連結器

2017年09月26日

続 switching

switching 3switching 4 側線の長さと分岐の位置は決まっているので、機関車を動かせる範囲には限りがある。入替用機関車をうまく動かして、連結部をアンカプラの位置に持って行き、DU(delayed uncoupling)させ、所定の位置まで押していく。車輛には一切手を触れない。 
 
switching 2switching 1 日本でDUを実行している人が一体何人いるのか、興味がある。週に1回でも良いから実行している方はコメント欄を通じてお知らせ願いたい。公表を望まない方は、その旨お知らせ願えれば、そうさせて戴く。

 DUを実行するにはヤードが平面でなければならない。Low-D で摩擦が少ないと僅かの斜面でも動いてしまうから、難しい。デニスは面白い方法を採っている。軸受にグリスを少し多めに入れている。その撹拌抵抗が、DUを助けている。長い編成ではないのでこれは賢明な選択である。
 その昔、KadeeのNゲージのカブースは軸受に弱いコイルバネを入れて抵抗を大きくしていた。それもDUの作動を助けるためだ。今でもやっているか、分からない。 

 機関車の前頭部の連結器も完全に作動しなければならない。Dennisはそこを熱心に直していた。三日も掛かったが、完全な作動を可能にした。
 前頭部にも貨車を付けて、貨車に挟まれる形にして、入替をする。日本ではまず見なかったが、非常に合理的な方法である。ポーリングをするともっと具合が良いが、模型では、なかなか難しそうだ。この動画では隣の側線の車輛を動かしている。


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2017年09月24日

switching

 テキサスに飛んだ。Dennisが遊びに来いと誘ってくれていたのだ。DFWの空港でnortherns484氏と待ち合わせて、Abileneまで行った。デニスの言うように隣の町ではあるが、その間300 kmほど何もない。2時間半のドライヴである。小さな車(日本でいうヴィッツ)を借りたので、高速では燃費が悪い。13 km/L だった。

switching 2 Dennisはレイアウトの整備を精力的に行っている。この2年のうちに驚くほどの進歩を見せた。すべての分岐を確実に作動するようにし、解放ランプを整備した。これは大切なことである。またすべての車輛の連結器を軽く動くように整備した。当たり前のことであるが、これを100%完璧にすることは非常に難しい。しかし彼はやり遂げた。

 アメリカのレイアウトの楽しみ方で、日本でほとんど行われていないことは入替作業である。目的をもって車輛の組換えを行い、列車を仕立てる。それを目的地まで持って行って切り離し、置いてくる。そこに置いてある空の車輛をつないで元のヤードに置く。

roulette 文字で書くと簡単なことだが、実際にやるのはなかなか大変である。どの種類の貨車を選ぶかは、電動式ルーレットで決める。そしてカードで貨車を選んで、仕立てる。スウィッチを押すとブィーンと廻るので、手を放して止まった種類の貨車を選ぶわけだ。
 7,8輌の貨車を選んで仕立てるだけで、ゆうに30分は掛かる。機関車の整備も大切で、ゆっくりと確実に動かねばならない。DCCの利点が生きている。

 詳しい遊び方はnortherns484氏のレポートに期待したい。

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2016年01月08日

長編成の運転

100-car train 4 今までに100輌以上の運転をしたことは何度もある。自宅でもよくやる。最高150輌くらいは、15年ほど前、静岡のトレインフェスタで披露した。しかし、それは平面上の運転であって、今回のような勾配の在るレイアウトでの長編成運転は初めてである。
 全車両の連結器の遊間が詰まってから、完全に伸びるまでの距離は実に670 mmほどもある。そのあと連結器のナックル(肘)が伸びる量の総和が2 mmほどある。この緩みが生じた後、急激に引っ張られると、連結器が切れる。実は今回も間違ってプラスティック製のカプラを付けた貨車が2輌混じっていて、それらは見事にちぎれた。要するに40 kgの錘を荷役用の台車に載せて、プラスティックの連結器を介して紐で引張ることと同じである。ゆっくり引張れば大丈夫だが、コンと衝撃を掛けるように引張れば簡単に壊れる。

 UPの機関士 Tom Harvey は、Keep it stretched!"と言った。連結器がいつもピンと張っている状態で運転せよ、ということだ。そうしないと、衝撃で連結器が切れるのだ。下り坂では加速せねばならない。
 模型でも全く同じことが言える。ある程度以上の速度で坂を下り始めると中間部分が緩み始める。機関車が遅いと緩みが多く生じる。そしてそれが再度ピンと張った時に、連結器はちぎれる。友人が来て、彼の目の前でそれが起こった。
「なるほど、下り坂では加速しなければならないんだ。」と納得した。
 低速での下り坂運転では、逆に連結器を詰めるように運転するほうが良い。後ろからどんどん押してくるから、ショックを与えないように、ゆっくりと減速する。連結器は完全に詰まる。ここで電源を切っても、列車は何も無かったように、そのまま降りてゆく。列車長の2/3程度が降りて平面に差し掛かってから、緩やかに加速すると連結器が順に伸びていく音がする。この時は切れない。負荷が分散しているからだ。
 Low-Dのピヴォット軸は極端に摩擦が少ないので、本物と同様のことを心配せねばならない。

