レイアウト

2015年04月16日

ジグソウ

 中心の位置を割り出して、ネジを立て、コンパスの中心を留めた。フェルトペンで半径3050 mmの円周を描いた。これがレイアウトの縁の半径だ。それより100 mm入ったところに、半径2900 mmの線路道床の外周がある。
 ターンテイブルの位置が微妙にずれる可能性があるので、まだ孔を開けられない。

 突然助っ人が現れたので、頼んで外周を切った。このように大きな板の外周を切ろうと思うと、切り離した方の板を支える人が要るからだ。ジグソウはあまり好きではない。卦書き線の上を切りたいのだが、それはなかなか難しい。以前コンパスのアームにジグソウを取り付けたので、何も考えなくても真円が切れると思ったが、刃が少し傾いたりして、非常に難しい。今回も微小な凹凸があり、削り落す必要が出てきた。

 室内でやると埃が出るので、外でやりたい。1枚ずつ、外せば位置関係はすぐに復元できるから、外に持ち出してやすりがけをした。ベルトサンダでやれば、すぐ削れる。削った板は所定の位置に、うまく嵌まる。

仮配置 北の方を見た写真である。雑然といろいろなものが置いてある。ポイントがつながっている様子が分かる。貨車の類は車輛が置かれるとどんな風に見えるかを見るために置いた。

 この渡線を境に、DCとDCCが分かれる。それを跨いで運転するには、いろいろな点で面倒な操作が必要だ。発表されている方法は面倒だし、高くつく。

 ここに先回の電池式機関車を置くと、便利だ。全ての電源を切って、異なる電力区間を跨ぐ部分を、自前の電池を持つラジコンでカヴァすると、面倒なことは考える必要が無くなる。ラジコン機関車は線路がなくても走るので、事故を起こしてしまうことがあるそうだ。注意せねばならない。 

2015年04月14日

骨組に合板を載せる

 トラックを借りて4X8合板を買いに行った。このサイズはアメリカでの標準サイズで、これ一枚を使って作るレイアウトの実例がModel Railroaderによく載っている。単なる長方形ではなく、斜めに切って飛び出させるなどの意欲的な配置が発表されている。

 さて、このサイズは日本ではあまり売っていないし、運ぶにはトラックが要る。昔アメリカで乗っていたフルサイズのステイション・ワゴンは、後ろの座席を倒すとこれが載った。ずいぶんたくさん運んだ覚えがある。
 日本製のいかなるステイション・ワゴンもこれを運ぶことが出来ない。

 4X8は3X6の2倍弱の面積だ。継ぎ目が減るので、工作が楽である。大きな専門店に行かないと手に入らないのは残念だ。買ったのはラワン・ランバーコアという板である。芯材は、多分ファルカタという桐のような軟材で、上下に堅い合板が貼ってある。普通の合板に比べ、曲げに対する剛性がはるかに大きいし、クリープも少ない。要するに垂れて来ないのである。オウヴァハングがあるところには適する。また、棚板には適する材料である。

 レイアウト南側の周回部の骨組みに板を載せた。助っ人を頼んだ。この作業は一人では難しい。所定の位置に、厳密に位置を合わせる必要がある。二人で寸法を測りながら、ゴムハンマで叩き、少しずつ位置を移動させる。最後にレーザで「通り」を見て、固定する。「通り」とは直線部が完全に同一直線状にあることである。
 位置が決まったら、ネジで固定する。その時、合板の上を歩くのだが、かなりの剛性があり、気分が良かった。

合板を敷く 最後に、周回部の外縁をコンパスで卦書いた。切り落とすまでは行かなかったが、これで9割ほどの基盤が完成した。
 


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2015年03月29日

道床が集まる

 1989年頃、吉岡氏の呼びかけに筆者と土屋氏、魚田真一郎氏が応じて、道床付き路盤を発注した。筆者は吉岡氏の近所の紅葉木工と云う会社に行って、指示をするのに立ち合った。この工場は昔ハーモニカとかアコーディオンを作っていたそうだ。
 ハーモニカが木で出来ていたことを知っている人は少ないだろう。筆者が小学生の時に使ったものは、黄楊(つげ)の木のような硬い木で、それに細かく溝を付け、リードを付けたブラスの板を締めてあった。ネジを外すと中が見えた。
 要するに、かなり細かい細工を得意としたわけだ。

 カントを付けるのが難しいので、筆者の発案で、朴の木を斜めに削いで傾斜板を作り、ハーモニカを作る要領で細かく切れ目を入れて貰った。吉岡氏はこれでうまく行くか心配そうだったが、非常にうまく一定の傾斜になった。
 
 下塗りとして床用水性ニスを塗ると、合板の細かい穴(ポア)が埋まり、それを紙やすりで研いで本塗りに備えた。カント板の隙間はパテを込んで、凹まないようにした。

吉岡道床 今回の作業で必要な線路の量に緩和曲線が少し不足し、必要量を作らねばならないと準備をしていたところに、鎮目泰昌氏が博物館に来訪された。彼は吉岡氏の路盤の入った箱を見て、
「うちにもある!」と叫んだ。
「そんな馬鹿な、これは残りが魚田氏のところにあったのだけど、震災で壊滅したんだ。」
「いや、その地震の後で、模型仲間が潰れた家から回収したんだよ。機関車などは引取り手があったけど、これは何か良く分からずじまいだったんだ。行先がなくて、うちの倉庫に仕舞ってあった。」
 その日は、様々なことが思い出されて、眠れなかった。

 それを今週、鎮目氏がわざわざ御自身で配達してくれた。
 何という奇偶であろうか。26年前に作った線路300本以上が、全て集結したのだ。吉岡氏、土屋氏、魚田氏それと筆者の所にあった線路が完全無欠で揃ったのだ。作るときに、
「この線路が全て集まることは二度とないけど、集まればすごいレイアウトが出来るな。」
と吉岡氏が仰った通りになった。


2015年03月27日

続 音について

elastomers レイルと車輪の転動音は枕木に伝わり、それがゴムに拡散する。ゴムは振動を熱に変えるので、外に出て行きにくい。これを内部損失と云う。内部損失が大きいものは、肉体である。オーディオの趣味がある人は、観賞室に人間がたくさん入ると、大きな差が生じることに気が付いているはずだ。   

 手で支えると音がほとんどしないのは、気が付く。それでは豆腐、こんにゃくはどうだろうと実験してみたことがある。なかなか良いが、実用性はない。スポンジゴムがダメだったのは、質量がないからである。
 支持体は重いほど良い傾向がある。そこで、ポリ塩化ビニルはどうかと提案した。塩ビはゴムよりずっと重い。1.5倍弱である。配合によって、ゴムのような弾性体(エラストマ)になる。
 土屋氏に手配して戴き、すぐにいくつかのサンプルが届いた。左から、中程度の固さ、それに砂目塗装したもの、柔らかめ、硬めであった。紫外線照射テストのデータ付きであった。直射日光で20年保証とのことである。

 JORC(Oゲージの国内最大組織)の運転会では、合板で作った路盤を会議用机の上に置くとき、2 mmほどのポリ塩化ビニルの軟質シートを敷いてから置く。これが絶大な効果を生んでいる。シートは重いので、運ぶのに不満を漏らす人がいるが、ないとどうなるかを御存じないからだ。

 吉岡氏は直ちに各種の素材でサンプルの線路を作られ、たくさんつなげてテストコースを作った。それに機関車、貨車を走らせて音を調べたのだ。その実験を見にお宅まで行って泊めて戴き、最終確認した。中程度のものがベストであった。砂目塗装はやめ、灰白色の地を出すことにした。これは土屋氏の美的感覚である。
 こういう実験はやろうと思えば簡単にできるのだが、やる人はまずいない。
 「『こうだ。』と言う人はいるけど、やったのかと聞いて、『やった。』という人はいない。それじゃあ、やってみようじゃないかと思った。」と吉岡氏はよくおっしゃった。実験は大切である。人の言うことを信じる人は、進歩できない。
 
 路盤は5.5mm合板を張り合わせて作られ、線密度は木部だけで620 g/750mm であった。それに弾性体、レイル、枕木、饋電線、接続金具等が付くと1本は1100gを超えた。

 この重さが、良い音を作り出している。軽くは出来ない。軽い材料でできた中空の机に置くと、振動が多少下に伝わり、あまり芳しくなかった。路盤の下にはフェルトを細く切って張った。

 こうして出来た線路を敷き、列車を走らせてみた。フレキ線路のレイル面は、意外と粗雑で、ゴロゴロと音がする物がある。細かいサンドペイパで磨くと改善された。製作見本を複数つないで、機関車(押して動く3条ウォーム搭載)を手で往復させて、継ぎ目の音を聞いていた。そこに奥様がお茶を持っていらして、「あらいい音ね。」とおっしゃるではないか。
「今までのはおもちゃの音だったけど、これは本物の音みたい。」
 吉岡氏と筆者は顔を見合わせてニヤリとした。興味のない方にも、その違いが分かって戴けたのだ。

 車輪もLow-Dとそうでない物には、歴然とした差がある。たくさんの貨車の中で、Low-Dに取り替えてない物は、目をつぶっていても、走っているときにそれを指させる。優秀な旋盤で挽いた時の精度と、怪しい旋盤で挽いて、めっきを掛けたものの差である。めっきは表面の粗さを増幅する。


2015年03月25日

音について

 しばらく前、建設中のレイアウトを見に来た人があった。近所の人らしいが、鉄道模型をやっているという話だった。レイアウトの路盤を見るなり、「板が薄くないですか。」と言う。
「15 mmもあれば十分だと思いますが。」
「25 mmないと反響してうるさいです。」
「御経験がおありなのですか。」
「作ったことはないけど、本にはそう書いてあるし、インターネットでもそう書いてあるのを見た。」とおっしゃる。自分で確かめたことがないのに、批判をしたがる人は多い。
 一般論であるが、「教科書に書いてある。」などと言う人は、道を切り開けない。

 このレイアウトは、その音の問題を克服している。合板が 25 mmであろうが50 mmであろうが、ダメなものはダメなのである。ところで、25 mm合板はわが国で大量に市販されている厚さなのだろうか。特注品以外で見たことはない。24 mmの次は、28 mmである。
 吉岡精一氏と知り合った頃、すなわち30年ほど前だが、お宅を訪問すると、レイルを敷いた路盤がいくつも置いてあった。どれも長さは750 mmである。750 mmと云うのは、押し入れに無理なく入る深さなのである。収納の事を考えて決めたそうだ。

