客車

2017年07月23日

続 荷物車5輌

inside brake wheel この写真を見て戴きたい。分かりにくい角度の写真だが、内側から妻板の方を見ている。こんな所にブレーキ・ホイールがある。実はその外側にもある。
 ブレーキ・ホイールは裏表にあるのだ。当然同じ軸で廻るから、作動時の回転方向は見かけ上、異なることになる。
 妻の貫通扉は窓無しで、これは防犯上必要なことである。開くようにしてある。

 この荷物車は20年ほど前に入手した。床下も必要以上に出来ていて、配管がたくさんある。プロトタイプの通りに出来ているかは、やや怪しいところもあるが、本当によく出来ている。おそらく作者はUPの職員であったに違いない。そうでなければ気が付かないところまで、作っている。

 ハンダ付けは例によってぼてぼてだが、一応よく付いている。良いフラックスと大きなコテを使っていることが分かる。炭素棒を使った形跡はない。ただし、力の掛かるところに当て板を付けずに、同じ調子で付けているので、剥がれてしまう。ハンドレイルは鉄線を使っているので硬い。車体のボルスタは厚いブラス板を組合せて作ってあったが、台車が廻りにくく、脱線した。当たるところを切り取って、別の方法で台車を取り付けた。もちろんボール・ベアリングを付け、Low-Dに取り換えた。6輪がイコライズしているのが分かる。1.7 kgもある重い客車が、驚くほど滑らかに走っていく。

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2017年07月09日

73’ baggage

73ft bag この荷物車は郵便物の運送用(mail storage) である。出発地点から到着地点まで、扉を開けないこともあるらしい。荷物車は長い 80 ft のと短い 73 ft がある。これはその短いほうである。いわゆる郵便車には、郵便物を行先別に分ける機能を持つものもあるが、これはそうではない。

 荷物車ではあるが、中に簡単な机とトイレがある。したがって水タンクもある。強制換気のファンも持っている。もちろん暖房も入る。短いとは言っても、22 mもある。

 今これを2輌作っている。外形はほとんど出来ている。台車を付けて、塗装すれば完成だ。全ブラス製で、1.5 kgほどもある。もう少し薄い板を使えば良かった。
 床板の背骨は厚い押出しのチャンネルを使った。肋骨に相当する部分は省略しても見えない。ボルスタはまだ付けてない。高さを決めてから、機械で削り出す。
  連結器は長いものを用い、推進時の座屈を防ぐ。
 これを作ったのは、2軸台車をたくさん持っているからだ。手に入りにくい3軸台車を付けたのは、郵便車と長い荷物車である。これらは重いのだ。

 もう一つだけ(片方だけ)3軸台車があるので、それはボイラー車に付けようと思っている。それは暖房用に改造された車輛で、重いボイラと燃料タンクを積んでいるので、片方だけ3軸なのだ。これも窓が少ないので、簡単にスクラッチ・ビルドできる。


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2017年07月07日

スクラッチ・ビルディング

スクラッチ・ビルディングはもうしない」と書いたことがあるが、最近は細かいものをよく作っている。例のOBJプロジェクトもそうであるし、貨車とか客車を結構な数、作っている。
 最近は少しずつUPの客車をキットから作っているが、その中に入れる荷物車は好きな形のものがないので、自作している。全熔接タイプだから、リヴェットを打たなくても良いので、実に簡単だ。床下もごく適当に、見える範囲だけ付ける。

73ft baggage 大きなシァを持っている工場で切ってもらった床板、側板を毎日少しずつ加工している。窓が少ないので工作は簡単だ。4枚重ねて扉を抜き、内側に側板の厚み分の控えをハンダ付けする。あっという間にできてしまう。こういう工作は楽しい。
 
 妻板にはメクラの扉があるので、その周りを角線で作り、ハンドレイルを付ければできあがりだ。妻と側板を直角に付けるのは簡単である。
 まず、接合部にハンダメッキをしておき、大きめのコテで何箇所かチョン付けする。ハンダは玉になっている程度で十分だ。それを直角のジグに嵌め込み、接合部の下半分を濡れ雑巾で防護する。上半分を小さなガスバーナで外から炙ると、玉になっていたハンダが、つるりと浸み込んでぴかっと光った面になる。
 ひっくり返して、残りを付ける。こうすると完全な接合ができる。裏にアングルを付ける必要はない。実によく付いている。ハンダはスズ63%のを用いるのが唯一のコツである。融けているか、固まっているか、のどちらかしかないので、極めて短時間に終わる。このような作り方は、ある程度の大きさを持つOスケールだからこそできるのだろう。炭素棒を使えば、HOでもできるはずだ。 


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2017年07月01日

続々々 3軸台車

 出来上がった3軸台車を床に取り付ける。コピー機をばらしたときに出て来た、幅の広いゴムベルトを保存していた。耐熱ゴムで、幅 220 mm、厚さ1 mmである。
 とても滑りが良いので、キングピンの座金として使う。音が非常に良くなる。今まで、カツカツと頭の芯に響く音だったが、コトコトという音になる。斜面を滑走させると、快適な走行音であった。中央軸がバネ一枚で支えられているのは少々荒っぽいが、実に調子が良い。簡単に作るということを、最優先にした結果だ。
 タダ同然で手に入れたプルマン展望車が、更新された。車輪とボールベアリングの価格の方が、はるかに高い。

cotter pin 3軸台車のキングピンの留め方は、もう一つある。それは台車ボルスタの穴をバカ孔にして、キングピンを上から挿す。キングピンの先端には軸に垂直に孔が開いていて、そこに割りピンを挿すのだ。アメリカ製の模型はそういうタイプが多かったが、日本製ではまず見ない。割ピンは台車の重量を支えれば良いだけだから、針金でも良い。実に簡単である。この車輌を改修する時にうっかり写真を撮り忘れてしまった。部品は外す時に、くにゃくにゃになったので、捨ててしまったのだ。
 今回は上向きボルトで、ダブルナットである。さらに接着剤を付けて弛み止めとした。

 今回の工作は試作である。調子を見て設計変更があるもしれない。この工作を、あと10輌分せねばならない。客車ボディは完成しているので、やらないわけにはいかないのだ。 

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2017年06月29日

続々 3軸台車

Equalized + sprungequalizing 前後軸を、ひっかかりなくイコライズするというのは意外と難しい。今まで、ほとんどのアメリカ人は何も考えずに組んでしまったのだろうが、この写真をご覧戴くと問題点がお分かりだろう。

 支点(赤矢印)が荷重の掛かる部分のかなり内側にある。これではまずい。すなわち、軸には回転力以外に、コジる力が掛かっている。摩擦を最小限にする工夫が必要だ。橙色の部品には厚板を貼り合わせて、段付きネジの円筒部と同じ長さの摺動回転部を作った。こうすればコジる力が働いても、平気である。

making equalizerequalizer + pin この軸は長めの段付きネジだが、相手と良く擦り合わせて、ガタが全くないように作り、モリブデン・グリスを少量塗っておく。厚板にはリーマを通し、油目ヤスリで調整した。潤滑脂を付けてぬるりと入るよう (snug fit)  にする必要がある。 この手の工作は得意である。

 本来は台車は2点支持にすべきだが、段付きネジの数を節約するために3点支持にした。要するに、片方はハンダ付けするのだ。捻られる角度が小さいので、全く問題ない。

spring releasedspring depressed 組んで見て、3点支持が機能することを確かめる。中間軸は、いわゆるキャノン・ボックスで、末端に内径 2 mm、外径 5 mmのボール・ベアリングを入れている。左はひっくり返してバネが伸び切った状態で、右は押え込んだ状態である。この位置あたりでリミッタで制限する。この台車は上の写真とは別の部品を使っている。

spring loaded 薄いリン青銅板を曲げてハンダ付けし、200 gを支えていることを確認する。全体を組んだら、荷重を掛け、ポイントのフログの上を通して音を聞く。3軸とも同じ音がすればよい。曲げた1枚の板バネだからふにゃふにゃで、中間軸は左右に振れてショートすることもありそうだが、意外にそれはない。レイルの上を走っているので、左右に振れることがないのだ。あるとしたら、それは脱線時だから、問題外である。

 完成した台車は、薄いゴム板を介して車体に取り付けると、非常に良い音が出るようになる。 

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2017年06月27日

続 3軸台車

 レイアウトの作業中に、車輛工作のことを考える。帰り際の1時間に工作をする。

Walthers Pullman truck プルマンの台車がたくさん必要だ。とりあえず Walthers のキットを組んだものに数輌分取り付けねばならない。良い性能のイコライザ付き台車がないので、改造して作らねばならない。

Modofied Walther's truck 造形の点では、 Walthers のダイキャスト製がなかなか良いが、抜けるべき孔が抜けていないので、文鎮のような感じである。まずそれを糸鋸で抜いてしまう。細かい糸鋸は詰まりやすいので、最大限に粗いものを使う。電動糸鋸の金工用が具合が良い。この写真は一部切り抜いた状態だ。

spring attached ザクザク切って、ヤスリを掛ける。そこに細いコイルバネを貼り付けると、可動式だと勘違いする人が出てくるほどだ。


 文鎮からは脱したが、中間軸をどうするかだ。よくあるのは、中間軸受けを長穴にしてごまかす方法だが、走っているとき、車輪が踊るのが良く見えてしまい、みっともない。音も悪く、これは駄目だ。
 前後軸はイコライズするが、中間軸はバネで支えたい。側台枠がダイキャスト製なので、軸箱は動かせないのだ。

 なるべく簡単に解決したいので、内側軸受にして板バネで支えることにした。20年ほど前思い付いて、ある程度の部品は作ってあるのだ。Low-Dを開発しているときの試作車輪を用いたユニットを、いくつか持っている。それはボール・ベアリング入りである。キャノンボックスにバネをハンダ付けすればできあがりだ。

6-wheel truck 要するにイコライズしている2軸の中間にバネで圧着する中間軸を付けるのだ。この場合のバネの強さは事前に実験して決める。予定では、このプルマンの軸重は約200 gwだ。台車の質量が約170 gだから、バネだけで台車+30 gの分銅を支えなければならない。あとは自然に分配される。 
 このバネの負担力を先に計算するというのは、当たり前なのだが、意外と盲点であるそうだ。これを考えている人は少ないと思う。蒸気機関車の先従台車をバネ支持にしているときは、これを先に考えるべきなのだ。そうして、動輪がスリップするかどうかを計算し、補重量を決めるべきである。
 過去に完成させた機関車は、すべてそうやって決めて来た。大切なモータを焼いてはいけないからだ。


