2016年11月

2016年11月29日

ヤードの容量

 ヤードが二箇所完成したので、かなりの収容輌数が確保された。貨車ヤードはきっちり詰めれば、230輌は入ると見ている。
passenger car yard 問題は客車ヤードだ。客車編成が5本しか置けない。しかも12輌編成がぎりぎりだ。
 もうないと思っていたのに、貨車客車のキットが見つかる。物置、押し入れの整理をすると、どさっと見つかる。組み掛けのまま20年以上昼寝しているものばかりだ。
 こうなったら組むしかないので、博物館に持って行って、作業台に拡げておく。そうすると何が足らないかが見えるので、一覧表を作って書きこむ。ある程度目星が付いたところで、材料を切り、孔を開けたり曲げて部品を作る。時間があるときに一気にハンダ付けして組んでしまう。
 たくさんあったLow-D車輪が見る間に減っていく。アメリカからの問い合わせが多くなったので、再生産せざるを得ない。

 数がまとまっていれば、一挙に10輌以上組むと、一輌当たりの時間は少なくなる。塗装もいっぺんに済ませれば溶剤の使用量も少なくて済む。ディカール貼りは大変だがそれも楽しい。客車はあと35輌は完成させねばならない。貨車は60輌ほどもある。

 もうこの時点でヤードはあふれてしまう。ヤードの増設を考えねばならない。

2016年11月27日

線路の更新

 一部の線路を敷替えている。
 このレイアウトの建設当初は、材料が逼迫し、線路はあるものをすべて投入した。観客から近い部分には新しい線路を敷いたが 、遠い部分には中古の線路を使用していたのだ。 

damaged rail 40年前に購入した Atlas の線路は、ブラスのレイルにニッケルめっきを施したものだった。見かけはきれいなのだが、微妙な凸凹があって気になった。水を付けて砥石で擦り、突出部は削り落としてある。走らせているうちに滑らかになるだろうと思ったのは甘かった。写真中央部がざらついているのがお分かりだろう。めっきも少し剥げている。
 どうしてこんな製品を出したのだろう。めっきは無電解めっきではないように思う。無電解なら、表面が多少は滑らかである。

 最近、貨物列車を運転すると、特定の場所からゴーッという音が聞こえるようになった。こうなれば、もう頬かむりはできない。
 シカゴでフレクシブル線路を戴いてきたので、材料は潤沢にある。思い切って、新しい線路に交換することにした。先日はT氏が手伝ってくれたので、二時間ほどで、一挙に5 m取り替えた。一人で作業すると、その5 mの取替えは一日仕事である。

 延べ20 mほど取り替えて、外した線路はショウケースの中の展示用とする。すでに取り換えた部分に重量列車を走らせると、見違えるように静かになった。

 静かな走行は、車輪・レイル双方が良くないと実現できない。

2016年11月25日

隠しヤード完成

Hidden Yard 隠しヤードの工事が終了した。貨車を少しずつ整備して、自宅から持って行った。土屋氏から来たものも、当鉄道仕様に改造して入線させている。
 その数、ざっと150輌。奥まできっちり詰め込んで留置した。平面は出ているので、動き出すことはなかった。

Hidden Yard bird's eye view 上から見るとこんな感じだ。Kansas Cityのヤードはこの幅の2倍だが、それを彷彿とさせる。曲げたのは成功であった。
 ポイントの整備は済み、どの線にも抵抗なく入線させられる。路盤の一部の塗装がしてないので、近日中に完了させる。

 この部分のポイントは全部で9つあり、DCCで動かす。本線ではないので、手元から遠隔操作で動かす必要はないだろう。NCEではMini-Panelという商品を売っているので、それを採用する。まもなく到着する。
 文字通り、小さな線路配置図にスウィッチを付けるもので、目的の線のボタンを押せば、自動的にポイントが作動してルートを形成し、目的を達する。1つで8台の制御が可能だ。リレィによる制御のことを思えば、あまりにも簡単であり、また安価である。DCのレイアウトにも採用できる。そうすれば、膨大な量の電線からも解放される。
 もちろん、手元のスロットルからの指令も出せるが面倒だ。入れ替え作業は目の前で行うので、パネルに手を触れたほうが楽である。