 厚い30 mm合板にコルクを張ったもの、薄い12 mm合板に厚さ 5 mm、3 mm、2 mmのゴム板を張ったもの、合成ゴムスポンジを張ったものがあった。それらに、フレキ線路を取り付けてある。道床の半分では釘を固く打ち付け、残り半分では枕木に大きめの孔をあけて緩く留めてある。

 それらを順につなげて、車輌を転がして音を聴く。結論を言うと、コルクは全く効果なしである。多少厚く敷いてもダメであった。スポンジは妙な高周波音がする。ゴムはどれも良い音がする。厚さの差はあまり感じない。


acoustics 吉岡氏のところから戴いて来た、当時の試験道床の一部である。Aはコルク、Bは5 mmゴム板、 C、Dは土屋氏が用意して下さったポリ塩化ビニルの押し出し製品である。Cは柔らかめで薄く、Dは固くて厚い。
 何度もテストをした。結果はB,Cがベストであった。しかし、Bは厚すぎる。
 厚いと重いし、重ねることが出来ない。この路盤は重ねて保管できるようになっているのだ。

 Aは、カーッと云う高周波音が頭の芯に突き刺さる。B以下は全てその高周波が吸収される。釘は枕木の孔を大きくして、緩くした方がはるかに良い。このCを、並べた机に載せて、車輛を走らせるととても良い音がする。レイルの継ぎ目はドドンと云う音である。路盤の下にフェルトを切って貼った。さらに高周波が遮断され理想的な音であった。
 ゴムは内部損失が大きい(音を熱に変える)ので、高周波が漏れてこないのだ。どういうわけか、我が国ではコルクを使う人が多い。ほとんど効果はないのだが、このような比較実験をしていないから、誰も気が付いていない。

2015年03月19日

博物館レイアウト建設工事の現況

Cosmetic Curve 勾配線の上空から俯瞰した様子である。勾配線は均一な勾配で完成し、立体交差の方に伸びつつある。
 三脚はコンパスの中心を確保している。錘となる針金をぶら下げて、床のマーキングに合わせている。コンパスの腕は床に置いてある。撓まないように剛性を持たせた構造である。勾配であるから、中心位置の標高は順次高くして、円周を描く。

new layout under construction 2 ヤードの喉の部分から見た様子である。全ての線路は仮に置いただけであるから不連続である。分岐のセクションはほとんど出来ている。と言うより、作ってあったセクションを最大限利用できるようにレイアウトを設計した。
 右の曲線は仮に置いてあるだけで、接続は雑である。立体交差部の落差を確認するためのものである。

magazines 土屋氏のところから戴いて来てあった雑誌を、倉庫から出して、置いてみた。これだけで約1トン強である。これを整理する必要がある。おそらく3人がかりで1日かかるであろう。  

 重複した号は倉庫に逆戻りである。書棚が足らないので追加購入する必要が出てきた。鉄道模型三誌、実物誌三誌 がほとんどすべて揃った。これらの雑誌を読みにいらっしゃる方も多いのであろうと思う。



  





2015年01月15日

勾配

 レイアウトの勾配を、当初1.5%にする予定であった。そのつもりで作図してあったのだが、どうしても勾配が長くなり、分岐の位置に近くなる。ストレッチ(直線区間)の途中から勾配になるのは避けたかった。1.6%にするとなんとか収めることが出来ることが分かったので、変更した。シャーマン・ヒルは最大1.55%であったから、ほぼ同じになる。

 勾配は扇型の合板をつなぎ合わせて作る。梁の剛性が大きいので、梁と合板の間にシムを挟んで滑らかに繋ぐ。合板を大きめに切ってはめ、固定してから大きな自作のコンパスで外周を卦書き、ジグソウあるいは丸鋸で切る。曲率が小さいので、丸鋸のアサリの部分で逃げられる可能性が高いとみている。しかし24 mmの合板なので、刃の深くまで切り込むから、丸く切るのは大変かもしれない。数 mm大きく切っておいて、ルータ (Router ラウタ)で仕上げ削りすることも考えている。もちろんその時はルータをコンパスに固定する。

tripod for compass コンパスの中心はカメラの三脚を利用している。大きな木製三脚で、かなり重いので具合が良いと思ったが、3 m以上もある腕を廻すので、中心がふらつく。重りの砂袋(セメント袋)を置いて作業する。
 カメラの取付ネジは、1/4 インチのネジであるから、5 mmの板から切り出した。中心は、Φ5のブラスの棒を旋盤で挽き、ハンダ付けした。


compass
 このコンパスには2800、2900、3000、3100 mm の各半径の中心線と、路盤の外周、内周が目盛ってある。ペンを差込んで廻れば、所定の目的を達するが、二人がかりである。一人でやると線がふらつく。

 いろいろな方がお手伝いに来て下さるので、本当に助かる。



2015年01月07日

続 鉄骨組立完了

arc welder 熔接はある程度の練習をすれば、留めることぐらいは出来る。見えないところなので、下手でも構わない。単相200 V、30 Aの入力が確保されていれば訳ない。溶接棒はバッタ屋で買えば安い。写真には皮製の前掛け、長手袋などが写っている。ノーメックス(耐熱繊維)製のズボンも持っているが、今回は使用しなかった。  
 今回の熔接には小型の可搬式の熔接機(約30 kg)を持っていき、台車に載せて移動した。電源ケーブル長は10 mあるので、かなり広い範囲で使用できる。この台車は剛氏の手製である。
 出力7 KWの大きい熔接機も持っているが、130 kgくらいもあるので、持って行けなかった。

 ケーブルは古くて被覆が劣化していたので、二つをつないでアース用とし、電圧の掛かる方は新品(22 mmsq)を購入した。長さは10 mだから、電源と合わせて半径20 mの範囲で仕事が出来る。電線をつないだり、端子を付けたりする仕事は意外に手間取った。新しい部品を使えばよかったのだが、機器が古いので古い端子を外して温存したからだ。
 熔接棒のホルダは新品を用意した。熔接後のフラックス取りは専用のハンマを購入した。以前の楔型ハンマより、はるかに使い易くて驚いた。

曲がりの修正 熔接する場所を長く加熱しすぎると、伸びて縮む。水平の部分が少し垂れてしまったので、ブレイスを入れる前に、つっかい棒を入れているところである。すでに床に取り付けてあるので、外して叩くわけにもいかなかった。
 鉄骨は硬く、手ではとても曲がらない。未組の鉄柱を無理に押し込んだところ水平が出たので、そのままブレイスを熔接した。Dr.Yのアイデアである。

 黄色のシートは火花受けである。こんなに薄くてしなやかでも、火花を確実に受け止める。熔接する部分に10 cmほどの隙間を空けて巻き付けると、カーペットが焦げない。もちろん下には、念のために耐火板を敷き詰める。アース側の線は被覆が剥けて芯線が露出しているが、問題ない。


2015年01月05日

鉄骨組立完了

Steel Frame Finished 鉄骨を組み終わった。念入りに高さをチェックしたので、その上に角スタッドを載せて水準器を置くと、当然なことながら、完璧な水平面であることがわかる。
 鉄骨の柱は、ボルトでコンクリートに固定して水平方向の力も受けられるものと、垂直荷重だけのものの二種類がある。横梁でつなぐと、全体が一つの面を構成し、縦横方向に剛性のある平面が出現する。
 体重を掛けても、大丈夫だ。レイアウト上で、観客その他が寄りかかる可能性のあるところには、ブレイスを入れて補強してある。

 鉄骨方式は安く出来る。木材で作るのに比べて、数分の一の費用で出来た。ある程度以上の大きさのレイアウトを作る人には勧めたい。以前、ある木製台枠のレイアウトを見に行ったときに、台枠がスパン1.8 mで垂れてしまい、通して見ると波をうっているのを見た。おそらく真ん中では数mmの沈み込みだった。そうなると修復はかなり難しい。

 鉄骨なら、剛性がはるかに高いのと、クリープ(徐々に形が変化していくこと)が事実上無いので、好都合だ。今回は熔接したが、最近はネジ留めでも十分な方法がある。相手がH鋼でもネジで一発で留める方法があるのだ。ただし、出力のやや大きいインパクトレンチが要る。
 この程度の角パイプ、チャンネル、アングルなら十分な強度で組める。床が完全な平面なら、外で組んで運び込み、組み立てるだけであるからネジ留めで良いだろう。今回は平面が全く出ていない床であるから、水準器で見ながら、力を掛けずに組める熔接をする必要があった。角スタッドはネジ留めである。

千手観音 千手観音のような形をした柱である。立体交差部の支えだ。クランプで位置を決めておけば、一筆書きで熔接できる。ブレイスは不要な角パイプである。板が薄いので少々難しい。

2014年12月26日

レイアウト

layout 博物館に設置されるレイアウトの路線図である。本当はもっと自由な配置にするべきだったのだが、既存の半径2800 mmR、2900mmRを使って作るという制約上、これ以外の方法がなかった。観覧者がレイアウトの外から見るわけであるから、周りに車椅子の通行スぺイスが必要で、階段を避けながら bent dogbone(犬に与える骨の形を曲げたもの) にすると、もうほとんどこの配置から動かせない。半径が決まっているのでSカーヴの位置関係も決まり、機関区との干渉を考えると、この形となった。Sカーヴの接続部には、緩和曲線と直線を挟んでいる。 この図の上半分の外周は半径が 3100R でテハチャピ ループと同じだ。 

 現場の数字を拾いながら、コンピュータを使って最大の可能性を探してくれたのは、
northerns484氏である。感謝している。

 建物は土地の形状に沿っているので、台形である。柱が内側に張り出しているので、この図で本棚、ショウケースに隙間があるところは、その柱である。

 階段に近いところは、レイアウトとの隙間が少ないが、路盤が高いので、車椅子に乗った人の肩の上を、路盤が通過する。際どい設計だが、実際にモックアップを作ってみると、不自然ではない。
 その部分は片持ちなので、厚い合板で作る。剛性は厚みの3乗の関数だから、12 mmと15 mmでは倍近い。剛氏の作業台コーナは階段の下に相当する。ここも路盤が近いが、高架部分で、ふつうの人の肩の高さであるから、何ら問題が無い。

 全ての中心、交点、接線の座標を算出して戴いたので、それを床にマークし、その上に路盤を組んでいけば良い。床のマーキングは基準点からの距離で表す。10 m以上もあるので、巻尺ではなかなか面倒だ。