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2017年06月25日

3軸台車

 模型の3軸台車で実物通りに動く物は少ない。

 イコライズしてあれば、イコライザの支点は2:1の点を押えているはずだ。実物がそうなっているから、模型にも間違いはない。
 ところが、Sunset の子会社のGolden Gate Modelsの客車の台車は、不思議だ。バネ支点位置は良いのだが、イコライザと3つの軸箱が一体なのである。折れないから、何とかして切り離してみようと思った。しかし、切ったら最後、どうやって収拾を付けるかが問題で、まだ手をつけてない。イコライザは亜鉛ダイキャストで、細いがかなり硬い。曲がらないこともないので、重い客車が載っていれば、ある程度は撓んで、何とかすべての車輪が密着しているようだ。
 心皿位置がネジ留めの都合上、ずれていて、軸重が一定でない。脱線しやすいから、これは許せない。心皿位置を支える滑り子を取り付けて、回転中心はずれているが、荷重は中心に掛かるようにした。脱線は皆無になった。
 アメリカ人は、よくあんな状態で我慢しているものだ。軸重が一定でないと、様々な条件で浮き上がりやすく、ろくなことはない。

Ace's 6-wheel truck この台車はAceと云う会社が1965年頃売っていたもので、ダイキャストのフレイムとホワイトメタルの軸受からなる。ちゃんと sprung であるが、軸が入るところはハトメが入っていた。減りにくいつもりなのだろうが、どちらかというと給油が完全であれば、ホワイトメタルの方が摩擦が少ないはずである。実感的とは言い難いが、まあよくできている。
 いずれ、ロストワックスの軸箱にボールベアリングを入れたものに取り換える。

USH working spring truck これはUS Hobbies (KTM製造)が出していた細密構造のダイキャスト台車である。揺れ枕まで動く凝った作りだが、車輪が亜鉛鋳物で話にならない。スケールを間違えているような気もする。大きいのだ。1/45.2かもしれない。しかし、「これでも正しい」という人もいる。大きい台車もあったと言うのだ。真偽は分からぬ。
 Dennisはこれをもとにロストワックス鋳物を作った。鋳縮みで、ちょうど良い大きさになったそうだ。

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2017年05月10日

6-wheel trucks

6-wheel truck UPの流線形特急列車の荷物車、郵便車は重いので3軸台車が使われている。その製品を、アマチュアが作って売っていた。20年ほど前に見たのは、イコライズはするものの、構造をわかっていない人が作っていたので全く良くなく、一つ入手したがさらに欲しいとは思わなかった。

 これはテキサスのDennisが作ったもので、なかなか良い形をしている。構造を理解している人が簡略化しているからだ。既製品の2軸台車を切り継ぎ、新製した部品と組合せている。ハンダが多そうに見えるが、実はこれくらいがちょうど良く、鋳物のすその部分が表面張力でうまく表現できる。大きなコテで、多めのハンダを付けた。
 ここに部品の継ぎ目が見えると気分が悪い。そういう模型をよく見る。
 バネはぴったりのものがないので、間に合わせである。いずれ、旋盤で線を巻いて作る。適当な長さに切って、ベルトサンダで端面を落とせばできあがりだ。

 ブラスの線でも、巻けば加工硬化してちょうど良い硬さになり、へたらない。

 韓国製はわざわざ揺れ枕を作って、それがうまく作動しない。模型では揺れ枕はそれほど効果がない。人間が乗っていないので、効果があってもなくても一緒である。すなわち無くて構わない。

 当鉄道には3軸台車付きの車輌が3輌ある。どれもこれも重く、2kg近くあるから、ボールベアリングを付けている。レイルの継ぎ目の音が良い。


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2017年04月20日

床板取り付けジグ

床フランジ取り付けジグ お答がbrass_solder氏からだけだったのは、寂しい。写真の撮り方が悪かったのかもしれない。 

 タイトルを何と書いたら良いか、しばらく悩んだ。床板を取り付けるL字型の部品(アングル)を所定の高さに側板の内側に付けるジグである。床板そのものを取り付けるジグではない。
special clipsspcial clips2 厚い板を、屋根と側板を組んだ状態で載せ、アングルをバネで挟んで嵌める。アングルはバネの圧力で留まっているだけで、自由に動く。ここが筆者の工夫である。Oスケールは車体が大きいので、剛性が相対的に少ない。アングルを側板に密着させるのはなかなか難しい。洗濯バサミで締めると、側板が軽く曲がって密着する。洗濯バサミの先には、アングルをまたぐような加工がしてある。
working with jig 大きなハンダごてを当てれば、ハンダが浸み込む。こういう工作はハンダごてが 適する。見掛けは問題外なので、ハンダを100%流す。完成するととても堅い車体ができる。
 作業が進むにつれてこのハンダ付けジグをずらして、全長に亘って取り付ける。アングル高さはネジで自由に決められる。

 筆者はこの作業が好きである。頭を使わなくても、時間が経てばたくさん出来ているという感覚が良い。職人になった気分だ。アマチュアといえども、時間は貴重だ。
 ブラス製の不等長アングルは、足立健一氏に大量に作ってもらった。こういうものはたくさん持っていれば、作りながら在庫を数えなくてもよい。

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2016年12月07日

椅子を作る

chair 客車が増えてきたので、車内を作らねばならない。プルマンのキットの座席はある程度あるが、コーチ(座席車)の椅子が足らない。
 プラスティック製のものもある程度はあるが、その数倍必要だ。

 材料箱を探していると、思わぬものが出てきた。30年以上前に買った木製の椅子材料だ。ルータで成形した長さ 30 cm 程度のもので、それを鋸で切れば金太郎飴のように椅子ができる。

chair 2 まず全体にラッカ・サーフェサを塗り、ザラザラを取る。それを薄刃の丸鋸で輪切りにする。この機械は有難い。大きな機械だと刃が厚いので、おがくずになって飛んでいく部分が多いが、これは0.5mmしかない。掃除機のホースを突っ込んでおけば、埃も出ない。ただ、刃の径が小さいので、裏表を切らねばならない。
 じゃんじゃん切り落として、たくさん作った。切り口がざらついているので、またサーフェサを浸み込ませなければならない。場合によってはサーフェサの液に漬け込むことも必要だろう。

 この製品を誰が作ったか全く不明だが、筆者の手持ちの刃を組み合わせて使うことでそれらしいものはできそうだ。手元にルータの刃は20種類くらいある。
 座席が必要な車輛はたくさんあるので、今後の課題である。

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2016年12月05日

Solarium Diner を作る

solarium dinersolarium diner 2 solariumは好きな車輛であるが、なかなかそのキットに出会わなかった。自作するつもりでいたので、10年程前、ワシントンDCで行われたコンヴェンションで見つけたときは小躍りした。同時に室内のキットもたくさん出ていて、客車の一山(30輌くらい)全部を買った。ホテルの部屋で分別し、不要なキットはすぐに転売した。All Pullmanの16輌編成の準備はその時整ったのだ。
 帰国後、ある程度形にしたが、僅かの部品不足でそのまま放置してしまった。

solarium 2solarium 3Solarium 資料はある程度集めていたので、外観を整えるくらいは簡単であった。この車両は屋根の上が賑やかである。キッチン部分の通風装置がいくつもある。ローストビーフを焼くので、ダクトが並んでいる。冷蔵庫は氷で冷やすので、天井に大きなハッチが3つもあり、そこに氷を運び入れるための手すりも多い。氷は80ポンド(40 kg弱)もあり、それを片手で引き上げて投入する。屋根には、梯子が外れないような形の手すりがある。
 ソラリウム側の手すりは、これまたにぎやかで、ガラス窓の上にもある。ソラリウム側の貫通扉はガラス製で、昔の阪神の電車のような縦長の大きなガラスである。洋白の板を切って作った。ネジ穴が目立つがその上に幌を付けて隠す。

 この種の工作の骨(コツ)は、平行なものを平行に、である。うまい人はそこに気を配っている。手すりは何に対して平行でなければならないか、を図面等でよく確認する必要がある。これらの写真を撮ってから、修正したところがある。拡大すると粗が目立つ。しかし、塗装して走らせると全く問題ない。見えるのは、車体から飛び出している造作である。それらが整然としていると、実感味が増すのだ。

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2016年12月03日

続 Walthers の客車キット

magnet fastening この側板はブリキ板すなわちスズめっき鋼板である。磁石にくっつくので、小さなネオジム磁石を本体に取付け、鉄板を吸着させる。
 磁石は2.5mm径、2.5mm長のものを11個植え込んだ。接着は例によってスーパーXである。 パチッと小さな音がして完全に吸い付けられる。このままでもよいが、走行時に下にずれると面白くないので、床板に引っ掛かる、小さなLの字型の板バネをハンダ付けし、重さの大半をそれで受持つことにした。磁石は剥がれない方向に働いているだけである。

 こうすれば側板は着脱自由で、あとからでも内装を付けることができる。電装も簡単にできる。磁石は一つ20円くらいのものだ。もう少し大きなものを考えていたが、それでは吸着力が大き過ぎて、取るときにブリキの側板が曲がってしまう可能性が高い。

Walthers steps この模型のステップはブリキを曲げて、ハンダ付けしてある。昔はアメリカ人がこんな工作を内職でしていたのだ。ハンダの付け方は下手である。フラックスはちゃんと洗ってあり、錆びることはない。

 内装に必要な座席を作らねばならない。一部は用意してあるが、足らないだろう。

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2016年12月01日

Walthers の客車キット

Old Walthers Walthersの客車キットについては以前書いたが、新たに発掘されたキットについて書かねばならない。このキットは1940年代のものだ。
 木製屋根と床板をホワイトメタルの妻板で結合し、ブリキ製のサイドを貼るのは同じなのだが、これは少々面倒な構造になっている。どうやったら組めるのか考えていた。
 先に屋根をネジで留めてから床板を斜めに嵌め込んで連結器座で留めるのか、それとも床を先に留めてから屋根を床板に穴を開けて細いねじ回しで留めるのか、それを考えているうちにやる気がなくなってお蔵入りになったような気がする。
fastening roof この写真はあとの方法である。細い穴からネジを落とさないように4本締めるのは難しい。屋根を留めて側面を張ると、ネジを外して床板を外すことができるが、再度締め付けるのは難しい。即ち、室内を作る方法がなくなる。今回は現代風の工法を採ることにした。
 説明書がないし、図面もない。多分コーチ(座席車)である。よくあるタイプだから、さほど気にしていない。屋根をハリマン型丸屋根にすれば、UPあるいはSPのコーチになる。


