チェイン駆動

2020年02月03日

UP Switcher

chain drive (3)chain drive (2) ギヤボックスの上にはモータからの推進軸が来る。その支えは9 mm角棒を切って、2 mmの板に貼り付けたものだ。銀ハンダであるからとても強い。貼ってからフライスに掛けても、剥がれる心配はない。高さが足らなかったから、1 mmの板をはさんで持ち上げてある。


 チェインドライヴの紹介のついでに、このスウィッチャについて書いておこう。この機関車はずいぶん前からたなざらしになっていた。80年代にアメリカに居た頃、友人から買った韓国製の機関車だ。彼の手による、美しい塗りであった。本物を毎日見ている人であったから、エンドビームのスコッチライトは本物を切って貼ってある。
 上廻りにはそれほど不満が無かったが、下廻りは悲惨だった。 とにかく走らない。集電が悪いのは車輪のメッキの問題、軸の仕上げ、集電ブラシの材質に問題があった。要するにまるでダメである。台車の鋳物は軟らかく、すぐに歪んで、車輪が浮く。ギヤボックスは固くて廻らない。

NW2 (5) 駆動装置はすべて廃棄して、新型ギヤボックスを付けた。運転室の床下には、限られたスペイスしかないから、スプロケットの位置を少し横にずらす必要がある。要するにチェインが少し斜めに掛かることになる。したがって、推進軸支えは短くせねばならない。下げる量を計算してフライスで削って沈める。こういう時は、三角関数にお世話になる。便利なものである。銀ハンダで付けてあるので、事後のフライス加工にはためらいが無い。外れて飛んでいくということはない。

 運転室は、窓が大きいので丸見えだ。機関士の人形を見付けたが、縮尺が違う。身長 2 m以上あるだろう。尻を削って座高を低くしたが、まだ大きく見える。体重は120 kgはあるだろう。そんな人も居るから、良しとした。 

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2020年02月01日

Servolink

sprocket-group-pic-1-600px チェインはServolink社の製品だ。もうかれこれ発売45年の、実績あるチェインである。これを初めて見たのは Bill Wolfer のところである。彼の GG1はこのチェインで駆動されていた。伸びたり切れたりしないかと心配したが、重い客車を引っ張って彼のレイアウトを疾走した。その後何回も見せて貰ったが、交換もせず、よく持っていて感心した。
 チェインは結晶性プラスティック製なので、へたらない。このあたりのことは専門的になるので理屈は割愛するが、ポリエチレンとかポリスチレンとは全く違う性能を持つ。小負荷なら金属製チェインよりはるかに性能が良い。使用による伸びとか寿命についても、データが公表されている。

 最初は少し分けて貰っていたが、祖父江氏の要望でかなり大量に、直接買った。その後いろいろな人に頒けたが、みな喜んで使っている。へたったという話は聞かないから、耐久力は十分なのだろう。効率は、スプロケットの外径が大きいほど良いはずだ。リンクの曲がり角が小さいからだ。また、同じトルクでは引張力も小さく、摩擦が小さい。当鉄道のディーゼル電気機関車群、タービン電気機関車群には標準装備されている。大型機には二重掛けをしているから静かだ。 

 問題は軸径がインチ規格なので、それに合うスリーヴを旋盤で挽いて組合せねばならない。デルリン(POM)製なので、無理をして打ち込むと割れて来る。ギリギリで作って軽くロレットを掛け、接着剤と共に押し込む。このように加工したものは時々確認して割れていないか見る必要がある。Weaver社のプラスティック製機関車にも大量に使われていたが、ことごとく割れた。無理な圧入をしたからで、回収されていた。いわゆる応力割れである。
 当鉄道では、力の掛かるところは接着剤ではなくピンを通してある。

 Kleinschmidt氏はギヤの方が静かだと述べていたが、コストを考えるとチェインに軍配が上がる。歯数を互いに素にし、はす歯のギヤと予圧を掛けたボールベアリング支持にしようと思うと、よほど大量生産しない限り、とてつもなく高いものになる。