 発車時は連結器が順に伸びる。ガチャガチャガチャガチャガチャ・・・と100輌の発する音が、エンドレスを半周巡る。この音はたまらない。聞いた人は誰しもうっとりする。昔、中央西線の貨物列車の発車時に聞いた音だ。貨車の総質量は約40 kgである。実物換算で4500 トンの貨物列車だ。ほとんどがブラス製で、40ft車は12オンス(355 g)に揃えてある。50ft車は16オンス(455g)である。

 現在は運転者は筆者本人だけだから良いが、今後のことを考えるとショック・アブソーバ付き車輌をいくつか用意せねばならない。50年代の車輛に、矛盾がないようにそれらしく増設する予定だ。

 70年代の車輛には、すでに2台用意してある。これらは、静岡でDDA40Xに牽かせた時、 全くの無事故を誇った。その時は筆者以外の人が運転したが、問題はなかった。 

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2011年10月20日

続々々 Golden Gate Depot の客車

DSC_2736 これが連結部の写真である。Monarch の連結器を全く切断せずに最大限の長さで使っている。シャンクが長いので台車のセンタ・ピンに近いところまで達している。推進時に座屈することも無い。
 
 Kadee を使っている連中に、「遊間が大きくて、気分が悪くないか?」と聞くと、ほとんどが、「ナックルの内側に薄いプラスティックの小片を貼り付けると良いのだ。」という。ガチャガチャしなくなるが、自動開放もしない。それでよいと割り切ればそれでも良い。
 先回の関西合運でHOの客車列車を見たが、ほとんどが Kadee のようだ。遊間のことは運転時に気にならないのだろうか。

 O scale の場合は連結幌も緩衝材として機能している。上記のプラスティック小片の解決法を話した男は、「何のための幌なのか?」と言う。「幌で押しあう程度に連結面を近くするのだ。」と付け加えた。
 GDDの幌は押し合うと多少硬く、番手の小さいポイントでは脱線する可能性がある。その点でも以前紹介した「MHPの幌」は素晴らしい。これを使えば Kadee であっても何ら問題ない。常に列車全体がピンと張った状態を保つ。

 ヴェスティビュールには力が掛からないから、外れたりすることは全く無くなると思っていたが、細いネジがねじ込まれているプラスティック車体が応力割れを起こし、やはり取り付けがガタ付く。いずれ点検して接着剤で固めてしまうことが必要になるだろう。このような中国製車輌では、設計者の経験不足と知識不足は避けがたいものだ。

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2011年10月14日

Golden Gate Depot の客車

2617 ここ数年よく売れている客車メーカでSunset Modelsの系統である。この製品が出てくるまで、客車はWalthers のキットを組み立てるか、ブラス製のかなり高価なモデルしかなかった。
 実売価格100ドル強で塗装済、室内付、人形付、照明付きであるから、よく売れるわけだ。筆者も10台以上入手して、レイアウト上を走行させている。この写真は先日の関西合運の会場で撮ったものである。(先頭の2輌はWalthersのキットである。)

 コスト・パフォーマンスはかなり良い。但し、下回りの設計は余りにも稚拙である。1台だけ線路上にあるならとても良い。しかし編成を走らせると不満が噴出する。
 
 まず、連結器の取り付け位置がおかしい。しかも客車のくせに遊間の大きなKadeeが標準仕様となっている。これでは発車するときに、ガチャガチャ言う。これだけは絶対に許せない。旅客列車は静かに発車するものだ。
 拙いことに、連結器がVestibule(昇降台)に取り付けられている。そのヴェスティビュールは細いねじで車体に付けられているので、発車の衝撃で抜けそうになる。実際に抜けてしまって、列車が置いて行かれたこともあった。ここに遊間の小さいMonarchを長いシャンクのまま、床板の鉄板に直接取り付けたい。連結器が左右に動くゲートも本物のように取り付けたい。

2625 採寸してカプラ・マウントを作った。たくさん要るのでロストワックス鋳造で作ることにした。応力を分散するような形にし、取り付け面の面積を大きくして剪断力で受けるようにした。床面への取り付けは、もちろん Super Xである。十二分な強度がある。
 客車の構造は二種類あって、ゲートの方は台座が厚いものも作った。1mmの板に2.6と0.6の板を重ねて貼り、フライスで段を削った。これは大して力がかかるものでもないから、明らかに過剰品質である。ハンダ付けは焙り付けである。

 カプラ・マウントは銀ハンダを使って強度を確保する。連結時の衝撃で壊れるのは避けたいからだ。底板の1mmの板に穴が空いているのは、内部を洗うためだ。鋳物の形が崩れるのを防ぐために、肉抜きの穴を作った。その部分にフラックスが溜まると洗うことができないから、このような穴を介して洗うのだ。

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2011年07月01日

”Occupied Japan”

