ちょっとした工夫

2020年07月08日

古い車輪を再利用する

 3線式の時代の車輪はかなり捨てたが、まだいくつかある。厚みがあるのでこれを削ったら、OJ用のスポーク車輪になるかもしれないと思い付いた。19 mmのサンプルで試してみる。
 
19mm wheel on collet (1)19mm wheel on collet (2) ネジは旧JISのM4で、ピッチが0.75 mmだ(現在は並目ピッチは0.7 mmである)。筋の良い車軸を選んでヤトイとする。裏の根元がきちんと平面になっていないと振れが生じるので、まずそこを削り、フランジ内側を削り落とす。これでよいかと思ったが多少の振れがある。昔の製品の精度はこんなものだ。この方法では最初に根元を削った部分が垂直であるとは限らないからだ(大きなコレットでタイヤを掴むのがベストであることが分かった)。ヤトイから外して、前後嵌め替え、今度は表面を厚さ 3.5 mmになるように削った。

 タイヤ厚み(法線方向)が1 mmだから、輪心径17.0 mmのものと、それから絶縁材の厚み×2を引いたもの、の2種を削り出すのだ。

 
 ネジ込み車輪というものは根本的に「振れ」からの脱却は困難である
筆者が圧入にこだわるのはそこである。
 この工場で作ったネジ込み車輪のネジの精度には誰しも驚く。ぎゅっとは締まらない。こつんと締まる。ガタが、事実上ないネジを作ってくれるのだ。だからLow-Dにもネジ込み車輪が登場したのである。最初はすべて圧入だった。


 タイヤはステンレスだから伸びやすい。無茶に締めると、径が左右で異なることになる。定盤の上でエポキシ接着剤を塗ってそろりと嵌めることにしよう。

19mm wheel centers (1)19mm wheel centers (2) 軸はバックゲージが21.5 mmのものを作る。今どきM4-P0.75と聞いたら、工場の人は驚くはずだ。久しく作っていないだろう。少し太めのオネジを作って、ネジのガタを減らすことにする。当時の製品はネジがガタガタで、心が出にくい。
 この工場ではネジを少し太くすることは簡単にやってくれる。そういうヤトイ(旧製品を再生するための)をいくつか特注しておくという手もある。それを頒布すると、昔の部品を精度高く再利用することが簡単になろう。しかし、希望者が何人居るか、である。

 今回の発表で、細かいものを少し作ってくれと言ってくる人があるが、そういうものは請けられない。この工場は量産工場である。極めて精度の高いものを大量に作る技術を金に換えているのである。こちらで用意した仕様以外のものは、相当数の注文がないと動き出せない。


 タイヤだけを作っておけば、いろいろな使い方が見つかるだろう。昔は旋盤工作ができないと加工は無理だったが、今回はそのまま嵌めるだけというものもできるかもしれない。ある人は、車輪内にボールベアリングを仕込んではどうか、とも言っている。左右自由回転になる。出来ないことはないだろうが、ガタがあるので、複列にして多少の予圧を掛ける必要がある。かなり面倒な構造だ。ガタを見越して使うのなら簡単だが、Oスケールでは避けたい。 

 見かけだけはよくできた車輛を見せてもらうことがあるが、車輪が振れていると、思わず天を仰いでしまう。優れた走りには、どうしてもこだわりたい。


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2020年06月20日

走行抵抗を与える車輌

 沢山のコメントが入り、驚いている。

 車軸にモータを仕込んで発電機とし、抵抗で消費させてブレーキを掛けるものは作ったことがあるが、面白くない。安価な有鉄心モータであるから、発電量は位相によって異なり、大げさに言えばカクカクとなった。たくさんつければ均されるが、おもちゃのようなものである。HOでは大きさの点で難しい。

 要はブレーキであるから、効率はあまり関係ない。負荷が均一であることが大切だ。簡単な歯車装置か、摩擦車でも良い。細いバネで軽く押さえれば、用は済む。
 昔アメリカの広告で見た、大きな車を台車の上に置いてフランジから摩擦駆動するものがあったが、あれでよいのだ。その商品は慣性を増大させるものだったように覚えているが、角速度が小さいので意味がなさそうだった。今回は慣性は関係なく、半径が大きければ、摩擦力は小さくて済む。
 どなたかが作られると面白い。 引張力を掛けた状態での走行状況を見るものだから、慣性は無くてもまったく構わない。単なるブレーキ車で良いのだ。

 急曲線の話があったが、左右の車輪を独立にすると摩擦が激減する。これは15インチ(381 mm)ゲージの乗用模型で立証済みである。半径 5 mでも5人乗った客車を片手で押せる。左右の車輪が連結されていると、二人で押さねばならないほど、重かったのである。HOなら、構造は極めて単純で良い。 
 軽便鉄道風の物であれば引張力がなくてもかまわないのだが、本線を走る大型機関車については調べる必要があるはずだ。

 ハンダの色については、いくつかのコメントがあった。最近はKKCに限って言えばハンダの色が見えているものが増えて来た。喜ばしいことである。完全にハンダが廻っていて、壊れにくい。これはその昔、TMSのミスリード記事が元になっていると思う。ハンダを見えなくすると良くなることなど、見かけの問題以外、どこにも見つけ出せない。アメリカのコンテストでも、未塗装の場合、ハンダが見えているものが多い。見かけよりも実質を取るのだ。


 コメントに、自己宣伝を書いてくる人が多くなった。何度も申し上げたことだが、コメントはコメントであり、それ以上のことはご自分のサイトで発表されたい。核心を突かない不要部分は削除して短くするか、掲載をお断りしている。 

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2020年05月27日

UPの客車群を塗る

UP Streamliner 外出が制限されている。時間があるので、組んだまま放置されていた客車を塗り始めた。
 Union Pacific 鉄道の流線形客車群である。総ブラス製で、かなり重い。もともとは、Kemtronが作っていた厚さ0.63 mmのエッチング・キットであった。殆どの人は、買ったは良いが、組めずに放置していた。20年ほど前から、それが中古市場に適価で出始め、筆者は手あたり次第、買い占めた。一時期は40輌分ほどあったが、その後欲しがる人も居て、譲り渡して半分になった。右の2輌は、参考品として塗装済のものを購入したもので、色合いが異なる。

 キットは板だけなので、まず窓抜きをせねばならない。これは当初、糸鋸で抜いた時期もあったが、その後縦フライスになった。ヤスリ掛けは不可欠で、たくさんのヤスリを消費し、ヤスリ粉は牛乳パックに2杯も貯まった。屋根曲げは、ある程度は折曲げ機で曲げ、その後の修整はこの丸アンヴィルを使った。非常にうまくできる。屋根板は0.55 mmのものもある。

 屋根と側板は隙間なくつなぐ。これには、Kemtron社自体が公表していたノウハウがあって、その通りにすればかなりうまくいく。つなぎ目に連続した板を内側に貼り付けるのは、極めて難しいからだ。
 そのノウハウは、ブラス板の小片をたくさん用意し、簡単なジグ上で押さえ込んだ屋根と側板の接合部にハンダ付けする、というものだ。小片の上半分は屋根に合わせて軽く曲げておく。多少の隙間ができても押さえ付けながら、その部分を局所加熱すれば直せる。これが連続した材料であると、難しい。最終的につなぎ部分の8割がこの小片で埋まる。車体外側から見ておかしくなければ、成功だ。この小片によるつなぎ法は、いろいろなところに応用している。部分的な修正が効くのが良い。炭素棒による加熱なら、自由に付け外しできて具合が良く、楽である。

 このやり方はいかにもアメリカ人の考えた方法である。下手な人でも、そこそこにうまくできるのである。それを、筆者は少し進歩させている。
 数箇所を小片で付け、ずれや隙間が無いのを確認したのち、長目(75 mm程度)のつなぎ板を一気に貼る。ハンダの量を適量にすると、なぎ目にハンダがにじんだ状態で完成する。もちろんこの長板の上半分は、屋根の丸味に沿わせて曲げておくのだ。

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2020年05月25日

operating table

手術台 手術台と呼んでいる。機関車を作ると必ずそれに合わせて作る。めんどくさいと思われる方もいるだろうが、これは不可欠のものである。ディーゼル電気機関車の場合は、外側の回廊部を支えなければならない。それには、手摺りを逃げた薄い材料で作る。

 Oスケールは重い。機関車が最低 2 kgはある。大きなものは4 kg以上ある。関節機などは6 kgもあるものがある。これをひっくり返して機構部を外したり、ロッドの調整をしようと思うと、細部が壊れてしまう。

 ラニングボードの付け根を支えるものが必要である。ラニングボードは分割され、段差があって上下しているものが大半なので、それに合わせた支えが必要である。幸い木工機械があるので、精密に切り出したブロックをたくさん用意し、高さを決め、接着剤で固定する。
 
 作った手術台は嵩が大きいので、専用の大きなコンテナに、嵩を減らすように組み合わせて入れてある。先回の慣性増大装置付きテンダには、専用の手術台をこしらえた。テンダ用としては、初めてである。もう一つ作らねばならない。

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2020年05月11日

続々々々々 ATSF Heavy Pacific

 本物では、インジェクタなどの補機類はどこに付いているのだろうか。たいていは運転室床下にある。機関士が手を伸ばしてレヴァを引き、あるいはコックを開き、作動させる。インジェクタは配管だけでぶら下がっているのではない。配管だけでは、振動で折れてしまう。大型機のインジェクタは重い物である。最低100 kg、大きいものは300 kgほどもありそうだ。垂直荷重の大半はフレイムから生えた支え(stay)で持つ。配管には殆ど力が掛からない。ステイは垂直方向にもある。三角形にして重さも受け持つようにしたものもある。また、Uボルトでインジェクタを押さえたり、インジェクタそのものに取付ボルトがあるものもある。

 模型では、インジェクタはキャブに配管だけでぶら下がるものが、ほとんどだ。だから塗装などで上下分解すると、上廻りをインジェクタで支えるような置き方になる。HO 以下のサイズなら、さほど問題にはならないかもしれないが、Oスケールの大きさであると、これは 大きな問題である。上廻りをどうやって置くべきか、考えねばならない。事前に台を作ったりする。そのまま置けば、インジェクタが曲がってしまったり、配管が折れたりするからだ。

injector suppoert (1)injector suppoert (2) 今回は火室底板に付いている配管を延長し、インジェクタまで一体にした。インジェクタには支えをハンダ付けし、フレイムに作ったネジ穴で固定することにしたのだ。2箇所留まっていれば安定する。

 このやり方は祖父江氏と何回か相談したことがある。どうすれば実感的で、しかも壊れにくいか、だ。今までは、キャブ床板からステイを下に延ばしたものが多かった。これは実感を損なうし、弱い。今回のやり方でいくつか作って検討してみることにする。

  既製品であるので、寸法を出すのが難しい。配管だけで浮かしたものに、フレイムにネジ留めしたステイを接触させ、その先に炭素棒でインジェクタをハンダ付けした。こうすれば位置は必ず合う。 そうしておいて外して洗う。

 塗装はばらばらの状態で行い、組んでネジを締める。あちこち触っているので塗装は傷だらけだ。後でタッチアップする。裏面だから見る人はいないが、気にする人もいるからだ。

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2020年04月17日

タオルを敷く

 この3日程、極端に忙しかった。注文してあった部品、工具等が、どういうわけか集中して届いたのだ。箱を開けて検品したり、合わないものは削ったりして、ほぼフルタイムで3日程かかって何とかなった。
 一番大変だったのが3Dプリンタによる部品である。外形だけの物は少なく、機能部品が多いので、二次加工が必要である。 実際に組立ててみて、当たるところはないかなど、確認が必要である。コンピュータも触る時間が無かったので、久しぶりに開いてみると、予約していた記事が無いので驚いた次第。メイルもたくさん溜まっていた。
 いつもは数回分の予定稿が用意してあるのだが、1回分の書きかけしかなかったので、今回は短い記事である。



