材料

2023年12月09日

melting brass scrap

Melting brass (6) 900 ℃になればオレンジ色になり、非常に粘り気の少ない液体になる。
 粉状の金属はぎっしり詰めてスタートしても良いが、塊は注意が必要である。熱で膨張して坩堝を割る可能性があるので、必ず縦に入れて長さの変化を上に逃がすようにせねばならない。粉はこぼさないよう樋状のもので流し込む。

 900℃以上では 、ブラスの成分の亜鉛が揮発し、それが空気中の酸素と化合して白い粉をふくのでそれをステンレスのへらで取り除き、煉瓦の鋳型に流し込む。この時クランプで鋳型を締めて漏れないようにするのがミソである。ステンレスは熱伝導率が低いので熱くない。

Melting brass (5) 今回は平たい鋳型であるので、上に浮いたスラグが載ったまま固まってしまった。縦長の鋳型にするとその部分を容易に切り捨てられるが、圧力が高くなるので、隙間から漏れやすい。



Melting brass (1) 30秒も経てば完全に固まるので、それをバケツの水の中に投げ込む。これで500 g強である。ハンダも一緒に融けているので、快削性がある。

 ダライ粉は引き取り値が安いので、こうやってインゴットにしておくと高く買ってくれる。電気代が掛かるが、天気の良いときにやれば、太陽光発電の出力でタダでできる。 

 今回は量が少なかったのでこの炉を用いたが、大量にあるときは大きな 2 kg型を用いる。次回はそれを紹介しよう。

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2023年12月07日

brass scrap

 筆者ほどブラスの材料を購入する人は珍しいだろう。年間数十 kgは買う。今年は、総計280 kg 買った。知り合いの廃金属商から電話が入るとすぐ行って、向こうが勧めるものをすべて言い値で買う。より分けて気に入ったものを残し、要らないものは別の廃金属商に持って行って処分する。そこでまた別の物を売りつけられることもあるが、全て買う。またより分けて…という無限地獄であるが、珍しいものに巡り会えるので、とても楽しい。実質的な消費量は年間30 kgくらいだ。この方法は手間と資金を必要とするが、良い材料を安価に調達できる。友人にも頼まれるので適当なサイズのものを原価で譲り渡す。先日は細い平角棒を頒布したが、HOの方は消費量が少ない。Oゲージの仲間は一度に数kg買う。そういう人にはダライ粉を捨てずに持って来るようにお願いしている。

Melting brass (2) このような方法で、必要な材料は潤沢に持ち、贅沢に切り刻んで使っている。そのときに出るダライ粉(切り粉)は取っておき、磁石で鉄分を除いてから、熔解炉で融かす。900 ℃でトロトロに融けるのでそれを煉瓦で作った鋳型に流し込めば大きなインゴットができる。それをフライスで削って6面が直角の材料を作る。その時に発生するダライ粉は次回で融かす。

Melting brass (3)Melting brass (4) この熔解炉では一度に750 g程度しか融かせないので、何回かに分けて作業する。これはアメリカ製で30年以上前に買ったときの値札がまだ付いている。今はとても高価だ。坩堝はグラファイト製であるから、赤熱すると大量の一酸化炭素を放出する。必ず屋外でやらないと命を落とす可能性が高い。120 V、750 Wである。変圧器で昇圧して使う。100 Vでは融けるまで1時間以上も掛かってしまい、使えない。  

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2023年10月10日

焼戻しの意義

 焼入れは簡単だ。温度さえ間違わねば良い。ガス火で焙る。温度は色で見るのだ。すなわち暗いところでやればすぐわかる

 焼きの入る鋼材はいくつかあるから、クズを入手しておけば良い。
 扱いやすいのはS45Cである。快削性があり、簡単に整形できる。最後にFなどの文字がついているとより快削性があるが、模型製作ではあまり意味がないだろう。 

 焼入れしただけでは、その工具は硬いが脆い。金床の上に落としただけで欠けてしまうことはよくある。靭性(じんせい)を与えねばならない。靭性は英語で toughness という。要するに脆性(ぜいせい)の逆で、そう簡単には割れないということである。磁器などの焼き物は硬いが、すぐ割れてしまう。これは靭性が無い例である。

 焼入れしたものに靭性を与える操作が焼き戻しである。様々な方法があるが、素人でも失敗しないのが、この低温焼戻しである。天ぷら油の中で煮て戻すという方法が長らく紹介されていたが、燃料が無駄であるし、油に着火すると取り返しがつかない。長時間油を加熱すると、徐々に油の中に過酸化物が蓄積され、着火しやすくなるので避けたい。屋外でオーブントースタというのが一番安全であろう。焼入れから時間が経つと良くないと聞いた。直ちに焼戻しに掛かれるように予熱しておく。

 焼戻しは、繰り返し使う可能性のある工具に施す。一回きりしか使わないなら、欠けないように使って廃棄しても構わない。

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2023年10月08日

焼入れ・焼戻し

 径が6 mm以上もあるので、まともにネジを切ろうとすると最初のトッカカリが難しい。ダイスが斜めに入ると悲惨である。旋盤で完全に仕上げても良いが、切り込み深さの決定が面倒だ。旋盤で2回だけ(幅の広い溝を付けるため)切り込んで、そこにダイスをはめると安定化する。労力も激減する。

quenching できたものを煉瓦の上でガスで赤く焼き、水に放り込む。ヤスリが掛からないほどの硬さになる。そのままでは硬過ぎる。ちょっとしたショックでも割れ易いので、焼戻しをすべきだ。工具を硬い床に落とすと割れてしまうのだ。


tempering オーブントースタの古いのを、焼戻し専用機としている。150 ℃から200 ℃で1時間以上だ。太陽光発電が稼働している時にやるとタダでできる。厚い金属板を下に敷き、湯のみ茶碗に入れて空き缶をかぶせる。開放して通電すると、温度ムラができて失敗してしまう。
 このトースタのタイマは15分が最大値なので、13分毎にアラームを設定し、リセットをする必要がある。当然、外でやるのだ。  

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2023年10月06日

工具を作る

cone end tool ちょっとしたプレス工具を作った。ピヴォット軸を車輪に圧入する時、軸の先端をつぶさないように押さえたり、抜く時に使う工具だ。ワークの数が少なければ、押すものは軟鋼のシャフトの先に小さな穴をあけたもので十分だ。

 ステンレスのピヴォット軸は十分に硬く、押し込んだ瞬間に穴が広がり、ピヴォットのテーパと馴染む。10本くらいなら、これで難なく仕事ができる。しかし数百となると、押し込み工具は徐々につぶれ、穴は大きくなって最終的には割れる。その前に全体が太くなってしまうこともある。そうなるとピヴォット軸を押し出した後、抜けなくなるし、車輪の穴が大きくなって使えなくなる。 

 こういうときのために、S45C(炭素0.45%を含む鋼材の番号)の材料を用意してある。適当な長さのものを旋削して作る。今回は2つ作り、一つは中型プレスに付け、他方は小型の簡易プレスに付ける。小型機のラム(上下に動く角棒)にはW1/4のネジが切ってあるので、その雄ネジを切らねばならない。  

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2023年09月20日

続 17.5 mm車輪の台車群

Athearn trucks これらはAthearn社の Delrin truck群である。デルリンはデュポンの登録商標で、一般名で言うPOM ポリオキシメチレンの中に含まれる。エンジニアリング・プラスティックとして名高い。結晶性であり、長時間力が掛かっていても塑性変形しない。摩擦が少なく、耐久力がある。 すなわち台車の材料としては最適の樹脂の一つである。

 1970年ころにこれらの台車群が発売された。以前はzamak製のダイキャストであったが、同じ型で湯を替えたのだ。他にもAndrews 台車があるが、今回は割愛する。

 3本のコイルバネが見える。台車枠は自由にひねられ、素晴らしい追随性を示す。脱線しないというのは大きな利点だ。compliance 追随性は、このようなコイルバネでなくても実現できる。要するに左右の台車枠が捻り易ければ良いのだ。そういう意味では3Dプリントの台車は一体成型であるが、ボルスタ部分の捻り剛性を少し減らした設計にしてあるので、とても追随性が良い。compliance は、最近は別の範疇でカタカナで使われることが多いが、これは本来の意味である。

 車軸は普通鋼で、RP25車輪は軽いデルリン製であった。筆者は1973年にこれを初めて見て、直ちに購入した。忘れもしない、1組が1.98ドルであった。昼のハンバーガ・セットの価格の1.5倍であった。指で廻してみて、それが軽やかに廻るのには驚いたが、この車輪が金属製であったらと思った。それから10年以上経った1986年、これにはまるステンレス製RP25車輪を1000軸作り、仲間内で頒けた。吉岡氏からは、「RP25は正しい設計とは言えない。もっと良い形状のものを開発すべし」と尻を叩かれたが、この転がりには皆が驚嘆した。
 その後、Low-D の設計が完了し、 この17.5 mmピボット軸だけで2万軸作った。その9割がアメリカに行った。

 この台車は、50年経っても全く性能には変化がなく、たまにボルスタが折れることがあるが、3Dプリントで作ったナイロン製に取り替えれば生き返る。軸受は専用の tuner と呼ばれる工具で深さを調節して、わずかのモリブデン・グリースを付けている。0.2%の坂を下り降りる。 

 この台車の軸長は他の製品に比べてやや短い。すなわち、軸端の距離が短いので、Low-Dをはめるには、上記の工具で軸穴を深くする必要がある。その加工は簡単である。デルリンには快削性があるからだ。 


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2023年07月24日

ABS樹脂製の車輌

 友人から連絡があった。ABSと言っても、ずいぶん差があるそうだ。彼はヨーロッパ型のコレクタである。
 同じ会社の製品であっても、本国製と某C国製では歴然たる違いがあるそうだ。メルクリンでさえもC国製になった。
 結論から言うとC国製は全部駄目だそうだ。その原因は耐候剤が入っていないからだそうだ。これは某製造業の専門家からの情報である。

 耐候剤とは、紫外線、高い温度、空気(酸素)及び潤滑油への暴露などの影響を受けにくくする薬剤である。一番分かり易いのが、自動車の車内の材料への応用である。自動車は屋外で日光に晒されている。耐候剤がなければ、1週間でヒビが入り、1ヵ月で割れてしまうだろう。それを防ぐために数種類の耐候剤が配合されている。

 模型製造企業では、そういう指示を受けていなければ何も配合しない。これらの薬剤はかなり高価なものであるからだ。その結果、そうしてできた製品を輸入して使っている人たちは、光に当て、暑くなるところに放置して、たちまち駄目になるというわけである。

 殆どは室内であるから、紫外線の影響は限定的であろうが、窓ガラスを多少なりとも透過する波長の紫外線もある。その種の模型を大切にしたければ、窓のない部屋でいつもエアコンを効かせておかねばならない。最近のLED照明は紫外線を出さないはずなので、安心できる。蛍光灯をいまだに使っている人は、模型を破壊していることになることを理解して戴きたい。蛍光灯からは無視できない量の紫外線が出る。 

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2023年07月20日

ABSの劣化

 先月友人宅を訪ねた折に、洗面台の電灯が点かないのに気付いた。友人と相談して直すことにし、後日手伝いをした。

 Pa社の洗面台で、ABS樹脂でできた本体にパーティクル・ボードの裏板が20本ほどのタッピング・ネジで留められている。既存の電灯を外し、LEDの蛍光灯と交換することにした。部品を外し、新しいものをはめ込んで出来上がりだ。電気工事の範疇には入らない気楽な作業である。圧着端子で締めて、熱収縮チューブで絶縁を施せば出来上がりだ。電源に差し込んで点灯するのを確認し、裏板を嵌めようとした。

