2012年04月
2012年04月29日
続々々 St.Louis の鉄道博物館


黒丸は明らかに目玉を意識しているのである。




追記 カヴァ coverする とは取材などによって記事を掲載すること、放送することである。複数の方から質問を戴いた。
2012年04月27日
続々 St.Louis の鉄道博物館




上の FT では梯子が付いているだけで蹴込みはない。つま先が当たる部分には Kick Plate と呼ばれるステンレスの板が張ってあって、靴で塗装をはがさないようになっている。
下の E8 では 梯子の奥行きが少なくなり、より深く入るように蹴込みが作られている。蹴込みは2インチ(約5 cm)であった。



2012年04月25日
続 St.Louis の鉄道博物館




この博物館のコレクションで興味があったのはこのY-6aである。Y-6bが作りかけなので、細かいところの検証が必要であった。
あまり引きのないところであったので、14mm超広角レンズを使ったが、空からの光を遮るのを忘れたため、青いフレアが出てしまった。もう少し絞ればその影響が小さくなっただろう。
この機関車は複式(いわゆるマレー)である。経済性に優れ、強大な引張力を誇った。動輪径が1470mmと小さく、動輪軸重が大きいからだ。貨物専用機で石炭列車を牽いていた。優秀なボイラを持ち、5600馬力を出した。
動輪径が小さいとはいえ、100km/hまでは出せたそうであるから大したものである。




先台車、従台車のあたりの様子を見に来たのである。1軸従台車は先台車と同じ物を用いているのが興味深い。このタイプは復元装置を付けにくいので工夫が必要である。模型は多少割り切って作る必要があるかも知れない。
2012年04月23日
St.Louisの鉄道博物館

昔はこの街に学生時代の友人がいて、訪ねたことがある。当時は街の北部が荒廃し、ホテルでは強盗が頻発して危ないからと、自宅に泊めてくれたことを思い出す。


西部の砂漠ではないので雨が降る。すなわち、屋外ではそれほど保存状態は良くないので、屋根の付いている部分に格納されているものが多い。



動輪軸重34.5トン、機炭全体で450トンもある機関車である。Big Boyの軸重が30トンほどであることと比べても重く、動輪径が1880mmもある高速機関車である。
設計が新しいのでボイラの構造に工夫があり、出力は6000馬力以上とされた。この数字はBig Boyと同等である。
2012年04月21日
続々々 友人Harmon

右の灰色のものは筆者と同じテキサス製である。これは以前に紹介した。



2012年04月19日
続々 友人 Harmon

旋盤はもう一つあり、それは7 × 10である。7とは回転させられる最大径のインチであり、175mm程度である。
10は10インチの長さのものまで回転させることができるという意味である。最近買ったというのだが、調子が悪いので使いたくないと言う。
調べてみると刃物台のgib(いわゆるカミソリ)の調整が良くない。また、それを留めるネジの穴の周りが膨らんでいる。間抜けなことにこの中国製の旋盤は、刃物台を仕上げてからネジを切っている。タップが通れば塑性変形も起こるので、ネジ穴が膨らみ、よそに当たっている。
全てばらして、研ぎ直し、カミソリも800番のサンドペーパの上でバリを取り、良く油を付けて拭き取った。これを組立てたところ、非常に調子が良くなり彼は大喜びだ。ちょっとしたことなのだが、それが出来ていない旋盤など使えないのは当然である。
「中国製だから駄目なのかと思っていたが、そうではなかった。」
という言葉が出てきたのは意外であった。
「この整備法を友達に教えてあげるといいよ。」と言うと、
「もちろんだ」ということになった。


プレスはラックを使ったタイプでアメリカには良くあるが、日本ではほとんど見ない。

裾にベルクロ(いわゆるマジックテープ)が付いていて、机の下のテープと噛みあう。仕事を始める前にエプロンを仕事台と結びつければ、部品が無くならないと言う。
後記 鹿ケ谷氏のサイトに写真入りの説明があるので、それをご覧戴くと分かりやすいと思う。
2012年04月17日
続 友人Harmon



