クレイン車

2015年07月05日

Bucyrus-Erie

 日本人には発音が難しい会社名である。カタカナで一番近そうな音はビューサイラス・イャゥリである。前半はオハイオ州ビューサイラスにあったクレイン製造会社名から、後者はErie Steam Shovel社から来ている。後半は「エリー」ではない。耳のイャにRiの音をつなげばよいのだ。"R”の音を出すコツは、小さく「ゥ」を付けてゥリーと言うのである。writeのつづりを見れば、”w”がついているので、その通り発音すれば、それらしく聞こえる。
 スティーム・シャヴルで有名なMarionも昔に吸収合併されている。

 この会社は、世界中のほとんどすべての鉱山会社に製品を納めている。浚渫、坑道採掘、露天掘りなどの大半の用途を満たす掘削機、運搬機械を作っている。だから鉄道用クレインは、ほんのわずかな生産額であるそうだ。

Bucyrus-Erie 筆者がアメリカに居た頃に、UPにこのクレインが導入された。どういうわけか、今までの銀色あるいは黒ではなくて、緑色であった。その色がなかなか良くて、たくさん写真を撮ったのだが、見つからない。いずれ出てくるはずだが、とりあえずWeb上からお借りしている。
 模型も買ってしまったので、色を塗れば完成できる。ところが、少し欲を出してしまい、DCCですべてのファンクションを動かしたくなり、結局挫折して止まっている。諦めて手動にすれば良いのだが、なかなか思い切れない。アウトリガを張り出さないと倒れてしまうのも、挫折の一因だ。模型はKTM製なのだが、台車のバネが柔らかく、上が重いので走らせると非常に不安定である。バネを硬くした。

Hiltonshower and toilet car ついでに、このクレインにつながっている車輛を順に紹介することにしよう。これは作業員の宿舎で、10人収容と書いてある。出動した先の地名を付けて、○× Hiltonと呼ばれていた。中を見せてもらったことがあるが、外見からの判断より、意外と快適そうであった。シャワールームとトイレの付いた車輌も用意してある。上に飛び出したのはエアコンである。いわゆる冷凍機がついていず、水を流してそれを蒸発させ、その気化熱で直接冷やすタイプである。砂漠地帯ならではの工夫だ。evaporative coolerと呼ぶ。水の中のカルシウム分が析出して、内部はがりがりである。木の繊維でできた綿状のものに水を滴下させているので、その替えをたくさん用意している。

snap track 枕木を載せた車輌である。こういう状態でたくさん運んでいく。壊れた線路を横に放り出して敷き、とりあえずの開通である。新たに砂利を持ってきて、タイ・タンパで突き固めるのは、しばらく先である。
 軌框の状態で運ぶこともある。
 
 脱線の現場で作業が長引きそうなときはbusiness carが置かれる。これは現場監督が乗っている。かなり豪華な設備で、衛星電話を持っていた。



2014年03月13日

続 Steam Crane 

 あるいはひょっとして、小さなクレインであるから、細かい動作を考えないのかもしれない。 圧力は0.5MPa(5気圧)くらいであろうから、途中で止めることを一切考えずに、上端下端の往復だけの可能性もある。
 動きはかなりギクシャクするが、負荷が数百kg程度なら、それでも良いのかもしれない。鈎が跳ね上がる可能があるので危険ではある。
  
 また、シリンダの径が小さいのが気になる。概算では気体(蒸気のみ)と考えると、負荷が掛かったときに急速に凝縮することが考えられる。というのは飽和蒸気であるから、やや冷え気味の部分があれば圧が掛かればすぐ凝縮する。
 締め切り弁があってもなくてもどこかで凝縮する。少しでも温度が低い部分があれば、そこに集中して凝縮が起こるのはヒートパイプの理論でお分かりだろう。
 シリンダ上部へのパイプに細いものを使うと、液体の粘性で出入りに時間が掛かるということを狙っているのかもしれない。それが動きをダンピングをしているということはありうる。