157515741573 ヒル氏は筆者に一台の貨車を持って行けという。上げるから、その素性を調べてくれと言うのだ。それはタンク車で、裏に
”made in occupied Japan" という銘板が貼ってあった。ということは1952年までの製品だ。これは厚さが0.25 mm という信じられないほど薄い板で作られたタンク本体を持つ。薄いからリヴェットの打ち出しはとてもシャープであるが、強く持つとペコンと凹むから注意しなければならない。同型のものは持っているので、安達製作所製であることは疑いがない。

 前回のは下回りが怪しい仕上がりの板金製であったので、それは捨てて新製している。今回のは下回りがダイキャストとの混成で出来がよいのだろうが、ダイキャストが劣化して少し曲がってしまっている。それをばらして捨て、ジャンク箱から同時代の台枠の比較的良いものを見つけ出して、それに振替えた。銘板はそれに付けた。決してインチキをしたわけではない。同時代のものがあったからだ。

 ダイキャストの部分には、ドラフトギヤもある。それをばらして驚いたのは、Thomasのタンク車と同等の構造を持っていたことである。 押し、引きの双方向に緩衝があり、実物の構造をよく知った人が設計していることが伺える。連結器はworking(可動)である。下にぶら下がった部分は初めて見たが、Monarchの系統である。ひょっとすると、カタログ上でしか見たことがない
"ramp operating"かもしれない。

 トーマスの製品と比べてみると、型は異なる。この時代にすでにダイキャスト型を起こして模型を作ろうとした人がいるのである。ダイキャスト部品は、ブラスのランボードに十分にうまくハンダ付けができている。しかも60年以上もの間、間違いなく接着されている。これは意外なことであった。ダイキャスト部品は多少膨張しているが、脆くはなっていない。

 上廻りのハンダ付けはほとんど取れていた。ハンダ付け職人の技量がよくなく、ハンダが回っていない。丹念に外して全面ハンダ付けをした。こうすれば絶対に壊れない。 ドームのハッチはMax Grayの時代のcoining(いわゆるドロップ)の部品をジャンク箱から拾って付けた。曲がった安全弁は形が悪いので捨て、ロストワックス製に付け替えた。その他細かい部品を作って付けたら、立派に見える。いずれ塗装したら写真をお見せする。

 台車は例によってAthearnのデルリン台車である。車輪はLow-Dを装着した。この台車をいくつか持って行ってヒル氏に見せたら、大変強い興味を示した。「私はもう引退したが、これはアメリカ中に売れる。いや世界中に売れる。雑誌に発表しなければ…」と言う。
「Model Railroaderでそろそろ掲載なのですが、少々事務手続き上のミスがあって遅れています。」と言うと、「それなら良い。これはInnovativeな(意識革命を起こすような)製品である。必ず売れるよ。」と言う。

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2008年12月30日

続 Draft Gear

Thomas Diecast Frames コメントで栗生氏に絶賛して戴いた。大切なことは、本物の構造を知っているということである。
 その点については、かねてから申し上げていることである。模型雑誌しか読まない人が多いと思う。
 「アメリカ型をやっている」とおっしゃる模型人とお話しするチャンスがあった。「ロコサイクロ、カーサイクロをお持ちですか?」と聞くと「何?それ。」という方が多い。
 それらを読めば構造がよく分かる。今は円高でチャンスなので、ぜひともお買い求めになることをお勧めする。最近は、版権が切れてPublic DomainになったものからCD-ROMで安く売り出されている。1922年版は30ドル以下で市販されている。

Thomas Draft Gear 5Thomas Draft Gear 


 
 
 
 このバネは伴板(英語では、spring plates) に、ちょうど良い固さではまる。抜けてこない。ブラスのピンを刺せばそのままはめ込むことが出来る。カプラの根元はここに嵌まるのだ。
 非常に模型的であってうまい設計である。

Thomas Tanks これらはタンク本体である。右はスティール板製である。ブラスが高い時期があったのだろうか。この程度の量なら、価格にはほとんど響かないはずなのに鋼板を使っている。しかし主台枠のチャンネルはブラス製であった。

2008年12月28日

Draft gear

Thomas Draft Gear 1 Draft Gearは何と訳すのがもっとも適当かは、いつも悩むところである。連結器を収める箱状の物である。連結器の軸方向の緩衝以外に、左右動の緩衝も引き受けている。
 Kadeeは、押す、引く、両方の緩衝能力はない。片方だけ多少の緩衝能力があるだけである。ガタも大きいから、引き出し時にはかなりの音がする。それも楽しい音ではあるが、実物どおりに作動する模型も面白い。

 これは以前紹介したThomasのタンク車である。筆者はこれを見つけると買うのでかなりの台数を保有している。最近は円高のおかげで安く手に入る。

 筆者はほとんどKadeeに換装するが、一台だけオリジナルの組立て品を持っている。
その動きは興味深い。

Thomas Draft Gear 2Thomas Draft Gear 3Thomas Draft Gear 4 





 
 まず、左は押し込んだところ、次いで中は引き出したところである。そして、右の写真は首を振ると、スプリングの端が傾くので復元力が生じるところを示す。
 簡単な構成でここまで見事な動きをする模型は珍しい。残念なのは付属のカプラが、非可動であることだ。TransPacificの記事中同じような図が載っているが、首振りのセンタリングまで含めて解決している点で、この製品はすばらしいと思う。可動カプラにすれば全て解決する。

