レイアウト

2016年04月10日

続 客車ヤード

 複線の本線と客車ヤードの間には、隠しヤードに下って行く線路がある。

UP and DOWN 本線は1.56%の登り勾配で、隠しヤードは1.9%の下り勾配だ。 片方は持ち上がり、他方は潜っていく。この二つが並んでいるから、地下鉄のようだ。

 その下り線の路盤を切るには、例によって型紙を作り、それを写し取って切るのだ。おマヌケなことに裏表間違えて作ってしまい、再度ばらして作り直した。単純な曲線ではなく、緩和曲線がついているので、逆にすると嵌まらない。 

 本線ではないとは言え、平面でないと困るので、継ぎ目をベルト・サンダで研いだ。裏の足の高さも念入りにチェックし、置いてみた。どこに力を入れてもバタつかないことを確かめる。 観客から見えにくいところではあるが、手を抜かないようにした。

 ヤードの線路はすべて色を揃えて、ある程度見栄えがするようにしたが、客車を置いたら何も見えなくなる。
 このようなヤードはDCCである。そうすると、止まっているプルマンの個別照明を点滅して遊ぶことができる。 

 下りの路盤高さは途中で5 mmの段差がある。その低いほうには5 mmのゴム板を敷くのだ。登ってくるとき、極めて静かになるはずである。 

2016年04月08日

客車ヤード

 客車ヤードの路盤を作り始めた。薄い12 mm の合板を、現物合わせで切らねばならない。継ぎ目を少なくしたいので、3x6板から切り出す。寸法を測って作図しても、なかなか合うものではないので、現場で型紙を作ってそれを写し取った。

cutting pattern この場所はもともと文房具店だったので、倉庫に売れ残った和紙がたくさんあった。ずいぶん古く、シミがあったりして、商品にはならない。それを貼り足して、原寸大の型紙を作った。和紙というものは、しなやかで使いやすいものであるということを再認識した。
 合板に当てて、フェルトペンで外形を写した。それをレシプロ・ソウで切り抜く。はみ出した分は、別の板を当ててつなぎ、切り落とす。

passenger car yard 2 できた板を現場に置いてみた。当然ながら、ぴったり収まる。曲線分岐を置いてみて、不合理な曲がり方をしていないか、確認した。多少の修正は必要だろうが、まず合格だ。エポキシ基盤へのハンダを緩めるだけで、曲率の修正ができるのは楽だ。
 路盤高が30 mm になるので、裏に18 mmのディスタンス・ピースを貼り付ける。縁取りは5.5 mmのシナ・べニアである。

passenger car yard 3 直線の先の部分も、先ほどの切れ端を再利用して、廃棄物を減らす。細かい切れ端を利用して、合板を裏でつなぐ。裏には18 mm も余裕があるので、作業は気楽である。


 完成すれば、プルマン客車10〜12輌編成が5本収容されるヤードとなる。本当は16輌編成を置きたかったが、無理せず2分割することにした。 

2016年04月02日

escape track

 日本語では機廻り線、機廻し線などと呼ばれる。終着駅などに到着した列車から機関車を外して回送する線路のことだ。アメリカには少ない。push-pull train が多いからだ。 

freight car yard 第三期工事の貨車ヤードにそれを付ける。その分岐を作って位置を確かめた。分岐は2台ずつつないで作ってある。Y分岐のところは3台が1組だ。その根元にもう一つ#8の分岐を作って置いてみた。大体の位置関係は合格だ。途中に転車台を置くか、デルタ線にするかで悩んでいる。転車台のほうが簡単なようにも思える。
 

114_4592 第二期工事の客車ヤードの曲線ポイントを手探りで作っている。少し曲げては置いて確かめ、線形が不自然にならないようにしている。
 この部分は用地が狭く、♯10分岐を使わないと、幅がすぐはみ出してしまう。左向きの分岐をだましながら曲げて右向きにしてしまう。枕木を外せばこれは容易だ。尖端レイルの反りを調節する必要がある。

building double slip 最初の分岐は double slip なので、それを作らないと進めない。原寸大に作図して、その上で組み始めた。これは♯10である。当然フログ部は可動にしないと脱線しやすい
 

2016年03月25日

yard 線路敷設完了 

Yard Ladder completed 3週間以上かかったが、ようやく第1ヤードが完成した。と言っても、まだポイントマシンやDCCのデコーダも付けねばならない。レーザによるアラインメントがなければ、このようにうまくはいかなかっただろう。長期にわたって、機材を貸してくれたO氏に感謝する。すべてのポイントを直線側にして、貨車を一押しすると、するすると転がって本線に出る。何もしなければ静止しているので、平面性は合格だ。Yard Tower 信号所の中に3人入れた。
 Superintendent(支配人)、Inspector(検査官)とOperatorである。コントロール・ボードも置いた。実はここでやりたいことがある。この操作盤の上に、ちいさなLEDで指示らしきものを出させるのである。本当に線路の状態を反映する必要もない。ただ、ちかちかと変化すると面白いと思うからだ。完成までにまだ時間が掛かると思うが、いつかはやりたい。

114_4574 反対側から見てみよう。大した規模ではないが、一応40 ft車が100輌弱収容できる。おそらくこのヤードは機関車付きの短い列車が待機する場所になる。電源はDCC onlyの区域である。待機している機関車からは様々な音が聞こえ、列車の照明も点くようになる。DCCの醍醐味を味わうことができる。
 転車台への進入路、退出路もできた。

114_4569 この写真では貨物列車、旅客列車ともに出払って、閑散としている。signal bridgeはこの位置に建てる。側線への指示を出す信号もここに付ける。かなり賑やかなものになるはずだ。

 来週からは第2ヤードの建設が始まる。それは旅客列車を仕立てて置いておく線である。10輌編成を5本置けるようになる。もちろんDCC専用である。そうしないと、車内の照明が点かない。

2016年03月23日

鉄橋を架ける

 ループ線が本線を跨ぐ部分に鉄橋が架かる。そろそろ製作に掛かれる見通しだ。この橋の設計はnortherns484氏にお願いしている。

 すべて鉄板製である。側面のトラスは3枚のレーザ加工した材料を重ねて作る。H鋼の断面の形を表現している。細かい稲妻型のトラスもすべて再現してもらった。 
 かなり重い橋になることだろう。多分人が乗っても壊れないはずだ。曲線上なので、橋の断面はやや広くなる。

 今野氏に作って戴いた、傾斜した枕木を並べるジグも作った。レイルは正確に曲げて別のジグで保持し、枕木に接着する。そのあと、犬釘を200本ほど打つことになる。そうすれば曲率を保ったまま、橋の中に取り付けることができる。
 この傾斜枕木の作成がネックであった。長い間作り方を模索していたが、急転直下作って戴いたので、すべてが具合よく動き始めた。
 実物は普通の枕木の下にカントをつける distance piece (かませもの)を挟んでいる場合が多いが、この傾斜枕木のタイプも見たことがある。実物は橋の中に人間が入って作業できるが、模型ではそんなことはできない。かませる部材を正しく置く自信は全く無いから、この傾斜枕木が必要であった。今野氏には感謝する。

 橋の組立ては、熔接、ハンダ付け、接着、ネジ留め、カシメを組合せる。組立時に互いの位置関係が一義的に決まるように、見えない位置にタブとスロットを付けて戴いた。押し込んでレーザ熔接をしてもらうことになる。

 ガセットは薄いブラス板で作る。例の打出し機で簡単にリヴェットを出せる。橋梁用の大きなリヴェット頭を表現するダイも用意してある。

2016年03月21日

wye (Y) switch

Y switch 機関区に行くときに通る分岐である。右に曲がれば修理工場で、左に行けばターンテイブルである。どちらも半径2800Rであって、Y分岐を作る必要があった。この分岐のフログ番手はかなり小さい(英語でこの”番手が小さい”という言葉を"coarse"で表す)。 #4よりもっと小さい。
 計算が面倒なのと、計算して作ったのに通らないということもありうるので、できている道床に紙を当てて、現物合わせで型紙を作った。それに半径2800mmの曲率ゲージを合わせ、リード部は緩和曲線のゲージを使った。フログは曲線フログであり、なかなか優美である。

 写真のフログ図面は枕木間隔の目安として置いただけで、ずれているのは承知している。
 
 尖端レイルはすぐに遠ざかるので、短くて良い。補強も要らない。あっという間にできてしまった。それに比べると、番手の大きな分岐は様々な点でむずかしい。特にフログ部分のフランジウェイ幅の管理が大変だ。以前、ジグを苦労して作ったが、そのジグが壊れてしまい再度作る気が失せてしまった。それよりも、適当に作ってから、洋白の薄板を叩いたものをウィングレイルに貼り重ねて狭くする。これが一番簡単である。はみ出たハンダはレイルよりはるかに軟らかいので簡単に削り取れる。

yard ladder もう一つY分岐を作らねばならない。それは隠しヤードの入り口である。これは使用頻度が高く、信頼性が要求される。少々念入りな設計が必要だ。
 その分岐は曲線フログではない。角度は検討済みである。
 
 

2016年03月05日

信号機

114_4518 信号機の製作に掛かっている。分岐製作のメドがついたので、それに付随する分岐用の信号機を作っているのだ。仙台の今野氏にお願いして横フライスで土台部分を作って戴いた。自宅の縦フライスで作るつもりだったが、手順を考えると膨大な手間が掛かることがわかり、より簡便な横フライスによる方法をお願いした。

 確かに金のチョコレイト風である。卦書いてオプティカル・センタ・ポンチで中心にポンチ穴を打ち、ボール盤で穴あけをする。パイプを差し込んで、既製品の信号燈を付ける。配線をパイプに通さねばならないから、極細の被覆線を用意せねばならない。この既製品は協同ライト社製のものだ。

 長い方の台は、本線の閉塞信号機用だ。挽き物の土台とキャップを嵌めて、柱は出来上がりだ。信号燈の部分は腕で持ち出し、メンテナンス用の足場を付ければ出来上がりだ。細かくは作らないので簡単にできる。塗装は筆塗りで十分だ。

 助けて戴かなければ当分先延ばしになっていたと思う。ありがたいことに、このような助力の申し出がかなりある。ストラクチュアを塗ってあげようという方もいらして、本当に感謝している。

ladder with 3-way switch 側線は半分ほど出来た。三枝分岐は2回作り直したので、もうアゴが出ている。最初はひっかけて壊し、直したと思ったら、UP9000(6軸固定の機関車)が通らないことが分かった。仕方がないので、リード部分を伸ばし、右方分岐(この写真では左)に緩和曲線を付けた。
 さっさと諦めて、捨てて作り直した方がずっと早かっただろう。この写真では並べてみてアラインメントを見ている。すでに4つの分岐は完成していて、固定されている。レーザのおかげで、真っ直ぐであるから気持ちが良い。

 このような側線(ladderという)に信号を付ける時の規則がよくわからない。鉄道によってかなりの差があるようだ。要するに、運転時にどのポイントが開いているかがわかればよいので、勝手な規則を作ろうかとも思っている。 

2016年02月09日

続 転車台

 今回作る転車台の中心軸は太く、その中心の座標を決めるのは意外と難しい。天板(地面)と地下の駆動部分の座標を完全に一致させなければならない。その方法を確定するのにかなりの時間が掛かった。
 
