ハンダ付け

2022年09月04日

DDA40X を作る

 1976年頃に組み始めた”キット”(Bill Melisのところの型を使って作らせてもらったもの)を完成させるべく、少しずつ進めている。自作3号機である。

 以前はプレスで丸穴を抜いていたのだが、今回は 1 mm板にドリルでΦ6の孔をあけ、ハンダ付けした。快削材であるから、メクレもほとんど無い。
 50年ほど前のものであるから、設計思想が現在とは全く異なる。今ならレーザまたはエッチングで切り込みを入れて表現するだろうが、当時は、板を貼り重ねている。ケガキ針で傷を付け、蝶番などをプレスで押し出し、ドア・ラッチは押し込んで凹ませている。
DDA40X (1) 裏に飛び出た部分は、ベルトサンダで落として平面にし、密着するようにする。板は反るからゴムハンマで叩いて直す。板の厚みの分だけ出るが、全く気にしない。本体の 1 mm板(40ミルの快削材)に0.5 mmを貼り足すので、厚みは1.5 mmになる。極めて頑丈である。現在の水準から見れば荒っぽい作りだが、塗ると素晴らしい。これで良いのだ。

DDA40X (2) 前回は 200 Wのコテで付けたが、今回はガスバーナだけで加熱した。他に何も部品が付いていないので、壊れるものはない。手製のクランプ類で押さえ込んで、塩化亜鉛液を沁み込ませ、63%ハンダの小粒を境目に置く。炙るとさっと沁み込んで完了だ。裏から見ると、丸穴のところから銀色に光っているのが見える。これは、完全なハンダ付けができた証明である。この手法では、隙間にフラックスが残ることがない。
 手前の板は少し浮き上がっている。こういうこともあるので、クランプを移動し、再度加熱すると完成である。こうすれば、全面ハンダ付けは簡単だ。63%を使うのが秘訣である。融けているか、固まっているかの2つしか無いので、加熱をやめるタイミングはすぐ分かる。他のハンダを使うと、加熱しすぎて、板が反るだろう。  
 はみ出したハンダは、例の編み線を当てて、炭素棒を押し付ければ、瞬時に取り除くことができる。ハンダの色がつくなどと言う人は、この話題とは無縁の人である。 


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2022年08月11日

続 スズ63%ハンダを使う

 この機関車の床板は 0.6 mmのエッチングされた板で、へなへなである。エッチングは焼き鈍した板を使うからだ。見かけは良いが、衝突したら悲惨である。その事故車を筆者が安く手に入れたのである。前頭部は取り替えた。
 床のサブフレイムは、なんと2mmの板である。剛性が素晴らしいはずなのに、大きな孔が全幅の6割もあるので、そこで折れやすくて話にならない。上廻りがついていても車体に力を掛けると撓むのが分かるが、設計した人は何も感じなかったようだ。モータは2個も付いているから、この孔が2個もあって剛性がない。伝達効率が高ければ、モータは1つで十分であったはずだ。 

 1 mmの板を貼って、孔を塞げば剛性は飛躍的に高まる。細い部分の厚みが増すからである。厚みが1.5倍になれば、その3乗で効くから、強度は3.37倍になる。孔があっても剛性は保たれる。
  0.4 ✕ 3.37=1.34
であるから十分だ。

63%ハンダ こういうときは正確に切った板を載せて、例の押さえを使う。塩化亜鉛液を塗って、63%ハンダを置き、ガスバーナで加熱する。間もなく、ハンダは融け、隙間に一瞬で吸い込まれる。全面に均等に吸い込まれ、合わせ面からわずかにハンダが見えている。

 このハンダ付け工程を来客に見せたら、大変感動していた。彼の思っていたハンダ付けとは全く異なるものであったようだ。

 右の方にモータが見える。丸みに合わせて長穴の内側面を斜めにヤスって、モータを沈めた(モータが持ち上がる)。ドライヴ・シャフトが水平面に来るので、伝達効率が飛躍的に良くなる。
 モータは、U字状の支えで取り付けた。今野氏のとは違い、薄い板を曲げたものである。

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2022年08月09日

スズ63%ハンダを使う

6-wheel truck bolster overlay6-wheel truck bolster 完全なハンダ付けをする必要があった。6軸ディーゼル電機の修復作業で、台車ボルスタを作り直した。強度が必要なので、銀ハンダを用いる。貼り付けてからフライスで削らねばならない。
 手に入れた事故車には台車が付いていなかったので、手持ちのCLWの台車を付ける。軸距離等の寸法は同じだ。

king pin location このCLWの台車のセンタ・ピン位置は、中央軸の上には無かった。おそらく中央軸のギヤボックスが邪魔になって、少し逃げたのだ。と同時に、センタ・ピンが車体中央方向に寄れば、ユニヴァーサル・ジョイントの曲がりが少なくなり、有利であるということだろう。軸重は中心付近に掛かっているが、微妙に偏ることもあり、面白くない。センタ・ピンを切り捨てて、中央軸上に新しいセンタピンを立てることにした。
 既存の台車ボルスタに 2 mmの快削ブラス板を銀ハンダで貼り付ける。ギヤボックスの遊動を許す空間を作るために、フライスで 1.5 mm切り込む。その上に更に 1 mmの板を63%ハンダで貼り付ける。銀ハンダは融点が高いので、2回目のハンダ付けでは融けない。融点の差を利用すれば、このような大物でも順番に付けることができる。加熱はガスバーナである。

kingpin (1)kingpin (2)kingpin (3) センタ・ピンを立てる。これはΦ4の丸棒で、その先にM3のネジを切る。板に差してハンダ付けし、バネを介してM3のダブル・ナットを締めれば、出来上がりだ。ネジは長めになっている。取り付けてから、先を切ることになる。 センタ・ピンは細いと折れやすい。  

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2022年07月10日

EMD の機関車群 1

EMD Engines (2) 左から、SD40 UP、SD40 SP、SD40T-2 Rio Grande 、SD40T-2 SP である。いずれも20年ほどの眠りから覚めて、組立て中である。SD40はKTM製のジャンクである。購入者がぶつけて修理不能になったのだろう。細かく出来ていて見かけは素晴らしいが、走りは限りなく零点に近い。伝達効率は5%もなかった。バラして車体を修理し、下廻りは新規に作った。元の製品はギヤが多く、粘いグリースが使われていた。グリースの撹拌抵抗だけで損失の大半を占めていたし、モータの効率は50%もなかった。それが2個も使われていた。起動電流は3 A以上で、いつも使っている電源では起動できなかった。改装後は 50 mAで起動する。

 右の2輌はキットだったのだが、気に入らず、改造を施している。全体の2割くらいが自作である。

EMD Engines (1) 後ろから見るとT-2は異様に大きなラジエータを持っていることがわかる。トンネル内で、より冷たい空気を求めて冷却用空気は低い部分から取り、ラジエータ長を1.5倍にしている。ラジエータは中でV字型に折られていて、放熱面積は通常型の2倍もある。


EMD Engines (3) これら4輌は同じエンジンを積んでいるが、長いフッドの長さがこれほども異なる。長い20気筒エンジン用のフレイムを用意して、冷却装置部分を増設したのだ。ラジエータの下は単なる空洞で、素抜けて向こうが見える。 

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2022年07月08日

スズ63%ハンダ

 先日、スズ60 %ハンダを使っている人から質問があった。
「私は、60 %を使って来ました。63 %の経験はありませんが、ハンダ付けは十分な経験があるつもりです。記事にあった63 %との差は少ないので、融け具合に差があるようには思えません。」

 この種の質問はよく受ける。答は、
63 %と60 %とは、全くの別物です。」
である。60 %のハンダを使えば、隙間を埋めることができるが、63%ではまったく無理なのだ。


SD40T2 short hoodSD40T2 short hood defects 例えばこの種のハンダ付けを考えてみよう。ここでは4枚のピースを組立てて、ディーゼル電気機関車の前方のフッドを作っている。天板と側板を1.5 mmの板をフライスで段を付けて噛み合わせ、固定して60%ハンダをコテで融かして付けている。この時、ハンダは隙間を埋め尽くし、なおかつ少し盛り上がるようにする(左の写真)。
 厚い板を使うのは、ヤスリで削って角に丸みをつける必要があるからだ。この工作は63%ではできない。
 右の写真は、大きな単目のヤスリでさっと削ったところである。黄色 の矢印はハンダが足らなくて穴があいている。再度60%ハンダで埋めて削り落とす。そうすれば、継ぎ目が全く見えなくなる。ハンダを削るのは単目に限る。詰まりにくいからである。


