台車

2019年09月27日

3Dプリンタによる台車

 S氏に作って戴いていた台車が何種類か届いた。

 客貨車の台車はナイロン製、POM製が良い。ショートによるトラブルから逃れられる。軸受の耐久性は全く問題ない。毎日走らせているが、減ってきた兆候はない。おそらく50年以上持つであろう。壊れたら差し替えれば良いので、気にする必要はない。

 3Dプリンタで作ると、人智を超えた構成に出来る。組立てなくても、込み入った形がそのまま出力される。作ろうと思えば、しなやかな鎖でさえも、そのまま出来る。外見だけのコイルバネは、再現できる。もっとも、荷重を掛けるバネは金属製にするべきである。
 車輪を嵌め込むときに部品を脇に寄せ、それを戻してネジ留めすればおしまいだ。ネジも切った状態で出力されている。部品には弾力があるので、曲げても復元する。

Woodframe caboose truck 今回どうしても欲しかったものは、この木製台枠のカブース台車だ。Low-Dの33インチ車輪に適合する貨車用台車である。 ブラス製のものも何種類か作ったが、決して満足できない。たまにショートする。その点、これは素晴らしい。(やろうと思えば、絶縁車輪の向きを変えて、1台車で2極の電源も採れる。)
 ざらついて見えるが、30 cmの鑑賞距離からでは実に自然な感じである。高精細のものもあるが、実用上はこれで十分だ。HO以下の場合は別の材料の方が良いかもしれない。Oスケールは強度が大切である。
 もちろん塗装するのでかなり滑らかになる。焼結ナイロンは多孔質で、瞬間接着剤、塗料は吸い込まれていく。写真の状態は染色を施したものである。生地は白い。 

UP CA3 この台車を付けるのは、この車輛をはじめとする数輌のUPカブースである。1950年頃までのUPカブースはこの色であった。Red Caboose という話は、しばらく前にした。この写真は仮の状態で、収まり具合を見ている。以前に比べて、高さが低くなり、安定感がある。まだ細かい部品は付けてない。 

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2019年09月29日

続 3Dプリンタによる台車

4-wheel Pullman truck Pullmanの4輪の客車台車である。これは36インチ車輪を付ける。
 すっきりしている。今までのはWalthersの文鎮のようなダイキャスト台車であった。それを糸鋸で切り抜いてヤスリを掛け、バネを接着すると可動のように見えた。膨大な手間を掛けて改造していたが、新しい台車を見ると古いものは投げ捨てたくなった。

 ブレーキシュウまできちんと付いている。隙間が少なかったようで、少し削る必要があった。次回生産では改良する。摩擦が極端に少なく、するすると走って行ってしまう。

Pullman 6-wheel truck Pullmanの6輪台車である。これはイコライザ可動である。この台車もすっきりと出来ている。普通に考えると、非金属でイコライザを作っても、動きにくいし、組むのも難しい。
 ところが、S氏はそれを思わぬ方法でクリアした。本当に、イコライザが軸重を均等にしているが、組立ては一瞬で終わる。そのアイデアは素晴らしい。
 
exploded view キングピン(台車の回転軸)は中央車軸の真上にある。キングピンのネジを下から締めるのは難しいが、それを克服している。台車ボルスタを下から締めている。そのネジは、揺れ枕の底板の穴から締められるようになっているのだ。
 未塗装で、光をしかも上から当てているので、ざらつきが強調されているが、実際はもう少し滑らかに見える。  
             【後半部分を差し替えました。】           

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2019年10月03日

台車各種

 Walthers, Lobaugh, 3Dプリンティングの台車を比較してみる。

4-wheel Pullman 4輪台車である。これらが同じ台車とは信じがたい。
 左のダイキャスト製はバネが抜けてない。これを抜いたところで形が悪すぎるので、40年以上放置である。車輪だけLow-Dにしている。背が高い。
 中のLobaughは形が良い。バネを切り抜いて適当なコイルバネを接着してある。実感的だと評判であったが、やや小さい。
 右は今回の台車だ。図面通りだ。

 こうしてみると、ボルスタ高さ、軸距離など思いのほか、異なっている。

6-wheel Pullman 6輪台車である。左の二つはコイルバネが抜けていない。切り抜いたものもあるが、いまひとつである。
 今回の台車はブレーキシュウもついているし、しかもそれがタイヤ踏面の位置にある。ナイロンだからこそできることだ。絶縁材料は助かる。

