貨車

2012年05月31日

続々 Illinois 鉄道博物館 再訪

COM_4247-2COM_4249-2 SD40-2のデッキ部分である。ステップの穴はプレスで作られている。穴は雪が抜けるようになっているのだ。突起があって、靴の底が確実に接触するようになっている。
 エンドの鋼鈑の厚さは1.5インチ(38 mm)もある。そこに、クレーンで吊り上げるときの穴があり、フックを掛けるときの保護用に円筒を熔接で付けてある。これは各鉄道会社の仕様に依るのだろう。

COM_4260-2COM_4264-2COM_4262-2 今回の再訪問の目的の一つにFull-Cushion台車の現物を観察することがあった。これは栗生氏のブログに細かい記事が載っているが、現物の写真を撮らねば納得できないところもあったからだ。

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 この台車の現物を見るのはなかなか難しい。1950年代にさまざまな原因で脱線が起こり易いとされ、ほとんどが廃車になったからだ。この博物館には、原型のTroop Sleeperが保存されている。

 

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2012年05月03日

続々々々々 St.Louis の鉄道博物館

COM_3979-2COM_3977-2 この角が丸い貨車は牛乳輸送車である。当時各社が競ってこの種の保冷牛乳輸送車を作り、大都市近郊に配置した。歴史は知っていたが現物を見るのは初めてだ。ステンレス鋼製のタンクが、コルクで熱絶縁した車体に収められている。積荷のミルクは機械的に攪拌され、バターが分離するのを防ぐと共に、タンク清掃を容易にした。
 新鮮さが売り物であったので、急行列車に連結されて、都市の中心部に急いだ。だから、貨車のくせに、連結器の上にバッファがある。客車と連結することが前提になっているからだ。保冷能力は高く、1000 kmもの走行でも、温度上昇は僅か1度(華氏目盛で)であったそうだ。

COM_3983-2 この博物館にもDDA40Xがある。あまり保存状態が良くないので写真は撮らなかった。西部ではないので雨が多く、鉄は錆びやすい。しかし海岸から遠く、工場のばい煙も少ないので日本ほど錆びやすくはない。


COM_3988-2 最近は少なくなったこの種のホッパ車があった。いずれ絶滅する車種である。この機種はホッパ部分に楔形の溝があり、そこにヴァイブレイタを差し込み荷降ろしをする。振動で堅く詰まった粉体を流動させるのである。このヴァイブレイタが結構重く、重労働であり嫌われているのだ。


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2012年04月29日

続々々 St.Louis の鉄道博物館

COM_3963-2COM_3967-2 この博物館には、興味深い貨車がいくつかある。その一つがこの16輪タンク車である。この貨車については栗生氏のブログでカヴァされている。早速写真をお使い戴いたので、もう御覧になった方も多いだろう。塗り替えたばかりのようで、つるつるであった。赤いペンキの飛び散った跡が周りにたくさんあった。
 黒丸は明らかに目玉を意識しているのである。
COM_3965-2COM_3964-2COM_3966-2 筆者はこの種のスパン・ボルスタの構造に興味がある。実物でも、このようなタンク車では剛性が大きく、線路のねじれに対しての追随性(コンプライアンス)が不足するはずである。どのような構造なのかが見たかった。
 
COM_3969-2 このtri-level auto carrier はねじられやすい構造だ。したがって、長くても設計は容易なはずだ。これと同系統の貨車をブラスで作った。模型は堅く、そう簡単にはねじられない。緩和曲線のカント増加部分で脱線した。ロンビック・イコライザを改良された伊藤剛氏の手法に従って、イコライジングした。全く脱線しない。
 それをお見せしたいのだが、ここしばらく行方不明である。どこかにはまり込んでいるだろうと楽観視しているが、もう半年ほど見かけない。  

追記 カヴァ coverする とは取材などによって記事を掲載すること、放送することである。複数の方から質問を戴いた。

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2011年11月23日

続々 Canstock Car

 筆者は長年このCanstock Carの資料を探していた。外観の写真や、キットから作られた模型はたまに見ることがあっても、鉄道会社の発表している資料に行きつくことができなかった。

 ところがこのブログに鋭いご意見を戴くnortherns484氏から、例によって思わぬ贈り物を戴いた。それがこのリンクである。B&OのHistorical Societyの発行する資料をPDF化したものを見る事ができるのだ。インタネットのありがたいところである。
 一応は筆者も検索して探してはあるのだが、なかなか見つからない。ところがnortherns484氏は必ず見つけ出してしまう。これは何かのノウハウがあるのだろうか。
 
 このSentinelという言葉は軍隊用語で番兵とか歩哨という意味であり、B&Oが荷主に対して提供した貨車運用情報プログラムのことである。
 B&Oはアメリカで一番古い鉄道会社である。

 さてこの資料の13ページから10ページに亘って詳しい解説がある。歴史的背景を含め、この機種が開発された必然性まで書いてある。
 Canstock の大きさの見積もりは少々大き過ぎたようだ。9600ポンドということは約4.3トンである。パレットに載っていてスティールバンドで留めてある。積み込みの手順を工夫して今までよりたくさん詰めて、しかも省力化できるわけで、開発者は鼻高々だったであろう。
 この解説の中で筆者の興味を引いたのは、妻が開くタイプの有蓋車がこの種の輸送に使われていたことだ。確かに、妻から入れればたくさん入るが荷役の手間は大きい。1台ずつ専用のプラットフォームに押し込んでから積まねばならないからだ。

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2011年11月21日

続 Canstock Car

 栗生氏の御許可を得て、引用させて戴く。

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 我々が思い及ばない点はたぶん、バルクヘッド、仕切り壁の強度の問題だろうと思います。このモデルメーカーの別の写真に、ドア面に「4DF-B」の表示がありますから、 これはエバンズ社のDF-Bを、4つ使っているはずです。
 この「4つ」という点が重要で、ボックスカーの真ん中には、コイルを積まないのですね。

 フォークリフトは、ドアのところで向きを変える必要があります。そのために、ドアの開口寸法を12フィート6インチ( 381 cm )と大きくとりました。そして、積み下ろしのときは、両側のドアを共に開けます。
フォークリフトのターンのために、このスペースが必要です。一部の写真で、"OPEN BOTH DOORS BEFORE LOADING"との表示が読み取れますね。

 そして、最後の7つ目と、8つ目のコイルは、ドアの位置に置きます。フォークリフトで、サイドから積み下ろしするのです。 これらのためのバルクヘッドは、たぶん、ドア開口部の位置に来ます。そのツッパリ部(固定部)は、両側のドア自体ではなくて、床と天井、あるいは鴨居だと思います。

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GOW_3050 明快なご解説で、これを読んで非常にすっきりした。DFは荷崩れ防止用のディヴァイスで、天井というよりも、この解説にあるように鴨居にあるレイルと床に固定されるはずだ。これはレイルにぶら下って滑って行き、所定の場所でロックする。(この写真はCar and Locomotive Cyclopedia 1974年版である。)
 それにしてもこの貨車の積載量は70トン超であるから、そのコイル一つはかなり重いものであろうと思われる。軟鋼板であれば、この説明図から割り出した大きさで、幅2 ft(61 cm)のコイルなら、1つ7トンくらいになる。それが移動するのを防ぐDFの強度はさぞかし大きいのではないかと思う。また、それを積み込むフォークリフトもかなり大きなものだろう。(このコイルは4.3トンであることが後日判明した。)

 この貨車の連結器には、油圧ダンパが付いていて連結時の衝撃を吸収するようになっている。それでもかなりのショックがあるだろうから、DFの強度はかなりのものだ。

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2011年11月19日

Canstock Car

Canstock CarGOW_3040 先日栗生弘太郎氏から戴いたコメントで、Canstock Carの模型が発売されたことを知った。

 キャンストックとはブリキ板、薄いアルミ板で、缶詰製造業者が使う材料を納品するときに使う貨車である。食品に触れるものであるから、有蓋車で運ぶ。
 一般的には、ごく普通の有蓋車で運んでいたのだが、B&O(バルティモア・アンド・オハイオ)という鉄道会社が導入したこの貨車は、単位長さあたりのキャンストック・コイル(巻物で運ぶ)の数が多いという特長を持っている。

 この貨車の模型はQuality Craft(現在のWeaver)が出していた、木製のキットである。このキットを開けて図面を見て、どうやって作ったものか、思案投げ首であった。というのは、ドアの位置がどうなるのか、図面を見ても説明を見ても分からない。一般的にはこのようなオフセットした(片方に寄った)ドアは反対側が点対称になっているものだ。

 当初、そうしようと思ったのだが、どう考えても荷役上の都合を考えると、もう少しドアが大きくないと都合が悪いことが分かった。しかし、両側面の同じ位置にドアがある理由が分からない。というわけで組み掛けてしばらく放置してあった。

 1985年に祖父江氏と訪米した際、デトロイトのディックのところに寄った。彼はこのキットを完成させていた。見ると、やはり、両側面の同じ位置にドアがある。
 理由を聞くと、「よく分からぬが、メリットがあるんだそうな。」ということであった。それ以上の情報が入らぬまま、仕方なくディックと同じように仕上げた。それから25年、意外な形でその理屈が明かされた。

Car%20Objectives 今回発売の模型はHOである。実物の資料を手に入れて細かくできている。それによるとドアの位置が真ん中にあると、積めるコイルの数が少ないというのだ。この説明はなんとなく説得力のない文章で、何度も読んだが、よく判らない。
 例えば、パレットに載せたコイルを床に留めることができればもう少し積むことができそうだ、と思った。
 
 多分、条件としては、―顛完銘屬鮹羆に持っていきたい。 ▲侫ークリフトのみを使って荷役したい。 Damage Free(衝撃で荷物がずれないようにする補助具。以下DFと略す)を取り付けられる場所(数も)が限られる。 ということなのだろう。

  ドアが片方に寄っているので、車内の奥の方は暗い。そこで天井を一部グラスファイバにして明り取りにしている機種もある。

 専門家の栗生氏に解釈して戴いた。 

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2011年07月07日

仕掛品の始末

 アメリカ紀行ばかりで模型工作の話から遠ざかってしまったが、最近は、大変熱心に工作をしている。

 実は仕掛品などが大量にあって、それがやりたい工作の邪魔になっていることが分かったからだ。それを片づけると工作台の周辺のスペースが大きく空き、工作が進展することになる。

