鉄道模型のあり方

2017年04月26日

OSR May/June 2017

 最近号の O Scale Resource にLow-D の記事が載っている。毎号載せてくれるのは有難いが、少し頻度が高すぎる。編集者の要望に応えて原稿を送っておいたものだ。まだほかにも、いくつか送ってある。
 また、99%以上、書いたそのままが載っている。"to" を一箇所抜いたのと、複数形を2箇所直しただけだ。編集者は良く書けていると褒めてくれるのだが、こちらとしては今様の英語にして欲しい。筆者が英語を勉強して50年近く経ち、アメリカから帰ってもう25年以上経つのだから。
 
 外国人の書いた英語の雰囲気を味わって欲しいらしい。 アメリカ人の友達に聞くと、古風な言い回しがあるそうだが、違和感はないとは言っている。しかし、筆者自身は読み返すと少々気になるところがある。今はこう言わないような気がする、と感じるのだ。自分の書いた英語なのだから責任を持て、と言う人もいるだろうが、原稿をコンピュータ画面で見るのと、このような冊子風になったものを見るのとは、少々感じ方が違うのはやむを得ない。

 ステンレスの摩擦係数が小さいから、フランジ角を小さくでき、その結果線路の不整による脱線が起こりにくくなったことを強調した。Big Boyなどのセンティピード・テンダが脱線しやすいのは、これを使えば直ると書いておいたのだが、果たしてどの程度の人が興味を持つのだろう。

 滑走データも付けておいた。最後の写真は非常に多くのことを語ってくれる。これを見てフランジが触っていないということが明白になる。過去にいろんなことを言ってきた人がいるが、これを見せるとたちまち黙ってしまう。それほど雄弁 (eloquent) な写真である。動かぬ証拠である。
 フランジの接触による損失は大きい。先日RP25を付けた車輌が1輌発掘されたので、よく整備して滑走させた。車輪は溶剤スプレイでよく洗い、油気をなくした。線路も溶剤でよく拭き、油気を取った。
 下り坂を滑走させたが、カーヴの途中でキーッという音がして驚いた。フランジの音だ。フランジが擦れてそんな音を立てたのだ。ステンレスの摩擦係数が小さいとは言え、音がするようでは、とんでもない損失を生んでいる。

dda40x at 04:26コメント(0) この記事をクリップ!

2017年04月14日

続々々 radio controlled engine

H氏のWiFi制御 H氏から試作途中の写真が送られてきた。最近は006P型の蓄電池があるのだ。こんなに小さくてもかなり長時間走るようだ。

 制御部分の体積は小さく、補重が十分にできる。タイヤは鉄製であるから、牽引力は大きい。隠しヤードから1.9%の坂を、2輌で60輌引張り上げなければならない。計算すると、引張力はあるが、半径がやや小さい2600Rの曲線上であるから、抵抗が大きく、ぎりぎりだ。

 先日チラ見せの電気機関車は、付随車用のステンレス製Low-Dを使っているので、牽引力は少ない。軽編成専用であるから、それで十分なのである。

 ボディ・シェルが金属製であっても、短距離なら作動に問題はなさそうな雰囲気である。金属製の機関車とはいえども、窓もある。波長の1/10程度の窓なら通信は可能であろう。2.4GHzの波長は125mmであるから、O scaleの窓ならいけるだろう。電子レンジの波長を考えると、扉の窓のシールドの穴は相対的にかなり小さい。
 鉄道模型の場合はレイルにつながっている可能性があるので、それが有利になるのか、不利になるのかはわからない。

 今回はプラスティック製のボディ・シェルを付けての基礎実験であるから、順次ハードルを上げてみたい。

dda40x at 04:14コメント(0) この記事をクリップ!

2017年04月12日

続々 radio controlled engine

 集電は、特定の場所で集電する方法と、走行レイルから取る方法がある。
 前者は簡単な話だ。床下に突起をつけ、レイル間の給電端子に接触させれば良い。許される停車位置の範囲を長くするには給電端子をレイル方向に延ばす必要がある。
 後者の場合は、DC運転とDCC運転の双方に対応するような整流および電圧調整装置が必要であるが、現代の電子工学では極めて簡単なことであろう。 
 非接触の給電方法もあるが、効率が悪そうだ。これは50年前に「子供の科学」の記事を基にやってみたことがある。当時の実験は商用周波数だったので、効率が悪いのは当然だ。周波数を上げると様々な問題が起こるだろう。最近の電話機の充電は非接触が多くなってきた。研究してみる価値がある。

 アメリカでは無線制御方式をいろいろなメーカが出している。屋外のレイアウトが多いという証左である。最初は”Dead Rail"という言葉を使っていた。要するに錆びて集電が不能な線路に対応するという意味だ。最近はあまり言わなくなった。
 筆者も受信機を買ったのだが、うっかりして送信機を買うのを忘れた。送信機は手元にある別のもので良いと思っていたのだが、指定のものが必要であった。

 博物館のレイアウトでこの方式を採用するが、それはDC, DCCをまたぐ入替え用である。すべての電源を落としておいて、渡り線を通らせる。いろんな方法を考えたがこれが一番楽である。長い列車を牽く可能性があるので、重連で対応する。そのつもりでGP7、2輌を用意した。2輌の機関車の引上げ線も作った。そこで充電するつもりだから、接触方式でもよいだろう。下からだと車輛限界以下に下がる可能性があるので、側面からの方が問題が少ないかもしれない。あるいは給砂装置のホースを模したもので、上からぶら下げても良いかもしれない。 

 40年以上前だが、この機関車が入替え用に働いているのを見ていた。それが再現されることになる。当時、既にこの機関車は旧型に属し、本線を走ることが無かった。ヤードと、工場や倉庫の間を縫う専用線だけを走っていた。問題は音声である。エンジン音、ホーン、ベル音をどう出すかだ。限られた範囲だけなら、線路の下に付けたスピーカで用が足りる。と言っても10mほどを動く。観客もいるので、それほどおかしな感じがしないようにせねばならないから、これはなかなか難しい。ホーンだけは擬音発生装置がある。

 本物を見た人は、ディーゼルエンジンの重低音に驚く。腹の皮が共振してぶるぶると動くあの感じが欲しい。低音は指向性がないので巨大スピーカを線路下に置くというアイデアは古くからあるが、日本でやっている人はあるのだろうか。 アメリカのショウでは見たことがある。

dda40x at 04:12コメント(4) この記事をクリップ!

2017年04月08日

radio controlled engine

 これからの鉄道模型はどうなるかということについて、アメリカでは論議がなされている。結論を言うと、ラジコン化である。電源を自分で持ち、無線で直接制御する。

 鉄道模型はレイルが2本あるので、集電しなければならないという強迫観念がある。電池の性能が良くなってきたので、機関車内に積める程度の大きさでも十分持つ。走りながら集電して充電することもできるだろう。あるいは特定の場所に停車すれば充電できるようにしてもよい。

 こうなってくると機関車の効率改善はとても大切である。起動に何アンペアも喰うような機関車では、すぐ電池が消耗する。筆者の機関車はすべて、単機なら起動電流が 50 mA 程度である。フルスリップでも0.6 Aほどである。おそらく一回の充電で数時間走るであろう。

GP9 plastic shellGP9 mechanism 友人のH氏が、WiFiによるコントロールを試験中である。Oスケールの機関車を貸してくれと、依頼があった。条件としてはボディがプラスティック製であることだ。筆者のところにはプラスティック製の機関車は1輌もない。あわててプラスティック製キットを組んでボディ・シェルを作った。下廻りは伝統的なブラス製である。チェーン・ドライヴにして、強力コアレス・モータを搭載した。

 金属製下廻りに、プラスティック製のボディ・シェルをきちんと取り付けるのは意外と難しい。 

dda40x at 04:08コメント(10) この記事をクリップ!

2017年04月02日

一区切り

unique user このひと月のアクセス数を表すグラフを見て、あまりにも平坦で、驚いた。こんなことはめったにない。確かに、今月はあまりセンセイショナルな話題がなかった。淡々と、祖父江氏の記事と、競作の記事を並べただけだからだ。
 隔日更新なので、その波がひたひたと感じられる。途中5日に更新設定を誤って、6日に更新しているのが唯一のイレギュラな点で、如実に表れている。あとは平凡そのものである。このグラフはUUを示している。この原稿を書いているのが22時なのでまだ少し増える筈で、規則的な波であることは間違いない。お読みになる方が固定化しているということだろう。
 このひと月で一番アクセス数が多かったのは例の仮定法の話題だ。グーグルで検索して来られた方が多いが、集中しているわけではないので、グラフからは読み取りにくい。その方たちは模型の範疇外の方であろう。いくつかコメントを戴いたが、ここに載せるほどのこともないので直接ご返事差しあげた。親しい英語の教師に聞くと、やはりそのあたりの実力が怪しい教師が多いそうだ。要するに会話ができない人が多いのだ。会話の中には仮定法はいくらでも使われている。

 もしここに話題を呼ぶような記事を出すと、いっぺんに山の高さが数倍になる。実は、今月はいろいろな点で忙しく、あまり熱心に記事を書いていない。というよりも書く暇がなかったのだ。
 定年のある仕事ではなかったのだが、一応仕事をすべて辞めることにした。その節目に本を出さねばならなかった。校正その他がどっさり来て忙殺されたが、ようやく出版された。引き続き、町内会長と連合会長を引き受けているので、年度末は眼が廻るほど忙しかったのだ。実際に過労で少し休んでいた。

 博物館レイアウトに掛ける時間はいつもの半分以下である。しかし、家でもできる作業をかなりした。もうないと思っていたブラス貨車の組み掛けが、書斎の書庫からどさっと出てきて、それをかなり完成させた。今月は10輌近く作った。最近作業の速度がかなり速くなったのを感じる。この1週間で5輌作った。博物館に行けない日は、工作に充てる時間が長い。貨車であるから、少々荒っぽい作りだ。ハンダは削ってない。鏝を上向きに使って吸い取る程度だ。それで十分である。ハンダは200 gほど使った。スズを足して共晶にして使っている。ハンダはあと数kgある。

 石炭ホッパをたくさん作った。安達製作所から側面の板をもらったのをベースに、ごく適当に板とアングルを組合せて作る。本物の図面を見て補強を入れるので、製品より多少出来が良くなる。このサイズのアングルは売るほど持っていたが、ほとんど使い尽くした。 

dda40x at 04:02コメント(0) この記事をクリップ!

2017年01月06日

続 Lionel

115_5130115_5131 蒸気機関車はspur gear drive(平歯車駆動)である。直捲電動機であり、ギヤ比は12:1程度であるが、簡単に逆駆動できる。すなわち、子供が機関車を手で押すとモータが廻る。永久磁石のない直捲電動機ならでは、である。モータ軸は枕木方向であって、歯車は二段になっている。残念ながら、発電はできない。全軸ギヤ駆動だからロッドは飾りであるが、エキセントリック・ロッドも加減リンクも動く。子供たちはその動きに魅せられる。

115_5132 直捲電動機は起動トルクが大きい。電圧を上げていくと、じわっと動き、電圧を変化させなくてもそのまま加速していく。伊藤 剛氏が、「オートマティック・トランスミッションのようなものですから。」と仰ったが、全くその通りである。 3極モータで、コミュテータは3等分の円盤である。円筒状のものに比べて、円周が大きいから摩擦の点で損なのだが、後述のブラシ取換えのことを考えた構造であろう。

 モータ軸は機関車を裏返せば軸端が見えているから、簡単に給油できる。ブラシもその横に見えているから、押えのヒゲバネを横にずらせばすぐ外れる。交換部品はいつまでも供給されているから、半永久的に使える。
  
 先従輪は、左右に自由に動き、急カーヴの上では極端に飛び出す。

 電流値は最大5 Ampほどである。フィーダ線を手で軽く押さえて出発させたところ、接触抵抗が大きかったのだろう、熱くなって驚いた。50年ぶりの経験だった。


dda40x at 01:06コメント(3) この記事をクリップ!

