ユニヴァーサル・ジョイント

2022年09月06日

六角ジョイントの効果

 何度も同じことを書くのは気が退けるが、六角ジョイントの評判はすこぶる良い。
 ギヤボックス、ギヤセットの組の数の2倍程度が出て行った。すなわち、既存のギヤボックスを残し、ゴムジョイントを置換するだけの軽い工作をした人たちからの連絡である。順次紹介させて戴く。


・「驚いた」の一言です。今まで一体何をしていたのだろうと思いました。これさえあれば、電流を半分にすることが可能です。もちろんギヤボックスはトルクアームで支えています。

・今まで、ゴムジョイントの調整は腹立たしい事の連続でした。前進を良くすると後退がダメでした。ところがこれを付けると、一発で解決です。これは工作力がなくてもできますから、どなたにもお薦めできますね。

・中にケイディーのバネを入れるのがミソですね。賢い方法です。六角ナットも正確に孔を拡げなければならないと思っていましたが、よく考えてみると、多少のフレは吸収されてしまうのですね。それに気がついてからは、取替のスピードが3倍になりました。

・これでゴムジョイントは完全に駆逐されるでしょう。最初から曲がっているものを売っているのもおかしいし、軸との摩擦が少ないので抜けてしまいますからね。



「トルクアームの価値に気がついたのが遅すぎた。」と、悔やむ声が多い。ある程度のジョイント交換をしてから、高効率ギヤに嵌め換えた人たちの声は過去に紹介している。 

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2022年07月22日

続 EMDの機関車群 4 

SD40-2 engagiment このアメリカ人が組んだものは、上下を組合わせる時、アングルで噛むようになっている。こうするとエンジン付近を握った時、この部分のフッドが内側にめり込むことがないから、隙間が空いたりしない。
 上下をハンダ付けすれば良いではないか、と思う人もいるだろうが、それでは塗り分けが大変だ。上下に別れるなら、塗り分けは簡単である。

 1966年に祖父江氏が作ったGP35も、ここの部分が分かれるようになっていた。念のために、祖父江氏にどうして分かれるようにしたのか、聞いてみた。
「ここんとこが分かれねえと、塗り分けが出来ねえんだよぉ。ラニングボードは、色が違うからさぁ。」と言った。その時代に塗り分けを考えた構成になっていたのは素晴らしい、と今でも思う。

 モータは高い位置にあり、コグド・ベルトで下に降ろしている。こうすると、駆動中間軸の長さを長くでき、ユニヴァーサル・ジョイントの折れ角が小さくなるから、効率が上がる。

SD40-2 porch このSD40-2は先述のSD40とは台枠長さが異なる。20気筒エンジン用のフレイムに16気筒を載せているので、前後のデッキが ”porch” と呼ばれる空きスペイスになっている。UPではそれを利用してスヌート・フッドを前に載せている。この中には列車無線装置が入っていたのだ。

mrn-tunnelmotor-04 SD40T-2は冷却装置が長いので、後ろのポーチはなくなっているが、前にはある。さらにスヌートを付けたものもあるので、その場合は前のポーチもなくなり、ボディシェルがおそろしく長い。 

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2022年06月04日

六角ジョイントの効果

 I田氏が紹介している動画が興味深い。ゴム・ジョイントを調整しても、あまりうまくいかなかったが、六角ジョイントに交換したら、極めて調子が良くなった例を示している。

 今野氏も述べているように、低速から引っ掛かりなく、徐々に加速させたいという願望は誰でも持っている。しかし現実には、それは難しい。ゴム・ジョイントには、回転を妨げる様々な要因があるのだ。低速回転時には、出力の大半がそれに費やされ、動輪を回転させるのには向かわない。しかし、ある程度の速度になるとモータの出力は大きくなり、損失は相対的に小さくなるので、気が付かなくなる。
 じわっと走り出させるには、ゴム・ジョイント以外の継手が必要なのだ。

 ここにはユニヴァーサル・ジョイントを付けると良いのだが、場所がない。また、位相が正しいものは手に入りにくい。六角ジョイントなら、大抵の場合、問題なく付けられる。

 六角ジョイントを付けた人は、みな、その劇的な変化に驚嘆する。今まで何をやっていたのか!?と感じるそうだ。  

 
 しばらく品切れであった六角ジョイントが入荷した。全長10 mm と 7 mmがある。狭いところには短いほうが有利なのは当然である。
 希望者はコメントに<私信>として、本文中にメイルアドレスを書かれたい。
 ギヤボックスは、入荷までしばらくお待ち戴きたい。 

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2022年05月01日

六角ジョイントの装着マニュアルを書く

 六角穴の中には粉が入っているので、それを取り除く。洗剤を付けて歯ブラシでこすると取れる。

 六角ナットは角を落とす。ネジに取り付けて旋盤で落としても良いし、ドリルレースでも良いのだ。要するに角がなくなって中央部分だけが最大径を持てば良い。先の丸い六角レンチが良い見本であるが、そこまでやる必要もない。

 六角ナットはM1.4のネジを切ったシャフトに付けても良いが、中をえぐってシャフトに嵌めても良い。このとき、隙間が小さければ、ロックタイトで良いが、ハンダ付けでもかまわない。微妙な振れは吸収されてしまう。

 モータ軸とギヤ軸は、向かい合わせてほぼ一直線にする。大きなズレは吸収できない。その状態で、ギヤボックスがどこにも支障せずに浮動していることを確認する。バネのストローク内で引っ掛からないことが大切である。

 ギヤボックスが上下しても、動力伝達部がほとんど動かないように、トルクアームを付ける。トルクアームの一端はギヤボックスに、他端は台枠から生えた承けに、ネジ留めする。トルクアームは曲げ応力がかからないようにすると、薄い材料が使える。接線方向に伸ばすと良いのだ。

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2022年04月29日

続 六角ジョイント

 六角ジョイントはかなりの数が出ていった。評判は良い。中の隔壁と六角ナットの間には、弱いバネを入れて浮動させねばならない。
「ケイディのバネを入れて下さい」と書いておいたのだが、そのバネがないと言う。その方は、Oゲージ用のバネだと思ったようだ。「HOの連結器のパッケージに余分に入っているもので十分である」と伝えると、完成の喜びを伝えてくれた。

 ブログを拝見して、走行不調の原因を見出しました。(前後進で調子が異なるのは、ゴムジョイントモーターにギアを直結する  )