 工作机の周りにある貨車の仕掛品だけで40輌、客車が30輌以上ある。このひと月で貨車の大半が片付く予定である。貨車の仕掛品が多かったのは、例のLow-D車輪の性能試験で同じ型の貨車が30輌要るので、倉庫からキットを選び出して台車、連結器と大まかな外装を付けただけの状態に急遽仕立てたからだ。
 その貨車を並べて、いろいろな曲線の上で抵抗を測定した。発表原稿ができると、工作台の周りの棚等に押し込んだり、工作台に積んだりしてあったので、本来やりたかった仕事の邪魔になった。その状態で1年ほど過ごして、大きな損失になったと感じたのである。

DSC_1627 これらの貨車は同じメーカのものばかりなので、共通部品を同時にたくさん作って並べて工作すれば仕事は早い。1週間で16台を生地完成まで持って行けた。あとは天気予報を見て乾燥した日に一気に塗る。ほとんどが同じ色なので簡単である。

 
DSC_1629 問題は残りの貨車である。全て形式が違うので図面集などを見て検討しなければならず、時間がかかる。特にカブースは面倒である。今、7両のカブースを同時進行させている。全てブラス製なので工作そのものは簡単である。部品がないものは作り、場合によってはロストワックスで量産して仲間に分けることにする。これらのカブースは中古の壊れたものを修理するわけである。何度かやっているが、最近は治すのが面倒な部分は外して捨て、新製する。
 スクラッチビルトに近くなり、もとの部品がどこにあるのかわからなくなってしまう。10ドルで買ったジャンクが新しい命を吹き込まれる。カブースは大破したものが安く手に入り易い。追突事故で破損するからだろう。前後ともつぶれているものが大半だ。

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2011年07月01日

”Occupied Japan”

157515741573 ヒル氏は筆者に一台の貨車を持って行けという。上げるから、その素性を調べてくれと言うのだ。それはタンク車で、裏に
”made in occupied Japan" という銘板が貼ってあった。ということは1952年までの製品だ。これは厚さが0.25 mm という信じられないほど薄い板で作られたタンク本体を持つ。薄いからリヴェットの打ち出しはとてもシャープであるが、強く持つとペコンと凹むから注意しなければならない。同型のものは持っているので、安達製作所製であることは疑いがない。

 前回のは下回りが怪しい仕上がりの板金製であったので、それは捨てて新製している。今回のは下回りがダイキャストとの混成で出来がよいのだろうが、ダイキャストが劣化して少し曲がってしまっている。それをばらして捨て、ジャンク箱から同時代の台枠の比較的良いものを見つけ出して、それに振替えた。銘板はそれに付けた。決してインチキをしたわけではない。同時代のものがあったからだ。

 ダイキャストの部分には、ドラフトギヤもある。それをばらして驚いたのは、Thomasのタンク車と同等の構造を持っていたことである。 押し、引きの双方向に緩衝があり、実物の構造をよく知った人が設計していることが伺える。連結器はworking(可動)である。下にぶら下がった部分は初めて見たが、Monarchの系統である。ひょっとすると、カタログ上でしか見たことがない
"ramp operating"かもしれない。

 トーマスの製品と比べてみると、型は異なる。この時代にすでにダイキャスト型を起こして模型を作ろうとした人がいるのである。ダイキャスト部品は、ブラスのランボードに十分にうまくハンダ付けができている。しかも60年以上もの間、間違いなく接着されている。これは意外なことであった。ダイキャスト部品は多少膨張しているが、脆くはなっていない。

 上廻りのハンダ付けはほとんど取れていた。ハンダ付け職人の技量がよくなく、ハンダが回っていない。丹念に外して全面ハンダ付けをした。こうすれば絶対に壊れない。 ドームのハッチはMax Grayの時代のcoining(いわゆるドロップ)の部品をジャンク箱から拾って付けた。曲がった安全弁は形が悪いので捨て、ロストワックス製に付け替えた。その他細かい部品を作って付けたら、立派に見える。いずれ塗装したら写真をお見せする。

 台車は例によってAthearnのデルリン台車である。車輪はLow-Dを装着した。この台車をいくつか持って行ってヒル氏に見せたら、大変強い興味を示した。「私はもう引退したが、これはアメリカ中に売れる。いや世界中に売れる。雑誌に発表しなければ…」と言う。
「Model Railroaderでそろそろ掲載なのですが、少々事務手続き上のミスがあって遅れています。」と言うと、「それなら良い。これはInnovativeな(意識革命を起こすような)製品である。必ず売れるよ。」と言う。

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2010年11月24日

Depressed Center Flat car by MTH

MTH 昔から大物車というものに興味を持っている。特に真ん中が下がっているものが好きである。表題の正確な意味は、「中央部が凹んだ平らな貨車」で矛盾のある言葉である。この写真はアメリカの友人宅で撮ったものである。

MTH Depressed Center FlatcarSpan Bolster 軸重が大きいので36インチの車輪(特に高軸重の貨車では40インチの車輪)を8軸付け、スパン・ボルスタで受けている。レーザ・カットすれば簡単に出来そうな形をしている。
 このようなスパンの大きな車輌こそ、線路の不整に対して等角逆捻り機構の効果が表れるだろう。これは川島氏のお宅で見せて戴いたものである。MTHはこの種の特殊貨車も何種類か出している。積み荷は変圧器のようだ。台車がひとつ無いが、修理中なのであろう。
depressed center  flat car イナ@ペン氏御撮影Hexagonal platform 左の写真はイナ@ペン氏御撮影のものである。積み荷の形がこの模型とよく似ている。
 前後の台車の上のプラットフォームは、実物は矩形ではない。曲線上で本体に当たるのを避けるためにわずかに逃げて、五角形(厳密には六角形)になっている。その代り隙間は小さくできる。右の写真はイリノイ鉄道博物館で撮ったものである。荷台の鋼板の厚さには恐れ入る。

 ブレーキ装置は普通の貨車より複雑で、ブレーキハンドルも2つあるものが多い。  

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2010年11月08日

貨車のキット

Hello Dolly Boxcar 最近、貨車のキットが大量に発掘された。夏に来客があって地下室を整理していたら、大きな段ボールの中にどっさり見つかったのである。もう無いはず、と思っていたので、少々うんざりした。ひとつ10ドル以下での投げ売りを買ってしまったものである。

 気をとり直して、一度に12両ずつ並べて工作を始めた。木製キットは下地処理に時間が掛かるので、組んでない状態で木材にラッカ・サーフェサを塗って、スティール・ウールで研ぐ。これを最低二度やると艶が出る。組んでから全体にサーフェサを吹いてスティール・ウールで研ぎ上げれば金属製と変わらぬ仕上がりとなる。この種の貨車はすでに60両以上組んだ。
 大変な手間だが、楽しい作業である。家人のいないときに居間に一杯に広げて順に作業する。研ぐのはもちろん外でやる。

 さてこの青い車輌はフリ-ランスの塗装である。このキットを作った会社のロゴを入れた。車輌そのものは”Hello Dolly Car”と言って1960年代後半の試作車である。中央部のドア2枚は、上部のヒンジを軸に水平面まで持ち上がる。もちろん油圧のストラットで支えられる。床面にはドアと同じ幅のドーリィがあって車長方向に水平移動する。フォークリフトで積んだものを横にずらして、さらに積むという方式だ。よく考えてあるが、あまり売れずに量産はされなかったようだ。結局のところ人手が掛かるということである。この写真では車輪が光っているが、今ではちゃんと塗装してある。
 センタ・ビーム・フラットカーならば一人で済む仕事なのである。この名前は1964年から70年までブロードウェイでロングランしたミュージカル ”Hello, Dolly!”をもじったものである。

what is this? この貨車は以前作ったのだが、今回もう一台出てきてしまい、少々食傷気味であった。思い切って短くしようかと思っていたところに、一つのアイデアが湧いてきた。これを使ってあるものを作ろうということになった。
 さて何であろうか。床の丸穴がヒントである。

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2010年10月11日

続 Low-D Wheel の効果 

 会員のお子さんの中学生が、筆者の貨車を使って入替えをしていた。よく見ると突放をしている。彼らは初めてこの車輪を見て、この性能なら突放が出来ると考えたのであろう。さすがである。

 1950年代のModel Railroaderに、ハンプを使った入れ替えの話が出ている。TMSにも紹介されたので記憶がある方もいらっしゃるだろう。
 はたして、当時どの程度転がったのかは分からないが、かなりの急勾配であろうと推測する。カ―・リターダは圧縮空気のジェットを利用するとあったが、おそらく実用化はされていない。もし実用化されていたなら、どこかで見たことがあるはずである。

 時を経て、それが可能な時代がやってきた。筆者のレイアウトにもそのハンプとリターダをつけたかったが、現実にはスぺイスがなかった。アメリカの友人たちには、「Low-Dを使えばそれは可能だ。」と宣伝してあるが、まだ作ったという話は聞かない。

GGD 12-1 Pullman2GGD 12-1 pullman 最近発売になったプラスティック製の客車がある。そこそこの出来で価格は150ドルもしない。塗装済みでレタリングも正しく、室内が付いている。なおかつ人形まで乗せてある、もちろん照明も付いている。編成が欲しいと思えば、これを買うべきである。自分で作る労力を考えれれば、はるかに安い。
 筆者は Walthersの組みかけキットを20台分ほど保有しているが、それを投げ捨てたくなってきた。

Pullman 6-wheel truck この客車にはダイキャスト製の台車が付いている。一応スプリングが多少効くので、走行は静かである。イコライズはしていないが、その可動部分が細いイコライザごと動くので、Oゲージの大きさではそれが撓み、3軸であってもそこそこの動きをする。



Pullman truck with Low-D wheel sets 車輪は極端に精度の悪いピヴォット車輪であったが、それをLow-Dに嵌め換えた。偶然にも軸長が同じで、ぴったりとはまった。
 走らせてみると実に調子が良い。軸重は 200 g 位であるが、モリブデングリスのおかげで、わずかの傾斜でも転がるくらいよく走る。軸受は、デルリンでなくても大きな問題はないようだ。

 実はアメリカからは、これらの客車用の取替え部品として引き合いが多い。

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2010年10月09日

Low-D Wheel の効果

 関西合運の舞台上のエンドレス・トラックには、いろいろなお客様が見にいらした。Oゲージの仲間にはすでに知れ渡っているので、他の方にも事前に宣伝して戴いたのかもしれない。

 感想としては、「ボールベアリングが入っているのだろう」というのが大半で、フランジ形状に言及される方はほとんどなかった。カーヴでもほとんど減速しないということにはほとんど誰も気が付かない。
 やはり、模型を走らせて性能を調べている方は少ないというのが実感である。

