ちょっとした工夫

2018年01月16日

X-1 micromill belt drive conversion kit の取付⑷

belt drive⑺ ベルトを嵌めてみる。横から見て、完全に水平であれば、良しである。張力は1.5 Nほどだ。150 gw程である。強くすると損失が大きく、弱くすると滑りやすい。刃物が噛んだ時に滑る程度にすれば良いので、そのあたりはご自分で調節願いたい。
 この写真を見ると、小プーリィが微妙に低い。モータ軸に対してより深く挿すことができれば、モータを持ち上げる必要はない。体力が戻ったら再度トライしてみる。ともかく、大プーリィは、出来る限り低く取り付けることだ。

 回転数は3段階で、無負荷最大値で、3010, 1840, 1020 rpmである。この数値は実測値である。元の状態よりはるかに速くなったから、細い刃物を使い易くなった。実は、モータの無負荷回転数が4000 rpmとあったのを真に受けて、そのつもりでいたが、実際は3400 rpmであった。誇大広告である。

⑻ ガードの内側のスピンドル・ロックを掛ける部分がプーリィに当たる可能性があるので、黒い中空ネジを外し、アルミ部分を0.5 mm程度削り、ロックをやや浅めに留める。これはスピンドルを駆動ユニット床板に対して中心に置いたから起こることである。もし基盤をやや手前に付けたなら、このような問題は起きないであろう。(下から挿すネジが、手前に引張った時、スピンドルのフランジの、両方の孔の手前の縁で当たっている状態なら良いという意味である)

⑼  ガードを下からネジ2本を締めて、固定する。ガードにはスピンドル・ロックが付いている。鋼製のロック機構を考えていたが、径の大きなところで押さえれば、小さい力で済むので、ブラス製部品にした。中にはスティールの棒が通っている。相手はアルミ合金だが、十分持つだろう。ミシン油を注しておくと良い。基本設計は筆者で、造形は任せた。なかなか良いと思う。

 これで機械的には終了で、筆者による組立て時間は、このマニュアルを書きながらで、2時間半であった。すべての部品は小気味よく組上げられる。作業を始める時に、工具、材料をすべて用意しておくのが、時間節約の基本である。
 キィは使っても使わなくても良い。ただ、キィを使うときはバリを取って、するすると入るようにしておく必要がある。引っ掛かるようでは分解ができない。キィ使用の時は、軸方向の抜け留めが必要で、軸にスナップリング等で留めねばならない。それを使わないようにするためには、ネジでキィを押し付ける必要がある。ブラスの小片を使うときは、軸のキィ溝にそのブラスが喰い込むようにしている。


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2018年01月14日

X-1 micromill belt drive conversion kit の取付⑶

installing motor mount⑹ モータを取り付けたモータ台を本体に組み付ける。ネジの組み立て手順は、この写真を参考にする。黒い大きなネジを締めて、ベルトを掛けた時動かなければよいのだ。向かって左には、赤いファイバ製のワッシャを噛ませ、適度な締付トルクを与えながら、袋ナットを被せてロックナットにする。ブラスのシムには潤滑油を一滴落としておく。右の手で締めるネジには、大きな金属製ワッシャを挟む。

⑺ 紫の↑はガードがクイルに当たりそうで削ったものだ。実際は当たらないのだろうが、見掛け上、気になるので1 mmほど削った。

⑻ 赤の←の、コレット引きボルトを少し削って、細くした。寸法があまりにもぴったりで、締めると抜けて来ない。ということは締付トルクがかなり無駄になる。後で引抜く時も、喰い込んで面倒である。旋盤で0.05 mm削ったら解決した。
 dressing pullbolt headこの種のガタは、仕事を早く進ませるために必要なガタである。こういうところは、中国製らしい。経験がないのでわからないのである。薄くグリスを塗っておくと、締め易い。
 この引きボルトはM10である。筆者はインチサイズのMT2コレットをかなり持っているので、それ用の引きボルト(3/8”、約9.5 mm)を作る。普通の長尺の全ネジにナットを熔接して削り落とせばよいので簡単にできる。何本か作っておけば欲しがる人もいるだろう。

 それはそうと、旋盤の心押台延長の左ネジを欲しい人がかなり居る気配だ。筆者はU氏に作って戴いたのだが、同じ方法で作るのは大変である。専用の左ネジM10ダイスを買えば訳なくできる。これも筆者の旋盤上で、ダイスホルダを使えば、あっという間にできるだろう。一人で買うと高いものだが、多人数で割れば、どうということもない。
 もちろんその後の加工はご自分でやって戴く。材料はS45Cだから、卓上旋盤では出力不足になりかねない。手回しクランクでやるのが良いだろう。 
 希望者がいらしたら、コメント欄で<私信>として連絡されたい。数がまとまれば動き出してみよう。

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2018年01月12日

X-1 micromill belt drive conversion kit の取付⑵

brass shim 向かって左の円柱上端にはブラス・シムが入っていて、0.050 mm低い。問い合わせたら、「そのようにした」と言うのだ。こちらの図面には描いてなかったが、摩擦が大きすぎるので、たまたまあった0.050 mmのシムを切って挟んだと言う。なかなか気が利いている。注油しない人が多いので、減らない工夫だ。右の方は見るからに摺動面で、減りを気にする人は多いが、ピヴォット側は放置ということが多い。アルミ合金は磨り減りやすいので、このような配慮が必要なのだろう。勉強になった。

⑴ まず手前のガードと角材を外す。ネジは固く締まっている。これを取っておかないと、あとでベルトがはまらない。 

⑵ モータのギヤを外して捨てる。新しいプーリィの径の大きい方を上にして、飛び出しているところが、モータのボールベアリングのインナ・レースに当たるように嵌め込んで、様子を見る。この時、シャフトにはリング、ワッシャなど、何もついていないことを確認する。小プーリィの飛び出しているところを0.8 mm削り落とす。削るのは、旋盤が一番良いが、サンドペーパ上で回転させながら削っても何ら問題ない。この操作によって、小プーリィは0.8 mm高い位置につく。面取りを施し、孔の中をよく掃除する。 キー溝にネジ穴を合わせて、完全に奥まで差し込み、穴からブラスのピン(短い方)を入れ、ネジを締める。元のキーは使わない。ミシン油程度の油を塗っておいて組むと楽である。
 要するに、ベルトは水平でなければならない。

⑶ モータ台にモータを置き、線の取り出し方向を考慮し、位相を決めて固定する。プーリィを傷つけないように、箱に入れて保護しておく。ネジは元のモータ取付け用を用いる。

installing base⑷ 下から駆動ユニット床板を留める。付属のM6ネジを 用いるのだが、位置が決まりにくい。手前に引張りながら、側面がベッドと平行でなければならない。半締めして、プラスティック・ハンマで叩き、細かく移動させて本締めすると良い。外すことは無いと判断すれば、少量の接着剤を塗っておくと良い。将来ビビリが発生することが無くなる。
 このM6のネジは、スピンドルのフランジの孔(6.44 mm)に比べて小さい。ガタの中で、基盤を最大限手前に引張った状態で締める。

fixing pulley⑸ 大プーリィをスピンドル(クイル)上方から挿す。下まで完全に落とし込む。この時、駆動ユニット底板からプーリィ下面まで、1.3 mmのクリアランスがあるのが望ましい。0.5 mm板と0.8 mm板を重ねて挟んでおいて、引き抜けばよいのだ。もっと低くしたいが、大プーリィがガードの角材に当たる。

 せっかくキィ溝があるので活用した。キィの幅はぴったりだが、高さ(法線方向)がやや高いので、ベルトサンダで削り落とした。プラスティック・パイプ(竹筒でも良い)を嵌め、プーリィをハンマで軽く叩いて沈める。所定の位置で、ネジを入れて締め上げる。キィを使ったので、ブラスのピンは使わなかった。プーリィを落とし込む時、ハンマーで不均等に叩くと、クイルが曲がる可能性があるから、必ずパイプ状の物を介して叩くようにする。仕上がりは良く、簡単に入るようになっている。精度は十分だ。むしろ、クイル表面のざらつきのほうが気になった。細かいサンドペーパで擦って、メクレ等を取り除き、洗浄スプレイで洗ったのち、ミシン油などを塗って嵌めると良い。サンドペーパを使うと砥粒が落ちるので、孔をあけた新聞紙を被せて、全体を保護し作業終了とともに掃除機を掛ける。

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2018年01月08日

X-1 micromill conversion kit 到着

conversion kit 年末に発送したと連絡があったが、正月を挟んだので、少々時間が掛かった。DHLで 名古屋空港NGOの倉庫までは来ていることが分かったが、通関に手間取ったようだ。関税は十分に払うからと言ってあったのだが、安くしてくれたようだ。

 綺麗な仕上がりで良かった。スピンドルのロックも思うような構造にしてくれた。ネジはドイツ製だと言っているから、信用できるはずだ。
 ベルトは三ツ星の高級なベルトで、これは日本で調達した。不思議なのは外地の方が安いのだ。これを取り寄せてくれた親しい工具屋のK氏は、「大量だったら向こうから仕入れるべきだな」と言う。特別価格にしてくれても、1本1060円だった。向こうでは普通に一本買っても900円だという。在庫がなかったようなので日本で調達した。

 どういうわけか、英語での説明書を入れてくれたが、文法的ミスで理解不能な点が多い。このブログで取り付け方をお知らせするのが一番簡単だろう。
 
 これであの騒々しい運転音と、歯車駆動の不安が一挙に解決するのなら、有難いと思っている。実は2回喰い込ませている。モータが非力で助かっているが、怖い話だ。プラ歯車はゴミ箱に叩き込んだ。

 実は珍しくインフルエンザに罹り、寝込んでいる。発送は少し遅れるかもしれない。

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2018年01月02日

続 転車台インデックス装置の完成

 いくつかお答を戴いている。ほとんどが正解である。ヒントを目ざとく見つけられて、完璧なお答の方もある。一方、いつもコメントを戴く方々からは、お答がなかった。 

 正解は高粘度シリコーン・グリースを用いた粘性結合継手である。信越化学がいくつかの粘度のものを出している。中粘度のものが良かった。これはトイレの蓋のヒンジなどに使われているアレである。ゆっくり閉まるのは粘性による。写真の中に信越化学の丸い瓶があるが、それがヒントである。ShinE…という文字しか見えないが、分かる人にはすぐ分かっただろう。
 この種の継手を鉄道模型に使ったのは、これが世界で最初の例ではないだろうか。MRに投稿してみようと思う。作るのは簡単で、消耗せず、半永久的に持つ。

 シリコンsiliconとシリコーンsiliconeは異なる概念を指す。前者はケイ素の単体あるいは元素を指す。例えば、シリコン整流器という言い方をする。後者はケイ素と酸素が交互に結合した骨格を含む合成高分子(シリコーン樹脂)を指す。間違える人は多い。

