操舵台車

2023年01月25日

続 新年会

DE50 (3)DE50 (1) DE50を見たことがある人は少ないはずだ。筆者は中央線、関西線での試運転を見るチャンスがあった。エンジンの音がDD51とは全く異なったのを覚えている。ほとんど使われないまま、お蔵入りになったのは残念だ。

DE50 (2) この模型では、エンジンルームのドアが全て開く。ドアハンドルは内側に錘が付いていて、閉じた状態で安定化する。いつぞやのHOモデルとはさすがに違う。


DD54 (2)DE50(4)DE50(5) 3軸台車は実物のように3軸は独立していて操舵する。リンクは全て実物どおり作動し、バネの横剛性で復元する。急曲線を通るときの挙動が本物と同じで、見ているだけで楽しい。中に巨大なフライホィールが見える。慣性増大装置付きなのである。 

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2010年12月28日

続々々 慣性を増大させる装置

 この5軸イコライザの基本概念は長年温めてきたものである。主釣り合い梁を二つに折れるようにして衝撃力を緩和するのであるが、撓むと軸距離が縮む。それでは、支点を最初からやや高めにしておくとどうなるか。
 実は、今回のレーザ・カットの不具合で、いくつかのイコライザ部品を手作りした。そのときに一つの部品をやや長めにして支点を上げたのである。

versine伊藤剛氏 近影 図をご覧戴くと分かるが、折れたイコライザはまっすぐになると伸びる。その差は僅かではあるが軸を平行に出来なくなる。この伸びを"versine"と呼ぶ。この言葉は伊藤剛氏から教わった。日本の設計現場では「バーサイン」と言うのだそうだ。
 ほんの僅かな差であるが軸距離を伸ばすことが出来る。この不具合を良い方向に持っていけないかと考えた。(右の写真は伊藤剛氏近影)

Challenger's 5-axle truck equalizedSelf Stearing 5-axle Truck この重いテンダは横向きの加速度が与えられれば、外に傾くだろう。何しろ 大きな質量のあるフライホイールがかなり高いところに取り付けてあるので、重心は高い。すると外側の軸距離が少し伸びる。もうあとは書かなくてもお分かりと思うが2軸と3軸が操舵する。5軸の固定台車ではなくなるのである。この方法を採用することによって、摩擦が減り、センティピ-ド・テンダの走行性能は大幅に改善されるであろう。バネを分散させて、全てのイコライザ・バーをこの方法で伸びるようにすると、面白い動きを示すであろう。

 軸の上下によるバーサインは無視できる範囲にあるが、車体からの荷重変化は無視できないので、有効に働くものと思われる。イコライザが折れるのに対抗するバネは、当初の設計値よりやや強くして釣合い点を上げてある。この引きバネは、もう30年も前からこのアイデアを温めつつ保管してきたものである。アメリカで飛行機の整備をしていた友人から貰った物で、何の部品かは分からないが、へたらないバネである。

 ボールベアリングはイコライザの孔の中に接着剤Super Xで埋め込んである。左右の片方の車輪が持ち上がると、ボールベアリングは微妙にこじられる形になる。これを複列にしてキャノンボックスにすると構造はあまりにも複雑になるから今回は割愛した。
 いくつかのメーカのボールベアリングを購入して一番ガタの大きい物を使った。某国製のラジコン用と称するものである。安価で驚いた。異常を感じたら差し替えるようにする。取り外しの容易な場所だから問題はなかろう。

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2007年08月08日

続々 EMDのB-B台車

EMD B-B Model Trucks この状態で10年も放置してあった。この台車は、二つの二軸台車が回転も左右動も自由にできる。前後方向だけが束縛されていて、左右は懸架装置の復元力だけで保持されている。

 重い機関車がポイントを通るときの揺れ具合を想像するだけで、少々興奮してしまう。コイルばねだけで浮かせると、かなり動揺するだろう。しかも減衰しにくい。何かの工夫が必要だ。この写真を見ると、何かのダンパの末端らしきものが台枠上端辺りに見える。簡単な摩擦式の揺れ止めを作ればよいのだろうか。

 引張力を伝えるロッドの位置も興味深い。軸位置よりもかなり低い。軸重移動が無いようにするには、レイルの高さにすればよいが、それが出来ないのでこの程度にしたのだろうか。このあたりのことに詳しい方の御教示をお願いしたい。

 この台車のように、全ての軸が曲線上で必要な方向に動けば、フランジへの横圧も減少し、軸が曲線の中心に向くはずで、抵抗も減少し、保線の手間も省ける。

 操舵台車は皆が待ち望んだ解決法であった。2軸台車では2軸の延長上に交点は無いので、その軸距離を小さくすることが必要となる。あまり小さくするとまっすぐ走らなくなるので、軌間程度すなわち接地点が正方形になる程度にしか短く出来ない。