 これは同時に発掘されたSolarium Dinerである。要するに一等食堂車だ。日当たりのよい食堂車で、少人数で豪華な食事をする。おそらく、貸切りが基本であろう。この発音はカタカナのソラリウムの綴りからは推測し難く、ソゥイリャム である。太字を強く発音する。
 椙山 満氏はこの種の車についてお詳しく、様々な話をして戴いた。アメリカ人は日なたが好きなのだ。日本で電車に乗って日が差すと、たとえ冬であってもシェードを下ろすが、アメリカ人は日に当たりたがる。日に当たると生命力が増すと考えているのだろう。という話だった。確かに映画を見ていてもそれを感じる。マリリン・モンローの「お熱いのが好き」などにはそんな場面が出てくる。

Solarium Diner2Solarium Diner この模型のサイドは熔接してある。キッチン部分のドアは、少し引っ込んでいる。その部分をプレスした部品を付けて表現するのだが、ハンダ付けが面倒なのか、スポット溶接だ。もちろん、製造時に熔接したのだ。模型部品で熔接してあるものは珍しい。これは1950年代の製品だ。

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2016年07月05日

Walker氏のこと その7  

NYC Hudson  and L&N streamliner 客車は5輌編成だ。荷物車、コーチ(座席車)2輌、食堂車、展望車である。


coach interior 屋根の外せる範囲が、今日ある模型とは異なる。コルゲート部のつなぎ目を利用して、別れるようになっている。屋根板はネジ留めである。車体が大きいので、ネジは相対的に十分小さい。
 車内の椅子は専門の職場で作ったらしい。クッションこそ入っていないが、実物並みの仕上げを施したそうだ。この写真では洗面所の内部が付けてない。作ったはずである。内装は伊藤 剛氏が中心になって作成した。
 連結部分の幌を吊る装置がいかにも動きそうである。

dinerdiner interior 食堂車にはキッチンキャビネットも付いているが、食堂部分のみ、屋根が外れる。厨房部分の屋根には通風装置が付いている。


parlor observationparlor interior 展望車はいわゆるパーラーカーである。
 parlor carとは、一人掛けの座席を持つ特等車のことである。「こだま」号の一等車は、これらのアメリカの車輛を参考に作ったはずだ。ガラスの仕切りは職人が削った。
 灰皿はホックでできているように見えるが、いかがだろうか。 

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2016年01月06日

100輌編成の列車

100-car train 開館後はこの100輌編成の運転が目玉になるので、その予行演習をした。時代を揃えて(今回は1950年頃)100輌を用意するのは、意外と大変である。自宅レイアウトから、車輛を半分程度移し替えた。勾配もあるので、連結器高さをゲージを用いて測定し、公差の外にあるものは排除した。連結器がプラスティック製のものは除外した。信頼性がないからである。

very long trains 2 機関車はSouthern PacificのAC9を用いた。素晴らしい引張力を持つ。勾配に掛かっているのは50輌強であって、平坦線に載っているのは残りの40数輌である。この残りの部分は摩擦だけであるので、計算上はあと100輌ほど牽けるはずである。
 

pullman cars 対向する列車はQ2に牽かれたプルマンである。同種の車輛を整備して、10輌編成とした。重い車輛であるが、Low-Dを付けているので、軽快である。
 郵便車もつないでいる。プルマンには車内灯も点き、なかなか気分が良い。車内が良く見えるので、乗客もかなり乗せてある。人件費がかなり掛かっている。

very long trains 貨車はショートする原因は何もないが、客車の場合は難しい。原因を突き止めるために、1輌ずつ増やして様子を見る。思わぬところに原因があるものだ。 


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2015年11月19日

四拾八分之壱

 伊藤剛氏の遺品の整理をしている。あまりの量と質に、かなり参っている。おそらく、博物館開館後に毎日取り組まねばならないのだが、取り敢えず何があるかを調べている。

四拾八分之壱 たくさんの写真、図面が出てくる。日本車輛の様々な資料をお持ちだったのだが、この古い図面集には驚いた。7年8月23日という日付が読めるが、これは大正時代だ。驚いたのはこの図面がOスケールであったことだ。今まで見てきた日本の図面は全て 1/50 であったが、これは 1/48 であった。すなわち本物の1フット(304.8 mm)を1/4 インチ(6.35 mm)にしている。12 インチが1 フットだから、1/(12 × 4)= 1/48である。
 模型の縮尺の1/24 とか1/32、1/72などは全てこのように、実物の1フットを何インチにするかで決まっている。アメリカでは、住宅などの図面は1/48なので、それでOスケールがその縮尺を取るようになった。ヨーロッパでは線路幅がスケールになるように1/45.2 (公称1/45)であったり、1フットを 7 mmにして、1/43.54の模型を作ったりしている。

 この図面集を見つけたので、すぐにクラーケン氏に連絡して保存編集をお願いした。氏は様々な古文書を整理し、まとめられている。すぐに返事が来た。

五拾分之壱 1/48は大正10年のメートル法採用までで、それ以降は1/50が標準となっている、との事である。かなり珍しいもののようで、連絡した甲斐があった。
 確かに、同じファイルの中の別の図面は、五拾分之壱であった。 


 

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2015年09月10日

abandoned cars

 UP dinerUP diner 2UPの食堂車が放置されていた。これは軽食を提供する車輌だ。窓ガラスに破損防止の合板が張ってあるから、久しくこのままなのだろう。
 保線用の食堂車と書いてあるから、厨房設備を利用して、飯場としての利用があったのだろうと解釈する。

UP diner 3  床下にはLPGシリンダ(いわゆるボンベ)を入れるケースがある。ふたが開いている部分がそうだ。冷房機駆動のエンジン用である。天井の排気筒が興味深い。走行中の風が当たって吸い出されるようになっている。
 連結幌を吊るリンクの付け根が見える。長いリンクで引張っているのだ。

Evanston WYUP crane もう使っていないと思しき、Brownhoistがある。この線は半分土に埋もれているのだ。



Evanston StationEvanston Station 2 Evanston駅のほうに行ってみた。オグデンからは意外と近いのだ。ソルトレークまでは車で1時間半である。



dancing この建物も結婚式などに貸し出されている。このカップルは結婚したばかりだ。新婚旅行に出かける前にダンスを披露している。珍しく、スリムである。
   
 
 

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2013年08月26日

続々々々々々々Heber Creeper

Heber Creepers partsHeber Creepers parts 2 これらの部品は旧型客車、貨車から外したものだ。整備して補守用に活用する。
 フリクション・タイプの軸箱をそのまま使うこともあるし、内部にローラーベアリングをはめることもできる。多少の出費で補守が不要になるから、長い目で見れば得である。
 ブレーキビームもあるが、先回も書いたように、切れた時に危険である。現在の路線には特に急勾配もなく、問題はない。
Heber Creepers parts 3 Pullman 6-wheel Truckである。完全に整備してあった。現在更新作業中の客車に履かせる。すでにローラ・ベアリングが装荷されている。



Heber Creepers passenger car oHeber Creepers passenger car これらの客車はずいぶんくたびれている。更新作業を急がねばならないと言っていた。塗装が傷んでいるとみすぼらしく、お客が乗ってくれないのだ。


Heber Creepers baggage carHeber Creepers Signal Bridge このコンバインは更新なったばかりである。素晴らしい。倒産して放置された鉄道を立て直すのだから、やるべきことは多い。 
 ゆっくりではあるが、着実に進んでいる。ヴォランティアの人たちも来ていて、作業をしている。ペンキ塗りも楽しそうである。この鉄骨は信号機を取りつけるSignal Bridgeである。駅の入り口に付ける。Rio Grandeから貰って来たそうだ。
 
Heber Creepers passenge train 蒸気機関車が走るようになったら、また来たいと思った。


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2013年08月16日

続々々 Heber Creeper

 この保存鉄道の利益を生み出す客車の更新が進んでいた。

Heber Creepers passenger car 1 座席を全て取り外し、内装を完全に新装する。この客車はLackawanna鉄道から来たのだ。床はコンクリートを流し、リノリウムが塗ってあった。典型的なへヴィウェイト客車である。
 座席は転換式である。その機構部分は鋳物製だ。


Heber Creepers passenger car 2 外装の錆びた鉄板は切り取り、新しい板を熔接して補修する。この部分はトイレがある。客が用を足すには、昔風のトイレではもう許されない。
 
 


Heber Creepers passenger car 3 トイレの床下には大きな汚水タンクがある。ボールコックで中味を出すようになっている。連結器のドラフトギヤを避けた位置についている。
 ほろはドイツ風のゴムパイプである。最近これをアメリカでもよく見る。


Heber Creepers passenger car 4 昇降台辺りである。かなりひどく錆びていたので、大きく切り取って補修してある。階段はスノコである。雪が降る地方ではこれが良い。
 
 



17、18日はJAMに行くことになった。17日12時から鉄道模型功労者の表彰が行われる。伊藤 剛氏が表彰される。このブログも微力ながら、お役に立てたようだ。 というわけで18日は休載させて戴く。



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2013年06月17日

剛氏の等角逆捻り機構

 伊藤剛氏は、ロンビック・イコライザの発表以来、その構造・機能を研究されて、結論としては等角逆捻り機構であることを解明された。その機能だけを取り出してみれば、リンクを用いて前後の台車が、等角に逆方向に傾けばよいことになった。おそらく10輌以上の試作をされている。プル・ロッド、プッシュ・ロッドを用いたタイプは横から見えてしまうとか、ギヤを使ったらバックラッシで役に立たなかったとか、逐一結果を教えて戴いている。

等角逆捻り機構 これらの写真は剛氏オリジナルのフカひれ型である。フカひれ機構は台車を傾ける軸が多少斜めになるので、センターピンで回転してその誤差を吸収している。しかし、結節点が少なくガタが無い機構である。
 剛氏は、「色々な方法があるけれど、結節点が多いといけませんね。結節点は回転軸が良いのですけど、単純回転でないときはボール・ジョイントにしなければなりません。とにかくガタを減らす工夫がないと失敗します。」と仰ったので、筆者の作品ではそこだけを、念入りに設計した。

等角逆捻り機構2等角逆捻り機構3 剛氏の車輌は、どの作例もシャカシャカと実に小気味よく作動する。摩擦が少なくなる設計で、しかもガタがないのは本当に素晴らしい。




等角逆捻り機構4等角逆捻り機構5 これはヨーロッパの製品で多分メータ・ゲージ 22 mm ゲージであったのを 32 mm に改軌して等角逆捻り機構を追加したものである。
 側面にプルあるいはプッシュ・ロッドがあって、ボルスタを引張って回転させ、その時、ローラが斜面を登り降りするようにして、台車を傾ける。よく出来ている。作動も滑らかだ。

等角逆捻り機構6 これは、 Snow White の兄弟機である Cinderella のテンダである。これにもフカひれを装備しようと言うわけだ。剛氏独特のからくりが仕掛けてある。台車は90度回転させると、パッと取れる。
 いずれ発表されるだろうが、3軸バックアイ台車が操舵する、という奇妙奇天烈な機構が完成していて、それがこのテンダーに取り付けられる。

