信号機

2007年03月18日

UP Common Standard

Spring FrogUPに限らず、大手の鉄道会社は、Common Standard(標準仕様集)を持っていた。Pennsylvania鉄道のそれは日本に持ち込まれて、旧国鉄の標準仕様になったらしい。信号機の形など明らかにそれと分かるものがある。

 以前、Tom Harveyに貰った図面のなかにこのスプリング・フログがあった。写真のものとは細かいところが違うが、大まかに言えばそっくりである。

 この図によると、ウィング・レイルはスプリングのみで密着しているので、通過時には激しく閉じたり開いたりを繰り返したであろうと推測される。かなり凄い音がしたに違いない。

 現在ではオイル・ダンパが作動するので、閉じるときはかなりゆっくりと動くはずである。したがって、ウィングレイルの損耗も少ないであろう。

 この図面は90lbレイル(約45キロレイル)用である。現在はかなり背の高いレイルであり、また別の図面が用意されているであろう。

 Mainline ModelerのJune'05号の図面にはイリノイ・セントラル鉄道の例が示されていて、これとはやや異なる方式の復元バネが用いられている。

2007年07月07日

Block Signal

 昔は大変だった。車内信号どころかAdvance-approach Signalすらなかった。Advance-approach Signalとは、点滅する黄色の信号である。最近の規則書にはその名前がなくなったが、昔はそう呼んでいたからここではそう書く。現在の信号表示は、黄色点滅黄色赤色の順である。

 規則書には、「黄色点滅が表示されている時は時速40マイル(時速64km)を越えない速度で次の信号機まで進むべし。」とある。黄色が表示されている信号まで来たら、「直ちに時速30マイル(時速48km)以下に減速し、次の閉塞区間の前で停止すべし。」である。当然、赤色信号のときは「信号機の前で停車すべし。」ということになる。

 たいていの場合、機関士は黄色点滅信号から0.5マイル(0.8km)で停止しなければならない。誰が強制している訳でもないが、黄色点滅を見つけたら1マイル以上前から減速するのが普通だ。

 蒸気機関車の時代の機関士は、石炭を満載した重い列車を牽いて山を越えているときに、黄色信号を見落とすとそれが追突事故に直結するということを知っていた。それは別の列車が次の区間に止まっているわけだから、当然である。当時はこういう曲芸とでも言うべき運転方法をとっていたのだ。

 煙や蒸気はボイラに沿って流れ、視界をさえぎる。信号を見落とすのはよくある事だった。また、機関車の調子が悪いときはそちらに気を取られてしまい、Block Signalを見落とすのだった。  

2007年07月08日

続 Block Signal

 どの信号を見落としたかが判っていれば、危険が差し迫っているという訳ではない。見落とした信号を黄色信号と看做せばよいのだ。機関士は全ての信号機の位置を正確に記憶しているからだ。

 減速し、次の信号機が見えるまで徐行すればよいだけのことである。つまり、一つは見落としても大丈夫であるが、二つ続けて見落とすとそれは致命的である。

 高速で走る旅客機関車は、煙が邪魔でこのような見落としがよく起こった。だからMighty800や一部のChallengerにはウィングが付けられた。これは、日本を占領した軍人からの情報で付け始めたという説があるが、真偽のほどは分からない。ドイツからかも知れない。彼の地ではSmoke Deflectorと言っていたらしいが、我々はただWingsとしか言わない。これはなかなか効果がある。

 機関士を長く続けていると、昔の機関士がいかに優秀であったかという事がよく分かる。彼らは仕事に全精力を傾けていた。特別に優秀な人たちの選りすぐりであった。自分の父親がその一員であったことは誇らしく思う。

 鉄道の全てを知り、いかなる状況下でも絶対に事故を起こさないように努力していた。この人たちのことを忘れてはならない。車内信号がない時代でも、事故を起こさなかったのだ。いや、事故を起こさない人間しか機関士になれなかったのだ。

 

 ワイオミングは山岳路線である。平坦線とは違う。蒸気機関車の運転は、山岳路線では特に難しい。急な坂を重い列車を牽いて登れば、奈落の底に落ちるような下り坂をブレーキなしで下らなければならないこともある。

 そのような運転の話をしたい。


2007年07月24日

続々 UPHILL DOWNHILL

 煙の逆流だけは勘弁して欲しい。機関士がスロットルに左手を掛けて戻す瞬間にブロワが効いていなければならない。それからもう一つ、右のインジェクタをONにする。こうしないと安全弁が吹く。インジェクタは蒸気を消費し、冷たい水を温めながら入れる。すなわち圧力が下がり、水位が上がる。

 安全弁は左の2つが吹く。安全弁が開くのは別に構わないのだが、乗務員はそれを吹かさないように訓練されていた。罐焚きはストーカを止め、椅子に深く腰掛けて機関車の様子を見る。機関士はその様子を眺める。自分の習った通り、訓練通りの動作をしているかを見るのだ。

 下り坂では頭を使う必要はない。眼を働かせるのだ。次の閉塞区間の信号を見落としてはならない。夜間なら、赤い発炎筒がないかも見なければならない。

 機関士はいつも前を見ていられるわけではないのだ。煙と湯気が右に来れば、機関士の席からは全く見えなくなる。次の信号機が左カーヴにあれば、罐焚きのほうが早く見られる。

 黄色信号を見つければ、それを知らせる。しかし、どこで止めるか、どうやって止めるかは全て機関士の判断だ。制動弁に手を置いているのは機関士である。列車を止める手順を一人で考えねばならない。

 

2008年04月21日

続々々 Daveのレイアウト

Dave's Yard Yardと機関区を結ぶあたりである。
 落ち着いた色調の地面で、バラストの色も部分的に変化し、自然な感じを与えている。注目すべきは信号機の燈火である。現示されている燈火を見れば、実際の開通方向がよく分かる。

 この信号機は協同ライト商会製のDworfである。背の高い銀色のも同社製であると思われる。

 Dworfとは小人のことである。発音はドゥオーフに近い。どういうわけか、ドーフと言う人が多い。背の低い、ポイントの進行方向を知らせる信号機である。

Shell Oil Co. こちらはShell Oil Co.の油槽所である。手前のHookerというのは化学メーカの名前で、顔料などの名前にHooker's Greenなどと名前を残している。
 少し奥に、手すりが長いランボードの位置の高いタンク車が2輌見える。シングル・ドームとダブル・ドームである。これらの貨車は非常に珍しい製品で、50年ほど前、Max Grayブランドで売り出された日本製のタンク車である。製造は安達製作所である。
 筆者は、どうしても手に入れることが出来なかったので、この形式を2輌自作した。製品よりよいものが出来てしまった。アメリカの友人に見せると、かなりの価格で「売ってくれ」と迫られる。