 HO用バネを挿入してみたら、懸念していたバネが六角穴の中で転ぶこともなく 良い具合に遊動しました。FEFとCallengerに使用したところ、前後進とも低速からスムーズかつ静粛になり、感謝感激です。

 他にも様々な感想を戴いている。

 反トルクがこんなにもあるということに、今まで気付かなかったのは情けないです。後退時にジョイントが抜けたので、気付きました。トルクアームを付けた瞬間にその機関車が生き返りました。今までの30年間、何をしていたのでしょう。素晴らしい走りです。友人に見せたら驚いていました。
 

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2022年04月13日

六角ジョイント

hexgonal joints 最近、今野氏ブログ採り上げられたので、問い合わせが多い。寸法を聞いて、自分で作るつもりの方もいらっしゃるようだが、かなりノウハウが有るので、そう簡単には出来ないだろう。ここに来るまでに、かなりの試作をしている。材質もABSではいけない。長持ちしないのだ。寸法は長短2種用意した。M1.4のナット(対辺3 mm)の角を落として用いる。これは旋盤で落とすべきである。

 今野氏は例のシリコーン・チューブを使うのを避けたかったようだ。正しい解釈である。シリコーン・チューブは鉄道模型の推進力伝達には全く適さないものである。

 六角ジョイントは、次の3つの問題点を同時に解決する。
(1)軸の曲がり
(2)軸ずれ 
(3)軸の伸縮
 もちろん大きな修正は期待できないから、目で見てほぼ合っている程度に調整してから、採用して戴きたい。角速度変化は極めて小さい。
 ギヤボックスには、反トルクを承ける何らかの装置が必要である。一般的にはトルクアームを付けるべきだ。これがないと、発進時あるいは減速時に、ジョイントが抜けてしまうだろう。

 六角ジョイントの中には隔壁が有る。そこには2つの弱いバネが入れてあり、浮動している。この浮動がミソなのである。それに気付かず、「音がする」と文句を言う人が居る。きちんと説明しているのに、話を聞かない人である。こういう人とは、縁を持ちたくない。 

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2021年11月06日

六角ジョイント

 前回の短いユニヴァーサル・ジョイントは、この六角ジョイントを使う予定だった。長さが20 mmと短いが、心ずれ、伸縮に対応する。これも完全に対称に使えば等速になるが、そうでなくても、模型では全く問題ないだろう。

 HO用がないので誰も使わないのは問題だ、と感じ、3Dプリントで作っている。来週には出来てくるだろう。構造は単純で、中央に薄い隔壁がある。
hexagonal joint 軸の太さは自由だが、先端にM1.4のナットがはまるようにする。ナットをはめて、ハンダ付けしてから旋盤で角を取り、ジョイントが多少傾いてもひっかからないようにする。要するに、ジョイントの中は、M1.4ナットの対辺 3 mmがはまる六角穴である。中にはKadeeの軟らかいバネを、前後に一つずつ入れることを推奨する。要するにジョイントを浮動させるわけだ。
 この試作品では、表面に粉をふいた状態だが、内部は焼結されていて十分堅い。 

 KKCの先達のNZ氏がこれと同様のものを作っているのを確認したが、金属製であり、給油が必要である。また材料も六角のボックスレンチの先を切り落とすなどして調達する必要があり、少々面倒であった。
 
 今回の部品はナイロン製であり、HO用は必要に応じて供給するつもりだ。安くて、機能的である。これを使えば、動作の怪しいシリコーン・チューブを使わなくて済むはずだ。しかし、これを採用すると反トルク承けが必要になることを、強調せねば、無数のトラブルが生じうることは承知している。それが模型界を進歩させるきっかけになるはずだ。シリコーン・チューブでトルクを承けている例を、よく見る。間違いであるが、それなりに走るので、見逃されているのだ。

 おそらくこのジョイントは、KKCからの発売になるだろう。


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2021年08月24日

滑らかな駆動を実現するために

 滑らかな駆動を可能にするために、どのような工夫が必要かを並べてみた。ここでは機関車に限っている。重負荷での静粛かつ強力な駆動を実現することが目的だ。

 ー桓の改良
◆[匹ぅヤの選定・採用
 反トルクの処理
ぁー瓦困譟曲がり、軸方向の多少の伸縮を吸収できる継手の選定
ァ.ぅ灰薀ぅ献鵐阿悗寮気靴ね解
Αヾ望彖置の設置
А[匹ぅ癲璽燭料定

 ぐ奮阿砲弔い討蓮∈道阿海海乃掴世靴拭ユニヴァーサル・ジョイントは正しい位相のものであれば、調子が良いことは当然であるが、それを実装出来る空間が足らないことがある。
 HO用には販売されていないと思われる優秀な継手があるので、紹介したい。

Hexagonal Joint KTMが1960年代から採用している六角ジョイントがある。このHOヴァージョンを作ることを提案する。



Hexagonal Joint Oスケールの製品はカツミに居た高橋 淑氏が、イギリスの雑誌を見て作った。ポリアセタール製の内部が六角になった部品と、面取りを大きくした六角ナットとの組み合わせである。微妙な軸ずれ、曲がり、伸縮を見事に吸収し、静粛である。両側の内側に、Kadeeの細いリン青銅のバネが入っていて安定化している。角速度変化は極めて小さく、音が出にくい。
 六角穴のあるボルトに先が球状の六角レンチを入れる状態を考えて戴きたい。多少の傾きは許容される。

 この写真の右上が製品の長さである。この角度では見えないが、中央に薄い隔壁があり、両側から柔らかなバネで押しているので、継手が踊らない。  
 短く削って、使いたかった。六角の先端をネジ留めすると、留めネジが当たるので、そこをフライスで削って逃げている。六角は軸にハンダ付けあるいはロックタイトで留めても良い。
 HO用はこの半分の大きさに作れば良い。もっと小さいものも可能だろう。肝要なのは、六角の角を丸くすることだけである。
 