 軸を平行に下げるギヤボックスは様々なものを見るが、どれもまともな設計とは言い難い。唯一、カツミ製のものが静かで抵抗が少ない。
chain drive (1) この写真は当鉄道で標準化したチェイン・ドライヴである。スウィッチャの台車用だ。運転室側で、高さに余裕がなく、しかも少し右にずらさないと 入らなかった。ギヤボックスは、新設計の無調整型である。素晴らしい性能である。

 Servolink社のスプロケット、チェインはたくさん持っている。使ってみたい人があれば、お譲りする。但し、旋盤加工はご自分で、とお願いする。

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2020年01月28日

5軸台車にギヤボックスを付ける

centipede tender こんなに狭いところに5軸あるので、ギヤボックスを無理なく収めるのには少々苦労する。例えば3軸台車なら、2軸を一つにまとめてドライヴ・シャフトで結び、もう1軸はルースなジョイントでつなぐことを考えるだろう。そのギヤボックスに反動受けのリンクを付ければ、完成だ。
 しかし5軸あると、そのような方法が採れない。2軸ずつにして中間の1軸は捨てて、そこに伸縮するユニヴァーサル・ジョイントを置くしかない。しかし、そのスペイスすらないのだ。こうなると、六角軸のジョイントでつなぐしか方法が無い。

 この六角軸ジョイントは、六角レンチの頭が丸くなっているタイプを思い起こして戴くと、理解できるだろう。少しくらいの角度なら、問題なく廻る。厳密に考えると等速とは言えないのだろうが、角度が浅ければ全く問題ない。線路の上に載っているのだから、それほどの段差はなく問題は起こらない。よくできた部品だと思う。これは、カツミ模型店にいた高橋 淑氏のアイデアだ。写真では、ずれが大きいところを見せている。軸受を外して作動状況を見せているのだ。走行時には殆ど直線状である。

 チェイン・ドライヴは前後2つに分けた。1つにすると負荷が大きすぎると判断した。これは前述した許される最大加速度の計算時に、チェインの張力が算出されたからだ。また、先台車の偏倚によって、ドライヴ・シャフトが曲がって大きくずれ、効率が低下するのを避けたかったからである。
 車輪が滑るほどの加速度を与えると、チェインの音が大きくなる。プラスティックのチェインであるから、張力で多少伸びるからだ。もっと張力を掛けると切れる。
 
 このフライホィールの慣性モーメントはかなり大きく、加速するには大きなトルクが必要である。スペイスが許せばチェインを二重にしたかった。2つのスプロケットの位相を1歯の半分ずらすと、音が静かになる。次に改造する時には考慮したい。

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2020年01月18日

続々 ”Super 800” 

 テンダ台車からの動力採取は、6軸とした。1軸は構造上、捨てる方が都合が良い。7軸中の6軸であるから、十分だ。ディーゼル電気機関車用に開発したギヤボックスが一番小さいので、それを入れたが、ぎりぎりである。当初はギヤボックスで回転軸を平行に持ち上げる予定であったが、とても入らない。また、横から見えるのは避けたい。既存のテンダの上廻り構造変更も避けるべきなので、チェイン・ドライヴとした。

swing motion link もう一つ、このテンダには特筆すべき工夫がある。先台車の心皿がドライヴ・シャフトに干渉する。即ち、心皿のキングピンを長孔の中で左右動させることは、不可能である。この写真の左の写っていない部分にもう一軸ある。それは先台車の前軸である。キングピンは存在しない。

 設計時にそこに気付いたので、リンク機構による左右の偏倚を採用した。当然、偏倚時に所定の角度の回転をさせる。心皿の代わりに、種類の異なる平板を置いて摩擦を減らし、モリブデングリスを少量塗った。滑らかに偏倚する。

swing motion linkage1 ある程度の回転があれば良く、フランジが確実に触っている必要はないので、そこは割り切った計算にした。むしろ、5軸台車の方が苦しい。本物も後進では脱線し易いが、当然だろう。これは、Low-D採用のおかげで脱線しない。軸の左右動を少し許した。

swing motion linkage2 リンクの長さはS氏に検証してもらった。最近はコンピュータの画面上でシミュレイションが可能だ。この図は、northerns484氏に描き直してもらったものである。リンクは、寸法的にはこの通りだが、実際には台枠に当たる可能性があるのと、絶縁車輪のタイヤに触れるのを確実に避けるために逃げている。下の図は 2800R 上の挙動である。