 さて、円柱とそれにかぶさる円筒の隙間を変えて、様々なテストをした。隙間が0.1 mmでは狭すぎる。0.2 mm弱が一番良いことが分かった。長さは必要とされるトルクに応じて調整した。廻していると温度が上がるかと思ったが、出力がせいぜい 0.3 W 程度なので、30分くらい廻っていても温かくなる兆候は見られなかった。ある程度の推力を生み出して停止していても、何の問題もない。バーサインの分だけ押し戻されても、推力が増えることはない。バネを介して押すよりはるかに確実であり、利点が多い。
 この装置には3つの粘性継手が使われている。作動が穏やかである。よく見るソレノイド等のガチャガチャとした作動ではないが、正確なインデックスが可能である。ずれても戻せるところが面白い。


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2017年12月25日

gusset plate を貼る

steel bridge ガセット・プレートを順次貼っている。意外と時間が掛かるものである。リヴェットを打ち出したものをシァで切って、叩いて平らにしたものを貼る。接着剤はスーパーXである。
 薄く塗っておいて、両方になじませ、マスキング・テープで仮留めする。位置を確認してから、軟らかい木材を当てて締め付ける。中の方まで固まるまで、1日以上掛かるようだ。
 クランプを外して次の列を数枚貼る。これを繰り返してようやくここまで来た。あと少しである。

 見えるところは全て貼りたい。内側も大きな面積のところは貼りたくなってきた。今ガセット・プレートを増産中である。

 塗装を考えている。色はどうすべきか。黒か銀かそれとも濃いグレイだろうか。レイアウト全体が薄いグレイであるから、突出した色は避けたい。


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2017年12月19日

gusset plates

 鉄橋の工事が停滞していた。ガセット・プレートの加工が遅れていたからだ。いつもお手伝い戴いているクラブのN氏が見かねて、代わりに作ってくださった。

LED lightingLED lighting2  工具一式をお渡しして、お願いした。リヴェットは下から押し出す方式である。型紙の大きな丸にダイをあてがい、どの方向からも白い部分が見えなくなった時に打てば、所定の位置に押し出せる。それを手前以外に向こうからも見なければならず、数枚を作ってもう体力が無くなったのである。目の良い人でないと難しいと思っていた。若い人が集まった時にお願いしようとも思っていたのだが、N氏は、LEDで照明を当てながら鏡で見るという方法を考え付かれたのだ。三方から同時に見られるので、仕事は大幅に早くなったそうだ。実際にはLEDはほとんど使わず、蛍光灯の光だけで十分だったとのこと。

gusset plates すごい数のリヴェットを短期間で打ち出して戴いたので、早速貼り付けに掛かっている。この写真の下が型紙を貼った物で、上はできあがりを裏側から見たものである。


 それをシァで切り落とす。リヴェット打ち出しで、全体が反っている。それを修正するために、金床の上でゴムハンマで叩く。満身の力を込めて一発で仕留めるのだ。リヴェットの裾野は平らになり、全体も平面になって落ち着く。

 貼り付けるべき場所を確認する。これが意外に大変な作業なのである。よく似たものが多い。型紙は両面テープで貼ってあるので、きれいに剥がして、接着剤で貼る。マスキング・テープで仮留めしてから、軟らかい木の板を挟んでクランプで締め付けると密着する。

 N氏が述懐する。子供のころはお金がなかったし、腕も知恵もなかった。ただ視力だけは十分にあった。今は視力だけがないと。
 本当にその通りだ。筆者は、若い時はとても視力が良く、両眼とも2.0であった。ところが現在はかなりの遠視で、眼鏡をいくつも首からぶら下げているが、それでも足りない。  


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2017年12月17日

フライス盤の制御回路

 このフライス盤は直流モータで駆動されている。マグネットモータである。困ったことに、磁束が漏れている。モータ側面に鉄片が吸着されるのだ。磁束漏れは出力低下の原因である。いずれ厚肉鉄パイプを被せてみよう。


motor controlto fit into the box 制御装置はこんな形である。寸法を測って金属製の箱を買ったが、入らない。箱の前後の妻板が10mmほどオフセットしていて、奥行がないのだ。

ventilation こういう時はいつもの手を使う。妻板に孔をあけて、飛び出させて、それを別部品で覆う。発熱する部品なので、換気用という大義名分も使える。 

 アルミ箱の片方の妻板を、何度か曲げ、疲労させて折り取り、それを後ろに持って行く。ネジ留めしても良いが、接着でも良い。操作盤は手前に持ってきて、底面に接着する。5 mmのベークライト板で嵩上げすると、操作パネルの下端の高さがちょうどよくなる。

nibblerswarf ゴミ箱の上で、電動ニブラ(nibbler)で孔を開ける。切り粉は燃えるゴミでよい。アルミニウム屑はよく燃えるからだ。この程度の切りくずなら、回収する価値はない。


 この道具を使えば、切るのは簡単である。意外とこれを持っている人は少ないようだ。筆者は、エアコンのダクトを構成する薄鉄板をくりぬく作業をすることがある。それには便利な道具であって、安いものだ。これは日本製である。切粉はこのような三ケ月状である。

 電気ドリルに付けるアタッチメントとしても売っているが、これは専用機である。
 0.8 mmの鉄板でも簡単に切れ、切断速度が大きいので楽である。アルミなら、紙を切るような感じで切れる。直線を切るときはガイドを取り付けてそれを添わせて使う。円を切るときは半径を決める定規を付ける。
 機関車の床板に使う1.5 mmのブラス板も、大きな板から切り出せる。切り口は多少凸凹しているのでヤスリを掛ける必要があるが、大した作業ではない。


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2017年12月15日

フライス盤を分解する 

 来週あたりにベルト・ドライヴが発送されるようなので、下準備を始めた。

motor gearBlogPaint モータを外してみたら、とんでもないことになっていた。樹脂製歯車が少し下がって(抜けて行く方向)、絶縁用のプラスティック板に当たっている。摩擦熱が発生して、ギヤが変形を始めていた。キー溝がすでに30度ほど回転している。温度が上がって、クリープが起こったのだ。その原因は、ギヤを留めるスナップ・リングの欠落である。もともとなかったのかもしれない。中国製だからとは言いたくないが、ひどいものである。この状態でしばらく使うと、ギヤの中でキーが回転していくのだろう。一周するとどうなるのだろう。 

disassembling gear traindisassembling gear train 2 スナップ・リングを専用工具で外す。めったに使うものではないが、これが無いと作業が困難だ。ギヤを1枚外してみると、その先は鋼製のスリーヴ(ギヤ間のスペイスを稼ぐもの)と、もう一枚のギヤがある。これが固くて取れない。嵌めあいが、きつ過ぎるのだ。


gear pullermill spindle 仕方がないので、ギヤ・プーラを持ってきてセットした。プラスティックの歯車に爪を掛けるのはためらわれたが、壊れても良いのでそうした。この種の道具は、ドイツ車と米車とを持っていた時の整備工具である。よく壊れたが、すぐ修理できるので、部品とパーツを沢山保有していた時代があった。懐かしい思い出だ。
 上端のネジをレンチで廻すと、すぐ抜き取れた。 外すとこんな様子だ。フランジにバカ孔が2個ある。ここにベルトドライヴを付けるのだ。

gear case 箱は外してみるとこんな形である。これだけで、2 kg弱もあった。熔接はへたくそで、ひどいものである。鉄クズ置き場に直行だ。

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2017年12月13日

続々 turntable indexing

index roller 転車台のインデックス(割出し装置)は、当初の計画をかなり変更した。楔を差し込む形を考えていたが、ローラ・ベアリングが一つ見つかったので、それを押し付けることにした。そうすればスリットに入らずに滑っているときの抵抗は少ないし、潤滑も要らない。 

DSC_0023 ローラ・ベアリングを収める部分は3 mmの板で作り、軸を真っ直ぐ通すために、縦フライスで孔をあけた。刃が長いものは4枚刃しかなかったので、ドリルで適当に穴をあけ、その後でフライス刃を差し込んだ。一瞬で正確な穴があき、その部分は完成だ。2枚刃なら下穴なしで切り込めるが、4枚刃ではそうはいかない。

DSC_0020DSC_0025 前後に動くプランジャ部分は、当初側面に溝を掘ってボールベアリングを偏心スリーブで受けていた。溝の角にボールベアリングのアウタレースが当たると、いつかは減るだろう。重さを別に受ける必要がある。部品を新製し、ボールベアリングを仕込んだ。簡単な工作だが、機械がないとできない仕事だ。

 真ん中にラック・ギヤをはさんで角棒をハンダ付けする。全く隙間の無い、完璧なハンダ付けをした。ラックの背が低いので、別の角棒で下から支えている。
 このような長いものを付ける時には太い針金を曲げて作ったバネクランプで、全体を締める。ネジ式クランプではハンダが中まで入らない可能性がある。もちろん、接着面はキサゲで刻んで、めくれを付けてある。僅かの隙間をあけておくためである。塩化亜鉛飽和溶液を塗って、ハンダを置いてガスバーナで焙れば、できあがりである。切り口を見ると完全に一体になっている。


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2017年12月07日

続 modifying tailstock

 いろいろなところに手を入れた。本来旋盤という機械はそういうものである。買っただけで性能を発揮できるということは無い。使う人が手を入れ、部品を手作りして、はじめて、性能を発揮するのである。この記事の機械はやや凝り過ぎだが、素晴らしいものである。

 大切な点は、スピンドルの精度である。ベアリングのガタがなく、心押台のセンタとぴたりと合えば、まず問題ない。その他の部品は気が済むまで改良していけばよい。改良用の部品は無数にある。昔はそれが何処に売っているのか見当もつかなかった。工具屋に行って聞いてもよくわからない。

 町工場の社長が一番よく知っている。友人の父君には色々なことを教えてもらった。様々な部品も貰って、それを加工して使った。アッと驚くテクニックもあって、勉強になった。
 最近「ミニ旋盤を使いこなす本」久島諦造著 を再度熟読した。ほとんどのことは頭に入っていたつもりだったが、チャックに入らない太いドリルでワークに孔をあける方法には再度驚いた。ゆうえん様が「パズルゲームのようなもので」とおっしゃったが、本当にその通りである。

 模型工作の蘊蓄を語る人は多いが、旋盤を持っている人は少ない。旋盤を持てば、人生観が変わるはずだ。少ない金額で、これほど楽しめるものはない。模型屋に行く回数は激減するだろう。

moving support  写真は自宅の旋盤で、転車台のシャフトを挽いている様子だ。自分で改造した移動振れ止めで支えながら、Φ40の砲金の棒を中グリしている。刃物も自作である。刃先の位置が、振れ止めの位置と一致するところがミソである。写真では拭き取った後でよく分からないが、ワークの外側にはグリースを塗って作業する。昔鉄砲鍛冶に手ほどきを受けたので、中グリは得意である。  
 シャフトは最大限に太くして、剛性を大きくしないと、回転橋の動きが珍妙になる。

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2017年12月03日

共通点

 Tortoiseなどは常時通電式である。微弱な電流で動くモータを使っている。所定の範囲を動いて停まると、その先は、直列につながれた抵抗にほとんどの電圧が分配され、モータは単なる電線であるから、熱が出ず焼けない。50年前、父がアメリカ製のエアコンの電動弁をばらして、驚いていたことを思い出す。それは、Honeywellの製品であった。それは、いわば「電気的辷り」とでも言うべき方法である。

 要するに通電しても仕事にならない「辷り」を生じさせて、無視できるほど僅かな発熱を承知で使っているのである。その動作をメカニズムで実現したかった。共通点は「辷り」である。