2014年12月07日

組立て式線路

completed track with roadbed 組立て式の線路は、土屋氏と筆者のを合わせて大半が揃っている。緩和曲線もあるので、比較的簡単に完成できるはずだ。写真は全体の1/3を写したものである。
 全て饋電線が付いている。色は統一する予定である。

 カントは緩和曲線の中で付けられる。本当は直線部でカントが始まり、緩和曲線の部分はカント付きにしたかったのだが、いろいろな点で困難でやめてしまった。

 今回のレイアウトはS字カーヴが多いので、その処理には神経を使った。緩和曲線があっても、二つの相反する曲線が一点で接すると、脱線しやすい。最低限客車1輌分の直線を入れるべきである。縦曲線も十分に滑らかに繋がれねばならない。

 角スタッドが軽い材料で、共振するのではないかという御心配も戴いている。線路の下には軟質プラスティックの制震材が貼ってあるし、フェルトで振動を絶縁しているので、高周波は遮断されるはずだ。

 中に砂を詰めればOKという話もある。砂を入れるにしても半分も入れることはないだろう。少しでも入って、壁に触っていれば制震材としての効果はあるだろう。発泡ウレタンのスプレイも、バッタ屋で安く手に入れることが出来るので、それを詰めてもよいだろう。いずれにせよ、共鳴音がうるさかったら、の話である。
 
 
 



2014年11月21日

続々 Mike Wilson氏を訪ねて

Mike Wilson and Dennis Mashburn 身長174 cmのDennisには、63インチでは少々高すぎる。もっとも、これはこの部分の床が少し低くなっていることによる。
 高架部分の路盤は、かなり薄く作ってある。合板は3/4インチ(19 mm)で、それを支えるのは 3/4 インチ角の鉄パイプである。木製ではこうは行かない。

Mike Wilson's layout ペンシィのT1 Duplexと動輪の大きな4-4-0が置いてあった。この二輌が好きなのだそうだ。 
 向こうの方に高架部分が見える。地表部分との高低差は20 cm以上ある。


underside of decking これは路盤の下を見たところである。端子板が取り付けてある。このような部分に、アメリカのレイアウトと日本のそれとの差、を感じる。
 配線はすべて、他者が見てもわかるようにしてある。それは、後々のメンテナンスを考えてであるが、さらに言うと、次の代のオーナにも分かりやすいということである。

Mike Wilson's spray booth これは塗装ブースである。窓を開けて、溶剤のガスを全て外に放り出すのだ。
 横にはModel Railroaderなどの旧号が保存してある。筆者と同じ箱に入っている。この箱はしゃれた色の段ボール製で、MRのような柔らかい雑誌を保存するのに適する。年度順に並べるのに便利である。ハードカヴァのファイルより、取扱いが楽で、しかも安い。

storage となりの部屋は倉庫になっている。模型屋ほどの箱が並んでいる。ほとんど中が詰まっているのは大したものだ。

 次の日のフライトが早かったので、早々に辞去した。



2014年11月19日

Four's a Crowd

 この映画の題名にご記憶がある方はもはや極めて少数であろう。昭和15年に日本でも公開されている。「科学と模型」誌、あるいは「模型鉄道」誌上で、酒井喜房氏が絶賛紹介していたように記憶する。話の筋はたわいもないが、そこに登場するライオネルのレイアウトはすばらしい。撮り方が稚拙な点もあるが、面白い。題名の意味は、しかとはわからないが、そんなことはどうでもよい。
 そこには、アメリカの生活が描かれ、日本との国力の差がはっきりとわかる。開戦直前にこのような映画を見ながら、開戦に踏み切ったのはどうしてだろう、と考えさせられる場面が多い。

 この映画は、のちに椙山満氏のところで、映写して見せて戴いている。その時、同時通訳ではないが、逐次通訳をしたことがある。
 この映画のレイアウトは屋外の地面上にある。それを歩いて追いかけながら、信号所に指示を与え、ポイントを次から次へと切替えさせる。究極のウォークアラウンドである
 本物の転轍梃子もあって、それをよいしょと切り替える場面もあった。

 地面と立っている人の眼の標高差は63インチ(1600 mm)以上だろう。これは高さ900mmの台上のNゲージのレイアウトを、座って見下ろす場合と大差ない。HOならば立って見る時であろう。

 Youtube で、さわりの部分と言っても10分以上も見られるので、これをご覧戴いて、HOあるいはNゲージに置き換えて想像して戴きたい。 
 視点の高さという概念は、日本の模型界であまり議論されていなかったことの一つである。先回も書いたように、跨線橋から見る高さが限界であるというのが筆者の主張である。


 伊藤剛氏の蔵書の整理を始めた。古い「科学と模型」誌、「模型鉄道」誌、「モデランド」誌などがある。その中で、剛氏が執筆された記事の載っている号は、すべてあることが分かった。



2014年11月17日

続 Mike Wilson氏を訪ねて

layout base height この写真で、レイアウトの高さが63インチ(1600 mm)であることが分かる。筆者は身長180 cmなので、口の高さである。線路は路盤より20mm程度高いので、眼の高さが機関士の眼の高さになる。


 レイアウトの路盤高さが 900 mm であると、座った人の眼の高さはおおよそ1200〜1300 mmであるから、標高差は300〜400 mm である。HOスケールなら、26 m〜35mほどになる。7階から10階の窓から鉄道を見下ろしている。Oスケールでも14〜19 mとなり、4〜5階の窓から見ている計算になる。
 いわゆる鉄道ファンが、そのような高さから鉄道を見るだろうか。Nゲージだったら、高層ビルから見ているのだ。今までのレイアウトはそのようなつくりである。縮尺が大きいほど眼の高さに近くすべきである。我々が汽車を見るのは、せいぜい跨線橋からである。

 筆者が今回製作中のレイアウトは路盤高さを1200 mmとする予定であったが、1230 mmにするつもりだ。少しでも高くしたい。子供さん用のお立ち台は作る。特定の場所からしか見えないが、それが安全につながる。うっかり手を出されると大変なことになる。

 世の東西を問わず、手を出すのはその瞬間である。それは列車が脱線したときである。脱線を直すと云うのは特殊技能が必要で、素人には難しいことがある。そこに手を出した瞬間に対向列車が来ると、三河島の事故のような惨状となるのだ。脱線しなければ、ほとんど問題ない。

 筆者の自宅レイアウトでは、脱線事故はまず起こらない。保線の問題もあるが、やはりLow-D車輪のおかげである。RP25の時代は、ちょっとした減速時に脱線が起こった。最近は連結器のダンパァのないものばかりをつないでも脱線が起こらない。

 

2014年11月15日

Mike Wilson氏を訪ねて

Mike もう一人のMike、 Dr.Wilsonを訪ねた。彼のレイアウトも広い。60坪ほどある。このレイアウトは、かなり高い。5 ft 3 inもある。約1600 mmである。彼は背が高い(183 cm)こともあるが、部分的に床が低くなっていることも大きな要因である。他の部分では1350 mmほどのところが多い。この写真を見れば、床に段があるのがお分かりだろう。

Mike Wilson このレイアウトを最初に見たのは6年ほど前だが、その時に比べるとかなりの進歩である。今年すべての線路が敷け、バラストが撒かれた。次回行けばストラクチュアができ始めているだろう。


Mike Wilson3 このレイアウトはアメリカの東部の雰囲気を持っている。NYCとかPennsylvania鉄道の車輌が多い。厚くバラストが敷かれた複線の本線を持つ。
 線路の敷き方は非常に念入りで、透かして見ても波打っていたり、蛇行したりしているところは見つからない。




2014年11月11日

続 山の形を作る材料

landscaping sheet 現物を見つけ出したので、撮影した。大きさは約 75 cm × 1 m である。ポリエチレン・シートの厚みは0.1mm以上ある。このような軟らかいものの厚みは測定しにくい。紙はクレープ紙(皺の付いた柔らかい紙)で、見たところ再生紙ではなさそうだ。非常にしなやかである。針金は柔らかいなまし線を用いている。

 このような素材は鉄道模型専用の素材なのか、あるいは何か他の物の流用なのかが知りたい。山を作ろうと思えば、何かバスケット・ボールのようなものにかぶせて、両手で絞ればたちまちできる。一部を鋏で切り開き、重ねてホットメルト接着剤で留めればすぐに完成である。崖を作ろうとすれば、上端を留めて、それらしい形になで付ければよい。そのままでは堅さが無いので、ガーゼと石膏を使って固める必要があるが、訳はない。

 この材料は今まで日本で紹介されていないように思う。筆者の自宅レイアウトの崖の部分に使おうと思っている。今まで、発泡ポリスチレンに電熱線で刻みを入れていたが、その技法では解決しない部分があるからだ。

 細い線でできた荒い金網さえあれば、ポリエチレン・シートとクレープ紙をアイロンで張り付けて作れるような気もする。金網専門店に行って聞いてみたが、そのようなしなやかな金網はなかった。どれも腰が強いのでだめである。しかも目が細かすぎる。正方形にはこだわらないが、このような柔らかいものは見つからない。

 

2014年11月09日

山の形を作る材料

 地面を作る素材はこれである。柔らかい紙と書いたがクレープ紙であった。ポリエチレン・フィルムはかなり厚手で、そう簡単には破れない。芯の針金は0.2mm径くらいだ。

60832_v 腰の強い材料だから、それ自身で山の形、崖の形を保持することができる。切れ目を入れて形を整えるのも簡単だ。ホットメルトの接着剤を推奨している。時間が短くて済むからだろう。金網が入っているので、紙切り鋏では傷んでしまう。針金を切れるような鋏を用意すべきだ。

 紙も表面は粗粒面で、石膏の喰い付きが良い。その時樹脂は内側の紙まで濡れるのを阻止する。内側まで濡れると、紙が軟かくなって、形を保持できないからだろう。
         無題
 この写真の山は非常に玩具的である。山を線路の上に作りましたと云う形である。しかし、この写真でお分かりのように、どんな形のものもできる。

 ギプス用のガーゼには焼石膏が含ませてあるので、霧吹きで万遍なく水を掛ければ、自然に硬化する。それにターフ(芝を表す素材)を撒いて、木と草を植えれば良い。

 この製品が日本に入っているかは不明である。ぜひ、試用されることを勧める。

 