 雲黒斎氏からのコメントを受け、試していた。分解・調整・再組立の時、ネジが落ちたりして探し回るのは避けたい。その抜本的な解決策である。
 氏はラジコンにご興味があるようで、そのような方法を既に経験されたのだろう。

towel 机の上に、タオルを折って分厚い層を作り、その上で分解・組立等をする。試しにネジを落としてみると、タオルの糸がショックを吸収し、ネジは静かに着地する。机の下には、全く落ちることが無い。今まで、菓子折りの蓋などで受けていたが、それでもネジは弾んで落ちた。

 タオルにはいろいろな織り方があるが、軟らかいループのあるものの効果が大きい。ただ、部品がひっかかりやすいから注意が要る。最近はあまり見ないが、カットパイルと言って、ループを切って糸の切り口が見えるタイプは、モノが引っ掛かりにくいので良い。


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2020年04月15日

続 炭素棒ハンダ付け装置の増設

 炭素棒ハンダ付けの恩恵に与る人は厚板を使う人であろう。あるいは大きな鋳物部品を扱う人だろう。HO以下の模型では頻度は少ないかもしれない。Oスケールでは、これがないと進まない。
 CLW のキットを組めばその理由が分かる。すべての部品が1 mm以上の厚さを持つ。キャブなど薄板でよいのに、1.6mm厚のロストワックス鋳物の妻板、側板に、0.76mmの厚さの屋根板である。これを完全に隙間なく付けねばならない。イモ付けではなく、階段状にかき取ってある部分をきちんと突き合わせてクランプし、ハンダを置いて加熱する。屋根板を付けるときは、ブラスの針金を直角に付き合わせたところに置いておくと、接着面が広くなり、丈夫に付く。

resistance soldering 既存のタイプの電源を床に置くとケーブルの長さが足らない。机の上では邪魔である。思い切ってテーブルの下に斜めに付けた。
 この傾斜は有効である。わずかに上に向いているだけで、表示が見易く、操作も楽である。放熱も良い。お薦めする。

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2020年04月13日

炭素棒ハンダ付け装置の増設

 むすこたかなし氏の素晴らしい着想で、24 V出力のトランスを二段接続する方法を採用した。正直なところ二段接続は好きではなかったが、このトランスの価格を知れば、やるべきであると思った。まだ1000円程で手に入る。筆者はたくさん買って友人に譲った。

 ヤフー・オークションの様子を見ていると、この24 Vトランスはしばらくの間、無限に出てくるような感じである。遊戯機械がそう簡単に低電力化されるとは思えないからだ。いくつか手に入れて内部を見ると、かなり焼けているものがある。酷使したのだ。内部のプラスティック部品が焦げているものもある。温度フューズが飛んでいるものもあるので、それは取り替えればよい。巻線の絶縁は十分にあるので、このような事故品でも問題なく使える。電圧が低いから、事故は起こりにくい。一つだけ、二次線が導通していないものがあった。落とした跡があるので、衝撃で切れた可能性がある。これは巻き替えざるを得ない。時間ができたらやってみよう。3.5 mmsqのテフロン線を少し巻くだけで再生できる。 

 自分用のものは、とにかく出力の大きいものが欲しかった。分厚い砲金(青銅)の鋳物でできた前頭部に、ロストワックスの部品を隙間なくハンダ付けするのはそう簡単ではない。今まではガスバーナで100 ℃あたりまで予熱し、それを保温材で包んで炭素棒で付けた。かなり面倒で失敗も多かった。Dennisのようにアセチレンガスでやれば良く付いただろう。

AC6V 41A 今回出力 41 Aというのを手に入れたので、キャスタ―の付いた台にトランスを二段に積んで、ネジ留めした。さすがに重くて持てない。作業台の下に押し込んである。これは都合が良い。
 ただ、手持ちプローブの電線が太過ぎて固く、取り回しに苦労する。柔らかいものを探している。3.5 mmsqでは電線がかなり熱くなる。耐熱電線だから100℃くらいへっちゃらなのだが、持っている人間のほうが火傷してしまう。5.5 mmsq以上を使わねばならない。8 mmsqはかなり使いにくい固さである。

 作るのは簡単で効果が大きいので、このレポートを参考にして自作されると良い。

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2020年03月20日

実感を与える

UP FEF3 久し振りにFEF3が本線上を走った。ここ3年はChallengerの牽くプルマン特急しか走っていなかった。Challengerにはminor problemが発生し、工場入りしている。マイナ・プロブレムというのは大したことのない故障であって、ごまかして使えないこともない程度であるが、完璧を期すために修理している。
 draw bar が外れやすいのである。坂の途中で外れると電気配線のソケットを引き抜いて、機関車だけがどんどん走っていく。当鉄道では機関車だけで両側集電しているから単独走行が可能であるからだ。ボールベアリングを装備しているので、タイヤからの集電ブラシを付けないと走らない。それを2組付けているのだ。サウンドは途切れてしまうから、切れたことはすぐわかる。

 テンダは機関車と同一極性にしてある。こうすれば、機炭間の無用なショートから逃れられる。10年ほど前、それをHOの友人に話したら大変驚いていたが、下らない昔の考えに捉われる必要などないのだ。
 ドロゥ・バァには斜めに切り込みが入れてあって、ワンタッチで連結できるが、その押さえのラッチ・バネが弱いのだ。すぐ直るが、あちこちついでに見ておこうと、休車扱いにした。すべての先輪、従輪、テンダ車輪は、既にLow-Dに替えてある。




 このFEF3は1985年にロールアウトして、おそらく1000キロメートルは走っている。日本で、いや世界で一番長距離を走った模型機関車かもしれない。自宅のレイアウトで、20年ほど、80輌牽かせて毎日1時間くらい走らせていた。山の手線と同じで、同一方向に走らせるとフランジが片減りするので、毎月初めに回転方向を逆にしていた。
 ひっくり返して見ると、従台車、テンダ―の車輪がかなり摩耗している。めっきがはげてブラスが見えている。フランジも形が良くない。直立に近づいている。これらはオリジナルのカツミ仕様であった。Low-Dに取り換える。動輪は一度も交換していないが、十分に持っている。鋼のタイヤだからだ。ボールベアリングはNMB製である。さすが日本製の高級品で、十分性能を保っている。ギヤボックスを開けて見たが、なんの問題もない。二硫化モリブデングリスは健在で、歯形も良い。

signals (5) この機関車を作るにあたって、本物を丹念に観察した。気が付いたのはキャブの下がり方と、除煙板の波うちである。前者についてはしばらく前に触れた。波うちは金床の上で木槌で丹念に打って再現し、内側には骨を付けた。配管も少し歪ませた。
 祖父江氏は、目ざとくそれに気が付いた。「でもねぇ、商品が歪んでいると、お客さんは買ってくんねぇよ。」
 実感的な歪みというものに、かなり興味を持ったようだが、実現には時間が掛かった。例のビッグボーイの配管は、実物の観察から、僅かの歪みを与えている。
「歪ませましたね。」と言うと「わかるかい。たいていの人は気がつかないと思うよ。その程度にしといたよ。」とのことであった。  

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2020年03月12日

トロイダル・コア

 昨年末に、むすこたかなし氏から相談があった。炭素棒ハンダ付け機の電源を作る工夫である。トロイダル・コアのトランスを二段階接続して(これを直列接続とは言うべきではない)、100 Vから 5〜6 Vを得る方法だ。素晴らしいレポートがあるので、詳細はそれをご覧戴きたい。

 驚いたのはそのトランスが一つ1000円ほどで出ているということである。パチスロというものがある。筆者にはどんなものか見当もつかないが、ソレノイドを多用した遊戯装置らしい。大電流を使うという話だ。出力は 24 Vで 10 A〜20 Aの電流が取り出せる。このトランスの放出は今だけなのか、それとも継続的に行われるのかも見当がつかないが、現在はインターネット・オークションでいくらでも見つけ出すことができる。 ただ一つの懸念は、たくさんの人が同時に買おうと殺到すると価格が上がってしまうことだ。そこはわきまえて安く買う工夫をされたい。

 トロイダル・コアは、変圧器の鉄心としては最も高効率のものである。昔、筆者の父が作ってくれた変圧器は戦災で焼けたケイ素鋼板をネジで締めたもので、通電するとブーンと音がした。隙間があったからだ。これは全く音などしない。

transformers 仕様を絞って見て行くと、出力 41 Aというとんでもないものが見つかった。要するに1 KVAである。質量は9 kgもある。これを2段目に使い(右) 、1段目に350 VAの(左) を使うと、1段目の容量が無駄にならない。それを購入して、2段目の入力を1段目の出力に圧着端子で固定接続した。総質量は12 kgある。そう簡単には動かせない。

 筆者は、炭素棒ハンダ付け機は既に2台持っているが、いずれも出力不足に悩んでいた。より大きなものを付けたい時には大電流の機種が必要であったので、安価にそれが実現できるわけでありがたい。もちろん、2回も変圧器を通すのだから、損失は多少はある。しかし、長時間使うものでもないので、安くできれば、電気代がわずかに余分に掛かろうとも全く問題ない。

 これをキャスターの付いた台に載せ、作業台の下に滑り込ませるようにする。手元のコードは可撓性のある電線を用いるが、5.5平方mmを使わねばならない。炭素棒も 8 mm径のものを使うつもりだ。ここまで来るとかなりの太さで、自動車のジャンパ線か、熔接機の電線のような感じである。

 以前の頒布終了後、多くの方から再度の頒布を要望されていたが、これで殆ど解決したように思う。前回のキットをまだ組まずに持っているから値が上がる、と信じているおかしな人もいるようだが、これでそんなことは何の意味もなくなる。今回の価格破壊で、どんどん作る方が増えるだろう。この技法を広めて戴きたい。


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2020年03月08日

続々 US Hobbies のギヤボックス

 どうしてこのようなギヤボックスを作る必要が出て来たか、というのは少し説明が要る。Ajin製のヘリカルギヤだけのギヤボックスが複数見つかり、それにはEMD E7の車輪(36インチ)がついていた。 1:1のギヤボックスだから、事前に減速ギヤで減速しないと走らせることができないわけだ。
 
 これがうまく行くかどうかは、使ってみないことにはわからないところがある。というのは、減速されて大きなトルクが台車に伝わる。すると、反作用で車体が反対方向に傾く可能性がある。輪重も一定にはならないかもしれないから、それは脱線を誘発するだろう。しかし既製品は曲がりなりにも走ったようなので、うまく行く可能性もある。
 理想論を言えば、前後の台車のひねられる方向を逆にするために、ウォームのネジを鏡像にすれば良い。当然モータは2個を逆方向に回転させることになる。しかし、コストが増大するから、そんな模型は見たことがない。むしろ台車ごとにモータを付けて、独立した状態にするのが確実である。

 過去に筆者が作ったものは、すべて台車内で3 : 23にしている。即ち、ドライヴシャフトで伝達するトルクは小さいから、車体が傾く心配はまずない。
 今回のギヤボックスはCLWのE7に取り付ける予定で、それは砲金で鋳造された前頭部を持ち、すこぶる重い。ということは大きなトルクで推進軸を廻しても、その反作用に耐えてくれる可能性が高い。

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2020年03月06日

続 US Hobbies のギヤボックス

 歯数が決まっているので、ギヤ比は変えにくい。ちょうどよい歯車があれば良いが、この M0.8 の手持ちは少なく、なかなか難しい。M0.5 であれば、異なる歯数の歯車をふんだんに持っている。軸距離を計算して可能な組み合わせを選び出す。今回、歯数が14枚に満たないものはすべて廃棄した。そんな歯車を使っている以上、ガリガリ・ジャラジャラ音からは絶対に抜け出せないからだ。(”M”とは歯車の歯の大きさを表す”モジュール”である。)