2017年01月04日

Lionel

 Lionelはすでに100年を越す歴史を持つ会社で、経営自体はすでに創業者から離れているが、製品はポリシィを守って脈々と作られ続けている。精密な模型がいくらでもある中で、汽車のおもちゃとしてその哲学は一貫している。

 アメリカでライオネルと言えば、その浸透度は他を寄せ付けない。お付き合いしていた範囲では、10軒に1軒は持っているような気がした。クリスマスには引っ張り出して走らせるようだ。 
 古くても、油を注せばちゃんと動く。減りそうなところは硬い材料を使っているので、いくら走らせてもほとんど摩耗しない。注油の指示も正確に描いた図が添付されているから、簡単である。

 線路は昔ながらのtubelar rail (いわゆるガラレイルで、内部が中空)もあるが、徐々にプラスティックの路盤になりつつある。中央三線式で、確実な集電が可能である。昔のレイルはレイル内部の針金状の「爪」の向きが決まっているので、いわゆるSカーヴを作るためには両方に爪があるものが必要であった。また両方の爪がないものも必要であることは言うまでもない。

115_5133115_5135 最近のプラスティック路盤は、接続部の接点が逆接続もできるようになっていて、その点は大した進歩である。要するに接続面では接点が点対称に配置されているのだ(これはMTH製)。
 走行レイルは独立していて、電気的にはつながっていないので、どちらも給電しておくと、電気抵抗が減る。電流は大きく、5Aほど喰うものもあるので、少し離れると電圧降下がある。それも理科教育には大切なことかもしれない。

Lionel チューブラ・レイルの時は車輪と二点接触だったが、普通のレイルではほぼ1点接触と言える。これは今まで気が付かなかった。被牽引車はすべてピヴォット軸受で、極めて軽く動く。半径400mm程度の急カーヴをしゅるしゅると走る。大したものである。 

dda40x at 01:04コメント(0) この記事をクリップ!

2017年01月02日

謹賀新年

rainbow 大変きれいな虹が出た。晴天だったが、風が強く、山の向こうの雲から雨粒が飛んできたのだ。空に掛かる部分が100%見える虹は珍しい。よく見ると左上に二重の虹がある。
 虹が虫偏なのは興味深い。虫は爬虫類の「虫」で、トカゲすなわち「龍」を指す。「工」は橋を架けることである。要するに龍が空を渡って橋のようになることを指すのだ。

 博物館は徐々に完成に近づいている。あと転車台付近と信号機の工事を完成させれば、一応の工事は終わる。四月の開館を目指している。

Lionel 正月は孫と甥の子供たちが来るので、何か用意せねばならない。今年はLionelの線路を敷き、貨物列車1編成を用意した。
 O27という急曲線で、嫌がるかと思ったが、子供たちはよく遊んだ。機関車はライオネルの純正品でない Williams の6軸ディーゼルを走らせた。この機関車は不評であった。ウォームギヤが1条で、押しても動かないからだ。
 子供たちは手で押して走らないものは嫌がる。貨車はピヴォット軸受付きで、実によく転がる。急曲線でもくるくると惰性で廻る。左右は別回転ではない。レイルは洋白製の普通のレイルの形をしていて、いわゆるチューブラ・レイルではない。車輪は円錐面二つで構成された荒っぽい作りだ。曲線では多少は抵抗が増えるが、それほどひどいものではない。フランジが触っていないからだろう。 要するに一点接触に近いのだ。

dda40x at 01:02コメント(1) この記事をクリップ!

2016年11月21日

レイアウト見学

 突然レイアウト見学に誘われ、同行した。DCCのレイアウトは珍しい。Digitraxが4,5台並んでいた。

 個人のプライバシィに触れない程度しか書けないが、ある会社経営者が、自社の鉄骨ビル3階に40坪ほどのHOレイアウトを作った。既製品の線路、レイアウト用品を用いて作った、かなり大規模なものだ。3階は最上階で、夏は屋根が焼けて、かなり暑いようだ。
 その方は3年ほど前に亡くなり、設備を作った方を中心に今まで維持されてきた。それを名古屋模型鉄道クラブにお任せ出来ないかというお話であった。現持ち主は お子さんである。あと二年くらいは全く予定はない。そのあとはどうなるかわからない、ということだ。写真も撮ったが、掲載は控える。

 エアコンはあっても、夏の暑さはかなりのものだそうだ。筆者の感想は、プラスティック製品が多用されているので、窓からの光で劣化が進むであろうと感じた。まず窓をふさぐことを考えなければならない。
 また天井からの埃もかなり多そうだ。レイアウトの基盤面が床面から700mm程度で、台枠が合板の下にあるので、下をくぐれず、橋を掛けてその上を人が通るようになっている。天井に頭が付くので、さらに埃が落ちそうだ。全体のかさ上げをすべきだ。台枠をその部分だけ上に付ければ、下をくぐることも可能であったろう。要するに、デッキ・ガーダ方式になっているが、スルー・ガーダ方式にしておけばよかったのではないかということである。
 
 この話がどのような方向に落ち着くのかはわからないが、この種の話はこれから多くなることが予想される。先回扱ったクラブレイアウトの話も含めて、考えたい。
 理想的な話をすれば、法人化して理事長を指名するのがほとんど唯一の解だ。個人所有では、どうなるかわからない。将来の方針が決まらなければ、存続の方針も決まらない。はたして、この日本には法人化された模型レイアウトがいくつあるのだろう。

dda40x at 11:21コメント(0) この記事をクリップ!

2016年11月17日

コメント

 また長文のコメントが送られてきた。
 前回は名乗られているので載せたが、今回は匿名で、しかも連絡先にメイルを送っても返答がないので掲載を見送る。
 よほどウォームギヤがお嫌いな方のようだ。かなり過激な文章である。模型とおもちゃの違いが、お分かりでないように思った。
 
 既存のウォームギヤと、筆者の実用化したものとは、根本的に性能が異なる。先日も友人にギヤボックスだけを見せたところ、しばらく触っていたが、
「これはいったいどういう風になっているのだ。ウォームだと言っているが、本当は違うのだろう?」
と聞く。
 ばらして中を見せると、言葉を失う。
「信じられない。教科書に載っているウォームとは違うね。」と言う。
 もちろん同じものなのだが、あまりにも動きが滑らかで、全くひっからずに逆駆動ができる。彼はギヤ比を数えていたが、 
「ウーン、参った。」
と言った。

 彼は工学のエキスパートだ。しかしこれは盲点だったようだ。米軍が使用していた6輪トラックにはウォーム・ドライヴがある。伊藤剛氏が設計した名古屋市電にはウォームギヤが使われていた。どちらもかなりの高効率だ。何よりも静粛であるのが良い。
 蒸気機関車の駆動には最適だ。2台の機関車を同一線路に置き、一方を押すと、もう片方が動く動画を撮ってYoutube にupしたい。筆者の機関車はすでにほとんどがDCC化されているのでそれはやや困難な状態だが、やる価値がありそうだ。
 それを見れば、この種のコメントは来なくなるだろう。

dda40x at 11:17コメント(1) この記事をクリップ!

2016年11月07日

Rail Craft の貨車キット

 最近はレイアウトの工事を数時間して、気分転換に短時間車輛を触ることにしている。その方が体力的にも具合が良いことが分かった。このキットはシカゴから来たものだ。前から探していたもので、構成に興味があった。

Railcraft panel side hopper Rail Craft はミズーリ州の製造者で、1940年代に様々な貨車のキットを出していた。ホッパは何種類もあった。そのうちのパネル・サイドというヴァージョンである。ホッパの縁部は寸法が決められていたようで、その下の部分を細工して、容量を増やしていた。骨の外に外被を付けるのは先日お見せした。これは外に持ち出したパネルを付けている。加工硬化で薄板でも頑丈になるのだろう。 

 全体は、工場でジグにかぶせて組んだようだ。直角も出ている。ハンダ付けはアメリカ人にしてはうまい。ジグから外して、内側はあとから付けてある。すべての要所に隙間なくハンダが流れている。購入者は縦のリブとかデッキ部の造作、梯子などを付けるわけだ。結構面倒な仕事もあり、自分で作ったという満足感もかなり得られるようになっている。

 写真は途中の様子である。縦のリブは安達製作所の部品と取り替えようと思ったが、オリジナルを生かしている。これを見ると、安達製作所の構成は明らかにレイルクラフトの模倣だ。安達製作所製のほうが細密感があるが、オリジナルには素晴らしいところもある。

 ホッパ縁部の部材が、チャンネルである。安達製はアングルだ。やろうと思えば真似できたのに、どうしてしなかったのだろう。細いアングル等はブリキ製である。錆びやすいが硬いので、細くできる。その辺の見極めは良い。連結器座のあたりは薄くて良くない。やはり切り取って、厚板を張り、対衝突性能を上げる。台車の心皿はブロックを削って嵌めた。完全にハンダを流して固着させる。すべての工作が終わってから、ドリルで穴を開け、タップを立てる。

 多少手間をかけて、当社仕様となる。連結するとカツンと剛性のある音がする。 

dda40x at 11:07コメント(0) この記事をクリップ!

2016年10月10日

所属クラブの公開日

O scale NMRC 9日は、所属する名古屋模型鉄道クラブの公開日であった。名古屋市立科学館の地下ホールで、例の仮設テーブルの上で線路を組み立て、公開運転をした。
 段ボールの箱を沢山組立て、合板を載せてテープで継ぎ目を押さえる。上に人が乗っても大丈夫だ。

 O,OJの島、HO,Nの島、DCCの島と三つに分かれて設営した。見ていてはっきりわかるのはDCCのグループの設営完了までの時間が極端に短いことだ。スナップ・トラックを使っていて、パチパチと組めばすぐ運転できる。
 山本真一氏によるZ21に依る運転で、スマホを使ったワイヤレス操作である。ポイント切り替えはiPad上の画面をタッチして行う。すべてワイヤレスで接続の面倒がない。固定レイアウトではないので、そのメリットは素晴らしく大きい。
 山本氏はスマホの中古を多数手に入れられて、それで車輛をコントロ−ルし、さらにipadによる分岐切り替え指令および表示を実現されている。素晴らしく調子が良く、初めて見る子供でも直ちに操作法を習得する。
 博物館の新レイアウトにも採用予定である。

 模型誌上でのDCCの記事が少ない。下らないと言っては失礼だが、姿形だけの模型記事ばかりだ。走らせていない人が多いということだ。
 山本氏の機関車は、どれも素晴らしく良く走る。動輪の心がよく出ているのだ。当たり前のことではあるが、実際にはそのような機関車は少ない。精度の高い旋盤加工の腕をお持ちなのである。

 O,OJグループは入り口に近いところで走らせている。
「どこで売っているのだ」
という質問が多い。
「すべて自作ですよ」
と言うと、皆驚く。

cars from Harmon 筆者は塗り立ての貨車を3輌持っていった。このFriscoのヘラルドは興味深いらしい。
バットマンと関係があるかという質問が多かったが、そのはるか昔から使われている。
 アライグマの皮を張った様子を表しているのだ。日本では理解する人はまず居ないが、アメリカでは子供でも分かる形のようだ。  

dda40x at 10:10コメント(3) この記事をクリップ!

2016年09月30日

クラブ・レイアウト

この合運の参加者が毎年減っている。参加者で、年金受給者でない人が、何人いるのだろう。おそらく、両手で足りるとのことだ。
 鉄道模型は年寄りの遊びになったようだ。若い人もいるのだが、それはNゲージがほとんどで、車輛工作をする人は少ない。HO以上の模型はいずれ、日本では絶滅してしまう、と心配する人が多い。

 この合運も、会場の床にシートを敷くことから始まり、机の搬入、線路の組み立てをする。撤収時にはその逆をやるわけだ。年寄りにはつらくなる。クラブ所有の固定されたレイアウトが欲しい。

 筆者のブログをご覧になっている方が、
「クラブレイアウトが必要だ。」
という話をされた。筆者も同じことを考えていた。自宅から、山を越えて一般国道を通って現地に行ったのだが、途中で見た、山あいにある廃業したホテルなどはなかなかの好物件だと思う。 駐車場はかなりあるし、交通の便もかなり良い。価格はおそらく1000万円も行かないだろう。
 鉄骨作りであれば、内部をぶち抜いて大広間ができる。
 最近は法人の作り方はいろいろあるので、法人の所有として登記すれば、相続問題からは切り離される。
 
 不動産を持つということは、十分な大きさの固定レイアウトが出来るということだ。このようなクラブが大都市の郊外にいくつかできない限り、この国の鉄道模型の未来は真っ暗だと考える。筆者の例を参考にして戴きたい。田舎の土地は安いのだ。
 諸外国の例を見れば、クラブ・レイアウトは当然のように存在する。 

dda40x at 09:30コメント(2) この記事をクリップ!