彼はイリノイ・セントラル鉄道が好きである。子供の時からすぐ近くに駅があって、入れ替え作業を見ていた。たまに特急が通過するのを、眺めた記憶があるからだ。
彼はこのパシフィックに2年掛かっている。九割がた、完成の域に達している。ブラスと洋白との組み合わせである。火室の下部のMud Ring(マッドリング)があるのには驚く。電動模型でこれを作っている人は少数だ。火室は二重の鋼板で出来ていて、隙間に水が入る。水の中の不純物は火室下部に溜まりやすいので、それを時々排出する。その部分を「泥が溜まる部分」として、こう呼ぶ。



よく見ると旋盤はもう少し大きなのも買ってある。

鉄板の上に乗せて、ネジまわしの軸でこするだけで具合良く硬化し、ぴんとした。ハーマンは「知らなかった。こんな方法で硬くなるのか。」と驚いた。
2012年04月15日
友人Harmon





1 kmほど離れたところに倉庫があり、そこには巨大な農業機械が入っている。その横に中学校の体育館程度の大きさの倉庫があり、飛行機が入っている。彼の息子は農薬や除草剤などの散布を請け負う航空会社を経営している。この飛行機は作業専用機で、製造数が少ない型だそうだ。気に入っているので2機目を最近購入したという。乗用機も持っている。GPSがあるから、アメリカ国内ならどこへでも行けるよとのことである。但し、洋上飛行はしたことが無いそうだ。
この格納庫の中には、まだスペイスがあるのでもう一機入れたいらしい。この農薬散布専用機は製造数が少ないので、手に入りにくいのだそうだ。
「もし、日本で見かけたら知らせてくれ。買い付けに行く。」と言っていた。
シカゴの方に飛んでいくと管制が厳しいそうだ。近くしか飛ばなければ、300 m 以下の高度に限り飛行計画も不要だということだ。近所にはもう一軒飛行機で農薬散布をしているところがあるらしい。その飛行機と衝突しない限り、事故はないという。飛行中にエンジンが止まったらどうすると聞くと、「経験はないが、止まっても降りるところはいくらでもあるという。このあたりの道路はどこもまっすぐで、通行量は少ない。200mあれば降りられるという。
庭先には砂利敷きの滑走路がある。800mもある。理由は、薬液を満載すると離陸しにくいからだ。
射撃が趣味で、庭で的を撃つ。ライフルの弾は 3 km も飛ぶ可能性があるので、土盛りした一角があり、そこでしか撃たない。
2012年04月13日
続々 シカゴのダウンタウン

現在はスケート・リンクになっている。やりたかったが、旅先でけがをすると収拾が付かないので諦めた。



10年ほど前に訪れた時はもっと巨大な建物から煉瓦が落ちて来るようになり、その建物のある一角の全ての道路が鉄骨のシェルタで覆われた。それに厚さ2インチの木の板を張り、落下に備えた。この種の目的には木材は緩衝性があって適する。鉄板ではよほど厚くしないと突き抜けるだろう。その建物は20世紀初頭に建てられたものであった。それらはすでにほとんど取り壊されている。




追記 この公園は2005年に完成ということだ。
2012年04月11日
続 シカゴのダウンタウン

この像はその通りの南の端の公園にある。余りにも巨大で驚いてしまった。スカートの中に50人位は入れるのではないか。にわか雨が降りだしてその中に入って雨宿りしている写真がある。
先回の写真は 14 mm 超広角レンズを使って撮ったので大きさが分かりにくかったかもしれない。横から見るとこんな調子だ。それにしても大きい。どうやって作って、どうやって運んできたのかは不明である。