 継ぎ手は3Dプリントで作れるであろう。特許等の問題は、開発当初から全く無かったし、さらに50年以上経っているので大丈夫だ。

 今野氏の極小Malletは、シリコーンチューブを使わずとも、駆動可能になるかもしれない。 

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2021年08月16日

シリコーン・チューブ

 友人から、
「感心しない動画があるから、見たらどうか」
と言ってきた。これである。

 呆れてしまう内容で、見た後、気分が良くなかった。この動画を編集した人はどういう人なのだろうか。あれで調子が良いと言うのは、どうかしている。
 そもそも工業製品のチューブは、その寸法を考えると巻いて出荷する以外なく、生産されてすぐ巻くはずだ。ゴム弾性を示すものだから、加硫を施すわけだ。成分が異なるので、天然ゴムの仲間のように硫黄化合物を使うのではないが、ある薬品で架橋させてゴム弾性を作り出す。そのプロセスは一瞬では終わらないので、リールに巻いてからも多少は続き、巻き癖が付いてしまう。

 シリコーン・チューブはゴムではありません、とか書いてあるが、意味不明である。英語でもsilicone rubberシリコーン・ゴムと言う。ゴム弾性を示す物をゴムというのは正しい。正確にはエラストマ elastomerというが、そんな言葉を知っている人は少ない。天然ゴムを始めとする炭素骨格を持ったゴムではありません、と書くべきだろう。また、シリコンとシリコーンが混在しているが、これらは別物だ。 

 巻いているものを伸ばして使えば、当然回転にはむらが出る。OJの友人の模型は、それが原因で押しても動かなかったのだ。

 ところで、この動画中、ユニヴァーサル・ジョイントはうるさいということにしてあるが、どう見てもその音は位相が間違っていることに起因する。

 この動画では、いろいろな意味で、良くない事例をたくさん見せてくれている。送ってくれた友人はサイエンティストである。彼は、
「これが良いという人は、観測能力に問題がある。」
と言う。
 要するに目が見えていない、と言っているのだ。そういう筆者も視力が低下して居るから、大きな事は言えない。しかし、チューブの曲がりに起因する不都合と、ユニヴァーサル・ジョイントの位相の間違いによる不都合は、よく見える。 

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2021年07月21日

直角カルダン駆動

 直角カルダンの電車を組立てている。もちろん友人のものだ。3Dで台車およびギヤボックスを作り、3条ウォームで駆動する。S氏の設計である。

直角カルダン2直角カルダン この電車の台車は、かなり低いところに台車ボルスタがあるので、駆動軸を通すには適する。何の邪魔もない。2軸を駆動し、その駆動軸は台車の外側で、アサ電子工業という会社のユニヴァーサル・ジョイントでモータヘとつながる。非常に単純な駆動方式である。設計が完璧なので、組立ては容易だ。ジャーナルにはボールベアリングを入れ、非常に滑らかに走る。
 このジョイントは等速とカタログに書いてあったが、訂正を申し入れた。等速に近いが等速ではない。但し、対称に曲がっているときは等速にかなり近くなるであろう。

Meitetsu trucks このギヤボックスには需要があるので、注文があれば頒布するつもりだ。上部の角状のものは、反トルク承けの取付け用だ。不要な時は切り落とす。
 HO蒸機用のギヤボックスも試作している。歯車はたくさん用意した、と言うと聞こえが良いが、要するに大量に発注しないと引き受けないのだ。歯車屋は新しいホブを作って加工してくれた。極めて出来が良い、ツルツルピカピカのウォームである。効率は一段と良くなる。

 この台車に、合葉氏のアイデアの乗越カルダンを考えている。この方式は駆動軸の曲がりが少なく、効率が良い。両軸モータを使えば、2軸駆動になり、牽引力は上の写真のものと同等だ(スプリングベルトは使わない)。

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2020年11月13日

GTELの駆動方式

GTEL drive mechanism この種スパン・ボルスタの付いた機関車の駆動方式には悩む。
 実はこの内の1輌は土屋氏のものであって、祖父江氏に依頼してドライヴを取り替えた。その時は、韓国製のやり方の一部を踏襲した。中央に近い一軸の動力化を捨てて、長いドライヴ・シャフトを使う方法である。この方法はドライヴ・シャフトの曲がりが少なく音がしない。もちろん、赤いアームはギヤボックスの反トルク承けである。

 これでも良いのだが、
「ほんとは全軸駆動にしたかったんだよねぇ。」
と祖父江氏は言った。上の図が、その6/8駆動のものである。反トルク承けは大切な構成部品なのだが、これを付けていない模型は多い。これが無ければ走らないはずなのだが、無理やり走らせているのが大半だ。既製品にも付いていないものが多い。

 筆者のも「やってみたい 。」と言うので送ったら、短いドライヴ・シャフトを付けて帰ってきたのは意外だった。当然、ギヤ・タワァ(チェイン・タワァと言うべきか)を第二、第三台車に付けての8軸駆動だと予想していた。なんと、短いユニヴァーサル・ジョイントを床下に2つ付けて帰ってきたのだ。(下の図)
「これでも行けるんだぁ。土屋さんのも、こうすりゃあ良かったかもしれねえな。」と言った。確かに半径2700 mmでは、偏倚量は少ないから問題はないし、牽引力は増大する。
 この時チェインを1本にして前後方向の長さを節約したので、ユニヴァーサル・ジョイントが使えるようになった。当初はチェインの強度が足らないと思ったのだが、1つで十分な強度があった。モータは細くて強力なものが高価だったので、2個付けた。

 二つの2軸台車を結ぶジョイントには、祖父江氏の発案品が搭載されている。

 先回の写真で手前のは筆者のLPG専焼実験機である。LA-SL線で実験が行われた。それは短期間で終わって通常型に戻されたので、実物を見た人は極めて少ない。これしかなかったので入手したが、この模型を走らせるのはやや違和感がある。


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2020年08月29日

続 メルクリンの失敗

 先日のメルクリンの不合理なユニヴァーサル・ジョイントについて、01175氏から調査結果をお知らせ戴いた。これはドイツ製ではないそうで、驚いた。

 メルクリンは、2006年に創業一族からイギリスのファンドに売却されたが、2009年に倒産しているそうである。そして2010年に自力再生を果たしたとのこと。
 そのファンドに売却されたのちの製品は中国のサンダカンという会社(現在はバックマンに吸収された)に製造させたものがある。そのジョイント部分がおかしい2007年製の電気機関車(ジーメンスのユーロスプリンタ)もサンダカン製かもしれないということである。

 話題になったH型スパイダ金具は、製造初年1957年の 44型蒸機機関車に既に使われていた。写真を出したディーゼル機関車は1966年製の V90 という入替用機関車だそうである。


 メルクリンがこのような初歩的なミスを犯すはずは無いので、なにか怪しいと思っていたら、案の上中国製であった。これでは改良部品を所望しても無理だろう。捨てるしかない。それにしても01175氏の情報収集力には驚きを禁じ得ない。