2016年09月28日

続 関西合運

 筆者の属するJORC関西には様々なお客様がいらしたが、
「ブログをいつも拝見してますよ。」
と仰る方が多く、驚いた。

 ガーダー橋を持って行ったが、意外と人気があり、皆さんが手に持って、その重さと構成を吟味された。意外なのは支承が人気であったことだ。可動する支承は初めて見たという方が多い。
 ダイキャスト部分はかなり欠陥があり、パテで埋めなければならないことを指摘されている。塗装するので全く問題ないであろう。
 トラス橋の図面も持って行った。その規模、精緻な設計には賞賛を戴いた。レーザによる加工手段がなければ、とてもできる代物ではない。
 ブレイスが同位相あるいは逆位相の件については、構造の専門家がいらして、実例を示して話をしてくださった。災害時に橋台の半分が無くなったりした時には、逆位相のほうが落橋せず、生き残る率が高いらしい。
 ピッツバーグ市内の同位相の例の話は面白いとのことであった。

 持って行った貨車は少なかったが、手で押すと、するするとどこまでも滑走するのが面白く、何度も実演した。
「今までの鉄道模型の概念を崩しましたね。」と言われた方があった。
「いやそうではなくて、鉄道というものは、もともとそういうものなのです。模型がその特性を再現するように方向づけられなかったのが間違っていたと思います。」
と答えると、
「全くその通りですね。潤滑というものすら抜けている車輛がありますからね。」

 軸受からキーキーと音を出して走る車輛は少なくない。

dda40x at 09:28コメント(0) この記事をクリップ!

2016年09月26日

関西合運

 ベルの内側の色については、たくさんのコメント、メイルを戴いている。正直なところ、筆者にはお答えできる知識はない。赤は目立つという意見もあるが、振れないベル(固定されて、内部で打ち金が動くもの)もあり、赤である積極的理由とも思えない。 
 日本も銅は戦前は輸出をしていたし、 戦争がはじまると、薬莢製造に多量に必要なので、諸国が輸出を制限したことが大きい。当時はアメリカ西部の銅山はまだまだ未開発の部分があった。

 さて、週末には関西合運に行った。長雨で塗装ができず、生地完成まで持って行った貨車20輌が完成しなかった。せっかく、塗装の工程表を作り、デカールの数も確認したのに、である。かれこれ10年ほども掛けたプロジェクトだったので、少々残念であった。

 仕方がないので、DCCのディーゼル電気機関車と、持ち運びが楽なプラスティック製貨車4輌だけを持って行った。ご覧になった方は、DCCの重厚感ある走りに、感銘を受けられたようだ。機関車がとても重そうに見える動きをする。Momentum(動いていると止まらない) のある動きだ。牽引力は十分あり、連結器を押さえて止めようとするが、かなりの力があるので、皆さん驚かれた。超低速も可能だ。
「『3条ウォームは力がない』ということを言う人がいるが、ありゃ嘘だね。」 
 ホイッスルを鳴らしてエンジン音が高まり、警告ライトを点滅させながら走ると、観客は陶酔状態だ。

 貨車には間に合わせのウェイトを入れていった。例の使えない曲がったゴム板を切って入れていったのだ。固定しなくても具合よく納まる。また、運搬中に中で踊っても、被害はない。 ゴム板を持ってみての感想は、
「意外に重いものだね。」
ということである。 

dda40x at 09:26コメント(0) この記事をクリップ!

2016年07月03日

Walker氏のこと その6

baggage Walker氏はライオネルをたくさん持っていたらしい。剛氏たちはそれを見せて貰って、内部を考察し、TMSなどに解説記事をたくさん書いている。 
 井上豊氏は汽笛の構造に興味を持ち、その中に針金を突っ込んで内部の様子を調べ、その通りに再現したものを作った。ちゃんと本物と同様の音がしたそうだ。そのあたりの様子は、「高級モデルノート」などに再録記事が載っている。

coachcoach interior いかんせん、ライオネルはおもちゃであり、模型ではない。伊藤 剛氏率いる名古屋模型鉄道クラブは模型を作っていた。より精密で、実感的なものだ。
 その点、Walker氏も同様で、スケールモデルの美しさには敵わないことを認めていた。だからこそ、このプロジェクトで鉄道模型が賄賂として機能したのだ。

 伊藤 剛氏からこのアルバムを譲られたとき、
「あなたのブログで紹介して下さい。ただし私たちがみんなこの世に居なくなってからにしてくださいよ。なんと言っても賄賂であることは否定できないですからね。私たちは胸を張ってこれを見せられるかと言うと、決してそうではないのですよ。」
と仰った。

 賄賂としての鉄道模型は絶大なる効果を発揮し、それらを作ってくれる人たちがいる工場には、決して無理難題を言わなかったそうだ。

 その製作に関して得た知識は、その後模型製作に大いに貢献した。私たちもその恩恵を受けていることになる。

dda40x at 07:03コメント(0) この記事をクリップ!

2016年05月04日

ハンダ付けのテクニック

 ハンダの見えないブラス車輛について書いたところ、複数の方から質問があったので、説明させて戴く。
 大阪の某有名模型店の店先にそれは飾られていたが、全くハンダの色が見えなかった。同行した友人が、妙に感動していたので意見を聞くと、「あのテクニックはそう簡単には習得できない。大したもんだ。」という話だった。

 筆者は、「壊れやすいから感心しない。」と言うと意外そうな顔をした。
「どうして壊れると思うんだい?」
「だってさ、ハンドレイルなんかは折り曲げてチョイ付けなんだと思うよ。持ったら撓んで、ハンダが緩むよ。」

 友人は意外そうな顔をした。「持つ時、そんなに力を入れないよ。」
「でもね、何度か持つと壊れるよ。」
「じゃ、あれは静態保存ということなのか。」
「たぶんそうだと思うよ。」

soldering おそらく、断面はこうなっている(A)。こうしないとハンダの色が見えてしまう。Bのようにすれば、ちらりとハンダが見えるが、丈夫である。そう簡単には壊れはしない。この方法が正しいはずである。ハンダが見えるのを嫌がるというのは、筆者には理解しがたい心理である。Aでは、ハンドレイルの上を持てば、ハンダが剥がれる方向に力が掛かる。

 筆者はOゲ―ジを楽しんでいるので、重い車輛を持つとき、いつも細心の注意を払う。ハンドレイルが剥がれると腹が立つ。祖父江氏のところからの模型はすべてBの方式を採用している。線材は良いが、板を付ける時は、隙間に閉じ込められたフラックスが洗いにくい。全面ハンダ付けをしていれば、歯ブラシでひとなでするだけで完了であるが、チョイ付けでは洗いにくところもあるだろう。
 

dda40x at 05:04コメント(0) この記事をクリップ!

2016年03月02日

すっぱい葡萄

 コメントを戴いた中に、非常に興味深い一文があった。
「酸っぱい葡萄だと思うことで自分を慰めてしまう」とある。これは言い得て妙だ。

 イソップ童話にある文章を心理学者が引用した文章を取ったものだ。
 高い枝にたわわに実った葡萄を見つけた狐が、飛び上がってみても全く届かない。何度やっても出来ないので、「フン、あんな葡萄はどうせ酸っぱいのさ。僕はいらないよ。」と捨て台詞を残して狐は去るというお話だ。
 
 実はこれとよく似た経験がある。ある会場で3条ウォームの機関車が40輌ほどの貨物列車を軽々と牽いた。「すごいね。」と車輪を褒めてくれる人があり、その車輪をたくさん購入された。
 そうしたら、「あんなものは要らない。無駄だ。あそこまでやる必要はない。」 と言っているのが、どこかから聞こえてきた。

 その人は電車屋さんで、貨物列車には無縁の人だ。Low-D車輪は要らないのかもしれない。でも取り換えれば静かになるのだから、それはそれで価値がある筈なのだが、その意味を見出さないのだろう。ジャーという音を出して電車は走っていた。 

 趣味の世界では、人それぞれが持っている目標がある。筆者は、「走行性能を極限まで上げたい。本物のように走る模型が欲しい。」それだけである。何をすべきかを高校生の時から考えている。何十年か掛けて、一応やるべきことはすべてやってみた。できるはずだけどやらない、というのは嫌いだ。全部やってみた。
 その経験の中で、これはやっても無駄、金と暇を掛ける価値がない。しかしこの方法は何が何でもやるべきだ、という取捨選択ができて現在につながっている。 

 関節式蒸気機関車にはモータを2台取付けるというのは、不可欠なことだ。1台では、運転の面白みに欠ける。しかし、「そんなもったいないことをするとは・・・」というご意見もある。 

 車輪のフィレットを大きくするというのも不可欠なことである。これをやらないとたくさん牽けない。これは実験で確かめられている。しかし専門家の人は、ありとあらゆるチャンスをとらえて、理論的に間違っていると決め付けている。
 その人は本当に専門家なのだろうか。120輌の本物の貨物列車を急曲線で走らせている専門家なのだろうか。もしそうであるならご意見を傾聴したいが、とてもそうとは思えない。これも葡萄の話を思い出してしまう。 


dda40x at 03:02コメント(0) この記事をクリップ!

2016年02月23日

UP FEF3

Mighty 800 順に様々な機関車を走らせて様子を見ている。
 これはUPの4-8-4の最終型で、Tom Harveyが "flying machine"と言った高性能機関車である。16輌編成(1000 ton)の列車を単機で牽き、ディーゼルの牽く列車に勝つことができた機関車だ。5000馬力以上を連続して出すことができる機関車は、他に極めて少数しかない。しかも航続距離が長いという点では、この機関車は抜きん出ていた。

 Tom からいろいろな話を聞くうちに、この機関車が欲しくなった。祖父江氏が作ってアメリカに輸出したカツミ製の機関車を2輌、手に入れたのだが、走らせてみると出力に不足を感じた。音も大きく、電流は4 Aも喰う。
 効率計算ができた3条ウォームを取付け、モータはエスキャップの大出力コアレスモータを使うことで、どのような設定ができるか試算してみた。この機関車は性能を事前に策定した機関車であって、考えられる最高の性能を発揮するように作られた。そういう意味では、おそらく世界で唯一の模型機関車である。 効率は50%を超えている。とれいん誌の123号に詳しい記事がある。
 その他の機関車は、この成功を受け、大体この辺りでよかろうという設計である。すなわち限界までの性能は期待していないが、それで十分なのである。

 プルマンの10輌編成を牽いて1.56%の坂を駆け上がらせる。それをご覧になった方は、どなたも「おおっ」と声を出される。重い列車を軽々と牽いて、新幹線並みの加速が可能である。最高速は200 km/hは出る。効率が50%を超えると、信じられないほど動きが軽やかである。残念ながら、すでにDCC化されているので、効率計算はできにくい状況だ。
 DCの時代には、2輌を同一線路に置いて片方を押すと、発電してもう一方が走った。

 模型の機関車は、動輪径が大きいほど効率が良い。回転数が少ないからだ。回転が多いと、様々な摩擦が付随して起こり、損である。そういう意味でも、ギヤ比が大きな機関車は概して低効率である。効率を上げるには、低回転で大トルクのモータを採用することである。

 先回、PRRのQ2の効率が意外に低くて不思議だったが、その謎が解けた。おマヌケなことに、客車の車内燈や前照燈の電流を差引くのを忘れていた。補正後の計算では、ちゃんと40%台をマークしていた。

dda40x at 02:23コメント(2) この記事をクリップ!

