貨車

2016年10月24日

Pacemaker

Pacemaker Pacemaker というのはNYCの hotshot(地域間高速貨物列車)である。第二次世界大戦後の20年ほど定時運行で活躍した。

 Atlas製の貨車の未塗装ををいくつかの会社が買って、それに正しい色を塗り、商品化していた。その一つが、このペースメーカである。
 土屋氏のところから来た6輌とChicagoから来た2輌ではとても正規の編成は組めないが、一応、手を加えて補重し台車・連結器を取り替えて完成させた。

 困ったことに塗り分けが2種類ある。ドアが半分赤いのと全部のとがあるのだ。どちらが正しいのかはっきりしない。様々な昔の写真を見ると、全部赤いのが多い。たまに半分だけのもあるという程度だ。赤の色はヴァーミリオンである。いわゆる朱で、水銀の硫化物の色だ。 
 赤を塗り足そうとも思ったが、合う色ができるかが問題だ。それを考えると現状でも良いような気がする。
 
 台車はこの時代にしては滑り軸受である。軸受合金が特殊で、メンテナンスがほとんどいらないという。しかしその後急速に転がり軸受に変化していった。

2016年10月22日

続 完成した貨車

ASARCON&WNP これらの boxcar は Atlas の古い製品を改良して塗ったものだ。アトラスは1970年代に、当時としてはずいぶん進歩的なプラスティックの機関車、貨車、線路を発売した。オーストリアの Roco に発注した製品をアメリカ国内で売った。上廻りはとても良い出来だが、台車が3線式対応で、あまり良くなかった。車輪を取り替えても抵抗が大きいので、台車ごとAthearnのデルリン製に替え、車輪はLow-Dだ。連結器は高さ調節用のスペーサを入れて固定した。ラニングボードの支えは薄く切り取り見栄えを良くしている。様々な改良工事でかなり良くなっているが、塗装がまずい。
 
 薄い塗装で、しかも文字がタンポ印刷のようだ。くっきりと出ていないので眠い感じがする。磨き砂でこすると文字が消えるから、それに新たに上塗りして別のものにする。当鉄道にはアトラス製品はいくつかあるが、オリジナルの色のまま、走っているものは一つもない。 
 
 車体の基本的なディテールは間違ってはいないので、小修正で良くなる。床下のブレーキシリンダも挽物に取り替え、妻のディテールも修正している。
 
 左の写真のASARCOは鉱山会社のものだ。ディカルを一山いくらかで買った時に入っていた。そういう意味ではとても珍しい。N&WとかNPもあったものを貼っただけである。

 これでアトラスの未改造の貨車は無くなった。 

dda40x at 10:20コメント(0) この記事をクリップ!

2016年10月18日

完成した貨車

 塗った貨車を紹介していこう。
SP Tanker このタンク車はスクラッチ・ビルトである。かれこれ15年以上掛かっている。安達製作所から譲ってもらったジャンクの中のドーム部分が一つ余っていたので、それを有効利用するために作った。タンクの円筒は丸めて作り、鏡板は大きなブラスの丸棒を旋盤で挽いて作った。厚みが10mm以上あって、ずいぶん重い。ガスバーナで炙って付けたので、ハンダがたっぷりついていた。タンク車は完成後の補重が難しいので、重く作るのには意味がある。
 組立てが完了してから、余分のハンダを削る作業が面倒で10年ほど放置してあったが、先日一念発起して丹念に削り、塗装した。どこの鉄道の車輛の図面を見たのか思い出せないので、余っていたディカルを貼った。

SP GS Gon このdrop bottom gondola は床が固定のを間違って買ったものだ。ずいぶん安くて喜んでいたら、床の開かない方であった。安達製作所も、開くタイプはあまりにもコストが掛かりすぎるので、簡略ヴァージョンを出したのだ。ともかく余っているSPのディカルを貼った。レポーティング・マークは T&NO (Texas & New Orleans) にしたが、他意はない。

BN Boxcar このboxcarは、プラスティック製である。黄色系統の気に入らない色に塗ってあったので、文字等を磨き砂で削り落とし、塗り替えた。戴いたスプレィを吹き付け、たくさん買ってあったディカルを貼った。それなりによく仕上がった。

 筆者は貨車については詳しく考証はしていない。ありえない設定はしないが、それらしく見えれば良しとしている。以前番号等の問い合わせを戴いているが、こういうわけで、全く参考にはならないことを承知されたい。

dda40x at 10:18コメント(2) この記事をクリップ!

2016年10月14日

続 open top hopper の整備

 貼り付けた t1.2 はわずかに設計値より厚い。ハンダ付けした後で、フライス盤でひと舐めする。0.1 mmほど削るのだ。こうすることにより、連結器が完全な平面に取り付けられる。ハンダの厚みとか、様々な要因が一掃されるわけだ。

 穴を開けてタップを切る。そして接着剤を塗って、Kadee couplerを付ける。ネジ一本では多少のガタが生じると緩みやすい。ネジが落ちると大事故になる。金属製の貨車は連結器の片方を電気絶縁する。何かの間違いで、たくさんの貨車の先端と後尾が導通するのを避けるためだ。まずそんなことはないが、念のためである。

painted cars また早朝より天気の良い日があったので、8台塗った。今回は塗り分けがあるものもあるので、慎重に塗った。塗膜が硬くなってから、マスキングをする。黄色の家畜車は3色塗りであるが、屋根と妻が銀、床下が黒であるから簡単だ。

 問題は次回に塗装予定のboxcarたちで、側面の上下が塗り分けられている。水平に塗り分けるのは非常に難しい。定盤の上でハイトゲージでケガくことになる。貨車のボディを定盤の上に正確に置くのは、意外と面倒なのである。たくさんのブロックを用意して支えなければならない。

追記 上の写真の背景にあるフェンスはpicket fenceですね。というコメントを戴いた。その通りである。よく見ていらして驚いた。表は白で、内側が緑である。

2016年10月12日

open top hopper の整備

USH hopper conversion シカゴから貰ってきたブラス製貨車を整備している。台車が足らないので3台しか直していない。この貨車は安達製作所製である。以前入手したジャンクとは異なり、完成品なので、ダミィ・カプラが付いている。その部分を外し、Kadeeが入るように切り取る。

USH hopper conversion 2 そこに t1.2のブラス板を貼り付けて、高さを合わせるが、チャンネルをただ切っただけでは、連結時の衝撃で壊れてしまう。台車センタ・ピンのところまで深く差し込んで、全面ハンダ付けをすると丈夫だ。
 こうすれば、連結器にかなりの力が掛かっても座屈することが無い。こういうところに少し気を付けるだけで、長持ちする模型になる。

 ホッパの連結部はややこしい形をしているので、めり込むと修復が困難だ。以前めり込んだのは、切り落として全く新しい部品を作って嵌め替えた。大変に面倒な作業で、二度とやりたくないのだ。要するに加わった力は背骨を通って次の車輛に伝わらねばならない。途中で弱いところがあると、そこが座屈するわけだ。

 天気予報を見て、塗装日を決め、塗料瓶の数を確認する。塗り始めてから足らないことがわかると、悲惨だ。 

2016年10月08日

塗装日和

 台風ですべての予定をキャンセルしていたのだが、その日は急に絶好の塗装日和になった。庭のデッキのうえに、シートを敷き、塗装台を持って来た。マスキングの要らない車種を選び、一面ずつ流れ作業で塗った。

 8輌を同じ色で塗るのだから、難しいことではない。太陽光の下だから、塗り残しもすぐわかる。塗装には光が必要なのだ。
 室内の塗装ブースもあるが、やはり外の方が失敗の可能性が少ない。室内で塗るときは背中の方から肩越しに300Wのライト2灯で照らしながら行う。夏は暑くて仕方がない。白熱灯は熱源としても機能している。塗ったものが温かくなれば、塗膜のカブリが無くなる。
 太陽光なら、何もしなくても十分温かい。

 1時間ほどで塗り終わり、日なたに置いておけばよい。フロクイルなので、固まるには時間が掛かる。夕方には触っても問題ない硬さになり、次の日の夜には完全に固まっている。
 ディカルを順に貼っていく。やはり、多少古いのはすべて劣化していた。使わない部分を切って水に漬けると粉微塵になる。すぐに補強剤を塗っておいた。先回ほどひどいものではなかったので、十分再生した。

donated by Harmon シカゴから来た車輛のうち、数台が完成した。裏には、
"donated by Harmon Monk"というシールを貼った。 

dda40x at 10:08コメント(0) この記事をクリップ!

2016年10月06日

貨車を隠しヤードに置く

hidden yard かねてより製作中の隠しヤードが一応完成したので、貨車を入れてみた。全部で200輌入るはずである。自宅のレイアウトからの移籍分が50輌ほど、土屋氏から100輌ほど、最近シカゴから移籍・新製したものが20輌ほどある。すべての車輛の質量を測定し、所定の質量まで補重する。

cars not completed そのうち30輌は未塗装である。相も変わらず悪天候で、塗ることができない。 この写真の下り線路に10輌以上ある。 

 すべての車輪をLow-Dに取り換え、連結器をKadeeにする作業がかなり大変であった。どっさりあった連結器、車輪がたちまち底を尽いた。 台車もAthearn製がなくなり、Weaverの台車で代用したものもある。
 また、車輪に色を塗った。ステンレスの地の色では許せない。すべての車輛の車輪の裏を塗る作業は、意外に大仕事で、一日20輌ずつ片づけている。レイアウトの工事終了後、1時間半程の作業だ。それ以上やると体力が持たない。フロクイルの赤サビ色が1瓶無くなった。 この色は、隠ぺい力があるので助かる。ひと塗りで作業が終了するのだ。車輪を弾いて回転させておき、筆の先を接触させる。もちろんあまり速く回転させると遠心力で飛び散るので、多少の工夫が必要だ。早く廻っているときは、径の小さい軸部分を塗り、遅くなった時に外周に近いところを塗る。裏も表も塗る。摩擦が少ないので、慣性モーメントだけで作業できる。
 ついでに連結器もサビ色にした。たっぷり塗ると固まってアウトなので、ドライ・ブラシでちょんちょんと塗る。 

 ローラ・ベアリング車のサビ色の車輪を付けた車輛群は、なかなかの見ものだ。 

2016年07月01日

Walker氏のこと その5

40-ft Reafer and hopper car この写真の裏にはこのような文章が書きこまれている。(原文ママ

 砂利を敷いた線路の上の七両の貨車は、内部も本物そっくり、
 トビラを開けば、電燈もともり、左は冷蔵庫、右は小麦、セメントなど積み込む貨車で、底が開くようになっている 製作費十万円