めた。
2012年04月09日
シカゴのダウンタウン

レンタカーを郊外の駅前に駐車し、列車に乗ってシカゴのダウンタウンに行く。

客車は二階建てで、着席定員が多い。二階の客の検札も、切符を見えるように挟んでおけば、下から行える様になっている。





New Yorkの方がもう少しましだ。またELに乗って一周し、食事をしてあちこち散策した。

2012年04月07日
ゴミ箱の中

いつも古い書籍とか雑誌を並べている男がいる。毎年会うのでおマケしてくれるいい奴だ。今年は妙に御機嫌が悪い。たくさん並べてあるModel Railroaderの旧号が一つも売れないのだ。
「こんなことは今までなかった。Kalmbach社がDVDを出したからだ。」とブリブリ文句を言う。
「そうだね、あれを買った人は紙の本を捨てるかもしれないから、古本の供給が過剰になって、値段が付かないかも知れないね。」と言うと、「あああ、もう駄目だ。」と頭を抱えた。
最終日の午前中に彼はMRの山をゴミ箱に投げ込み始めた。200冊くらいあっただろうか。そして残りの荷物を車に積み込んでさっさと帰ってしまった。
残った我々は一応最終時間まで居たが、何人かが集まってそのMRを見ていた。
「図面は紙が良いね。」
「そうだよね。でも紙も劣化しているからすぐ破れてしまうよ。」
というわけで、何冊か引っ張り出してそれぞれが興味ある図面だけ外して持って帰った。帰宅して早速コピィを取り、原本は捨てた。拙宅には図面のコピィは何百枚かあり、綴じてある。時々出して眺めるのは楽しい。
Kalmbach社の広告には、「計算してみよう。199.95ドルで912冊、一冊当たり22セント!」とある。あまり劣化はしないだろうが、DVDというメディアがあと何年用いられるのだろうかは心配だ。
Model Railroaderの電子配信の件はここに書いた。
2012年04月05日
The man who built the Engines for Max Gray
今年は、見学に行くと、Garyが客を放り出して筆者の方にやってきた。
「明日のClinicの件だけど、」と切り出した。
「祖父江氏の作品がいくつあるのか知りたい。リストを持っていないか。」と聞く。
次の日、筆者は祖父江氏についての講演をすることになっていたのだ。そのタイトルは、
”The man who built the engines for Max Gray" 「マックス・グレイに機関車を作った男」である。以前から、この演題についての講演を頼まれていたのだ。
中身はしばらく前、とれいん誌に頼まれて書いたものをもう少し詳しくしたものである。参加者が多く、用意した椅子が全部ふさがった。50分の講演であるが、面白いエピソードをいくつか入れておいたので、参加者は皆大笑いしながら聞いてくれた。
やはりハンダ鏝の持ち方の件は受ける。蒸気機関車のスポーク動輪を筆者と話しながら糸鋸で切った話などは興奮して聞いていた。
マックス・グレイが日本に来た時、カツミの社長が、祖父江氏を横においていながら、紹介しなかった話をすると不思議そうだった。そこで、”He was a chicken that laid golden eggs." 金の卵を産むニワトリだから紹介したら引き抜かれてしまうと思ったのだというと大爆笑が起きた。
あとで、「そうだよ。こいつが作っていると分かったら、どんな方法を講じてもアメリカに連れて行っただろうさ。」と言われた。
講演の最後に、Oスケールの殿堂入りの話をした。「殿堂入りしているのは全てアメリカ人である。アメリカのOスケールを支えた人が入らないのはおかしい。彼には十分に資格がある。」と言うと、全員が立ち上がって拍手をしてくれた。
殿堂入りを決める役員が二人来ていて、次回の会合でこれを議題に入れると約束してくれた。期待できそうだ。
「明日のClinicの件だけど、」と切り出した。
「祖父江氏の作品がいくつあるのか知りたい。リストを持っていないか。」と聞く。

