ハンダ付け

2024年05月12日

resistance soldering

 Dennis の工房には工夫が満ち溢れている。炭素棒の保持具は面白い。筆者の作例では、握りの軸の延長上に炭素棒がある。それでも良いのだが、曲がっていると楽だろうな、とたまに感じることがある。

carbon rod soldering (2) これを見て戴きたい。厚いブラスの板に貫通孔をあけ、それをスリ割フライスで切ってある。炭素棒を差し込み、ネジを締めるのだ。下の板はアースとなるブラス板だ。


carbon rod soldering (1) 簡単にして確実な保持方式であり、力も入れやすい。握りは熱くなるので、熱絶縁が必要である。ベークライトの板と管で作った握りである。電流は20 A程度で、スライダックで一次側を調節している。

IMG_4168 Dennisはこの種の工夫をする能力に長けている。ありとあらゆる工具を使いやすい形に改良している。 これを見習って作ってみたい。握りは木製にするのが簡単そうだ。ヤスリの握りで大きなものがあるがそれを少し加工すればできそうだ。

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2024年04月20日

signal bridges

 持って行ったのは例の信号機のキットである。4線用と2線用の予備を作ってあったのでそれらを進呈した。体積は小さいので、スーツケースに簡単に入り、土産としては最適であった。

soldering on stainless steel is hard without acid flux Dennisはその設計の妙に非常に感動した。すべてがぱちぱちと収まり、ヤットコでつまむだけで形ができる。それをハンダ付けするだけなのだが、それには大変手こずった。ステンレスをハンダ付けしたことが無いのである。要はフラックスなのだが、塩酸の入ったタイプが無い。ロジン系のものは全てダメで、どんなに磨いてあっても全く流れない。ハンダは玉になっていた。
(この写真のハシゴの上部の不要な凹みはすでにプログラムを改良し、滑らかになっている。)  
  
 棚を探し廻り、ようやく酸性タイプを見つけたが、それはリン酸系のもので、これまた機能しない。街の工具屋で銅配管用のフラックスを探したが、最近は酸性のものが無い。というよりも、銅配管でハンダ付けをしなくなったようだ。ワンタッチで抜けなくなる巧妙な接手があり、それで100年以上持つという話だ。

 Dennisの知り合いの工場で塩酸を持っているところがあるというので、それを貰いに行ったが、どうも薄いようだ。臭いがほとんどない。筆者が塩化亜鉛と塩酸を少し持って行くべきであった。

 大変な苦労をして多少は流れるようにはなったが、筆者が参考用に持って行った写真のようにはならない。その写真では、すべての接合面に石鹸水のように沁み込んでいる様子が写っていた。Dennisは「これはうまいなあ」と感嘆していた。ステンレスは熱伝導率が極端に小さいので、小さなコテで付き、素手でワークを持っていられることを示すと、感心した。
 写真のハンダゴテはピストルタイプで、出力は150 Wである。引金を引くと、3秒くらいでかなり熱くなる。ハンダはボテッと付いている。こうしておいて、あとで塩酸を塗って炭素棒で加熱すると沁み込む。

 先回、筆者は1本あたり40分程度でハンダ付けが完了したが、フラックスが無いというだけで、2日もかかった。この写真を見せて同等品を探すように伝えた。おそらく水道屋の友人を訪ねて探してもらうだろう。 

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2024年03月28日

surface tension

 先日の記事で、Tavata氏がコメントを投稿された。それには「微小パーツがコテに吸い付けられて動いてしまう」とあった。これはまさしく表面張力の影響である。
 この趣味をやっていて初めて、正しい表面張力に関する意見を戴いたことになる。 今までは例によって、ハンダが融けて沁み込む時に「表面張力が小さくなっている」などの間違った表現を書いているのが普通であったのだ。

 それに対する筆者のコメントをお読み戴けただろうか。コメントにしては珍しく、「いいね」のような印がたくさんついている。
 この動画はいつも見ているイチケン氏のエレクトロニクス講座で、筆者の好きな動画だ。練りハンダを置いて、そこに微小部品を並べる。下からヒータでハンダの融点付近までゆっくり加熱すると、ハンダが融けて上に載っている部品は吸い付けられる。多少ずれていても、所定の方向に整列してハンダ付けが完了する。これが表面張力の威力である。融けた金属の表面張力はきわめて大きいということを実感できる。

 中学校までの理科で大まかな知識は得られる。観察は大事だ。持っている知識と照らし合わせて、どの理論が適用されるとこの現象が説明できるかということを考えねばならない。
 最初から考えるのを放棄して、人の言うことを鵜呑みにする人があまりにも多い。また、「理屈はそれが好きな人が考えれば良いことで自分は関係ない」と公言する人も居る。しかし間違った理論を広めて良いはずはない。

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2024年03月16日

soldering technic

 最近はあちこちでハンダ付けの作品を見せてもらうチャンスが多くなった。どういうわけか、筆者に意見を求める人が増えてきたのだ。筆者は、長年ハンダ付けについて「世の中の常識」とは異なることを言って来たのだが、ようやくその「常識」がおかしいことに気づき始めた人が居るということなのかもしれない。

 先日見た作品(HOではない)は悲惨であった。外見はそこそこに良いのだが、すべてのハンダ付けが点付けである。強く握るとその部分は良いのだが他の部分は浮いているから変形する。元に戻ればよいがそうは行かないだろう。

 先日博物館に来訪したHOの方達は、機関車が重いのには驚いた。持ち上げるのは特定の場所を掴まないと壊れるということを実感した。脱線するだけでも壊れることがあると言うと、そうかも知れないという顔をした。連結時に壊れることもあると言うと、貨車や客車の車体の中心を貫く骨の太さを確認して驚いた。

 ハンダ付けでハンダが外に出ていないのを称賛したのは山崎氏である。昭和40年代の作品だったと思う。あの頃から模型界が変な方向に向かって行った。筆者は幸いにも達人の指導を受けたので、丈夫で長持ちする模型を作ることが出来た。今回のペースト事件で、またおかしな方向に行かねばよいがと思う。 

 要するに、自分でものを作れない(作らない)人が、そのテクニックについて書くべきではないのだ。口先だけでものを作れると思っている人は多いと感じている。 旋盤も「持っているから自分はできる」と思っている人は多い。やってみれば「そんな筈ではなかった」ということが多いのだそうだ。筆者のところに指南を受けに来る人が増えてきた。やって見せると「なるほど」と思うことがあるようだ。
  筆者は中学生の頃にプロの指導を受けた。今となっては得難い経験であった。教科書を読むだけでは決して得られぬノウハウがたくさんあった。

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2024年03月14日

amalgamation

 再度アマルガメイションについて説明せねばならない。元々は金属学用語なのだが、現在では社会科学的な話題や金融機関でよく用いられるようになった。もちろん英語圏での話である。
 日本語では混汞法(こんこうほう)と言っていたが、もはや誰もそんな言葉を知らない時代になった。水銀は常温でほとんどの金属との合金を作る。例えば銅線に水銀を付けると水銀は流動しにくくなる。生じる合金中の銅が多いからである。それにもう一滴水銀を足すと流動するようになる。

 融けたハンダが清浄な銅板またはブラス板に接触すると、驚くべき速さで合金化が進む。酸素の無い環境(真空が良いのだが、装置を作るのがが面倒なので、アルゴンを満たしたテントの中)で物理的に磨いて、ハンダ付けをするとよく付く。まさに石鹸水をこぼしたような感じで隙間に沁み込む。
 その昔、伊藤剛氏が名古屋のクラブの会報のマンガで紹介していた。宇宙服を着て、月面でハンダ付けしている誰かさんに、後ろから「こんな所まで来てやることはないのに。」と言う場面だ。

 フラックスは塩化亜鉛に限らず、ある程度の高温で蒸発せず、金属酸化物を溶かすものが効果を持つ。そういう点では松ヤニの効果を見つけた人は偉いと思う。日本では梅酢を用いていた。果実から得られた酸は蒸発せず、ある程度の酸性を示すので効果があったのだ。筆者は文献に書いてあるすべての物質で、効果があることを確かめている。

 日本では工業的には昔から塩酸を用いてきた。塩化亜鉛はそれほど昔から使われているわけではない。おそらく昭和の時代からであろう。昭和40年代までの自動車工場ではボディのリア・クォータの継ぎ目を塞ぐのに塩酸をフラックスとして鉛ハンダを流していた。その後は当然ヤスリで削り取るのである。

 酸で金属面を洗うと新しい金属面が露出し、ハンダのスズがそれと合金を作る。この速さは驚くほど早い。それを見て、表面張力が小さくなったと勘違いするわけだ。繰り返すが、表面張力は関係ない。単に、母材がハンダと馴染みが良く、急速に合金化するからである。これはまさに磨いた銅板に水銀を一滴落としたときと同じである。

 ハンダ付けの後でハンダが見えないようにするために、キサゲで削って銀色部分をなくすのは賢明とは言い難い。母材との合金が出来ているわけだから、ブラス色が見えるようになるとすでに母材はかなり削られている。すなわち平面性は失われる。 このことはかなり前からここで述べているが、理解している人は少ないと感じる。
 日本でも、そろそろハンダが滲んだ模型を美しいと感じる時代になるべきだ。 

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2024年03月12日

soldering paste

 昨夏に久保田富広氏による講演があった。著名な模型人であり、その講演を聞くためだけにJAMに行ったという人もいる。
 その後、何人かの人から質問を受けた。久保田氏は塩化亜鉛を使わずにペーストを使ったそうで、それが残留していても錆を生じないというのは本当か、というものであった。

 まずこの話は、ペーストとは何かというところから始めねばならない。ペーストはワセリン(半固形の炭化水素の混合物)あるいは獣脂に松脂などを練り込んだものだ。茶褐色である。現在市販されているペーストと称するものの組成とは、かなり異なる。松脂は熱分解して各種の有機酸を生じ、それが金属表面の酸化被膜を溶かしてスズによるぬれを助ける。これだけで終わるのなら、ペーストが残っていてもまず錆びたりしない。しかし模型は空気中にあるから、酸素の影響を受けていることを忘れてはいけない。ここで問題になっているペーストであっても反応速度は遅いが錆を生じる。
 ペーストを使ってハンダ付けするときは、接合面をよく磨いて酸化被膜を取り除いておくことが不可欠である。塩化亜鉛なら、多少の被膜は溶けてしまうから、とても楽である。

 現在市販されている塩化亜鉛入りペーストは全く別問題であって、同列に論じることは出来ない。これを洗わずに放置すると、一週間で酷い錆を生じる。拭けば取れると思っている人が居るようだが、それほど簡単な話ではない。
 
 筆者のところにはBill Melisの作品がある。彼はペーストをよく使った。場合によって、作品の車体裏にはべっとりとペーストが付いていることがある。錆びないだろうと思って放置したものの、40年も経つと裏側に緑色の錆がびっしり付いている。酸素が働くのである。酸素から逃れることは出来ないから、反応しそこないの有機酸はブラスを侵す。
 このプロセスを厳密に説明すると、
1. 酸素が金属を酸化し酸化物を作る。
2. その錆が有機酸と結合して色の付いた塩を生じる。
3. 有機酸は酸化物を消費することになるので平衡がずれる。
4. その結果、酸化は起こり易くなり、結果として錆を生じる。
 ただし、この錆の発生は塩化亜鉛を用いた時と比べると極めて遅く、10年以上掛かって目に見えるようになるだろう。面白いことに薄くついている部分は錆びやすく、こってりついているとその部分の中心部は錆びにくい。これは酸素透過の起こりやすさと関係があることを示している。

 筆者は他の作者のペーストを用いてハンダ付けしたブラス製品をいくつか持っていたがどれもかなり錆びて緑色になっていた。
 錆びないわけはないのだ。錆びる速度がかなり小さいというだけである。熱湯を掛け、洗剤を付けて歯ブラシでこするべきだ。場合によっては熱湯で煮ると良い。
 我々は塩化亜鉛を使うことに慣れている。水洗いで済むというのはとてもありがたいことなのだ。この講演を聞いて、ペーストは素晴らしいものだと勘違いする人が増えねばよいがと思う。 

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2024年03月10日

surface tension??