 はじめは上下二枚の24mm合板を仮留めして、支持部4本と中心を木ネジで留め、それをばらしたのち、支持用の中心の出た金属棒を旋削してぶら下げようと思った。旋削された棒は端面を垂直にでき、中心のネジ穴も一致する。それで直角を出すつもりであった。しかし作図すると金属棒は太くて重い。鋼の棒にするとネジ切りが大変で、あきらめた。パイプにネジを通すことも考えたが、中心が安定しない。

centering by laser そこで、レーザを使うことを思いついた。支持部の柱を硬い欅(けやき)の太い角材で作り、4本+1本(機構部の張り出しを支える)を天板に固着する。その柱に下から太いタッピング・ビスを打つと、地下部分はもう動かない。 中心の細い穴を介してレーザの垂線を落とすと、駆動部分に天板の座標が正確に写される。
 ネジを外しても、再度組み立てるのは同じネジ穴だから、全く問題なく組み立てられる。

 中心が決まって罫書きを入れてしまえば、ホール・ソウで大きな穴を開けてもよい。部品を付けて組み立てれば、必ず座標が合ったものができる。 地下の駆動部の底板は厚くてとても重い。手では支えきれないので、段ボール箱を積んで位置を組立時の高さ近くまで持ち上げ、保持する。複数人で5 mmくらい持ち上げ、ネジで締め付ける。

 動力や、インデックスを取り付けたら、底板は30 坩幣紊砲發覆襪世蹐Α なかなか大変な作業だ。今回欅を使ったのは、硬くて位置決めには最適だからだ。数年前に、材木屋で切れ端をもらってきて、角材に挽きおろし、保管しておいた。2x4材では軟らかくて、位置決め後も押せば狂ってしまう。

2016年02月07日

転車台

Disk 転車台の工作に掛かっている。

 メカニズムは以前示した通りであるが、なるべく簡略化し、故障しにくい構造にする。また故障してもすぐに取り換えられるような方法を採りたい。

 円盤にはレーザで切り抜いたインデックスを取り付ける。外周部に付くから、慣性モーメントはかなり大きくなる。中心のシャフトは砲金の φ40 丸棒を使う。初めは鋼製にするつもりであったが、筆者の3尺旋盤の能力を考えると困難で、友人の6尺旋盤を使わせてもらうのも遠くて面倒だ。行きつけの廃品回収の店で入手したものだが、ちょうど良いサイズである。これに17 mm径の穴をあけ、垂直に立っている軸に差し込む。

 このφ17の軸を垂直に立てるのがなかなか難しい。工具屋のK氏からのアドヴァイスを戴き、さらにこの目的にぴったりのフランジ付きベアリングを提供して下さったので、それを2個使って解決した。取り付け孔は移動式のボール盤であけたので垂直である。首下50mmのM6ボルトで24 mm合板に留めた。この軸にはトルクは掛からない。ただ、位置決めをしているだけである。


 転車台の最も大切な部分はこの太いシャフトである。トルクが掛かっても捩じられないように、剛性の高い構造が必要である。円盤との取り付けはフランジを介する。t4 のブラス製フランジを作って用意してある。

 このような材料を新品で用意しようとするとかなりの金額になる。廃品回収の業者と仲良くなっておくと、様々な材料が目方で買える。ブラスや銅のくずを持って行って、物々交換のような形になることが多い。写真に写っている六角の物は、そこで手に入れた砲金製の花瓶で、旋盤で挽けばフランジ代わりになると思ったがやめた。

turntable disk conductor さて、裏側は集電用のレイルを付けねばならない。洋白レイルが余っているので、それを曲げて貼り付けた。ブラスの木ネジを取り付けて、それにハンダ付けする。車輛が走るわけではないので、曲率は多少怪しくてもよい。
 写真に見える6個の玉軸受は失敗であった。精度が低く、ジャラジャラとやかましい。 ベアリングを樹脂製のものに交換する。レイルの上を走るが、そのレイルはゴムで支えて静音化する。

turntable disk 先に穴をあけて電線を通しておく。DC用に反対側に配線をしておく。極性転換のためだ。他の線は照明とか音声用である。
 木ネジの先が飛び出したのを削ったのが見える。このディスクにもゴムを貼って静音化する予定だ。


2016年01月04日

摩擦を減らす

 例の動画を見た友人からの連絡が多い。 単純に褒めてくれる人と、何かあると疑っている人が半々だ。何もない。英語で言うと、"Nothing in the sleeve(袖の中には何もないよ)."だ。これは手品師が言う常套句である。
 ステンレス車輪で、フィレット半径を大きくしてある。フランジの円錐面は決してどこにも触らない。 単純な話なのだが、フランジでカーヴを曲がると信じていて、お分かり戴けない人がいる。筆者はLow-D車輪のフランジ円錐面から先をすべて無くして走らせたことがある。何の問題もなく、半径2800 mmの線路を周回させることができる。実験がすべてだ。これについて異論がある方は、ご自分で実験されて報告されたい。「いや、こうなるはずだ」というご意見は、正直なところ迷惑である。模型には模型の理屈があるのだ。実物業界の方はその理屈が模型にも使えると信じている人が多いが、正しいとは言えない。特に遠心力が絡むものは、全く使えないのだが、それが分からない人が大半だ。

 外国からの連絡は、ボールベアリングが使ってあるのだろう、というのが多い。ちゃんとピヴォット軸受だと書いてあるのに、である。 現物を持っていて、こちらの指示通りにモリブデン・グリスを付けている人は、「すごいね」の一言で終わりだ。「うちのは線路が良くないからこんないい音はしないよ。」というのもある。良い耳を持っている人だ。確かに、博物館の線路はナイロンタワシで磨いてある。走らせてもほとんど転動音がしない。それと大きなファクタは、エラストマの貼り付けである。接着剤をあまりたくさんつけないで、かろうじて留まっている程度にする。flex trackを留めるのは釘を用いるが、枕木を貫通する部分の穴は大き目にしておく。軽く留まっているようにするのが骨(コツ)である。こうするととても静かだ。コルク道床を信じている人はまだ多い。無いよりはマシという程度で、効果があるとはとても言えない。比較実験をされたい。

 機関車の回転部にはボールベアリングを入れる。高回転、重荷重のところには不可欠だ。スラストは専用のスラスト・ベアリングを入れるとギヤボックスの設計が楽になる。ラジアルベアリングでスラストを受けるときは、アウタ・レースが広がらないようにハウジングの剛性を高め、はめ合い誤差を小さくせねばならないから、素人には難しい。モータ軸にフライホイールを付けた機関車を押すと、はじめは押しにくいが、手を放すとそのまま、しばらく走るのが面白い。

 ところが最近戴いた手紙によると、

(HO以下の場合であるが)最近良く見聞きする、機関車そのものの摺動抵抗をそのままにトルクの強いモータに換装して良く走るようになった、模型も進歩したもんだというお話には賛同しかねています。実際のところ、かつての乗工社のキャラメルモーターPU(パワーユニット)でも良く調整して指で押して動輪が回るくらいにすれば、オリジナルのキャラメルモーターでも充分スローが効いた安定した走行はできます。

とのことだ。機関車の構造を改良せず、硬いグリスをつけてそれを強力モータで廻すと、いずれモータは焼ける。より高性能の減速機ユニットの開発が待たれる。

 とにかく、これは実験をして良いものを取れば勝ちである。それぐらいの努力はしても良いはずだ。  

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2015年12月31日

仮開通

 線路を敷き始めてから3か月以上掛ったが、ようやく仮開通した。仮橋付近の工作に手間取り、予定より3日遅れであった。まだまだ保線が不完全であるが、全線にわたって通電しても、異常は認められなかった。

trial trip 仮開通には、友人が二人立ち会ってくれた。プルマン8輌の優等列車と、70輌の貨物列車である。機関車は土屋氏のコレクションを整備して用いた。祖父江氏の精魂込めた工作で、注油のみで素晴らしい走りを示した。左の写真は貨物列車が上部ループを周回する様である。矢印が機関車である。
 貨車は70%がブラス製である。25kg以上ある。連結器が伸びて発進し、勾配では機関車が微妙にスリップするが、難なく登り切る。スリップは前後の動輪の位相が少しずつ変化するからわかる。関節型機関車articulatedsはすべて2個モータである。排気音を出すとその変化がわかる。
 勾配に掛かるのは約55輌でその他は平坦線にある。ということは、まだ30輌ほどつなぐつもりだが、負荷はそれほど増えないから楽勝である。平坦線を走るときの電流と、勾配を登っているときの電流は2.5倍ほど違う。単機では100 mA以下で、メータがほとんど振れない。ボールベアリングの効果で、ほとんど無負荷なのである。実測で効率は50%を超える。

 下り勾配では、適度のエンジンブレーキを効かせて降りる。電流を遮断しても貨車が押してくるが、3条ウォームの効果がそこにもある。筆者が採用した3条ウォームの効率は70%強である。すなわち、30%弱は損失になり、熱として放散されるが、その程度の効率が安全運転には必要なのである。もしこれがべヴェル・ギヤ、スパー・ギヤのみでの駆動であったりすると、抵抗が少なく暴走する可能性があるそれらの効率は90%以上だからだ。
 また、自動クラッチで開放すると大変な事故が起こるだろう
 3条ウォームはかなりの高効率と完璧な静粛性を持つ。蒸気機関車には最適である。筆者は、通常型蒸気機関車が歯車の音をさせて走るのは許せない
 伝統的に採用されている通常のウォームギヤの効率は普通15%内外である。しかもそれは良く潤滑されているときの話である。機関車全体の効率は数%程度である。

2015年12月19日

電化工事

 今電化工事の真っ最中だ。ほとんどの線路はつながったが、レイルボンドが未施工であり、また饋電線につないでない。この工事はかなり面倒だ。全体をいくつかのセクションに区切り、レイル1本分ずつ施工する。そのたびにテスターで絶縁を確認する。一度につなぐと何かの間違いがあった時に、その場所を特定できない。
 先日のダブルスリップも、つないだ瞬間にショートしたので、それに異常があることがわかった。

 セクションごとに完成を確認して、隣のセクションにつなぐ。セクション長さは7 mと決めている。それが一日分の仕事量の限界である。一日5時間労働で、それ以上働くと、次の日に影響がある。ワークカーは平行する隣の線路に置く。そうしないとショートする。あの台車は三線式の時代のものだからだ。実は、最初にそれを忘れていて、ショートの原因追及に手間取った。

electrification 電化工事は工具と材料がたくさん必要で、それを移動させるだけでも大変な手間だ。この写真をご覧戴くと、その様子がお分かりになるはずだ。
 電線リール、圧着端子、三種の圧着レンチ、各種ペンチ、ハンダごて、金づち、ドリル、ナイフ、ワイヤ・ストリッパ、回路試験器、絶縁計、レイルボンドの材料の銅撚り線、掃除機、ガスバーナなどが必要だ。
 熱収縮チューブは便利だ。先に電線を通しておき、圧着レンチでつないで収縮チューブをずらし、少し温めるだけで絶縁被覆が完了だ。

 この種の工事は一人でせざるを得ない。よくわかっている人が手伝ってくれるとはかどるが、なかなかそのようなチャンスは巡ってこない。しかし、先日T氏が手伝ってくれた時の工事スピードは素晴らしかった。普段の5倍の速度で進んだ。彼は本物の鉄道の電気屋さんだから、当然ではある。 
 