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2020年07月28日

メルクリンの失敗

maerklin UV joint コメントの中にメルクリンにも間違いがあったという情報があり、詳しく調べてもらった。もう当該の模型は手元には無いそうだが、その組立図が見つかったのでリンクを送ってくれた。

 これはまずい。現物もこの通りであったという。スプラインを外して差し替えることができない構造だったそうだ。
 その後の製品にはまともなものが出て来たようで、その一群がおかしいということらしい。

 メルクリンがまともな会社ならば、これを本社に知らせると直ちに応答があって、改良品を送って来るだろう。あるいは最寄りのサーヴィス・ステイションで交換に応じる筈だ。筆者にはその資格がないが、お持ちの方は連絡してみて、その応答をお知らせ戴くと有難い。

 角速度変化は挙動にはっきりと表れる。 

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2020年07月24日

メルクリンのuniversal joint

 知人に古いメルクリンの機関車の整備を頼まれた。B型台車を二つ付けたディーゼル機関車である。今までメルクリンは眺めていただけで、手に取るのは初めてであったが、興味があって引き受けた。綿ボコリを噛んでいるのを取り、上下バラして注油するだけの事だと思っていたが、意外な展開であった。

 開けて見て驚いたのは、モータが、車体に固定されている。台車は派手に首を振るので、そこには何らかのしなやかに曲がる動力伝達装置が必要である。

Maerklin (4) モータからスパーギヤで減速されるのだが、途中のギヤはかなり大きい。そのギヤには大きな穴が二つ開いている。グリスが詰まっているのが、固まっているようだ。
 台車を抜くネジを外すとパラリと部品が落ちた。それは、H字型の板であった。スティール製で、4つの角を丸くしてある。 

Maerklin (1)Maerklin (2)   バラバラになった状態では機能がわからなかったが、再組立てしてみるとなるほどという構造であることが分かった。そのH型板がユニヴァーサルジョイントの中間軸を構成していて、4つの角は2つのスパイダの代わりをしている。部品の数を大幅に減らして、ほぼ同等の機能を得たわけだ。これを見ると角度はほぼ等しく、十分に等速であると推測する。
 これらの写真をご覧になると、その機能がお分かり戴けるだろう。

Maerklin (3) そのH型の部品は硬いスティール製で、2つの孔の中で動く。この部分を掃除して、新しいグリスを詰めた。モータ軸には保油装置が有り、そのスポンジに注油すると、スパーギヤの方にも油が広がっていくようになっている。このあたりの設計思想は素晴らしい。ただし油は撒き散らされる。それが集電の突起あたりにも付いて、滑りが良くなっているのかもしれない。ダイキャスト鋳物は出来がよく、緻密である。直捲3極モータは回転が意外と滑らかであってトルクは十分だ。軽くはないが、押して動く。自動逆転器の作動は確実である。歯の数は、ちゃんと互いに素になっている。また、あちこちにコンデンサが入れてあって、雑音防止に寄与している。


 ライオネルも、メルクリンも、よく出来たおもちゃである。学ぶべきところはたくさんあるが、いわゆるスケール・モデルにはほとんど採り入れられていないように見える。

 電源と線路一巻きを借りてあったので、完工検査をしてお返しした。以前よりずっとよく走るそうで、安心した。


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2020年07月22日

unversal joint の角速度変化

 northerns484氏のブログで展開されているユニヴァーサル・ジョイントの角速度の変化が興味深い。
 どういうわけか、模型界ではこの部分の間違いが多い。数で言えばラジコンの方がずっと多いだろう。市販されているパーツはほとんどが間違っている。これは数年前の調査結果だが、今もさほど変化していないと思う。
 ラジコンではタイヤがスリップしているのが普通で、めちゃくちゃなドリフトをさせるのが目的だから、等速であることにそれほどの価値があるとも思えないのだろう。 だから、分かっている人も声を出さないのではないかと推測している。

 翻って鉄道模型ではどうだろう。高価なブラス製の機関車、電車がゴリゴリと音を立てながら走ったら、腹が立つはずだ。模型製作工場では急曲線を通さないのだろう。直線を往復させて合格ということにしているのではないか。

 今回、部材の長さを測定した結果から計算した結果が発表されている。角速度の変化はかなりある。我慢できる状態とそうでない状態の境目がはっきりしたように思う。
 模型メーカはその後改善されたのだろうか。店頭にある部品を回収するか、どうすれば改善されるかを説明する紙を添えるべきであるが、それはなされているのだろうか。

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2020年04月05日

ALCO PA+PB+PA

PA+PB+PA もう30年以上掛かっている。1輌目は1985年に入手した。2つ目のAは1989年だ。Bが手に入らなかったので、スクラッチから作るつもりで図面を描き、作り方を工夫していた。側面上のグリルが他と合わないとおかしなものであるから、全く進まなかった。13年ほど前に Lou Cross氏から Bユニットを譲ってもらい、3輌が揃った。

 動力化もでき、手摺を付ければ、後少しで完成である。久しぶりに箱から出して、並べてみた。重厚である。韓国製のを見たことがあるが、これには敵わない。前頭部の平均厚みは 4 mm位もあって、正面衝突しても原型を留めるであろう。

 補重無しでA unitは 2.7 kgある。Bは軽く1.8 kgだ。前頭部の砲金一体鋳造が効いている。これをボディにハンダ付けするのは、かなり大変であった。ジグを作って耐火煉瓦で押さえ込み、ガスバーナで焙って付けた。Dennisはアセチレンを使えば早いと言った。それは当然であるが、国内では難しい。

 動力は各台車2軸である。アメリカで見た模型は、本物と同じくA-1-Aにして、中央軸を遊輪としていたものばかりだ。これは賢明ではない。ギヤボックスが車体中央に近づくので、台車の回転によって、短い駆動軸が大きく曲がり、角速度が一定にならない。即ち、音がする原因になる。
 1軸を遊輪にするなら、モータに近いところを遊ばせて、ユニヴァーサル・ジョイントを台車心皿に近付けるべきである。そうすると伸縮量が小さくなり、折れ角も小さくなる。 軸はイコライザ+バネで懸架されているので、軸重は同じで牽引力も変わらない。こういうところで「本物通り」に拘るのは賢明でない。