 モータが動き、ラックとピニオンで所定の位置まで行って当たると、発生する推力によって軽く押し付けられている。
 電力供給が止まれば、逆に押されて戻るようにしたい。機械的辷りを作り出さねばならない。単純な摩擦式ではいずれ壊れる。電気的な処理方法はあるだろうが、筆者の方針には合わない。

 このメカニズムは、様々な図を描いて検討した。ノッチの向きもそうだが、直線で曲線を近似するのをやめて、外側にもう一つの回転するドーナツ状の板を作り、それから内側へトングが出る方法も考えた。しかし、それはあまりにも複雑で、摩擦が大き過ぎる。

 簡単にして、何十年も全く故障なく使える、というものでなければならない。今回採用のアイデアは15年ほど前に思い付いたのだが、なかなか使う機会が無かった。

 さて、どんなメカニズムであろうか。


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2017年12月01日

推力を一定にする

versine 転車台のindex(割り出し装置)はnotch(切込み)にtongue(楔状のもの)を差し込んで行う。相手は回転するから、位相差はトングの長さに影響する。
 要するに正規の位置にあれば短いが、多少ずれたのを戻すので、その時にversineが無視できない。僅かな距離だが、それをバネで補うとエネルギィが溜まるから、中心に行きにくくなる。正規の位置から外れた位置の方が、安定だからだ。それではセンタリングが効きにくくなる。

 慣性で回り続けようとする重い円盤のノッチにトングが差し込まれた時、ダンピングが働き、軽くブレーキが掛かることも要求される。別部品としてエアダンパをいくつか作ってみたが、大げさであるし、動きも要求を満たさなかった。
 トングを差し込むにはネジ式、ラック式などの方法があるが、バネを介してモータで押し込むと、エネルギィが蓄えられてしまうのだ。外れた位置から元に戻るときは、復元モータが働くのだが、その時抵抗少なく(多少のダンピングを伴い)所定位置に行って欲しい。軽く、いつも一定の力で、押し込まれていてほしいのだ。この解決法はなかなか難しい。

 これらの諸問題を同時に解決する方法を模索していた。一つにはTortoiseに代表される常時通電式のポイントマシンを使うことだが、これは逆駆動が難しい。トータスのギヤトレインの効率が良くないし、そのモータは普通の有鉄心マグネットモータだからだ。より高効率のメカニズムはできるが、その後の保守などを考えると得策ではない。要するに、壊れようがないメカニズムが必要なのだ。

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2017年11月29日

rack & pinion

broken plastic rack 春先に自宅のWashlet(TOTO製)が壊れた。比較的高級な機種(TCF815)で、購入して4年ほどであった。故障ではなく、壊したのである。最低だ。


 使用中に、バリバリメリメリと音がして、ノズルが引っ掛かって止まった。押しても引いても動かない。突き出したままだから、トイレは使えない。仕方なく安物を買ってきて、仮に取り付けた。外したものを営業所に送って修理してもらおうと思ったが、現場での修理しか受け付けないと言う。こちらの都合など全くお構いなしで、取り付けた状態しか駄目だと言うのだ。取り付けられている状況を見ないといけないと言う。
 何が知りたいのかと聞くと水圧、水質、電源、日照の有無、気温、湿度だと言う。すべての正確なデータを測定して送ったが、屁理屈を付けて、「現場で」と言い張る。
 再度取り付けたら、トイレは使えない。滅茶苦茶な方針を押し付けようとする会社だ。出張費が欲しいのだろう。見掛け上の修理費を安くする方便に違いない。押し問答の末、正確な訪問時間を決め、元に戻した。

 当日、修理を見ていたら、内部のノズル繰り出し装置がフレクシブルなラックであって、それが折れていた。疲労したのだ。それはプラスティック(多分ナイロン)のラックの中に編みワイヤを封入したもので、いかにも細い。座屈して折れるのは、当たり前だ。
「なんだ、設計が間違っているじゃないか。」と言うと、修理員は申し訳なさそうな顔をして、「この機種の修理はすべて無料でさせて戴いています」と言う。最初からそう言えば良いのに。リコールの対象であるはずだ。購入者に不便を強いている。
 代替部品はかなり太く、これなら折れないだろうという形であった。座屈発生というのは、設計者にとって最低の失敗だ

 こんな設計はダメである。今回の転車台のメカニズムの設計は、それを見たときの印象が、大きく影響している。


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2017年11月27日

続 turntable indexing

ring gear リング状の歯車を作った。もちろん既存の歯車の内側を削ったのだ。ボス付きの歯車のボスを銜えて廻し、所定の半径に中グリをする。
 DROの無い旋盤で、中グリをするのは怖い。うっかり削り過ぎると失敗だ。もう余分の材料は無い。何回も寸法をチェックし、2/100mmずつ削って、滑り込みにする。ボスから切り離した瞬間に、このような状態になる。 これをパイプに嵌めてハンダ付けする。モータでパイプを廻すと、ラックが出入りするのだ。

 ラックによる伸縮はネジ式に比べると利点が多い。ネジは逆駆動ができないのだ。もちろん三条ウォームのように進み角を大きくすればよいのだが、そんなネジを作っている暇はない。ラックとピニオンなら単純なメカニズムだ。ラックは十分に丈夫な太さにして、転がり摩擦で受けている。ガタはなくした。

 今回作っている装置は、すべて逆方向に力が掛かると滑らかに戻る。インデックス(割り出し)の動作で所定の位相で停止するが、制御者の意思が働いていない時は自由に回転できる。制御にはリミット・スウィッチは使わない。スイッチがあると、いかにも機械仕掛けで動いています、という感じを与えるからだ。つまり、玩具っぽい動きになる。本物はとても重いので、カチンカチンと動くことは無いのだ。あたかも人間がそこに居て、動かしているような感じを与えるような設計だ。

 要するに人間が意思を持って押しているような動きである。力を入れて所定の位置に持って行く。そこで力を緩めると、別の力が掛かっている時は、逆に動き始めるのだ。言葉では説明しにくいが、試運転を見た人は非常に驚き、「機械の動きのようには見えない。」という言葉が出た。

 すべての機構は、2度作り直した。

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2017年11月25日

セレーション

tailstock 旋盤、フライス盤の整備を続行している。様々な留めネジをレヴァ式に改造している。六角レンチで毎回、締めたり緩めたりするのがとても面倒だからである。
 フライス盤の場合は、その位置にDROを付けたのでレンチが入りにくい。ネジの当たり面が浅いところにあるときは、座面を相対的に近づける必要があり、座面を削った。鉄鋳物だから、簡単に削れる。

locking lever この種のレヴァは作動位置を選んで、一番都合の良いところにネジの位相を決められる。締めるのは角度で30度くらいの範囲だから、その範囲が手の届きやすい向きにあれば、邪魔にもならず好都合だ。

 中のネジ頭の外周には刻みがある。これをセレーションという。綴りは serration である。大昔にその言葉は父から聞いたが、綴りを知ったのは30年ほど前である。語源は、ラテン語の鋸だ。シエラ・ネバダ山脈の Sierra とも関係がある。スペイン語でシエラは鋸、ネバダは雪である。雪の積もった鋸山という意味だ。
serrationserration2 要するにギザギザがあって、レヴァの内側にもそれと噛合う内歯がある。バネで押し付けられているから、それに逆らって持ち上げて位相を変える。ギザギザの歯型は、当然インボリュートではない。

 似たもので、スプラインがある。 splineは、軸上で動力伝達を行いながら移動する場合である。様々な歯型があり、最近は多数のボールを用いて滑らかに動くものもある。インボリュートもあるようだが、星型とか、六角とかいろいろなものがある。 
 
locking lever2ZAMAC 最近自宅のフライス盤の留めネジが壊れ始めた。シーズン・クラックである。使おうと思うと、割れて下に落ちている。4個のうち2個が壊れた。力を入れたときに壊れたわけではない。

 中国製だからということもあるだろうが、ダイキャストは信用できないことが分かる。最近の中国製の鉄道模型はどうなるのか。ダイキャスト製はいずれこのように割れてしまうのだろうか。


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2017年11月21日

第6章 各種等角逆捻り機構の使い分け提案

(8回連載の8回目)
 最後に、ここまでの考察を通して各機構の使い分けについて考察します。なお、ここでは「ロンビック」を強制的に等角逆捻りさせるリンク機構の代表としています。魔法使いの弟子ヨー軸シーソーの方式もロンビックと同等でしょう。

 それでは、
ロンビックイコライザ(以下
Rh式と略)」
フカヒレイコライザ(同
F式)」
ロール・トーション・バー等角逆捻り(同
RT式)」
ピッチ・トーション・バー等角逆捻り(同
PT式)」
4
つについて考えます。

 Rhは基本的な原理が確立していますし、ガタや弾性変形を伴う動きが無いので、等角捻りを必要とする任意の車輌に搭載できると思います。

 次にFは図3のように斜め軸を回転軸としているので、厳密にはロール以外の運動が含まれてしまいます。そのため、ボギー車の場合、台車の回転に伴って、回転軸と台車ピッチング軸の成す角が近付くと、レイルのピッチングの影響を受けやすくなります。この条件になるのは、全長が短く、車幅の大きい(つまり回転軸がロール軸に対して大きな成す角になる)車輌で、しかも台車の回転角度が大きい、つまり急カーヴを曲がる車輌の場合と考えられます。これはちょうどナローのカブースなどではないでしょうか。このような車輌ではFはピッチングの影響を受けやすいと推察します。

 RTは、既に説明したとおり、軽量の小スケール車輌に簡単に組み込むのに向いていると思います。ボギー車の場合は、台車回転軸がロール以外の動きをしないように、何らかの形で拘束しないといけないでしょう。捩じりバネだけで輪軸を支持するには帯板の使用が有用と思われます。根本的には短編成に用いる二軸車に使用する簡易な方式だと思います。

 PTも前述のとおり、ピッチ剛性が弱いので全長が短い車輌が向いていると思います。あえてピッチングを弱くするのも、動きに面白味を与える上では良いかもしれません。

 最後に、これらの使い分け案を表1にまとめて掲載します。

表1 各等角逆捻り機構の使い分け案まとめ


 

名称

 

提案名

 

原理

 

動作

確実性


工作性(上)

調整性(下)

 

考察結果

ロンビックイコライザ
リンク式強制等角逆捻り全般)

リンクによる
強制ロール等角逆捻り



○〜△

工作が可能ならば全般的に良好

フカヒレイコライザ

上記を簡易化し、
バーサインを、
リンクの小さなガタで
巧妙に吸収



台車が大角度で回転する小型ボギー車には懸念有り

天秤棒イコライザ

ロール・トーション・バー等角捻り

バネ釣合による
ロール軸等角逆捻り


○〜△


小型二軸車などに容易に設置可

90度捻り天秤棒

ピッチ・トーション・バー等角捻り

上記のピッチ軸版



短尺小スケールの
二軸車等に有用



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2017年11月03日

続々 micromill X-1 改造

122f43d2 このX-1は、Z軸の移動が重いのが腹立たしい。ヘッド部分の質量は
12 kgほどあるのだろう。降ろす時は自重で下がっていくから良いのだが、上げる時は大変だ。ハンドルが折れはしないかと思うほど、重い。その重さを何とかして釣り合わせねばならない。滑車を付けてカウンタ・バランスを付けるのが良いが、埃もつくし、スペイスの問題がある。また、釣合い重りが12 kgもあれば、さらに重くなる。