2015年11月09日

設計変更

114_3959114_3960 先回登場したK氏が、博物館まで見に来られた。その時、ボールベアリングを2つ、お土産に戴いた。先日会った時に説明したのだが、「これを使うと良い」と現物を持ってこられたのだ。早速それをもとに絵を描いてみた。
 中学校以来、製図をしたことがないので、間違いはご容赦願いたい。単なる概念図と承知されたい。

turntable mechanism このボールベアリングはNTN製で、直径63.5 mm(2-1/2インチ)のフランジが付いていて、17 mmの軸が通っている。これを二つ、厚い合板の上下に置いてネジを締めると、自然にその板に対して垂直な軸が立つ。これはまだ細いので、太い軸を旋盤で挽いてかぶせる。
 その太い軸にはフランジが付いていて、合板の円盤を挟んで留める。円盤は6個の戸車で受ける。フランジはハンダで留めてから、旋盤で挽いて直角を出す。これには大した力は掛からないのでブラス製でも問題ない。
 実は太い軸を鋼材で作るには、旋盤の能力がやや足らないと思われたが、ブラス製なら訳なくできる。この太さのちょうどよい長さのブラスの棒は、廃品回収の店で手に入れてある。可動橋を動かす程度のトルクであるので、鋼製でなくても十分耐えられる。細い鋼製軸と大径のブラスの組合せは、工作を簡便化する。

 この方式は、地下部分の深さがやや大きくなるが、工作も楽である。可動橋の中に骨組みとしてブラスの薄板(1 mm程度)で作った板を全長に亘って通してある。これは薄いので簡単に捻られる。すなわち、4点支持が可能になる。側面の板はできる限り薄く作って、剛性を減らす。

 機関車が進入すると、わずかに撓んで、中心を含めて5点支持(3点支持 × 2)になると理想的だ。


2015年11月01日

turntable indexing

 index とは角度を割り出して固定することを言う。

 所属クラブ員が10人も来てくれたので、ターンテイブルのメカニズムの素案について説明した。全員が慣性モーメントの大きなターンテイブルに興味を持ってくれた。直径の大きなインデックス・プレートによる割出しは誤差が少ないから、HO以下でもこれを採用すべきだという意見もあった。また、慣性モーメントを利用した自動復元割り出しには、「面白い!」との声も戴いた。

centering device 様々な意見が出て、簡単で故障なく長持ちするメカニズムについて相談した。スライド方式は抽斗(ひきだし)などのスライドするレイルを使うと丈夫で永持ちする。センタリングは、斜面を利用したボール・ベアリングによる復元力発生装置を使う。引張るのは、ほとんど質量を持たない長い板バネを用いる。バネによる復元では変位量が小さいと、復元力が少ない。長いバネと斜面を使えば、多少の変位でも力が変化しにくい。

turntable drive with momentum また、 楔を起動する瞬間に駆動用モータのタイヤが持ち上がるようにし、慣性モーメントが損なわれないようにするべきだという意見を戴いた。また、そうすれば、斜面を下り降りて来る力で逆回転するが、それが妨げられないようになる。これは実現は容易で、効果が大きい。

 オイル・ダンパは損失が多いので、軽く接触させた摩擦式ダンパを用いてはどうかという意見も戴いた。斜面を下るときだけ作動する工夫が必要だ。機構学に詳しい会員もいるので、話題は尽きなかった。
 大型のエアダンパを自作するつもりでいるが、まだ検討の余地はある。過去に何度か作っているので、自信はある。テフロンのピストン材料となるべき円盤を持っているので、それを使うという手もある。弁はリード・ヴァルヴである。エア・ダンパは摩擦損失が少ない。
 筆者の死後も無事故で作動し続けなければならないから、確実なものを作りたい。地下部分は大きなスペイスが確保されているので、無理なく動作させられる。

2015年10月30日

線路を敷く

 すべてのエラストマ道床を敷き終えたので、線路を敷き始めた。勾配線はスティール・レイルである。足らなくなったのでどうしようかと思っていたら、S氏から3本戴いた。それだけでもありがたかったのに、N氏がかなりの量の在庫を融通してくれた。持つべきものは友人である。
 Atlasのflex trackのレイルを引き抜いて、そこに差し込んだ。無用となった洋白のレイルは、N氏の元へと戻る。一般家庭では鉄レイルは維持が大変かもしれない。
 このスティール・レイルはHouse of Duddyの製品で、底面がやや細い。だからこそ、差替えができるのである。これが同じ太さではとても差し込めない。
 
vertical curve 縦曲線を撮ったつもりだが、ややわかりにくい。この写真中、矢印のところで平坦線から約15.6 ‰の勾配になっている。左の奥のほうに貨車が見えるが、その勾配上の釘で止めてある。この程度の傾きである。この写真は望遠レンズで撮ったので縦曲線がほとんど見えず、かくんと曲がっているように見える。実際はなかなかの優美な曲線で曲がっているのだ。

quadruple track 複々線部分はまだ工事中で、完全に線路が固着されていないが、様子はお分かり戴けるだろう。



turntable and spurs ターンテイブルの枝線に、DCとDCCの線路を載せて、様子を見た。仮に置いただけだが、枕木の色が異なるので識別できるだろうと思う。 

2015年10月28日

可動橋の懸架装置

turntable equalizing 可動橋の両端は4輪台車で受ける。もちろんそれらは円周の接線方向の車輪を持つ。すべての車輪が異なる方向を向いているので、作るのは大変だ。作図して角度を割り出し、フライス盤で削り出す必要がある。斜めに保持する万力を使えば簡単にできる。車輪の嵌まる台車は、大きなブロックから積み重ねた形を削り出して、それを四等分するのが楽かもしれない。

 地下に集電装置を持って行けば、ボールベアリングをそのまま車輪として使える。ボールベアリングに通電するとろくなことはないのだ。荷重は4 kgw ほどかかる瞬間がある。レイルのギャップが少なければ衝撃荷重も少ないだろう。ここに普通の摩擦式の軸受を使うと、抵抗が大きく、動きが渋い。即ち慣性のある動きはなくなる。

 可動橋は楽に捻られるように作る。そうしないと4点支持だから浮いてしまう。中心の回転軸も荷重を受け、中心位置を保持する。

 最近立て続けに、いろいろな分野の専門家がレイアウト見学に来てくれて、多くの助言を下さる。ありがたいことである。彼らは模型人ではないのだが、面白がっていろいろなことを聞く。
 平坦線に置いてある貨車をそっと押して、遠くまで転がるのが意外らしい。工夫を話すと、感心している。それと、博物館の運営に関する情報も助かる。

「よく脱線するのか?」と聞かれた。
「いや一日中走らせていても、脱線はないよ。」と言うと、
「それが大事だ。ゆっくりと実物のように走ったら、きっと感動するよ。」

2015年10月26日

続 driving turntable

 ターンテイブルの回転時には、地下の大きな円盤も同時に回転している。慣性モーメントは無視できない。楔が突然スリットに差し込まれるとどうなるだろう。かなり大きな衝撃が発生し、楔を出し入れする装置は徐々に壊れるだろう。スリット付きの円盤も鋼板製とは言え、徐々にへたるであろう。衝撃で、転車台上の機関車が、脱線転覆することもあるかもしれない。

turntable indexing device やはり、何らかの衝撃吸収装置が必要だ。単なるバネでは跳ね返ってくるから、動きが滑稽になる。柔らかいバネと、緩やかな動きをするオイルダンパか同等品が必要だ。そうすれば、多少の操作ミスもうまくごまかせるかもしれない。本当は、楔を出し入れする部分は、円周に沿って動くべきだが、接線方向に動かす方が作り易い。これでも半径が大きいので十分である。telescoping とは昔の望遠鏡のように伸び縮みできることを言う。

 ダンパのストロークは片方で25 mmほどあれば十分だろう。ラジコン部品に豊富なラインナップがある。この商品は意外に長持ちする。今手元にあるのは25年前に買った商品だが、油漏れもない。センタリング装置はバネにすべきか、リンク機構にするか迷っている。後者は錘(おもり)を斜面に沿って持ち上げる方法だ。後者は変位に依らず、復元力が一定であるが、錘の慣性を考えると感心しない。錘の代わりにバネを用いると、その部分の慣性質量は小さくなる。この辺りのことは、30年ほど昔、先台車の復元装置でいろいろなパターンを考えたのを思い出しながら考えている。組合わせるべき方法はいくつかあるが、簡単にまとめられて、なおかつ故障のない方式にせねばならない。

  ターンテイブルがゆっくり回転している様を想像してみよう。目的の枝線が近くなると、減速し、楔を出す。楔はバネで軽く押し付けられるので、円盤の縁の鋼板をこすり始める。目的の枝線でカチンと嵌まり込むのだが、可動橋はまだ少し動いて通り過ぎる。そのうち止まるが、ゆっくり戻り始めて所定の位置に止まるというわけだ。
 ダンパの速度緩和が大事である。良いダンパが見つかれば、ほとんど完成したようなものだ。 


2015年10月24日

driving turntable

from Southeast 駆動装置は長年の使用に耐え、無故障であってほしい。すなわち、確実な工作でなければならない。集電も埃の積もらない部分でやりたい。すなわちレイル面よりも、むしろ地下の部分で下向きの接触のほうがよい。


turntable's conductorturn table's mechanism アメリカでいくつかのターンテイブルを見た。一番調子よく動いて工作が簡単なのは、Detroit の Dick のところのものだ。大きな円盤が合板で作られ、それには給電用のレイルが同心円で張り付けられている。給電用ブラシは下から接触している。円盤を動かすのはゴムタイヤである。磨り減っても、すぐに取り換えられる。

 位置決めはいろいろな工夫があるが、正確なのは、金属板にレーザで切り抜いた刻みに、楔(くさび)を入れる方法である。円盤は先日切り抜いた合板が残っているので、そのまま使えばよい。その周に正確に嵌まる金属製の円盤を作るのは、機械の仕事だから、あっと言う間にできる。
 自動運転はしない。その理由は以前にも述べたが、面白くないからである。機械に遊ばれてしまう。実際にやってみると、人間が自らの意志で線を選んで止める方が、はるかに面白い。

turntable drive この方法で円盤を作れば、かなり長期間の運転が保証されるであろう。材質は鋼板で十分だ。もちろん錆止めの塗装はする。楔の当たるところはグリースを塗れば錆びることはない。位置決めをしておいて、枝線をその位置に取り付ければ、アラインメントは保証される。

 橋の両端に、枝線にはまり込む楔を付けると、埃も溜まるし、見かけもよくない。枝線にも横向きの力が掛かって壊れ易いこともわかっている。


2015年10月22日

可動橋

 可動橋の両端には、円周の接線方向に回転する車輪が付く。日本のプロトタイプは2輪ずつであるが、アメリカの大型のターンテイブルには4輪付いているものがあり、それらはイコライズしている。本物の橋の、長手方向の捩じり剛性は知れているので、捩じられて、円周レイルに密着する。それを実現したい。

