2019年02月
2019年02月27日
続々 ゲージ論は終焉を迎えるか
Jは元々規格がありませんが、可能性としてはメーカー主導になり、その都合で先が読めなくなります。今までも特に電気関係で突然生産が中止され、互換性のない規格で使い物にならない製品がありました。また、メーカーごとに独自の規格が作られる可能性があります。いずれにせよ注意が必要です。
さらにLow-Dを例として説明しましたが、薄い車輪は走行性能を犠牲にして、部分的に縮尺を追及しています。NMRAにはProto規格がありますが、いわゆる量産化した製品が見当たりません。少なくとも線路を見たこともありません。「J用の専用線路が必要」と書きましたが、まだ見たことがありません。Jは高価ですので走行は考えないのでしょうか。
ゲージ論については規格に至る前の話と考えています。いろいろ議論され縮尺、ゲージが決まったら規格の出番です。規格作りにはゲージ論の経緯など無用です。したがって、ゲージ論を規格に持ち込むのは不可能と考えます。今までの反論にはゲージ論を根拠に、規格を論じるなど混同している場合がありました。規格はすでに存在しますので、その規格を前提に議論する必要があります。
12 mmはHOn3½ではなく、無理やり独自に規格を作ろうとして妙なことになっている気がします。12 mmはNMRA規格外ですので、独自の規格を静かに目指してほしいものです。名称にHOと入れることは、混乱のもとになりますのでやめるべきです。
「終わり」(次号に質疑応答あり)
2019年02月25日
続 ゲージ論は終焉を迎えるか
「1/80はHOではありません」は、NMRA規格から読み解くと、別の見方ができます。「車輪厚が小さい車輪を使用した日本型1/80は、HOではありません」と、なります。明らかにHO規格と異なる薄い車輪は、これまでのコメントにもありましたが、脱線しやすいなど問題があるようです。規格外ですので当然です。このタイプはNMRA規格にも見当たりませんので新規格となります。ですから、これをJスケールと呼ぼうが、何と呼ぼうが勝手です。ただしNMRA規格を連想させる表記は、使ってもらいたくありません。
HOと表記されている鉄道模型は、NMRA規格に合っていますので、問題なく走らせることができます。もし問題があればクレーム対象です。
現在は、HO規格外れの薄い車輪を使用した製品の名称はありません。その意味では、誤解を防ぐためJスケールでも良いと思います。この場合、1/80、16.5 mm日本型にはHOとJが存在することになります。即ち、同じ1/80、16.5 mmではあるが、互換性のない2種類の模型があることになります。1/80、16.5 mm表記では、メルクリンが以前発売したキハ58も含まれてしまいます。現状では安価なプラ製と高価な真鍮製の、互換性のない2種類でしょうか。
将来Jスケールには、専用の線路が必要になる可能性があると思います。「車輪だけ薄くなったが線路がない」とは、数十年前のMRスタッフの言葉ですが今も変わりませんね。コメントに、13 mmが同じ経緯で薄い車輪用の線路を作り、HO規格に沿った車輪を使った車両の走行をあきらめるとの話がありました。そうなると、当然同じ理屈で、HOでも同じ経緯をたどるでしょう。
HOとJとの大きな違いは、HOはグローバルスタンダードであり、Jは日本のみのガラパゴス規格となることです。当然価格には大きな違いが出てきます。シノハラ亡き後、Jはどのような線路を使うのでしょうか。余計な心配をしています。
(続く)
2019年02月23日
ゲージ論は終焉を迎えるか
Empirebuilder氏から、最終的と思われる意見が届いたので、3回に分けて紹介する。先のコメントに大幅加筆されたものである。
いろいろなコメントを読ませていただきました。もう一度整理をしてみましょう。
私の考えは最新の線路、車輪のNMRA規格を元にしています。米国の規格ですが、これはグローバル・スタンダードであると言えます。
まず用語ですが、NMRAのHO scale のstandardを、「HO規格」と書きます。HO guageはHO規格に含まれますので使いません。注意していただきたいのは、scaleは縮尺ではありません。正しい訳は難しいですが規格かもしれません。縮尺はproportionです。繰り返しますが、HOゲージとHOスケールの違いなど議論する必要はありません。
NMRA規格は2010年ごろ改定されましたが、かなりドラスティックな改定でした。ある意味、現状追認型とも言えます。個人的にはLSスケール(NMRAはGスケールをLSスケールと呼んでいますが定着していませんね)、On30の登場が影響したと思っています。この改定はそれ以前の縮尺、ゲージの考え方とは一線を画する内容です。今までのコメントでは、どなたもこの理解をされていないように感じました。
LSスケールでは現状追認の形で、一つのゲージに複数の縮尺を認めています。線路と車輪、車両限界をを共有することで、ナローから本線機関車まで同じ線路上を走っています。On30はOナローの19 mmゲージを、HOスケールの線路を使用することで生まれたスケールです。On3の線路の代わりに、全く縮尺の違う線路を使うこのアイデアは、市場に受け入れられ、本家のOn3を凌駕する勢いです。
このようにNMRA規格はゲージ、縮尺にこだわらない、模型的な発想の規格を容認する形に変貌しました。これを見れば、線路を共有することがいかに有効な戦略であるか、お分かりと思います。市販線路のないFine規格が伸び悩んでいるのとは、対照的です。
NMRA規格では縮尺に関する規格はなく、寸法で表されています。目標値、±公差が書かれています。公差はありますが、なるべく目標値に合わせて、と書いてあります。Scale Ratioの表記は車両限界と思います。
最初に線路と車輪の関係について書かれています。主にポイント通過時のレイルと車輪の位置関係が図示されています。この図を数値化したものがHO規格です。フログの欠線部に落ちる前に、ウィングレイルに車輪が乗り移ることが基本です。すなわち、フログ部分で車輪が落ち込まないようにするには、車輪の厚みが重要になります。以前のこのブログの記事に、NWSL や ATLASと、Low-D を並べた写真がありましたが、明らかにLow-Dの車輪が一番厚いのがわかると思います。スケール感より、走行性能を重視しているからです。
他にも規格がありますが、この線路と車輪の規格が今回の主題です。私はこの規格をもとに日本型、米国型が並んで走るレイアウトを製作中です。ともに問題なく同じ線路上を走っています。同じ規格でできた線路上を、米国型とともに走る日本型もHO規格です。NMRA規格上は、これらは同じHO規格です。縮尺はもともとNMRA規格にはありません。線路、車輪自体も縮尺通りではありません。
それがHO規格なのです。これが準拠の理由です。もともとゲージを変え、縮尺を変えてHO規格に合わせたのですから当たり前なのですが。
もし私の考えに反論される場合は、NMRA規格のどの部分か指摘していただけると助かります。歴史的経緯は意味がありません。NMRA規格自体を否定される場合は、しかたがありませんね。(続く)
2019年02月21日
3Dプリンタ

