ディカール

2022年12月08日

covered hopper を仕上げる

 天気予報を見て、塗装の準備をした。とりあえず3輌を塗ることにした。磨き砂で洗って皮脂を取り、エアコンの吹き出し口に置けば、朝までに完全に乾いている。ミッチャクロンを吹いて、べとついているうちに塗るのが骨(こつ)らしい。

painted 3輌の貨車を裏返しに置き、回転させながらどの角度から見ても塗り残しがないようにする。横に向けて斜めに保持し、同じように回転する。最後に正置して屋根の部品の隙間によく入るようにし、全体に薄く塗って出来上がりだ。この種の貨車はとても塗りにくく、手間がかかる。

 天気が良いので、輻射熱で 40℃ 位になるから、夜まで放置すると固まる。

BORAXO covered hopper ディカールはF氏が譲ってくれた。このBORAXOのディカールは、今では貴重品である。長年探していた。古くなっているので、膜を厚くする薬品を塗ったら、少々厚くなり過ぎて、浮き上がった。細かく切れ目を入れて再度ソフナを塗ると落ち着く。適度なウェザリングを施すと出来上がりだ。この当時は連結器にも塗装をしていた。現在は法律で連結器、バネ、車輪、車軸、枕梁等への塗装は禁止されている。ヒビを見つけやすくするためだ。

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2020年11月11日

GTELを塗る

turbine decal set (1)turbine decal set (2) タービンの記事を書いているうちに、塗装がしたくなった。もう30年以上も放置していた韓国製で、これらは第一世代のGTELである。Ajinの製品であるが、上廻りの出来は素晴らしく良い。ハンダ付けの修整は、ホーンの向きが間違っていた以外、する必要はなかった。下廻り台枠、ドライヴなどは、新製してある。
 Ajinの1985年以前の製品のひどさは語り継がれている。板そのものが再生ブラスであった。ハンダ付けはデタラメで、ぽろぽろと壊れていく。これは筆者が助言を始めたころの製品で、かなりの改善がなされたものである。

 ディカールも古くなってしまい、水に入れると粉みじんになるものもある。再生させる塗料を塗って、ディカールを丈夫にしなければならない。

1st generation GTEL (1) この種の赤線の入ったものは、赤を最初に塗ってマスキングするという手順を採る人が多いが、筆者は赤をディカールで表現するので黄色を先に塗る。
 赤のストライプのディカールは黄色の塗膜上に貼らねばならない。下の色が明るいと赤が鮮やかになる。塗り分け線の位置決めは大切である。

 磨き砂で錆を落とすが、完全には取らない。ザラザラが無くなるようにするだけである。ミッチャクロンを塗って生乾きの時に、艶のある黄色を塗る。2日放置して完全に固める。2日目は直射日光に当てて、温度を上げると固くなる。

1st generation GTEL (2) 次はグレイを塗るためのマスキングが必要だ。大量のテープが必要である。一部は広告の紙を切った短冊を使う。塗分け線をどこにするかは資料をよく見て決定する。キャブの屋根あたりの塗り分けは、機種によって異なり、かなり込み入っている。マスキングだけで数時間を要した。

1st generation GTEL (3) 同時に、反射防止の艶消し緑も塗ってしまう。塗ったら、生乾きの時に、注意してマスキングを外す。こうしてまた2日放置すると、ディカールを貼るところまで行ける。

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2020年09月10日

Solvaset の有効成分

Solvaset 最近、栗生氏の掲示板でディカールの柔軟剤ソルヴァセットの成分について、アメリカの掲示板の投稿を再録していた。



 ソルヴァセットの成分が何なのかは、永らく謎であった。筆者のハナマトグラフィでは、グリコールエーテルではなかろうか程度の認識であった。水に溶ける有機物はそれほど多くはないので、そのあたりだろうと思った。さりとてそれを分析するほどのこともなく、買った方が安いのでそれで十分満足していた。ソルヴァセットの溶解力はかなり強く、多く付けるとディカールの膜が溶けるから注意せねばならない。家庭用強力洗剤にもアルコールエーテルが含まれている。