 ギヤボックスの内側のえぐりをフライスで拡げて、大きな歯車を入れると、自由度が増した。大きな50枚を最終段に置き、中間を大小二段の歯車にした。与えられた条件内で、14枚以上を用いた組合せを、限られた空間内に押し込んだ。設計にはかなり苦労した。
 まさに「フライスと旋盤の実技修了試験」のような工作であった。すべての孔をフライスとリーマで仕上げて、ボールベアリングはすべり嵌めである。全くガタの無い軸というのは気持ちが良いが、もう一つ作るのは勘弁してほしい。フランジ付きは、ミネベア製の高級品である。

US Hobbies gearbox modified 歯車のボス部分は細く削ってボールベアリングのインナ・レースのみに触れるようにした。また、正確に削って、予圧を与えることに成功した。
 ワッシャ無しで嵌めるように、ぴたりの寸法に削ったのである。ここでガスケットの圧縮による分を、計算に入れてある。最終的なギヤ比は 約 1 : 7 である。非常に軽く動き、音もほとんどしない。
 ガスケットの厚さは、ネジを緩く仮締めした時と、強く締めたときの差を、マイクロメータで調べた。その中間でネジを固定するわけだ。難しくはない。この方法は10年ほど前に思い付いたが、実践するチャンスが今まで無かった。ネジはロックタイトで固着させたので、中を開いて見せるわけにはいかないのが残念だ。

 上のモータに行く軸は撓み継手である。この頃はこういう部品が安く手に入る。以前は苦労して作っていた。事実上、一直線上に設定されたモータ軸ではあるが、微妙な曲がりがあっても全く問題がなくなる。こういうところには、ユニヴァーサル・ジョイントは使いたくない。効率が下がるからである。


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2020年01月26日

工程表

 限られた時間で完成させようとすると、どうしても工程表が要る。工程表が無いと、くだらないところに時間を掛け過ぎてしまう傾向がある。

 各単元の工程の時間は、経験上分かっているので、細かく分けて書く。ここまでは何月何日に出来ていなければならない、という目安は大切である。
 単元ごとに検査し、あとでの再調整を不要にしておくことが時間節約になる。これは建築工事と同じだ。組んだものをバラして再調整するのは、膨大な手間が掛かる。今回は既製品の改造なので、既存の構造を利用できるところは残す。他を切り取るので、補強が要る。補強を後廻しにすると寸法誤差が出るので、補強工事を最優先にし、その後余分を切り取るようにした。
 テンダの中は太い骨が入っている。もともとはがらんどうであったが、重くなるので持った時に潰れないような構造でなければならない。
 
 旋盤工作は意外に時間が掛かる。刃物やドリルを取り替える手間が多いからだ。その必要が無いものは早い。小さい方の旋盤にはDROが付いていないので、目盛を読んで作るのは意外と大変である。1回転で何mmということから計算するので、計算用紙、電卓が必要である。早見表を作り見やすい位置に貼ってある。すべての材料、工具は並べておく。材料探しというのは、するべきではない。

 最初に見積もったスケジュールより早く進んでも油断せずに、先の方の予定でも時間が掛かりそうなものを先に作っておく。
 ロストワックス部品は念入りに仕上げてバリを取り、足の長さを調整して完全に密着するようにしておく。そうしないとハンダが完全に廻らない。
 細かな組立ては、机の上を整理して行う。前掛けをして、落とした部品がひっかかるようにする。落とした部品探しというのは、時間の無駄そのものである。
 塗装は4日掛かるとみた。初日は塗装剥がしである。塗ったらオヴンに入れて加熱する。100℃で2時間だ。マスキングは丁寧にする。失敗すると時間が無駄だ。塗り終わると同時に剥がして再加熱する。

 結局のところ、〆切の2日前に落成した。テンダがとても重く、宅配便で送るわけには行かない。持って行く途上で、T氏には助けて戴いた。ナンバーボードのスクリーンを忘れたのだ。コンピュータで作って戴いたものを付けた。


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2020年01月24日

リンク機構の工夫

making link (1)making link (2) テンダの先台車はリンクで結ばれている。左右に振れると、先台車は微妙に回転し、曲線上に載る。前後のガタは全くない。ピンはネジだが、パイプを切って嵌めてあった。要するに段付きネジのようになっているのだ。友人のO氏に見せたら、ピンに僅かのガタがあると指摘されたので、旋盤で精密なピンを挽いて、作り直した。ガタがあれば、台形リンクの意味がない。
 ガタをなくし、微量のグリスを塗った。当然、穴にはリーマを通してある。磨り減ることはないだろう。

 フライスのDROで設計寸法に孔をあけてから、外形を切り抜くが、今回はギヤボックスがあるので一筋縄ではいかない。少し逃げている。そうすると固定台車の第一軸の車輪が干渉する。絶縁側は念の為、さらに1 mmの逃げを付けるのが、当社の方針である。するとリンクは直線にはならない。

tailoring a link こういう時は、距離を保ちつつ途中の経路を変更するので、屈曲させるわけだ。十分な剛性が必要で、なおかつ設計寸法が変化するのを避けたい。そういう時はこの方法が確実である。図は誇張してある。
 .團鷙Δ鬚△院太い副木(そえぎ)を当ててピンを通し、ハンダ付けする。
 副木に食い込むくらい切り込んで、障碍物を回避する。
 A澗里鮴扱舛垢襦

 これを3次元でやるので、できあがりのリンクはあらぬ形をしているが、ちゃんと機能する。

stopper 先台車のリンク支持には大きな利点がある。直線の線路上では、自然に台車が真っ直ぐ向く。即ち線路に載せ易い。問題は、センタピンが無いので、車体を持ち上げると台車が落ちてくることである。今回はそれを解決するために、ひっかかりの爪を作って落ち留め(写真)としている。左右に滑らかに動くことが条件だ。二硫化モリブデンを塗ってあるので、滑らかに作動する。
 復元装置は付けなかった。今のところ、なくても脱線したことは無い。機関車に引張られているというところが大きいのだろう。推進時にも問題はなかった。ただ、設計最小半径未満では脱線する。ガタが無いので当然である。

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2020年01月18日

続々 ”Super 800” 

 テンダ台車からの動力採取は、6軸とした。1軸は構造上、捨てる方が都合が良い。7軸中の6軸であるから、十分だ。ディーゼル電気機関車用に開発したギヤボックスが一番小さいので、それを入れたが、ぎりぎりである。当初はギヤボックスで回転軸を平行に持ち上げる予定であったが、とても入らない。また、横から見えるのは避けたい。既存のテンダの上廻り構造変更も避けるべきなので、チェイン・ドライヴとした。

swing motion link もう一つ、このテンダには特筆すべき工夫がある。先台車の心皿がドライヴ・シャフトに干渉する。即ち、心皿のキングピンを長孔の中で左右動させることは、不可能である。この写真の左の写っていない部分にもう一軸ある。それは先台車の前軸である。キングピンは存在しない。

 設計時にそこに気付いたので、リンク機構による左右の偏倚を採用した。当然、偏倚時に所定の角度の回転をさせる。心皿の代わりに、種類の異なる平板を置いて摩擦を減らし、モリブデングリスを少量塗った。滑らかに偏倚する。

swing motion linkage1 ある程度の回転があれば良く、フランジが確実に触っている必要はないので、そこは割り切った計算にした。むしろ、5軸台車の方が苦しい。本物も後進では脱線し易いが、当然だろう。これは、Low-D採用のおかげで脱線しない。軸の左右動を少し許した。

swing motion linkage2 リンクの長さはS氏に検証してもらった。最近はコンピュータの画面上でシミュレイションが可能だ。この図は、northerns484氏に描き直してもらったものである。リンクは、寸法的にはこの通りだが、実際には台枠に当たる可能性があるのと、絶縁車輪のタイヤに触れるのを確実に避けるために逃げている。下の図は 2800R 上の挙動である。

 この図でわかるように、5軸台車は軸方向の動きを許す構造でないと脱線する。

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2020年01月08日

エアブラシの保守

airbrushfixing airbrush hose Badgerのエアブラシを使っている。もう20年も使っているから、かなり擦り切れている。先日、使おうと思ったら、細いホースの根元が切れていて、空気が音を立てて漏れ出している。仕方がないから、根元で切り、金具を押し出して嵌め直した。3 cmほど短くなったが再生された。

 このエアブラシの欠点の一つは、ボタン(空気を出すボタン)の丸い部分が外れやすいことだ。そのボタンはどこかに行ってしまった。外れていると、指に痛い。

 思い付いて、コンパスの針の締めネジを付けて見たら、ぴったりである。このネジは0-80であろう。1.5 mm位だ。
 これより少し太い1-72というのは1.8 mm程度のネジで、通称1番と言う。1インチにネジ山が72個ある。それより細いのは0-80である。1-72、0-80は、昔からO、HOのパンタグラフのネジとして知られている。それがコンパスにも使われていたとは思わなかった。これより少し太いのは2-56である。2.1 mm程度である。
 このあたりのインチネジは昔はいたるところに使われていたが、我が国では、もう痕跡すらなくなった。しかし、コンピュータ部品には使われているそうだ。

 博物館は元文房具店の店舗を利用している。売れ残りのコンパスの部品などが見つかり、その用途を探していたところだ。ちょうど良かった。のちに別のネジを見付けたがそれはメートルネジで、M1.6 のようだ。要するに、合うものがあるかもしれないという程度の情報である。お役には立たないかもしれない。 

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2019年12月31日

余分のハンダを取る

 ハンダというものは、すべての接続部を満たしていなければならない。隙間があればそこから錆びる。大きな平面に小さな平板を付ける時、側面から半分しかハンダを入れない人は多い。いずれ剥がれて、泣きを見る。完全に付けるべきだ。

 しかもハンダは富士山の裾野のようになだらかに広がる必要がある。そうなっていないと完全に入ったという証拠にはならない。それでは形が良くない。部品の側面が垂直になっていないといけないという部分には、良い方法がある。 
 電線をほぐして銅の心線だけ取り出し、良く捩じっておく。それに塩化亜鉛を少しつけ、炭素棒あるいは熱い鏝で押さえつける。余分のハンダは99%吸い取られて、エッジが出る。あとは磨き砂で磨けば、綺麗になる。
ハンダの色が見える」と言う人は、どうぞお好きなようになされればよい。

 先月号のTMSに名取氏が、コンテスト応募作品の開封時に壊れているものが多いことを紹介している。それはハンダが廻っていないということである。筆者はいかなる部品も、それだけで全体をぶら下げられる程度の強度で付いていることを確認する。こうしておけばまず壊れることが無い。

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2019年11月25日

シリンダブロックの構造

Mr.Sofue's cylinder block 先日steam chestの話題を出したが、どなたからも応答がなかった。少々難しすぎる問題だったようだ。
 答はさておき、現物を見た人が非常に驚いていたので、その写真をお見せする。


cylinder block construction シリンダブロックの前後の板は1 mm厚で、かなり分厚い。そこにシリンダ前カヴァが付いている。これは挽き物を嵌めて取り付けてあるのだが、かしめてある。突っ込んだ部分に穴があいていて、それをポンチで潰して抜けないようにしている。後ろ側も同様である。こうすれば、ハンダ付けの時、部品が取れて来る心配はない。これはプロならではのアイデアである。

 前後の板はスペイサを入れてハンダ付けしてある。しかもスペイサは縦横2枚入っていて、それに外板を巻き付けてハンダ付けしてある。過剰品質ではないのか、という声もあった。これは祖父江製作所の仕様である。シリンダ部は踏んでも壊れないほど堅固だ。ネジで台枠とボイラを締め付けるので、弱いと狂ってしまうからだそうだ。