 Daveのレイアウト見学に同行された堀江ご夫妻によるMovieとStill Pictureがあるので、ご紹介する。棚に載っているコレクションだけでもたいしたものである。 

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2008年04月23日

Jakl家 のレイアウト

Bob Jakl's layout building Jakl家のレイアウトを訪ねたのは、とにかく大きなレイアウトがあると聞いたからだ。80坪ほどもある独立の建物を敷地内に建て、そこに大規模なレイアウトを建設した。
 この写真は、レイアウト・ハウスに至る小径に立つ信号機である。これは協同ライト商会製ではない。



Bob's Lyout3 内部はこの通りで、かなりの年季が入っている。車輌のコレクションもたいしたものである。
 1950年から1970年のATSF, MKT, CB&Qを想定している。

 ボブ・ジェイクル氏は、家族総出でこのプロジェクトに取り掛かったようだ。奥さんのエリザベスも非常に熱心である。O Scale Westの会場で、「是非、見に来てくれ」と誘ってくれたのも彼女である。息子夫婦もこれまた熱心である。

 このレイアウトは現在の水準から考えると、やや旧型のコンセプトに基づいて作られている。現在のレイアウトは、Walk Aroundを考えて作られている。ウォーク・アラウンドというのは、列車の走行について歩けるようなつくりである。MR の編集長のAndy Sperandeo氏の言葉を借りれば、超低空飛行しているヘリコプタから列車の走行を見るような感じで、列車の制御をする方式を指す。ジェイクル氏のレイアウトでは、運転台が建物の中二階にあり、レイアウト全体を見下ろす形でしか制御できない。 この写真の右に煉瓦風の壁があり、その上が運転台になっている。


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2008年05月11日

続々々 Edのレイアウト

Loizeaux7 駅の下の様子である。全体に彩度を押さえた渋い仕上がりである。信号機はSignal Bridgeに取り付けられ、本線をまたいでいる。
 この信号橋の脚は左右で異なる。カスタムビルトであろう。このようなちょっとしたところで既製品との違いが現れる。


Loizeaux9 本線をまたぐ本線である。日本ではこのような構造をあまり見ない。東部に行くとこの手の交差はよくある。鋼材に何も塗ってない場合があるが余り錆びていない。海から遠いということが大きな要因である。



Loizeaux10 最後にこの写真を見て戴きたい。何か気が付かれるところがないだろうか。
 お分かりの方はコメントでお知らせ願いたい。

 種明かしは次回。

2008年07月07日

Tortoise Switch Machine と信号機

Tortoise and signal lights いつも電流が流れていることを応用すると、信号機を点灯させることが出来る。

 この図では上のスウィッチで反転する電圧が掛かる。するとモータは作動し、定位置で止まる。その後は18mA流れ放しになるので、LEDが点灯する。極性の反転により、緑が点いたり、赤が点いたりする。モータ作動中はLEDは暗くなる。それも実感的である。

 LEDは2箇所描いてある。上の方はパネル上で切り替え方向を示すものである。パネルがない時には下の方だけになる。実に簡単で、必然的に信号機を付けたくなる。

 実は筆者のレイアウトにはDCCで16.0Vを流している。12Vでもよかったのだが、この種の仕事をさせたいので4Vを余分に掛けてあるのだ。LEDのスレシホールド電圧があるので、直列にするとLED1つに付き2Vの降下がある。信号機は両面に付く場合があり、それで4Vを見越したわけだ。

 実際には、このトータスは8Vでも作動するので問題はなかったのだが、あまりにも遅いのでこのようにした。

 

2008年08月20日

続 Charlieのレイアウト

Tortoise Switch Machine Charlieのレイアウトで一番驚いたのは、たくさんあるTortoiseのポイントマシンが、レイアウトの手前に並び、その動きをリンクでポイントに伝えていることである。
 その理由は、Oゲージでは大きなストロークが必要であることと、ポイント真下にもぐりこんで取り付け、調整をすることをわずらわしく思うからである。

Tortoise with linkLink under Switch 簡単なリンクで結び、ポイントの横にはブラスの二重チューブがある。彼の言うとおり、「簡単な方法である」というのは間違いない。配線は、レイアウト手前にあるShelf(棚)の中に全て入っているので、あとで変更、修理するのに便利である。彼はこれを"Traceable"という言葉を使って表現した。トレイサブルというのはよい言葉である。これからは使わせて戴く。

 Charlieは信号機の製作記事をいくつか発表している。その記事と現物を見せていただいた。踏み切りのWigwagが動くところは面白い。小さいながらも、周期は実物並みで、重力加速度をそこだけ小さくしたような動きである。しかも列車が通過すると真下にぶら下がる。

 閉塞信号はDCC電流を検知して切り替わる。動力車のみを検知するから貨物列車の場合は苦しい。カブースにライトをつけても、それ位では検知できないようだ。
 筆者の場合は、長い貨物列車なので光学的検出方法を考えていると言うと、「それしかないだろうな」ということになった。「どれくらい長いのだ。」と聞くので、「動画を持ってきたから」と言って、USBメモリをつながせてもらった。

 なんと、見た途端に、「Youtubeで見た。」と言うではないか。この動画はアメリカのO Scale界では有名であると言うのだ。詳しく説明せよと言うので、持って行ったサンプルとO Scale Westで行った講演のPOWER POINTを見せた。彼は興奮して、「これが究極の鉄道模型だ!」と叫んだ。 「誰がやっているのか判らなかったが、ついに判った。」と興奮していた。

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2008年08月22日

続々 Charlieのレイアウト

Charlie's Layout 2 この部分は、高さ48インチで倉庫などを作るつもりのようだ。
 この裏側にも線路がある半島になっており、機関車のみはターンテーブルを介して行き来できるようになっている。ちょとしたアイデアである。今の所ここはDCのみの領域で、訪問時には走らせることはしなかった。

Cantilever Signal  Tower Charlieの信号機に傾ける情熱は、今まで会った人の中で最高である。このcantilever(片持ち型)の信号機はUP, SPでよく見かける。もちろん他の鉄道にもある。彼はSPの蒸気時代を模型化することにしているからこの信号機が正しい。cantileverの信号機はMax Grayの時代のものであるそうだ。