ABSの変形 ABSの縦80 cm、横60 cmほどの成形品なのだが、取り付け後28年で歪みが出ている。取付けの圧力と重力であちこちが撓み、ネジを外すと二度と合わない。日射のある場所ではないので、その心配はないと思っていたのだが、ひどいものであった。

 2人がかりで押し込んでなんとか留まったが、3本くらいはネジ穴が割れた。奥さんは、
「無理して直さずに新しいものを付けたら…。」
とは仰るが、その価格を知って仰天した。業者なら、このような苦労はしたくないので、その新品を売りつけるのは当然だろう。

 ABSでもこのような状態である。結晶性プラスティック以外は、時間とともに”樹脂内で目に見えない程度の流動がある”ということは明白だ。
 世の中にあるプラスティック製鉄道模型の末路が見えてきた。 

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2023年07月14日

エンジニアリング・プラスティック

 通称エンプラだそうだ。はっきりと決まった定義はないが、通常のプラスティックより高温に耐え、力学的強度が大きく、長期間の使用においても特性の変化が少ないものを指す。

 POM(ジュラコン、デルリンなど)、ナイロンなどが有名で、製造各社によって仕様が決まっている。これらは結晶性プラスティックであり、常温近辺の温度での使用によって流れてしまうということがない。模型では、歯車、ギヤボックス、台車、自在継手に適する。これら以外のプラスティックは、製造してからしばらくは良さそうに見えるが、時間とともに少しずつ分子間の相対距離が変化し、変形、流動する。
 ただしエンプラとは言え、POMのギヤをシャフトと嵌合させると数年以内に割れる。これは業界ではかなり周知されているのは喜ばしい。

 最近テフロンの話題を出したところ、テフロンで歯車を作れないかという相談があった。結論は言うまでもなく、論外である。軟らかく、擦り減りやすい。摩擦が少ないという長所はあるが、力が掛かれば消滅する。流量計などには使われているが、動力伝達には全く向かないものである。

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2023年06月20日

3Dプリントの台車

 最近3Dプリントが普及するにつれ、様々な方から、3Dプリントで作った台車等を見せられる。形はすこぶる良く、台車のひねりも多少は利いて、脱線も少ないと思うのだが、材質はほとんどの場合、駄目である。ABSや、PLAなどを使っているのだが、いずれ撓んで反ってしまうだろう。

 Oスケールの方が、「おっしゃる通りで、撓みました。台車枠が開いてしまって、用をなさなくなります。」と素直に認めてくれた。大きなものはその結果が早く出る。こういう方がいらっしゃるのは助かる。もっと大きな声で他の人達にも知らせてほしいものだ。

 HOなどの小さな模型であると、モーメントが小さく車重も軽いのでその撓み(長時間掛けると流れてしまい、永久的な曲がりとなる)は見えにくい。しかし、10年、20年というタイムスパンで見ると、駄目になることは必定だ。10年持てばよいのですと、断言する人もあるが、それでは困る人もいるだろう。

steel reinforced truck 先日見せてもらったOJの台車には驚いた。すべての部材に鉄筋が入っている。タミヤの六角シャフトを挿し込んであるのだ。これは熱処理してあるので、そう簡単には曲がらない。この写真の中に6本の鉄筋が入っている。
 3Dで中空の部品を作るのは、簡単である。筆者も思い付いたが、流れない結晶性プラスティックを使えばこれを凌ぐので、採用しなかった。

 結晶性プラスティック製の台車を大量に作って、友人に渡した。近々、素晴らしい車輌がロールアウトする筈で、楽しみにしている。

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2023年06月14日

リニアな人

 条件を変えても測定値は正比例だと考える人は多い。今回の件も、普段経験する圧力でも、その何万倍もある圧力でも、同じ挙動をすると考えているわけだ。正比例は、原点を通る直線に載る(これをリニアであるということがある)関係のことを指す。

こうかも知れない 測定値が2つあると、その2つを直線で結んで、安心する人がいる。その2つが近接していれば、外れではない可能性もあるが、何桁も異なれば駄目であろうことは想像に難くない。しかしこういうことをなんの躊躇もなくやり、対外的に発表する人がたまにいる。

原点を通るとは誰も言っていない 2点を繋ぐならまだマシな方で、測定値が一つなのに、原点と結ぶ人まで居る。原点を通るとは誰も証明していないことも多い。こうなると、一体何を考えているのか、ということだ。

 模型の長さは実物とは何十倍以上も異なり、質量は何千倍も何万倍も違う。材料が同じであれば、ヤング率だけが同じである。すなわち挙動は全く異なる。しかしながら、模型人の中でそこに気付いている人はかなり少ないと感じる。この国の理科教育は、失敗しているのではないかと考えたくなる。世の中は単純ではない。
 前回の友人も実物業界の人だったから、そういう世界からの刷り込みは大きいのだろう。

 模型に実物のような挙動をさせるのは、一筋縄ではいかないはずだ。

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2023年05月23日

floor plank

 思わぬ反響があって驚いている。オークの床にご興味がある方が意外に多い(正確な発音はオウクである)。

FLOOR PLANK  筆者が使用する床材(plank)はこの寸法だ。プランクというのは厚めの板材を意味する言葉だ。海賊に襲われて海に落とされる時に歩く板がプランクである。床用のプランクはこのような断面を持っている。tongue and groove(凹凸がついている)であるから嵌まり込んで外れなくなる。この嵌合は絶妙な硬さになっていて、押し込まれると取れない程度になっている。

 斜めに釘を打ち込む前に、ハンマの尖った方で軽くコンコンと板の飛び出している部分を叩いて、凹凸をしっかり食い込ませる。そして釘を打つのだ。斜めに力がかかるので、かなりの勢いでピッタリと押し付けられるわけだ。

 最初の一枚は壁際で垂直に打たざるを得ない。接着剤を塗って動かないようにする。その時の釘はドリルで孔をあけておいて沈める。その頭はトリム材(壁の裾に張るボロ隠し材)で隠れるような位置に打つ。接着剤が固まってから床張りを始める。隠せない時は上から木栓を打って隠す。
 時々、壁からの距離を測定して、壁と平行に打たれているかを確認する。最後はテコでこじて寄せ、最初と同様に垂直に打つ。

 貼り終わったら、サンドペーパをかける。最初は40番、次は80番、仕上げは120番である。全体に1 mm程度削ることになる。これは手ではとてもできない。強力なベルトサンダを使う。かなりの電力量を消費する。18畳程度の部屋で、4 kWh程度である。体育館などでは大型の乳母車のような機械を持ってくる。3 kWほどの出力を持ち、削りカスが山になる。ベルトも10分程度しか持たない。昔は鉋(カンナ)を掛けていたのだ。


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2023年05月19日

床用塗料

tough enough to skate on 床には極めて硬い塗料を数回塗っては研いだ。体育館床用塗料で、缶の表面には、”tough enough to skate on"と写真入りで書いてある。体育館の床塗装用であって、全く隙間のない床ができる。


liquid plastic この種の床板は、日本の家屋ではまず見かけない。現在の家の床にも、全面にこの床板を張った。下地は19 mmの合板だ。専用の釘打機も持っている。太くて長い釘(51 mm)を、斜めに一発で打てる。その釘の頭はL字になっていて、保持力が大きい。靴履きで暮らしてはいないので、床は30年経っても新品同様だ。
 この Liquid Plastic は、塗り重ねることにより、硬いプラスティックの層ができる。厚さが0.6 mm程度になるまで塗った。かなり高価な塗料で、30年前の価格で1ガロン(4 L弱)が30ドルもした。

 この種の塗料は日本でも手に入る。これを模型製作にも使っている。木製キットの下塗りとして使うのだ。

 軟らかいバスウッドでできた車体を、これに漬ける。大物は少し薄めた液を刷毛でジャバジャバと沁み込ませる。吊り下げて乾かすとカリカリになる。それを細かいサンドぺーパで削って、つるつるにする。そのうえでサーフェサを塗って研ぐと、金属製と見間違えるほどになる。

 この方法をアメリカの友人に教えたら、たちまち拡がって、今ではごく普通に使われるようになったようだ。 

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2023年02月06日

続々 太いボイラ

 筆者がアメリカに居た頃に、このK4のボイラが太いということは聞かされていた。シカゴのMike Hill氏は6輌のカツミ製K4sをカスタムビルダに作り直させ、かなりの価格で頒布したそうだ。

 それを聞いていたにもかかわらず、筆者は西部の機関車に興味が向いていたので、現物を見ることがあまりなかった。一方10年ほど前から、三線式のスケール車輌が出廻るようになった。ライオネルの線路を走らせるので、急カーヴを曲がれるように一部のフランジがなかったりするが、上廻りはよくできている。本物の図面を渡して中国で作らせているので、ボイラの外形はとても良い。三線式は販売数がとても多いので、大抵はダイキャストである。時間が経つと壊れる可能性もあるかもしれない。

 カツミの旧製品のK4s パシフィックは、一言で言うと立派過ぎる。火室の大きさだけでこんなに印象が変わるものなのだ。それはチャレンジャについても言える。ビッグボーイの長さを切り縮めただけで、火室が大き過ぎるのだ。後に作られた韓国製、中国製のボイラの形はすこぶる良い。ボイラの形は例外なくシロナガスクジラのように真ん中が太いのだ。キャブの前は絞られている。
 ビッグボーイも近くで見ると、ボイラ中央部が膨れて飛行船のような感じである。

 今回、K4s をじっくり眺めた。横から見ている限りはなかなか良いものである。汽笛の位置、向きは興味深い。Tom Harveyの気持ちもよく分かる。


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2023年01月03日

ダイキャストの変質

 ダイキャストで作られた蒸気機関車の台枠が変形して、走らなくなったという記事があった。Mogul氏は経験ある模型人であり、ブラス板による修復は可能であろうと思うが、面倒なことである。

 戦後数年間に日本で作られたダイキャスト部品は、すでにほとんどが割れて壊滅したと思われる。有名なのはOゲージの軸箱である。EF58などに使われたものは原型を留めていない。ヤフオクなどによく出ているが、例外なく滅茶苦茶な状態である。これを修復するためのロストワックス製のブラス部品も出ていたが、末端までは届いていない。

 昭和30年代に輸出用に作られた部品も、かなり怪しい。少しずつ膨らんでいるのである。当鉄道にもかなりの数が在籍していたが、全てブラスのロストワックス部品に交換した。

 亜鉛ダイキャスト鋳物は少しずつ膨らむ。合金に不純物として鉛などが入っていると、結晶の界面が酸化されて金属結合が断ち切られ、割れてしまう。アメリカ製のはかなり持つと言われていたが、戦前のライオネルの高級な模型(Oスケールのハドソン)もどんどん割れてしまい、現存するものは極めて少なくなったという。

 最近は中国製の模型が市場に溢れている。それらはダイキャストとプラスティックの組み合わせでできているらしい。今後20年のうちに何が起こるか、観察したい。

 ブラス製で正しくハンダ付けされた模型は、1000年超の寿命を持つだろうことは疑いがない。おそらくそういう意味では、ブラス製模型の復権はありうると思っている。但し、今までのような板金を組み合わせて立体を構成する手法は一部となり、大半は3Dプリントを駆使した銅合金ロストワックスとレーザで切り抜きされた板との組み合わせという構成になるだろうと予測する。そうなると、必然的にハンダ付け手法も進化する必要がある。