 その通りなのであろうが、この金額は7輌分なのであろうか。昭和24年当時の10万円は大金である。今の200万円くらいに相当するかもしれない。

 caboosecaboose interior このカブースの内部の写真をご覧戴きたい。室内灯が点き、ストーヴがある。煙突にストーヴ本体が付いているのが面白い。煙突部分でつなぐというのは素人の発想なのだろうか。

 貨車のブレーキハンドルは鋳鋼製であったそうだ。伊藤剛氏はこれからは鋳鋼の時代だと思って、どの程度薄くできるかの試験をしたそうだ。結果は0.5 mmだそうだ。したがってこれらにはその技術を使われていて、鋳鋼でできている。もちろん台車枠も鋳鋼だ。

 本物の動くところはすべて動くようにした。ハンドルを廻すと、鎖が巻上げられてブレーキが掛かったそうだ。これらの鋳物は大同製鋼で作らせた。

2016年06月01日

室内は室外である

caboose by Go Itoh これは伊藤 剛氏の作られたカブースである。かなり傷んでいるが、原型を保っている。これも折り畳み式の筈だと思ったが、そうではなかった。他にもあるのかもしれない。

 このカブースはいわゆる”NE type”である。米国北東部の鉄道で共通に使われたタイプだ。Reading RRで最初に採用したので、Reading cabooseとして売っていた。インポータは複数あったような気がする。ブラス製で、製造は安達製作所である。
 剛氏は安達庄之助氏を訪ねて、板の状態の部品を入手し、それをもとに工作をした。

broken NMRA X2E coupler NMRA型のカプラが付けられている。 X2Eである。この板金製のカプラーは弱い。強くぶつけると、上下に泣き別れになるのである。合わせ目に薄い板を貼れば壊れにくいが、下の押し合う部分が曲がるだろう。砂鋳物製の製品も持っているが、やや分厚い。
 その後ケイディが普及して、誰もこのカプラを使う人は居なくなった。 

caboose interior このカブースには剛氏によって内装が付けられている。剛氏は、「室内は室外である」という名言を残されている。「外から見えるものは、付けるべきだ。」という意見だ。
 このカブースも、見えるところだけは工作してある。キュポラの部分の椅子が付けられているし、洗面台もある。
 経年変化で接着剤が変質して、あちこち壊れているが、直せばすばらしくなる筈だ。また、ガラス窓は上に抜けるようになっている。反対側(この写真では左)の窓はポジフィルムの透明な部分を使っている。 いずれ修理して、デヴュウさせたい。

2016年05月30日

続 collapsible freight cars

cigarette carcigarette car 2 これがその側面である。MDFの板に紙巻タバコの包み紙が貼ってある。さすがに、50年以上経つので、劣化している。ブラス製の側板を持っているので取り替えたい。
 原作を生かしてばらばらにできるようにする。

 台車は大きめのホックで留めてある。すなわち外すのはとても簡単で、たくさんの貨車から台車を外して車体を畳めば、体積が極めて小さくなる。コートのポケットに何台か入るのだそうだ。当時はOゲージ全盛で、運転会には乳母車に満載して出かけた、と椙山 満氏は語っていた。

 台車にはプラスティック製の車輪がついている。台車を車体に嵌める時に、向きを一切考えなくても良いから、好都合だ。

 このような折り畳み方式を考えたのは、当時HOが台頭してきて、小さいから便利だということを見せつけられたからだそうだ。誰かがスーツのポケットから機関車を出して見せたことがあり、それで対抗意識を出した、とお聞きした。

2016年03月07日

磁石付き車輌

 線路の上には様々なものが落ちている。一番具合の悪いのが、センタ・ピンである。車輛のほうはピンなしで走っているのだから、突然横にせり出して脱線転覆ということにもなりかねない。

114_4514 貨物列車が周回してくると、筆者の目はある貨車の床下に注がれる。
 その貨車はしばらく前に1輌5ドルで買ったもので、台車と連結器を替えて再デビュウさせたものだ。塗装の剥げたのも多少は修理してある。そして、床下にはネオジム磁石を強力接着剤で4個貼り付けてある。磁路を考え、下のほうに磁路が開放されている。 
 この貨車がネジ類を集めてくるのだ。筆者の方針として、下から差してあるネジはすべて鉄ネジを用いることにしている。めっきが掛けてあっても中は鉄でなければならない。要するに磁石による回収を考慮している。連結器取付ネジも同様だ。

 自宅のレイアウトで走らせたときは、驚いたことにスパイクが数十本くっついた。振動で緩くなっていたものが吸い出されたのだ。もちろんそのあとはより太いスパイクに打替えて現在まで無事故で来ている。

114_4515 先日は思わぬ事故もあった。鉄ネジだと思っていたが、それはステンレスのネジであった。多少塗料も付いていたのでわからなかった。ステンレスは磁石に付かないものが多い。
 それが脱落して、貨車の台枠が横ずれした。もう少しで大事故になるところであった。直ちに2本とも鉄ネジに交換した。

114_4516 線路から吸い付けられてくる鉄粉の量が馬鹿にならない。磁石に「まっくろくろすけ」のようにくっついている。磁路を形成してしまうと、効果がないので、定期的に取っている。粘着テープで取り除くのが簡単だ。
 レイルを磨いた時の粉塵であろう。その後の走行程度では減らない。鉄レイルは粉が回収されるが洋白レイルはどうなるのだろう。埃としてそのあたりに積もるのだろうか。ある程度の頻度で掃除機を掛けねばならないだろう。そうしないと短絡を生じるかもしれない。白く見えるのはニッケルメッキが剥がれたものだ。

2016年02月21日

車輪を塗る

 先日手伝いに来てくれた友人が、貨物列車を見てかなり驚いていた。
「車輪が塗ってある・・・・・・」

「君のは塗ってないのか。」と聞くと、機関車は塗ってあるが貨車などは全く塗ってないという。塗るのは面倒だし、うまく塗れないと言う。
「そんなことはないよ。ほらこうして車輪を回しながら一筆で片面塗れるだろう?いっぺんにやると失敗するから、1面ずつ塗ればいいのだよ。」

 タンク車には裏面も塗る。彼はそこにも驚いていた。
「タンク車のフレイムは透けているから、裏まで見えてしまうからね。」
一部のホッパ車も裏が見えそうだ。

 彼はその簡単さに非常に驚いていた。この種の塗装はフロクイルに限る。薄い塗膜でも隠蔽力があり、つやがなくて筆で滑らかに塗れる。常温でも塗ってから1分くらいで溶剤が蒸発し、もう垂れることもない。完全に固まるまで2日ぐらいかかるが、線路に載せてしまえば触ることもなくなる。

 フロクイルは手に入りにくくなってしまった。日本のみならずアメリカでも買いにくい。どういうわけかそのブランドが無くなってしまったようだ。どこかが買い取って売り出せばよいのだが、在庫限りでおしまいのところが多い。
 昔買い込んだものがスーツケース一杯分くらいあるので、当分は大丈夫だが、特定の色はなくなってしまいそうだ。UPイエロゥとかプルマングリーンは貴重品だ。

 プルマンの車輪には油汚れの色を塗る。車輪が塗装してあると非常に実感的である。

2016年01月06日

100輌編成の列車

100-car train 開館後はこの100輌編成の運転が目玉になるので、その予行演習をした。時代を揃えて(今回は1950年頃)100輌を用意するのは、意外と大変である。自宅レイアウトから、車輛を半分程度移し替えた。勾配もあるので、連結器高さをゲージを用いて測定し、公差の外にあるものは排除した。連結器がプラスティック製のものは除外した。信頼性がないからである。

very long trains 2 機関車はSouthern PacificのAC9を用いた。素晴らしい引張力を持つ。勾配に掛かっているのは50輌強であって、平坦線に載っているのは残りの40数輌である。この残りの部分は摩擦だけであるので、計算上はあと100輌ほど牽けるはずである。
 

pullman cars 対向する列車はQ2に牽かれたプルマンである。同種の車輛を整備して、10輌編成とした。重い車輛であるが、Low-Dを付けているので、軽快である。
 郵便車もつないでいる。プルマンには車内灯も点き、なかなか気分が良い。車内が良く見えるので、乗客もかなり乗せてある。人件費がかなり掛かっている。

very long trains 貨車はショートする原因は何もないが、客車の場合は難しい。原因を突き止めるために、1輌ずつ増やして様子を見る。思わぬところに原因があるものだ。 


2015年09月08日

lumber door

 機関区のはずれに「だるまさん」が居た。台車を外されて動けないからそう言うらしい。英語では 何と言うか、思い出せない。
だるまだるま2 この貨車は片方の妻板に小さなドアがある。その目的は、側面のドア開口部が小さいので、長い材木を積めないのを克服する工夫だそうだ。側面から長尺の材木を担いで入れ、先端を開口部に突っ込む。そうしておいて、他の端をドアの中に入れる。うまくやると、貨車の全長の9割程度の長さの材木を入れることができる。
 アメリカでも、荷役は人の手で行われた時代があるのだ。

だるま3だるま4 このドアは片方の妻にしかついていない。模型化するとき、気を付けねばならない。
 この貨車はoutside braced boxcarと呼ばれる。内側を平面化することに留意した設計だ。




2015年05月06日

続 Atlas' covered hopper car  

Atlas and Max Gray 手元にあったMax Gray時代のカヴァード・ホッパと並べた写真である。いろいろなところが細かくできている。MGの時代は資料を与えなかったのだろうか。諸元と写真を数枚与えて、「作れ」と命じたのではないかと思う。
 製作は安達庄之助氏である。安達氏は手抜きする人ではないからだ。

Atlas and Max Gray 2 上面のハッチの造作が異なる。MGの方は、ラッチを掛ける部分の構造が、実物を見ないで作られたように思える。残念だ。全体の寸法は正確だ。


Atlas and Max Gray 3 裏面のホッパの補強は興味深い。Atlasはダイキャストで作るのでやりたい放題の表現である。MGの時代であれば、この部分は省略するであろうと思う。


Atlas brake detail 車端のブレーキ装置は、Atlasではさすがによくできている。ブレーキ・シリンダからのロッドを受けるテコが実に実感的である。 



Atlas and Kadee 2 カプラはKadeeそっくりである。上がAtlas、下がKadeeである。シャンクの長さが異なるので辛うじて識別できるが、よくぞここまで、と言うくらい完全なコピィである。意匠の点で訴えられないのだろうか。
 スプリングは異常に硬く、話にならない。よほどの力を加えないと首を振らない。仕方がないので、Kadeeのスプリングを二重に入れてみたところ、調子が良くなった。
Atlas and Kadee 上がKadee、下がAtlasである。Atlasは伝統的な左右の張り出しを持っている。ここが引っ掛かって、左右の復元をする。