 ボールベアリングは、低軸重の車輌には不利である。というのはボールベアリングの中にはグリースが入っている。その攪はん抵抗は無視できない。
 筆者の実験では軸重 100 g まではピヴォット軸受が有利である。もちろんピヴォット軸受にはごく少量のモリブデングリスを付けてある。「ピヴォット軸には注油してはいけない」と書いた人が居たが、それは明らかな間違いである。全く訂正文が載らないのはおかしなものだ。

 ブラス製の重い客車などにはボールベアリングは不可欠である。筆者の客車の中には軸重が 800 g を超えるものがある。あるアメリカ人が作った客車で内部には9.5 mm 角のブラスの棒が補強で4本も入っている。全くの過剰品質である。脱線すると、周りのものがめちゃくちゃに壊れるだろうから、近所迷惑であること夥しい。重いが、ボールベアリングのおかげで、滑るように走る。

 電車ファンの方は、静かに走るということが非常に大事で、その点でこの車輪を購入する方が多い。めっきすると、平滑度は格段に低下するからやかましい。その点、この製品は高精度の旋削で、真円度が高いから静かに走る。
 今回の増産では、電車用ということで片方をネジ込みにした。絶縁側をネジ込みにするのは、性能保証上出来なかったが、外れるのは片方で十分である。
 そのネジはJISの 4 mm の細目で、超精密に仕上っている。ガタが全くない。ねじ込めばもう外れることはない。接着剤で緩み留めをすることは必要ないのだ。
 緩いネジは、それだけですでにエキセン(excentric)で振れている。
 
 製造所が変わったので心配したが、前回と同程度以上の仕上がりであった。「機械の精度が製品の精度」というのは本当である。市販も始まったので、いずれこれが「事実上の規格」になると信じている。

 13mmゲージの方たちも見にいらして、非常に興味深くご覧になった。聞くところによると、13mmゲージの車輪の規格はきちんとは決まっていないそうである。
 13mmゲージは、蒸気機関車と客車を主体とするファンによって支えられているとのことである。より安定な走行を求めると、それは新しい車輪を作らざるをえないことになる様だ。優れた車輪を大量に作って安く売れば、皆それを採用するだろうから、「お手伝いしますよ」と申し出ておいた。 

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2010年07月01日

Walthers の ”Tongue-in-cheek" キット

Beer Tank Car Walthersは、すでに販売会社であるが、昔は製造部門を持っていた。1976年頃、Oゲージの最後の新製品がいくつか出た。

 その中にこの "Tongue-in-Cheek" キットがあった。この言葉は、辞書に載って居ない可能性が高い言葉で、悪ふざけという意味である。 

 しばらく前、Beer Can Tankerの写真をお見せした。そのTankBodyを本当のビール缶で作ってしまえというわけである。
 12オンスのビール缶なら何でもよく、とりあえず手近にあったOlympiaのビール缶を使った。Oスケールではかなり太いので、バランスがよくない。背が高いが、一応限界内に収まる。飾棚の片隅に置いてあり、走らせることはほとんどなかった。

 部品はすべてソフトメタルで、エポキシ・セメントで取り付けた。手すりの取り付けもエポキシなので触ると壊れるだろう。もし壊れたら、ブラスをハンダ付けして組み立てようと思う。どうせなら16オンス缶で作ると立派であろう。

 

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2010年06月29日

続々々 Max Gray のタンク車

WARREN Chemical Tank Car ケミカルタンク車には、プラットフォームがないものもある。
 このドームには「緑を塗れ」と指示してある。しかし、その彩度が分からない。後で彩度を下げるのは容易であるので、とりあえず鮮やかにしてある。

Du Pont Silver Tank CarBrea Chemical Tank Car 銀色のケミカルタンク車は美しい。左のDu Pontのタンク車は先回の黒の銀塗りである。液体アンモニアを運ぶことになっている。
 右のBrea Chemicalが何なのかはよくわからない。1950、60年代によくあった原子を表す絵が付いている。

Monsanto Chemical Tank これはモンサントのタンク車である。日本では三菱との合弁会社がある。多分リン酸を運ぶものではないかと推測する。


Philgas Chemical tank CarEastman Tank Car W/ Platform Philgasはオクラホマ州の石油会社である。オクラホマにはいくつも石油会社があり、それらの独自のブランドでガソリンを売っていた。
 右のEastmanのタンク車は部品が余っていたので、プラットフォームを作った。プロトタイプがあるのかどうかは分からない。このタンク・ボディには深い dent(凹み)があった。直すのも面倒で、仮組みして伊藤剛氏に見せたところ、"Authentic"(真正な、すなわち揶揄して写実的であるという意味)とのことで、そのままにした。
 

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2010年06月27日

続々 Max Gray のタンク車

Yellow Chemical Tank Cars 2 この写真は先回のとは微妙に異なる。色調が異なるのである。ただウェザリングがしてあるのではない。右の Du Pont のタンク車の色調は友人の間でいろいろな意見があることは承知している。だからこそ二色作ったのだ。80年台のMRの表紙に出てくるものは緑が濃く、先回の色調である。

Dupont Chemical Tank Car in Detroit model railroad club 先日、Fox Valley Railroad Clubに行った際、撮った写真はこれである。本日の写真と同じである。どちらが本物の色なのかは、よくわからない。カラー写真があったとしても分からない。図面に指示してあるデュポンの塗料番号が分からなければ、結局は同じ議論を繰り返すことになる。Penn Saltの色も、今回の車輌は多少彩度を下げている。


6000 Gal. and Beer Can Tank Car 左の小さなタンク車は、市販品ではない。MGの製品はプラットフォームが付いたケミカルタンク車である。それを敢えて普通のタンク車にした。初めて見る形だから、友人は不思議がる。
 右のタンク車はUSHの時代にKUMATAで作ったものである。極端にへたなハンダ付けで全ての部品がイモ付けである。触るとパラパラと部品が取れてくる。壊れて丸裸になった物を安く買った。ほとんどの部品を作り直し、修理に一苦労した。直しているうちに、タンクのエンドまで外れたのには参った。
一時期の韓国製よりひどい出来であり、中古価格はかなり安い。

10,000 Gal. Chemical Tank Cars w/platform 10,000ガロンのケミカルタンク車はさまざまな化学会社の塗りにした。この Du Pont の塗りは筆者の最も好きなスキームである。

2010年06月25日

続 Max Gray のタンク車

TEXACO silver tank cars これらのタンク車は8000ガロンである。大抵2ドームであるが3ドームの車輌もいくつかある。当初は全ての8000ガロンタンク車をTEXACOだけで編成するつもりで作り始めたのだが、デカルが集まらなくて断念した。今なら、黒字のデカルならデカル用紙にコピィするだけで出来るが、30年前はデカル用紙が入手できなかった。

Yellow chemical tank cars 黄色のケミカル・タンク車はいくつかある。全て複数台保有している。このデュポンのタンク車の積み荷は四エチル鉛である。いわゆるアンチノック剤として、有鉛ガソリンを作る添加剤(猛毒)である。この塗装スキームは人気があり、あちこちのレイアウトで見る。もう有鉛ガソリンは航空機用ぐらいしか残っていない。1950年代には沢山の需要があったはずだ。Penn Saltは多分水酸化ナトリウム溶液輸送用だろう。

pregnant whale tank car これはUSH時代の製品で、「妊娠した鯨」と言われる大型タンク車である。もっぱら加圧したLPGを積むためのものである。LPGは比重が小さいので大きな割に、大した重量ではない。
 これは親友Georgeの遺品である。奥さんから形見に貰ってしまった。これを見ると彼のことを思い出す。塗装は筆者による。


2010年06月23日

Max Gray のタンク車

MG 1-dome, 2-dome Tank Cars もしMax Gray(MG)が居なかったならば、模型界は大きく変わっていたであろう。マックス・グレイ氏は、日本人の安価かつ優れた工作力に目を付けた。
 それは祖父江氏の機関車の分野だけではない。貨車の分野にも大量生産が展開された。安達製作所のようにプレス加工に秀でた製造所を見つけ出し、今までにない精度の製品を作りだした。MGが1ロット何百輌という貨車を販売したので、それらを沢山買う人が現れた。コレクタではない。レイアウト上を走らせるためである。
 同一車種をたくさん並べた列車は、MG登場以降、MRによく現れるようになった。それまでに発売された貨車はThomasのようにキットであって、それらを全部組み立てて仕上げるのは結構面倒な仕事である。カスタムビルダに頼むにしても、大変な仕事である。
 MGであれば、金を払うだけで手に入る。一度に24輌ずつ買う人がかなり居たと聞いた。すなわち一編成がすぐ手に入るということである。

8000 Gal. Double Dome Tank-raised walk8000 Gal. Triple Dome Tank - Raised walk MGは多様なタンク車を売り出した。8000ガロンタイプだけでも、ドームが1つ、2つ、3つのものがある。10,000ガロンのケミカルタンク車も2種類ある。
 その他16,000ガロンのタンク車 、ウォークウェイが高くなっているものもある。これは珍しく、オークションではかなりの高値で取引されている。特に2ドームが少ない。
 ここにお見せするタンク車はジャンクより組んだのだが、真正な製品より細かくできていて、友人に見せると羨ましがられる。

2010年06月21日

続々 タンク車の増備

Intermountan Tank Car  Thomasの貨車はその手堅さで極めてよく売れた貨車キットであった。それから40年、さしたる製品のない時期が続いたが、突然現れたのがこのIntermountainのキットである。
 本物の図面を詳細にチェックし、図面通りに作ったのがこのキットの売りであった。ところがそれは作りにくく、壊れやすかった。
 以前にも書いたが、全てのリヴェットが円錐型をしている。こんな金型を作る人の気が知れない。左右2型ではなく、3等分した型で円錐リヴェットを表現している。しかし、細かすぎて普通のアメリカ人には組み立てられない。作っても触ると壊れる。今はAtlasブランドで中国製の完成品が出ている。壊れやすい部分を金属製にしてある。 

 このSHELLのシングル・ドーム 8000ガロンは自分で組んだのだが、壊れるのが嫌で、レイル上から外したことがなかった。手すりが細くて一体モールドである。ここを持てば必ず壊れそうである。

Intermountain Tank CarIntermountain Tank Car paint re-touched この銀色のタンク車は、その壊れたのを安く買った。捨て値で出ていたのを買って、2年くらい埃をかぶっていたが、今回タンク車を全部仕上げると決めたので引っ張り出した。
 ハンドレイルは全部とれていた。梯子もない。細かい部品は全部無くなっていたので新製した。

