材料

2017年08月02日

ダイキャスト部品の膨張

 ダイキャスト部品が使われている模型は、定期的に点検をしないと具合が悪くなることがある。
 戦後すぐのダイキャストはボロボロになったものが大半だ。合金中に異種の金属が入っていると、金属の結晶隙間で腐食が起こりやすいからだ。最終的に粉になってしまう。
 そこまでひどくなくても、鋳物が膨らむことがある。1%以下の膨張であるが、篏合させてある部品が外れて、ばらばらになる。ギヤボックスが膨らめば、ギヤの噛合いが悪くなるだろう。

diecast expansion この写真をご覧戴きたい。KTMが1970年ごろ作って輸出したものであるが、台車がバラバラである。軸箱はたくさん必要であるので、ダイキャストで作った方が安いと判断したのだろう。以前はブラスの角棒から挽き出した軸箱体に、ドロップ製のベアリング・キャップをハンダ付けしていた。
 含油合金で作った軸受をダイキャスト部品の中に押し込んで作ったのだが、50年近く経つと、抜け落ちている。割れているわけではないのだが、ごそごそである。いずれ割れるのであろうか。仕方がないので、フライスで角棒を挽いて軸箱体を作る。それにロストワックスで作ったベアリング・キャップをハンダ付けした。かなりの手間である。
 長年のうちに集めたディーゼル電気機関車のうち、半数が修理不能であったが、この半年のうちに殆ど作り直した。フライス盤あればこそである。それと金属回収業の人と仲良くして、大量の材料を持っているからできることである。

 やはり亜鉛ダイキャストは信用できない。ブラスに限る。


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2016年11月27日

線路の更新

 一部の線路を敷替えている。
 このレイアウトの建設当初は、材料が逼迫し、線路はあるものをすべて投入した。観客から近い部分には新しい線路を敷いたが 、遠い部分には中古の線路を使用していたのだ。 

damaged rail 40年前に購入した Atlas の線路は、ブラスのレイルにニッケルめっきを施したものだった。見かけはきれいなのだが、微妙な凸凹があって気になった。水を付けて砥石で擦り、突出部は削り落としてある。走らせているうちに滑らかになるだろうと思ったのは甘かった。写真中央部がざらついているのがお分かりだろう。めっきも少し剥げている。
 どうしてこんな製品を出したのだろう。めっきは無電解めっきではないように思う。無電解なら、表面が多少は滑らかである。

 最近、貨物列車を運転すると、特定の場所からゴーッという音が聞こえるようになった。こうなれば、もう頬かむりはできない。
 シカゴでフレクシブル線路を戴いてきたので、材料は潤沢にある。思い切って、新しい線路に交換することにした。先日はT氏が手伝ってくれたので、二時間ほどで、一挙に5 m取り替えた。一人で作業すると、その5 mの取替えは一日仕事である。

 延べ20 mほど取り替えて、外した線路はショウケースの中の展示用とする。すでに取り換えた部分に重量列車を走らせると、見違えるように静かになった。

 静かな走行は、車輪・レイル双方が良くないと実現できない。

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2016年10月30日

エポキシ樹脂製貨車

car cyclo かなり古いプロトタイプである。Car Cyclopediaの古いものを丹念に見て、見つけ出した。1931年製であった。このころの車輛限界は今と比べるとかなり小さい。鉄骨トラスの内外に木板を張ったdouble sheathed boxcarである。内側は壁の途中の高さまでしか内張がない。すなわち人間の背の高さくらいから上は、鉄骨がむき出しである。

double sheathed boxcar このモデルは友人のBobが、”これをやるよ。誰も組めないキットだから、挑戦してみるかい?”と言ってくれたものだ。
 箱を開けると、屋根、妻、側板、床とラニングボードだけが入っていた。説明書もない。エポキシ鋳物で、少し反っている。修整しても箱型に組むのは至難の業だ。しばらく箱の蓋を開けては閉め、を繰り返していた。

 ある時、内側が中空だから組みにくいことに気が付いた。それでは木材を正確に切り出して直方体を作り、それに貼り付ければ良かろう。正確に木材を切り、カンナを掛けてノギスで測り、満足のいくものを作った。それにスーパーXを使って一面ずつ貼り付けた。大変な手間をかけて箱型にしたが、そのまま10年くらい眠っていた。 

double sheathed boxcar 先月の関西合運に持って行こうと作業を再開したが、あまりにも繊細な部分が多く、一月以上も掛かった。grab iron (取っ手、梯子などの掴む部分)を0.4 mmの線で作らねばならず、大変手間取った。こういう部分はスケールに拘る必要はないのだが、そうしないと本体の接続部と合わないから仕方がない。数十個の穴に正確に作られた部品を差し込み接着した。梯子を登ったところのプラットフォームは木材で自作した。目止めしてから作って塗装する。デカルはたまたま残りがあったので、それを貼った。

 こんなに手間が掛かるとは思わなかった。二度とやりたくない作業である。こうやって苦労して完成させても、数十年経てば劣化しているかもしれない。やはり金属製のほうがずっと簡単に作れて、長持ちする。 

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2016年05月22日

吸音材

 ゴムは重い。5 mm厚の1 m幅の1 m当たりの質量は8 kg以上である。10 mあったので、80 kg以上あったことになる。道床下張りにはそれを80 mm幅に切って使った。それだけでも 1 m当たり 640 gほどもあるのだ。

 天然ゴムは水の密度よりわずかに軽い程度だが、この黒ゴムは重い。充填剤がかなり入っているのだろう。

 隠しヤードの先端部分 5 mは、低発泡ポリ塩化ビニルのシートである。工業用のシートで、工場の棚に敷くものだそうだ。大切な工具を置くとき、傷まないようにするのだろう。かなりの面積を戴いたので、それを重ねて貼る。表面が緑で、裏は黒だ。これも重いものである。

 ポリ塩化ビニルは黒ゴムの密度と同程度だろう。いずれにせよ、厚いものを使うと効果があるので、重くなる。

 コルクは全く機能しないことを書いたが、相変わらず吸音性があると称して売っている。驚いたことに、ウィキペディアに、”コルク道床”という項目まである。Google で調べると、無数の写真がある。どなたも効果があると信じていらっしゃるのだろう。ゴムを試すべきだ。吸音能力の大きさにあまりにも大きな差があって、驚くだろう。
 ウィキペディアの間違いは多い。信じがたいほど派手に間違っている。ロンビック・イコライザの項は相変わらず、めちゃくちゃだ。どなたか書き直して戴きたい。 

 ゴム道床を試してみれば良いのに、と思う。走らせて楽しむのだから、より良い方法へと模索するのが正しい姿だ。本に書いてあるからとか、先輩が使っているからと言って採用するのは、賢明とは思えない。
 ゴムは相対的には安いものだ。よく切れるオルファ・カッタがあれば、切断も簡単だ。接着も完璧に付ける必要はないので、気楽にやればよい。HOなら 2 mm厚を使えば十分だろう。