Solvaset しばらく前にアメリカで買って来た瓶のラベルに、
methoxy-2-propanol, methoxy-1-propanol
と表示があったので、当たらずとも遠からずであった。(正確には、前者は1-methoxy-2-propanolと書くべきであるが、間違うことも無いだろう。)

 昨年思い切って分析にかけてみたところ、methoxy-2-propanolが99%以上であった。この形の分子ができやすいし、また安定である。1の方は痕跡程度であった。成分表示に書く必要もないほどだ。
 2の方は光学異性体の混合物(*は不斉炭素原子) になっているはずだが、そんなことは、この際、どうでも良い。 500 gが5000円ほどで買えるが、あまりにも多すぎる。市販品の濃度なら100人で分けても余る。その手間を考えれば、市販の瓶入りを買うべきだ。


butyl cellosolve ブチルセロソルヴという話も出ている。これも水といかなる比率でも混じり合う。これにもディカール柔軟剤の機能はあるだろうが、乾燥がかなり遅い。このブチル基は直鎖だが、これが枝分かれしているとさらに溶解力が強くなるはずだ。これらはラッカ・シンナに少量含まれていることがある。
 これを多めに含ませたものが、リターダ・シンナである。ブチルセロソルヴを混ぜると蒸発速度が小さくなるので、気化熱で塗膜が白くなるのを防ぐことができる。湿気が多い季節には使うべきラッカ・シンナである。
 セロソルヴの意味はニトロセルロース系のラッカーを溶かすことができるものという意味である。ソルヴァセットを付け過ぎると塗装が溶けるのは当然である。心配な人は水で薄めると安心だ。


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2020年08月19日

日光浴

decal before 友人のF氏が持参した美しいタンク車のディカールの縁が、黄ばんでいる。かなり気にしている。確かに素晴らしい貨車だが、文字の周りが黄色になっているから、いかにもディカールが変色しました、という感じである。

 これを消すうまい方法はないか、と問うので、筆者のやっている方法を伝授した。これは昔アメリカの雑誌で見たような記憶があるが、誰に聞いても知らないと言う。railtruck氏も同じようなことをおっしゃったような気がする。氏はプラスティックの専門家であるから、筆者の貴重な情報源である。

decal  after 直射日光に晒すのだ。紫外線をある程度浴びさせると、黄色の部分は無色になる。彼は大喜びで写真を送って来た。
「いったいこれはどういうわけなのだ。日に当たれば黄色くなると思った。」


褪色 この説明は難しい。一般論で言えば、紫外線を浴びせると色が付くものと、消えるものがある。色が付いてそれが消えないものは、専門用語を使うと「共軛系が長いもの」である。芳香族系のものはまず消えない。フェノールがキノンになったりすると、もうダメである。そういう場合は、赤みを帯びるものが多い。要するに保存中に赤くなってしまったものは、何をしようが元には戻らないものが多い。
 一方、黄色になったものは、酸化によって2重結合が増したもので、短い共軛系であろう。これは紫外線によって、さらに酸化されて共軛系が消滅することがある。調子に乗って当て過ぎると、分子の基本部分の結合が壊れて崩れてしまうから、夏の日差しで2時間が限度である。それで消えなければ、諦めるべきだ。

 ”共軛”という漢字は、現在の化学の教科書には”共役”と書いてあるが、正しい文字を使いたい。なぜかというと、これを「キョウエキ」と読んでしまう人がかなりの比率で居るからだ。「キョウヤク」が正しい。
 高校の数学で、共役複素数を「キョウエキ複素数」と習った人がかなり居るだろうが、それは完全な間違いで、そんな数学の教師は失格である。軛はくびきである。「くびきをともにす」と読み下すべきで、2頭の牛がペアになって車や鋤を牽くことを指す。教えている言葉の意味さえ調べない無能な教師が、かなり居るということだ。筆者の高校の時の数学教師は、すべて駄目であった。英語ではconjugateと云う。ラテン語で、con は「共に」、jungare は「軛」でズバリである。
 