 筆者の自宅の機械には、オイル入りのエア・スプリングを付け、突っ張らせている。たまたま入手したエア・スプリングがとても具合がよく、全く重さを感じさせない。留めネジを緩めると、指先でヘッドが上下できる。目的のところで留めて、Z軸をゼロ設定すればよい。あまりにも軽快で、それに慣れていたので、今回のX-1の重さには根を上げた。

 モノタロウで一番小さいのを探して、150 N(約15 kg重)というのを購入した。細くて都合が良い。取り付ける場所は垂直に動くところが良いのだが、多少斜めになっていても全く問題ない。ネジを立てて、皿ネジで取り付けた。鋳鉄の加工は楽しい。
 ストロークが70mm程度しかないのだが、ヘッド自身が30 mmほど上下するので、都合100 mm程度動く。これは万力の高さ62 mmを含めても十分なストロークである。
 X-1の購入者で、Z軸が300 mmも動くことを必要とする人は、まずいないと思う。本当はZ軸上下用の送りネジを外して捨てたかった。同時にカラム(角柱)も上の方を100 mmほど切り捨てたかった。送りネジを切り縮め、ハンドル位置を下げれば良いのだが、今回は諦めた。
 
 どちらかというと、下げるのに力が要るようだ。120 N を買えばよかったかもしれない。贅沢を言えば、オイルが入ったダンピングの効くものが欲しかったが、これで十分である。
 この種のオイルレス・ガス・スプリングは消耗品であり、いくらでも手に入るものであるから、安物で十分である。
 
 先回の解答はコメントで発表した。今回の工事にも使用している。また、国内でも類似品が入手できることが分かった。この種の工作をしない人には、理解が難しいかもしれない。皿ネジの心が合っていない状態でネジを締めると、首が疲労してたちまち折れることを経験された方なら、この工具の意味はすぐ分かるだろう。
 このドリル径は3.2 mmすなわち1/8インチである。日本製のものはやや小ぶりである。

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2017年10月22日

続 pine wood soap-box car

pine wood car dervy そこにあったどの車も低重心にしていた。それが正しいと信じているのだろう。筆者はコースの出発部分に目を付けた。かなりの角度で持ち上がっている。ある程度進むと平坦になってゴールだ。

 重心が車体中央にあると出発時に稼げる位置エネルギィが少ない。車体後部に重心を持って行けば、持ち上げられる量が大きくなるから、蓄積されるエネルギィが大きくなるはずだ。あまり後ろに持って行くと前輪が浮いてしまって脱輪するから、錘を移動して、重心をホィール・ベースの 4/5 に持って行った。もちろん4つの車輪のうち、最もよく廻るもの2つを後ろに付けることにする。

 次に支給された車輪とクギを使わねばならないから、クギをよく研磨した。そのクギが通りそうなちょうど良い太さのパイプがあったので、タイヤの中心に差し込んだ。友人宅で旋盤を借りて作業したから、心は出ている。釘を挿して、歯磨き粉を入れて空回しした。少し黒い汁が出たところで研磨完了で、よく洗っておいた。
 車輪に自由度があればいろいろな工夫ができそうだが、それは許されていない。重い車輪にすると軸の摩擦が減るが、慣性モーメントが大きくなる。いろいろなことを考えねばならないだろう。

 次の土曜日の朝、子供たちにこれまでのことを話し、組んでミシン油を注した。
廊下で滑らせると素晴らしい走りであった。摩擦を減らすことは大切である。

 午後にボーイスカウトの集会に行って、エントリィした。車体は子供の描いたとおりのややクラシックなフォーミュラ・カァの形で、銀色に塗った。”No.1”と書いたものを貼っておいた。

 新人は順位の低いところから始まる。当初の試合では順当に勝ち進んだ。そのあたりではまともに走らない車ばかりだったので、こちらの性能には誰も気が付かなかったようだ。順当に勝ち進んでベスト8になると、皆よくできた車ばかりだ。

 最終の決勝では、1馬身以上の差をつけて優勝した。2位になった子供が悔しがって、再レースをすることになったが、やはり同じように差をつけて勝った。地区別の大会だったので、ご近所の人たちは大喜びで勝利を祝ってくれた。
 しかし、なぜ速いのかを質問する人はいなかったのが、不思議だった。翌日、大学で親しい物理の教授にその話をすると、非常に面白がって、筆者の戦術を褒めてくれた。
 翌週彼は、「コースの形をどのような形にすると、いちばん短時間でゴールに到着するようになるか」という問題を作って、学生にやらせていたようだ。


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2017年10月14日

home-made Set-Tru

How it works 筆者はこのSet-Truが欲しかったが、何年も買えない時期が続いた。仕方がないから作ってみようと、寸法を当たってみた。

 細いネジは、M4くらいの鋼製ネジを使えるだろう。やや太い貫通孔はかなり大変だが、あけられると思った。その場所もないわけではない。

 問題は左のフランジの突出部が小さく、移動ネジが当たる場所がほとんど無いことであった。ネジ移動を諦めれば、コンコン叩いて移動できるから、それで我慢することもできる。

 大真面目でその作業工程を考えていたことがあるが、結局改良工作はせずに、Set-Tru に移行した。たまたまe-Bay で新古品が安く出ていて、競争無しで2万円ほどで手に入ったのだ。しかもアメリカ製であった。運が良かったとしか言いようがない。

 現在新品は、安い店でも10万円ほど出さないと買えないようだ。しかもポーランド製だ。品質は悪くないと思うが、高過ぎる。

 コレット、万力(vise)、正直板等は良いものが欲しい。昔のアメリカ製の新古品をいつも探している。

pine wood 2pine wood 3pine wood ところで、ブラスの材料置き場の敷き板として、こんな物を使っていたのを見つけた。
 30年ぶりに発掘されたのだ。さてこれは何であろうか。鉄道とは関係がないが、アメリカで少年期を送った方ならだれでも知っているだろう。ボーイスカウトに子供たちが誘われたときに、これを渡されて、親も手伝って参加せよと言われたのだ。 汚れはご容赦願いたい。
 いくつかお答を戴いているが、正答の発表は、しばらくお待ち願う。

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2017年10月12日

truing 3-jaw chuck

 以前にも書いたが、何人かの方から詳しく説明してほしい、という要望があった。この方法は町工場では広く行われている方法であり、難しいことではないが、旋盤の教科書ではまず見ない。

 条件としては、スピンドルがフランジを持つことである。要するに三爪チャックがそのフランジを覆うように嵌まり、ネジを主軸台側から締めるタイプであることだ。まず三爪チャックで各サイズの丸棒をつかみ、廻して振れを測定する。たとえば 0.5 mm振れていれば、チャックをある方向に 0.5 mm動かせばよい。

 三爪チャックがバックプレートを介して付けられているときは、手間はかかるが、細工は簡単だ。バックプレートのネジ穴を大きくする。
 振れを無くする方向にヤスリで削ってしまえばよい。沈め穴があるときはフライスで削る。なければドレメルでも削れるだろう。一回で成功することは難しいので、二、三回やってみて、具合を見る。バックプレートに段があるときは、下記の方法をおすすめする。小型旋盤にはこのバックプレートは無い場合が多い。

adjusting center バックプレート無しの場合は、スピンドル・フランジの外周を 0.5 mm削る。もちろん面取りを施す。チャックが、ごそごそと 1mm ほど動くだろう。その遊びの中で振れを吸収する。フランジの、ネジが通る穴をヤスリで少し大きくする。チャックをネジで軽く仮締めし、丸棒をくわえて廻す。振れが少なくなる方向に、チャックをプラスティック・ハンマで叩いてずらす。何度も測定して、誤差をゼロに持って行く。そこでネジを本締めしてできあがりだ。
 慣れると、この工程は2分でできるようになり、四爪に勝るとも劣らない精度を出せる。コレットを持たない人には具合が良い方法だと思う。

 この工程を心押し台方向からできるようにしたのが、Set-Tru chuckである。最小の5インチを手に入れたので、出来の悪い四爪は廃棄した。使うたびに腹の立つ思いをしていたので、ストレスが無くなった。現在新品を買おうと思うと、とんでもない価格である。程度の良い中古を探すべきだ。そうするとアメリカ製が買えるかもしれない。

 心を出すことを英語で truing という。 

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2017年10月10日

転車台のドライヴ

Drive Wheel 少しずつ進んでいる。駆動用にスイス製のエスキャップのギヤード・モータを使う。いつ手に入れたのか正確には思い出せないが、アメリカのセールスマンに押し付けられたものだ。しばらく使いみちがなかったが、最適な用途が見つかった。

 出力軸でゴムタイヤ駆動する 。そこに使うタイヤは、良いものが見つからなかった。ラジコン屋で買って、油に浸けておくと、ことごとく劣化する。半分諦めていたところだったが、車のエンジンオイルを替えているときに、Oリングを見て閃いた。

 オイルフィルタの固定に、耐油ゴムの太いものを使っていた。これを嵌めれば、耐久性は抜群だ。ブラスの丸棒を旋盤で挽いて、ちょうど嵌まるものを作った。留めネジを二つ付けてできあがりだ。低回転だからバランスもとらなくてよい。回転速度もほどほどである。

 駆動時のみ押し付けられ、普段は浮いているから、歪まない。いつも押付けられていると、ゴムは変形してしまうから、変な振動が出る。
 この押付けのメカニズムは、現在製作中である。長年の使用でもへたらない構造である。接点は一つもないというところがミソである。おそらく世界で初めての方法だろう。
 このメカニズムの基盤は自宅のフライス盤でできる最大のサイズで、無理をしないように工夫して作っている。

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2017年10月08日

pizzacutter

 4日のクイズの答は、表題のような形をした、炭素棒ハンダ付けの回転電極である。長いシルとかヘッダを連続して付けることができる。実に調子が良い。コン氏に材料を作って戴いた。あとは自作である。 コメントは本日公開した。コメント以外にもたくさんの方からメイルを戴いた。

 不思議なのは、皆さんは現物をご覧になったことがない筈なのに、正解を出されたことだ。黒いものはグラファイト(炭素)で、電線が付いているから、推理によって答を出されたのだろう。お見事である。

 グラファイト円盤は今野氏に作って戴いたのだ。大きさは直径80 mm程である。軸穴は Φ10でお願いした。Tavata氏のコメントにあったように、中心部に電流が集中するので、電流が分散するように径を大きくしている。
 軸は旋盤で挽いたΦ9.2のブラスで、0.8 mmの隙間に0.4 mm厚のブラス板を丸く曲げたものを圧入して、接触を確保している。ただ廻っているだけでは、ここが熱くなってしまう。軸にはフランジが付いていて、ネジで締めてあるから、接触面積は十分だ。

 先々回の写真の緑の線は仮のものである。現在はもっと太いテフロン線で接続してあるから、耐熱性は十分だ。製作中の客車のシルとヘッダをハンダ付けする時に用いる。
 ハンダメッキしておいて一端を曲げて引っ掛け、引張りながらゴロゴロと押すと、秒速 10 cm弱でハンダ付けが完了する。隙間が全くない完璧なハンダ付けである。動画を撮る必要がありそうだ。