 毎日、ゴムを1mずつ貼っている。今、面積の大きな部分なので、下準備、施工とも大変な作業である。重いのには本当に参る。

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2016年05月08日

レーザ・カット

鉄橋枕木整列ジグ 鉄橋の枕木整列ジグの写真をお目に掛ける。最近、カメラが不調で代わりのカメラで撮ったので、やや不鮮明なのはお許し願いたい。
 鉄板は2.3 mm厚を用いたので、少々厚すぎた。枕木の薄い部分を外そうと思うと、指が掛からず、なかなか難しい。

転車台index これは転車台のインデックスである。同じく2.3 mm板を用いている。合板の円盤(ピットを切り抜いた時の残材)の外周にぴたりと嵌まるものを設計した。そのドーナツ状の板を円盤に取り付ける板(セクタ)をタッピング・スクリュウで留め、それを合板にタッピング・スクリュウで固定した。非常に正確なインデックスができた。例によって、作図はnortherns484氏に助けて戴いた。   

転車台index2 これは円板の裏である。滑らかに回るように玉の入った支えを付けたが、思ったほど回転の滑らかさがない。再々度、別の部品を用意して付け替える予定である。ボール・ベアリングの入った戸車状のものが良いだろう。 最初は金属製を用いたが、騒々しかった。プラスティック製は静かになるだろうと思ったが、滑りが良くない。古いものは外すのが面倒なので取り付けたままである。
 
転車台レール 車が走る部分は合板では摩擦が大きいので、鉄板の平面レイルを貼った。薄く塗装しないと、錆びてくるだろう。 長四角の穴は、集電ブラシの調整用の覗き穴である。


 これらの部品を自分で作ろうと思うと、その手間は想像を絶するものである。文明の利器を使えるということは、素晴らしいことである。 価格も特別に安くしてもらった。次は鉄橋である。恐るべき細かさで、とても手作業ではできない。

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2016年04月26日

おみやげ

plate girder bridge このガーダ橋はアメリカのAuel社の製品である。ちょうどこの橋を作ろうと思って、材料を切る直前であったので助かった。

 長さが385mmなので、ブラス板の定尺ものの365mm幅を少し上回る。そうすると切るのに大きなシァを借りに行かねばならない。どうすれば一番楽な方法なのか、を考えている最中だったから、大いに助かったのである。

 この橋はダイキャスト製である。1940〜50年あたりの製品で、アメリカの国力の最盛期に作られたものである。ダイキャストの地金に間違いがないから、割れることはない。欠陥品であれば、すでに粉微塵(こなみじん)になっているはずだ。

 これはシカゴのMike Hill氏からのお土産だ。彼は体調不良で来られなかったが、家族が持って来てくれた。
”彼がレイアウトを作っている。これが必要なはずだから持って行ってやれ。”
とわざわざ支承も付けて、持たせてくれたのだ。偶然なのだが、有難いことであった。
 懸案の橋は、このガーダ橋とトラス橋が連なる。ガーダ橋は複線だから2本要るのだが、ちゃんと2本持たせてくれた。Mikeには心より感謝する。

 お土産ではないが、どうせ来るのなら、と頼んでしまったものがある。それはフレクシブル・トラックである。2カートンをシカゴのショウで買ってもらった。スーツケースに入らないので、それをテープで留めて、手荷物として預けて持ってきてもらったのだ。簡単な方法であるから、頼みやすいかった。昔に比べて価格は倍に値上がりしていた。それとKadeeの連結器を100組持ってきてもらった。これは安い。

 Kleinschmidt氏は小さいボールベアリングを必要としていたので、探して準備した。200個ほど持って帰ってもらった。運び屋さんとして使ってしまったが、軽いから問題ないとのことであった。 

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2016年04月22日

段ボール箱の工夫

段ボール箱 段ボール箱の蓋にこのような爪を付けておけば、テープは要らない。このような工夫は、段ボールの製函会社に行けばいくらでもサンプルがある。抜き型も用意されているかもしれない。しばらく前に電話でコンタクトしたが、可能性はいくらでもあると感じた。


段ボール箱蓋 蓋が無いと、とても弱い。垂直荷重だけなら何とか持つが、その状態での横からのちょっとした力で、つぶれてしまう。このような爪は蓋のずれを防ぐのでとても強くなる。

 こういうものを工夫して、みんなで使うことを考えて戴きたい。ある程度の数がまとまれば、価格は非常に安くなる。高さは様々な要因があるので、筆者からは何とも言えない。

 模型の収納箱も段ボールで手際よく作れる。アメリカには鉄道模型専用の箱が何サイズかある。どれも簡単に組めて、非常に強い。価格は安く抑えられている。段ボール会社によると、すでに既製品があるから、その中から選ぶと安いそうだ。

 つい最近のニュースで、段ボール製の簡易ベッドを被災地で活用するというのがあった。段ボールは使い方を工夫すれば強度が十分にある。 

  この一週間に2組の客が有った。一つはワシントン州のスポケ−ンから、そしてシカゴからである。遇然にも1日違いでやってきた。しばらく滞在したので、あちこち案内して楽しい日々を過ごした。

 彼らは熊本の地震のニュースを見て非常に驚いた。すぐに熊本に居た親族が避難してきたので、我が家は大変な賑わいであった。

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2016年01月24日

フログの改良

 本線上に #10の分岐がある。#8でも良いのだが、たまたまある既製品を有効活用したかったのと、スペイスが十分な場所だったからだ。
 その分岐のフログは悲惨な形だ。鋭角の nose rail が短く、丸く仕上げてある。欠損部が長いので、車輪はガタンとはまり込む。音もするし、車体が傾く。機関車のように軸重が大きいものが通ると、かなりの衝撃を感じる。これでは駄目だ。
frog improvement その部分を切り捨てて作り替えるつもりだったが、ある方法を思いついてやってみた。丸い鼻先をある程度切り込んで、硬い材料でノーズを作り、ハンダ付けする。フランジウェイが広いのは、ウィングレイルを太くして解決するというものだ。後者は以前発表したが、前者は初めてだ。

frog improved このような力の掛かる部分を普通の洋白で作ると、すぐつぶれてしまう。厚い板を切り出して金づちで叩き、三角になるよう潰す。こうすると加工硬化する。さらにヤスリで成形し、切り込みにかろうじて嵌まるようにする。ハンダ付けしてから、ヤスリで少しずつ削って、ノーズレイルを形成する。
 ウィングレイルは、細い洋白板を逆ピンセットで挟んでハンダ付けする。簡単に出来る。バックゲージ、チェックゲージを入念に測定し、基準を満たすことを確認する。

frogs original and improved 元の状態と比較してみよう。黄色いほうが元の状態だ。どれくらい鼻を長くしたかが分かる。それにしてもこの洋白は黄色く、気分が良くない。ウィングレイルが 0.3 mm 太くなっても誰も気が付かない。試運転の結果は大変良く、通過音はほとんどない。前回、この不備を指摘してくれた所属クラブのH氏が、「素晴らしい! 完璧な修理だ。」と褒めてくれた。
 