問題が無ければ、三条ウォーム用ギヤボックスを作れる。モータ型に作れば、造形上もとても良い。

どうしても、良い台車が欲しかった。そこに3Dプリンタの話が来て、すぐ乗った。様々な工夫をして、Low-Dをはめ込む。イコライザは可動になる予定だ。これはインジェクションでは絶対に作れない構造をしている。重ね板バネも同時に作り込む。この図は初期の構想である。それからかなり進歩した。
他にカブース用の重ね板バネ付きベッテンドルフも作る。
2019年02月19日
LVM の Big John

これらの模型はLVMのキットから作られた。二つ入手したので、何の問題もなく組まれるはずであった。ところが、部材の精度が極端に悪く、ブロックが直方体ではなかったし、側面の板がひどく湾曲して、矯正の方法が無かった。
20年ほど、キットの箱の蓋を開け閉めしただけで、終わっていた。一念発起して新規に作ることにしたが、使った材料はハッチの蓋だけである。あとはフル・スクラッチだ。
1輌目は20年ほど前に完成した。車体全体を無垢の木製にした。よく乾燥した材木(デッキの材料のカナダ産イェローシーダ)を正確にスライド丸鋸で切って作った。側面は航空べニアであり、連結部近辺はブラス製である。塗装してすぐ完成した(写真左)。その後多少のウェザリングを施したが、この写真では判らない。
よくできたと思ったが、無垢は重過ぎた。2輌目も削ってあったが捨てて、中空の箱にした。と言っても10 mm厚の板を組んだ箱である。これはさらに20年掛かって完成した。今回は台車まで塗った。優れたプライマであるミッチャクロンがあるからできることである。いずれ1輌目の台車も塗ることになる。
このような製作の場合、キット組みになるのか、スクラッチ・ビルトになるのかよく分からない。使ったのは図面とハッチの鋳物である。
ディカールはもう一組持っているので、いずれブラスで作ってみよう。それほど難しいものではない。最近は3Dプリンタがあるので、細かい部品は作れるからだ。構造体さえできれば、わけなく完成まで持って行ける。
2019年02月17日
続々 神戸の行事