2016年02月15日

視察団の来訪

KKC Commission 2月11日にKKCの代表の今野氏をはじめとする8人からなる視察団が来訪された。この集団は、おそらく日本で最もスクラッチビルディングの腕のある方たちによって構成されている。機械工作の達人ばかりだ。筆者もその末席を涜している。
 かねてより、「開通したらみんなで行きたい」ということで、年末の開通直後に連絡を差し上げた。

 各会員とも、Oスケールの本格的なレイアウトは見たことがないということだったので、ドアを開けて中に入った瞬間の反応に興味があった。どなたも、「おお」とか「わあ」という声を出された。
 まずは主要機関車に牽かれる貨物列車と旅客列車を走らせ、次にSL-1によるサウンド実演を行った。音が大きくて、迫力がある。関節型機関車の前後のエンジンの位相が、スリップで少しずつ、ずれて行く。音が変化するのが面白い。登り坂では速度が落ちるので、カットオフを遅らせ、下りでは逆転器を引き上げた様子を再現した。

 一段落して、博物館の収蔵品を順にお見せするツアを行った。伊藤剛氏の作品には皆興味がおありで、一巡りには時間が掛かった。その後一休みして、今野監督によるビデオ撮影を行った。複線であるから、追い越し追い抜きで素晴らしい動画を撮ることに成功した。
 Youtubeにupされたので、それをご覧戴きたい。

 始めの方に、高架線上を行く貨物列車が写るが、それは今追い掛けている列車の先頭近くの部分である。ループを一周して230 mm持ち上がっているのだ。
 

 撮影後、機関車交換のために約10 m後退させた。ほとんどが平坦線に掛かっていたので負荷は小さく、全く脱線はなかった。それが意外だったらしく、「脱線しないな」という声が聞こえた。脱線しないのである。 

追記
 より鮮明な動画がUPされたので、上記のリンクを更新した。ぜひご覧戴きたい。 


dda40x at 02:15コメント(7) この記事をクリップ!

2016年02月11日

dead rail wireless decoder

 しばらくレイアウト方面の仕事しかしなかったので、車輛工作、DCC工作からは遠ざかっていた。レイアウトの本線が開通したので、自宅から様々な車輛を持っていき、DCC運転をしている。DCとの共用(厳密には共用ではなく、選択式)区間の運用を考えると、すべての電源を落とした状態での入替え作業をする必要がありうる。電池駆動でwireless方式の運転をしたい。

 室内飛行機用の軽量ラジコンを使うと良いと教えてくれた友人がいる。他に、携帯電話から駆動するWifi方式の試作をしていた別の友人から完成したとの知らせがあった。そのことをアメリカの友人に知らせたら、
「これを知らないのか?」と聞かれた。

244386222 それはwireless のDCCを使って、機関車に指令を出す装置であった。安くて驚いた。これは売れているだろう。小さな素子にアンテナも付いている。ライトの点滅だけでなく、様々な点灯の仕方を選べる。普通のDCCと同じで、これは便利だ。
 サウンドが付いていないが、それは別の工夫で可能だ。とりあえず一つ手に入れて、機関車に入れてみよう。プラスティック ボディのGP9があるから、それを入替用にしようと思っている。

 このデコーダの名前は、”dead rail”という言葉を付けている。文字通り死んだ線路で、導通が悪かったりして、DCCのコントロールが効かないところで役に立つ。許容電流は1.3 A だが、大型機でも効率が良いのでフルスリップでもその程度以下だ。大丈夫だろう。

 これを教えてくれた友人は、
「線路がなくても走るから、落っことすなよ。」と言った。有難い忠告だ。レイルを検知する、何かの安全装置を付ける必要があるかもしれない。しかし、良く考えてみればそのレイルとの導通が悪くても作動するのだから、あまり賢い方法ではない。

 この種の方式には他にいくつかの会社が出している。微妙に差があるが、電池式であることは一緒だ。 

dda40x at 02:11コメント(4) この記事をクリップ!

2016年02月03日

条件設定

設計というものは条件設定である」ということに気付いたのは30年ほど前である。いかなることにも対処するなどということはできはしない。
「この目的にはこれで大丈夫だ。」という見極めが大切なのである。先頃、「模型的には・・・」という話が出たが、その話は設計時の条件設定が間違っている例、ということに他ならない。

  フランジ付きのボールベアリングを軸箱内側に貼り付けたとしても、運転会で数周するぐらいでは壊れないだろう。しかし、運搬ということを考慮していない。あるいは線路に載せる時、さらには脱線時の衝撃も考慮していない。衝撃力は大きい。その瞬間に壊れるかもしれないということが全く考慮されていない。

 筆者には苦い体験がある。比較的大きなフライホィールを付けたディーゼル電気機関車がある。たまたま使ったモータのロータリィ・エンコーダ部分を壊して外すと両軸になるので、その部分にフライホィールを付けたのだ。片持ちである。
 自宅のレイアウトでは実によく走った。ところが、それをクラブのレイアウトに持って行って箱を積んでおいたのだ。誰かがそれを移動させたとき、たったの15 cmほどであるが片手が滑って落としたのだ。箱の中だし、十分な緩衝材が詰められているので問題ないと思ったのだが、走らせてみるとフライホィールが偏心して悲惨な走行であった。

 これは設計の条件設定が間違っていた典型的な例である。運搬時にはそういうことはありうる。スーツケースに入れて飛行機で運ぶことがあれば、そんなことは当然ある。質量があるものを落としたり、脱線させたりすれば思わぬ大きな力が掛かって破損することは十分に考えられるのだ。

 それ以降、筆者は片持ちの支持はしないことにしている。フライホィールは必ず両端で支え、重いものはスラストベアリングを入れている。そうしないと衝突時に玉が弾け出てしまうだろう。

「模型的には」という言葉は、いろいろな点で注意が必要な概念を含んでいる。  

dda40x at 02:03コメント(0) この記事をクリップ!

2016年01月02日

謹賀新年


         あけましておめでとうございます

fan triptrial run 複線の本線が開通して、展望が開けた。あとはターンテイブル、側線の整備をすれば、開業できる。年末には友人が何人か来てくれて、開通を祝ってくれた。新年には親族にお披露目もした。
 感想を聞くと、皆異口同音に、「よくぞここまで。」と言ってくれた。
「伊達(だて)や酔狂ではないレベルで、人生を賭けたプロジェクトであるのがよく分かった。」ということであった。

 さて最近所属クラブの集まりで、今後の模型界の話題がよく出る。U氏の文章の一部を紹介する。

 最近よく話題となるのが没後の模型をどうするかという問題である。インターネット・オークションなどで昔の著名モデラーの作品が売りに出されていたりすると、すでに人ごとではないし、せっかくの名作が散逸してしまうのは何としても惜しい。最悪の場合、理解のない家族にゴミ扱いされるケースも考えられる。これはあまりにも残念だ。とにかく何とかしなければ、という危機感は皆さんお持ちだが、具体的な計画となるとなかなか良い案が無いのが実状である。
 しかし具体例はある。dda40xさんがライフワークとして建設を進めている模型博物館だ。これは一つの理想形だと思われるが、同時に恵まれた条件と、何にも増して不退転の意志が必要である。そして何よりも重要なのが後を託せる後継者の育成というこ とになる。 


 確かに筆者の場合はかなり恵まれている。定年の無い商売だが、道楽に打ち込もうと仕事量を制限した途端に、土屋氏から呼び出され、後を託された。経済的にも、ある程度の資金をお預かりして走り出し、不動産も親戚の空き店舗を、シャッター商店街ということで、格安で譲渡してもらえた。登記も終わり、必要な学芸員の資格も、取れる条件を満たしていることがわかった。これで、名実とも博物館と名乗れる準備は整った。
 上記の「不退転の意思」も持っている。もう退くことはできない。健康である限り、館長を務めることができそうだ。

 一番大きな課題は、後継者の育成である。最近の若い模型人は、ブラス製の模型というものを知らない人が多い。彼らは旋盤やフライス盤を使ったことがないから、走行性能を抜本的に良くするということができない。筆者が編み出して、祖父江氏が完成させた手法を再現する準備をしている。それさえあれば、かなりの模型を改良することができる。博物館のレイアウトを走る車輛は、そのレヴェルでないと通用しないはずだ。既製品そのままでは、上り坂でモータから煙を吹く可能性が高い。また、sprungでなく、equalizedでもない車輛はレイアウトを走るとやかましいし、線路も傷む。そういうことに無頓着な人もいるが、車検制度を用いて排除する予定である。

 若い人の中から、これらの能力を身につけた人を育て、後継を託したい。このようなことを書くと、ブラス工作に偏っている、というご批判も戴くが、それは承知の上である。ブラス工作のできる人を育てなければ、この博物館は維持できない。 


dda40x at 01:02コメント(2) この記事をクリップ!

2015年12月25日

機玄

114_4355 「機玄」という本を紹介したところ、その内容についていくつか質問を戴いた。

 この本は私家版で市販されていないのに、国会図書館にある。この本を西尾音吉氏が印刷され、いろいろな方に配った。TMSの山崎喜陽氏も受け取っている。当時のTMSにはこの話が少しだけ載っていた。その号を探し出せないのだが、「要するに総論は賛成で各論は反対」というような書き方だったと記憶する。

 機という字は「はた」とも読む。大昔は機織りというものは、世の中で最も複雑な器械だった。それから来ているのだろう。玄という字は人名で「はじめ」と読む人がいる。つまり機械の始めという意味だろうと推測する。せっかく書名になっているのだから、どこかに説明があると思ったのだが、その説明はない。表題の「機械美のルーツと機関車や機械を創る時の働き」を見て理解せよということらしい。

 模型は手で作れ、機械で作った模型より手で作ったもののほうが良い、と主張されている。これは達人の世界の話で、祖父江氏や伊藤英男氏のような方たちはそうだろうが、我々は機械で作ったものの方がよほど出来が良い。
 蒸気機関車の場合は手作業できれいに作ってあっても、走らせると悲惨な揺れを見せるものが多い。機能という点では機械で作ったものにはとても敵わない。精神論だけでは勝てないのだ。

 西尾氏は戦前に有名人であったので、筆者が若いころ、年上の著名人たちが、西尾氏を招いて話を聞いた。筆者はそこで末席に座っていたのである。2時間ほど持論を説明されたが、筆者には理解不能であった。他の方たちに聞いてみても、「あの人は戦前にはとても有名な人であった。」と言うのみで、お話の解釈については聞くことはできなかった。

dda40x at 12:25コメント(0) この記事をクリップ!

2015年11月15日

椙山氏の図書

 先日、残りの本を取りに行った。助っ人を買って出てくれた友人がいて、とても助かった。一人ではとても積めない。軽トラックを貸してくれる友達がいて、お世話になった。本のように重い物は、荷台が三方開きになっていると助かる。しかも、軽は荷台高さが低いので有難い。量販店で段ボールの空き箱を20個ほどもらい、それを組んで詰め込んだ。ぎっしりと荷台一杯であった。シートを掛け、紐で縛った。博物館まで高速道路を使って急いで行った。

Sugiyama's books せっかく今までの努力で、雑誌等を整理してすっきりしていた場所に、段ボール箱を並べた。箱が一部壊れ、はみ出してしまったものもある。早速整理しなければならない。

 意外なことに、雑誌類がない。どなたかが持って行かれたのだろう。その点は助かる。伊藤剛氏、土屋氏のコレクションには、ほとんどすべての雑誌がそろっているからだ。
 懐かしい書籍が並んでいる。その中にメモが挟まっていることがある。はらりと落ちた紙を見て驚いた。見覚えのある字である。

 よく見ると筆者の字で、椙山氏に頼まれて、ある器械の説明書を和訳したものだった。数ページにわたる説明書で、器具名の発音まで書いてあった。アクセントの位置まで指定してあるのには驚いた。多分椙山氏の指示で、「正しい発音を知らせよ」と言われたのだろう。 
 ワープロの無い時代だから、何度も清書したのであろう。誤字があまりなかった。今とは大違いだ。 

 午前中に出発し、1時に積込みを開始して5時に帰着したが、疲労困憊でそのまま寝てしまった。
 

dda40x at 11:15コメント(0) この記事をクリップ!