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2016年01月22日

洋白と白銅

 洋白(洋銀)は銅、亜鉛、ニッケルの合金だ。すなわち、白銅に亜鉛を足している。この亜鉛の量の多少が様々な性質の変化をもたらす。亜鉛が少なければ、白くなる。洋白は腰が強い合金でバネにも使える。ナイフ、フォークの材料にも適する。もちろん銀メッキして用いる。俗語で"hotel silver"という言い方がある。ホテルで銀器代わりに使われているのだ。本物を使うと、盗まれて困るからだ。  
 亡父の使ったコンパスやデバイダは洋銀製で、表面が多少酸化されて緑がかって見える。ギターのフレットはどうしてこの合金を使っているのかはわからない。適当な硬さで、弦を傷めないのだろう。色は気にする必要はない。

 白銅貨の100円玉、50円玉はその昔の銀貨、ニッケル貨から現行のものに切り替えられた。純ニッケルを硬貨に使ったのはドイツの真似だと祖父が言っていた。ニッケルは兵器を作るのに不可欠な金属元素なので、備蓄しておかねばならないが、その倉庫を建てるにも金が掛かる。しかし貨幣として流通させれば、国民は大切に保管する。必要な時は何か理由をつけて、無効にすると宣言すれば、慌てて持ってくるだろうということであった。
 現実に、日本でもニッケル貨は戦争時の資材として役に立ったそうだ。朝鮮戦争の時にも値上がりしたので、銅で薄めたものに取り換えたという話がある。
 白銅貨の採用はアメリカの25セント、50セント硬貨の例を見て決めたらしい。インフレで価値が下がり、銀を使えなくなったのだ。

 さて、白銅(cupronickel 銅の入ったニッケルという意味)は展延性に富むので、コインにしやすいし、薄く伸ばして薬きょうにする。黄銅より薄くできるので、火薬量を増やせて効率が良い。レイルにしてもそれほど難点があるようにも見えない。
 たまたまであろうが、洋銀の行き先の無い材料があったことが、その後の鉄道模型の運命を決めたような気がする。 

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2016年01月20日

洋白の色

 洋白(洋銀)レイルの色が気になる。磨いてみても鉄の色とはほど遠い。白銅の百円硬貨の成分はニッケルと銅だ。前者が25%らしい。百円玉の色は比較的白く、どちらかと言えば、レイルの洋白より鉄の色に近いような気がする。もう50年近くになるが、TMSで久保田富弘氏だったかの記事中、洋白を材料にすると良いという話があった。その記事はかなりインパクトがあったらしく、その後、急に洋白を使う話が増えた。ミキストにも載っていたように思う。筆者は洋白を使わない。高いし、色が良くないからだ。メッキのほうが好きだ。

 カツミに居たT氏の話である。1960年ごろ、たまたま伸銅屋の店先に注文流れのギターのフレットの材料が一山あった。使い道がないかという打診があったので、それを使ってレイルを作ると良さそうだということになった。それが日本の洋銀レイルの始まりであった。篠原模型店がそれを使って洋銀の製品を作り始めたようだ。

 当時、日本の模型材料は、梅澤伸銅という非金属材料店からの製品を使っていた。この店はもうないが、模型業界のような消費量が少ない相手に、少量(100 kg単位)で売ってくれる珍しい店だったからだ。その他の店は当然トン単位でしか売らない。
 したがって、洋白もその店の仕様で作られたものを使っていることになる。当時は全国同じ材料であったはずだ。

 仮定の話であるが、もし、その店がもう少し白い材料を扱っていたら、模型のレイルはもう少し白かったかもしれない。

 30年ほど前、アメリカで買った洋白レイルは素晴らしく白かった。やや軟らかく曲がりやすかったが、色だけは良かった。最近の洋白レイル(英語ではnickel rail)は、日本のレイルのように黄色い。磨いても黄色っぽいのは腹が立つ。どうして白い材料をつかわないのだろう。
 多分中国製なのだろうが、発注元が指定すれば済むことなのだ。

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2015年07月22日

Auel製の支承

Auel 鉄橋を支える装置のことを言う。英語では bearing である。橋のような長い構築物は熱膨張で長さが変わるので、それを逃がすために何らかの装置が必要である。
 最近の橋を見に行くと、鉄板とゴムを貼り合わせたブロック状のものを使用してあることが多い。それが平行四辺形にゆがんで熱膨張を逃がしている。おそらくそれは、地震の時などの撓みを逃がすこともできるのだろう。現実に建物用の耐震装置はそんな形だ。 

 これは Auel Industry という会社(Pennsylvania州 Irwin市にあった)が1950年ころに作っていたものだ。この会社は17/64インチスケールすなわち、実物の1 foot を17/64 inch にする精密模型(1/45.2)をダイキャストで作っていた。かなりの資本投下で大量生産したのだが、時代の趨勢には敵わず、創業者の死後急速に忘れ去られた。
 プルマンの heavyweight の精密な客車などもあったが、現在の1/48に比べると一回り大きく、一緒に走らせるわけにはいかない。16輪のflatcarもあった。このリンク先の写真はHOであろう。これは木材のような密度の小さいものを積む目的の車輛ではない。
 Auelの貨車は幅が広いので、それを縦割りして幅を4mmほど縮めて使おうと思ったが諦めた。スパン・ボルスタだけ使って、先日の大物車(MTH製)の改造をした。その形はすばらしく良く、実感的である。二軸台車の側受けを押さえる部材まで表現してある。一方、MTHの既製品のそれは、まるでオモチャである。
 車輛はともかく、ストラクチュアは十分に使える。この支承はよくできている。ピン(軸)で受けるタイプのものだ。これを改造すれば、ローラー式の可動支承に作り替えられる。
 アメリカで実物をいくつか見たが、地震のない国で、外れるということに関心がないようだ。低い堤防状のガイドがあってその中で動くようになっている。日本のは、何があっても外れない構造である。

 この部品はずいぶん前に友人から貰ったのだが、使う機会がなかった。今回の鉄橋の支持台として活用することになった。ダイキャストのシーズンクラックが心配であったが、全く問題ない高品質のものだ。

 このAuelの発音は難しい。人名である。カタカナで一番近そうなのは”オール”であろう。 


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2015年04月08日

続 sound deadening について

Richmond 6  この写真はRichmondの模型鉄道博物館の楽屋裏である。特別に入れてもらった。
 通路の左右に隠しヤードがある。  

 線路の下には3/4インチ(19 mm)厚の Homasote が貼ってある。ほとんど効果がない。面白いのは天井にも張ってあることだ。これは多少効くかもしれない。

 最近アクセス数が非常に多い。おそらく他の分野の方が、遮音とか吸音という言葉で検索するとここにたどり着くのであろう。コルクが役立たずであることは、考えてみれば自明のことなのだけども、雑誌などに書いてあると信じてしまうのだ。

 吉岡氏のところから戴いて来たゴム板が大量にある。隠しヤードを作るときに敷いてみよう。隠しヤードは見えないところにあるので、そこから音がするのは奇妙なものだからだ。