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2018年12月05日

続々 ユニヴァーサル・ジョイントの問題

 もう一つ気になるのは「軸の曲がりの角度」で2軸が一直線なら不等速伝達は起こらない。(当たり前だが、それなら自在継手は要らない)。速度の変動率は軸の曲がり角度でも変化する。もしかするとオーバー修正などしないか?(図3)モータ軸より台車側の角度が大きいですね。そこで”ゴー式”珍案。モータも床板に載せず、反対側の台車に載せたらどうでしょうね。これなら両方の継手がほぼ同一角度に曲がりますよ(図4)。何、「床下器具がなぎ払われる?」私なら当たるほうの床下ユニットを、曲線外側にスライドさせて押し出してしまうんですけどねぇ。
universal joint 2
 

 そういえば、トラック(台車ではなく貨物自動車)の推進軸はスプラインで伸縮しているので、事故で外れたのを、よく知らぬ人が位相を考えずにはめ戻したところ、猛烈な振動で、二次事故を起こしてしまったなんて、戦時中よく聞きましたよ。
 ともかく、「中間軸のフォークエンドは、『同じ位相』でなければならない」というのを覚えていただいただけでも、性能が上がると思います。お試し下さい。

                              (2009.1.23)
 コメントを戴いている。二つのジョイントは完全に等角にならなくても、不等速は十分に打ち消されて、調子が良くなる。曲線の入り口に緩和曲線が使われている時は効果が顕著である。
 伊藤 剛氏のアイデアは筆者も使おうと思ったが、軸箱の上にモータが直接載ってしまうと、バネ下質量が大きくなる。さりとてモータを浮かせると、その部分が等速でなくなるので、諦めたことがある。
 天賞堂の模型には使われていたというのは、指摘されて思い出した。確かにそうである。1960年ころ”子供の科学”、”模型とラジオ”で見た覚えがある。当時としては、高級な伝導装置として紹介されていた。バネはない。お知らせ戴いたように、位相は見事に間違っている。大人になってから見て、こりゃ駄目だと思ったのは、そこだ。平ギヤが無潤滑でむき出しというのもアウトである。平ギヤはウォームの後に使うべきものであろうが、この場合は応用不可だ。


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2018年12月03日

続 ユニヴァーサル・ジョイントの問題

 この模型大学の記事は発表前に筆者のところにも送られてきた。
「dda40x君も登場するからね。」
ということであった。一部を紹介する。

UV joint by GO Ito
 Aのモーター軸からBの中間軸を廻し、さらにこの軸で動力を伝えるとしましょう(図1)。A軸は当然等速で廻ります。ところがB軸はこれを受け取って「不等速」で廻る。いわゆるビリビリ振動のようなことになります。それがさらに次の自在継手で同じ事をされて、C軸はビリビリがさらに増幅された形で廻りますから、大変に大きな音まですることになります。困りますね。どうしましょう。 
 簡単なことです。自在継手の付いた中間軸では、中間軸の両側にあるヨーク(二股)は、必ず同じ位相に揃えること(図2)。そうすれば、2つ目の継手は「不等速」運動を受け取って、不等速が発生した時の逆順で回転を伝達するから、C軸はモーターと同じ等速運動に戻るのです。中間軸は不等速のままですが、質量が小さいので振動してもほとんど気にならないでしょう。
 
 NMRC(名古屋模型鉄道クラブ)例会でD君
(dda40x) が、友人が「私の電車はカーブに入ると凄い音がするのだが・・・」というのを聞いて、「中間軸の位相を変えてごらん」とアドバイスしたところ、「まったく静かになった」と喜ばれたそうです。それ以来、私も大いに気にしています。
(引用続く) 

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2018年12月01日

ユニヴァーサル・ジョイントの問題

 阿里山のシェイの問題が明らかになって、多くの方から連絡を受けた。1960年代から様々の媒体でシェイの存在、運行状況が紹介されてきた。どの写真も位相が間違っているとのことである。それに気付かなかった日本の鉄道趣味界の底の浅さを残念に思う、という内容のものが多い。全くその通りなのである。自称技術者の人たちがどうしてそれに気付けなかったのかは、全くもって不思議である。

 それを受けて、northerns484氏が、数学的な証明を紹介されている。数学に自信のある方はじっくり取り組まれると良い。結論は単純である。機構学の教科書にも証明方法が載っている。この種の証明は図が勝負である。うまい絵が描いてあると一発でわかる。

 最近の記事は、「ユニヴァーサル・ジョイントの角度を同じにすれば等速になるので、ジョイントの位置を考える」ところまで来ている。ここまでは筆者も考えた。
 しばらく前の伊藤剛氏のアイデアが面白いので、紹介する。この記事は「模型大学」の2009年2月号に載っている。そこには筆者も登場しているのだ。

universal joint 2 二つのジョイントのなす角が等しくなるようにするのは難しいので、モータを動かすのだ。”えへへ冗談ですよ”と書いてあるが、無視できないアイデアである。
 モータはもう一つの台車の上に載せるとある。


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2018年08月29日

ユニヴァ―サル・ジョイントの不等速性

 現物を手で廻してみると、この辺りは速くなる、この辺りは遅くなるというのが分かるが、紙の上で説明するのはなかなか難しい。傾いた軸を回転させながら正射影を見ると、回転部分の円周は楕円を描いている。周速度は一定でも、正射影は一定速ではないのだ。

universal joint そんな説明ではだめであるが、例の工学のエキスパートT氏が、素晴らしい絵を描いて送って下さったので、紹介したい。これを見れば一目瞭然である。よくもこんなうまい絵を描けるものだと、感心した。



 優秀な人は易しい説明で相手を納得させるという良い実例である。自称専門家は、専門用語を並べ立てて、相手を煙に巻こうとするが、それは説明能力がないことを立証していることに他ならない。

 先回紹介した音で角速度の変化を示す動画では飽き足らず、T氏は角速度変化を目でみる装置を作られた。まだ改良の余地があるそうで、この動画はより良いものができれば更新するそうだ。
 途中の黒いリンク装置は動力を二つに分けるクランクである。歯車ではバックラッシがあって誤差が出るので、クランクにしたそうだ。その部分は見る必要が無いのだ。向こうの回転板は左右で位相差が分かるようになっている。追い越したり、抜かれたりする。