 総じて良くできているが、走行性能は極めて怪しい。台車の出来も良くないが、ブレーキシュウが付いているのは良い。下廻りは総取替えが望ましい。 

2015年05月04日

Atlas' covered hopper car

 友人から預かっている貨車がある。Atlas製のカヴァード・ホッパである。2-Bayの古典的な形で、アメリカではセメントホッパという場合が多い。

 預かった理由は、脱線が多いからである。見ると車輪が振れている。彼のレイアウトはゲージが多少広いところもあり、振れて狭くなった瞬間に、たまたま広い軌間にはまり込む可能性があるのだ。

Athearn and Atlas Low-Dに取り替えることを条件に引き受けた。Atlasの台車は、車輪の厚いハイレイルにも対応する設計で、台車枠が広い。すなわち側面から見ると台車枠が、車体の側面に近い。ただでさえ、Oスケールは線路幅が2 mm弱広く、車輪厚さも多少は厚い。それに加えてこのせり出しでは見かけが相当悪くなる。また、台車枠が捻れない。すなわちイコライズしない。走行音が面白くないのだ。
 しかも車軸は2 mm径で摩擦が大きい。かなりの量の潤滑油を保持しているが、ピヴォットには敵わない。

Atlas underframe ボディ・ボルスタがないのは台車の心皿高さが高いからである。NMRAの規格から大きく外れている。どうしてだろう。他者の製品と互換性がない。仕方がないから、別部品のボディ・ボルスタを作って接着した。
 台車はAthearnの高級なピヴォット台車(今は品薄である)に振り替えた。
 

Atlas truckAthearn truck Atlasの台車枠はよくできていると感じるが、いかんせん厚すぎる。横から見ると、黒いボルスタが上の方に飛び出している。バネも2本しかないのは残念だ。右はAthearnである。

 

2014年08月14日

Idaho Forest

Idaho ForestCenter Beam Flat Car センタ・ビーム・フラットカーの積荷に、よくこの材木会社の製品がカヴァを掛けられて載っている。材質は厚手の紙の表にプラスティック・コーティングしたものである。

 筆者の家のデッキが築22年でかなり傷んできた。補修を繰り返したが、デッキ材が既に腐りかけているので、新品の材料に置き換えることにしたのだ。
 日本にないサイズの木材であるので、色々なところに打診していたが話が折り合わなかった。結局のところ、原木を輸入している会社と接触して、日本でその寸法に挽いてもらったのだ。1 cmほど大きめに挽いて、人工乾燥した。カンナ、ルータを掛けて、オリジナルと寸分たがわぬ材を1トンほど用意してもらった。Canadian Yellow Cederという材で日本では米ヒバという怪しい名前で売られている。素晴らしい芳香を持った木である。長さは2 m から 6mの乱尺で、厚さは60 mmである。 
 本来は1月に納品の予定であったが、担当者が怪我をしたらしく、7月の納品となった。

 デッキ材を専門に扱っている会社の価格の約半額で用意できた。それを4トン車で運んで来た時に掛けてあった包装材がこれで、しばらく手を付けられないので包んでおいた。

 庭にこのシートを掛けた材料が置いてあるというのはなかなか良い景色である。

 お盆休みは人手があるので、近日中に交換をする予定だ。するとこのシートは捨てることになる。もし、読者の方で、欲しいと仰る奇特な方があれば喜んでお譲りする。大きなものなので、マークやロゴだけを切り取ってくれ、という要望にも応じる。

2013年10月31日

続々 Green River

Green River freight car maintenance facility 跨線橋から西を見ると、貨車の整備工場が見える。このあたりを走る貨車の大半はホッパ車だ。ナトリウム鉱山から運び出されるソーダ灰の輸送用である。
 一時期、1列車、2万5千トンという信じられない輸送をしていた。250両もの貨車をつないで合計3万馬力の機関車が牽いていた。Tom Harveyはその機関士であった。週に2便のその特別列車に割り当てられた時の、彼の表情は今でも思い出す。任せておけ、という自信に満ち溢れていた。

Green River freight car parts 貨車の交換部品である。雨曝しだが貨車も雨曝しなのだから良いのであろう。車輪、連結器は無塗装だ。法律で塗装が禁止されている。ひびが入っても見えないからである。
 手前にあるのは、連結器のショック・アブソーバだ。意外と大きなものである。白い四角いものはホッパの吐出口である。詰まりやすいらしい。水平に蓋が動くメカニズムは、ラックギヤがよく破損する。

Green River fueling facility 少し北に移動して西を見ると給油施設がある。ピットもあって簡単な検査もできるようだ。電柱がたくさん立っている。照明が付いていて、夜間の作業を助ける。



Green River switch 東を見る。側線のポイントである。フログは12番あたりであろう。ガードレイルが左右で非対称であるのは不思議だ。反位の方がフログに割り込む可能性が高そうに思えるが、どうだろう。
 こうして見ると、本物のフログの欠線部は狭い。模型でこれを見ることはProto48か87のみである。少しでも狭くできれば、見かけをずいぶん良くすることができる。拙ブログの記事があちこちで引用されているらしい。嬉しいことである。HOの既成のポイントをそのまま使って、調子良く走るとはとても思えない。非対称なフランジウェイはフログでの落ち込み軽減に役に立つ。



2013年10月25日

続々々々々々々々々々々 Ron を訪ねて

  長い時間を掛けて機関車を見せてもらったあと、Ronが「貨車を見てくれ」と箱から出してきた。

Ron Mitchel covered hopperRon Mitchel covered hopper 2 この貨車はWeaverの4-bay covered hopperである。1台30ドル以下の大量生産品である。筆者もたくさん持っている。梯子やステップが全てモールドされていて、線が太い。筆者のところでは一部取り換えたものもあるが、 それは破損品の修理に伴って部品を換えた程度だ。

 この貨車には参った。歩み板には手を加えていないが、梯子全てを切り捨ててヤスリをかけ、針金でスケールに近い太さで再現してある。ブレーキ配管をして、床下の4-bayを切り離して3-bayにした。筆者はブラス製の床下に振り替えたが、それより数等出来が良い。

Ron Mitchel covered hopper 3Ron Mitchel covered hopper 4 恐るべき腕である。細いプラスティックに正確に穴をあけ、きちんと曲げた針金を入れて接着してある。
 ホッパの排出口周りの工作は実に手際が良い。
「なに、写真撮って来て、適当に作っただけだよ。」とは言うものの、このレベルの工作はなかなか出来ない。台車がプラスティック製で、車輪もプラスティック製である。
 あまり転がりが良くない。いずれLow-D Wheelを買うよ。とは言ってくれた。少しサンプルを持っていたので提供した。
 Ron Mitchel ore car 
 うっかりブレた写真しかないのをお許し願いたい。これはAtlasのore carである。安ければ1輌10ドルで買える。その梯子をすべて切り取って、針金にしてある。凄まじい労力だ。なんと50両仕上げたと言う。毎日2時間やって半年掛かったそうだ。
 寝室の脇にある机の上でやるのだそうだ。後の黒い貨車の車輪はLow-Dである。

「僕はみんなのようなワークベンチを持ってないんだ。」と言うので余計驚いてしまう。機械は一切なしで、全て手工具だけだそうだ。恐るべき腕である。

 庭の畑の部分をつぶしてレイアウトルームを持つのが来年からのプロジェクトだと言う。横の芝生を畑にするそうだ。そうすれば工作室も完備するそうである。すごいことになりそうだ。

2013年08月24日

続々々々々々 Heber Creeper

Heber Creepers Freight Cars この博物館には70年代にはよく見られた車輌がいくつか保存してある。これらの車輌はフリクション・ベアリングの台車を付けているので、この鉄道から出られないのだそうだ。尤も、現在は本線への接続は断たれている。

 分かりやすく説明すると、現在のUPとかNS等の一級鉄道は台車にローラ・べアリングが完備されていないと列車の中につないでくれないのだそうだ。また、ブレーキも床下にロッドが見えているタイプは駄目らしい。切れるとブレーキが効かなくなるからだ。 この基準に満たない車輌はトレーラで運ぶ他ないのだ。

Heber Creepers Tank CarHeber Creepers GS GonHeber Creepers WM Boxcar これらの鋼製車は筆者の好みである。レイアウト上に複数が載っている。Max Grayの時代あるいはもうひとつ前の世代の模型なので、それほどのディーテイルは付いていないが、これらをチャレンジャあたりに牽かせた列車はとても魅力的だ。

Heber Creepers Jordan このような業務用車輌もある。これは石炭採掘鉄道のUTAH鉄道のJordan Spreaderである。かなりガタが来ている。 山あいの多雪地帯であるから除雪は大切だ。
 


Heber Creepers UP Critter これはかなりの珍品である。70年代にKalmbach社から発行されていたDiesel Spotters Guideという本に出てくるUPの貨車移動機である。こんなところにあるとは思わなかった。
 エンジンフッドを横に開いている。この部分はもともと外に飛び出しているので、形が分かりにくい。閉めて撮ろうと思ったのだが、自然に開いてしまうので、諦めた。

Heber Creeper Davenport Railtruck様より、フッドの閉った画像を探して戴いたので掲出させて戴く。


 

2013年06月19日

建設機械

Power ShovelPower Shovel 2Side Dump Car これらは日本車輌が作った建設機械らしい。本業の分野でも、剛氏は模型製作の腕を見込まれている。顧客への説明に、図面だけでなく、模型が要るということで作ったということだ。
 キャタピラは蝶番をハンダでつないで作っている。サイドダンプは空圧で作動するタイプだ。

Sony Micro Train これはSONYのマイクロトレーンである。1967年頃の話だ。ご子息がソニーにお勤めだったので、貰ったとのこと。設計には関与していないそうだ。
 企画に参加されていれば、もう少し違うものになっていただろう、と思う。構成が今一つの感があるからだ。

伊藤剛氏伊藤剛氏2 この写真は2012年の四月に名古屋模型鉄道クラブの特別例会において撮ったものである。剛氏が川崎に引越されるので、この70年の模型製作のかなりの部分を持って来て戴いて、披露をお願いした。
 説明をお願いすると、例によって、冗談をたくさん交えて面白いお話を聞かせて戴いた。

 伊藤剛氏のスピーチ能力は驚異的である。しばらく前の静岡トレインフェスタの懇親会でのスピーチは、満場を沸かし、「ケーシー高峰よりすごいな。」という感想が聞かれたほどだ。
 JAMのような催しで公開対談をするべきだと思う。聞きたい人はたくさん居るはずだ。