Timber Trestle このティンバ・トレッスルは、このレイアウト中で一番の見せ場であると言う。トンネルから出てすぐのところにある。

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2010年05月28日

Illinois Railway Museum その11

Sand TowerTank Car DomeSignals






 あまりにも数が多くて、全てを紹介するのもままならない。一応このあたりで一区切りとしたい。
 タンク車のドームの上部が埋まっていた。多分この地下には水タンク代わりに埋めてあるのだろう。ハッチの形、安全弁などをじっくり見るのは初めてだ。
 サンドタワー、信号機なども集めている。よくもこんな多種の信号を集めたものだ。








CB&Q SD24CNW MOWBorden's Milk Car






 Bordenのミルクカーを見るのは初めてだ。書籍ではよく見るのだが、現物があるとは知らなかった。この形はバターケースを模している。
 CNWのホッパカーはMOW(保線)車輌だ。砂利を敷くのに使う。ここでも実際に使っている。
 ディーゼルのセクションで紹介し忘れたが、SD24のCB&Q塗装がある。これは筆者の好きなタイプで、見られて幸せであった。

 次回からは、しばらく模型の話をしよう。

2010年07月25日

続々 Phil Marcus氏 のレイアウトを訪ねて

asymmetrical flange way 非対称なフランジウェイである。これはLou Crossの製品を使用している。フログの落ち込みがほとんどなく、損傷しない。このような製品が40年も前から市場にあった、ということは素晴らしい。
 最近は一部の連中が薄いタイヤが良いと言い始めて、この素晴らしいフログでも落ち込むようになってきたのは嘆かわしい。「薄いタイヤが良い」というのは、一種の流行であって、いずれ元に戻ると筆者は見ている。

20th Century Limited ナイアガラが牽く最盛期のNew York Centralの特急列車である。よく走ったが、電流値が大きい。「コアレス・モータ + 三条ウォーム + ボールベアリングにすると、この12両編成が0.1アンペアで走るぞ。」と言うと、のけぞった。
さらに、「巡航速度に到達したとき電流を遮断すると、このレイアウトを半周以上、コースティングしますよ。」と言うと、へなへなとなった。そのうち、日本まで見に来るつもりらしい。

Passenger Yard これは客車ヤードである。カブースも止まっている。線路の流れるような曲線が美しい。信号機の色に、うっとりする。
 客車編成は複数並ぶと美しい。 

2010年09月25日

続々 Lorell Joiner 氏のレイアウトを壊す

 Joiner氏のレイアウトの特徴は視点が「模型車輌の高さ」にあることである。要するに、現在のレイルスコープの登場を見越していたことである。
 
 ジョイナ氏は大学では電子工学を専攻し、軍隊では最先端の電子機器の試作をしていたという。信号装置は当時としては考えられる最高のシステムを採用していた。彼はPCの無い時代に信号機用の記憶装置を自作した。信号が順次変化していく様子を見せられて、とても驚いたことを覚えている。

「今のカメラはまだ大きいから…」と小さなカメラの出現を待ち切れない様子であった。
 
 トンネルはもちろん、高架線の裏側(下側)まで本物と同じように作られている。建物の内部の壁も正確に作り、照明は奥の部屋から漏れて来るようにも作られていた。
 ポイントを切り替えると、信号所の内部の表示装置のランプの点灯状態が変わった。もちろんウォーク・アラウンド方式であった。

 枚挙にいとまがないが、全ての面で当時世界中に存在していたいかなるレイアウトよりも、実感的で緻密なレイアウトであった。ある程度は予想していたが、その規模が大きく、どこにも手抜きがないことに驚いた。

 車輌はどれもゆっくり走り、ひっかかリがない。どの機関車も十分な補重がしてあり、レイルの継ぎ目でドスドスと音を立てて走った。ただし、列車の長さは30輌弱であった。筆者が80輌以上牽きたいと言うと、「そうするにはこのレイアウトを4倍以上大きく作る必要がある。」と言った。
 実はそうするつもりがあったらしい。「いずれ、大きなレイアウトを作ったら…」という話が出た。
 
 2005年頃、再訪問の話もあったがタイミングが合わず実現しなかった。

 ジョイナ氏は、金持ちにありがちな傲慢さが全くない紳士であった。誰に対しても親切で、礼儀正しかった。
 彼は、鉄道模型が何たるか、の一つの正しい回答を作った偉人である。

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2013年11月10日

続 Granger

Granger 2 駅のあった付近から東を見る。Signal Bridgeが印象的である。レイルは太く、またぐ時ひっ掛かりそうになる。信号機の向こう側で既に分岐している。



Granger 3 西を見るとこんな具合だ。右に行けばポートランド方面である。一応工事用の短絡線があって、三角線を形成しているようだ。
 左の黒い山は枕木である。ずいぶんたくさん積み上げたものである。


Granger 6Granger 5 信号の東側に国道の高架がある。そこから東を見ると原野が広がっている。本当に何もない。
 西を見ると、駅の構内が俯瞰できる。信号橋はほとんど見えない。相対的に距離を知る物がないので、距離がわかりにくいが、ここから信号橋まで1.5 km弱である。
Granger 7 帰り道、また貨物列車が来た。貨車は100%カヴァードホッパであった。120輌つないでいた。ソーダ灰を約1万トン、運んでいるのだ。
 宿がみつからないので、かなり東に走って、Wamsutterで安いモーテルに泊まった。過去に泊まったホテル中、下から2番目のぼろホテルだったが、ほかに選択の余地がなかった。夏なのにかなり寒くて、熱いシャワーが有難かった。標高は2100m弱であった。
 もう少し行けばRawlinsで、そこそこの町であるから、まともなホテルがあったはずであるが、既に体力がなかった。



2014年12月30日

Occupancy Detection

occupancy detection Occupancy Detection とは線路上のどこに列車が居るかを知るシステムであって、CTCには不可欠の要素である。今回のレイアウトは一望できるので、CTCは導入しないが、信号機は欲しい。
 DCCとの連動をすると面倒なことが多い。光による検出で、順次、赤、黄、緑と変わるものが欲しかった。よくあるのはタイマが付いていて、時間経過とともに変化していくもので、要するに止まっていても信号は緑になる。   
 それでは子供騙しのオモチャである。列車を検知しなければならない。列車の長さにはいろいろあるので、区間内にはいくつかのセンサを付け、どれかが検知すれば、働くようにしなければならない。