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2022年12月10日

ABS の劣化

Pullman-Standard 60ft boxcar kit by US Hobbies 思わぬものが見つかった。1970年代に購入したプラスティック製のキットである。50 ftの Boxcar でPULLMAN-STANDARD の当時の新車だ。製造元は US Hobbiesであり、Kemtron の社長ケマルヤン氏がMax Grayの会社を引き継いで作った会社だ。彼は1976年に亡くなったので、その直後の在庫一掃セールで買ったような気がする。これも安価だったので、ほとんど記憶に残っていない。冷暗所にあったので、劣化していないと思った。しかし箱を開けて細かい部品を手ではずそうとしたところ、ランナの方が折れた。これは要注意のサインで、薄刃のカッタで切り離した。

LDLD2 全体にもろくなっている。実はほぼ同型をもう一輌組んだのを持っている。それを参考にしようと紙袋に入れて持ち帰ったが、自室で紙袋が破れた。ほんの30 cm弱だが、木の床に連結器から落ちた。 

time-related deterioration この連結器はバネで実際に縮むように出来ており、十分な緩衝力があるから壊れるはずはないと思ったが、妙な音がして連結器の付け根付近から折れてしまった。素材が劣化しているのだ。これは接着剤では直らないから、その縮む部品をブラスで作り直すしかないと覚悟した。
 上記リンクの貨車は自作だからエア・ダンパがついているが、このキットにはそんなものは無い。押し込むと、手を放した瞬間にぴょこんと飛び出すが、適度な摩擦でそれほど速くは飛び出して来ない。

 このキットを組み始めたが、やはりもろい。大きな部材は安心だが、細いものは割れてくる。直ちに溶剤で溶かして付けるが、期待はできない。可塑剤が加水分解されている可能性が高い。細かい部品はブラスで作って差し替えるしかない。  

 当鉄道にはプラスティック製のものは少ない。経年劣化が予想されたからだ。いずれこのように割れてくると確信したのだ。ABS製と書いてあってもこの程度である。たった40年でこの調子だから、この先どうなるのだろう。
 非常に虚しい。これは読者諸氏のプラスティック製模型の未来を暗示しているのだ。結晶性でないプラスティックは、全て同じ運命をたどる 

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2022年12月02日

続々 測定をするということ

 前回のグラフは、いくつか机を並べただけの凸凹のある線路上で採られたものだ。曲線の半径も不明だし、その材質も明らかでない。レイル面が研いであると信じたいが、そうではなかったという情報もある。機関車のタイヤはよく洗ってあるのだろうか。こうなると何をしているのか、本人もわからないだろう。多分、言いたいことは、「張力計を入手したので、テレメータ化しました。」だろう。すなわち、これは測定ではない。牽引力を調べたいなら、平面上で連結器と車止めを張力計で結べばそれで解決だ。効率なら、標準貨車を牽いて斜面を走らせる必要がある。曲線抵抗は別の話題である。

 筆者は小型機の伝達効率を調べる時、サンプルとなる標準列車を用意した。20輌の質量、台車、車輪、潤滑剤は全く同一である。質量はすべて355 gにした。それらを斜面を滑走させて平坦線を転がし、その到達距離がほぼ同じであることも確かめてある。

 均一な斜面で引き上げるときの張力を測定するのだ。目盛りは動かず、一定値を示した。速度も一定値である。このような状況でないと、何の意味もない。効率という概念がわからないまま、「調べた」という記事もどこかで見たような気がする。 

 均一な斜面を作るのは大変であるが、正しい測定値を望むなら、やらざるを得ない。先日OJゲージの方から相談を受けた。アルミアングルで補強して線路を作ったのだが、少し撓むという。見るとまずい設計だ。

反らせない工夫 この図の 水平部分は、ほとんど剛性の増大に寄与していない。どうせなら、平角板を路盤側面に貼るほうが良い。ここで合板を厚くしても、ほとんど意味はない。 
 さらに、ここでアルミ材を使うのは賢明でないことにも気づかねばならない。鋼板は安くて堅いから、それを用いるべきである。アルミはヤング率が鋼の 1/4 ほどしかない。薄い鋼板を横からエポキシ接着剤で直接貼ってしまえば良い。鋼板なら薄くても十分だ。縦の長さの3乗で効く

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2022年09月16日

続 HOのギヤボックスの見分

 いくつかコメントを戴いているので、それに答えねばならない。

 現物を見たわけではないので、一般論を紹介する。50年以上前、KTMはいろいろな場所で展示運転をしたらしい。1週間、走り詰めだったそうだ。ギヤはもったが、ギヤの前後に挟んだPOM(デルリンという商品名が有名)のワッシャが擦り切れて、中に綿くずのようになって詰まっていたそうだ。連続使用すると、熱で少しずつクリープ(塑性変形していく)して薄くなり、最終的には糸くずになったわけだ。

 先回のギヤを連続運転すると、熱の逃げ場所がない。摩擦熱は相手のウォームホィールに蓄積され、クリープが起きやすくなる。長時間走って急停止すると、ウォームホィールにはウォームの形が転写されるかもしれない。そうなるともう起動できない。

 材質は吟味する必要がある。ウォームが快削鋼、相手はリン青銅であれば、このようなことは起きない。もちろん正しい潤滑剤が必要だ。
 モヂュールが小さいというのも、この種の事故が起こりやすい条件の一つである。大きなモヂュールであれば、変形は起こりにくいし、起こったとしてもその影響が小さい。モヂュールが小さなプラスティックギヤは、事故を誘発する。もちろん、進み角が小さくて効率が良くないから、発熱するというのもあるだろう。

 もう一つ気になったのは、2軸を結ぶドライヴシャフトが中心にないことだ。台車のひねりでどのような影響があるのかは知らないが、左右対称にしておけばいろいろな点で自然である。

 個人の住宅の中で数分間走らせておしまいなら、かなりの期間、よく走るであろう。


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2022年08月19日

stress release

 日本製のディーゼル電気機関車は繊細な仕上がりで、素晴らしい出来である。しかし、全体がエッチングされた板で出来ているので妙に柔らかい。剛性がないので、ボディを持つと少し撓む感じがする。機関室が狭くなると隙間が見えたりして気分が悪い。仕方がないから、内側にstiffner(補剛材)を入れて剛性を大きくする。

stress release by etching アメリカ製のキット(CLW)の板は堅い。そう簡単には曲がらない。それを切り開いた残骸が残っていたので、裏を見てみる。
 表面をエッチングすると、その部分の応力が開放され、板が微妙に曲がる。中間にはその模様が少し見える。これが気になる人がいるので、日本ではエッチングする板は焼き鈍した板を用いる。だからクタクタなのである。衝突すると、かなり悲惨な状況になる。

 アメリカ製の場合、板は快削材である。すなわち堅い。そう簡単には曲がらない。組む前に板が微妙に反っていれば、修正を施してから組むだろうが、その歪みは微々たるものだ。組んだものは反っていない。
 この写真の筋は微妙な曲がりを補正したものである。左の方には、うっすらと歪みが見える。

 もう日本のメーカが模型を作って輸出するとは思えないが、堅い材料で作って欲しいものだ。焼き鈍したものを使うのは、やめるべきだ。軽衝突でさえ、歪んでしまうのだ。しかも重い機関車は、持つところが悪いと凹んでしまう。 

 以前にアングルがエッチングで溝を掘って曲げやすくなっているのを紹介した。くたくたで全く役に立たない。そういう部品こそ、快削材の板で、焼き鈍しせずに作って堅くすべきだ。多少歪みが出ても曲げるのだから問題ないはずだ。(本来はエッチングの溝無しで曲げて欲しいが、その腕がなければエッチングで少し溝を掘っても良い、という意味である。) 
 要するに、エッチングするものを全て焼き鈍し材から作るのはいい加減にやめるべきだということだ。 

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2022年06月08日

ギヤボックスの変形?

 ギヤボックス購入者から意外な質問があった。

 ギヤボックスの外形を削る必要があって、水研ぎをした。組立てたら、噛み合わせが渋くなった。

 というものである。これは想定外の操作である。水研ぎをしたとあるが、水研ぎとは何が目的なのかを考えねばならない。耐熱性の低い塗装、素材を研磨するときは、摩擦熱の影響を減らすために水を付ける。もちろん削り粉の始末が楽になる、ということも否定できないが、第一の目的は冷却である。一方、ナイロンは耐熱性のある素材で、摩擦熱程度では何ら問題ない。

 この件の原因であるが、次のようなことであろう。
 ナイロンは水との親和力が大きい。水を含むと内部の結合状態(水素結合)に変化が起きて、塑性変形(クリープ等)が起こりやすい。力を入れて押し付けて削るので、微妙な寸法変化が起こるだろう。それをそのまま乾燥すると軸距離の変化が見られるということであろう。言うまでもないが、組み合わせ面を削ってはいけない。

 削るときは乾燥状態で、とお願いしたい。これはマニュアルに補筆せねばならないだろう。

 その購入者からは、削らなくてもよい、薄いギヤボックスの製作を迫られている。それは、色々な点で難しい。

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2022年03月28日

続 糸鋸盤

 古いベルトは、ウレタンのオレンジ色の丸ベルトだったようだ。「ようだ」というのは、よく分からないからである。痕跡を留めないほど、劣化している。
 硬い消しゴムかと思ったが、多少粘り付く。そういう塊がいくつか見つかるが、ベルトの形はしていない。一度融けて液状になり、それが表面張力で丸くなり、重力との兼ね合いでまんじゅうのようになったのだろう。
 やはりウレタンは使うべきではない。

NBR belt-drive 今回買ってきたのはNBR(ニトリルゴム)である。これは耐油性で、そう簡単には変化しない。ホームセンタで、様々なサイズを手に入れることが出来る。紐を巻いて円周の長さを知り、そのサイズを買えば良い。円周長で10 mm刻みで売っている。安いものである。

 これで、3台の機械が専用機となった。博物館の作業台は十分に広いので、便利に使える。

 切り粉が飛ぶので、その処理を考える必要がある。また、ストロークが30 mm程度なので、刃の使ってないところがもったいない。折れたら、未使用部分を、ブラスの針金をハンダ付けして再利用するというのも現実的アイデアだろう。   

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2022年03月18日

modern tank car

NJ Custom Brass tank car このタンク車は90%以上がスクラッチ・ビルトである。


 20年ほど前、アメリカの友人に相談を持ちかけられた。
「このタンク車2輛、なんとかならないか。」
 それは長短のタンク車で、どちらもばらばらであった。ハンダ付けした部分は、100%近く、はずれている。自然に壊れたと言う。
「日本製なんだぜ。この下手くそなハンダ付けは、一体何だ?」と言う。タンク・ボディはペコペコに凹んでいる。エンドも同様で、持つと歪んでハンダが外れると言う。手摺りは全て欠落し、ボルスタ部分はもともとハンダが廻っていなくて、壊れている。上部のプラットフォームも、平面性が無い。

 これはNJ Custom Brassが輸入したものだ。NJは、New Jersey ではなく、Nick と Jackという2人の人名である。とにかく、材質は最低である。タンク・ボディはt 0.3 の焼きなまし板で、タンク・エンドも同様である。持つと凹んでしまう。驚いたのは、その継ぎ目である。エンドは嵌め込まれてハンダ付けしてあるはずなのに、ぽろりと取れた。するとタンクボディは開いて、反対側もぽろりと取れた。日本製で、こんなひどいハンダ付けは、初めて見た。全くしみ込んでいない。修理は不能でスクラップになった。