 レイアウトの方は直線から曲線に入るとき、緩和曲線ではなく、大半径の円曲線を用いている。その部分でカントが少しずつ増えるので、カント板を長さ方向に斜めに削り、さらにパテを盛って、削り出している。
 最近はポリエステルの速硬化パテがあるので、とても楽しく作業できる。100 gずつ紙コップに量り取って、硬化剤を混ぜて3分以内に作業が終わるようにする。反応によって熱が発生するので、紙コップが熱くなってきたら、もう駄目である。温度上昇でますます反応速度が大きくなる。硬化剤を少し減らすと作業可能時間(working time) が伸びるが、あまり減らすと固まりが悪すぎる。

 自動車板金用の4 kg入りの缶を買った。サンドペーパで削るとつるつるになる。いろいろなところで出番がありそうだ。


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2015年02月02日

続 ポリウレタンの劣化

 お預かりしているOJのキットがある。それを点検していないことに気がついて、開けてみた。案の上、ウレタン・フォームが融けかけている。指で押すと、「ポリウレタンに指紋が付く」ような感じである。出来たてのパンケーキの感触に似て、怖くて触れない。
 幸いにも全ての部品がポリエチレンで包まれているので、くっついたらその袋を捨てて、新しい袋に入れればよい。

Urethane Foam is deteriorated このC62は動輪がむき出しであったので、少しくっ着きかけである。早速出して、溶剤で拭いた。イソプロピルアルコールが入っている溶剤噴射スプレイを使った。樹脂は溶けて取れたが、めっき部には、くっついた部分に錆が発生しているように思う。目の細かい紙やすりでさっと研磨すれば大丈夫だろう。

Affected Driving WheelCleaned Driving Wheel 左が清掃前、右が清掃後である。クランクピンのあたりが少々荒れている。よく磨いて、油を塗って組めば問題はないはずだ。
 



deterioration このEF53のキットも融ける前兆が出ている。しかし、全ての部品が包装されているので、しばらくは問題なかろう。


 EF58も大丈夫だと思ったが、思わぬ伏兵が居た。
 前頭部は潰れ難いように、内部にポリウレタン・スポンジが入っていたのだ。
EF58 cab 空気の流通がないようにしっかり包装してあるので、変化は起こりにくいと思ったが、出して見ると、内部は錆かけていたし、スポンジは握ると元に戻らなかった。
 キャブの内側を丁寧に拭いて、別の袋に入れた。

 これらのキットは筆者が組むことはないので、誰か得意な人に組んでもらうつもりである。

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2015年01月23日

ポリウレタンの劣化

deterioration of polyurethane foam これがそのポリウレタンの劣化したものである。べとべとしていて、丸めて握るとおにぎりになる。シートはポリ塩化ビニルである。色が移って少し色づいている。もともとは無色であった。


deterioration fo polyurethane foam 2 箱の内側には部分的にくっついている。指で触ると、粘りついて木からとれなくなる。よく切れるナイフでそーっと削り取るしかない。

 気になって、山積みの箱を丁寧に開けてみた。極端にひどいのはこれ一つで、あとは幸いにもまだ大丈夫であった。

Tsuchiya Collection 夏の間に土屋氏のところから運び出した機関車のごく一部を箱から出し、少しだけ並べてみた。ガラス棚にこんなに入れるのはよくない。重いので、地震の時には大被害だ。
 一段に2台までにしようと思う。隙間があると見やすいし、事故も起こりにくい。


 線路は、ガラス板に両面テープで貼り付け、レイルの先端には車止めを付ける必要がある。 




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2015年01月21日

続 緩衝材

 古い模型の箱を次々と開けて、内部の緩衝材を見ている。1960年代までの緩衝材は木を薄く削って、さらに縦に2 mm程度の幅にしたものを詰めている。いまだにほとんど弾力を失っていない。木毛(もくめん)と言うのだそうだ。
 この材料を作るところを見たことがある。櫛(クシ)のようにたくさんの刃を付けた刃物を木に押し当てながら引き、次にかんなを掛けるのだ。往復動で大量の削りカスを作る。もっともこれはカスではないが。
 これをハトロン紙でできた紙袋に入れてある。なかなか良い弾力である。その紙袋は長いものや立方体のものがあって、目的に応じて詰め込まれている。

 同時に古着の繊維をほぐして作った綿を、強く圧縮して作ったフェルト状のものも使われている。これが意外と良く、昔と変わらぬ弾力を示す。

 その次の世代はティッシュのような紙を重ねて、部分的にプレスしたものである。はがそうと思えばはがれる。一番上と下の紙だけが、やや厚い。これは時間とともに劣化している。酸性紙の問題もあるだろう。中の薄い紙はもともとは白かったのだが、黄色になっている。弾力も少なくなっている。

 ウレタンはその次の世代で、発泡ポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)と共用されていることも多い。後者は「へたり」が少ない。ウレタンは当たり外れが大きい。
 モータが入っていた箱の中ではウレタンのなれの果ての粉末が、カラカラに乾いている。触ると砂状になる。モータだから、実害は少ないが、塗装済みの車輛なら、修復するのに大変な手間がかかることは間違いない。

 その後、ポリエチレンのプチプチが増えてきたが、いまだにウレタンは多い。発泡ポリスチレンの落花生の殻大の粒は取り扱いが面倒である。細かいごみが出やすく、捨てるにも苦労する。

 結局のところ、一番長持ちするのは、自然素材であったと云うのは皮肉だ。ウレタン・フォームを使用してある箱に入っているものは、一旦取り出し、ポリエチレンフィルムに包み直して、入れるしかないだろう。ポリエチレンは日光にさえ当たらなければ、長時間の保管にも変化がない。
 先回お伝えしたのはポリ塩化ビニルで、模型用としては極めて珍しい。

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2015年01月19日

緩衝材

 展示するために製造後20年以上経った模型の箱を開けようとして、驚いた。蓋が開かないのである。
 自宅では空調が効いているので温度、湿度ともほとんど変化がない。我が家の模型でウレタンに変化が起きたのは見たことがない。他家で20年以上置いてあると、ウレタンのスポンジが融けているものがある。

 これは、空気中の水分のせいで加水分解が起きることによる。湿度が最大のファクターで、二番目は温度である。すなわち、高温多湿の環境に置かれるとすぐにダメになると云うわけだ。

 劣化の状態は二通りで、粉状になるものと、粘る糊状になるものがある。前者は掃(はら)えばかなりとれるが、後者の始末は困る。たまたま、ポリ塩化ビニルのシートで包んであったので、中身には影響がなかったが、その包装をはがすのには、大変な苦労をした。糊の一歩手前の状態で、スポンジを丸めるとおにぎりが出来る。手にはくっつき、溶剤で拭かないと取れない。木箱の縁にくっついて、カギを外しても開けることが出来なかった。