 やはり、あらかじめ、シリンダの上は水が入っていると考えたほうが気楽だ。もう少し詳しい図面が手に入るか、操作マニュアルがあれば解決する。

 ちなみにブーム後方の丸いものはカウンタバランスである。旋回用には小さい2気筒のエンジンが付いている。

 作動する様子を想像するだけで楽しくなるような小さなクレイン車である。



 先回の「推論」中、締切弁の下のパイプは長いのが当然だろうというご意見を戴いている。しかしそれでは、初期状態で入った空気が逃げにくい。
 短くしておけば凝縮によって自然に排気されるというのを、書き忘れた。

2014年03月11日

Steam Crane

 しばらく蒸気圧の話をしてきたが、ここからが本題である。

photophoto_2 蒸気クレインというものがある。写真等を見ることはあったが、図面を見るのは初めてだ。最近あるウェブサイトで話題になっていた。このような図面を良く探し出されたものだ。いわゆる蒸気エンジンで回転運動を作り出して巻き取ったりするのではなく、蒸気の圧力を利用して、ブーム(腕)を上下する。

 その動きの解説で腑に落ちないところがあるので、再度考えてみたい。
 リンク機構は疑似直線運動である。ピストンロッドが細いので多少撓むはずだ。


 ブームを上げ下げするときに、蒸気の圧力を使っている。ほとんどの人は蒸気の出入りで、上下すると思ってしまうのだが、ピストンの上の部分は水である。と言うより、熱水である。
 気体ではブームを固定できないし、負荷が突然外れた時など、跳ね上がって大事故になる。水が詰まっていればこそ、ブームは安定し実用になる。
 シリンダの上部は保温していないので、熱は逃げやすい。ヒートパイプと同じで、シリンダ上部は水が詰まっている。この図面をいくら見ても弁が見つからないのだが、どこかに締切弁があると、筆者はみている。無いとブームは固定できない。 その弁を締め切っていると、水を圧縮できないのでブームは動かない。クレインは踏ん張りが効かないと意味がない。締切弁があれば踏ん張りが効く。


 ここから先は筆者の推論である。

Steam Crane ブームを下げるときはシリンダの下をボイラ圧力と同じにし、締切弁を開放する。するとブームは自重で下がるはずだ。熱水はボイラに戻る。動作が終わったら締め切り弁は締めておく。
 ブームを上げるときは三方弁でシリンダの下の圧力を抜いて、締切弁を開ける。ボイラから蒸気が入り、その蒸気は直ちに冷えて凝縮し、液体になる。必要量の上昇で、開放弁を閉じる。

 蒸気クレインが稼働状態で、ボイラ、ブーム駆動シリンダ温度が定常状態(供給される熱と、逃げて行く熱が釣り合って、温度が変わらない状態)になれば、凝縮時間はほんの一瞬である。
 あるいは締切弁から下がっているパイプを延長して液面以下にすれば、凝縮の必要が無くなる。この図では凝縮を強調するために短くしている。

 いかがであろうか。

2013年08月20日

続々々々 Heber Creeper 

Heber Creepers crane 2Heber Creepers crane 3Heber Creepers crane 4 このディーゼル・クレインは比較的新しい。多分70年頃の製品だろう。
 台車は、フリクション軸受であり、ブレーキロッドが外に付いている。すなわち、内部にはブレーキ機構を入れられない理由がある。
 

Heber Creepers Crane 1 下を覗き込むと、電動機が見えた。二軸を駆動して自走するのだ。それほど大きなモータではないが25kw位はありそうであった。歯車箱を持ち、開放式では無い。どの程度の速度で走るのだろう。場合によっては2,3輌の貨車をつないで移動することもあったのかもしれない。


Heber Creepers crane 6Heber Creepers crane 5 これはいわゆるMateである。クレインの相棒になる貨車で、ブームを載せたり、様々な資材を積んでおく。今回は空に近い状態であった。
 床は真ん中が凹んでいる。理由を色々考えるに、無造作に積んでも崩れにくいことを期待しているのではないかと思った。
 実際のところは不明である。



2013年05月20日

続々々々々々々々々 Monticello 鉄道博物館 

Crane car and mate このようなクレイン車があり、そのMate(相棒)と組合わせてある。どういうわけか箱型の部屋の一部が切り欠いてある。ブームが当たるのだろうか。
 クレイン車は比較的近代のディーゼルエンジン搭載のものであった。