 造形的にはLobaughのものが良い。凹凸の深さも適当で、黒く塗ると十分に気分が出る。しかし、抵抗が大きく、ショートする。

 今回の試作で、いろいろな改良点が分かったので、次期量産品は素晴らしいものとなるだろう。アメリカに送って評判を聞いてみる。

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2020年04月23日

3D printing

 今回の出力は多岐にわたる。構造・機能部品もあるし、台車関連もある。

light weight car truck (2) 台車の中ではこの軽量台車が出色である。これは1930年代のUPの特急M10002辺りから始まった軽量客車用の台車で、バネ下質量が小さい。またブレーキ装置が台車に付き、応答性が良い。もちろん、ブレーキロッドがちぎれる事故とは無縁になる。高速列車用として不可欠の要素をちりばめた台車である。S氏が「出来る」と言ってくれたので、ソフトウェアの作成をお願いした。

lightweight truck 1lightweight truck 2 この二つの図は極めて初期の構想図である。やめてしまったアイデアもあるし追加したものもある。重ね板バネは内部まで作ってあるが、揺れ枕は作動させなかった。 

light weight car truck (1)light weight car truck (3) 車輪径はやや小さく、36インチ(915 mm)ではない。貨車用の33インチよりも少し大きいようだ。確認できないが、34インチのようだ。
 模型ではフランジが大きいので33インチを嵌めるとちょうど良く見える。36インチではブレーキが掛かってしまう。 

 これをブラスで作ろうと思うとかなり難しい。5段くらいのロストワックス鋳物の集積を覚悟せねばならない。各部の組立精度の確保も難しい。飛び出したブレーキロッドもそう簡単にはできない。作っても曲がってしまうのがオチだ。また、ブレーキシュウを付けてあるが、近接させることができる。ショートの心配が無いからだ。

 こういうものは3Dに限る。バネを廃し、ボルスタの捻りで逃がしている。十分なcompliance (追随性)を発揮する。弾力があるのでバネの効果もある。仮車体を載せて走らせると極めて静かである。ボルスタは垂直荷重には耐えるが、捩り剛性を小さくする設計にしてある。

 ナイロンは結晶性プラスティックで、へたらない。熱可塑性ではあるが流動する温度は高く、常温では”流れ”ない。いわゆるプラモデルの材料のポリスチレンなどは、常温でも力を掛けていると少しずつ”流れて”、撓んだり潰れたりする。

 写真は高精細の近接撮影であるのでざらついて見えるが、30 cm程度の鑑賞距離であって、車体の下に付いているのであるから、全く気にならない。HO以下で矯めつ眇めつ見るには、やや粗いかもしれない。走行を主とするなら(そういう人は少ないが)全く問題ないだろう。

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2020年04月25日

続 3D printing

6-wheel truck 今回作った新しい台車としては、このコイルスプリングの6輪台車がある。これには、見かけだけは良いが出来の悪い韓国製台車がある。高価であるがその機能はでたらめであって、揺れ枕は動くはずだが微動だにしない。摩擦が大きくて、たくさんは牽けそうもない。作り直す気が失せてしまうほどダメなものであったが、ボールベアリングを押し込んでLow-D化すると、良くなった(右)。バネを縮めるため、錘を載せてある。

 これを3Dプリントできればと思い、S氏に相談すると、それほど難しくないと言う。イコライザは例の支えを入れる手法で作り、コイルバネで荷重を受け持つ。基本的にプルマン6輪台車と同じである。揺れ枕は作らなかった。ボルスタアンカはΦ1のステンレス線である。
 この台車は銀色に塗装すると金属製に見える筈だ。荷物車、社長専用車などに使う。

 やはり客車の台車はプラスティック製に限る。絶対ショートしないし、軸の抵抗が少ない。現在使用中の金属製台車はすべて用済みとなる予定だ。そうすると、パシフィックでプルマン10輌が牽けるはずである(現在は6輌)。

disc brake お遊びでこんなものも作った。ディスクブレーキ・ロータである。キャリパは省略した。やろうと思えば本物通り、 中空のventilated diskもできる。今回は外形だけである。旋盤で孔の中をリーマ通しして、心を出した。 

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2020年04月27日

続々 3D printing

National trucks この台車は以前作ったNationalの製品である。大きなコイルバネは別に作って、本体にぶら下げてある。こうすれば、数が必然的に合う。コイルバネは3Dで螺旋状に作られている。


clasp brake クラスプ・ブレーキ(両抱き踏面ブレーキ)を作った。なるべく密に詰めたクラスタである。こういう状態をクラスタというべきなのだ。一つで1台車分である。バネ座とか面倒なものは同時に作ってクラスタに入れておけば、数を数える必要もない。

 これでDaylight用の客車台車を作っている。本体はブラスの厚板をレーザで抜いたものだ。これはハンダ付けして組んである。
 ブレーキ装置で悩んでいた。ロストワックス鋳物では必ずショートする。ブレーキ関係をプラスティックにすれば問題は解決だ。ほとんどの製品では、ブレーキ・シュウが台車枠の位置にある。ショートしないように工夫したつもりだろうが、非常に大きな減点箇所である。そんな台車など要らない。ブレーキ・シュウの位置は大切である。  

 他の機能部品はいくつか問題があるので、発表はしばらく控えたい。積層方向によって、精度が変化する。3Dプリントは簡単そうに見えるが、高精度を期待すると、難しいものである。 次回の試し打ちでうまく行けばよいが、なかなか難しそうである。