 車輪にはフランジがない場合もある。実物の駆動装置は4輪のうち1,2輪を用いている。摩擦力が足らない場合は補重している。模型でそれを実現するのは難しいから、中心軸で駆動する。かなり大きなトルクが掛かるので、軸は可能な限り太くする。たまに見る模型化例では、駆動軸の剛性が足らないので、橋がぷるぷると震えている。ねじり共振が起きているのだ。それだけは避けたい。橋はぐわーんと動かねばならない。

 出力が大きなモータを用いると、立ち上がりが良すぎるので、小さなモータにフライホイールを付けて動かす。もちろんギヤ比は大きくする。これについての基礎実験は終了している。
 見かけもさることながら、今回作成する模型では機能を重視する。橋のねじれに対する剛性を低くし、円周レイルに密着させる。模型は実物と比べると堅いので、強度を確保しつつ、ねじられるようにせねばならない。

DCC-DC compatible turntable 円周レイルを走行電流の給電に用いるとすれば、絶縁部の長さはできる限り短くせねばならない。同時に軸の部分でも給電が必要である。それはロック機構のDCC制御用である。すべてのポイントと同様、ターンテイブルもDCC制御である。進入、退出用線路の反対がわの枝線群にはDC機関車を入れる。そうしないと極性の転換ができないから、事故を起こす可能性があるからだ。   
 その枝線群と直交するエリアの枝線群に、DCCの機関車を配置するというのが、現在の案である。円周区間の絶縁区間はその枝線の隙間に来るようにする。集電は摺動式とする。そうしないと不確実であるからだ。十分な接触圧を確保する。絶縁区間を跨ぐときにショートしないように、精度高く取り付けねばならない。おそらくDCCの機関車はその瞬間、電源が切れてプツンと音を立てるに違いないから、それは避けたい。デコーダが優秀でないと、その停電時にメモリが飛ぶ場合もある。

 円周レイルを集電に使わず、軸の周りから取るとDC時の極性転換が難しい。DCとDCCの共用は難しいのだ。

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2015年10月20日

turntable pit を嵌め込む

 底板は骨組を避ける位置に取り付けてから、外して上の合板を切り抜いた。だから、底板を貼り付けてから嵌め込めば、完全に同じ位置に取り付けられるはずだ。
 木ネジ穴を探し、丁寧に位置を合わせてねじ込んだ。もちろん接着剤を塗って締めた。切り抜いた切り口と、底板との間に、隙間が見えると興ざめだ。よく確認して、木ネジを10本ほどねじ込んだ。
 切り抜いた円盤には有効な用途がある。

from South 貼り合わせた合板はとても重いので、来客があった時にお願いして持ち上げて戴き、嵌め込んだ。どんぴしゃりで嵌まったので安心した。合板は鉄骨にネジ止めして浮かないようにする。廻りの合板とも裏で結合させて全くガタがない状態にした。ピットの中を歩いても平気である。中心が出ているので、それを目安に罫書き線を入れておいた。枝線の位置の目安になる。

 ターンテイブルの枝線の配線で悩んでいる。DCCだけなら、配線は何も考える必要もない。DCにすると可動橋の配線の極性を切り替える必要がある。円周レイルを2分割にして途中で切り替わるようにすべきだろう。そうしておいてもDCCは無関係でオート・リヴァースを挟んでおけば良い。
 問題は可動橋の両端の車輪の数だ。HO 以下では車輪が少ないか、無しの場合がある。今回のターンテイブルでは4個ずつの車輪を両端に付けるので、それらが極性の異なる区間を跨げば、ショートする。通電しなければ、絶縁車輪の必要はない。
 
 工作に取り掛かるのはしばらく先なのだが、良い方法がないか考えている。


2015年10月14日

DC と DCC

DCC-DC compatible track 建設中のレイアウトには、DCにもなる本線がある。実は、そこのところの割り振りがとても面倒だ。
 自宅のレイアウトは、事実上DCC専用である。最近は乗り入れもないので、DCのパワーパックは外したままだ。

 新レイアウトでは、機関区から本線へ行く線および本線1本のみが、DCにもなる線である。不用意に切り替わらぬよう、安全装置を付けてスイッチで一気に切り替える。貨車ヤードには動力車が入らないことにすれば全く問題ないが、そうもいかないので、接触限界標あたりで電気的に切り離す。
 客車ヤードはDCC専用となる。客車には電灯がついているからだ。また、隠しヤードもDCC専用となる。そうしないと、本線走行中の入れ替えが難しくなる。

 おそらく、Visitorが持ってくる機関車の大半はDC仕様だ。それを無碍に排除することはできない。土屋氏から来た機関車のいくつかにはDCC化が終わっていないものもある。DC運転可能にしておけば、いろいろな点で助かることもある、と見ている。
 ターンテイブルは、切替えでどちらも使えるようにする。ターンテイブルの枝線 (spur)の半分もDC用になるので、間違えないよう、何らかの方策が必要だ。DCCの枝線に止まっている機関車は電灯を点け、音を出しているが、DCの方は沈黙していることになる。
 ポイント切替、ターンテイブルの動作はDCCで行う。これはDr.Yに、助けて戴くことになっている。

 場合によっては、無線操縦の機関車でDCの機関車を牽いて移動することもあると見ている。当鉄道ではすべての機関車が3条ウォームか、べべルギヤであるので、機関車を牽くのは簡単である。


2015年10月12日

匐進を防ぐ

 勾配線ではレイルが下へと滑っていく。これをcreeping (匐進 ふくしん)という。35 kgの列車を引張り上げるのだから、かなりの力が掛かる。既製品をそのまま使えるHouse of Duddyの製品はよいのだが、Atlas製 を差し替えたものは緩いから、あっという間にずれてしまうだろう。道床の木部に打ち込んだブラス製の釘を曲げ、レイルに密着させてハンダ付けする。 これをある程度の間隔で行うと安心できる。
 鋼製レイルにはペーストではハンダ付けしにくいから、その部分にあらかじめ塩化亜鉛を用いてハンダメッキしておく必要がある。もちろん、水でよく洗っておかないと大変なことになる。

 饋電線から分岐した給電線はレイル2本のつなぎ目に来る。そこでレイル・ボンドを用いて、隣のレイルにも給電するわけだ。

 複々線の部分は、複線がループで還ってくるわけだから、2本ずつ同じ電源になる。DCCなら一つになるのだが、半分をDCにも適応させねばならないので、分離させている。
 信号機も新モジュールが到着しているので、試運転が始まれば取り付ける。

 饋電線の総延長はかなり長く、用意してあった電線リールが空になった。10年ほど前に専門家にもらったMil-Specの高級品だ。各色あったのでとても便利だった。
 信号用の線は電流が少ないので、使わないLANケーブルを使うことにした。これも100 m 以上あるので十分足りるだろう。
 
 
 

2015年10月10日

turntable pit

 転車台周りの15 mm 合板を、外に運び出した。ピットを丸く切り取らねばならない。
 以前作った時は、ジグソウにアームを付け、中心を固定して切り出した。正直なところ、ジグソウでは丸く切れない。後の修正が大変だった。今回は router (ラウタと発音)を用いた。

 このラウタは30年ほど前にアメリカで買ったものだ。reconditionedと書いてあって、半額であった。見本として試運転をさせたりしたものを整備して、処分していたのだろう。ボール・ベアリングは新品だった。出力は約1 kWで、毎分2万回転のモータである。ラウタは刃に当たる木材を粉にして放り出す機械であって、仕事量が多い。
 出力が大きくないと、負荷が掛かったとき、焼けてしまう。以前ドレメルにラウタ・アタッチメントを付けて削ったところ、あっという間に昇天した。ドレメルの出力は100 Wもなかったのだ。
 刃物も超硬ビットを使わないと、たちまちダメになる。この刃は6.35 mm(1/4インチ)径である。細いので仕事量は小さいはずだが、15 mmの厚さがあるので、負荷は大きい。
 
router armrouter arm 2 回転軸からのアームを付けねばならない。滑りの良い底板を外して、それを留めているネジの長さを調べた。意外と短く、アームに相当する合板を座グリして沈めなければとても届かない。刃を付けてそれで座グリした。刃が出るところも彫り込んで穴を開ける。ごく適当に削り取った。
 半径は450 mmにした。もう少し小さくてもよいのだが、機関車を止める時、はみださないよう細かく神経を使いたくないからだ。
 回転軸の穴を開け、合板の中心に留める。この時、合板だけだと薄くてネジが傾く可能性がある。裏に硬い木のブロックをネジ留めして、それに長いビスで留めた。この時、ガタがないようにしておかねばならない。小さめの穴に木ネジの平滑部が無理やり入る程度がちょうどよい。
 枕木に合板を載せて、切り込む。刃の深さは枕木に多少切り込む程度にしておかないと、完全に切れない。

cutting outturntable pit 電源は昇圧器で120 Vに上げておく。電圧が低いとモータが焼ける可能性が高い。一気に半周廻して、持ち替えてから残りを切った。所要時間1分弱である。近所のおばさんが見ていたが、あまりにもきれいに切れたので驚いていた。
「こんな道具があるのね。」
「腕の部分は自分で作ったのですよ。」
「普通の人は道具に使われているけど、あなたは道具を使いこなしている、素人ではないということね。」と言ってくれた。

 バリ取りをして、断面を塗装した。底板も下塗りした。組み立ててから、もう一度塗る。(この合板のサイズは1220 mm × 2440 mmである。)  

2015年10月08日

turntable と 隠しヤード

turntable area ターンテイブルのピットを切り抜くために、15 mm合板を外した。外す前に底板になる部材を正確に切り出して、底面に仮に張り付け、持ち上げた。合板の裏に底板の位置を描き、外した後でも元の位置に戻せるようにした。中心の座標はあらかじめマークしておいた。そうしないと、後で中心の座標を割り出すのに大変な手間が掛かるからである。
 合板は重く、多人数が手を貸してくれる日を選んで移動した。

 合板を外すと骨組みが見える。正方形に近い枠がターンテイブルの部分である。この部分は骨がないので、剛性の大きな24 mmの合板を底板にして強度を確保する。中心には直径35mmの軸が通る。もちろん自動調心のボールベアリングで受ける。そうすると、その軸には多少の味噌擂り運動が許容される。そうでないと片方が浮いてしまう。

 動力は今設計中である。駆動モータにはフライホィールを付けて時定数を大きくする。もちろん小出力モータを用い、高減速比にして本物の動きを再現する。減速装置の効率を高くしないと、動きがオモチャっぽくなる

hidden yard 隠しヤードの写真である。骨組みから、吊りボルトを垂らし、それにチャンネルを吊って24亶臠弔鬚屬蕾爾欧襦この合板は3x6の板をつないで1200mmx3000mmにした。あまりにも重いので、6人で移動してはめ込んだ。つないだところが折れるといけないので、補強を入れて運び、後で外した。少々贅沢だが、非常に静かなヤードになるはずだ。

 照明は必要以上に点けている。中で不都合が起きたとき、それを発見できるように明るくするのだ。この頃は燃えないゴミの集積所に、このような蛍光灯が捨ててあるから拾って来られる。LEDがベストだが、それほど長時間点灯するわけではないので蛍光灯で十分だ。
 吊りボルトは、レーザを用いて位置を決めたので、真っ直ぐ付いた。こういうところでも文明の利器は役立っている。