2013年01月13日

続 IMP の Boxcar を改造する

40-ft Boxcar 生地完成である。いつもは磨かないのだが、人に見せるものなので、磨き砂で10分ほど磨いた。細かいハンダの飛沫などがつるりと取れて、持ったときに滑らかだ。ハンダも余分のところが取れたので、キサゲ仕上げがほとんど必要ないほどだ。

 炭素棒ハンダ付けで仕上げているので、余分のハンダがほとんどないのも、大きな要因だ。今回は床下に凝った。一応、目に付くブレーキ・リギングをとりつけ、ブレーキシリンダのシルエットが正しく見える様に、シリンダ中心を少し下げてみた。また、手動ブレーキの鎖もわざと垂らしてみた。実物はこんなに弛まないのだが、ぶらぶらしていると実感的である。

Brake Rigging by Max Gray 2 このブレーキ・リギングは昨年のトレイン・ショウで見つけたもので、ひとつ2ドルであった。自分で作っても知れているが、完成品のを見てみたかったからだ。Max Grayはこのキットを別売していた。ちょいとハンダ付けするだけで、Super Detailingが可能なキットとして売ったのだ。いくつくらい出たのか分からないが、あまり見ない。
 ブレーキ管との組である。

Brake Rigging by Max Gray 1 今回の改造はこのブレーキ装置を見ていて思いついたのだ。機能だけでなく、外見を成立させる工夫をすると面白いと思ったのだ。横から見ても、全く普通の貨車であるが、実は…というところが狙いなのだ。

 さて、いったい何が入っているのだろう。

2013年01月11日

IMPのBoxcarを改造する

IMP Boxcar Internaional Model Products、略してIMPは、1950年頃の輸入業者の名前である。製造は安達製作所である。薄い板で出来ていて、ヘタに持つとグニャリといく。この大きさなのに厚さ 0.25 mm である。しかもプレスでの押し出しがうまくいくように、ナマシ板を使っているから始末に負えない。
 ハンダ付けには当り外れがある。これは素人に毛の生えた程度の技量の持ち主が作ったらしい。安達庄之助氏の話によると、中学生のアルバイトを使ったこともあるそうだから、あまり感心しない出来のものもあるわけだ。外形の寸法は一応正しいので、修正を施し、部品を取り換えれば十分良いものが出来る。この種の貨車は安ければ20ドル以下で買える。

IMP Boxcar 2 このBoxcarは安く手に入れた。裏を見ると、床板がブリキ板である。とにかくコストを下げなければならないので、材料をケチったのだ。安達氏には、当時の話をいろいろお聞きした。
 梯子のプレスが甘く、しかも材料が軟らかいので修正するとクタクタになってしまう。細かい部品は全て外して捨て、新しい部品に取り換えた。ハンダ付けの拙いところは全てやりなおした。

 この状態でしばらく放置してあったが、近々ある O Scale West での講演を指名されたので、ある改造を施して持って行くことにした。
 アイデアはしばらく前からあったのだが、持って行って見せるからには、あっと驚く仕掛けにしたかった。以前の工作では、その「あっ」というのが無かった。3日ほど考えて、「出来るはず」ということになり、スケッチだけで寸法を当たることもなく、工作を始めた。

113_6858 床板は 1 mm の板を切り、背骨に当たるハット・セクションという帽子型断面の部品を用意したが、長さが足らないので継ぎ足した。肋骨にあたる骨を組んで、床板にハンダ付けする。こういうときは炭素棒ハンダ付けのありがたみを実感する。この大きさの板にコテで付けるのはなかなか難しいが、炭素棒なら一瞬である。この床は、剛性が大きくないと今回の目的に合わないので、あちこちに補強を入れて堅い構造にした。

113_6873 この床上にはこんな部品が載る。さて一体何であろうか?下の太いブラスの角棒は、撮影時の単なる支えである。 

2013年01月09日

続々々々 Boxcarを作る

All-Door Boxcar fully opened この貨車は木製である。Quality Craft社のキットである。筆者はこの貨車に惹かれて、たくさん買ってあった。一部は完成している。箱だけのまま、しまいこんであったのが見つかったので一気に完成させようというわけである。

 木製なのだけどもラッカ・サーフェサを塗っては研ぐと、十分な滑面が得られ、吹き付け塗装すれば金属と見間違うほどきれいに仕上がる。

 キットのままであればホワイトメタルの鋳物を貼りつけておしまいであるが、ドアを開けた状態にしようと思うと、いくつかの工夫が要る。ドアは薄いのである。木製の箱は約 3 mm (1/8インチ)の厚みがある。それが見えてはいけないので、ある程度まで切り落して、切り口から、厚みが見えないようにせねばならない。同時にドアの薄さを強調せねばならないから、開口部に接している部分だけ薄いブラス板で作る。奥の方は貨物を積めば見えないはずだ。

 ドアはスライドさせて、二枚重ねになっている。その部分のドアも薄さを見せなければならないのでブラスで作った。開いた状態で走ることは無いので、これは単なる情景モデルになる。走らせないから、台車は抵抗の大きいものでも構わない。

 ドアは番号順に動かすのだろうから、どの部分が上になっているのか、よく考えて作らねばならない。ディカルを貼る時も注意が必要である。

 片方に全てのドアが寄ったので、バランスが極めて悪い。走らせはしないが、持った時に取り落す可能性があるので、貨物の中にカウンタ・バランスを入れておく必要がある。

Weyerhauser Alldoor Boxcar 塗装はWeyerhauser社の緑にする。この色の調色は難しく、市販品も怪しい色のものがある。これはHOの製品である。

 

dda40x at 01:09コメント(0) この記事をクリップ!

2013年01月07日

続々々 Boxcarを作る 

812_6768 All door Boxcar という 車種がある。同時にではないが側面の全てのドアが開く。濡らしてはいけない製材乾燥した木材、合板などを積む。この手の貨車にはいろいろな工夫があり、この貨車のようにプラグドア(平行移動してテコで押し込む構造の戸)のもの以外に、シャッタが上下して、しかもその間柱も取り去ることが出来るタイプ、中にドーリィ(小さい車を付けて動くようにした床板状の荷台)を仕込んで、真ん中の二枚だけ全開して、両端は引き出すタイプなどがある。

 この機種は1970年代によく見掛けた、非常に機能的で、構造に興味が湧いた。全てのドアが開くようにすると、天井の強度が必要で、屋根裏にはトラスがあった。また、妻板はかなりごつい鋼材で補強してあり、全体としてはかなり重くなっただろうと思われる。
 80年代末にはほとんど見かけなくなったので、廃車されていったのだろうと推察する。その理由としては構造が複雑で、教育程度の低い労働者に扱わせると壊れやすいのであろう。ドアを締めつけるテコは意外と細く、無理をすると曲がったり折れたりしそうだ。

IMG_0534IMG_0535 この貨車の現物は、Illinois 鉄道博物館にある。錆びてはいるが現物を見られてよかった。
5台同時に作り始めた。全て同じでもおもしろくないので、1台だけ改造した。
端の二枚のドアを開いて荷役しているところを模型化した人もいるので、それを作り始めたのだ。

 この種の貨車は存在していない。その代わりの貨車がCenter Beam Flat Carである。これは、ある程度の水濡れは覚悟で防水シートをかぶせた木材を運んでいる。

2013年01月05日

続々 Boxcar を作る 

812_6779Roller Freight 何度も出て来るこの貨車は、e-bayで数ドルで買った中古貨車からのre-builtである。もともとはこんなものであった。何をどうすればこうなるのか、というほどひどい状態であった。刷毛でニスを塗ったような感じで表面が褐色になっていた。溶剤を工夫して、表面だけはがそうと思ったが、それもなかなか難しく、結局全部はがした。木部は組み直して側板はSuper Xで貼り付けた。この貨車の色はGlaciar Greenといって、氷河の色なのだそうだ。NYCのJade(翡翠の色)と何が違うのかはよく分からない。こちらの方が多少青いような気がしたので、そのように調色した。ディカルは、30年前から買ってあったのをようやく貼れた。

TRB Red CarsTRB Red Cars 2TRB Yellow CarsTRB Yellow Car original slide 
元のRoller Freightというのは、Timkenの宣伝文句であって、戦後その普及に努めていた時のデモンストレイタ車輌群である。BoxcarとかHopper Car などを同じ色に塗って、全米を廻ったらしい。1949年のこのアニメイションは面白い。1959年版は多少改訂されているが同様である。起動時の摩擦が4%しかなく、油切れによるHotboxも無いから、列車の遅れが無くなることを強調している。
 パンフレットでは人間一人で押せるほど摩擦が少ないということを宣伝している。最終的にはGNがこれらの車を買い取ったという話もあるので、この塗り替えは意味があることにした。

TRB Red CarRoller Freight (2)Roller Freight (3) TRB(Timken Roller Bearing)の車輌群は3色あって、当時のAthearnはその全てを模型化している。e-bayを丹念に探すとこの種の車輌はたまに出るが、意外と高値で買えそうもない。数が少ないのであろう。この一番左の赤いものが、上の茶色の車輌と同一品であるとは、誰も思わないであろう。
 HO以下ではよく見かけるようだ。

dda40x at 01:05コメント(0) この記事をクリップ!