 その種の違いがわからない人の文章に、必ずと言って良いほど登場するのが、この表面張力という言葉であるという。最近はその種の文章を読むことに拒否反応が出るようになってしまったので、伝聞の情報ではあるが、複数の人が同じことを言っているので確実なのだろう。それをまとめて言うと、表面張力という言葉が出てくるハンダ付けの記事は怪しいものが多いということだ。

「塩化亜鉛を使うと融けたハンダの表面張力が小さくなるので沁み込む」とあるらしい。これはとんでもない間違いである。
 融けた金属の表面張力はとても大きい。水銀の玉を見れば分かる。液体の銅(約1100 ℃)で水の20倍というデータがある。常温の水銀で18倍だそうだ。ハンダもその程度であろう。
 表面張力を測る物理実験を学生の時にしたことがあるが、純水の値を求めてから界面活性剤を一滴落とすとその値は二桁ほど小さくなった。これは界面活性剤が水に溶けるからである。

 塩化亜鉛は融けたハンダの液体に溶ける、とでも言い張るつもりなのだろうか。塩化亜鉛はハンダには溶けない。塩化亜鉛は金属表面の酸化物を溶かして新しい金属面を出しているだけである。そこにハンダの有効成分であるスズが接触するとアマルガメイションが起きて「ぬれ」を生じるのである。ここでは表面張力は全く小さくなっていない。塩化亜鉛水溶液に界面活性剤を足してあるものもあるが、それは多少の油気がある金属面であっても、塩化亜鉛水溶液がその表面をよくぬらすようにする工夫である。これは筆者も時々やる。サンポールなどを一滴足せば良いだけである。これでハンダ融液の表面張力が小さくなるわけではない。ここで起こっていることは、塩化亜鉛水溶液がワークをぬらし易くなり、その結果、露出された金属面をハンダがぬらすのである。

 この種の間違った情報を面白半分に流されると、この趣味の発展には害があるような気がする。見つけたら削除を求めたほうが良いかもしれない。しかしそういう人はそれが間違いだとは認識しない可能性が高いと見ている。

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2024年03月08日

続 Sn 63% - Pb37% solder

 今でも 63% ハンダは60%ハンダと使い心地が違うのですか、という質問が多い。ウェブ上では、「違いがない」とわざわざ書いている人まで居るそうだから、救いがない。

 これは実際に使ってみればすぐ分かることである。使った上でも分からない人は、付けるものが小さくてコテからの熱が全体に行き渡る様な条件だろう。要するに「違いが分からない条件」を作っているのだ。ある程度の大きさのものを小型のガストーチあるいは炭素棒などで加熱してハンダを廻さねばならないときは、その違いを顕著に感じることができる。
 
 63%ハンダはどこに行けば買えるのですか、という質問も多い。専門店に行かなくても、近くのホームセンタで買えるはずである。
 ステンレス用と書いてあるものはどういうわけか63%である。その理由はよく分からない。昔、板金屋のおじいさんはごく普通の50%ハンダで上手に付けていた。もちろんコテは焼ゴテである。ステンレスは熱伝導が良くないので、付き易い。

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2024年03月06日

Sn 63% - Pb37% solder

 63%ハンダの使用量が多く、余分な60%ハンダから作っておくことにした。母体となる60%ハンダには、どういうわけか70という番号が打ってある。
 
 これが 210 gある。それにスズを何 g 足すと63%ハンダになるか…という中学1年生の数学である。
 スズはかなり前に手に入れたものだ。たまたま東急ハンズで見かけて買ったような気がする。昔はこんなものまで売っていたのだ。

63% solder 棒状のスズを大きなハサミで切って、所定の質量を量り取る。それをるつぼの中で融かしたハンダに足せば良い。針金で掻き回して均一にする。温度が高くないので、ダンボール箱を傾けた溝に流して三角の断面にすれば良い。あっという間に固まって出来上がりだ。これが鉛であると、300 ℃以上でダンボールは燃え上がってしまうことがある。燃えなくても焦げてしまうだろう。屋外のデッキの上でやっているが、こぼれたとしても火事になる心配はない。

 加熱すると瞬時に必要な範囲が完全に融け、加熱をやめて息を吹きかけると、瞬時に固まる。
 50% や 60% のハンダとは全く異なる世界である。63%ハンダは白い。固まるときにはこしあん状態にはならないので、失敗することもない。このこしあんの状態で少しでも動かすとハンダにヒビが入って失敗である。

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2023年09月16日

center sill

 鉄道玩具の床板を分解し、余分なものをすべて外した。先回作ったcenter sill(背骨)は10 mm角であって、 重過ぎた。
 高さがあれば良いので、5 mm角に、9.5 mm(3/8インチ)x0.8 mm(1/32インチ)の平角棒を左右に貼った。

center sill さすがにこのハンダ付けは、炭素棒では難しい。出来ないことは無いが、連続使用すると電源が焼ける虞れがある。30秒以内の使用に限らねばならない。
 複数のクランプで締め、ガス火で炙る。薄板は温度が上がり易く、膨れ上がるから、クランプを順に緩めながらハンダを流す。全体が温まれば、膨れ上がりは収まる。63%ハンダを使えば、全面ハンダ付けは簡単だ。この状態で質量は 93 g とかなり軽くなった。剛性は十分にある。(写真左は細い背骨だけを示す。右3つは細い背骨を置いてみただけである。まだメタルタッチになっていない。薄い床板にはプレスで膨らみが作られ、照明部品などを差し込むようになっていた。それらを全て切り取らないと背骨が密着しない。)

 背骨の裏をベルトサンダで研磨して平面を出し、鉄板の薄い床板にネジで締め付ける。連結器座の高さまで到達しないので、別部品を作ってハンダ付けし、持ち上げる。それをフライスで正確に削って、連結器座とメタルタッチさせるわけだ。 

 ここで気が付いたのは、荷物車の床板高さは他車の床板高さより 3 mmも低いことだ。すなわち、押出しの型が違うということである。そうするメリットがあるとは思えない。車輌外形は全く同一である。妻板は同じなので、妻板の取り付けには妙なスペイサを挟まねばならない。理解不能だ。  

 その床板が低かったので、ムクの背骨は、まだ細くて済んだわけだ。そうでなければ、13 mm角を使わざるを得ず、諦めて別の方法を採ったであろう。

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2023年07月06日

配管工事

 マンションの改装工事はほぼ終わり、そろそろ貸し出す予定である。ご興味のある方があれば、連絡願いたい。

省エネ エアコン 場所は名古屋西方の私鉄駅前、徒歩1分の2LDK、60平米強である。省エネルギィ・サッシに全て取替え、全室エアコン付き。18畳LDKのエアコンは最新の省エネルギィ・モデルである。全室LED照明で最新型日本製食器洗い機も付いている。最寄り駅には電車の車庫があり、名古屋からの最終電車はこの駅止で、乗り過ごす心配はない。また一番電車もここから出て、名古屋まで最速12分である。
 先月洗濯乾燥機を差し上げると書いたところ、3時間で譲渡先が決まったので、二匹目のドジョウを狙って、今回もこの場で宣伝することにした。

日本製配管 水道工事をして、すべての配管、水栓を日本製にした。当時の日本製のシングルアーム水栓には、特許の関係でろくなものがなくアメリカ製のものを導入した。しかし今後の修理のことを考えれば、日本製にしておかないと、困ることになると思ったからだ。帰国時にアメリカから、銅配管の材料を大量に持ち帰り、局部電池による電蝕の害を防ぐ継手を使って配管した。大半を取り外して処分したが、銅スクラップの引取り価格が高くて驚いた。当時のアメリカの銅価格は極端に安かったのだ。

elbowMaytag dishwasher 我が家もキッチン周辺には銅配管が多く、食器洗い機への接続等があったが、30年も経つと微妙な漏れが発生し、その原因の銅製可撓継手を取替えるついでに、水栓も日本製に更新した。食器洗い機は例の Maytag である。日本製のステンレス可撓継手に合う継手は 3/8インチと1/2インチを結ぶエルボ(直角曲がり)で、これは日本では手に入れにくい。手持ちの2つの部品を旋盤で挽き、 0.03 mmの隙間を空けて組合わせる。塩化亜鉛ペーストを塗り、ガス火で炙る。そこにこのスズアンチモンハンダを押し付けると一瞬にして終わる。融けたハンダは隙間を均一に満たし、強固な結合ができる。この融点は240 ℃と高く、炙り付けが基本である。40年ほど前にアメリカで買った水道工事用である。健康に影響はないはずであるが、今は含アンチモンハンダは使わないようだ。このハンダの硬さは素晴らしい。快削性がある。


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2023年05月09日

続 伊藤英男氏のハンダ付け

 この写真を伊藤英夫氏のディーゼル電気機関車ご覧戴きたい。屋根は側板の上から 1/3 と一体である。曲げる時に万力の幅を超えない程度の長さにしているのだ。それをネジで接合している。
 床板を留めるL字の部品もネジ留めしてから、ハンダ付けしてある。もちろんネジの先は削り落としてある。ドアなども全てハンダ付けの前にネジで締めてある。
 これが伊藤氏のやり方だ。頑丈であることは比類ない。

伊藤英夫氏のディーゼル電気機関車前頭部 前頭部の接合部を再度見ていこう。t1.0の板を叩き出して丸みを付け、それを側板と組合わせている。この接合なら、正面衝突しても生き残る可能性が高い。衝突相手も同程度の剛性を持っていれば、スカートは交換せねばならないだろうが、上廻りは無傷だろう。
 当然のことながら、接続はネジを介している。こういうところにこだわるのは、頑丈さを求めているからである。この1輌に使われたネジは120 本 ほどである。

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2023年05月07日

伊藤英夫氏のハンダ付け

伊藤英夫氏のハンダ付け これは前頭部を裏から見た写真だ。パイロットの裏はこのように付いている。ハンダが滑らかに流してある。このハンダの色は50 : 50のハンダだ。融点は高いから、よほど強く加熱しないとこのような仕上がりは望めない。大きなコテでじっくり加熱したのだ。当然のことながら、その間に動かないようにしなければならないので、ネジで留めてから加熱している。

 パイロットは t 1.5の板である。裏を欠き取って曲げてから、外側を削って鼻筋を出してあるところが上手い。これはなかなかできない方法である。

 右の屋根を見ると、ところどころに僅かにネジの跡が見える。それはハンダ付けの前にネジを締めているからだ。ハンダが十分に流れたあとでネジの先を削り落としている。
 この種のハンダがたっぷり付けてある作品を見て、ヘタクソだなどと言う人が居るが、無知の極みである。