2015年10月06日

続々 博物館工事の進捗

 作業は進捗し、まもなく試運転ができるところまで来た。時間がかかっているのは道床のエラストマを正確に貼り付ける作業に手間取るからだ。大まかに言えば、1日当たり 4 m ほどの速度で貼っている。例のジグを用いて、極めて正確に貼りつけているのだ。両面テープを用いればすぐ貼り終わるのだろうが、その方法では音を減衰させる効果が少ないことがわかっているので、強力な接着剤で点付けしている。走行時に微小なずれが生じて、音が摩擦熱に変わるのだ。
 
from North 一定の曲率のところは作業が機械的に進むが、緩和部分は手作業である。カントの逓増部分は、調整が難しい。必要に応じて、再度少量のパテ盛りをして、ベルトサンダで擦り落とす。埃が出るので、サンダの排気口に掃除機のホースを当てての作業である。
 この写真の部分は最も見栄えのする部分であって、cosmetic curveと呼ばれる部分である。右へ左へと、連続したカーヴである。カントの調整に、少々手間を要した。現在は完成している。

quadruple-track 2 複々線部分にはカントが一定の角度で付き、壮観である。この写真は、しばらく前の撮影だ。勾配は完全に均一である。
 高架部分で水平が出ているかを念入りに確かめた。24 mmおよび 27 mmの合板を使っているので、そう簡単には撓まないはずであるが、スパンの長いところは補強を入れた。

 勾配部分には洋白レイルを使わずにスティール製レイルを用いた。摩擦係数が1割強増大するので有利である。House of Duddy製のFlex-Trackには鋼製レイルがあるのだが、その在庫が足らなかった。仕方がないので単品で持っていた鋼製レイルを、Atlas製 Flex-Trackの枕木に差し替えた。この作業はかなりの手間を要し、指先が痛くなった。ともかく勾配部分は鋼製レイルになったので、走行が楽しみだ。
 100輌の貨物列車が引き上げられる様子を、堪能できるはずだ。
 

2015年10月04日

続 博物館工事の進捗

to turntable spurturntable  spur ターンテイブルの枝線を所定の角度で進入させねばならない。進入路が1本であると、運用上都合が悪い。ところが、2本にするとその角度で入るための分岐の設計が難しい。今回はnortherns484氏にお願いして、コンピュータで型紙を作って戴いた。原寸大の型紙を張り付けて切り抜いたので、楽にできた。長さ3.5 m以上あり、合板をつないでからの切り抜きである。これを手で作図するのは大変である。置いてみると正確にできていることがわかった。northerns484氏には大変な手間をお掛けした。感謝している。

 塗装後の様子を紹介したい。
from South これはターンテイブル付近である。spur(枝線)は仮に置いてある。正しい角度は三角法で割り出す。
中心部を切り抜いて、15 mmの深さを出す。道床の高さが30 mm、エラストマの厚さが3 mmであるので、合計48 mmの落差がある。上路式にすると、深さがぎりぎりである。中心と先端部2箇所の3点で受けるタイプにする。それには可動橋の剛性をかなり小さくする設計が必要だ。模型は堅いので、かなり難しい。橋側面の板を極端に薄くするか、プラスティックにすれば可能かもしれないと考え始めた。実験をして決めたい。
  
from Southwest 中央部の客車ヤードへの進入路である。左奥がヤードで、左手前は入替機関車の引上線である。この写真では渡り線だけであるが、向こう側のポイントはダブルスリップに振替える。そうしないと場所がないのである。
 

塗装済み路盤組立中 上の写真の反対側から写している。時間的には少し差がある。信号所の地点からはすべての分岐が一望できる。Max Gray時代のブラス製なのだが、出来が悪く、ハンダがぽろぽろと取れてくる。全てばらして組み直さねばならない。
 アメリカで見たあるレイアウトでは、信号所内部の線路表示板の光が、光ファイバで切り替わっているのが見えた。もちろん色セロファンを張った円盤を廻して透過光が見えるだけの仕組みだったが、現在の技術なら本当にLEDで点灯させることもできるかもしれない。実現は当分先の話だろうが、先日はこの話で盛り上がった。
 

2015年10月02日

博物館工事の進捗

 しばらく報告を怠っていたので、どうなっているのか、という問い合わせが多くなってきた。もちろん工事は進んでいる。目に見える進捗は少ないが、配線工事まで進んでいる。

painting top 全体をを塗装した。手伝いに来て戴いたので大助かりである。この方が座っている部分はターンテイブル用地で塗装が不要である。ローラ刷毛で一気に塗装した。こういう広い面積の塗装で大切なことは、逃げ道の確保である。うっかりすると、どこにも出られないということがある。手前の一箇所が塗ってないのはその出口である。
 一度塗りでは毛羽立つので、乾燥後、全て紙やすりで研いで、再度塗り重ねた。塗料は例の油性塗料である。
 ターンテイブル部分の合板はまだ留めてないので、少し浮いている。ピットを切り抜いて、裏打ちをしてから固定する。補強材は、荷重が掛かるので撓みにくい 24 mm合板である。

installing roadbed 完成している道床を基点から順次組んでいく。複数人で、隙間をなくすよう押し付けながら作業する。これはレイアウト建設の経験者に手伝いをお願いした。ここにいらっしゃる方々は、ご自宅にレイアウトをお持ちである。何も説明しなくても、確実に組んで戴くことができた。勾配のある複々線部分で、精度の必要な個所である。飛び出しているのは饋電線だ。
 
 道床が完成すれば次はエラストマの貼り付けである。以前施工した時は強力な薄い両面テープを使ったのだが、音が気になった。静かさが足らないのだ。エラストマと道床、あるいは枕木の間に適度な摩擦が生じると良いのだ。枕木は接着してはいけない。レイルとも固着を避けるべきである。どうしても固着する必要があるときは数本に1本程度の割合にすべきである。そういう意味でも、このエラストマの断面には意味がある。枕木が溝の中に嵌まっているので、釘で緩く留めておいても外れてこない。多少動く程度の束縛である。
 すなわち砂利を撒いて接着すると音が大きくなってしまう。自宅のレイアウトには砂利があるが、ただ撒いてあるだけである。

 饋電線はある程度の太さがないと、遠くで機関車のスピードが目に見えて遅くなる。勾配線では息切れも起こる可能性がある。2平方mmのものを用いた。圧着端子で確実に接続してある。
 レイルの継目に給電し、レイルボンドで隣につないであるので、最大レイル1本分の抵抗値しかないわけである。

2015年09月28日

続々 屋外レイアウト

 日本でも屋外レイアウトを作られた方はいらっしゃるはずだが、10年単位でのその後の報告はあまり聞かない。HOの大名鉄道は、TMS誌上で数年後の経過報告をされていたようだが、20年以上持ったのだろうか。
 筆者はその後の大名鉄道の動行を興味深く見守ってきた。5インチを経て、現在はNゲージの屋外レイアウトになったようだ。これも集電を考慮して、動力源内蔵の赤外線コントロールになっている。 

 さて、日本製HO用フレクシブル線路のプラスティックは、どの程度持つのだろう。イギリスのPecoは、レイルも高耐久(でも、電気伝導率が低い)のものを売り出していた。アメリカのHouse of Duddyは屋外用としても使えるというフレクシブル線路を発売していた。いずれも O scaleの話である。今はMicro Engineeringが後を継いでいるが、そのversionがまだあるかはわからない。

weathered 問題は分岐である。分岐は木製枕木に、鉄の犬釘で留めてある。犬釘は錆びるし、枕木も腐るだろう。日本のような高雨量・多湿の気候では、3年と持たないように思う。
 この写真を見ても分かるように、鉄と洋白を接触させて雨水に浸ると鉄が先に錆びる。道床のレッドウッドは問題なさそうだが枕木の方は、かなりへたっている。Gゲージ用の枕木は、レッドウッド製のものがあって、屋外用に使用されている。Oスケールでは聞かない。 防腐剤を浸み込ませても、根本的な解決策にはならない。一部のカビは、防腐剤があっても発生を止められない。

 筆者の実験ではAtlasのフレクシブル線路を20年間コンクリートの屋上に放置したが、レイルは外れなかった。ただしレイルは錆びて、走らせようと思うとかなり磨かねばならない。すなわち消耗する。
 屋外で用いるレイルは、太ければ太いほど良い。それだけ錆に対する余裕が大きいということだ。
 
 

2015年09月26日

続 屋外レイアウト

shed 2shed 引込み線にはshed(覆い)がかぶさっている。建設工事用の紙管を縦割りにしてある。20輌ほどはいつもここに入れてある。 嵐にならない限り、これで十分に雨露はしのげるという。
 短いからもう少し延長し、また本数を増やすそうだ。「Low-Dを手に入れたので、いくらでも列車の長さを伸ばせる。」と言っていた。

outdoor layout 4 猫の居る方向に客車ヤードを新設するらしい。できれば家を一周するようにしてみたいのだ。ラジオ・コントロールでウォーク・アラウンドをするから、本当に敷地一周の散歩をすることになる。


dual track switch 珍しいポイントを見た。Sunset Valley と云う会社が作っているdual gauge のポイントだ。狭い線路の方向しか分岐しないので、構造は簡単だ。両方やろうとすると、フログが3つもできて大変だ。
 以前はGゲージもやっていたので、ポイントが残っているのだ。「外すこともないからね。」というわけだ。



2015年09月24日

屋外レイアウト

outdoor layout 2outdoor layout Bob のレイアウトは、フェンスの杭の途中に渡した木の板の上にある。木はRed Woodである。腐りにくい木だ。カリフォルニアではこの木を安く手に入れることができる。

 直線が長い。レイルが磨いてあったので、集電をよくするには磨き続けるのが大変であろうと思った。ところが、それは全く無関係であった。

locolinclocolinc 2 機関車の後ろにつなぐ貨車は重い。それには電池と受信機が積んである。LOCOLINCというブランドの無線操縦セットがついている。これはGゲージなどの屋外レイアウトを、全く支障なく運転する賢明な方法である。
 機関車のモータからリード線を引き出し、それをこの貨車の出力につなぐ。プラグを差すだけである。実によく走る。唯一の泣き所は車輪にも電気が行っているので、線路に正しいギャップがないとポイントの手前でショートする可能性がある。現実に、たまに引っかかる。車内の線を切ったらどうかと言うと、よそのレイアウトに持って行ったとき運転できないのはまずいからだと言う。スウィッチが必要だ。
locolinc 3 この無線セットは何チャンネルかを切り替えて個別選択できるようになっているが、Bobはプラグを差し替えるので 切り替えはほとんど不要である。彼はもう一台の受信機搭載貨車を持っているので、たまには切り替えている。

 サウンド搭載受信機もあるから、それを選べば好みの音が出せる。




2015年09月22日

Bob を訪ねて

 Bob はLow-D車輪を愛用してくれている。数十輌の貨車、客車に付け、運転しているのだ。

 Bobは、もう退職しているが、写真学の教授であった。サン・フランシスコの東岸の閑静な住宅街に住んでいる。たびたびお招きに与っていたのだが、 チャンスがなかった。今回の訪米の話をすると、「ぜひ寄ってくれ。泊まって行け。」と連絡があった。
 Bobは、アメリカ人にしては長い列車を運転している。50輌以上ないと面白くないと言う。

汽車が来る。初めは遠くに見える。だんだん近くなって機関車が通り過ぎる。機関車は大きい。そして列車は通り過ぎる。振り返るとだんだん小さくなって見えなくなる。これがやりたい。」
 芸術家である。それには長い直線が必要だ。