 最近は加水分解されにくいポリエーテルを原料にしているものが多くなってきたが、ウレタンフォームのような製品にまでそれが使われるとは思えない。自動車部品や靴などにはそれが使われている。なぜかと言うと、靴が壊れるとけがをするからである。自動車は大事故を引き起こすかもしれないからだ。模型では死傷者が出ないだろうから、意識が低いはずだ。
 
 対策としては空調が常時効いている場所に保管することと、模型とウレタンを直接接触させないことである。ポリエチレンシートでくるんで入れておくと、ウレタンが融けても助かるはずだ。

 

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2015年01月13日

角スタッド

 クラブの会合で、建設業を営むK氏に話を聞いた。角スタッドは間仕切壁の他に、天井にも使うそうで、剛性が大きく、軽くて良い材料であるそうだ。切るのは高速切断機(いわゆる砥石ディスク)で切るのだそうだ。何本かまとめて切ることができて都合がよいとのこと。筆者は鉄板も切れる丸鋸を使ったが、お勧めしないとのことであった。 金切りはさみで切ることもできるが、ちょっと難しいと云うことだ。最初の切り出しが難しいのだ。

 接続は熔接するのが簡単であるとのことだ。板が薄いので電流を小さくする必要があるが、出来ないことはない。今回は梁の途中から直角に延ばす部分があって、L金具で簡単に留め、熔接した。

 天井に使うと、十分な強度があり、その上を人が歩けるそうだ。いわゆる「軽天」である。説明書を見ると、組むのは容易で、ほとんどネジも熔接もなしで組むことが出来る。

 今回のようにレイアウトの架台に使うのは、あまり見ない事例だそうだが、十分に強度がある。

 先日大量に材料を買ったが、嵩の割に安いもので、驚いた。4 m材を運ぶ時はトラックが必要であったが、買ったホームセンタの貸し出し車で運ぶことが出来て安上がりであった。 

 


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2015年01月09日

自動熔接面

face shield 熔接時には多量の紫外線が出る。皮膚を露出していると、短時間でもやけどを負う。続けると皮膚ガンになるであろう。完全な防護が必要である。
 熔接面は、最初から自動のものを使っている。20年以上前に新製品として出たばかりのものを、アメリカで買った。確か300ドル以上もした。それまでは手で持つタイプで、素人には取り扱いが難しかった。
 当時の謳い文句は覚えている。「1/50000秒の超高速遮光」である。アークが出る前はよく見えているが、火花が出た瞬間に液晶が黒くなって、光を遮るのである。もちろんアークが無くなると、すぐ透視できる。その時間を調節できるので、好みによっては、すぐ見えるように短くできる。この面を付けると両手が使えるので、押しつけて付けることが出来るのは便利であった。

 当時は高かったが、現在は3000円台でも売っているようだ。その性能については、分からない。中国製とのことである。

face shield 2 面を頭に取り付ける部分はポリプロピレンの薄い膜で蝶番のようになっている。メガネケースやハーモニカケースの蓋が薄い膜で蝶番の代用をしているのを御存知だろう。さすがに20年以上経つと劣化してきて、割れてしまった。前を向くと面がお辞儀をしてしまい、下しか見えない。
 仕方がないので蝶番に0.6 mmのブラス板を当ててネジで留めた。スペイスが必要なので、長いネジで隙間を作った。いずれ、頭に巻く部分は他のヘルメットなどから使える部品を外して、取り替える必要があるだろう。プラスティックの寿命は短い。

 ポリプロピレンは、優秀な樹脂で長く保つはずであった。日の当たる場所に置いてあったわけでもなく、窓のない倉庫に置いてあったのだ。それでも劣化する。プラスティック製の鉄道模型はどうなるのだろうと、心配した。

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2014年11月11日

続 山の形を作る材料

landscaping sheet 現物を見つけ出したので、撮影した。大きさは約 75 cm × 1 m である。ポリエチレン・シートの厚みは0.1mm以上ある。このような軟らかいものの厚みは測定しにくい。紙はクレープ紙(皺の付いた柔らかい紙)で、見たところ再生紙ではなさそうだ。非常にしなやかである。針金は柔らかいなまし線を用いている。

 このような素材は鉄道模型専用の素材なのか、あるいは何か他の物の流用なのかが知りたい。山を作ろうと思えば、何かバスケット・ボールのようなものにかぶせて、両手で絞ればたちまちできる。一部を鋏で切り開き、重ねてホットメルト接着剤で留めればすぐに完成である。崖を作ろうとすれば、上端を留めて、それらしい形になで付ければよい。そのままでは堅さが無いので、ガーゼと石膏を使って固める必要があるが、訳はない。

 この材料は今まで日本で紹介されていないように思う。筆者の自宅レイアウトの崖の部分に使おうと思っている。今まで、発泡ポリスチレンに電熱線で刻みを入れていたが、その技法では解決しない部分があるからだ。

 細い線でできた荒い金網さえあれば、ポリエチレン・シートとクレープ紙をアイロンで張り付けて作れるような気もする。金網専門店に行って聞いてみたが、そのようなしなやかな金網はなかった。どれも腰が強いのでだめである。しかも目が細かすぎる。正方形にはこだわらないが、このような柔らかいものは見つからない。

 

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2014年06月04日

フィーダの設置

 Feeder(饋電線)は太いのを用いている。地下室のレイアウトは5.5 mmsqというのを用いている。別に意味はなく、家を建てた時に残った電線を使っただけである。2.0 mmsq あれば30 m くらいは全く問題ない。

 最近のMRの記事を見ると、裸の太い銅線を線路の下の台枠に孔を空けて通し、そこに巻き付けてハンダ付けした銅線をレイル1本1本にハンダ付けしている。レイル・ジョイナはレイルをまっすぐ誘導しているだけで、通電には関与していない。レイルへのハンダ付けの方法が凝っている。側面に付けるのではなく、底面にドリルで穴をあけて差し込み、ハンダ付けしている。手間はかかるが、見かけは良い。これは非常に細かく作られたレイアウトの話である。今回の新レイアウトでは、側面に付けるつもりだ。

 レイルごとに饋電(きでん)をすると、電気抵抗が大きくても、殆ど影響がない。せいぜい50 cmの通電であるから、電圧降下が無視できる。

 電圧降下は電流と、線路の長さに正比例するから、とにかく小電流で走る列車を用意するべきである。筆者のところでは、最大負荷で1.0 A 以上喰う機関車は存在しない。しかし問題点は他にもあるのだ。客車列車の照明が大きな電流を喰らう。電球の場合は4 A くらい喰う列車があった。LEDに改装しても1 A 弱喰うから、困ったものである。

 饋電が完全なら、大電流でも影響を受けないし、逆にレイアウトが小さければ、不完全な饋電でも支障が少ない。HO以下の場合はレイアウトが小さいであろうから、電気抵抗が顕著な障碍とはなり得なかった。しかし、HOサイズ以下でも、雑誌は個別フィーダを紹介すべきであった。
 O scale では、大問題である。我国にはO scale レイアウト製作の記事など殆ど無いから、電気抵抗についての分析記事が無かったのだ。JORC関西の可搬線路は、合板製の路盤の裏には饋電線が貼りつけてあり、電気接続は側面の金具をネジ留めするようになっている。かなりつないでも問題はない。