 連絡:yardbird様、連絡したいことがあります。コメントを通じて連絡ください。

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2017年09月28日

poling

 アメリカの蒸気機関車のパイロットとテンダ後部の連結器梁には、必ず付いている凹みが poling pocket である。Big Boyにさえも付いている。この凹みの中心線は外向きであるのだが、魚梁瀬森林鉄道のシェイのポケットはどういうわけか上を向いている。 輸入したものの、部品を組み付けるときに意味を計りかねて、上向きに付けたのだろうと推測する。当時の日本では、ポーリングを誰もやっていなかったのだろうし、その後もやっていたという話は聞かない。

 その凹みに木製の棒を当て、相手の貨車の端梁のポケットに合わせる。そうしてそおっと押せば貨車は動き出す。棒は、力が掛からなくなれば落下する。田舎の側線ならそれで全く問題ないが、大規模なヤードでは、落下した丸棒が事故の元になるだろう。

S5_Poling_Car_No_data 落ちなければ問題ないわけだから、専用貨車の側面に関節を作って一端を付け、重心を小さなクレーン等で支えたものが現れた。それがpoling carである。この専用車を用いて、poling はより安全にはなった。この写真は L&N 鉄道のものであるそうだ。紐で棒を吊っている。この写真はMRの掲示板から借用している。

 しかし、1970年頃に何かの法律ができたらしく、大手の鉄道会社ではポーリングは廃止されたようだ。筆者の持っていた Indiana Harbor Belt の 0-8-0 のテンダにはこのpoling poleが専用のホルダに掛けてあった。

 Pennsylvania州のEast Broad Topというナロゥの保存鉄道では、このポーリングをやっていた。実際に筆者の目の前でやったのを見た。棒を手で抱えたまま推進したから、棒は落ちない。2002年頃の話である。商業鉄道では禁止されているのだろうが、観光鉄道にはその法律は及ばないのだろう。

 筆者は、この poling car を用いて、さらにもう一つ向こう側の線の貨車を動かす話を聞いたし、何かの文献でその図も見た。そのことを紹介する記事を、さるサイトに書いておいたのだが、文献が見つからないから誤りであると、削除されてしまった。否定の証明ほど難しいものは無いのだが、ご理解戴けなかった。今回、デニスに話を聞いてみた。
「その写真を見たことはないが、当然やっているだろう。出来ることはやらないわけがない。しかし危険な作業だから、やったとは言えないだろうな。」ということであった。読者の中でそのような文章、写真、図などをご覧になった方はお知らせ願いたい。

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2017年09月26日

続 switching

switching 3switching 4 側線の長さと分岐の位置は決まっているので、機関車を動かせる範囲には限りがある。入替用機関車をうまく動かして、連結部をアンカプラの位置に持って行き、DU(delayed uncoupling)させ、所定の位置まで押していく。車輛には一切手を触れない。 
 
switching 1 日本でDUを実行している人が一体何人いるのか、興味がある。週に1回でも良いから実行している方はコメント欄を通じてお知らせ願いたい。公表を望まない方は、その旨お知らせ願えれば、そうさせて戴く。

 DUを実行するにはヤードが平面でなければならない。Low-D で摩擦が少ないと僅かの斜面でも動いてしまうから、難しい。デニスは面白い方法を採っている。軸受にグリスを少し多めに入れている。その撹拌抵抗が、DUを助けている。長い編成ではないのでこれは賢明な選択である。
 その昔、KadeeのNゲージのカブースは軸受に弱いコイルバネを入れて抵抗を大きくしていた。それもDUの作動を助けるためだ。今でもやっているか、分からない。 

 機関車の前頭部の連結器も完全に作動しなければならない。Dennisはそこを熱心に直していた。三日も掛かったが、完全な作動を可能にした。
 前頭部にも貨車を付けて、貨車に挟まれる形にして、入替をする。日本ではまず見なかったが、非常に合理的な方法である。ポーリングをするともっと具合が良いが、模型では、なかなか難しそうだ。この動画では隣の側線の車輛を動かしている。


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2017年08月04日

荷物車の中

 荷物車は窓がほとんどないので、中に色々な工夫を詰め込める。
 
 5輌のうち2輌は、大きめのショック・アブソーバをつけるつもりだ。ラジコン用の部品を、リンク機構で前後を一つで受け持つ。

 荷物車には貫通幌がないので、連結面が当たる寸前まで縮んでも大丈夫だ。トラベルは各 5mm程度にしないとみっともないので、2輌の4箇所に付ければ、総トラベルは20 mmになる。

 普段は所定の位置まで延びていて、急停車時には縮む。20 mmでも、力積はうんと小さくなるから、連結面の座屈は起こりにくい筈だ。連結器のピンも壊れないだろう。
 
 アメリカ人の組んだ客車には台車抜きで2 kgもあるものがある。中に補強のつもりで、3/8インチ(9.5 mm)の角材が2本も入れてある。床面は平角棒で固定してある。重いわけだ。ボールベアリングを付けたら、凄まじい転がりを示すが、急停車時の事故が怖い。これが脱線転覆すると、周りに甚大な被害が及ぶ。
 スケールスピードでの運転をするが、信号をよく見て、事故が起こらぬよう十分に注意をする。

 7月下旬から、アメリカに来ている。今回はLAXから入国して、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス方面に行く予定だ。本業の取材を兼ねて来ている。
 しばらく休載する。



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2017年07月29日

続 転車台 

indexing インデックスの部分は、この部分だけは作ってある。例によって荒っぽい作りだが、機能のみを考えればこれでよいのだ。
 廃金属回収屋で入手した砲金のブロックと角棒である。これだけで1 kg弱ある。角棒はペンキが塗ってあったので、ブレーキフルードで剥がし、打痕を削り落とした。フライス盤に銜えて溝を掘り、ボールベアリングが嵌まるようにした。

 剛性がなければならないので、大きな材料を用いている。まともに買ったら高いはずだ。

 ボールベアリングをネジで留めるのは正しいやり方ではない。心が出ないからだ。タップというものには、ネジ溝が一つしかないから、均等に切れて行く筈がない。どうしても、フレが出る。
 本当はピンを植えるべきだが、あえてネジにした。一つしか作らないので、現物合わせで中心をずらせば良いのだ。厚肉パイプをフライスで削って、偏心スリーブを作る。それを嵌めて少しずつ回し、ちょうど良いところで接着する。簡単である。角棒の出入りは正確に直角でなくても良いので、気楽なものだ。

 この角棒が滑らかに出入りすれば良いので、この工作はできあがりだ。問題は先端だが、見通しが付いた。
 外径1/8インチの鋼のロッドがないので、アメリカで探さねばならない。日本ではインチ材が本当に手に入りにくい。削り出せば良いと言っても、ドリルロッドには敵わない。

 

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2017年07月01日

続々々 3軸台車

 出来上がった3軸台車を床に取り付ける。コピー機をばらしたときに出て来た、幅の広いゴムベルトを保存していた。耐熱ゴムで、幅 220 mm、厚さ1 mmである。
 とても滑りが良いので、キングピンの座金として使う。音が非常に良くなる。今まで、カツカツと頭の芯に響く音だったが、コトコトという音になる。斜面を滑走させると、快適な走行音であった。中央軸がバネ一枚で支えられているのは少々荒っぽいが、実に調子が良い。簡単に作るということを、最優先にした結果だ。
 タダ同然で手に入れたプルマン展望車が、更新された。車輪とボールベアリングの価格の方が、はるかに高い。

cotter pin 3軸台車のキングピンの留め方は、もう一つある。それは台車ボルスタの穴をバカ孔にして、キングピンを上から挿す。キングピンの先端には軸に垂直に孔が開いていて、そこに割りピンを挿すのだ。アメリカ製の模型はそういうタイプが多かったが、日本製ではまず見ない。割ピンは台車の重量を支えれば良いだけだから、針金でも良い。実に簡単である。この車輌を改修する時にうっかり写真を撮り忘れてしまった。部品は外す時に、くにゃくにゃになったので、捨ててしまったのだ。
 今回は上向きボルトで、ダブルナットである。さらに接着剤を付けて弛み止めとした。

 今回の工作は試作である。調子を見て設計変更があるもしれない。この工作を、あと10輌分せねばならない。客車ボディは完成しているので、やらないわけにはいかないのだ。 

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2017年06月29日

続々 3軸台車

Equalized + sprungequalizing 前後軸を、ひっかかりなくイコライズするというのは意外と難しい。今まで、ほとんどのアメリカ人は何も考えずに組んでしまったのだろうが、この写真をご覧戴くと問題点がお分かりだろう。

 支点(赤矢印)が荷重の掛かる部分のかなり内側にある。これではまずい。すなわち、軸には回転力以外に、コジる力が掛かっている。摩擦を最小限にする工夫が必要だ。橙色の部品には厚板を貼り合わせて、段付きネジの円筒部と同じ長さの摺動回転部を作った。こうすればコジる力が働いても、平気である。

making equalizerequalizer + pin この軸は長めの段付きネジだが、相手と良く擦り合わせて、ガタが全くないように作り、モリブデン・グリスを少量塗っておく。厚板にはリーマを通し、油目ヤスリで調整した。潤滑脂を付けてぬるりと入るよう (snug fit)  にする必要がある。 この手の工作は得意である。

 本来は台車は2点支持にすべきだが、段付きネジの数を節約するために3点支持にした。要するに、片方はハンダ付けするのだ。捻られる角度が小さいので、全く問題ない。

spring releasedspring depressed 組んで見て、3点支持が機能することを確かめる。中間軸は、いわゆるキャノン・ボックスで、末端に内径 2 mm、外径 5 mmのボール・ベアリングを入れている。左はひっくり返してバネが伸び切った状態で、右は押え込んだ状態である。この位置あたりでリミッタで制限する。この台車は上の写真とは別の部品を使っている。

spring loaded 薄いリン青銅板を曲げてハンダ付けし、200 gを支えていることを確認する。全体を組んだら、荷重を掛け、ポイントのフログの上を通して音を聞く。3軸とも同じ音がすればよい。曲げた1枚の板バネだからふにゃふにゃで、中間軸は左右に振れてショートすることもありそうだが、意外にそれはない。レイルの上を走っているので、左右に振れることがないのだ。あるとしたら、それは脱線時だから、問題外である。

 完成した台車は、薄いゴム板を介して車体に取り付けると、非常に良い音が出るようになる。 

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2017年06月23日

果報は寝て待て?!

