ボールベアリング

2017年07月27日

転車台

 回転する円板を支える戸車風の支えを、いくつか買って試したが、すべて不合格であった。とにかく摩擦が大きい。慣性で廻り続けるほど、摩擦が少なくなければならないのだ。

image 仕方がないので、自分で作った。平角棒とチャンネルを組合せて貼り付け、フライスで削って製作した。ハンダは後ろの押えを使って焙り付けだ。高さを低くしたかったので、ベースを切り込んでヤスリで仕上げた。
 多少のばらつきがあったが、ローラ面高さが16.00 ± 0.04 mmでできた。と言っても、合板の円盤に付けるので、その平面度がかなり怪しい。そのうち、自分の重さで落ち着くだろう。チャンネルは快削材であったが、平角は粘い材料で参った。大事なエンドミルを折るのではないかと、ヒヤヒヤであった。
 ボ−ルベアリングは、直接ネジに通してあるのではない。厚肉パイプを通してある。チャンネルにもネジが切ってある。こうしておかないとネジを締めたときにチャンネルがゆがむ。所定の性能を長年に亘って発揮させるためには、余分のストレスが掛からないようにしておかねばならない。

 円盤に取り付けて、手で廻してみると、くるくると廻った。レールの鉄板に埃があるせいか、少々やかましい。油を付けて磨くと、かなり静かになるはずだ。動画があるのだが、サイズが大きいからか、UPしてお見せできない。
 次はインデックスである。ある程度工作は進んでいるが、まだお見せできる状態ではない。ノッチに喰い込むクサビの形状について、いくつか試作をしている。
 思い付く形はすべて作ってみたが、満足がいかない。先週思い付いたものになりそうだが、工作が進んでいない。
 フライスのDRO(ディジタル・リードアウト)を壊してしまい、取り換え作業中である。最近はこれがないと工作できないのがつらい。回転速度も回転計を見て行っている。以前のような勘に頼ることが無い。周速度を一定にすると良く削れる。

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2017年02月11日

続 express

 高速台車を付けたboxcarは各種ある。中にはとんでもないデザインの台車もあるのだ。Mainline Modeler誌の1989年5月号にこんな写真がある。

Rock Island espress boxcar  これは内側台車だ。どういうわけでこのような台車を採用したのかがわからない。作るのは簡単だが、もう少し細かいところがわからないと間が抜けてしまう。ブレーキ装置があるはずだが、リンク機構が不明だ。

 Amtrakの客車に似たようなものがある。地下鉄の車輛にも同様のものがあるが、これははたしてどうなっているのであろうか。
 内側台車は軸の太いところを支持するので、模型の場合は抵抗が大きい。ボールベアリングを使ったとしても損失が大きく、惰行が少ないだろう。
 細い軸を使った構造にしなければならず、苦労しても得られるものは少なそうだ。

 Allied Fullcushion Truckの採用例の写真が載っている。
Rock Island espress boxcars おそらく、落成時の写真であろう。汚れていない。台車の色が明るい。どんな色だったのだろう。1945年のことである。
 この台車は数年もすると、様々な問題が起き、脱線の原因を作ったと言われている。急速に廃れてしまった。個人的には好きな台車であるが、模型を見ることも少ない。

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2016年01月16日

続 installing ball bearings

 コメントやメイルを数多く戴いたので、予定を変更して、この話を続けたい。ほとんどのことはコメントで言い尽くされているが、少しばかり追加をさせて戴く。

 軸箱の内側にフランジ付きボールベアリングを入れると、荷重中心と、ベアリングの球の中心がずれているので、インナレースにねじ曲げる力が働く。
 たとえば、壁にボールベアリングが嵌まる穴が開いて居て、そのべアリングに軸を通し、その軸にぶら下がることを考える。ぶら下がりながら軸を廻すとどうなるだろう。壁の穴が精密にできていれば良いが、少し大きめであると、アウタレースが変形する。そのうち球が飛び出しておしまいである。また、廻すとゴロゴロする。球はいくつかしか入っていないので、その球が廻ってきたときは少し持ち上がるのを感じるだろう。