 今回、外に巻いてある板を外して一部のスペイサを切り取った。そして新たな部品を 6 mmと 3 mmの板を切り抜いて貼り足した。炭素棒でなければこんなハンダ付けはできない。もちろんバラバラにならないように、ブラスのピンを通してかしめてある。さて何を作っているのであろうか。

cylinderblock covering 巻き付けてある板は、0.5 mmの薄板であるが、巻き始め部分に工夫がある。溝に差し込んでハンダで仮留めし、力を入れて巻き付ける。そうしてから全周をハンダ付けしたようだ。こうすれば隙間は無くなるし、強いものができる。これも祖父江氏の手法である。


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2019年11月06日

先台車を作る

 先台車にはLow-Dを使うべきである。振れがなく遊びの少ない車輪が、先台車の車輪として適する。それを台車枠にガタなく付けねばならない
 
619_1393 三点支持にして、ローラ式の復元装置を付ける。台車枠はレーザで切ってある。それを底板と組み合わせてハンダ付けする。大きな穴は固定軸である。そこにフランジ付きのボールベアリングを入れる。旋盤で正確に削った車軸を差し込み、ロックタイトで車軸と固定する。

619_1395 可動する軸は、チャンネル材を切ってはめ込む。その両端には角材を押し込んで、銀ハンダで固める。ガタが出ないように注意して、嵌めあい部分を仕上げる。ボールベアリングは両端に専用工具で彫り込んで嵌め込み、車軸を通す。下から中が見えるので、ロックタイトを付けやすい。これで全くガタの無い先台車が完成する。

 中心部を一点で支える。軸距離が小さいので、上下 0.5 mmも動けば上等だ。これで脱線しない先台車ができた。小さいボールベアリングを仕込んだ中子で、上から押さえる。動輪軸の半分程度の軸重を掛けると、実物のような復元力を持つようになる。


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2019年10月29日

Driver Quartering Jig

MR quartering 崖製作のお手伝いに来て戴いた F氏から、quartering のアイデアが古いModel Railroader '61 10月号 に載っていると、連絡があった。
 
 この手法では、HOの機関車加工を考えている。クランクピンをネジで締める方式でないとできないから、Oスケールでは使えない。クランク角を90度にするよりも、むしろすべての動輪のクランク角を等しくすることに重きを置くべきである。

 抄訳(筆者の注釈付)を載せると、
 ‘偉悗離丱奪ゲージの長さの丸棒を用意する。
  直径はフランジ径よりも大きくなければならない。
  輪心部分は少し凹ませておく。
◆90度にケガキ線を入れる。それを他方にまで延長する。
 反対側にも同じ位相でケガく。
ぁ―住線は、異なるクランク半径の動輪のために余分に描いておくと良い。
ァヾ殍世房崋瓦同じ太さの孔を貫通させる。 
Α‘偉惻憾把衢僂離優弦Δ鮑遒襦動輪軸より太い留めネジを使うこと。
А‘偉惻瓦鮹γ緲僂垢襪燭瓩旅造鯢佞韻襦
  糸鋸、ヤスリで削っても良いが、フライスで削り取るのが楽。
➇ 動輪のクランクピンのネジ孔位置にドリルで穴をあける。 
  ネジ山に当らない太さのドリルを使うこと。
 反対側にも穴をあける。
以降はどうでも良いことだが、孔を貫通させておくと便利(ジグのAB線上の孔を貫通させておくと、目視でクォータリングができるし、動輪にクランク孔がない場合に新たにネジ孔を作るガイドとしてのジグにもなる)とある。

 発案者は機械工らしく、簡単にできるように書いてある。しかし、これを間違いなく作るのは、かなりの腕前と設備とが必要である。ジグは丸棒を切った物を正確に加工して作る。大きなコレットがないと難しそうだ。卓上旋盤の四爪では、切れ目を入れてからは、どうやって掴んでもうまく行かないような気がする。

 腕に自信のある方は挑戦して戴きたい。ここで一番問題となるのは、ネジ穴の中の山の部分にちょうど接触するが、ガタの無い寸法のドリルがあるかということである。僅かに太いものを使って、ネジ山が削れるのは良いかもしれない。その代わりすべての動輪のクランク穴にそのドリルを通しておく必要がある。

 この技法を見ていて感じるのは、垂直に削り、垂直にドリルで孔をあけられる技量を持つまでには、かなりの修練が必要であるということだ。筆者は、二回くらいは失敗せねば、出来ないような気がする。

 このジグを持つと、組立てた動輪の踏面の切削にも使える、とある。その場合は、ジグごとコレットで掴むことになる。あるいは、心を出して掴むための他の工夫が必要である。大きな旋盤でないと難しそうだ。Δ離優犬2本以上あれば、四爪チャックでも掴めるかもしれない。ネジが1本では、片方の端を強く掴むと歪んでしまう可能性がある。

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2019年09月15日

ウォームを外す

gear removing 手伝いに来て下さるクラブ員に聞かれた。
「このモータが安くて強力なので使いたいが、ウォームが外れない。どうしたら外れるものだろうか。」

 最近話題になっているモータであるが、ウォームが固着していて、そう簡単には取れないらしい。今野氏の話を思い出した。ウォームを掴んで旋盤で廻せばよいのだ。

gear removing2 早速、術式を真似してコレットでつかんだ。9 mmのコレットがぴったりだ。深く掴んで、高速で廻し、突っ切りの先を変形させたバイトで削った。コレットは心が出ているので、モータは微動もしない。

gear removing3 軸の手前まで削って、虫眼鏡で見ながら軸に触る寸前までバイトを進めると、ぽろりと取れる。



 後は万力にウォームを銜えて、糸鋸で平行に二回切る。軸に傷を付けないように気を付けて、軸の近くを平行に切るのだ。ペンチで挟んで捻れば取れる。簡単である。
 時間にして5分足らずである。見ている間に出来たので、依頼者はとても喜んだ。読者の皆さんもお試しになると良い。

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2019年09月13日

エポキシ樹脂のリヴェット?

 手が不自由な間、ずいぶん大量の本を読んだ。雑誌もたくさん目を通した。日本を離れていた時期の雑誌は、始めて見るものも多かった。

Train2 ゲージ問題関連の記事があるものだけ、付箋を付けている。その記事を読む時に、ついでに周りの記事も目に入ってしまう。また、気になるところを見つけてしまった。例の連載記事である。
 エポキシ接着剤を多めにつけて部品を貼り付ける時に、中心に孔が開いていると接着剤が裏にはみ出し、ちょうどリヴェットのようになると書いてある。そうすると丈夫に付くのだそうだ。

Train1 冗談でなく、本気で書いているらしい。接着剤は、接着面以外の強度は無いも同然である。その証拠に、接着剤チューブについている固まった部分は、簡単にちぎることができる。


 圧力を掛け、接着剤自身の厚さを薄くすると、最も接着力が強い。塗装も同じである。厚いと良くない。なるべく薄く塗る方が、はがれにくい。本物の電車は、必ず元の塗料を剥がしてから塗る。塗り重ねると弱くなって、剥がれやすくなるのだ。

 この記事では、繰り返し間違ったことが書いてある。普通は叩かれたら、少しぐらいは勉強するものだ。技師と名乗るなら、専門書を開いて熟読すべきだ。眺めているだけではだめである。分からないなら書かないことだ。迷惑する人がいる。

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2019年09月05日

再度 慣性について

 むすこたかなし氏の記事を読まれた感想を、たくさんの方から戴いた。

 Tavata氏が、慣性力は見かけの慣性力はスケールに応じて小さくなるという証明をされている。その通りなのだ。

 模型を作られる方の中で、模型は本物とは違うと考えた上で作られる方は少ない。特に実物から入った方には、縮小したものを作るとそれが実物のように動く、と勘違いしている人が多いように思う。非常に細かいところまで作って悦に入っているのだが、走りが良いものには、あまりお目に掛からない。あちこちの運転会に行って、走りを見ているが、ギィギィゴロゴロと走る車輛が多い。

 小さい模型は惰力を再現させることが難しい。管 晴彦氏のナロゥゲージの小型機関車が走るところを、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。素晴らしい慣性を見せてくれる。HOスケールでここまでの慣性を持たせるために、管氏はモータ軸と同軸のフライホィールを増速している。径が小さいので、高回転にする以外、慣性モーメントの効果を大きくする方法はないのだ。

 縮小模型の慣性は小さい。高校1年程度の簡単な物理計算であるから、模型を作る人は一応やっておくべきだろう。
 摩擦を減らし、質量を大きくし、回転数を上げる。この三つを同時に組合せれば、見かけ上の慣性が増大し、素晴らしい走りを再現できるであろう。筆者が考案した、慣性が本物のように有るテンダの試作機は8割がた出来ているが、博物館が開業するまでは完成できない。

 どんなに精密につくられた模型も、よく走る模型には敵わないということは、椙山 満氏のレイアウト上で体感している。HOの世界では、井上 豊氏の作られた模型の走りが群を抜いて良かった。高校生の時にそれを見せて戴き、その時に受けたインパクトが、現在にまでつながっている。

 2月からの罵詈雑言を含めて多量のコメントを受け取っているが、その中に、
「走行性能ばかりを言うのはおかしい。よく走らなくても良いではないか。」
と書いて来た方があった。
 こういう方が 12 mmゲージ陣営の中にどの程度いらっしゃるのかは知らないが、非常にまずいことだと思う。

 管氏のリンクを更新した。完成時の動画はこちらにある。 (9/6/2019)

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2019年09月01日

続 またまた3条ウォーム

 むすこたかなし氏の目は、かなり細かいところまで届いている。インナ・レースは軸と共に廻るが、それがどこかに触ると、とんでもない損失を生み出す。ギヤボックスの内側は微妙に削り、何が起こってもインナレースが触らないように出来ていることを、見抜かれた。素晴らしい注意力である。これは、今まであまり誰も指摘しなかったことなのだ。

 今まで、いろんな方が作ったギヤボックスを見て来た。せっかくボールベアリングを使っているのに、ここが触っている例が多かったのだ。ウォームギヤは大きなスラストが発生するので、触ればそこで発生する摩擦損失は大きい。

 このギヤボックスは、ディーゼル電気機関車用に開発された。以前のΦ2.5軸系列のウォームギヤは、ロストワックス鋳物のギヤボックスを用いていた。鋳物は精度が出にくいので追加工をしたが、そのばらつきは無視できず、調整に時間が掛かった。それに要する時間がもったいなかった。噛み合わせ調整に時間を掛けるというのは無駄以外の何物でもない。
 だからギヤボックスを精密機械加工で作ろうとしたのだ。歯車の残数も少なかったので、思い切って完全な新規生産にした。

 潤滑はモリブデン・グリースをほんのわずか塗ってあるだけである。沢山入れると安心する人は多いが、決して褒められない。撹拌損失を増大させているだけである。歯の当たる部分にだけ塗ってある。互いに素であると、最初は渋くても、1分も運転すると極めてよくなじんでくる。もしこれが 30:2 だったりすると、ゴロゴロ感から逃れられないことがある。

 新製品の開発は成功で、時間の節約ができた。動力化する機関車の数がかなり多いので、多少の出費で省力化ができれば有難かった。しかも動力性能が完全に同一になるので、重連の時に全く問題がない。当時は博物館の構想すらなかった時代であったが、思い切って作ったのは大成功であった。

 歯車はたくさん作ったので、今後のギヤボックスは3Dプリンタで作ってみたい。ナイロン12で作るものなら、油に漬けても変化がないことが分かった。これについてはミシン油浸けで3か月間日光に当てた試験をしてある。