この flatcar も、53ftである。
89 ftの車には40 ftのトレーラを2台積んだ。J.B.Huntのロゴが鮮やかだった。

このUP塗装のものは珍しい。写真が載っている本を探し当てたので、それを参考にした。
2019年02月15日
続 神戸の行事

フライスを使って等間隔、等しい深さに溝を掘って丸線を浅く入れるというアイデアは、納得できるそうである。深さが綺麗に揃っているので評判が良かった。ウェザリングはこの程度で良いそうで、やり過ぎではないそうだ。積荷がないので、ベアリング玉をスイカ塗装にして入れると良い、とのアイデアを戴いた。
3Dプリンタの話題は尽きない。N氏からは、仕事上の様々な事例を教えて戴いた。ナイロンは湿気に弱いそうである。濡れると強度がかなり落ちるということで、強度試験は濡らして行うと良いそうだ。


2019年02月13日
神戸の行事

できたものがあまりにも綺麗で、そのままでは、人に見せるのが恥ずかしかった。適当に汚さねばならない。フロクイルのDust(埃)というのがあって、これは実に良い。もう売っていない。ストックは少なく、先行きが不安だ。

2019年02月11日
家畜車を塗る

コンソリがある。これが走っているのを見たわけではないが、これに牽かせると似合う貨物列車だと思う。側線に留置しておける長さである。カブースをスクラッチから作り、コンソリを塗って完成させるのが今年の目標だ。
木製の貨車は素晴らしい。組むのにかなりの手間がかかる。エポキシ接着剤もたくさん要る。塗装は下塗りが大変である。塗料が浸み込むので、サーフェサを浸み込ませて固めて置く。ある程度研いで、中塗りをし、上塗りという手順だ。ブラス製は塗装が楽であるが、金属製の家畜車は良くない。木板の部分を薄い材料で作るので、実感がないのだ。さりとて厚くすると重くて持てないだろうし、シアで切ると切り口がダレる。
妻と屋根は渋い銀に塗り、赤い文字のディカールを貼る。このディカールもDr.Yに作って戴いたものだ。Champ のディカールはもう手に入らないのだ。
筆者としては、もう家畜車を作ることは無いだろうと思う。木製キットを組むのは大変で、もうやりたくないというのが本音だ。
2019年02月09日
貨車の積荷

O scaleの車輪を積むことにした。あっという間に完成だ。積荷はジャンクの怪しい韓国製の車輪を載せたのだが、フランジの形が気になって、結局のところ、Low-Dを載せている。この写真では、手前から、NWSL、 Low-D、韓国製の順である。積載量から考えると、車輪は2段、3段に積むべきだろう。

All-Nationという模型屋は、アルミ鋳物を売っていた。価格は$9.99であった。出来が悪く、当時としては高いと感じ、買わなかった。昨年、O scaleのショウでジャンクで$9で買った。50年経つと1割引だ。出来が悪い鋳物で鬆(す)があった。
パテで埋めて研いだが、感心しない。積荷で隠せばよいと気付き、HOの変圧器キットを組んだ。碍子その他は捨て、運送時の姿に作り替えた。時々、この変圧器キットを組んで、碍子付きで運んでいる模型を見るが、ありえないことである。振動で碍子が折れるだろう。この写真を見て、番号を貼り忘れたことに気が付いた。
skidを組んで載せた。スキッドはパレットとは異なる。使い捨ての木の台のことのようである。家を建てる時に古い煉瓦を数トン輸入したが、スキッドに載せて来た。スキッドは壊して薪にした。
冷却装置は外して積む必要がある。その木枠はまだ作っていない。仮にパレットに載せた。この冷却装置を付けたまま、積載した模型を見ることが多いが、ありえない。壊れてしまう。
筆者が中学生のころ、郊外にかなり大きな変電所ができ、大型の変圧器が多数運ばれていくのを、毎日観察していた。たくさんの車輪を持つシキが使われ、それを運ぶ巨大なトレーラもよく見た。狭い道をうまく通り抜けて、運んでいった。
2019年02月07日
貨車を塗る
2月9日から神戸で行事があるので、何か新作を持って来いという話があった。未塗装の完成品が40輌ほどあるので、出来れば全部塗ってやろうと準備をした。