 度重なる目の手術で、相当に参っている。内部の問題(白内障、緑内障)は全くなく、外部の問題なのだが、余分なもの(翼状片)が表面に出来て、それを切除している。瞳に掛かる前に取らないと、大変なことになる。今回もきわどいところだったようで、「来るのが遅い」と言われてしまった。それが成長すると、目のレンズが多少影響を受けて、歪むらしい。乱視が出てきたのはそのせいだという。
 今回も単に取り除くだけだろうと気楽に行ったら、根本的な原因を解決しないと再発が収まらない、というわけで長時間の手術となった。かなり深く切ってレーザで焼き切る。欠損部分(defect) を埋めるために、よその影響のなさそうな部分から切り取って来た組織を移植するということをしたようだ。手術室には、 新しいZEISSの手術用顕微鏡が装備されていた。
「前の器械はどうされたのですか。」と聞くと「捨てたよ。」とおっしゃる。「それ、欲しかったな。」と言うと、大笑いだ。あれがあれば、罫書き線に沿って切るのは訳ないし、様々な局面で役に立ったろう。

 鎮痛剤は3回分しか出ず、その後の痛みはかなりひどかった。3日間全く動けず寝ていた。好きなメンデルスゾーンの歌曲を100回ほど聞いた。目を瞑っていると、頭の中で 3D の設計図が出てくる。ターンテイブルの機構部分で悩んでいたが、3日も考えると、非常に良い案ができた。片眼でスケッチを描いて保存した。
 頭の中では、裏側からも簡単に見ることができ、下手に現物を見るよりも発想が豊かになることに気が付いた。この方法を、今後活用したい。


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2017年05月14日

続 GP20's 

extending damaged areabrass fixing この手の補修は得意で、このような方法を採る。
 t1.5 のブラスの平角棒をフライスに取り付け、幅の半分を1 mm落とす。段を付けたブラスの棒をクランプで挟んで表面を面一(ツライチ)にし、フラックスを浸み込ませてハンダをコテで等間隔に盛る。あとはガスバーナで焙って浸み込ませると完全に付く。それをベルトサンダで注意して削っていく。

GP20's やり過ぎるとまた同じことになるので、+0.3 mm 程度で止めて、あとは大きなヤスリで少しずつ削る。最終的に、定盤の上に置いたサンドペーパで平面を出す。定盤は作業後、よく清掃しておかないと、傷がついて泣きを見る。出来上がると大したもので、失敗作とは思えない。この写真では中心部に隙間が見えているが、ネジを締めれば密着する。

 ブラス工作はこのようなことが簡単にできるというところが非常に優れている。部分的に切り外して、別の板を嵌め込み、ハンダで埋めてごまかすことも容易だ。これがダイキャストだったり、プラスティックではそうはいかない。
 アメリカの友人の失敗作をよく修理して上げたことがある。彼らは非常に驚き、
”これをビジネスにすると良い。”と言ってくれたが、そういう仕事ばかりやるとかなり疲れるだろうと思った。久し振りにやるとなかなか快感である。

 また、最近の韓国製のような薄い板の製品は勘弁してほしい。厚板でないと修理が完璧には行えない。これは40ミルであるが、以前は50ミル(1.27 mm)もあった。快削ブラスであって、フライスで調子よく削れる。

 筆者はこの種の機関車を2台ずつ持っている。70年代によく見た8重連、10重連を再現するためである。動力はそれぞれ片方に入れるだけで十分である。


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2017年05月12日

GP20’s

GP20 2 1960年頃のディーゼル 電気機関車である。 ターボチャージで2000馬力になったばかりの、当時の新鋭機であった。EMDの既製品にUPが独自にタービンを搭載して実験したので”Omaha”と呼ばれていた。
 1970年代には既に老朽化して入替用に使われているものもあった。二台一組での運用が多かったように記憶する。Kemtron が模型化していたので、それを入手するチャンスを探っていた。

 ebayで一つ入手したのとほぼ同時にアメリカのショウでもう一台入手した。前者は150ドル程度、後者は100ドル程度であった。安くて良いのだが、後者には安い理由があった。エンジン側のフッドがおかしい。後端で4mm程度低くなっている。これでは安いわけだ。

GP20 1 組んだ人はフッドの下端の不揃いをベルトサンダで落としたのだろう。ベルトサンダの削り速度は非常に速い。うっかりよそ見をしたか、人と話しながらやってしまったのだろう。あっという間に削りすぎて、後ろに傾いた。ショートフッドが浮いたのでハンダ付けをずらしてゴマ化した。それでもキャブが当たるので削ってしまった。というのが想像できる顛末である。
 このケムトロンのキットは1.01 mm(40ミル)のブラス板に深くエッチングしてあり、とても堅く重い。筆者の好きなキットである。ハンダ付けは細いガスバーナで行うと全面ハンダ付けができる。写真はキャブ下に2 mmの角線を貼り付けた状態である。これを削って修整する。

 さて、買ったキットをホテルの部屋でばらし、動力機構をごっそり外して、次の日に売ったら80ドルで売れた。つまり、車体を20ドルほどで手に入れたことになる。先に買った方も同様に売却した。筆者はこのような形で、上廻りを廉価で入手している場合が大半である。車体は、現物が目の前にあった時代なので、それほど大きな間違いはない。


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2017年04月28日

集電ブラシ

 今野氏のブログでしばらく前に話題になった件である。

 ブラシをどう作るかである。接触させる部分の構造を、皆さんあまり考えていないように思う。コメントに少し書いたのだが、本論に入る前に、打ち切られたのでその続きを書くことにする。

leading and trailing ブラシの接触圧は回転方向で力の掛かり方が変化する。これもリーディングとトレーリングの考え方である。バイクに乗っていた人はこの言葉をすぐ理解するだろう。要するに、押すか、引きずるかである。左の図は二軸貨車のブレーキを模式的に描いたものである。
 回転方向によって、ブレーキ・シュウが食い込むか、それとも逃げて行くか、という差が出る。シュウをぶら下げている支点がどこにあるかで、加えた力で生じる摩擦力が変化する。深く考えると、シュウのどの部分を押すかによっても変わってくる。

leading & trailing 丸いものは考えにくいので、円周の中心を無限遠に持って行くと平面になる。掃除をするとき、モップを押す(1)のと、引く(2)のとでは力の掛かり方が数倍違うことがある。支点を下げて床と平行にすれば、押し引きでも全く変わらない。つまり、円周で言えば、支点を接線上に置く(3)ことである。様々な模型を見るが、そこに気を付けている模型はまず見ない。これを守らないと、前進は良いが、後退時にガリガリ音がすることがある(その逆もある)。

 大きな模型では集電ブラシを板で作り、その先にニッケルを貼る。接触点を増やすために先端を櫛状にする。この櫛状にする方法はEscapのコアレスモータに使われている。ニッケルがなぜよいかは決定的な答はないが、適度に硬いこと、融点がかなり高いことと、酸化被膜に多少の通電性があり、それが取れ易いことだろう。この知見はアメリカやヨーロッパ製の製品から来たものと思われる。
 筆者の父親は、「当然だ」と言っていた。何が当然だったのか聞いておくべきであったが、もう遅い。少なくともステンレスの酸化被膜は硬く取れにくい。
 最近は銀合金が使われるようだ。 

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2017年04月20日

床板取り付けジグ

床フランジ取り付けジグ お答がbrass_solder氏からだけだったのは、寂しい。写真の撮り方が悪かったのかもしれない。 

 タイトルを何と書いたら良いか、しばらく悩んだ。床板を取り付けるL字型の部品(アングル)を所定の高さに側板の内側に付けるジグである。床板そのものを取り付けるジグではない。
special clipsspcial clips2 厚い板を、屋根と側板を組んだ状態で載せ、アングルをバネで挟んで嵌める。アングルはバネの圧力で留まっているだけで、自由に動く。ここが筆者の工夫である。Oスケールは車体が大きいので、剛性が相対的に少ない。アングルを側板に密着させるのはなかなか難しい。洗濯バサミで締めると、側板が軽く曲がって密着する。洗濯バサミの先には、アングルをまたぐような加工がしてある。
working with jig 大きなハンダごてを当てれば、ハンダが浸み込む。こういう工作はハンダごてが 適する。見掛けは問題外なので、ハンダを100%流す。完成するととても堅い車体ができる。
 作業が進むにつれてこのハンダ付けジグをずらして、全長に亘って取り付ける。アングル高さはネジで自由に決められる。

 筆者はこの作業が好きである。頭を使わなくても、時間が経てばたくさん出来ているという感覚が良い。職人になった気分だ。アマチュアといえども、時間は貴重だ。
 ブラス製の不等長アングルは、足立健一氏に大量に作ってもらった。こういうものはたくさん持っていれば、作りながら在庫を数えなくてもよい。

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2017年04月18日

Jig

the jig このジグは何だろう。クラフツマンならすぐわかるはずだ。そうでない人はそれなりに?
 しばらく使っていなかったが、最近必要になったので引出しの奥から出した。一度踏んづけて壊したので、片方は作り直している。寸法を測らずに作ったので、ネジ孔の位置が少し違う。
  短いほうの板の裏には硬いリン青銅の板が張ってある。弾力で何かを挟むのだ。

 かなり前に、祖父江氏のところで見たものを自分なりに改良したものだ。祖父江氏は、相当頑丈なものを使って、ワークに嵌め込んでいた。これは上から載せるだけである。
 

115_5415 この台車の枕梁が行くえ不明なので、 t0.3 のリン青銅板を細く切って作った。台車枠が捻れるようにしたのだが、まだ硬い。t0.25でもよかっただろう。t0.2では薄過ぎた。
 この台車はカブース用である。リーフ・スプリングがほとんど飛び出していない台車のバネを切り捨て、長いロストワックス鋳物をハンダ付けした。内側は見えないので、半分に切って節約した。これくらい飛び出していると気持ちが良い。 
 カブースは韓国製で必要以上に重かった。K氏のところから戴いたものなのだが、元の所有者が余計な改造をしようと思ったものの、点対称に間違えていたりして、収拾が付かない物であった。購入者のK氏もギヴアップしたものらしい。
 思い切っておかしなところはすべて切り外して捨て、作り直した。とにかく重い車輌である。740gもあるので、ボールベアリングを入れざるを得ない。重いから、グリースの抵抗など問題にならない。よく走る。 

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2017年04月16日

motor bracket

 先日の写真で質問があった。モータ・ブラケットが意外と薄いのではないかというものである。確かに薄い。チェーンの張力などは知れているが、軽衝突の衝撃で曲がりそうに見えるかもしれないが、実は工夫がある。材料は t1.25 のブラス板である。本当は t3 を使いたいところだが、曲げるのに苦労する。専用の曲げる道具を持っているのだが、1つ2つを作るのに、引っ張り出してセッティングをするのが面倒だった。 

motor bracketmotor bracket2 t1.25 にV溝を掘って曲げてから、金鋸で切り目を入れて小さなブラス片を押し込み、ガスバーナであぶってハンダ付けする。それだけである。もちろんはみ出したところは削り取る。この方法が簡便にして丈夫である。
 見かけを気にする必要がないところだから、ジャンク箱から取り出した、汚い板である。工場で作るのなら、工程数が少ない厚板曲げが正解であろうが、アマチュアならこれでよい。あっという間にできる。

solderingchassis この種のちょっとした補強は効果的である。補強の種類がやや異なるが、祖父江氏の60年代の製品の床板にはこういう加工がしてある。
 長いものを一気にプレスで抜くのが大変なので、三つの部品に分けている。それを継ぐのに、重ね継ぎをしている。折り曲げているので加工硬化しているから強い。長いものを加工するのが面倒な場合に、使える技法である。それにしてもこのハンダ付けのテクニックは見事である。t1.5の板を組むのに、大きな焼きゴテでさっと流してある。 