伊藤英夫氏のEA, EB これは床板の仕上がりである。側面に当たる部分は6 mm角を貼り付けてあるが、これもネジで留めてからハンダ付けしてある。前頭部の丸みは 6 mmの板を丸く切り抜き、貼り付けてある。伊藤氏は角材を曲げることを嫌った。内側が太くなり、外が薄くなるからだ。
 筆者は角材に切れ目を入れて曲げ、盛り上がり部を削った。  

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2023年05月03日

続々々 思わぬ到来品

roof construction これは伊藤氏の作品であった。名前が書いてあるわけではないが、間違いなく伊藤氏である。この写真をご覧になると分かるだろう。

 床板を外した瞬間で、埃が積もっているのはご容赦願いたい。屋根板は長いものを一気に曲げたのではなく、短いものを順次つないでいる。大きな機械を使わず、確実な仕事をする工夫である。ハンダ付けした後、丁寧にヤスリを掛けて曲率を合わせている。このあたりは名人芸である。

 板厚はすべて1 mmである。ハンダはきわめてよく廻っている。その技量も大したものである。現在では、炭素棒を使えばこれぐらいのことは出来るが、コテでやろうとするとかなり難しい。大きな船の模型を作る手法だ。 

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2023年03月26日

続 ナンセンス集

 ・ハンダ付けをするときは、ワークを斜めに立てかけて、上からハンダを付けると全体に流れやすい。ハンダが流れ始めたら、一旦コテを離すと、ハンダがしみこむ。
 これも何を言っているのか全く理解できない。ハンダは「ぬれ」によってしみこむので、下からでも入り込む。隙間は狭くても入り込むが、タガネ等で傷を付けてわずかに隙間をあけた上で締め 、加熱すると良い。秘訣は、フラックスを十分に塗ることだ。圧力を掛けているコテを離すと、隙間があいてハンダ層の厚みが異なる部分ができ、仕上がりが極めて良くない。

私は折らない ・糸鋸の刃は、私は折らない。刃が半分くらいになるまで使う。

 これには参った。実際にそうやっているのかどうかもわからない。刃の先端に焼きが入っているはずである。それが無くなるというのはどのような状態だろう。なにかの勘違いだろうが、それを人に言うという状況が理解しがたい。
 糸鋸の刃の寿命は12分だそうだ。これは何万本も消費したプロが言っていることだから、間違いないだろう。


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2023年01月05日

突切りバイトを作る

 旋盤上での「突切り」という切断は、なかなか難しいのだそうだ。市販の突切り刃物では思うようにできないと言う人は多い。それぞれが様々な工夫をされているが、決定版と思われるものは無さそうだ。糸鋸を押し付ける方法をよく見るが、寸法が出ないから、感心しない。
 むすこたかなし氏のブログで紹介されている方法は、日本のロクロ屋で長らく使われた手法である。当時は金鋸の刃を折って作った小片をハンダ付けしていた。フラックスは当然のように塩酸を用いていた。小学生の頃、その作業をよく見るチャンスがあった。

 バイトになる鋼の小片は、使い捨ての折るカッタナイフの刃先から作ると簡単である。筆者は45年くらい前からこれをやっている。ハンダで付けると、取れやすいと思っている人が多いらしい。筆者の方法をあからさまにバカにする人もいたが、やってみればわかることで、剥がれることはない。剥がれるのならロクロ屋さんは仕事ができなかったはずだ。
 先入感でハンダは弱いと思っているのだろう。それはご自身のハンダ付けがおヘタである以外に、理由は思い付かない。十分な加熱により、ハンダが鋼片をよくぬらしていれば、そう簡単には取れない。ハンダの層が十分に薄いことが不可欠である。融かした状態で、鋼片を金属棒で軽く押し付ける。

 快削黄銅を削るのであれば、何もしなくても刃が外れることはない。相手が快削鋼であるときは切削油が必要である。しかも油を途切れなく、たらたらと流す必要がある。油が切れた瞬間に煙が上がって刃先は鈍り、摩擦熱でハンダが融ける。昔は油を垂らすのは新入りの小僧の仕事であった。小学生の筆者は、小僧が親方に怒鳴られながら油を垂らすのを見ていた。

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2023年01月01日

作った塩化亜鉛をフラックスとして使う

 ジャンクのカヴァド・ホッパを順次組んでいるが、車体がねじれていることがわかった。下部のホッパがまともに付かないのだ。よく考えてみれば、ジャンクであるということは、それなりの理由があるわけだ。なにかの失敗で、かなり歪んだのを廃棄したのだろう 。全てバラして合板で簡単なジグを作り、その中に押し込んでハンダ付けし直したところ、下部のホッパは正しく付けられた。これで完成まで持ち込める。

 細かい部品を作り、少しずつ付けている。コテで仮留めして木のブロックで押さえ込み、ガスバーナで炙った。ハンダが沁み込み固着する。そう簡単には取れない。作り立てのフラックスを使った。塩酸がわずかに過剰で、よく付く。問題は、揮発した塩化水素が金属を錆びさせることだ。

 活性炭フィルタを持つ空気清浄機に、煙を全て吸い込ませている。祖父江氏のとは異なり、塩化亜鉛を主体としてわずかに塩酸を含んでいるだけなので、さほど問題はないだろう。しかし、机の上に飛び散ったものからは塩化水素が出るだろうから、それは濡れ雑巾で拭い取る必要がある。塩化水素は、鉄合金に対しては極めて錆を発生させやすい。鉄の表面の酸化皮膜を簡単に破ることができるからである(鉄そのものは、湿度55%以下の清浄空気中では全く錆びない。瀬戸大橋の主ケーブルはこの理屈を利用している。脱湿した空気を循環させているのだ)。
 だから、鉄をハンダ付けするときは塩酸が適する。昔自動車工場では鋼板のつなぎ目にはハンダを流して大きなヤスリで擦っていた。フェラーリのテスタロッサの側面の羽根状の付け根も、全てヤスリ仕上げであったと聞いた。 

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2022年12月30日

続々 塩化亜鉛を作る

 容器を冷やしながら塩酸を少しずつ入れる。かなりの発熱があり、塩化水素ガスが飛び出すので、外でやるべきである。冬は熱が逃げやすく都合が良い。飛び出した塩化水素は空気中の水蒸気を凝縮させて霧にするので、白い湯気が出るように見える。

 量の比率であるが、亜鉛 30 gに対する濃塩酸の計算上の体積は 76 ml 程だが、揮発して逃げる分を見越すと 80 ml が良いだろう。筆者の場合は、塩酸の残量から反応させる亜鉛の量を計算した。

 反応容器を一晩放置し、完全に溶けたのを確認する。銅線を引き上げると、還元的雰囲気にあったので綺麗なピンク色をしている。この銅線を入れないと、1週間放置しても、全くと言ってよいほど、溶けない。トタン板の場合は亜鉛がなくなって鉄板になる。空気が入るので、酸化が進み、鉄は錆びるだろう。ここで亜鉛の量は意外と少ないので、ほとんど塩酸のフラックスができる。それは効果がとても良いので驚くはずである。祖父江氏は最後まで塩化亜鉛を使わず、希塩酸しか使わなかった。

 これで手持ちの塩酸は無くなってしまった。今後どうやって入手するかだが、かなり難しそうだ。 

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2022年12月28日

続 塩化亜鉛を作る

 全ての金属固体が反応を助けるわけではない。積極的に阻害するもの(昔は逆触媒と言った)も、いくつかある。鉛、亜鉛、カドミウム、水銀などである。よく考えてみると、これらは全て電池の負極構成物質である。電池を休ませている時に、負極物質が電解液と勝手に反応(要するに電池を作動させていないときに亜鉛極が溶けてしまう)しては困るので、これらを用いていれば電極が反応せず、保存ができる。すなわち実用電池にはこれらを使わざるを得ないのだ。

 話は元に戻る。亜鉛はこれらの阻害剤の一つである。すなわち、亜鉛表面では水素ガスが発生しにくいので、結果として亜鉛は酸には溶けないのだ。そうでなければボルタ電池は成立しない。このあたりのことが、日本の高等学校の教科書ではかなりいい加減に扱われているので、混乱を引き起こしている。
 亜鉛を酸に溶かすには、触媒として何かが必要である。プラチナの指輪があれば、放り込めば良い。溶けることはない。(昔、それをネタにして笑いを誘う、傑作な入試問題があった。)

高純度亜鉛 と 銅線銅線を入れる あるいは製品でも良い。少し能力が落ちるが線でも構わない。筆者は、左の写真のように銅の撚り線の一端を捻り、他方を開いて放り込む。表面積が大きいので効果は大きい。右の写真は、塩酸はまだ入れていない状態で容器を覗き込んだ様子。亜鉛は微粉末で溶解速度が大きい。


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2022年12月26日

塩化亜鉛を作る

 塩化亜鉛の在庫が枯渇してきた。友人が来ると所望されるので少しずつ渡しているうちに、無くなってしまったのだ。
 金属亜鉛の粉末はたくさんある。塩酸に溶かすことができれば出来上がりなのだが、その塩酸が手に入らない。10%を超える塩酸は劇物である。毒物劇物を扱っている老舗の薬局も減ってきた。さらに地下鉄サリン事件があってからは取り締まりが厳しくなり、買えない。こちらは専門家であると言っても、駄目なものは駄目で、売ってくれない。
 半分諦めていたのだが、40年前に買った濃塩酸の瓶が見つかった。少し残っていたので、これを使うことにした。

 中学、高校では「亜鉛は塩酸に溶ける」と教えている。実際にやってみると、それは正しくない事がわかる。反応しないのだ。
 読者諸氏の中には、「昔中学の時に実験をやった。ちゃんと溶けたぞ。」と言う人もいるだろう。それは、その亜鉛が99.5%程度で、あまり純粋でなかったからだ。あるいは塩酸に不純物が入っていたからである。いい加減な実験ではうまくいくが、純粋な亜鉛(電気亜鉛という)に不純物の無い塩酸を注ぐと反応しない
 この理屈は、やや高度な説明が必要である。化学の先生に聞いても、きちんと答えられる人は少数だろう。

水素の発生 結論を言うと、「亜鉛表面上の水素過電圧が大きいから」だ。亜鉛はイオン化傾向が大きいから水和イオンになりやすく、電子を残して飛び出そうとする。・・・(1)式

 残る電子は水素イオンとくっついて水素原子になる     ・・・(2)式

が、生じた水素原子が2個くっついて分子になる      ・・・(3)式 
には、触媒が要る

 簡単に言えば、電荷によって結合する反応は瞬時に起きるが、電荷の無い原子同士はそう簡単には結び付かない。何かの触媒表面が必要である。いくつかの説明のモデルがあるが、全て固体が必要である。
 ニッケルとか鉄、炭素、パラジウム、白金などがあると具合が良い。不純な亜鉛には鉄や炭素が含まれているので、偶然にもうまくいったのだ。トタン板を塩酸に浸すという古典的方法がうまくいくのも、母材の鉄の存在が大きく寄与しているわけだが、それには誰も気付かない。 