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2013年05月14日

続々々々々々 Monticello 鉄道博物館

IC7 この台車はプルマン6輪台車のロ−ラ・ベアリングタイプである。これを模型化したものがほとんどない。自分で作るしかないのだ。この手の軸箱はとても作りにくい。
 文字を浮き出させる必要があり、エッチングしたものを貼るしか方法がない。

IC8 他にもこのようなPullmanらしきものもある。筆者はイリノイ・セントラルには詳しくないので、これ以上のことは書けない。
 これらの客車は蒸気機関車に牽かせて、excursion train とするのだろう。楽しそうだ。


Steam generator car この車輌は珍しい。CPの暖房車だ。ボイラを載せているのだが、燃料タンクが床下にない。そうすると、燃料タンクは車内か、あるいは外部の燃料テンダを持っているはずだ。
 走行中の写真を見るとテンダは写っていない。詳しいことは不明である。


Jordan SpreaderJordan Spreader 2Jordan Spreader 3 Jordan Spreader があった。かなり古いタイプである。ドアが開いていたので、梯子を登って中に入った。素手で登ったら、指先がグラブアイアンに凍り付きそうであった。指が温かいと表面から水蒸気が出ているので、それが凍るのである。

 きれいに塗り直してある。エア・シリンダを作動させるヴァルヴがたくさん並んでいる。2列に並んでいるとは思わなかった。目的の動作をさせるのにどれを触れば良いのかを覚えるのは大変そうだ。とにかく寒いのには参った。
 現役時はストーブがあった。天井には煙突の穴があり、床には耐熱材料が使ってある部分があった。

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2013年02月24日

New Orleans へ

113_6927 GM&O駅の裏はヤードになっている。昔は客車列車が進入してきたのだが、現在では廃車置き場になっている。この荷物車がちらりと見えた。Southern 鉄道の色だ。本物を見るのは初めてだ。かなり悲惨な状態だが、ありし日の様子を留めている。

 これを見て、一路西に向かった。New Orleansの発音が知りたかったのだ。昔読んだヒルヤーという人の「世界をまわろう」という本には、ニューオーリーンズという発音とニューオーリヤンズという二つの発音があると書いてあった。50年以上前のことであるがはっきり覚えていて、確かめたかった。
 聞いたところでは後者が圧倒的に多い。ラジオでは前者もある。早口ではヌリャンズとも聞こえる。文字通り「新しいオルレアン」で、フランスの地名である。
Street Car in New Orleans この町には市電がある。その軌間はこれまた広く1588 mm もある。5ft 2-1/2インチである。車体の幅に近いので、とても転びそうもない感じがする。この軌間をPennsylvania Trolley Gaugeという。この写真はWikipediaからお借りしている。


Street car in New Orleans2Street car in New Orleans3 これらは筆者が撮ったが、暗くてうまく撮れなかった。感度を6400まで上げている。軌間が広いので台車は内側台車である。
 この地は水害が多いので、地下鉄は作れないから市電が健在なのである。一般家屋も地下室の建設は禁止されている。
Desireジャンバラヤ 昔一世を風靡したマーロンブランドの「欲望という名の電車」”A Srteetcar named Desire”で有名になったDesire通りに行くまでもなく、たまたま腹が減って入った店がDesireというレストランだった。
 ジャンバラヤを食べた。トマト風味のリゾットである。シーフードが入っていて、タバスコが効いているという感じだ。安くない。家で自分で作ろう。この緑のソースはハラペイニャという香りの高いトウガラシ抽出物で、タバスコより辛い。たくさん掛けて、口から火を噴いたら、冷たいビールを飲む。

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2012年11月26日

続 Leo を訪ねて

812_6143-2812_6144-2812_6137-2 Leoは作りかけのGP30のキャブを見せてくれた。すばらしい出来で驚いた。一つではなくたくさん作れば欲しい人がいくらでも居るのではないか、という作りだ。CLWのGP35のキットを改造してGP30に仕立て直しているのである。
 先月作ったと言うGreat Northernの電気機関車である。これは完全なるスクラッチビルトだそうだ。窓を実物どおりに開くようにしてあると言う。走行中に開けると建築限界に当たりそうである。日本では考えられない構造だ。

812_6138-2812_6139-2 これは二階建て食堂車の厨房である。ステンレスの薄板にエッチングを施して曲げてある。洗面台のボウルは凹ませてあるのだ。
 食堂車そのものはKemtronのキットを組んだものだ。一階の厨房の床が見えている。
812_6140-2 台車を取りつける部分は厚板からフライスで彫り出した床板をつける。上の写真の床板が薄過ぎておかしいと思ったらやはり、強度部材が別部品であった。それにしても重そうである。ジャーナルにボールベアリングを入れないと牽けそうにない。

812_6141-2 これはその厨房の壁部分である。やはり思い切って色を鮮やかにしている。こうしないと中に何があるか分からないのだそうだ。

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2012年11月18日

続 Vic's Hobby Supply

812_6100-2 レイアウトの上には、店主のお父さんのLeoの作品が並んでいる。黄色のUPのCity Seriesの特急が何本も置いてある。



812_6107-2これはAtlasのFM Erie-builtである。時代考証するといくつか問題があるが、そこは目をつぶることにしている。


 

812_6113-2812_6114-2 Milwaukee Roadのカフェラウンジカーである。C&NWとの提携を止めた後の話だから、かなり末期の客車である。これはスクラッチビルトである。
 次はUPの郵便車である。メイルキャッチャが付いていて、なかなか良い気分を出している。これもスクラッチビルトである。

812_6115812_6116-2 屋根が凸凹して居るのは、曲げるときの型が小さいもので順次送りながら曲げているからである。変なものだが、実物もこのような感じで曲がっているので、却って実感的という説もある。

812_6117-2812_6121-2 全ての車輌には室内が付き、人形も乗っている。食堂車の厨房は全てステンレスの薄板から作られ、実感的な色をしている。
 最後の車輌はM10000である。UPファンは必ず持っている車輌であるが時代的にはCity Seriesと同時代ではありえない。

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2012年11月08日

続々 Snoqualmie Station 

812_6083-2812_6084-2 この展望車はたぶんNPのものだろう。社名が無い。
 展望デッキの柵の作りが素晴らしい。いわゆるWrought Ironである。鍛冶屋が煉鉄の棒を焼いては捩って作ったものだ。これをエッチングで表現した模型が大半だが、実感はない。ロストワックス鋳物にすると太すぎる。さりとて手で作るのは大変だ。

 煉鉄とは、20世紀にはほとんど作られなくなった方法で得た低炭素鋼である。平炉の時代の産物である。融けた銑鉄に空気を送ると、表面の一部が脱炭素され、多少純鉄に近づく。すると、融点が上昇するのでその温度(1300℃ほど)では融けなくなる。それを棒でからめて炉の外に取りだす。牛乳を沸かして生じる膜を引っかけて取るようなものである。煉鉄は柔らかく、粘りがあって細工に適する。しかも錆びにくい。
 新橋−横浜の鉄道開通のころのレイルとか橋梁は煉鉄製と言う話だが、橋は重いし、レイルはつぶれてしまいそうだ。鋼が大量生産される時代が来ないと、鉄道は進歩できなかった。日本語では「鉄」と「鋼」はほとんど同義に使われているが、英語では明確に区別される。ほんの130年ほど前までは鋼は貴金属であった。得るのが難しく、大量には出来なかったのだ。日本刀を作る時の材料の歩留まりは1割以下だそうだ。叩いているうちにほとんどが飛び散ってしまう。しかも大変な労力を掛けて作り出したものだ。

812_6085-2 この客車はSP&S(Spokane, Portland and Seattle Railroad)のものだ。Spokaneの発音はスポーンである。太字を強く発音する。 この種のCombine(合造車)は珍しい。ほとんどの鉄道会社では荷物車を独立させていた。それは強盗対策である。荷物車には現金等が積まれていることもあるので、客車から乗り移れないよう、機関車の次につなぐ(Head Ended)ことが多い。 

812_6087-2 スノクォルミィ滝である。水量が多いので一部を発電用に廻している。いま、護岸工事をしていて美観が損なわれている。このホテルは映画の舞台になった有名なホテルでとても高級である。

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2012年11月06日

続 Snoqualmie Station

812_6059-2 ロッド式のディーゼル機関車があった。多分機械式であろう。クラッチが減りそうだ。この手の機関車は古橋正三氏が大好きで、たくさん集めていらした。筆者の守備範囲外であって詳しいことは分からない。


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 この客車は野戦病院から発達したタイプの厨房車である。製作は戦後である。朝鮮戦争で戦前のTroop Carはたくさん消耗したので、戦後作り直したものらしい。その後Military Logistics(兵站)のあり方が変化して、お払い箱になった。行った先が奇遇にもユタ州のKennecott鉱山であった。

 812_6072-2812_6081-2 この機関車は見た瞬間にKennecottから来たことが分かった。この色は独特であるからだ。多分この機関車と同時に、上の客車はここにやってきたのだろう。
この機関車は現在2輌製作中で、床下のタンクの奥行きが分からず、製作が止まっていた。たくさん写真を撮れたのでありがたかった。

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812_6071-2 このかわいらしい機関車はIngasol Randというラジエータ・グリルを持っている。機関車本体はWhitcomb製らしい。キャブの外にある黒い箱は砂箱である。3-foot Narrow Gaugeであって、枕木の防腐剤含浸施設への台車出し入れ用だったらしい。キャブの中は意外に広く、クラッチを踏んでギヤを変えるようになっていた。 
 説明文を読むとCritterという言葉の由来が書いてある。この解釈は筆者にとっても初めてで少々驚いた。ふつうは栗生氏のご解説のように言われてきた。しかし東京ディズニィ・ランドにはCRITTER COUNTRYというエリアがあって、ビーヴァやアライグマなどの小動物の足跡がたくさんついていたように思う。これかもしれない。

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2012年06月06日

続々々々々 Illinois 鉄道博物館 再訪 

COM_4226-2COM_4227-2 これはChicago Northwestern RR のgallery carである。ギャラリ・カーの内部はこの号で扱った。1974年に初めて乗ったが、不思議な感じであった。日本ならば二階の床をつないで塞いでしまうところを、左右に分けている。検札の便宜を考えていて、機能を最優先しているのだ。それと着席率を上げるということが狙いなのである。日本のように立っていることを前提にしていないからだ。この車輛に乗ると、標準軌であることがうらやましい。国鉄の車輌限界ではとても無理である。
 最近は日本車輌製のものが増えている。