 63%で付けると、どの様になるかは興味深い。早い話が、コテを当てるとその周囲が、一瞬にして石鹸水のようになって隙間に沁み込む。盛ることは一切できない。もちろん塩化亜鉛水溶液がある時の話である。
 融けると、粘りけが極めて小さく、また表面張力がほとんど無い、重い液体になるのである。このフッドの隙間に盛ろうと思っても、全部融けて、重力で向こう側に垂れ、そこで冷えて滴になるから、盛れない。板を張り合わせるには最適である。
 例えば、直角にアングルを裏打ちしてつけようと思うと重力で下の方に溜まる。もちろん密着している部分には沁み込んでいるから、付かないわけではない。よく付いているが、今までのような、ハンダが見えている付き方ではないということだ。すなわちよく密着させて加熱すると、最小限のハンダで付くというわけである。

 炭素棒ハンダ付けを紹介したときに、炭素棒さえあればコテはいらないと考える人が居たが、それは間違いで、両方必要だ。ハンダも63%と普通のハンダを使い分けることが必要である。 

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2022年06月26日

ガスの充填

gas torch ガスバーナは各種持っている。小型のはこれである。半分壊れているが、手直しして使っている。いずれ修理するが、このままでも使えないことはない。自動着火なので便利である。



gas refill (1) やや中型のはこれである。45年ほど前、時計部品屋で買ったロウ付け用のものでボンベはナイロン製である。空になると充填に行った。裏でなにかやっていた。覗くとLPGボンベをひっくり返してガスの液体を入れている。その充填ホースを買えばできるので、取り寄せてもらった。以来40年近く使っている。

gas refill (4) 庭のデッキの上にあるバーベキュウ・セットの熱源はLPGである。35年前、アメリカで定価60ドル位だったものを夏の終わりに29ドルで買ったものだ。雨ざらしなので徐々に傷んできた。下半分を友人の鉄工所でステンレスで作り直してもらったものだ。豪勢である。ガスバーナ部分は消耗品なので何度も取り替えている。レギュレータも更新した。ボンベは 5 kg入のを買った。

gas refill (2) ボンベのネジは左ネジで、奥まったところにあるから、この工具Crow Footを使うと廻し易い。昔はネジが日米共通だったが、最近はアメリカが規格を変えたので、直輸入品は使えなくなったようだ。 



 5 kgのボンベをひっくり返して、液体部分を出す。コツとしては、充填元のボンベの温度は高い方が良く、小さいボンベは冷蔵庫で冷しておくことである。こうすれば、蒸気圧の差で、2〜3秒で充填される

gas refill (3) この写真では指一本で押さえているが、実際には両手で押し付けないとガスが漏れて撒き散らされる。この作業は風のある時に外でやるべきだ。 

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2022年06月22日

続 8軸ディーゼル電気機関車を作る

 相手が大きく、厚い板の場合、加熱しても熱はどんどん逃げていく。すなわち、炎の当たっているところだけが熱くなる。
 これを利用するわけだから、付けるものの表面積はある程度大きく、比較的薄くて温度の上がるものが良い。 

unnamed この屋根上のエアコンユニットは薄いロストワックス部品で、中には金網がある。金網は先に銀ハンダで付けておけばそう簡単には外れない。


 屋根に載せて、塩化亜鉛飽和水溶液を塗って馴染ませる。押さえを効かせて、スズ63%のハンダの小片を置く。小さな炎を当てると、塩化亜鉛水溶液は泡立つこともなく、ハンダが融けて隙間に吸い込まれる。加熱をやめればその瞬間に固まる。反対側も同様にすれば良い。全接触面にハンダが付いているから、剥がれることはない。この写真ではキャブを仮に置いただけで、見える隙間が不均等なのはご容赦願いたい。

 この方法は、祖父江氏のテクニックである。1番ゲージのドイツ型蒸気機関車のキャブ前方についている長いひさしを付ける方法だ。狭く、板が厚いので裏からのコテによる伝熱は難しい。ひさしにハンダを塗って、キャブ前面に垂直に立てて保持し、細いガスバーナで加熱する。一瞬で完璧に付いた。接着面がヤスリ仕上げしてあるので、接合距離が一定になり、ハンダが最高の強度を発揮する。

 要するに、ハンダ付けする面はヤスリで平面を出し、密着させることだ。その時、油目のヤスリではなく、並目のヤスリで多少ざらつかせることが、隙間の管理上望ましいだろう。

  このテクニックは大型模型には使えるが、小さな模型では板が薄すぎて、反りくり返る可能性があるからやめたほうが良い。

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2022年06月20日

8軸ディーゼル電気機関車を作る

 このブログを始めた頃は、ブログ全体を表題の記事で埋め尽くす予定であった。ところが他にやることが増え過ぎて、チャンスが巡って来なかった。
 最近、自宅地下室の整理を始めたので、次から次へといろいろなものが発見される。本人は何の部品か、よくわかっているが、他の人は単なるゴミだと思って捨ててしまう可能性が高い。そういうものは、ある程度の道筋を付けておくべきだと考えた。

soldering DDA40X スクラッチから作っているものは、部品をきちんと付け始めた。ロストワックスの部品は1 mm厚のボディに全面的に密着させてハンダ付けするのだ。
 ボディの表面の薄い酸化皮膜を取り、ロストワックス鋳物の裏をよくヤスって平面性を確保する。中央の一点を押さえて完全に密着することを確認する。塩化亜鉛飽和溶液を塗って、例の押さえジグで押し付ける。

 細いガスバーナで鋳物を加熱し、スズ63%のハンダ粒を融かす。一瞬で流れて沁み込む。ガスの火を離せば瞬時に固まる。本当は酸素アセチレン炎を使いたい。炎がとても小さいからだ。ブタンでは炎が大きく、他のものを融かしそうになるから注意が必要だ。加熱の必要のない部分は断熱を施す必要がある。

 63%のハンダは50%のハンダに計算量のスズを足したもので、ダンボールの溝に流し込んで作った。

 63%のハンダを使ったことがない人は、流れて沁み込む様子を見ると、きっと興奮するだろう。一瞬でハンダ付けが終了する。しかも全面ハンダ付けである。板を貼り合わせるときも、気持ちが良い。もちろん、タガネで傷を付けておくことを忘れないようにする。

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2022年04月09日

アルミ製タンク車を作る

Aluminum Tanker タンクボディができたので、下廻りを作り始めた。過酸化水素水を運ぶタンクはアルミニウム製である。すなわち剛性は無い。最近のタンク車はタンクボディそのものを構造体として利用しているが、これは別の鋼製台枠を持っている。

Tanker frame 古い部品箱を探し、適当な台枠材料を見つけた。両端のデッキ部分はエッチングで表現した滑り止め模様の板である。この板はt 0.5であるが、柔らかい。剛性は全く期待できないので、t 1.0の板を裏に全面ハンダ付けし、チャネル材を取り付ける。その t 1.0板とチャネルは t 1.5の材料をフライス加工した補強材でつなぐ。クランプで挟んでおいて、炭素棒で加熱し、全ての接合面がハンダで埋まるようにする。こうしておかないと、衝突時に分解してしまう。

 ボルスタの部分は 5x10の角材をフライス加工して、タンクボディを支える。そのタンクボディには、支えが付く部分は厚板を貼り付けている。そうしないと凹むのであろう。

 手摺りは片側だけである。中央のプラットフォーム部分だけには、両側の手摺りがある。色は白で、水色の帯の入ったDu Pontの私有貨車になる予定だ。 

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2022年03月08日

resistance soldering transformer

 友人から、
「炭素棒ハンダ付けを導入したいのだが、トランスをどうすればよいか?」
と相談があった。
 専用のトランスを作るほどのことはない。例の2段の方法でも良いし、その辺に転がっているトランスを改造しても良いと伝えた。結局、
「重い2段を避けて1段のものであれば、ありがたい。作ってくれないか。」
と頼まれてしまい、最も簡単な方法で用意することにした。