 電気分解で水素を発生させるときも、極板を選ばないと高電圧をかける必要があり、損失が大きい。食塩水の電解では陰極に鉄板を用いる理由はこれである。その時、鉄がその食塩水の中で全く錆びない理由もついでに考えて戴きたい。最近はもっと優秀な素材を、陰極板に用いるようになった。      

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2022年11月20日

転落事故

 慣性増大装置の実演をしている時に2輌のOゲージ貨車が落下した。線路の末端の車止めに雑誌が広げて置いてあり、貨車が乗越え易くなっていたのだ。ジャンクから組直したもので、もとは事故車を安く買ったものである。そのジャンクは衝突事故で、両端が潰れた状態であった。連結部がめり込んでいたのだ。壊れやすいのは背骨の末端の連結器がついている部分である。板が薄くて座屈していた。そのあたりをすべて切り離し、新しく部品を作り、組み直した。

fixing reinforcement in the spine その部分に1.5 mmの厚板を貼り重ね、連結器の付く部分だけを、フライスで0.3 mm削り落とす。厚板は背骨の溝の中に完全にハンダ付けする。これは炭素棒でないと無理である。こうすると極端に丈夫になる。もちろん上下左右には細かい骨で支えてある。たっぷりのハンダを付け、接合部の隙間には完全に流し込む。この種の仕事はコテでは難しい。既製品では、このあたりのハンダ付けがチョイ付けであるから弱いのだ。全面的にハンダが流れるようにする。連結器はエポキシ接着剤で付ける。接着は剪断力に対しては強い。重しを掛けて、接着剤層を薄くするのが秘訣である。
 事故直前にご覧になったTMSの名取編集長が、
1.5 mmですか!?」と驚かれたが、「必要なのですよ。」とお答えした。  

 今回の事故の1輌は連結器を下にして垂直に落ちたようで、Kadeeのトリップピンがわずかに曲がっていた。もう1輌は完全に裏返しで落ちたようだ。上面にかすり傷があった。 
 前者は事実上被害なしである。後者は、タッチアップして補修完了である。Pタイルの床には傷がついたかもしれない。
 
 奇しくも、事故によって頑丈さが立証された。何人かから、どうして壊れなかったのかという質問があったようだが、この程度の答で良いだろうか。この種の貨車は引っ張りには十分強いが、圧縮には弱いので、そこを補強するのがミソである。既製品の構造ではとても足らない。当社の貨車はすべてこの仕様で作られているから、かなり荒っぽい連結作業にも耐える。 

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2022年11月12日

銀ハンダ

 銀ハンダのことをここに書いても、実用化する人はほとんどいなかったようだ。最近このブログで拝見し、心強く思った次第である。
 筆者は銀ハンダを多用する。それは温度差を利用して、細かい部品が落ちないようにするためである。もちろん、硬さを利用して、間違った孔の埋戻しに使う。小さなブラス片を押し込み、塩化亜鉛を塗ってガスバーナで炙れば良い。ロストワックスの鬆(す)を埋めるときも使う。
battery lid 銀ハンダというものは、あまりうまく流れてくれない。ガスバーナで焙ってもこの程度である。すなわちこれを使う限り、ハンダで埋まってしまうということはまずないのだ。



 この部品は、ディーゼル電気機関車の脇のデッキ上にあるバッテリィ・ボックスの蓋である。ラッチを立てて引き上げるようになっている。ここが単なる歩み板では面白くない。思い付いて孔をあけ、裏からロストワックスの部品をはめた。この部品は売るほどあるのだ。孔を正確にあけなくても、バーナで炙って裏から銀ハンダを押し付けると、適当に流れて孔の隙間が埋まる。その時、細部が埋まってしまうことはない。このときの裏の盛り上がり具合をご覧になると、流れにくさが実感できるはずだ。63%を用いると、一瞬で裏に廻ってハンダが全体に均一に付いてしまう。上の部品は部品がまっすぐ付いていないことに気が付いてやり直した。

 こうして出来た部品を炭素棒で所定の位置に取り付ける。強く加熱しても、細かい部品が落ちることはないから気楽だ。 


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2022年09月04日

DDA40X を作る

 1976年頃に組み始めた”キット”(Bill Melisのところの型を使って作らせてもらったもの)を完成させるべく、少しずつ進めている。自作3号機である。

 以前はプレスで丸穴を抜いていたのだが、今回は 1 mm板にドリルでΦ6の孔をあけ、ハンダ付けした。快削材であるから、メクレもほとんど無い。
 50年ほど前のものであるから、設計思想が現在とは全く異なる。今ならレーザまたはエッチングで切り込みを入れて表現するだろうが、当時は、板を貼り重ねている。ケガキ針で傷を付け、蝶番などをプレスで押し出し、ドア・ラッチは押し込んで凹ませている。
DDA40X (1) 裏に飛び出た部分は、ベルトサンダで落として平面にし、密着するようにする。板は反るからゴムハンマで叩いて直す。板の厚みの分だけ出るが、全く気にしない。本体の 1 mm板(40ミルの快削材)に0.5 mmを貼り足すので、厚みは1.5 mmになる。極めて頑丈である。現在の水準から見れば荒っぽい作りだが、塗ると素晴らしい。これで良いのだ。

DDA40X (2) 前回は 200 Wのコテで付けたが、今回はガスバーナだけで加熱した。他に何も部品が付いていないので、壊れるものはない。手製のクランプ類で押さえ込んで、塩化亜鉛液を沁み込ませ、63%ハンダの小粒を境目に置く。炙るとさっと沁み込んで完了だ。裏から見ると、丸穴のところから銀色に光っているのが見える。これは、完全なハンダ付けができた証明である。この手法では、隙間にフラックスが残ることがない。
 手前の板は少し浮き上がっている。こういうこともあるので、クランプを移動し、再度加熱すると完成である。こうすれば、全面ハンダ付けは簡単だ。63%を使うのが秘訣である。融けているか、固まっているかの2つしか無いので、加熱をやめるタイミングはすぐ分かる。他のハンダを使うと、加熱しすぎて、板が反るだろう。  
 はみ出したハンダは、例の編み線を当てて、炭素棒を押し付ければ、瞬時に取り除くことができる。ハンダの色がつくなどと言う人は、この話題とは無縁の人である。 


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2022年08月11日

続 スズ63%ハンダを使う

 この機関車の床板は 0.6 mmのエッチングされた板で、へなへなである。エッチングは焼き鈍した板を使うからだ。見かけは良いが、衝突したら悲惨である。その事故車を筆者が安く手に入れたのである。前頭部は取り替えた。
 床のサブフレイムは、なんと2mmの板である。剛性が素晴らしいはずなのに、大きな孔が全幅の6割もあるので、そこで折れやすくて話にならない。上廻りがついていても車体に力を掛けると撓むのが分かるが、設計した人は何も感じなかったようだ。モータは2個も付いているから、この孔が2個もあって剛性がない。伝達効率が高ければ、モータは1つで十分であったはずだ。 

 1 mmの板を貼って、孔を塞げば剛性は飛躍的に高まる。細い部分の厚みが増すからである。厚みが1.5倍になれば、その3乗で効くから、強度は3.37倍になる。孔があっても剛性は保たれる。
  0.4 ✕ 3.37=1.34
であるから十分だ。

63%ハンダ こういうときは正確に切った板を載せて、例の押さえを使う。塩化亜鉛液を塗って、63%ハンダを置き、ガスバーナで加熱する。間もなく、ハンダは融け、隙間に一瞬で吸い込まれる。全面に均等に吸い込まれ、合わせ面からわずかにハンダが見えている。

 このハンダ付け工程を来客に見せたら、大変感動していた。彼の思っていたハンダ付けとは全く異なるものであったようだ。

 右の方にモータが見える。丸みに合わせて長穴の内側面を斜めにヤスって、モータを沈めた(モータが持ち上がる)。ドライヴ・シャフトが水平面に来るので、伝達効率が飛躍的に良くなる。
 モータは、U字状の支えで取り付けた。今野氏のとは違い、薄い板を曲げたものである。

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2022年08月09日

スズ63%ハンダを使う

6-wheel truck bolster overlay6-wheel truck bolster 完全なハンダ付けをする必要があった。6軸ディーゼル電機の修復作業で、台車ボルスタを作り直した。強度が必要なので、銀ハンダを用いる。貼り付けてからフライスで削らねばならない。
 手に入れた事故車には台車が付いていなかったので、手持ちのCLWの台車を付ける。軸距離等の寸法は同じだ。

king pin location このCLWの台車のキングピン位置は、中央軸の上には無かった。おそらく中央軸のギヤボックスが邪魔になって、少し逃げたのだ。と同時に、キングピンが車体中央方向に寄れば、ユニヴァーサル・ジョイントの曲がりが少なくなり、有利であるということだろう。軸重は中心付近に掛かっているが、微妙に偏ることもあり、面白くない。キングピンを切り捨てて、中央軸上に新しいキングピンを立てることにした。
 既存の台車ボルスタに 2 mmの快削ブラス板を銀ハンダで貼り付ける。ギヤボックスの遊動を許す空間を作るために、フライスで 1.5 mm切り込む。その上に更に 1 mmの板を63%ハンダで貼り付ける。銀ハンダは融点が高いので、2回目のハンダ付けでは融けない。融点の差を利用すれば、このような大物でも順番に付けることができる。加熱はガスバーナである。

kingpin (1)kingpin (2)kingpin (3) キングピンを立てる。これはΦ4の丸棒で、その先にM3のネジを切る。板に差してハンダ付けし、バネを介してM3のダブル・ナットを締めれば、出来上がりだ。ネジは長めになっている。取り付けてから、先を切ることになる。 キングピンは細いと折れやすい。  

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2022年07月10日

EMD の機関車群 1

EMD Engines (2) 左から、SD40 UP、SD40 SP、SD40T-2 Rio Grande 、SD40T-2 SP である。いずれも20年ほどの眠りから覚めて、組立て中である。SD40はKTM製のジャンクである。購入者がぶつけて修理不能になったのだろう。細かく出来ていて見かけは素晴らしいが、走りは限りなく零点に近い。伝達効率は5%もなかった。バラして車体を修理し、下廻りは新規に作った。元の製品はギヤが多く、粘いグリースが使われていた。グリースの撹拌抵抗だけで損失の大半を占めていたし、モータの効率は50%もなかった。それが2個も使われていた。起動電流は 3 A以上で、いつも使っている電源では起動できなかった。改装後は 50 mAで起動する。

 右の2輌はキットだったのだが、気に入らず、改造を施している。全体の2割くらいが自作である。

EMD Engines (1) 後ろから見るとT-2は異様に大きなラジエータを持っていることがわかる。トンネル内で、より冷たい空気を求めて冷却用空気は低い部分から取り、ラジエータ長を1.5倍にしている。ラジエータは中でV字型に折られていて、放熱面積は通常型の2倍もある。


EMD Engines (3) これら4輌は同じエンジンを積んでいるが、長いフッドの長さがこれほども異なる。長い20気筒エンジン用のフレイムを用意して、冷却装置部分を増設したのだ。ラジエータの下は単なる空洞で、素抜けて向こうが見える。 

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2022年07月08日

スズ63%ハンダ

 先日、スズ60 %ハンダを使っている人から質問があった。
「私は、60 %を使って来ました。63 %の経験はありませんが、ハンダ付けは十分な経験があるつもりです。記事にあった63 %との差は少ないので、融け具合に差があるようには思えません。」