 この図でわかるように、5軸台車は軸方向の動きを許す構造でないと脱線する。

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2017年04月08日

radio controlled engine

 これからの鉄道模型はどうなるかということについて、アメリカでは論議がなされている。結論を言うと、ラジコン化である。電源を自分で持ち、無線で直接制御する。

 鉄道模型はレイルが2本あるので、集電しなければならないという強迫観念がある。電池の性能が良くなってきたので、機関車内に積める程度の大きさでも十分持つ。走りながら集電して充電することもできるだろう。あるいは特定の場所に停車すれば充電できるようにしてもよい。

 こうなってくると機関車の効率改善はとても大切である。起動に何アンペアも喰うような機関車では、すぐ電池が消耗する。筆者の機関車はすべて、単機なら起動電流が 50 mA 程度である。フルスリップでも0.6 Aほどである。おそらく一回の充電で数時間走るであろう。

GP9 plastic shellGP9 mechanism 友人のH氏が、WiFiによるコントロールを試験中である。Oスケールの機関車を貸してくれと、依頼があった。条件としてはボディがプラスティック製であることだ。筆者のところにはプラスティック製の機関車は1輌もない。あわててプラスティック製キットを組んでボディ・シェルを作った。下廻りは伝統的なブラス製である。チェイン・ドライヴにして、強力コアレス・モータを搭載した。

 金属製下廻りに、プラスティック製のボディ・シェルをきちんと取り付けるのは意外と難しい。 

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2017年03月23日

動力機構

 サスペンションはバネ付きでないとフログが壊れ易い。軸重は500gwであるから、硬い軸バネが必要である。Big Boy用のが見つかったので、枚数を減らして使った。

 機関車であるから、牽引力を必要とする。ステンレス車輪であるから、かなり損である。多少重くするから、バネが効いていないと壊れてしまうし、音がひどくなる。モータはエスキャップのΦ18の高級品である。これは同径では当時世界最高の起動トルクを誇った。低回転型で、模型には極めて適するが、非常に高価であった。出力を最大限に利用すべく、出力曲線をもとにギヤ比を選定した。
 設定としては 10 V で動輪がスリップするようにした。こうしておけば、焼けることはありえない。16‰の勾配を、標準貨車12輌を牽いて楽に登れる。

OBJ Drive 動軸は連動しないと牽引力が損なわれる。実物の構造に拘って、1軸1モータにするのは賢明とは言い難い。モータは水平にウォーム軸と平行に置き、チェイン・ドライヴで駆動する。このチェインはプラスティック製で、アメリカでは40年も前から売っている。Bill Wolfer氏が使っていたので、分けてもらったのが最初だ。トルクが少ないので1本だが、出力が大きい時には2本、3本を平行掛けにして、位相を1/2歯あるいは1/3歯ずらすと効率が良くなるはずだ。これは金属製ではないので、伸びを考えたときの推論だ。 

 モータはブラスの板を巻いて作ったホルダに収めた。ホルダはギヤボックスにハンダ付けした台座にネジ留めである。長穴にしてあるので、微調整が効く。

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2008年11月28日

椙山 満氏の車輌群 Oゲージ編

Texas Eagle 昭和22年から35年にかけて椙山氏は多くのアメリカ型Oゲージ車輌を製作された。木と紙を主体にした工作で、下回りはブラス製部品を使っている。
 筆者はかなりの数の車輌をお預かりしている。いずれレストアして、レイアウト上を疾走させたい。

 名古屋に民間情報教育局(CIE)なる施設があったそうだ。占領政策のひとつで、アメリカの文化、産業を紹介する場所であった。これはアメリカ文化センタの前身で、現在はアメリカン・センタという。学生であった椙山氏はそこに頻繁(ひんぱん)に通い、ありとあらゆる鉄道車輌の写真を見、図面を書き写した。
 そうして1/48の正確なアメリカ型車輌を製作したのだ。当時はスケールモデルが少ない時代であったが、このように現在でも通用する模型を作られたのは驚くべきことである。