2014年11月07日

続々 Mikeのレイアウト

Mike's この一角の完成度が高くなっている。丘の部分はどのように作ったのか聞くと、柔らかい紙に1インチ目の細い金網を漉きこんだものを手に入れたのだそうだ。中間にはポリエチレンの不透水層もプレスしてある。
 それを好きな形に整えて、整形外科で使うギプス入りのガーゼを置き、霧吹きで水を掛けるだけである。
 
 その金網入りの紙の品番をメモしていたのだが、行くえ不明になった。現物を持っているはずなので確認して報告する。しばらくお待ち戴きたい。安いもので驚いた。
 今まではさまざまな方法で地面の形を作っていたが、この方法ならあっと言う間だ。

Mike's crossing このセクションは、見せ場である。まだDC方式なので切替えは難しい。いくつものスウィッチを切り替えねばならない。操作を誤ると急停止する。多分ショートするだろう。クロッシングを、ドドドン、ドドドンと言う音を立てながら、列車が通り過ぎるのを、Mikeはうっとりとして見つめている。

 
Mike's TurntableMike's turn table2 このターンテイブルは、フロリダのCLWの創業者のBob Smith氏のところにあったものらしい。もちろんスクラッチ・ビルトだ。それを譲ってもらってきて、30年ほどになると言う。このレイアウトに付けるつもりだ。
 中央のタワァから左右に出ているワイヤは、タワァ自身を安定させるもので、決して旋回橋を吊り上げているのではない。

 Mikeは、定年後の自由な時間を欲しがっていた。しばらくはこのレイアウトで遊べるだろう。筆者の博物館の建設途上の写真を見せると、「40年ぶりに日本に行く。」と言い始めた。
「手伝ってやる。Mike Wilsonと一緒に行く。手伝ってやれば早くできるだろう?」
 急速な円安で、彼らにとって来やすい環境だ。きっと来るだろうと思う。

2014年11月05日

続 Mikeのレイアウト 

soldering feeder Mikeのレイアウトでは、レイルジョイナは通電に寄与していない。レイルの真下に電線を直角にハンダ付けし、それに給電している。レイアウト全体では、その数は極めて多い。
 ハンダ付けしたフィーダは路盤の孔を通して下に垂れ下がる。ハンダ付けは炭素棒による。この金属製台に押さえ込んで、ワニ口クリップで通電する。電気配線であるからペーストを用いている。

how the feeder solderedhow the feeder soldered 2 左の写真はピンボケで申し訳ないが、このように線が直角に付く。右の写真は側線の終端で、線は折り曲げて付けてある。
 要するに本線部分では、全く見えないと云う事が大切なのだろう。

bus wire 路盤の下に、電線はこのような調子でぶら下がり、バスワイヤにハンダ付けされる。バスワイヤは2 ㎟ ほどの銅線である。
 ポイント部分の真下であるから、結線部の数が多い。トータス・ポイントマシンの接点を使って、回路の切替えをしている。すなわち、これはall-rail switchである。無電区間が全くない。





 


2014年10月20日

博物館のレイアウト

 建設中のレイアウトは一周が約90 mある。いわゆる bent-dogbone type である。犬に与える骨の外周を二つ折りしたような形で、複線であるから、折り曲げ部は複々線になる。その部分は勾配であって、Pennsylvania鉄道のHorseshoe Curveのような状態になる。

 勾配は1.55%である。そこを、100輌編成の列車を牽いた貨物列車が走る。高効率の機関車でなければ、モータが過熱して煙が出るかもしれない。
 自宅のレイアウトでは、100輌ではほとんど一周してしまうが、このレイアウトなら1/3程度であって、見苦しくない。勾配線を重い列車をゆっくりと滑らかに牽く様子は、なかなかの見ものである。30年前に合葉博治氏にその様子を見せた時、氏は息を飲んだ。
 わざとスリップさせることも容易だ。列車が重ければ慣性が大きいので、出力を瞬間的に上げれば、シュルシュルと滑る。しかし、列車全体にはほとんど影響を与えない。サウンド装置が付いているので、音の点でも効果が大きい。

 本線上には信号機を付ける。4つのセクションにして、順次点灯させる予定だ。検出方式は光で、DCCとは連動させない。信号は機関士が目で見るのだ。
 
 博物館の入口を入ったところには転車台を置き、機関車を転向する様子を見せる。これはまだ図面もできていないので、場合によっては自宅のレイアウト用に作ったものを仮に設置する可能性もある。本来のものができれば、差し替えることになる。

 仮開通は今年中の予定だが、場合によると、春先になる可能性もある。

 

2014年10月14日

続々 博物館工事進行状況 1

Museum しばらく前の画像である。奥行きの2/3ほどが写っている。

 グレイの床は線路の内側で、中に入った人だけが見える空間である。工作教室を開く時には、机などを置くことになる。半径2800 mmの内側なので、かなりの広さである。
 今後の進展で、そこにはナロゥ・ゲージの線路が敷かれるかも知れない。
 薄茶色の部分には線路が通るので、橋脚状の支えの辺りになり、棚などが置かれる。多分その辺りは、誰にも見えなくなるので、いい加減なタイルの張り方である。

 右のほうに見える細い鉄骨の支えは、この店舗の倉庫から出てきたもので、何かはわからない。上下逆にして置いてみて、高さ調節用ネジを無理やりつけている。他の部分との高さを合わせるのはなかなか難しいと、予測する。というのはコンクリート面に直付けであれば、荷重が掛かっても高さは安定しているからだ。しかし、やわらかいカーペットの上では、上に線路を載せてから、トランシットで高さを確認しなければならないし、経年変化もあるだろうことは覚悟している。
 通路幅は1 m以上確保して、車椅子が通れるようにしてある。筆者の座高で、視点がちょうど地面の高さである。機関車を仰ぎ見る形になる。所々に簡単なスロープを置いて、10 cm程度持ち上げる工夫をしたい。
 この車椅子は、伊藤剛氏の特製ブレーキが付いている。どちらに倒しても作動する優れものである。

 奥の扉は非常扉である。普段は鍵を掛けている。その右は洗面所で、高級なトイレットを付けた。扉の色は例の指定色である。この写真を土屋氏に見せたところ、
「うん、この色だ。これで良い。実にすばらしい。すっきりしていて、高級感がある。」と満足そうであった。

 一番奥には剛氏の蔵書、工具、材料などを仮に置いている。線路工事の時に邪魔にならない場所は、ここしかない。

 左の背の低い棚の上には、ぐるりと廻って来た勾配線が通る。向かって左側の通路側は本棚になり、内側は物入れとなる予定だ。色を塗っている最中に撮った。地袋の中は緑色である。
 UPのキャブ内の色に近い色であるが、別に凝ったわけでもない。余っていた塗料を塗っただけである。

2014年10月12日

続 博物館工事進行状況 1

 ようやくコンピュータが復帰した。専門家の解析によると、内部の時計用の電池の容量不足によるものだそうだ。先日当地には大雨が降り、落雷その他でしばらく停電した。その間に電池が放電し、日付がリセットされたのが原因とのことである。電池がたまたまハズレだった可能性もあるとのことである。 
 あちこちが壊れて、修復がまだ完全ではない。ファイルは壊れていないがどこにあるかわからないものもあって、写真等が載せられない。

 さて、博物館は入れ物が一応完成し、什器を所定の場所に配置した。たくさんあるガラス棚をすべてばらしてガラスを洗い、再組み立てするのはかなりの重労働であった。ほとんどが奥行き 450 mmであるが、その深さでは入らないところもある。壁を有効利用したいので、奥行き 220 mmのものを手作りするつもりである。ガラスはあるので、作るのは難しくはない。

 鉄骨製のレイアウト支持柱が納品されるのを待っている状態である。その後の熔接の準備も整った。火花で火事を出すといけないので、養生シートの手配もした。

 レイアウトの工事に先立ち、運び込まれている伊藤剛氏の作品群を整理をしている。一部はガラス棚に収容し始めた。書籍は棚が完成するまで箱詰めの状態であるが、一部は中を開けて覗いてみた。
 一番古い雑誌は昭和5年の「科学と模型」である。この時期の雑誌は紙の質が良くて触っても問題がないが、昭和12年以降は触ると壊れそうな状態である。
 戦後すぐの物は、開くと粉になりそうな感じであって、早くデジタル化する必要がある。

 模型は戦前のものは良いのだが、昭和20年代のものは塗料が傷んでいて、触ると粉が手に付くようなものもある。塗り替えたいが、それでは意味がなくなるので、埃を払ってタッチアップする程度であろう。部品が欠落しているものは作って嵌めねばならない。
 
 
 

2014年09月03日

Mike のレイアウト

 Mike Rossは日本の蒸気機関車に非常に詳しい医師である。若い時に横須賀の海軍病院に居た。日本全国をカメラを持って歩いた。数千コマのネガを保管しているそうだ。

Mike Ross 6Mike Ross 4 このレイアウトを訪ねるのも2年振りだ。以前は遅々として進まなかったが、このところ急速に進んでいるように感じる。聞けば、常勤だった病院を退職して週に2回程度行っているだけで、残りの日々はレイアウト建設に邁進していると言う。

Mike Ross 7Mike Ross 山に緑が増えてきた。このレイアウトはNorth Carolina州のBlue Ridgeを題材としている。アパラシァ山脈を縫って走る炭鉱鉄道という前提である。走る鉄道はVirginian と C&O, Norfork & Westernが主である。Mikeは少年期をそこで過ごしたらしい。  


Mike Ross 3 配線は台枠の下に孔を開けて通してある。全てのレイルに給電し、レイル・ジョイナは機械的なアラインメントのみで、通電を期待していない。

 台枠は太い2x4である。

Mike Ross 2 とても広い部屋で、母屋の2階を全て占有している。線路は優雅に曲線を描き、美しい。

2014年09月01日

Dennis のレイアウト

Dennis' Hobby Room Dennisのレイアウトは庭の小屋の中にある。小屋とはいっても、熱絶縁のされた空調の効いた部屋である。10 m × 8 m 程度の大きさであって、アメリカの基準で言えば、大きな方には入らない。
 入口にはデッキを作り、夕方ここで飲むビールは格別である。

Dennis' Layout 全ての車輪がLow-Dに取り換えられ、曲線での抵抗がかなり減少した。デニスは最近GG-1に凝っている。あらゆるボディを買い集め、寸法を測定している。人間の目は1 cm 程度の長さの誤差には気が付かない。筆者用にもひとつ用意されていたので、受け取ってきた。彼はパンタグラフ部品までロストワックス鋳造する。
 奥の壁には色々な鉄道用品や部品がぶら下がっている。細長い黒いものは、筆者が持参した某軽便電鉄のパンタグラフの擦り板である。妙に気に入ったらしく、壁に掛けてあった。