 この種の質問はよく受ける。答は、
63 %と60 %とは、全くの別物です。」
である。60 %のハンダを使えば、隙間を埋めることができるが、63%ではまったく無理なのだ。


SD40T2 short hoodSD40T2 short hood defects 例えばこの種のハンダ付けを考えてみよう。ここでは4枚のピースを組立てて、ディーゼル電気機関車の前方のフッドを作っている。天板と側板を1.5 mmの板をフライスで段を付けて噛み合わせ、固定して60%ハンダをコテで融かして付けている。この時、ハンダは隙間を埋め尽くし、なおかつ少し盛り上がるようにする(左の写真)。
 厚い板を使うのは、ヤスリで削って角に丸みをつける必要があるからだ。この工作は63%ではできない。
 右の写真は、大きな単目のヤスリでさっと削ったところである。黄色 の矢印はハンダが足らなくて穴があいている。再度60%ハンダで埋めて削り落とす。そうすれば、継ぎ目が全く見えなくなる。ハンダを削るのは単目に限る。詰まりにくいからである。


 63%で付けると、どの様になるかは興味深い。早い話が、コテを当てるとその周囲が、一瞬にして石鹸水のようになって隙間に沁み込む。盛ることは一切できない。もちろん塩化亜鉛水溶液がある時の話である。
 融けると、粘りけが極めて小さい重い液体になるのである。このフッドの隙間に盛ろうと思っても、全部融けて、重力で向こう側に垂れ、そこで冷えて滴になるから、盛れない。板を張り合わせるには最適である。表面張力が無いという表現は間違いである。その値は大きく、水の十数倍である。母材をきわめて濡らしやすいので、さっと沁み込み、あたかも表面張力がないように見えるだけである。
 例えば、直角にアングルを裏打ちしてつけようと思うと重力で下の方に溜まる。もちろん密着している部分には沁み込んでいるから、付かないわけではない。よく付いているが、今までのような、ハンダが見えている付き方ではないということだ。すなわちよく密着させて加熱すると、最小限のハンダで付くというわけである。

 炭素棒ハンダ付けを紹介したときに、炭素棒さえあればコテはいらないと考える人が居たが、それは間違いで、両方必要だ。ハンダも63%と普通のハンダを使い分けることが必要である。 

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2022年06月26日

ガスの充填

gas torch ガスバーナは各種持っている。小型のはこれである。半分壊れているが、手直しして使っている。いずれ修理するが、このままでも使えないことはない。自動着火なので便利である。



gas refill (1) やや中型のはこれである。45年ほど前、時計部品屋で買ったロウ付け用のものでボンベはナイロン製である。空になると充填に行った。裏でなにかやっていた。覗くとLPGボンベをひっくり返してガスの液体を入れている。その充填ホースを買えばできるので、取り寄せてもらった。以来40年近く使っている。

gas refill (4) 庭のデッキの上にあるバーベキュウ・セットの熱源はLPGである。35年前、アメリカで定価60ドル位だったものを夏の終わりに29ドルで買ったものだ。雨ざらしなので徐々に傷んできた。下半分を友人の鉄工所でステンレスで作り直してもらったものだ。豪勢である。ガスバーナ部分は消耗品なので何度も取り替えている。レギュレータも更新した。ボンベは 5 kg入のを買った。

gas refill (2) ボンベのネジは左ネジで、奥まったところにあるから、この工具Crow Footを使うと廻し易い。昔はネジが日米共通だったが、最近はアメリカが規格を変えたので、直輸入品は使えなくなったようだ。 



 5 kgのボンベをひっくり返して、液体部分を出す。コツとしては、充填元のボンベの温度は高い方が良く、小さいボンベは冷蔵庫で冷しておくことである。こうすれば、蒸気圧の差で、2〜3秒で充填される

gas refill (3) この写真では指一本で押さえているが、実際には両手で押し付けないとガスが漏れて撒き散らされる。この作業は風のある時に外でやるべきだ。 

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2022年06月22日

続 8軸ディーゼル電気機関車を作る

 相手が大きく、厚い板の場合、加熱しても熱はどんどん逃げていく。すなわち、炎の当たっているところだけが熱くなる。
 これを利用するわけだから、付けるものの表面積はある程度大きく、比較的薄くて温度の上がるものが良い。 

unnamed この屋根上のエアコンユニットは薄いロストワックス部品で、中には金網がある。金網は先に銀ハンダで付けておけばそう簡単には外れない。


 屋根に載せて、塩化亜鉛飽和水溶液を塗って馴染ませる。押さえを効かせて、スズ63%のハンダの小片を置く。小さな炎を当てると、塩化亜鉛水溶液は泡立つこともなく、ハンダが融けて隙間に吸い込まれる。加熱をやめればその瞬間に固まる。反対側も同様にすれば良い。全接触面にハンダが付いているから、剥がれることはない。この写真ではキャブを仮に置いただけで、見える隙間が不均等なのはご容赦願いたい。

 この方法は、祖父江氏のテクニックである。1番ゲージのドイツ型蒸気機関車のキャブ前方についている長いひさしを付ける方法だ。狭く、板が厚いので裏からのコテによる伝熱は難しい。ひさしにハンダを塗って、キャブ前面に垂直に立てて保持し、細いガスバーナで加熱する。一瞬で完璧に付いた。接着面がヤスリ仕上げしてあるので、接合距離が一定になり、ハンダが最高の強度を発揮する。

 要するに、ハンダ付けする面はヤスリで平面を出し、密着させることだ。その時、油目のヤスリではなく、並目のヤスリで多少ざらつかせることが、隙間の管理上望ましいだろう。

  このテクニックは大型模型には使えるが、小さな模型では板が薄すぎて、反りくり返る可能性があるからやめたほうが良い。

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2022年06月20日

8軸ディーゼル電気機関車を作る

 このブログを始めた頃は、ブログ全体を表題の記事で埋め尽くす予定であった。ところが他にやることが増え過ぎて、チャンスが巡って来なかった。
 最近、自宅地下室の整理を始めたので、次から次へといろいろなものが発見される。本人は何の部品か、よくわかっているが、他の人は単なるゴミだと思って捨ててしまう可能性が高い。そういうものは、ある程度の道筋を付けておくべきだと考えた。

soldering DDA40X スクラッチから作っているものは、部品をきちんと付け始めた。ロストワックスの部品は1 mm厚のボディに全面的に密着させてハンダ付けするのだ。
 ボディの表面の薄い酸化皮膜を取り、ロストワックス鋳物の裏をよくヤスって平面性を確保する。中央の一点を押さえて完全に密着することを確認する。塩化亜鉛飽和溶液を塗って、例の押さえジグで押し付ける。

 細いガスバーナで鋳物を加熱し、スズ63%のハンダ粒を融かす。一瞬で流れて沁み込む。ガスの火を離せば瞬時に固まる。本当は酸素アセチレン炎を使いたい。炎がとても小さいからだ。ブタンでは炎が大きく、他のものを融かしそうになるから注意が必要だ。加熱の必要のない部分は断熱を施す必要がある。

 63%のハンダは50%のハンダに計算量のスズを足したもので、ダンボールの溝に流し込んで作った。

 63%のハンダを使ったことがない人は、流れて沁み込む様子を見ると、きっと興奮するだろう。一瞬でハンダ付けが終了する。しかも全面ハンダ付けである。板を貼り合わせるときも、気持ちが良い。もちろん、タガネで傷を付けておくことを忘れないようにする。

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2022年04月09日

アルミ製タンク車を作る

Aluminum Tanker タンクボディができたので、下廻りを作り始めた。過酸化水素水を運ぶタンクはアルミニウム製である。すなわち剛性は無い。最近のタンク車はタンクボディそのものを構造体として利用しているが、これは別の鋼製台枠を持っている。

Tanker frame 古い部品箱を探し、適当な台枠材料を見つけた。両端のデッキ部分はエッチングで表現した滑り止め模様の板である。この板はt 0.5であるが、柔らかい。剛性は全く期待できないので、t 1.0の板を裏に全面ハンダ付けし、チャネル材を取り付ける。その t 1.0板とチャネルは t 1.5の材料をフライス加工した補強材でつなぐ。クランプで挟んでおいて、炭素棒で加熱し、全ての接合面がハンダで埋まるようにする。こうしておかないと、衝突時に分解してしまう。

 ボルスタの部分は 5x10の角材をフライス加工して、タンクボディを支える。そのタンクボディには、支えが付く部分は厚板を貼り付けている。そうしないと凹むのであろう。

 手摺りは片側だけである。中央のプラットフォーム部分だけには、両側の手摺りがある。色は白で、水色の帯の入ったDu Pontの私有貨車になる予定だ。 

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2022年03月08日

resistance soldering transformer

 友人から、
「炭素棒ハンダ付けを導入したいのだが、トランスをどうすればよいか?」
と相談があった。
 専用のトランスを作るほどのことはない。例の2段の方法でも良いし、その辺に転がっているトランスを改造しても良いと伝えた。結局、
「重い2段を避けて1段のものであれば、ありがたい。作ってくれないか。」
と頼まれてしまい、最も簡単な方法で用意することにした。

RS transformer 100 VA程度のトランスの2次巻線を壊す。この種のトランスは、1次巻線は内側なので、100 Vの巻線を傷付けないように、外側から壊せば良いのだ。このトランスは、外側にショートリングとして銅板が巻いてあったので、それを外して巻線保護の紙を外す。2次巻線は細かく切ってしまい、ヤットコでつまんで引抜けば良い。絶縁紙には絶縁ニスが塗ってあるのでくっついているが、丁寧に剥がして引抜き、1次線を傷めないように注意して壊す。
 ショートリングは、オーディオ趣味の方は必ず付けるようである。筆者の耳ではその効果はよくわからぬ。

 1次線の絶縁紙には手を触れないようにし、テスタで漏電のないことを確認する。そこに3.5 mmsqの耐熱電線を通し、10回巻きでの電圧を測ると、1巻きあたりの電圧が判明する。5 Vが出るように巻き足せば良い。17回巻いた。

 この時、2次線にビニル被覆電線を使うと、熱で融けて事故を起こす可能性が高い。また、太いので隙間にうまく巻けないかもしれない。被覆が薄くて硬いテフロン線は、具合が良い。高価であるが、これに勝るものはない。
 巻いた線をきちんと隙間なく密着させ、電線をナイロンのファスナで留めれば出来上がりだ。

 外した銅線はリサイクルする。細かく分類して廃金属商に持っていくのだ。多少の金にはなるが、全てそこにある別の金属棒、金属板を買って帰る。それを削って、その切り粉はまた持っていくというわけだ。
 HOの友人がたまに屑を持って来るが、その細かさには、筆者は驚く。彼は、こちらのスクラップ入れを漁って、切れ端を持って帰る。筆者が捨てたものは、HOの素材としてなら、十分に役に立つ大きさだと言う。 

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2021年10月27日

続 帯板押さえジグ

soldering jigs 2 このジグは高さごとに各種作っておく。簡単に作れる。実は最初、寸法を調節できるものを作ったが、使用中にネジが緩んで狂ったり、大きくなってしまって邪魔であった。ロクなことはない。専用のものを沢山持っていれば良いことである。必要があればさらに作れば良い。今回はハンダ付けで作ったが、フライスで切り出すと、微妙な寸法のものが簡単にできる。

