ディジタル技術

2022年04月15日

HO用3条ウォームギヤ・セット

「HOゲージ用の3条ウォームを作って欲しい」という要望が、かねてからあった。問題点は発注ロットで、最低300組の注文がないと、動き出せなかった。
 Oゲージ用の注文が溜まってきて、それと同規格にすることを思い付いた。厚みだけ減らせばよいのだ。HOゲージの蒸気機関車に使える。Oゲージ用はディーゼル機関車や電車用である。外径は約14 mmで、ギヤボックスの底を削ると、ギリギリで9600にも使えるということであった。穴は薄いフィルムで覆えば良い。潤滑剤は、モリブデングリスをほんの少し塗るだけなので、漏れることもない。

 ギヤ比は3/23で、蒸気機関車にはやや低いかもしれないが、時代はDCCである。DCCでは低い電圧を作り出せるので、問題はない。重負荷のときはもう少し高い電圧を掛けられる。

 何人かの友人に先行試作品を買って戴き、テストをお願いした。結果は非常に良く、2輌の機関車を同一の線路に置き、片方を押すと他方が走るそうである。トルクアームあるいは吊り掛け装置は、仮のものであろう。

「HOのギヤを1両組み込んでみました。素晴らしい走りです。これまで動力装置を色々と試してきましたが、これ以上のものはありません。」
というお便りも受け取った。差出人は工学部機械学科出身の方で、この分野には明るいから、よく理解された上での感想であろう。

 3Dプリントの特性上、肉厚が減らせない部分がある。製品を削るのは全く問題ないので、薄くしたいときは、外面を0.5 mm程度削るように、お願いした。また、外形は冗長性を持たせてあるので、差し障る部分は切り落せば良い。トルクアームを付けるべく、上に角を出してあるが、そこは使い方によっては不要になることもあるだろう。


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2022年04月13日

六角ジョイント

hexgonal joints 最近、今野氏ブログ採り上げられたので、問い合わせが多い。寸法を聞いて、自分で作るつもりの方もいらっしゃるようだが、かなりノウハウが有るので、そう簡単には出来ないだろう。ここに来るまでに、かなりの試作をしている。材質もABSではいけない。長持ちしないのだ。寸法は長短2種用意した。M1.4のナット(対辺3 mm)の角を落として用いる。これは旋盤で落とすべきである。

 今野氏は例のシリコーン・チューブを使うのを避けたかったようだ。正しい解釈である。シリコーン・チューブは鉄道模型の推進力伝達には全く適さないものである。

 六角ジョイントは、次の3つの問題点を同時に解決する。
(1)軸の曲がり
(2)軸ずれ 
(3)軸の伸縮
 もちろん大きな修正は期待できないから、目で見てほぼ合っている程度に調整してから、採用して戴きたい。角速度変化は極めて小さい。
 ギヤボックスには、反トルクを承ける何らかの装置が必要である。一般的にはトルクアームを付けるべきだ。これがないと、発進時あるいは減速時に、ジョイントが抜けてしまうだろう。

 六角ジョイントの中には隔壁が有る。そこには2つの弱いバネが入れてあり、浮動している。この浮動がミソなのである。それに気付かず、「音がする」と文句を言う人が居る。きちんと説明しているのに、話を聞かない人である。こういう人とは、縁を持ちたくない。 

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2021年11月18日

信号装置の修理

signal wiring 信号機の一部が不調であった。設置時から、1つがうまく作動しない。開発者のNS氏から連絡戴いて、見てもらうことになった。車から荷物を出すのを手伝ったところ、陰極線管の付いた、重いオシロスコープまで持ってきて下さった事に気がついた。

 要点を押さえたトラブル・シューティングにより、すぐに不具合の箇所がわかった。さすがは開発者である。配線をやり直して、作動を確認した。テストをしながら新しい部品に替えてみたところ、無事作動を確認できた。

 レイアウト一巡り100 m弱が4セクションに分かれている。短い旅客列車は全く問題ないが、長い貨物列車は2セクションをまたいで走るので、緑色の信号が出ないのは仕方がない。いつも黄色を踏みながら走る。短い60輛運転なら緑色信号が出る。

 渡り線がある部分では、遠方信号機がその開通方向を示すので、なかなか面白いはずだ。

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2021年10月29日

EF58の先台車

lead truck S氏に3Dプリントの作成をお願いしていたが、設計が終わり、先台車が納品された。こういうものは樹脂成形に限る。
 というのは、Oゲージでは先台車枠を広く作らざるを得ないからだ。デッキのハシゴが開き過ぎて、実感的でない。 これを解決するには、接触しても短絡の心配のない樹脂で、なるべく台車枠を狭く作ることだ。そして、デッキのハシゴに関節を付けて、押し上げられるようにする。半径2800 mmの曲線上では、ほんの少しはね上げられる程度にできる。よその線路には持ち出さないので、十分である。

 昔のOゲージを、博物館の線路に適合させるだけだから、難しい工作をする必要もない。伝動装置は3条ウォームの全軸駆動で、モータ軸からはチェインで下げる。もちろん前後の台車は連動し、牽引力を稼ぐ


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2021年08月08日

レーザによる切り抜き

What is this? 先回のお答がまだ少ないので、少し時間稼ぎのネタである。これは何だろう。大きさは100mm角より少し小さい。
 ステンレスで作ったから、ハンダ付けは容易である。熱が逃げないから、小さなコテで、よく付く。ハシゴなども作った。各種のハンダを使ってみた。やはりスズ63%のハンダに限る。これは液と固体の2つの相しか持たないから、一瞬で融け、コテを離すと固まる。また、液状のときの粘りはほとんど感じられない。隙間にするりと沁み込んでいくので、後で削る必要もほとんど感じない。この写真では60%のハンダを使った部分も写っているので、ハンダが盛り上がっているところもある。

field magnet 最近は、レーザ屋さんは忙しいらしく、少々待たされた。他にも色々なものを作ってもらった。厚いものでも平気で抜けると力説するが、さすがに38 mmの鉄心を一発で抜くことは出来ない。19 mmを2枚ということを考えたが、ネジ穴はあけられないらしい。厚さの半分くらいの穴なら、あくそうだ。仕方がないから、9.5 ✕ 4 = 38 とした。これはLobaughの調子の良さそうなモータの界磁鉄心である。このモータは550 g もある。界磁をネオジム磁石の強力なものにしてどうなるかをテストしたい。界磁磁石が強すぎるということも考えられる。電機子の電磁石など無視して磁力線が通過すると、アウトだ。どうなるだろう。
 Φ4.1 とΦ3.2の孔をあけたが、中に融けた鉄のかけらがあるので、ボルトが通らない。ドリルで貫通させておいた。周辺も微妙にカエリが出ていたりするので、ベルト・サンダで落とした。
 エポキシ接着剤で、4枚を貼り付けて組むことにする。 

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2021年08月04日

TR47 再生産

 例の客車群を全数完成させたが、そのためには台車をたくさん作らねばならなかった。ブラス製の古いカツミの台車は廃棄して地金になり、新たに3Dプリントした台車を作った。

 前回の出力では、あまり表面が綺麗とは言えなかった。見えにくい影になる部分だから、シルエットさえ良ければ十分と思っていたが、そうは思わない人もいる。多少なりとも平滑な仕上がりを得たいと思っていた。

 ちょうど3Dの師のS氏から、最近は受注する工場が価格を上げて来たので、より平滑な出力方式と大差ない値段になったと知らせてきた。それならば、と平滑な出力方式に切り替えた。仕上がりには満足できた。下手なロストワックス製よりずっと良い。

new TR47 Low-Dを嵌めた状態である。実に簡単に組め、ひねりに対して柔軟である。
 客車の電装は済んでいないが、内装が終われば当然照明を付ける。
その時に付ける集電ブラシだが、実に簡単である。絶縁の必要がないので、台車に直接ネジ孔をあけて、ブラシの元をネジ留めすれば出来上がりだ。

 転がりは最高である。0.25%の勾配で滑り降りる。14輛編成で20 g重の引張力で足りるという驚異的な低摩擦が可能である。   

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2021年07月29日

貨車を完成させる

 台車を組み立てたので、未完成だった貨車に手を付けた。九割方できた状態で放置してあったものを集めて、完成しやすいものから手を付けた。

 どれも3時間程で完成し、塗装を待つだけとなった。博物館のヤードにはあと15輛分しか余裕がない。飽和すれば、自宅のレイアウトに逆戻りするものも出てくる。凝った作りのものは、ガラスケースに飾るという手もある。

GS gon これは随分前に紹介したものである。その後3Dプリントで下廻りを作り、今回は細かい工作をして、連結器高さの調整をしただけだ。
 3Dプリントで梁を作ったが、鏡像の部品ばかりだ。2回に分けて出力して、組み合わせた。染色して色を変えたので、わかりやすい。正確に出来ているので、無調整で組めた。これもS氏の設計である。これをブラスで作ることは、あまりにも大変で避けたかった。 

 角線に通す4 mm角の細かい部品は3Dでは作りにくい。厚さが足らなかったりして、何回か作り直した。この部品は、無理に押し込むと割れてしまう。内寸を正確に出力してくれないと手直しが大変で、しかも角度が狂うとみっともない。
 大きなものは間違いなく作れるが、細くて小さなものは難しい事がわかった。

 天気図をよく見て、塗装の日取りを決める。同時に塗る何輛かの下地処理も行っている。塗装の準備は楽しい。 

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2021年07月27日

続 枕梁を更新する

 この枕梁は、快削ブラスの角棒から削り出したものを作ったことがあるが、上の3つの峰の部分を作るのが面倒で、一つ作ってやめた。

 その後10年も走らせていると、破損台車が20台以上溜まってしまい、なんとかせねばならなかった。もう供給が少ないので、修理する以外無いのだ。
 この製品は昔は安かったが、今はバネ入れの人件費が高いらしく、完成品は手に入りにくい。バラの状態では売っていたが、買う人がなく、それも消えてしまった。折れるから、枕梁だけは売っていたが、それも見なくなった。唯一の入手法は、コンヴェンション会場のスワップミートで、台車目的で中古貨車を買って、車体を捨てることだ。