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2017年04月10日

続 radio controlled engine

 柔らかいプラスティックのシェルに重い下廻りをどうやって付けるかは、大いに悩むところだ。

 中に完全に密着するかご状の直方体を入れて接着すれば、ネジを締めても良いかもしれない。しかし、強く締めれば壊れるだろう。締めないと、ネジが脱落する可能性がある。
 これを解決するためには、中のメネジを下廻りの床面と密着させねばならない。そうするとメネジを立てたブロックはどうやって留めるのだろう。この答がなかなか見つからなかった。

 ボディ・シェルの床板部分の厚さが1.6 mmであった。1/16インチだ。その部分に引っ掛かるようにブラスの角棒をフライスで加工した。それを接着すればよい。ただ、下廻りの床板の穴と一致しなければならない。後で加工すると熱と力で壊れる。事前に孔を開けたい。

Fixing body shell これを解決する方法を思いつくのにかなり時間が掛かった。図のオレンジ部分には2 mmのネジ穴がある。ブラス製床板にはネジが通る穴があけてある。 
 
 長いネジを作った。2 mmの丸棒をダイスに通し、長さ60 mmほどのネジを作ったのだ。それを差しておいて、接着剤を塗ったブラスの角棒を床板の裏から引き上げた。片方抜いてネジを締め、もう片方も抜いて締める。こうして半日待てば、メネジを立てたブラスの角棒は所定の位置に接着される。
 
 ネジを思い切り締めても、壊れることはない。金属同士が密着している。はみ出した接着剤で床板がくっつかないよう、薄く油を塗っておいた。もちろん後でよく洗った。
 スーパーXの接着力は素晴らしい。この方法は堅固でありながら、工作が簡単で確実である。

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2017年03月27日

懸架装置

spring 板バネはすぐに用意できたが、バネ鞍その他の部品を作らねばならない。バネ鞍は扁平角パイプを見つけたので、それを輪切りにしたのち、一部を欠き取ってわずかに開き、無理矢理にフレイムにかぶせた。押出し材であるからとても硬くて都合が良い。細い孔をあけて、下から釘を差し、上で軽くハンダ付けする。その時、バネを巻くバンドも同時にくっつける。上の方は見えないので実にいい加減だ。機能すればよいので、外見には拘らない。

highspeed drillpress 板バネの先にはカマボコ型の部品をハンダ付けし、それに巻き付かせるバンドを作った。これらの部品は精度がないと不揃いが目立つので、全て機械加工で作った。細い薄板に小さな穴を開ける必要があり、高速ボール盤を使った。普通のボール盤では食い込んで滅茶苦茶になる。
 銘柄はSEIKOSHAの"Micro Star"である。ずいぶん前に買ったものだ。1万2千回転出るので具合が良い。高校生のころ、細いドリルを普通の電気ドリルに付けて孔をあけていたが、よく折った。それを見て、父が、
「無駄な努力だな。高速ドリルを使わないと駄目だよ。切削速度には最適域があるんだ。」
と言った。それで、中古の良品を買った。全体の上下が、カラムのボールねじ風の大きな握りを廻してできるのが気に入っている。ステンレスでも超硬のドリルで一発でOKだ。もちろん、切削油はステンレス用のものを選ぶ。ふつうのドリルビットではすぐダメになる。

 作ったバネ関係の部品をフレイムに取り付けるには長いリンクを介している。イコライザがないので、本当はこんなリンクは要らないのだが、フレイムの下の方に孔があいているので仕方がない。
 作った台枠に、軸重470 gw になるように錘を取り付け、走らせてみたところ、フログでドスドスという音をさせて通過した。合格である。ストロークは、0.7 mm程度である。軸距離が短いので、十分なのである。錘は鉛で鋳造した。鋳型は10 mm厚のバルサである。
 バルサは軟らかく弾力があるので、クランプで締めて、台の木に釘で打つと漏れない。 また、熱にも強く、焦げても強い臭いがないのが良い。

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2017年03月25日

ステンレスのハンダ付け

 ステンレスの車体をハンダ付けするのは簡単である。コツとしては塩酸を多少含むフラックスを使うことだけである。塩化亜鉛だけではぬれが悪い。表面の酸化被膜が堅いのである。塩化亜鉛だけの時は、接合面をヤスって新しい面を出す必要がある。
 小さなコテでも熱が逃げないので楽に付けられる。しかも素手で持っていても熱くない。いつもは熱絶縁を考えて木片等で押さえていたが、今回はそのまま手で握って付けた。バケツに水を張ってその上で付け、終わったら即、水に漬けて冷やす。こうすれば火傷もせず、効率的である。

BlogPaint 車体に部品をイモ付けするのは簡単である。ブラス車体の時は穴を開けて部品を差し、裏から大きな鏝で留めるのがふつうであった。ステンレス車体の場合は、表面から細い55Wの鏝を添わせるだけで、完全にハンダが廻る。エアタンクの台座(t1.5ブラス板をフライスで加工)を屋根に付ける時にその方法を採ったが、実に簡単で驚いた。炭素棒の出番は、ほとんどなかった。この写真は、余分のハンダを削る前の状態である。 

 手違いで一部の部品が足らなくなった。10台分を作って配分したのだが、自分の分の妻板が無い。仲間に一人ずつ電話して問い合わせるより、作った方が早いと判断して、洋白板で作った。その時、手間を省くために、ヘッドライト穴を無くした。その結果、ヘッドライトは外に設置することになった。
 ステンレスは洋白よりも一桁以上硬いので、ステンレスの窓枠を付けておいて、それをガイドにヤスリで窓を仕上げた。実に簡単で、これは技法として使えると思った。

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2017年02月07日

続々 Lobaughの台車

Lobaugh bolster2Lobaugh bolster ロボゥのボルスタはこんな格好をしている。1 mmほどの薄い板である。ブラスの板をプレスで押し曲げて、加工硬化させている。日本の鉄道模型はどうしてこれを真似しなかったのだろう。薄い板でも剛性があり、へたらない。台車枠には2-56のネジ(2.1mm)が切ってあり、段付きワッシャをかませて締める。筆者としてはこの段付きワッシャにネジを通して締めるのは気に食わない。1本のネジで2つのものを締めることになるからだ。ネジは1本で一つを締めるというのが常識である。ばらす時、パラリと部品が落ちる。韓国製の模型はもっとひどく、一つのネジで4つを締めているものがあった。
 やはり、段付きネジを使うのが筋だ。

 現代のボルスタ高さから、かなりずれているので、高さを調整した上でセンタピン孔をあけている。 場合によってはボルスタを上下逆にして、厚板を貼って使うこともある。この貨車はその方法を採用した。

 さて、前々回のクイズはいかがであろうか。かなり近い答を寄せられた方もあるが、まだ正解者はいない。その種の高速貨車は、蒸気暖房の配管を持っている場合が大半だが、これはそうではない。その理由も含めて次回発表とする。

糸鋸台 糸鋸台は仲間内では大変評判がよく、欲しがる人が多いので、材料を切ってキットの形にした。いつも手伝いに来て下さる方へのお土産だ。すぐ組み立てて持っていらっしゃるので、ベルトサンダで角を落とすと完成だ。
 博物館のオリジナル商品にすれば良いという意見も戴いている。

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2017年02月05日

続 Lobaughの台車

 ロボゥの台車は造形は良いのだが、如何せん古すぎる。しかし手を加えて黒く塗れば、遠くからなら何とか我慢できる。走行性能は素晴らしい。ボルスタがへたらない構造になっているので、台車枠が平行を保つのである。

UP caboosecaboose truck このUPカブースは1960年代に安達製作所で作られ、カツミが輸出したものだ。多少の間違いはあるが、それも愛嬌で、我慢している。作りがしっかりしていて、多少の衝突には十分耐える。台車込みで550 gもあるので、ボールベアリングを入れた。
 以前はベッテンドルフを付けていたが、この時代の台車はイコライザ付きであるから取り替えたかった。韓国製でその商品が出るまでは、ロボゥが唯一の製品であった。それがこれである。 
 文鎮の縁を整形して、孔をあけ、余分をすべて糸鋸で抜く。端の細い部分も中身が詰まっていたので、三角を切り抜くと多少すっきりした。コイルバネも切り落とし、ヤスリを掛ける。そこに、細いコイルバネを接着する。そうすると、バネが効くように見えるらしい。
 友人に見せると、車体を下に押し付けながら、「オッ、バネが効いているね。」と言うから面白い。視覚というものは脳に強く働きかけるのだ。

 Barber Bettendorf caboose trucksこの台車は、カブース用のBarber Bettendorf swing motion truck である。本物は揺れ枕が付き、緩衝性のある板バネを持つ高級台車だ。そうでないとカブースの乗務員は車体が飛び跳ねて、どうにかなってしまうだろう。NYCのカブースに使う予定だ。これもボールベアリングを入れた。そのカブースが、これまた重いのだ。  


painting 前回の問題の、鉄道名は2つほど候補があるが、この写真をご覧になれば一つに絞られるだろう。左手前のプルマン・グリーンの貨車である。
 さていかがであろうか。



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2017年02月03日

Lobaugh の台車

 地下室の整理をしていると、昔買い溜めした様々な部品が出てくる。Lobaughの台車が10組ほど見つかった。当時はかなり高い買い物であったが、現在ではもうゴミの一歩手前である。
 何がいけないかというと、ロボゥの台車は砲金の砂鋳物で、現在の標準的細密度からはかなり遅れている。日本製の鋳物より、抜き勾配が緩く、文鎮のような感じである。

 抜き勾配というのは、砂型鋳物を作る際、砂型から型を抜きやすくするために、断面が台形になっていることを言う。英語では draft angle という。要するに「引き抜き角」だ。
 もちろん上が広く、下が狭い。すなわち、台車の表面より、裏側の面積がずっと大きいというわけである。これは許せない。ヤスリで垂直になるよう落としてしまうのだが、大変な手間である。ベルトサンダを使うと数秒で完了だ。 特に上のエッジは大切だ。下は見えないこともあるから、ごく適当である。

Allied Fullcusion trucks このAllied Full Cushion台車は長年探していて、数年前に見つけたものだ。手に取った瞬間、やる気が失せるほどひどいものであった。抜き勾配を削り、孔をあけ、糸鋸で三角の穴を切り抜く。凄まじい手間を掛けて、ここまで来た。元の文鎮のような鈍さが消えて、遠目には十分フルクッション台車に見える。 ピヴォット軸受を構成しようと思ったが、テーパ穴を作る工具の切れ味が悪くあきらめた。テフロン・コーティングの樹脂製スリーブも入れてみたが、それほど感心しなかった。残るはボールベアリングである。
 この貨車はかなり重く、460 gほどある。軸重100 gを越えるとボールベアリングの効果が目に見えるようになる。 早速、座繰りドリルで孔を拡げ、装着した。

 さて、この貨車はどこの鉄道に属するのであろうか。これがすぐわかった方は、かなりのアメリカ鉄道ファンである。昔、椙山満氏が、この貨車のことを話されたので、どうしても作りたかったのだ。 