2013年01月03日

続 Boxcarを作る

812_6782 安いキットを買ったものだから、一部の部品が足らない。それが未完成の大きな原因であったことは否めない。屋根の歩み板(Roof Walkとも言う)は木製が付いていれば「当り」で、プレスの網目が付いたのは、どちらかというと「外れ」である。木製であれば、ワイヤー・ブラシでこすって傷んだ感じにする。昔は釘で留めたので、歩み板の真ん中に穴が開いて、変な感じであった。
 現在はSuper Xがあるので、留め具が全く見えない。平らに付けるために、屋根のてっぺんに接着剤を付け、歩み板を屋根にテープで仮留めする。これは位置関係だけを留めただけである。次に週刊誌ぐらいの柔らかさの雑誌を堅い机に載せ、その上に貨車を仰向きに置いて軽く重しを掛ける。そうすると屋根と歩み板が平行に固着する。この方法はエッチングのsee-thruの歩み板にも使える。

 歩み板の端には支えが必要であるから、細い平角線でそれを作りSuper X で取り付ける。ステップもこの接着剤で付けると、弾力性があって折れにくい。問題は梯子である。
 安達製作所で買って来たジャンクの中から拾い出した梯子は短いので、細いブラス線を角に内側からハンダ付けして延ばす。そしてステップをハンダ付けすると、実感的だ。既製品はこのあたりの作りがでたらめである。

 ブレーキ巻き上げ装置の位置を正確に調べて取り付ける。巻き上げ用の足場も正確な位置に取り付ける。
このあたりの位置関係が出鱈目だと、非常にみっともない。先日の動画はとても参考になる。

 横から見た時に見えるブレーキ・シリンダは正しい位置に付ける。高さがおかしいと実感を損なう。ブレーキ・リギングがフレームにほとんど接しているのだから、シリンダ中心もその高さでなければならない。

 正直なところ、これ以上の手間を掛けるのは筆者の主義に反する。貨車は機関車とは違う。軽く走れば良いのであって、手に取ってじっくり見る人はいないことになっている。遠くから見て気になる所が、正しく出来ていれば合格である。

2013年01月01日

Boxcar を作る

   謹賀新年

812_6779 この3箇月、貨車を作り続けた。それらの貨車はLow-D車輪を作った時、走行抵抗を測定する必要があって、全く同様に仕上げた貨車を30輌必要としたからだ。それらはAthearnの40-ft, 50-ft Boxcarの一群である。ある程度は持っていたのだが、測定用に買い足したのだ。当時はこの種の貨車が安く手に入った。アメリカの模型ショウを一巡りすれば5,6輌は買える。単価は15ドル以下である。台車付きだから安いものだ。
 大急ぎで形を作り、測定に使用した。そのあとは放置されていたが、未塗装のものが多く、美観を損ねた。ヤードに各種の未塗装車が並んでいると気が滅入る。梯子とか天井のRunning Board、ブレーキホイール、などが付いていない。なんとなく廃車の行列のようで、視界に入ると腹が立つ。

see-thru (2) 5輌ずつ細かい部品を作り、付けて行く。1日2時間と決めて続けると、10日くらいである程度仕上がる。歩み板は平板を捲って取り、エッチング抜き落としの"see-thru"に取り換える。透けて見えるのは素晴らしい。多少、値段は張るが、効果がある。安い貨車でも、この種の部品に取り換えるだけで、見違える。
 この歩み板は手に入りにくい。模型ショウで見つけると、あるだけ全部買ってしまう。1輌分7ドルもするが、その価値が十分にある。

812_6785 天候を見て、塗装準備をする。エア・コンプレッサからホースを伸ばし、塗料を攪拌してろ過する。下塗りをして、マスキングをする。側板のみ塗装済、文字印刷済であるから、色が微妙に合わない。しかしそれは本物にもあることなので、文字を隠して塗り重ねる。
 天気の良い日に、エイヤっと吹き付ける。乾燥台を用意してあるのでそれに載せて、太陽光を浴びせると、温度が上がって塗装面が平滑に仕上がる。
 マスキングを外し、多少のミスはタッチアップして直す。車輪を塗り、連結器に薄く錆色を塗る。車輪のトレッドに塗料が付いていれば、溶剤で拭き取る。マスキングした部分の色の違いをぼかすように僅かにウェザリングをする。こうして、ごく普通のAthearnの貨車がカスタマイズされていく。

812_6791 貨物列車は都合3本ある。タンク車を主体としたもの、Boxcarを主体としたもの、ここまでは1960年までの仕様である。蒸気機関車による牽引で矛盾が無いような時代のものである。もう一本は1980年代にアメリカに住んでいたとき、よく見かけた編成である。たくさん写真を撮ってあるのでそれを見ながら仕上げている。これはDDA40Xなどに牽かせて矛盾が無いようにしている。
 線路上に置くところが無いので諦めて抽斗にしまっていたが、2年前にヤードを増設したので3本目がそのまま載せられる。都合、貨車だけで200輌ほどがいつでも走るようになっている。

2012年11月20日

続々 Vic's Hobby Supply

812_6123-2812_6124-2 この貨車のウェザリングには参った。細い刷毛を使って細かい錆を表している。そのあとでWashしているそうだ。Washとは薄く溶いた汚れ塗料をさっと流し、それが半乾きのときに重力方向に拭き取るのだそうだ。スプレィとは異なる表現である。もちろん全体に埃色をスプレィしてある。最近のコンテストの入賞作品は、ほとんどこのテクニックを使っているように思う。。

812_6125-2 このレイアウトの特徴は美しい線路である。ハンドスパイクなのだが完全に直線が出ている。その秘密はRoadbed(道床)にある。この道床はTru-Scale社の製品である。たまにこれを見るが、全面的に使ってあるのを見るのはこれが初めてである。HOが有名であるが、もともとはOゲージの会社である。今でも時々市場に出ている。枕木を厚板から彫り出し、レイルのはまる部分に溝を切ってあり、道床の肩も一体に削ってある。
 その昔天賞堂が出していた木製道床は、材質は異なるがほとんどこれのコピィである。天賞堂製は合板を用い、枕木部分の木目が活かされていた。本家は木目のほとんどないポプラ材を用いている。
 レイルをはめる部分が飛び出していて、現在の細密度の水準からは少し外れているが確実に直線性を保つ。もちろんレイルの底の部分の幅が大切で、細いレイルは使えない。
 アメリカではこの種の木工品が大量に作られていた。日本のような手作業ではなく、大きな工場で大量生産されていた。この種の工作をする職種をmouldingという。

812_6127-2 Turntable は自作である。手際良く作ってあり、確実に動作する。やはり太い軸と大きな駆動輪があった。工学的な素養のある人の作品は、ちゃんとツボを押さえている。

2012年06月04日

続々々々 Illinois 鉄道博物館 再訪 

COM_4285-2 この8000ガロンのタンク車は、まさに同じ型の模型を持っている。昔の製品を今様に造り替えたものだ。ディカルの色が全く同じで驚いた。写真の数字は80000になっているがこれは80000lb (約40トン)である。
 この時期のタンク車は最近はきわめて少なくなった。

COM_4286-2COM_4287-2COM_4290-2COM_4288-2COM_4289-2COM_4284-2




 このカブースも全く同じタイプのものを数台持っている。MGやUSHの時代には与えられた情報が少なく、安達製作所は苦労して作っていた。しかし間違いが多い。便所の窓が左右にあったり、デッキの梯子の形が全く違っていたりする。
 窓は塞げばよく、梯子は作り直せばよい。しかし図面だけでは分からないところがあるので、写真を撮ることは大切なことである。
 たまたま見つけたので、室内を含めたくさんの写真を撮った。

 この台車はOゲージでは模型化されていない。いずれきちんとしたものを作って、製品化しようと思っている。欲しいという人はかなり居るからだ。



dda40x at 06:04コメント(0) この記事をクリップ!

2012年05月31日

続々 Illinois 鉄道博物館 再訪

COM_4247-2COM_4249-2 SD40-2のデッキ部分である。ステップの穴はプレスで作られている。穴は雪が抜けるようになっているのだ。突起があって、靴の底が確実に接触するようになっている。
 エンドの鋼鈑の厚さは1.5インチ(38 mm)もある。そこに、クレーンで吊り上げるときの穴があり、フックを掛けるときの保護用に円筒を熔接で付けてある。これは各鉄道会社の仕様に依るのだろう。

COM_4260-2COM_4264-2COM_4262-2 今回の再訪問の目的の一つにFull-Cushion台車の現物を観察することがあった。これは栗生氏のブログに細かい記事が載っているが、現物の写真を撮らねば納得できないところもあったからだ。

COM_4263-2COM_4266-2COM_4265-2COM_4261-2




 この台車の現物を見るのはなかなか難しい。1950年代にさまざまな原因で脱線が起こり易いとされ、ほとんどが廃車になったからだ。この博物館には、原型のTroop Sleeperが保存されている。

 

2012年05月03日

続々々々々 St.Louis の鉄道博物館

COM_3979-2COM_3977-2 この角が丸い貨車は牛乳輸送車である。当時各社が競ってこの種の保冷牛乳輸送車を作り、大都市近郊に配置した。歴史は知っていたが現物を見るのは初めてだ。ステンレス鋼製のタンクが、コルクで熱絶縁した車体に収められている。積荷のミルクは機械的に攪拌され、バターが分離するのを防ぐと共に、タンク清掃を容易にした。
 新鮮さが売り物であったので、急行列車に連結されて、都市の中心部に急いだ。だから、貨車のくせに、連結器の上にバッファがある。客車と連結することが前提になっているからだ。保冷能力は高く、1000 kmもの走行でも、温度上昇は僅か1度(華氏目盛で)であったそうだ。

COM_3983-2 この博物館にもDDA40Xがある。あまり保存状態が良くないので写真は撮らなかった。西部ではないので雨が多く、鉄は錆びやすい。しかし海岸から遠く、工場のばい煙も少ないので日本ほど錆びやすくはない。


COM_3988-2 最近は少なくなったこの種のホッパ車があった。いずれ絶滅する車種である。この機種はホッパ部分に楔形の溝があり、そこにヴァイブレイタを差し込み荷降ろしをする。振動で堅く詰まった粉体を流動させるのである。このヴァイブレイタが結構重く、重労働であり嫌われているのだ。


2012年04月29日

続々々 St.Louis の鉄道博物館

COM_3963-2COM_3967-2 この博物館には、興味深い貨車がいくつかある。その一つがこの16輪タンク車である。この貨車については栗生氏のブログでカヴァされている。早速写真をお使い戴いたので、もう御覧になった方も多いだろう。塗り替えたばかりのようで、つるつるであった。赤いペンキの飛び散った跡が周りにたくさんあった。
 黒丸は明らかに目玉を意識しているのである。
COM_3965-2COM_3964-2COM_3966-2 筆者はこの種のスパン・ボルスタの構造に興味がある。実物でも、このようなタンク車では剛性が大きく、線路のねじれに対しての追随性(コンプライアンス)が不足するはずである。どのような構造なのかが見たかった。
 
COM_3969-2 このtri-level auto carrier はねじられやすい構造だ。したがって、長くても設計は容易なはずだ。これと同系統の貨車をブラスで作った。模型は堅く、そう簡単にはねじられない。緩和曲線のカント増加部分で脱線した。ロンビック・イコライザを改良された伊藤剛氏の手法に従って、イコライジングした。全く脱線しない。
 それをお見せしたいのだが、ここしばらく行方不明である。どこかにはまり込んでいるだろうと楽観視しているが、もう半年ほど見かけない。  

追記 カヴァ coverする とは取材などによって記事を掲載すること、放送することである。複数の方から質問を戴いた。

2011年11月23日

続々 Canstock Car

 筆者は長年このCanstock Carの資料を探していた。外観の写真や、キットから作られた模型はたまに見ることがあっても、鉄道会社の発表している資料に行きつくことができなかった。