 こういうものこそ、ナイロンで3Dプリントすべきである。見かけ上大切な、3つの峰と嵌め合い寸法だけは気を付けて、他は強度第一の設計にした。
 枕梁が割れるのには、もう一つのファクタがある。センタ・ピンの頭だ。もともとは4-40 (2.8 mm径) というインチネジのはずだが、日本ではM3のネジがちょうど良い太さで、それを使うように車体にメネジを立てる。このM3の頭は、台車枕梁の穴にぎりぎり入るので、ねじ込むと抜けることがないから便利だと思った。しかし、ねじ込むことによってストレスを与え、ヒビを生じさせるのだ。枕梁の穴には抜き勾配があって、ネジを締めると食い込んで広がるのだ。筆者はそれに気が付いて、その工法は止めたが、その後遺症が出ているのだろう。この方法は、直ちにやめるべきだ。
 もう一つ、光による影響がある。塗装してない台車は劣化が早い。 中古貨車の部品は劣化していることが多い。

fixed bolster  例によってバネを嵌めるのは大変だが、デンタル・フロスを使った。台車は古く、埃が積もっているのはお許し願う。 

 一部の台車にはボールベアリングを仕込んである。車重が1 kgもあるような貨車にはそうせざるを得ない。3本のバネは中くらいまで撓んでいる。浮いている状態だから、ポイントを渡るときの動揺が実感的である。

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2021年07月25日

枕梁を更新する

 貨車の台車は、 Athearn のデルリン台車に敵うものはない。その低摩擦は、Low-Dと組合わせると無敵である。ピヴォット軸受であるが、軸重100 g重までなら全く問題ない。しかし、長期に亘って使用していると、たまに事故もある。

Athearn truck bolster 台車枕梁が破損するのである。一番多いのは黄色矢印の部分のひび割れである。徐々に疲労し、脱線などの衝撃で折れてしまう。折れなくても片側が開いて、枕梁が曲がる。すなわち、車軸が外れ、脱線する。この設計はまずい。力のかかるところの肉厚が、一番小さいのだ。ネジによる応力割れもある(後述)。
 二番目に多い事故は、赤色矢印の爪状部分の破損だ。これが赤の線で欠けてしまう。脱線などで、衝撃があると欠けるのだろう。これが無くなると台車枠は外れ、脱線転覆する大事故につながる。

 台車枠は、デルリン(いわゆるポリアセタール)であるのに、枕梁はポリスチレンである。とても弱い。リモネンを使って接着しても、他のところが割れてしまう。
 こんなところにポリスチレンを使うのは間違いだ。こういうところこそ、結晶性プラスティックを使うべきだ。どうしてデルリンを使わないのだろう。 

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2021年07月13日

M10000の座席

3D print M10000の座席をアルミニウム板と木片から作り始めたが、形が揃いにくく、たくさん作ってそれから選る必要があった。その準備を始めたが、しばらく放置されていた。
 3Dの師のS氏から連絡があって、お願いすべきものを頼んだ。座席の話を出すと、空きスペースがあるからそこに突っ込めば安上がりだと教えてもらった。

 早速、簡単な図面と写真を送ったところ、たちまち図面が到来し、承認した次の日には造形が始まったようだ。あっという間に届いて、床板に付けられた。実は貼り足したアルミ板の厚さの分だけ高さを減らすのを忘れて、底面をベルトサンダで擦り落としている。

M10000 スーパーXで貼り付けて、塗装した。すぐ出来上がり、人形をごく適当に乗せた。例によって人形の足は切断したり、背中や尻を削ったりしているので、車内を覗き込まれると、具合が悪い。この種のあまり見えない造作は、3Dプリントで十分だ。簡単で、安価である。S氏には感謝する。

  例の「はと」編成の座席を作らねばならない。3Dプリントで作るに限る。参考になる図面を探している。  

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2021年02月13日

続 漏電

 この種の漏電箇所は、這いつくばって探しても、そう簡単には見つからない。最近の大きな技術的な進歩が無ければ、発見は難しかったと思う。

 Tom Harveyは、
「俺は線路の every inch(どの1インチ)をも知り尽くしている。」
と豪語していた。レイアウト中を這い廻って作業した時、筆者はその言葉を思い出していた。

 以前、絶縁車輪を作った時、ショートして困ったことがある。小さな金属クズが絶縁紙に刺さっていて、通電しているのだろう。祖父江氏に聞くと、
「なーに、簡単だよぉ。自動車のバッテリィを持ってきて、ちょっとつなぐと、いいんだよぉ。パシッと音がして、問題個所は燃えてなくなっちまうんだぁ。」
と言った。乱暴ではあるが、それで解決することが多かった。これは鉛蓄電池の内部抵抗が小さいことを利用している。

 その後アメリカで、レイアウトのショート箇所を特定するのに、似た方法を使うのを見た。可能性のある部分に、人をたくさん配置してレイアウトの上下の面を見張らせた上で、バッテリー(確か24 Vだと思う)をつなぐのだ。どこかから煙が上がるから、用意した水を掛けて消す。アメリカの大きなレイアウトの饋電線はAWG12(約3.5 mmsq)以上だから数十アンペア以上流していることになる。
 今回もそれがやりたかったが、一人ではそんな危ないことはできない。そのまま火事になるかもしれないからだ。もう少し賢い方法を採らねばならない。
 
 肺炎禍で非接触体温計が手に入りやすい。これを使った。大きなトランスを用いて15 Vを掛けると、10 Aほど流れるから、温かくなるだろう。通電しながら怪しい部分の温度を測定した。すぐに温かい部分が特定された。電源を切り、修復作業に取り掛かった。この方法なら、煙が出る前だから、安全である。

 ダブルスリップの絶縁されたフログのギャップ部分に青い錆のかけらがあった。ハンダを外して分解清掃し、再度組み立てた。ギャップにはエポキシ樹脂を詰め込んだから、大丈夫だろう。場所の特定までには長い時間が掛かったが、修復はあっという間だった。

 この方法は、むすこたかなし氏から赤外放射計を使うというヒントを得たことから、思い付いた。感謝する。 
 今回の件で、レイアウト全体に掃除が行き届き、とてもきれいになったのは思わぬ余禄である。

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2021年02月07日

信号機の工事

working signal 年末から掛かっていた信号機9台の配線が、すべて完成した。今回の配線工事にはF氏が駆け付けてくれた。1台だけ少々不都合があるが、いずれ解決できる見通しが立った。
 全区間を4つに分けた複線だが、遠方信号機も必要になって9台設置した。


cantilever signal bridge 遠方信号機はCantilever型に付けられている。これは分岐があって、その進路を示すためにも必要なものだ。右に曲がるとダブルスリップがあるので、それが開いていることを示すものである。この角度からであると、信号機の配線が少し見えるが、観客側からは殆ど気が付かない程度になった。同じ色で塗れば、目立たない。 

signal bridge 信号機を作るのはそれなりに面倒な仕事ではあるが、その配線がこんなに大変だとは思わなかった。たくさんの線を見えないように配置せねばならない。細い線を使いたいので、ポリウレタン被覆線を採用した。それを束ねて軽く撚り、熱収縮チューブに入れて加熱する。細いものを用いるとΦ1.5程度になるので、それを鉄骨の陰になるように接着する。細いクランプをたくさん必要とするので、一部は洗濯バサミを加工して自作した。接着には時間が掛かるので、かなり長期間の工事であった。漏電すると失敗であるので、各工程ごとに絶縁試験をした。その手間が、とても大変であった。この信号橋には全部で18本の電線が通っているが、全く見えないように死角に設置することができた。これだけで1週間掛かってしまった。

 これらの写真には、信号機の裏に漏れる光も写ってしまっている。いずれ遮光塗料を塗れば見えなくなるはずだ。


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2020年12月15日

3Dプリントによる国鉄型台車

 S氏にお願いし3D-printed (1)3D-printed (2)た国鉄型台車が到着した。この写真はかなりの近接撮影であってざらつきが気になるが、実際の鑑賞距離ではほとんど見えない。Oスケールでの鑑賞距離は50 cmほどだろう。HOゲージならば、滑らかさを追求した別の出力方式を採る必要があるだろう。本物の図面から描き起こし、模型化の手順を経ているので、走行性能は抜群である。 実物をそのまま縮小した訳ではない

 稲葉氏の遺品である昭和29年の客車列車を保管することになり、その台車を交換する必要に迫られた。OJに改軌する必要があるのかもしれないが、とりあえずOゲージの台車を履かせて、12輌編成の特急、急行列車としたかった。機関車はEF58をお預かりしているので、その下廻りを新規に作れば一応の体裁は整う。その部品は揃った。

 OJ長軸が作ってあるから、車輪を嵌め替えればOJ用にもなるが、ブレーキ位置が異なる。しかし台車自身それほど高価なものでもないので、OJ用のも作ってもらった。こうすれば台車ごと嵌め替えれば対応でき、楽である。
 もちろん、ブレーキ装置は車輪踏面に当たるような位置に来ている。

  TR47、TR23を作ってもらったので、ピヴォット軸を嵌めれば走らせることが出来る。軽い車体なので、それで十分だ。ただ、床下器具は接着剤が劣化しているので、全部剥がして優秀な接着剤による再接着が必要だ。今のままでは、走行中に落下する。

 車輪はスポーク輪心ではないが、TR47では全く目立たない。TR23には、新設計のスポーク輪心を再利用するプロジェクトの完成を待ちたい。このスポーク車輪の再生は新年には出来るだろう。今、ネジ太さの微妙な調整で手間取っている。

 この新台車は、素材の性能を生かしたひねりの利く設計を採用している。すなわち、台車そのものが線路の凹凸に追従するから、バネ装置を省略できて経済的で、しかしながら走行性能は抜群である。端梁は、180度屈曲させ、ひねりに対応する。イコライズされているわけではないが、弾性のある素材を使っているからこそできる技である。走りは静かで、脱線も少ない。
(左の写真ではその180度ひねりの部品を、仮に上に載せて撮影している。実際には右のように上面が面一になる。)

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2020年09月22日

続々 信号機設置工事

occupancy detection Occupancy detection 車輛検知には赤外光を用いる。 sender と receiver が要る。伊藤剛方式で、連結器高さで斜めに光を送り、車輛で遮られるのを検知する。
 設計者は、蛍光灯のちらつきなどには一切影響を受けないようにして下さったそうなので、簡単なひさし状のものを飾りに付けただけである。写真は、どんな雰囲気か知るために、置いてみたところである。

 ブラス部品をハンダ付けし、電子部品を付ける。絶縁には十分気を付ける。脱線事故があると、曲がったり折れたりするだろう。今のところ、建設予定地では一度も脱線していないから、事故でセンサをなぎ倒すことは無いと信じている。しかし建築限界の外とは言え、気になるところだ。 
 あまり丈夫に作ると、万一ぶつかった時に二次被害が起きるといけないから、支柱はなるべく薄い材料で作り、曲がり易くした。センダには2本、レシーヴァには4本の線がある。それを信号機制御モヂュールにつなぐ。