 エンドをどう作るか迷っていたところ、仏壇屋の友人を訪ねた折に、ろうそくの皿らしきものを貰ってきた。耳を落としたら、ぴったりであった。t 0.4板から新たなタンクボディを切り出して、3本ローラで巻いた。 

 エンドを嵌め、ハンダをたっぷり付けて、削って丸くした。上のデッキ部はすべて作り直した。硬い銀ハンダを使った。炭素棒で加熱し、完全に取り付けたから、もう壊れることは無いだろう。

 ハシゴは、先の照明塔の部品が余っていたので、組み立てて曲げた。側面の配管は、まっ直ぐでないと気分が悪い。硬い長い線を先に取り付け、曲がりが出ないように、0.8 mm角線の支えを銀ハンダで留めた。非常に丈夫である。


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2022年03月16日

PRR H21 hopper

 発掘された貨車にペンシルヴェイニア鉄道のH21 ホッパ車があった。これは60年前に安達製作所が作ったものだ。 少ない資料から、手際良く作られている。細かい部分は省略されているが、塗装して走らせるには、申し分ない。

PRR H21 (3)PRR H21 (4)PRR H21 (2) 筆者はこの形式が好きであった。過去にブラス製は1輌しか入手できず、Atlasの塗装済プラスティック製を求めた。細かい資料を得て作ったのだろうから、細部まで出来ているような感じはする。しかし、気に入らなかった。台車の性能が悪いことは承知の上であって、取り替えてある。他に、どうしても我慢できないことがあった。

 模型は本物とは異なり、やや高いところから見ることが多い。すなわち、上からの見え具合は大切なのである。この貨車は、プラスティック製だから、宿命として、肉厚である。しかし、工夫して薄く見せることは可能であったはずだが、そのままである。特に、角の部分の当て板が許せない。こんな形であろうわけがない。

PRR H21 (5)corner plates 石炭を載せてあるのだから、工夫の仕方はいくらでもあったはずだ。左のブラス製は薄さが出ていて、素晴らしい。右の写真を見ると、2 ft ナロゥの hopper のような感じを受ける。

 この厚さが気に入らなくて、このAtlas の貨車は、棚に入れて横からしか見ていない。縁を斜めに削いでやると多少は見られるかも知れない。そのときは、角の当て板は金属製にするべきだろう。せっかく細かく作ってあるが、台なしである。

 ブラス製には多少のディテールを足すつもりだ。ディカールはDr.Yにお願いするしか無い。台車は本物の図面があるので、S氏にお願いして、3Dプリントにしたい。今は仮にAndrewsを付けてある。アンドルーズ台車は時代的に合わないものである。

 塗装されているが、接着が甘く、部品がポロポロと取れてくるのには参る。全て外してスーパーXで付け直した。このような車輌を走らせると、脱落した部品を踏んで、事故が起こることは必定である。
 そういう点では60年前の日本製は、間違いがない。 

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2022年02月22日

ハンドル車の破損

 博物館の小型フライス盤のZ軸を動かすハンドル車(英語では hand wheel という)が壊れた。ここは力が掛かる箇所だ。フライス盤のクイル部分の質量は、10 kg以上ある。それを上げ下げしている。もっとも、改造してガス・スプリングで支えているから、かなり楽にはなっている。とは言うものの、他のハンドル車に比べたら、格段に力がたくさん掛かっている。

broken hand wheel 作業中にボロリと欠けてしまった。無茶な操作をした覚えは無い。外すとこんな状態であった。オリジナルは握りが回転しなかったので、力が入らなかった。回転する握りを購入して付け替えてある。ネジをM5からM6に切り直した。しかし、それが割れの原因になったわけではない。プラスティック製のハンドル車のねじ込み部分の構成が良くない。ブラスのインサートを入れてある部分を、少し太くしておくべきだったろう。力が掛かるたびに、周りが疲労して壊れたのだ。賢い設計ではない。

 鋳物のハンドル車はモノタロウあたりで買える。径を少し大きくして100 mmとした。またM5ネジを拡大し、M6を切り直した。
 購入したハンドル車はボスの肉が厚いので、10 mmほど削り落とす必要がある。掴みにくいからアルミ板で当て物をして、3つ爪で廻して、削り落とした。材料は快削であるから楽だ。切り粉は新聞紙で受けて、ブラス屑と混じらないようにしないと、引取り価格が下がる。   
 キィ溝を付けねばならない。本当は旋盤上で、キィ溝カッタを使って往復動で切るのだが、面倒なので、縦フライスで切り込む。あっという間に終わる。溝の底は丸くなるので、浅めにしておいて、角ヤスリで仕上げる。多少の丸い隙間があっても何ら問題はない。
  
   

 読者諸氏の機械のハンドル車も、いずれ壊れると思う。早めに交換の準備をされるべきだろう。これも力を入れている時に壊れると、怪我をする羽目になる。交換するときは大きめのハンドル車にすべきだ。それと、交換ついでにガス・スプリングを装着することをお薦めする。安いものであるし、工作は容易だ。

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2021年08月20日

シリコーン・チューブについて

 様々な情報が寄せられた。その中でやや視点が異なるものがあったので紹介したい。あまりにも長いので短くした。一式陸攻氏のコメントに対するものである。

 ギヤボックスのウォーム軸端とモータ軸端との距離が小さいと、チューブのそこそこある剛性がトルクアームの役割を多少担っているので、前後進で差が出にくいという運の良い状況になっていたのではないかと思われます。そういう場合は少ないのですが、その方は一般的に通用すると思い込んだのでしょう。
 対する一式陸攻氏は、その運の良い状態がそこにあることに気付かずに、一般論を話しているので噛み合わなかったものと思われます。

 おそらくこの推測は当っていると思うが、いずれにせよ、軽負荷のときに限られる。重負荷ではゴムは捻じられてあらぬ形になる。この件については後述する。
 それでは軽負荷であれば万々歳なのか。軽負荷ではゴムの巻き癖の影響が、相対的に無視できなくなるだろう。01175氏のコメントにあったように、ギヤボックスがコトコトと動いているのに気付かないだけなのかもしれない。
 大型の 4-8-4 や 2-10-4 に装備するものとして適切かどうかは、自明であろう。もちろんボイラに十分補重して、勾配で長い列車を牽かせることを考えて欲しい。

 もしも、イモンが金に糸目を付けずに良いものを提供するという信念を持っているなら、シリコーンゴムのチューブをまっすぐ作って(決して不可能ではない)売ればよいのである。

silicon and silicone Silicon シリコンとSilicone シリコーンの現物の比較である。シリコンは、硬い結晶である。特定の方向には、エッチングしやすいので、ダイヤモンドの砥石刃で薄く切り、模様を焼き付けてエッチングしたり、特定の元素を沁み込ませたりする。これは切り残した部分。
 対するシリコーンはゴム状である。シリコーンは雨が入らないように絞り出して使う防水シール材である。英語の発音も似ている。前者はスィリカンで、3つ目の母音はなくなって2音節になることが多い。後者は語尾をコウンと発音する3音節の言葉である。どちらもアクセントは前にあるからややこしい。


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2021年08月16日

シリコーン・チューブ

 友人から、
「感心しない動画があるから、見たらどうか」
と言ってきた。これである。

 呆れてしまう内容で、見た後、気分が良くなかった。この動画を編集した人はどういう人なのだろうか。あれで調子が良いと言うのは、どうかしている。
 そもそも工業製品のチューブは、その寸法を考えると巻いて出荷する以外なく、生産されてすぐ巻くはずだ。ゴム弾性を示すものだから、加硫を施すわけだ。成分が異なるので、天然ゴムの仲間のように硫黄化合物を使うのではないが、ある薬品で架橋させてゴム弾性を作り出す。そのプロセスは一瞬では終わらないので、リールに巻いてからも多少は続き、巻き癖が付いてしまう。

 シリコーン・チューブはゴムではありません、とか書いてあるが、意味不明である。英語でもsilicone rubberシリコーン・ゴムと言う。ゴム弾性を示す物をゴムというのは正しい。正確にはエラストマ elastomerというが、そんな言葉を知っている人は少ない。天然ゴムを始めとする炭素骨格を持ったゴムではありません、と書くべきだろう。また、シリコンとシリコーンが混在しているが、これらは別物だ。 

 巻いているものを伸ばして使えば、当然回転にはむらが出る。OJの友人の模型は、それが原因で押しても動かなかったのだ。

 ところで、この動画中、ユニヴァーサル・ジョイントはうるさいということにしてあるが、どう見てもその音は位相が間違っていることに起因する。

 この動画では、いろいろな意味で、良くない事例をたくさん見せてくれている。送ってくれた友人はサイエンティストである。彼は、
「これが良いという人は、観測能力に問題がある。」
と言う。
 要するに目が見えていない、と言っているのだ。そういう筆者も視力が低下して居るから、大きな事は言えない。しかし、チューブの曲がりに起因する不都合と、ユニヴァーサル・ジョイントの位相の間違いによる不都合は、よく見える。 

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2021年07月27日

続 枕梁を更新する

 この枕梁は、快削ブラスの角棒から削り出したものを作ったことがあるが、上の3つの峰の部分を作るのが面倒で、一つ作ってやめた。

 その後10年も走らせていると、破損台車が20台以上溜まってしまい、なんとかせねばならなかった。もう供給が少ないので、修理する以外無いのだ。
 この製品は昔は安かったが、今はバネ入れの人件費が高いらしく、完成品は手に入りにくい。バラの状態では売っていたが、買う人がなく、それも消えてしまった。折れるから、枕梁だけは売っていたが、それも見なくなった。唯一の入手法は、コンヴェンション会場のスワップミートで、台車目的で中古貨車を買って、車体を捨てることだ。

 こういうものこそ、ナイロンで3Dプリントすべきである。見かけ上大切な、3つの峰と嵌め合い寸法だけは気を付けて、他は強度第一の設計にした。
 枕梁が割れるのには、もう一つのファクタがある。キングピンの頭だ。もともとは4-40 (2.8 mm径) というインチネジのはずだが、日本ではM3のネジがちょうど良い太さで、それを使うように車体にメネジを立てる。このM3の頭は、台車枕梁の穴にぎりぎり入るので、ねじ込むと抜けることがないから便利だと思った。しかし、ねじ込むことによってストレスを与え、ヒビを生じさせるのだ。枕梁の穴には抜き勾配があって、ネジを締めると食い込んで広がるのだ。筆者はそれに気が付いて、その工法は止めたが、その後遺症が出ているのだろう。この方法は、直ちにやめるべきだ。
 もう一つ、光による影響がある。塗装してない台車は劣化が早い。 中古貨車の部品は劣化していることが多い。

fixed bolster  例によってバネを嵌めるのは大変だが、デンタル・フロスを使った。台車は古く、埃が積もっているのはお許し願う。 

 一部の台車にはボールベアリングを仕込んである。車重が1 kgもあるような貨車にはそうせざるを得ない。3本のバネは中くらいまで撓んでいる。浮いている状態だから、ポイントを渡るときの動揺が実感的である。