 今野氏はフランジ付きを入れられたことがあるのだろうと推測する。HOのロコで軸が非可動なら、なんの問題もない。軸が台枠に対して垂直を保っているからだ。可動軸箱ではまずい。二つずつ入れるべきだ。フランジ付きがいけないとは言っていない。ボールベアリングの位置がおかしいのに、「それでよい」と開き直ることは感心しないと言っているのだ。

 筆者の機関車や祖父江氏による改造を受けた機関車は、動軸が左右つながった軸箱を持つ。軸箱には二つ入れるのが原則だ。しかし、輪重が1N程度のテンダ台車は、一つずつしか入れていない。しかし、それらは、荷重中心に置いてある。これこそが、「模型的には」正しい方法だ。軸重の大きい従台車や、ディーゼル機関車には二つずつ入れてある。

 実は先回の文中、「模型的には」の部分を、正確に書いておいた。その言葉を聞いた瞬間にこれは面白いと感じたからだ。コメントを読むと、読解力の良い方がいらしてそれを感じ取られたことが分かった。
 筆者は重負荷で長時間の運転をすることを念頭に置いている。趣味であっても、である。たまにある運転会で、エンドレスを一巡りしておしまい、の人にはご理解戴けない部分なのであろう。
 せっかく精魂込めて作るのであるから、大した手間でもないので、少し工夫をされてはどうかと思うのである。以前見たものは、軸がベアリングの中をするすると左右に動き、軸端が軸箱に擦るようだった。これはまずい。
 軸は段付きにして、左右に動かないようにしたい。特に先輪は復元が効くように、ガタを最小限にしたい。

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2015年11月21日

スーパー20

 先日の記事スーパ−20のことを書いたら、「そのスーパー20とは何ですか?」という質問を戴いた。

114_4052114_4053 スーパ−20は1950年代にカツミから発売された直捲電動機で、7溝、ボールベアリング入りの高級モータであった。筆者が三線式Oゲージに夢中になっていたころの高嶺の花であった。電機子はskewed(捩じってあって、電機子の位相によるトルク変動を緩和するようになっている。)で、意欲的な製品ではあった。20は、コアの厚みで20mmを指す。”スーパー15”というものもあった。


 後でわかった話だが、外観の設計は祖父江氏で、Lobaughのモータをコピィしたものであった。ロボゥのモータと並べると、ブラシのあたりの処理が酷似している。今だったら、模倣で訴えられるような製品だ。

114_4056114_4055 ボールベアリングが付いているというのが売りであったが、廻すと何かおかしかった。どれを試してもおかしいと思ったので、買わなかった。というと聞こえが良いが、乏しい小遣いではなかなか難しい価格であったし、それほどのお金を出すなら、もっと素晴らしいものでなければならなかった。

 これも後でわかった話であるが、戦災で焼けたボールベアリングを大量に安く買って、それを嵌めたものであったそうだ。道理で、廻すと変な音がした。

 長老のH氏の談話である。戦後、米軍放出品の器械をばらすとボールベアリングが取り出せた。それをローラ・スケートにつけて楽しんだそうだ。実に滑らかであった。
 ところが模型屋でスーパー20を見せてもらうと、やはりどれも軸受から音がする。「この音は何ですか。と聞くと、『ボールベアリングの音だ。』と言うんだ。『ボ−ルベアリングは、みなこういう音がするんだ。』とごまかそうとするから、冗談じゃないと思ってそんなモータは買わなかったよ。」

 ずいぶんひどい話である。ボールは外から見えるタイプで、シールドがないから、埃は入り放題である。それのせいかとも思ったが、油紙で包んであった新品も同じだったそうだ。消費者の無知に付け込んだ極めて怪しい話である。

 モータの軸は太く、先端の歯車等を付ける部分だけ細いのはどうしてかと思っていたが、その焼け残りのサイズが、たまたまその程度の太さだったからだ。

 ヤフーオークションで出ているのは全くの勘違いで、パーマグモータである。あのモータの価値はすでに極端に低くなった。筆者は10台以上持っていたので、アメリカの模型ショウで売ってしまったが、相場は1台5〜10ドルである。

追記: 当時のカツミを知る関係者の証言によると、様々な人がボールベアリングの売込みに来たそうだ。焼けたのはもちろん、半端物のベアリングを持ち込むので、ロットによって軸の太さは違うそうだ。 