 
 上の共軛系とは、炭素間2重結合が2つあるいはそれ以上並んでいることを指す。黄ばみは、それ以外にC=O 2重結合の存在も寄与している。 

beforeafter 詳しい理屈は大学院以上のレヴェルの話で、言えることは、ディカールの黄ばみは2時間の日干しで直る可能性が高い。しかし、夏の日差しは強く、プラスティック製品は高温で歪むかもしれないから、冬の方が良いだろう。やり過ぎるとディカールそのものが傷む可能性があるから、外に出し忘れないようにして戴きたい。

 うまく行くものとそうでないものがあることを承知の上で、試行をお願いしたい。

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2020年06月04日

UP 2-tone gray の車輛群

 Union Pacificは1952年までは、この2-tone gray を客車の標準色としていた。黄色は、一部の特急列車だけであった。
 Tom Harveyから見せてもらった写真は、ほとんどこれであった。前回までにお見せしている黄色のStreamlinerは、1956年の製造で、2-tone の時代はない。

 緑色の客車は、十分な量あるから、もう作らなくて良さそうだ。過渡期には、これら3通りの塗りの客車が一編成に入っていたこともある。
 今作り掛けの数輌はこの2色のグレイになる。台車も用意できたから、後は組むだけである。

baggage roof (2)baggage roof (1) 荷物車は数年前にDennisから貰ったキットで、組んだは良いが、どうしようか迷っていたものだ。天井は丸く、そのまま塗るとのっぺらぼうで、面白くない。
 或る雑誌に、マスキングテープを貼って厚く塗料を塗り、塗膜の厚さでルーフィングの厚さを表現すると良い、という話が出ていた。
 先日のエナメル・スプレイは、これには最適である。二度塗りして厚さを稼いで、汚い黒を塗った。もちろん、上塗りは下のエナメル塗料が溶けにくいものを使った。

2-tone gray baggage 結果はこの通りで、うまくいった。マスキングテープの幅は15 mmを用い、屋根上の掴み棒に当らない割付けができることを確認して貼った。

 ドア下のハシゴは写真を見てそれらしく作った。折れないように銀ハンダで作り、床板に広い面積でエポキシ接着剤で取り付けた。台車の回転は半径2500mmをクリアすることを確認した。客車ヤードの最急曲線である。分岐は#8と#10だから、問題なく通るはずだ。この種のハシゴは台車の回転を阻害するから、気を付けねばならない。

 ディカールは無いので、特注で作ってもらうことになる。二色の合わせ目には黒縁の銀線が入る。なかなか凝ったものになるはずである。 


 例の問題のリヴェットの表現は、ディカールによる。Archerという会社の社長と話をしたので、それを買った。他の会社の製品もある。膜厚が無視できないので、テンダの側面のようなのっぺりした面には適さないだろう。特にHO以下では相対的に膜厚が目立つかもしれない。
72 ft baggage  今回は屋根で、艶が無い場所なので使ってみた。ほとんど見えないが、写真では、わざと段差が見えやすい光の角度を選んで、ヒントとした。実際には、Oスケールの鑑賞距離で、それが艶消し面上であれば、まず見えない。実物写真は、Kansas州Wichitaにて撮影した。  


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2020年05月15日

貨車の塗装

 外出が制限されるようになり、自宅に居なければならない。天気が良いので、塗装を始めた。夜準備をし、洗剤でよく洗う。長年の間に油汚れが付いているからだ。扇風機で軽く風を送っておくと朝までには完全に乾く。

ACF Covered Hopper (1) 外の塗装台に被塗装物を並べると、日が当り、ほどほどに温まる。コンプレッサをonにし、タンクに溜まった水を捨て、圧力を見て開始する。今回の貨車はGreat Northernにする。これはアメリカ人がブラスで作ったものである。キットなのか、スクラッチから作ったのかもわからない。これも手際良く作ってある破損品を安く買った。部品を作って修復するのに10年以上かかっている。この種の破損品は、現在のアメリカではとても安く手に入る。誰も直せないからだ。
 たまたま少し残っていたNYCの Jade Green(ヒスイの色)の始末をするのが目的で、それに僅かに黄色を足して作った glacier green (氷河の色) である。似ていれば良いので、適当である。
 貨車の色というものはもともと怪しいものである。殆どが日焼けして、さらに錆びている。この色が正しいとか、これはおかしいと言われても、そうでしょうかねという程度のことだ。完成時の色はどうなのかということなのだろうが、あまり興味が無い。
 艶を出して塗って、それにディカールを貼る。番号もごく適当である。ディカールは沢山あってちっとも減らない銘柄を、貼った。実物には無いはずの組み合わせだから、参考にされないようにお願いする。
 車輪を塗って、少し汚すとできあがりだ。十分な仕上がりになった。