 しかしダンパーがないので、蓄えられたエネルギが飛び出してくる。したがって、実際の動きはややギクシャクする。適当な摩擦を生じるように板バネを挟むと良いかもしれない。

2007年10月08日

続 Baker型連結器

 特許を調べているうちに、ベーカー型カプラの原型や改良型が、ずいぶんたくさんあるのに気が付いた。

 押し当てて自動連結する、というのは基本である。ただ、フックが掛かるフープが大きいと、外見が良くない。これを小さくするとどうなるか。当然、フックが掛かる確率が小さくなる。

 この特許USP2594444はフープを小さくしている。フックが他所に行かないように簡単なガイドをつけている。これだけで見かけはずいぶん良くなる。残念ながら、この特許によって生産された製品を見たことがない。

日本ではベーカー型というのは標準カプラーであったが、アメリカではその名がほとんど消えてしまった。1960年代のModel Railroaderの記事に、日本の紹介記事があり、「日本では"Baika" Couplerなるものを使っている。」という話があったように憶えている。 

 "Baika"とは"ベーカー"の音訳である。ということは、当時のアメリカには、オリジナルのBaker型を知る人は、既にほとんどいなくなっていたということになる。

 その号がいつ頃の号なのかは見当が付かない。アメリカに居た時、買ったBack Issueの中にあったのか、友達に見せてもらったのかも忘れてしまった。

 ここで紹介したパテントはGoogle Patentですぐに検索できる。自宅に居ながらにして、アメリカの特許を検索できるのだ。楽な時代になったものである。

2007年10月06日

Baker型連結器

Baker type coupler from 1946MR 最近見ない連結器であるが、1970年代までは日本国内に多量に存在していた。TMS誌にもベーカー型とあるだけで、特に何も説明がなかったし、古い"Yard"誌を調べても、その起源については何も解説がなかった。ただ、左右が反対のタイプ(天賞堂製)を"カーベー"型と茶化した話があるだけであった。

 栗生弘太郎氏はその起源に興味を持たれ、古いMR誌を丹念に探された。そして、ついにその起源に辿り着かれたのだ。その経緯はこのBBSをご覧あれ。

 この写真はまさにベーカー型である。下に垂れ下がった部分は連結されたホースのように見える。驚いたことに、O,S,HOと3種もある。栗生氏が御指摘のように開放ランプの価格が異常に安い。(写真は栗生弘太郎氏御提供)

 左の広告の載ったMRは1946年1月号だそうだ。日本はまさに戦後の混乱期で、その頃のMRを所有している人はいなかったに違いない。おそらく、占領軍の中の趣味人が持ち込んだのだろう。Baker type couplerという言葉とその見本だけが結びついて、日本での製作が始まったと思われる。日本製のベーカー型はアメリカ製の完全なコピィであった。

 特許もずいぶん調べたが、見つかっていない。それも幸いしたのか、日本国内では占有率が100%近かった。しかしアメリカへの輸出はあまりないようだ。インポータが遠慮したのかもしれない。

  

2007年09月20日

自動連結器の自作

自動連結器の自作1自動連結器の自作2 "Yard"誌17号を読んでいたら、自連を自作する記事があった。1948年8月の記事である。投稿者は丹羽十郎氏。丹羽氏は日本車両にお勤めであったから、専門家であった。

 ダイカスト製のダミィ・カプラを元に工作していらっしゃる。「キィは重くなければならない」、「下端を丸めておく」など、当然ではあるが必要な情報が盛り込まれた秀逸な記事である。ニクロム線をバネ材料に使うというのは、現在では考えにくい。当時はどこにでもあったのだろう。通電すると焼きが入る。

 ナックル部の製作に当たって、先にドリルで穴を空けておいて余分を削り落とすというのはうまい工夫である。

 ナックルの奥にはコイルバネがある。このあたりは、Monarchと同じである。時期的にはMonarchの発売より早いはずである。適度な強さで押し出していて、ナックルは開こうとする。その開く限度を制限する工夫もあり、感動させられる。実物のような「蹴り出し」型のキィで無く、バネで積極的に押し出している。

 どうして筆者がこんなに自連にこだわるのか。実は中学生の頃、いくつか自作しているのである。ダイカスト製のダミィに工作したので、全てシーズン・クラックで消滅してしまった。ナックルはとってあったのだが、どうしても見つからない。

2007年09月16日

続 中西氏の連結器コレクション

ブラス密連とダイキャスト密連 手前の二つはブラス板金製密連である。素人の工作のようであって、実はこれがプロの製品だそうである。合葉氏のアイデアを採用している。尖った角棒に、僅かな引掛けが見える。ここで連結するのだ。"模型と工作"誌を見て筆者が中学生の時に作った物と、さほど変わらない。


バネつきベ−カー型連結器 これは珍しいベーカー型連結器である。1960年代はこれしかなかった。なんとバネによる外れ留めを採用している。

 質量が大きいのだから、外れ留めなど要らないはずであるのに、わざわざバネをつけている。比較的厚い板を使った、かなり立派なものである。相手に向かって左側に懐が大きい構造である。この左右勝手は一時期、論争があった。二通りに分かれた理由などあろうはずがない。適当に作っていれば売れた時代だ。