 先回の図で示したように、ジグの水平が保たれるように、小さなスペイサを付けておくことが大切だ。これがないと引っかかってうまく滑らない。

 三角形の滑り子の形に興味のある方が多いが、これには他意はない。たまたまちょうど良い厚みの小片があったので使っただけである。

 この種の滑らせながら使うジグは、とても便利である。ただし、台をしっかり作って、多少力を入れられるようにしておくのがミソである。この種のジグ用の合板は、数cm幅に細く切ったものを用意してあるので、クラブ員が取りに来る。

soldering finished ハンダ付けが速く行われるということは、失敗が少ないということである。注意力を長い時間持続させるのは難しいが、15秒程度なら、可能である。その間、息を止めている。
 仕上がりはこの程度だ。はみ出しているのは、予めハンダめっきしたときの余剰部分である。 円盤の円筒面で押していて、帯板の表面には全く傷はつかない。電圧が低いと、電流密度を上げるために角で押さないと、ハンダが付かない。これをやると帯板に傷がつく事がある。 

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2021年10月25日

帯板押さえジグ

 帯板を正確に保持してハンダ付けするには、簡単なジグが必要である。また保持台も必要である。

soldering setup 合板を直角に組み合わせて、全体を保持することにする。これは、ある程度重いほうが安定する。ハンダ付けする範囲を少し持ち上げるために、木の薄板を貼る。こうすることによってワーク全体が持ち上がり、手前に少し隙間ができる。その薄板は6 mm厚である。後ろの銀色の壁は、3台の空気清浄機である。バッタ屋で手に入れたものや、戴きものだ。これだけ並べると、効果は絶大である。

sliding jig このジグはワークの手前をスライドする。奥に押し付けながら、ずらすのである。三角板は1.2 mm厚である。帯板を軽く押さえながらスライドするためには、裏に帯板のガイドが必要である。帯板の厚さの分だけ全体が持ち上がる必要があるので、2つのガイド以外に、もう一つ同じ厚さのものを貼って置かねばならない。

sliding jig 2 裏はこの様になっている。手前のが斜めになっているのは、特に理由はない。とにかく同じ厚さの板(スペイサ)が付いていればよいだけである。



belt soldering guide このジグを、向こう(この図では左へ)に押し付けながらずらし、ローラがその後を付いていくのだ。あっという間の作業である。 

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2021年10月23日

続 炭素円盤によるハンダ付け

 炭素円盤はある程度の半径があるので、普通の炭素棒に比べると炭素の中を電流が流れて行く距離が大きい。すなわち抵抗が大きく、電流が少ない。赤熱しにくいから、電圧を少し上げる必要がある。1次側に120 V 程度掛けると調子が良い。

 アース線をワークにつなぐ。クリップでは接触面積が小さいので熱くなってしまう。それだけ効率が下がる。複数の方法でアース線をつなぐ。厚板をネジで締めるのが一番良い。

carbon roller soldering ハンダめっきをしておいて、帯板を載せ、ローラを転がせば良い。接触面が熱くなり、あっという間に隙間のないハンダ付けが出来る。この時、帯板の位置を正確に決めねばならないが、それは簡単なジグを用意すれば良い。ローラを転がす速度は、毎秒 1 cm ほどである。写真はAM氏の撮影だ。

 後ろに見えるフラックスの瓶に注目されたい。この瓶には塩化亜鉛の飽和水溶液が入っている。倒れると中身が流れ出し、目も当てられない状態になるだろう。転ばない構造にしておけば良いのだ。flux bottle
 薄いブラスの板で作った帯を作る。この帯は、瓶にきっちりはまる大きさにするのがミソである。L金具で少し持ち上げて留め、ネジで固定しただけである。こうしておけば、まず事故はなくなる。

 飽和水溶液を用いると、ピチピチと飛ばなくなるから掃除も楽で良い。

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2021年10月21日

炭素円盤によるハンダ付け

 carbon disk 方式の動画を撮らねばならない。その題材を何にしようかと迷っていたところ、長老のH氏が、
「近鉄の2200の古いのがある。誰が作ったのかは知らないが、ハンダ付けがひどく下手くそだ。これを機会に完璧なハンダ付けをしてくれないか。」
と言う。

 うっかりその話に乗ってしまって、大変な事になったと気が付いた。これは昭和20年代に大阪の模型屋が出していたキットである。以前にも話題に出したが、筆者は一編成5輛を組んだことがある。それは是非にという人があって、引き取られて行った。好きな電車であるから再度作ってみたいという気持ちがあった。

2200 今回の電車は一般の趣味人が組んで、色を塗ったものだ。出来は良いとは言えない。ハンダ付けが稚拙で、隙間だらけである。シルもヘッダもチョン付けで、その隙間に塗料を押し込んである。ブレーキ・フルードに2週間も漬けたが、取り切れない。
 さらにラッカ・シンナで3回洗ったが、塗料が取れない。細いバーナで炙ってハンダを融かしながら帯板を外した。それをまたラッカ・シンナで洗ったが、完全には取れない。最終的にはヤスリとスティール・ウルで磨かねばならない。

 そうこうしているうちに、「炭素円盤によるハンダ付けの実際を動画に撮れ」と言って来た。首領の指示なので、やるしかないが、さすがにこの2200を再生する場面を見せるのは、難しい。あまりにも材料が良くない。側板の平面性がないのだ。窓の縦の柱の細さも気になる。本物はもっと太く、窓は細い。 

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2021年10月05日

続 余分のハンダを取る

 先回の記事は反響が大きかった。様々な人から連絡を戴いた。TMSを長く読んでいる人も、その記事に記憶がないそうだ。

 さて、他の皆さんはどのようにして、ロストワックス鋳物からハンダを取っているのであろうか。昔、腕自慢の方が、「ハンダを細いキサゲで全部掘り出す」と言っていたのを思い出す。これは掘り出したつもりでも100%ではない。100%以上削ってしまうこともあるだろう。

 筆者がよくやっていたのは、
ガスで炙って、熱いのを振り回す。それだけでは足らないので、ヤットコを何かに当てて急停止させ、大きな加速度を与える。そうすると、ほとんどのハンダは飛んでいく。

フラックスを塗った平編み線を当てる。ハンダは平編み線の方に吸い出される。,汎嬰以下の取れ方である。

ガスで炙ってから、圧搾空気をガンで当てる。これはほぼ100%である。もちろん、表面の金属に沁み込んだものは取れないし、取る必要もない。合金になっているので、これを取るわけには行かない。取れば上記の100%以上の人と同じことになる。

 ハンダめっきされた状態は悪いことではない。ブラスの色が見えないと嫌だと言う方には、それはご自由に、と言うしかない。

 ハンダ付けは十分な量のハンダを使って付け、余分をコテを当てて取るというのが一番理想的である。ハンダは外から見えても良いのだ。むしろ見えていないと安心できない。

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2021年09月17日

余分なハンダを取る

 このカブースの屋根は、木製だったが、ブラスに作り替えた。細かい手摺等を接着しても、取れてしまう可能性が高いからだ。

 板に孔をあけて、手摺の針金を突っ込み、ハンダ付けする。ハンダは十分に付け、孔の中外によく廻っていることを確認する。こうしておけば、まず取れることが無い。余分のハンダはどうやって取るべきだろうか

minimizing slolder 殆どの人はキサゲで落とし、ワイヤブラシで磨くことを考えるだろう。筆者は熱いコテで下から加熱する。2秒で終わる。この方法をやってみせると、大抵の人は目を丸くして驚く。

 融けたハンダは液体であり、コテはハンダを吸い取るのだ。重力で流れ込むのである。条件として、コテの表面がよくハンダでぬれていることである。ガリガリに錆びていては、うまく行くわけがない。

 もう一つの条件は、ハンダが完全に融けなければならないということである。63%スズの共晶ハンダであれば、融けた瞬間に完全な液体になるので、ハンダゴテに吸い込まれる。共晶でないときは、ザラザラしている状態(こしあん状態)があって、融け切るまで流れにくい。

minimizing solder 筆者は、殆どの場合、共晶ハンダしか使わない。その理由を聞いた人がいるが、このハンダ吸い取り術が、簡単に使えるからである。この写真の矢印の部分が、吸い込んだ後である。孔に挿した針金の周りに、富士山の裾野のようにハンダが残るが、その他はすべてコテに回収される。下はこれから処理する所である。
 ハンダはブラスの板の表面に残っているが、めっき程度の厚みで、気になる人は削ればよいが、その意義があるかどうかは人によるだろう。

 筆者はハンダを削るということをあまりしない。ブラスに傷がつくのが嫌なのだ。塗装すると見えてしまう。このめっき程度の膜は塗装するとほとんど見えなくなる。



 400号あたりのTMSのミキストに山崎氏が、この操作を書いていたのを覚えている。それも一回きりで、その後全く出て来なかったと思う。普通のハンダを使う限り、この吸い込み法は、よほど大きなコテを使わない限りうまくいかない。おそらく、やった人が成功しなかったので、広まらなかったのではないか。 

 祖父江氏は、流れ作業で作ったものを、順次ひっくり返してハンダを吸い取っていた。その手捌きがあまりにも見事で、見とれていたことを思い出す。大きなコテでハンダをたっぷり溜め込むのだ。溜まったハンダは回収して再度使える。みなさんもお試しあれ。これが出来ると、キサゲの量が1/10になる。先日クラブで紹介したところ、評判が良かった。
 クラブ員の中にはハンダ付けのプロ(電子回路製作)も居るので、色々と補足して戴いて、充実したプレゼンテイションであった。 

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2021年03月05日

炭素棒ハンダ付け

 むすこたかなし氏のRSU (resistant soldering unit) の記事が面白い。筆者はOゲージを楽しんでいるので、細かい工作をしていないと思っている人も多い。だから、太い炭素棒で高い電圧を掛けていると思われているようだ。
 筆者は細かい作業もする。ディーゼル機関車のブレーキ・リギングなどは極めて細かい。その組立てはRSUを用いる。相手が大きいので、ハンダごてではできない。

 炭素棒は、1/16インチ(1.6 mm径)を用いる。電圧は5 Vである。先端が白熱するのではないかと思われるだろうが、そんなことはない。発熱量は、電流の2乗と時間との積である。時間を短くすれば良いのだ。

 筆者がペダルを踏むのを見ると、ほとんどの人が「すごい」と言う。きわめて短時間の踏み込みを、猛烈な速度で繰り返す。それがコツなのだ。炭素棒は相手に触れたままにする。発生した熱は殆ど相手に吸収させるようにする。通電は0.2秒程度だ。通電中に離すとアークが出て穴があくかもしれない。 
 毎秒2回程度踏む。足踏みスウィッチは、耐久性が保証されているものを選んであるから、思い切り速く、細かく踏むべきである。