 ところがこのブログに鋭いご意見を戴くnortherns484氏から、例によって思わぬ贈り物を戴いた。それがこのリンクである。B&OのHistorical Societyの発行する資料をPDF化したものを見る事ができるのだ。インタネットのありがたいところである。
 一応は筆者も検索して探してはあるのだが、なかなか見つからない。ところがnortherns484氏は必ず見つけ出してしまう。これは何かのノウハウがあるのだろうか。
 
 このSentinelという言葉は軍隊用語で番兵とか歩哨という意味であり、B&Oが荷主に対して提供した貨車運用情報プログラムのことである。
 B&Oはアメリカで一番古い鉄道会社である。

 さてこの資料の13ページから10ページに亘って詳しい解説がある。歴史的背景を含め、この機種が開発された必然性まで書いてある。
 Canstock の大きさの見積もりは少々大き過ぎたようだ。9600ポンドということは約4.3トンである。パレットに載っていてスティールバンドで留めてある。積み込みの手順を工夫して今までよりたくさん詰めて、しかも省力化できるわけで、開発者は鼻高々だったであろう。
 この解説の中で筆者の興味を引いたのは、妻が開くタイプの有蓋車がこの種の輸送に使われていたことだ。確かに、妻から入れればたくさん入るが荷役の手間は大きい。1台ずつ専用のプラットフォームに押し込んでから積まねばならないからだ。

2011年11月21日

続 Canstock Car

 栗生氏の御許可を得て、引用させて戴く。

---------------------------------------o--------------------------------------
 我々が思い及ばない点はたぶん、バルクヘッド、仕切り壁の強度の問題だろうと思います。このモデルメーカーの別の写真に、ドア面に「4DF-B」の表示がありますから、 これはエバンズ社のDF-Bを、4つ使っているはずです。
 この「4つ」という点が重要で、ボックスカーの真ん中には、コイルを積まないのですね。

 フォークリフトは、ドアのところで向きを変える必要があります。そのために、ドアの開口寸法を12フィート6インチ( 381 cm )と大きくとりました。そして、積み下ろしのときは、両側のドアを共に開けます。
フォークリフトのターンのために、このスペースが必要です。一部の写真で、"OPEN BOTH DOORS BEFORE LOADING"との表示が読み取れますね。

 そして、最後の7つ目と、8つ目のコイルは、ドアの位置に置きます。フォークリフトで、サイドから積み下ろしするのです。 これらのためのバルクヘッドは、たぶん、ドア開口部の位置に来ます。そのツッパリ部(固定部)は、両側のドア自体ではなくて、床と天井、あるいは鴨居だと思います。

----------------------------------------o-------------------------------------

GOW_3050 明快なご解説で、これを読んで非常にすっきりした。DFは荷崩れ防止用のディヴァイスで、天井というよりも、この解説にあるように鴨居にあるレイルと床に固定されるはずだ。これはレイルにぶら下って滑って行き、所定の場所でロックする。(この写真はCar and Locomotive Cyclopedia 1974年版である。)
 それにしてもこの貨車の積載量は70トン超であるから、そのコイル一つはかなり重いものであろうと思われる。軟鋼板であれば、この説明図から割り出した大きさで、幅2 ft(61 cm)のコイルなら、1つ7トンくらいになる。それが移動するのを防ぐDFの強度はさぞかし大きいのではないかと思う。また、それを積み込むフォークリフトもかなり大きなものだろう。(このコイルは4.3トンであることが後日判明した。)

 この貨車の連結器には、油圧ダンパが付いていて連結時の衝撃を吸収するようになっている。それでもかなりのショックがあるだろうから、DFの強度はかなりのものだ。

2011年11月19日

Canstock Car

Canstock CarGOW_3040 先日栗生弘太郎氏から戴いたコメントで、Canstock Carの模型が発売されたことを知った。

 キャンストックとはブリキ板、薄いアルミ板で、缶詰製造業者が使う材料を納品するときに使う貨車である。食品に触れるものであるから、有蓋車で運ぶ。
 一般的には、ごく普通の有蓋車で運んでいたのだが、B&O(バルティモア・アンド・オハイオ)という鉄道会社が導入したこの貨車は、単位長さあたりのキャンストック・コイル(巻物で運ぶ)の数が多いという特長を持っている。

 この貨車の模型はQuality Craft(現在のWeaver)が出していた、木製のキットである。このキットを開けて図面を見て、どうやって作ったものか、思案投げ首であった。というのは、ドアの位置がどうなるのか、図面を見ても説明を見ても分からない。一般的にはこのようなオフセットした(片方に寄った)ドアは反対側が点対称になっているものだ。

 当初、そうしようと思ったのだが、どう考えても荷役上の都合を考えると、もう少しドアが大きくないと都合が悪いことが分かった。しかし、両側面の同じ位置にドアがある理由が分からない。というわけで組み掛けてしばらく放置してあった。

 1985年に祖父江氏と訪米した際、デトロイトのディックのところに寄った。彼はこのキットを完成させていた。見ると、やはり、両側面の同じ位置にドアがある。
 理由を聞くと、「よく分からぬが、メリットがあるんだそうな。」ということであった。それ以上の情報が入らぬまま、仕方なくディックと同じように仕上げた。それから25年、意外な形でその理屈が明かされた。

Car%20Objectives 今回発売の模型はHOである。実物の資料を手に入れて細かくできている。それによるとドアの位置が真ん中にあると、積めるコイルの数が少ないというのだ。この説明はなんとなく説得力のない文章で、何度も読んだが、よく判らない。
 例えば、パレットに載せたコイルを床に留めることができればもう少し積むことができそうだ、と思った。
 
 多分、条件としては、―顛完銘屬鮹羆に持っていきたい。 ▲侫ークリフトのみを使って荷役したい。 Damage Free(衝撃で荷物がずれないようにする補助具。以下DFと略す)を取り付けられる場所(数も)が限られる。 ということなのだろう。

  ドアが片方に寄っているので、車内の奥の方は暗い。そこで天井を一部グラスファイバにして明り取りにしている機種もある。

 専門家の栗生氏に解釈して戴いた。 

2011年07月07日

仕掛品の始末

 アメリカ紀行ばかりで模型工作の話から遠ざかってしまったが、最近は、大変熱心に工作をしている。

 実は仕掛品などが大量にあって、それがやりたい工作の邪魔になっていることが分かったからだ。それを片づけると工作台の周辺のスペースが大きく空き、工作が進展することになる。

 工作机の周りにある貨車の仕掛品だけで40輌、客車が30輌以上ある。このひと月で貨車の大半が片付く予定である。貨車の仕掛品が多かったのは、例のLow-D車輪の性能試験で同じ型の貨車が30輌要るので、倉庫からキットを選び出して台車、連結器と大まかな外装を付けただけの状態に急遽仕立てたからだ。
 その貨車を並べて、いろいろな曲線の上で抵抗を測定した。発表原稿ができると、工作台の周りの棚等に押し込んだり、工作台に積んだりしてあったので、本来やりたかった仕事の邪魔になった。その状態で1年ほど過ごして、大きな損失になったと感じたのである。

DSC_1627 これらの貨車は同じメーカのものばかりなので、共通部品を同時にたくさん作って並べて工作すれば仕事は早い。1週間で16台を生地完成まで持って行けた。あとは天気予報を見て乾燥した日に一気に塗る。ほとんどが同じ色なので簡単である。

 
DSC_1629 問題は残りの貨車である。全て形式が違うので図面集などを見て検討しなければならず、時間がかかる。特にカブースは面倒である。今、7両のカブースを同時進行させている。全てブラス製なので工作そのものは簡単である。部品がないものは作り、場合によってはロストワックスで量産して仲間に分けることにする。これらのカブースは中古の壊れたものを修理するわけである。何度かやっているが、最近は治すのが面倒な部分は外して捨て、新製する。
 スクラッチビルトに近くなり、もとの部品がどこにあるのかわからなくなってしまう。10ドルで買ったジャンクが新しい命を吹き込まれる。カブースは大破したものが安く手に入り易い。追突事故で破損するからだろう。前後ともつぶれているものが大半だ。

2011年07月01日

”Occupied Japan”

157515741573 ヒル氏は筆者に一台の貨車を持って行けという。上げるから、その素性を調べてくれと言うのだ。それはタンク車で、裏に
”made in occupied Japan" という銘板が貼ってあった。ということは1952年までの製品だ。これは厚さが0.25 mm という信じられないほど薄い板で作られたタンク本体を持つ。薄いからリヴェットの打ち出しはとてもシャープであるが、強く持つとペコンと凹むから注意しなければならない。同型のものは持っているので、安達製作所製であることは疑いがない。

 前回のは下回りが怪しい仕上がりの板金製であったので、それは捨てて新製している。今回のは下回りがダイキャストとの混成で出来がよいのだろうが、ダイキャストが劣化して少し曲がってしまっている。それをばらして捨て、ジャンク箱から同時代の台枠の比較的良いものを見つけ出して、それに振替えた。銘板はそれに付けた。決してインチキをしたわけではない。同時代のものがあったからだ。

 ダイキャストの部分には、ドラフトギヤもある。それをばらして驚いたのは、Thomasのタンク車と同等の構造を持っていたことである。 押し、引きの双方向に緩衝があり、実物の構造をよく知った人が設計していることが伺える。連結器はworking(可動)である。下にぶら下がった部分は初めて見たが、Monarchの系統である。ひょっとすると、カタログ上でしか見たことがない
"ramp operating"かもしれない。

 トーマスの製品と比べてみると、型は異なる。この時代にすでにダイキャスト型を起こして模型を作ろうとした人がいるのである。ダイキャスト部品は、ブラスのランボードに十分にうまくハンダ付けができている。しかも60年以上もの間、間違いなく接着されている。これは意外なことであった。ダイキャスト部品は多少膨張しているが、脆くはなっていない。

 上廻りのハンダ付けはほとんど取れていた。ハンダ付け職人の技量がよくなく、ハンダが回っていない。丹念に外して全面ハンダ付けをした。こうすれば絶対に壊れない。 ドームのハッチはMax Grayの時代のcoining(いわゆるドロップ)の部品をジャンク箱から拾って付けた。曲がった安全弁は形が悪いので捨て、ロストワックス製に付け替えた。その他細かい部品を作って付けたら、立派に見える。いずれ塗装したら写真をお見せする。

 台車は例によってAthearnのデルリン台車である。車輪はLow-Dを装着した。この台車をいくつか持って行ってヒル氏に見せたら、大変強い興味を示した。「私はもう引退したが、これはアメリカ中に売れる。いや世界中に売れる。雑誌に発表しなければ…」と言う。
「Model Railroaderでそろそろ掲載なのですが、少々事務手続き上のミスがあって遅れています。」と言うと、「それなら良い。これはInnovativeな(意識革命を起こすような)製品である。必ず売れるよ。」と言う。