いずれも貨車で、今回は積荷を考えることが多かった。たかが積荷とは言え、調べると奥が深く、ある程度は見切り発車した。
トレーラのキットをある程度の数、安く仕入れてあった。組んで形になってから10年以上経つ。手を入れて塗装すれば、立派なものになる。問題は後ろのドアのあたりの工作だ。木製キットだから、細かい造作は接着剤のイモ付けではいずれ壊れる。現に、30年前に組んだものは全て外れてしまっている。
一念発起して、ドアの部分は薄いブラス製とし、細いワイヤをハンダ付けした。面倒な工作であった。数が多く、相手が木製で寸法が微妙に異なる。修正してきちんとはめるようにして合印を付けた。エポキシ接着剤で貼り付け、下塗りした。

Piggybackという言葉は、日本語で言う「おんぶ」だ。決して小豚の背中ではない。ピギーパックという発音、綴りを見ることが多いが、間違いである。
2019年02月05日
続々 ゲージ論始まる
車輪厚の薄いHO車輪については、思っていた通り、問題が多いようです。Fine規格ではなくStandard規格の線路用車輪となっています。しかし、規格通りの市販線路がありません。売る方も売る方ですが、買う方も買う方です。このような特殊な製品を使いこなすには経験と技術が必要と注意書きを添えるべきです。使う方も「線路を自作するなど当たり前と思って使うべきです。12 mm、13 mmも同様です。非常に特殊な製品と理解し、誤解を招かないようにしたいものです。ほとんどの場合、既成線路を利用しているようですね。ゼロから作る意思がない方が多いようで、既製品を流用しているように思われます。実際にポイントを作って走行させると、すぐにわかると思います。メーカーの個々の都合に左右される状態のようです。これらは、メルクリンのように互換性のなく、自己完結の、ごく一部の人がマニアックに楽しむ特殊カテゴリーと認識すべき製品です。鉄道模型の規格外で、規格とは無縁の製品です。
線路規格ゲージの名は、NMRA Standard gaugeが正しいようですが、普通NMRAゲージと呼んでいます。ハンドスパイクをしながらレイアウトを作っている私には、最も重要なツールです。店で見かけるとうれしくなってすぐ購入し、すでに数枚持っています。あると便利ではなく、無ければ何もできないレベルです。レイアウト、車両制作に必要な秘密?が詰まっています。これなしに規格を論ずるな、と言いたいぐらいです。日本の模型店にほとんど見かけないのは恥ずべきことです。ご自分の車両をこれでチェックしてみてください。これで調べて問題がなければHOスケールです。縮尺についてはこのゲージには何も書いてありません。
dda40x氏のおっしゃる通りです。12mm、13mmの方は、線路規格ゲージを作って頒布してから、発言してほしいと思います。
(おわり)
2019年02月03日
続 ゲージ論始まる
KATOはさすがに輸出メーカーで、日本型にもHOと書かれています。「HOスケールで作られたレイアウト上を問題なく走行します」というしるしです。一方で「1/80 16.5 mmゲージと書け」という意見もあるようですが、これだけではどんな規格の線路、車両限界内を走行できるのか不明です。それは、国内でしか売ることを考えないガラパゴスです。商品ならば、HOと書くべきですから、これは正しいのです。もう一言付け加えるのであるならば、線路の規格に縮尺は不要です。縮尺ではなく、16.5 mmゲージの鉄道用線路を作るのです。その上を走る車両はそれぞれのスケールに合わせた車両限界が設定されます。線路に実物の寸法は関係ありません。実物と同じ理論が必要です。Fine規格はここに縮尺を持ち込み泥沼化しているようです。