 どうしようかと思っていたところ、友人のNS氏が電子工学のプロで、しかもHOのレイアウトを作っている。見学に来た時に話を持ち出したら、すぐ試作機を作ってきてくれた。非常にうまく作動し、誤動作もない。光検出の場合は天井からの光などの干渉があり、誤動作しがちなのだ。光検知器には暗号を掛け、外光の影響を受けにくいようにしてもらったのが功を奏した。

 今アートワーク(プリント基板の設計)を作っていて、それが出来次第発注し、組み立てる。このレイアウトは4区間に分け、複線だから8セット必要である。試作が成功したので、NS氏はご自分のレイアウトにも取り付けることにした。
「博物館レイアウトでの作動状況を確認できれば、商品としても売れそうだね。」と言うと、とても嬉しそうだった。発売されるかもしれない。 

 問題はLEDの色である。信号機に適するLEDは意外と種類が少ない。緑は、道路の信号の青緑色はあるが、鉄道用の純緑が少ない。また橙色も少ない。選択肢が限られるので良いものが作りにくい。

 写真の1は赤外線発光部、2は受光部、矢印は受光を確認したときに点くLEDである。これが無いと赤外光でターゲットを狙い難い。

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2015年01月01日

続 Occupancy Detection

  信号機の方式については、いろいろな方からご意見を頂戴している。
 
 一言でいえば、ほとんど検討済み、実験済みである。この博物館ではDCCオンリィではなく、未改造の機関車に対しても対応せねばならないので、複線の内、一つはDCにも切り替えられるようになっている。
 電源および制御方式の異なる線路に検知電流を流すのは、あまりにも困難である。

 全く無関係な光を使った検知方式が、最も信頼性が高いことは自明である。伊藤剛氏の実験結果を利用したい。それは検知光を連結器の高さで、45度の角度で通すことである。この方法であると、連結面の隙間を通った光が誤動作を招くことが無い。直角方向に光を通すと、剛氏の実験では、有蓋車のドアが開いていても具合が悪いそうである。
 連結面なら、無蓋車やフラットカーに対しても確実な検知が出来る。

 踏み子(treadle) をフランジで押して検知する半機械式検知方式も、大昔に試作したことがあるが 、接触不良が多かった。また、接触をよくするためにマイクロSWを使うことも考えたが、脱線すると確実に壊されてしまうはずだ。
 軸重が1 kg重掛かっている車輛もある。それが毎秒30 cmでぶつかってくることを考えると、防御は難しい。

 S氏から、3-8ラインデコーダを使うアイデアを戴いている。これは非常に賢明な方法で、いまその方式を検討している。その出力はLEDを点燈させることが出来るので、いろいろな意味で部品数が減る。プリント基板も簡単で小さくなって、省資源、省エネルギィである。

 試作が出来次第、発表させて戴く。

 雪がちらついて、博物館までの道が凍ると、作業は取りやめである。最近天候が不調で、作業は工程表より遅れ気味である。ほとんど信号の無い道なのであるが、凍ると危険である。


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2015年04月10日

自動信号

automatic signal 電子工学の専門家のNS氏に作成をお願いしていたが、昨日納品された。作動状況をいずれyoutubeにupするつもりである。言葉では説明しにくいところがある。配線は単純明快で、電源線2本と、センサの投光部、受光部それぞれに行く2本、4本と、次とその次のユニットに行く渡り線2本だけである。これを8心のLANケーブルでつなぐのだ。

 以前にも書いたが、ほとんどの市販品の信号機はオモチャである。タイマで色が変わるから楽しそうに見えるが、全く意味が無い物である。今回の方式は、本物と同じように列車を検出する。
 No.1の位置に居れば、その信号は赤である。列車がNo.2に進むとその信号が赤になり、No.1は橙になる。No.3に行けば、No.1は緑になる。これはいくらでもつなげられる。

 列車が通過すると、次のセンサを通過するまで、そこに居ることを記憶する。そうすれば、列車の長さは関係なくなる。 
automatic signal units 取り敢えず、複線4区間で予備を含めて10個のモヂュールが来た。
 手前に写っている信号機が何者であるか、知りたい。市販されていた3線式Oゲージの時代の信号機よりかなり小さい。大体半分だ。背が低い。構成部品は大量生産されているのは明白だ。ひさし部分はプレスで抜いて曲げてある。これらは伊藤剛氏の遺品の中から見つかった。

 筆者の推測は、剛氏が本物の鉄道会社から頼まれて「信号機を並べた教習システムを作った時の残った部品ではないか」、というものである。かなりの数が見つかった。

<このモヂュールはさらに進化した。混信の可能性がなくなり、より複雑な使用法にも対処できるようになった。2020年10月1日追記>

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2018年03月17日

怪しい signal bridge

signal bridge 2 この signal bridge は、Bachmann という会社がかれこれ50年以上売っているものだ。元々はライオネルのレイアウトへの添え物的な商品であった。安くて簡単なプラスティックの組立てキットである。つないで 4線用に改造した。黒い材料なので、銀塗装している。信号機は未配線なので雑に置いてあるのはご容赦願いたい。
 昔の価格は2ドルしなかった。時々1ドル以下で売ることがあり、いくつか買った。自宅のレイアウトに置いてあったが、博物館のレイアウトに引っ越してきた。

signal bridge 3 この信号橋を初めて見た時、大きな違和感があった。これでは強風で倒壊する、と感じたのである。根元付近を見て欲しい。トラスになっていない。四角で構成されている。おそらく Bachmann は何かの図面を見ているはずだ。実物を参考に作っている、という感じはするからだ。しかしこれはダメだ。
 
IMG_2467 あちこちのウェブサイトで、Bachmannの製品を使ったものを見るが、非常に奇妙である。よくできたレイアウトなのにこれがあると、ものすごく違和感を感じる。折れそうな信号橋なのである。効き目の無いトラスほど怖いものはない。 

 40年近くその違和感を持ち続けていたが、しばらく前に northerns484 氏にこのことを話したら、図面を見つけ出して下さったのだ。それを見て、疑問が氷解した。見かけ上は図面と合っているのだが、構成が違った。 