RS transformer 100 VA程度のトランスの2次巻線を壊す。この種のトランスは、1次巻線は内側なので、100 Vの巻線を傷付けないように、外側から壊せば良いのだ。このトランスは、外側にショートリングとして銅板が巻いてあったので、それを外して巻線保護の紙を外す。2次巻線は細かく切ってしまい、ヤットコでつまんで引抜けば良い。絶縁紙には絶縁ニスが塗ってあるのでくっついているが、丁寧に剥がして引抜き、1次線を傷めないように注意して壊す。
 ショートリングは、オーディオ趣味の方は必ず付けるようである。筆者の耳ではその効果はよくわからぬ。

 1次線の絶縁紙には手を触れないようにし、テスタで漏電のないことを確認する。そこに3.5 mmsqの耐熱電線を通し、10回巻きでの電圧を測ると、1巻きあたりの電圧が判明する。5 Vが出るように巻き足せば良い。17回巻いた。

 この時、2次線にビニル被覆電線を使うと、熱で融けて事故を起こす可能性が高い。また、太いので隙間にうまく巻けないかもしれない。被覆が薄くて硬いテフロン線は、具合が良い。高価であるが、これに勝るものはない。
 巻いた線をきちんと隙間なく密着させ、電線をナイロンのファスナで留めれば出来上がりだ。

 外した銅線はリサイクルする。細かく分類して廃金属商に持っていくのだ。多少の金にはなるが、全てそこにある別の金属棒、金属板を買って帰る。それを削って、その切り粉はまた持っていくというわけだ。
 HOの友人がたまに屑を持って来るが、その細かさには、筆者は驚く。彼は、こちらのスクラップ入れを漁って、切れ端を持って帰る。筆者が捨てたものは、HOの素材としてなら、十分に役に立つ大きさだと言う。 

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2021年10月27日

続 帯板押さえジグ

soldering jigs 2 このジグは高さごとに各種作っておく。簡単に作れる。実は最初、寸法を調節できるものを作ったが、使用中にネジが緩んで狂ったり、大きくなってしまって邪魔であった。ロクなことはない。専用のものを沢山持っていれば良いことである。必要があればさらに作れば良い。今回はハンダ付けで作ったが、フライスで切り出すと、微妙な寸法のものが簡単にできる。

 先回の図で示したように、ジグの水平が保たれるように、小さなスペイサを付けておくことが大切だ。これがないと引っかかってうまく滑らない。

 三角形の滑り子の形に興味のある方が多いが、これには他意はない。たまたまちょうど良い厚みの小片があったので使っただけである。

 この種の滑らせながら使うジグは、とても便利である。ただし、台をしっかり作って、多少力を入れられるようにしておくのがミソである。この種のジグ用の合板は、数cm幅に細く切ったものを用意してあるので、クラブ員が取りに来る。

soldering finished ハンダ付けが速く行われるということは、失敗が少ないということである。注意力を長い時間持続させるのは難しいが、15秒程度なら、可能である。その間、息を止めている。
 仕上がりはこの程度だ。はみ出しているのは、予めハンダめっきしたときの余剰部分である。 円盤の円筒面で押していて、帯板の表面には全く傷はつかない。電圧が低いと、電流密度を上げるために角で押さないと、ハンダが付かない。これをやると帯板に傷がつく事がある。 

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2021年10月25日

帯板押さえジグ

 帯板を正確に保持してハンダ付けするには、簡単なジグが必要である。また保持台も必要である。

soldering setup 合板を直角に組み合わせて、全体を保持することにする。これは、ある程度重いほうが安定する。ハンダ付けする範囲を少し持ち上げるために、木の薄板を貼る。こうすることによってワーク全体が持ち上がり、手前に少し隙間ができる。その薄板は6 mm厚である。後ろの銀色の壁は、3台の空気清浄機である。バッタ屋で手に入れたものや、戴きものだ。これだけ並べると、効果は絶大である。

sliding jig このジグはワークの手前をスライドする。奥に押し付けながら、ずらすのである。三角板は1.2 mm厚である。帯板を軽く押さえながらスライドするためには、裏に帯板のガイドが必要である。帯板の厚さの分だけ全体が持ち上がる必要があるので、2つのガイド以外に、もう一つ同じ厚さのものを貼って置かねばならない。

sliding jig 2 裏はこの様になっている。手前のが斜めになっているのは、特に理由はない。とにかく同じ厚さの板(スペイサ)が付いていればよいだけである。



belt soldering guide このジグを、向こう(この図では左へ)に押し付けながらずらし、ローラがその後を付いていくのだ。あっという間の作業である。 

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2021年10月23日

続 炭素円盤によるハンダ付け

 炭素円盤はある程度の半径があるので、普通の炭素棒に比べると炭素の中を電流が流れて行く距離が大きい。すなわち抵抗が大きく、電流が少ない。赤熱しにくいから、電圧を少し上げる必要がある。1次側に120 V 程度掛けると調子が良い。

 アース線をワークにつなぐ。クリップでは接触面積が小さいので熱くなってしまう。それだけ効率が下がる。複数の方法でアース線をつなぐ。厚板をネジで締めるのが一番良い。

carbon roller soldering ハンダめっきをしておいて、帯板を載せ、ローラを転がせば良い。接触面が熱くなり、あっという間に隙間のないハンダ付けが出来る。この時、帯板の位置を正確に決めねばならないが、それは簡単なジグを用意すれば良い。ローラを転がす速度は、毎秒 1 cm ほどである。写真はAM氏の撮影だ。

 後ろに見えるフラックスの瓶に注目されたい。この瓶には塩化亜鉛の飽和水溶液が入っている。倒れると中身が流れ出し、目も当てられない状態になるだろう。転ばない構造にしておけば良いのだ。flux bottle
 薄いブラスの板で作った帯を作る。この帯は、瓶にきっちりはまる大きさにするのがミソである。L金具で少し持ち上げて留め、ネジで固定しただけである。こうしておけば、まず事故はなくなる。

 飽和水溶液を用いると、ピチピチと飛ばなくなるから掃除も楽で良い。

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2021年10月21日

炭素円盤によるハンダ付け

 carbon disk 方式の動画を撮らねばならない。その題材を何にしようかと迷っていたところ、長老のH氏が、
「近鉄の2200の古いのがある。誰が作ったのかは知らないが、ハンダ付けがひどく下手くそだ。これを機会に完璧なハンダ付けをしてくれないか。」
と言う。

 うっかりその話に乗ってしまって、大変な事になったと気が付いた。これは昭和20年代に大阪の模型屋が出していたキットである。以前にも話題に出したが、筆者は一編成5輛を組んだことがある。それは是非にという人があって、引き取られて行った。好きな電車であるから再度作ってみたいという気持ちがあった。

2200 今回の電車は一般の趣味人が組んで、色を塗ったものだ。出来は良いとは言えない。ハンダ付けが稚拙で、隙間だらけである。シルもヘッダもチョン付けで、その隙間に塗料を押し込んである。ブレーキ・フルードに2週間も漬けたが、取り切れない。
 さらにラッカ・シンナで3回洗ったが、塗料が取れない。細いバーナで炙ってハンダを融かしながら帯板を外した。それをまたラッカ・シンナで洗ったが、完全には取れない。最終的にはヤスリとスティール・ウルで磨かねばならない。

 そうこうしているうちに、「炭素円盤によるハンダ付けの実際を動画に撮れ」と言って来た。首領の指示なので、やるしかないが、さすがにこの2200を再生する場面を見せるのは、難しい。あまりにも材料が良くない。側板の平面性がないのだ。窓の縦の柱の細さも気になる。本物はもっと太く、窓は細い。 

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2021年10月05日

続 余分のハンダを取る

 先回の記事は反響が大きかった。様々な人から連絡を戴いた。TMSを長く読んでいる人も、その記事に記憶がないそうだ。

 さて、他の皆さんはどのようにして、ロストワックス鋳物からハンダを取っているのであろうか。昔、腕自慢の方が、「ハンダを細いキサゲで全部掘り出す」と言っていたのを思い出す。これは掘り出したつもりでも100%ではない。100%以上削ってしまうこともあるだろう。