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2015年11月09日

設計変更

114_3959114_3960 先回登場したK氏が、博物館まで見に来られた。その時、ボールベアリングを2つ、お土産に戴いた。先日会った時に説明したのだが、「これを使うと良い」と現物を持ってこられたのだ。早速それをもとに絵を描いてみた。
 中学校以来、製図をしたことがないので、間違いはご容赦願いたい。単なる概念図と承知されたい。

turntable mechanism このボールベアリングはNTN製で、直径63.5 mm(2-1/2インチ)のフランジが付いていて、17 mmの軸が通っている。これを二つ、厚い合板の上下に置いてネジを締めると、自然にその板に対して垂直な軸が立つ。これはまだ細いので、太い軸を旋盤で挽いてかぶせる。
 その太い軸にはフランジが付いていて、合板の円盤を挟んで留める。円盤は6個の戸車で受ける。フランジはハンダで留めてから、旋盤で挽いて直角を出す。これには大した力は掛からないのでブラス製でも問題ない。
 実は太い軸を鋼材で作るには、旋盤の能力がやや足らないと思われたが、ブラス製なら訳なくできる。この太さのちょうどよい長さのブラスの棒は、廃品回収の店で手に入れてある。可動橋を動かす程度のトルクであるので、鋼製でなくても十分耐えられる。細い鋼製軸と大径のブラスの組合せは、工作を簡便化する。

 この方式は、地下部分の深さがやや大きくなるが、工作も楽である。可動橋の中に骨組みとしてブラスの薄板(1 mm程度)で作った板を全長に渡って通してある。これは薄いので簡単に捻られる。すなわち、4点支持が可能になる。側面の板はできる限り薄く作って、剛性を減らす。

 機関車が進入すると、わずかに撓んで、中心を含めて5点支持(3点支持 × 2)になると理想的だ。


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2014年01月14日

再開

 しばらく休載させて戴いたのは、休養をとる必要があったからだ。
 昨夏より、7年越しの仕事を完成させる必要があり、数か月の間、毎日12時間以上コンピュータとにらめっこをしていた。年末に決着が付いたのだが、極端な視力低下で車の運転も危ない状態になった。一言で言えば、蓄積疲労であって、休む以外ないということであった。1月近く、休ませて戴いたので視力が十分に回復し、やる気も出てきた。夜間の車の運転も不都合が無くなった。

 休んでいる間、何を書くべきか、いくつか案を練った。実物の構造の話とか、機関士Tom Harveyの手記の翻訳、車輪コンタの話、工作機械などについて随分考える時間があった。リクエストがあれば順に書いて行きたい。

 最近、色々な方がボール・ベアリングに興味を持たれるようになり、筆者が安く仕入れたものを提供して差し上げることが多くなった。貨車、客車にそれを入れれば転がり抵抗の低減に寄与するものと思われるのだろうが、渡すときに申し上げても、それに対する期待が大き過ぎたことに実際に完成するまでは気が付かない方が多いようだ。
 廻りくどい表現になったが、早い話が、HO以下ではOゲージのように慣性が感じられないので、ご不満の方があるのだ。

 先に結論を言うと、客貨車では軸重100 g 以下ではボール・ベアリングの効果は目に見えない。ボール・ベアリングの中に封入してあるグリスの攪拌抵抗がかなりあって、するするとは回転しないのである。Oゲージのブラス製客車のように1台 2 kg もあると、ボールベアリングの効果は絶大である。一押しで1周30 m強 のエンドレスを廻って来る。それを見せると、HOでも可能なように思うのであろうが、それは無理である

 まず、車輪半径が半分なので、テコ比の問題がある。同じ回転抵抗でも、車軸を回転させにくい。また質量が、単純計算で 1/8 なので慣性が小さい。速度が半分なので運動エネルギーが 1/4 である。事前に説明しているのだが、一押し 30 m の夢から逃れられないようである。
 それでは、車体を極端に重くすればどうだろう。これはアメリカで一度見せてもらったことがあるが、かなりの効果があった。しかし、脱線すると大変なことになるし、ポイントのフログがすぐに駄目になるであろう。

 貨車や客車について言えば、ピヴォット軸受には敵わない。筆者の実験では軸重100 g 以下はピヴォット軸受が良い。軸受はブラスの板にセンタ・ポンチで凹みを付けたもので十分で、僅かのモリブデン・グリスを入れると良い。凄まじくよく転がり、水準器代わりになるほどである。この動画はピヴォット軸での転がりを示す。