COM_4269-2COM_4268-2COM_4267-2 Baltimore & Ohio RR の "wagon-top" Boxcar である。左右がつながっていて(side to side ともいう)、雨水が漏れないというのが売りであった。模型も持っているが、実物を見るのは初めてであった。特に連結部の様子は写真が少なく初めて見た。現在塗装中のようで部分的に新しい塗装の色が見られる。
 台車は細身の鋳鋼製で、ボルスタのガタを調整できるようになっている。また、片方はコイルバネで、他方はダンピングを効かせるようになっている。

COM_4270-2 この貨車はごく標準的な3-bayのホッパ車である。Great Northern RRの赤に塗られている。この色は好きだ。

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2011年10月28日

古い時代の窓ガラスの表現

DSC_2845 1920年代までの客車の窓ガラスは平滑さに欠けていたことを書いたところ、コメント以外にも多くの方から連絡を戴いた。
 それらを一言で表現すると、「余分なことを言うと、困る人もいる。」である。
 確かにそうかもしれないが、問題を解決できる代替物があるので御紹介したい。筆者は長年このデロデロしたガラスの表現をしたくて悩んできた。
 しばらく前、必要に迫られてコンビニエンス・ストアで弁当を買った。その容器の透明な蓋が、この用途に適することに気が付いた。厚みも0.3mm程度で都合が良いし、接着剤も良くつく。

 材質はポリスチレンである。いわゆるプラモデルの材料である。そのポリスチレンのフィルムを加熱して真空成型したものであろう。加熱してから冷えるまでに何らかの力が掛かって、微妙なひずみがある。色々な会社の弁当を買ってみたのだが、どれが良いとは言えない。全て、ものによって違うのである。

 仕事に出たついでに、片っぱしからコンビニ弁当を覗き込み、中身の料理はそっちのけで、ひずみ具合の良いものを買ってくる。油が付いているものがあるので、帰宅するとすぐに中性洗剤で洗ってハサミで切り出す。

 実を言うと、色々な方法で試作していた。ポリスチレンの平滑板にリモネンを噴霧して放置すると微妙な模様ができるが、面倒でもあり、また実感味に欠ける。その他、やや高度な方法もやってみたが感心しなかった。
 その点、このコンビニ弁当法は手軽でよい。新品の蓋つきプラスティックトレイも見たが、意外なことに、平面の面積が大きいものが少ない。
 トレイ製造会社のカタログを見るとあまりにも種類があって混乱してしまう。最近はPETを材料にしているものもある。PETはやや厚手で腰が強く、平滑度も高すぎる。ポリスチレンを見分けるコツは、縁を多少曲げるとカリカリパキパキという甲高い音がすることである。卵の薄いケースもポリスチレンなので、それと同じ音がすればよい。

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2011年10月26日

続々々々々々 Golden Gate Depot の客車

2714 DCCの場合、周波数が高いのでごく普通のダイオードを使うとターンオフまでの時間が長く、多少損失が生じる。
要するに短時間で極性が変化するので、電流遮断がそれに追随できないことがあるわけだ。
 それを防ぐためにショットキィ型ダイオードがあり、それはDCCには不可欠の素子である。今回のGDDの照明電源はどうなっているのかというと、ごく普通のダイオードである。
 電流値がもともと小さいので、ターンオフ遅れによって生じる損失は極めて小さい。これが大電流であると発熱するであろう。今回屋根を外して長時間電圧を掛けて発熱を調べたが、触って分かる発熱はなかった。指より敏感な口の周りの皮膚に触らせても暖かいとは感じなかったので問題なさそうである。
 しかしモータの回路はそうはいかないだろう。1A 流れればその数パーセントの損失でも大きな発熱になるだろうと思う。

 今回は比較のため、ショットキィ型ダイオードでもブリッヂを組んだ。出力側には小さい平滑用コンデンサも付けてやや高級な構成である。
 結果は全く変化なしであったので、努力は無駄であったようだ。最も安い回路で十分である。

2719 先日千葉の川島氏のレイアウトで走らせたときの様子をお見せする。コーチは黄色塗装もある。1947年ころの支線用(カンザス・シティ行きなど)の豪華編成である。当時は本線には4-8-4が配置され、4-8-2は支線に追いやられていたのだ。もともと世界最大の機関車であったこともあるこの4-8-2は、重量列車を牽いて急行用として走らせるには十分な貫禄を持つ。
 突き出した煙室、太いボイラを持ち、力強い造形である。川島氏も「これはもっともUPらしい機関車です。」と仰った。

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2011年10月24日

続々々々々 Golden Gate Depotの客車

DSC_2730 LEDを購入するときに、このLEDテスタも一緒に注文した。
 昔と違って、最近のLEDは電流をCRD(Current Regulative Diode)電流制限ダイオードで抑える。12Vで3個のLEDを制御することができる。DCCを導入しているときは、この方法でよい。DC方式では、もう少し低い電圧で作動するようにしないと、発車してもなかなか電燈が付かないということになる。2個のLEDというところが無難だろう。

CRD このように直列につなぐときは、LEDの輝度にばらつきがあると面白くないので、今まではいくつか仮配線して様子を見ていた。だんだん面倒になってきたのと、電流値を変えると色調も変わる様子も見たかった。

 この装置は所定の電流を流しているところが複数あるので、適宜LEDを差し込んで比較できる。また電流値を増やすとどうなるかということもすぐに分かるから便利だ。
 価格はなんと600円台である。電池付きなので、どこでも調べることができる。

 天井に付ける照明は散光型が良い。中を覗き込むことはないので、実用本位で平型を選んだ。ビームが出ないのでごく適当に付けると十分に均等な明るさが得られる。HO以下では天井が低すぎて難しいかもしれないが、検討の価値はあるだろう。

 GDDの照明装置は、当初の電球型からLEDに進化している。旧タイプもあるのでそれを流用してLED化している。これらは6V弱の定電圧装置を使用している。初期型は電流が大きいので、大きな放熱板まで付いているが、後期型は定電圧ICがそのまま付けてある。40mAでは発熱の問題は全く無視できるので、放熱板をむしり取った。おかげで、車内にぶら下がっていた無細工な放熱板と縁を切ることができた。

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2011年10月22日

続々々々 Golden Gate Depot の客車

2738 ところで、このガラスを通しての見え方について、皆さんはどのように感じられるだろうか。
 ガラス表面が平面でない。ただし、拡大しすぎて細かいキズが見えるところはご容赦願いたい。 これを見て「型の精度が良くないからだ。」と言った人が多い。その正誤は別として、このデロデロした感じが素晴らしいと感じる人は筆者以外には少なかった。しかし、 TransPacific Railroad の栗生弘太郎氏はさすがに良くご存知であった。

 大面積の平滑な板硝子が大量生産できるようになったのは1950年代後半である。それまでのガラスは平面度が低い。このプルマンの時代のガラスは、大きなガラス製チューブを吹いて作り、それを軟らかいうちにハサミで切り開いて、グラファイト(炭素)の平盤上でアイロンがけをして延ばしていた。すなわち、平面度はその平盤と職人のアイロンの手さばきで決まる。当時の車輌の内部に入ると、外の景色は微妙にボケて見える。平面ガラスしか見たことがない現代人には奇妙な景色である。のちに引き上げ法が開発されたが、素晴らしい出来ではなかった。
 もちろん、戦前でも戦闘機などの風防ガラスは、「磨きガラス」を使用していたので平面性は確保されていた。これは機械で磨って作られ、大変な手間を掛けていた。筆者の子供のころまでは「磨きガラス」という言葉はよく耳にしたが、最近は全く聞かなくなった。平面ガラスが当然になったからだ。

 古典機は筆者の守備範囲外であるが、古典車輌を作られる方は、このことにも留意されるべきであると思う。「窓ガラスは顕微鏡のカヴァ・グラスを使いました。」とおっしゃる方は多いが、その時代にはそれほどの平面度はなかったのである。カヴァ・グラスの件はTMSにかなり昔から紹介されている。初出はいつなのかは知らないが、不思議なのはそれが紹介された頃の日本は、まだ平面度の低い窓ガラスを付けた車輌が大量に残っていた時代なのである。編集者は何も感じなかったのであろうか。
 さりとて、そのデロデロ感を模型でどのように再現するかというのは難しい話だ。

 筆者のGDDの車輌には乗客が乗せてある。Pullman は一等寝台車であるが、どういうわけか黒人の乗客が各車輌2人ほど乗っているのだ。これは良いとは言えない。当時は人種差別が厳しく、黒人は特急には乗せてもらえなかったようだし、ましてやPullmanには決して乗れなかったはずだ。
 黒人客は全て外して、Coachの方に移ってもらった。コーチ(三等車)にはお客さんをたくさん乗せた。Pullmanより乗客が少ないのもおかしなものだからだ。人形は全てe-bay で競り落としたものである。人件費がこんなにかさむとは思わなかった。

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2011年10月20日

続々々 Golden Gate Depot の客車

DSC_2736 これが連結部の写真である。Monarch の連結器を全く切断せずに最大限の長さで使っている。シャンクが長いので台車のセンタ・ピンに近いところまで達している。推進時に座屈することも無い。
 
 Kadee を使っている連中に、「遊間が大きくて、気分が悪くないか?」と聞くと、ほとんどが、「ナックルの内側に薄いプラスティックの小片を貼り付けると良いのだ。」という。ガチャガチャしなくなるが、自動開放もしない。それでよいと割り切ればそれでも良い。
 先回の関西合運でHOの客車列車を見たが、ほとんどが Kadee のようだ。遊間のことは運転時に気にならないのだろうか。

 O scale の場合は連結幌も緩衝材として機能している。上記のプラスティック小片の解決法を話した男は、「何のための幌なのか?」と言う。「幌で押しあう程度に連結面を近くするのだ。」と付け加えた。
 GDDの幌は押し合うと多少硬く、番手の小さいポイントでは脱線する可能性がある。その点でも以前紹介した「MHPの幌」は素晴らしい。これを使えば Kadee であっても何ら問題ない。常に列車全体がピンと張った状態を保つ。

 ヴェスティビュールには力が掛からないから、外れたりすることは全く無くなると思っていたが、細いネジがねじ込まれているプラスティック車体が応力割れを起こし、やはり取り付けがガタ付く。いずれ点検して接着剤で固めてしまうことが必要になるだろう。このような中国製車輌では、設計者の経験不足と知識不足は避けがたいものだ。

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2011年10月16日

続 Golden Gate Depot の客車 

 遊間の少ない連結器を丈夫な鉄板の床板に堅固に取りつけると、長編成も滑らかに発車する。Monarchは素晴らしい連結器である。先頃ある雑誌に、連結器を紹介する記事が載ったが、肝心のモナークの紹介が無かった。画龍点睛を欠く記事である。