ベーカー型 大小 大小の比較である。かなり大きくて重い、立派な製品である。

2007年09月14日

中西氏の連結器コレクション

Brass-Formed Automatic Couplers 中西進一郎氏から連絡があリ、生き残っている日本製自動連結器をお見せ戴くチャンスに恵まれた。珍品中の珍品が、このブラスをプレスして作った自連である。作動状況はあまり良いとはいえないが、ちゃんとキイを抜くと開放する。

 薄いブラスの板をプレスしたものと、厚めの板を組合わせて作られている。製造所は不明だが、たいしたものである。キイは薄い板である。あまり頑丈な製品ではないが、間違いなく作動するし、経年変化もない。経年変化という点では、ブラス製でハンダ付けしたものは半永久的である。もっとも、湿度が高いとハンダは錆びてくるので、ある程度の除湿は必要である。

ダイキャスト密着連結器 次にお見せいただいたのはダイキャスト製の密連である。これは筆者が考えていたものとは違っていた。針金で出来たキイを差し込む方法で、連結開放ともやや難しい。横に飛び出した針金を、ぐいと引っ張ると開放する。

 合葉博治氏発案のものは、角棒部の根元に切り欠きがあってひっかかるようになっている。そのひっかかりを確実にするために薄い板バネで押さえていた。外すときは、そのひっかりの分だけ横から押せばよい、というものであった。

 密着連結器はダイキャストのみならず、ブラスハンダ付けの製品もあった。この時期は、いろいろなレベルの商品が続々と発売されたので、ほんの僅かな期間しか市場に出ていない製品も多い。

2007年09月12日

連結器の工夫

Monarch Price List 1963 自動連結器は高価であった。たくさんの貨車を全て自動連結器にするのは難しかった。

 この表はMonarch社の連結器の価格である。1964年のWalthersカタログからの転載である(協同ライト社御提供)。その後の価格変化を調べると、1973年に$2.25、1983年では$6.00とある。

 アメリカのインフレ率を掛けなければならないが、大まかに言えば一組1500円以上の感じだ。機関車には付けるが、貨車にはところどころにしか付けられなかった。

Modified Dummy Coupler TopviewSideview そこで一部の人は、貨車用の半自動連結器を思いついた。MRの記事に出たような気もするが定かではない。ナックルの反対側を削り落として、側面に溝をつけ、スプリングになる線を貼り付けたものである。相手も同じ形をしていないと連結できないが、上から入れればダミーでもつながる。

 この改造連結器欲しさに、この中古貨車を購入した。木製で外被はブリキである。塗装が気に入らないが、安価だったので良しとした。

 現在では、ほとんど全ての車両がケイディを装備している。プラスティックの貨車キットを購入しても、当然のようにケイディを使うようになっている。ケイディの成功の原因はその価格にある。1973年の価格と現在の価格は大差ない。

 ケイディの特許はほとんど切れてしまい、ほとんど同じ形のものが何種類か出てきた。しかし、ケイディの品質は良い。他社の物はピンの周りにひびが入って(クリープ割れ)いずれ駄目になる。ケイディ製品はそのようなことはない。ケイディはそれを大いに宣伝している。それしか宣伝することがなくなってしまったからだ。

2007年09月10日

続 日本製の自動連結器

日本製Working Coupler 程度の良いのがひとつ見つかった。これもナックル・ピンの後ろが割れ、ナックルがプラプラしている。形だけでもお見せしたかったので、掲載した次第である。


密着式自動連結器というものもあった。これは合葉博治氏の発案らしい。KTMが発売していた。尖った部分を、互いに相手の穴に入れるようにして押し込むと、薄い板バネがラッチを掛ける。これは調子がよく、まず外れない。

 しかし、外すときはかなり苦労する。車輌の両側面から指を突っ込み、押し付けねばならない。慣れれば早いが、自動開放は極めて難しいと思われた。

 これも現在はほとんど割れてしまい、現存するものは少ない。この当時(昭和30年頃)の日本の製造業のレベルは、その程度であった。ZAMAKの中の鉛の濃度が高いため、いわゆる粒間腐蝕という現象(昔は粒界腐蝕と言っていた。下のコメント参照)が起こったのだ。その時期には、アメリカではこれは完全に克服されていた。

 この頃、日本のダイキャスト工場に出入りしていた人から話を聞いたことがある。電気工事がある日は、ダイキャスト工場は休みになるという話だ。

 当時、電気工事はハンダ付けで行われていた。炭つぼを腰につけて、電柱を登っていく電気工事人の姿を憶えている人は、少なくなった。融けたハンダが落下することはありうる。ハンダがザマックに落ちれば、そのロットは全て廃棄しなければならない。

 電気工事の日は、全てに機械にシートをかぶせ、ハンダが掛からないようにしたという。しかしそうしていても、50年後にはほとんど駄目になった。これは、当時の日本製のザマック地金の純度が低かったことを意味する。