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2018年03月19日

続 怪しい signal bridge

signal_b この図面をご覧戴きたい。Bachmannと同じだが、中ほど下の図をよく見ると線が入っている。ということは何かがつながっていることになる。Bachmannはそれを読み取れなかったので、こんな変なものを作ったのだ。誰も指摘しなかったのだろうか。


signal bridge アングルを組んだものではなく、その部分は板である。大きな面積の板を付けることによって強度を確保している。buckling(座屈)が起こらないように補強はせねばならない。この写真の赤線で囲んだ部分である。一体にして、土台と接合してある。
   このBachmannの右側の縦の細い材料は、浮いている。これが違和感の元だ。


DSC07907 PSCが韓国か中国で作らせている信号橋は正しく出来ている事もお知らせ戴いた。これを見ると多少安心する。これなら倒壊しにくい。しかし、板の縁に補強が無いからバックリンクが起こりやすい。また、ハンダ付けが怪しそうだ。
  


 博物館の信号橋はすべてプラスティック製であるから、いずれ壊れてしまう。ステンレス薄板をレーザで切ったものにするつもりだ。northerns484氏に作図をお願いしている。 

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2018年10月20日

signal bridge

signal bridge (2) 現在工事中のレイアウトには自動信号機が設置される。信号橋はBachmanの怪しいプラスティック製がいくつかあるが、どれも気に食わない。二つをつないで長くしたものもあるが剛性がなく、電気工事をしているうちに空中分解しそうである。そうでなくても、いずれ振動で折れて大事故につながるから、金属製のものに置き換えたかった。

 northerns484氏に相談して、新しく図面を描き起こして戴いた。あの怪しいトラスからは縁を切れる。極めて剛性の高いものができた。

signal bridge (1) レーザ加工の会社にお願いして、送ってきたままの状態がこれである。角が完全に出ているので、手を切りそうである。油目ヤスリで面取りを施して、嵌め合いになっているところをぐっと力を入れてプライヤで締めると、そのままくっついてしまう。こうして仮組みしてから、塩化亜鉛液を塗ってハンダ付けする。

 ステンレスの熱伝導率は極めて小さいので、素手で握ったままでハンダ付けが完了する。

signal bridge (4) ハシゴは溝に短く切ったΦ0.8の洋白線を嵌め込んで、締め付けると半固定される。これも塩化亜鉛液を塗ってハンダ付けする。洋白は軟らかく、ステンレスは硬いので、ヤスリを掛けると、つるつるのステンレス面が残る。こうして綺麗なハシゴが出現する。


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2018年10月22日

続 signal bridge

signal bridge (3) トラスの問題は、この写真をご覧戴ければ解決していることが、お分かりになるだろう。しばらく前の関西合運での撮影である。
 直角三角形の板を作って張ってある。もちろんリヴェットを打ち出したものをハンダ付けした。接着でも良いのだが、ハンダ付けが容易なのでそちらを選択した。

 まだ信号機とか、歩み板を付けなければならない。これを見て欲しがる人が多い。レーザ加工は訳ないが、その後のリヴェット打ち、その他のことは意外と大変である。アメリカからも引き合いがあるが、どうなるだろう。

 問題は信号機の機能である。本線上にあるものは単純な閉塞信号で、それは試運転で解決している。本線上の渡り線、側線への出口などの表示は難しい。様々な会社の資料を見ているが、どれも異なる表示である。

 サーチライト型信号機を本線上に付けたいが、3色の表示を一つのLEDで行うのは難しい。緑とオレンジの色が変である。サーチライト型はレンズが一つで、中に光源と可動の色フィルタが入っているものだ。多色を発光するよいLEDが見つかれば良いが、難しい。大きいものは見つかるが、直径3 mmのものは無さそうだ。
 3色独立のものになるだろう。渡り線が作動している時には本線が赤にならねばならない。これはあるアイデアで簡単に解決した。閉塞信号とは無関係に赤に出来る。 


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2019年11月10日

cantilevered signal bridge

cantilever signal bridge 門型の信号橋は作ったが、線路配置上、cantilever型の信号橋が必要となった。日本語では”カンチレバー”と書かれるが、この発音はなかなか難しい。キャンティリーヴァに近い。片持ち梁のことである。太字を強く発音する。
 この種の信号機はよく見るし、模型もふんだんにある。しかし満足のいく形の物は少ない。その話を northerns484 氏と話をしていたら、図面を描き起こしてくれることになった。
 上の部分は資料があるが、土台部分は写真も少なく、一体どうなっているのか見当もつかなかった。試しにいろいろな絵を描いてもらったが、しっくりこない。

cantilever signal bridge そうこうしているうちに、所蔵の本の中に本物の図面が載っているのを発見し、鮮明な1ページ大の写真を雑誌で見つけた。それで急速に話が進み、図面の完成を待って、2種類発注した。もう一種類も近日中に出来る。ミソはアンカ・ボルトの位置と、その周辺の構造である。フランジを二重にして、長いボルトを土台から飛び出させている。上と下の二段で締め込むから、締結力は強い。その模型構造は非常に巧妙に組まれたパズル的な構成で、すべての部品を差し込むと自然に目的の形になる。間違えると部品が入らないので、必ず正しい形になる。northerns484氏には改めて御礼申し上げる。

cantilever sssignal bridge (1)cantilever sssignal bridge (2) これらの写真は、ステンレスの切り抜き部品を全て組立てた状態で、これからガセットを作って貼り付ける。ハシゴの横木も、まだ付けていない。



 ガセットは小さく、数がそれほど多くもない。キャットウォークは金属製にするか、木製にするかで悩んでいる。木目のエッチング板もあるが綺麗過ぎるのだ。
 この1本は、観客からの鑑賞距離が近い位置に立てるので、皆さんがじっくり見る可能性がある。リヴェットはディカールで表現するものもあるので、それを貼り足してみよう。 

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2020年03月10日

信号橋

signal bridges 1月から殆ど信号機に掛かりきりである。信号橋はそこそこの細かさで完成したが、時間が掛かったのはそれに付く信号機そのものと、手摺り、歩み板である。
 この場所に置くのではないが、たくさん並べて写真を撮った。これらは、まだ未完成の状態であることをお断りしておく。まだ手摺りが付けてない。下にある独立型は完成している。

 日本語では、手摺りは縦横両方の部材を指す場合が多いが、英語では手に触れる棒が hand rail, 縦の柱は stanchion という。
 
cantilever signal bridge (3)cantilever signal bridge (2) 片持ちの信号橋は完成した。手摺りが付いていると立派に見える。これは、重心が偏っているので、”L”の字の針金を裏にハンダ付けし、台枠にあけた孔に挿してある。下手に接着すると収拾がつかないこともあるので、抜き差しできるように配慮した。人形と比べると、かなり大きなものである。. 