Low-Dwork shop storage 訪問しても、どこにレイアウト・ルームがあるのかわからなかった。この辺りは海岸なので、地下室は無い。
 工作スペイスを見せてくれた。車庫の片隅にある。車輪を台車にはめるために、tunerで加工している。どれも慎重な工作で、素晴らしい転がりだ。

 「裏庭に行こう」と言うので外に出た。すると、そこにレイアウトがあった。


 

2015年08月31日

turntable

turntable ターンテイブルは整備されたばかりだ。 手すりが付いているということは、観客を乗せて廻ることがあるのだろうか。



turntable 3turntable 4 動力は電動油圧モータである。三相電動機でポンプを動かし、油圧モータを作動させている。回転方向制御、速度調節が容易で、起動トルクが大きいからであろう。
 駆動輪に掛かる荷重を大きくするために、コンクリート製の錘を載せている。
turntable 2turntable 5turntable 6 これが全体像である。塗装が綺麗で驚いた。中央部は剛構造であるが、上に引張りを受け持つリンクがある。
 ということは、センタで荷重を受けるということである。 

 短いが、これでチャレンジャを廻すことができる。もちろん、テンダの一部をはみ出させ、後ろ2軸を楔で持ち上げるという離れ業である。センティピード台車はイコライザ可動範囲外で底突きするので、このようなインチキができることがわかったのだ。いわゆる現場知というもので、最初からそれを狙って設計したのではない。

2015年08月25日

Evanston機関区

 今回の最大の目的の一つはこのエヴァンストンの機関区跡を訪ねることであった。昨年友人が近況を知らせてくれ、40年ぶりに行ってみたくなったのだ。

 Evanstonは、ワイオミングの西の端だ。良い水が流れる川があって、機関車の給水には適した。当然のように、そこには機関車の停泊所が作られ、それが機関区になった。

 40年前に行ったときはUPのディーゼル電機機関車の整備工場があり、一般人は立ち入りが制限されていたので、外から見ただけであった。大きなラウンドハウスがあり、ターンテイブルが稼働していた。
 その後、検査・整備の設備はシャイアンの機関区に吸収され、空き家になってしまったのだ。

weddingwedding 5wedding 3 数年前、エヴァンストン市は、この残された建物を歴史的建造物と認定し、税金を投入して保護することにした。一部を改装し、空調設備を取り付け、多目的な会場として貸出している。今回も結婚式をしていたので、中には入れないかと心配したが、「日本からこれを見に来た。」と言うと、「構わんから入れ。」と招き入れられた。式が始まる直前であったが、中を一巡りさせて戴いた。ふくよかなお二人であった。

wedding 7wedding 4 この機関庫は大きい。柱の太さは16インチ(約45 cm)角である。Big Boyは来なかったが、チャレンジャは来ていた。機関庫の奥行きはところにより、増築して長くなっている。扉のデザインも新製時期が違うので、場所によって変化している。

 

 

  

2015年07月20日

続 隠しヤード

 隠しヤードは二期工事でと言っていながら、工事をしてしまったのには理由がある。
 所属クラブの例会をたまにここで開きたいという要望を受け、了承したからだ。例会用の組立式レイアウト(HOなど)を置くスペイスをあらかじめ決めておかねば、後になってから、「ここは隠しヤードの勾配線になるので小さくしてくれ」とは言いにくい。
 最初に用地買収をしておかねば、あとあと困るのでヤードのスペイスと機廻り線、デルタ線の場所を決めた。
 近日中に彼らは測量に来て、新レイアウトの線路配置を決めていくであろう。新レイアウトは組立て式である。当博物館に収納する。



 鉄骨でできた支柱に勾配線の受けをつける作業は非常に簡単である。インパクトレンチがあれば、ドリルビスで一発で締付けられる。ドリルビスの刃の部分は極めて硬い。一回しか使わないので、思い切り硬く熱処理がしてある。一方、いわゆるドリル刃は繰り返し使うことを前提にしているので、刃には靭性が要求される。欠けたりしてはいけないのだ。刃先角も吟味している。
 ドリルビスは硬さだけしか考えていない。2 mmの軟鋼板を通過すれば用が済むので、10秒ほど持てば十分である。刃先が欠けても問題はない。
 ドリルビスがあまりにもよく切れるので、ドリル刃の代わりに使っていたら、10回くらいで全く切れなくなった。虫眼鏡で見たら、やはり刃先が欠けていた。

 ドリルビス以外にも、よく似たものでピアスビスがある。作っている会社が違うので登録商標が異なるのだ。先端に刃がついていないタイプも使う。薄板を重ねて留める時に使うのだ。角スタッドを組むときに多用した。先端の円錐についているネジが食い込んで穴をあける。相手が薄い軟鋼板だから、押し付ければへこんで、食い込むのだ。まさかとは思ったがよく効くネジだ。
 
 鉄骨に合板などの木材を留める時にはこの羽の付いたドリルネジを使う。使うとその威力には驚かされる。普通のネジ(羽がついていない)を使うと、木材にもネジが効いてしまい、鉄骨に穴をあけているときにネジ頭がめり込んでしまって役に立たない。仕方がないから、ドリルを逆回転させながら押し込んで、木材のメネジを完全につぶしてしまう。そうして鉄骨部のネジを立てるという面倒な操作をしていたが、このネジは羽が木材を拡げて、ネジを効かなくする。鉄骨にネジが立って食込むと、羽が折れて奥まで入る。実によくできたネジで、一回使うとそのありがたみがよくわかる。
  

2015年07月18日

隠しヤード

 隠しヤードという言葉は鉄道模型用語であって、実物の世界にはない。小型模型では、長い箱を作って編成ごとに収容するアイデアがある。ターンテイブルのように放射状に動くとか、トラヴァーサのように平行移動する機構が時々発表される。
 Oゲージでは長さが 7 m もあり、それを正確に動かすのは難しい。長いと撓みを生じるから、剛性のある支えを作らねばならず、その質量はとんでもないものになる。今回、振り分け線を可撓式にし、フレクシブル線路で左右に振って解決する方法を考えたが、様々な点で難しい。入替の機関車がB-Bのような柔軟な軸配置の場合は良いが、固定軸距離の長い5軸の重い蒸気機関車が来ると、可撓性の線路は真っ直ぐに伸びてしまい、末端部のアラインメントが狂い、用をなさなくなるからだ。

yard ladder 結局、よくあるポイントによる振り分けを採用した。#4のY分岐は#8のフログの2倍の角度で作らねばならない。左右均等の振り分けにしたので、ヤードの全長は短くできる。本当は、直線から等角で平行に枝が伸びるタイプが好きなのだが、仕方がない。写真はポイントの型紙を仮置きしたときの状態である。

 ヤードの手前に分岐があるのは、機廻り線の帰りである。機廻り線にはデルタ線を設置して、機関車は向きを変えて出られるようにしたい。このあたりは機能のみの発想で、現実的かどうかは一切考えない。どうせ見えないところであるから、それでよいだろうと思っている。ただし、TVカメラを置いて、機関車の位置は把握する必要がある。

 ヤードの入り口にはtell-taleをつけるつもりだ。貨車の中には積み荷などで背の高いものもあるので、それが高架部に激突するのを避ける装置だ。実物のテルテイルは、SANTA-FEの延長煙突をひっこめるのを忘れてトンネルに入るのを防ぐなどのために設けられた。鉄の鎖をたくさんぶら下げたものだ。ぶつかるとかなりの衝撃があったろうと思われる。多少は柔らかいロープをぶら下げたものもある。
 模型の場合は光電式にして警報を発すると良いかもしれない。


2015年07月16日

続 博物館工事進行状況


113_3194to hidden yard 隠しヤードへのスロープを作った。当初1.6%だったが、1.9%にしないと、ヤードの有効長が稼げないことがわかって、急遽作り替えた。これでも分岐の途中までは勾配線の中だ。
 ヤードは8線で、最初は#4 Y分岐である。そのあとは#8分岐をそれぞれ3台ずつ付ける。枝線の先端は障害物を避けて少し曲がる。

 本線のような吉岡式道床ではなく、合板の上にフレクシブル・トラックを、ゴムを介して敷く。そうしないと本線の下をくぐる時に、深い位置に基盤を作らねばならない。吉岡式道床は30 mm あるので、それを用いると基盤を低くせねばならなくなり、その下を通るのが困難になる。少しでも薄いほうがよいという判断だ。

 建築限界は最低限にする。普通の客貨車が入れば良いので、ぎりぎりの高さにしてある。
 隠しヤードは楽屋裏であるから、人に見せるものではない。貨車等をしまっておくところである。それを引き出すのに、ガラガラゴロゴロ音がするのは許せない。だから、5 mmのゴム板を置き、その上に道床型樹脂を敷いて線路を敷く。非常に静かになるはずだ。
 
slope to hidden yard 本線部分は不測の事態に備え、多少の余裕をみた建築限界を持っているが、ヤード部分は最低限である。例の大物車の上端から2 mmしかないが。普段その貨車は、そこには入れないことにする。

2015年07月14日

博物館工事進行状況

bird's eye view from north すべての路盤が完成し、上を全周歩いて壊れないことを確かめた。あちこち補強を入れて撓みを少なくしたので、安心できる。この写真は北から見ている。
 橋の部分はオフセットして、abutment(橋台)を作る準備をした。支えとなっているスティールの棚には筋交いを入れて剛性を高めた。3×25の鋼板をネジ留めしただけである。高架部分は28 mmの合板を用い、継手も同じ板を用いて、接着剤とネジで固着した。

bird's eye view from south 南から見てみよう。ターンテイブルの座標が確定したので、そこに線路を置いてみた。右上のほうから降りてくる線路は再設計している最中に撮ったので、続き具合がおかしい。現在は設計が完了したので、不自然さはなくなっている。
 高架に沿って廻り込んでいるのは、整備工場への分岐だ。本当はもう少し本数がほしいのだが、これが限界だ。空いているスペイスに何か欲しいのでそれを置くことにした。

head clearance 建築限界を調べている。この大物車は、当鉄道で一番大きく、125 mmの高さがある。高架部は203 mmある。レイルの高さが51mmなので、30 mm 弱のクリアランスがあることになる。直線の線路ならば、レイル高さは3 mm強低くなる。 




2015年07月12日

続 double slip

 たくさんコメントを戴いているが、ほとんどが「近鉄の南大阪線」であると、当方の間違いを指摘されていた。お恥ずかしい限りである。昔はこんなに本数がなかった。新しい駅になって配線も変わったのだ。

 先回魚田氏のレイアウトのことを持ち出したが、彼のスケッチを見たことがあるのは、たぶん筆者だけだろう。驚いたのは、敷地の対角線上に最大限の長さでヤードを置き、それにダブルスリップが5連置いてあった。
「このダブルスリップはどこで調達するの?」と聞くと、筆者に作らせるつもりであった。当時はアメリカに、そのような特殊スウィッチ専門の職人がいたので、「そこに頼めば?」と話を逸らせたのだが、しつこく頼まれた。
 何とか逃げようと思っているうちに、悲報を受け取った。