2016年11月23日

緑の貨車

 当鉄道には緑色の貨車は1輌しかなかった時代が長い。数年前から、かなりの数が発生している。塗料を戴いたので、特に目的の無い車輛は緑に塗っている。ディカールも見かけたら買っているので、いつも在庫がある。というわけで、徐々に増え続け、今では12輌ほどある。

BN Gon ディカールの整理をしていたら、BN gondola(無蓋車)用のディカールが見つかった。いつ手に入れたのかわからないが、ごく一部を切り抜いた跡があった。おそらくジャンク・ディカールを買ったのだろう。
 こういうのは、12袋で$5、などという売り方をしている。貼り方のガイドはちゃんと付属していたので、その通りに貼った。
 例によって劣化していて、テストで水に漬けるとひびが入った。すぐに補強剤を塗ったが、あまり芳しくなく、細かく分かれてしまう。貼るのに一苦労で、普通なら15分で終わる作業に2時間も費やした。ロゴはひびが入ったので、塗料を塗った。濃くウェザリングしてごまかすしかない。

CelotexUnderframe detail この貨車はどういうわけか緑色である。本当は空色のはずだ。実は筆者の塗装ではない。中古を1台$15で買ったものだ。色が違うので、塗り直す予定だったが、あまりにもよく出来ている。それを味わいたいので、破損個所を直し、タッチアップした。BNの色とも多少違う。
 床下のブレーキ装置が素晴らしい出来だ。作者はおそらく、鉄道で働いていた人であろう。こんなところまで、というところが細かくできている。実車に緑のものがあったのかもしれない。
 筆者はこの木製キットを沢山組んだが、床下は見えないので、すべて省略している。これを参考にして、作り足したくなってきた。

Thrall All-door Boxcar この写真は筆者の作例である。何度もサーフェイサを塗って水研ぎしてあるので、金属製と間違える人が多い。 

2016年11月21日

レイアウト見学

 突然レイアウト見学に誘われ、同行した。DCCのレイアウトは珍しい。Digitraxが4,5台並んでいた。

 個人のプライバシィに触れない程度しか書けないが、ある会社経営者が、自社の鉄骨ビル3階に40坪ほどのHOレイアウトを作った。既製品の線路、レイアウト用品を用いて作った、かなり大規模なものだ。3階は最上階で、夏は屋根が焼けて、かなり暑いようだ。
 その方は3年ほど前に亡くなり、設備を作った方を中心に今まで維持されてきた。それを名古屋模型鉄道クラブにお任せ出来ないかというお話であった。現持ち主は お子さんである。あと二年くらいは全く予定はない。そのあとはどうなるかわからない、ということだ。写真も撮ったが、掲載は控える。

 エアコンはあっても、夏の暑さはかなりのものだそうだ。筆者の感想は、プラスティック製品が多用されているので、窓からの光で劣化が進むであろうと感じた。まず窓をふさぐことを考えなければならない。
 また天井からの埃もかなり多そうだ。レイアウトの基盤面が床面から700mm程度で、台枠が合板の下にあるので、下をくぐれず、橋を掛けてその上を人が通るようになっている。天井に頭が付くので、さらに埃が落ちそうだ。全体のかさ上げをすべきだ。台枠をその部分だけ上に付ければ、下をくぐることも可能であったろう。要するに、デッキ・ガーダ方式になっているが、スルー・ガーダ方式にしておけばよかったのではないかということである。
 
 この話がどのような方向に落ち着くのかはわからないが、この種の話はこれから多くなることが予想される。先回扱ったクラブレイアウトの話も含めて、考えたい。
 理想的な話をすれば、法人化して理事長を指名するのがほとんど唯一の解だ。個人所有では、どうなるかわからない。将来の方針が決まらなければ、存続の方針も決まらない。はたして、この日本には法人化された模型レイアウトがいくつあるのだろう。

