空調機器

2008年11月08日

エアコンの外部ファン

quiet fan blade 我が家のエアコンはアメリカ製の三相用である。安価で長持ちするが、音が凄まじかった。アメリカでは隣の家までの距離が大きいし、どの家のエアコンもやかましいので問題にならないからだ。
 ジェット機の離陸のようなキーンという音がして、とても夜間は使えなかった。大きな防音壁を作り、閉じ込めたがまだうるさかった。あるとき、内部の落ち葉等を掃除するために、上部の送風機の羽根を外してみた。

 羽根はアルミ製で、直径76cmである。大雑把な形に成型して、リヴェットで組んだものであった。ちょうどその頃、何かの雑誌で、「ふくろうが野ねずみに襲い掛かるときに、羽や胴体前面に小さな突起を筋肉の力で起こし、その効果で風切り音を消している」という記事を読んだ。

 多少は効果があるかも知れないと思って、バランスを考慮しつつ、4mmピッチで深さ2mm程度のV溝をつけた。早速モータ軸に取り付けて、起動させるべく、室内のスウィッチを押した。音がしない。何かの故障だと思って外に飛び出して見たら、ちゃんと廻っている。

 すばらしい効果であった。あまりにも静かで、室内からは起動してもわからなかったのだ。

 航空関係の友人に連絡して、特許が取れないものか相談したところ、「そんなものは昔からあるよ。効率が下がるから、飛行機には使えないさ。」ということだった。
 それならエアコンに使う限定で特許が取れないか聞いてみたら、「三菱重工がその方式を採用したのを今年から売り出した。」という連絡があり、愕然とした。現在も売っているのだろうか。

 この微少突起は、新幹線のパンタグラフにも採用されているし、トヨタのセルシオの屋根上のアンテナにも採用されている。しかし、車体全体をデコボコにした自動車は見たことがない。


2008年01月16日

続 結露 と エアコン

 皆さんのお宅では、布団を干されるであろう。当家は布団を干したことがない。近所では不思議がられている。もちろん、シーツは頻繁に取り替える。

 なぜ、布団を干さねばならないか。それは体表から発生する水蒸気が、寒い部屋で寝ているときに布団の中で結露するからである。もし体を大きなポリエチレンで包んで布団に入れば、べとべとになり、気持ち悪くて寝られないだろう。
 しかしそのとき、布団は湿らないはずだ。これが、先回の防湿バリア効果である。

 布団を湿らせないもうひとつの方法がある。それは部屋の温度を20℃程に上げて寝ることである。体表部は37℃であって、布団の表面は20℃である。その区間の温度勾配中には、結露点がない。すなわち、完全に空調してあれば、布団が湿ることはありえないことである。したがって干す必要は全く無い。干すと紫外線で繊維が傷むから、干さない方が長持ちする。

 したがって、防湿バリアが機能している家では、水の逃げ道が無く、必然的に湿度が一定に保たれる。加湿器など全く意味がない。
 
 我が家は湿度を低く保っている。年中45%で一定である。夏に湿度が低いのは実に快適で、気温が27℃でもとても涼しい。冬もこの湿度ではいかなる場所も結露しない。風呂場でさえ、湯を落として30分ほどドアを開いているだけで、カリカリに乾く。内装をサウナのように木で張ったので、かびるのではないかと心配していたが、濡れてもすぐ乾かせば、長持ちするはずである。

 窓に結露は皆無である。二重ガラスと木製サッシュのおかげで断熱は完全であるからだ。日本では、どういうわけかアルミサッシュが人気があるが、アメリカの北部の大半の州ではアルミ製サッシュは住宅には使用禁止になっている。理由は結露するからである。結露が全く起こらないアルミサッシュは、作るのが極端に難しいからだ。

2008年01月14日

結露 と エアコン

 なぜ結露が起こるかというのは、単純に言えば、水蒸気圧の小さいところに水の凝縮が起こるというだけのことである。要するに、冷たいところがあるとそこに結露が起こるのである。
 しかしこれを100%理解している人に出会ったことが無い。

 冬季に室内の湿気が壁を通して漏れるとする。
 壁の中は断熱材があるから外に向かって温度勾配が生じている。ある程度、外に近いところで結露し始めるだろう。その水は蒸発できない。内側からは蒸気の供給があるからどんどん水滴になり、最終的には水が滴り落ちる。

 冬の朝、犬の散歩をしながら、近所の住宅の壁と土台の境目を見て歩く。半分以上の家では濡れているのが分かる。このような住宅は欠陥住宅であると言わざるを得ない。室内からの蒸気の漏れを防ぐ手立てが講じてないのだ。アメリカでは改築命令が出されるだろう。
 
 このような状態であるから、室内の空気はどんどん乾く。それで加湿器を買って水をばら撒くから、ますます結露が加速する。内壁をはがして、軟質ポリエチレンの膜を張るだけで完全に解決するのだが、そのノウハウはどこにも無いようだ。