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2021年03月15日

続 アメリカ製の切断機

shear 1 もう一つ、根本的なミスがあった。
 刃当たりを調整する送りネジがある()。それはステンレスネジであった。筆者はステンレスネジは原則として使わない。伸びたりつぶれたりするからだ。ネジ穴から抜けなくなることがありうる。この写真の()は先回の面取りの足らない部分である。
 今回の送りネジは、締め込んで相手の鋼製ブロックを押すのだが、馬鹿力で締めた跡があり、先端がわずかにつぶれて太くなっていた。ネジがつぶれると太くなると同時に、ピッチが狂うから始末に負えない。こうなると緩ませて抜くことは不可能だ。こういうところには、鋼製ネジを使わねばならない。仕方がないから、時間を掛けて先端のネジ溝をヤスリで削って拡げ、抜き取った。ひどい話だ。

 このステンレスはオーステナイトと云う状態で、塑性変形が起こりやすい。力を掛けてはいけないものなのだ。ステンレス・ボルトで締めると時間が経つと緩むのはこのせいだが、日本ではそんなことはお構いなしで、あちこちで使われて事故を起こしている。
 近所で上水道の大規模水漏れ事故があった。交通を遮断して掘り返すことになり、自治会としての立ち合いを求められた。見るとおバカなことに、このステンレスボルトが使われていた。水道事務所の工事担当者は、
「緩んでいるのは不思議だ。締め付けトルクの記録もあるのに。」
と言うので、このことを教えたら大変驚いた。
 後日上司から感謝の電話があった。今後すべてのステンレスボルトを、順次高張力ボルトに切り替えると言っていた。ついでに濡れるところではステンレスと鋼とを混用しないように釘を刺した。今まで税金をドブに捨てていたのだ。世の中こんなものらしい。

 アメリカ製の物で、間違って使われているのを見るのは初めてだ。アメリカ人はステンレスボルトを使うのに、ためらうことが多い。いろいろな弊害を知っているのだ。これはおそらく、指示間違いであろう。

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2021年03月13日

アメリカ製の切断機

 複数人でアメリカから取り寄せた切断機について書きたい。動画を見て、設計の妙に驚き、注文した。日本製のものにはない工夫が凝らされ、どうしても使ってみたかった。過去に遠藤機械製の切断機を改良する工夫はしたが、根本的に異なる発想から出てきた製品を見たかったこともある。
 消費税の10%を逃れる術はなかったが、たまたまセールで割安であったのと、多人数で運賃を割って大幅に節約できたのは有難かった。今回の幹事は、このブログにもよく登場するF氏である。

 生産地のオクラホマは、未曾有の大雪で交通が1週間ほど遮断され、発送には時間が掛かったが、無事に到着し、F氏の献身的な努力で無事配送された。一つだけ部品が足らなかったが、電話を掛けてすぐに解決してくれたのは有難かった。

Shear1 鋼製の本体に、硬いアルミ合金製のプラットフォームと足が付いている。黒染め処理で美しいが、作動状況は芳しいものではなかった。可動刃が微妙にせり出しやすく、固定刃の上に乗ってしまう。そのまま押し込むと刃がへたり、修復が難しい。上の可動刃を安定させ、一定の位置で降ろすようにせねばならない。何度も分解して検討した。この写真では乗り上げていない。ちらりと四角の金属板が見えているのは、後述するバネを兼ねたシムである。 

 問題点はいくつかあった。
 設計は素晴らしいと思う。しかし、クラフツマンシップには大きな疑問点があった。良いものを作って、客を喜ばせようと考えているようには、見えない。工員の質が悪いのである。
「言われた通りに組んだから、これでいいだろ?」と言わんばかりだ。

 分解して気が付いたのは、バリが取ってないところがあることだ。面取りが不完全だから、直角に仕上げた入隅に押し付けても、隙間から光が透けて見える。密着させるためには、双方の面を良く仕上げるのみならず、出隅の角の面取りを念入りに行う必要があるのは常識だ。また、削りクズが残っていて、はさまっている。


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2021年01月28日

しなやかな太い電線 

woven wire 大型の変圧器により、大電流のハンダ付けができるようになった。しかし炭素棒を保持する手元のテフロン被覆電線が固くて、取り廻しが難しい。置くと弾力ではね返り、落ちてしまうことがある。熱いものが落ちるのは絶対に避けねばならない。アース線は多少固くても困ることはないが、しなやかな太い電線が欲しい。

 電線の断面は、5.5平方mm欲しい。3.5では熱くなって、どうかなりそうだった。電線のカタログを順に見ていて、平編線に行き当たった。この線は厚さが1.4 mm、幅が9.6 mmで、細いΦ0.12 の線480本で出来ているから、しなやかである。
 被覆をどうするかが問題だ。柔軟な素材でないといけない。この編んだ保護チューブは見かけは細いが、長さを縮めると太くなり、先の編み線を入れることができた。

 細かな穴があるから完全な電気絶縁はできないが、使ってみてショートすることはないから十分だ。結線は圧着端子で行う。その時、末端を折り曲げて細くし、端子に押し込む必要がある。

 ほかにもしなやかな電線はあるようだ。Dr.Yのお勧めは、これだ。
細い線を使っている。普通の線はΦ 0.17程度の線を使っているが、これはΦ 0.08だそうだ。概算で1/16以下の剛性しかないことになるから、柔らかいだろう。 

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2020年11月29日

続 "しょうなんでんしゃ"の記事

 実物車輌がレイルの上に載っている時、車輪、レイルともにわずかに凹む。その量は目には見えない程度だが、確実に凹む。これは弾性変形である。
 D型蒸機機関車の動輪半径は小さく、C型蒸気機関車では大きい。同じ粘着重量でもD型の方が粘着力がある。それは動輪が小さいことによる。半径が小さいもので押すとよく凹むのである。それによって摩擦力は増大する。米国の入替え機には、動輪が極端に小さなものがあったが、それはこの摩擦力が大きいことを狙ったものだったのかもしれない。

 こういう話が模型でも通用するだろうか。ここまで書けばお分かりのように、模型では、軸重による線路の弾性変形などは完全に無視しうる範囲にある。しかし、こういう話をとくとくと語る模型人が居る。それは実物の話なのだが、模型でも起きていると言うのだ。それを信ずる人も、信じがたい話だが、多少は居る。この種のファンタジィから出られない人なのだ。   

「実物をそのまま縮小した模型」というのもよく聞くフレイズだ。本人は正しいと思っているが、車輪の厚みを考えていないから、台車の内側に当たる。昔、吉岡精一氏は、「実物を縮小したら模型になると思っている人は、ソリッドモデルでも作っていなさい。」と言った。その通りなのだが、この現代においてもその呪縛から逃れられない人はかなり居る。
 吉岡氏はさらに続けた。「実物の図面を持って来て、それを元に作るというのは、実は難しいことではないんだよ。頭を使う必要がないからね。走る模型を作るには頭が要る、ということが分からない人は多いんだよ。」

 Low-Dの設計にはかなりの時間を掛けている。初めは2次元の図面だけで判断していたが、後に3Dの画面で覗けるようになった。設計は完全に正しく、最初のロット1万軸は、国内外でたちまち捌けた 。曲線での抵抗は格段に減り、神戸の運転会で好評を得て、国内ではデファクト・スタンダードになった。その後増産され、3万5000軸強が出て行った。アメリカの富豪は一人で4000軸も買った。利益を考えていないから、価格は十分に安いが、受注は製造所の景気に左右されるところが問題だ。

 模型の線路は十分に堅く、凹まない。車輪も凹まないから、うまく設計すれば1点接触に出来る。RP25ではそれができない。  

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2020年08月21日

非金属製車輌の末路

Sway-backed この郵便車は、車齢36年である。American Standardの社長が連絡してくれて、購入した。硬質発泡ウレタンの鋳物を機械加工してある。裏側をフライスで削って、床板、窓ガラスを嵌めるようになっていた。よくできたキットであると思った。

 表面は彼の工夫により滑らかで、塗料ののりも良く、工作は容易だった。接着はエポキシ樹脂である。もともとが軽過ぎるので、床下器具は重い物を使っている。全質量は1.2 kgほどであるから、標準的な重さの客車となった。急行列車のheadend(機関車の次位)に付けてかなりの距離を走った。数年前車輪を更新したが、それを塗装をするのを忘れていることに今頃気付いた。

 建造して10年ほどで、何かおかしくなってきた。いわゆる sway-back (弓なりに反ること)になってきたのだ。社長のRalph Brownに連絡すると、
「不思議だ。そんな例はまだ聞いていない。」と返事が来た。
「今度持って行くから見てくれ。」と連絡したのだが、いろいろな都合で、その後彼とは会うチャンスがなかった。大した価格ではなかったので良いのだが、癪にさわる話ではある。急行列車の鋼製郵便車が垂れ下がっているのは、あり得ない。この時は、まだ垂れ下がりは大したことはない。

 その後組んだ彼のキットには、すべて中に金属板(鉄板、ジュラルミン板など)を仕込んで、垂れ下がりに抗うようにしている。おかげで、垂れているのは1輌だけに留まっている。


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2020年07月12日

続 3D プリンタで用いる樹脂

 ポリエチレンはどうだろう。柔らかく、しなやかな買い物袋を想像すれば良い。流れて役に立ちそうもないが、意外なことにポリエチレンは結晶性なのである。結晶性の物は、高分子鎖のあちこちで、同種の分子鎖が寄り添い、固まって動かなくなっているのだ。そう言えば、ポリエチレンシートは、僅かに白く濁っている。原則的には、分子鎖が近づきやすく、横に大きな突起がない高分子が結晶性を持つことになっている。

 ポリエチレンのフィルムを切って短冊にし、それをゆっくり引き延ばしてみよう。白くなって、引っ張っても切れにくくなるはずだ。引っ張られて長い分子が整列し、分子間距離が小さくなって結晶し始めたのである。結晶化が進むと白く濁るのだ。その時、熱くなる。自由な分子運動ができなくなるので、エネルギィを捨てざるを得ないからだ。荷造り用として売られているプラスティックの薄いテープ状のギシギシした紐は、まさにこれである。ほとんど伸びない。長さ方向には極めて強いが、縦裂きは容易だ。長さ方向にずらすには、結晶構造内の分子間力を全長に亘って同時に切る必要があるが、縦に裂くと、一つづつ切れば良いからである。この紐状のものを加熱すると、くちゃくちゃと縮む。エネルギィが与えられ、分子が束縛から解き放たれて自由に動いたからだ。結晶化すると少し密度は大きくなる。包装用紐の巻いたものは、意外に重いことに気が付くだろう。 

 ポリエチレンは何もしなければ結晶化しにくいので軟らかいし、軸受部分の摩擦による発熱にはとても耐えられない。無理やり伸ばさない限り(これを延伸という)結晶化しない。また、耐熱性がなく、塗装、接着の困難さにより、模型材料には使われることはない。

 他にはポリプロピレンがある。これは形が異なるものが3種あり、その一つは極めて優秀な結晶性を示し、身の周りにたくさん使われているが、模型用には適さない。接着塗装が難しいのだ。ポリプロピレン製のコンテナなどは、重い物を載せても形が崩れない。

 さて、模型用として実用的な結晶性プラスティックの例を挙げよう。POM(デルリン、ジュラコンなど)、ナイロンなどが有名である。これらはある温度で急に融けるように見える。それまでは、形はほとんど変化しない。隣の分子と固く結びついているからである。即ち、常温では流れにくい。歯車、カム、リンクなどに適する。