2015年10月18日

牽引力

 最近、牽引力を測定する場面に遭遇した。車輪の回転により、スリップする瞬間の摩擦力を測定する。それで良さそうに見えるが、ここには大きな問題がある。牽引力は平坦線で問題になることは少ない。勾配での牽引力こそが問題になるのである。

 高校の物理で習った通り、動輪上の重量と摩擦係数との積が牽引力だ。しかし勾配では、機関車自身を持ち上げなければならないから、やたらに補重すると牽引力が損なわれる。 

 要はたくさんの貨車客車を牽きたいのだから、牽かれるものを整備するのが先決だ。台車をばらして軸受を洗い、良質の油脂を満たす。ジャーナル部はできる限り細かい研磨紙で磨き、ぴかっと光らせる。良く洗って砥粒を除き、再組立てすると、驚くほど良くなる。
 軸受から音がしているような状態で走らせる人がいるが、それでは無意味だ。

 機関車はスリップする程度に補重するのが望ましい。スリップしないとモータが焼けてしまう。動軸、先従輪の軸受には十分注油する。それだけでも性能は大きく変わる。
 日本で生活していると、注油と云う操作を忘れてしまう。アメリカ人は、日本人よりはるかに注油の重要性に気が付いている。いたるところに潤滑油の容器が置いてあって、それを注す。車庫の扉は大きく重い。それに注油するのをサボると、モータが焼ける可能性があるのだ。

 翻って日本の実情だが、駅に乗り着けて置いてある自転車のチエンを見ると、油が切れているものが大半だ。どうして油を注さないのだろう。すぐ磨り減るし、音がして気持ちが悪い。重くて疲れるだけである。これが日本の模型の状態を象徴しているように見えてならない。
 
 牽引力を調べるには、実際の勾配上で、ダイナモメータで測るのが良い。もちろんテレメータ(遠隔計測)にすべきだ。現在の日本には、これに必要なものは全て市販されている。HOサイズであっても収まるはずだ。
 

dda40x at 10:18コメント(2) この記事をクリップ!

2015年07月28日

走る鉄道模型

  最近、色々な方から、「よく走るようにするには、どうすれば良いのですか。」と聞かれる。
  簡単に言ってしまえば、すべての面で摩擦を減らすことである。軸を細くして潤滑油が溜まる構造にするだけで、8割は解決だ。
  友人の所で走るのを見ると、油を注してないことが多い。「油を注そうよ。」と言っても、その油注しがない。軸に適度の粘り気の油があるだけで、摩擦は激減するのだ。

  フランジの形が悪く、ツバの全面がレイルヘッドに触っているような模型がある。これでは、曲線通過の抵抗が莫大だ。Low-Dを持っていたので、取り替えてみた。軸受はそのままで、大き目である。中でストレート軸が踊るような状態であった。それでも摩擦は激減し彼は驚いた。ピヴォット軸でないと駄目だと思っていたのだろう。4倍以上の牽引が可能であった。
  この例はあまりにも酷い例であるが、 牽かれるものに無頓着な人は多い。日本で油を注さないのは、昔のTMSにピヴォットには注油不可とあったことに起因すると考える。余りにもよく出てきたフレーズで、油を注すことがタブゥになったのではないかと思う。
  アメリカの事情はやや異なる。 入替えを楽しもうと思うと、軽く動くのは連結しにくいと言うのだ。また、「線路が水平でないと転がっていってしまう」と、まで言う。彼らは走らせている人たちである。


  最近、博物館の建設現場に助っ人がよく来てくれている。筆者は週5日行っているが、そのうちの1日は、どなたかが来てくれる。重いものを動かしたりしてくれるので、助かる。彼らは、置いてある車輌が、余りにもよく転がるので驚いている。


  無事であれば、アメリカに到着している頃だ。暫くの休載をお許し願いたい。
 


dda40x at 07:28コメント(0) この記事をクリップ!

2015年04月04日

”self-taught”

 最近、吉岡精一氏の遺された膨大な研究日誌を少しずつ解読している。段ボールに10箱以上もあり、全てを読むには3年ほど掛かりそうだ。
 
 吉岡氏は物理を、御子息の高校の教科書を元に勉強したと仰った。戦争中は勉強どころではなく、軍事教練と芋掘りばかりであったそうだ。全て、御自分一人で勉強されたのだ。

 昔、筆者はアメリカで表題の言葉に出会った。
「天才は全て self-taught である。」
 文字通り、自学自習のことである。

それを聞いて、その時はピンと来なかったが、吉岡氏に会って、「これだ!」と思った。

 学校に行って教えて貰うと秀才にはなれるだろうが、天才にはなれない。天才は本人の内部から溢れて来る力によって、事を成すのである。

貨車転がりテスト 質量測定動力車性能試験 ここに吉岡氏の実験ノートがある。広告の裏にびっしりとデータが書いてある。斜面を転がり落ちる傾斜角の測定結果である。次の紙にはモータの性能の測定結果がある。
 購入したもの全てをこのように測定し、機関車の効率を調べ、軸受けの摩擦を知る。グラフを作って解析するのだ。お宅に伺うと、いつも斜面で機関車の性能を調べていらした。試験に必要な測定具は全て自作である。

 筆者が作ったものを見せると、1週間貸せと云うことになって、たちまち各種のデータを付けて返ってきた。それが3条ウォームであり、ステンレス製のピヴォット軸であった。
 工学は「こうするとうまくいく」と云う帰納の集大成であるが、吉岡氏は理学の立場から解析し、演繹していたのだ。
 イコライジングの考え方も、根本のところを知り、それを広げていくプロセスを拝見したが、それは吉岡氏ならではである。

 吉岡式線路は、ほぞ組の工夫もさることながら、最も素晴らしいのは分岐の分割位置である。これは周期関数の1周期の捉え方の問題で、数学的な発想が必要である。今回の博物館のレイアウトでその現物をたくさん並べたので、ご覧戴きたい。



dda40x at 04:04コメント(0) この記事をクリップ!

2015年03月21日

Harmonの入賞

 Harmonの作品がシカゴのコンテストで一等になったそうだ。当然であろう。ここしばらく会っていなかったので、進捗状況を掴んでいなかった。素晴らしい出来である。

Harmon Monk’s EngineBest of Show 写真は1枚しか公表されていないので、細部はわからない。テンダが美しい。 いずれ、他の写真も発表されるはずだ。



 テンダの車輪にはLow-D車輪が使われているはずだ。詳しいことは分からないので本人からの連絡を待っているところだ。

dda40x at 03:21コメント(0) この記事をクリップ!

2014年09月03日

土屋 巖氏の死去

土屋 巖氏 2 土屋 巖氏が、昨日死去されたことを、ご家族から知らされた。1937年生まれであるから77歳であった。写真は2014年5月筆者撮影。
 土屋氏はその世界では著名なデザイナーであった。世界中の車の1割弱が土屋氏のデザインであった時代があったのだ。ご本人曰く、「世界一のゴーストライターさ。」
 クライアントとの契約があるので、車種は明らかにできないが、日本車はもちろん、韓国、中国、インド、イラン、フランス、アメリカをはじめとして多くの乗用車、バス、トラックをデザインされていた。鉄道車輌も特急列車の半分弱は土屋氏の作品である。航空機の内装なども手掛けられた。

 筆者とはちょうど30年のお付き合いを戴いたことになる。何度か海外にご一緒し、ビジネスのお手伝いをしたこともある。知り合ったのは、カツミ模型店が主催したOゲージの運転会であった。筆者の機関車の走りを見て、質問された。
「いったい何が違うのだ?こんなに良く走る機関車は初めて見た。」
「何もかも違うのですよ。機関車のボディはKTM製ですが、下回りは完全新製です。モータも、ギヤも、軸受も、ロッドまでも違うのです。」
と答えたら、「ウーン」と唸ったきり、黙ってしまった。

「うちに来てくれないか?」と言われて付いて行ったところ、大変立派な御屋敷で、Oゲージの機関車がたくさん飾ってあった。
「どいつもこいつも、まともに動かないんだ。電流ばっかり喰ってさ。あなたのメカニズムで行きたい。改造してくれないか?」

 当時筆者は大変忙しく、自分の工作をするのが精一杯であった。
「私にはその改造を引き受ける時間がありません。でも、素晴らしい職人が居ますから、ご紹介しましょう。」

 その次の週、筆者は土屋氏の車で、祖父江氏を訪ねた。土屋氏は祖父江氏の作品をいくつか見せて貰ってから、
「少し持ってきたから、改造をお願いしたい。」と、車のトランクを開けた。10台もあった。

 祖父江氏は電話を掛けて来て、「大変な人を紹介してくれたね。一台ずつ改造してたんじゃ、間に合わないからさぁ、量産体制を取るよ。部品を設計し直すから、ひと月くらい、待って貰うようにお願いしてくれ。」

 以来、土屋氏は祖父江氏の重要な顧客となり、3条ウォームの標準化に貢献されたのである。 

dda40x at 19:00コメント(0) この記事をクリップ!

2014年06月16日

続々 鉄道模型博物館

 博物館のレイアウトでは耐久性が問題になる。シカゴの科学工業博物館のリニューアル前のOゲージレイアウトでは、機関車の予備を持ち、交代で走らせていた。工場入りになると、歯車やモータを取り換えるのだ。その作業が大変で、筆者の開発した3条ウォームのディーゼル機関車用の動力伝達装置が採用されたようだ。

 その後のことがよく分からないうちに、そのOゲージレイアウトは取り壊され、HOの巨大レイアウトになった。Oゲージの機関車は廃車になり、e-bayで売られた。今度の HOの模型は市販品を使っているので、どんどん更新していくようだ。

 新レイアウトで走る車輌は、全て3条ウォーム駆動、ボールベアリング装荷であって、Low-D車輪を採用している。耐久力は問題ない。問題はポイントのフログである。硬質ニッケルめっきが施してあるので、そう簡単には減らないと思うが、予備部品を作っておくことにする。尖端レイルも心配である。
 
 蒸気機関車の動輪は、快削鋼製で、薄いニッケルめっきが掛けてあるが、すでに擦り減って地金が出ている。それ以上は減らないであろうと推測する。今回のレイアウトは洋白製のレイルが多いので、カーヴでの摩耗に気をつけねばならない。椙山氏の実験のようにレイルヘッドが無くなるかも知れない。

 気になるのは、来訪者が持参する動力車だ。ギヤがむき出しで、油を撒き散らして走る車輌は遠慮願いたい。摩擦係数が小さくなって牽けないのと、埃が固まって車輪が汚れるからだ。自宅のレイアウトが油でべたべたで、そのまま車輌を持ってくる人が居たが、そういうのは車検で排除せねばならない。掃除用の台と綿棒を用意しておくことにする。清拭液も必要だ。
 それよりも、事前のPRが大切だろう。他人に迷惑を掛けないのが基本的な姿勢であるべきだ。

dda40x at 06:16コメント(1) この記事をクリップ!

2014年06月12日

鉄道模型博物館

 その友人は筆者より一廻り強、年上である。かねてより健康上の懸念があり、「万一の時は頼む。」とは言われていた。かなりのコレクションをお持ちで、その全てが祖父江氏による改造を受けていて、抜群の走行性能を誇る。
 「絶対に散逸させない。」という目的を持って、お引き受けすることになった。この話をすると、身を乗り出してくる人が多い。それだけ、皆さんも先行きが不安なのだ。

 あちらこちらの著名人が亡くなると、そのコレクションを目当てに模型仲間が群がり、故人の哲学を無視して車輌が散逸する。それをどうしても防ぎたい。収納し、陳列するべき場所を探すのは、かなり苦労した。偶然にもこの場所を借りることができたのは、本当に運が良かった。下手をすると、この建物は壊されて更地になるところであった。いずれ買い取って法人化する。そうすれば遺産相続とは無縁になる。

 この話が具体化したとき、息子たちを呼んで計画を話した。
「うちのコレクションも大半はそちらに行く。自宅には少数しか置かない。」
息子たちは、
「それは素晴らしい計画だ。僕たちも助かる。どうやって捨てようかと思っていたからね。」
と茶化したが、多分、それは本音だろう。

 線路は、吉岡氏が設計し、筆者や故魚田真一郎氏、話題の友人らで発注した木製組立レイアウトである。半径 2800、2900 mm の複線が2セット、直線が150本揃った。また、ヤード構成用の分岐はすでに必要数、作ってある。曲線には緩和曲線が付けられ、bus wireも裏側に付いている。饋電線の断面積が大きいので、大レイアウトでも電圧降下は無視できるはずである。 レイアウトの台枠を作れば、殆ど完成である。

 間もなく間仕切り(先回の画像に処理した部分)の工事が始まり、トイレと非常口が付く。大型の本棚は、既存の陳列棚を塗り替えて転用する。古い鉄道雑誌、模型雑誌が全て揃う予定である。 

dda40x at 06:12コメント(2) この記事をクリップ!