 いよいよ信号機の配線に掛かる。問題は細い電線であった。パイプの中を電線が通るのだが、絶縁が強く、ある程度しなやかな線を探していたが、なかなか見つからなかった。クラブの会員が提供を申し出てくれたので助かった。

 信号機ができれば、あとはポイントマシンの配線だ。これはDCCだから簡単である。連動のパターンを検討している。

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2020年09月18日

信号機設置工事

 工程表によれば3月に完成しているはずであったが、Covid19で助っ人が誰も来てくれなくなり、信号機の工事は延期されていた。
 信号機の回路そのものは3年も前に完成していたが、信号橋その他のハードウェアの準備が遅れた。

 とりあえず電線だけ全体に張り巡らしたが、この種の工事は一人でやると大変である。一区間が22 mあり、レイアウトの骨組みの中を通さねばならない。8心の電線がいるので、大量に余っていたLAN cableを使った。100 mほど消費した。

sender + receiver 信号機の設置部分には接続用の端子台が必要なので、バッタ屋で見つけた端子を長ネジを作って組み、台になる合板にアルミのアングルで取り付けた。ネジはM4で、SS(普通鋼)の棒材で作り、さび止めを施した。ユルミ止めはロックタイトである。久しぶりにSSにネジを切ったが、大変である。こんなにも粘る材料だったかと驚いた。さりとて快削鋼を使うと、ネジを締めた途端に切れた経験があるから避けた。

 この種の下準備に数日掛かった。電線通しだけは助っ人のあるときにやるべきであった。

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2020年09月20日

続 信号機設置工事

 LEDは各種を比較して、色の良いものを採用した。

Green LED 最近は道路の信号機用の青緑色のLEDが主流で、純緑で良いものがなかなか買えなかった。どのような色かを表すために写真を撮ろうとしたが、発光体の撮影は難しい。色バランスの問題があり、絞りだけでは調整ができない。手前に電球色を並べると比較的差のある写真が撮れたが、良い写真ではない。右側が純緑、左側が青緑色の道路信号機用である。その間に光っているかどうかも分からない小さなLEDがある。これは、25年前の緑色LEDである。現在のものとは輝度が3桁も違う。

 日本の道路用の信号機の緑はかなり青い。赤緑色盲の人でも感じやすいという利点があるという。戦後すぐに導入された信号機はアメリカの仕様だったそうで、緑色だった。ところが日本の法律では青信号と書いてあったので問題になり、少し青味を持たせたらしい。
 アメリカの鉄道信号は純緑である。その色を再現するLEDが欲しかったので、波長 520 nmを入手した。
 最近はアメリカでもLED信号機の普及により、道路用信号機が青緑色になってしまった。この色はturquoise(トルコ石)と呼ばれる。


 信号機の橙色は、英語では amber(琥珀色) というらしい。信号機の本にそう書いてある。米語では黄色と言っていた。日本の道路信号機は黄色だったが、最近はやや琥珀色のものが多い。自動車のターンシグナルの色も最近やや赤みが増してきて、琥珀色に近づいたように感じる。輸入車の色と国産車の色に違いがあることに気が付かれる方も多いと思う。ヨーロッパでは確実に琥珀色である。ヨーロッパでは条約を結んでいるので共通だが、アメリカと日本はその条約を批准していないと識者が教えてくれた。

 昔はレンズの色で決まっていたが、LEDの時代になると、世界中が共通の発光ディヴァイスを使うようになってきたのかもしれない。それは条約よりも効き目のあることである。  

追記 東急電鉄の緑色信号機は純緑(520 nm)であった。会社によって違うのである。11/5/20 

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2020年09月22日

続々 信号機設置工事

occupancy detection Occupancy detection 車輛検知には赤外光を用いる。 sender と receiver が要る。伊藤剛方式で、連結器高さで斜めに光を送り、車輛で遮られるのを検知する。
 設計者は、蛍光灯のちらつきなどには一切影響を受けないようにして下さったそうなので、簡単なひさし状のものを飾りに付けただけである。写真は、どんな雰囲気か知るために、置いてみたところである。

 ブラス部品をハンダ付けし、電子部品を付ける。絶縁には十分気を付ける。脱線事故があると、曲がったり折れたりするだろう。今のところ、建設予定地では一度も脱線していないから、事故でセンサをなぎ倒すことは無いと信じている。しかし建築限界の外とは言え、気になるところだ。 
 あまり丈夫に作ると、万一ぶつかった時に二次被害が起きるといけないから、支柱はなるべく薄い材料で作り、曲がり易くした。センダには2本、レシーヴァには4本の線がある。それを信号機制御モヂュールにつなぐ。

 モヂュールは普段は見えないようにしてあるが、点検時には引き出せるように蝶番で留める。
 信号機の3つのLEDは̟、+コモンで4本がつながる。この線は目立つのでなるべく細い線を使って、信号橋の鉄骨に沿わせる。黄色LEDは、amber を採用した。これは昔から気になっていることで、電球の時代から決して黄色ではなかった。いくつかの天然色写真を見ても感じることである。鉄道模型では黄色が多く、違和感を感じる。 

 すべての段取りができた状態で、設計者に監督をお願いして配線工事をするつもりだ。この種の作業は一人ではできない。

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2020年10月20日

Switch Signal Light

dwarfs 博物館レイアウトの第1ヤードは観客の目の前であるから、信号機を付けておかなければならない。背の低い”dwarf”と呼ばれるタイプを作った。これは小人という意味である。    

 初めは協同ライト社製の部品を使って作るつもりであったが、昔のものであるから電球が大きかった時代のもので、最近のLEDには大き過ぎる。中にパイプを入れようとも思ったが、うまくできそうもないので、全く異なるものを作った。

dwarf signal 例の怪しいトラスのSignal Bridgeの信号機をインヴェストメント鋳物にしてあった。孔をリーマでさらって、LEDがぴったり納まることを確認した。台は今野氏に作って戴いたものだ。パイプを差し込んでハンダ付けし、できあがりである。黒く塗った。目立たないものであるからこの程度で良い。