 台車の材料は結晶性プラスティックであったほうが良い。Oスケールの場合、軸重は5 N(約500 gw)を超える場合がある。放置されていても台車がヘタることがあってはならない。もしこれがポリスチレンなら、徐々に歪み始めて、20年もすれば、あらぬ形になる可能性がある。


 いわゆるPETボトル(これをペットボトルと言うのは正しいとは言い難く、外国では通用しない場合が多い。英語では、ピー・イー・ティー・ボトルという)は透明だが、ある温度に保つと白く濁って堅くなる。結晶化したのである。一部のボトルのネジ部が白いのはこの方法による。ネジが内部の圧力によって抜けないようになっている。

 3Dプリンタでは、ナイロンが適する。ナイロンはとても堅く、摩擦も少ないから台車に適する。ただ、ナイロンは水に濡らすと、流れる可能性がある。要するに、濡れた状態で極端に大きな力を掛けると、塑性変形する可能性があるのだ。水に対する親和力が強く、水和により分子間力が弱まってしまう。高分子どうしを結び付けていた水素結合が水との結合に振り向けられるからだ。
 染色は容易だ。染料は水と同じく、この高分子に電気的引力で付きやすいからである。


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2020年07月10日

3D プリンタで用いる樹脂

 3Dプリンタでいろいろなものを作ってみた。細かい造作を必要とするものはアクリル樹脂で作ったが、台車はそうはいかない。台車にはいつも力が掛かっている。要するに車重を支えているし、走行時は様々な角度から加速度が与えられるから、瞬間的にはかなり大きな力が掛かる。へたらない材料で作る必要がある。



 合成樹脂は熱可塑性熱硬化性に分かれる。前者はいわゆるプラスティックであり、加熱すると流動する。後者はベークライトで代表されるような加熱しても融けない樹脂である。元々は、plasticとは、こねて形を作れるという意味である。漢字の塑という字に相当する。

 さらに熱可塑性樹脂は、非晶性結晶性とに分かれる。
 
 非晶性のものは、力を入れると少しずつ伸びていく。伸びたものは元に戻らない。塑性変形するのだ。また温めてやると徐々に柔らかくなり、形が変わる。融点がない。即ち、ある温度で急に液状になるということはない。冷やすとその形を保ちながら収縮する場合が多い。
 普通の人が想像するプラスティックはこれに類する挙動を示す。これを「流れる固体」と称する場合がある。常温では固体のようにふるまうが、大きな力を掛けると少しずつ変形する。温度を上げると見るからに流体であるが、低温ではその粘性が極端に大きく、固体に見える。このようなものを台車に使うとどうなるだろう。長い年月が過ぎると、台車は少しずつ撓み、ボルスタは線路面まで下がるだろう(いわゆるクリープが起きる)。
 常温でその粘りけが無視できるくらい固いもので作ったものが、いわゆるプラスティック・モデルである。これは夏の暑い日でも垂れてくることはない。しかし力を掛けていると徐々に変形するはずだ。80 ℃以上ではくたくたになることがある。それには、ポリスチレンという樹脂が使われている。
 軽い物なら良いが、重い物を支えると変形するわけである。また、温度を上げて200 ℃以上にすると極めて流動しやすくなり、ポンプで型に押し込むことができる。これが injection mold 射出成型 だ。非晶性のものは高分子の側鎖が大きく、お互いに近づきにくいものが多い。たとえば、ポリスチレンでは大きなベンゼン環が飛び出していて、邪魔をしている。より耐熱性を持たせたものはABSである。

 ここまでを読むと、不思議な気がするに違いない。HO、N のプラスティック車輛にはABSが使ってあるが、へたっているようには見えない。
 それは車重が小さく、目に見える変形を起こすほどの力が掛かっていないからである。しかし、何十年何百年も経てば少しずつ変形するはずである。しかし、人間の寿命はそれほど長くはないかもしれないから、それで良いことになっているわけだ。しかし、早く変形する模型もあるだろうし、長生きする人もいる。また、エアコンのない部屋に放置するということもあるかも知れない。

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2020年01月04日

マボーコー

磨棒 ボ−ルベアリングを装着する軸が必要であった。生憎、必要なサイズを切らしていた。
 表題の店に電話して、すぐ手に入るサイズを聞いた。漢字では「磨棒鋼」と書くのだ。昔、初めてこの発音を聞いた時、中華料理の名前かと思った。一般には「磨き棒鋼」と言っている。あるいは「シャフト屋」である。

 Φ2から、2.5、3、4、5のステンレスSUS304シャフトを注文した。長さは2m単位である。もう少し太いものだと 4 mだから乗用車には載らない。その場で半分に切ってもらって、持ち帰る。ワンカット150円くらいだと思う。細い物はボルトクリッパを持って行って自分で切る。
 写真は添え木に縛り付けたものを示している。裸で渡してくれるわけではない。ちゃんと曲がらないように配慮してくれる。

 この手のシャフトは、すべてマイナス公差である。まかり間違っても表示寸法より太いことは無い。ミニチュア・ボールベアリングは滑り嵌めが原則である。ミシン油を付けて、にゅるにゅると入るのが正しい寸法だ。するするでは駄目なのだ。
 彼らは専門家であるから、よく知っていて、何も言うことはない。

 一般人には縁遠い店だが、筆者はよく行くので、ついでがあれば購入してお分けする。上述の寸法であれば、手持ちの物を切って、即納できる。長さはレターパックに入る長さを基本とする。ボールベアリングを普通鋼のシャフトに嵌めるのは避けたい。普通の保管法では錆びて抜けなくなるからだ。

 蒸気機関車の車軸用の、SUS303材の末端を加工したシャフトを注文する必要がある。どのくらいの価格で応じてくれるか、楽しみである。
 動輪の嵌替えは、最適の材料、工具、テクニックが無いと難しい。今までは祖父江氏がやってくれていたが、筆者が引き受けざるを得ない状況になってきた。ノウハウはすべて受け継いだ。問題は動輪を掴むコレットの種類があまりないことだ。80インチ、63インチはできる。他のサイズ用は作らなければならないが、そのコレット材料がないので、ebayで探している。

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2019年12月21日

洋白材を削る

 ロストワックスの部品が足らないので、それらしく自作する羽目になった。機械加工で作る。1.2 mm厚の洋白材をブラスの2.6 mm厚の切れ端にハンダで貼り、それを縦フライスの万力で銜えた。この洋白材は快削だと信じていたが、そうではなかった。 

milling 1 刃はΦ1.0 とΦ0.5 である。細い工具には回転数が必要であるから、ベルトを掛け替えた。結果はこんな調子である。普通のブラスよりはマシであるが、粘りがある。切粉がさらさらとは出ない。

 DROの数字は事前に何度も検算し、間違いがないことを確かめる。初めの(0,0)点を決め、刃を降ろす前に計算値の通りに一周して、ワークからはみ出さないかを確かめる。

 切削はすべてDROの読みだけで行うので、ワークはあまり見ない。というよりも切粉が山盛りで、見えない。荒神箒(こうじんぼうき)で払っても取れない。Φ0.5を使うので、回転は最高、送りは最小である。7 mmx4 mmを一周するのに10分かけた。
 荒神箒は旋盤などでの快削材の切粉払いには最適である。最近はあまり見かけない。見付けると買い占めて、仲間で分ける。

milling2 周りは太い刃で削り落とす。さて、何を作っているのだろう。

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2019年12月17日

非快削材を削る

快削ブラス 複数枚の部品が必要な時は、板をハンダで貼り合わせて切り抜く。糸鋸でも良いが、フライスが使える物であれば、機械加工の方が楽であるし、正確だ。刃の太さを考慮した図面を描き、基点を決めて切削を開始する。刃が細いので、回転は最高に上げる。

 この4つの孔はハシゴになる。正確にケガいて糸鋸で切っても、不揃いになるから面白くない。昔は念入りに切って、ヤスリ掛けをした。最近はDROを使って機械で切り抜く。半径 0.5 mmのRで抜けるから、丸い形の物はそのままで良い。
 これは快削材であるから、すいすいと切れてバリもない。

快削 非快削 次の部品を切り始めたら、それ(右)が快削でなかったようだ。もう少しであるのに、くしゃっと行ってしまった。腹が立つが仕方が無い。捨てて、快削材で作り直した。ハンダ付けが全面にされてなかったことも原因の一つだが、粘る非快削材であったことが大きなファクタである。

ladder 出来上がったステップの踏み板は、薄手の滑り止めの付いたエッチング板があったので、折り曲げて貼った。間隔が揃っているので、気持ちが良い。こういうものは機械加工には敵わない。
 この種のステップは、蹴込みの深さも大切だが、向こう側に板があって、足が滑り込まないようにすることが義務付けられている。その板は連続であったり、分かれていたりする。この安全基準が設けられたのは1940年頃だ。
 Alco社の図面を参考にしたので、間違いはなかろう。

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2019年12月01日

快削ブラス

 最近、模型界では快削ブラスが市民権を得たような気がする。40年前は、おそらく殆ど知られていなかった。大阪の福原金属だけが売っていたという情報はあるが、大半の模型屋で売っているものは普通のブラス板であった。本当に切りにくくて腹が立った。一方、建材の引戸レイルは、糸鋸でとても切りやすかったことが印象に残っている。大きなモータに付いている銘版の廃品を貰ったが、これは粘い材料で、油を付けても切りにくかった。

 アメリカに行くと、ブラス板は少々色が違って緑っぽい感じがした。糸鋸ですいすいと切れるし、シアでは、すとんと切れる。
 性質が違い過ぎて、同じ金属とは思い難かった。日本製のブラス模型の色は赤く、アメリカ製は黄緑色であった。

 日本の材料屋でその違いについて聞くと、「快削と指定して取り寄せてあげるよ」と言う。それならばと、t0.3から順に定尺を全サイズ買った。色は普通材と同じであった。とても使い易く、友人に譲ったりして、その後は快削しか買わない。今は 0.3 mmが市販されていないようである。昔は、この板は時計の歯車用に大量に消費されていた。

 今野氏と知り合ってそのことを伝えると、KKC内部での頒布材料は、すべて快削材になったと言ってよいだろう。いろいろな場面で感謝されることがある。

 しばらく前、クラブの会合に手持ちの半端材料を大量に持って行って、安価で処分した。半分ほどは快削でなかったので、印を付けておいた。そうしたら、買おうとした人が、「えっ、快削じゃないの?僕は快削しか使わないんだ。もう普通のブラスなんて買う人は居ないよ。」と仏頂面で、のたもうた。その言い方にはとても驚いたが、内心とても嬉しかった。皆さんが使ってくれているんだと知って、多少なりとも貢献していることを実感した。これには今野氏の努力が大きい。この記事など、読んでくれた人など殆ど居ないのだから。 

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2019年11月29日

快削材のパイプ

 ブラスの材料の話である。たいていのブラス製パイプは快削でない。主動輪のクランクピンにボールベアリングを入れる時にハウジングを作らねばならなかったが、その材は快削でないと無理である。
 35年前にUPの4-8-4 2輌を作った時は、S45Cで作った。明らかに過剰品質である。リーマを通して、つるつるに仕上げて嵌めた。油がいつも注してあるので錆びることはない。
 今回は砲金で作った。たまたま切れ端があったからで、快削ブラスでも良かった。ぴったりの寸法のブラスのパイプもあったが、旋盤には掛からないので諦めた。食い込むからリーマを通せないのだ。