 モヂュールは普段は見えないようにしてあるが、点検時には引き出せるように蝶番で留める。
 信号機の3つのLEDは̟、+コモンで4本がつながる。この線は目立つのでなるべく細い線を使って、信号橋の鉄骨に沿わせる。黄色LEDは、amber を採用した。これは昔から気になっていることで、電球の時代から決して黄色ではなかった。いくつかの天然色写真を見ても感じることである。鉄道模型では黄色が多く、違和感を感じる。 

 すべての段取りができた状態で、設計者に監督をお願いして配線工事をするつもりだ。この種の作業は一人ではできない。

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2020年09月20日

続 信号機設置工事

 LEDは各種を比較して、色の良いものを採用した。

Green LED 最近は道路の信号機用の青緑色のLEDが主流で、純緑で良いものがなかなか買えなかった。どのような色かを表すために写真を撮ろうとしたが、発光体の撮影は難しい。色バランスの問題があり、絞りだけでは調整ができない。手前に電球色を並べると比較的差のある写真が撮れたが、良い写真ではない。右側が純緑、左側が青緑色の道路信号機用である。その間に光っているかどうかも分からない小さなLEDがある。これは、25年前の緑色LEDである。現在のものとは輝度が3桁も違う。

 日本の道路用の信号機の緑はかなり青い。赤緑色盲の人でも感じやすいという利点があるという。戦後すぐに導入された信号機はアメリカの仕様だったそうで、緑色だった。ところが日本の法律では青信号と書いてあったので問題になり、少し青味を持たせたらしい。
 アメリカの鉄道信号は純緑である。その色を再現するLEDが欲しかったので、波長 520 nmを入手した。
 最近はアメリカでもLED信号機の普及により、道路用信号機が青緑色になってしまった。この色はturquoise(トルコ石)と呼ばれる。


 信号機の橙色は、英語では amber(琥珀色) というらしい。信号機の本にそう書いてある。米語では黄色と言っていた。日本の道路信号機は黄色だったが、最近はやや琥珀色のものが多い。自動車のターンシグナルの色も最近やや赤みが増してきて、琥珀色に近づいたように感じる。輸入車の色と国産車の色に違いがあることに気が付かれる方も多いと思う。ヨーロッパでは確実に琥珀色である。ヨーロッパでは条約を結んでいるので共通だが、アメリカと日本はその条約を批准していないと識者が教えてくれた。

 昔はレンズの色で決まっていたが、LEDの時代になると、世界中が共通の発光ディヴァイスを使うようになってきたのかもしれない。それは条約よりも効き目のあることである。  

追記 東急電鉄の緑色信号機は純緑(520 nm)であった。会社によって違うのである。11/5/20 

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2020年09月18日

信号機設置工事

 工程表によれば3月に完成しているはずであったが、Covid19で助っ人が誰も来てくれなくなり、信号機の工事は延期されていた。
 信号機の回路そのものは3年も前に完成していたが、信号橋その他のハードウェアの準備が遅れた。

 とりあえず電線だけ全体に張り巡らしたが、この種の工事は一人でやると大変である。一区間が22 mあり、レイアウトの骨組みの中を通さねばならない。8心の電線がいるので、大量に余っていたLAN cableを使った。100 mほど消費した。

sender + receiver 信号機の設置部分には接続用の端子台が必要なので、バッタ屋で見つけた端子を長ネジを作って組み、台になる合板にアルミのアングルで取り付けた。ネジはM4で、SS(普通鋼)の棒材で作り、さび止めを施した。ユルミ止めはロックタイトである。久しぶりにSSにネジを切ったが、大変である。こんなにも粘る材料だったかと驚いた。さりとて快削鋼を使うと、ネジを締めた途端に切れた経験があるから避けた。

 この種の下準備に数日掛かった。電線通しだけは助っ人のあるときにやるべきであった。

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2020年07月20日

続 3D print についてのコメント

 コメントでYoutubeを紹介してあったので、見た。大変面白い。出来たものを加熱している。"annealing"という言葉を使っているのも興味深い。これは本来の意味から離れて、別の概念を紹介するためにわざと使っているものである。正しい用語とは言えない。丈夫になることを言っている。本来の意味は、金属が様々な原因で硬くなったのを、加熱して軟らかくすることである。原子の再配列をすることだ。ここでは高分子の再配列により、堅くしている。
 ちなみに、”annealed” という言葉は、中村修二氏の青色LEDの特許に関する紛争で、「これはすでにannealed ideaであって…」と相手側が反論しているのを見た覚えがある。突出した考え方ではなく、時間が経って既にありきたりの方法だと主張しているのであった。結果としてそれは認められなかったようだが、面白い用法だと思った。 

 シャツをくしゃくしゃと箱に詰めるよりも畳んで詰めるとたくさん入るという実例を示している。これは筆者もよく使う説明の方法で、結晶化によって密度が増大することを理解しやすくする。この動画をご覧になるとよい。英語は平易で、字幕も出るからわかりやすい。

 筆者の記事にもあるが、ポリエチレンが結晶化すると、密度はかなり増大する。結晶化という現象は、目の前で起こるとなるほどとは思うが、ほとんどの人はそれを見たことはない。
 インターネットなどでそれを知ると、”それが最初から自分の頭の中にあったように勘違いする”人が多い世の中になったと、昔のコメントに書いてあったが、本当にその通りである。拙ブログのコメントにも、まさにその実例がたくさん来る。

 今後AIが進歩すれば、機械が瞬時に探し出してくれるようなことを、さも「自分はこの分野には詳しいのです」、と言わんばかりにコメントを送って来る。こちらは長年の経験でそういうことはすぐわかる。そういうことを理解している人の数は極めて少ないものなのだ。 

 話は元に戻るが、この動画はなかなか面白い。経験したことの中の、使える部分をうまく抽出している。寸法を保つということを放棄して、強度増大を主眼にしているのだ。

 PLAとはポリ乳酸である。一時期、生分解性があると売り込んでいたが、それはそれほどでもなく、最近は別の観点での売り込みがなされる。

 筆者のアメリカの友人からは、「台車を3Dプリントで作ったから、お前も買え」という話が時々来るが、正しい材料を使ったものはほとんど無い。


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2020年07月18日

3D print についてのコメント

 過去数回3Dプリントについて書いてきた。コメント、私信が大変多く、注目されている内容であることが分かった。

 筆者は職業柄、材料を見ればどのような性質であって、長時間の後にはどうなるかは大体見当がつく。模型を作る人はそういうことには無頓着で、形ができれば満足するのだろう。3Dプリントが現実のものになってくると、様々なものが出て来る。10年後にはどうなるかなどとはだれも考えていないのではないか。

 アメリカの話だが、絶縁車輪の製法が変わったのは1960年代である。それまではベークライトが主体であった。その後ナイロンになった。ナイロンは優れた素材であるが、ただ一つ具合の悪いことがあった。それは削った時のクズが切れないのである。カミソリ状のものでそのクズを切り落とさないとみっともない。大変な手間がかかった。
 次に出て来たのはDelrinである。これは射出成型で作りやすく、そのスリーヴを嵌めて圧入するのは簡単である。また、それによってスリーヴが割れることもない。微妙に塑性変形して圧力を保ち、抜け止めに貢献する。要するに press fit が容易である。
 これに成功して鉄道模型界ではデルリン製(通称POM製)の歯車がたくさん作られたが、かなりの部分で応力割れが見られた。デルリンの歯車に無造作にシャフトを圧入したのである。5年位で割れてダメになった。

 現在ではこの方法は避けるべき方法として、かなり知られている。筆者はどうしてもこの部品を使わねばならないところには割れるボスの部分に金属製の環(タガみたいなもの)を嵌めている。こうすると殆ど場合助かる。以前紹介したチェイン・ドライヴのスプロケットではそうしている。要するに、中外から圧力がかかっていると、大丈夫だということだ。


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2020年07月16日

ギヤボックスを作る

 3条ウォームが少し残っていたが、ギヤボックスがない。図面を描いて自分で作る算段をしたが、凄まじい時間が掛かるし、精度のあるものが沢山できるかは疑問があった。一つだけ作るのなら喜んでやるが、ディーゼル電気やタービン電気機関車の動力は数十個を必要とする。CNC加工の外注という手も考えたが、外注先はそう簡単には見つからない。
 3Dプリントで樹脂型を作って、それを金属置換するのもアイデアとしてはあるが、鋳縮み測定の実験を数回せねばならないであろう。また決して安くはない。

 悩んでいたところ、S氏が焼結ナイロンでやってみようと言う。寸法安定性は十分にある。ただ、X,Y,Z軸の各方向の寸法再現性は、全くのデータ無しの状態であった。
 無調整で一発で組みたい。噛合い調整は絶対に避けたいのだ。時間の無駄であり、また効率が一定しないから、惰行の仕方にばらつきが出る。工業製品としてのギヤボックスを目指すべきであるのだ。
 
Nylon gearbox 3軸のどの面が一番正確に再現されるかを調べるために、3通りの方向に試作品を並べて、積層の向きを指定して印刷した。常識的には、XY平面のお絵描きが一番正確であろうことは分かる。Z軸が問題なのだ。
 実験の結果は予想通りであった。Z軸の数字を調整して再度試作した。素組みしただけで、最高の性能が出るものを発注して、染色した。

 ボールベアリングを収めるスリーブが入る部分はリーマを通したが、ざらつきを取る程度の抵抗しかなかった。ネジ孔も印刷形成で良い筈であるが、M2のためにΦ1.6をあけておいて、ガラでタッピングした。切粉が大匙一杯ほど出た。この種の作業は楽しい。モリブデン・グリースをマイクロブラシで薄く塗り、ぱちぱちと組んで、あっという間に出来上がった。ギヤの噛み合いも均一で素晴らしい物であった。

 ナイロンは数十年以上問題なく使える筈であるし、重負荷で温かくなったとしてもその程度ではクリープは起こらない。たとえ壊れたとしても、データはあるので再現は簡単である。写真は二次試作品である。

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2020年07月14日

続々 3D プリンタに用いる樹脂

 ナイロンにはいろいろな種類がある。普通は6,6-ナイロンである。この6は、単位物質の炭素数による。作りやすい物が良いので、ベンゼン環の炭素数が保存される6から始まった。今はもっと安いものが原料に使われるが、6という数字は変わらない。現在では、8とか10という数字を含むナイロンもあるが、強度は6,6には敵わない。ナイロンを作ったのはCarothersという天才だが、最初に作られたものが、最終的に最も優れたものであったというのは、凄いことである。カラザースは立体構造を考え、分子間に働く水素結合が最も無理なく形成されるのは、6,6の場合であることに気が付いたのであった。今でこそ、分子設計という概念があるが、1930年代にそれを実現したのは、素晴らしいことである。

 これは実質的に流動し始める温度が268 ℃であり、とても高い。3Dプリンタではもう少し低い温度で融けるものが良い。炭素数の多いナイロンの中には、200 ℃近辺で流動するものもあり、それを使っている。