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2016年10月04日

decalの補強剤

Decal 苦労して古いディカールを手に入れ、貼ろうと思った瞬間に、水の中で四散してしまうことがある。古いものはディカールの膜が劣化して、ヒビが入っているからだ。
 そういうときのために、この液体がある。Microscaleから出ている。膜の強度が怪しいディカールにこれを塗ると、表面に新たな膜ができ、水に浮かせばその膜を拾い上げることができる。

 Fordのホッパ車のディカールは極めて貴重で、オークションで苦労して落札したものだ。貨車を塗装して貼るつもりだったが、膜が怪しいので、この液をさっと塗った。
 塗った瞬間に不思議な感触があった。なんと、膜がほとんど流れてしまった。擦ったわけでもないのに、白い模様が全体に広がってアウトだ。
 薄く吹き付けると良さそうにも思えたが、粘度の高い液体で、それも難しそうだ。溶剤はメタノールのようだ。薄めると、ディカールの印刷部分がますます溶けやすくなる可能性もある。

 顔料を結びつけているもの(binder)が、塗った液の溶剤に溶けたらしい。 このディカールは、おそらくもう二度と手に入れることができないであろう。がっくりきた。
 Fordの工場の動力源であった蒸気機関の燃料を運んでいたのだ。のちには、暖房用燃料を運んだ。 

 古いディカールは最初からあきらめた方が無難だということだろう。この液を塗らずに水に入れれば、ばらばらになっておしまいだ。しばらく前、大きなヘラルドを貼ろうとした時にも、それが起こった。なんとか拾い集めようと思ったが、とても無理で、あきらめた。
 それもずいぶん高価なものだったが、一瞬で消滅した。腹立たしい限りだ。

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2009年01月15日

続 Painted and Lettered

 "Ready to Run", "Painted and Lettered" は椙山氏のレイアウトの標語であった。 
 椙山氏は、よくこうおっしゃった。
 「10輌のブラスロコより、1輌の塗装済みロコ。」
 「細かい部品をつけるより、塗装すべきだ。」
 「文字の入ってない車輌は、実感を損ねる。」
 「窓ガラスのない車輌は戦災にあったよう。」
 
 それを耳にタコが出来るほど聞かされているので、ブラス地肌の車輌は線路に載せたくない。

 確かに、正しく塗ってあり、文字が貼られた車輌は見栄えがする。塗る前とあとでは、価値が10倍違うような気がする。
 ディーテイルに凝って時間を掛けても、塗ってみると、さほど努力の跡が見えない。大きな部品がまっすぐ付いて、車体の高さが正しければ非常に立派な車輌に見える。

 人間の目はまっすぐか否かをよく見分けるが、細かい造作は目に入らぬように出来ている。

 筆者の工作はこのような方針である。したがって、あまり細かいことにこだわる方には物足りないようだ。

 次回からはブラスの貨車群の素性について触れたい。

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2009年01月11日

Decal を貼る

BECCO Hydrogen PeroxideTank Car 大方の予想通り、これは10000gallon のケミカルタンク車である。Max Grayの時代のもので、型番は#305である。
 製造は安達製作所である。これは内野氏のお宅に遊びに行った時に、貰ってきたものである。「K模型店の倉庫に転がっていたのを貰ってきた」のを、「はいよ、お土産!」と戴いた物であった。あちこち壊れていて、修理した。ついでにドームを旋盤で挽いて新製した。

 この型番の貨車はたくさん所有している。どれも有名な化学会社の塗色にした。DowとかMonsanto, Penn Salt などがある。左のリンク集の一番上の動画をご覧戴けば、その様子がお分かり戴けるであろう。