 最近、1952年製のアメリカ製ダイキャスト製品をじっくり観察することがあった。全く割れがない優秀な製品であった。日本でこのあたりのことが完全に克服されたのは、昭和40年頃であるという。

2007年09月08日

日本製の自動連結器

 最近のTMS誌上で、中西進一郎氏が古い日本製模型の歴史(考古学というのだそうな)を連載されている。筆者と中西氏とは多少の年齢差があるが、同じ時代を過ごしたわけで、いくつかの製品をお譲りしている。日本製のいくつかの自動連結器のコレクションを披露し合ったが、ほとんどがシーズン・クラックを生じていた。そのうち、連結器の項が始まるのを楽しみにしているが、果たして生き残っているものがあるのか、怪しい状態になってきた。筆者の所にあるものは全て割れているので、まともな製品の写真をお見せできない。

 どれもこれも動作が不確実で、全く役に立たないものばかりであった。その原因はナックルを留めるキィが小さく軽いことにある。軽ければ、スプリングなどで押さえるなどの工夫が出来そうなものだが、何も考えていなかったのである。

 昔、筆者はせっかく手に入れた自動連結器を取り付けて運転したが、それはエンドレスを2周すると、外れてしまうものであった。X2Eを取り付けるとその点は完全に克服されたが、形がどう考えても奇妙で目立った。黒くしてみたり、ホーンを短くしたり細くしたが、どれも面白くなかった。椙山満氏は、小さいベーカー型を使うと良いと発表されていた。

 そうこうするうちに、アメリカでケイディに出会った。あまりにも良く出来ていて、何度も連結開放を繰返して遊んだ。機関車一輌、ポイント一つと貨車3輌での出発であった。あれからもう30数年になる。コレクションは増え、レイアウトもある。しかし、当時ほどの感激はない。贅沢になったものである。

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 このブログを始めて一年経った。留守をしていた一時期を除き、毎日更新してきた。

 いくつかのお便りを戴いている。

 「毎日更新なので、しばらく読んでいないと取り残されてしまう様に感じる」とあった。「隔日更新にされたらどうか」との事である。

 なるほどとも思う。確かに読者数は週末が二倍くらい多い。しばらくその方針で行くことにする。



2007年09月07日

X2F coupler

X2EX2Eの改良型がX2Fである。実質的には同じである。何が違うかということは、"Yard"誌85号、1954年12月22日発行に解説があった。

 「とにかくX2Eと全く同形で、押合面のすぐ后にDelayed uncoupling用のスプリングをはめる溝のついたものがX2F。」とある。

X2Fこの図をご覧になると、DUの様子がよく分かる。図解は、筆跡から判断すると伊藤剛氏である。

 ヒゲ状のバネがある。ピンがランプで引張られて広がった時に、ヒゲが相手の開放ピンを押すポジションに来るようになっているわけである。それにしても、DUについて、これほどまでに熱心に議論されていたことには驚嘆する。当時の日本でDUの必要性を感じていた人が一体何人いたのかは、興味深い。

 X2Fカプラは日本でも市販されていたし、開放ランプもあった。しかし、DUのためのヒゲ状バネはついぞ見たことがない。ということは日本で売っていたのは、事実上X2Eであったということになる。

 その後急速に進歩したケイディにより、X2E,X2Fは市場から駆逐されてしまった。

2007年09月06日

続 NMRAのX2E

伊藤剛氏の解説 これは古いNMRCの会報"Yard"誌86号からの転載である。発行日は1954年10月15日とある。もう53年ほど前の話だ。作図、解説は伊藤剛氏による。当時、氏は30台前半である。

 筆者はこの時期の"Yard"誌を順次精読している。日本の模型界がどのように動いていったかが、よく分かる。諸外国との情報交換も盛んになされていて、最新の情報が入っていた。NMRAに対してアイデアを発信していたことが明らかである。当時のTMSと読み比べると、"Yard"誌がTMSをリードしているというよりも、"Yard"誌の内容を紹介する形でTMSが全国に情報を流していたと言える。伊藤剛氏の功績は大きい。

 1954年頃は、動作が確実で、遠隔開放が出来るものを捜し求めていたことが分かる。ケイディは外見は良いがカーヴでの連結が難しいとか、開放ランプの形が他のものと共用できないという事が盛んに議論されている。

 一部を原文のまま引用する。
「以上のように、見慣れるまでは少々みっともないカプラーであるが、さすがNMRAが何百個かの実験を繰り返して改良しただけに、その性能としても相当のものであるようだ。NMRAではこの形式について今年の夏一般投票を取っている。その項目を要約すると\能は落ちても、より実感的な物を望むかX2Eで満足するかより良き性能を得るためにはもっと実感から離れることも甘受するか、の3点になる。この結果はまだ発表されていない。
 NMRAのカプラー標準化制定委員会の最初の動きは、市販の如何なるカプラーとも噛合い、市販の如何なるカプラーポケットにも取り付く万能カプラーであったようだが、結局そのようなカプラーは出来ないし、又市販の各カプラーとも失敗率がかなり高いことが分かったので、現在のどれにも噛合わないが、失敗率の少い理想カプラーの研究に進んだものであろう。カプラー本体とは別に、市販のあらゆるカプラーが取付くような万能カプラーポケットを作る案も現在あるようだ。」