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2019年08月28日

片持ち式ロンビック

 中澤氏の片軸の支持方式が話題を呼んでいる。いくつか問い合わせを戴いた。

 筆者の作例は、ひたすら頑丈さを求めている。角棒を支持板にネジ留めし、それに角棒を曲げたものをハンダ付けし、ステンレス軸の細いところを押さえている。たまたまこの軸はテーパを付けているので、細い部分を保持すれば、摩擦は少ない。ほんのちょっとモリブデン・グリースを付ければ、全く摩擦を感じないほど滑らかである。ステンレス軸を高精度の旋盤で挽いたものとブラスとの組合せは、下手なボールベアリングに勝るとも劣らない。
 ほんの少し、ガタを付けてハンダ付けし、軽く押しつけてガタを減らした。

 中澤氏は洋白板を曲げて作られた。あとで、微妙な曲げによって高さ調整、ガタ調整をされているようだ。

 電車のような2台車の車輛は、ボルスタが傾いても構わない。お互いに相手の台車に載っているので転ばないからだ。中澤氏は台車ごとに完結させて、それを車体全体の等角逆捻りメカニズムと連動させるおつもりのようだ。伊藤剛氏はその方式で電車を作られている。


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2019年08月26日

続 中澤 寛氏の記事

 中澤氏のお手紙によると、先回の2番目の写真の支点は、軸中心の高さになるようにされたそうだ。それができる構造ならば、わざわざ外した位置にする必要はないので、それが正解である。高さの微調整ができるのは良い方法だ。

 戴いたお手紙をそのまま掲出する。

nakazawa5nakazawa4 参考までに伝動台車の別の不掲載画像を添付させていただきます。

 ピンのある内側の底板前方とギヤボックスはM1.4ネジで留めていますが、密着させておらずフリーにしています。

 なお、外側の台車枠は吊り下げただけのいわばダミーで、車軸の先端は軸受パーツを嵌める位置のガバガバの穴に浮いています。


 軸孔を緩くして外側台枠は形だけというのは、うまい解決法である。中澤氏は数多くの電車を作られているので、その中での「現場知」としてこのような方法を会得されたのであろう。このような素晴らしい記事を、不完全な形でしか読めないというのは、読者にとって極めて不幸な状態である。

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2019年08月11日

O gauge

O gauge (2) この写真をお見せするのを忘れていた。
 これはNMRAの Oスケールの建築限界ゲージである。これを入手した時は、NMRAが現在のようなステンレス板打ち抜きのゲージを売っていなかったので、フロリダの知り合いが作ったのを買った。高かった。30年ほど前、20ドルもした。今の感覚だと5千円以上の感じである。完全な手作り品である。おそらく50枚くらい重ねて締め、フライス盤で削り落としたのだろう。正確にできている。

 40ミルのブラス板製である。40ミルというのは、40/1000 インチのことであり、
1.02 mm位だ。

O gauge 中心の穴に棒を取り付け、それを持って限界を調べる。隣に大きめの車輛を置くと、すれ違いの様子もわかる。
 筆者のアメリカの友人は、いわゆる”オイラン車”を作った。柔らかい針金を車体から突き出させ、それを一周させて、曲がりがないか確認する。しかし、どこで曲がったかを突き止めるのは、なかなか大変であった。今なら、無線で送信させることもできるだろう。簡単にするなら、針金付近に集音マイクを付けておいて、アンプで増幅し、積んであるスピーカから音を出させると良い。触った瞬間にガリガリとか、バリバリとかの音が聞こえるかもしれない。

 レイアウトを作るには不可欠の道具であるが、日本でこれを持っている人は少ないと感じる。線路敷設用ゲージすら持っていない人が多いのだから、当然ではある。

 このゲージによって、走行する車輛がO scaleであることが定義される。土屋 巖氏はかなりの数の1/24サイズ(1/2インチスケール)、32mmゲージの軽便車輌を遺された。すべて、スクラッチ・ビルトである。それらは平坦な、何もないヤード上を問題なく走行するが、橋やトンネル、駅のプラットフォームは、当然ながら、通過できない。車輛限界がスケールを決めているのである。同様にOn30はHOのレイアウトを走らない
 1/80日本型16.5 mmゲージの車輛はアメリカ型1/87.1のレイアウトを問題なく走る。これは50年前から椙山 満氏のレイアウトで見ている。単純なことである。

 最近、HOのポイントが入手困難になったという話を聞いた。
「自分で作ればいかがですか。」
と提案すると、
「そんな難しいことはできない。」
と言う。決して難しくはない。
 筆者は高校生のころから自作のポイントで遊んでいる。確かに尖端レイルを正確に削り落とすのは、機械を使わないと難しいが、そこまでの正確さが要求されることでもない。線路ゲージさえあれば簡単である。
 彼は今度フライス盤を使いにやって来るそうだ。訳なくできるから、きっと驚くだろう。エポキシ基盤の枕木も用意しておこう。NMRAのHOゲージを持ってくるのを忘れないように念を押した。

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2019年07月04日

炭素ディスクによるハンダ付け

 しばらく前の実演の写真を、MS氏から戴いた。炭素棒ハンダ付けの実演をせよ、とのことで、機材一式を持って出かけた。大きなトランスが入っているので、それを2つも入れると20 kgもあった。大きなスーツケースを牽いて行ったのだ。
 いつも手伝って戴くDr.Yも、自作のトランスを持って来られたので、それもお見せした。二次側の線は熱くなるので、ビニル被覆はいずれ可塑剤が昇華し、ぽろぽろと割れて来る。テフロン線に更新するようにお勧めした。一週間後にお会いしたら、直ちに巻き替えられたそうだ。

 伊藤 剛氏製作の炭素棒ハンダ付け機も、供覧するべく持って行った。非常にコンパクトに作られ、独立した足踏みスウィッチが無いにもかかわらず、1次側の断続が自由にできる優れものであった。
 ケースの蓋は蝶番で開くが、その陰にマイクロスウィッチが隠れている。蓋に触れると On になる工夫だ。実に素晴らしい工夫で、誰しも驚く。足元にケースを置いて、蓋を軽く押さえれば、On になるのだ。

炭素ディスク 炭素棒ハンダ付けの現場を見たことがある人は日本では少なく、かなりの方が熱心にご覧になった。太い材料(例えば 4 x 5 mmの角棒で出来たテンダの端梁)にステップを取り付けるのは、普通のコテではできないが、炭素棒なら3秒で完了だ。分厚い鋳物(Φ30、5mm厚)に小さなロスト部品を付けるのも5秒でOKである。外す時は。炭素棒で出来たピンセット状のもので挟めば、すぐ取れる。持ったまま、ずらして付けることも容易だ。

 客車側板のシル、ヘッダを隙間なく付けるのは、熟練がいる。プロは大きなコテの温度を最高に上げ、ジグで押さえ付けた細い帯板を一気に付ける。これはアマチュアには、かなり難しい。もたもたしていると、熱が板の方に廻って、全体が反る。こうなると修復不可能だ。
 帯板にハンダを塗り付け、良く磨いた側板にはフラックスを塗る。そしてこの炭素ディスクを当てて毎秒 2 cmほどで移動させると、全く隙間なく、完璧なハンダ付けができる。ハンダが両側に僅かに光って見える、理想的な状態である。

carbon disk 炭素ディスクは仙台の今野氏に挽いて戴いたものだ。中心部の金属が炭素ディスクとよく篏合し、この部分の接触抵抗が小さいことが肝要である。そうでないとこの部分が発熱し、燃えてしまう。
 アメリカで見たのは炭素ローラで、直径より幅が広いものであった。工業用途のもので、電流は100 Aも流れるそうだ。極端に太い電線が付いていた。何を付けるのに使ったのだろう。


 今度は右手の手術で入院しているので、しばらく休載する。左手は、お陰様でとても調子が良い。こんな事なら、もっと早く手術を受ければ良かったと後悔している。ボタンを嵌めたり、靴下が普通に履ける生活を、久しぶりに体験した。ここ何年かは、ヤットコでボタンを嵌めていたのだ。

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2019年05月09日

UP cabooses 

UP CaboosesUP caboose 完成しているカブースを塗った。すぐできると思ったが、意外に手間がかかるもので、6日かかった。左端が今回完成の車輛で、あとは以前から塗ってあった。

 例の red car (オキサイド・レッドの車輛)は台車が仮台車であって、高さが合っていない。しばらく待てば、wood beam trucks(木製台枠の台車)が3Dプリンタで出来て来るから、楽しみにしている。台車は金属製であると、ショートの心配がある。機関車でない限り、台車はデルリン製かナイロン製に限ると思う。これらの材料は非常に安定で、100年以上は持つだろう。ステンレス、モリブデン・グリースとの相性も良い。

 その次は先回お見せしたもので、塗装の修整をしてある。狭い範囲の修整なら、マスクして細い刷毛塗りで十分である。 台車は3Dプリンタで作ったものだ。 

 一番右の台車は、Lobaugh の砲金砂鋳物を糸鋸で抜いて、バネを押し込んだものである。艶の無い黒に塗ってあるので気にならない。
 彩度が高すぎる。車体に極めて薄いグレイを全体に吹けば、彩度を抑えられる。この手はよくやる。

 右の二輌は同一の安達製のものなのだが、窓配置が異なる。実は左が正解なのだが、工場で間違えたものが、検査に通ってしまったのだ。当時はこのようなミスは多々ある。車体の反対側の窓配置は、さらに大きな間違いがある。深く追及してはいけない。資料がない時代だったのだ。
 
 Glazing(窓ガラス)が入れてないものがある。アクリルの薄板があるので早急に貼ってしまおう。
 
 UPのカブースは未組も含めてあと4輌ある。2輌はスクラッチから作った物で、1輌は不可思議な完成品を組み直したものである。もう1輌は上記の窓が異なるものと同じ時期の製品だが、一部バラしてかなり加工してある。
 UPのカブースだけでも早く形にしておきたい。右端のNYCはパイオニア製だと思う。出来が良くないのだ。ハンダが廻っていない。

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2019年05月07日

Peabody Coal

PEABODY 10年以上前から半完成だったホッパ貨車を、5輌完成させた。1月ほど外に放り出して酸化被膜を付け、さらにプライマを塗った。黄色の塗料を塗り、床上部とホッパ下を黒く塗った。細かい部分の塗分けは大変なので、境目の面倒なところは細い筆で塗ってしまう。そうしておいて、マスキングを大きく簡単に施し、黒を吹き付けた。いつもやる手である。この方法を採用すると、マスキングの手間を1/10にすることができる。一輌ずつ手にとって眺め廻すものではないので、十分である。
 
 Peabodyの意味は、さやの中に一つだけ入っている大きな豆である、と昔聞いたが、最近の辞書には載っていないようだ。そういう種類の豆があるらしい。ここでは人名である。発音は、ピーバディ で石炭を掘る会社だ。石炭は燃やして電力にして売っていることもある。アリゾナ州の砂漠の中に突然出現する電化された貨物鉄道もPeabodyで、昔Amtrakで使われていた電気機関車がホッパ車をたくさんつないで走っているのに出くわす。30年以上前、それを見て狐につままれたような気がした。炭鉱で掘って数十マイル離れた町の発電所に運んでいるのだ。その鉄道は作られた電気で動いているという訳である。この発電所は有名な観光地の Antelope Canyon のすぐ脇にある。
 そこは期待して行くと、拍子抜けするほど狭い範囲である。これらの写真で見るのがすべてである。全体を眺める場所は無い。雨水で削れた砂岩の景勝である。徐々に削れてなくなっていくのだろう。雨の降りそうなときは進入が禁止される。過去に沢山の人が鉄砲水で死んでいるのだ。

 Champのディカルは一つしか手に入らなかったので、Dr.Yに複製して戴いた。番号はでたらめである。石炭はいつも通り、スポンジである。
 目立つ貨車群である。高校生の時から好きな塗り分けであった。

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2019年04月23日

ハンダ付けの補助具

soldering aid モハメイド氏の記事を見て、「オッ」と思わず声が出てしまった。この補助具は筆者も同様のものを持っている。30年以上前に作ったものだ。何度かの修整を経験しているが、捨てがたいものだ。いつも重宝している。


passemgercar errection 客車や貨車を組むときに使う。手前の一部は少し持ち上がっている。それはこの写真のように、裾がすぼまっている車輌があるからである。この部分は焦げたりして傷むから、時々ノミで剥がしとって、新しい板に交換する。この部分の無いものも作った。