2016年11月19日

Phoebe Snow

 貨車を塗装してディカールを貼った。

115_4965 先回、ピンボケだったのは、撮り直した。艶消し塗装をしてディカールの痕を消した。 絞りを少し絞ったので、多少良くなった。側面は軽く、屋根はかなり艶を消していある。

115_4966 この会社は当鉄道には少ない。Phoebeはフィービィと発音する。日本人には読みにくい。 フィービィ・ケイツという女優を覚えている人はかなりのオジサンだ。
 フィービィ・スノウとは雪の精で、純白の衣装を身に着けている。蒸気機関車の時代には、煤で汚れるからそのような服は着るべきでないのだが、
Lackawanna 鉄道では無煙炭を使用しているから服が汚れない、という宣伝である。この宣伝用に作られたキャラクタだ。
 当時は無煙炭というのは商品価値があった。C&EI (Chicago & Eastern Illinois)という会社の石炭ホッパ車には、白に近い灰色の塗色のものがあった。煤がないということを強調するためだ。
 無煙炭は発熱量が大きい。この発熱量については誤解が多い。燃焼熱(すべてを酸素と反応させたときに発生する熱量)は最大である。しかし反応速度が小さい。即ち、機関車の中で単位時間あたりに発生する熱量は、瀝青炭の場合よりもかなり小さい。だから、同じ出力を得ようとすると、火室面積を大きく取らねばならない。この辺りのことをご理解戴けない人がいる。 

sulfuric acid tank car 硫酸専用のタンク車用のディカールに良いものがなく、GATX (General American Tank Car) の切れ端を見つけたので、それを貼った。最大限に艶を出したので、ディカールには気泡が入らず、きれいに貼れている。 

2016年11月17日

コメント

 また長文のコメントが送られてきた。
 前回は名乗られているので載せたが、今回は匿名で、しかも連絡先にメイルを送っても返答がないので掲載を見送る。
 よほどウォームギヤがお嫌いな方のようだ。かなり過激な文章である。模型とおもちゃの違いが、お分かりでないように思った。
 
 既存のウォームギヤと、筆者の実用化したものとは、根本的に性能が異なる。先日も友人にギヤボックスだけを見せたところ、しばらく触っていたが、
「これはいったいどういう風になっているのだ。ウォームだと言っているが、本当は違うのだろう?」
と聞く。
 ばらして中を見せると、言葉を失う。
「信じられない。教科書に載っているウォームとは違うね。」と言う。
 もちろん同じものなのだが、あまりにも動きが滑らかで、全くひっからずに逆駆動ができる。彼はギヤ比を数えていたが、 
「ウーン、参った。」
と言った。

 彼は工学のエキスパートだ。しかしこれは盲点だったようだ。米軍が使用していた6輪トラックにはウォーム・ドライヴがある。伊藤剛氏が設計した名古屋市電にはウォームギヤが使われていた。どちらもかなりの高効率だ。何よりも静粛であるのが良い。
 蒸気機関車の駆動には最適だ。2台の機関車を同一線路に置き、一方を押すと、もう片方が動く動画を撮ってYoutube にupしたい。筆者の機関車はすでにほとんどがDCC化されているのでそれはやや困難な状態だが、やる価値がありそうだ。
 それを見れば、この種のコメントは来なくなるだろう。

2016年11月15日

メカニズム

 しばらく留守をしていた。東京で所属クラブの会合があったのだ。今回は久しぶりに全員が顔を合わせたので、一人ずつ自己紹介をした。
 筆者は、
「模型の外観は適当にできていれば十分であるが、メカニズムには最高を求めることにしている。いかにして低電流でたくさん牽くか、貨車や客車はいかにして摩擦を減らして遠くまで転がるかしか興味がない。」 
と言うと、みなさんはどっと沸いた。

 家に帰ってみると、少々手に余るコメントが来ていて、無視しようかとも思ったが、載せておいた。反論も来ているが、それもそのまま載せた。

 最近、妙なコメントが時々送られてくる。お前のブログに、俺の自己主張を載せろ、と言わんばかりのものがある。 
 お断りしておくが、コメントはあくまでもコメントであって、この場を借りて自分の主義主張を発表する場所ではない。それはご自分でブログ等を立ち上げて発表されればよい。メイルアドレスが書いてある場合は、それをお伝えして消去している。