 結局X2Eケイディに敗れはしたが、カプラ・ポケットだけは標準化されて、今に至る。
 


2007年09月05日

NMRAのX2E

NMRA X2F by KTM NMRAタイプと日本では呼ばれる。Horn-Hook型ともいう。HOのAthearnの貨車を買うと付いてくるあれである。そのブラス製の製品があったことを御存知の方は少ないであろう。X2Fだと思っていたが、 X2E型というらしい。当時一つ25円であった。高いような安いような価格であった。X2FDU用のひげが付いているものを指すのだそうだ。この頃はディレイド・アンカプリングに対する興味が沸き上がっていた時期であった。

 製造はKTM、基本設計はなんと伊藤剛氏、KTMでの設計は酒井喜房氏であった。巧妙な板金細工で確実に作動するが、推進時に衝撃が掛かると、上下が泣き別れとなる。ハンダがはがれるのである。

 筆者は、正面から上下にまたがる薄いリン銅板を張って、強度を持たせた。すると下の推力を受け持つ部分は、くにゃりと曲がる。そこで、その裏に支えを入れたりしてみたがあまり良いものではない。

 Walthersの製品は、推力を引張力と同じ軸上で受け持つので、壊れない。

X2F side viewFront View さらに詳しい写真である。

 美しいキリンス仕上げの製品で、製造所がどこなのかはまだ突き止めていない。意外に精度は悪く、ホーン(飛び出した板の部分)の位置がものによって、微妙に違う。

2007年09月04日

続 Kadeeの挑戦

 ケイディは双子の兄弟によって創立された。KeithとDaleという名前である。Keithのほうには70年代に会ったことがある。

 紹介してくれた男が言うには、「すごくへそ曲がりだから、何かいやみを言われても逆らうな。」という事だったが、至ってまともな人であった。もっとも、紹介してくれた人もかなりの変人であったので、そう言われてみれば納得がいく。

 ディレイド・アンカプリング、すなわち『のちほど開放』という少々玩具的発想ではあるが、確実な入換システムを製品化した業績は大きい。

 しかしDCC化が進めば、希望のところで開放というのは当たり前になるかも知れないが、今しばらくは価値が揺らぐことはあるまい。

 Keith は、製品化間もないMKDカプラの新型OS-5をサンプルにくれた。そのケイディ・カプラを手にした時、筆者はなるほどと思った。製品をグラファイト粉末中でよく震動させ、すれ動く部分に粉末を浸透させてある。グラファイト粉末は減摩剤として別売りもしていた。Greas-emという名前である。

 過去の多くの製品の欠点は摩擦に基づいていた。それを減摩剤で切り抜けたのだ。グラファイト(黒鉛)は、常圧では固体であるが、50気圧以上では流動するようになる。金属部品が接触しているところでは、瞬間的にそれぐらいの圧力は生じるだろうから、その瞬間に摩擦を減らすのである。

 鍵穴に鍵が挿さりにくい時は、この粉末を吹き込んでから鍵を数回往復させる。すると驚くほどすべりが良くなる。粉末ではなく油を注すと、しばらくは調子が良いが、そのうちに砂埃が付いてますます調子が悪くなる、という結果をもたらす。この種の減摩剤は、日本でも鍵穴用に市販されるようになった。東急ハンズなどで見かけるが、高価である。6Bの鉛筆の芯を削ればいくらでも出来る。

 

2007年09月03日

Kadeeの挑戦

Kadee Prototype Kadeeの革新性は、そのナックルの作動する中心をどこに持って行ったか、にある。それまでのメーカには、実物どおりにナックルが開かなければならないという強迫観念があったのだろう。どうしてもナックルのピンで回転させねばならないと思っていた。モナークは、それから脱却できなかったのだ。

 写真は、筆者の持っている最も古いケイディタイプである。材質が悪く折れてしまった。今では考えられないほど粗悪である。ナックルの回転中心は、Trip Pinの部分にある。引張り時にナックル先端を開こうとする力に、耐える必要がない。ナックルを開くことも簡単である。
 
Kadee Side ViewKadee Side View2 側面から見ると、現在のものに良く似ているが、いくつかの違いがある。トリップ・ピンの先端が上下とも加工されていて、引き上げるキィの穴やホース先端の金具を模している。

 現在は、ナックルの戻りは弱いスプリングによるが、これは重力による。内部に斜面があり、ナックルを開くと回転部全体が少し持ち上がる。斜面の角度は25度くらいである。摩擦はそれ程問題にならない。走行中の開放もまずない。

 これでケイディは急速に力をつけたのである。初期の製品はZAMAKと呼ばれるダイキャスト・メタルが割れやすかったが、後にアルミニウムの比率が多いものを採用したようだ。多分シルミン合金に近いものだと思う。

 トリップ・ピンを磁石で動かし、スプリングで戻すようにしたのが、現在のMKDタイプである。MはMagnetic、DはDelayed Uncouplingの頭文字である。  