 今回、材料置き場を丹念に探すと、40年以上前にアメリカで買ったブラスパイプが出て来た。11/32、13/32、15/32インチの滑り込みの三兄弟である。試しに糸鋸で試し切りをするとサクサクと切れる。

turning smokestack 煙突を作らねばならなかった。きちんと寸法の出ているものを4本作るのはなかなか難しいから、これは有難かった。快削丸棒から中グリして作るつもりだったから、大幅な材料と手間の節約である。
 外径13/32インチ(10.31 mm)が希望寸法に極めて近いのでこれを使った。チャックでは潰れるので、ERコレットで掴んで廻した。切粉がカンナ屑のようにシュルシュルと出て、見事であった。

 この小型卓上旋盤はまだDRO化されていないので、ハンドルを廻し、ダイヤルの目盛を数えて廻した。久しぶりのことだ。4個は全く同じ長さに無事作成でき、台座にハンダ付けして完成に近づいた。さて何を作っているのだろうか。正解者は今のところお一人である。


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2019年11月27日

遠藤機械製切断機の回転軸を削る

turning shaft 5/8インチ(15.87 mm)かと思っていたら 16 mm径であったという現物を預かった。
 筆者の自宅の旋盤は 3/4インチ(19.05 mm)まで通せる貫通穴があるので、簡単に銜えられる。今回は、心が出ていなくても全く問題にならないが、一応心出しをして削った。Set-Tru Chuck は便利である。ブラスの旋削作業をしているので、切り粉を掃除すべきなのだが、今回はごく微量の切り粉しか出ないから磁石で取り除ける。

 やはりSS(軟鋼)は削りにくい。軟鋼は、快削でないブラスのようなもので、切り粉が刃物にまつわりつく。ワークが綺麗に見えない。削ってもざらついて面白くない。これがS45Cなら、硬いがかなり削りやすい材料なのだ。
 快削鋼はとても素晴らしい削り味だが、こういう用途には向かない。ねじ切れる可能性がある。

 他の購入者は無事交換できたと信じたい。折れたら交換する、という方も居るが、それでは意味がないのではないだろうか。折れたら大けがをする可能性が高いのだ。テイブルが付いていると、余計危ないことになる。

 ところで、鋼材屋で聞いた話によれば、我が国ではインチ材が珍しくなった。あることにはあるが、直ぐには揃わないらしい。SS(軟鋼)はよいが、S45Cの材の切り売りは勘弁してくれ、とのこと。買うなら定尺物(4 m)を買ってくれということだ。1万円ほどの価格だ。440 mmにしても、8本しか取れないだろう。刃の厚みもあるからだ。希望者が8台分あれば発注する。


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2019年09月23日

続 金属疲労

 クラブのNG氏はこういうことに詳しい。
「ネジ溝からだね。おそらく、遠藤機械には情報が入っているはずだ。ネジを変えたっていうのも、それに関連あると思うよ。設計変更で折れにくいネジにしたのじゃないか。」
 自動車ならリコール事案だろう。

screw extractors 博物館に来てくれたので、埋まっている折れたオネジを取り出すことにした。こういう時のために、専用の工具 screw extractor がある。それを使ったところ、折れてしまった。エクストラクタには逆ネジが切ってあって、ドリルであけた穴にねじ込んで、取り出す。それがあっけなく折れたのだ。日本製だったから意外だった。これには焼きが入っていて硬いから、それを取り出すのは難しい。写真は細いものを示している。
 件のネジは、よほど強くねじ込まれていたのだ。仕方がないので、周りに小さな凹みをドリルで掘った。そこにポンチを当て、抜ける方向に根気よく叩いた。ところが、エクストラクタを使った時にネジが太くなってしまったのか、全く廻らなかった。

broken screwbroken screw2 最終手段として、カッティング・ディスクをドレメルに付け、ネジに溝を切って、大きなネジ廻しで廻すことにした。径の大きなディスクを当てると、周りに傷がつく。多少減って径の小さくなったものを使うと具合が良い。左の写真では、孔の周りに傷がついている。この程度は仕方がない。ネジ廻しの先端は砥石で研いで、角を出してから始めた。
 ところがそれでも廻らない。モンキーレンチを使って二人がかりで廻した。少しずつ廻って、取ることに成功したが、時間が掛かった。大きなネジ廻しは、ねじれて壊れてしまった。それは父の代からの60年以上使った古いものであった。

 あまり力を入れると、また右手が壊れそうで、ひやひやしながらの作業であった。一人ではとてもできなかった。NG氏には感謝する。
 材料が塑性変形し易い。ネジを思い切りねじ込むと、少し変形して抜けにくくなるのだ。次回はロックタイトで抜け止めをし、トルクをあまり掛けないようにしたい。

 どうするかを相談した。もちろん、現行のハンドルは捨てて、新しいハンドルにする。現行ではネジを折る形になっているから折れやすいのだ。そういう愚かな設計は避けたい。留めネジはやめて、キィにしよう。 
 さてどうするか。思い切った形の物にしようと思う。疲労しにくい形が良い。きっと欲しがる人も居るだろうから、余分に作ろう。そうするとまた売れ残るかもしれないが。


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2019年09月21日

金属疲労

broken by metal fatigue 遠藤機械の切断機ハンドルが折れた。ケガはなかったが、かなりびっくりした。破断面を見ると、metal fatigue 金属疲労特有の模様が見える。力を入れた瞬間に破断するので、場合によっては大ケガをする。注意されたい。

metal fatiguemetal fatigue 2 この写真の上の矢印から始まっている。虫眼鏡で見ると、色が暗い部分に同心円の貝殻状の模様が見えるのが証拠だ。僅かなヒビが入り、使用と共に、それが広がったのだ。下の方の輝いている部分は、折れた瞬間にコジて擦れたところだ。
 筆者の祖父は金属屋だったので、疲労の話は聞いていた。しかしこんなに太いものだし、手で押す程度のものだから無縁のものと思っていた、

 この機械は古い。1978年ころの購入だ。これと同時代のものは今野氏のものむすこたかなし氏のものくらいしか見たことが無い。足の間隔が 330 mm のものだ。これはハンドルのネジがインチネジである。1/2インチの 12TPI、要するに径が12.7 mm、ネジ山が1インチ当たり12本である。この2本は比較のためである。赤い方がより古い。博物館のと自宅のものとを比べている。

 よく似た太さのM12に比べるとネジ溝が深い。ということは疲労がそこから始まりやすいのだ。そのせいかどうかは知らないが、80年代には 5/8インチになり、90年代からはM16に変更されている。

 そんな無茶をしたわけでもない。1mmの定尺板を連続で数枚切って、最後の一枚の耳を落とそうとしただけである。公称の性能の範囲だ。長年の使用により、金属疲労が進んで、たまたま今日折れたというわけだ。ブラス板はたまたま快削板ではなかった。快削ならより楽に切れるが、それが原因とは思えない。

 どうするか考えている。完全に復旧して1/2インチのネジを切るなら、旋盤でやると早い。筆者の旋盤はインチ仕様だから、ネジはすぐ切れる。しかしまた折れるだろう。クラブ員にはこの種の設計に詳しい人が居るから、相談することにした。

 この種の切断機をお持ちの方は、注意されたい。使用頻度が高いものは危ないと思われる。

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2019年04月17日

3Dプリンタによる台車製作

3D printer S氏が製作した台車を持って来て下さった。今回は、ボルスタ・アンカ付きのカブース用高速台車、重ね板バネ付きのカブース用ベッテンドルフ、ナショナルの貨車用鋳鋼台車の3種である。試作品なので、これを実際に組んで、今後の設計に生かす。テクスチャはやや粗い。必要があれば細かくするが、今回はトライアルである。ナイロンは極性の大きな分子であるので、染色が容易だ。今回は自分でやろうと思っていたが、製造会社でやってくれるというので頼んだ。非常に安価だ。

highspeed caboose truckhighspeed trucks ボルスタ・アンカはしっかり飛び出していて、素晴らしい。これでなくっちゃ、という感じである。左は韓国製の不思議な形の製品である。
 ブラスのロッドを差し込んだ。穴はあけてあるのだが、詰まっているから、ドリルを手もみで通す。先端はニッパで傷をつけて押し込むと二度と抜けなくなる。
 ピボット穴は、例のドリルでさらって、モリブデングリスをほんの少量塗る。素晴らしい転がりだ。0.3%以下で転がる。ナイロンは弾力があるので、左右とボルスタは一体成型にしても問題なさそうだ。今回は回転できるようにしたが、バリ取りが面倒であった。良好な保線の施してある線路上なら、ひねりは極めて少ない。荷重の掛かっている状態で0.5 mmの板をレイル上に差し込んで様子を見たが、すべての車輪がよく密着している。イコライザは可動であるが、仮固定してその実験を行った。軸箱可動の必要性を感じない。

 重ね板バネも一体成型できた。透かして見ると気分が良い。コイルバネは細いケイディのバネを仮に入れてみた。飾りだから太い線でも良い。

 カブースは作りかけがたくさんあるのだが、すべて台車で引っ掛かっていた。重ね板バネの台車はろくなものがなく、作るのも大変で放置されていたのだが、もうこれで支障はなくなった。一気に完成に持ち込める。

cabooses この台車が来たので、現在6輌を製作中である。すでに2輌は塗装工場に入っている。

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2019年01月10日

鉛合金の鋳物

 コメントを戴いている。

 既存の模型雑誌に出ていた「ホワイトメタル」は、やはりソフトメタルのようですね。 
なんであんなに形が甘いのかと思ったら、収縮が第一要因なのですね。 
この一連の流れだとメーカーと言えど、押し湯を理解せずに作っていたのか、と思いました。 
遠心力や重力を使っていたら、ソフトメタルでもだいぶ出来栄えは違っていたのかもしれません。

 内容が、いま一つ掴み切れないが、おっしゃりたいことは分かる。鋳物の中に形が良くないものがあり、それが収縮によって角が出ていないということなのだろう。筆者は現代の日本製の部品を知らないので何とも言えないが、そういうものもあるのだろう。昔のことを言えば、床下器具のぼてっとした部品は押し湯が足りなかったのは明白だ。材料は活字金ではない安価な鉛合金を用いている。柔らかく、ニッパーで切ると、ねちっとする。活字金はぱちんと音が出て切れる。
 
 最近の部品は非常に細かくできているものが多い。それは遠心鋳造による。ホワイトメタルの部品はほとんどこの方法による。ゴム型を作る。円盤に放射状に作った原型をゴムに埋没し、ゴムを二つに分ける。原型を取り去り、その放射状の空洞部に遠心力で熔湯を流し込むと数秒で固まる。それをゴム型から取り出して、枝を切れば良い。枝の部分は融かして再利用している。
 この方法では圧力が大きくなるので、ゴム型の隅々まで湯が廻り、部品の角が完璧に出る。この遠心鋳造による方法は、ロストワックスによるブラス鋳物に比べ、はるかに安価である。


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2019年01月06日

角倉彬夫氏の鋳造法

 先日のコメントでrailtruck氏からご指摘戴いた角倉氏の記事を開いて見た。昔読んだ覚えがあるが、忘れていた。
 角倉氏は活字金を使った鋳造の話をしているのだが、副題はどういう訳か、
石膏型とソフトメタルで” 
とある。編集部は活字金とソフトメタルが同じものだと思っていたのだ。これは記事の価値を損なっている。ひどい話だ。きっと角倉氏は怒っていたに違いない。