 今回のコメント主は、拙ブログをほとんど読んでいらっしゃらないことがわかる。筆者は考えられるメカニズムをすべて作っている。それを祖父江氏がさらに改良したものも持っている。傘歯車駆動の機関車は3輌ある。人にお勧めできるものではない。
 価格の面でも問題があるが、一番大きな問題は音である。祖父江氏の腕をもってしても、歯車の音は無くならない。蒸気機関車がヒューと歯車音を出して走るのは問題だ。当時は若かったので、耳が敏感であったこともあるが、気になった。
 芦屋の御大の機関車はすべてこの音がする。彼はそれがお好きなようだったが、筆者は容認できない。
 また、摩擦係数と摩擦とは異なる次元の話であり、コメントの趣旨はよくわからない。

 最近皆さんもお気付きのようだが、低回転高トルクモータを用いて、低歯車比にすると静かで高効率の機関車ができる。筆者の「3条ウォーム+1段減速」は8:1程度であるが、新モータを用いて、その半分程度にすることを目標にしている。

2016年11月13日

続 隠しヤードを隠す

腰壁完成 多少色が濃い部分は1年以上前に作った部分だ。光に当たるとこの色になる。
 今回腰壁を作った部分は階段の横で、少々窮屈なところだ。当初の設計開始時に、この部分の通路をどうするかで、図面を描きながらかなり長時間討論した。northerns484氏には大変お世話になった。すでにある2800、2900 mmRの路盤を使い、通路幅を確保するのは困難な作業であった。車椅子が通る幅を考えると、不可能とも思えた。

 車椅子は行き止まりにせざるを得ないかとも思ったが、3次元で考えると、1200 mmという高さは車椅子の人の肩の高さより高い。ということは、頭を少し傾ければ通過できることが分かったのだ。体格によっては頭を傾ける必要もない。そのためには、テイブルトップの裏側には、極力何も出ていないほうが良い。オウヴァハングになるので支えが要るが、細い鋼製の角パイプを突き出させ、それで支えた。角は最大限に削り、丸くした。たとえ頭をぶつけても痛くないようにした。健常者は、普通の体格の人ならそのまま歩ける。体格の良い方は、カニ歩きすれば問題ないだろうが、そういう人は今のところない。

wheel chair clearance この写真は最近のものである。 この程度の余裕でしかないが、通過できる。合板の先が一部直線になっているのは、木取り上致し方なかったのだが、結果として良い方向に働いた。もう少し削っても良いかもしれない。いずれプラスティック板で保護される。
 
 この車椅子は伊藤剛氏による改良品で、ブレーキがレヴァをどちらに倒しても効く、優れものである。リンク機構は剛氏のお得意であった。 

 腰壁が完成したので、隠しヤードは文字通り隠され、観客からは全く見えなくなった。線路の載ったテイブルトップは、極めて剛性が高く、体重を掛けても撓まない。 

2016年11月11日

隠しヤードを隠す

 隠しヤードの工事が完了したので、腰壁を作った。高さが1200 mmの板を丸く張ったのだ。この工事は結構面倒な準備が必要であった。

bent wood frame まずテイブルトップの裏に、曲げた角材に接着剤を塗って、木ネジで留める。この時、外周との間隔が一定になるようにジグを用いる。この写真は1年以上前撮ったものだ。Dr.Yにお手伝い戴いている。

 木材を曲げるのは難しい。一定間隔で等しい深さに切り込みを入れ、ジグに押し当てて曲げる。曲がった状態を保ちながら、インパクトレンチでネジを合板の上から締める。
 上ができたら、下を作らねばならない。同様に木材に切れ目を入れ、上の部材と完全に一致する場所に置く。曲がりが不完全であると壁が波打つので、レーザを使って上下を一致させる。曲がりを固定しなければならないので、内側に薄い合板を接着剤で完全に固着させる。クランプが大量に要る。コンクリート床にはアンカを打って留める。
 たまたま本職の大工が見に来て、「あんた上手いね。これで飯が食えるよ。」と褒めてくれた。