 おかしな工務店が、「壁は呼吸しなければ住宅の寿命が縮みます」と宣伝している。一体どういう人たちなのであろうか。住んでみて壁をはがせばすぐ分かることである。内壁は、完全に気密にしなければならない。断熱材は内壁に完全に密着して、外部に向かってなだらかな温度勾配を持たねばならない。外壁は防風バリアではあるが、完全な通気性を持たねばならない。これだけを実現すれば、結露は無い。

2008年01月12日

続 ダクト式エアコン

 ダクト式で最も注意を払うべき場所は、断熱である。熱が漏れると効率は悪くなるし、結露で家が傷む。

 実は、どうしても外部を通さねばならないところがあった。車庫の部分の天井を薄い角ダクトで通して、天井クリアランスを大きく取らねばならなかった。とりあえず、送ってきた断熱材を注意して巻き、漏れの無いようにした。運転して、その断熱材の表面温度を測定すると、暖房時、外気より20度も高い。ということは損失は甚大である。早速断熱材をさらに巻いて、測定すると5度になった。さらにグラスウールを巻いて、ポリエチレンで断湿し、木の板で完全な箱を作ったところ、外気温0℃プラス1度になり、一応、良しとした。
 
 天井有効高さはそのぶん5cmほど減少したが、仕方が無い。ここで大切なのは断湿である。外気の多湿な日本の夏では、少しでも冷たいところがあるとそこが結露を始める。これは止まらない。冷房時、エアコンを動かしている限り、世界中から水蒸気を集め続けることになる。断熱層の外側の、冷たくないところで、断湿バリアを張って、水蒸気が中にしみこまないようにすべきなのであるが、日本の建築関係者の認識は薄いと言わざるを得ない。

 アメリカの建築士の試験科目には断熱防結露の項目がある。一応理屈は説明できる程度には皆が理解している。日本人の建築士で、そこのところを理解している人には会ったことが無い。断片的には知っているようだが、話を連続して聞くと、あちこちに矛盾がある。しかしそれを矛盾とも感じていないひとばかりだった。

 この家を建てたときの日本側の建築士は大変優秀な人で、「わからないから教えてくれ」と言うのである。説明すると、すぐに要点を飲み込んで、非常に的確な指示を出した。


2008年01月10日

ダクト式エアコン

 日本の一般家庭ではほとんど縁の無いダクト式エアコンにこだわった理由は、大量の空気が常に流れて、濾過されていること。電気の契約容量が小さくて済むことである。

 例えば5LDK位の家であれば、エアコンは6台でそれだけで80Aの契約容量の上積みになる。この家の場合は5KVAの動力契約になっている。基本料は月5000円だが、単価は11円前後である。

 この家の図面をアメリカのエアコン業者に示して規模の見積もりをさせたら3KWの機械でよいと言う。いくらなんでもそれは小さすぎると思い、次のサイズを聞くと5KWを示された。価格は10%UPであった。保険のつもりでそれを買ったのだが、実際は3KWで十分であった。機械が動く時間が少ない。本当は小さいモータで長時間動いたほうが、効率は高いはずである。Maytagの冷蔵庫はそういう思想であると謳っている。エアコン屋に「図面を見せろ。」と言われたときに平面図のことかと思ったら、すべての図面であった。窓の面積、そのガラスの断熱性能、壁の厚さ。断熱ガラスウールの番号、屋根の構造を入れると数秒で計算結果が出た。
 
事前にある程度の負荷計算はしてあったのではあるが、そこまで小さくは無かった。寒冷地という前提では、冷房のみで暖房はガスヒータを使う。−20℃ではヒートポンプは効かないからだ。「冬季の最低気温は?」と聞くので−4℃と言うと、「いいところだねー。それは冬ではない。春じゃないか。」と言われた。
 暖房もヒートポンプで行ける事になり、補助ヒータもなしという事になった。

 この家のダクトはノックダウンで、板を曲げたのを日本で組み立てた。組み立ては簡単で、ハゼの部分を木槌で叩いてはめ込み、シリコーン・シーラントを塗るものである。接続部も簡単に板を曲げたものでくわえ込んで木槌で叩いておしまいである。実に簡単にできる。しかしこの仕事をしてくれる業者が無かった。

 仕方なく自分でやるかと思っていたら、友人が米軍基地での仕事経験のある業者を連れてきてくれた。とても簡単に組めて助かった。ちなみに、そのダクトの材料は日本製の亜鉛引き鋼板であった。


2008年01月08日

続々 エアコンの室外機

 大型のエアコン一台で全館空調することに、大きな意義を感じていた。玄関を入ったときに暑かったり寒かったりするのが嫌である。どんな天気でも玄関を入れば、そこは別天地という生活がしたい。

 それには、極端に断熱のよい家を建てねばならない。安い電力を深夜のうちに買い込んで、次の日に備えねばならないから、家の中を重い材料で作らねばならない。

 キッチンで油煙が出るような調理は屋外でやるという方法を採用すれば小型の局所排気扇でよい。もちろんガス加熱はだめで電気加熱を採用する。フィルターを通した空気を全館回せば埃がたまるような生活からは逃れられる。その代わり廊下には埃が多少溜まるだろう。

