ライヴスティーム

2014年11月03日

続 平岡氏の講演から学ぶこと

 趣味を楽しむことができるような職業選択をする必要があるとおっしゃった。日本の企業人は世界的に見て働き過ぎで、たまの休日は寝ているだけという話も聞く。
 
 自由業の人は仕事量を制限すれば、余暇を増やせる。生活に必要な費用と趣味に掛ける費用さえ稼ぎ出せれば良いはずだが、なかなか現実には難しそうだ。

 筆者のアメリカの友人で、模型を嗜む人は、たいてい自由業である。勤め人であっても自由業に近い人が多い。また、自営の人も多い。軍人も多いが、軍務は連続して数日あって、そのあと数日の休みというパターンが多いようだ。

 大切なのはモティヴェイションを連続して維持することだろう。自分の力量を正確に把握している人は、無茶なことはしない。むやみに細かいものを設計してしまい挫折することもない。
 腕が上がってくると、すごいものを作り始める。Dennisが非常に良い例である。初めは荒っぽかったが、徐々に精緻なものを作り始め、今は達人の領域にある。

 平岡氏の講演では、趣味Hobbyの定義の話があった。
 引用させて戴くと、「生活のための仕事とは別の価値を創造する行為であり、人生における大きな課題とされている。」だそうだ。
 抽象的ではあるが、その通りだと思う。

 筆者が博物館建設で毎日重労働をしているのを見て、知人が「よくやるね。」と冷やかす。筆者自身にとって極めて大きな価値のあることで、それが日本の模型界のためになればと思ってやっている。決してつらい作業ではなく、日々楽しく過ごしている。しかし、自宅のレイアウトには埃が積り、工作台は物置になっている。いずれこちらも整理ができる日が来るので、楽しみにしている。

 しばらく、アメリカの話題から離れていたので、次回からそちらの方に戻ろう。



2014年11月01日

平岡氏の講演から学ぶこと

 平岡氏の工作技術はすばらしい。天下一品である。その秘密を知ることができた。
 
 いろいろな人から質問を受けるそうだ。
「長い間掛かって完成させるのは大変だと思います。どうしてそんなに気が長いのですか。」
 平岡氏は決して気が長いほうではないのだそうだ。ライヴスティームの機関車の完成まで二年以上も掛かる。その間気力を充実させる秘訣は、品位の高い部品を作ることだということだ。美しい仕上がりの正確な部品を作れば、次の仕事への原動力になるのだそうだ。
 確かにその通りで、ある。良い品を作ればそれが組合わせられる機関車を早く完成したくなる。

 昔、祖父江欣平氏がBig Boyを作られていたころ、何度かお邪魔した。凄まじい精度の部品をたくさん作られて、
「おい、これどうだ。」
と見せてくれるのだ。セーパー(shaper)を駆使して作られた、小ピラミッドを集積したステップなどをこれでもか、と見せる。
 その時、同じようなことを言われたのだ。
「世界一の精度の部品を作れば、それを組み合わせた機関車も世界一だ。こうやって部品ができてくると、完成が楽しみなんだ。寝ずにでもやりたくなるよ。」

 結局、発注元からの入金が途絶えても、自力で借金までして完成に持ち込んだ。経済的には成功したかどうかはわからないが、すばらしい作品が完成したのだ。その時の祖父江氏の嬉しそうな顔が目に浮かぶ。

 最近は筆者はスクラッチ・ビルドをしないが、再開する時があれば、この言葉を思い出しながらやりたい。
 

2013年09月11日

続 N gauge C62

 スティーム・ヴァルヴとシリンダの潤滑については問題は起こらないと思っている。もう40年以上昔になるが、井上 豊氏にその話を聞いたことがある。
「蒸気を使うから、潤滑油が流れてしまうのさ。圧搾空気なら給油機は要らないよ。排気管から油を差して、手で押して逆転させれば、良いんだ。作った機関車をエアコンプレッサで廻したことがあるが、10分くらいなら平気さ。」
とのことであった。最近の低粘度のエンジンオイルあたりが良さそうだ。その後潤滑油はかなり進歩している。
 余談であるが、精度高く作られた機関車は、前進位置でバックさせるとボイラに空気が溜まり、手を放すと前に走るそうだ。

 今回の N gauge C62 もほとんど注油していないようだ。CRCあたりを吹いているように見えた。コーティング技術もかなり進歩しているし、潤滑油については、あまり考慮しなくてもよいかもしれない。

 UP FEF-3が何台もあるので、そのうちの一台を振り向ける予定である。シリンダブロックはワイヤカットで抜いてリーマを通せば出来そうである。フライスと旋盤でも加工するのは難しくは無い。楽な方法でやるつもりである。砲金の塊は手当てしてある。一番難しいのはグランド部分だ。摩擦が少なく、なおかつ、漏れを最小にせねばならない。出力に余裕がないから、軽く動く必要がある。

 コントロールはRadio Controlが一番楽であろう。プロポーショナル(比例制御)だからだ。DCCでは完璧な操作は難しそうだ。
 カットオフは最初は考えないことにするつもりだ。井上氏の意見は、
「素人はすぐそれを持ち出す。あれは 過熱水蒸気だからうまく行くんだ。飽和水蒸気だと水滴が出来て、ろくなことは無い。煙突から水が出るよ。しかも、精度の高くない模型でカットオフなんて考えると走らないよ。トルクも減るし、変動も多いから、走りにくくて結局はフルギヤで走る。それでいいんだ。完璧に走ったら、次を考えても良いけどね。」
である。
 今回は水滴のことは考えなくても良いが、精度のことを言われると考えてしまう。エクスパンション・リンクあたりは、ワイヤカットを頼んだ方が良いかもしれない。
 煙突から潤滑油が飛ぶのを防ぐよう、ボイラの中に迷路を作って、油をトラップするつもりだ。

2013年09月09日

N gauge C62

N gauge C62 livesteam 3N gauge C62 livesteamN gauge C62 livesteam 2 先日のJAMで目を奪われる展示があった。Nゲージの圧搾空気を動力とするライヴ・エンジンである。
 ライヴスティームとは言えないところが辛い。


 素晴らしい着想と実行力である。アマチュアとして活動されているようだが、商品化すれば世界中に売れるであろう。時計の部品を作る機械で作っているという話だ。ガタの無い構成が必要である。そう簡単には出来ない。

 いつかはやりたいと思っていることがそこにあった。しかも超小型模型である。室内で楽しみたいので、火を焚く本物の蒸気機関車は避けたい。外でやるにせよ、小型になると炎の大きさが縮まないので難しくなる。ガスを燃料とするときは、酸素を足して燃焼速度を大きくしないと狭い火室の中では燃やしきれない
 そういうわけで、ライヴスティームは半分諦めている。

 金魚の水槽に空気を送っているダイヤフラム型コンプレッサの仕事率で、Oスケールの機関車が走ることは計算上明らかだ。小さい車載型コンプレッサを探して何年か経つ。家庭用血圧計のコンプレッサは、小さいが出力が足らない。たくさん並列にする必要がある。
 それなら、タンク車を圧力容器にして数輌つなげば、エンドレスを何周かは廻るだろうと見当を付けている。

 当分先の話だが、ぜひやってみたい。ライヴは、まさに機構学の世界で、理屈どおりにしないと動かない。楽しみである。

 奇しくも昨日のコメントでその話が出て、ネタを明らかにしてしまった。

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