 魚田氏は、ダブルスリップの価値を見抜いていたのだ。シカゴに行ってたくさん連なった現場を見たらしい。写真集もよく見ていて、「こんな便利なもん、他にあらしまへん。たくさんつこうて、楽(らく)しますわ。」 筆者のレイアウトに来て、電磁式解放ランプの作動状況を調べていた。
 ハンプを作ってリターダを働かせるアイデアを紹介すると、早速線路配置を少し変えていた。やるつもりだったのだろう。そのリターダは圧縮空気の噴射でブレーキを掛けるものである。50年代のMRにアイデアが紹介されていた。

 Low-Dのピヴォット軸なら、実感的な運転ができそうだ。実は今回のレイアウトで。それをやりたかったのだが、スペイスが少し足らない。
 隠しヤードの脇にそれを作りたかったが、地下への斜面がかなり長く、場所が足らない。残念だ。先週はその斜面を作った。結局、勾配は1.9%とした。緩くすると、地下に下りた時には、すでにヤードの有効長を消費してしまっている。


2015年07月01日

続々々 easement

 コメントを戴いたので確認したところ既製品にもあることがわかった。

 倍の半径を持つセクションを挿むようになっていて、角度も1/2になっている。複線を想定しているから大したものだ。果たしてどの程度売れているのだろう。

cosmetic curve 筆者が建設中のレイアウトの緩い reverse curve (Sカーヴ)には大半径の円曲線を順次細かくはめ込み、曲率を逓減させている。その最大半径は10 m以上ある。この部分は通して見たときに違和感がないように、かなり丁寧な設計になっている。施工もCNCで切り出してあるので正確である。以前にも述べたように、カントも正確につけることができた。

 また、線路敷設用に定規をレーザで切り出してある。それをはめて線路を固定すると、きわめて正確な曲線が簡単にできる。 
 Armstrong氏はこの種のカーヴをCosmetic Curveと名付けた。単に直線にしても良い部分なのだが、緩やかな曲線にすると列車がうねりながら走り、感動的な場面となるはずだ。

 本線上はカント、緩和いずれもつけてあるが、構内の配線には全くついていない。 また、隠しヤードへの勾配線にはカントなしである。勾配は1.5%であるから大したことはないが、半径がやや小さく2600R程度であるから、内側に引き込まれて脱線することがないようにという配慮である。逆カントを付けるほどではないが、多少は配慮が必要であろう。隠しヤードは10線で200輌以上の収容力を持たせる。機能だけを考えるので、かなり簡略化した構造となる。

 隠しヤードはレイアウトの下に吊り下げる構造となる。事故時の対応を考えると、十分な照明と手の入るスぺイスが必要である。すべての線ではないが機廻り線を付けて、機関車を戻すようにする。途中にデルタ線があれば、転向も同時にできる。レイアウトの高さが1200 mmであるので、隠しヤードの路盤面は950mm程度になる。走行させるわけではないので、作りは簡便な形とし、ゴム板の上に線路を直接敷く。ゴム板の在庫は80 kgもある。これを有効利用したい。

2015年06月19日

続 鉄橋

 図書館で橋に関する本をいくつか読んだ。インターネット上でも、ある程度の情報に接することができる。一番良いのは専門家の話を聞くことだが、残念ながら、今のところできていない。

 新レイアウトはアメリカの鉄道を主題としているので、橋は当然アメリカのデザインになる。日本には少ないがBaltimore Truss にしようと思っている。筆者の好みである。これは圧縮材に座屈(buckling)が起こらないように補助を入れている。日本には例が少ない。あっても上路型である。
 手で作ると大変面倒な形であるが、レーザで切れば、楽である。

 ガセットプレートはブラス製でリヴェットを押し出す。このような仕事にもってこいの道具があるので、それを利用する。いずれ詳細については述べる。 
 橋台には熱膨張を逃がす装置が必要である。かなり大きなものになるので、省略はできない。枕木は正確に切り出してカントを付けて並べねばならない。その工法については、検討中である。

 たかだか600 mmの橋ではあるが、専門家が見てもケチがつかない程度に仕上げたい。前回のNゲージの鉄橋は、高さがまったく足らないとのことである。それと、これには大きな忘れ物がある。門構えのところは良いが、中間部に筋交いに相当する部品がない。だから非常に寂しい感じがする。

N scale bridge3H5H7H この写真の縦横比を変化させてみた。順に、高さを100%、130%、150%、170%とした。どれが良いだろうか。 

 


2015年06月17日

鉄橋

 最近、橋を見るたびに心が騒ぐ。今作ろうとしている橋のヒントがないか、目を凝らして見る。

 伊藤剛氏は、高速道路の橋を見るたびに、「軽くて良いなー」と思ったそうである。曲がった橋を見て、「自動車は軽いんだね。せいぜい30トンだからね。」と仰った。
 「『鉄道模型の橋の曲がったのを作るのは間違い』とある本に書いてありますが、勘違いで曲がったガーダ橋を実際に作った人がいます。」と言うと、 
 「機関車が100トンもあることなど知らないんですね。落ちてしまいますよ。」   と苦笑いされた。

 作るべき橋は全長650mm、複線で曲線上にあるから、幅は少し広くなる。  カントは枕木に付けねばならない。厚さの異なる鋼板をレーザで抜いて積層する。そうすれば、やや複雑な断面も、容易にできる。接着剤で付けるつもりだ。脱脂してあれば、驚くべき強度で接着できる。細かい部品もすべてレーザで抜いて取り付ける。
 ガセットにはリベットを打ち出して貼り付ける。

 問題は色である。どんな色が良いか、土屋氏に聞くのを忘れた。彼は無彩色を勧めるはずである。 黒か銀にするつもりだ。

 隣に置くガーダ橋はすでに材料を調達し、作り始めるところである。上路式にするつもりだ。 

N scale bridge Nゲージの複線鉄橋を見た。どうも弱そうな感じがする。たぶん背が低いのだ。機関車を通すのには無理があるように思うのは筆者だけだろうか。歩道橋なら可だ。この橋のプロトタイプが知りたい。

2015年06月15日

organizing bookshleves

sorting mags 先日、所属クラブの方々が手伝いに来てくれた。雑誌の整理がまだついていなかったのを、一気に片づけてくださった。雑誌は重く、とても一人ではできかねる。本当に助かった。 
 
 中には見たこともない雑誌があって、驚いた。土屋氏は丹念に鉄道関係の雑誌を集めていらしたのだ。

 その作業後、人数が居ないと出来ない作業を手伝ってもらった。それは6 mもある鋼の帯板をレイアウト路盤の24 mm合板に取り付ける作業だ。4人で持ち上げて押さえ、40 mmのネジで留める。

cantilever この部分は本棚の上を通過するのだが、オーヴァハングになっていて、下を車椅子が通過できるだけの幅を確保している。立っている大人は目の高さを列車が通過するのを眺めることができる。その時、せり出し部に手を掛けたりする人が居るだろうから、一応、大人一人の体重が掛かっても安全な設計にした。
 本棚から角パイプで骨を出し、それに合板を固定したが肋骨状の骨だけでは、荷重が一本に集中してしまう。
 棚部分の先端の全周を鋼板でつないでしまえば、荷重が一点に集中することがない。すなわち、走行時に路盤が波打って脱線ということから逃れることができる。

 完成後ぶら下がってみたが、3mm程度の変位であったから、十分安全圏に入っているものと思う。この部分にはアクリルガラスの防護壁が付く。

sorted bookshelves この写真左の赤いファイルはNMRAのBulletinである。毎月送ってきた会報である。
 70年代のものがまだかなり残っていた。80、90年代のものは、かなり捨ててしまったように思う。たまに見てみると思わぬ情報に接して、のめり込んでしまうことがある。



2015年06月13日

rock texture

 さて、高架線の路盤ができたので、橋とトンネルの工事にかかる。今回の線路は複線で線間が一定なので、トンネルは複線用を作らねばならない。トラス橋も複線用を設計中である。ただし、スパンの短いガーダ橋は単線用を並べる。今アバットメントの工事をしている。abutmentと云うのは、築堤から橋に移り変わるところにある橋台である。鉄筋コンクリートでできた、かなり頑丈な構築物だ。
  トラス橋とつながっているので、接続部にはピアも作らねばならない。pierはいわゆる橋脚である。比較的短い橋なので、垂直荷重だけ考えればよい。長い橋だといろいろなファクタを考える必要があるのだ。

 アメリカの重量級の橋を調べている。細い橋では実感が湧かない。それなりのデザインが必要だ。当分は仮の橋でまかなう。

 ヤードの横を走る高架部分は微妙にオーヴァラップしていて、気分が良くないので、路盤の縁を切り落とした。その部分は岩壁を作り、垂直に近い傾斜を作って逃げる。

rock texture by ceiling tiles 堆積岩が層をなしている場面にはよく出会う。筆者の地下のレイアウトにはそれが数メートルにわたって作られている。作るのは簡単で、天井材を手で割って、木工用ボンドで貼り重ね、それに水性ペイントを層に沿ってこすりながら塗り重ねればよいのだ。摩擦で角の部分が丸くなり、簡単にそれらしくなる。層理が水平では面白くないので、破片を挟んで傾けてある。なかなか具合が良い。角度が一定では面白くないので、破片を挟む位置を加減して波打たせると実感が出る。
 
 天井材は安いものである。原材料はセルロースとロックウールで、それに防火剤を含ませて成型してある。工事現場で捨てられるのを、大工に訳を話して貰ってくる。喜んで渡してくれるはずだ。場合によっては半端物を箱ごとくれる。 筆者のところにはそれが3箱ある。

2015年06月11日

laser level

laser level 最近、この種のレーザ機器はとても安価になったようだ。日本語では「レーザ墨出し器」と云うのだが、英語ではかなり面倒な名前がついていた。self-leveling horizontal and cross line generator (自動水平垂直線発生器)などと云っていたのだ。それがだんだん短くなり、レーザ・レヴェルで通用するようになった。
  
 今までは路盤の高さをオートレヴェルと云う望遠鏡(右)で見ていた。向こうに短い物差しを立て、それを覗いて見る。目盛を読み取って、「あと何ミリ下げる」と言うと、向こうに居る人がクランプを緩めて調節する。目盛が合ったところで、熔接するわけだ。必ず二人要るので、助っ人が来た時の仕事である。

 この器械を貸して戴いているので、その仕事は一人でもできる。レーザ本体を分厚い定盤(じょうばん)の上に置き、レーザ・ビームを出す。物差しを現物に当てて、レーザの位置を読み、目的の数字になるように上下すればよい。大変なスピードアップだ。

 電池もかなり長持ちする。すべての仕事が終わった後で、路盤に沿って物差しを当てながら歩くと、水平が出ているかどうかはすぐわかる。今までは、完工検査は実際の作業と同じ手順であって、面倒なこと、この上なかった。疲れていると、いい加減になってしまう。  

 高架部分の水平が出た。ここが水平でないと、間違って列車を流出させて大事故を招く。そういう意味で、大切な部分である。各種の厚さのシムを用意し、補正量を挿入する。重い材料であるので、肩で持ち上げて差し込む。
 
 二期工事の隠しヤードへの入り口の勾配も計算して、見当を付けた。工事は当分先になるだろうが、目論見は必要なことである。200輌ほどの容量を要求されている。隠しヤードに列車を入れておかないと、いちいち車輌を線路に載せなければならないので、事故の元である。運転の便を考えて、機廻し線も用意するつもりだ。 