 地震の無い地方はうらやましい。壁に付けた棚に、無造作に飾ってある。これで落ちないのだ。

Dennis' Layout 3 2枚目の反対側、すなわち入口に近い部分の壁が写っている。2層になっていて、下が隠しヤードである。ある機関車が天井を擦るらしく、全体を1/4インチ(約 6 mm)下げたとのことである。


Dennis' Layout 2 このスイッチはエアコンの機能切替スウィッチである。手が届かないので、外して線を延長した。温度調節は、銀色の棒を使う。ユニヴァーサルジョイントが付いていて、つまみを遠くから廻すことができる。この種の工夫はDennisの最も得意とするところである。 
 遠くのポイントはワイヤで動かしている。 


2014年08月26日

近所のHOレイアウト

Layout Room above garage 近所のHOレイアウトを見学に行った。ここへは何度か来ている。

 車庫を増築するとき、思い切って二階を付け足したのだ。裏の外階段でしか行けない造りだが、ご本人は大満足だ。非常に普遍的な構成のレイアウトである。
 フレクシブル・トラックを張り巡らし、シノハラのポイントをつないだもので、Walthersのカタログを見れば、大半のものは揃う。

HO layoutHO layout 2HO layout 3 彼はDennis の空軍時代の友人で、イリノイ州出身だ。居間に大きな生家の航空写真がある。「アメリカの地面が全て赤褐色だと思ったら大間違いだよ。」と言う。緑一面の草原の中にその農家があった。
 父親が亡くなった時売却して、今は半分くらい取り壊されたそうだ。テキサスの航空基地に勤務したので、ここに住み着いたという。以前はOkinawa にも居たことがあるそうだ。

 レイアウトルームの上空には1/48サイズの空軍機がたくさん吊り下げてある。同じ縮尺なので大きさの対比ができて面白い。一番のお気に入りはKyushu Shinden(震電)である。「あの時代にこんな飛行機を作るなんてすごい。2年早く出来ていたら、日本を占領するのは危うかったな。」と言う。

HO layout 4 西部の有名な地形を模した名所巡りのような鉄道だが、運転はなかなか面白い。隠しヤードがあって、いろいろな列車を牽き出して運転できる。運転本位のかなり気楽に作られたレイアウトである。このようなレイアウトが日本にたくさんあるとは、とても思えない。彼自身、Dennisのような非常に深いところまで掘り下げるタイプの鉄道マニアではないので、気楽に楽しんでいるのだ。

HO engines 機関車は90%以上がプラスティック製である。ブラス製はケースに入れて大切にしまってある。
 
 


2014年08月22日

Dennis の Turntable

Dennis' turntable close upDennis' turntable 2年のうちにDennisのレイアウトはかなり進捗した。線路がかなり増えていたし、細かい部分が進化していた。

 ターンテイブルは昔から変わらない。確実に動くので大したものである。インデックスはピンの上下による。所定の位置のピンをソレノイド・コイルで持ち上げる。回転する橋の下には斜面が設けてあり、ピンを押し下げながら廻り、所定の位置に来るとピンがバネでパチンと嵌り込む。実に確実な方法である。工作の簡単な下からの作動であるが、側面からでも構わない。

Turntable indexing このソレノイドはダラスにある電気部品アウトレットで買ったものである。そこは秋葉原のその種の店を巨大化したものと考えて良く、200坪ほどの店舗にモータ、コイル、制御部品、コンピュータ部品がどっさり並んでいる。
 写真が見つからないのが残念だが、面白い場所だ。


Turntable mechanism 駆動部品はその店で買ったギヤ付きモータである。ベルトはテンショナで張りを保っている。ベルトによる駆動なので、動作はややぐわぐわする感じが否めない。
 このターンテイブルの橋はアルミ鋳物で、誰かから貰ったものだそうだ。とても重い。10 kgはある。慣性モーメントが大きいというところがこの駆動方式の弱点を大きく見せている。もし軽ければ、動きは滑らかであろう。また、プーリィの径が大きければ、ぐわぐわ感はかなり減少するものと思われる。

 博物館に建設するターンテイブルはバックラッシュが無く、剛性のある駆動方式にするつもりだ。


2014年07月14日

バックラッシを無くす方法

canceling backlash 質問があったので、予定を変更してbacklash(ガタ)を無くす方法について紹介する。
 
 歯車にはガタが付けてある。このガタが無いと動かない。ガタを無くす方法は昔からいくつか知られている。ウォームギヤは、理論上はガタが無くても動くことになっている。自動車のステアリングにウォームギヤを使うことが多いのは、そのためである。

 旋盤の刃物台のネジにはガタを無くす工夫がある。雄ネジに嵌まっているもう一つの雌ネジを設けて、その間隔を別のネジで調節する。締め過ぎると調子が悪い。油膜で浮いている程度に調整するのだ。

 歯車の場合は二重にして、それぞれの歯車にバネあるいはネジでトルクを掛ける。これも強く掛け過ぎると動かなくなる。歯車はネジと異なり、加工精度の問題で、ネジによる予圧は困難だ。負荷に負けない程度のバネ圧で押し付けるのが良いだろう。
 
 この絵は少々贅沢に歯車を使っている。同じ歯車がたくさんあったので、設計が楽な配置にした。ピニオンを大歯車に押し付ける構造にすると、歯車が2枚節約できる。

 バネはリン青銅線のちょうど良いのがあったので、それを使うことにした。効率を考えなくても良いところなので、かなり良い加減の工作でも良い。力が掛かるので、歯車軸にはボールベアリングを二つずつ入れる。

 組み付けるときに、バネに負荷を掛けた状態で収めれば良い。難しい工作ではない。中学生の時に、父が描いてくれた絵が非常に印象的だったので、それをいつか応用したいと思っていた。

 トヨタのDOHCエンジンのカムシャフトにこのメカニズムが使われているそうで、その絵を見た時、少々驚いた。これと同じバネによる予圧が掛けてある。

2014年07月12日

続 転車台

 現在製作中のものは35mmステンレスシャフトの下に300枚歯の特大平歯車を付けてある。それを駆動するピニオンのガタが許せないので、バックラッシを消す工夫(トヨタのエンジンのDOHC駆動メカニズムに似ている)を付けるつもりで図面も描いてある。本当はそれを使って、
16348分割のロータリィ・エンコーダで位相検出をするはずであった。いくつかの特殊部品は友人に貰ったものである。

 ところが、DCCのレイアウトをいくつか見るうちに、自動停止とか、目的のところまでの自動運転に興味が失せてしまって、そのまま何年も放置してある。

 現在の目標は、目的の位置まで行ったら、レイルの内側にぴったり嵌る板をキィとしてロックすることである。前後の板が出入りするようにする。バネで保持すると、目的地に近づいたときに少し出せば、パチンとロックされる。クラッチ付き動力で弱く結合しないと、めりめりと壊れそうである。
 その板は絶縁材料で作らないと短絡してしまう。エポキシ基盤の銅を一部剥がしたものを使う予定である。

 先日のレイアウト・ツアで同行のK氏が、アメリカでのターンテイブルの作り方を話された。ヘッドホン・ジャックを使う話である。これはMRなどでは何回も紹介されている話であるが、日本では知っている人は少ない。回転しても導通は保たれるし、接点も自然に3本付いているから便利だ。

 さて、次に作る転車台はどのような構造にするか、全く決めかねている。出来れば、イコライズしてある4輪台車2組を再現したい。しかも本物のようにそのうちの一部を駆動輪としたいのだが、実際には無理だろうと思う。摩擦がとても足らない。
 実物は橋自身の重さで撓んで接触が保たれるが、模型では剛性が強過ぎる。思い切って折れる構造にするという手もある。


2014年07月10日

転車台

 蒸気機関車を主題とするレイアウトにはTurntableが不可欠だ。先日見せて戴いたレイアウトにも転車台があり、それがエンコーダの働きで、自動で所定位置に止まる。

 しかし、回転の向きを替えると不調で、リセットしてやらないとうまく行かないのだそうだ。アメリカ製のも時々そういうことがあるようで、今のところ購入していない。

 DCCでコントロールすると、自動停止は意味がなくなるように感じる。前にも書いたが、DCCを採用して模型の運転感覚が大きく変化した。以前はパワーパックで動かしている、すなわち操縦者はパワーパックに向かって立っている筆者自身であった。
 DCCの場合、不思議な感覚になる。電源を入れて、機関車の番号を打ち込んだ瞬間、筆者は1/48になって、模型機関車の運転台に吸い込まれる
 この話をすると、「そんなバカな。」と仰る方もいるし、「僕もそう思っていた。」と仰る方もいる。前方を見て車輌がいないことを確認する。

 ターンテイブルも同じで、起動すると、その運転台に入っているような気がする。レイルのアラインメントを確認して停止させ、機関車を牽き出す。自動だと面白くない。あくまでも主体は運転者なのだ。

 筆者のターンテイブルの主軸は35mm径である。太すぎると言う人は多いが、太いに越したことはない。ボールベアリングのラジアル軸受で支えている。太くないと、裏面から駆動されたとき、軸が捩られ気持ちの悪い動きをする。剛性が大切なのだ。

 

 

2014年07月08日

レイアウトの高さ

 先日、ある素晴らしいレイアウトを拝見させて戴いたので、その話がしたい。Oスケールではなく、1/80である。全てhand-laidの線路である。全ブラス製の扇形庫、給炭クレーン、照明燈など、うっとりする出来のレイアウトだ。

 しかしご本人は不満足で、取り壊して作り替えることになった。その最後のチャンスで、見せて戴けることになった。現状は線路高さが 900 mm である。

 新レイアウトの線路面は1200 mmになるそうだ。非常に喜ばしい。それから勾配を上がって、最高標高は1500 mm 近くになり、下ると1000 mm強になるようだ。

 現状では上から見下ろす形であり、ストラクチュアの中まで見えないのがご不満ということだ。駅の中にはベンチがあり、乗客が待っている。時刻表も張ってあるのだが、それが見えないのだ。
 また、現状では遠くで機関車が立ち往生すると、台枠の下を潜って行かねばならないのが面倒である。歳をとるとますます面倒になる。
 