 ポイントマシンに付けたマイクロスウィッチで作動させる。この部分は枝線以外はDCCにもDCにもなる予定であるので直線側が green でなければDCCにならないようにする。すなわち転車台と本線を直結する時だけDCC専用となる。 
 DC・DCC共用本線使用時は入力電流を示す特別な信号が必要である。

(1)(2) これは日本の某私鉄の廃品である。上のレンズの色は紺青だ。


  N氏より、綴りの間違いを指摘して戴いた。感謝する。

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2020年10月22日

searchlight signal

searchlight signal (3)searchlight signal (2) 転車台から本線までの線路に、DCとDCCのどちらが印加されているかを示す信号機が必要だ。もっと大きなものを考えていたが、これを採用することに決めた。

 これはサーチライト型と呼ばれるタイプの信号機だ。中に小さな色付きフィルタが3枚入っていて、それが動き、単一光源からの光を3色にして出す。要するに同じレンズから異なる光が出るわけだ。これは古い協同ライト社製のものだ。ジャンク箱から探し出した。電球を外して捨て、スタンドも取り外した。

searchlight signal (1) 箱を作らねばならなかった。角を少し丸くしたいので、1 mm の板を4枚組合せてハンダ付けし、上は0.6 mm板だ。これは後述するがあとでハンダ付けが容易になる工夫だ。天板を貼る前に上下をフライスで削って直角を出しておく。ベースの板は今野氏に作って戴いた 5 mm厚の板で、熱容量が大きい。 
 箱を付ける場所を磨いてフラックスを塗り、ガスバーナで加熱する。ハンダを融かしておいて箱を載せると熱を奪われて固まり、ハンダ付けは完了である。箱の熱容量が大きいから、上までは融けない。比較的厚い板を使ったので、全体は重くなる。重いからこそ、この方法が有効になる。すべての接合部が完全にハンダ付けしてあるから、極めて丈夫である。

 上面にパイプ径ぴったりの孔を開けてある。パイプを差し込み、適当な位置でハシゴをハンダ付けする。ベースが熱いので僅かの熱でハンダ付けが可能である。支柱のパイプを差し込み、垂直を見ながら出し入れし、ピンセット型で resistance solderingを行うと完成だ。この天板部分が厚いと、この方法ではハンダ付けしにくい。薄い板だから、ピンセットの先でつまんだだけで赤熱して、ハンダ付けは完了だ。この方法でやると、ジグを作らなくても確実に直角が出せる。もちろんここのハンダは共晶を用いないと難しい。
 根元の箱の中には継電器が入っているので点検扉が必要なのだが、それは向こう側であって、作っても見えないから省略した。 

 DCCの時は緑、DCの時は黄色、ポイントが開いていなくて、本線には進入できない時は赤になるようにする。もちろん一つの信号機から出る光は単一である。本物の動作とは異なるが、仕方ない。3色LEDがあるそうだが、そこまでは凝らないことにした。

 使い途のなかった信号機に役目が与えられた。

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2021年01月20日

自動信号機の設置工事

 信号機の工事をしている。この工事は、博物館レイアウトの最も手間がかかる部分である。信号機の部品を作るのに3箇月を要し、信号橋の中の細かい配線だけでも3週間かかった。センサの取り付け、調整をしてから、論理モヂュール周りの配線準備をした。複数の手でやれば、かなり省力化できるが、一人では難しい。
 この種の仕事に比べると、車輛工作は手離れが良く簡単である。

signal modules 論理モヂュールの設計製作は、電子工学のエキスパートのNS氏にお願いした。素晴らしい動作を見せてくれる。

 細かい配線を一人で進め、残りの大規模な配線を助っ人を頼んで複数人でやるという方法で進めている。年末にNG氏とF氏が駆け付けてくれて、上り線だけの工事を終えた。下り線は今月中に施工予定である。 配線よりも、事前の準備の方が大変である。信号橋の中を、目立たないようにたくさんの線を通さねばならない。観客側からは殆ど見えないようにしたいので、気を遣う。

sensors at signalbridge 赤外光の送受装置の間を列車が通ると感知される。光には暗号がかけてあるから、混信は起こらない。
 信号機周りの線は細い。床下に付けたモジュールにつないでも断線しないように、熱収縮チューブで保護しなければならない。モジュールは計8台あり、普段は畳んで見えないようになっている。点検時はパタンと降りてきて、パイロットランプを確認できる。格納時には、手を触れられない形になる。

 配線はかなり複雑だ。NG氏がうまく配線を整理して下さったので、ターミナルは8端子で済んだ。当初、あと2端子増設するつもりであったから大助かりだ。 LANケーブルは8心であるが6本だけを使う。
 
 一応結線は完了したが、一つの信号が赤で固まって動かない。トラブル・シューティングには5日ほど掛かった。動作を表にして、電圧変化を追いかけ、故障個所を特定できた。なんとLANケーブルの断線であった。細いところを無理に通して引張ったので、角スタッドの鋭利な角で切り裂かれたのだ。外のシースが裂けていた。ハイテクであっても、最も基礎の部分をおろそかにした報いである。
 新しく電線を張り直した。今度は、別経路でゆったりと通した。


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2021年01月22日

続 自動信号機の設置工事

automatic signal センサ部を列車が通過して光を遮ると、その信号が赤になると同時に、一つ後方の信号は黄色に、もう一つ後方は緑になる。これを順次繰り返していく。(コメントを戴いたので補足すると、これは閉塞区間よりも短い列車を運転している。)

 4区間なので、一つの線に2列車入れることも可能である。いつも黄信号であるから徐行せねばならないが、そういう運転も面白いだろう。また、赤信号ぎりぎりまで詰めていくと、緑の区間が一つできる。
 この方法は、危険な運行である。本物と同じで、全体を見ていないと追突が起こる。ATSは付いていないのだから。博物館レイアウトは全体を見渡すことができる場所があるので、見ている限り追突は起こらないだろう。

 1列車の場合、たとえ長い列車が2つの閉塞区間を跨いでいても、問題なく作動する。この博物館のレイアウトでは、1つの信号の閉塞区間は22 m強である。120輌編成の列車は34 mほどある。(これも補足すると、信号は前から、赤、赤、黄、緑・・・・となる。)

 論理モヂュールは非常に信頼性が高い。最高電圧さえ気を付けていれば、壊れることはないそうだ。5 Vが必要なので、USBの電源を用いた。いくつかの電源を順次、負荷をかけてテストし、安定して5.0 Vが出るものを選んだ。何かの間違いで7 V以上になると壊れてしまうので、それだけは気を付けねばならない。