 17.5 mm と 19 mm のピヴォット軸(英語ではCone Endという)を新たに作ったので、ご希望の方にはお頒けしている。 

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2012年06月30日

続々々 Kleinschmidt Drive

COM_4353-2 これはGG-1の主台車・先台車である。先台車の復元装置は付いていない。筆者のアイデアを紹介すると興味深そうだった。
 Cogged Belt(歯付きベルト)で伝導している。静かだ。

 スパーギヤで連動してドライブ軸を上げてあるものもある。ウォームで減速する前の段階で、スパーギヤを使うのは考え物だと言うと、歯車の精度次第だとのことであった。確かに組まれたものは静かだ。彼の説明によると、スパーギヤ軸のガタが騒音に大きく影響するそうだ。ほんの少しのことだがボールベアリングのガタが大きく響くらしい。だからギヤボックスのボールベアリングは、予圧を掛けてガタを全くなくしている。予圧はバネで与えている。
 筆者はほとんどの場合、チェインドライヴを採用している。彼は「高速軸では、チェインは静かだとは限らない。歯車の方を好む。」とのことである。

COM_4360-2COM_4361-2 GG-1の台車枠をハンダ付けするときのジグである。これはテキサスのDennisと同タイプである。各ブロックを嵌めて締める。そしてDennisはアセチレンガスで加熱してハンダ付けする。
 なぜアセチレンかということは説明していなかった。酸素アセチレン炎はとても小さい。すなわちよそに熱が行かないのである。付けたい部分だけを加熱するので安心であるからだ。

 Stuは炭素棒ハンダ付けを使う。「一瞬で終わるよ。」とのことだ。

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2012年06月22日

続々々々々 Stu を訪ねて  

COM_4366-2COM_4367-2 フライスで削り出したフレイムである。多分ペンシィのロッド式電気機関車であろう。中の二軸ずつが動軸で、外の一軸がジャック・シャフトである。
 短く作って継ぎ手でつないである。長いものの工作は好きではないらしい。

COM_4368-2 ギヤボックスがたくさん作ってある。事前に必要数以上にたくさん作っておき、それを順次使う。歯数は互いに素である。
 全てのギヤボックスにはボール・ベアリングが入っている。予圧を掛けてあるのでガタはない。彼はそこが大事だと言っている。本物と同じようにスプリングで予圧しているのでいつまでもガタが無いと言う。

 Stuは、「私もキットを作っているようなものだ。」と言った。それは祖父江氏の工房での作業を講演で紹介した時に筆者が使った表現である。女工さん数人を使ってキットを組み立てさせるわけである。祖父江氏はその部品を作るわけだ。そうして1ロット200両の製作が進んだ。Stuは自分でキットを組んでいる。

COM_4348-2 これはギヤボックスを作るジグというべきかヤトイというべきか迷うものである。ブラスの塊りから削り出したものをこのアルミのブロックにネジ止めし、中を Tスロット・カッタで削り取る。Tスロット・カッタは、軸に比べ先が数倍太い円周を持つエンドミルである。ギヤの収納部のエグリをするのである。
彼はロストワックスを一切使用せず、全てを削り出す。

COM_4330-2 ある程度完成したものはこのように並べてある。これらは韓国のAjinの製品である。台車枠が自重で撓んで開いてしまう具合のよくない製品である。

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2011年09月10日

テキサスでの予定

 テキサスではいくつかの予定があったが全てキャンセルされてしまった。いつもデニスの家に行ってロストワックス三昧なのだが、今回は、「それではつまらない。あちこちの友達のレイアウトを泊まりがけで見に行こう。」ということになっていた。Austinという町にはSanta Feを題材とした素晴らしいレイアウトがあるとのことで、それらの訪問を楽しみにしていたのだ。ところが、先方から、「妻が入院することになった。」「体調がすぐれないので明日から検査入院する。」などと次々と連絡が入った。
 Dennis曰く、「我々はこの趣味の世界ではむしろ若い層なのだ。素晴らしいレイアウトは、我々より上の世代が持っている。いずれ見ることができなくなる。」と言うのだ。世代の高齢化というのは日本だけではない。
 しかし、そのレイアウト付き住宅はいずれ誰かが買い取ると見ている。日本でもそうなると良いのだが。