 最近は炭素棒の出番が多いので、焦げる回数は減った。

 ハンダゴテを仕舞ってある棚を探すと、いろいろなものがあるので、ついでに紹介する。
square 直角ジグである。左は伊藤 剛氏のところから来たもので、井上大令氏の作られたものである。今では使ってはいけない石綿板が張ってある。ガス火で加熱する時に使う。これはよくある形だが、右は筆者の自作した貫通型である。45年ほど前に作った。
 アメリカの古い雑誌からアイデアを頂戴した。1950年代のModel Railroad Craftsman誌だったと思う。下の板はジグの下の隙間を貫通している。縦の板はクランプで軽く留めて倒れないようにしている。大きなコテで、さっと一息で付けると、傾かない。ハンダが片方だけにあると、それが縮んで傾くのだ。ハンダが浸み込んで、向こう側にも等量なければならない。これは祖父江氏から教わった。向こう側に出したくない事情があるときは、少し向こうに倒しておくと、固まった時に垂直になる。
 その角度はと聞くと、
「そんなもなぁ、メケンだよぉ。」
とのことだった。メケンとは目で見て、見当をつけることである。

 5月19日にあるKKCの展示会で、ハンダ付けの講習会の講師をせよ、と言われている。何かリクエストがあれば応じたい。炭素棒を主題としてやってくれ、とのことだ。


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2019年04月19日

続 3Dプリンタによる台車製作

national Nationalという会社の台車である。丸穴が面白い。二つの穴の中にもバネが仕込まれている。組立時に、どうやってバネを仕込むのかは興味深い。
 ボルスタ中にも大きなバネがあり、バネの中心は位置は十文字配置である。下側のバネ座は台車枠だけであって、spring plank(バネ床)がない。当時のカタログを見ると、部品の少なさ、すなわち軽量化を謳っている。軽くなった分、積荷を増やして収入を増すことができる、と述べている。軸箱を分解すると、簡単に車軸を外せるという図も添えてある。要するに、車軸が無いと、左右の枠は水平面で自由にひねれるらしい。台車枠と枕梁との摺動する部分いわゆる摺り板がないからだ。ということはバネの横剛性だけで載っていることなのだろうか。バネ座が深いのは、そう考えれば理解できる。self-centering という名称もそれを示しているのだろう。
 この台車はよく写真集で見るのだが、模型の製品としてはまずお目に掛からない。1940年代の貨車によく使われている。いくつか該当する車輛があるので、台車を交換するつもりである。

bet_cb カブース用の重ね板バネつきのベッテンドルフ台車である。揺れ枕内蔵のSwing Motion Truck である。人が乗る車輛は重ね板バネのダンピングが効いていないと、乗っている人がどうかなってしまう、ということだ。
 昔コンテナ列車にコキフが付いていた。車掌室側の台車だけをダンピングのよく効いた台車に履き替えていたという話を聞いた。当初の台車では車掌が参ってしまったらしい。この件について、詳しい情報をお持ちの方はお知らせ願いたい。 

 今回の試作品だけで10輌のカブースが正しい台車になる。

追記 
 うっかりして、古い原稿をそのまま出してしまったので、完全に新しいものと差し替えた。申し訳ない。


 コキフについてはお二方から情報を寄せて戴いている。
brass_solder氏から、 
 コキフ50000型は50000-50063まで前後ともコキ50000型と同じTR223を履きましたが、乗り心地の問題があり50064以降は車掌室側をバネの柔かいTR223Aに変更したそうです。その後やはり乗り心地が悪かったので、前後とも空気バネのTR203Sに交換したそうです。鉄道ピクトリアルNo.540 1991-3 に解説がありました。


kuma氏からは、
今回話題の件と関係があるかはわかりませんが、乗り心地の悪い車種があった様です。ここに記事があります。

 これらの記事を見る限り、ダンピングに言及しているわけではない。お二方には感謝する。 



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2019年04月15日

続々 遠藤機械の切断機をカスタマイズする

 大半の方は、そのまま組んでドンピシャリであったそうだ。シムを挟んで調節が必要であった方は数人である。下刃とテイブルが同じ高さでないと、ワークを滑らせたときに気分が良くない。

 U氏は自作された送り装置を付けられた。天板を外せば原型が現れるので、以前と同じ形で送り装置が使えるそうだ。この送り装置には筆者も興味があり、何回も図面を描いてはいるが、まだ形にはなっていない。
 いよいよ作りたいと思い、リニアガイドを入手した。送りネジは旋盤の心押台から外した左ネジを持っているので、それを使うつもりだ。その節にはU氏に助けて戴いたことを、感謝する。

lighting 切刃の真上から光を当てて、ケガキ線を見たい。いつも専用の照明の下で切っていたが、あまり明るいとは言えない状態であった。それを見ていた友人のN氏が、
「ほら、これを作ったから使ってみてよ。」
と持って来て下さった。それは電池式のLEDライトである。バァ・ライトと電池箱をそれぞれ両面接着テープで留めれば良い。実によく光が廻って、切り間違いはなくなる。N氏のアイデアと実行力は素晴らしい。感謝する。

 当初の予定では昨年11月末に納品の予定であったが、かなり遅れてしまった。その間にいくつかのキャンセルが出て、それを処分したいことをクラブ内で告知したら、意外にもいくつか追加注文が来てしまった。少数を再生産することになったので、このブログの読者からも注文を受け付ける。
 希望者は手持ちの機械の情報を知らされたい。
‖臑里旅愼年および価格
⓶脚の上面から下刃の上面までの高さ(43 mmが多い)
Bの間隔(270 mmと330 mmがある)
げ漆呂良(切断面から手前の角までの距離)
をコメントで「私信」としてお知らせ願う。他に漏らしたりはしない。
納期は2か月、価格は11,000円前後だ。


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2019年04月13日

続 遠藤機械の切断機をカスタマイズする 

underside 仕上げ無しで良いということは、工賃を抑えることができるわけだ。当初はフライスで仕上げることにしていたが、その必要は全く無くなった。ネジ孔を用意するだけで完成だ。その加工は外注した。さすがにM10のネジを切るのは、筆者の工房では無理だ。
 レーザ加工の工場の紹介でネジを切ってもらったが、安くはなかった。止り穴の場合は切り粉を出すのに苦労するので、横から孔をあけておいて、排出した。これは良いアイデアだと、加工工場で評判が良かった。

table top テイブルは二系統を一つにまとめたので、余分な穴が開いているが、それはお許し願った。



 テイブルの奥行は、下刃の手前側にぴったりくっつけたいところだったが、下刃の奥行きにもかなりのばらつきがあることが判った。最大のものに合わせたので、最大1 mm強の隙間ができる。気になる人がいるかもしれない、と危惧したが、今のところ苦情はない。黒皮の普通鋼板であるが、剛性があって平面度が良い。下刃との高さを合わせると、極めて作業性が良くなる。

shear table 直角定規(切断ガイド)は普通鋼板のつもりだったが、それでは曲がり易かった。用をなさないことが判ったので、高級な刃物用ステンレスを使用した。そのままでも包丁になる材料だ。熱を加えると極端に硬くなるので、下手に加工すると収拾がつかなくなる。水で冷やしながら砥石で磨る程度だ。

rule 矢印の部分は、機械の寸法のばらつきによって当たることもあるらしく、その場合は少し削らねばならない。M10を仮締めして、直角が出るか試切りで確認する。良ければM10を本締めして、できあがりである。


 本体の孔が多少ずれているものもあるらしく、どうしても直角が出ないという訴えがあった。電話で、ヤスリで本体の孔を僅か拡げて戴くようお願いして、解決した。どうもこの切断機は、手作り品のようだ。 


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2019年04月11日

遠藤機械の切断機をカスタマイズする

00016070001607_3 しばらく前にこれらの写真をお見せした。これは熔接で出来ている。職人の腕で、段差が全くないものを作ってもらったのだ。これを所属クラブで披露すると、欲しいという方が多数あったので、それを増産することになった。

 困ったことに遠藤機械の製品は、40余年の月日のうちにどんどん寸法が変化していることが判った。クラブ員からの申告を分析すると、下刃の高さは39 mmから44 mm程度までの分布を示し、脚の間隔も270 mmと330 mmの二系統があった。組み合わせは計11通りあって、個別に対応するのは無理であった。出来たとしても価格が極端に高くなる。細かく検討した結果、大きく4種に分けられ、微妙な寸法の差はシムを挟むことによって逃すことにした。そのシムを挟む場所は二箇所にすれば、テイブルが高い場合と低い場合に対応できる。

 当初は熔接で作る予定であったが、溶接工の友人が突然入院してしまい、別方法で製作した。
 レーザ加工の工場が引き受けてくれたのだが、機械が故障し、新型に入れ替えるのに正月を挟んで一月ほど停止期間があった。再稼働し始めたが、初期故障もあり、また遅れを生じた。今野氏から一番低い事例としてお借りしていた機械は、3か月以上もこちらに留まり、大変なご迷惑をお掛けしてしまった。

stands 構成は、19 mmの鋼板をレーザで切って、その断面を使ってテイブルを直角に保持するというものである。技術の進歩はこういうところに出て来る。
 19 mmもの厚さの板を切れば、切り口はめちゃくちゃになって、その面で板が直立することなどありえないと思っていた。ところがレーザ加工工場の専務が、
「まあ見てください。ほらね。」
と立てて見せてくれたのだ。以前は13 mm厚程度でしか、このような芸当は出来なかったそうだが、今度の機械は19 mmでも完璧なのだ。


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2019年01月30日

線路規格ゲージ

 昔は線路用のゲージを売っていた。HO用なら、NMRAのも見た覚えがある。最近はあまり見ない。ほとんどの人が出来合いのポイントを買うからであろうか。それが正しく規格に基づいているかどうかなど分かりはしない。

 O scaleのNMRAの規格に則ったゲージは今でもある。昔買ったステンレス板打ち抜きのものである。建築限界全体も示す大型のゲージは、フロリダのメーカーがブラスの 1 mm強の板で作っていた。これはたくさんの板を重ねてボルトで締め、外形をフライス加工したものであった。ブラス製だから多少軟らかく、ポイント作成時に使うと磨り減る惧れがあった。

 13 mm や 24 mmゲージ、12 mmゲージの人たちは、身内でゲージの頒布を行っているだろうか。今ならステンレスの板をレーザで切り抜いたものを作るのは容易である。試作して実測寸法を調べて発注すれば良い。その程度の努力はするべきだ。

 ゲージ無しで正しいポイント作成は難しい。出来ないことは無いが、やる気が失せる人も居るだろう。標準ゲージがあれば、市販品のポイントがいかにおかしいかも分かる。線路ゲージが狂っていることにも気が付く。

 枕木を切ってずらすくらい、訳はない。線路を中心で切って縦割りにし、打ち直せば良いのだ。直すのがポイント部だけなら、大した作業ではない。車輌工作に投入する手間の1/10で解決する。フログのウィングレールを太くする方法は簡単で効果が大きい。


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2019年01月04日

蒸気機関車の音の再生

618_0131 正月に音楽家の友人に招かれて、演奏を聞いた。彼は仕事をやめた後、専用の建物でジャズの教室、演奏会を開いている。設備は相当なものである。各種のオーディオ装置を完備し、レコードは1万枚弱を持っている。彼はもともと電気工学出身で、オーディオは専門家であった。
 レコード再生には非接触のレーザ光によるプレイヤを用い、 特殊な真空管アンプを通して聴く。スピーカはイギリス製の何とかという珍しいブランドだ。巨大な超低音再生スピーカもある。それを入れたり切ったりして、効果を確かめながら聞いた。