2015年06月03日

East Meets West

East Meets West この標題はアメリカの大陸横断鉄道が、二つの会社によって建設され、ユタ州プロモントリィで結合された時の新聞の見出しである。
 博物館のレイアウトにおいても、いよいよ二つの方向から伸びてきた線路が、近日中に結合される予定だ。 

 作図をnortherns484氏にお願いしたので、先日測量をして戴いた。大体のところは図面通りで、誤差は1/1000程度であった。15 mで15 mm以下の誤差である。大きなものであるから、ノギスを当てて測ることができない。レーザの距離計、大きなコンパス、レーザのレベル出しなどで、レイアウトを作った訳である。実際のところ、誤差がどの程度か、見当もつかなかった。100 mmもあったらアウトである。曲線を作っていっても、向こうで二つの線路が合致しない。結果が出るまでヒヤヒヤであった。

 路盤は15 mmの合板を使うつもりであったが、同じ敷地内の裏の家を取り壊しているときに出てきた、大きな分厚い一枚板があるので、それを使うことにする。幅650 mm、長さ2100mm、厚さ28mm もある。和服の手入れの時に使ったらしい。もう何十年も使ってないので、乾いていて、 カリカリと云う音がする。捨てることはないので運んできた。

 今回は二つの線路を向かい合わせると、間に直線を挟めばOKであった。十分正確とみなせる。 向こうにトンネル内壁が見える。これはテキサスから運んできたもので、Lorrel Joiner氏にもらったものだ。
 これを使おうと思ったが単線用であり、どうやっても曲線の複線には向かない。

 トンネル部の上は築堤であるから、どちらかと言えば、コンクリートの擁壁を作って天井にIビームを並べたもので十分である。そういう作りをよく見た。鉄骨はむき出しであった。塗装がないと云うのは内陸部の常識である。しかし、蒸気機関車の時代は煙に酸性物質が入っているから、錆びやすかったはずだ。

 鉄橋が完成するまでにはしばらく時間がかかるので、仮橋を作って仮開通の予定だ。自宅から貨車を大量に輸送しなければならない。2編成で200輌必要だ。


2015年06月01日

vertical curve, reverse curve

 高架部分には縦曲線がある。vertical curve という。1.6%の坂を登って、平坦線になるところである。
 車輌に人間が乗るわけではないので、加速度を正確に増減する必要はない。ごく適当である。連結が切れないような動きをすればよいだけなので、深く考えた訳ではない。ただ、見たところ不自然であってはいけないということだけを念頭に置いて作った。
 この3.6 mのセクションをいくつか試作してみたのだが、2本の鉄骨(30 mm角アングル)の間に合板を置き、それが重力でたわんだ形が気に入った。
 厚い24 mm合板では、その剛性が大きすぎて不自然だった。15 mmではやや薄すぎる。12 mm合板を2枚接着剤を付けずに重ねるとよくたわむ。荷重を掛けない状態で接着剤をはさんでもう1枚載せ、数か所をネジで留めた。すなわち、グランドピアノの曲がった板のように、曲がった状態で固着し、その状態を保存したわけだ。

 接着剤が固まると大きな剛性があり、形もよい。全体を鉄骨で挟んだ状態でたわませたので、そのまま、ドリルビスで留めた。鉄骨と合板は6本のネジだけで留まっている。合板は少しずらして使ったので、切れ目が見えるわけでもない。鉄骨も大きな剛性があるので、人が載っても大丈夫である。

reverse curve この写真をご覧になると路盤のたわみ具合がよくわかる。reverse curve とは、日本語でいうところのSカーヴである。間に車体長程度の直線を挟んである。これをやらないと脱線するし、見かけが良くない。緩和部分は大半径の円曲線を挟んでいる。当初、インチキな方法だと思ったが、吉岡氏の理論をよく理解できるようになると、実に合理的であることがわかった。車体の食い違いを十分に補正してくれ、走行時の見かけが大変良い。

 フレクシブル・トラックは仮に置いただけなので、多少食い違っていることはお許し願いたい。カントが徐々に減少し、やがて増えていく様子もよくわかる。自動車用パテで三次曲面を作った。面倒ではあるが正確なカント逓減、逓増が実現できる。 



2015年05月30日

高架部分の建設

from South 高架部分の延長工事が進んでいる。半径2800 mmと2900 mmの複線だ。100 mmずつ、左右に犬走ならぬ保線用の自動車が走るスぺイスを設けている。つまり、幅が400 mmの厚板である。かなり重い。
 先日ケチな板取りの工夫を紹介したところ、N氏が、
「そりゃそうです。無駄なことはもちろんのこと、ごみを捨てるのも大変です。HOでも困るのですから、Oなら余計大変ですよ。」
とおっしゃった。実際にレイアウトを作っている人の言葉は重みがある。

 今回もかなり工夫して、無駄が出ないようにした。斜めの切れ端は背中合わせで貼り付けて、支えにした。まだ仮の状態であるから、天端(高さ)は合っていない。

 問題は三分岐のあたりが周回部に近いことである。その部分の路盤をほんの少し削らないと、オーヴァ・ハングになる。特にシーナリィを設けないディスプレイ・レイアウトなので、どうでも良いのだが、鉄筋コンクリート造風にはしたくない。岩の上を走っている形にする。岩のテクスチャは作るが、色は他の部分と同じグレイである。
 100 mmの余裕部分を、75 mmほど削ることになる。すなわち、犬走になる。

from North 鉄橋の設計にかかっている。例によって図面化はnortherns484氏にお願いしている。鋼板をレーザで切り抜いて積層する。稲妻型の補強もレーザで切れば、訳はない。模型の橋を鋼で作るというのは、模型界広しといえども、珍しいはずだ。かなり重くなるだろう。
 スパンは650 mmで複線型だ。その部分でBig Boyが2台すれ違うと、ざっと700 tonだから、かなりの強度がないと不自然だ。重量級の橋になる。

 音をピックアップするマイクロフォンを付けて、通過する列車の音を拡大して聞かせるようにするつもりだ。

2015年05月24日

博物館工事進捗状況

upper tracks 高架部分の路盤がある程度出来上がった。大体の様子はお分かり戴けるだろう。

 高さもまだオート・レヴェルで合わせてはいないが、ほとんど正しい高さにはなっている。合板は24 mm厚で、これも節約して2枚取れるように工夫した。写真では切り落としていないが、卦書きは入れてあるので、切り離して別の場所で使う。レシプロ・ソウを使えば、この高さであっても簡単に切り離せる。

cosmetic curve この写真でお分かりかと思うが、Sカーヴは直線を挟んで作られ、緩和はきわめて大半径の円曲線をいくつか組み合わせている。カントが付けられているので、列車は左へ右へと傾きながら走るはずである。見せ場である。


 下の平面の線路と交差するところはトンネルで解決する部分と、橋を掛ける部分がある。複線間隔が小さいので、複線用のトンネル、橋を用意せねばならない。

 高架線が広い平面にある時は盛り土風にすれば良いのだが、下の線と近い場合は垂直に逃げなくてはならない。細かいストラクチュアを作らないディスプレイ・レイアウトであるから、その部分を板で作ることになるのだが、多少の工作もする必要があるだろう。その手加減が難しい。

4-track 複々線部分の路盤は完成して、すでに塗装も完了している。この写真はかなり古い。
 



2015年05月08日

パズル

 高架部分の路盤を作り始めた。28 mmという厚い合板を安く手に入れたので、これを有効利用したい。幅400 mmで中心線の半径2850 mm路盤をその板から取ると、1枚しか取れない。半分以上を捨てることになるから、あまりにも、もったいない。
 
 工夫して2枚取れないものかと、ずいぶん考えた。長手方向でつなぐと、弱くて意味がない。幅の方向なら、つないでもよいことにする。

 ある程度考えて、northerns484氏に相談した。コンピュータで細かい数字を調べてもらうためだ。たちどころに修正された答が返ってきた。

puzzle 筆者の案よりはるかに素晴らしい解で、内側の部分を切り取って外側に貼り足す。殆ど無駄にならない。剥ぎ合わせるのは、専用の機械と部品があるので、訳なく出来る。

 問題は切り出し方だ。真ん中の直線は、丸鋸を注意深く沈めれば切れるが、端は深さ方向に、丸くなる。完全には切れない。細かいところは、手で鋸を挽く以外なさそうだ。しかしこの合板は固い。曲線部分の切り出しも大変だ。外周の方は丸鋸で大きく切って、多角形にしていけばできるが、内側の曲線は不可能だ。
 曲線を丸鋸で切るのは、筆者の得意技である。後ろの切れ目にくさびを押し込んで広げながら切るのだ。しかし、厚い板はできない。せいぜい12 mmの板までで、それ以上はアサリの厚みでは切れない。

puzzle 2 そこで登場するのは recipro-saw である。レシプロ・ソウとは、往復動で切る電動鋸である。日本の大工はあまり持っていないが、アメリカの大工は非常によく使う。窓を抜いたりするときに便利だからである。

 普通は垂直に使うが、今回は寝かせて曲線切りをする。刃のしなりを利用するのだ。この調子で切っていたら、近所の人が見ていて、「名人芸だね。大したもんだ。」と感心していた。

puzzle 3puzzle 4 これが切り終った状態である。残材が少ないので気分がよい。

 この話を数学の先生に話したら、
「条件が足らない。切る回数を少なくと言わなきゃ駄目だよ。僕だったら、極めて細く切って張り合わせるな……。」

  

2015年04月18日

CNCルータ加工

CNC-milled plywood 半径2800 / 2900 mmの複線は必要数以上にあるが、複々線の3000 /3100 mmの道床付き路盤がない。吉岡方式で作るのはやや面倒であったので、12 mmのType 2 ラワン合板で正確なものを切り出して作ることにした。その他、高架線の緩いS字カーヴ(cosmetic curveという)を直接切り出した。いくつかの会社に見積もりを出してもらい、安いところに注文した。高いところと比べて40%以下の価格であった。 

 DXFというプログラムで書いた図面を送ると、直ちに見積もりが出てくる。工場としても、何も考えることもなく、合板を持ってきてセットするだけであるから、割の良い仕事であるはずだ。本業の仕事の隙間に入れて貰えば、訳なくできてくる。

 S字カーヴは見せ場である。緩いカーヴをうねりながら列車が走る。真正面から見ると素晴らしい景色だ。この種のカーヴでは、カント(superelevation)が重要である。この区間ではコの字断面の路盤の片方の足を多少伸ばしてカントを付ける。長さが何 mもある側板の高さが、左右に曲がると微妙に伸び縮みしてカントを作る。それを卦書いて、正確に切り出すというのは、凡人には出来ない。削り易い材料で作って鉋(かんな)を掛けようとも思ったが、潔く諦めて、CNCのお世話になった。プログラムはnortherns484氏にお願いした。曲率が微妙に変化するのだが、実に美しいS字カーヴになった。

 この写真の左上の6枚は緩和部も含めて切っている。一枚ずつ形が違うことがお分かりいただけよう。
 出来上がりをノギスで測ると、実に正確で驚いた。これを組めば、自然に、うねる線路が出来るわけだ。

 このようにCNCは、人間の工作の限界をはるかに超えた正確な寸法を出してくれる。カントの無い線路を作って、楔(くさび)を挟んで調節するなどということは、しなくて良いのだ。

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