 ハンダめっきしておいて、炭素棒を押し当てればハンダはつるりと沁み込み、完了する。きわめて単純な話で、簡単だ。 もちろんフラックスは塗っておく。

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2021年02月25日

フライホィールの支持

momentum unit (1) フライホィールを支える台は、軽衝突の衝撃に耐えねばならない。前回は厚さ 6 mmの円盤を切ったものをハンダ付けして支えを作った。1.5 mmの板に銀ハンダで付けたものを、1 mmの床板の上にネジ留めしたのだ。今回は太いアングルがあるので、それに固定すれば済む。

momentum unit (2) なるべく厚い材料を探していたが、快削材が無いので、しばらく前に外したギヤボックスの鋳物を使った。祖父江氏がヤスリで削り出したものだ。測定してみると、厚さは0.2 mm以下の誤差しかない。角も直角が出ている。手仕上げの量産でこの精度を出しているのには驚く。
 孔がたくさんあるので、ドリルで拡げてブラス棒を差し込み、銀ハンダを流す。それをフライスで削って再利用した。分厚くてなかなか豪勢である。
 軸の通る部分にはボールベアリングを嵌めるので、切り取ってブロックを嵌め込んである。もちろんあとでフライス加工して、平面を出した。

 アングルの隙間にぴたりと嵌まるように削った。ラジアルベアリングとスラストベアリングを用いて支える。

 フライホィールの径は現在の 52 mmではテンダの天井板に0.7 mmほど障ることが判明したので、少し小さくして50 mmにせざるを得ない。


 作り掛けの状態では部品を無くす惧れがあったので、毎日1時間ずつ作業して、形にした。

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2021年01月28日

しなやかな太い電線 

woven wire 大型の変圧器により、大電流のハンダ付けができるようになった。しかし炭素棒を保持する手元のテフロン被覆電線が固くて、取り廻しが難しい。置くと弾力ではね返り、落ちてしまうことがある。熱いものが落ちるのは絶対に避けねばならない。アース線は多少固くても困ることはないが、しなやかな太い電線が欲しい。

 電線の断面は、5.5平方mm欲しい。3.5では熱くなって、どうかなりそうだった。電線のカタログを順に見ていて、平編線に行き当たった。この線は厚さが1.4 mm、幅が9.6 mmで、細いΦ0.12 の線480本で出来ているから、しなやかである。
 被覆をどうするかが問題だ。柔軟な素材でないといけない。この編んだ保護チューブは見かけは細いが、長さを縮めると太くなり、先の編み線を入れることができた。

 細かな穴があるから完全な電気絶縁はできないが、使ってみてショートすることはないから十分だ。結線は圧着端子で行う。その時、末端を折り曲げて細くし、端子に押し込む必要がある。

 ほかにもしなやかな電線はあるようだ。Dr.Yのお勧めは、これだ。
細い線を使っている。普通の線はΦ 0.17程度の線を使っているが、これはΦ 0.08だそうだ。概算で1/16以下の剛性しかないことになるから、柔らかいだろう。 

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2020年10月22日

searchlight signal

searchlight signal (3)searchlight signal (2) 転車台から本線までの線路に、DCとDCCのどちらが印加されているかを示す信号機が必要だ。もっと大きなものを考えていたが、これを採用することに決めた。

 これはサーチライト型と呼ばれるタイプの信号機だ。中に小さな色付きフィルタが3枚入っていて、それが動き、単一光源からの光を3色にして出す。要するに同じレンズから異なる光が出るわけだ。これは古い協同ライト社製のものだ。ジャンク箱から探し出した。電球を外して捨て、スタンドも取り外した。

searchlight signal (1) 箱を作らねばならなかった。角を少し丸くしたいので、1 mm の板を4枚組合せてハンダ付けし、上は0.6 mm板だ。これは後述するがあとでハンダ付けが容易になる工夫だ。天板を貼る前に上下をフライスで削って直角を出しておく。ベースの板は今野氏に作って戴いた 5 mm厚の板で、熱容量が大きい。 
 箱を付ける場所を磨いてフラックスを塗り、ガスバーナで加熱する。ハンダを融かしておいて箱を載せると熱を奪われて固まり、ハンダ付けは完了である。箱の熱容量が大きいから、上までは融けない。比較的厚い板を使ったので、全体は重くなる。重いからこそ、この方法が有効になる。すべての接合部が完全にハンダ付けしてあるから、極めて丈夫である。

 上面にパイプ径ぴったりの孔を開けてある。パイプを差し込み、適当な位置でハシゴをハンダ付けする。ベースが熱いので僅かの熱でハンダ付けが可能である。支柱のパイプを差し込み、垂直を見ながら出し入れし、ピンセット型で resistance solderingを行うと完成だ。この天板部分が厚いと、この方法ではハンダ付けしにくい。薄い板だから、ピンセットの先でつまんだだけで赤熱して、ハンダ付けは完了だ。この方法でやると、ジグを作らなくても確実に直角が出せる。もちろんここのハンダは共晶を用いないと難しい。
 根元の箱の中には継電器が入っているので点検扉が必要なのだが、それは向こう側であって、作っても見えないから省略した。 

 DCCの時は緑、DCの時は黄色、ポイントが開いていなくて、本線には進入できない時は赤になるようにする。もちろん一つの信号機から出る光は単一である。本物の動作とは異なるが、仕方ない。3色LEDがあるそうだが、そこまでは凝らないことにした。

 使い途のなかった信号機に役目が与えられた。

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2020年07月04日

続 Kemtronの台車 

turned anchor bolt ボルスタ・アンカを快削ブラス材から削り出した。よく切れるバイトと高回転の出せる旋盤さえあれば、こんな楽しい作業はない。つるつるの丸棒である。ごく適当にゴムブッシュに相当する部分を表現して、それをハンダ付けするわけだ。

 大きなものに小さなものを付けるのは難しいことになっている。こういう時は炭素棒に限る。接合面にハンダめっきしておいて、位置決めして押さえ込む。つなぎ目に先を尖らせた炭素棒を当て、やや高めの電圧を短時間掛ける。先端がほんのり光るくらいでやめるのだ。ハンダがきらっと光って、滑らかな面が出現する。それでおしまいである。隙間なく、完全に付いている。この時のハンダはeutectic(共晶)であるべきだ。要するに液体と固体しかないのであるから、付いているか、付いていないか、のどちらかしかない。非常に簡単にできる。

 ハンダの性質について無関心な人は多い。特別に上手な方以外は、皆苦労されているはずだ。この際、炭素棒ハンダ付けとeutectic solder を導入されてはどうだろう。完璧なハンダ付けが可能になると、世の中が違って見えるようになるはずだ。  

 ともかく、部品の間違っていた台車はすべて満足に組み上がり、車体への取り付けができる状態になった。
 問題は、客車車体が一つ行くえ不明であることだ。かれこれ2年ほど行くえ不明である。困った。

 〔10年前の自宅レイアウトでの貨車行くえ不明事件〕
 それは思わぬことで解決した。自宅レイアウトの一番奥に点検用の 45 cm角の孔がある。その脇で発生した脱線事故で1輌だけが、どういうはずみか、転落したらしい。その下には毛布が畳んで置いてあって、そこに軟着陸したのだ。そこに2年ほど寝ていたようだ。破損無しで助かった。気が付いたのは、運転中にまたもや脱線事故があり、転落する場面を目撃したからだ。回収に行くと、枕を並べて寝ていた。偶然ではあるが、全くの無傷で助かった。

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2020年05月29日

Streamliner の組立て

painting (3) 簡単なジグに締め付け、箱状にハンダ付けする。角の部分の内側には 2 mm角線をハンダ付けし、衝突時に壊れにくいようにした。また内部には0.8 mm板で作ったアングルをしっかりハンダ付けし、握っても壊れない程度の強度を確保する。短い車体のものは、角を突き合わせてハンダ付けしただけのものもある。隙間が一定で完全にハンダが廻っていれば、突き合わせだけでもかなりの強度があることが分かった。(縦に木製床に落としても、被害なし)
 写真の状態で大体1 埃紊任△襦これは近年製造のもので、3段エッチングで窓が抜けていた。しかし窓の縁の角が甘いので、ヤスリで仕上げるべきである。エッチング製品は、板が焼き鈍してあるので多少軟らかく、強度が落ちているから、補強は不可欠である。その点、自作車は丈夫である。

 最初に組見本として、アメリカ人が組んだものを3輌ほど手に入れ、構造を観察してポイントを押さえた。アメリカにも腕の良い人は居る。素晴らしいものがあったので参考にした。
 しかし、常識的にはするべきでないことをやってしまった人も居る。内部に3/8インチ角(9.5 mm角)のムクの角棒(1本430 g)を、補強材として2本、さらに1/8インチ × 3/8インチの角棒を2本、ハンダ付けした人がいた。その重さには参った。補強材だけで、計算値1.1 kgもあったのだ。台車を付けると2.1 kgもある。ボールベアリング無しではとても走らなかったので、諦めて売りに出したのだろう。ただ、そのハンダ付けの腕だけは大したもので、その太い角棒が屋根にも側板にも完璧に付いていた。工業用の炭素棒によるハンダ付けであろう。クランプ式のものだ。両面に痕がある。

 キット以外に、スクラッチから作ったものが4輌出て来た。40年近く前の埋蔵金”属”である。ほとんど忘れていたものもあって、驚いた。昔作ったものは、今とは作風が異なる。生真面目にすべて手で作ってあるのには、我ながら感心した。糸鋸を大量に消費していた時代だ。少し手を入れて完成させた。

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2020年05月27日

UPの客車群を塗る

UP Streamliner 外出が制限されている。時間があるので、組んだまま放置されていた客車を塗り始めた。
 Union Pacific 鉄道の流線形客車群である。総ブラス製で、かなり重い。もともとは、Kemtronが作っていた厚さ0.63 mmのエッチング・キットであった。殆どの人は、買ったは良いが、組めずに放置していた。20年ほど前から、それが中古市場に適価で出始め、筆者は手あたり次第、買い占めた。一時期は40輌分ほどあったが、その後欲しがる人も居て、譲り渡して半分になった。右の2輌は、参考品として塗装済のものを購入したもので、色合いが異なる。

 キットは板だけなので、まず窓抜きをせねばならない。これは当初、糸鋸で抜いた時期もあったが、その後縦フライスになった。ヤスリ掛けは不可欠で、たくさんのヤスリを消費し、ヤスリ粉は牛乳パックに2杯も貯まった。屋根曲げは、ある程度は折曲げ機で曲げ、その後の修整はこの丸アンヴィルを使った。非常にうまくできる。屋根板は0.55 mmのものもある。

 屋根と側板は隙間なくつなぐ。これには、Kemtron社自体が公表していたノウハウがあって、その通りにすればかなりうまくいく。つなぎ目に連続した板を内側に貼り付けるのは、極めて難しいからだ。
 そのノウハウは、ブラス板の小片をたくさん用意し、簡単なジグ上で押さえ込んだ屋根と側板の接合部にハンダ付けする、というものだ。小片の上半分は屋根に合わせて軽く曲げておく。多少の隙間ができても押さえ付けながら、その部分を局所加熱すれば直せる。これが連続した材料であると、難しい。最終的につなぎ部分の8割がこの小片で埋まる。車体外側から見ておかしくなければ、成功だ。この小片によるつなぎ法は、いろいろなところに応用している。部分的な修正が効くのが良い。炭素棒による加熱なら、自由に付け外しできて具合が良く、楽である。