 粉体にレーザを当てて、瞬間的に融かして固めるので、どうしても多孔質になる。即ち、表面がざらざらし、油が浸み込みやすい。ざらざら感を無くすには、サーフェサを塗って研ぐしかない。大物で表面に平面があれば楽だが、そうでないとなかなか大変である。つるりとした感じを与えるものは、また異なる造形法であるが、高価格である。
 そういう点ではOスケールは鑑賞距離が大きいので有利である。遠くからしか見ないので、台車のざらつきなど、ほとんど見えはしない。  



   台車にナイロンを使う理由を聞かれたので、答えようと思った。基礎から説明する必要があり、3回分を充てた。 この手の話は化学に縁のない人には非常に説明しがたく、何回も書き直した。3Dプリントはかなりあちこちで使われているが、その説明を見ると首をかしげるものが多い。
 決してABSは万能ではなく、クリープの起きにくい材料を使うことの重要性を強調しておきたい。

 筆者は、本質的にプラスティック製車輛は避けたい種類の人間である。長い時間の後にも製造時と変わらぬ性能を持つ模型を作りたい。車体がプラスティックの機関車は僅かにあるが、下廻りはすべて金属で作り直してある。車重が2 kgもあれば、プラスティックだけでできていると徐々にクリープしていく。下廻りに用いる材料はブラスが主体で、熱硬化性の樹脂(3次元網目構造を持つ)のみを絶縁材に用いている。

 車輪の絶縁に用いる材料はPOMである。これがABSであると恐ろしい結果を招くだろうことは、お分かりかと思う。筆者は、接着剤も永く持つもの以外は絶対に使わない。エポキシ か スーパーXである。塗料も、より長持ちするエナメル系を用いている。

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2020年04月27日

続々 3D printing

National trucks この台車は以前作ったNationalの製品である。大きなコイルバネは別に作って、本体にぶら下げてある。こうすれば、数が必然的に合う。コイルバネは3Dで螺旋状に作られている。


clasp brake クラスプ・ブレーキ(両抱き踏面ブレーキ)を作った。なるべく密に詰めたクラスタである。こういう状態をクラスタというべきなのだ。一つで1台車分である。バネ座とか面倒なものは同時に作ってクラスタに入れておけば、数を数える必要もない。

 これでDaylight用の客車台車を作っている。本体はブラスの厚板をレーザで抜いたものだ。これはハンダ付けして組んである。
 ブレーキ装置で悩んでいた。ロストワックス鋳物では必ずショートする。ブレーキ関係をプラスティックにすれば問題は解決だ。ほとんどの製品では、ブレーキ・シュウが台車枠の位置にある。ショートしないように工夫したつもりだろうが、非常に大きな減点箇所である。そんな台車など要らない。ブレーキ・シュウの位置は大切である。  

 他の機能部品はいくつか問題があるので、発表はしばらく控えたい。積層方向によって、精度が変化する。3Dプリントは簡単そうに見えるが、高精度を期待すると、難しいものである。 次回の試し打ちでうまく行けばよいが、なかなか難しそうである。

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2020年04月25日

続 3D printing

6-wheel truck 今回作った新しい台車としては、このコイルスプリングの6輪台車がある。これには、見かけだけは良いが出来の悪い韓国製台車がある。高価であるがその機能はでたらめであって、揺れ枕は動くはずだが微動だにしない。摩擦が大きくて、たくさんは牽けそうもない。作り直す気が失せてしまうほどダメなものであったが、ボールベアリングを押し込んでLow-D化すると、良くなった(右)。バネを縮めるため、錘を載せてある。

 これを3Dプリントできればと思い、S氏に相談すると、それほど難しくないと言う。イコライザは例の支えを入れる手法で作り、コイルバネで荷重を受け持つ。基本的にプルマン6輪台車と同じである。揺れ枕は作らなかった。ボルスタアンカはΦ1のステンレス線である。
 この台車は銀色に塗装すると金属製に見える筈だ。荷物車、社長専用車などに使う。

 やはり客車の台車はプラスティック製に限る。絶対ショートしないし、軸の抵抗が少ない。現在使用中の金属製台車はすべて用済みとなる予定だ。そうすると、パシフィックでプルマン10輌が牽けるはずである(現在は6輌)。

disc brakebrake disc お遊びでこんなものも作った。ディスクブレーキ・ロータである。キャリパは省略した。やろうと思えば本物通り、 中空のventilated diskもできる。今回は外形だけである。旋盤で孔の中をリーマ通しして、心を出した。 

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2020年04月23日

3D printing

 今回の出力は多岐にわたる。構造・機能部品もあるし、台車関連もある。

light weight car truck (2) 台車の中ではこの軽量台車が出色である。これは1930年代のUPの特急M10002辺りから始まった軽量客車用の台車で、バネ下質量が小さい。またブレーキ装置が台車に付き、応答性が良い。もちろん、ブレーキロッドがちぎれる事故とは無縁になる。高速列車用として不可欠の要素をちりばめた台車である。S氏が「出来る」と言ってくれたので、ソフトウェアの作成をお願いした。

lightweight truck 1lightweight truck 2 この二つの図は極めて初期の構想図である。やめてしまったアイデアもあるし追加したものもある。重ね板バネは内部まで作ってあるが、揺れ枕は作動させなかった。 

light weight car truck (1)light weight car truck (3) 車輪径はやや小さく、36インチ(915 mm)ではない。貨車用の33インチよりも少し大きいようだ。確認できないが、34インチのようだ。
 模型ではフランジが大きいので33インチを嵌めるとちょうど良く見える。36インチではブレーキが掛かってしまう。 

 これをブラスで作ろうと思うとかなり難しい。5段くらいのロストワックス鋳物の集積を覚悟せねばならない。各部の組立精度の確保も難しい。飛び出したブレーキロッドもそう簡単にはできない。作っても曲がってしまうのがオチだ。また、ブレーキシュウを付けてあるが、近接させることができる。ショートの心配が無いからだ。

 こういうものは3Dに限る。バネを廃し、ボルスタの捻りで逃がしている。十分なcompliance (追随性)を発揮する。弾力があるのでバネの効果もある。仮車体を載せて走らせると極めて静かである。ボルスタは垂直荷重には耐えるが、捩り剛性を小さくする設計にしてある。

 ナイロンは結晶性プラスティックで、へたらない。熱可塑性ではあるが流動する温度は高く、常温では”流れ”ない。いわゆるプラモデルの材料のポリスチレンなどは、常温でも力を掛けていると少しずつ”流れて”、撓んだり潰れたりする。

 写真は高精細の近接撮影であるのでざらついて見えるが、30 cm程度の鑑賞距離であって、車体の下に付いているのであるから、全く気にならない。HO以下で矯めつ眇めつ見るには、やや粗いかもしれない。走行を主とするなら(そういう人は少ないが)全く問題ないだろう。

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2019年11月12日

折れない切断機用ハンドル

shear handles 折れないハンドルの注文がある程度溜まったので、発注した。切断機の回転軸の5/8インチ(15.87 mm)径の切れ端、キィ材のサンプルを添えて、切り出しを依頼した。厚板でも正確に切る自信があるとは言っていたが、さすがにキィをそのまま入れる注文は初めてだそうだ。
 うまくやってくれた。レーザの入射側はぴったりだ。油目ヤスリで調整するだけで、するっと入る。反対側はバリが多い。うまく切れているようだが、融けたものが再付着している。送り出す酸素の量を、もう少し増やすべきだったかもしれない。

 反対側は甲丸ヤスリでゴリゴリと出ているところを落とすと、ぴたりと入った。調整に要する時間は、5分ほどだ。

 角が手に痛いので、それはディスク・グラインダで落としてしまうべきだ。ホースの切れ端か、自転車の握りを付けると良いだろう。

 たいていの方はフライス盤をお持ちのようで問題ないが、少数の方にはキィ溝を彫って差し上げる必要がある。難しいことではないので引き受ける。

 このハンドルは 19 mm鋼板であるから重いが、レターパック・ライトに入るので安く送れる。郵便屋さんは、持つと驚くだろう。

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2019年11月10日

cantilevered signal bridge

cantilever signal bridge 門型の信号橋は作ったが、線路配置上、cantilever型の信号橋が必要となった。日本語では”カンチレバー”と書かれるが、この発音はなかなか難しい。キャンティリーヴァに近い。片持ち梁のことである。太字を強く発音する。
 この種の信号機はよく見るし、模型もふんだんにある。しかし満足のいく形の物は少ない。その話を northerns484 氏と話をしていたら、図面を描き起こしてくれることになった。
 上の部分は資料があるが、土台部分は写真も少なく、一体どうなっているのか見当もつかなかった。試しにいろいろな絵を描いてもらったが、しっくりこない。

cantilever signal bridge そうこうしているうちに、所蔵の本の中に本物の図面が載っているのを発見し、鮮明な1ページ大の写真を雑誌で見つけた。それで急速に話が進み、図面の完成を待って、2種類発注した。もう一種類も近日中に出来る。ミソはアンカ・ボルトの位置と、その周辺の構造である。フランジを二重にして、長いボルトを土台から飛び出させている。上と下の二段で締め込むから、締結力は強い。その模型構造は非常に巧妙に組まれたパズル的な構成で、すべての部品を差し込むと自然に目的の形になる。間違えると部品が入らないので、必ず正しい形になる。northerns484氏には改めて御礼申し上げる。

cantilever sssignal bridge (1)cantilever sssignal bridge (2) これらの写真は、ステンレスの切り抜き部品を全て組立てた状態で、これからガセットを作って貼り付ける。ハシゴの横木も、まだ付けていない。



 ガセットは小さく、数がそれほど多くもない。キャットウォークは金属製にするか、木製にするかで悩んでいる。木目のエッチング板もあるが綺麗過ぎるのだ。
 この1本は、観客からの鑑賞距離が近い位置に立てるので、皆さんがじっくり見る可能性がある。リヴェットはディカールで表現するものもあるので、それを貼り足してみよう。 

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2019年11月08日

laying flexible track

 古い知人のI氏が博物館に来訪した。工事を手伝ってくれるそうで、その下見に来てくれたのだ。 筆者は彼が高校生の時から知っているが、今年定年だそうだ。
 I氏は希望していた電鉄会社に勤め、 駅務から始めて車掌、運転士となり、長い間、特急電車の運転をしていた。そののち助役に昇進して退職したのだそうだ。

 根っからの電車ファンで、高校生の時から出色の作品を作っていた。特急電車の塗装が綺麗で、感心したことを覚えている。彼は今HOのレイアウトを作っている。彼のレイアウトセクションはいくつか見せて貰っているが、とても美しい。電車の運転士をしていたので、電車から見える景色を再現しているのだ。普通の人とは視点が少し異なる。