 仕方なく、ギヤボックスの調整などをした。スラスト・ベアリングにはワッシャ状のものが二枚ずつ入っている。それらは同寸法ではない。片方の孔が1/100 mmほど大きい。軸が摩擦なく回転しなければならないからだ。
 デニスはそれに気付かず、できたギアボックスの動きが渋くて困っていたのだ。マイクロメータで測定すると微妙な差があり、納得した。二枚を識別する何かの印でもあればよいのにと思う。
 デニスは進呈した6個のギヤボックスをディーゼル機関車に取り付けた。押して動くのは素晴らしいと大喜びだ。

2177 テキサスを発ち、Denverに向かった。人と会って仕事をした後、久し振りにCaboose Hobbiesという模型屋に行った。26年ぶりである。以前とは場所が変わっているような気もした。店はずいぶん広くなっている。

 筆者は模型屋という場所にはあまり行かない。行っても仕方がないからである。欲しいものはそこにはほとんどない。今回も何も期待はしていなかったが、有名な模型屋であり、たまには行こうという気になった。デンヴァの旧市街の中心近くにある。メインストリートであるBroadwayの500番地である。 

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2010年11月16日

先台車の構成

Lead truckLead truck2 先台車を手作りするのは面倒なので、いくつかの型に絞って大量に作ることにした。手持ちの機関車の図面を当たって軸距離を調べると、それほど種類は多くないことが分かった。

 底板部分は共通寸法にすると、部品数が減り、管理が楽になる。今まではこのH型部分を、糸鋸を折りながら切っていた。このような仕事はレーザ加工に限る。

 少しだけ出ているバリを削ると、パチンとはまるようになる。丸穴は8mm径でリーマを通せば出来上がりである。角穴部分は軸箱を削り出してあるので、パイプで接続して出来上がりである。
 最初に少し考えるだけで、工作の時間が大いに節約できる。趣味であっても時間を節約することは大切なことである。

 今、これらの組み立て用のジグを作っている。はめ込んでガスバーナで炙れば良いようにアルミ製の押さえを用意している。バネも使って押さえこむ。
 
 ボールベアリングを安く買うことが出来るようになったので、仲間内で分けている。この先台車にもそのボールベアリングが装荷される。1つに付き6個必要である。

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2009年12月05日

pre-loaded

pre-loaded ボールベアリングには等級があって、われわれはその最下級に近いものを使っているのだろうと思われる。
 高いものは航空宇宙産業に使われる。何が違うのかはよくわからぬが、とにかく選り出してあるのだそうだ。テストして設計値に近いものを選ぶとそうなるらしい。値段は2桁以上違うという。

 さて、ボールベアリングは、最初からある程度の遊びがある。遊びがなければ回らない。ということは、ラジアル荷重(円周方向の荷重)だけでは多少のガタの中で回っているわけである。ガタは15ミクロン位である。

 模型の蒸気機関車の動輪軸は、ガタがあっても、ロッドのガタも多少はあるので問題ない範囲にある。

 さて、本題のプリ・ロードの話だが、スラスト(軸方向の力)を掛けると図のように溝の中で玉がずれて、ガタが無くなる。この状態で使えば、遊びのない状態が保てる。 ベアリング屋は、プリ・ロード(あらかじめ荷重を掛けた状態を作ること)された状態で使うことを推奨している。今回の先輪のガタをなくすワッシャは、まさにこの状態を作り出している。

 ミニチュアベアリングはアウタ・レースが薄いので、プリ・ロードが大きいと塑性変形する可能性があり、その限界は決められている。

 さらに言えば、シャフト、ハウジングには15から17ミクロンの隙間を空けることを要求している。無理に押し込むとたちまち変形する。隙間には油を満たすことが必要である。油膜で受けているわけである。

2009年07月18日

続 ボールベアリングを取り付ける工具

 counterbore bits  (3 sizes) これらが、今回の製品群である。届いたばかりで切削油が付いている。多少の汚れはご容赦願いたい。

 3 mmを5 mmへ、3 mmを6 mmへ、そして5 mmを8 mmへ広げる座グリドリルである。座グリドリルを英語で何と言うかは難しい。Seat Cutter とかSpot Face Cutter と言う言葉もあるが、どうやら       Counterbore Bit というらしい。