 筆者がよくやっていたのは、
ガスで炙って、熱いのを振り回す。それだけでは足らないので、ヤットコを何かに当てて急停止させ、大きな加速度を与える。そうすると、ほとんどのハンダは飛んでいく。

フラックスを塗った平編み線を当てる。ハンダは平編み線の方に吸い出される。,汎嬰以下の取れ方である。

ガスで炙ってから、圧搾空気をガンで当てる。これはほぼ100%である。もちろん、表面の金属に沁み込んだものは取れないし、取る必要もない。合金になっているので、これを取るわけには行かない。取れば上記の100%以上の人と同じことになる。

 ハンダメッキされた状態は悪いことではない。ブラスの色が見えないと嫌だと言う方には、それはご自由に、と言うしかない。

 ハンダ付けは十分な量のハンダを使って付け、余分をコテを当てて取るというのが一番理想的である。ハンダは外から見えても良いのだ。むしろ見えていないと安心できない。

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2021年09月17日

余分なハンダを取る

 このカブースの屋根は、木製だったが、ブラスに作り替えた。細かい手摺等を接着しても、取れてしまう可能性が高いからだ。

 板に孔をあけて、手摺の針金を突っ込み、ハンダ付けする。ハンダは十分に付け、孔の中外によく廻っていることを確認する。こうしておけば、まず取れることが無い。余分のハンダはどうやって取るべきだろうか。

minimizing slolder 殆どの人はキサゲで落とし、ワイヤブラシで磨くことを考えるだろう。筆者は熱いコテで下から加熱する。2秒で終わる。この方法をやってみせると、大抵の人は目を丸くして驚く。

 融けたハンダは液体であり、コテはハンダを吸い取るのだ。重力で流れ込むのである。条件として、コテの表面がよくハンダでぬれていることである。ガリガリに錆びていては、うまく行くわけがない。

 もう一つの条件は、ハンダが完全に融けなければならないということである。63%スズの共晶ハンダであれば、融けた瞬間に完全な液体になるので、ハンダゴテに吸い込まれる。共晶でないときは、ザラザラしている状態(こしあん状態)があって、融け切るまで流れにくい。

minimizing solder 筆者は、殆どの場合、共晶ハンダしか使わない。その理由を聞いた人がいるが、このハンダ吸い取り術が、簡単に使えるからである。この写真の矢印の部分が、吸い込んだ後である。孔に挿した針金の周りに、富士山の裾野のようにハンダが残るが、その他はすべてコテに回収される。下はこれから処理する所である。
 ハンダはブラスの板の表面に残っているが、めっき程度の厚みで、気になる人は削ればよいが、その意義があるかどうかは人によるだろう。

 筆者はハンダを削るということをあまりしない。ブラスに傷がつくのが嫌なのだ。塗装すると見えてしまう。このめっき程度の膜は塗装するとほとんど見えなくなる。



 400号あたりのTMSのミキストに山崎氏が、この操作を書いていたのを覚えている。それも一回きりで、その後全く出て来なかったと思う。普通のハンダを使う限り、この吸い込み法は、よほど大きなコテを使わない限りうまくいかない。おそらく、やった人が成功しなかったので、広まらなかったのではないか。 

 祖父江氏は、流れ作業で作ったものを、順次ひっくり返してハンダを吸い取っていた。その手捌きがあまりにも見事で、見とれていたことを思い出す。大きなコテでハンダをたっぷり溜め込むのだ。溜まったハンダは回収して再度使える。みなさんもお試しあれ。これが出来ると、キサゲの量が1/10になる。先日クラブで紹介したところ、評判が良かった。
 クラブ員の中にはハンダ付けのプロ(電子回路製作)も居るので、色々と補足して戴いて、充実したプレゼンテイションであった。 

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2021年03月05日

炭素棒ハンダ付け

 むすこたかなし氏のRSU (resistant soldering unit) の記事が面白い。筆者はOゲージを楽しんでいるので、細かい工作をしていないと思っている人も多い。だから、太い炭素棒で高い電圧を掛けていると思われているようだ。
 筆者は細かい作業もする。ディーゼル機関車のブレーキ・リギングなどは極めて細かい。その組立てはRSUを用いる。相手が大きいので、ハンダごてではできない。

 炭素棒は、1/16インチ(1.6 mm径)を用いる。電圧は5 Vである。先端が白熱するのではないかと思われるだろうが、そんなことはない。発熱量は、電流の2乗と時間との積である。時間を短くすれば良いのだ。

 筆者がペダルを踏むのを見ると、ほとんどの人が「すごい」と言う。きわめて短時間の踏み込みを、猛烈な速度で繰り返す。それがコツなのだ。炭素棒は相手に触れたままにする。発生した熱は殆ど相手に吸収させるようにする。通電は0.2秒程度だ。通電中に離すとアークが出て穴があくかもしれない。 
 毎秒2回程度踏む。足踏みスウィッチは、耐久性が保証されているものを選んであるから、思い切り速く、細かく踏むべきである。

 ハンダメッキしておいて、炭素棒を押し当てればハンダはつるりと沁み込み完了する。きわめて単純な話で、簡単だ。 もちろんフラックスは塗っておく。

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2021年02月25日

フライホィールの支持

momentum unit (1) フライホィールを支える台は、軽衝突の衝撃に耐えねばならない。前回は厚さ 6 mmの円盤を切ったものをハンダ付けして支えを作った。1.5 mmの板に銀ハンダで付けたものを、1 mmの床板の上にネジ留めしたのだ。今回は太いアングルがあるので、それに固定すれば済む。

momentum unit (2) なるべく厚い材料を探していたが、快削材が無いので、しばらく前に外したギヤボックスの鋳物を使った。祖父江氏がヤスリで削り出したものだ。測定してみると、厚さは0.2 mm以下の誤差しかない。角も直角が出ている。手仕上げの量産でこの精度を出しているのには驚く。
 孔がたくさんあるので、ドリルで拡げてブラス棒を差し込み、銀ハンダを流す。それをフライスで削って再利用した。分厚くてなかなか豪勢である。
 軸の通る部分にはボールベアリングを嵌めるので、切り取ってブロックを嵌め込んである。もちろんあとでフライス加工して、平面を出した。

 アングルの隙間にぴたりと嵌まるように削った。ラジアルベアリングとスラストベアリングを用いて支える。

 フライホィールの径は現在の 52 mmではテンダの天井板に0.7 mmほど障ることが判明したので、少し小さくして50 mmにせざるを得ない。


 作り掛けの状態では部品を無くす惧れがあったので、毎日1時間ずつ作業して、形にした。

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2021年01月28日

しなやかな太い電線 

woven wire 大型の変圧器により、大電流のハンダ付けができるようになった。しかし炭素棒を保持する手元のテフロン被覆電線が固くて、取り廻しが難しい。置くと弾力ではね返り、落ちてしまうことがある。熱いものが落ちるのは絶対に避けねばならない。アース線は多少固くても困ることはないが、しなやかな太い電線が欲しい。

 電線の断面は、5.5平方mm欲しい。3.5では熱くなって、どうかなりそうだった。電線のカタログを順に見ていて、平編線に行き当たった。この線は厚さが1.4 mm、幅が9.6 mmで、細いΦ0.12 の線480本で出来ているから、しなやかである。
 被覆をどうするかが問題だ。柔軟な素材でないといけない。この編んだ保護チューブは見かけは細いが、長さを縮めると太くなり、先の編み線を入れることができた。

 細かな穴があるから完全な電気絶縁はできないが、使ってみてショートすることはないから十分だ。結線は圧着端子で行う。その時、末端を折り曲げて細くし、端子に押し込む必要がある。

 ほかにもしなやかな電線はあるようだ。Dr.Yのお勧めは、これだ。
細い線を使っている。普通の線はΦ 0.17程度の線を使っているが、これはΦ 0.08だそうだ。概算で1/16以下の剛性しかないことになるから、柔らかいだろう。 

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2020年10月22日

searchlight signal

searchlight signal (3)searchlight signal (2) 転車台から本線までの線路に、DCとDCCのどちらが印加されているかを示す信号機が必要だ。もっと大きなものを考えていたが、これを採用することに決めた。