 ともかく、販売元は抵抗値を示しておくべきではないか。
 

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2014年02月16日

衝突

 もう30年以上前のことである。確か戦艦だったと思うが、模型を公園の池で走らせていた。Uターンさせて戻ってきたのだが、うっかり間違えてコンクリートの壁に正面衝突させてしまった。ゴンという鈍い音がしたが、船ははね返ってさしたる損傷はなかった。
 それを見ていた老人二人が、声を立てて笑った。
「やっぱりオモチャだな、はね返りおった。」 
それを聞いて、筆者は何が面白いのか分からなかった。

「はね返ってはいけないのですか。」
「そりゃだめだ。お前は船がぶつかるところを見たことがあるか。」
「いえ、ありませんが。」
「俺たちは海軍に居た。何回も船がぶつかるところを見たぞ。」
「えっ、それはすごいですね。どうなるんですか?」
「駆逐艦が岸壁にぶつかった。」
「岸壁が壊れましたか?」
「バカなことを言っちゃいかん。」
「船が壊れる。こうやってな、船がぶつかると……」
と身振り手振りで説明してくれた。

岸壁に当たったところがめり込むのだ。甲板はかなり原型をとどめたまま、ずぶずぶとめり込んでいくのだそうだ。なかなか止まらないものなのだと言う。
「船は柔らかいぞ。お前もなー、そういう柔らかい船を作って走らせてみよ。それでもって、岸壁にぶつかってぐちゃぐちゃに潰れたら、本物と同じだ!」
老人二人は、また大きな声で笑った。

 東横線元住吉で、電車の衝突事故があった。前頭部はぐちゃぐちゃだ。また、その他の車輌も床は盛り上がり、天井は落ち、長さが縮んでいる。
 やはり本物は柔らかい。その写真を見て、老人たちの会話を、ふと思い出した。


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2014年01月26日

フィレット

jpg 曲線上で2軸台車をつけた観察用の車輌を転がすと、台車は曲線の接線より外を向こうとする。すなわち、第1軸の外側フランジがレイルヘッドに当たろうとする。
 第2軸は内側に入ろうとするが、半径2800 mmの上で観察すると、ちょうど中央付近である。1800 mmではやや内側に寄るように見える。

 さてこの時、第1軸の実際にレイルヘッドに触れている部分(フィレットの裾に乗り上がった部分)の半径を計算すると、行路差を十二分にキャンセルするほどの半径比になる。第2軸では踏面勾配が小さいので左右に寄ってもあまり影響を与えず、行路差がほとんどそのまま出る。すなわち、Low-D車輪を装備すれば、2軸台車では行路差に基づく損失の半分近くは、取り戻せる可能性がある。
 上記の計算では、19mm車輪より17.5mm車輪の方が、フランジの裾を踏んだ時の行路差キャンセルの効き目が大きいことになるだろう。何度も書くが、この時、フランジの円錐台面はレイルヘッドと接触していないすなわち見掛け上、フランジは輪軸の転向に寄与していない。大きいフィレットがフランジの代わりとして機能し、車輪半径を大きくして摩擦を減らすように働いている。また、フィレットの肩が輪軸を転向させている。
 車軸は曲線の接線に垂直ではないので、多少は回転方向に対し斜めに滑りながら動くことになる。その時もステンレスの摩擦係数が小さいことが有利に働く。

 このあたりの接触状況は、3D設計の専門家にシミュレイションをお願いして、色々な角度から覗いて見た。当然のことながら、フィレットを大きくすると、線路半径を小さくしてもフランジに当たりにくくなることが分った。
 市販の模型の車輪の精度は低い。マイクロメータで測ってみると、直径が  3/100 mm 程度のばらつきならば極めて優秀で、ひどいものは 0.5 mmも違うのがある。車輪踏面にはテーパが付いているので、転がせば多少片方に寄って走ることになる。そうすると、 場合によっては、2軸台車の車軸が進行方向に垂直にならずに、斜めになって走ることもある。こうなると、当然、摩擦損失が生まれ、抵抗が増す。Low-Dは1/100 mm以下のばらつきである。
 精度の高い車輪は、装着するだけで抵抗が小さくなるのである。

 筆者はLow-D採用時に、あまりにも摩擦が減少したので驚いたことを、覚えている。それは、ステンレス製RP25車輪をつけた列車が、当鉄道のエンドレスを一周繋いで(95輌)走るのは限界ギリギリであったのに、Low-Dにすべて取り換えたら、途端にらくらく牽けて、電流が70%になったことである。潤滑条件は同一であった。模型を実際に作って測定している人が得たデータは尊重すべきであろう。
 反論するには、独立した実験をしてその結果を示すのが自然科学の常識である。

 このような問題を解決するには、多次元の解析をしなければならない。この条件で、どのファクタが一番大きく効いているかを、調べるのだ。今回の条件での実験観察でわかったことは、摩擦係数が小さいことが一番効き目があったということである。 これでは実物とは全く異なる理屈によると言わざるを得ないであろう。 

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2014年01月20日

走行抵抗

 曲線での内外の車輪の行路差は、無視できない。その差の分だけ車輪が滑る。軸重の約半分が掛かった状態の滑りである。その損失を少なくしようと思えば、摩擦係数の少ない材料を使うことである。
 筆者がステンレスに拘るのはそれがあるからである。高級な機械で旋削した車輪の摩擦は小さい。ごく普通のブラスにニッケルメッキの車輪に比べると 3/4 から 2/3 ほどである。めっきしたものは表面が粗くて音がするし、摩擦が大きい。
 それを考慮すれば、機関車にステンレスのタイヤを嵌めるのは、かなりまずい選択である。

 Oゲージでは、半径1800 mm (72 inch)の曲線では、走行距離に対する行路差は1.78%もある。半径3000 mmでも1.06%もある。HOでは半径を910 mm、1500 mmと読み替えて下されば良い。しかし、筆者の測定では、走行抵抗の比は、1.78 / 1.06 =1.68 でという比率ではない。フランジが当たっているからだ。
 
 RP25という、規格でも何でもない妙なRecommended Practice(推奨手法とでも訳しておこう)がある。このRPが無茶苦茶なことを勧めているので、というより何も大事なことを決めていないので、模型製造会社はそれぞれ勝手な判断で、珍妙な車輪を作る。

 NMRAのRP25というページに載っている車輪コンタ contour (形状)はかなり怪しい。どの番手の数字を使って描いているのかよく分からない。どう考えても図面が描けない番手の数字がある。明らかにD'の数字がおかしい番手があるのだ。#175、#148、#54が問題だ。

RP25 これについて、「どうやったら描けるのか?」とNMRAに問い合わせたら、でたらめな絵を送ってきた。フランジの中間部を直立させた絵である。左図中、赤字のVertical Segmentという部分である。いくらなんでも、これはないだろう。どうかしている。
 NMRAの車輪線路部会のレヴェルはそんなものであるらしい。まともなことを考えられる人材はいないようだ。NMRAとは35年付き合って、多少の寄付もしてきたが、縁を切ることにした。