 台車はダイキャスト製の怪しいつくりである。3軸のイコライザがバネで支えられているのは良いが、イコライザは1本である。理屈が分かっていない。しかし、そのイコライザは細く、撓むので、なんとか走るようである。問題はその荷重中心である。センタピンをねじ込むために3軸の中心にはそれは無い。中心から12mmほど離れたところに荷重が掛かるので、軸重は不等である。ライオネルの3軸台車はセンタピンから一番遠い軸はフランジレスとなっていて、荷重はほとんどない。それをまねしたような構成で、走行性能はすこぶる良くない。軸重が少ないと、スケールの車輪はフランジが低いので脱線してしまう。

GDDの3軸台車 これを防ぐには、回転中心はそのままとして、新たにセンタ・ベアラを作り、それに荷重を掛ける必要がある。たまたま持っていた発泡ポリ塩化ビニルのシートを切って作り、貼り付けた。この材料は適度の弾力があり、衝撃を吸収する。滑り子には1mmのブラス板の小片を付けた。モリブデン・グリスによる潤滑を施す。
 センタピンのコイルバネは、短く切って台車の傾きにも対応できるようにした。こうしないと縦曲線に追随できない。付属の車輪を捨て、Low-D車輪に取り換える。もちろん少量のモリブデン・グリスを軸端に塗る。ピヴォットであるが、集電は十分良い。

 照明は、最近のものはLEDであるが、2年ほど前に手に入れたものは、麦球であった。一輌で0.2アンペアも食う。10台つなげば2アンペアである。機関車が0.3アンペアしか食わないので、これは大問題である。レイアウトの本線は1.3アンペアで遮断されるようになっているので、走らせられない。LED方式は1輌あたり40ミリアンペアで済み、問題なく走らせられる。

26212623 LEDを購入して取り替え法を試行錯誤している。材料はこの店で購入した。昔に比べ余りにも安くなっていて、また明るいので驚いた。この写真は電球との明るさ比較をしているところである。電球色とは言え、電球の光より白いことが分かる。

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2011年10月14日

Golden Gate Depot の客車

2617 ここ数年よく売れている客車メーカでSunset Modelsの系統である。この製品が出てくるまで、客車はWalthers のキットを組み立てるか、ブラス製のかなり高価なモデルしかなかった。
 実売価格100ドル強で塗装済、室内付、人形付、照明付きであるから、よく売れるわけだ。筆者も10台以上入手して、レイアウト上を走行させている。この写真は先日の関西合運の会場で撮ったものである。(先頭の2輌はWalthersのキットである。)

 コスト・パフォーマンスはかなり良い。但し、下回りの設計は余りにも稚拙である。1台だけ線路上にあるならとても良い。しかし編成を走らせると不満が噴出する。
 
 まず、連結器の取り付け位置がおかしい。しかも客車のくせに遊間の大きなKadeeが標準仕様となっている。これでは発車するときに、ガチャガチャ言う。これだけは絶対に許せない。旅客列車は静かに発車するものだ。
 拙いことに、連結器がVestibule(昇降台)に取り付けられている。そのヴェスティビュールは細いねじで車体に付けられているので、発車の衝撃で抜けそうになる。実際に抜けてしまって、列車が置いて行かれたこともあった。ここに遊間の小さいMonarchを長いシャンクのまま、床板の鉄板に直接取り付けたい。連結器が左右に動くゲートも本物のように取り付けたい。

2625 採寸してカプラ・マウントを作った。たくさん要るのでロストワックス鋳造で作ることにした。応力を分散するような形にし、取り付け面の面積を大きくして剪断力で受けるようにした。床面への取り付けは、もちろん Super Xである。十二分な強度がある。
 客車の構造は二種類あって、ゲートの方は台座が厚いものも作った。1mmの板に2.6と0.6の板を重ねて貼り、フライスで段を削った。これは大して力がかかるものでもないから、明らかに過剰品質である。ハンダ付けは焙り付けである。

 カプラ・マウントは銀ハンダを使って強度を確保する。連結時の衝撃で壊れるのは避けたいからだ。底板の1mmの板に穴が空いているのは、内部を洗うためだ。鋳物の形が崩れるのを防ぐために、肉抜きの穴を作った。その部分にフラックスが溜まると洗うことができないから、このような穴を介して洗うのだ。

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2011年06月29日

続々 Hill氏のコレクション

1081 これはターンテイブルを裏返したものである。片方で4つの車輪がイコライズする。実物通りの懸架装置である。たくさんのレイアウトを見たが、このあたりの工作はどこでもかなり凝っていると感じる。


1085 ヒル氏がコントロール・ボード前に立っている。下に配線が見えるがかなり大変である。保守用の照明まである。これがDCCなら配線は2本しか要らない。改造する気は全くないらしい。


1087 Hiawathaの流線形機がコーナーを回って姿を見せた。これはJerry White氏の作品だそうだ。もう60年も前の製造である。この種のカスタム機をたくさん作った。ほとんど2,3両ずつの製造だそうだ。ホワイト氏はLobaugh氏と非常に親しい間柄で、色々なパーツの提供を受けていたようだ。

1073107210741071




 順次コレクションを拝見した。
 最初はペンシルヴェイニア鉄道の特急である。2番目はAlton Limetedである。シカゴからセントルイス、カンザスシティをつなぐ路線で、1930年代に他社に身売りした会社だ。この列車の赤い色は素晴らしい。3番目はノーザン・パシフィックである。淡緑色はこの会社の基調色である。最後はノーフォーク アンド ウェスタンの蒸気時代の特急である。渋い赤で素晴らしい。

 次から次へと素晴らしいコレクションを見せて戴いたので時間が経つのを忘れた。深夜にGPSを頼りにホテルに着いた。
 

 


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2011年06月25日

Hill氏のコレクション

10411053 今年もヒル氏にお招きに与った。見せたいものがあるということでさっそく伺った。筆者一人のためにいろいろ準備して待ってくれていた。
 このアルミ鋳物は、Hiawathaの側面に付けられていたものである。アルミニウム青銅のような感触であった。とても硬く、叩くとカンという音がした。このような本物を集めるのも楽しい。

1051 この客車は”Hobby Hill”と名付けられた特製品である。長らく店内に置いてあった。1927年製で、鋼体改造を受け、4つのベッドルームがあり、ステンレスの調理場を持つ。1937年にエアコンが付き、電話もある。
 特定の車輌を模型化したものではなく彼の好みで作られている。デッキには折り畳み椅子もある。ゲートは開き、申し分ない。

1091 筆者を迎えるためにコレクションの一部をこのように開いてあった。どれを見ても完璧な状態であった。昨年は一つづつ棚の下から出して見せてくれたのだが、重そうで申し訳なかった。今回は事前に開いてあったので楽しく拝見した。

 昨年の訪問記でのコメントにN氏が「盗難防止のため、外国人しか招き入れない。」と書き込まれたので、それを聞いてみた。そうしたら、「あっはっは、それは有名なアメリカンジョークだね。君はまさかそれを信じてはいまいね?」ということであった。毎週のように来る人もいるらしい。 

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2011年05月28日

続 Council Bluffsの鉄道公園

0716 この博物館で、探し求めていたものを見つけた。このUPのステンレス製Postal Carである。写真はよく見るのだが、どこにあるのか皆目見当がつかなかった。
 この郵便車は塗装が不要なステンレスなのだが、幕板だけは黄色を塗っている。1967年に全ての長距離郵便が航空便になったので廃車されたのだ。当時の車齢はわずか4年だった。さすがにこの車種は他への転用ができないので、そのまま放置されてしまった。

071907140712 実はこの郵便車は、いずれお見せするが、製作途上である。アルミの押し出しの部材をもらったのでそれを加工してこの形にしようということになった。その部材はリブの多いものであったので、木工用Router(ラウタ)に通して余分なリブを削り落とした。まだそこまでしかできていない。木工用であってもよく注油すればアルミ合金も削れることが分かった。

構成刃先 アルミ合金は削りかすが刃物について「構成刃先」という状態になり、刃先角が大きくなって削れないということになる。だから大量の切削油を流しながら削った。油が飛び散って大変なことになるので庭の真ん中で削った。もちろん作業者はぼろをまとっての作業である。


 さて、もう少し近くに寄ればより細かい写真も撮れたのだが、遠くからでも実物を観察できたのは幸せであった。扉部分の深さとか窓枠の形状等、図面と写真だけではわからないところがあるからだ。数十枚の写真を望遠レンズで撮った。地面から立つ白い柱は、郵便を引っ掛けて置くメイル・クレインと呼ばれるものである。高速走行中にそのメイルを引っ掛けるメイル・キャッチャ、その狙いを付ける風防ガラスなどがよくわかる。この作業は暴風雨・雪の中でも行われた。引っ掛かったメイルバッグは車体側面に叩きつけられるから、その部分にはスポンジ入りパッドが当ててある。白い長方形部分がそれである。機種によってはそれが外にはみ出しているが、これは外装が平面になるようにしてあるようだ。

 筆者のUPのストリームライナ16両編成は少しずつ完成に向けて進んでいるが、歩みは鈍い。しかし、このような実物を観察する機会があるとやる気が出る。
 全金属製なので、全部で30 kgほどになる。自宅のレイアウトで走らせる分には問題ないのだが、よそで見せるときはどうやって運ぶかが問題だ。その機関車も3セット用意している。各セット平均8 kgもある。

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2011年02月18日

続々 LA Live Steamers

Santa Fe Heavy Weight CarsSantaFe electric EngineIllinois Terminal Electric Engine3-cylinder Shay 





この車庫の大きさと収容車輌の多彩さには驚く。電気機関車、電車、入れ替え用ディーゼル機関車、シェイ、ハイスラーその他書き切れないほどの車種が、この車庫の中にある。

LALS ATSF5011 2-10-4 白眉はこのATSF5011 2-10-4 である。サイズ以外、実物と同等の構造を持つ超精密機である。発電機。給水ポンプ、空気圧縮機まで作動するそうだ。この作者は高齢であまり出席できなくなったそうで、機関車は静かにここで眠っている。


Santa Fe Heavy Weight CarsSanta Fe RPO これらのプルマン・グリーンの列車は上記の機関車に牽かせる客車である。素晴らしい出来で、本物そっくりである。座席は子供用に高さを変えられるようになっている。


Behind Car Barn 車庫を出て裏から見ると、こうなっている。Santa Feの機関車はこの写真のいちばん右のドアのところに居る。
 重い機関車はなるべく持ち上げないで、外部からそのまま中へ滑り込ませる。 