 博物館で列車をいくつか動かして見せた。120輌が音もなく動き始めるのには、驚いたようだ。ほとんどの車輛がブラス製というのは信じられない、と言った。
 車輪の現物を見せると、とても驚き、「信じられないほど綺麗ですね。」と言った。踏面の仕上げが、めっきとは違うことに気が付いたので、めっきの車輪を転がした音と比較した。既製品の車輪が一つもないことには感銘を受けたようだ。

 何に一番驚いたかと聞くと、
「線路の曲線が美しいですね。完全な緩和曲線が付いていて、しかも曲線の曲率が完全に一定になっています。」と言う。
「僕は運転士をしてましたから、そういうことには敏感です。今までいくつかのレイアウトを見てきましたが、ここの線路は別格です。ケチの付けようがありません。本物の線路のようです。」
と褒めてくれた。
「どうやったら、こんな綺麗な線路が敷けるのですか。いつも曲率を一定にするのに苦労しています。大きなコンパスも作りましたがうまく行きません。」と聞かれた。

 そこで、例のレーザで切り抜いたテンプレートを見せた。本線用の一定曲率のものと、緩和曲線のものを出してきて、実際に嵌めて見せた。彼はとても驚いた。
「これって高いのですか。」
「これは薄い鉄板だから安いよ。使い捨てでも気にならない程度だ。」と言うと、どうやら作ってみる気持ちになったらしい。

 この種のテンプレートは市販されるべきだろう。筆者のは貸し出したことがあるが、例が少ない。HO用は必要な人が多いに違いない。


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2019年10月05日

MKT covered Hopper

MKT CD covered  hopper このホッパ車はずいぶん前に紹介した。長らく色を塗れなかった。塗料も用意し、ディカールはDr.Yが作ってくださったが、上面のrunning boardが無かったのだ。

 入手した時の歩み板は気に入らなかった。加熱したプラスティック板を型に押し付け、印象を付けたものを張り合わせて構成してあったが、高さがおかしかった。足の長さが足らない、しかも本数が少ない。なおかつそれが弱い材料で、壊れた状態であった。
 この歩み板を自家製エッチングで作るつもりであったが、ある事情で断念した。それは近々、むすこたかなし氏が解説されるはずだ。大きな "breakthru" が必要だったが、それができなかったのだ。むすこたかなし氏は筆者の経緯説明を聞いて、すぐに解決策を開発された。思わず膝を打つ、簡単で素晴らしい工夫である。これはエッチングの手法に大きな進歩をもたらすであろう。化学屋として、誇りに思うことである。

 さて、金属製歩み板の製作でひっかかって10年ほど遅れたが、T氏が紙をレーザで切り抜く方法を紹介され、それを作ってもらった。足はブラスで作り始めたが、今回の3Dプリンタが使えると気付き、お願いした。足の高さは完全に揃う。

 スーパーXで貼り付ければ、完成である。色はMKTグリーンを入手してあった。BNグリーンとは異なり、広葉樹の若葉の色である。MKTとは、Missouri-Kansas-Texas鉄道のことである。


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2019年10月01日

続々 3Dプリンタによる台車

GSC2 イコライザの裏側には支えがある。この支えは薄く長いので撓む。位置関係を保っているだけである。荷重はコイルバネが受け持つ。
 この写真は台車枠から外した状態である。イコライザの位置は保たれている。そのまま台枠に締め付ければできあがりだ。ナイロンだから出来る。疲労することもない。このアイデアをHOに使えないかという打診もあるが、おそらくうまく行かないだろう。縮小模型は堅いのである。うんと細くするか、別の工夫が必要である。というわけで、これは O scale には適するアイデアである。 

GSCGSC 6-wheel truck この台車はGSC General Steel Castings の鋳鋼製6輪台車である。この市販品がなかったので、新規開発品である。イコライザ部品はプルマンと設計が共通である。ある特別な客車に使うことになっている。 

woodframe プリンタ出力時は、なるべく密に詰めないと損なので、例えばこんな形に並べて出力する。出力後黒染めを施してある。ナイロンは極性が大きな高分子であるから、染色が容易である。塗装するのだが、その前に黒くしてあると気分が良い。塗料を吹き付けると浸み込んでいくのが分かる。防水性を向上させるので、高湿度時の強度低下も防げるだろう。
 ナイロンは水分によって強度が低下する。それはガラス転移温度が下がるからである。要するに常温付近でも流れるようになる。堅い筈の樹脂が曲がってしまうのだ。濡らしてはいけない。  

 ナイロンは結晶性の高いプラスティックで経年変化が少ないものである。荷重を掛けていてもクリープが少ないから、台車には適する。価格が高いところが問題であるが、性能を考えると妥当であろう。今後この種の材料はどんどん進歩するはずだ。ソフトウェアがあれば台車の再生産は容易であるから、将来への不安はない。
 その昔のダイキャスト製品は大半が膨らんで割れている。それと比べると、このナイロン製ははるかに信頼性がある。

 ステンレス製・ピヴォットとの相性はとても良い。0.25%以下でも転がる。POM(通称デルリン)では0.3%ほどであった。 

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2019年04月21日

新しい台車を履く

UP caboose UPのカブースである。このカブースは塗装がおかしくて、すごく安かった。剥がして塗り替えるつもりなのだが、とりあえず埃を被せてごまかしてある。高速台車を付けてみると、こんな感じである。この時代に適合しないような気もするが、末期にはいろいろな組み合わせがあったので、これで良しとする。
 床下の道具箱やステップがこんな色をしているわけがないので、とりあえずそこだけ塗ってみようと思っている。

Rath Reefer イリノイ州の田舎から来た冷蔵車である。せっかくの台車が見えにくいが、Nationalである。この貨車は、ハーマンのところから貰ったものだ。組み掛けだったので、意図を汲んで製作した。ドアヒンジがなかったので、これも3Dプリンタで作った。本物の図面から作ったので、そのものずばりの形である。現物はヘンリィ・フォード博物館で見てきた。
 扉の鎖錠装置はあり合わせのものだが、非常に良くない。これも作り直す。屋根の色はいわゆる roof brown である。昔はこんな色の貨車があったのだという例として古い塗装で作った。

B&O Crummy B&Oのカブースだ。今までアンドルーズの台車を履いていた。コイル・スプリングであったので気分が悪かった。自作改造の怪しいリーフ・スプリングの台車に付け替えてあったが、気に入らなかったのだ。これでようやく安心して走らせられる。
 手摺は好みで白にしてある。本物は黄色が多かった。

 台車を履き替えると、気分が変わる。今までの鬱屈した状態から解放されたような気がする。車輪はすべて当鉄道の様式に塗ってある。平軸受の場合は外は油汚れの色、内側はさび色である。


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2019年04月19日

続 3Dプリンタによる台車製作

national Nationalという会社の台車である。丸穴が面白い。二つの穴の中にもバネが仕込まれている。組立時に、どうやってバネを仕込むのかは興味深い。
 ボルスタ中にも大きなバネがあり、バネの中心は位置は十文字配置である。下側のバネ座は台車枠だけであって、spring plank(バネ床)がない。当時のカタログを見ると、部品の少なさ、すなわち軽量化を謳っている。軽くなった分、積荷を増やして収入を増すことができる、と述べている。軸箱を分解すると、簡単に車軸を外せるという図も添えてある。要するに、車軸が無いと、左右の枠は水平面で自由にひねれるらしい。台車枠と枕梁との摺動する部分いわゆる摺り板がないからだ。ということはバネの横剛性だけで載っていることなのだろうか。バネ座が深いのは、そう考えれば理解できる。self-centering という名称もそれを示しているのだろう。
 この台車はよく写真集で見るのだが、模型の製品としてはまずお目に掛からない。1940年代の貨車によく使われている。いくつか該当する車輛があるので、台車を交換するつもりである。

bet_cb カブース用の重ね板バネつきのベッテンドルフ台車である。揺れ枕内蔵のSwing Motion Truck である。人が乗る車輛は重ね板バネのダンピングが効いていないと、乗っている人がどうかなってしまう、ということだ。
 昔コンテナ列車にコキフが付いていた。車掌室側の台車だけをダンピングのよく効いた台車に履き替えていたという話を聞いた。当初の台車では車掌が参ってしまったらしい。この件について、詳しい情報をお持ちの方はお知らせ願いたい。 

 今回の試作品だけで10輌のカブースが正しい台車になる。

追記 
 うっかりして、古い原稿をそのまま出してしまったので、完全に新しいものと差し替えた。申し訳ない。


 コキフについてはお二方から情報を寄せて戴いている。
brass_solder氏から、 
 コキフ50000型は50000-50063まで前後ともコキ50000型と同じTR223を履きましたが、乗り心地の問題があり50064以降は車掌室側をバネの柔かいTR223Aに変更したそうです。その後やはり乗り心地が悪かったので、前後とも空気バネのTR203Sに交換したそうです。鉄道ピクトリアルNo.540 1991-3 に解説がありました。


kuma氏からは、
今回話題の件と関係があるかはわかりませんが、乗り心地の悪い車種があった様です。ここに記事があります。

 これらの記事を見る限り、ダンピングに言及しているわけではない。お二方には感謝する。 



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2019年04月17日

3Dプリンタによる台車製作

3D printer S氏が製作した台車を持って来て下さった。今回は、ボルスタ・アンカ付きのカブース用高速台車、重ね板バネ付きのカブース用ベッテンドルフ、ナショナルの貨車用鋳鋼台車の3種である。試作品なので、これを実際に組んで、今後の設計に生かす。テクスチャはやや粗い。必要があれば細かくするが、今回はトライアルである。ナイロンは極性の大きな分子であるので、染色が容易だ。今回は自分でやろうと思っていたが、製造会社でやってくれるというので頼んだ。非常に安価だ。

highspeed caboose truckhighspeed trucks ボルスタ・アンカはしっかり飛び出していて、素晴らしい。これでなくっちゃ、という感じである。左は韓国製の不思議な形の製品である。
 ブラスのロッドを差し込んだ。穴はあけてあるのだが、詰まっているから、ドリルを手もみで通す。先端はニッパで傷をつけて押し込むと二度と抜けなくなる。
 ピボット穴は、例のドリルでさらって、モリブデングリスをほんの少量塗る。素晴らしい転がりだ。0.3%以下で転がる。ナイロンは弾力があるので、左右とボルスタは一体成型にしても問題なさそうだ。今回は回転できるようにしたが、バリ取りが面倒であった。良好な保線の施してある線路上なら、ひねりは極めて少ない。荷重の掛かっている状態で0.5 mmの板をレイル上に差し込んで様子を見たが、すべての車輪がよく密着している。イコライザは可動であるが、仮固定してその実験を行った。軸箱可動の必要性を感じない。