 反対側から見た動画もある。


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2018年08月27日

阿里山のシェイ

 阿里山のシェイについては多くの方から情報を戴いた。古い写真を点検されて間違いを確認して下さった。
 結論として言えることは何も考えていなかった訳ではなく、間違った方向に統一したようだ。完全に孤立した社会で、他から全く干渉されなかったというのが、その間違いが温存された理由だろう。アメリカの場合は、シェイを使っているところがたくさんあるから、他所のを見るチャンスがあって、間違いを指摘されたりしたはずだ。

 トラックのドライヴ・シャフトの話も出たが、それは正規の位相しか組めないようになっているのだそうだから、間違いようがない。急勾配の曲線上で客貨車を押し上げている時、彼らは何を感じたのであろうか。振動して当たり前と思っているなら、悲しい。

 ちょうど友人のN氏が、1968年撮影というvideoを貸して下さった。DVDになっている原氏の台湾旅行記である。例によって撮りまくったもので、細かいところは一切写っていないが、当時の雰囲気は分かる。若かりし頃の 植松宏嘉氏の姿が写っていて、懐かしい。
 原氏は機械工学を専攻したことになっているのだから、気が付いてもよさそうだが、その件については何もない。

 最近のニュースによると、嘉義は大雨で浸水し、阿里山鉄道も運休のようだ。

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2018年08月25日

再度 ユニヴァーサル・ジョイント 

 阿里山のシェイは混迷の度合いを増してきた。彼らは一体何をやっていたのだろう。曲線では異常な振動があるはずだし、駆動系の寿命も短くなる。 
 写真集もたくさん出ているが、それらも間違いを写している。撮影者や、編集者は何も感じないのだろうか。機構学の知識がなかったとしても、正しいシェイの写真を見たことがあれば、何かおかしいと気付くのが普通ではないか。

gear trainUV joint 実はしばらく前のことだが、博物館の図書の整理をしていて、1976年のNMRA Bulletin(会報)を見付けた。その中に無視できない問題があった。
 その記事は鉄道模型の動力伝達方式の研究で、10ページほどもある大論文である。モータの架装の仕方とかギヤトレインについて、細かく実例を書いてある。ところが、ユニヴァーサル・ジョイントの接続法が間違っている。丁寧に書かれた図が間違っている。説明文にも、90度捻るとある。これはどうしようもない。
 その図の上の方にゴムパイプでつなぐ絵があるが、ギヤボックスの反動受けの話もない。前後進で調子の違う機関車ができる。

 2,3箇月後の号に訂正が載るはずだと思って調べたが、見つからなかった。おそらくそのままになっている。NMRAも意外に低レヴェルである。AJINは間違っていたが、その図を見て間違えたわけでもあるまい。しかし、これは由々しき事態である。

 その後NMRAには車輪の件で何度も手紙を出して間違いを知らせたが、規格担当者の資質の問題で、ますますおかしくなった。その件もあって、NMRAとは縁を切った。アメリカの O scale の友人たちは、「NMRAはHOの連中の集まりだから、付き合う必要などない」と、切り捨てた。

 この件に関しては、栗生氏の記事の一番下の【追記3】にその顛末が出ている。

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2018年08月23日

続々々 Shay geared locomotives

25-3 ギヤはむき出しだから、油が飛ぶ。油はタンクから滴下するようになっているが、この機種だけは軸端から入れるようになっている。軸受への注油と兼用だろう。


Shay 25-9 これは水面計である。キャブ内にもあるが、もう一つ付けたのだ。こんなところにまで水面計を増設したということは、水面の泡立ちによる見誤り等があったのだろう。(コメントで、勾配での変化が少ないところに付けたという説明を戴いている)

Shay25-11 給水温め器である。かなり大きい。配管は単純で、追跡するとすぐ分かった。



 ユニヴァーサル・ジョイントの件には参った。ひどい話だ。誰も理屈が分かる人が居ないのだろう。昔はどうだったのだろうか。どなたか、古い写真集をお持ちの方は確認願いたい。台湾には知らせてやるべきだろう。開き直られると大変だ。そういう人もいるらしいから、気を付けて手紙を書かねばならない。


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2018年08月21日

続々 Shay geared locomotives

Shay 25-2Shay 25Shay 25-4 動態保存されているのを見かけた。この3気筒も、傘歯車は後ろにある。


 
 火を入れればすぐ動きそうである。これはオイル炊きに改造されている。石炭を焚くのにはある程度の技量が必要であり、カマ焚きを養成するのはもう賄いきれないのであろう。

Shay 25-6Shay 25-5 石炭庫の上の方に油槽を作ってある。体積が小さくなったので、その分、水をたくさん積める。給水温め器は巨大である。おそらく国鉄仕様のを無理に載せたのだろう。水面計は外にも増設してある。
 
Shay 25-7 前の台車へ行くドライヴシャフトがおかしい。現地では気が付かなかったが、この写真で判断する限り、間違っているように思う。位相がおかしいのである。平坦な直線路を走っていれば気が付かないだろうが、急曲線で重負荷が掛かるとアウトである。

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2018年02月17日

constant velocity

 角速度が変化しないという意味である。
 
 CV joint  等速継手というものは、30年ほど前から生産量が格段に増えた。いわゆるFF自動車がたくさん売れたからだ。FFは、50年ほど前は、国産ではスバル1000という車ぐらいのものだった。友人の父君が乗っていて、乗せてもらうと水平対向の独特な音だった。BMW のオートバイの音である。バックでステアリングを切って坂を登ると、切れ過ぎる方向に行くとのことであった。一方、四日市の椙山氏はシトロエンに乗っていて、これまた陸上の乗り物とは思えない乗り心地であった。

 これらの車には等速継手が使ってあった。ステアリングを切っても駆動軸の回転と車輪の回転が完全に一致した。即ちステアリングに何ら振動が伝わって来なかった。その後、筆者はスバル・レオーネに乗っていたことがあるが、12万キロも乗ると等速継手が摩耗して、ステアリングを切るとカラカラと音がし始めた。

 80年代になるとトヨタ、日産も大量にFFを売り出し、FRをはるかに凌ぐようになった。等速継手の材料、工作技術、潤滑が進歩し、耐久性が飛躍的に向上したのだ。今乗っている車は15万キロをはるかに超えているが、ステアリングは新車同様の切れ味で、全くガタがない。進歩したのだ。

 この頃はステアリング・ホィールいわゆるハンドルの軸の曲がっているところにも使われている。昔は、エンドウの継手で言えば、ABAまたはCBCのタイプを使っていたが、これなら軽くできるからだ。もしこれが不等速継手であると、カーヴを曲がるときに非常に奇妙な感じがする筈だ。ガードレイルを擦る人が増え、人身事故も大幅に増大するだろう。そういう点でも、等速であるということは大切なことだ。