 このやり方はいかにもアメリカ人の考えた方法である。下手な人でも、そこそこにうまくできるのである。それを、筆者は少し進歩させている。
 数箇所を小片で付け、ずれや隙間が無いのを確認したのち、長目(75 mm程度)のつなぎ板を一気に貼る。ハンダの量を適量にすると、なぎ目にハンダがにじんだ状態で完成する。もちろんこの長板の上半分は、屋根の丸味に沿わせて曲げておくのだ。

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2020年05月05日

続々 ATSF Heavy Pacific

ATSF Tender (3) テンダの床板は1 mm板である。 フライスで切り抜いたら、前後方向の剛性が小さくなって、衝突時にめり込む可能性が出て来た。内側に厚いアングルを2本、全長に亘って貼り付けることにする。回転体を避ける位置である。前後の端梁は分厚くて丈夫なブラス鋳物であるから、そこにネジ留めしてハンダ付けすれば良い。前より強くなるだろう。

ATSF Tender (2) これは6輪台車である。砂鋳物でできていて、幅が広い。ジャーナル部がガバガバしている。これではボールベアリングが左右に踊ってしまう(既にボールベアリングが見えている)。こういう台車のボルスタを幅詰めするのは面倒である。ネジ孔の隣に近接して孔をあけ直すのが難しい。M2のネジを1 mmずらすのはやりたくない。削るならたくさん削って孔一つ分ずらしたい。

ATSF Tender (1) ボルスタを片方からフライスで切り込んで、2mm狭くした。片方から削り取ると心皿位置が変わるが、今回はどうせその付近を削りとってしまうのだから問題ない(普通は対称的に両方から同じ量を削る)。ネジ孔は、ブラスの丸棒を突っ込んで銀ハンダで固めた。こうすれば隣に孔をあけても、ドリルが引き込まれない。台車の幅を絞ると、見かけがかなり改善される。模型の台車枠は厚いのだ。

 テンダの集電シュウは祖父江方式で前後の2軸から採っている。DCCの時の雑音を無くすには効果がある。左右の動輪と従輪から2極採り、テンダの台車で2極を採るテンダ本体は機関車と同極性であるが、カプラは絶縁してある。いろいろな方法で試したが、この方法が、最も集電が良く、ショートが無い。

 台車ボルスタの心皿の周りは、ギヤボックスを収容するために四角の穴を大きく抜いた。ここに 2 mmの板を貼り重ね、ドライヴ・シャフトを貫通させるスペイスをボールエンドの刃物で削る。可撓継手のスペイスも要る。その 上に、さらに2 mm板を貼り重ねる。全体を厚板から作ると設計施工が面倒なので、よくやる方法である。銀ハンダを使えば、一体構造と同等の強度を持たせることができる。切り取るものは補強板を付けてからという原則を守ると、寸法の狂いが無い。合計でボルスタの最大厚みは7.5 mmになった。過去最高である。

ATSF Tender (4) 床板に台車を置いて位置確認をする。両端の軸からチェインで駆動するのは同じだが、スプロケットはギヤボックスの内側寄りであって、2軸目まで共通のドライヴシャフトである。その次に可撓継手が来て3軸目がつながる。ガスタービン機関車と同じ方法だ。簡単にして確実である。

 心皿高さは現行より5.8 mm高くなる。床板の上面とほぼ同じ高さになるが、心皿が邪魔なので別の方法を考えている。中央軸のギヤボックスの収容は大きな体積を必要とするからだ。
 先回のリンク機構は今思えば、ベストの方法であった。駆動軸を通すと心皿は邪魔である。今回もそれが気になっていた。ギヤボックスを偏心させ(中心に置かない)、キングピンを反対に置くという手もあるが、見た人が驚いて落とすといけないので、それはやめた。

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2020年04月15日

続 炭素棒ハンダ付け装置の増設

 炭素棒ハンダ付けの恩恵に与る人は厚板を使う人であろう。あるいは大きな鋳物部品を扱う人だろう。HO以下の模型では頻度は少ないかもしれない。Oスケールでは、これがないと進まない。
 CLW のキットを組めばその理由が分かる。すべての部品が1 mm以上の厚さを持つ。キャブなど薄板でよいのに、1.6mm厚のロストワックス鋳物の妻板、側板に、0.76mmの厚さの屋根板である。これを完全に隙間なく付けねばならない。イモ付けではなく、階段状にかき取ってある部分をきちんと突き合わせてクランプし、ハンダを置いて加熱する。屋根板を付けるときは、ブラスの針金を直角に付き合わせたところに置いておくと、接着面が広くなり、丈夫に付く。

resistance soldering 既存のタイプの電源を床に置くとケーブルの長さが足らない。机の上では邪魔である。思い切ってテーブルの下に斜めに付けた。
 この傾斜は有効である。わずかに上に向いているだけで、表示が見易く、操作も楽である。放熱も良い。お薦めする。

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2020年04月13日

炭素棒ハンダ付け装置の増設

 むすこたかなし氏の素晴らしい着想で、24 V出力のトランスを二段接続する方法を採用した。正直なところ二段接続は好きではなかったが、このトランスの価格を知れば、やるべきであると思った。まだ1000円程で手に入る。筆者はたくさん買って友人に譲った。

 ヤフー・オークションの様子を見ていると、この24 Vトランスはしばらくの間、無限に出てくるような感じである。遊戯機械がそう簡単に低電力化されるとは思えないからだ。いくつか手に入れて内部を見ると、かなり焼けているものがある。酷使したのだ。内部のプラスティック部品が焦げているものもある。温度フューズが飛んでいるものもあるので、それは取り替えればよい。巻線の絶縁は十分にあるので、このような事故品でも問題なく使える。電圧が低いから、事故は起こりにくい。一つだけ、二次線が導通していないものがあった。落とした跡があるので、衝撃で切れた可能性がある。これは巻き替えざるを得ない。時間ができたらやってみよう。3.5 mmsqのテフロン線を少し巻くだけで再生できる。 

 自分用のものは、とにかく出力の大きいものが欲しかった。分厚い砲金(青銅)の鋳物でできた前頭部に、ロストワックスの部品を隙間なくハンダ付けするのはそう簡単ではない。今まではガスバーナで100 ℃あたりまで予熱し、それを保温材で包んで炭素棒で付けた。かなり面倒で失敗も多かった。Dennisのようにアセチレンガスでやれば良く付いただろう。

AC6V 41A 今回出力 41 Aというのを手に入れたので、キャスタ―の付いた台にトランスを二段に積んで、ネジ留めした。さすがに重くて持てない。作業台の下に押し込んである。これは都合が良い。
 ただ、手持ちプローブの電線が太過ぎて固く、取り回しに苦労する。柔らかいものを探している。3.5 mmsqでは電線がかなり熱くなる。耐熱電線だから100℃くらいへっちゃらなのだが、持っている人間のほうが火傷してしまう。5.5 mmsq以上を使わねばならない。8 mmsqはかなり使いにくい固さである。

 作るのは簡単で効果が大きいので、このレポートを参考にして自作されると良い。

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2020年04月03日

続々 アメリカ製キット

CLW SD-40-2 (2) これはebayで買ったものだ。前々回とは全く対照的な方向に行っていて、素晴らしい出来である。炭素棒を使って組んでいる。
 ハンダがすべての接合面に100%流れ込み、全く隙間がない。組んだ人は工学的素養に溢れた人だ。よく考えて組んである。塗装時に塗り分けとなる部分で切り離せるようになっている。またその部分がへなへなしないように補強部材を入れているところは実にうまい手法だ。
 床下には太い部材を貼り付け、衝突に耐えるような作りになっている。

CLW SD-40-2 (1)CLW SD40-2(3) モータはMaxonのかなり大きめのコアレス・モータで、バンドーのコグド・ベルトを廻している。よく見ると多少増速である。この部分の抵抗は、意外に小さい。中間軸は Φ4 のメトリック・サイズのボールベアリングが嵌まっている。
 ユニヴァーサル・ジョイントの位相は正しい。こういうところから考えても、この工作をした人はかなりの能力の持ち主である。

 不思議なのは、すべてのネジがISOネジであることだ。アメリカ人が組んだものでメトリックのシャフトやネジが使われているのは珍しい。モータに合わせたのだろうか。車体の上下を締める部分は厚いアングルをしっかりとハンダ付けし、それにM3のネジを切ってある。細かな部品も、すべてM1.4のタップを立て、ブラスネジで仮留めしてハンダ付けしてある。筆者の理想とする組み方である。実に上手である。
 
CLW SD40-2 不思議なことに、塩化亜鉛を使わずにロジンを使っている。要するに溶剤で溶いた松脂である。裏にはそれがぎっしりと結晶化している。錆びにくいようだが、無いに越したことは無い。リモネンで湿らせて拭き取った。リモネンとは兄弟に当たる分子構造を持つ物質であるから、実によく溶ける。

 手摺等と台車を付ければ即完成、と言えるところまで来たのを売りに出したのだ。どういう訳だろう。上廻りだけで 2 kg弱ある。ウェイト無しで、生地+モータ の質量である。台車は1つ 400 g弱だ。 
 正しい O scale の質量である。よくO scaleはウェイトをたくさん積めるから重いと思われているが、そんなことは無い。韓国製の薄い板を使ったものは軽いから補重するが、アメリカ製、日本製のまともなものは丈夫に出来ているから、生地のブラスだけで十分に重いのである。

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2020年04月01日

続 アメリカ製キット

 このキットは厚い板で出来ているから、持った時の堅さ、冷たさが気持ち良い。ただエッチングが甘いので、access door latch の形が面白くない。遠くから見れば同じなのだが、じっくり見た時にラッチを外すハンドルの形が見えると良い。

 これとは別に、20年ほど前に友人から買い受けたGP15のキットを点検していたら、エッチングが間違っている。どういうわけか、2段 + 裏から1段のエッチングのはずが2段目が裏からエッチしてあった。即ち、ドアラッチが無い、のっぺらぼうの側面になる。
 これは回収すべきだったのだろうが、製作者が入院し、そのまま還らぬ人になってしまった。だからそのままになったのだった。そのまま組むと、妙なものだ。このキットはCLWの製品ではあるが、エッチングを主体とする繊細な作りで、それ以前のロストワックス主体の物とは作風が異なる。韓国製の模型に対抗するために、改良したのだろう。

access door latch (2) このロストワックス部品を大量に入手してあった。ドアラッチである。必要量の10倍くらいもある。
 顔を出す部分は、2.5 x 5.5 mmである。フランジ部分の段差は、0.50 mmである。板に角穴をあけて裏からハンダ付けすればよいのだ。角ヤスリで丁寧にあけて、付けた。

 薄板ならそのまま、置いてハンダ付けして良い。上述の厚い板には裏から孔の周りをフライスで削って、厚みを減らした。これが大変な手間で、参ってしまった。削れば、ヤスる量は減るわけで、多少楽にはなる。1.02 mmを0.55 mmにするのだ。しかし、フライス仕事は手間がかかる。

access door latch (1) 出来たものはこんな具合だ。部品の周りにハンダがぐるりと、にじんで見えている。これがベストの状態だ。こういうハンダ付けをしたい。


solder ところで、ジャンク箱からこんなハンダが見つかった。多分アメリカ製だろう。直径は19 mmであった。3/4インチだ。
 柔らかく使い易い。刻み目があるので、長さを確認して切りやすい。置きハンダには便利だ。使った感じでは、スズ60%の鉛ハンダだろうと思った。


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