2014年05月27日

管理型模型人

 吉岡精一氏と知り合ったのは30年ほど前である。その時、彼は筆者の模型趣味を見て、「珍しいタイプの模型人だ。」と仰った。「管理型模型人というのに初めて出会った。」

 彼は、「模型人はスクラッチ工作型模型人コレクター型模型人、評論家型模型人の3つに分けられると思っていたが、あなたは新種だ。こんな人がいるとは思わなかった。」と仰るのだ。
「外注先をいくつか持っていて、様々な部品を発注する。大量に注文しないと高く付くから、仲間をたくさん持っていて、出来た部品を配給している。アイデア商品をいくつか持っていて、外国にも顧客がいる。でも利益を得ている様にも見えない。ここに利益さえあれば、それはすでに模型会社だ。」
 
 まさにその通りである。これは道楽であるから、儲けても仕方がない。本業で稼ぐ方が効率が良いので、それで楽しんでいるのである。数が必要なので一度にたくさん作る。買う方も心得たもので、たくさん買って、それに利潤を乗せて再販売していた。それはそれで良い。

  そういうわけで、当家にはOスケールの部品は商売できるほどたくさんある。最近は行く末を考えて在庫を随分減らした。

dda40x at 05:27コメント(0) この記事をクリップ!

2014年05月25日

続 土地の輸入

 土地を輸入できるわけはないので、土地を輸入したのと同等の効果がある経済活動という意味である。
  
 この言葉は19世紀のイギリスで使われ始めた。イギリスでは狭い痩せた土地を耕作して食料を作っていたが、植民地の発展に伴い、食料、衣類、建材等を輸入して使うことが当然になった。すると、今まで耕作していた畑が不要となり、森林は温存され公園になった。イギリスのあの広い庭園、公園はその時から始まったのである。
 
 農地を外国に持って、本土の土地は美しく手入れされた。また、工場も大半が外国に移され、製品を輸入するようになった。結果として、これは土地を輸入したのと、全く同じ効果をイギリスにもたらしたのである。

 実際に時間を買うということはできることではないが、時間を買ったのと同等の効果を生み出す経済活動は可能だ。模型人で言えば、部品、キット、完成品を買うことである。
 経済学では当然過ぎて採り上げられることがないが、この活動は全ての人がしていることである。
 模型人が買う時間は、賃金という性格のお金で買うのではなく、技能を買っているのである。自分より優れた技能を短時間で発揮してくれる人に払うお金である。自分でやれば何回も作り直しをしなければならない困難な仕事を半日でやってくれる人には、十分にお金を払う価値がある。早く上手にやってくれる人には頼みたいのである。そういう意味でも、我が家の増築は、日本の大工には頼みたくなかった。

 土地の輸入という概念と、時間を買うという概念は、とてもよく似ているのだ。

 前にも書いたが、筆者はキットを組み立てる時には、素材としてしか見ていない。説明書をざっと読んで、概略を頭に入れ、どの部品がどこに付くかを確認する。作りながら、合わない部品は修正せずに捨てる。横にゴミ箱を置いて作業し、すぐにその代替品を作ってしまうのだ。その方が早いし、良いものができる。せっかく買った時間を無駄にしたくない。皆さまもお試しあれ。とても気持ちの良い工作ができる。

<追記>
 コン氏のブログのコメントに興味深い一文がある。楽しい時間を買うというお話だ。 

dda40x at 05:25コメント(0) この記事をクリップ!

2014年05月23日

土地の輸入

 先頃、「時間を買う」という表現をしたところ、若輩者氏からコメントを戴いている。ほとんど見当外れのコメントではあったが、引っ掛かる部分があるので、多少の説明が要る。

 人間は一人で生きているのではないので、全ての面で分業がなされている。
 筆者の場合、食料は農家で得られたものを商業的経路を通じて買い、衣服は工場で作られたものを買い、家は大工に建てさせた。自前の土地があれば、畑を耕したいのだがそうも行かない。裁縫は全く自信がない。
 しかし、家だけは自分でも建てられる。実は増築した部分は、フル・スクラッチ・ビルドである。春の暇な時期を中心に半年くらい掛かったが、既存の部分と同じ材料で一人で建てた。息子たちにも多少は手伝わせた。近所の人は最初は冷ややかな目で見ていたが、完成が近付くと手伝いに来てくれたりした。アメリカに居るときに、建設業の友人のところで修業をしたおかげである。

 模型作りも同じであって、得意なところを専門に受け持つ人がいるのであるから、任せてしまった方が時間の節約にもなる。しかもプロの仕上げには、素人では思いつかない繊細さがある。祖父江氏にフレーム加工を頼むと、ヘアライン仕上げになって返って来る。ちょっとしたことなのだけれども、素人の工作ではまずお目に掛からない。本物はshaper (日本語ではセーパー) で削っているので、水平に線が入っているのだ。
 また、こちらの工夫したところを図解して依頼すると、彼のその後の製品にそのアイデアが使われている。これは嬉しかった。
 動輪の嵌替えも専用の剛性の高いジグを持っているので、頼むとすぐやってくれた。しかし、彼の死後、自前でやる必要が出てきて、現在新開発のジグを作っている。剛性の高い構造のものを設計した。
 いろいろな方から、動輪嵌替えの相談があるので、引受けて差し上げたいと思ったからだ。

 筆者は必要な機械類は持っているし、ノウハウもある。今までは仕事が忙しく、自分でやっている暇もなかったし、頼んだ方が安上がりであった。それを「時間を買う」と表現するのは、全く間違っていない。しかし今は自由な時間を多少は得ることができるので、自前でやることが増えた。場合によっては、時間を売ることもできるかもしれない。

 経済学の勉強をしていた時に、「土地の輸入」という概念が出てきた。

dda40x at 05:23コメント(0) この記事をクリップ!

2014年05月21日

ハンダ付けした模型

 ブラスの板を切り、曲げてハンダ付けする。これが鉄道模型の作り方だと中学生のころから思っていた。筆者は、紙や木製の作品は少ない。過去20年くらいはプラスティック製の車輌がかなり入線したが、それまではほとんどがブラス製だった。運良く、安く手に入れたものばかりだった。

 ここへきて、ハンダ付けの記事が増えて様々な人からご意見を頂戴している。
「プラスティック車輌があるから鉄道模型が発展したのに、このブログではブラスのことばかり書いているのは云々」と仰る方もある。逆に、
「このブログでブラス工作に踏み切って、今ではかなりのことができるようになった。」というご意見もある。

 最近、吉岡精一氏とお会いした。吉岡氏はブラス工作の先輩である。今までに、色々なアイデアを頂戴した。氏は、このように仰った。
「真鍮で工作したことがない人が大半になれば、それは鉄道模型の死です。買って来たら、それでおしまいというのは鉄道趣味ではないでしょう。やはりある程度は、自分で切ってハンダ付けの工作ができるようにするべきです。それにはかなりの修練を積まねばなりませんが、やる必要のあることなのですよ。内野(日出男)君みたいにできる人はまずいないが、それに向けての修練は必要です。
大体ね、プラスチックの模型が、時間が経つにつれて脆くなっていくというのは、皆知らないわけじゃあないんだ。まあ、それを考えたくないんだろうね。」

 筆者も同意見だ。1000年の実績のあるブラスをハンダ付けした模型と比べると、60年ほど前に現れたプラスティック模型は信用できない。おそらく、世界中の博物館の中で、プラスティック製品を収蔵しているところはほとんどないのではないかと思われる。

 ブラス工作は絶えることはないと思うが、やや下火であるので、それを盛り立てて行きたい。 

dda40x at 05:21コメント(2) この記事をクリップ!

2014年05月13日

続々 またまたスクラッチ・ビルディング談義 

 プロの模型製作者は別として、スクラッチ・ビルディングの名手はどのような人なのかを、筆者は長年観察してきた。ただし、Oスケールの話である。  

 答は、「実物の知識がある人」である。実際の機関車に攀じ登った経験があり、ロッドの隙間から体を入れて、ボイラ下を見た人である。ある程度の図面があって、正しくボイラを丸め、CNCで切り出したフレームに載せたとしよう。すると、ある程度の形になる。問題は補機類の配管である。どのような角度で飛び出して、どんな支え方をしているかを正確にとらえた模型の実感味は素晴らしい。
 しばらく前に紹介したHarmonの模型はまさにそれだ。
 
 ロッドの納まりも、重要なポイントだ。模型の動輪は本物より厚いので、多少ごまかす必要があるが、そのごまかし方のさじ加減が素晴らしい模型がある。全て実物どおりでは、動輪が急カーヴで脱輪する可能性が否定できない。
 フランジレスの動輪では、タイヤを外側に向かって少しせり出させないとカーヴで脱輪する。そこに事前に気が付いて、手当てした模型があった。その走りは素晴らしかった。 

 テンダとの接続部の補機類の配置も大切である。車体の外側部からどのくらいの深さにあって、メンテナンス時にどの方向から工具を入れるかを考えなければならない。実物を見るとき、そういうところに興味を持って、写真を撮る人の模型は素晴らしい。高価なロストワックス鋳物をちりばめながら、配管が怪しい模型を見ることは避けたいものだ。

 先の2回のアクセス数が、このブログ始まって以来の数字である。普段の3倍以上だ。拙記事を色々な方が引用されて、そこからのリンクが多い。ご意見もたくさん戴いているが、匿名での無責任なコメントは削除させて戴くことがある。

dda40x at 05:13コメント(0) この記事をクリップ!

2014年05月11日

続 またまたスクラッチ・ビルディング談義

 スクラッチ・ビルド至上主義の方々は、自分たちの優秀性を人に認めさせたがるように感じる。優秀さの次元は一つではないので、こちらとしてはどうでも良いと思っているのではあるが、ある会合で露骨に嫌味を言われたことがある。

「ここにはスクラッチでないものを持って来られては困る。」

 ここまで来ると常軌を逸していると筆者は思うのだが、読者の皆さんはどうだろう。その方は最近お亡くなりになったそうだが、その会合には足が向かない。 

 日本のクラブによくある閉鎖的な雰囲気を感じる。自分たちはこうしているから、そうでないものは来るべきではない、という考え方だ。人間の能力の次元は極めて多いから、色々な人と出会わないと、人生を無駄にするように思う。排除しておいて、工具、パーツの外国から取寄せの依頼だけはよくあった。変な話だとは思ったが、断る理由もないのでどんどん引受けた。彼はその工具を随分自慢していたらしい。ロストワックス鋳物もいくつか取り寄せたが、それを使うことには何のためらいもないというのは、理解しがたい論理ではある。


 ゆうえん氏がキット改造の愉しみという一文を発表されている。その中に筆者も登場するが、まさにおっしゃる通りなのである。筆者は、随分以前に、”Scratch Building”という記事を発表した。3回の連載になっている。それを指していらっしゃるのだろう。

 これだけ各種の製品が発売されているご時世に、市販されているものを作ることはない、と思うのは間違っているのだろうか。完成品、キット、パーツを買う瞬間、我々は時間を買っているのである。
 もちろん不完全なところはある。しかしそれはすぐに直せる。スクラッチ・ビルドする能力があればこそ、なのだ。

 最近ポイントをいくつか作ったが、これもスクラッチ・ビルディングである。フログの鋳物を買えば早いが、機械があれば訳なくできるので、自作してしまった。これを持って行ったら、その会合に入れてくれるのだろうか。


dda40x at 05:11コメント(5) この記事をクリップ!

2014年05月09日

またまたスクラッチ・ビルディング談義

 昨年ある会合で、スクラッチ・ビルド至上主義の人に会った。その人の作品はあちこちで見る。かなりの腕自慢の方だ。その人が筆者に話し掛けてきて、「たまにはスクラッチの車輌を持って来ないか?」と言うのである。

 このブログもたまにご覧になるらしいが、全てを読んでいるわけでもなさそうだ。「3条ウォームとか、低抵抗車輪の話やイコライジングの話は読ませて戴いた。でもスクラッチしてないだろう。たまにはやらないと、あんたのことを疑っている人もいるよ。
 少々驚いたが、彼は正直な人なのだろう。人が言ったこと、自分の思ったことをそのまま伝えてくれたのだ。
 筆者は、「うんと暇になって、やることが無くなるまではスクラッチ・ビルドはしません。」と答えた。彼は不思議そうに筆者を見て、「できないわけないことは俺は知っているよ。でも他の人がどう思うかだ。」 

 他の人にどう思われているかはどうでもよいが、時間の使い方が問題だ。人生は短い。筆者もあと20年あるかどうか怪しい。やることは山積である。自宅のレイアウトを完成させなければならない。仕掛かり品の動力車が30輌ほどある。貨車は少し減って26輌になった。また、その時点ではまだ構想が無かったが、新規に建設するレイアウトを完成させねばならない。これは60坪もあるし、線路総延長は400 mほどもある。シーナリィは最小限にするが、色々なことを考えるとかなり大変な内容である。

 筆者は、長年完成品の改造を主としてやってきた。いわゆるニコイチ(2輌を切り継いで1輌にする)、サンコイチは得意中の得意だ。世界に一台の機関車もある。
 安く買ったブラス機関車をまっぷたつにするのはなかなか快感である。中には高級品もある。祖父江氏の4-10-2 SP5000を手に入れたが気に入らないのでUP8000に改造中である。煙室に凹みがあったので、修理するよりも取換えてしまえということになった。
 たいていの場合は、下廻りは新製である。もちろん祖父江氏の作品では温存した。スクラッチ・ビルドは多大な時間が掛かり、その時間を他のことに向けることができれば、人生は有効に使えるというのが筆者の結論である。筆者のところにはあまりにもたくさんの車輌があり、またそれらは性能試験上、必要であったからだ。規模の小さい鉄道を経営していたら、おそらくスクラッチ・ビルドをしていただろう。  

dda40x at 05:09コメント(3) この記事をクリップ!