BECCO Tank Car Deck Beccoは、バッファロ・エレクトロ・ケミカル・カンパニィの頭文字を並べたもので、高濃度過酸化水素を作るノウハウを持っていた。バッファロの町はナイアガラ瀑布に近く、いわゆる滝線都市で、水力電気が安価なところである。アルミ製錬をはじめとして電解工業が盛んである。
 タンクの上部にあるドームの形が普通とは違っていて、大きな安全弁が付いている。高濃度の過酸化水素は大変危険な物質であり、まかり間違えば大爆発を起こす。タンクの内部はグラス・ライニングが施されているはずだ。もっと高濃度のものを運ぶときは、純アルミニウム・タンクを用いる。
 
Becco Tank Car by Champion Decal Beccoのタンク車には興味があり、70年代初頭に東部に行ったときたまたま古い車輌を見かけた。いつかは作ろうと思い、ディカールだけは買っておいた。価格を見ると$1.45とあるから、75年あたりに買ったのだろうか。
 このころのChamp Decalは現在と比べるとやや膜が厚い。丈夫だから貼りやすいが、膜の腰が強くて凹凸になじみにくい。ディカールを浸す水は40℃くらいにすると、少しは軟らかくなる。
ディカールをなじませるSoftenerはどこのでもよい。あまり多いと失敗する。ディカール膜の水を切って、貼る面に1,2滴置いたソフナの上に着地させる。

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2006年11月03日

『ぬれ』の応用

applying decal on a tank car 問題の答えは、 ⓼の全てである。金属同士がよくぬれあうので、めっきもハンダ付けも出来るのだ。ハンダ付けの不得意な人は材料をよく洗い、塩化亜鉛の飽和溶液を使えば必ずうまくいく。もちろん大きなコテを使って十分な加熱が必要なことは言うまでもない。すき間に融けたハンダがつるりとしみ込むのを見れば、『ぬれ』を実感するであろう。銀ロウ付けもハンダ付けと全く同様、『ぬれ』による。⓼の熔接も母材を融かすと生じる液状の金属とぬれ合う。

 接着とは固体の2つの母材のどちらにもぬれあう物質が、液体から固体に変化することである。塗装は母材がひとつの場合である。もし接着剤や塗料よりも『ぬれ』の良い物質が母材に付着しているとそこで『はがれ』が起きる。溶剤や洗剤で、確実に母材を露出させる必要がある。

 潤滑は母材になじみの良い油を選び、種々の添加剤を加えたものである。25年ほど前、LPSなるスプレィ式潤滑剤の宣伝で、塗布した機関車が水槽の中を走っていたそうだが、これは、その潤滑剤の金属に対する『ぬれ』が、水のそれに勝っていたことを証明するものである。添加剤により、ぬれを改善した具体例である。

 さて、ディカールを貼るとき塗膜はよく水をはじくから、何らかの方法で『ぬれ』をよくすることが大切である。筆者は、滑面(つや出しにする)に#1200のサンド・ペーパーを軽く掛け、ドライウェルを混ぜたソルバ・セットを塗る。こうすると、ディカールを貼りたい面に薄く水膜を作ることが出来るから、そこにディカールを手早く載せて水がしみ出して来るのを待つ。『ぬれ』さえ良ければ水は急速にディカールの範囲外に出て、上記のように乾いていく。もちろん綿棒などで水を吸い取らせるのも助けになる。このときの温度は、ある程度高いとうまくいく。水の粘度がかなり小さくなるからである。
 気泡が出来ても気にせず乾くまで待つ。気泡のあたりによく切れるカッタ・ナイフを当て、1ミリピッチで軽くディカールのみに切込みを入れる。ドライウェルと混ぜたソルバ・セットを少量置くと、『ぬれ』が良いので空気を押しのけて水が入り込む。切り込みは必ず平行にする。もし碁盤の目のように切り込むとみじん切りになってしまうから注意されたい。

『ぬれ』は界面化学の分野の用語のひとつである。

写真はディカール貼り

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