Sleeper and Observation この写真はTexas Eagleである。寝台車はDuplex Sleeperである。展望車もある。製造年は1949年と読める。寝台車は48年製である。連結器はX2Eに改装されている。

Chain Drive,  X2F coupler クラウンギヤ + チェイン・ドライヴである。直巻モータであるから、これで十分走る。逆転用に大きなセレン整流器が入っていたので、シリコン・ブリッジ整流器に取り換えた。
 今の方には逆転用セレンと言っても通じないと思うので、簡単な説明をする。界磁コイルが整流されて常に同一方向の磁気回路を生じていれば、電機子の極性を変えるだけで逆転が可能になる。マグネットモータが入手できなかった頃の、直流による逆転方式である。交流でコイルとラチェットを用いた方式(今でもライオネルは採用している)もあったが、DC方式が圧倒的に優れている、と椙山氏は昭和20年代にDC方式を採用されている。 

Dry Ice Car これはドライアイス運搬車である。古いCar Cyclopediaには写真が載っているが、それを模型化する人が居たのである。美しいハンド・レタリングで、すばらしい仕上がりである。これも1949年製である。Flat CarにはStakeが刺してある。

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2007年05月15日

続 Kemtron製品の改装

RS-3 Mechanism このRS-3の床板には驚いた。床の縁取りは1/8 ×3/8インチ(厚さ3.2 mm、幅9.5 mm)の角材を貼り付けるのだ。

 エンジン・ルームの前後はロストワックスの一体部品をつける。台車はいろいろなものを見比べて、結局は韓国製の台車を大改造して付ける事にした。この機種は、UPに限ってはローラー・ベアリングを採用していない。部品箱をひっくり返して、フリクション・タイプのジャーナル・ボックスの蓋を探し出した。新しい軸箱をフライスで削り出し、貼り付けた。

 もちろん模型はボールベアリングによる支持を採用している。軸重がある程度大きいとボールベアリングの効果は著しい。

 この径のスプロケットを使う限り、チェイン・ドライヴは出力3Wくらいまでは大変良い伝達方式である。それ以上になると効率が極端に悪くなる。おそらく、負荷を掛けたとき、チェインが伸びて、ピッチが合わなくなるためであろう。

 そういう時は複列にして、チェイン・ホイールの歯を半ピッチずらせば、かなりの効果がある。こうすると音も極端に静かになる。

 チェイン・ホイールの軸ももちろんボールベアリングで受ける。かなりのラジアル荷重が掛かるので大切なことである。
  
 この写真ではまだ付いていないが、全軸集電は必要なことである。ボールベアリングを付けると、集電が極端に悪くなるので、タイヤから集電する。 

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2006年12月17日

チェインによる駆動

chain drive arrangement 12月6日のチェイン駆動についてお話しておかねばならないことがある。

 先日藤井直氏にお会いした。「見てますよ。」と声を掛けられたのだ。「互いに素の話は当然のことだけど、ほとんどの模型は間違っているね」と仰る。

 たまたまフライホィールつきの下廻りを持っていったので、それをお見せしたところ、痛いところを突かれた。筆者も気になっていた所であった。

 「チェインで駆動する場合、駆動軸が上にあるときは良いが(左図) 、駆動軸が下にあるとまずい(右図)。」その通りである。工学のエキスパートの薀蓄をお聞かせ戴いた。重力が働くので多少のたるみが生じるとき、間違って隣の歯にひっカかることもありうるのだ。

 自動車のエンジンは、大抵、下から上を駆動するようになっている。DOHCヴァルヴのカムシャフトの駆動チェインがそうだ。だから、その場合の不都合を無くするために、テンショナーが工夫されている。

 自動車のエンジンは一定方向だから良いが、モータは正逆回転する。テンショナなど付けられない。

 仕方がないのでモータ台とフライホィールの台にシムをかませた。いずれチェインが伸びれば取り替えることになろう。多少緩めのほうが抵抗が少ない。

 藤川昭三氏にも声を掛けていただいた。「ユニヴァーサル・ジョイントの件はほんとに駄目だな、雑誌社の連中が知らんのだな。あれは大きな声で言っとかないとイカンよ。常識なんだけどな。」と仰った。

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