 筆者は、アンプはFETがベストという結論を持っているので、真空管アンプ至上主義者からは睨まれている。それは物理学的な考察の結果であり、情緒的なものではない。少なくともFETは安い。安くていい音がすれば良いではないかということだ。
 それはともかく、今回は彼のオーディオ装置を通して聞かせて貰うことになった。真空管アンプ特有の音がし、それはそれで楽しめた。

618_0129 筆者を招待したので、友人は蒸気機関車の音を収録したレコードを特別に用意して、待っていた。全員の前でそれを再生した。素晴らしい臨場感で、感動した。
 Santa Feの最終蒸気運転のレコードで、4-8-4がロスアンジェルスからパサディナを抜け、カホン峠を行く様子が収められている。B面にはデイライトとキャブ・フォワードの音も入っている。後者はスリップして、音がずれていく様子が分かる。
 我が家でいつも聞いているCD再生音とは、根本的に違うと感じた。ここからは彼の講釈である。

 CDは20,000 Hz以上の周波数をカットしている。しかしレコードはそうではない。極端な低周波も高周波も一応、物理的に可能な範囲を収録している。その部分はHi-Fiではないかもしれないが、ゼロではない。
 音響効果が考えてある部屋でそれを再生すると、様々なものに当り、共振させ、耳に入る。共振は倍音、半音その他いろいろな成分を持っている。それが総合されて耳に入るので、臨場感が生まれる。この音をヘッドフォンで聴くと、面白くない。反響、共鳴がほとんど期待できないからだ。


 臨場感は本物と同じという意味ではない。本物ではないが、聞いた人に「そうかもしれないという感じ」を与えるような響きを生じることらしい。彼の意見に完全に同意はできないが、かなり説得力のある説明であった。ちなみに筆者は聴力試験の結果、12,000Hz以上はほとんど聞こえていないらしいが、違いは感じた。

 帰宅後、手持ちの蒸気機関車の録音を全部聞いた。頭の中は排気音と汽笛で満たされた。DCCの再生音とは違う。もちろんPFM方式とも根本的に違う。
 
 余韻に浸っているうちに、様々なことが頭の中を巡り、しばらく前のMRに載っていたオーディオ方式を試してみたくなってきた。それは、車載DCC以外に、固定されたDCCからの音声のうち、重低音部分を重低音専用スピーカを経て、レイアウト全体にばらまくというアイデアだ。低音は指向性がないので、一箇所あれば有効だ。
 ディーゼル・エンジンの腹の皮がぶるぶると共振するような重低音を味わうことができる筈だが、隣の家のガラス戸が震えるかもしれない。面白そうだ。

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2018年12月31日

続 活字金鋳造

 活字金は硬く、加工性が良い。フライスで削れるし、タップでネジも立つ。今野氏のブログにギヤボックスの蓋を鋳造で作られた件が紹介されている。うまい方法である。油が飛ぶから、ギヤボックスの底の部分には蓋が要るのだ。それを作るのは結構面倒だが、一つ作って型を取り、それを活字金で鋳物にすれば非常に良いものが簡単に大量にできる。採用したい。

 場合によっては、ギヤボックス全体を活字金で作っても問題ないだろう。そういう時には金型を作る方が良さそうだ。予熱しておかないと、最初のいくつかは失敗する可能性がある。冷えすぎるからだ。空気抜きの細孔もあると良いだろう。下手をすると押し湯で噴き出す可能性もあるから、理屈をよく考えて安全な構造の型を作るべきだ。

 人形とか、ストラクチュア関係の小物も活字金で作れば簡単だし、しかも丈夫である。シリコーン・ゴム型でも平気である。鉛では融解温度が高いので、壊れてしまう。3Dプリンタで原型を作ってゴム型を作り、それを活字金で複製するわけだ。かなり簡単にできそうである。
 今まで、活字金は比較的高価であった。しかし最近は値崩れしているから、いくらでも使える。この活字金の利用法をもっと考えるべきだ。

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2018年12月29日

活字金鋳造

 友人から、活字金鋳造をやりたいと申し出があった。詳しく教えてくれとのことだったが、
「簡単なことだから一つだけ守れば良い」
と伝えた。

casting1 彼は ”とれいん” 464号の記事を見て心配になったという。
「うまく行かないような気がする」
と言うのだ。その記事では型は片面だけで反対側は板で押していると言う。薄い型では出来るわけがない。
「こちらの言うとおりにすればできる、くだらない記事は無視されたい。」と強く念を押した。
 その一つだけ守るべきことは、「押し湯を十分にする」である。

casting2 その号は博物館にあるので開いて見た。案の上、記事では融解した活字金をゴム型に板で押し付けている。粘土細工ではないのだから融けたのを押し込んでもダメだ。融けた金属の表面張力は極端に大きい。金属結合が強いからだ。水銀の粒がまん丸であるのを見ればわかる。シリコーン・ゴムの型は金属をぬらさないから、押し込んでも無駄な努力だ。10何回かの試作で台車枠2枚ができたそうだが、それでも奇跡に近い。写真2枚は、同号から転載した。

 二つの型の間に挟まれた空間に、融けた金属に圧力を掛けて押し込むしか方法はない。そのために遠心力を使ったり、水蒸気の圧力を使ったり、あるいは型を多孔質にして裏側を真空にしたりしている。大昔はそんな方法がなかったので、重力を使った。融けた金属の注ぎ口を高くするのだ。その分の圧力が、金属の表面張力に打ち克って、型の隅々まで押し込むのだ。高さは 10 cmほどでもかなり効く。金属は密度が大きいので、少し高くするだけで十分なのだ。活字金は固まるときに体積が縮まないので、高くしても問題が起きない。筆者は最高 30 cmほども、上げた。活字金を使う時は、まかり間違って湯口が先に固まっても、問題ないのだ。

 素晴らしいものができたと喜びの電話があった。指南した甲斐があった。同時に、この記事への不満を聞かされた。この筆者は一体何なのか。自称技師と言ってみたり、今回は「指導」と書いてあるではないか、と彼は怒る。確かに通読すると、そこには"サイエンス"が抜け落ちていると感じる。合金の性質、表面張力、ぬれなどの知見が全くない。これでは成功するのは困難だ。

 その号には、越後要介氏、佐野匡司郎氏、田野倉要介の素晴らしい工作法が紹介されているのに、あまりの落差に驚いてしまった。

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2018年12月27日

続々 press

「16.5 mm軌間の車輪を 13 mmにするときのことをおっしゃっているのですか?」という質問を戴いた。その通りである。

 コンコン改軌という言葉があるそうで、叩いて目的の位置までずらすのだそうだ。叩いてずらすというのだから、それほど固く嵌まっているわけでもないようだが、出来れば避けたい。
 
 ゲージを決める断面がU字型のブロックを挟んで、プレスでぐーっと押し込むのが良い。衝撃を与えるということは、意外と大きな力で特定の部分を押すことだ。ジャーナル部(車軸の先端)が目に見えない程度潰れるだろうし、それが垂直であればまだしも、多少傾いているかもしれない。そうなると、走らせるとゴロゴロするだろう。叩く工具も問題だ。金槌を使う人が居るが、これは論外だ。銅のハンマを使うならまだ良い方だが、そんな人はまずいない。木槌で叩く人はいるだろうが、大きいから扱いが難しい。

 また、ピボット軸では深刻な問題だ。筆者はピボット軸を押す専用の先端工具を持っている。旋盤さえあれば作るのは簡単だ。尖端部を避けてテーパで受ける。テーパは完全に合っている必要はないから気楽だ。ギヤの押し込みにも便利である。軸にローレットを切って押し込めば、留めネジも要らず心が出て、楽である。ギヤをハンダ付けすると心は出にくい。

 この種のプレス機は高いものではない。昔アメリカで買ったものだが、最近は日本からでも簡単に買える。模型用として使うプレス機は、さすがにネコプレスでは大き過ぎるだろう。このギヤ式のプレスはとても使いやすい。


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2018年12月25日

続 press

 プレス本来の使い道として、雌型に雄型を押し付けて、形を転写するということがある。この時雌型を作るのは面倒である。プロは雄型を作って焼き入れし、雌型の素材を焼きなまして押し付ける。凹んだものは硬くなっているので更に焼きなます。これを繰り返して雌型を作る。もちろん深いものは、ある程度まで機械で彫っておく。 

 雌型をこのような方法で作るのが面倒な場合は、ZAS(亜鉛を主体とした硬い合金)を流し込む方法がある。雄型を上向けにしてZASを融かして流し込むと雄型の通りに出来た雌型ができる。ブラス相手なら十分に成型できる。これをフライスで平らに切ると、抜き型さえできるほど硬い材料である。

rubber female die その昔、ある天才が雌型をゴムで作ってはどうか、と思い付いた。硬いゴムを敷いて、その上にワーク(材料)を置く。そこに雄型を押し付けるとかなりの成型ができる。ワークを焼きなましておくと綺麗に出来る。ゴムは天然ゴムで始まったが、現在は硬いウレタンゴムである。折り曲げもできるが、十分に角を出すのは、やはり溝を切った鋼製雌型が必要である。

 ブレーキ・ホィールはサラダ・ボウルのような形である。エッチングやレーザ・カットでできたものは平面であるから、これを整形して丸くしたい。こういう時にはとても便利な方法である。

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2018年12月23日

press

PanaVice (3) 圧入、取り外しには不可欠の工具であるが、日本の模型人はあまり持っていないような気がする。
 叩いて嵌め込む、あるいは抜く、と書いてある記事をよく見るが、やめるべきである。曲がる可能性があるし、叩いたところが斜めに凹むことがある。

 筆者はこれと1トンのネコプレスを持っている。PanaPressは軽合金製で、250 kg重(2.5 kN)程度の軽作業用だ。車軸を抜いたりするのには十分な力がある。
PanaVice (2) 厚い木の板に取り付けてある。手前に出ているのがミソである。これがないと、てこを引いた時に力が入らない。補助具は熔接して作った。これも専用のを作っておかないと、水平が出ないから、軸が曲がる可能性がある。押すものはブラスの挽きものである。ある程度軟らかくないとワークに傷が付く。
 その取付けネジは、1/4インチのネジ(カメラの底にある三脚ネジ穴)である。旋盤上でダイスで切る。ブラスだから作るのは極めて楽である。たまに鋼製のピンを植え込むことがある。

Panavice (1) 専用の補助具(台)には裏に穴があいている。こうしておかないと抜けたものの行き場所がない。補助具を高くする手もあったが、低くしたかったので穴をあけた。

 車輪、動力機構を作るときにはプレスの出番が多い。

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2018年12月19日

ブレーキ

 brake とは制動機のことではない。金属板を曲げる機械である。もちろん手動で曲げるものである。筆者は大きなものから小さなものまで4台持っている。

 一番良く使うのは、先回紹介したこの小さなベンダである。 何をするかというと、細いアングルを作るのである。市販品のアングルはろくでもないものが多いからだ。曲げ易いようにエッチングで筋を彫ってあったりする。
 エッチングはなました材料を使っているので、製品がくたくたである。腰がないので使えない。こんなものを貨車に使うと、連結した瞬間にめり込むだろう。

 ベンダで曲げると加工硬化して腰が強くなる。曲げてから切り落とす。先日ジャンク箱から見つけたアングルは曲がり方が甘い。虫眼鏡で曲がり角を見てみると、型が良くないことに気が付いた。メス型は単に直角ではいけないということを知らない人が作ったのだ。
h3244-f4ca2749af14ee6e7682644b12431d2e メス型はこんな形であるべきだ。溝の底に深い溝がなければならないのだが、それを知らない人が多い。この型を使えば、製品には独特の痕がつく。