規格を理解していただければ、「1/80はHOではありません。」などという勘違いは起こりません。確かその文章ではNMRA規格にも言及されていましたが、その後書き換えられ禅問答のような内容になっています。趣味の世界で重要なのは、メーカーの宣伝文句に騙されないことです。NMRAはメーカーも参加しますが、あくまでもオブザーバーです。決定権はありません。メーカー名が付いた○○規格などはあってはなりません。メーカーが言うことは自社PRとして受け取るべきであり、メーカーは自社PRのために規格を悪用してはいけません。面白い事例としてはカプラーがあります。NMRAとしてはいろいろカプラーの研究をしていたようですが、規格としてはできませんでした。ご存知の通りKadeeが絶対的な標準になっていますが、NMRAには規格としてありません。Kadeeが断ったと聞いています。
(続く)
2019年02月01日
ゲージ論始まる
先日来話題を提供して下さっている Empirebuilder氏が、長文のゲージ論に関する手紙を寄せられた。興味深い内容なので、紹介したい。長いので3回に分けて掲載する。コメント等はすべてが終了してからお願いしたい。
Empirebuilder氏は長いアメリカ在住経験のある方で、かの地の模型事情にも詳しい。(本物にはもっと詳しい。)
私はHOとHOn3だけを楽しんで来ました。12 mm、13 mmについては門外漢で、細かいことはわかりませんでしたが、いくつかのコメントを読ませていただき、勉強になりました。他ゲージのことにはほとんど興味がありませんが、HOゲージャーとしては最近勝手に新しいゲージ名が作られ、鉄道模型の規格についての知識不足と相まって、無用な議論がされてきたように思えます。HOそのものについても基本的な理解不足が目立ちます。
日本型HOについては規格がないという人もいますが、NMRAの規格に準拠することが前提です。日本型のために必要な規格はありません。dda40x氏の記事中の1/48と1/45と同じです。簡単に言えば、日本型をNMRA規格のHOスケールに乗り入れするために16.5mmゲージを採用し、車体も1/87では小さすぎ、それこそ蟹股になることもあり1/80とされています。ナローではなくなりますが、標準ゲージとしてはバランスが取れています。私には蟹股に見えません。正面から見た時の軌間と車体のバランスは良いと思います。蟹股という方のデザインセンスがわかりません。標準ゲージの採用を前提として製作されてきた国鉄型ですので、当たり前ですが。
実際にはそれでもアメリカ型より小さめですが、同じ線路上を走行させても違和感がなく、その証拠に今でも多数の方が採用しています。NMRA規格では1/87で16.5 mmゲージが採用されましたが、鉄道模型はすべて縮尺通りには製作できません。そのために規格が必要となり、設定されています。簡単に言うとNMRA規格のほとんどは当然ながら、1/87の縮尺通りではありません。線路があって、その上を走行する車輪があり、さらに車両限界が設定されています。この規格内で走行する車両すべてがHOスケールなどと呼ばれます。実物の乗り入れと同じです。(ただし実物の乗り入れ時のような共通化のためのドアの数、位置などの決めごとはありません。)できるだけ広く、多くの車両が乗り入れできるようになっています。HOスケールは線路、車輪、車両限界が規格内であることが、必要十分条件です。最近は行き過ぎたスケール重視から、日本型の1/80をJスケールとするなどとの暴言が聞こえてきますが、上記の通りHOスケール規格自体ほとんどが縮尺通りではありません。さらに古典機などは1/75などの縮尺で作られています。JスケールではなくKスケールでしょうか?自由形は何スケールですか?同じレイアウトを走行する車両にいろいろなゲージ名をつけてどうするつもりでしょうか。規格はすべてを規定するものではなく、できるだけ決める範囲を狭くして、自由度を増すものと思います。縮尺をどうするかは、車輌限界内であれば設計者に任せるべきです。そのセンスが模型に表されます。古典機の設計は個性が出て楽しいものです。このセンスに縛りをかけるような、野暮なことはやめたいと思います。
(続く)