 高さを上げて、くぐり易くするのだそうだ。中に入れば、その全周がレイアウトである。ウォーク・アラウンドでもあるし、椅子に座れば目の高さである。

 日本のレイアウトの高さの標準が1200 mmになる日は近いと確信する。

2014年07月06日

N氏のOゲージ・レイアウト

N氏のレイアウト 筆者のところに注文のあったポイントは、現地に運ばれ、取り付けられた。ポイントマシンはネジ式の既製品を用いたが、補助接点に問題があり、作動によって極性が切り替わらず、調整に手間取った。
 熟練した仲間がそれを修理し、確実に動くようにした。補助接点は外部のマイクロスウィッチによる方が確実だ。

ポイントマシンとリンク機構 一箇所のポイントマシンは設置場所が無く、ポイントの股の部分に置いた。長いリンクで駆動するようにした。ラジコン用のベルクランクを用い、回転に伴うバーサインを吸収するよう、もう一つのリンクもある。かなり高級な仕様だ。


 本線走行中に間違って側線の車輌が動かないように、ポイントマシンに連動するマイクロスウィッチでインターロッキングを掛ける。その配線をしながら、DC方式の配線はつくづく難しいと感じた。DCCなら何も考える必要はない。配線も極めて少なくなる。 

レイルボンド レイルボンドの取り付け状況である。1.25平方ミリの撚り線を作り、ハンダ付けしてある。
 小さなレイアウトなので電圧降下は少ない。

 

 


 

 

2014年07月04日

続 壁を作る

drywall completed 壁ができた様子をお見せする。中央部は 1 m へこませている。家主のご厚意で、線路を延長することができた。既にできている線路(半径2900 mm、2800 mmの複線)を敷くので、ホンの1 mなのであるが設計の自由度が増してありがたかった。

 入口を入ってすぐのスペイスが広く取れ、具合が良い。車いすによる観覧が可能なようにした。一部通行困難なところがあるが、それは順路の終端であって、Uターンして帰って来られる様になっている。

 電球色のLEDが38本付いている。電燈の数を増やそうと思っていたところ、建築士は十分だという意見だった。というのは、普通のレイアウトより、線路面が高いので、照度が大きくなるからである。とりあえずこのまま行こうと思う。

 最近は工事の業者が頻繁に出入りして作業を行っているので、ご近所ではかなりの評判だ。18年間閉まっていた店が開いて、何か出来るというので、入れ替わり、立ち替わり、見に来る。コンビニ開業かと思った人も多いのだが、それにしては広すぎるし、駐車場が少なすぎる。
 電球色の照明が珍しいらしい。

 電話の工事に来た若い作業員が、Nゲージをやっているらしい。彼が言うには、
「既に行き詰まっているので、新天地を求めて大型模型に移行したいと思っていた。これは良いチャンスなので、毎週来たいと思う。」
 早速賛助会員が一人見つかった。若い人なので期待したい。
 

 

 

2014年07月02日

壁を作る

 伊藤剛氏の死去で動転して、書いてあった原稿がどこかに行ってしまい、書き直した。

drywall この店舗は70年代に作られた鉄骨コンクリート造りである。裏の一部を家主が倉庫として使うので、壁を作る必要があった。同時に新しい洗面所も作らねばない。drywall(内壁)を作るのに2x4を考えていたら、工務店が金属で作るべきだと提案した。防犯性も格段に増す。しかも平面の壁ではないので、剛性が高い。
 石膏ボードだけでは簡単に打ち抜けるので、複合材料を用い、斧でも打ち破れない構造にした。窓には強固な鉄格子を付け、泥棒には入れないようにした。ドアも防犯性の高い物を用いている。また、大切な模型を収蔵するのであるから、防犯装置は確実なものを設置する。

drywallerpower hammer 骨組みを作るときに、施工業者が持ってきた工具を見て驚いた。20年ほど前、アメリカの科学雑誌に載っていた新製品が実用化されていたのだ。
 コンクリートの床に鉄骨を留めるのに、昔は鋲打ち銃を用いた。35口径くらいのカートリッジを用い、鋼製釘を打ち込むのだ。火薬を使うので、所持、保管には公安委員会の許可が必要であった。
 今回見たのはこのブランドで、燃料ガスを使い、電気点火する。火薬より静かで、臭いもほとんどない。 ただし狭い部屋で大量に使うと、一酸化炭素中毒になるだろう。マキタも扱っている。

 Ramsetは便利な道具で、アメリカではどこのホームセンターでも売っている。銃の形はしておらず、巨大なセンターポンチのような形をしている。使ったことがあるが、さすがに日本に持ち込むと面倒なことが起こりそうである。その点、このガス方式は所持許可も要らず、便利である。

 

注: drywall とは煉瓦積みやコンクリート造りのような水を使う壁ではなく、石膏ボードを主体とした乾式工法による壁のことである。作業者をdrywallerと呼ぶ。


2014年06月14日

続 鉄道模型博物館

 ほとんどの方は、Oゲージ車輌が眼の高さで走るのをご覧になったことがないと思う。慣性のある走りをする模型を観察されたことも、稀であろう。30年近く前、合葉博治氏が御覧になって、唸ったのを思い出す。


 この博物館には15パーミルの勾配があるから、それを乗り越えて走る様子をご覧になると、きっと感動されると思う。押して動く機関車の挙動は、実に実感的である。カーヴにはカントが付いている。見上げれば、それは実物のようである。

 博物館を開く目的はもう一つある。若い人たちへの勧誘である。Oゲージに魅力を感じれば、きっと参入者が現れるはずだ。20代の人たちが何人か、仲間に入ってくれれば嬉しい。材料を提供するのでそれを組んで貰う。テクニックは公開するし、機材も貸して差し上げれば、敷居も低くなるはずだ。

 車輌は最初、300輌程度で始めたい。ヤードの延長工事が完成すればもっと多くの車輌を移転させる。エンドレスは一巡りが80 m 以上あるので、100輌牽いても不自然ではない。

 外部の車輌は車検を通過したものだけ受け容れるが、おそらくこのような長距離を重負荷で走らせると、不具合を生じる場合が多いと思う。ほとんどの模型は連続運転を前提にしていないからだ。祖父江氏による改造車輌は、耐久性が抜群である。全ての車軸がボールベアリングで受けてあることが大きく効いている。
 また、どの軸もバネ付きであるから音も軽やかだ。
 

2014年06月12日

鉄道模型博物館

 その友人は筆者より一廻り強、年上である。かねてより健康上の懸念があり、「万一の時は頼む。」とは言われていた。かなりのコレクションをお持ちで、その全てが祖父江氏による改造を受けていて、抜群の走行性能を誇る。
 「絶対に散逸させない。」という目的を持って、お引き受けすることになった。この話をすると、身を乗り出してくる人が多い。それだけ、皆さんも先行きが不安なのだ。

 あちらこちらの著名人が亡くなると、そのコレクションを目当てに模型仲間が群がり、故人の哲学を無視して車輌が散逸する。それをどうしても防ぎたい。収納し、陳列するべき場所を探すのは、かなり苦労した。偶然にもこの場所を借りることができたのは、本当に運が良かった。下手をすると、この建物は壊されて更地になるところであった。いずれ買い取って法人化する。そうすれば遺産相続とは無縁になる。

 この話が具体化したとき、息子たちを呼んで計画を話した。
「うちのコレクションも大半はそちらに行く。自宅には少数しか置かない。」
息子たちは、
「それは素晴らしい計画だ。僕たちも助かる。どうやって捨てようかと思っていたからね。」
と茶化したが、多分、それは本音だろう。

 線路は、吉岡氏が設計し、筆者や故魚田真一郎氏、話題の友人らで発注した木製組立レイアウトである。半径 2800、2900 mm の複線が2セット、直線が150本揃った。また、ヤード構成用の分岐はすでに必要数、作ってある。曲線には緩和曲線が付けられ、bus wireも裏側に付いている。饋電線の断面積が大きいので、大レイアウトでも電圧降下は無視できるはずである。 レイアウトの台枠を作れば、殆ど完成である。

 間もなく間仕切り(先回の画像に処理した部分)の工事が始まり、トイレと非常口が付く。大型の本棚は、既存の陳列棚を塗り替えて転用する。古い鉄道雑誌、模型雑誌が全て揃う予定である。 

2014年06月10日

新レイアウト

 この春から、新プロジェクトに取掛かっている。田舎のシャッター商店街にある空き店舗を利用して博物館を作るのだ。30年来の友人の依頼で、それを始めた。

 新しいレイアウトは約60坪の大きさだ。日本最大級の O scale layout であろう。比較的大きな商店の跡に作る。この店は18年前に廃業してそのままになっていた。それを借り受けることで、町興しの一環になれば良いと判断した。店ごとに各スケールのレイアウトができると面白いだろう。
 鉄骨発泡コンクリート製の建物で、断熱はすこぶる良い。以前は10馬力のエアコンが付いていたが、真夏でも半分以下しか作動しなかったという。博物館であるから負荷が小さく、なおかつ高効率の機械であるから、4馬力で十分だろうということになった。

Museum 中の陳列棚、商品の残骸等を捨て、この形にするのに2カ月掛かった。捨てた陳列棚のクズ鉄だけでも2トン半あった。ご近所の空き店舗にも同様のものがあるらしく、作業を見ていて話しかける人もあった。
「うちのも捨てて欲しいんだが、いくらで請け負うか?」
 丁寧にお断りしたが、体力のある方はそれを請け負うと、良い商売になると思う。この通りだけで20軒ほどの空き店舗がある。
 
 ガラスケースが8本ある。それだけでもかなり助かる。商品陳列棚のうち、特注らしい天井までの4本は残し、本棚とする。130 cmの高さの木製棚は築提部分の支えにする。下は陳列棚になるから都合が良い。

 照明はLED化した。これだけで発熱量が半分以下になる。紫外線がほとんど出ないので、汽車のためにも良い。照明は電球色とした。人間の眼はよく出来ていて、その下で見ても、正しい色に見えるから大したものだ。



 


2014年06月08日

benchwork

 我が国のレイアウトのベンチワーク(台枠)は殆どの場合、堅固だ。たぶん過剰品質であろう。と言う筆者自身の地下室レイアウトの頑丈さは、どうかしていると自分でも思う。路盤が57mmもある。家を建てた時の材料がたくさん余ったので、それを使った。
 全て壁からの片持ちであり、コンクリート壁に接着剤とアンカーボルトで留めてある。その工法もかなりやり過ぎである。