2010年11月24日

Depressed Center Flat car by MTH

MTH 昔から大物車というものに興味を持っている。特に真ん中が下がっているものが好きである。表題の正確な意味は、「中央部が凹んだ平らな貨車」で矛盾のある言葉である。この写真はアメリカの友人宅で撮ったものである。

MTH Depressed Center FlatcarSpan Bolster 軸重が大きいので36インチの車輪(特に高軸重の貨車では40インチの車輪)を8軸付け、スパン・ボルスタで受けている。レーザ・カットすれば簡単に出来そうな形をしている。
 このようなスパンの大きな車輌こそ、線路の不整に対して等角逆捻り機構の効果が表れるだろう。これは川島氏のお宅で見せて戴いたものである。MTHはこの種の特殊貨車も何種類か出している。積み荷は変圧器のようだ。台車がひとつ無いが、修理中なのであろう。
depressed center  flat car イナ@ペン氏御撮影Hexagonal platform 左の写真はイナ@ペン氏御撮影のものである。積み荷の形がこの模型とよく似ている。
 前後の台車の上のプラットフォームは、実物は矩形ではない。曲線上で本体に当たるのを避けるためにわずかに逃げて、五角形(厳密には六角形)になっている。その代り隙間は小さくできる。右の写真はイリノイ鉄道博物館で撮ったものである。荷台の鋼板の厚さには恐れ入る。

 ブレーキ装置は普通の貨車より複雑で、ブレーキハンドルも2つあるものが多い。  

2010年11月08日

貨車のキット

Hello Dolly Boxcar 最近、貨車のキットが大量に発掘された。夏に来客があって地下室を整理していたら、大きな段ボールの中にどっさり見つかったのである。もう無いはず、と思っていたので、少々うんざりした。ひとつ10ドル以下での投げ売りを買ってしまったものである。

 気をとり直して、一度に12両ずつ並べて工作を始めた。木製キットは下地処理に時間が掛かるので、組んでない状態で木材にラッカ・サーフェサを塗って、スティール・ウールで研ぐ。これを最低二度やると艶が出る。組んでから全体にサーフェサを吹いてスティール・ウールで研ぎ上げれば金属製と変わらぬ仕上がりとなる。この種の貨車はすでに60両以上組んだ。
 大変な手間だが、楽しい作業である。家人のいないときに居間に一杯に広げて順に作業する。研ぐのはもちろん外でやる。

 さてこの青い車輌はフリ-ランスの塗装である。このキットを作った会社のロゴを入れた。車輌そのものは”Hello Dolly Car”と言って1960年代後半の試作車である。中央部のドア2枚は、上部のヒンジを軸に水平面まで持ち上がる。もちろん油圧のストラットで支えられる。床面にはドアと同じ幅のドーリィがあって車長方向に水平移動する。フォークリフトで積んだものを横にずらして、さらに積むという方式だ。よく考えてあるが、あまり売れずに量産はされなかったようだ。結局のところ人手が掛かるということである。この写真では車輪が光っているが、今ではちゃんと塗装してある。
 センタ・ビーム・フラットカーならば一人で済む仕事なのである。この名前は1964年から70年までブロードウェイでロングランしたミュージカル ”Hello, Dolly!”をもじったものである。

what is this? この貨車は以前作ったのだが、今回もう一台出てきてしまい、少々食傷気味であった。思い切って短くしようかと思っていたところに、一つのアイデアが湧いてきた。これを使ってあるものを作ろうということになった。
 さて何であろうか。床の丸穴がヒントである。

2010年10月11日

続 Low-D Wheel の効果 

 会員のお子さんの中学生が、筆者の貨車を使って入替えをしていた。よく見ると突放をしている。彼らは初めてこの車輪を見て、この性能なら突放が出来ると考えたのであろう。さすがである。

 1950年代のModel Railroaderに、ハンプを使った入れ替えの話が出ている。TMSにも紹介されたので記憶がある方もいらっしゃるだろう。
 はたして、当時どの程度転がったのかは分からないが、かなりの急勾配であろうと推測する。カ―・リターダは圧縮空気のジェットを利用するとあったが、おそらく実用化はされていない。もし実用化されていたなら、どこかで見たことがあるはずである。

 時を経て、それが可能な時代がやってきた。筆者のレイアウトにもそのハンプとリターダをつけたかったが、現実にはスぺイスがなかった。アメリカの友人たちには、「Low-Dを使えばそれは可能だ。」と宣伝してあるが、まだ作ったという話は聞かない。

GGD 12-1 Pullman2GGD 12-1 pullman 最近発売になったプラスティック製の客車がある。そこそこの出来で価格は150ドルもしない。塗装済みでレタリングも正しく、室内が付いている。なおかつ人形まで乗せてある、もちろん照明も付いている。編成が欲しいと思えば、これを買うべきである。自分で作る労力を考えれれば、はるかに安い。
 筆者は Walthersの組みかけキットを20台分ほど保有しているが、それを投げ捨てたくなってきた。

Pullman 6-wheel truck この客車にはダイキャスト製の台車が付いている。一応スプリングが多少効くので、走行は静かである。イコライズはしていないが、その可動部分が細いイコライザごと動くので、Oゲージの大きさではそれが撓み、3軸であってもそこそこの動きをする。



Pullman truck with Low-D wheel sets 車輪は極端に精度の悪いピヴォット車輪であったが、それをLow-Dに嵌め換えた。偶然にも軸長が同じで、ぴったりとはまった。
 走らせてみると実に調子が良い。軸重は 200 g 位であるが、モリブデングリスのおかげで、わずかの傾斜でも転がるくらいよく走る。軸受は、デルリンでなくても大きな問題はないようだ。

 実はアメリカからは、これらの客車用の取替え部品として引き合いが多い。

2010年10月09日

Low-D Wheel の効果

 関西合運の舞台上のエンドレス・トラックには、いろいろなお客様が見にいらした。Oゲージの仲間にはすでに知れ渡っているので、他の方にも事前に宣伝して戴いたのかもしれない。

 感想としては、「ボール・ベアリングが入っているのだろう」というのが大半で、フランジ形状に言及される方はほとんどなかった。カーヴでもほとんど減速しないということにはほとんど誰も気が付かない。
 やはり、模型を走らせて性能を調べている方は少ないというのが実感である。

 ボールベアリングは、低軸重の車輌には不利である。というのはボールベアリングの中にはグリースが入っている。その攪はん抵抗は無視できない。
 筆者の実験では軸重 100 gw まではピヴォット軸受が有利である。もちろんピヴォット軸受にはごく少量のモリブデングリスを付けてある。「ピヴォット軸には注油してはいけない」と書いた人が居たが、それは明らかな間違いである。全く訂正文が載らないのはおかしなものだ。

 ブラス製の重い客車などにはボールベアリングは不可欠である。筆者の客車の中には軸重が 500 gw を超えるものがある。あるアメリカ人が作った客車で内部には9.5 mm 角のブラスの棒が補強で4本も入っている。全くの過剰品質である。脱線すると、周りのものがめちゃくちゃに壊れるだろうから、近所迷惑であること夥しい。重いが、ボールベアリングのおかげで、滑るように走る。

 電車ファンの方は、静かに走るということが非常に大事で、その点でこの車輪を購入する方が多い。めっきすると、平滑度は格段に低下するからやかましい。その点、この製品は高精度の旋削で、真円度が高いから静かに走る。
 今回の増産では、電車用ということで片方をネジ込みにした。絶縁側をネジ込みにするのは、性能保証上出来なかったが、外れるのは片方で十分である。
 そのネジはJISの 4 mm の細目で、超精密に仕上っている。ガタが全くない。ねじ込めばもう外れることはない。接着剤で緩み留めをすることは必要ないのだ。
 緩いネジは、それだけですでにエキセン(excentric)でフレている。
 
 製造所が変わったので心配したが、前回と同程度以上の仕上がりであった。「機械の精度が製品の精度」というのは本当である。市販も始まったので、いずれこれが「事実上の規格」になると信じている。

 13mmゲージの方たちも見にいらして、非常に興味深くご覧になった。聞くところによると、13mmゲージの車輪の規格はきちんとは決まっていないそうである。
 13mmゲージは、蒸気機関車と客車を主体とするファンによって支えられているとのことである。より安定な走行を求めると、それは新しい車輪を作らざるをえないことになる様だ。優れた車輪を大量に作って安く売れば、皆それを採用するだろうから、「お手伝いしますよ」と申し出ておいた。 

2010年07月01日

Walthers の ”Tongue-in-cheek" キット

Beer Tank Car Walthersは、すでに販売会社であるが、昔は製造部門を持っていた。1976年頃、Oゲージの最後の新製品がいくつか出た。

 その中にこの "Tongue-in-Cheek" キットがあった。この言葉は、辞書に載って居ない可能性が高い言葉で、悪ふざけという意味である。 

 しばらく前、Beer Can Tankerの写真をお見せした。そのTankBodyを本当のビール缶で作ってしまえというわけである。
 12オンスのビール缶なら何でもよく、とりあえず手近にあったOlympiaのビール缶を使った。Oスケールではかなり太いので、バランスがよくない。背が高いが、一応限界内に収まる。飾棚の片隅に置いてあり、走らせることはほとんどなかった。

 部品はすべてソフトメタルで、エポキシ・セメントで取り付けた。手すりの取り付けもエポキシなので触ると壊れるだろう。もし壊れたら、ブラスをハンダ付けして組み立てようと思う。どうせなら16オンス缶で作ると立派であろう。

 

2010年06月29日

続々々 Max Gray のタンク車

WARREN Chemical Tank Car ケミカルタンク車には、プラットフォームがないものもある。
 このドームには「緑を塗れ」と指示してある。しかし、その彩度が分からない。後で彩度を下げるのは容易であるので、とりあえず鮮やかにしてある。

Du Pont Silver Tank CarBrea Chemical Tank Car 銀色のケミカルタンク車は美しい。左のDu Pontのタンク車は先回の黒の銀塗りである。液体アンモニアを運ぶことになっている。
 右のBrea Chemicalが何なのかはよくわからない。1950、60年代によくあった原子を表す絵が付いている。