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2013年04月14日

Proto48

 本物を縮小するとどうなるかについていくつか書いていたのだが、鹿ケ谷氏からのコメントでほとんど言い尽くされてしまった。それに書かれていないことだけを書こう。
 本物を小さくすると何が異なるかと言うよりも何が変化しないかを考えなければならない。それはヤング率である。物質の弾性変形に関する性質であって、これは物質に固有のものである。すなわち小さくするとモーメントが小さくなるが、ヤング率は変化しないので、模型は堅くなる。要するにバネは極端に堅くなるということである。車体が堅いので、捻られない。何らかの工夫をしないと、曲線の入り口の緩和曲線あたりで脱線する。
 
 レイルも枕木も砂利も堅くなる。するとカチンカチンのコンクリートの要塞の上に敷いたレイル上を走るのと同じである。その上を走る車輌の板バネは必要以上に堅く、よほどヤング率の小さい材料を選ぶか、薄くしなければならないであろう。このあたりでスケールから外れてくることが分かる。摩擦も速度によって変化するだろうし、以前に述べた慣性の現れ方も当然異なる。小半径である模型線路上を走らせようと思えば、フランジ塗油器が必要な条件であろう。

 そういうことを全て無視してひたすらスケール化するのは無意味だ。車輪を得意そうにみせてくれるのだが、挽き目が見えている。大切なフランジやフィレットに挽き目が見えるということは、スケールでも何でもない。その部分は研磨してなければならない。台車を触らせてもらうと、車軸が台車の軸箱中で左右に2mm弱動く。これでは駄目だ。台車の中で車輪が平行四辺形になって走り、フランジが当たりやすくなる。そのような最も大切な部分を疎かにしている人たちが、どうしてよく走るスケールモデルを作れよう。この集団の指導者層が素人であることが露呈している。

 停まっている情景模型であればそれでよいが、走らせるということは意外に難しいことなのだ。プロトとかスケールという言葉に酔っているのだろう 。車輪は相変わらずある男が作っている。2万軸売れたと威張っているが、たったの2万軸である。筆者のLow-D車輪の方がはるかに多い。2万も作ればCNC旋盤で作るべきものだろうが、総型バイトで作っているものだから、ざらざらの挽き目が出てしまうのである。

 この集団には機関車を設計して板から作れる人が居ないのである。誰かが作ったキットを組み、誰かの供給する車輪を付けてスケールモデルだと信じているだけなのである。
 やはりRain Maker が必要なのだ。巨万の富を持つ天才的な誰かが、正しい設計のものを継続的に供給できなければ、今の状態からは抜けられまい。大型機関車を作った人は居るか、と聞くと、チャレンジャを作った人が居るという。走るのを見たか、と聞いても誰も返事がなかった。

 筆者がRain Makerという言葉を出したら、Harmonは、「うまい表現だね。」と言った。この言葉は20年近く前にマット・デイモンの出世作となった映画の題名でもある。

Model Railroader May 2013Check 話は飛ぶが、ようやく筆者の低抵抗車輪の記事がModel Railroader 5月号に載った。原稿料の小切手を貰ってから随分待たされた。友人たちは10カ月待ちが普通だと言っていたが、それをはるかに上回った。先に原稿料を受け取ったので、他の雑誌からの誘いも断らざるを得なかった。

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2012年11月08日

続々 Snoqualmie Station 

812_6083-2812_6084-2 この展望車はたぶんNPのものだろう。社名が無い。
 展望デッキの柵の作りが素晴らしい。いわゆるWrought Ironである。鍛冶屋が煉鉄の棒を焼いては捩って作ったものだ。これをエッチングで表現した模型が大半だが、実感はない。ロストワックス鋳物にすると太すぎる。さりとて手で作るのは大変だ。

 煉鉄とは、20世紀にはほとんど作られなくなった方法で得た低炭素鋼である。平炉の時代の産物である。融けた銑鉄に空気を送ると、表面の一部が脱炭素され、多少純鉄に近づく。すると、融点が上昇するのでその温度(1300℃ほど)では融けなくなる。それを棒でからめて炉の外に取りだす。牛乳を沸かして生じる膜を引っかけて取るようなものである。煉鉄は柔らかく、粘りがあって細工に適する。しかも錆びにくい。
 新橋−横浜の鉄道開通のころのレイルとか橋梁は煉鉄製と言う話だが、橋は重いし、レイルはつぶれてしまいそうだ。鋼が大量生産される時代が来ないと、鉄道は進歩できなかった。日本語では「鉄」と「鋼」はほとんど同義に使われているが、英語では明確に区別される。ほんの130年ほど前までは鋼は貴金属であった。得るのが難しく、大量には出来なかったのだ。日本刀を作る時の材料の歩留まりは1割以下だそうだ。叩いているうちにほとんどが飛び散ってしまう。しかも大変な労力を掛けて作り出したものだ。

812_6085-2 この客車はSP&S(Spokane, Portland and Seattle Railroad)のものだ。Spokaneの発音はスポーンである。太字を強く発音する。 この種のCombine(合造車)は珍しい。ほとんどの鉄道会社では荷物車を独立させていた。それは強盗対策である。荷物車には現金等が積まれていることもあるので、客車から乗り移れないよう、機関車の次につなぐ(Head Ended)ことが多い。 

812_6087-2 スノクォルミィ滝である。水量が多いので一部を発電用に廻している。いま、護岸工事をしていて美観が損なわれている。このホテルは映画の舞台になった有名なホテルでとても高級である。

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2011年12月27日

エッチング

 エッチングが鉄道模型に使われ始めたのは日本が最初という説がある。鉄道模型社が始めたということになっているらしい。ところが、1970年代にアメリカ人に聞くと、「そんなものは戦前からあった」と言っていた。
 電気機械の銘板には昔からエッチングが使われて来たし、戦前に発行された田口武二郎氏の「蒸気機関車の作り方」という本にも重クロム酸カリ(現在は二クロム酸カリウムと言う)を用いたマスキングを使う感光式エッチングの話がある。
 アメリカの模型界で、商業的にエッチングを用いた最初の企業はケムトロンであろう。経営者のKemalyan氏はもともとは印刷業界の人で、銅版画を作る手法を模型に応用した。以前にも書いたが、ケムトロン社の模型は他社製品とは材質がやや違う。エッチングがしやすい配合の銅合金(亜鉛が多い)を用いているので、ブラスの色が緑がかって見える。Lobaughのテンダもエッチングでリヴェットを表現している。

 さて時は流れ、エッチングは簡単にある程度の模様をブラス板に上に刻み、抜くことができるので、鉄道模型の主要な工業的製作手法となった。
 作図して製版屋に渡せばフィルムを作り、エッチング、抜き落としまでやってくれるが、ある程度の数が無いと難しい。また高価である。時間も掛かるだろう。1枚しか欲しくないのにたくさん作ってクラブ内で頒布ということをするしかないわけである。