 ハンドレイルは、挽き物パーツをスーパーXで取り付けた。よく付くので助かる。梯子はブラス製。ブレーキ部品もブラス製である。完成後、細い筆でリタッチして銀色にした。

 これらの貨車は全てLow-D車輪に取り替えてあるので0.3%の坂を下り降りる。タンク車だけで50台以上あるので、単独の列車が編成できる。
 貨車の種類ごとに編成を組むと実際にありそうな列車になる。

2010年06月19日

続 タンク車の増備

Thomas Tank Cars 生地完成Thomas Tank Car PaintedDecaled Tank Cars

 Thomasの貨車はよくできている。素晴らしい実感だ。ダイキャストの部品があるので、よく脱脂をしないと後で剥がれやすい。プライマもよく吟味しないと後で泣くことになる。
 最近は"ミッチャクロン・マルチ"を使っている。塗って10分くらいで、表面がやや粘い時に塗ると良いらしい。今のところ剥がれた例はない。

 キット通りの安全弁が二つ、ドームの頂部に付いているのでは面白くないので、ほとんどの車輌は、側面に安全弁を付けている。このロストワックスを計算間違いでたくさん購入してしまったことも、理由の一つである。ご希望の方にはお頒けする。
 ドームがダイキャストでハンダ付けが効かないこともあり、スーパーXによる接着に頼っている。エポキシと違い、ぶつけた時に取れないのがよい。

 手摺は割りピン方式だ。座を通して二つ折りの細い短冊を差し、中から引っ張って曲げ、ハンダ付けする。実に簡単で正確にできる。しかも強い。そう簡単には壊れない。ハンドレイルは全周一本で継ぎ目は極端に薄いパイプでつなぐ。だから強い。梯子は手持ちパーツから新製した。

 タンク・エンドはダイキャストでタンク・ボディに差しこまれた状態で下回りにネジ留めされる。タンク座は四角の板であるがごく適当にスーパーXで留めてある。ネジを締めた瞬間になじんだ形で固定される。エポキシではこうはいかない。大抵、4つのうちの2つがパラリと落ち、それを再接着するのに面倒なプロセスを踏まねばならない。

 先週は一気に5台を完成させた。ダイキャストのバリ取りに時間がかかったが、そのあとは一気呵成である。これで Thomas の在庫は無くなった。さすがに、もう買うこともないだろうと思う。

 Thomasには他にいくつかの製品があるが、手に取ってみる価値もない。明らかに設計者が違う。

2010年06月17日

タンク車の増備

Crystal Car Line Tank Car ジャンクから組み立てたタンク車が35輌位ある。その他はIMP    International Model Products のものが数輌、残りは 例の Thomasのキットから組んだものである。

 最近、ようやく全ての車両に色を塗り終えた。総勢五十数輌である。1950年代を目標にしているので、今では消えてしまったいくつかの会社の塗装スキームがある。1台ずつではおかしなものなので2,3輌ずつそろえている。Champion Decalが廃業寸前で、欲しいデカルが手に入らない。オークションで目を凝らして探している。やはり探している人は大体同じ顔触れでいつも競合する。

 模型店の店頭在庫も丁寧に探さねばならない。全てをオンラインで管理しているわけでもないので探すのは大変だ。スワップ・ミートでは、朝一番に箱ごと大人買いをして、要るものだけを抜き、あとは適当な値段で処分するという方法を採ってきた。
 おかげで段ボール箱一杯の在庫があるのだが、本当に必要なものはほとんどない。

 このタンク車は、デカルから始まった。偶然手に入れたCrystal Car Lineのデカルがとてもきれいで、それに合わせた貨車を作った。
 色は鮮やかな赤で、くすんではいない。これはウェザリングを掛けずに、いつまでも新車ということにしたい。車体はIMPの1950年ころの製品だ。下回りを新製してロストワックスの部品を付けた。オリジナルとは全く異なる仕上がりとなった。

 デカルは古いので水に浮かせると細かくちぎれそうであった。そういうときには、水に付ける前に Micro liquid Decal Film を塗って乾かす。
 新たな膜が表面に出来て、微妙に厚くなるが丁寧に文字の輪郭に沿って切れば、分からない。日本でも売っているようだ。    

2010年06月15日

続々 Athearn の貨車

Athearn's Reefers Athearnには、40ftの冷蔵車がある。ドアが開かないので中の木箱も開口部がない。ドアヒンジはプレスの部品が付いていて、それをコハゼで留める。
 極めて安い作りだが、完成するとなかなか良い。鉄板が主で、板が薄いところが仕上がりの繊細さにつながるからだ。ステップも細く実感的である。
 細釘で留めるようになっているが、いずれ釘穴が緩んでバラバラになる。
 組上げ後、30年位で完全にばらしてリストアする必要があるだろう。先日お見せしたGNのオートモービル・カーなどはその典型である。

Athearn Aluminum Reefer 妻板のドレッドノートはプレス加工がよく効くようにブラスを使う。この車輌は実物どおりのアルミニウム板で出来ている。

 車輪はデルリンの車輪をピヴォット軸に嵌めたものが付いているが、フランジ形状が良くないのと、ピヴォット軸の精度が良くないので、走行抵抗がそれほどよいわけではない。

 今回、Low-D車輪を作ったので、Athearnのデルリン台車にはめると、0.4%以下の勾配で転がる。既製品では0.8%程度である。もちろん、ごく少量のモリブデングリスを尖端に塗布している。
 0.4%なら、ボールベアリングに匹敵する転がりだ。貨車は軸重が軽いのでピヴォット軸で十分である。軸重が100gを超える重い車輌は、ボールベアリングのお世話になるべきだろう。

 先日、芦屋で行われたJORCの総会で筆者の22輌の貨物列車は、一押しで、一周30mのエンドレスを2/3程度廻った。注意深く押して十分な速度を与えれば、1周させることは不可能ではなかった。
 あまりにも軽く転がり、「本物みたいだ。」という声が上がった。その通りである。鉄道とは本来そういうものなのである。
 小さなB凸電気機関車をお借りして、22輌を軽々と牽く場面では、どよめきが起こった。いつもは強力機を持っていくので、低摩擦であることに誰も気が付かなかったのだが、これからはそういう見せ方をする必要があると気付いた。
 栗生氏がご覧になっていたので、いずれ氏のブログで触れられることがあると予測する。

2010年06月13日

Athearn の貨車 

Athearn 40' boxcar Athearn という会社がある。発音は"A"を強く言う。「アサン」と言えばよく通じるはずだ。人によっては「エイサン」という発音も聞くが、例が少ない。
 その昔天賞堂の広告に「アサーン」とあったので、日本ではその音が根付いたが、アメリカでは全く通用しない。
 
 現在ではHO,N の完成品を出しているが、もともとはOゲージの会社であった。
 薄い木の板を組み合わせて作る箱に、印刷済みの金属製側板を貼り付けて完成するキットであった。40ft、50ftの Boxcar と40ftのReeferを販売した。側板さえ変えればどんな製品も作れるので、かなりの種類の製品を売り出していたはずだ。 
 筆者は40輌ほど持っている。現在の基準からみるとやや荒っぽいが、当時としてはスケールモデルの代表格で、よく売れた。Athearn氏 はこの利益でHOに進出し、どうすると部品の数が減るかという工夫をして、ダイキャストとプラスティックを組合わせた製品を作った。組立ての省力化と相まって、大変大きな利益を上げた優秀な経営者であった。現在のNゲージの車輪の基本になっている、車軸を左右切り離してプラスティックのギヤ付きスリーブでつなぐアイデアは、Athearnのものである。  
 社長のIrvin Athearn氏は、鷹揚な人で、「盗めるものは盗め」と言って、日本のメーカがまねをするのを許した。

1945年の新聞が詰め物として入っていた。Athearn Boxcar kit このキットは最近購入したもので、1945年の新聞が詰め物として入っていた。裏面の漫画はその時代を感じさせる。屋根のブリキ板はCoca Colaの印刷がある中古板である。アメリカ製にも中古を使ったものがあったのだ。 よく見ると印刷は裏焼きで、失敗に気が付いて廃棄されたものを安く買い請けたのであろうと推測する。

 側板はフロクイルの塗装で、シルクスクリーンで印刷してある。台車が素晴らしく、当初はダイキャストであったが、のちにデルリン製の低摩擦の製品になった。コイルスプリング懸架で滑らかな走りを保証した。

2010年06月11日

続々 Atlas の40ft Boxcar

Atlas Insulated Boxcarrunning board この貨車も戴いたキットの修正品である。ランボードがトイライクであったので、ひき剥がして、Weaverの発売していた上級品に取り替えた。シースルゥで気持ちが良い。接触面積が小さいので、スーパーXで貼り付けた。梯子は新製したものである。
 塗装したばかりで綺麗すぎる。いずれ汚すことになる。デカルはマイクロスケール製である。非常に細かく貼る位置が指示されていて、面倒であった。

 この貨車は先回の SOO LINE と同じく、インシュレイテッド・ボックスカーと呼ばれる。ある程度の熱絶縁が施してあり、冷たいものをぎっしり入れれば2日ぐらいは大丈夫と言われている。ビールなどを積んでいる写真を見たことがある。
 ドアはプラグ・ドアという外からはめ込むタイプである。断面が楔型で、隙間なく嵌まり、断熱性がある。  

  これも適当に補重し、340gくらいである。重りは鉄のアングルである。台車はAthearn社のデルリン製ベッテンドルフ台車である。これにLow-D車輪を付けると、素晴らしい転がりを示す。

2010年06月09日

続 Atlas の40ft Boxcar

grab irons この写真はSOOの貨車の grab iron である。元の貨車は浮き出しモールドになっているのだが、それを削り落して新製した。

 本当は飛び出している三角の部分は中空であるのだが、たまたまたくさん持っていたロストワックスパーツを流用した。
 木造貨車のターンバックルのキングポストである。それを少々修正して使った。十分それらしく見える。誰も気が付かない。