 ソフトメタルは鉛を主体とする低融合金で、スズ、アンチモン、ビスマスなどを添加している。その後、スズを主体とするものもたくさん出てきたが、それは装飾に使うものが大半で、模型用は鉛主体のものが多い。名前通り、それほど硬くないことはご存じだろう。凝固に際して体積変化は大きい。ほとんどが縮む。

casting1 角倉氏の記事は石膏型で、draft angle(抜き勾配)がないと不可能である。二つの石膏型の合わせ目に、剥がれるようにススを付けるところなど、時代を感じさせる。この記事では活字金で鋳込む他に、
”ルツボなどの便がある方は真鍮等でも構いません。”
とまで書いてある。すごい話である。できるだろうが、型の温度の設定などが難しい。簡単な型でなければ、遠心鋳造をしないと入らないかもしれない。

casting2 押し湯の件は間違いなく書いてある。空気抜き穴も紹介してあり、素人ではない。しかし活字金は縮まないということをもう少し大きく書くべきである。
一般論で言うと、押し湯ではその湯口の部分が最後に固まるようにするのである。そうすると凝固時の収縮が、その湯口の内部で融けている金属が湯口を通って鋳型内に注入されて補償されることが、期待される。


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2018年11月03日

木製キットを組む

wooden kits completed 自宅の倉庫その他の大捜索で発見されたキットを博物館に持ち込んだのは半年前である。博物館の作業台はとても広く、開いた状態で並べて置ける。
 毎日の作業の前に点検し、組立て手順を考える。同じ種類の作業は昼休みにやり、帰り際にはそれを接着する。一晩経てば完全固着しているから、次の工程に入れる。これを毎日やるとかなりの進捗である。

wood cabooses ざっと40輌が9割以上の進捗度である。船で言えば、進水式を終えた状態である。台車、連結器が付き、走れる状態になっている。
 あと手摺を付ければ生地完成のものがたくさん並んでいる。木製カブースがなかなか良い。かなり細かく出来ている。側板は羽目板を表す細い筋がたくさん入っていて、それに角孔をあけて、ホワイトメタルの窓枠を入れる。
 キュポラもホワイトメタルで重い。その屋根は薄い木板である。このあたりが弱いので、ブラスで作り替える。キュポラは外れないと窓ガラスが入らないから、ピンを植えて本体に挿すようにする。物によってはブラスの屋根板を磁石で留めている。

 これらはAmbroid のキットとQuality Craftのキット、それと後者の後継者のGroor Craftのキットである。1960年代はこのようなキットがたくさん出ていた。筆者が集め始めたのは70年代である。その後、売れ残りを見つけたら買い求めた。50輌以上あるだろう。殆ど定価で買っている。安くはなかった。投げ売りが始まったのはこの10年である。Gloor Craftは 人気のあった機種を再生産して儲けた。 

 Ambroid は接着剤のメーカである。この種のキットを売り出したのは、その販売促進用だという説すらある。その接着剤は、樹脂を溶剤に溶かしたものをチューブに入れている。すこし粘り気の多いセメダインCのような感じであり、”Amber(琥珀)に似た物”という意味の言葉である。そんな色をしている。昔はそれを使っていたが、最近はエポキシ以外使わない。経年変化が怖いからだ。

the brace この写真は自動車輸送車の一部である。実はこの貨車は未完成である。筋交いは車輌中ここだけに付く。点対称の位置、線対称の位置には無い。手ブレーキを締めた時に床が歪むのに対抗する。沢山のお答えに感謝する。 


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2018年10月16日

続 鉛活字

 鉛は錘としてよく使われる。しかし融点が高い。328 ℃である。木材で鋳型を作ると、300 ℃を超えるので焦げて臭い。
 もう一つ具合が悪いのは、固まると体積が1割ほど減少するので、鋳型を工夫しないと思う形の物ができない。

cast lead and type metal この写真の手前のブロックを見て戴きたい。直方体の鋳型に、何も考えずに注ぐとこうなる。下から固まるので、上面は凹み、側面は内側に倒れ込む。これを防ごうと思うと、上からピストン状のもので押さえながら固まるのを待たねばならない。文字にすると簡単だが、やってみると極めて難しい。
 あるいは上に長く作って、下だけを切り取って使うかである。この方法を「押し湯」と言う。

 後ろにあるやや面倒な形のブロックは活字金で作ったものである。何も考えなくても思った通りのものができる。活字金は鉛80%、アンチモン17%、スズ3%からなる。この配合は絶妙な組み合わせで、固まるときに僅かに膨らむようになっている。即ち活字を鋳造する時、型の中の隅ずみまで金属が行き渡り、正確な活字を鋳造できるようになっているわけだ。

 今野氏は活字のブロック(正確にはインテルという)を接着して切削しているが、正確な鋳型を作って流し込むと、作った本人がびっくりするほど素晴らしいものができる。融点も低く 240 ℃であるから気楽にできる。臭いもせず、簡単だ。
 筆者の経験では、バルサ材の10 mm厚ほどのものを、釘で固定し、針金で縛ったものが良い。長いウェイトを作るときは縦に深くすると良いのだ。真四角のものができる。先回の写真の左手前のがそれだ。必要な分だけ切り取って使う。
 融かすのは、ステンレスのおたまが良い。叩いて、注ぎ口を作っておく。

 鋳造はコンクリートの土間の上ですると良い。室内でやると、こぼれた時に甚大な被害が生じる。
 鉛の害が喧伝されているが、ウソが多いことが分かっている。鉛活字を長年触っていた植字工が鉛中毒になったわけではない。珍しくWikipedia にはまずまずのことが書いてある


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2018年10月14日

鉛活字

printing type 今野氏のブログで、鉛活字を加工する話が出ていた。

 鉛活字がその価値を失ってからもう10年以上経つ。初期のTMSには、活字を錘用に少し買いに行くテクニックが紹介されていた。
 印刷屋の小僧を装い、「8ポの”イ”を20本」とか、もっともらしい事を言って、活字屋で買う話だ。当時は活字屋という商売もあったわけだ。もっとも、東京のように出版が盛んな地域の話だろう。田舎にはない。

 さて、先日廃金属商にブラス屑、銅屑その他をどっさり持って行った時に、ドラム缶一杯の活字があった。
「どうだい、これ一杯で4万でいいよ。」
と言う。2トンあるらしい。とても乗用車には載らないし、そんなに使うあてもない。
「10 kgほど貰うよ。」と言って、適当な価格で買って来た。もちろん量りもしない。そこにあった小箱に山盛りである。

putting weight インクのついているのは融かすと煙が出るので分ける。軽く灯油で洗ってから使う。綺麗なものはそのまま接着するが、細いところに押し込みたいときは鋳型を作って鋳込む。
 タンク車は完成後の補重は難しい。設計時に材料をたくさん使って重くしておくべきだ。既製品の場合は主台枠の骨の中に押し込むしかない。
 左は鋳造品、右は活字そのものである。隙間なく詰め込むと当鉄道の規定質量に到達した。実は先日の車検で20輌ほどが質量不足であった。
 1.6%の坂を押上げると、連結部が座屈することがある。そういう車輌は決まっているのだ。測定すると、355 g必要なところ300 gほどしかないのだ。この55 gほどが、決して無視できない結果をもたらす。いつも同じタンク車が座屈するので、きっちり詰め込んで、すべてを同じ質量にした。
 
 結果は上々で、全く脱線せず80輌の押上げが可能であった。


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2018年06月28日

cabeese

 caboose の複数形である事になっている。foot と feet、goose と geese の関係から、導き出された言葉なのだが、実際にはあまり聞かないし、こちらが使うと、相手は一瞬ドギマギする。”通”ぶっていると思われるのだ。アメリカ生まれでもないのに、アメリカ人の一部しか知らない言葉を使って、ウケを狙っているように思われるのだろう。cabooses という言葉を使うべきだと思う。
 一部の会社では crummy または crummie(複数形は crummies)とも言う。作業車という意味だ。 
  
 博物館へ少しずつ引っ越しをしているが、最近 "cabeese"と書いた箱を開けたら、ずいぶんたくさん出て来て驚いた。ブラス製もあるし木製キット組みや、自作もある。機関車を手に入れると、その鉄道のカブースを必ず手に入れて来たし、UP, SP, ATSFなどは各種ある。高いものは買っていないが、総数25輌以上で、ヤードのかなりの面積を占めてしまう。

cabeese このカブースは、CB&Q鉄道の木製である。Mullet River というレーザ加工の店が出していたキットで、かなりの細密度を持つ。今は廃盤になっている可能性が高い。HOもある。下廻りは2段エッチングの凝った作りで面白そうだが、工作は面倒である。
 どういう訳か組掛け品が捨値で出ていた。見ると、作り間違えているところがある。糸鋸で切り離して作り替えて、仮台車に載せた。工作のスキルはあまり良くないが、なんとか見られる程度に修復できたので良しとする。

caboose interior 内部もある程度付いていて、面白そうだが、木製なので異常に軽い。台車無しで100 gもない。補重しなければならないが、内装があると錘を入れる場所がない。座席やトイレ、物置を壊してその中に鉛を5.5オンス(約150 g)押し込み、エポキシ樹脂を流し込んだ。衝突時に錘が外れると大変だからである。重心が真ん中に来るようにするのは意外と難しい。あと、ストーヴを旋削して入れねばならない。
 当初は金隗でも入れないと無理と思ったが、鉛でも何とかなった。この錘の出どころは、Micromarkだ。チョコレートのように切れ目で割ることができ、一つが1/4オンスである。随分昔に入手したものだが、役に立った。現在のところ、台車込みで355 gで、標準質量である。


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2017年11月25日

セレーション

tailstock 旋盤、フライス盤の整備を続行している。様々な留めネジをレヴァ式に改造している。六角レンチで毎回、締めたり緩めたりするのがとても面倒だからである。
 フライス盤の場合は、その位置にDROを付けたのでレンチが入りにくい。ネジの当たり面が浅いところにあるときは、座面を相対的に近づける必要があり、座面を削った。鉄鋳物だから、簡単に削れる。

locking lever この種のレヴァは作動位置を選んで、一番都合の良いところにネジの位相を決められる。締めるのは角度で30度くらいの範囲だから、その範囲が手の届きやすい向きにあれば、邪魔にもならず好都合だ。

 中のネジ頭の外周には刻みがある。これをセレーションという。綴りは serration である。大昔にその言葉は父から聞いたが、綴りを知ったのは30年ほど前である。語源は、ラテン語の鋸だ。シエラ・ネバダ山脈の Sierra とも関係がある。スペイン語でシエラは鋸、ネバダは雪である。雪の積もった鋸山という意味だ。
serrationserration2 要するにギザギザがあって、レヴァの内側にもそれと噛合う内歯がある。バネで押し付けられているから、それに逆らって持ち上げて位相を変える。ギザギザの歯型は、当然インヴォリュートではない。

 似たもので、スプラインがある。 splineは、軸上で動力伝達を行いながら移動する場合である。様々な歯型があり、最近は多数のボールを用いて滑らかに動くものもある。インボリュートもあるようだが、星型とか、六角とかいろいろなものがある。 
 
locking lever2ZAMAC 最近自宅のフライス盤の留めネジが壊れ始めた。粒界腐食である。使おうと思うと、割れて下に落ちている。4個のうち2個が壊れた。力を入れたときに壊れたわけではない。

 中国製だからということもあるだろうが、ダイキャストは信用できないことが分かる。最近の中国製の鉄道模型はどうなるのか。ダイキャスト製はいずれこのように割れてしまうのだろうか。


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