 重ね板バネも一体成型できた。透かして見ると気分が良い。コイルバネは細いケイディのバネを仮に入れてみた。飾りだから太い線でも良い。

 カブースは作りかけがたくさんあるのだが、すべて台車で引っ掛かっていた。重ね板バネの台車はろくなものがなく、作るのも大変で放置されていたのだが、もうこれで支障はなくなった。一気に完成に持ち込める。

cabooses この台車が来たので、現在6輌を製作中である。すでに2輌は塗装工場に入っている。

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2019年04月03日

mule

mulemule (2)mulesmules 1



 これらの電気機関車は mules と呼ばれている。ラバのことである。荷馬車を牽いて、もくもくと歩く動物だ。
 当初はGE製の機関車であった。運転台が前後にあるもので、三池炭鉱によく似たものがあった。当初は船が小さく、かなりいい加減な曳航でも問題はなかった。1970年頃日本製が納入され、再度新型が納入された。
 新型機は、精密機械である。船がどんどん大きくなり、パナマ運河の幅33 mに対し、32 m幅の船が大半になってしまった。要するに両側の隙間が50 cmしかないのだ。船がどちらにも偏らないように静々と進むのは、一種異様な雰囲気である。風の影響もあるだろうが、ほぼ無事故で毎日の業務をこなしている。先回紹介した事故は、かなり稀な例である。
 旧型機ではそういう仕事ができなくなってしまった。ウインチの張力を手加減で決めたり、速度を目測で合わせるようでは、現代の巨大船は運河壁に衝突してしまうのだ。

Panama canal (5)Panama Canal (4) 曳航索・巻取り装置は windlass という。発音はウィンドラスである。ワインドではない。この張力を一定にする装置の開発がキモであったようだ。一定速度での走行、均一な張力の二つが大切である。船の上から見ていると、運河壁との隙間は完全に一定で、文句のつけようが無い。

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2019年02月21日

3Dプリンタ

 3Dプリンタでいろいろなものを作っている。S氏の協力は有難い。
sofas まず最初は室内の椅子であった。正直なところ、どんなものか見当もつかないので、強度に関係がない椅子を作ってみた。極めて素晴らしいものができた。塗装も全く問題なくでき、剥がれない。接着もスーパーXでよく付く。日光に当てる試験、油に漬ける試験もやっている。ソファの脚はT氏にレーザで切ってもらった。 
 問題が無ければ、三条ウォーム用ギヤボックスを作れる。モータ型に作れば、造形上もとても良い。

truck 次に作るのは台車である。この台車は、韓国製のロストワックス製台車があるが、話にならない作りで、見たくもない。ボルスタアンカの意味が分からない人が原型を作ったので、この金属棒が台車枠とは平行にはできていない。いや、あらぬ方向を向いている。真横からの写真を見て、原型を作ったのだ。ひどい商品を売るものだ。そんなものを付けたら、見た人に馬鹿にされそうだと思う。

 どうしても、良い台車が欲しかった。そこに3Dプリンタの話が来て、すぐ乗った。様々な工夫をして、Low-Dをはめ込む。イコライザは可動になる予定だ。これはインジェクションでは絶対に作れない構造をしている。重ね板バネも同時に作り込む。この図は初期の構想である。それからかなり進歩した。

 他にカブース用の重ね板バネ付きベッテンドルフも作る。


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2018年12月15日

将来のscratch building

 今、蒸気機関車の部品を、3Dプリンタで作成してもらっている。 ロストワックスの原型を3Dプリンタで作ったので、わけなく新しい模型ができる。小さな部品にも文字が入った製品ができる。凄い時代になったものだ。

 レーザ加工、3Dプリンタの組み合わせで上廻りは非常に楽にできる。下廻りは、やはり旋盤とフライス盤がないと出来ないだろう。

 TMSで200号くらいまでのスクラッチ・ビルトの機関車で、素晴らしくよく走るのには、あまり遭遇しない。車輪の心が出ていない(偏心している)のだ。旋盤の無い時代のものは、それで仕方がなかった。ドリルレースという怪しい技法が今でも残っているが、動力部分に応用するのは良いとは言えまい。

 3軸のフライスを使えば、ややこしいフレームもプログラムするだけで出来てしまう。4軸の機械(x,y,z軸に沿った移動 + x軸の回転)が使えれば、超絶設計のものができるが、これはまだアマチュアには手が届かないだろう。

 こういう仕事を引き受ける人が増えてくるだろう。しかし残る問題はハンダ付けである。これには熟練が要る。正しい指導者から学べば、すぐできるようになるのだが、実際には難しいようだ。炭素棒ハンダ付けは簡単だが、その機械がまだまだ少ない。筆者が頒布したが、一体何%が稼働しているのだろう。中には買ったまま組まずに置いてあるという人までいる。この人は筆者の頒布目的を妨害している。
”組まずに取っておくと価値が出る”そうである。お気の毒な人である。

 もうあと一つは、ヤスリ掛けである。ヤスリ掛けを軽視する人が多い。プロのヤスリ掛けを見るチャンスがないからだ。姿勢も動かし方も、でたらめな人が多い。ヤスリの選び方から間違っている場合も多い。また、その準備もしていない。
 しかし、この種の仕事さえできればスクラッチ・ビルディングができる時代になるだろう。楽に自作を楽しめる時代になるのだ。

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2018年11月27日

続 3D printing

 正直なところ、廉価な3D printingにはあまり期待していなかった。
 2年ほど前、3Dの勉強をした。近くの公民館で生徒を募集していた3D教室に入って3箇月ほど練習したのだ。ある程度はできるようになったが、実際に印刷して見ると粗い。しかも材質がよくないので経年変化が大きい。ミシン油に漬けておいたら少し膨潤した。進歩を待たねば、役には立たないと思った。

 今回のナイロン(ナイロン12だと言っている)は丈夫で踏んでも潰れないだろう。熱にも強い。今ミシン油に漬け込んであるので、そのうち結果を報告する。耐油性が証明されたら、ギヤボックスを作ってみる。

 実はあと何台かの機関車のギヤボックスが必要なのだ。縦フライスで作るための図面と刃物を用意した。少々厄介な形であるが、やればできることは分かっている。しかし、おそらく1日ではできない。5個作ると、多分フルに3日程掛かるだろう。そこまで割く時間がない。

 こういう時は助かる。金属製に拘ることがないものであれば、ナイロン製でよいのだ。ネジを立てることも可能だろうし、タッピングビスでも良い。

 ロストワックスの原型を作る手間も省ける。鋳縮みを見越した大きさにするのは簡単だ。ただし、まだHO以下の小型模型には向かないだろう。解像度がそこまでよくないのだ。先回のHOの木製キットと同じで、同じ材質で相似形の小さなものを作ると、粗さが目立つようになるだろう。今のところはOスケールくらいが最小限度である。高精細なものが安くできるようになるのは、いつごろだろう。

 今のところ、小さなものは一度金属に置き換えたものを研磨するしかないだろう。

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2018年11月25日

3D printing

Quiz1Quiz2 当鉄道に初お目見えである。友人が3Dプリンタでいろいろなものを作るから、相乗りしないかと勧めてくれた。

 考えてみれば、足らない部品とか、手で作るのはとても大変な部品がある。いずれ手に入れたら作ろうと思っていて、10年経った物も多い。これを機会に在庫一掃を図った。
 
 客車の内装はある程度の部品は揃っているが、この二人掛けのソファは無かった。ラウンジの付いている車輛には不可欠の部品で、どうやって作ろうか悩んでいた。実は先日の活字合金による鋳造を検討していたこともある。この話があったので、Car Cyclopedia 1940年版を見て、形を決めた。寸法もすぐに決まったので送ったら、3Dのスケッチを送ってくれた。それを修正して発注してもらった。コの字の形の脚を付けるとできあがりだ。座面はローズ色にする。
 ナイロンの焼結で、非常に丈夫だ。多少曲げても復元する。これほど丈夫なら、台車の製造に使える。懸案のカブースの台車はこれで作れば解決だ。

 さてもう一つの部品は何だろう。これが分かる人はまずいないはずだ。ヒントとしては計画だけで終わった機関車の部品である。4という数字が付く。
 この部品を、investment casting でブラスに置き換える。後はちょいちょいとハンダ付けして出来上がりだ。


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2018年07月12日

DC-DC converter

DC-DC converter 転車台の回転橋を廻すモータの速度を、下げる必要があった。完成時にはコンピュータ・コントロールになるので、加速率なども自由に選べることになっていたが、アナログでは一定電圧しか選択できないからだ。
 インデックスや、アラインメントのモータは 7〜10 V でちょうど良いのだが、回転橋の駆動モータは 5 Vの時の回転速度がちょうど良い。別電源にしようと思っていたところに、たまたまDC-DC コンヴァータを戴いたので、例のバックアップ操作盤に取付けた。この頃は非常に安くなってきたそうだ。
 
 完全アナログにするはずだったが、一部ディジタルが入ってしまった。その故障時には外して短絡すればよいので、それはマニュアルに書くことにする。

 橋がゆっくり回転するので、実感的である。目的の位置が迫ったら、インデックス・ボタンを押すと、円盤にキィが喰い込む。
 慣性で円盤が廻り続けるので、キィは少しずれる。即ち回転橋は、目的の位置を越えてしまう。そこでアラインメント・ボタンを押せば、完了だ。

 今まではインデックスとアラインメントのモータに掛かる電圧が低くて、動きがやや渋い時もあった。今回コンヴァータを付けたことにより、全体の電圧を 7 V をやめて 9 V に出来た。動きが俊敏になって、確実である。
 
 どのポジションでも必ず位相は合うので、安心して機関車を動かせる。動画を撮り直して公開しよう。

2017年07月03日

脳内3D

 先日、目を瞑って頭に浮かぶ3D画像をひっくり返した経験を紹介した。
 何人かの友人が、感想を聞かせてくれた。

「あれは面白いね、確かに頭の中でひっくり返して裏を見れば、簡単だし、好きなように回転させられるからね。」

「それができる人は、最近はほとんどいなくなった。会社の中でも我々の世代の少し後までだね。若い奴は図面を持ってきて説明するけど、『この裏はどうなっているんだ。』と聞くともう駄目。コンピュータで裏返してそれをプリントアウトするのに時間が掛かってしょうがない。頭の中でやる訓練をしてないんだ。」

「伊藤剛さんなんかは凄かったね、質問すると、『裏はこうなっていてね。』と、たちまち絵を描いてくれる。遠近法まで使った絵をさらさらと描いたよね。」
「頭の中ですべてやる訓練をしているからだけど、生まれつきの素質もあるね。」