 布団をやめ、ベッドで生活すると埃が減る。埃さえなければレイアウトはほとんど掃除しなくてもOKである。綿埃の発生源は洗濯物である。洗濯機で乾燥してしまえば、すべての埃はフィルターに引っ掛かり、排気は外に放り出される。深夜電力なら経済的である。

といった具合に計画を煮詰めていった。すると何のことはない、アメリカの生活をせよということになった。洗濯乾燥機はアメリカでお気に入りのがあったのでそれを買った。Maytagというメーカで、有名なコマーシャルを長年続けていた。修理人が電話の前で工具箱をそろえて修理依頼を待っている。時計がぐるぐると回って、「あーあ、今日もひとつも修理の電話が無かったよ。」と言って帰るのである。 この会社の物は本当に長持ちする。25年以上無修理でOKである。ベアリング、ギヤがよそのメーカの倍以上の直径がある。長持ちするはずである。他に冷蔵庫、食器洗い機もここのを買った。そこだけは3KVAのオート・トランスで120Vに昇圧してある。乾燥機は208V用の電熱線に取り換えただけで大丈夫だ。5.4kWもあるから、30分で終了する。だから、衣類の傷みも少ない。

2008年01月04日

エアコンの室外機

 すべてうまくいったように思えたが、ひとつ落とし穴があった。室外機の作動音がジェット機の音のようで、近所に大変な迷惑を掛けることになる。当初は周りが空き地で問題が無かったが、いずれ建て込んでくると、トラブルは避けられない。

 大掛かりな防音壁を作り、中に吸音材を貼ったが、まだ足らなかった。落ち葉が中に入っているのを取ろうとした時、4枚羽根の大きなアルミ製ファンを外した。出来の悪い形をしていた。日本製の流体力学に基づいた強化プラスチックの一体成型ではない。風切り音がうるさいのではないかとひらめいた。

 ちょうどその頃、ふくろうがねずみに襲い掛かるときに無音で滑空するという話を聞いたばかりであった。それは初列風切羽に筋肉の緊張によって作る鋸歯状突起や、風切羽内弁の非常に柔らかい縁毛によって気流を「整流」して音を消しているというものであった。
 それならばと、羽根の風切り部に、ヤスリで無数の切込みを入れてみた。羽を取り付けて、室内に戻り、エアコンのスイッチを入れた。音がしない。壊れてしまったと思い、外に出ると、ちゃんと動いている。大成功であった。

 加工した本人の予想をはるかに超える結果をもたらしたのだ。これは特許になると思い、調べてみたところ、三菱重工がすでに採用していることが分かり、がっかりした。

 このデコボコを付ける方法は、500系新幹線のパンタグラフにも採用された。このごろはあちこちで見ることができる。セルシオの屋根上のアンテナもこれが付いている。

 それまでの2年間、音で悩んでいたが、急転直下解決したので、それからは深夜にも平気で運転することができるようになった。住宅の内部の熱容量が極端に大きい構造をとっているので、夜間は十分に余熱(あるいは余冷)で、翌朝まで快適ではあるが。

追記 01175様からご指摘がありましたので、修正致しました。音源は後方にできるカルマン渦だそうです。ありがとうございました。


2008年01月02日

続々 筆者のレイアウト

              あけましておめでとうございます

 レイアウトを建設するに当たって、それまでに見たいくつかのレイアウトを参考に、方針を立てた。
 ほとんどの場合、リヴァース・カーヴを入れた案で線路をくねくねと引き回していた。筆者はそういうのがあまり好きではない。単純な方が良いと考えた。小判型の片方は、機関区、ヤードを置き、反対側は山岳路線にして、本線が2段になっているEcho Canyon の東側を再現することに決めた。

 路盤は以前にも紹介した厚さ57ミリの板(19ミリ板の三枚重ね)を用い、剛性は大きい。それを支える梁は100ミリ×300ミリもある積層ビームである。どう考えても過剰品質だが、家を建てたときの残材である。

 住宅はボストンの会社の設計で材料キットを仕立てて、大工も紹介してもらった。ボストンまで面接に出かけて選び、来てもらった。そのあたりのことはいくつかの雑誌に載り、TVも取材に来た。太い木をふんだんに使った面白いつくりの家である。当時は輸入住宅が話題になり始めたときで、設計施工を100%輸入した人はまれであったため、話題になった。

 空調もアメリカのものを用いた。屋外に大きな室外機をひとつ置き、地下の一部に機械室を作ってそこに室内機を設置した。そこで冷気、暖気を作り、ダクトで家中に配送する。こうすると経済的な電気の契約が可能になる。

 アメリカの三相交流は240V60Hzだが、電力事情が良くないと200Vくらいに下がる。したがって208Vのタップも付いている。これはありがたかった。電源の電圧は実測値で208Vであったのでドンピシャリであった。

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