 ユニヴァーサル・ジョイントを単独で使うと、何が起こるのだろう。角速度が変化するのだ。二つ組合わせてその変化量を打ち消させると、出力軸は入力軸と等速になる。もちろん中間軸は速くなったり遅くなったりする。伊藤 剛氏の解説によると、
「中間軸は細くて軽いものですからね、速度が増減しても、殆ど問題は起こらないんですよ。でもね、出力軸の角速度が増減すると、人間が乗っていますからね、激しい振動が生じれば乗り心地が悪くて困ってしまいます。もちろん出力軸が入力軸と平行でなければ多少の不具合は起こりますが、工夫をする前と比べたら大幅に緩和されていますよ。
 中間軸が高速で廻れば、問題が起きるでしょうから、そういう用途には向きませんね。別の等速ジョイントを使うでしょうね。その辺は経験に依りますな。それを使わなくてもね、最近はそういう角速度変化を吸収する継手があるのですよ。強化したゴムでできています。それが付いていると、高速回転での振動が大いに軽減されるんだそうです。」

という事であった。


CV or not  今回の電車の模型の台車がカーヴで振った時は、まさにその状態ではあるが、間違った位相の時に比べてはるかに振動は低減されるはずだ。この図は極端に誇張して描いてある。角αは角βより大きいから、等速にはならない。しかしかなり良くなっている。
 この角度が小さいときは、α≒β だから、等速と近似できるだろう。振れる量を小さくしようと思ったら、センタピンの位置をジョイント側に近付けるべきだ。もちろん荷重を負担するものを、台車中心に付けねばならない


 このyoutubeをご覧戴きたい。中間軸の不等速を、カードを押し当てて発生する音で分かり易くしている。非常にうまい表し方だ。模型とはいえども、こういうことを知っていないと、よく走る模型はできない。


2018年02月15日

続 困ったユニヴァーサル・ジョイント 

 先回の記事に対し牛越氏から送られてきたコメントには、恐れ入った。このブログ始まって以来、最大の衝撃を受けた。旧製品は3種3個の部品からなるようで、「それらの中の同一のものを組合せると、対称的なものができる」というアイデアだ。非常に賢い解決方法である。牛越氏には感謝する。これを広めるべきだ。

 しかし、メーカーはどうして3種作ってしまったのだろう。何かむなしいものを感じる。

 先回の写真を使って解説しよう。

ABC これは最初の状態である。仮に左からA,B,Cと呼ぶことにする。もう一組あるから、これらをばらばらにしよう。中間軸の B はひねることができない。

ABA 次に、 A に B を挿し、そしてもう一つの B を挿す。これで第1組の完成である。


CBC その次は、C に B を挿し、次いで C を挿す。これが第2組である。こうして正しいものが二組完成した。

 
 実に賢明な方法で、作り直す必要はない。生産する時はとりあえず C を作るのをやめるだけで済むという訳だ。 売るのはA-B-A だけにすれば良いということだ。


nakazawanakazawa2 最初のコメントを戴いた中澤氏から、写真が送られてきた。形が変わっている。既に型を変更して、スプライン軸が片方の部品と一体になっているように見える。
 誰かから指摘を受けて直したのだろうが、それが公表されていないというのはおかしな話だ。

 写真を探すとイモンのウェブサイトにもあった。これは位相が間違っている。市場には、かなりの間違った製品が在庫されているものと思われる。エンドウは、とりあえず市場にあるものすべてに、この方法を知らせる紙を添えるべきだ。それによって企業のイメージを向上させることができれば、却って大きなプラスとなろう。今のままではいけない。


 railtruck氏からお知らせ戴いたウェブサイトの最下行には、正しいことが書いてある。"constant velocity" という言葉が使ってあるのが、すばらしい。 どうして日本の模型界にはこのような”常識”がないのだろう。おそらく、走らせている人の数が少ないということに起因している。走らせていなければ気が付かないことだからだ。外見しか興味がない人の比率が多いのだろう。
 ある程度の編成を牽いて曲線のある勾配線を走らせれば、如実に差が出ることである。

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2018年02月13日

困ったユニヴァーサル・ジョイント

MPギヤ2 10年以上前に、このブログで扱ったことのある話題だ。先日所属クラブの会合があり、HOの人たちと話をしていた。ある会員が持って来た動力車が、大半径の曲線上では快調であるのに、小半径の時はゴロゴロという音がする。
 どうしてだろうと皆が裏返して見ている。結論が出なかったようで、指名があった。見てみるとユニヴァ―サル・ジョイントの位相が間違っている。回転ムラを助長する方向の接続である。

revised この写真を加工して、正しい配置にしてみた。こうでなければならない。要するに左右対称でなければならない。こうすると不等速はかなり打ち消される。以下の写真は、加工していない他の車輛のものである。 



MPギヤ3「こりゃダメですよ。中間軸を90° ひねらないと・・・。」
バラしてひねろうとすると、それはプラスティックの成型品で、スプラインがモールドされている。打つ手はない。ということはたくさんのダメな製品が日本中にばらまかれているということだ。

MPギヤ その場にあった何台かの動力車を見たが、すべて間違っている。困ったことだ。その会社はエンドウである。MPギヤという製品の一群の中にある。たくさんの製品を売ってしまった後なのだろうが、良心があれば、無償交換すべきであろう。中間軸のスプラインが90° ひねられたものと現物を交換すべきだ。安いものだから、現物との交換ではなく、申し出があれば渡すという選択肢もある。

 このブログで大きな話題になったから、この種の間違いはもう存在しないと思っていたが、とんでもない思い違いであった。
 このブログで、もっと頻繁に繰り返し扱うべきことなのだろう。TMSの記事で、この種の間違いは、昔はたくさんあったが、誰も指摘しなかった。しても無駄、と感じていた人も多いのだろうと思う。

 まさか現行のMPギヤに間違いがあるとは思わなかった。エンドウともあろうものが、こんな間違いを放置するとは信じられない。

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2012年07月14日

続々々々 Kleinschmidt氏のコレクション 

3-axle, 4-axle truck with drive この模型の4軸台車はバネが効いているから、4軸が自由に動かねばならない。ドライヴはしなやかに曲がらなければならないし、ドライヴ軸が剪断力を受けるような配置ではいけない。なおかつ、動軸が上下したときには、推進軸が多少縮んだり伸びたりする必要がある。
 3軸側も、回転力は自由に伝わるが、軸の上下を妨げることは避けねばならない。このバイポーラでは、3軸台車と4軸台車は直列につながっている。その継ぎ目は軸のずれを許す継手であった。