Outside braced boxcar 2Outside braced boxcar これはOutside braced Boxcarと呼ばれるものである。文字通り、強度部材の枠が外にある。木製の箱の内側にはさほど大きな凹凸は無い。
 のちにこの貨車の外側にも鉄板を張るようになった。
 この貨車の模型を作ったことがあるので、実物の写真を撮りたくなったのである。
D&H この荷物車はDeraware and Hudson鉄道の荷物車である。比較的程度の良いものを手に入れたので、蒸気機関車による列車運転時の編成に組み入れている。



Valve gear 2Valve Spindle2-8-0 valve chest 最後に2-8-0のロッドの写真を再度撮った。外への飛び出しぐあいを見ると、信じられないほど出ているのがわかる。



2013年05月16日

続々々々々々々 Monticello 鉄道博物館

Steam Crane 2Steam CraneSteam Crane 3 蒸気動力のクレイン車があった。ボイラは小さい。縦型ボイラである。稼働時はこの扉を開いてテンダから石炭をくべる。
 蒸気機関はこれまた小さく、せいぜい20馬力程度であるから、ボイラ出力はそれほど必要がないのだろう。

Steam Crane 5Steam Crane 4 操縦室である。テコが並んでいる。クラッチとブレーキがあるはずだ。
 蒸気機関の逆転は右の窓際の小さい弁で行うようだ。カットオフなどという細かい調整はしないようだ。フルギヤで正逆転させるのだろう。蒸気の消費量が少ないから、そういうことが出来る。フルギヤならトルクが落付いているから、扱い易いはずだ。 

Steam Crane 7Steam Crane 6 ラチェット機構が付いている。力が掛かっている時に外すのは難しい。少し逆転を掛けないと爪は外れない。杭打ちにでも使うのだろう。
 この写真では見えにくいが、ブレーキとクラッチがドラムの中にある。足でブレーキを踏みながらクラッチを噛ませるようだ。

Steam Crane 8 こちら側にも操作するべきテコがあるから、二人がかりで操作することもあったのだろう。
 機械がむき出しだから、危ないことこの上ない。服が巻き込まれたりすると大事故になる。座る所が見えないので、立って操作したのだろうか。この鼓型のプーリはいわゆるキャプスタンである。

Steam Crane 9 テンダはイリノイ・セントラルのパシフィックから外したものらしい。ハーマンはカメラを持って下に潜り込んで写真を撮っていた。今作っている機関車のテンダはこれと同型なのだそうだ。
 パイプがどの様につながっているかを調べていた。

2012年12月12日

続々々 Spokane County Fair & Expo Center

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 Brownhoistのクレーン車があった。かなり大型で250トンクラスだ。これとよく似たものを持っているので、細部の写真を撮った。一番見たかったのはアウトリガである。左右に迫り出させる機構に興味があった。
 やはり、ラチェットによる方法だ。ラックで押し引きするのに、ラチェットを介してレヴァで廻す。底板によほど脂が回っていないと、大変な作業であったろう。
 このクレインはもともと蒸気動力であった。それをディーゼル電気方式に改装したのだろう。この個体は煙突が蒸気時代のものである。蒸気運転のときには煙突が伸びるものもあった。一般的には改造機では、排気マフラが後か、上に付いている。
 機関室の後部には大きなドアがあり、蒸気時代の作業時はここを全開してテンダから給炭した。水はホースで供給した。横を向いて作業するときは、給炭のために時々テンダ方向に尻を向ける必要があった。もちろん機関室の中にも小さい炭庫はあった。

812_6430-2 小型の25トン・クレインもある。小さい物には自走式のものもあるが、これは、そうではない。

 アメリカの鉄道ではクレインはぴかぴかの場合が多い。日本の操重車の錆付いた情景とは異なる。そこらじゅうで脱線事故があるので、いつも出動準備が整ってぴかぴかに光っている。最近はより機動性が高いトラック・クレインも用意されている。それをRubber Tire Craneと呼ぶ。鉄道車両ではないことを明確に表現している。

≪コメントでご指摘を受け、内容を書き換えました。》

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