 さて、アメリカのレイアウトは意外に軽量である。垂直荷重だけしか考えない。足の位置を合理的に考えていて、スパンを短くし、撓みを少なくする工夫がある。

 新レイアウトの台枠の設計をした。なるべく簡単に組めるということが大切である。そのためにはモヂュール化するべきであるということになった。過去の事例を調べると、モヂュールの四隅に脚がある場合が多いが、中央部が撓み易い。吊り橋のように足を1:2:1の位置に置けば、スパンは半分だ。
 脚は垂直荷重に耐えることだけを考え、ブレイスを入れてふらつきを抑える。高さは 1200 mm である。立体交差部分は 1350 mm になる。

benchworkbench work 3 パイロット・モデルを作ってみた。簡単な工作である。12 mm 合板をまだ留めていないが、載せただけで十分な強度があった。インパクト・ドライヴァがあるので、仕事は早い。
 これを30台ほど作り、曲線部は中間に台形を8箇所入れて16角形にする。その寸法は計算せねばならない。  

benchwork 組立て済みのモヂュールを載せて見た。ヤードの一部である。もう殆どのポイントは完成している。





<追記> 工法の変更により、この木製の足は不採用となったが、高さを示す見本として、多くの方から御意見を戴く良いきっかけとなった。
 
 



2014年04月07日

続 O Scale Layout

 今回作成中のレイアウトは半径が1700 mm程度であって、電車の運転を主に考えている。長大編成の走行は考えていない。ポイントは6.7番である。曲線上のポイントは10.8番となる。幾何的に算出した。

 筆者は今まで多種のポイントを作ってきたので、今回は指名されて作ることになった。枕木はフレクシブル・トラックの寸法を採り、3 mm の木の板から切り出す。小型丸鋸で簡単に用意できる。

 このレイアウトは個人用ではあるが、一般の人にも開放するので、単純にして明解な配置である。凝った工作はしない。フログも旧型車輪が通ることを考慮して、非対称フログは採用しない。


 
 今秋開場予定のレイアウトは、筆者宅のレイアウトと同様、半径約3 mの複線で、ホース・シュウ・カーヴを作る予定である。その部分は四線となる。いわゆるドッグボーンを二つに折ったタイプのレイアウトである。側線は8本用意している。
 ポイントは8番を用いる。ダブルスリップはすでに製作済みなのでそれも入れる。いわゆるディスプレイ・レイアウトであって、シーナリィは最小限である。

 3月中に方針が決まるはずであったが、消費税の税率増大で工務店などの請負業務が全く契約できず、5月にならないと話が出来ない状態である。

2014年04月06日

O Scale Layout

O Scale Roadbed 今、日本にOゲージのレイアウトはいくつあるだろう。筆者はそのほとんどを知っている。関東には3箇所、名古屋圏には2箇所、関西には3箇所であろう。都市部では大きな面積を必要とするOスケールのレイアウトは設置困難である。その点、名古屋圏は田舎で、少し離れれば土地は極めて安い。
 上記のレイアウトは公開されていないものを含む。

 今年になって、名古屋圏には新しいOゲージのレイアウトがさらに2つ建設中である。どちらもそう大きくはなく、14畳程度である。その一つは今、筆者が分岐を作って差し上げている。コンピュータを使ってレーザで切り抜いた。図面通りにできているから、作った部品を嵌め込んですぐ出来るはずだ。
 いずれ主催者のN氏から発表があるはずであるが、おそらく名古屋で一番古い模型人である。伊藤剛氏と親友で、名古屋模型鉄道クラブの発足時からの会員である。当初はN氏のご自宅で例会を開いたそうであるから、65年振りの回帰ということになる。 ご子息のお二人も会員で、このレイアウトで、Oゲージ部会が催されるはずである。

 残りの線路を作って下さっているH会員の別宅にも新しいレイアウトが完成間近だ。H氏は電車専門なので、筆者のような長大編成とは無縁である。HOのレイアウトも同時に作っていらっしゃる。

  Oゲージは絶滅危惧種と先日書いたのではあるが、新しいレイアウトが生まれて、新規の会員が増えれば、再生への道は開ける。

 この秋、もう一つ大きなレイアウトが名古屋圏のはずれに開場する。まだ詳しくは書けないが、60坪の広さがある。筆者がその案を練っている。工作教室もそこで開かれるはずだ。筆者の車輌群が半分ほど移籍することになっている。



2013年10月01日

続 Jimの友人たち

Doug Whetstone's Layout
 Doug は、HOの4-stageレイアウトを作っている。
 ダグの模型スペースはアメリカにしては狭い。8畳くらいだ。隣の部屋がユーティリティ(給湯器などがある部屋)なので、その一部を利用してhelixを設置した。へリックスとは高度を稼ぐための螺旋である。レイアウトが4段なので、上下をつなぐ回廊である。

Doug Whetstone's Layout helix
 なかなか壮観である。勾配を一定にしないと、列車が登りきれない惧れがあるので、それだけは注意したと言う。30両位の貨物列車が走ることを想定している。
 この種の構築物は日本ではまだ稀である。スぺイスの節約と言う点では貢献する。合板を継ぎ目を互い違いにして2枚張りにしているところがミソである。こうしないと、螺旋の勾配が不均一になる。

Doug Whetstone's Layout swinging bridge
 橋は可動である。電気接点も付けて、安全装置を付けるとのことである。歳を取って来たので、楽に通れるように可動橋にしたのだ。

 このレイアウトの高さはアメリカの平均値から言うと、低い。このレイアウトの最高地点が最低地点であるようなレイアウトがいくらでもある。

2013年09月29日

Jimの友人たち

 ジムが、「今日の昼飯は汽車の仲間と喰うことになっている。お前も来るか?」と言う。こういう時の答えは決まっている。
 ”By all means!” (ぜひとも!)

 セント・ジョージの新しい街の中心部にあるレストランに行った。集まっていたのは70代の模型人7人だ。自己紹介をして昼飯を共にした。3人は退役軍人だった。日本に行っていたそうで、天賞堂、鉄道模型社の話が出た。

Terry Schram's 3-rail layoutTerry Schram's 3-rail layout 2Terry Schram's 3-rail layout 3

 そこで2人からレイアウトに招待された。一つ目はTerry Schramの3線式レイアウトである。地下室にライオネルのコレクションがある。全米でも屈指のコレクションだという。
 建物はporcelain(陶器)のものが多く、珍しい物が50以上あるそうだ。

 クリスマスがテーマになっている。どうしてクリスマスなのかと聞くと、「クリスマスが好きなんだ。いつもクリスマスの気分が味わえるだろう?」と言うことであった。暑いセント・ジョージの地下に、このような別天地があるとはほとんど誰も知らないことだろう。

 近所の小学校の子供がスクールバスで見学に来ると言う。地元では有名なのだそうだ。

2013年09月19日

続々々 Jimを訪ねて 

Jim's layout
 24 mmレンズしか持っていなかったので、あまり広い範囲は写っていないが、様子はお分かりだろう。日本でいくつかのレイアウトを見たが、今まで見た範囲では、天井部分の処理はどなたもされていない。今後はこのような手法が取り入れられるのであろうか。

 このような手法が有効なのはウォーク・アラウンドの場合だけではないはずだ。いずれにせよ、エンドレスを俯瞰するタイプのレイアウトは、すでにアメリカの新作レイアウトでは全く見られなくなった。
 レイアウトのベース高さは54インチ(約137cm)である。日本でも120cmの作例が見られるようになってきた。今後は、高いレイアウトが徐々に浸透していくであろう。
Jim Harper ducking underJim Harper road bed

 高さがあるとその下をくぐることが簡単になる。アメリカ人はかがむことが不得意なので、低い椅子に車輪を付けたものに座ってごろごろと移動する。この路盤は初めて見た。薄い合板で縦方向の力を受け、発泡ポリスチレンでその曲がった合板がバックリング(座屈)を起こすことを防いでいる。軽量化とある程度の剛性確保という、相反する要求をうまく満たす、力学的に巧妙な構造である。

Jim's workshopJim Harper DCC

 線路は廻り込んで工作室に入り込んでいる。この工夫は筆者も取り入れている。試運転に便利である。
 DCCの機材は仮に置いてある程度だ。いずれ、収納場所が決まるであろう。

2013年09月17日

続々 Jim を訪ねて 

Jim Harper tunnelJim Harper 2-8-0Jim Harper depot

 レイアウトを見せて貰った。正直なところこれほど美しいレイアウトは稀だ。背景、地形、ストラクチュアどれをとっても一級である。貨車も素晴らしい出来で文句の付けようがない。

Jim Harper bridgeJim Harper tavernJim Harper turntable

 このあたりは半径1800 mm程度である。実物で86 mである。曲線の内側なのでそれほど違和感を感じないが、接線方向から見るとかなり急である。
 草は、マニラ麻のロ−プの繊維でできている。ほぐして捩り、接着剤で固めて植えるのだ。それに細かいスポンジを付けてある。
 ジーンズの布をほぐして捩ると亀の子たわしを伸ばしたような形になるので、それを固めて散髪し、葉っぱの材料を振り掛けて木にしている。

 Tavern(居酒屋)には明りが燈り、内部からは音が聞こえている。天井の処理は最近のアメリカではやっている手法による。

 現在50%の仕上がりで、残る部分の製作に勤しんでいる。

2013年07月03日

続々 JAM

 Andyは良く覚えていてくれて、「日本ではO gaugerはどの程度いるのだろうね。」と聞いた。
「Standard Gaugeを楽しんでいる人は100人位、Narrow Gaugeも同じくらいいます。でも後者の8割はJapanese Standard Gauge である3’ 6” Gaugeです。」と答えた。
「日本にはOゲージのレイアウトはいくつある?」と聞かれたので、「4つ位でしょう。」と答えた。それ以降増えたのだろうか。

 アンディの講演は素晴らしく、納得の行くものではあったが、観客中のどれくらいがウォーク・アラウンド方式のレイアウトに興味を持ったのだろう。レイアウトの高さの点では、いまだに90 cm台の人が多いと思う。一部屋をレイアウト専用にできなければ、120cmまで持ち上げることができないと考える人が多い。長さ2mほどのセクションであっても、椅子に座ってeye-levelということであれば、運転の楽しみは倍加する。
 DCCを採用すればその長さでも十分な楽しみ方が出来るはずだ。