 操舵台車にすれば、全ての問題が解決する。

2007年08月07日

続 EMDのB-B台車

SDP45 B-B Truck 斜め下から見るとこうなっている。ベル・クランクで左右をつないでいるのだ。台車が首を振っても、前後の位置は変わらない。この模型では二つの台車にキングピンがあってスパン・ボルスタもあるように見える。実物はスパン・ボルスタが無いはずである。そうすると台車は横方向にいくらでもずれてしまうので、それを防ぐために何らかの仕組みがあるはずである。古典的には揺枕、現代的な方式ならコイルばね、あるいは空気ばねであろう。日本の電気機関車にも全く同じ方式のものがあるらしい 。筆者はその方面は全く詳しくない。またこのリンク方式の正式名称を御存知の方は、御教示をお願いしたい。

SDP45 B-B Truck Underside 下から見ると、こうなっている。台車の回転によってボルスタ間の距離は微妙に変化するはずで、この模型のスパン・ボルスタの穴は長穴になっているかも知れない。
 
 筆者はこの模型を作るために、EMDのC型Flexicoil台車を切り取って、既に準備してある。模型の場合は持ち上げることが多いので、そのとき台車が置き去りにならないようにする工夫が必要だ。

 伝導方式も多少の工夫が必要である。台車間の伝達部は伸縮が無視できない。いろいろな意味で新たな工夫をする必要があるだろう。

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2006年12月26日

砂利

ballasted track 昨日の写真はその前の写真と少し違う。砂利が撒いてある。

 この砂利はゴムでできた砂利である。なかなか良い感じになるので一部の線路には撒いてある。しかし可般式線路には向かない。移動のたびに少しずつはがれてくるからだ。
 やはり可搬式の場合は土屋氏式のほうが良い。バラストがついていると多少は見栄えがするかと思ったが、何もないほうがすっきりして良いという意見が多かった。

 このゴムの砂利はどうやって作るか。

 ゴムを液体窒素に突っ込んで凍らせ、それをミキサーで粉砕する。後は適当に篩い分けるとGゲージ用からNゲージ用までできてしまい、無駄のない方法である。

 これはゴムのガラス転移点以下では脆性が生じるという極めてありふれた現象を利用している。

 ゴムの小片は水性ボンドなどで簡単に接着できる。シーナリー付きのレイアウトにおいては絶大なる効果を発揮する。実にリアルなのである。接着しなくても置いてあるだけでも良い。気に入らない時には掃除機で吸って撒き直す。もちろん掃除機のごみだめに行く前にストッキングなどでプレ選別する必要はある。このゴム砂利を敷くと音が静かになる。明らかに高音部の消音効果がある。接着したものより、置いただけの方が静かである。

 市販のものはこのような石灰岩色のものから、グラニット(花崗岩)色、赤いグラニット色などいくつかある。

 赤いグラニットの線路は確かに存在するが、日本では奇妙に見えるだろう。



2006年11月01日

操舵台車

15 実はこの件は20年以上前に実験済みである。片方の車輪の内側をくりぬき、極小のボールベアリングを入れた。直線での走行にはややふらつきがでたものの、曲線での振舞いは秀逸であった。今思えばボールベアリングを入れるほどの荷重がないので、単に車輪をゆるく取り付けて、注油しただけでも十分であったろう。

 もう一台の台車は、ボルスタを長くして、外側リンクで吊った。どちらの方が乗り心地が良いか調べるためである。結果は外側方式の勝ちであった。部材が長いので、荷重によって多少のたわみが生じ、それが乗り心地の向上につながった。ただし材料が多く必要で、台車1台は 51 kgもあった。

 動力台車はさすがに左右別回転には出来ない。自動車で言えば、デフロックした状態でないと牽引力が出ない。本当のところを言えば、全部の動軸をギヤで連動したいところだ。

 ここで一つ問題を。
 動軸上重量が等しい蒸気機関車と電気機関車(EF58のような旧型機)がある。どちらの起動時の牽引力が大きいか。

 正答は当然前者である。すべての動輪が連動しているので、すべてがスリップするまで静止摩擦力が働くからである。各軸につけられたモータでは一つでもスリップするとそれは動摩擦力となり、牽引力は減少する。

 大きなモータ、揺れ枕をつけると軸距離が長くなり、急カーブではフランジが当たるようになる。損失も大きいが、それ以上に脱線しやすくなり、人が乗る車輌としては問題点が多くなる。操舵台車以外、解決法は無い。

 幸い、事情をご理解願って、ボールベアリング製造会社から、ベアリング、テフロンのすべり板などを戴いた。半径 4 mでも軸箱が35mmほど動けば十分である。操舵台車を走らせるには軌道の方も、それに備えた線路の敷き方をせねばならない、スラックをゼロとし、Sカーヴでは車輌1台分の直線を挟む必要がある。これを怠ると、とんでもない方向に操舵することになる。

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