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2010年12月14日

続々 Pantera氏の工房を訪ねて

Dan's Workshop5Dan's Work Bench 左の写真は塗装ブースの方を撮っている。天井の梁の隙間には客車の屋根材、床材をたくさん置いてある。左の棚にも沢山の屋根材が入れてある。長さ21インチ(約50cm強)の材料を端面が見えるように置くということは日本ではあまり見ない。こうしないと在庫の量を間違えるのだそうだ。
 工作台の向うの壁には工具をぶら下げたり磁石で付けてある。ヤスリを磁石で付けると、磁化してしまって鉄粉が付くのではないかと思ったが、ブラスしか削らないヤスリだから良いのだそうだ。鉄用のヤスリは別のところにしまってあるそうだ。よく使う道具を引き出しにしまうのは、効率を考えるとよくない。Garyの作業台もそうだが、必要な道具は目の前に置くべきである。最近、筆者も作業台の配置をGary風にした。
Diner InteriorDiner KitchenPullman Interior 組み立て中の食堂車の中である。重要なことは椅子と人形の配置だそうだ。細かいものを作っても見えないから意味がないそうだ。特にキッチンの中は省略せよとのことである。ただし皿をたくさん置くと良いそうだ。出来れば料理もあると良いという。皿はパンチで抜いたプラスティック板で十分である。
 プルマンの内装はこのようにモヂュール化したものを作って置くのだそうだ。
この程度で必要にして十分であると断言する。「誰も窓に目を着けて覗いたりしないよ。」と言う。「もしいたら偏執狂だよね。」
 そうだ。列車は走るところを見るもので、手にとって矯めつ眇めつするものではないのだ。そう考えればよいのだ。
UP Turbine どういうわけかUPタービンの塗装依頼も来ていた。

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2010年12月10日

Pantera氏の工房を訪ねて

Dan Pantera聖地 3月にシカゴのO Scale Meetがあった。その時に旧知のPantera氏を訪ねた。現在のアメリカで最も実力あるカスタムビルダである。静かな住宅街にあり、誰もここがO Scaleの聖地だとは気が付かない。

 氏は歓迎してくれ、地下室の工房を見せてくれた。Back Orderが5年分くらいあって、もう注文の受け付けは出来ないと言う。Custom buildingをやめて、Easy Orderにするという方針転換をしたのだそうだ。
「この客車列車を12編成作るから、希望者は申し込んでくれ。」という形にしたという。「そうでなくては生きているうちに終われないよ。」とまで言う。
 超人気のカスタムビルダであるが、決して驕らず、淡々と仕事をこなす職人である。こちらのつまらぬ質問にも誠心誠意をもって答えてくれる。
 筆者がWalthersのキットを沢山持っているのを知り、いろいろなアドヴァイスをくれた。おかげで10台を同時進行で作っている。もう7割近く進行した。
 
Pantera Cars 彼の仕事ぶりを見ていると、手際が良いということに尽きる。長い時間かけてひねくり廻して作るのは素人で、プロは短時間にベストの形に持っていく。そのために部品を標準化して、一回の塗装で仕上がるような方法を採っている。
 それにしても仕上がりは美しい。思わずため息が出るような仕上がりである。このレベルに到達できる人は少ない。細かく見れば、あちこち省略してあったりするが、全体を見ると素晴らしい実感である。

 倉庫にはいろいろな製品のキットや完成品、ジャンクが山のようにあり、一つずつの箱を開けて見せてもらった。「希望すれば分けてあげる」と言ってくれたが、手持ちのキットの状況を考えると怖くて言いだせない。

Before and After Swap Meetでジャンクを買って来て仕上げるとこうなるという実例を、いくつか見せてくれた。この写真では$65とあるが20ドル足らずで入手したという話である。
 



Library 資料が無くては出来ない仕事である。資料室には図面集、写真集が山のようにある。この写真は半分も写っていない。 

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2010年12月08日

Walthers の Diaphragm

Walthers' Working Diaphragm O scaleを始めた頃、Walthersの幌を見て感動した。実物のように折ってあり、伸縮する。しかし、Striker Plateが時々噛みあうので、その部分に透明なプラスティック板を貼って誤摩化さねばならない。MHPのような爪をつけて何とかならないかと思ったが、絶対にうまくいかない。

Striker Plate  この材質はなんというのか分からないが、横ずれに抵抗するのはゴムのように撓むことはないからだ。左のStriker Plateは横ずれしやすいように丸みをつけている。


HINODE MODEL Diaphragms このような材質の場合に横ずれを容認するような方法は襞の数を極端に多くする以外ない。
 HINODE MODELの和紙製の幌は、その点優れている。以前、サンプルを戴いたがもったいなくてまだ使用していない。これをアメリカで見せたら、みな仰天していた。

 HO以下の車輌で幌が密着して作動するのはまず見ない。車輌の重さが不足して脱線の原因になる惧れが大きいからだろう。せっかく精密に作っても幌に隙間があるのは残念だ。MHPの方式でしなやかな幌が出来ないものだろうか。

 いろいろな方からゴムの情報を戴いているが、残念ながらMHP方式に適するものがない。フィルムを貼り合わせる方法ではその部分の厚みが出るのでうまくいかない。やはりチューブ状でシームレスのものがよいのだ。

 半透明のものでは実感が無く、それに塗装すると剛性が出てうまくいかない。厚みが0.2mm程度、直径が25乃至30mmのネオプレンのチューブか風船があればよい。

 ネオプレンは紫外線、オゾンに対して抵抗力があり、劣化しない。普通のゴムは光が当たるとひび割れてボロボロになるが、ネオプレンはいつまでもしなやかだ。宍戸氏は化学者であったから、特にそこを強調したのである。

 MHPを使えば、多少突張っているので、Kadee連結器を使っても、遊間が無くなり、多少はスムーズな運転が出来るであろう。

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2010年12月06日

続 Vestibule Diaphragms

MHP on #8 switch この写真は8番ポイントでの食い違い状況である。この程度のずれなら支障なく通過する。8番渡り線では単純に計算してこの倍である。やや苦しいが通過できるだろう。
 連結器はMonarchである。Kadeeに比べて左右のガタは許されないが、腕が長いので、ずれは吸収できる。

 幌が適度の弾力で押しあっていて、列車が一本の棒のような感じになる。貨物列車とは異なり、旅客列車は連結器のガタが許されないのでとても好都合である。

 Walthersの客車は妻板部分から屋根を留めているのでこのゴム幌の上の部分は指で捲れるようにしておく。普段は隠れていて都合がよい。
 Walthersの幌はやや腰が強く、また底が抜けているので、形が崩れやすい。要するに連結器と干渉する部分を無くしてしまったのだ。

 他にもいくつかの会社から、極端に軟らかいゴム製品が出ているが、MHPには到底かなわない。

 このゴムは一体どこで手に入るのか、随分探したが良いものが無い。一番近いものはアート・バルーン(子供のおもちゃの長い風船)の黒である。残念ながら天然ゴムのようで一月程度しか持たない。どなたかが、クロロプレンゴムの風船を探し出せれば、商品化も可能である。特許はすでに切れているから販売は自由だ。
 

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2010年12月04日

Vestibule Diaphragms

 その昔のTMSに「宍戸博士の旅行カバン」という記事があった。氏は軟らかい連結幌を見つけて、興奮した文調でそれは伝えられた。「くねくねとよく曲がる。」とあったのだ。ネオプレン製と強調してあったことを覚えている。
 ヴェスティビュールとはデッキ付近(昇降口)のことである。ダイアフラムは横隔膜のことであるが、ここでは幌のことである。
MHP DiaphragmsMHP Diaphragms squeezed 長年その現物を探し求めていた。数年前の O Scale West でついに見つけた。たくさん入っている箱ごと、ごっそり買うことに成功した。
 これがその箱である。1組入っている。「MHPの幌」とあり、Patent2568684と誇らしげに書いてある。ネオプレン製と表記されている。ネオプレンゴムはデュポンの耐候性ゴムで、雨ざらしにしても割れたりしない。
 調べてみると1947年出願で、1951年に特許が降りている。ちょうど宍戸氏が渡米された頃である。20年ほど前宍戸氏にお会いした際、このことを聞いてみた。「あれはよろしいですな。しなやかでよく曲がりましたわ。」と嬉しそうに語られた。それから50年以上、この幌は素晴らしい弾力を保持している。

 極めて薄いネオプレンゴムのチューブを拡げて、枠を押しこんだものである。このゴムは直射日光にも耐え、長もちする。端面には薄いアルミ枠が付いていて、相手にはまって弾力で押しつけられ、抜けない。ポイントを通すと、本当にくねくねと曲がって気分がよい。ゴムはかなり長持ちするが、物理的に破れてしまうこともある。枠の角にはかなりのストレスが掛かっているから、そこが擦れると破れてしまう。すると破れは全周に拡がり、幌はちぎれてしまう。

 この方法はゴムの弾力を最大限に活用しているので、圧縮にもバネとして機能する。かなり軟らかく実に具合がよいが、HOには弾力が強すぎて難しいかもしれない。金属製で重い客車ならよいが、昨今のプラスティック製客車には適合しない惧れがある。
 当時の資料を見せてもらったことがあるが、一応 HO,OO用というサイズもあった。もちろんSゲージ用もある。

 この黒いネオプレン・チューブさえあれば、再生産は可能だ。組立て済新品を売っているところを探すのだが見つからない。 

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2010年12月02日

続々々 Walthers の客車キット

Interior Layout 室内の様子を見るために椅子などを並べてみた。図面で見るのとは随分違い、楽しい作業である。
 椅子の色は深紅、紺、深緑などがあるので、それぞれに調色して塗装する。
いわゆるプルマン型開放寝台では、上部からも寝台が降りて来るので、その保持のために壁が必要である。上部寝台を作った例はさすがに見ない。

 室内は彩度を高くするというのがコツなのだそうだ。窓を通して見るので見える範囲が狭く、彩度を上げないと薄汚く見えるという。

 食堂車は厨房の内部を再現するのが難しい。当時は石炭を燃料としていた。Broilerと呼ばれる一種のオヴンとホット・プレートが主な加熱機器で、輻射熱で内部はさぞかし暑かっただろう。屋根には大きな煙突が付く。いわゆるコンロはない。鍋は鋳鉄のホットプレートに上に置いて加熱する。
 床はスノコ張りで、天井からは清水タンクがぶら下がる。食器戸棚が巨大だ。食器を洗うのは蒸気のジェットを使う。流し台は小さい。洗い終った食器は熱いからすぐ乾いて再使用できる。

 Coffee Pot は背の高いものが作り付けである。この燃料だけはガスのようだ。
 1930年代から、厨房の内装にはステンレス板が使われている。冷蔵庫は氷冷却で、天井から氷を投入する。その氷は1つ40キロもあり、力自慢の連中が一人で持ち上げて入れていたそうだ。その写真を見たことがあるが、大きな塊を氷挟みでぶら下げて、梯子を登っている。4つ入れるのだそうだから大変だ。

grab iron for ladder 屋根についている手摺は両端が曲がっている。それはこの人たちが梯子を掛けるためのものであることも教えてもらった。戦後になっても手摺は曲がっているが、それは点検用に梯子を掛けるためである。機関車の運転室前のフッドにも曲がったのが付いている。

