2015年06月25日
2015年06月25日
easement

同時に数理工学という恐ろしく難しそうな分野の先生をしている友人にも、コピィを送って評価してもらった。彼はもともと建築科の出身で、数学を使って様々な自然現象を解明するのが仕事である。
会って解説してもらったが、がっくりきた。
「一言で言えばファンタジィ(おとぎ話)だね。本人は正確だと思っているし、理屈が通っているはずだと確信しているけど、正確とは言い難い。向きが反対とかそういうことは置いておいてもおかしい。 」
書いてくれた数式は見かけ上、三次式だ。
「しかし、この式の中の定数が曲者だ。本当は定数ではないのだよ。しかも、それが定数だとしても、変位が大きいと外れてくる。十分に正しいと言えるのは、変位が目に見えない程度の範囲だ。この図では明らかに曲がっているだろう。こうなると無茶苦茶だ。」
与えてくれた式は、有名な式なのだそうだ。もともと梁のような構築物の撓みを近似する式で、このようなバネ状のものを想定しているのではない、と言う。
「ところで、君はこれで何をしたいわけ?」と聞かれた。
「模型の鉄道の直線から曲線への移行部分に使いたい。」と言ったら、
「なーんだ、そんなもの、コンピュータで簡単に描けるだろう。外注すれば、レーザで三次式でも正弦曲線でも、たとえクロソイド曲線でも、すぐ定規を切り出してもらえるさ。くだらないことを考えるなよ。時間の無駄だよ。」と蹴飛ばされてしまった。
実は、この件には伏線がある。