 このようにいくつかの部分をオリジナル以上に改造したので、かなり見栄えがよくなった。
 これらの部品はスーパーXで取り付けた。

 プラスティックの貨車は軽い。新しいLow-D車輪を付けても150g位である。鉄のアングルの切れ端を載せて340g(12oz.)程度にする。
 
 鉄のアングルは脱脂しておいて、これまたスーパーXで取り付ける。大変良く付いて、剥がれない。衝突のショックでも大丈夫である。

 以前エポキシで付けたものは、長年の間に連結のショックなどで剥がれて、車内で踊るようになった。非常に腹立たしい。


2010年06月07日

Atlas の40Ft Boxcar

BN Test Color SchemeNP Boxcar and SOO Line Boxcar 久しぶりにプラスティック製のAtlasの貨車を作った。
 K氏から"少々訳あり"キットを戴いたのだ。部品が欠落しているが全く問題ないので受け取った。ありがたいことである。オリジナルの部品はないが、適合する部品はいくらでも持っているし、作り出せる。たちまち完成させ、車輪はLow-D、台車はデルリン製として、低摩擦車輌を作った。連結器はケィディを付けた。左の写真は塗装完成時で車輪が塗ってない。

 ブレーキ巻き上げ装置はブラス製部品を組み合わせて作り、スーパーXで取り付けた。このような飛び出しているところでも、取れないのは素晴らしい。塗料も載るので、多少はみ出しても問題ない。ランボードは旧来の部品を捨て、新しい素抜けた部品をスーパーXで貼り付けた。

Making Ladders 梯子がなかったので、ブラス製部品を切り継いで裏から補強し、取り付けピンをハンダ付けした。ピンにニッパで傷を付け、押し込めば出来上がりである。その時リモネンを一滴落とすと適当に溶けて固まり、抜けてこない。

 取り付けピンは、穴の位置を紙に写し取り、木片に貼って穴を開ける。これがジグになって、ピンは所定の間隔に立つ。その上に梯子を押しつけてハンダ付けすると、あっという間に取りつけるべき梯子が出来る。 

2010年06月03日

"Super X" cement

building Thomas' kit w/Super X このタンク車は以前紹介したThomas のキットである。

 このキットの組立てでもっとも面倒なところは、ランボードを取り付けることである。普通は細い釘を通して締め付け、ハンダを流してから余分を切り取り、ヤスリを掛ける。きちんと仕上げるのは難しい。また、ダイキャスト製の細い支えの先端にランボードをどうやって付けるかは、パズルみたいなものである。
 アメリカ人は、「釘をハンダ付けしておいて、ダイキャスト部品を巻き込むように曲げる」というが、持つと撓んで塗料が剥がれる。

 これをエポキシやACC(瞬間接着剤)で付けると、持つ時の撓みでそのうちに外れてしまう。質量のあるものを細い部分で持つので歪みが発生するからだ。他のところを持てばよいが、ランボードが一番持ちやすいので、そこを持って接着が外れるというわけだ。撓みに強い接着剤は外れにくい。


 タンクの受けの部分に四角の部品が四つある。これもこの接着剤で付けてある。タンクを締め付けた時に多少動くので、硬い接着剤では外れてしまう部分だ。今までは細いブラスワイヤを通して自由に動くようにしていた。
 少量付けてクランプで圧締する。この圧締という操作が最も大事なところであり、接着剤の膜を薄くすることである。接着剤の膜が厚いと破断しやすい。

Super X joint これはその部分を裏から見たところである。余分が少々はみ出しているがこのくらいが量としては適切である。

 ハンダを流しても、とれることがない。出来上がりが軟らかくて、ランボードのしなりを逃がしてくれる。このような部分の接着剤としては最高である。

2010年06月01日

続 GN の Automobile Car

Super X 筆者はかねてより接着に興味があり、新しい接着剤が出ると買い求めてテストをしてきた。この5年くらいはセメダインのスーパーXというシリコンゴム系にはまっている。

 耐候性が良いと謳っているので、車の部品を取り付けるのに使っていた。特に、前面ガラスについているルームミラーが剥がれた時に具合が良い。瞬間接着剤は硬くなるので、ショックで剥がれやすいが、スーパーXは弾力性があって、剥がれない。

 両面に薄く塗ってはがし、数分放置して粘りが強くなったところで押しつける。すぐ付くが、圧締すると完全である。数時間置くと完全に付く。色は黒、白、透明がある。

 この貨車を組む時は、ほとんど全ての場面でこれを使った。金属の側板を木箱に貼り付けるのはもちろんのこと、細かい部品を取り付けるのにも使った。
 ブレーキシリンダの台座に塗って取り付けたが、固まっても軟らかく、ショックでパラリといく心配はない。ランボードのような接触面積の少ないところにはうってつけである。軟らかで、動いても剥がれない。塗料が載るのもありがたい。プラスティックと金属という組合わせでもよく付く。

 次回お見せするが、タンク車の組立てにも具合が良い。点接触に近い接続でも圧締して付けてあれば、剥がれない。また、熱に強いので隣をハンダ付けしてもかまわない。

2010年05月30日

GN の Automobile Car

 模型作りの方はどうなっているか?というお便りを複数戴いている。
 
 朝早く起きて2時間、寝る前に1時間という日課でを模型作りに費やしている。このところ、ずいぶんペースが速くなり、一年で25台以上の貨車を完成させている。
 あと40台作ると在庫は払底する。もう買わないことにしているので、その後はレイアウトの方に力を傾注できる。

リストア完成元の状態バラバラになった状態。側板が褪色している





 このGNの 40 ft ダブルドアのボックスカーは、一応オートモービル・カーである。
この貨車はジャンク価格で購入したものである。1台10ドルしなかった。
 構成は木箱の下地にカラー印刷したブリキを貼り付け、あとの部分はそれぞれ色を付けるという、典型的なアメリカ製Oゲージキットである。
 日焼けして、赤の部分が色褪せている。しょうがないからばらして塗り直そうとしたら、木箱がばらばらになった。経年変化で釘が緩んで、どうしようもない状態であった。仕方なく、かんなで板を削って下地の木箱を新製した。強力な接着剤があるのでそれを使った。おそらく100年経っても大丈夫であろう。 
Railroad Picture Archives よりブリキ板は、ブレーキフルードに2週間漬けこんで、ようやく剥がれた。それでもワイヤ・ブラシの助けが必要であった。
 実物の写真がネット上にあったので助かった。

おかしな妻板 当初の状態は、両端の妻が開くようになっていた。これは明らかにおかしい。ブレーキ装置が、開くドアの上にあるはずがない。普通のドレッドノートの妻板を探し出して貼り付けた。

 塗装はフロクイルのシグナルレッドを用いた。デカルはチャンプである。

2010年01月17日

equalized と sprung その1

 オークションで落としたデルリン製コイルバネ付きのAthearnの台車を、重いブラス製車両に付けると、とても静かである。一方、同じデルリン製ではあるが、イコライズだけのWeaverの台車が、重いブラス製車両に付いているとやかましい。
 レイルの継ぎ目、ポイントのフログでコンコンという音がする。バネがついていれば、ショックを吸収するので、タタンタタンと小気味よく響く。

 今回の事件が解決したので、重いブラス貨車に仮に付けてあったウィ―ヴァの台車を、アサンのバネ付き台車に取り替えた。
 スケールスピードで時速60マイルの貨物列車が、実に静かに走るようになった。新しい車輪の真円度が高いので転動音が小さくなったこともあるが、レイル・ジョイントを踏む音が格段に小さくなったことが大きい。

 カブースの台車はLobaughのブロンズ製である。イコライズするだけの青銅鋳物である。見掛けはとても良いのでそのまま使っているが、ポイントを通る音が凄まじい。カツンカツンと脳天に響く音がする。イコライズだけでは駄目なのである。フログがその瞬間に確実に壊れていく。

 同じカブースでsprung(バネの効いた)台車を付けたものがある。それを走らせると気持ちの良い音がする。

 イコライザにバネを付けてはいけないとおっしゃる方たちに、その音を聞かせて差し上げたい。Oゲージともなると慣性が大きく、バネなしイコライザはすぐにへたってしまうし、レイルにも良くない。フログは速やかにつぶれてしまう。
 貨車でさえもこの調子であるから、重い機関車でバネが付いていないとどうなるかは、想像に難くない。

2010年01月15日

続 忘れ物 見つかる

これがAthearnと称したWeaver trucks, e-Bayより 忘れたものの中に Athearn のデルリン台車がある。この台車は発売以来50年以上経過しているだろう。当初はダイキャストであったが、それをデルリン(ポリアセタール)で作るようになった。コイルバネ3本が付いていて、ちゃんと作動する。摩擦も少なく評判がよかった。当初、組立済みで売られていたが、その工賃が高くなってバラキットで売るようになったら、誰も買わなくなり、ついに発売が中止されてしまった。

 そうなると、欲しがる人は一定量あるので価格が吊り上がり、オークション・サイトでも手に入れるのが難しくなった。
 O Scale West のようなスワップ・ミートでは、たまにその価値を知らずに売る人がいるので、ごっそり買い占めたのであった。それを忘れたので、大損害であった。

 仕方なく、e-bay で手当たり次第に落としている。結構高いものについた。その中で見つけた「アサン・ベッテンドルフ台車3組」というものをいくつか、他のタイプのアンドリュースとかシミントン台車と同時に沢山落札した。

 それが届いてびっくりしたことに、それはWeaverの安物のデルリン台車であった。早速苦情のメールを送り、「あなたの写真をよく見てくれ。これはアサンではなく、安物のウィーヴァである。これはあなたのミスであって、私の責任ではない。従って、払い戻しを請求する。そしてここにある不良品はあなたの負担で送り返すが、良いか?」

 すると1時間もしないうちに、「あなたは正しい。これは私のミスである。恥ずかしい。直ちに返金する。そちらにあるゴミは好きなようにしてくれ。返してもらう必要は無い。」と言ってきた。総額の4割くらいの返金で、トータルとしては随分安く上がった。

 売主は非常に潔い人で、好感が持てた。また、買おうと思う。

2010年01月07日

車検の日

 今年も大みそかには車検を行った。レイアウト上の全ての車輌をひっくり返して、旧規格の車輪を探し出す。旧アトラスのプラスティック台車は2mmのプレーン軸なので、それに合わせてRP25を作ってはめたのが何台か紛れ込んでいた。台車ごと外して、最新のデルリン台車にLow-D車輪をはめたものに取り換える。けしからぬことにボルスタ高さが異なるので、改造用部品を作っておいたのをはめて完成である。1.8 %の坂を下る程度のものであったが、0.3 %でも動いてしまうほど軽くなる。