 これはサーチライト型と呼ばれるタイプの信号機だ。中に小さな色付きフィルタが3枚入っていて、それが動き、単一光源からの光を3色にして出す。要するに同じレンズから異なる光が出るわけだ。これは古い協同ライト社製のものだ。ジャンク箱から探し出した。電球を外して捨て、スタンドも取り外した。

searchlight signal (1) 箱を作らねばならなかった。角を少し丸くしたいので、1 mm の板を4枚組合せてハンダ付けし、上は0.6 mm板だ。これは後述するがあとでハンダ付けが容易になる工夫だ。天板を貼る前に上下をフライスで削って直角を出しておく。ベースの板は今野氏に作って戴いた 5 mm厚の板で、熱容量が大きい。 
 箱を付ける場所を磨いてフラックスを塗り、ガスバーナで加熱する。ハンダを融かしておいて箱を載せると熱を奪われて固まり、ハンダ付けは完了である。箱の熱容量が大きいから、上までは融けない。比較的厚い板を使ったので、全体は重くなる。重いからこそ、この方法が有効になる。すべての接合部が完全にハンダ付けしてあるから、極めて丈夫である。

 上面にパイプ径ぴったりの孔を開けてある。パイプを差し込み、適当な位置でハシゴをハンダ付けする。ベースが熱いので僅かの熱でハンダ付けが可能である。支柱のパイプを差し込み、垂直を見ながら出し入れし、ピンセット型で resistance solderingを行うと完成だ。この天板部分が厚いと、この方法ではハンダ付けしにくい。薄い板だから、ピンセットの先でつまんだだけで赤熱して、ハンダ付けは完了だ。この方法でやると、ジグを作らなくても確実に直角が出せる。もちろんここのハンダは共晶を用いないと難しい。
 根元の箱の中には継電器が入っているので点検扉が必要なのだが、それは向こう側であって、作っても見えないから省略した。 

 DCCの時は緑、DCの時は黄色、ポイントが開いていなくて、本線には進入できない時は赤になるようにする。もちろん一つの信号機から出る光は単一である。本物の動作とは異なるが、仕方ない。3色LEDがあるそうだが、そこまでは凝らないことにした。

 使い途のなかった信号機に役目が与えられた。

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2020年07月04日

続 Kemtronの台車 

turned anchor bolt ボルスタ・アンカを快削ブラス材から削り出した。よく切れるバイトと高回転の出せる旋盤さえあれば、こんな楽しい作業はない。つるつるの丸棒である。ごく適当にゴムブッシュに相当する部分を表現して、それをハンダ付けするわけだ。

 大きなものに小さなものを付けるのは難しいことになっている。こういう時は炭素棒に限る。接合面にハンダめっきしておいて、位置決めして押さえ込む。つなぎ目に先を尖らせた炭素棒を当て、やや高めの電圧を短時間掛ける。先端がほんのり光るくらいでやめるのだ。ハンダがきらっと光って、滑らかな面が出現する。それでおしまいである。隙間なく、完全に付いている。この時のハンダはeutectic(共晶)であるべきだ。要するに液体と固体しかないのであるから、付いているか、付いていないか、のどちらかしかない。非常に簡単にできる。

 ハンダの性質について無関心な人は多い。特別に上手な方以外は、皆苦労されているはずだ。この際、炭素棒ハンダ付けとeutectic solder を導入されてはどうだろう。完璧なハンダ付けが可能になると、世の中が違って見えるようになるはずだ。  

 ともかく、部品の間違っていた台車はすべて満足に組み上がり、車体への取り付けができる状態になった。
 問題は、客車車体が一つ行くえ不明であることだ。かれこれ2年ほど行くえ不明である。困った。

 〔10年前の自宅レイアウトでの貨車行くえ不明事件〕
 それは思わぬことで解決した。自宅レイアウトの一番奥に点検用の 45 cm角の孔がある。その脇で発生した脱線事故で1輌だけが、どういうはずみか、転落したらしい。その下には毛布が畳んで置いてあって、そこに軟着陸したのだ。そこに2年ほど寝ていたようだ。破損無しで助かった。気が付いたのは、運転中にまたもや脱線事故があり、転落する場面を目撃したからだ。回収に行くと、枕を並べて寝ていた。偶然ではあるが、全くの無傷で助かった。

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2020年05月29日

Streamliner の組立て

painting (3) 簡単なジグに締め付け、箱状にハンダ付けする。角の部分の内側には 2 mm角線をハンダ付けし、衝突時に壊れにくいようにした。また内部には0.8 mm板で作ったアングルをしっかりハンダ付けし、握っても壊れない程度の強度を確保する。短い車体のものは、角を突き合わせてハンダ付けしただけのものもある。隙間が一定で完全にハンダが廻っていれば、突き合わせだけでもかなりの強度があることが分かった。(縦に木製床に落としても、被害なし)
 写真の状態で大体1 埃紊任△襦これは近年製造のもので、3段エッチングで窓が抜けていた。しかし窓の縁の角が甘いので、ヤスリで仕上げるべきである。エッチング製品は、板が焼き鈍してあるので多少軟らかく、強度が落ちているから、補強は不可欠である。その点、自作車は丈夫である。

 最初に組見本として、アメリカ人が組んだものを3輌ほど手に入れ、構造を観察してポイントを押さえた。アメリカにも腕の良い人は居る。素晴らしいものがあったので参考にした。
 しかし、常識的にはするべきでないことをやってしまった人も居る。内部に3/8インチ角(9.5 mm角)のムクの角棒(1本430 g)を、補強材として2本、さらに1/8インチ × 3/8インチの角棒を2本、ハンダ付けした人がいた。その重さには参った。補強材だけで、計算値1.1 kgもあったのだ。台車を付けると2.1 kgもある。ボールベアリング無しではとても走らなかったので、諦めて売りに出したのだろう。ただ、そのハンダ付けの腕だけは大したもので、その太い角棒が屋根にも側板にも完璧に付いていた。工業用の炭素棒によるハンダ付けであろう。クランプ式のものだ。両面に痕がある。

 キット以外に、スクラッチから作ったものが4輌出て来た。40年近く前の埋蔵金”属”である。ほとんど忘れていたものもあって、驚いた。昔作ったものは、今とは作風が異なる。生真面目にすべて手で作ってあるのには、我ながら感心した。糸鋸を大量に消費していた時代だ。少し手を入れて完成させた。

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2020年05月27日

UPの客車群を塗る

UP Streamliner 外出が制限されている。時間があるので、組んだまま放置されていた客車を塗り始めた。
 Union Pacific 鉄道の流線形客車群である。総ブラス製で、かなり重い。もともとは、Kemtronが作っていた厚さ0.63 mmのエッチング・キットであった。殆どの人は、買ったは良いが、組めずに放置していた。20年ほど前から、それが中古市場に適価で出始め、筆者は手あたり次第、買い占めた。一時期は40輌分ほどあったが、その後欲しがる人も居て、譲り渡して半分になった。右の2輌は、参考品として塗装済のものを購入したもので、色合いが異なる。

 キットは板だけなので、まず窓抜きをせねばならない。これは当初、糸鋸で抜いた時期もあったが、その後縦フライスになった。ヤスリ掛けは不可欠で、たくさんのヤスリを消費し、ヤスリ粉は牛乳パックに2杯も貯まった。屋根曲げは、ある程度は折曲げ機で曲げ、その後の修整はこの丸アンヴィルを使った。非常にうまくできる。屋根板は0.55 mmのものもある。

 屋根と側板は隙間なくつなぐ。これには、Kemtron社自体が公表していたノウハウがあって、その通りにすればかなりうまくいく。つなぎ目に連続した板を内側に貼り付けるのは、極めて難しいからだ。
 そのノウハウは、ブラス板の小片をたくさん用意し、簡単なジグ上で押さえ込んだ屋根と側板の接合部にハンダ付けする、というものだ。小片の上半分は屋根に合わせて軽く曲げておく。多少の隙間ができても押さえ付けながら、その部分を局所加熱すれば直せる。これが連続した材料であると、難しい。最終的につなぎ部分の8割がこの小片で埋まる。車体外側から見ておかしくなければ、成功だ。この小片によるつなぎ法は、いろいろなところに応用している。部分的な修正が効くのが良い。炭素棒による加熱なら、自由に付け外しできて具合が良く、楽である。