2007年09月02日

Walthersの自動連結器

Walthers Auto Couplers Walthersは、現在は商社のような立場になってしまったが、昔は製造業者であった。たくさんの客車、貨車のキットを売り出していた。

 ウォルサーズは連結器も売っていた。おそらくこれは本邦初公開であろう。分厚いブラス製の自動連結器である。開放も遠隔操作で可能である。1940年ころの製品である。

PullingPushing 古いTMSに概念図だけ載っていたように思うが、現物の写真をご覧になるのは初めてであろう。ミキストの総集編にも転載されていたように思う。連結時には、薄い板バネがしなってラッチが掛かるようになっている。少々遊間が大きい。横から見たときの形が良くないので、ほとんど売れなかったようだ。

Walthers Side View その点、Monarchは外見が素晴らしいし、自動連結の確実さが卓越していた。モナークの開放テコを遠隔操作する工夫もあった。テコさえ動けば、ナックルがパチッと飛び出すので、遠隔開放も不可能ではなかった。


Walthers uncoupler この図はWalthersの開放ランプの概念図である。ランプが上がっていると、ピンが引っ掛かって開放させることができる。

 これは、後述のNMRAX2Fカプラーの原型であるのかもしれない。NMRAのものとの違いは、推進時に軸上で推力を受け持っていることである。これは重量列車を推進するときには重要なポイントである。

 

2007年09月01日

続 Monarch の自動連結器

Monarch Couplers モナークの連結器は、その名のとおり、王者として名声を欲しいままにしていた。優れた連結性能で何も不満はないはずであった。しかし、開放ランプで自在に開放したいと考える人も増えていた。ヨーロッパの模型はほとんど自動開放が可能であった。後述のWalthersも自動開放を謳い文句にしていた。
 
 開放テコの作用点は3種用意され、Top Operating、Ramp Operating、Bottom Operatingがあった。ランプ方式の現物は手元にないが、後述のものと似ている。それぞれに、開放テコも発売されていた。ねじり剛性の高いピアノ線で出来ていて、調子よく作動する。
 
 写真の左端のみがDummy、その他はWorking Knuckle Couplerである。筆者はディーゼル電気機関車等の半固定編成の中間連結器はモナークに統一している。

 Monarch's new coupler 次いで、Model Die Casting社はこのような新型連結器を登場させた。今までのスプリング・ラッチをやめ、ナックルの奥に回転する斜面を設け、ナックルが閉じたときに、キイの重さでラッチが掛かるようにした。キィを押し上げれば、ナックルは自由に回転する。キィの下半分はホースのような形にしてぶら下げ、質量を稼いだ。キィの上半分は、上からのリンクで引っ張るような形にした。現在はRound Houseという名前になっているかもしれない。

 これでうまく作動すればよかったのだが、斜面の部分の摩擦が大きく、作動は不確実であった。ナックルが閉じているときに引っ張ると、キィに食い込んでしまい、なかなか外れなかったのだ。後述の減摩剤を塗っても、あまり改善されなかった。これは、ZAMAKという材質の限界でもあった。もっと硬い材料であれば、変形しにくいので、より滑りやすかったであろう。

 実物を模したタイプの可動ナックル型のカプラの進歩は、ここで止まる。これ以上は進歩させようがなかった。

2007年08月31日

Monarchの自動連結器

Monarch Coupler OpenMonarch Coupler Closed Kadeeの連結器が主流になって久しい。ケイディではない連結器をつけている車両を探すのが難しくなってきた。  All-NationMonarch社の自動連結器を付けている。

 
 筆者は連結器を集めている。自動連結器に限っても、いろいろなものがある。アメリカではモナークが有名である。ケイディが出てきた1970年ころまでは、モナークをつけていることがステイタスであった。

 当時はモナークでなければ、自動連結が出来なかったのである。ケイディはまだまだ粗悪品のレベルで、信用がなかった。当時のケイディは後ほど紹介する。

 左の写真は開放した状態、右は閉じた状態である。ナックルの奥に弱いスプリングがあり、キィが抜けると、パチッという音がしてナックルが開く。新品を袋から出した状態で、バリが付いているのはお許し願いたい。

Monarch Coupler Side View 連結するときは、本物の様に片方が開いていればよい。押し込むとキィがストンと落ちる。ここがモナークの良いところで、極めて細い線で出来たバネがキィを下に引っ張っている。すなわち、天地が逆になっていても正しく作動する。だから、走行中の振動でキィが踊って抜けることはありえない。信頼性が高いのである。

 はじめ見たときは、よくある「可動ナックルです。」という程度のものかと思ったが、意外にも長大編成を牽いても全く事故がないことを確認した。

Monarch Coupler Bottom View 開放するには上からキィを引き抜いてもよいが、付属のテコで下から押し上げてもよい。このテコは、針金を丸めたところ(45度傾いている黒い部分)をねじると、その先端がキィを押し上げる。開放テコは本物と同様、側面から動かす。

 実に賢いつくりで、こればかりで編成した列車の運転も楽しかろうと思う。ちなみに、ケイディモナークと連結が可能である。

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