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2020年05月31日

続 Streamliner の組立て

 電気絶縁方式を考えておかねばならない。連結器はMonarchで金属製であるから、台車を絶縁せねばならない。また、木製床板であれば心配ないのだが、ブラスの床板であると導通してしまう。半固定編成にして解結しないという前提でないと、つなぎ方によってショートしてしまう。
 電気的には、3Dプリンタによる樹脂製台車は好都合である。金属製台車は絶縁された床板に用い、樹脂製台車は金属製床に用いることにした。さらに、編成時はよく考えて、金属製床と木製床の車輛をなるべく交互につなぐように心がける。そうすれば間違ってショートすることはない。中には金属床板に樹脂製のボディ・ボルスタを付けてあるものもあって、ややこしい。
 
 これらの客車は入手した先が異なり、また作られた時の状況が異なるので、1輌ごとに作りが全く異なる。床高さもまちまちで、車体高さと連結器高さを同時に独立して調整せねばならない。列車としてのまとまりは、揃った屋根高さ、一定の連結面隙間によって得られる。簡単なジグを作って不揃いは修正した。規格があって、同時に作ってあれば非常に楽であったろうと思う。その修正は大変な手間である。だから、現在作っている12輌には完全な互換性を持たせる。
 色調は多少異なってもさほど問題ない。本物の編成でも褪色具合の差があって、かなりの違いがあるのが普通だ。

forced vent 生地完成のものは13輌あったので、よく洗って、準備した。長年の保管中に一部破損しているものもあり、整備するだけで5日を要した。屋根上のディテールは、昔の申し訳程度のエッチングパーツではなく、3Dプリンタで作った本格的なものを使用した。小さな部品でも、これを付けると、全体が引き締まる。塗装済みの車輌に付けたものを示した。色や艶が多少異なり、剥げているところはタッチアップする。

rivets ところで問題である。このリヴェットはどうやって作ったのであろうか。屋根板は、0.7 mmのブラス板である。 


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2020年06月24日

bolster anchor の向き

 ボルスタ・アンカの向きについてさらりと書いたら、早速詳しく解説せよ、との要望があった。

 ここで述べることはアメリカの台車についてであり、日本国内でどのような基準で作られているか、については全く知らない。また、一部の機種で見られる仮想心皿方式のリンクは、ここでは考えていない。 

 しばらく前、シカゴのコンヴェンションで撮った写真があるので、紹介したい。
UP Streamliner trucks (2) この写真の裏返したものは正しいボルスタ・アンカの向きを示している。どちらも車体の中心の方に向かってボルスタ・アンカが伸びている。一つの台車の中ではアンカーボルトは線対称である。
 向こう側の横に寝たのはダメである。連結器の方向を向いている。

UP Streamliner trucks (1) もう一つの写真を見てみよう。これもダメな例である。二つの台車のボルスタ・アンカが、どちらも連結面方向に伸びている。UPでは採用していない。どちらでも良さそうだが、何らかの理由があるはずだ。

 様々な間違いを含む模型に遭遇する。もっとも多いのはボルスタ・アンカが台車の中で点対称になっているものである。これは奇妙だ。
 先回紹介した記事には、「UPに関してはアメリカ随一の知識と腕のある模型人による塗装だ」と持ち上げてあるが、何を考えているのかよく分からない。


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2020年06月30日

Kemtron の台車 

 Kemtronの台車は十分量用意してあった。安いものではなかったが、他に良い台車が無かったので、イコライザ可動であるから買っておいた。友人が手放すのをすべて買ったのだ。
 ロストワックス鋳物(厳密にはinvestment casting というべき) だから、湯口を切り、ヤスリ掛けをして、ボールベアリングが入るように座グリした。ここまでの処理だけでも、かなりの手間がかかる。ハンダ付けすれば組めるわけであるが、スプリングが無いので組まなかった。

 正規のキットにはブラスワイヤで作られたスプリングが入っていた。それを自作せねばならない。旋盤でブラスワイヤを巻いてバネにし、切断して座面をベルトサンダで削り落とした。かなりの手間である。1回に30本も作ると疲れてしまう。ブラスワイヤは、加工硬化してほどほどの固さになる。ヘタることはない。

 在庫の半分は組んで塗装してあった。その中に一つだけまずいものが見つかった。ボルスタ・アンカが点対称である。ということは左右が同じものであるということだ。それではと、組んでないものを点検した。その鏡像が見つかると信じていたのだが、…。

same side frames 残りを半日かけて組んだ。最後の残りの2つが同じ形なので、問題の台車枠の鏡像であって、めでたしめでたしだと思っていた。しかし、とんでもないことに4つが合同であった。ということは、点対称の台車が2つ出来てしまう。
 これには参った。今さら間違っていたと連絡しても、相手がまだ部品を持っているとは思えない。眺めているうちに、ボルスタ・アンカを外して、新しく作る部品と置き換えるのが最も簡単であろうことに気付いた。糸鋸を駆使して、切り捨てた。

mirror image 手前が、アンカを外した状態である。左後のように作らねばならない。アンカ・ボルトはやや太い。細くしたいが、そうすると車体の同じ側で太さが違うのが見えてしまい、みっともない。同じ太さの材料を旋盤で挽き出すことになった。 

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