 このドライブは筆者が8動軸ディーゼル電気機関車DDA40Xに搭載したものである。もう25年以上前の作品である。中間の2軸は共通のドライヴ軸を持つが、末端の1軸ずつはドライヴ軸がユニヴァーサル・ジョイントで曲がるようになっている。なおかつ、そのトルク承けはユニヴァーサル・ジョイントのスパイダが受け持っている。
 実物では、決して採用されないだろうが、模型の強度であれば十分実用的である。精度のよいユニヴァーサル・ジョイントなら音もしない。これを思いついた時は、誰もこんな方法でドライヴする人はいないだろうと思っていたが、Stuが全く独立に同じ方法を採用していた。
 頭の中を覗かれた様な気がした。その話をしたら、「私もあなたの話を聞いていると、考えていたことが次々と出てきて、頭の中を覗かれた様な気がしたよ。」と言った。
 「お互い、もう少し早く親しくなっていれば良かったな。」と抱き合った。

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2006年12月19日

続 再度 ユニヴァーサル・ジョイント

角速度変化 KKCとは、今野喜郎、浮津信一朗、出羽文行の各氏が中心となって設立された同人であり、商業誌には載らない個性ある記事をまとめて会誌を発行されている。

 筆者も設立されてすぐにその情報を入手したが、KKCが古典機、軽便、地方鉄道の略語であることを知り、入会をためらってしまったのである。筆者が製作しているのは、同じKKCでも高出力、高効率、超大型であり、全く方向が違うものであった。しかし内容はかなり近いものであると、お互いに感じている。

 この問題のユニヴァーサル・ジョイントは、だるまや社製のものであったそうだ。その後改善されたかどうかは情報がないが、アメリカのNWSL製のものは正しい配置になっている。
 エンドウのMPギヤ附属のユニヴァーサル・ジョイントはやはり位相がずれたかたちになっている。
 
 会報中、昨日の写真の機関車の説明には、「なぜか肩を揺すります。どうも、動力台車の上面が平面でなく、フラフラするところに、ギヤードモータのトルクが悪さをするようです。なんとか、センターピンの遊びを殺してビビリを取り、そこそこ走るようになりました。」とある。この時点では、指摘を受ける前で、ジョイントの接続にまだ気がついて居られない。

 角速度の変化は、こんなに大きな影響を与え得るという、非常に分かりやすい例をご紹介した次第である。

 気になるのは、この日本製のユニヴァーサル・ジョイントは、模型誌に紹介記事も載り、たびたび広告も載っていたことである。

 どうもこの辺に大きな問題が潜んでいるように感じている。

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2006年12月18日

再度 ユニヴァーサル・ジョイント

KKC13号より許可を得て転載 11月22日のユニヴァーサル・ジョイントの記事をご覧になった方から、KKCの会報にも載っているというお知らせを戴いた。会報をお借りして読んでいたら、14号「1998年8月31日発行に載っていた。図がすばらしいので御許可を得て、転載させて戴く。Shay式機関車の伝導部品である継ぎ手の向きが間違っていると、他の会員から指摘を受ける部分である。以下、自動車会社のエンジニアの方の調査報告である。
       −−−−−−−−−−−−−−−−・−−−−−−−−−−−−−−−−−
KKC14号より許可を得て転載
 2軸が交差する場合、または2軸の食い違いが大きい場合には自在軸継手が用いられる。自在軸継手には不等速型等速型の2種があり、不等速型には十字軸型(Hooke type、Cardan Type)、食違い十字軸型、こま型などが、等速型にはベンディックス-ワイス型、バーフィールド型などがある。
 
 不等速型自在軸継手においては、2軸の角速度比γは一定にならない。駆動軸と被動軸の角速度をω1,ω2、2軸の交差角をαとすると、
γ=ω2/ω1=cosα/(1-sinα^2・cosα^2)  
 (中略)
 すなわち角速度は軸が90度回転する間にcosαから1/cosαに変動し、トルクはその逆数となる。この欠点を避け、滑らかに回転を伝えるためには交差角の等しい2組を同一平面状で使用すればよい。
とあります。

 ユニバーサル・ジョイントを1組で使うというのはまったくの振動源と言うことですね。必ず、2組を水平にして、かつ折れ角が等しくなるように使って初めて回転角速度、トルク変動が抑えられるということのようです。

       −−−−−−−−−−−−−−−−・−−−−−−−−−−−−−−−−−

 さらに御紹介すると、このエンジニアの方は以前模型雑誌社にも話したが採り上げてくれなかったとのこと。技術者の国家試験ではしばしば登場する問題なのだそうだ。

                       この項続く


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2006年11月22日

等速でつなぐ

universal joints この二組のユニヴァーサル・ジョイントを御覧戴きたい。微妙な違いがある。位相が90度ずれている。どちらが正しいのであろうか。

 韓国に技術指導に行ったときに、AJIN社の製品は全て上のような配置になっていた。趙社長に「これでは駄目だ。」と言うと不思議そうな顔をした。「今までこれで出荷してきたけど誰も文句を言ってこなかった。」と不服そうである。

 仕方がないので、中庭に停まっていたトラックの床下を覗かせてみた。「あっ、逆になっている。」と驚いた。

 「どうしてだ」と聞くので。簡単な三角関数を使って角速度の変化を描いて見せた。中間軸が傾くと、中間軸の角速度が変化する様子を見せたのだ。

 二組のユニヴァーサル・ジョイントが、互いにその変化を打ち消すようにすれば、モータ軸と駆動軸が平行である限り、等速で結合される。自動車のような実用機械ではこれは大変重要なことである。模型であっても、角速度変化は騒音の発生源のひとつである。

 ディーゼル機関車の駆動装置では台車の回転によってモータ軸と駆動軸は平行にはならないが、微小な変化量では平行とみなせる。すなわち緩曲線での騒音がなくなるはずである。

 日本の模型雑誌を見ていても、ユニヴァーサル・ジョイントの位相が間違った写真はよく見る。アメリカの雑誌ではあまり見ない。このあたりの違いはどこから来ているのであろうか。

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