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2017年02月01日

客車ヤードの延長

passenger car yard2passenger car yard 我が家の地下室倉庫の発掘調査もほぼ終わり、客貨車の在庫を把握できた。あと70輌くらいだという確証を得た。客車の数が意外と多かった。客車ヤードは今の長さではとても足らないので延長工事をしている。一本当たりの長さが増えれば、本数が少なくても、やって行けるとみた。

passenger car yard3 25 mm厚合板を切って作るのだが、また無駄になる部分が最小になるように切り方を工夫し、ほとんど捨てることが無いようにした。ただ、900 mm幅の板から、500 mm幅の曲線を切り出し、その残材を回収して有効利用するわけだから、幅300 mmがせいぜいだ。
 つまり、延長分は5線の途中で狭くなって3線になるが十分だろう。14輌、16輌編成1本ずつと20輌編成3本が入る。これ以上客車が増えないと有難い。
road bed support 路盤取り付けは、既に物がたくさん置いてあるので、熔接は避けたい。鉄骨を熔接したものを、タッピング・スクリュウで留める。
 下穴なしでもできるのだが、細い穴があけてあれば、すんなり入ってずれることもない。


 すじかい付きの梁を鉄工所で作って貰ったので、工事は簡単だ。ただ、レーザの水準器をお返ししてしまったあとなので、またもトランシットを持ってきて、覗いて水平を出した。上下方向、傾きを調べるので、大変な手間である。4人がかりの仕事であった。
 幸い、助っ人がいる時にお願いしたので、比較的短時間で取り付けることができた。レーザ水準器があれば、一人でもできただろう。


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2017年01月24日

続 ガセット・プレートを作る

gasett plates 正直なことを言えば、ガセット・プレートを作る方法が解決しなければ橋を作ることはできなかった。レイアウトの建設が始まった時、交差部はトンネルにするか、それとも橋にするか、ずいぶん悩んだ。
 いろいろな方法を考えていたが、最終的に残った方法がこの方法である。試作してうまくできたので、橋の設計に取り掛かった。製図はすべてnortherns484氏にお願いした。大変な作業をして戴いた。
 
rivet forming (9) ガセット・プレートのリヴェットは大きくて目立つが、車輛とは異なり、じっくり見るようなものではないのだ。一瞥してよくできているなと思わせることができれば、それで良いのである。 

 このガセットを作るのには、大変な手間が掛かる。紙の上から順次打つのであるが、時間が掛かる。大きさはいろいろあるが、4枚で1時間ほどだ。
 全部で100枚ほどあるので、この先、かなりの時間が掛かるだろう。

 毎朝、起きてすぐの時間帯に、朝日を浴びながらやる。目の疲れが無い時にやらないと、失敗する。

 金床の上で叩き伸ばしたガセット・プレートを、スーパーXで貼る。小さなクランプで押さえて固まるのを待つ。リヴェットの大きさは、まずまずであった。

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2017年01月22日

ガセット・プレートを作る

 ガセット・プレートをどのように作るかは、いくつかの案があった。リヴェットをどのように作るかが問題である。エッチングや特殊なデカルによる方法も考慮したが、いまひとつ写実感がない。 
 やはり、押出し工具でやることになったのだが、通常の方法では大変である。ブラス板に卦書いて、その交点を打たねばならない。罫書きの手間を想像するだけでも気が滅入る。
 
rivet forming (4)rivet forming (3) 手持ちのリヴェット打ち機に針が下から出るタイプのものがある。こういう時には便利だということで、各サイズのオスメス型を買ってあった。
  作図をお願いしたnortherns484氏に無理を言って、ガセットを原寸大で印刷してもらった。リヴェットの座標を正確に押さえるため、メス型ダイの直径と同じの2.6mm径で描いてもらった。

rivet forming (5)rivet forming (6)rivet forming (7) 薄いブラス板に両面テープで図面を貼り付け、雌型を丸の上に載せて、コンとハンマを落とす。次から次へとこの作業をこなしていくと、1枚できあがりだ。
 紙をめくってみると、そこそこにうまくできている。

rivet forming (8) 金床の上でゴムハンマでむらなく叩いて、反りをとる。鉄橋に接着剤で貼り付けてできあがりだ。 叩くと、裾野の盛り上がりが治まって、リヴェットの形が良くなる。


追記
 3枚目の写真をよく見て戴くと、〇がポンチと少しずれている。このずれが目でみて容易にわかるというのがこの方法の工夫点である。正しい位置にあると、前後左右に白いところが見えないのだ。コメントを戴いて、それを書き忘れたことに気付いた。
 金属板上の罫書きとは異なり、印刷された交点の面積はかなり大きく、思うようには座標は決まらない。
 

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2017年01月18日

続 作業台の高さ

 それを聞いて、「やはり、そうか」と思った。
 裏庭の物置を整理した時に、実家から引き揚げてきた風呂の椅子が出てきた。ほぞが緩んで壊れていた。 捨てようと投げたが、その瞬間ひらめいた。

 V-board ルータで切り込んで、V-boardを沈め、面一(つらいち)にする。裏も少し削って、握りの前の締め金具が当たらぬように逃げる。V-boardは、硬い樫の木を用いた。


V board 2 接着剤を十分塗って締め上げ、一日待つ。多少の不陸はベルトサンダで落とすと、平らな作業台ができる。ワークをクランプで締めることも可能だ。
 脚の裏にはゴム板を貼り、多少摩擦を大きくする。足の手前にはストッパを貼りつけ、作業台の縁に引っ掛ける。

V board 3 極めて単純な工作で、1時間で完成だ。筆者の体格で、普通の椅子に座り、ほど良い高さである。この種の椅子は最近はあまり見かけないが、わざわざ探すほどのことはない。スクラッチから作ったとしても、大した手間ではない。

 友人が来た時に試してもらったが、なかなか良いという評価だった。 お試しあれ。


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2017年01月16日

作業台の高さ

 三本ローラの写真をご覧になって、
「これは博物館の奥の、高くなっている線路路盤に付けてありますね。」
と、いうメイルを戴いた。
「高いと、見易くて良いですよね。」とある。
その通りなのである。

 万力がその場所にある。各種の切断はそこで行う。切粉が落ちるのはその下の隠しヤードへの路盤である。紙を敷いて受ける。

 糸鋸作業が高いところで行われると仕事が捗る、というのが筆者の認識である。視線が水平に近くなるので、直線が見易いのだ。以前は高さ750 mmの作業机に薬研台(英語ではV-boardという)を取り付けていた。結局のところはしゃがんでやることが多かった。

 自宅のレイアウト工作の時、1200 mmの路盤に万力をとりつけ、作業した。やや高い椅子に座って作業したのだが、なかなか具合が良い。
 普通の机(720〜750mm高)では何かを用いて高くすると良さそうだと思っていたところ、今野氏が興味深いことを教えてくれた。
「他の趣味界の人と話すと面白いですよ。金工をされる方で、全くの素人さんの様でしたが、糸鋸を使うとき、机の上に作業用の台として、箱を載せると言うのですよ・・・・・」

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2016年12月07日

椅子を作る

chair 客車が増えてきたので、車内を作らねばならない。プルマンのキットの座席はある程度あるが、コーチ(座席車)の椅子が足らない。
 プラスティック製のものもある程度はあるが、その数倍必要だ。

 材料箱を探していると、思わぬものが出てきた。30年以上前に買った木製の椅子材料だ。ルータで成形した長さ 30 cm 程度のもので、それを鋸で切れば金太郎飴のように椅子ができる。

chair 2 まず全体にラッカ・サーフェサを塗り、ザラザラを取る。それを薄刃の丸鋸で輪切りにする。この機械は有難い。大きな機械だと刃が厚いので、おがくずになって飛んでいく部分が多いが、これは0.5mmしかない。掃除機のホースを突っ込んでおけば、埃も出ない。ただ、刃の径が小さいので、裏表を切らねばならない。
 じゃんじゃん切り落として、たくさん作った。切り口がざらついているので、またサーフェサを浸み込ませなければならない。場合によってはサーフェサの液に漬け込むことも必要だろう。

 この製品を誰が作ったか全く不明だが、筆者の手持ちの刃を組み合わせて使うことでそれらしいものはできそうだ。手元にルータの刃は20種類くらいある。
 座席が必要な車輛はたくさんあるので、今後の課題である。

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2016年12月03日

続 Walthers の客車キット

magnet fastening この側板はブリキ板すなわちスズめっき鋼板である。磁石にくっつくので、小さなネオジム磁石を本体に取付け、鉄板を吸着させる。
 磁石は2.5mm径、2.5mm長のものを11個植え込んだ。接着は例によってスーパーXである。 パチッと小さな音がして完全に吸い付けられる。このままでもよいが、走行時に下にずれると面白くないので、床板に引っ掛かる、小さなLの字型の板バネをハンダ付けし、重さの大半をそれで受持つことにした。磁石は剥がれない方向に働いているだけである。

 こうすれば側板は着脱自由で、あとからでも内装を付けることができる。電装も簡単にできる。磁石は一つ20円くらいのものだ。もう少し大きなものを考えていたが、それでは吸着力が大き過ぎて、取るときにブリキの側板が曲がってしまう可能性が高い。

Walthers steps この模型のステップはブリキを曲げて、ハンダ付けしてある。昔はアメリカ人がこんな工作を内職でしていたのだ。ハンダの付け方は下手である。フラックスはちゃんと洗ってあり、錆びることはない。

 内装に必要な座席を作らねばならない。一部は用意してあるが、足らないだろう。

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2016年11月13日

続 隠しヤードを隠す

腰壁完成 多少色が濃い部分は1年以上前に作った部分だ。光に当たるとこの色になる。
 今回腰壁を作った部分は階段の横で、少々窮屈なところだ。当初の設計開始時に、この部分の通路をどうするかで、図面を描きながらかなり長時間討論した。northerns484氏には大変お世話になった。すでにある2800、2900 mmRの路盤を使い、通路幅を確保するのは困難な作業であった。車椅子が通る幅を考えると、不可能とも思えた。

 車椅子は行き止まりにせざるを得ないかとも思ったが、3次元で考えると、1200 mmという高さは車椅子の人の肩の高さより高い。ということは、頭を少し傾ければ通過できることが分かったのだ。体格によっては頭を傾ける必要もない。そのためには、テーブルトップの裏側には、極力何も出ていないほうが良い。オーヴァハングになるので支えが要るが、細い鋼製の角パイプを突き出させ、それで支えた。角は最大限に削り、丸くした。たとえ頭をぶつけても痛くないようにした。健常者は、普通の体格の人ならそのまま歩ける。体格の良い方は、カニ歩きすれば問題ないだろうが、そういう人は今のところない。

wheel chair clearance この写真は最近のものである。 この程度の余裕でしかないが、通過できる。合板の先が一部直線になっているのは、木取り上致し方なかったのだが、結果として良い方向に働いた。もう少し削っても良いかもしれない。いずれプラスティック板で保護される。
 
 この車椅子は伊藤剛氏による改良品で、ブレーキがレヴァをどちらに倒しても効く、優れものである。リンク機構は剛氏のお得意であった。 

 腰壁が完成したので、隠しヤードは文字通り隠され、観客からは全く見えなくなった。線路の載ったテーブルトップは、極めて剛性が高く、体重を掛けても撓まない。 

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