 また、アサンのデルリン台車にはめたステンレス製RP25が見つかるので、その場でLow-Dに取り換える。一晩で100軸以上はめ替えた。

 せっかく車輪を塗装してあったのに、またはじめからやり直しだ。連結器高さが合っていても、妙に腰高な車輌もたまにあるので、実物写真を見て確認する。今年も容赦なく不合格にしたので、正月早々その修正作業に忙しい。

 連結器をむしって、台座を削り落すかハンダを外して連結器中心を持ち上げる。同時にボルスタの座を低くする。
 人間の目は大したもので、0.5 腰高であるだけでも違和感を感じるものだ。
 合格した車輌は機関車につないで運転する。抵抗が少なくなっているので速度が上がる。この日、筆者のUP835 FEF-3 は、当レイアウトで初めて120マイル/時を出した。65両を引っ張っての記録である。以前は危なくてとてもできなかったが、全車輪がLow-Dであるから安心して高速運転が出来る。しかし非現実的であった。もうそんな遊びをすることもないだろう。

 ポイント脇で見ていると、先台車の復元装置が作動するのがよくわかる。先台車が尖端軌条に入った瞬間に、機関車の鼻が右に動き、機関車が微妙に左に傾くのが分かる。 
 抵抗が小さいが、質量が大きいので、加速時にはスリップするのが分かる。発進時には、連結器が伸びているとスリップが目立つ。少々バックして連結器を詰めて、ゆっくり加速すると、本物のような出発になる。車輪の真円度が高いので、走行音が極端に静かになった。 

2009年12月15日

鉱山都市

 国内外の鉱山都市は、その周辺の集落とは明らかに異なる文化を持つ。

 まず、流れ者が多く、言語が異なる。昔住んでいたソルトレーク市の西のはずれにBinghamという銅鉱山がある。足尾とは異なり、完全な露天掘りである。人間が堀った世界最大の穴という表現がある。穴は、長さ4キロ、幅2キロ、深さ1キロほどである。
 掘り出した土砂は周りに積み上げたので、穴が相対的にますます深くなった。線路は、すり鉢の内部に螺旋を描いて下っていく。底まで500キロもの距離があり、貨車は2日かけて下りて3日掛けて登ってきた。しかし穴を深くするために時々線路を敷き替えていた。
 あまりにも非効率で、20年ほど前、底から、水平導坑を掘り、ベルトコンベアで運び出すようにした。 
 このビンガムの街の人たちの英語は、かなり異なるアクセントをもつ。町にはいろいろな娯楽施設があり、稼ぎのよい鉱夫たちがそこでお金を落とすように出来ていた。

 日本の鉱山も、根本的には同じ構造を持つ。相対的に町全体が裕福であった。足尾には映画館が四軒もあったそうである。
 博物館には古いカメラがたくさん陳列してあった。そのような高級品を買う余裕があったわけである。
 鉱山の設備も貴重な外貨を投資して購入したものばかりである。鉱山が外貨を稼ぐのであるから、いろいろなものを直接買い付けている。

 小さな町であるが、市内の交通は鉄道に依っていた。かなり贅沢であると言える。

2009年11月15日

続 車輪の色

SD60 最近と言ってもこの20年くらいだが、アメリカでは法律が変わって、車輪、連結器、スプリング、枕梁の塗装が禁止されたそうだ。
 これは、ひび割れがあるときに発見しやすいからという。日本のような多湿の国に居ると、そんなバカなと思うが本当のことだ。

 新車状態の車輪は錆びているのが正しいことになる。車輌組み立て前に、車輪は屋外に置いてあるからだ。
 スプリングは熱処理してあるので黒皮状態で、スプリングシートあたりに多少の赤錆が付いているのが正常だ。
 連結器は真っ赤に錆びている。これも新品が屋外に山積みになっているのを見たことがある。油も注さないようで、ナックルのあたりも錆びている。相手に当たるところだけは鋼の色が出ている。
 台車の枕梁は鋳鋼だから、黒皮のような色をしている。機関車の下から覗いてみると、枕梁は塗装してあった。この規則は貨車のためであるような気がする。ディーゼル電気機関車の動輪も、新車のときは明らかに錆びている。不思議な時代になったものだ。筆者のディーゼルも、錆びさせてある。20年前に新車を見てそのとおりに塗装したものである。走らせていると全く分からないが、こうして拡大すると塗装のアラが目立つ。その点、ご容赦を願いたい。
 
 kadeeの連結器で変わった色のものがある。Boxcar Redの製品が発売された理由は良く分かる。最近追加された色はRed Oxideである。錆という意味であって、模型の色はそこそこの錆色をしている。ただ、艶があるので、軽く紙やすりを掛けて表面を荒らし、錆色を吹き付けるととてもよい。シャンク(連結器座に入る角棒の部分)も錆色に塗るべきだ。デルリンというプラスティックは塗料がのりにくいが、脱脂して軽くこすればかなりはがれにくい。もしはがれても下の色が同じ系統だから、問題ない。

2009年11月13日

車輪の色 

oily or rusty 全ての貨車の車輪を更新したので、色を塗らねばならなくなった。今回の製造所は脱脂して納品してくれたので、そのまま塗装できる。

 車輪の色と言えば亡くなった友人のGaryの言葉を思い出す。
「車輪の色は2系統に分かれる。フリクション・ベアリングとローラー・ベアリングの車輌では色が違うのだ。」
 確かにロ−ラー・ベアリングは油漏れがないので車輪が乾いていて、錆びている。要するに錆びた鉄の色である。フリクション・べアリングは油が漏れ出て輪心はべとべとである。

 彼はさらに続けた。「カーリターダを通る車両のタイヤ側面は光っている。通らない車輌のタイヤは汚れている。」
 要するに、ハンプ・ヤードで入れ替えをするような貨車と、特定の線区しか走らない車輌とは違うということだ。

 つまり、機関車のタイヤ側面が光っているのは理に合わないことになる。貨車もタンク車のようなハンプ禁止車輌は車輪の側面が汚れているということである。また、牛を積む貨車などは解結しないで行ったり来たりしているので車輪側面は汚れているはずだということだ。

2009年02月08日

続々Arvid Anderson の Kit

Tri-level Auto Carrier Arvid Andeson がどんな人であったのかは、全く分からない。アメリカである程度年季の入った模型人に聞いてみると、口をそろえて、「買っても完成させるのが難しいから、ほとんどの人がそのまま持っているよ。」と言う。「一種の詐欺だね。」とまで言う人がいる。夢を売っていたわけである。最終的に行き場所はなく、安値で売却される。

 そういうわけで、筆者のところにはその「不良債権」が大量に集まってきた。ほとんど押し付けで買わされた物ばかりである。
 昨年の春、それらを一挙に組み立てた。多くを望まず、ただ走れば良いことにした。

 その中の1台に、Tri-level Auto Carrierがあった。これはなかなか良い。この車種のように、広い部分で接着することが出来ないものには、ハンダ付けは有効である。細い板を裏に当ててつけると丈夫で、衝突時にはがれることもないだろう。

 ブレイス(筋交い)を入れるだけでは心配であったので、社名を入れる薄板をリン銅板で作って強度部材とした。
 重心は高く、ゆらゆらと揺れながら走る。この走りは大型模型の特質である。実物の走りを思い起こさせる。

 この車種のキットは板が多いのでかなり重かった。薄い板ではあるがチャンネルを組み合わせているので、かなりの剛性がある。これも連結器座を厚板で作って強度を出した。そうしないと少しのショックで床板がめり込んでしまうからだ。 

2009年02月06日

続 Arvid Anderson の Kit 

Arvid Anderson Kit  Arvid Anderson のキットは、単なる素材キットである。要するに、板を所定の寸法に切り、あとは適当にチャンネル、アングルを入れてあるだけである。

 設計はうまいとはいえない。特に下回りの設計はよくない。力の掛かり具合を考えていない。連結器の付く部分も薄く、衝突時にはくしゃくしゃになることは明白だ。
 仕方がないので、車端部分にはボルスタ部分まで届くような、また幅が十分ある大きな厚板を貼り付け、力を分散させる必要がある。

Arvid Anderson Kits 1 図面をご覧になれば、どんなものかは見当がつくであろう。細かい寸法は一切出ていないので、割り振りが大変である。同じものを沢山作るなら型紙を用意しておけば良いが、そうでなければ極めて面倒である。

 完成後には、端材がかなり残る。実は、アングルなどの出来が悪く、3割くらいは捨てなければならない。その分が見込まれているわけである。




Arvid Anderson Kits 2 ホッパ車のように斜めの板が組み合わされるようなものは、正確な図面がないのでとても難しい。ジグを作ってはめ込み、組み立てた。

 出来上がると、そこそこに良いが、板が薄いので軽くて値打ちがない。特に Flat Car は軽い。裏側に重りを接着した。適当な積荷を用意せねばならない。

2009年02月04日

Arvid Anderson の Kit

Gon from Arvid Anderson kit Arvid Andersonはブラス製キットを売り出していた。どれも非常に薄い0.25mm(1/100インチ)の板で出来たキットであった。チャンネルやアングルをハンダ付けすると強度が出る設計であった。

 素材キットであり、怪しい図面と完成見本の写真しかない。これを作れる人は限られていた。したがって、カスタムビルダが小遣い稼ぎに作る商品であった。価格は安い。今でも10ドル台で買えるだろう。筆者はかなり沢山持っている。並べて作れば、手間はそれほど掛からない。1台だけ作れと言われたら、断りたい製品である。

Flat Car from Arvid Anderson Kit 板が薄いとハンダ付けが容易であるが、一方、板が熱で伸びてヘロへロになりやすい。点付けでハンダを付ければ良いのだが、それでは弱い。長い距離を全てハンダ付けしようと思うと、かなり難しい。双方を木の板にはさんで押さえ込み、真ん中、端、その中間という具合に付けていく。その途中で水を垂らして冷やさないと伸びきってしまう。

 上のゴンドラ(無蓋車)は、それらしいデカールがあったので貼った。黒との対比が美しい。
 下のFlatcarはステーク(縦棒)を嵌める部品がよく出来ていた。実物と同じ構造であった。床板は木製であり、実感的である。積荷を用意しなければならない。

2009年02月02日

Athearn のキット

Athearn Kit アサンのキットは筆者が最初に購入したアメリカ製鉄道模型である。70年代に10ドルほどで売っていた。側板はブリキで、シルクスクリーンで印刷してある。車体の骨組は木製である。薄い木箱を作って、その表面に金属板を貼るわけである。側板以外は塗装してない。塗料はFloquilを使用しているので、それを購入すれば必ず色が合うということになっていた。