 小さいボールベアリングは、滑り嵌めによって取り付ける。17ミクロンの隙間を作り、そこに注油して押し込むが、決して無理をしてはいけない。アウタ・レースが変形する。油膜でぬるぬるとはまるのが正解である。

 このドリルも、所定の寸法+17ミクロンに作られている。先端部のテーパなどの細かい寸法は祖父江欣平氏に監修を戴いた。
 8 mmのドリルはシャンクを6.5 mmとし、小さいボール盤でもつかめるようにした。



2009年07月16日

ボールベアリングを取り付ける工具

face cutting bits 筆者の機関車にはすべてボールベアリングが装荷されている。既製品の機関車の軸は3 mmか5 mmで、それを加工してボールベアリングが入る穴を開けねばならない。
 既に空いている穴を広げるのは難しい。心がずれる恐れがある。祖父江欣平氏は、自作の座グリドリルでそれを行う。筆者も一本戴いたのがある。これがないとフライスで座標を決めて削らねばならずとても面倒だ。

 その座グリドリルを特注せよということになり、またもnortherns484氏に図面のお手伝いを戴いて、発注した。

 ブラス用なのでハイス製ではない。SK3という工具鋼製であり焼きが入っているからとても硬い。SK3はタガネなどを作る高炭素鋼である。鉄板でもよく切れるが、十分な油がないと、焼けてなまってしまう。

installing ball bearings with face cutter 先端のテーパが大切である。心を出しながら、ボールベアリングのインナ・レースに当たらない様に削る。もちろんシャフトも接触しない。この辺りの工夫がないと、ボールベアリングの意味が半減する。

 ボールベアリングが入っていると謳っている製品でも、この気配りがある物はほとんどない。

2006年11月13日

スラスト・ボールベアリング

thrust ball bearing ウォームギヤのスラストはかなり大きい。ちょっとしたエンドレスを10両程度の貨車を牽かせて10日ほど連続運転してみたことがある。ウォームの端を支えるワッシャが擦り切れてしまった。

 スラストベアリングは意外に安価な商品だ。これをウォームの前後にはさんでみるだけで電流がかなり減る。負荷が掛かっているときの損失がかなり減っている。次にラジアル・ベアリングを入れると多少電流が減った。ウォームギヤそのものの効率はそれほど悪くはなさそうだ。

 2台の蒸気機関車のギヤボックスにベアリングを入れて悦に入っていた。そのころ、井上豊氏がTMSに「D51にボールベアリングを入れる」記事を発表された。

 ついでどなたかが、ギヤボックスにベアリングを入れて発表された。そのギヤボックスには、不思議なことにウォーム軸の前進時のスラストを受けるようにラジアルベアリングが2個直列に入れてあった。起動時のスラストより、急停車時のスラストの方が遥かに大きいので、これは無意味だと思われた。

 考えてみれば、モータが止まれば動輪が止まり、動輪からモータが回らないのは不思議だ。どうして、誰もそれを不満に思わないのだろう。ウォームギヤは逆駆動はできないのだろうか。電源の一時的な遮断でさえも、列車全体がつんのめるような衝撃が起こり、そのたびに列車の一部は脱線する。とてもいやな気分だ。これでは実物のような80両編成の運転などはできるわけはない。

 どうしても慣性のある列車の運動を妨げない駆動装置が欲しい。その願望は高まるばかりであった。

 ウォームギヤは、鉄道模型には適した歯車装置である。1段で大きな減速比が得られる。直角駆動であるから、車体に大きなモータが入れられる。もしこれが簡単に逆駆動することができたとしたら、モータは猛烈な速度で廻されることになる。モータ軸を回転させてみて、その抵抗を調べた。このトルクに減速比を掛けたトルクで動輪を廻さねばならないのだ。

 「これは無理だな」と直感的に感じた。たとえギヤの問題が解決しても、コッギングのないモータが手に入らない限り実現は不可能だ。


2006年11月12日

ボールベアリング

フランジつき ベアリング屋に少量のボールベアリングを買いに行くと、番頭が応対してくれた。その番頭はずいぶんと世話を焼いてくれ、そのうちに価格も大口の顧客並みにしてくれる様になった。