 このやり方はいかにもアメリカ人の考えた方法である。下手な人でも、そこそこにうまくできるのである。それを、筆者は少し進歩させている。
 数箇所を小片で付け、ずれや隙間が無いのを確認したのち、長目(75 mm程度)のつなぎ板を一気に貼る。ハンダの量を適量にすると、なぎ目にハンダがにじんだ状態で完成する。もちろんこの長板の上半分は、屋根の丸味に沿わせて曲げておくのだ。

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2020年05月05日

続々 ATSF Heavy Pacific

ATSF Tender (3) テンダの床板は1 mm板である。 フライスで切り抜いたら、前後方向の剛性が小さくなって、衝突時にめり込む可能性が出て来た。内側に厚いアングルを2本、全長に亘って貼り付けることにする。回転体を避ける位置である。前後の端梁は分厚くて丈夫なブラス鋳物であるから、そこにネジ留めしてハンダ付けすれば良い。前より強くなるだろう。

ATSF Tender (2) これは6輪台車である。砂鋳物でできていて、幅が広い。ジャーナル部がガバガバしている。これではボールベアリングが左右に踊ってしまう(既にボールベアリングが見えている)。こういう台車のボルスタを幅詰めするのは面倒である。ネジ孔の隣に近接して孔をあけ直すのが難しい。M2のネジを1 mmずらすのはやりたくない。削るならたくさん削って孔一つ分ずらしたい。

ATSF Tender (1) ボルスタを片方からフライスで切り込んで、2mm狭くした。片方から削り取ると心皿位置が変わるが、今回はどうせその付近を削りとってしまうのだから問題ない(普通は対称的に両方から同じ量を削る)。ネジ孔は、ブラスの丸棒を突っ込んで銀ハンダで固めた。こうすれば隣に孔をあけても、ドリルが引き込まれない。台車の幅を絞ると、見かけがかなり改善される。模型の台車枠は厚いのだ。

 テンダの集電シュウは祖父江方式で前後の2軸から採っている。DCCの時の雑音を無くすには効果がある。左右の動輪と従輪から2極採り、テンダの台車で2極を採るテンダ本体は機関車と同極性であるが、カプラは絶縁してある。いろいろな方法で試したが、この方法が、最も集電が良く、ショートが無い。

 台車ボルスタの心皿の周りは、ギヤボックスを収容するために四角の穴を大きく抜いた。ここに 2 mmの板を貼り重ね、ドライヴ・シャフトを貫通させるスペイスをボールエンドの刃物で削る。可撓継手のスペイスも要る。その 上に、さらに2 mm板を貼り重ねる。全体を厚板から作ると設計施工が面倒なので、よくやる方法である。銀ハンダを使えば、一体構造と同等の強度を持たせることができる。切り取るものは補強板を付けてからという原則を守ると、寸法の狂いが無い。合計でボルスタの最大厚みは7.5 mmになった。過去最高である。

ATSF Tender (4) 床板に台車を置いて位置確認をする。両端の軸からチェインで駆動するのは同じだが、スプロケットはギヤボックスの内側寄りであって、2軸目まで共通のドライヴシャフトである。その次に可撓継手が来て3軸目がつながる。ガスタービン機関車と同じ方法だ。簡単にして確実である。

 心皿高さは現行より5.8 mm高くなる。床板の上面とほぼ同じ高さになるが、心皿が邪魔なので別の方法を考えている。中央軸のギヤボックスの収容は大きな体積を必要とするからだ。
 先回のリンク機構は今思えば、ベストの方法であった。駆動軸を通すと心皿は邪魔である。今回もそれが気になっていた。ギヤボックスを偏心させ(中心に置かない)、センタピンを反対に置くという手もあるが、見た人が驚いて落とすといけないので、それはやめた。

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2020年04月15日

続 炭素棒ハンダ付け装置の増設

 炭素棒ハンダ付けの恩恵に与る人は厚板を使う人であろう。あるいは大きな鋳物部品を扱う人だろう。HO以下の模型では頻度は少ないかもしれない。Oスケールでは、これがないと進まない。
 CLW のキットを組めばその理由が分かる。すべての部品が1 mm以上の厚さを持つ。キャブなど薄板でよいのに、1.6mm厚のロストワックス鋳物の妻板、側板に、0.76mmの厚さの屋根板である。これを完全に隙間なく付けねばならない。イモ付けではなく、階段状にかき取ってある部分をきちんと突き合わせてクランプし、ハンダを置いて加熱する。屋根板を付けるときは、ブラスの針金を直角に付き合わせたところに置いておくと、接着面が広くなり、丈夫に付く。

resistance soldering 既存のタイプの電源を床に置くとケーブルの長さが足らない。机の上では邪魔である。思い切ってテーブルの下に斜めに付けた。
 この傾斜は有効である。わずかに上に向いているだけで、表示が見易く、操作も楽である。放熱も良い。お薦めする。

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2020年04月13日

炭素棒ハンダ付け装置の増設

 むすこたかなし氏の素晴らしい着想で、24 V出力のトランスを二段接続する方法を採用した。正直なところ二段接続は好きではなかったが、このトランスの価格を知れば、やるべきであると思った。まだ1000円程で手に入る。筆者はたくさん買って友人に譲った。

 ヤフー・オークションの様子を見ていると、この24 Vトランスはしばらくの間、無限に出てくるような感じである。遊戯機械がそう簡単に低電力化されるとは思えないからだ。いくつか手に入れて内部を見ると、かなり焼けているものがある。酷使したのだ。内部のプラスティック部品が焦げているものもある。温度フューズが飛んでいるものもあるので、それは取り替えればよい。巻線の絶縁は十分にあるので、このような事故品でも問題なく使える。電圧が低いから、事故は起こりにくい。一つだけ、二次線が導通していないものがあった。落とした跡があるので、衝撃で切れた可能性がある。これは巻き替えざるを得ない。時間ができたらやってみよう。3.5 mmsqのテフロン線を少し巻くだけで再生できる。 

 自分用のものは、とにかく出力の大きいものが欲しかった。分厚い砲金(青銅)の鋳物でできた前頭部に、ロストワックスの部品を隙間なくハンダ付けするのはそう簡単ではない。今まではガスバーナで100 ℃あたりまで予熱し、それを保温材で包んで炭素棒で付けた。かなり面倒で失敗も多かった。Dennisのようにアセチレンガスでやれば良く付いただろう。

AC6V 41A 今回出力 41 Aというのを手に入れたので、キャスタ―の付いた台にトランスを二段に積んで、ネジ留めした。さすがに重くて持てない。作業台の下に押し込んである。これは都合が良い。
 ただ、手持ちプローブの電線が太過ぎて固く、取り回しに苦労する。柔らかいものを探している。3.5 mmsqでは電線がかなり熱くなる。耐熱電線だから100℃くらいへっちゃらなのだが、持っている人間のほうが火傷してしまう。5.5 mmsq以上を使わねばならない。8 mmsqはかなり使いにくい固さである。

 作るのは簡単で効果が大きいので、このレポートを参考にして自作されると良い。

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2020年04月03日

続々 アメリカ製キット

CLW SD-40-2 (2) これはebayで買ったものだ。前々回とは全く対照的な方向に行っていて、素晴らしい出来である。炭素棒を使って組んでいる。
 ハンダがすべての接合面に100%流れ込み、全く隙間がない。組んだ人は工学的素養に溢れた人だ。よく考えて組んである。塗装時に塗り分けとなる部分で切り離せるようになっている。またその部分がへなへなしないように補強部材を入れているところは実にうまい手法だ。
 床下には太い部材を貼り付け、衝突に耐えるような作りになっている。

CLW SD-40-2 (1)CLW SD40-2(3) モータはMaxonのかなり大きめのコアレス・モータで、バンドーのコグド・ベルトを廻している。よく見ると多少増速である。この部分の抵抗は、意外に小さい。中間軸は Φ4 のメトリック・サイズのボールベアリングが嵌まっている。
 ユニヴァーサル・ジョイントの位相は正しい。こういうところから考えても、この工作をした人はかなりの能力の持ち主である。

 不思議なのは、すべてのネジがISOネジであることだ。アメリカ人が組んだものでメトリックのシャフトやネジが使われているのは珍しい。モータに合わせたのだろうか。車体の上下を締める部分は厚いアングルをしっかりとハンダ付けし、それにM3のネジを切ってある。細かな部品も、すべてM1.4のタップを立て、ブラスネジで仮留めしてハンダ付けしてある。筆者の理想とする組み方である。実に上手である。
 