Athearn Kit in 1946 このキットは1946年発売である。中に入っていた詰め物は1945年11月24日のロスアンジェルスの新聞である。ブリキ板は再生品で、なにかの缶詰の板である。戦争中も作っていたという話であるから、そのときの材料であろうと推測する。最近、e-bayで安価で購入した。

 缶詰めのブリキを再生したのを見たのは、アメリカ製ではこれがはじめてである。日本ではE社がブリキ・ガラレイルをそれで作ったと言う話は聞いたことがある。レイルの長さは、アメリカ軍の放出品の空き缶の寸法によって決まったと言う話すらあるのだ。
 
Floquil Paint included in an Athearn kit Athearn は Floquilを操業当初から採用している。このキットには塗料が入っていた。60年以上の歳月を経てもそれは流動した。溶剤を加えてよく振ると、それはまさしくFloquilであった。色調は完全に一致した。
 
 FloquilのPigment(顔料)は細かく、非常に薄く仕上げることが出来る。貨車ではそれほど大きな問題ではないが、機関車のディテールをつぶさないように塗るには、これに勝る塗料はない。また、顔料が細かいので、ウェザリングにも適する。

2009年01月31日

Hookerのタンク車

Hooker Chemical Tanker フーカ社は著名な化学会社である。公害を撒き散らしたので、70年代にはその分野では誰もが知っている企業であった。

 色の名前にHooker Greenがある。これは紺青(プルシアン・ブルゥ)とガンボージという有機顔料の混合物で、落ち着いた緑である。鉄道車両にもよく使われていた。これは有機顔料が入っているので褪色しやすかったが、現在では単一の褪色し難い顔料になっているはずである。このHookerは、この化学会社と同一のものかは調査中である。

 このタンク車は、随分前に本物と模型をほぼ同時に見た。色が印象に残った。これもいつかは作ろうと思って、デカールを探していたがなかなか手に入らなかった。
 Champ社でも長らく品切れであったが、再生産の知らせがあったのですぐに注文した。

 この貨車も先回の50ftタンク車と同時に、e-bayで安く買ったものである。塗装をはがして補修し、塗れば立派な車輌になる。
 
 積荷は苛性ソーダ液とした。ワシントン州タコマの水力電気を使う工場で電解して製造したものを積んでいることになっている。

 最近お見せしている車輌はデカールが貼りたてで、艶が消してない。艶を適度に消して、ウェザリングすると多少よくなる。どの写真も台車は仮のものを使用していることをお断りしておく。

2009年01月29日

3 PFE Reefers  

3 PFE Reefers PFEの貨車は美しい。色の問題もあるが、デカールの美しさも大きい。
 この3種のPFE Reefer は、全て出自が異なる。

 左はAthearnのキットを組んだもので、もう車齢は40年近い。この貨車の側板は塗装、印刷済みで当時10ドルくらいであった。初めて組んだ時は要領が分からず、かなり難しかった。2輌目からは楽しく組めた。「側面の塗装はFloquil使用」とあった。現在のリーファ・オレンジと比べるとやや褪色している。滑らかな塗装である。印刷はシルク・スクリーンである。

 中は今回仕上げたMGの#246 40'Reeferである。これは安達製作所製ではなく、パイオニア社製である。安達製作所製と比べると、プレスが甘く、ハンダ付けも下手である。コテが小さかったのであろう。ハンダが回っていない。完成品を購入したのだが、部品がぽろぽろ取れてくる。全部ハンダを付け直した。大変な手間を掛けた。
 塗装はFloquilである。塗って生乾きの時に電気炉で100℃に保った。2時間で塗膜が硬化した。エナメル系塗料は、冬季には硬化速度が小さくて取り扱いに困る。一応固まったと思えるまで、3日を要する。それでも多少軟らかく、尖った部分ははがれやすい。外に置いておくと、風でゴミがついたりして、ろくなことはない。酸素と反応して硬化するのだが、反応速度は大体10度上げると2倍になるので、10℃で放置するのと100℃に加熱するのでは数百倍くらい違うことになる。 加熱時には、新鮮な空気を導入しないと意味がない。 

 右はIntermountainの製品である。最近は中国で組み立てられたものを売っているが、これは自分で組んだものである。凄まじい細密模型である。色は指定の仕上げである。屋根が銀色でないと、熱が吸収されて効率が悪いはずである。

2009年01月27日

50' Double Deck Stock Car

Pig & Sheep car この貨車はB&O の Pig & Sheep Car である。Double Deck Stock Carの最新型であった。これは韓国製である。一見非常に細かく出来ているが、床下のブレーキ装置は構成が怪しい。間違っているなら付いていない方が良い。
 とても重い車輌である。780gもある。
 今回塗装したが、車内の塗装は難しい。塗料が完全にスプレイされているかは不明である。
Double Deck Stock Car さて、この木製のStock Carの素性が知りたいのである。どの鉄道の車輌をプロトタイプとしているのか、随分調べたが不明である。Stock Carの本は少なく、インターネット上でも写真があまりない。もし読者諸賢のお力を得て鉄道名等が判れば塗装できる。お助け願いたい。
 
 東部の模型屋の倉庫にあった物で、安く譲り受けた。ドアは滑らかにスライドし、とても素人の作品とは思えない。プロトタイプは木製ではなく鋼製であろう。妻板はドレッドノートである。

Drying wet paint あまりにも見事な出来で、塗装するのがもったいないくらいであるが、この際、未塗装車輌を一掃することに決めた。先月来、30台以上塗った。ご近所の人は、どう思っているだろう。デッキの上には乾燥中の車輌が並ぶ。


2009年01月25日

90-ton Hopper car

UP 90ton Hopper Car この90ton Hopper Car はMax Grayの#501 Twin Hopper Offset-side, Flat End の側板から作られたものである。
安達製作所から購入したジャンク部品はいろいろな原因ではねられた物である。打痕があったり、落下品であったりする。いずれ修理して出荷するつもりであったろうと思われるものもあった。

Splicing Hopper Sides この側板は明らかに落下品であった。右の端がめくれていた。直したけれど直らなかったのであろう。探すと左の端が同様ににめくれたものもあった。その部分を切り落としてつなぎ、継ぎ目にリブを置けば完璧に隠せる。
 UPの図面集を見ているとよく似たものがあった。それを参考に作ったのがこれである。知らない人が見ると、MGの製品かと見まごう仕上がりとなった。上端の縁取りは、本物もこのような補強が付いている。残念ながら1台しかない。もっと沢山作ればよかった。
 
UP 40ft Boxcar この40ft BoxcarはMGの時代のものではなさそうだ。ジャンクの中から側板を見つけて、その屋根を探した。見つかったのはIMPの時代のへなへなの屋根であった。それも何枚かの良い部分を切りついでの製作である。
 エンドは韓国製の部品、ドアとラニングボードはAll-Nation製品である。ラニングボードはエッチングしたものをプレスしてあり、透けて見える。屋根板に開いていた孔は全て埋めた。ここまで手を掛けるなら、屋根は自作しても良かった。しかし、プレスによる凹凸は板の貼り合わせでは表現し難いから、これで良しとする。

2009年01月23日

Max Gray の Drop Bottom Gon

Bottom is open. このGSクラスは "Drop Bottom Gon" と呼ばれ、砂利やサトウキビの輸送に用いられた。
 アメリカの無蓋車は、日本のように側板が開いたりしない。側板が強度部材として機能しているので、動かない。積み下ろしは機械で行うのが原則であれば、それで良いのだ。

 このGS Gonは床が開くので、バラ積みの貨物を落とすことが出来る。ホッパではないので完全には落とせない。誰かがほうきを持って乗り込んで、残りを落とさねばならない。その必要もないのかもしれないが。

Opening bottom この模型は安達製作所の社長のアイデアで、床板が4つずつ一斉に開くようになっている。動作はなかなか見ごたえがある。オークションでも高価で取引されている。

 後にUS Hobbiesがインポータになったときは、この可動床がないものを輸入した。見かけは一緒なので、走らせるだけならそれで十分である。筆者はそれを作ろうというわけだ。

 床板を切り出し、ジャンクの中からチャンネルを拾い出す。長さをそろえて切って、ハンダ付けする。側板に縦桟を貼り付け、妻板をつける。上の縁取りのアングルを付けて、最後に例のコーナを貼ると80%出来上がる。
 あとは暇を見て順次作っていけばよい。そのうち良いアイデアが湧くこともある。

 この種の貨車はUP、SPに沢山在籍した。実物は、最近全く見ない。

2009年01月21日

続々 Buying Brass Models by Weight

Max Gray Parts この幸せをもたらしてくれた安達製作所の社長安達庄之助氏には、心から感謝している。そのご親切に報いるためには、とにかく完成させねばならない。そればかり考えて、この30年間ひたすら作り続けてきた。

 最近、かなり要領がよくなり、手際よく作れるようになった。残りの部品も少なくなった。
 あと1 kg程度である。

 残った部品を眺めて、あれも出来る、これも出来ると考えるのは楽しい。すでに残っている部品は、小さな部品なのであるが、それさえあれば出来る車種を探すのである。

 当然大きな部品、例えば床板、側板などは板を切って作る。スクラッチ工作では大変面倒なものも、その部品があればたちまち出来てしまう。

 
Max Gray Drop Bottom Gons 上の写真の小物部品、例えばGondola(無蓋車の四隅のキャップ)などは自作は困難だ。これと補強用の縦桟(Hat Section)さえあれば、ゴンドラを作るのは簡単だ。この貨車などは、部品の数を数え終わった瞬間から3時間でここ(左の車輌)まで出来た。後は順次細かい部品を作っていけばいつかは出来る。妻板は、アメリカ製のブリキである。

 完成見本の車輌とは機能が違うが、それを承知で簡易版を作るのだ。

 実はこの完成車はすばらしい機能を持っている。発注者のMax Gray氏が驚嘆したというすばらしいメカニズムがある。
 
 さすがにこの見本となった車輌は高価である。

2009年01月19日

続 Buying Brass Models by Weight

 どうしようもない屑は、すぐ売って始末した。そして新しいダンボール箱をいくつか用意した。何があるか、ある程度の分別を始めた。この時点で約50kgまで量が減っている。

 Tankerが約120輌、Gondola(無蓋車)が20輌分ほど、Open Hopperが30輌程、Boxcarが数輌、Flatcarが10輌ほど、 Cabooseが3輌分ほど、その他数十輌分あった。