”The man who built the engines for Max Gray" 「マックス・グレイに機関車を作った男」である。以前から、この演題についての講演を頼まれていたのだ。
中身はしばらく前、とれいん誌に頼まれて書いたものをもう少し詳しくしたものである。参加者が多く、用意した椅子が全部ふさがった。50分の講演であるが、面白いエピソードをいくつか入れておいたので、参加者は皆大笑いしながら聞いてくれた。
やはりハンダ鏝の持ち方の件は受ける。蒸気機関車のスポーク動輪を筆者と話しながら糸鋸で切った話などは興奮して聞いていた。
マックス・グレイが日本に来た時、カツミの社長が、祖父江氏を横においていながら、紹介しなかった話をすると不思議そうだった。そこで、”He was a chicken that laid golden eggs." 金の卵を産むニワトリだから紹介したら引き抜かれてしまうと思ったのだというと大爆笑が起きた。
あとで、「そうだよ。こいつが作っていると分かったら、どんな方法を講じてもアメリカに連れて行っただろうさ。」と言われた。
講演の最後に、Oスケールの殿堂入りの話をした。「殿堂入りしているのは全てアメリカ人である。アメリカのOスケールを支えた人が入らないのはおかしい。彼には十分に資格がある。」と言うと、全員が立ち上がって拍手をしてくれた。
殿堂入りを決める役員が二人来ていて、次回の会合でこれを議題に入れると約束してくれた。期待できそうだ。
2012年04月03日
続 O Scale West 2012
コンヴェンションの会場での売買はさほど面白いものもなく、夕方にはレイアウト・ツアの話題が出る。評判の高いレイアウトはすでに行ったところばかりで、新規のレイアウトの公開もない。友人たちと連れ立ってレストランに行って飯を食い、ビールを飲んで楽しむ。
皆が、この先どうなるのかということを心配している。
アメリカ内のことは筆者はあまり心配していない。価格が下がれば参入者は自然に増える。より若い人たちが入ってくれば、なんとか維持できるだろう。問題は日本国内である。すでに絶滅危惧種に指定されているOゲージがどうなるかはとても心配である。HOですら、ブラス工作をする人が少なくなっているのだ。


今年もGary Schrader氏のレイアウトを見に行った。毎年少しずつ進歩している。例によって細密化された機関車、貨車、客車がDCCによって走る姿が公開されている。


相変わらず整頓された工作台は素晴らしい。今年は左手に小さい抽斗をつけた棚を取りつけた。高い位置にあるので中身が抽斗を透かして分かるのがよい。
皆が、この先どうなるのかということを心配している。
アメリカ内のことは筆者はあまり心配していない。価格が下がれば参入者は自然に増える。より若い人たちが入ってくれば、なんとか維持できるだろう。問題は日本国内である。すでに絶滅危惧種に指定されているOゲージがどうなるかはとても心配である。HOですら、ブラス工作をする人が少なくなっているのだ。






2012年04月01日
O Scale West 2012




今年もO Scale Westに参加した。先回の写真の、電車を見下ろすホテルの向かいのホテルで開かれた。今までは会場に所狭しとテーブルが並び、雑踏とまではいかないがかなりの人手があったのに、今年はやや人出が少ないと感じた。
Oゲージを楽しむ人の高年齢化により徐々に規模が小さくなって行くのだ。それと同時にOゲージ車輌の価格低下には驚く。今までは1000ドル以下ではろくな物が買えない状態であったのに、700ドル出せば何でも買えてしまう時代になった。来年はもっと下がるかもしれない。
中古ブラス市場はすでに供給過剰になった。物故者が増え、大量のコレクションが市場に還流されているからだ。さりとて需要は増えない。価格は下落する一方だ。特にMax Gray-KTM製品の価格下落が顕著だ。厚い板でできた祖父江製作所製の機関車であれば、ロストワックス鋳物を追加加工するのも訳なくできるから、価値がありそうなものであるが、現実にはそのような工作をする人が極端に減ってしまったからである。
一方、全体の設計がまずくても、ロストワックス鋳物がきらきらと付いている韓国製品が高いのである。手を入れようとすると、こちらの方が手間が掛かる。下廻りを投げ捨てて新製しなければならないからだ。
ロストワックス鋳物の投げ売りも多い。今回はバケツ一杯ほどの買い物をしたが120ドルほどであった。以前なら2000ドル以上の価値がある。もうすでに欲しがる人が減ったのである。


ディカールはそこそこの価格である。いつも価格はあまり変動しない。ときどき投げ売りがあったので、それをまとめ買いしてある。もう必要以上に持っているので、今回はほとんど買わなかった。