CLW SD40-2 不思議なことに、塩化亜鉛を使わずにロジンを使っている。要するに溶剤で溶いた松脂である。裏にはそれがぎっしりと結晶化している。錆びにくいようだが、無いに越したことは無い。リモネンで湿らせて拭き取った。リモネンとは兄弟に当たる分子構造を持つ物質であるから、実によく溶ける。

 手摺等と台車を付ければ即完成、と言えるところまで来たのを売りに出したのだ。どういう訳だろう。上廻りだけで 2 kg弱ある。ウェイト無しで、生地+モータ の質量である。台車は1つ 400 g弱だ。 
 正しい O scale の質量である。よくO scaleはウェイトをたくさん積めるから重いと思われているが、そんなことは無い。韓国製の薄い板を使ったものは軽いから補重するが、アメリカ製、日本製のまともなものは丈夫に出来ているから、生地のブラスだけで十分に重いのである。

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2020年04月01日

続 アメリカ製キット

 このキットは厚い板で出来ているから、持った時の堅さ、冷たさが気持ち良い。ただエッチングが甘いので、access door latch の形が面白くない。遠くから見れば同じなのだが、じっくり見た時にラッチを外すハンドルの形が見えると良い。

 これとは別に、20年ほど前に友人から買い受けたGP15のキットを点検していたら、エッチングが間違っている。どういうわけか、2段 + 裏から1段のエッチングのはずが2段目が裏からエッチしてあった。即ち、ドアラッチが無い、のっぺらぼうの側面になる。
 これは回収すべきだったのだろうが、製作者が入院し、そのまま還らぬ人になってしまった。だからそのままになったのだった。そのまま組むと、妙なものだ。このキットはCLWの製品ではあるが、エッチングを主体とする繊細な作りで、それ以前のロストワックス主体の物とは作風が異なる。韓国製の模型に対抗するために、改良したのだろう。

access door latch (2) このロストワックス部品を大量に入手してあった。ドアラッチである。必要量の10倍くらいもある。
 顔を出す部分は、2.5 x 5.5 mmである。フランジ部分の段差は、0.50 mmである。板に角穴をあけて裏からハンダ付けすればよいのだ。角ヤスリで丁寧にあけて、付けた。

 薄板ならそのまま、置いてハンダ付けして良い。上述の厚い板には裏から孔の周りをフライスで削って、厚みを減らした。これが大変な手間で、参ってしまった。削れば、ヤスる量は減るわけで、多少楽にはなる。1.02 mmを0.55 mmにするのだ。しかし、フライス仕事は手間がかかる。

access door latch (1) 出来たものはこんな具合だ。部品の周りにハンダがぐるりと、にじんで見えている。これがベストの状態だ。こういうハンダ付けをしたい。


solder ところで、ジャンク箱からこんなハンダが見つかった。多分アメリカ製だろう。直径は19 mmであった。3/4インチだ。
 柔らかく使い易い。刻み目があるので、長さを確認して切りやすい。置きハンダには便利だ。使った感じでは、スズ60%の鉛ハンダだろうと思った。


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2020年03月30日

アメリカ製キット

CLW GP38-2 (1) レイアウトの工作ばかりでは疲れるので、車輛工作も手掛けている。30年ほど前アメリカで安く買ったジャンクを、少しずつ加工している。これらはCLWの製品である。アメリカ製のキットを組んだものだ。
 1日1時間のつもりだったが、意外と面白くなり、毎日超過勤務をしている。

CLW GP38-2 (2) この手前の機関車はGP38-2である。全く経験のない人がハンダ付けを初めてやったという感じの「作品」で、どうしようもない。部品を削って形を整えてからハンダ付けするべきだが、鋳物の湯口を付けたままでハンダ付けしてある。板もエッチングの指示している外形まで削ってから組むべきなのに、無理矢理付けている。ヤスリや糸鋸の存在を知らないようだ。前後の昇降台のハシゴが入るところだけは、金鋸で切り込んだ跡がある。
 ハンダのしずくで金属がつながっているような付け方であって、二つの金属板の隙間に浸み込んだような付け方は一箇所たりともなかった。曲げも、裏にV字溝を彫って曲げるところを、ペンチでぐいっと曲げただけで、話にならない。焼き鈍して、プラスティック・ハンマで叩き延ばした。
 
CLW GP38-2(3) 普通なら途中で諦めるのに、最後まで行ったところは、ある意味ですごいと思う。ペーストを使っているので、全体がべとべとである。少し錆び始めて、裏は緑色であった。
 結局、全体が漫画みたいに歪んだものができた。動力も押し込んであって、一応動かしたようだ。要するに、本物の形を観察しないで、箱に入っていたものを順に付けただけである。エポキシ接着剤は使ってないところが珍しい。

 すべてのパーツをガスバーナで焙りながら外す。よくぞここまで、という感じである。伊藤剛氏に教えて戴いた英語に、”the man who has ten thumbs" というのがあった。全部の指が親指であるということは、どういう状態かお分かりであろう。その実例は前にもあったが、これはそれを下回る。

 すべての板の外周部を単目のヤスリで削り落とし、油目ヤスリで仕上げた。完全に直線を出しておかないと、歪んで後で後悔する。削り粉がたくさん出た。ハンダは、ガスで焙って圧搾空気で吹き飛ばした。回収して使えるほどたくさん使ってある。

 このキットは板厚が 40ミル(1.02 mm)もあるので、極めて頑丈である。ぶつかっても被害が少ない。組み上がるとかなり重い。ハンダ付けは、200W以上の大きなコテか、炭素棒に依るのが望ましい。

 組み直すと立派になるはずだ。

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2020年03月24日

続 Texas からのメイル 

21027 二人の Mike は二人とも医師である。最初のMike Wは前立腺の専門医であったが退職し、模型三昧だ。広大なレイアウトを作っている。この人はストラクチュアをスクラッチビルドするのが好きで、今回はこの大きな橋をブラスで作っている。これは駅の前の広場、駐車場を載せている。
 ハンダ付けはすべてペーストを使っているそうだ。ブラスならそれで良い。塗装前に熱湯で洗って洗剤でこすり、完全に落とさねばならない。塩化亜鉛なら水で洗い落とせるのだが、中々言うことを聞かない。

 信号橋の写真を送ってやったらとても感心して、作るのにどれくらいかかるかと聞いてきた。2本作るのに1か月と答えると、速いという。その橋は2年掛かっているそうだ。ようやく完成する。
056 次は駅本屋だそうで、これは石造りだ。どうやって作るのか興味がある。ボール紙でモックアップを作ってある。
 リヴェットを2万本打ち出したそうである。しばらくは、もう打ちたくないそうだ。


 筆者のFEF4の動画は、「実に面白い。」と書いてきた。
「たとえこんなことを考えても、作る奴はいなかった。動きが面白いから素晴らしい。世界で一番よく走る機関車だ。MRに載せろ。」

 よく走るかどうかは、レイアウトを持っている人には切実な問題だ。走らない、あるいは走らせると壊れる機関車は許せないと感じるのだ。
 日本の模型人は、そこを考えて欲しい。ほとんどの模型人はレイアウトを持っていない。持っていても勾配がない。外見だけで評価する風潮がずっと続いている。

 鉄道模型は走るということが、非常に大きなウェイトを占めていることを確認したい。走ることを前提としていないものは、鉄道模型とは言い難い。
 static(静態)なものならもう少し写実的に作るべきだ。プラスティック・モデルはとても出来が良い。ここまでやるかと思うほどよくできている作品を雑誌で見る。出来るものなら、細密感はそのレヴェルまで行くべきだ。現在の鉄道模型の作品レヴェルは、造形という次元だけで考えるなら、中途半端である。 