 つい最近、レイアウトを持ち上げたという記事を拝見した。以前は93 cm だったそうだ。少しずつ持ち上げて支えを入れるという工法を取られた。
 これは既存のレイアウトに対する改良法として非常によい手段であろう。

 ウォーク・アラウンド方式であると、列車について歩くので、ポイントの切り替えも手動でやる場合が多い。尤も、転換テコを線路上で動かすのではなく、壁についているレヴァを動かすのである。色々な意味での意識変革が必要である。

 ウォーク・アラウンドと言いながら膝をつかなければならないレイアウトもあるようだが、それでは面白味が半減する。

2013年07月01日

続 JAM

 第一回のJAMにはModel Railroader誌のAndy Sperandeo氏や
NTRAKのJim FitzGerald氏も来ていた。Andyには1985年のMR掲載時に大変世話になった。Jimには1976年にシカゴで会っている。
 ジムはNTRAKを主宰し、シカゴのNMRAのショウで大々的に発表していた。筆者に話し掛け、「ちょっとこれを見てくれ」と言って、TMSを一冊、鞄から取り出した。
「こんな雑誌が送られてきて、『特集記事を書きたいので、原稿を送ってくれ』と言っているのだよ。」
 その号には、アメリカでNTRAKという組織が動き始めたという記事が載っていた。筆者はたまたまNTRAKに興味があり、ジムから資料を取り寄せていたので、TMSに縮小掲載されたNTRAK magazineの記事には見覚えがあった。

「この雑誌はどの程度の雑誌なのだ?」と聞くので、「一応、a leading magazine(代表的な雑誌)である。」と答えた。さらに、「編集長はどんな奴だ?」と聞くので、正直に答えた。「MRと提携関係にあると言ってました。」
 そこにMRの編集スタッフが通りかかったので呼び止めて、「この雑誌と提携しているのか?」と彼が聞いた。そうしたら、MRは「そんなことはないと思う。」と言った。ジムはプッと噴き出して、「そういうことか。」と言った。
「まあいい、ところでここに何と書いてある?」と聞くので、TMSの記事を抄訳して聞かせた。
「中味は間違いないから、返事を書くことにする。」と言った。 

 その後、ジムには20年以上会っていなかったが、会場で偶然出会い、しかも座った席が隣だった。壇上での主催者の挨拶を聞いたが、その通訳が頼りなかったので通訳して差し上げた。今でも御健在のようだ。
 
 アンディは「低空飛行のヘリコプタから列車を見る」という、walk-around方式のレイアウトを紹介する講演をした。もちろんこれは英語なのでそのまま聞いた。あれから10年以上経ったが、ウォーク・アラウンド方式のレイアウトは日本にいくつ出来たのだろうか。 

2012年11月22日

続々々 Vic's Hobby Supply

812_6128-2812_6129-2812_6130-2 今まで紹介した部分は全体の2/3である。残りの1/3はまだ完成していない。いわゆるHidden
Yardになるのだろう。
 隠しヤードには貴重な車輌などを置いておく。壁向こうの公開部分から列車が進入し、ひと巡りして出て行くが、一般の人はそこにさらなるヤードがあることには気が付かない。昔ある人のレイアウトの隠しヤードを見せてもらった。高価な機関車以外に分厚い鉄板を熔接して作った現金輸送車まであった。鍵がついていて、もちろん中身が詰まっていた。

 ある程度のシーナリィを付けるつもりらしく、青い発泡スチロールを積み上げて加工し、色を付けて黒褐色にしてある。

812_6132-2 公開部分からこの隠しヤード部屋に入るには、この可動橋を通る必要がある。垂直に立っているが、水平になる。根元には接点があり、持ち上がっていると通電しないようになっていることは言うまでもない。


 全ての部分を見せてもらって、これを作っているLeoという人に興味を持った。話を聞くと、もともとエンジニアで工作機械をたくさん持っているそうだ。類稀なるクラフツマンらしいので会ってみたくなった。
 店主である息子も、「あなたとは気が合いそうだ。」と言うので、紹介してもらうことにした。
「行く道は簡単で、この道をずっと10キロくらい行って、右に曲がって左に曲がれば行ける。」と言う。しかし、それでは分かるはずがなく、詳しい住所をメモし、Google EarthでStreet Viewを見せてもらって大体の感じを掴んだ。あとはGPS頼みだ。
 電話して、居ることを確かめて貰って出発した。住居番号が表示されていない茂みの中の家で、先にStreet Viewを見ていなかったら、とても分からなかった。あとで分かったが、住居番号は、通りの反対側に郵便ポストが立てられていて、そこに書いてあった。

2012年11月16日

Vic's Hobby Supply

812_6110-2812_6108-2812_6112-2 個人の邸宅のレイアウトとは異なり、模型店の地下ということを考えるとこの構成は納得がいく。顧客が購入した車輌を走らせるには大きなエンドレスが必要である。しかも見晴らしがよくなければならない。
 あまり精密ではないが、そこそこの出来で、線路の整備が行き届いていなければならない。ポイントなどに手が届きやすくしてあるのが分かる。

812_6111-2812_6118-2812_6119-2 石油タンク、送電線の鉄塔などは全てPlastructの部品から作られている。貨車などはキットを組んだものが多い。非常にうまく作られた作例であって、顧客の製作意欲をそそるものばかりである。
 全体のバランスが取れている。この全体とは車両を含めた話である。車輌はUPが多い。お父さんの好みであったからだ。
 
 二週に一回くらいの割でお客さんを集めて楽しんでいたらしい。最近はあまりそういうことはしていない。

2012年11月14日

Portland OR へ

 Portlandは東の果て、Maine州にもある。以前乗った飛行機が、Portland OR発、Salt Lake City、Cincinnati経由Portland ME行きで面食らったことがある。Oregon州の方は、当然ながら後で出来た町で、名前を決めるときにコインを投げて土地の所有者二人の主張にケリを付けた。Maine 州出身者が勝って自分の出身の町の名を付けたのだそうだ。もう片方が勝っていれば、ペンシルヴェィニア州の地名ボストンが付いたはずだという。(ご指摘感謝)

812_6135-2812_6134-2 シアトルから3時間弱南下するとPortlandである。例の弁護士の友人Larryの招きがあったのだが、運悪く父君が91歳で亡くなって、その葬儀で会えなくなった。せっかく行ったのだから、行くべきところはないか聞いてみるとVic'sという模型屋に行けと言う。素晴らしいレイアウトがあるそうだ。

 どこにあるか分からないので、教えてもらった電話番号に掛け、住所を聞き出しGPSに打ち込んで辿り着いた。かなりの場末で、いったいどこにそんなレイアウトがあるのだというような店であった。店に入ると愛想よく出迎えてくれたが、店は閑散としていて、試運転用の長円レイルしかない。しかもライオネル用だ。

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 すると、「こっちだよ。」と手招きする。暗く細い階段を下りるとそこは別世界であった。店主のお父さんが作ったのだそうだ。非常に大規模で驚いた。長編成の列車がたくさん停まっている。貨車、客車は手際よく作られ、適度なウェザリングがして施してある。手の込んだウェザリングを施した車輌もある。

812_6133-2 この模型屋は、店主のお父さんの趣味が昂じて誰かから受け継いだ模型屋を、その息子がやっているというわけだ。不思議なことにOスケールが多い。完成品が塗装済みで並んでいるが、価格が書いてない。
「非売品だけど、注文を受け付けても良いよ。」と言う。お父さんはスクラッチビルダでカスタムビルダでもある。Larryはたくさん注文しているそうだ。

 UPの客車群があるが、初めて見る車種が多い。手作りにしては手際が良過ぎて、大量生産品ではないかと思うような仕上がりだ。

追記 この模型店は2013年1月を持って閉店した。

2012年09月19日

続 Ron のハイレイル・レイアウト

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 このレイアウトには、あっと驚くギミックが満載である。まず定番のサーカスである。空中オートバイ乗りが動き、ライオンが柵のなかで動く。隣の遊園地では小さい機関車が子供たちを乗せて走り、メリーゴーラウンドが廻る。
 回転遊具がゆったりと動き、大きな振り子の乗り物も実に実感的な速度で動く。

712_5433-2 少々ピンボケで申し訳ないが、ビルの一階の”Trains"という文字の下のおもちゃ屋で、極めて小さい線路の上を玩具の汽車が走る。軌間は1/32インチ(1.6mm)という話だ。しばらく前のMRの記事にあった様な気がする。列車は糸で結ばれていて滑らかに動く。48倍すると77mmゲージである。

712_5432-2 水道工事中で、掘削機が穴を掘っている。極めて滑らかな動きで、本当に油圧で動かしているのかと思ったくらいだ。



712_5419-2712_5430-2 火事の現場で放水中の消防士である。なんと水は本物である。まさかとは思ったが、「ほらっ」と手で遮って見せてくれた。


712_5414-2712_5428-2 地下鉄の駅である。プラットフォームにはエスカレータがあり、それが作動する。どうなっているのかよく分からなかったが人形は直立して動く。

 RonのレイアウトはYoutubeの動画の一部で見られる。

2012年09月17日

Ron のハイレイル・レイアウト 

712_5399-2 紹介されたレイアウト・ツアは、あまりにも遠いものが多く、近くではこのレイアウトを勧められた。
「あなたはOスケールだろうが、たまにはこういうものも見てはどうか。素晴らしいよ。」と勧められたので出掛けた。車で片道20分の住宅地にある。地下に入るとそこは別天地であった。

712_5400-2712_5402-2 一言で言うと美しいレイアウトである。あれもこれも詰め込んであるのだが、それぞれが主張しているものが全体として調和している珍しいハイレイル・レイアウトである。ハイレイルHigh-Railとは、背の高いレイルすなわち、3線式の玩具的な鉄道模型、たとえばライオネルに象徴されるようなものである。車輌も小さくして急曲線を無理に廻せる様にしてある。ここはかなりスケール車輌が多い。
 今までに見てきたハイレイル・レイアウトは、正直なところ、うんざりするものが多かった。色々なものを詰め込み過ぎて破綻しているのだ。玩具箱をぶちまけたようなレイアウトが大半だった。
 これは違う。あちこちに見せ場があり、建設者の感性あふれる工夫があった。

712_5408-2712_5407-2712_5412-2 青いシャツの人がオウナァのRonである。日本から来た客は初めてだと歓迎してくれた。見どころを順に説明してくれた。

712_5434-2 線路配置は比較的ゆったりと作ってある。普通のハイレイルはこれでもかと線路を敷きつめてしまうものだ。

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