2014年04月09日

鉄道の魅力

 鉄道の魅力は何だろう。それは慣性のある動きに尽きると思う。表現を変えれば摩擦の少なさである。押しただけでレイアウトを一周する慣性があれば、機関車には起動時だけエネルギィを与えると、あとはほとんど惰力で動く。

 尤も、機関車の動力伝達装置にはロスがあり、貨車だけのような動きをするわけでもない。曲線では多少の抵抗もあるし、勾配があれば、斜面を牽き上げるエネルギィを与えねばならない。

 
 しばらく前、あるHOの機関車をじっくりと観察する機会があった。よく牽くというご自慢の機関車であった。凄まじく重い。よく見ると、フレイムの隙間、キャブの天井その他、あらん限りの補重をしてある。さらにテンダの前半分に錘を載せ、機炭間のドロゥ・バァを介してテンダの重さが機関車に掛かるようになっている。
 ここまでは思いつくことを全てやったわけで、特別なことはない。

 走るところを見ると、いかにも苦しそうである。カプラを手で押さえると動輪が止まりそうになる。要するにモータの出力に対して、過分の補重をしてしまったということである。
 スリップしない機関車は壊れる。電流が大きければ燃え始めるであろう。このことに気付いていない人は多い。
 
 また、平坦線ではたくさん牽けるかも知れないが、勾配では牽けない可能性もある。自身の質量を持ち上げるエネルギィが大きいからだ。

 また、重い機関車には動軸にボールベアリングを入れるべきだ。そうでないと、発生したエネルギーのかなりの部分を、自身の重さによって軸受で熱に変えてしまう。

 牽かれる車輌を手で押して見て愕然とした。惰行しない。車軸は太く、注油してあるかどうかも怪しい。問題解決の順番が誤っている。まず第一に牽かれる車輌の改良を行うべきであった。軽く動く客貨車であれば、機関車にあのような補重など必要なかったのである。

 運転会に行くと、フル編成の急行列車をスリップしながら牽く機関車を見るが、それを寂しく思うのは筆者以外にほとんどいなかったような気がした。

 謹告 ブログのURLを変更した。今までのURLでも転送されるはずであるが、こちらを登録して下さると確実である。
      
http://dda40x.blog.jp/

dda40x at 04:09コメント(2) この記事をクリップ!

2013年09月29日

Jimの友人たち

 ジムが、「今日の昼飯は汽車の仲間と喰うことになっている。お前も来るか?」と言う。こういう時の答えは決まっている。
 ”By all means!” (ぜひとも!)

 セント・ジョージの新しい街の中心部にあるレストランに行った。集まっていたのは70代の模型人7人だ。自己紹介をして昼飯を共にした。3人は退役軍人だった。日本に行っていたそうで、天賞堂、鉄道模型社の話が出た。

Terry Schram's 3-rail layoutTerry Schram's 3-rail layout 2Terry Schram's 3-rail layout 3

 そこで2人からレイアウトに招待された。一つ目はTerry Schramの3線式レイアウトである。地下室にライオネルのコレクションがある。全米でも屈指のコレクションだという。
 建物はporcelain(陶器)のものが多く、珍しい物が50以上あるそうだ。

 クリスマスがテーマになっている。どうしてクリスマスなのかと聞くと、「クリスマスが好きなんだ。いつもクリスマスの気分が味わえるだろう?」と言うことであった。暑いセント・ジョージの地下に、このような別天地があるとはほとんど誰も知らないことだろう。

 近所の小学校の子供がスクールバスで見学に来ると言う。地元では有名なのだそうだ。

dda40x at 09:29コメント(2) この記事をクリップ!

2013年09月25日

続々々々々々 Jim を訪ねて

Jim Harper figure 5
 走らせて見せてくれた機関車は、2-8-0コンソリデイションである。動輪が小さく、固定軸距離が短いので、ぎりぎりで走る。これがこのレイアウト上の限界であろう。
 走行可能な最小半径の計算は、本物と同様に計算して、スラックを付けるべきだろうが、そういう話は一切出てこないところが不思議だ。以前にも述べたように、貨車の台車を手で持つと、平行四辺形になるものもある。技術的に検討している形跡はなさそうだ。今話題のJR北海道の線路幅は、蒸気機関車が走っていた時の固定軸距離が大きかった時代のものだ。

Jim Harper coupler
 連結器のピンを抜くのに、面白い方法を採用している。ブラス製のピンの上端に鉄の針金の小片を挿してある。磁石でそれを引き付けると、肘(knuckle)が開く。磁石を遠ざければピンは落ちる。
 簡単そうだが、意外と難しい。ピンはそう簡単には落ちてくれない。かなり気を付けて仕上げないと思うようには行かない。塗装すると果たして動くのかは分からない。

Jim Harper layout
 未完成部分である。先日御下問のあった、ひも状のLEDが付いているのがよく分かる。夜の風情を出すときに用いる。



dda40x at 09:25コメント(0) この記事をクリップ!

2013年09月07日

機構学

 機構学というのは工学の一分野で、英語ではMechanismという。
 鉄道模型とは何か、という問いに対する答で、筆者が一番高く評価しているのは、「鉄道模型から、色々なものを外して最後に残る本質はメカニズムである。」というものだ。若いときはそれほどでもなかったが、歳をとると、その意味が良く分かるようになった。
 実物を理解し、模型のサイズまで小さくすると何が起こるかも理解できなければならない。実物の動きをまねできる模型の構造に到達するのはかなりの修練が必要である。それが出来るとその走りは素晴らしい。

 先日のJAMでのクリニック(講演)の参加者から、いくつかメイルを戴いている。その中で、筆者の気持ちを代弁してくださったご意見を紹介する。

 

 今回の「等角逆捻り機構」にとどまらず、機構学的要素を模型造りに展開されているdda40xさんの取り組みには、大いに共感を覚えます。

 

 動くことを重要な要素としている、鉄道模型においては動かすための構造(機構)は重要です。ただしそれは、サイズの違いで実物と同じ構造がとれないが故に、模型独自のものでありましょう。車体全体を使った「等角逆捻り機構」も「三条ウォームによる可逆伝動」も然りだと思います。これらの機構を考案・実現することが模型造りを「科学」に昇華させる手段であると思います。かつてそう認められていたように。

 

 先輩諸氏が鉄道模型に取り組まれた時代は、動力や伝動装置を一から造り上げねばならなかったと思います。そんな中でも凝った大作が数多く生み出されてきました。翻って現状を見てみますと、模型雑誌の記事には、市販量産品に対してチョッと手を加えて見栄えを良くした程度のモノが取り上げられ、それとて「科学」の対極にある「アート」の域には程遠い、なんだか中途半端なモノが溢れております。


 伊藤 剛氏をはじめとする先輩諸氏のアイデアが現代の模型の根本にある。それらはまさにメカニズムの工夫なのである。最近模型雑誌を読まなくなったのは、その種のアイデアを紹介する記事がほとんどないからである。姿型のみに興味がある人が増えている。走らせてみると素晴らしいとは言い難い。
 最近は youtube などで動画が見られるが、素晴らしい走りを見せるものには、なかなかお目に掛からない。

dda40x at 09:07コメント(8) この記事をクリップ!

2013年09月05日

続々々 「等角逆捻り機構の工夫」

片持ち台車 筆者には縁がないが、2軸車ならば片持ちロンビックの製作が最も楽であろう。支持点3点の高さが多少違っても、不具合は全く生じない。
 もちろん片方の軸に、押す引く両方の力が掛かって、その軸に対する依存度が増す。それを心配される方もいらっしゃるが、走らせてみて不具合を感じるほどでもない。

3 samples 23 samples 2台車の場合、作動が一番確実で、作るときに難しい手加減が不要なのは、第二の作例のパンタグラフ式である。見掛け上難しそうに感じるが、実際は一番楽に作れる。主要部分のスライド式の滑り込みの角棒と、リンク、関接ピンさえあれば、1台1時間くらいでできるはずだ。
 どこかの模型店が簡易キットを売り出せば、きっと売れるであろう。残念ながら、筆者はHOの知識が無く、標準となる寸法を知らない。どなたかHOの達人が、汎用性のある寸法を割り出されると良い。前にも述べたが、このメカニズムは車体の中心にある必要はない。車端に置けば、車室内部の造作を完璧に作ることが可能だ

 第三の作例は簡単そうに見えるが、バネの固さと長さが意外と難しい。最適値を見つけ出すのに苦労されるはずだ。しかし、一度その最適値を得れば、工作は楽かもしれない。

 2台車の車輌ではさほどの利点は感じないかもしれないが、2軸車では等角逆捻り機構の利点は大きい。集電が飛躍的に良くなるのである。
 
 筆者の鉄道では、これで貨車3両が完成したので、レイアウトの片隅のぐにゃぐにゃ線路を走らせてみたい。その前にそれに対応する機関車も作らねばならない。

 クリニックの最後に正しい鉄道模型という言葉を出した。聴衆の中には「えっ」という顔をされた方もいらっしゃったが、これは大切なことである。模型を見る人の中には、たとえ趣味者でなくても、その道の専門家が居るかもしれない。
その方が、「なんだ、これは…」と感じてしまうような模型ではいけない。
「さすがだね。」という言葉が出るような模型を目指したい。これは、この趣味の社会的な地位を向上させる大きなポイントである。
 このような工夫をすることに冷ややかな態度を示す人もいるが、それはこの模型趣味の価値を下げることになるのだ。「貴方の趣味はその程度のものですか?」と言われて、嬉しい人はいないはずだ。

dda40x at 09:05コメント(0) この記事をクリップ!

2013年08月28日

JAM 2013 鉄道模型功労者表彰

 8月17日の早朝に車で東京に行った。大きなスーツケースを持って行ったので、事務局の方は、いったい何が入っているのかと興味を持たれたようだ。その中には、展示用の機関車とクリニックで紹介する貨車を詰め込んであった。

JAM 2013 12時より鉄道模型功労賞の授賞式があり、伊藤 剛氏、平野和幸氏、河田耕一氏、山本 豊氏の4人に賞状が手渡された。そのあとで、受賞者各氏によるお話を聞くことが出来た。(左から、河田、山本、平野、伊藤の各氏)


伊藤剛氏 モノレールを語る sJAM 2013 剛氏の代表作は上野公園のモノレールだそうで、もともとは都の交通局が上野から羽田まで結ぶ構想であった。1957年にその試験線が上野動物園にできて、新聞記者多数を乗せた試乗車が走り始めた。ところが故障して、動けなくなって宙吊りになった。大変なことになったと思ったが、そこは機転の利く剛氏のこと、すぐに床下の非常用スロープを出し、それを延長して地面まで降ろした。新聞記者たちはそれを伝って避難した。「こんな長い滑り台は初めてだ。」となかなかの評判で、悪口を書いた新聞は無かったそうだ。この日、剛氏の顔色が悪く心配したが、話し始めれば調子が戻ってほっとした。
 剛氏の8 mm列車”Sunbeam”號は展示されていたが、今一つ注目が集まる場所ではなく、残念だった。あとで、「知らなかった」と見られなかったことを悔やむ話はいくつか聞かれた。

 拙ブログで伊藤 剛氏の話題を出したすぐ後に、JAMの理事の方からの接触があり、「我が意を得たりとの思いです。」とのことであった。受賞はすぐ内定したが、発表までは他言できない。これもなかなか辛いものであったが、幸いにも外国に複数回行っていたので、模型関係者と会うことが無く、助かった。 
 拙ブログも微力ながらお役に立てたようで、嬉しい。

 平野氏のお話では、レイアウトは何度も作り直しをされたようで、シザース・クロッシングの信頼性が低くて困ったとのお話は興味深かった。既製品は精度が低く、完全に平面には仕上がっていないからだろう。(よそで筆者の聞いた話では、大きな油目ヤスリでレイル面全体を丹念に削って平面を出すと良いそうである。)

 河田氏の、レイアウトにはアート(絵心)が必要という話には感銘を受けた。

 山本氏は小型車輌の専門家で、筆者にはあまり縁の無い方であったが、エピソードは面白かった。熊延(ゆうえん)鉄道で蒸気動車が走る様を一回だけ直近で見たことがあるそうで、その起動時、スリップしたという話は興味深い。それほどのトルクがあったのだ。調べたが、この蒸気動車の記録は見つからない。

 このようなトークショウは、非常に興味深い。もっと大きな会場でたくさんの聴衆に聴かせて差し上げたい。

dda40x at 08:28コメント(3) この記事をクリップ!