 安達製作所はMax Gray向けの貨車を30種程輸出したので、その部品が残っていたのだ。

 必要なことは、完成見本または写真を手に入れることである。手持ちの部品と照らし合わせて、何がどうなるのかを調べた。
 この作業は数ヶ月掛かった。あたかも考古学者が化石を発掘し、全体を復元する作業の様であった。
 
 足りない部品が少ないものから組み始める。タンク車はすぐに10両くらい出来た。完成見本にいくつかのヴァリエイションを持たせて世界で一台のものを作った。

 その頃、神戸の故魚田真一郎氏と知り合った。彼はこの宝の山の価値をたちまち認識した。
 「こないにたくさん、どうしますねん。ボクも手伝いますわ。」とうまく丸め込まれ、一部を売却した。震災でつぶれてしまうことが分かっていれば、手放すことはなかっただろう。

 ともかく、これが長年の間に組立てられて、当鉄道の貨車を構成している。この時代のブラスの貨車を、これほどの数 保有している人は世界的に見てもまれらしい。我が家を訪れるアメリカ人は、皆 驚嘆する。

 親しい友達がアメリカから来訪したときには、世界で一台の特製品にサインしてプレゼントすると大喜びする。 

2009年01月17日

Buying Brass Models by Weight

 先回お見せした写真の車輌群は、完成品を購入したものではない。さりとて、自作でもない。

 今から30年以上前、筆者は細々とOゲージを楽しんでいた。誰も仲間がいなくて、アメリカから持ち帰った2台の機関車と15両程度の貨車を組立線路上で走らせていたのだ。

 クラブの新年会の時、安達製作所の社長がいらして隣にお座りになった。
「Oゲージやってるんだって?珍しいねえ。車輌はどうしているの?」
「木製のとプラスティック製のをつないでいます。ブラスのは2台あります。」
「ブラスの車輌が少ないね。つまんないよね。うちに捨てるのがあるから、良かったら目方で売ってあげるよ。」という信じられないほど凄い会話があった。

 詳しく伺ってみると、
。魯押璽顕濕屬寮渋す場をたたんで放置してあったが、そこを壊すので、クズを始末したい。
¬槓で買ってくれればそれでいい。
トラックで取りに来い。
 というものであった。

 1月ほどのうちに、都合をつけて出かけた。古工場の隅に壊れかかった段ボール箱が30個ほどあった。どれもずしりと重い。全部で700キロ以上はあっただろう。
 本当に、当時のブラス屑の価格で売って下ったのだ。
「要らないのは、屑で売ればよいのだから、全部持ってけ。」

 実家の倉庫に入れ、箱を開いてみた。あるわ、あるわ、部品の山だ。
 丹念に探すと、二台位は即組める状態のものがあった。とりあえずそれを組んで、残りをどうするか考えた。母親には「屑屋を始めたのか?」と嫌味を言われたが、ひたすら分別に取り組んだ。

 やはり90%は本当の屑であった。残りの10%が30年間楽しめる『お宝』であった。

2009年01月11日

Decal を貼る

BECCO Hydrogen PeroxideTank Car 大方の予想通り、これは10000gallon のケミカルタンク車である。Max Grayの時代のもので、型番は#305である。
 製造は安達製作所である。これは内野氏のお宅に遊びに行った時に、貰ってきたものである。「K模型店の倉庫に転がっていたのを貰ってきた」のを、「はいよ、お土産!」と戴いた物であった。あちこち壊れていて、修理した。ついでにドームを旋盤で挽いて新製した。

 この型番の貨車はたくさん所有している。どれも有名な化学会社の塗色にした。DowとかMonsanto, Penn Salt などがある。左のリンク集の一番上の動画をご覧戴けば、その様子がお分かり戴けるであろう。

BECCO Tank Car Deck Beccoは、バッファロ・エレクトロ・ケミカル・カンパニィの頭文字を並べたもので、高濃度過酸化水素を作るノウハウを持っていた。バッファロの町はナイアガラ瀑布に近く、いわゆる滝線都市で、水力電気が安価なところである。アルミ製錬をはじめとして電解工業が盛んである。
 タンクの上部にあるドームの形が普通とは違っていて、大きな安全弁が付いている。高濃度の過酸化水素は大変危険な物質であり、まかり間違えば大爆発を起こす。タンクの内部はグラス・ライニングが施されているはずだ。もっと高濃度のものを運ぶときは、純アルミニウム・タンクを用いる。
 
Becco Tank Car by Champion Decal Beccoのタンク車には興味があり、70年代初頭に東部に行ったときたまたま古い車輌を見かけた。いつかは作ろうと思い、デカールだけは買っておいた。価格を見ると$1.45とあるから、75年あたりに買ったのだろうか。
 このころのChamp Decalは現在と比べるとやや膜が厚い。丈夫だから貼りやすいが、膜の腰が強くて凹凸になじみにくい。デカールを浸す水は40℃くらいにすると、少しは軟らかくなる。
デカールをなじませるSoftenerはどこのでもよい。あまり多いと失敗する。デカール膜の水を切って、貼る面に1,2滴置いたソフナの上に着地させる。

2008年12月26日

100トン CD カバード・ホッパ  

Thrall 100 ton Hopper Weaver社の車輌の話を続けると1月以上掛かるのでここで一休みして、この車輌を紹介する。これは昨年のO Scale Westで見つけたものである。
 Pullman Standard PS-2 Center Discharge Covered Hopperだ。

 誰が作ったのか、全く分からないが、かなりの手練の作品である。材料は有機ガラス(ポリメタクリル酸メチル)とABSフィルムだと思う。細いアングルは鉄板製。
 有機ガラスで作ったかなり丈夫な骨組みの上に、Vacuum Formingした薄い板を貼り付けてある。大量生産を前提に、手順をよく考えた作品である。20両ほどが山になっていて、1台$10という値がついていた。埃も積もっていて、ちらりと見ただけではその価値は分かりにくいので、全く売れなかった。
 おそらく、故人の作品の山を家族が処分したのであろうと思われる。連結器つきでこの価格なら買うべし、と2台購入した。もっと買っておけばよかったと後悔した。残りはあのまま粗大ゴミになってしまったのだろうか。

 製作者はプラスティック業界人であったと思われる。いろんなところで、なるほどと思わせるプロのテクニックが散見される。

Thrall 100 ton Hopper BN  手摺は鉄製なのでブラスより細く出来て有利である。実に繊細である。


 多少の補修をしてBN塗装にした。

2008年12月24日

続 Quality Craft のプラスティック貨車

Weaver ACF Center-flow 4-bay Covered Hopper BNWeaver ACF Center-Flow 4-bay Covered Hopper BN2 これはACF の 4-bay Covered Hopper である。発売された時の塗り分けは筆者の好みではなかったので塗装を一部はがして塗り替えてある。塗料、デカールとも栗生氏にご手配戴いた。このBNグリーンは発色がすばらしい。栗生氏が特注で作られたプラスティック用のスプレイである。
 この車輌も全部の塗料をはがすのは大変なので、文字の入っているところだけ、こすってはがした。元の文字の廻りに多少の段差が出来るので、それを緩和するために#1500の耐水サンドペーパで水研ぎした。このような滑らかな大きな面に文字がある場合は簡単である。

4-bay Covered Hopper from Weaver これはWeaver社の発売したそのままの車輌である。かなり珍しい車輌のようだ。日本ではまず見ないLOGOである。これもいずれ塗り直すことになるだろう。

 この4-bayのホッパや2-bayホッパは発売当初に大量に購入した。当時は社長のウィーヴァ氏が「日本で売ってくれ」と言うので、代理店のような立場になったが、たちまち市場が飽和して辞退した。あれから20年経つ。

 Weaverは「アメリカ製」にこだわっている。一部のブラス製品は輸入であるが、主力の貨車、客車は完全なアメリカ製である。「安易に中国に作らせている会社とは違い、全て自分の目が届くところで仕事をさせている」と、社長は胸を張った。

 Weaver社は4-bayしか出していないが、実車は3-bayの方がはるかに多い。だから、それが欲しい客を狙って、ウェイトを兼ねたブラス製の3-bayの床板を売り出した会社があった。面白いプロジェクトであった。かなり儲かったと聞いている。

2008年12月22日

Quality Craft のプラスティック貨車

50' Tanker 1980年代に入り、プラスティック・インジェクションによって貨車の完成品を作り始めた。これがその第2号である。第1号は2-Bay Hopperであった。サイドを別型にして、3種の製品を作ったのは賢明であった。
 リンク先の写真は三線式ハイレイル用であるが、当然スケールの製品もある。

 このタンク車もかなりよく設計されていた。今はもう無くなっているが、デッキの手摺と、床面と同じ高さのが、あらぬ角度にモールドされていた。それらをねじって孔に突っ込むと、細いプラスティックにストレスが掛かって、非常に堅い手すりになった。うまい設計であった。
 この例のように、細いものに力を掛けて組みたてるという発想は、ドイツあたりから始まったようだ。

 これは50ftであるが、40ftも少々の変更で同時に発売した。この調子でいろいろな製品が出てくると、きっと大成功するだろうという予兆を感じさせた車輌である。

50' Tanker Stripped タンク上のデッキ手摺が、事故で壊れて何年も経つ。直すついでに塗装も削り取った。全部の塗料をはがすのは大変だから、楽な方法をとった。文字の入っているところは塗膜が厚いので、そこだけ細かいスティール・ウルで擦って、#1500の耐水ペーパで水研ぎしたのだ。文字の部分は塗装が厚いので その周辺との高さを合わせるためである。このように大きな面に文字がある場合は、簡単である。

 手摺は0.75mmのブラス・ワイヤと1.5mmアングルの組み合わせである。巻き付けてハンダ付けするととてもしっかりする。アングル内側にはブラス・ワイヤをハンダ付けしてそれを本体に開けた孔に差し込む。相手がプラスティックなので、強く挿して摩擦で抜けないようにする。接着剤なしでも十分なくらいである。あまり強く差し込むと時間が経つと割れてくるから、針金の長さ方向にニッパで傷をつけて差し込む。そのとき、本体の孔はやや大きめにして傷をつけたときに出来るふくらみの先端が食い込むようにする。文字で書くと難しいが、やってみれば簡単である。これがクリープ割れを防ぐ方法である。
 この写真では深く差し込みすぎて上端が傾いているが、後で修正した。

 外れているプラスティック部品をヤスって、新しい面を出し、リモネンを塗ってクランプすると完全に接着する。

Weaver 50' tankcar BN 黒く塗って、デカールを貼ると、出来上がりである。

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