 隠しヤードの工事が終わるまで、約半分の腰壁が固定できなかった。工事の都合上、側面から作業することがあるからだ。腰壁がないと、テイブルトップが多少撓むのが気になっていた。
 腰壁の材料は、ホームセンタで見つけた本実(ホンザネと読む)加工のカラマツだ。おそらくロシア製だろう。薄く溶いたオイルステインを浸み込ませ、ウレタン・ワニスを塗っておいた。多少の汚れは洗剤を付けて拭き取れる。

2016年11月09日

文字等を消す

 当鉄道には買ったままの車輛はない。すべて、手が入れてある。補重はもちろん、台車の付替え、細かい造作の作替え、文字入れがしてある。
removing lettering and herald 気に入ったディカールがあればそれを貼る。そのためには塗装を剥がさねばならない。すべて剥がすのは面倒であるし、うっかりするとプラスティック本体が変質することもある。過去にいくつか苦い経験があるので、最近は物理的に剥がしている。磨き砂を付けて歯ブラシで擦ると、表面から落ちるので、文字が消えていく。地肌も多少削れるが、必要なのは、地肌から文字だけ浮き上がっているのを無くすことだ。

 この方法はあとで塗装を重ねても全く差が感じられない。もちろん文字の厚みにもよるだろう。これは過去にもやっている
 このAtlasの旧製品は文字の塗膜が極端に薄いので、その点は簡単である。つまり以前は透けていたのである。文字の部分が完全に不透明でなかったのだ。これでは仕上がりが悪いので、軽くウェザリングを掛けてごまかしていた。

 今回、昔から気に入っていたディカールを入手できる見通しが付いたので、塗り替えを決心した。友人から、ディカールのデータを戴いたのだ。印刷して再生できる。そのディカールはその昔、Champion Decalで扱っていたが、とおの昔に廃盤になってしまった。その鉄道会社が消滅してから60年ほどになる。フロリダからキューバ等の西インド諸島に行く連絡船の路線である。アメリカとの国交が回復したので注目している。

2016年11月07日

Rail Craft の貨車キット

 最近はレイアウトの工事を数時間して、気分転換に短時間車輛を触ることにしている。その方が体力的にも具合が良いことが分かった。このキットはシカゴから来たものだ。前から探していたもので、構成に興味があった。

Railcraft panel side hopper Rail Craft はミズーリ州の製造者で、1940年代に様々な貨車のキットを出していた。ホッパは何種類もあった。そのうちのパネル・サイドというヴァージョンである。ホッパの縁部は寸法が決められていたようで、その下の部分を細工して、容量を増やしていた。骨の外に外被を付けるのは先日お見せした。これは外に持ち出したパネルを付けている。加工硬化で薄板でも頑丈になるのだろう。 

 全体は、工場でジグにかぶせて組んだようだ。直角も出ている。ハンダ付けはアメリカ人にしてはうまい。ジグから外して、内側はあとから付けてある。すべての要所に隙間なくハンダが流れている。購入者は縦のリブとかデッキ部の造作、梯子などを付けるわけだ。結構面倒な仕事もあり、自分で作ったという満足感もかなり得られるようになっている。

 写真は途中の様子である。縦のリブは安達製作所の部品と取り替えようと思ったが、オリジナルを生かしている。これを見ると、安達製作所の構成は明らかにレイルクラフトの模倣だ。安達製作所製のほうが細密感があるが、オリジナルには素晴らしいところもある。

 ホッパ縁部の部材が、チャネルである。安達製はアングルだ。やろうと思えば真似できたのに、どうしてしなかったのだろう。細いアングル等はブリキ製である。錆びやすいが硬いので、細くできる。その辺の見極めは良い。連結器座のあたりは薄くて良くない。やはり切り取って、厚板を張り、対衝突性能を上げる。台車の心皿はブロックを削って嵌めた。完全にハンダを流して固着させる。すべての工作が終わってから、ドリルで穴を開け、タップを立てる。