2013年06月29日

JAM

 筆者はJAMという組織についてほとんど知識がない。 

 10年以上前にJAMが発足したとき、大きな期待を持って出向いた。内野日出男氏から、ロングネッカも来るから、是非来るように、と連絡があったのだ。確か新宿のNSビルだったと思う。
 鉄道模型の催しは業者主催が普通であったが、JAMは違うというように事前に発表されていた。そんなことがうまくできるものかなという心配があった。
 蓋を開けて見ると、金を出したのは業者であったと聞いた。東京の一等地である程度の場所を借りるためには金が要る。仕方がないのだけれども、少しずつアマチュア主導の方に転換して行ったのだろうか。その後、大阪開催時以外ほとんど行っていないので、詳しくは分からない。毎年の開催時にちょうど仕事があったり、海外に行かねばならないことがあり、つい行きそびれている。今年は久し振りに行けるはずだ。

 アメリカのコンヴェンションはアマチュア主導である。カリフォルニア、ニューヨーク、ワシントンDCいずれも完全にアマチュア団体が運営している。シカゴだけは少し異なり、Hill's Hobby Shopの主催であったが、徐々にアマチュアに運営が任されて行った。テキサスの場合は極端で、Lorell Joiner氏が全てを請けた。ジョイナ氏は大富豪であって、会場代、晩餐会、その他全てを個人で負担した。これはかなり珍しい例であるが、当時かなりの評判になった。

 アメリカの場合は、日本とは違って会場代がそれほど高くない。入場料を20ドルから35ドル位取るだけで、十分賄えるらしい。会場を提供するホテルにはまとまった数の宿泊客があるので、部屋代のみならず飲食代で落とされる金も大きい。現に筆者もホテルのバァで、かなり飲んでいる。その分も含めての契約なので、会場費は安く上がるということだ。

 日本の場合も、もう少し田舎の、大ホールが付設されたホテルを借り切れば、かなり安く上がるのではないかと思う。先日浜松の駅近くのホテルに泊まった際、そのようなことを感じた。浜松以外にも、そのような場所は在りそうだ。

dda40x at 06:29コメント(3) この記事をクリップ!

2013年06月21日

最近の記事

 この二週間ほど、伊藤 剛氏に関する記事を書いて来た。剛氏は全国区での有名人ではあるが、実際に会ったり話を聞いた人は、もはや少ないであろうと推察する。かねてより、「私の書いたもの、しゃべったこと、全て公開して下さい。」ということを言われていたので、なるべく忠実にお伝えしている。

 この二週間のアクセス数が異常に増えている。この記事を偶然読まれた方が、他の方にお伝えになったのではないかと思う。どういうわけか、6月7日のアクセス数は、普段の2倍以上に達し、過去最高値を示した。こんなことは初めてである。

 少なくとも、現代においても伊藤剛氏の評価は大きいということである。その功績は、日本の鉄道模型界において輝きを失ってはいない。
 模型工作のあるべき姿を具現している。手工具だけでもかなりの精度が出る手法を公開し、年少者の目から見た工作法を伝授し続けている。
「昔は部品の通販があったのですよ。子供の科学の代理部とか朝日屋とかありましてね、ありがたかったですよ。そういう店がもうないのです。子供でも車輪と歯車を手に入れれば、あとは何とかなるのです。」
 その時代はモータは自作が前提であった。現在は主要部品すら入手が難しい。

 筆者は剛氏から、「車輪とか歯車を売る店をやりなさい。」と、20年前から勧められている。筆者の車輪とか歯車は仲間内では供給しているが、一般にはあまり知られていない。
素晴らしいメカニズムによって、たとえ貴方が世界的に有名な模型人になったとしても、その記事に書いてあるものがどこにも売っていないものならば、それは価値がないのです。直接でも間接でも良いから、売ることを考えないと、あなたのアイデアは無用の長物として忘れ去られてしまいますよ。」
 歯車に関しては、祖父江氏の工房で約1000輌の機関車が加工されて世界中に出て行った。そういう意味では、剛氏の教えは守られている。しかし、祖父江氏の死後は誰かがやらなければならない。アメリカでもその話をよく聞かされた。
 そろそろその時期が来たような気もするが、まだ仕事が忙しく、思うようには行かない。


 先回JAMの話を出したが、JAMでは鉄道模型功労者を毎年表彰しているはずだ。伊藤剛氏は十分にその資格があるように思う。JAMがどのような組織なのか、筆者には分からないが、関係者の方がいらしたら、是非この話を運営会議で発言して戴きたいと、切に思う。

dda40x at 06:21コメント(7) この記事をクリップ!

2013年06月03日

伊藤剛氏を訪ねて

 伊藤 剛氏は今年92歳である。 名古屋郊外の知多市で、定年後は長らく郵便局を開いていらした。最近完全に引退して、川崎の高層住宅に引っ越されたのだ。遊びに来るようお手紙を戴いたので、早速お邪魔した。

 近くに息子さんご夫婦がいらっしゃるが、「独居老人ですよ。」とのことである。電話を掛けるときは、「ベルが20回鳴るまで待ってくれ。」とのことであったが、3回で出られて驚いた。

伊藤 剛 しばらく前、叙勲されたそうで、皇居での出来事を面白おかしく話された。天皇陛下が、たくさんの受賞者に挨拶されたとき、わざわざ近くに歩み寄られて、「ご苦労様でした。」と声を掛けられたのだそうだ。どうしてだろうかと考えたところ、その回の受賞者の中で最年長であったからだそうだ。それ以外の理由は無いとのこと。


 伊藤剛氏は名古屋出身で、日本車輌で設計の最先端にいらした方である。名古屋模型鉄道クラブの発足以来65年の会員歴をお持ちである。170号くらいまでのTMSの記事には、ほとんど毎号伊藤剛氏の談話、アイデア、作品が載っている。その後はTMSとの関係が疎遠になったが、25年ほど前から関係が修復され、次々と秀作が発表されている。類稀なるクラフツマンで、モータの製作などお手のものである。
 瀬戸電の単車の記事は、筆者の個人的な評価では、日本の模型工作記事の最高峰ではないかと思う。走りは素晴らしい。小さな電車が大きな慣性を持ち、ゆっくり起動しゆらゆらと車体を揺らしながらゆっくり止まる。どこにもボールベアリングなど使っていないが、素晴らしい設計で慣性の表現を実現された。
 さまざまなアイデアを出され、この国のみならず世界の模型界にも影響を与えた方だ。語学に強く、英語のみならず、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語もかなりおできになる。TMSの外国の情報紹介の記事は大半が伊藤剛氏の翻訳の要約である。山崎喜陽氏は、その記事群に伊藤剛氏の名前を出していない。

 若い方は、伊藤剛氏がどんな方か知らない人がほとんどであろう。栗生弘太郎氏がブログで作品の一部を紹介されているので、是非ご覧戴きたい。  


dda40x at 06:03コメント(0) この記事をクリップ!

2013年04月28日

"Model railroading is not a hobby."

113_8074 ハーマンの工作室にはこのような文が掲示してある。
"Model railroading is not a hobby, it's way of life." 「鉄道模型は趣味ではない。それは人生のありかた(行動の指針)である。」


 この文はおそらく、Ullmanの詩の一部 
”Youth is not a time of life, it is a state of mind.” をもじったものである。このアルマンの詩は日本では有名であるが、アメリカではそれほど知られていなかった。戦後の日本を統治したダグラス・マッカーサの執務室の壁に張ってあったのだそうだ。彼の座右の銘であって、彼の演説の中に何回も引用されている。
「青春とは人生の中のある一期間のことではなく、ある種の心理状態である。」
この詩の全文は検索すれば、いくらでも出てくる。のちにアメリカの政治家がよく引用するようになって、現在ではアメリカでも有名な詩となった。

 この一節は、形を変えて引用される。
"Christianity is not a religion, it's a way of life." 「キリスト教的な精神とは宗教ではなく、人生における指針である。」 この文はアメリカの有名な宗教家の言葉である。これを覚えていたので、色々な場面で役に立つことがあった。

 アメリカはキリスト教の国であると言ってよいので、我々のような異教徒は暮らしにくい。さまざまなパーティの場でも、やはり宗教にもとづく観念の差というものを感じる。
 二年前にテキサスに行ったときにも、教会に連れて行かれて紹介された。筆者はこのようなチャンスには、必ず参加することにしている。色々な出会いがあってプラスになることが多いからである。しかし、そこで聞かれたことは唖然とすることであった。
「日本にはキリスト教がそんなにも浸透しているのか?この間のニュースで、津波で流された金庫が何千個も見つかって、中味の現金が入ったまま持ち主に返されたと報道されただろう。キリスト教徒でなければそういうことはするはずはないからな。」と言うのである。
 なんという傲慢さ!
 
 彼らは、「キリスト教徒は正直で、それ以外の連中はウソつきである。」と決めつけているのだ。指名されてスピーチをすることになった。日本人とはどういう人たちなのかを説明したのだが、彼らの頭からは前記の思い込みが取れない。
 そこで最後に、"Christianity is not a religion, it's a way of life. To be a Japanese, it's the same way of life as yours." と言ってやった。「キリスト教的な精神とは宗教ではなく、人生における指針である。同様に、日本人であるということは、あなたたちと同じ人生の指針を持っているということである。」
 すると、彼らの表情が大きく変化し、全員が立ち上がって拍手した。  

dda40x at 04:28コメント(4) この記事をクリップ!

2013年04月22日

続 Contest

contest この手の作品が多いと頭が痛くなる。凄まじい労力とお金を掛けた作品である。ロストワックス鋳物の部品をいったい何百個付けたのだろう。
 今まではこのタイプのエントリーが多かったが、数年前から退潮の兆しがあり、今年は1輌だけだった。入場者が投票して入賞が決まるのであるから、この種の作品の人気が落ちたということである。筆者はほっとしている。

 配管を細かく付けるのは良いのだが、この状態では振動で配管が動き、疲労してひびが入るであろう。実物の蒸気機関車をよく見ると、こんな状態の配管はほとんど無い。必ず中間を何らかの方法で押えてある。キャブの妻とか側板に補強が無いので実感に欠ける。配管の手間をそういう方向にも振り向けるべきだ。
 これを見て、「機関士はどうやって座るんだろう。入ったら出て来られないよ。」と言っている人が居た。それを聞いて同感であった。

 
Scratch built from styrene この作品はプラスティックの板からのスクラッチ・ビルトである。よく出来ている。こんな作品を作ろうとは思わないが、感心して見ていた。実物をよく観察して作ったということがよく分かる作品であった。このような作品は型を取って、マスプロダクションをすると、たくさん売れるであろうと思った。実際、そういう商品もある。ウレタンの鋳物で信じられないほどよく出来ている。しかも安い。組み立ては意外に大変で、直角を出すために、筆者は木のブロックで骨組を作って側板を貼りつけた。

snow plow ラッセル式雪かき車を作って雪かきの途中を表しているのだろう。しかし、不自然だ。機関車が無いと奇妙だ。入賞したのだろうか。

dda40x at 04:22コメント(6) この記事をクリップ!
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