 1枚しか欲しくないものを1枚だけ作る方法が、しばらく前からネット上で紹介されている。『F式』と呼ばれるコピィのトナを熱転写してレジストとする方法である。
 この方法はどこかで見たとは思ったが、なかなか思い出せなかった。

 鹿ケ谷氏のウェブサイトで紹介されていたPress'n Peel という言葉で思い出した。

 アメリカに居た時友人が使っていた。これは安くて確実な方法である。早速取り寄せて使って見ることにした。
価格があまりにも安いので驚く。

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2010年11月12日

Laser によるブラスの切断

Laser CutLaser Cut Trouble 久しぶりにレーザ切断を依頼した。かねてから製作中のものの部品を作るためである。
 
 仕事の完了を待っていたら、悪いニュースが入った。「ブラスの切断中にレンズが熱で壊れて仕事が出来なくなった。もうブラスの切断は勘弁してほしい。」と言う。
 他のいくつかの工場に問い合わせてみると、どこもブラスの切断は難しいという。それは鉄合金のように酸素で燃やして飛ばすということが出来ないからである。また反射熱も大きい。銅合金は赤い光をよく反射するから難しいのであろう。緑のレーザを使えば吸収率がずっと良くなるはずであるが、それを採用した機械はほとんどないそうだ。
 ブラスが出来なければステンレスで作ればよいが、ネジを切ったりヤスったりという仕事はほとんど出来ない。しかし小さい穴も容易に開くから、手摺の穴は設計時に指定しておけばよい。やる気があれば、リベットも、沢山穴を開けておいて線を植え込んで表現することもできるだろう。

 模型工作にブラスを使う最大の理由はヤスリ掛けが容易ということに尽きる。ドリルでの穴空け、ネジ切り、いずれも簡単である。しかし、ステンレスの穴空けは大変だ。特殊な切削油を使うと多少楽になるがやりたくない仕事だ。しかし、ステンレスのハンダ付けは、ブラスよりはるかに容易である。それは熱伝導率が小さいので熱が逃げにくいからである。小さなコテでもすぐ付く。

 だから、設計時によく検討して、追加工が全くなければ、ステンレスでも問題ない。ネジが必要なところはブラスにしておく必要がある。塗装は正しいプライマを使えば簡単である。

 さて写真を見て戴くと、ブラスの抜け具合が分かる。厚さは2.6mmである。この工場で使った最も厚い板だそうだ。途中でおかしくなって加工をやめた様子が分かる。部品の隙間をもう少しせまくしてくれれば、材料の節約になるのだが、次から次へと切るので、熱膨張の影響を考えるとこれぐらいになるのだそうだ。

 切りかすはもったいないのでフライスで削って平角棒材にする。どうしようもない部分は、叩き潰して鋳物の材料として取っておく。

What is this? 今回製作のこの部品は何であろうか。材料は2mmのステンレスである。



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2010年09月09日

続々 Mike Ross 氏を訪ねて

IMG_2198 全ての路盤の支え(Riser と言う)には、穴が開けられていて、電線が通してある。
 この電線をFeederという。日本語では饋電線(きでんせん)という。
Bus Wireという言い方もある。バスワイヤという発音である。バスという言葉の意味は「乗り合い」からきている。いくつもの細かく分かれた区間にまとめて給電しているという意味である。
 ところで、日本の現場では電車の高圧引通し線をブス・ケ−ブルという。おそらくドイツ語から来た音と英語が混じり合ったのであろう。家庭にもある配電盤の中の太い銅の棒状の給電板はブス・バーと言う。横でご婦人が聞いていると、差別用語として訴えられるかもしれない。

 レイルは鉄(鋼)であり、レイル・ジョイナでつないではあるが、電気接続は不完全である。したがって、全てのレイル一本ごとにフィーダを接続してあるのだ。要するに、力学的な接続はジョイナによるが、電気的な接続は期待していないということだ。この饋電線の断面積は2.6平方ミリであった。もっと太くても良い。筆者のレイアウトは、これほど大きくもないが、5.5平方ミリを用いてある。電気工事店のクズをもらってきて使った。買うと高いものであろう。

 この鉄レイルは電気抵抗が大きいという人が多いが、それは間違いである。洋白レイルより、よほど電気抵抗が少ない。また、ニッケル合金は例外なく電気抵抗が大きいので、本来はレイルの材料としては不向きな材質である。使うのならば、饋電線からの給電ポイントを極端に増やす必要がある。
 抵抗値の大まかな数字を挙げると、銀、銅は鉄の1/6、ブラスは鉄の2/3、洋白は鉄の20倍以上でニクロム線より電気抵抗が大きい。こんな材料をいつまで使い続けるのであろうか。
 以前にも述べたが、鉄レイルが錆びやすいというのは条件次第である。窓が無いエアコンの効いた部屋では鉄は錆びない。我が国でも、もっと鉄レイルを使用する人が増えると良いと思う。鉄タイヤとの組み合わせは牽引力の増大にもつながる。
IMG_2201 マイクはまだDCCに踏み切っていない。これについては皆に散々に言われている。「いずれ…」とは言っているが、まだその気配がない。乗り込んで行って、強制的にやるしかないだろうと思っている。
 DC方式では、交差部の配線がややこしい。この裏側の線は気が滅入るほど大変だ。

IMG_2203 このタンク車のウェザリングは素晴らしい。実物の写真をよく見て仕上げたそうである。
 走っているのを流し撮りした。

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2006年10月01日

もう一つのE8の前頭部

13da92d9.jpg これはJanの前頭部である。ホワイトメタル製で少々出来が悪い。どう見ても前面のガラス窓が細い。
 その他気になるところがあり、たちまちごみ箱行きになる運命である。 もっとも捨てるわけではなく、るつぼで融かしてウェイトになる。

 今まで手に入れたJanの製品の下回りは、すべてウェイトになってしまった。どのように贔屓目に見ても機関車の台車がホワイトメタルでは、満足な走りは期待できない。

 昨日のBob Smithのエッチングはあまり感心しないので、「この二人が手を組めばどうか」と提案したことがある。Bobは「オレに喧嘩を売る気か」と睨み付けた。
 Bobとは15年ほどお付き合いがあったが、5年ほど前に亡くなった。

 大量生産品に対して、ここで紹介しているような製品は一部の好事家が買って楽しんでいるわけである。ごく一部の熱狂的な支持者が満足すればそれでよいと言う立場で作っている。
 一からスクラッチビルドするのは大変だから、図面を書いて数字を割り付けるところまではしておいた。あとはお好きにやりなさい。ガタガタ文句をいうのなら買ってくれなくてもいいんだよ、という感じである。

 店で売っているわけでもなく、雑誌にたまに載る広告を見て予約する。手紙がきたら送金するというわけである。むしろ、あちこちで行われるスワップ・ミート(交換会)に行って買うのが安心だ。物好きは複数買って、数年後に手放す。人気商品は高くなるし、そうでないと安くなる。

 ネット・オークションはこのスワップ・ミートの代わりをしてくれている。便利な時代になったものだ。

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