 多少手間をかけて、当社仕様となる。連結するとカツンと剛性のある音がする。 

追記 ここには書いてないが、この模型はやや大きい。17/64インチスケール(約1/45.2)である。すなわち、1/48の他車とつなぐとかなりの差があり、混結は断念した。  

2016年11月05日

またまたcoon-skin

115_4917 当鉄道にはアライグマの皮がまだある。これが2輌あるのだが、番号が同じなのが腹立たしい。遠くに置いて同時に見なければよいのだが、色が目立つので、どうしても気になる。番号を剥がして貼り直したい。♯800程度の耐水研磨紙で水を付けて丁寧に擦ると、文字だけ消すことができる。一文字消せばよいので 、出来ないことではない。合う黒文字ディカールがあればよい。

SLSF 700083 ドアの形が異なるが、塗色が同じ写真を見つけた。随分色褪せている。この種のweatheringはなかなか難しい。



 アライグマの皮についてはいろいろな問い合わせがあるが、それほど詳しいわけではないので、こちらのサイトをご覧戴きたい。
 Friscoという語はSan Franciscoの短略形だと思っていたがそうではなく、San Francisco と St.Louis および Companyの複合語だと書いてある。この見解は初めて見た。

 筆者はこの会社については、椙山満氏からお聞きしたこと以外ほとんど知識がない。大陸横断鉄道を作るためにいくつもの会社を統合し、挑戦したが力尽きた会社という感じだ。この鉄道に限らず、Texas & Pacific, Missouri Pacificなど太平洋を目指した会社は多い。大陸横断鉄道というものに対する意欲は、当時は今では考えられないほど強かったのだ。  

2016年11月03日

緩衝とは

 緩衝装置にバネを用いてはいけないのか?という質問を戴いている。

 バネを用いると衝撃は受け止めるが、そのあとが問題である。蓄積されたエネルギィの行き場所がないから、すぐに放り出すことになる。即ち、貨車は同じ速度で跳ね返ってくる。これでは意味がない。
 ぶつかった時のエネルギィのかなりの部分を熱に変える必要がある。この発泡ポリ塩化ビニルは、その点とても優秀だ。もともとは、工場で高価なジグとか測定器を置く棚の中敷き用のものらしい。緑の部分は中身が詰まっているが、黒っぽい部分は多孔質である。

 曲げると弾力は多少感じるが、徐々に変形していく。変形した後はそのままの形を保つが、力を取り去るとじわじわと元に戻っていく。 典型的なエラストマの特性を持つ。

 50 ft貨車の20輌編成(約10 kg)を時速30 km相当でぶつけると、速度はその1/5くらいで戻ってくる。脱線もしない。この件については円筒状にする材料の幅をいくつか試作して決めた。初めは、中にエアキャップ(いわゆるプチプチ)を入れてみたりしたが、弾力が強くなりすぎるのでやめた。

 ラジコン自動車用のショックアブソーバも試したが、長さを短くできないのでやめた。紹介した方法が、コストの点でも性能の点でもベストである。 材料は大量に余っているので、送料だけご負担戴ければ、必要な方には差し上げる。
 この材料を隠しヤードの地下部分に全面的に貼って、消音するつもりだったが、ゴム板が見つかったのでそれを使った。 

2016年11月01日

車止め

 隠しヤードの終端部には、適当な緩衝装置が必要である。堅いものでは編成が衝突すると壊れたり、脱線したりする。

115_4908115_4912 末端部は本線の円周に沿って長さが変化するので、折れ線状の終端を設け、それに線路に対して垂直になる木材を取り付けた。三角のブロックは、庭のデッキを作った時の廃材を取っておいたものだ。カナダのイエロゥ・シーダでとても良い匂いがする。木目が素直なので、割って作った。右の写真は仮留めの状態である。

115_4909 発泡ポリ塩化ビニルの 3mm のシートを丸く巻いて、ワッシャを噛ませてネジ留めした。列車をぶつけると、実に良い緩衝能力を示す。スポンジでも実験したが、これよりはるかに大きなものが必要だった。


hidden yard DCCであるから、配線は極めて単純明快で、すぐ終わった。 すべての線で、衝突実験をして無傷であることを確かめた。

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