 ミニチュアベアリングは普通のベアリングのように圧入してはいけないということを知った。「滑り嵌め」をしなければいけないと習った。軸に油を付けて、手で押し込むと、ぬるぬると油の粘性を感じながら入っていく。このときがマイナス17ミクロンと教えてくれた。確かにマイナス15ミクロンでは固いし、マイナス20ミクロンではするすると入ってしまう。なかなかうまい方法を教えてくれたものだ。
 
 シャフトを外注するときはベアリングを一つ渡して「これがぬるぬると入る様に」というとちゃんとその様にしてくれる。

 その後、番頭が退職してからは、その店とは自然と疎遠になってしまった。残念なことだ。

 さて、最初に買ったベアリングはフランジつき、両シールドというタイプだった。フランジが付いていると、軸受けハウジングに嵌めるだけでよいので気に入った。しかし、その番頭に嵌め込んだものを見せると、「これは間違った設計だね。軸箱に一つしかベアリングが入っていないというのは、ありえない設計だよ。」と軽くいなされてしまった。

 どんなときも、軸箱一つに二つのベアリングというのは鉄則だ。そうでないと、荷重が掛かるとベアリングがひねられる力が掛かる。

1941 locomotive cyclopedia より複写 本物の写真を見ると、蒸気機関車では左右の軸箱が円筒でつながれて、転ばないようになっている。伊藤剛氏の解説によるとそれはキャノンボックス(大砲状の箱)というのだそうだ。なるほどこうすればよいのかと、膝を叩いた。



蒸気機関車用canon box
問題はウォーム・ギヤボックスである。ここには大きなスラスト(軸方向の推力)が掛かる。これを受けるにはスラストベアリングが必要である。

2006年11月11日

軸受け

ball bearng 学生時代に、「軸受」という本を読んで愕然としたことがある。「軸受の厚さは、軸径の2.5倍必要である」と書いてあったからである。要するに油膜を形成するためにはそれだけの幅が必要だということだ。

 2mmの軸なら5mmの厚さ、3mmなら7.5mmの厚さが必要である。模型のどこにそんな軸受けがあるというのだ。

 当時私が見た限りにおいては、せいぜい1mm厚の板に穴をあけて軸を通し、油を注すという程度だ。これでは軸受けではない。

 ピボット軸受というものもあり、TMSには「油をさしてはいけない」とまで書いてあった。

 近くの時計屋の息子と仲が良かったので、時計職人のおじいさんに聞いてみた。答は、「軸受けで油を注さなくてもいいものなど無い。」ということであった。宝石を付けた軸受けでさえも、石油ベンジンで薄めた油を注す。ベンジンを揮発させると、薄い油の膜ができる。

 やはりピボットにも油を注すべきだと思い、時計に倣ってほんの少しの薄めた油をさしてみた。摩擦は1/3くらいになった。

 車軸が通る軸穴に厚い板を貼り重ね、穴をあけてリーマを通した。油をさしてみると、摩擦など無いかの如くするすると走った。

 しかし、軸箱のためのスペースは確保しにくい。ボールベアリングを入れたいと思った。そうすれば薄い軸箱ができる。近くにベアリングの代理店があり、ショウウィンドウを覗くと小さなベアリングがあった。価格を聞いて耳を疑った。とても高価であった。

 それから10年ほど経ち、ミニチュアベアリングの価格がかなり下がったことを新聞で知った。1つ250円くらいになっていた。蒸気機関車に使うと良さそうだと思い、まずテンダ台車の換装から始めた。素晴らしい性能に驚いた。普通の線路の上では停止させておくことは難しい。水準器代わりになるほど、よく転がった。手歯止めが必要だった。

 ついで、先従台車にも取り付けた。動軸については治具が無かったので外注した。すると、起動電流が1/2になった。要するにモータさえ廻れば、走るようになったわけだ。ここまで来ると、モータの性能が大きくかかわってくる。ブラシ圧力を調整し、軸受けの心が本当に出ているかを確認した。ギヤを溶剤で洗い、軽い油を入れて調節した。すると電流はさらに減少し1/4になった。

 低電流走行の可能性に気がついたのは、この瞬間である。

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