糸鋸

2022年10月11日

続々々 内野日出男氏の工作

 内野氏の工作の上手さは、糸鋸、ヤスリがけ、旋盤、ハンダ付けである。要するに、金属加工の本質を深く理解しているということ以外には、筆者は何も言うことができない。   
 内野氏がどのようにしてそのような能力を身に付けたのかは、よくわからない。ご実家はその種の仕事をしていたわけではない。特定の誰かからテクニックを学んだということでもないようだ。翻訳家の日吉菊雄氏とは、家が近くで親しかったとは聞いている。

 遺された工具類を点検すると、全てのヤスリのsafe edgeは見事に研ぎ上げられている。旋盤も良いものだが、特別なものではない。
 糸鋸は荒い目の物が多い。#1程度の刃がたくさんある。これでステンレスを切ると、かなり早く切れる。糸鋸の枠も極めて普遍的に売っているもので、特に変わりはない。

 筆者も若い頃は目が良かったので、糸鋸加工は得意だった。内野氏達と話していたとき、ケガキ線に沿って切るとき、どこを切るかという話で盛り上がった。内野氏が「ケガキ線を半分残すんだ。」と言ったので、皆が納得したことを思い出す。

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2022年03月26日

糸鋸盤

coping saw attachment (2)coping saw attachment (3) 糸鋸アタッチメントを組んで、取り付けた。バランスウェイトが付いたクランクがあって、クロスヘッドで上下動に変換している。クランク部にはボールベアリングがあるので、摩擦が少ない。また振動も感じられない。モータの回転を、3段のベルトで減速して、元の1/16ほどにしている。我々が手で糸鋸を動かすのと同程度の速さだ。この程度の速度であるから、バランスが多少狂っていたとしても、ほとんど影響はない。 

coping saw attachment (1) 滑らかである。音がしない。こんなに静かに動くとは思わなかった。よく出来た機械だ。糸鋸の上半分を保持する部分は、弓をかなり切り捨てた。硬いバネをt 0.8のリン青銅板から切り出し、長く保持して取り付ける。先端の固定部(赤で示す)の設計中である。普通に保持すると、バネの曲がりで、鋸刃の付け根は疲労する可能性がある。そうすると、折れやすい。
 また、この種の板バネには、疲労しにくい材料が必要だ。リン青銅は、その点では最高の材料である。優秀なバネ鋼は手に入れにくいからだ。

coping saw bow 熱処理した薬研(やげん)型の溝を作り、ナイフエッジで承けて、多少の傾きがあっても張力だけが掛かるようにするのが理想だが、その必要もないかも知れない。伊藤英男氏の仰ったように12分持てば良いので、実験して差がなければ、簡易型で良いだろう。


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2017年01月18日

続 作業台の高さ

 それを聞いて、「やはり、そうか」と思った。
 裏庭の物置を整理した時に、実家から引き揚げてきた風呂の椅子が出てきた。ほぞが緩んで壊れていた。 捨てようと投げたが、その瞬間ひらめいた。

 V-board ルータで切り込んで、V-boardを沈め、面一(つらいち)にする。裏も少し削って、握りの前の締め金具が当たらぬように逃げる。V-boardは、硬い樫の木を用いた。


V board 2 接着剤を十分塗って締め上げ、一日待つ。多少の不陸はベルトサンダで落とすと、平らな作業台ができる。ワークをクランプで締めることも可能だ。
 脚の裏にはゴム板を貼り、多少摩擦を大きくする。足の手前にはストッパを貼りつけ、作業台の縁に引っ掛ける。

V board 3 極めて単純な工作で、1時間で完成だ。筆者の体格で、普通の椅子に座り、ほど良い高さである。この種の椅子は最近はあまり見かけないが、わざわざ探すほどのことはない。スクラッチから作ったとしても、大した手間ではない。

 友人が来た時に試してもらったが、なかなか良いという評価だった。 お試しあれ。


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