 食堂車は美しい。食卓には花が飾られ、テーブルクロスは純白だ。銀器、陶器の皿、料理が並び、客はもちろんのことウェイタが立ち働く様子が再現される。

 名古屋鉄道模型クラブの会長であった荒井友光氏は、1950年ごろOゲージの食堂車を作り、床下にハンダコテのヒ―タを巻き直したものを付け、そこにベーコンを載せて走らせた。会場にその香りが広がり、観客は「進駐軍の食堂車だ!」と叫んだそうだ。時代を物語るエピソードである。

 この話をアメリカで紹介したら、「こちらでもそれをやった人がいる。」と言う。ポタージュ・スープに入れるベーコン風味の小さな塊を加熱するのだそうだ。「インスタント・コーヒーを温めると良く匂う。」と言う人もいる。考えることは皆同じだと思った。

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2010年11月30日

続々 Walthers の客車キット

 ウォルサーズの客車キットの基本はHeavy Weight客車である。Pullmanの寝台車はほとんどの形式が作られている。一部の特殊な配置を持つ車輌も、NYCなどの有名会社の車輌は製品化されている。
Passenger Car EndEnd fastenedpassenger car construction 40年代から10年以上に亘って作られた方式は、この写真のような妻板の鋳物を使用する方式である。天井板に2本のネジで留めて、床板はその後である。ということは、室内装置の付いた床板を、水平方向からはめ込むことになる。この妻板を用いると側板は後から釘止めということになってしまい、細い釘を20本ほど抜かぬ限り、電球の交換は無理である。実際にこの車輌はそうなっていて、すでに電球は切れていた。
 自由に室内を点検しようと思えば、側板は屋根に付けて、床板を妻板に依らない方法で保持することが必要である。連結器の上の内側に出ている部分を切り落とし、側板にL金具を貼り付け、それに床下からタッピング・ネジを締めることにした。側板が反るとあまり良い格好ではないから、暴れ防止に側板の最下部に細い骨をハンダ付けする。
[追記] この中古車輌の側板には釘穴がたくさんあいていたのが問題であったが、最近新品の側板が手に入ったので取り換えた。 Nov.25, 2012


Newer End fastened with screws 60年代に入るとこの写真の方式に代わった。床板に妻板をネジ留めし、側板を床に貼り付ける。
当初は側板を貼り付けるのにゴム系接着剤を使用していたが、エポキシ接着剤を使用するようになり、現在はSuper Xである。長年に亘って蒐集してきたキットを組まなかったのは、この側板を床板に付けるのがかなり面倒であったからである。床下に1.6mmほどはみ出させて付けるには、全長に亘るジグが必要である。それを作らなければと思いつつ、20年経った。
 Super X はこの用途に最も適する。塗布して押しつけ、離して5分ほど待つ。位置をよく見ながら指で押しつけて仮止めし、万力で順に締め付ければそのまま固着する。こんな楽なことはない。
 屋根は、連結幌の部分から水平に木ネジで留めるように指示されている。改良案として、床下から長いネジで留め、それで通電する手も推奨されている。トイレの中などを通せばよい。長ネジは旋盤で簡単に作れる。

Pullman SeatsPullman wash bowls and toilet 室内は戦前から部品が売られていた。どれも目の細かい木をRouter(型削り盤)で削り落してそれを金太郎飴のように切ったものである。

 
 便器や洗面台もホワイトメタル製のを売っていた。これらは肉厚でとても重い。

 壁は厚紙で作り、毛羽立たぬよう塗料を滲み込ませる。

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2010年11月28日

続 Walthers の客車キット

Walthers floor 床板は不思議な構成であった。台車を取り付ける部分が左右にスウィングする。急カーヴでは台車が内側に振れるのか、外に振れるのかは分からない。何か根拠があってやっているのか、単なる思い付きでやっているのかも不明だ。連結器に掛かる力で作動するわけでもなく、復元装置があるわけでもない。どなたか、この仕組みについての知識をお持ちの方はお教え願いたい。ライオネルにこのような工夫があるのだろうか。
Walthers Streamliner roof and floor これは屋根板と床板の結合状態である。スペーサを設け、申し訳程度に黒く塗ってある。これでは展望車なのに展望は出来ない。柱を2本設ければ済む話である。しかも窓を避けて壁にうまく添わせれば、幅が広い板でも構わない訳だ。金属の柱ならさらに細くできるだろう。

 側板が再利用不能なので、思い切って全く異なる窓配置にして、City of San Francisco の継ぎ接ぎ編成にしようということになった。0.5mmステンレス板をレーザ加工で抜けばあっという間にできる。丸い部分は3本ローラでゴロゴロと曲げれば滑らかに曲がる。床板も作り替えることになる。どう考えても幅が狭い。

Rounded Observation Roof 何のことはない。天井板を9.95ドルで買ったことになってしまった。後端を丸く削り、何度もサーフェサを塗って研ぎ上げた。最近、Oゲージ用の天井板はかなり高価である。新品を買えば14、5ドルもするから、安物買いの銭失いにはならなかった。また、当時の設計手法の検証もできた。もう一台のコーチは再生可能な範囲にあり、デッキ部分を別の部品に取り替えて再建中である。
 Walthersの客車キットは1940年あたりから出ているが、妻板の設計の工夫により、工法が変化していることも分かった。この客車は50年代の製品であることも分かった。
 当時のプラクティスを知る意味でも投資は無駄になったわけではない。

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2010年11月26日

Walthers の客車キット

 ジャンク扱いの客貨車を安く買って作り直すのは楽しいが、たまには修復不能のものもある。

 キットには大きく分けて2つあり、いわゆるShake-Box KitCraftsman Kitがある。前者はいささか大げさな表現であるが、箱を振ったらできてしまうほど簡単に、パチパチと組めるキットである。一方、後者はある程度の知識と技能が必要なキットである。鉄道模型のキットでプラスティック製でないものは、ほとんどが後者である。
 腕に自信が無い人は買わないし、買っても作れないはずである。不器用な人のことを、英語で    The man who has ten thumbs と言う。両手の指が10本とも親指であるという極端な表現だ。そんな人は居るわけないと思っていたが、そうでもないようである。 
 
 Walthersという会社は、すっかり商社化してしまったが、もともとは製造会社であった。Oゲージの車輌、レイアウト用品を作って売っていた。
 Heavy Weight 車輌のキットは、一応全車種を複数台集めたので、流線型客車に興味があった。これはあまり見ることが無い。たまたま、E-bayでジャンク扱いで売りに出ていたのを1輌$9.95だったかで買った。応札者は一人だった。ちょうどテキサスに出かける前の週だったので、そちらに送って貰って、送料は8ドルほどであった。安いからには理由があるのだろう。しかし、見たことが無いキットなので、どんな構成かと楽しみであった。

Walthers observation side view 自宅に帰り、開封してぎょっとした。これは今まで見たキット組みの車輌中、間違いなく最下位に在った。どうするとこんな組み方が出来るのであろうと思うほど、ひどかった。2両のうち、展望車は再生不能であった。
 側板のブリキが折れている。それよりもその組み立てには驚いた。塗装は油性ペイントを刷毛で塗りたくってある。それは訳なく剥がせるからよいのだが、ブリキ板が滅茶苦茶な状態である。
Walthers observation rear quater viewWalthers observationWalthers observation wrapper 屋根板は最後部が削ってなく、リーゼントの髪の毛のようであった。少しでも削ろうという意欲は無かったようだ。左右の側板はどういうわけか斜めにハンダ付けされていて、しかも丸く曲げるところに角が出てしまっている。こうなると修正は不可能だ。

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2010年05月22日

Illinois Railway Museum その8

ObservationPullman cars 客車のセクションに行くと、これでもかとばかりにPullman Car が目白押しである。どれもリストアされていて、すぐにでも走り出しそうである。この中には個人所有のものも含まれていて、夏の季節の良い時にはアメリカ中を走り回る。
 展望車のデッキの手すりは砲金製の鋳物を研ぎだしたものである。窓ガラスは大きい。

mail catcherPullman ventilation louverPullman ventilation





 このような空気吸い込み口のディテールは図面では分かりにくいが実物を見ればなるほどと納得する。
 メイルキャッチャの構造は現物で良く理解できる。暗くて写真が撮りにくい状態であったので、鮮鋭ではないが、参考にはなるだろう。


2010年05月16日

Illinois Railway Museum その5

restoringrestoring2copper sheet ofr gutter






 先回、ご覧に入れた電車の隣で作業中の電車である。窓と窓の隙間の板を貼り替えている。天井近くに広告があるが、これらも当時のままに再現するつもりらしい。
 丸めた銅板は、樋の材料である。車端の出入り口の上にある樋が破れているので張り替えるのだ。外したものは右の写真にある。

 座席の布地を貼り替える工房もある。全ての工程がボランティアの手によって行われる。特技を持っている人が集まっているのだ。筆者も何が得意かと聞かれた。
finished car interior これはリストア作業が終わった車輌である。ペンキは塗り替えてあり、絨毯は新しい。

2009年10月14日

Oscar & Piker

Piker & Oscar OscarPiker





Oscar & Piker 「この2台は空想上の産物であって、現存しない。」とわざわざ但し書きが付いていた。
 3軸のイコライザ付き台車一つに載っているので、本物なら、前か後ろにカタンと倒れてしまうだろう。これも等角逆捻り機構のお世話になるべきなのだろうが、走らせるものではないので、可動ではない台車に載せる。見るからにおかしな風情だ。
 pikeの意味については先日書いた。TMSには訂正が載る気配はない。

 Pikerは日常会話にはまず出てこない言葉で、ギャンブル用語である。「ケチな野郎」という意味であって、短いからそういうのかもしれないし、pikeに置いてあるから、そう言うのかもしれない。誰に聞いても確たる答は返ってこない。

 Oscarというのも不思議な言葉だ。アルファベットの"o"を表す言葉で、電話で綴りを言わなければならない時に、使ったことがある。"b”はBravo、"r”はRobertなどというものである。"O"の次は"P"だからということなのだろうか。
 
 これも35年以上放置状態である。先日倉庫で見つけたが、それほどひどく傷んでいるわけでも無い。メッキはしっかりついていて、はがれる様子はなく、洗って塗装すれば十分に使える。木部はサーフェサが塗ってあったので、やすりを掛ければそのまま塗れる。どんな色にすべきか悩むところだ。以前見たのは、ネイヴィ・ブルゥのPikerとクリムゾン(カーマイン)のOscarである。ピカピカに塗ってあって魅力的であった。

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