Monsanto Chemical Tank これはモンサントのタンク車である。日本では三菱との合弁会社がある。多分リン酸を運ぶものではないかと推測する。


Philgas Chemical tank CarEastman Tank Car W/ Platform Philgasはオクラホマ州の石油会社である。オクラホマにはいくつも石油会社があり、それらの独自のブランドでガソリンを売っていた。
 右のEastmanのタンク車は部品が余っていたので、プラットフォームを作った。プロトタイプがあるのかどうかは分からない。このタンク・ボディには深い dent(凹み)があった。直すのも面倒で、仮組みして伊藤剛氏に見せたところ、"Authentic"(真正な、すなわち揶揄して写実的であるという意味)とのことで、そのままにした。
 

2010年06月27日

続々 Max Gray のタンク車

Yellow Chemical Tank Cars 2 この写真は先回のとは微妙に異なる。色調が異なるのである。ただウェザリングがしてあるのではない。右の Du Pont のタンク車の色調は友人の間でいろいろな意見があることは承知している。だからこそ二色作ったのだ。80年台のMRの表紙に出てくるものは緑が濃く、先回の色調である。

Dupont Chemical Tank Car in Detroit model railroad club 先日、Fox Valley Railroad Clubに行った際、撮った写真はこれである。本日の写真と同じである。どちらが本物の色なのかは、よくわからない。カラー写真があったとしても分からない。図面に指示してあるデュポンの塗料番号が分からなければ、結局は同じ議論を繰り返すことになる。Penn Saltの色も、今回の車輌は多少彩度を下げている。


6000 Gal. and Beer Can Tank Car 左の小さなタンク車は、市販品ではない。MGの製品はプラットフォームが付いたケミカルタンク車である。それを敢えて普通のタンク車にした。初めて見る形だから、友人は不思議がる。
 右のタンク車はUSHの時代にKUMATAで作ったものである。極端にへたなハンダ付けで全ての部品がイモ付けである。触るとパラパラと部品が取れてくる。壊れて丸裸になった物を安く買った。ほとんどの部品を作り直し、修理に一苦労した。直しているうちに、タンクのエンドまで外れたのには参った。
一時期の韓国製よりひどい出来であり、中古価格はかなり安い。

10,000 Gal. Chemical Tank Cars w/platform 10,000ガロンのケミカルタンク車はさまざまな化学会社の塗りにした。この Du Pont の塗りは筆者の最も好きなスキームである。

2010年06月25日

続 Max Gray のタンク車

TEXACO silver tank cars これらのタンク車は8000ガロンである。大抵2ドームであるが3ドームの車輌もいくつかある。当初は全ての8000ガロンタンク車をTEXACOだけで編成するつもりで作り始めたのだが、ディカルが集まらなくて断念した。今なら、黒字のディカルならディカル用紙にコピィするだけで出来るが、30年前はディカル用紙が入手できなかった。

Yellow chemical tank cars 黄色のケミカル・タンク車はいくつかある。全て複数台保有している。このデュポンのタンク車の積み荷は四エチル鉛である。いわゆるアンチノック剤として、有鉛ガソリンを作る添加剤(猛毒)である。この塗装スキームは人気があり、あちこちのレイアウトで見る。もう有鉛ガソリンは航空機用ぐらいしか残っていない。1950年代には沢山の需要があったはずだ。Penn Saltは多分水酸化ナトリウム溶液輸送用だろう。

pregnant whale tank car これはUSH時代の製品で、「妊娠した鯨」と言われる大型タンク車である。もっぱら加圧したLPGを積むためのものである。LPGは比重が小さいので大きな割に、大した重量ではない。
 これは親友Georgeの遺品である。奥さんから形見に貰ってしまった。これを見ると彼のことを思い出す。塗装は筆者による。

dda40x at 06:25コメント(2) この記事をクリップ!

2010年06月23日

Max Gray のタンク車

MG 1-dome, 2-dome Tank Cars もしMax Gray(MG)が居なかったならば、模型界は大きく変わっていたであろう。マックス・グレイ氏は、日本人の安価かつ優れた工作力に目を付けた。
 それは祖父江氏の機関車の分野だけではない。貨車の分野にも大量生産が展開された。安達製作所のようにプレス加工に秀でた製造所を見つけ出し、今までにない精度の製品を作りだした。MGが1ロット何百輌という貨車を販売したので、それらを沢山買う人が現れた。コレクタではない。レイアウト上を走らせるためである。
 同一車種をたくさん並べた列車は、MG登場以降、MRによく現れるようになった。それまでに発売された貨車はThomasのようにキットであって、それらを全部組み立てて仕上げるのは結構面倒な仕事である。カスタムビルダに頼むにしても、大変な仕事である。
 MGであれば、金を払うだけで手に入る。一度に24輌ずつ買う人がかなり居たと聞いた。すなわち一編成がすぐ手に入るということである。

8000 Gal. Double Dome Tank-raised walk8000 Gal. Triple Dome Tank - Raised walk MGは多様なタンク車を売り出した。8000ガロンタイプだけでも、ドームが1つ、2つ、3つのものがある。10,000ガロンのケミカルタンク車も2種類ある。
 その他16,000ガロンのタンク車 、ウォークウェイが高くなっているものもある。これは珍しく、オークションではかなりの高値で取引されている。特に2ドームが少ない。
 ここにお見せするタンク車はジャンクより組んだのだが、真正な製品より細かくできていて、友人に見せると羨ましがられる。

2010年06月21日

続々 タンク車の増備

Intermountan Tank Car  Thomasの貨車はその手堅さで極めてよく売れた貨車キットであった。それから40年、さしたる製品のない時期が続いたが、突然現れたのがこのIntermountainのキットである。
 本物の図面を詳細にチェックし、図面通りに作ったのがこのキットの売りであった。ところがそれは作りにくく、壊れやすかった。
 以前にも書いたが、全てのリヴェットが円錐型をしている。こんな金型を作る人の気が知れない。左右2型ではなく、3等分した型で円錐リヴェットを表現している。しかし、細かすぎて普通のアメリカ人には組み立てられない。作っても触ると壊れる。今はAtlasブランドで中国製の完成品が出ている。壊れやすい部分を金属製にしてある。 

 このSHELLのシングル・ドーム 8000ガロンは自分で組んだのだが、壊れるのが嫌で、レイル上から外したことがなかった。手すりが細くて一体モールドである。ここを持てば必ず壊れそうである。

Intermountain Tank CarIntermountain Tank Car paint re-touched この銀色のタンク車は、その壊れたのを安く買った。捨て値で出ていたのを買って、2年くらい埃をかぶっていたが、今回タンク車を全部仕上げると決めたので引っ張り出した。
 ハンドレイルは全部とれていた。梯子もない。細かい部品は全部無くなっていたので新製した。

 ハンドレイルは、挽き物パーツをスーパーXで取り付けた。よく付くので助かる。梯子はブラス製。ブレーキ部品もブラス製である。完成後、細い筆でリタッチして銀色にした。

 これらの貨車は全てLow-D車輪に取り替えてあるので0.3%の坂を下り降りる。タンク車だけで50台以上あるので、単独の列車が編成できる。
 貨車の種類ごとに編成を組むと実際にありそうな列車になる。

2010年06月19日

続 タンク車の増備

Thomas Tank Cars 生地完成Thomas Tank Car PaintedDecaled Tank Cars

 Thomasの貨車はよくできている。素晴らしい実感だ。ダイキャストの部品があるので、よく脱脂をしないと後で剥がれやすい。プライマもよく吟味しないと後で泣くことになる。
 最近は"ミッチャクロン・マルチ"を使っている。塗って10分くらいで、表面がやや粘い時に塗ると良いらしい。今のところ剥がれた例はない。

 キット通りの安全弁が二つ、ドームの頂部に付いているのでは面白くないので、ほとんどの車輌は、側面に安全弁を付けている。このロストワックスを計算間違いでたくさん購入してしまったことも、理由の一つである。ご希望の方にはお頒けする。
 ドームがダイキャストでハンダ付けが効かないこともあり、スーパーXによる接着に頼っている。エポキシと違い、ぶつけた時に取れないのがよい。

 手摺は割りピン方式だ。座を通して二つ折りの細い短冊を差し、中から引っ張って曲げ、ハンダ付けする。実に簡単で正確にできる。しかも強い。そう簡単には壊れない。ハンドレイルは全周一本で継ぎ目は極端に薄いパイプでつなぐ。だから強い。梯子は手持ちパーツから新製した。

 タンク・エンドはダイキャストでタンク・ボディに差しこまれた状態で下回りにネジ留めされる。タンク座は四角の板であるがごく適当にスーパーXで留めてある。ネジを締めた瞬間になじんだ形で固定される。エポキシではこうはいかない。大抵、4つのうちの2つがパラリと落ち、それを再接着するのに面倒なプロセスを踏まねばならない。

 先週は一気に5台を完成させた。ダイキャストのバリ取りに時間がかかったが、そのあとは一気呵成である。これで Thomas の在庫は無くなった。さすがに、もう買うこともないだろうと思う。

 Thomasには他にいくつかの製品があるが、手に取ってみる価値もない。明らかに設計者が違う。

2010年06月17日

タンク車の増備

Crystal Car Line Tank Car ジャンクから組み立てたタンク車が35輌位ある。その他はIMP    International Model Products のものが数輌、残りは 例の Thomasのキットから組んだものである。

 最近、ようやく全ての車両に色を塗り終えた。総勢五十数輌である。1950年代を目標にしているので、今では消えてしまったいくつかの会社の塗装スキームがある。1台ずつではおかしなものなので2,3輌ずつそろえている。Champion Decalが廃業寸前で、欲しいディカルが手に入らない。オークションで目を凝らして探している。やはり探している人は大体同じ顔触れでいつも競合する。

 模型店の店頭在庫も丁寧に探さねばならない。全てをオンラインで管理しているわけでもないので探すのは大変だ。スワップ・ミートでは、朝一番に箱ごと大人買いをして、要るものだけを抜き、あとは適当な値段で処分するという方法を採ってきた。
 おかげで段ボール箱一杯の在庫があるのだが、本当に必要なものはほとんどない。

 このタンク車は、ディカルから始まった。偶然手に入れたCrystal Car Lineのディカルがとてもきれいで、それに合わせた貨車を作った。
 色は鮮やかな赤で、くすんではいない。これはウェザリングを掛けずに、いつまでも新車ということにしたい。車体はIMPの1950年ころの製品だ。下回りを新製してロストワックスの部品を付けた。オリジナルとは全く異なる仕上がりとなった。

 ディカルは古いので水に浮かせると細かくちぎれそうであった。そういうときには、水に付ける前に Micro liquid Decal Film を塗って乾かす。
 新たな膜が表面に出来て、微妙に厚くなるが丁寧に文字の輪郭に沿って切れば、分からない。日本でも売っているようだ。    

dda40x at 06:17コメント(0) この記事をクリップ!
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