「特定の音楽を聴くと、空中に浮かんだものが見えるんだ。海岸線を俯瞰しながら、自分も飛んでいるカモメになる。相手の下に回り込んだりできるんだぜ。」
「そりゃ少々異常かも知れんな。」

 この話をコンピュータ業界の男にしたら、
「それは違うな。そういう3Dの能力がある人が、別の業界に行くようになったというだけじゃないか?僕の周りにはいっぱい居る」と言う。さて、実際はどうなのだろうか。

2017年06月11日

続 wireless control

detail_1318_no01 他にこんなのもある。これは単三電池1本で動くプラレールのようなおもちゃをラジコン化する装置である。単三電池を外して、単四電池をはめ込んだこの装置を、代わりに差し込めばできあがりだ。

 すぐに鉄道模型に使えるわけではないが、何かの補助装置を動かすディヴァイスとしては有効だ。連結解放装置にはすぐ使えそうだ。10チャンネルあるそうだから、目的の車輛以外には影響なく作動させることができる。

 先回のもそうだが、汎用を考えているので、もう少し絞ったものであれば、鉄道模型用として使いやすい。特許で縛られているようなものではないから、簡単に開発して市場に出せるはずだ。

 実は筆者も、その分野の専門家に話をしているところだ。ハードは既に確立されているので、ソフトの部分での様々なアイデアを検討している。問題は到達距離で、Oスケールだと20 mほど届いてくれないと意味がない。

 レイルからの給電を考えないと、さまざまな可能性が広がりそうだ。

2017年06月09日

wireless control

a216d9a0-0b8e-56c3-1a96-2555e9050b68 最近のラジコン技術の進歩には驚く。いつかは出るだろうと思っていたが、もう売っているものがある。このウェブサイトの製品は安くて簡単そうだ。小電力Bluetoothなので。到達距離は小さそうだが、とにかくすぐできる。

 すでに4チャンネルのproportional control(比例制御)である。これが数千円で買える。電圧が5.5Vなのは残念だが、実は6V用のモータが、いくつか手持ちにあるので、そのまま使えそうだ。
 設定はほとんど何もしなくてよい。そのまま動くはずだ。ただ、モータ出力2チャンネル、サーボ出力が4チャンネルもあって、それで何をしようかということになる。LED出力も4つある。

 電車ファンなら、左右のドアを開けて2チャンネル、連結器の解放で1チャンネル使える。iPadでもスマートフォンでもOKだ。
 
 どなたか電子工学にお強い方が、鉄道模型専用12 Vのディヴァイスを作られれば、きっと売れるであろうと思う。


 

2017年06月07日

WiFi control

WiFi 先日、関西で行われたOゲージの例会に行き、WiFi controlを披露した。線路の上では誰も気が付かないので、床の上を走らせた。出席の皆さんは非常に驚いたようだ。
「これは面白い、僕も欲しいな。」とおっしゃる方もあった。今後の発展が期待される。
 スウィッチを窓から指を入れて操作できるようにしてある。当初、取り付け板が 1 mm板を曲げて作ってあったので、指を入れてぐいと押したり引いたりしているうちに曲がってしまった。そうなるとスウィッチが何処にあるか分からなくなり、さらに指を出し入れしているうちに、余計曲がってしまい、操作できなくなった。ボディを取り付ける部材を避けているので、このような曲がり方にならざるを得ない。

switchswitch2 仕方がないので、スウィッチ取り付けスティを剛性のあるもので作った。厚手のアングル、チャネルを組合わせた過剰品質のもので、とてつもない剛性がある。窓から指を入れると確実に on,offできる。
 博物館での運転で勾配を2往復したら電池が無くなったが、運転会場の平坦線では、かなり持つ。鎮目氏の客車10輌編成を牽いて、エンドレスを何周か廻った。その客車はLow-Dを付けていることもあって、摩擦が極端に少ない。そういうことを知らない方は、「006Pでもずいぶん持つものですね。」と驚いていた。普通の車輪なら、一周もできないはずだ。 

 無線制御方式はいくつか出ているようだ。 

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2016年10月02日

携行用DCC

power-cab 今回はDCCの機関車を持って行ったので、その電源を持っていく必要があった。これは、非常に軽くて助かる。2A電源を含めて350 gくらいだ。他に電線が100 gほどある。
 

 NCEはフル・ファンクションのスロットルを売っているが、これは単なるスロットルではなく、 ブースタ(出力の電源)まで内臓である。しかも電流計が付いていて、その瞬間の電流が直読できる。

wiring 配線はこの図の通りで、簡単明瞭である。薄く右側に描いてある小さいスロットルは、場合によって付けることができる。そうすると大きなスロットル内蔵の出力電源がブースターとなる。好みによって、小さいほうだけを使うことができる。デコーダのプログラムには、大きい方を使える。 
 
 このPower Proは、普通のブースターにつないで使うこともできる。博物館のレイアウトのDCCではこの方式を使っている。そうすると既存のスロットルと組み合わせて、重連で前牽き後押しが楽しめる。
 価格は非常に低く抑えてあり、今でも実売価格135ドル程度だ。お勧めする。

 これを持って行ったら、NCEは初めて見たと皆さんが仰る。
「ボタンがたくさんあるから大変そうだけど、かえって初めての人には分かり易いかもね。」ということであった。

2015年04月18日

CNCルータ加工

CNC-milled plywood 半径2800 / 2900 mmの複線は必要数以上にあるが、複々線の3000 /3100 mmの道床付き路盤がない。吉岡方式で作るのはやや面倒であったので、12 mmのType 2 ラワン合板で正確なものを切り出して作ることにした。その他、高架線の緩いS字カーヴ(cosmetic curveという)を直接切り出した。いくつかの会社に見積もりを出してもらい、安いところに注文した。高いところと比べて40%以下の価格であった。 

 DXFというプログラムで書いた図面を送ると、直ちに見積もりが出てくる。工場としても、何も考えることもなく、合板を持ってきてセットするだけであるから、割の良い仕事であるはずだ。本業の仕事の隙間に入れて貰えば、訳なくできてくる。

 S字カーヴは見せ場である。緩いカーヴをうねりながら列車が走る。真正面から見ると素晴らしい景色だ。この種のカーヴでは、カント(superelevation)が重要である。この区間ではコの字断面の路盤の片方の足を多少伸ばしてカントを付ける。長さが何 mもある側板の高さが、左右に曲がると微妙に伸び縮みしてカントを作る。それを卦書いて、正確に切り出すというのは、凡人には出来ない。削り易い材料で作って鉋(かんな)を掛けようとも思ったが、潔く諦めて、CNCのお世話になった。プログラムはnortherns484氏にお願いした。曲率が微妙に変化するのだが、実に美しいS字カーヴになった。

 この写真の左上の6枚は緩和部も含めて切っている。一枚ずつ形が違うことがお分かりいただけよう。
 出来上がりをノギスで測ると、実に正確で驚いた。これを組めば、自然に、うねる線路が出来るわけだ。

 このようにCNCは、人間の工作の限界をはるかに超えた正確な寸法を出してくれる。カントの無い線路を作って、楔(くさび)を挟んで調節するなどということは、しなくて良いのだ。

2015年04月12日

電子工学の専門家

 せっかく専門家に来てもらったので、手元にあるいろいろな車輛を見せ、工夫したところを説明した。

 速度計内蔵の車輛にはとても驚いていた。速度は一定区間を通過する時間で測定するものだ、という固定観念が、その方たちには あったようだ。それよりも車内の大きなディスプレィに現在の速度が表示される方が面白い。
 車輪にスリットを入れ通過する光の時間当たりのパルスを数えて、演算する。すなわち表示は3秒に一回更新される。この速度計のついた貨車は、30年も前に作ったものだ。今なら PIC を使って簡単に作れるが、当時は大袈裟な回路で、不調も多かった。 

「それよりも、パルスの間隔の時間を測って、リアルタイムの表示の方が面白い。」と言うのだが、スリットは自作なので、それほどの精度がない。すなわち一定速度で走っていても、速度が一定にならない可能性が高い。

 現在作っているダイナモメータ・カァの構想を話した。どのような構造にすべきか、いろいろなアイデアが出た。
 構造計算の専門家も同席していたので、力が掛かった時の車体の歪みの解析をすると面白いということだった。もちろん模型の歪みは少ないから測定は難しいのだが、等角逆捻り機構の付いた車輛を使えば、線路の不整を調べることが出来るというアイデアには恐れ入った。前後の台車の捻りを測定すると、軌道試験車になるというものだ。これはやってみる価値がある。測定の精度を上げる工夫はしなければならない。
 彼らは等角逆捻りの車輛をひねくり回し、例の不整線路を走らせて、「実に面白い」と評価してくれた。

 この二人の客人は様々なアイデアを出してくれ、それを筆者が聞いて、実現の可能性を探った。すぐにも出来そうなアイデアもあったし、とても無理なものも多かった。
 しかし、どの話もテレメータにするという前提があったのは、時代を反映している。

 Oスケール程度の大きさになると、たいていのものは詰め込むことが出来る。Gセンサを3つ付けて、一周すると、レイアウト全体の図を描くことが出来るというのは、既に夢ではない時代になったそうだ。ジャンボ・ジェットが出来たころ、慣性航法装置と云って最先端の技術だったが、今はカーナビにも付いているのだそうだ。

2015年04月10日

自動信号

automatic signal 電子工学の専門家のNS氏に作成をお願いしていたが、昨日納品された。作動状況をいずれyoutubeにupするつもりである。言葉では説明しにくいところがある。配線は単純明快で、電源線2本と、センサの投光部、受光部それぞれに行く2本、4本と、次とその次のユニットに行く渡り線2本だけである。これを8心のLANケーブルでつなぐのだ。

 以前にも書いたが、ほとんどの市販品の信号機はオモチャである。タイマで色が変わるから楽しそうに見えるが、全く意味が無い物である。今回の方式は、本物と同じように列車を検出する。
 No.1の位置に居れば、その信号は赤である。列車がNo.2に進むとその信号が赤になり、No.1は橙になる。No.3に行けば、No.1は緑になる。これはいくらでもつなげられる。

 列車が通過すると、次のセンサを通過するまで、そこに居ることを記憶する。そうすれば、列車の長さは関係なくなる。 
automatic signal units 取り敢えず、複線4区間で予備を含めて10個のモヂュールが来た。
 手前に写っている信号機が何者であるか、知りたい。市販されていた3線式Oゲージの時代の信号機よりかなり小さい。大体半分だ。背が低い。構成部品は大量生産されているのは明白だ。ひさし部分はプレスで抜いて曲げてある。これらは伊藤剛氏の遺品の中から見つかった。