 自動信号機は、かねてから採用予定者が見学を要望している。今回の工事で実際の設置状況を見ることができるようになったので、来訪が増えるだろう。

 順次色が変わるのを見るのは楽しい。立体交差の下のセンサで検出されると、その信号が赤になると同時に、すぐ上の線路の信号(2つ前の閉塞区間)が緑になる。当然ではあるが、感動的である。

 このレイアウトでは配線が長く、末端では電圧降下がある。と言っても一番遠いところで4.92 Vである。下り線も配線されると電流が2倍になるから、もっと下がる可能性がある。
 4.76 Vでも間違いなく作動することは確かめてあるが、饋電線があると、より信頼性が増すだろう。太い線を引き廻すより、LANケーブルの残余線2本を使うと良さそうだ。(これも補足すると、現在では4つをループと短絡線で結び、電源回路の抵抗を減らしている。) 

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2021年01月24日

側線分岐部の信号

 当博物館のレイアウトには側線に入るための信号機が2つある。一つは、ダブルスリップで対向する線路も跨がねばならない。下り本線から分岐して上り本線を跨ぐので、上り線の出発信号機を赤にする必要がある。ここの論理回路をどうするかは、なかなか面倒であった。

signal system and route control 今回の試運転をしているうちに、ある簡便な方法を思い付いた。
 センサ部の赤外線を遮断すれば、その信号は赤になる。すなわち、赤外線LEDにスウィッチを付けて消しても同じことだと考えたのだ。設計者に聞くと、何ら問題は起こらないとのことであったので、回路を開いてポイントマシンで動くスウィッチで開閉するようにした。この図の複線部分は左側通行である。


 配線をやり直してみると、その信号は赤になり、その前の信号は黄色になるから、実感的である。もちろん対向列車がすでに止まっているときも問題は起こらない。上り線のダブルスリップの場合はポイントマシンが2つあるし、下り線では分岐のポイントマシンがある。これらの動きをよく考えて事故が起こらないようにスウィッチを連動させねばならない(この図のスウィッチの結線はまだ未確定であるので、追及しないようにお願いする)。
 
 これで良いと思ったが、実際には不都合がある。赤信号から抜け出せないのだ。本線側に切り替えても緑が出ないのである。2つ先の信号を赤にすると、この信号が緑になるので、その手も考えたが不自然でもある。製作者に問い合わせると、その対策をしたものを作ってくれたそうで、間もなく送られてくる。

 細かなことで、意外と面倒なことがあるものだ。いずれ、この信号機回路はあちこちのレイアウトで使われるようになるだろうと思う。優れた装置である。


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2021年02月07日

信号機の工事

working signal 年末から掛かっていた信号機9台の配線が、すべて完成した。今回の配線工事にはF氏が駆け付けてくれた。1台だけ少々不都合があるが、いずれ解決できる見通しが立った。
 全区間を4つに分けた複線だが、遠方信号機も必要になって9台設置した。


cantilever signal bridge 遠方信号機はCantilever型に付けられている。これは分岐があって、その進路を示すためにも必要なものだ。右に曲がるとダブルスリップがあるので、それが開いていることを示すものである。この角度からであると、信号機の配線が少し見えるが、観客側からは殆ど気が付かない程度になった。同じ色で塗れば、目立たない。 

signal bridge 信号機を作るのはそれなりに面倒な仕事ではあるが、その配線がこんなに大変だとは思わなかった。たくさんの線を見えないように配置せねばならない。細い線を使いたいので、ポリウレタン被覆線を採用した。それを束ねて軽く撚り、熱収縮チューブに入れて加熱する。細いものを用いるとΦ1.5程度になるので、それを鉄骨の陰になるように接着する。細いクランプをたくさん必要とするので、一部は洗濯バサミを加工して自作した。接着には時間が掛かるので、かなり長期間の工事であった。漏電すると失敗であるので、各工程ごとに絶縁試験をした。その手間が、とても大変であった。この信号橋には全部で18本の電線が通っているが、全く見えないように死角に設置することができた。これだけで1週間掛かってしまった。

 これらの写真には、信号機の裏に漏れる光も写ってしまっている。いずれ遮光塗料を塗れば見えなくなるはずだ。


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2021年02月09日

続 信号機の工事

bird view 車輛検知は赤外光で行うが、その位置で微妙な問題が起きることが分かった。曲線上ではカントが付けてあるので、連結器位置が持ち上がっている。すると光が下を通り抜けてしまうのだ。枕木で反射される光もあるらしく、列車を検知しそこなうことがあった。

 曲線上での連結器高さを再度測定し、そこにビームが通るようにLEDを付けた投光部位置を上げた。受光部も少し上げると完璧であった。設置位置は直線部のみを考えていたので、考えが及ばなかったことを反省した。

 電源から最遠部分の電圧は、上下線の信号機が開通しても 4.88 Vあって、作動は完璧であった。電源部の電圧は、無負荷で5.03V、全負荷を掛けた状態で4.96 Vであるから、0.08 Vの電圧降下である。
 電源は、長時間通電時もほのかに温まる程度であるから問題ない。

 閉塞信号回路はできたので、次はポイントマシンと連動する方向信号機の配線をする。おそらく、これもひと月ほどかかる見込みだ。

 照明を暗くして、信号機が付いているさまを見ると、幻想的である。駅や機関区の照明をつけるとさらに良くなるだろう。 

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2021年11月18日

信号装置の修理

signal wiring 信号機の一部が不調であった。設置時から、1つがうまく作動しない。開発者のNS氏から連絡戴いて、見てもらうことになった。車から荷物を出すのを手伝ったところ、陰極線管の付いた、重いオシロスコープまで持ってきて下さった事に気がついた。

 要点を押さえたトラブル・シューティングにより、すぐに不具合の箇所がわかった。さすがは開発者である。配線をやり直して、作動を確認した。テストをしながら新しい部品に替えてみたところ、無事作動を確認できた。

 レイアウト一巡り100 m弱が4セクションに分かれている。短い旅客列車は全く問題ないが、長い貨物列車は2セクションをまたいで走るので、緑色の信号が出ないのは仕方がない。いつも黄色を踏みながら走る。短い60輛運転なら緑色信号が出る。

 渡り線がある部分では、遠方信号機がその開通方向を示すので、なかなか面白いはずだ。

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