社が持っている特許を互いに無償利用できることになっている。」という出まかせだ。
「ほう、よその会社に行って今のことを伝えましょう。お宅の特許はただで使えるとね。」
社長は青息吐息で、這いつくばった。
「これで御勘弁を…。」
筆者は無言で会社を出た。その後、その社長は筆者と出会うと、いつも逃げて行った。
「人生を無駄にしました。」とおっしゃるので何事かと聞くと、
「数年前まで、このギヤの存在を知らなかったのです。80年代にとれいん誌に載ったのを見ていなかったので、動力改造に無駄な時間を使ってしまった。」
確かにTMSに載せなかったのは、失敗だったかもしれない。読者の数も層も違った。それには一つ理由があった。
この種のアイデアを人に見せると、それをすぐに特許申請する輩が居るのである。それを察知したので、直ちに雑誌に載せれば、公知の事実となり、誰も特許申請ができなくなる。筆者は、この特許で金儲けができるとは思わなかった。模型界の売上高は見当が付いていたからだ。このアイデアは広く使われるべきもので、特許で縛るのは良くないと思った。誰でも出来るように要点をすべて書いた。
すぐに載せてくれるのはとれいんしか無く、思った通り一月で載った。それで解決と思っていたが、某模型店が特許申請をしたという情報を得た。出向いて社長に会うと、驚いたことに、
「あれはうちで作ったもので、特許の権利はうちにある。」と言う。そこで、そのとれいん誌を開いてみせると絶句した。
「あなたが特許を申請する一月以上前に、この雑誌が発行されていますね。」
その後のことは思い出すのも面倒だが、一つだけ呆れたことを言ったのは覚えている。
「日本の模型界では各社が持っている特許を互いに無償利用できることになっている。」という出まかせだ。
「ほう、よその会社に行って今のことを伝えましょう。お宅の特許はただで使えるとね。」
社長は青息吐息で、這いつくばった。
「これで御勘弁を…。」
筆者は無言で会社を出た。その後、その社長は筆者と出会うと、いつも逃げて行った。