 このブレーキは万力に吸い付かせて使う。便利なものだ。2 mmの板でも曲げられるから、モータ・ブラケットを作るときには便利だ。これはカタログ上の写真であって、筆者のはアゴの側面にネジで締める。両面テープで仮留めすると、ずれない。

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2018年12月11日

華奢に作る

 先回の通風扉を友人たちに見せたところ、針金が細くて実感的だと言われた。久し振りに褒められて、嬉しかった。細い線を等間隔に張るところが見せ場だったからだ。
 華奢(きゃしゃ)に作るのは難しいものだ。太いものはオモチャ的で気持ちが良くない。なるべく細く仕上げたい。

 プラスティックの貨車はハシゴ等が太くて実感がない。これを薄く、細くしたい。切り外してブラス製にするとかなり良くなる。さらに細くすると、強度がないので触ると、曲がって壊れてしまう。針金類は、リン青銅かステンレスのバネ線にする。

freight car detail 10年前にアメリカで買ったプラスティックの真空成型の貨車は、そのような部品が薄鋼板で出来ている。鋼板は堅いから細くできるし、壊れない。
 写真の左から、
木製キットにブラス製ディテイルを付けたもの、
真空成型に鋼板部品を付けたもの、
エポキシ鋳物の貨車、
プラスティックのインジェクション・モールドの太い部分を切り離したもの
の順である。

,呂海谿幣綺戮できない。
△禄淑細く、塗装しても実感的である。
は未加工である。細い鋼板製アングルを作ってみよう。
い蓮▲魯轡瓦硫桟を切り取った。細いステンレス・バネ線を貼るつもりだ。

 実物は実に細い。普段模型しか見ていないので、たまに実物を見るとドキッとする。ハシゴなど透けて見えないくらいだ。 


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2018年11月07日

続 all-door boxcar by Thrall

all-door boxcar ceiling 先回の写真の内、三つ目の車輛は、ドアを片方に寄せて荷役作業をしている時を表している。ドアが重なる様子を作った。

 この種の車輛は全スパンに亘って屋根の支えがない。即ち、屋根の剛性を確保するためにかなり努力している。H型断面の鋼材を入れて見たり、Iビームを付けたりしている。筆者がたまたま見たものには、トラスが入っていた。きっと他の構造もあるだろう。

 開いているドアは空中に浮いているので、ブラス板で作った。かなり重い。ドアを開けたまま走ることは禁止されているので、これは走らないディスプレイ・モデルである。連結器もケィディではない。

 積み荷は、レーザで切った物を売っていたので、貼り合わせて作った。ランダムに積んだ様子を表している。実際にこのようなバラ積みも見た。

 あれから40年以上経つ。この種の貨車は急速にその地位を失い、現在では博物館でしか見られない。積込みの方式が変化したのだ。今はセンタービーム・フラットカーを使う。これはドアがないので荷役作業が楽である。たった一人で積み込みができる。積み荷には簡単な雨よけが付いていて、車内に入れる必要がなくなったのである。 

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2018年11月05日

all-door boxcar by Thrall

 1970年代には、この貨車をあちこちで見た。荷役作業をしているところを見ると非常に面白い。どのドアも開くので、直接フォーク・リフトを使って積み込む。中にはほとんどバラ材に近いものを積むのも見た。それが印象に残っていて、いつか模型を作ろうと思った。1976年にこのキットを手に入れた。ラッカ・サーフェサを何度も塗って研いであるので、つるつるである。誰も木製であるとは信じないくらいの仕上がりだ。しかし、形はすぐできても、色が難しい。

colors of boxcars 何枚かの写真と記憶にある色を組合せて塗ってみたものが一番下である。被写体の車輛の経年変化の程度もあり、参考にした写真の色再現性の問題も絡めて、塗った時は正しいと思ったのだが、ディカルを貼る瞬間に間違ったことに気付いた。ヘラルドの色と近いのである。地の色はもっと薄い。それからこの模型を見るたびに、様々なことが思い出され、気分が滅入った。

 10年ほど前、模型ショウのスワップ・ミートで一番上のを見つけた。この人も色では失敗している。筆者のより、濃く塗っている。上から二つ目はフロクイルのWeyerhauser greenを塗っているようだ。調色塗料なので一応色相は合っているが、本体の構成が派手に間違っているのと、塗装が薄くて下地が透けているのが問題だ。どちらも10ドルほどで買った。

 これらの造作を全て外して下地を整え、細かい部品を作り替える。塗装は完全にやり直し、ディカルも貼り直す。何のことは無い、一から作るのとそう変わらないのだ。白く塗ったもの緑のものと合わせて、完成すると7輌揃う。

 この模型は、HO、Nでよく見る。人気があるのだろう。しかし実物を見たことがある人は、少ないはずだ。

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2018年11月01日

簡易バッフル付き空気清浄機

air purifiers ハンダ付けの時のフラックスの fume(煙・霧)の処理には困る。最近は中型の空気清浄機が3台揃ったので、殆ど問題なく吸えている。塩化亜鉛のフュームは金属を錆びさせるので問題だ。長い貨車をハンダ付けする時は、少し配列を変えるとよく吸ってくれる。
 右からバッタ屋で安価で入手したもの、粗大ごみの中から拾ったもの、新品をご寄付戴いたもの。さすがにこれだけ並べるとすごい効果である。背後から風が吸い込まれていくのを実感する。光が反射して、LED1灯でも手元がとても明るい。

fume collector 所属する模型クラブ員が来て、作業場として使っている。たまたまこの形の吸煙装置を持って来た方があったが、直前 5 cmで吸わせないと全く吸わないことが分かった。そこで廃段ボール箱を加工して無理やり押し込んだ。捨てる時困らないよう、内部は粘着テープでしか留めていない。上にヒサシを付け全体を前に傾けた。

fume suckerexhoust 加工の手順はこんな調子である。中に台として合板を接着し、その上に吸煙機を置く。排気部は箱の上の方に密着させる。隙間はすべてマスキングテープで塞ぐ。

buffle バッフルには縁を付け、それを向こう側(吸煙機側)に向けた。こうすると、空気の流れがより自然になる。上下左右の隙間は 25 mm程度あけて取付けた。段ボールと合板は、水性ボンドで良く接着できる。
 風量が少ないので、このままではハンダ付けの煙は上に行ってしまう。少し手前に傾けると同時に、ヒサシを付けて前に出してある。これはよく効く。

fume sucker 結果は上々で、風量の少ない機種ではあるが、十分に吸ってくれる。配線作業などにはとても好都合だ。材料費はゼロに近い。
 中の汚い木の板は、バッフルとの隙間を少し狭くするように貼ったものだ。

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2018年10月28日

続 長い貨車

auto carrier3 1段目を接着している状態を示す。これは、ゴムの代わりにテープを使っている。錘はまだ載せていない。接着部は点接触のように思うが、意外にたくさんの面積で接触しているから、かなりの強度で接着されている。おそらく、走行時に軽度の脱線事故があっても生き残るだろう。支柱は1本 6 g ほどで、24本あるからそれだけで 150 gである。未組の時、箱が重くて驚いたことを覚えている。

 この貨車は突出している部分が多いので、その部分は念を入れて接着する必要がある。たとえば隣の貨車との接続部には、渡り板がある。これを接着する時には、接着面をよく削って平面を出し、硬化時間中は適当な保持具で押さえねばならない。
auto carrier5 筆者はヤスリを用いる。目の立っている部分を使うと簡単に押さえることができる。接着面は小さな面積ではあるが、垂直に隙間なく圧着されていると、よく付く。この方法はハンダ付けに時にも役立つ。

auto carrier4 Xブレイスなども、すべてエポキシで付ける。二番目の写真の右上にある二液性エポキシ接着剤は、2つのシリンジが平行している。押せば自動的に等量出るので具合が良い。大きく "5 minutes"と書いてあった。多少古いものを、アメリカのバッタ屋で大量に買った。それ以来5年も経つが、問題なく使える。持ち帰るとき嵩(かさ)を減らすためにブリスタ・パックを捨てたので、何というブランドか分からない。多分これだろう。もう残り少ない。
 5分というのはいわゆる"working time"(付け外しが可能な時間)で、"setting time"(硬化時間)は15分である。未混合では硬めだが、混ぜると粘り気が減るから、隙間の上に盛り上げておくと、毛細管現象で吸い込まれてしまう。ぬれが良いのだ。

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2018年10月26日

長い貨車

 1970年代のアメリカの鉄道では、85 ft(約26m)クラスの貨車が急速に増えていた。そのころは貨物列車を見て、新車を探すのが楽しみであった。この Autorack  車載専用車は3段でたくさん積めた。乗用車は15台載せていた。当時は現在のような屋根や側板はなく、開放型であった。長さは徐々に伸びて 89 ft(27 m強)まで行った。

 この貨車が好きで、都合4輌作った。1輌目は別会社の木製キットで1970年代に完成させた。実に難しいキットで、苦労した。接着部が少ないので、ショックに弱いだろうから、走らせられない。展示用だ。その後90年代に金属製キットを入手したが、単なるチャンネルと板の詰め合わせであった。これがキットと言えるのか、という程度のものであった。図面も怪しく、実感に欠けるところがあったので修正した。ハンダ付けなのでジグも要らず、作るは容易であった。組み立てたものは10年も行くえ不明であったが、最近発見された。重く600 g以上ある。補強材を足したためである。少しディテールを付ける必要があるので資料を当たっている。

 今回のキットの2輌は支柱がホワイトメタルでその他が木製である。支柱は24本あって、それに3段のラックが載る。接着している間にどうやって保持するかで悩んだ。友人は考えた末、「不可能だ。」と言った。しかし、何とかして組み立てたかった。

auto carrier2 丸一週間悩んで、ついにある方法を思いついた。側面の枠だけを型紙上で接着してしまう。つまり、格子状にするのだ。それを床板の隅に引っ掛けて二段目のラックを支点に上端を輪ゴムで軽く締める。仮留めはマスキング・テープでも良い。そうすると支柱の弾力の範囲であるから、支柱は床の隅に密着して留まる。もちろんある程度の錘をラックに載せると密着が良くなる。5分間エポキシを使った。

assembling autocarrier 支柱はかなり硬い合金で、曲がったりはしない。普通のホワイトメタルとは違う。ヤスリを掛けると快削であることがわかる。たまには捩じれているのもあるので、事前に修正するが、とても硬い。

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2018年09月16日

ダイヤモンド・ホィール vs. 鋼

 最近はダイヤモンド工具が安い。百均の店に行くと様々な先端工具がある。さすがにダイヤモンド・ホィールは見たことが無いが、通販で購入すると安くて驚く。

 鋼材(鉄合金)をダイヤモンドホィールで切る話を、時々ウェブ上で見かけることがある。ご本人は気が付いていないようだが、あまり感心しない話である。ダイヤモンドは鉄と反応するからである。高温では炭化鉄になってしまう。

 例えば、モータのシャフトを切る時、ダイヤモンド・ホィールの直径を測定してから切ると、切断後少し小さくなっていることに気が付く。減るのは当然だと思う人もいるが、切断砥石を使った時は減り方が少ないはずだ。しかも速く切れる。

 ダイヤモンド・ヤスリで鉄合金を削るのはダメなのかと聞かれることもあるが、それは構わない。要するに温度が問題なのだ。赤熱したり、火花が散っているようではいけない。ヤスリ掛けでは、そんな温度にはならないから問題ない。

 旋盤でダイヤモンド工具を使う人は、アマチュアではいないだろうが、ゆっくり廻す分には問題ない。ダイヤモンドは熱伝導率が極めて大きいので、赤熱することはないはずだ。余談だが、こんな事例がある。

 そんな大きなものは持ったことは無いが、ダイヤモンドの薄板を温かい指で挟んで、氷に触れさせると、氷は融けてダイヤモンドが食い込んでいく。指は冷たさを感じる。ダイヤモンドは金属よりはるかに熱を伝えやすいものである。


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