 筆者の推測は、剛氏が本物の鉄道会社から頼まれて「信号機を並べた教習システムを作った時の残った部品ではないか」、というものである。かなりの数が見つかった。

<このモヂュールはさらに進化した。混信の可能性がなくなり、より複雑な使用法にも対処できるようになった。2020年10月1日追記>

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2015年01月01日

続 Occupancy Detection

  信号機の方式については、いろいろな方からご意見を頂戴している。
 
 一言でいえば、ほとんど検討済み、実験済みである。この博物館ではDCCオンリィではなく、未改造の機関車に対しても対応せねばならないので、複線の内、一つはDCにも切り替えられるようになっている。
 電源および制御方式の異なる線路に検知電流を流すのは、あまりにも困難である。

 全く無関係な光を使った検知方式が、最も信頼性が高いことは自明である。伊藤剛氏の実験結果を利用したい。それは検知光を連結器の高さで、45度の角度で通すことである。この方法であると、連結面の隙間を通った光が誤動作を招くことが無い。直角方向に光を通すと、剛氏の実験では、有蓋車のドアが開いていても具合が悪いそうである。
 連結面なら、無蓋車やフラットカーに対しても確実な検知が出来る。

 踏み子(treadle) をフランジで押して検知する半機械式検知方式も、大昔に試作したことがあるが 、接触不良が多かった。また、接触をよくするためにマイクロSWを使うことも考えたが、脱線すると確実に壊されてしまうはずだ。
 軸重が1 kg重掛かっている車輛もある。それが毎秒30 cmでぶつかってくることを考えると、防御は難しい。

 S氏から、3-8ラインデコーダを使うアイデアを戴いている。これは非常に賢明な方法で、いまその方式を検討している。その出力はLEDを点燈させることが出来るので、いろいろな意味で部品数が減る。プリント基板も簡単で小さくなって、省資源、省エネルギィである。

 試作が出来次第、発表させて戴く。

 雪がちらついて、博物館までの道が凍ると、作業は取りやめである。最近天候が不調で、作業は工程表より遅れ気味である。ほとんど信号の無い道なのであるが、凍ると危険である。


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2014年12月28日

レーザ測距計

laser tape measure 長さ7.5 m の巻き尺を30年ほど使ってきた。アメリカ製で、インチとメートルの併記されているものである。とても便利で、家を建てるときにも活躍した。
 さすがに、あちこちが擦り減ってきて、動きが渋くなってきた。先日、中のスプリングが折れ、出し入れ不能になった。分解したが、修復不能であった。仕方が無いので、5.5 m のを買ったが、長さが足らないので、使いやすくはない。本当は10 m のものが欲しかったが、大きすぎて使いにくい。

 northerns484氏と作業しているときに、「レーザ式の測距計があるといいね。」という話題が出たが、高くて手が出せないと思っていた。
 先日、通りがかりのホームセンタでそれを見つけた。4000円台で買えたのだ。ウェブ上での最安値は6000円ほどであるから、買い物である。「店長イチ押し」というディスプレイ台で売っていた。20台ほどあったが、あっという間になくなった。その店ではいつも8000円ほどで売っていたのだ。

 さっそく電池を入れて試してみた。素晴らしい精度で驚いた。10 m 離れての測定で、誤差は1 mm 程度である。巻き尺の伸びとどちらが大きいだろう。繰り返し測定でも同じ数字が出る。巻き尺で二回に分けて測ると誤差は大きい。また、思わぬ計算違いもあって、失敗する可能性がある。現実に、以前のマーキングをこれでチェックしたところ、一箇所 1 m 間違っていたところがあり、冷汗をかいた。

 これを使えば、間に障害物があっても、基準のガラス面からの距離が直ちに出る。もちろんガラスには反射させるための紙を貼って、誤測定しないように気を付けている。
 斜めの距離も一瞬で測定出来るから、三角関数で角度も算出される。煙突などの高さを、ピタゴラスの定理で測定できる機能が付いたものもある。高級機には角度センサが装備されていて、一回の測定で高さ測定が出来るものもある。 また、測距離も大きい。エアコン屋が持っているのは、一回で面積を算出することが出来る。
 この機械の最大距離は15 m までだが、このレイアウト建設には十分だ。

ceiling height 立てれば高さも測定できる。自宅で天井高さを調べているところである。
 

2014年02月09日

Dynamometer Car

 最近はダイナモメータという言葉が、日本語に入っているようだ。自動車の動力系を改造して試験をするのだそうだ。以前はこの種の測定器は自動車製造会社にしかなかったのだが、最近は街なかの自動車改造ショップにも置いてあるらしい。看板をよく見かける。アメリカの自動車屋にもある。dyno ディノゥ という言葉を使う。ダイノゥと読むはずなのだが、そういう発音は聞いたことがない。
 
 鉄道車輌にそれを積み込んだものがdynamometer car ダイナミタ・カァ である。太字にアクセントが来る。
要するに牽引力と速度を測定し、その積を求めるのだ。当時はこの二つをグラフとして出力させ、それを持ち帰って計算して出力を得ていたようだ。すなわち、当時はリアルタイムの出力は、直接には得られなかったのだ。

 当鉄道ではディジタル速度計は25年前から実用化されている。これは以前雑誌に発表したが、車輪の回転を光電式で読み取り、速度をマイル表示あるいはkm表示で示すようにしたものである。ディスプレイは貨車のドアを開けるとLEDで大きく表示される。約1秒ごとのサンプリングである。

 今回製作中のものは牽引力と速度を測定し、演算して積の形で表す。つまり仕事率が直読できるようにする。それを無線で手元に表示するようにしようというわけだ。最近はBluetoothなど、安くて簡単な方法がいくらでもある。
 あるいはリアルタイムでなく、一巡りして来て、蓄積したデータを取り込む形でも良い。それなら無線でなくても良い。

mousepower MR1950-02p26

 窓からリアルタイムの出力を見せることは必要だろう。問題はその出力がせいぜい4Wくらいなのだ。あまりにも小さく面白みに欠ける。
 1950年2月のModel Railroader にとても興味深い記事が載った。馬力 horsepowerは大き過ぎるから、ネズミ力 mousepowerを導入するという話だ。よく読むと物理を理解していない方のようで、次元が間違っている。力と仕事率とを混同しているからアウトなのだが、面白さはある。それをTMSが1957年9月号に”解説”しているのだが、これまた中味はひどいものであった。
 しかし、その記事中、”mousepower”の日本語訳に「チューリキ」というのは愉快だ。これについては、伊藤剛氏が1950年頃クラブ会報に解説を書かれていたが、それは正しい内容であった。

 出力のワット数に適当な比例定数を掛けて、スケール馬力数を表示させるのが良さそうだと思う。


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2014年02月07日

牽引力

 牽引力を測定するのは、バネ秤を用いる。Oスケールでは最大15 N (約1.5kg重)ほどの牽引力を発生するので、2 kg の秤を持っている。大きな鈎が付いているので、垂直使用時(普通の用途)ではそれで良いが、牽引力は水平使用なので鈎の重さが差し引かれるべきである。
 調節ネジを緩めて、零点を合わせる。所定の台に載せて釘で仮留めする。テンダの連結器に針金を引っ掛け、バネ秤と直結する。これで起動時の牽引力は測定できる。
 今までの実験では摩擦係数は0.22近辺である。ニッケルめっきされた鉄タイヤで、すでにめっきは擦り減って剥がれている。ちなみにLow-Dは0.15近辺である。これらの値は乾燥した鋼製レイル、洋銀レイル上で測定した。鋼製レイル上の方が僅かに大きいが、誤差範囲に入るので、事実上同じとする。

 走行時の牽引力は、測定用貨車を作り、それに秤を載せて歩きながら見る。かなり滑稽な状態だが、それをまじめにやった。床に線路を敷いていた25年前はそれが出来たが、現在は不可能だ。
 
 
 所属クラブの新年のお題として「特殊車輌」というのが与えられた。良いチャンスだから、それに参加することにした。Dynamometer Carを作ることにしたのだ。部品もある程度揃ったので、作り始めた。
 少し短い客車(70’ combine)の始末に困っていたので、それの屋根を削り取った。キュポラを付け、テンダへの乗り移りがし易いようにデッキを付ければ外見上は出来上がりだ。

 中味はどうするか迷ったが、その分野の測定装置を作っている研究者の方が近所に居るので、話を聞いた。
 結論は、いわゆるディジタル・フォースメータは信頼性が小さい。特に温度特性が良くないとのことであった。時を経てもバネ秤に敵うものはないらしい。ただし、バネは伸び縮みで先端が多少回転するので、スラスト・ボールベアリングを付けたほうが良いようだ。

 バネ定数を測定して、誤差のほとんどない部分で測定すれば、極めて正確なバネ秤が出来るということだ。読みをどうするかであるが、その方のお勧めはディジタル・ダイヤルゲージであった。要するに軽く動くDROである。

Dynamometer Car  [写真はHOの既製品のDynamometer Car 外見のみで機能しない]

2010年11月14日

Leaf Springs

Leaf Springs その通りで、これはリーフ・スプリングである。スペーサをはさんで1mmの針金を通し、軽くはさんでハンダ付けする。ここで軽くはさむというところがミソである。ステンレスの裏面には、材料が燃えて飛んで行った時のカエリが出ている。これを削ってはいけない。
 ハンダ付けするには隙間が必要である。またフラックスを洗うにも隙間が必要である。カエリの高さががちょうどその隙間に相当する。バネの先端にはブラスの挽き物をハンダ付けする予定だが、その寸法はまだ決めていない。ハンダ付けがすべて終わってから、それに合う寸法のものを作って取り付ける。

Leasf Springs2 この内側のところを見て戴きたい。今までに見た模型の中でこの部分が表現できていたものをまず見たことが無い。見る角度によっては丸見えであるから、作ってみた。図面の上で指示すれば出来てしまい、さほど費用も掛からない。工賃は作業時間で決まる。1秒いくらという単価がある。ステンレスの場合は切断速度が非常に大きいから、内部を作っても安上がりなのである。

 本当のところはこのリーフ・スプリングを薄板積層で作りたいところであるが、以前にも書いたようにヤング率は材料に固有で、小さくなるとモーメントが小さくなり、相対的に硬くなる。すなわちバネは効かなくなる。仕方が無いから形態だけはしっかりと図面通りにした。図面には撓んだ状態の形態が載っているから容易だ。

Daylight 台車 吊リンクはステンレスの0.8mm板で作った。残る問題はウィングバネの製作である。この台車はデイライト用で、ナポレオン・ハットと呼ばれる形をしている。この部分はロストワックスで作る以外ないと思っている。他の部分が完成してから製作することにしている。全部で100以上も必要である。

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