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2020年03月16日

2本の電線

 大電流を取り出せる変圧器を分解してみたら、2次線が2本並列に巻いてあった。
これは問題である。確かに見かけは2倍になるが、その線がいつも2本あるとは限らない。

 例えば、屋内配線で許容電流値が足らないからといって、平行に2本並べて張るのと同じである。これは禁止されている。ネズミが齧って、線が減ることだってあるからだ。トランスの中でも安心はできない。接続が緩くて片方しか通電していないこともありうる。電圧は出るから、不良に気付かない。即ち事故の原因になりうる。鉄板製の筐体に入っているから、鼠の害はないと信じたい。
 購入されたら、内部をよく見て、線の接続具合を確認する方が良い。もしも圧着が緩かった場合には少し巻きほどいて、正確に圧着端子で留め直すべきだ。あるいは太い線を巻くべきだろう。
 これは意外と楽である。筐体に収めることを無視するなら、太いものを巻けば済むし、しかもその巻き数は少ない。試す価値がある。

 中国製のトランスはこのように二本巻きのものが多くあるという話である。

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2020年03月14日

炭素棒ピンセット型ハンダ付け機

carbon pliers 筆者は炭素角棒の付いたピンセット型のものを使うことが多い。
 これは炭素棒が2つ、ワークとの接触部も2点あるので、単純に考えると電気抵抗は2倍だ。同じ電圧ならば出力も半分になる。つまり、これを使う時には入力電圧を上げねば、同等の発熱は得られないことになる。
高電圧用スライダックを用いて電圧を130〜170 Vほどにすると、出力が120 Wくらいになって、瞬時にハンダ付けができる。加熱点がハンダ付する箇所の両面にあるので、明らかに温度上昇が早い

 今までは必要があるとそのスライダックを持って来て接続をしていたが、今回の装置が導入されたので、単極の太い電極の場合は新型を用い、ピンセット型は、旧来のタイプにスライダックを接続済みのものをそのまま使うようにする。

 いずれにせよ、炭素棒ハンダ付けは数秒で終わることであり、変圧器が焼けることは考えられない。
 ところが電気工学を勉強したと称する方は、必ず、こんなものを紹介するのはおかしい、火災の危険があると言ってくる。しかし、忘れてはいけないのは連続定格ではないということだ。どんな電気装置であっても、短時間なら焼けない
 筆者の父は、昔、面白い表現を使った。
焼けるまでは焼けていない。」
 どんなものにも、熱容量がある。発生熱量がそれを昇温させる。熱くなると外界に熱が逃げる。逃げる熱量が少ないと温度が上がって来る。しかし許されないところまで温度が上がる前に、電源が切れていれば何の問題も無いのだ。

 この装置のトランスではその制限時間は30秒くらいだろう。それ以上時間が掛かるものには使うべきではない。普通は5秒程度である。そして、次の通電までには10秒ほどおけば全く問題ない。それでも文句を付けてくる人が居るから困ったものだ。客観性のない人たちだ。

 こういうことを考えて見よう。ノーフューズ・ブレーカは各家庭にある。ショートするとバチンと音を立てて落ちる(トリップと言う)。ショートしてから切れるまでの間、0.1秒弱は、電流が数百アンペア以上流れている。内部のバイメタルが焼けて温度が上がって曲がり、引き金を引いて切るのである。文字通り、短時間はショートしているけれど、火事にはならない。そういう仕組みを理解できれば、炭素棒ハンダ付け機が危険だと言うのは矛盾していることが理解できるはずだ。

 炭素棒ハンダ付け機を何かの装置に埋め込んで使う人はいないだろう。目の前に置いてあるのだから、焼けた臭いがすれば切るだろうし、温度ヒューズも付いている。手でスウィッチを入れるのではない。足で踏むのだから、踏みっ放しにはならない。また、ワークを手で持った炭素棒で押さえるのであるから、手を離せば電流は切れる。すべて意図しないと働かない方向だから、安全であると言えるだろう。

soldering 炭素棒ハンダ付けを導入すると、完全なハンダ付けが誰でも可能になる。先回紹介した信号橋の歩み板は、骨組の上に置いた角材に、少量のハンダで完全密着している。普通の方法ではコテが入らないから難しい。これを見た友人はかなり驚いていた。歩み板(0.5 mm厚)の裏面にハンダを少し付けて所定の位置に押さえ込み、上の面から炭素棒で触るだけである。一回で半径 5 mm程度が融けるので、それを順にやればできあがりだ。反ることがないから誰でもできる。何の骨(コツ)もない。

signal bridges 歩み板の上面は炭素棒の痕が付いているが、融けたりしたわけではない。実はこのエッチング板の表面には、レジストが残っている。それが熱分解して痕を残しているわけだ。磨き砂でこすると無くなる。アメリカ製の物にはよくある。面倒なのでそのまま塗るつもりだ。見えなくなる。 

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2020年03月12日

トロイダル・コア

 昨年末に、むすこたかなし氏から相談があった。炭素棒ハンダ付け機の電源を作る工夫である。トロイダル・コアのトランスを二段階接続して(これを直列接続とは言うべきではない)、100 Vから 5〜6 Vを得る方法だ。素晴らしいレポートがあるので、詳細はそれをご覧戴きたい。

 驚いたのはそのトランスが一つ1000円ほどで出ているということである。パチスロというものがある。筆者にはどんなものか見当もつかないが、ソレノイドを多用した遊技装置らしい。大電流を使うという話だ。出力は 24 Vで 10 A〜20 Aの電流が取り出せる。このトランスの放出は今だけなのか、それとも継続的に行われるのかも見当がつかないが、現在はインターネット・オークションでいくらでも見つけ出すことができる。 ただ一つの懸念は、たくさんの人が同時に買おうと殺到すると価格が上がってしまうことだ。そこはわきまえて安く買う工夫をされたい。

 トロイダル・コアは、変圧器の鉄心としては最も高効率のものである。昔、筆者の父が作ってくれた変圧器は戦災で焼けたケイ素鋼板をネジで締めたもので、通電するとブーンと音がした。隙間があったからだ。これは全く音などしない。

transformers 仕様を絞って見て行くと、出力 41 Aというとんでもないものが見つかった。要するに1 KVAである。質量は9 kgもある。これを2段目に使い(右) 、1段目に350 VAの(左) を使うと、1段目の容量が無駄にならない。それを購入して、2段目の入力を1段目の出力に圧着端子で固定接続した。総質量は12 kgある。そう簡単には動かせない。

 筆者は、炭素棒ハンダ付け機は既に2台持っているが、いずれも出力不足に悩んでいた。より大きなものを付けたい時には大電流の機種が必要であったので、安価にそれが実現できるわけでありがたい。もちろん、2回も変圧器を通すのだから、損失は多少はある。しかし、長時間使うものでもないので、安くできれば、電気代がわずかに余分に掛かろうとも全く問題ない。

 これをキャスターの付いた台に載せ、作業台の下に滑り込ませるようにする。手元のコードは可撓性のある電線を用いるが、5.5平方mmを使わねばならない。炭素棒も 8 mm径のものを使うつもりだ。ここまで来るとかなりの太さで、自動車のジャンパ線か、熔接機の電線のような感じである。

 以前の頒布終了後、多くの方から再度の頒布を要望されていたが、これで殆ど解決したように思う。前回のキットをまだ組まずに持っているから値が上がる、と信じているおかしな人もいるようだが、これでそんなことは何の意味もなくなる。今回の価格破壊で、どんどん作る方が増えるだろう。この技法を広めて戴きたい。


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2019年12月31日

余分のハンダを取る

 ハンダというものは、すべての接続部を満たしていなければならない。隙間があればそこから錆びる。大きな平面に小さな平板を付ける時、側面から半分しかハンダを入れない人は多い。いずれ剥がれて、泣きを見る。完全に付けるべきだ。

 しかもハンダは富士山の裾野のようになだらかに広がる必要がある。そうなっていないと完全に入ったという証拠にはならない。それでは形が良くない。部品の側面が垂直になっていないといけないという部分には、良い方法がある。 
 電線をほぐして銅の心線だけ取り出し、良く捩じっておく。それに塩化亜鉛を少しつけ、炭素棒あるいは熱い鏝で押さえつける。余分のハンダは99%吸い取られて、エッジが出る。あとは磨き砂で磨けば、綺麗になる。
ハンダの色が見える」と言う人は、どうぞお好きなようになさればよい。

 先月号のTMSに名取氏が、コンテスト応募作品の開封時に壊れているものが多いことを紹介している。それはハンダが廻っていないということである。筆者はいかなる部品も、それだけで全体をぶら下げられる程度の強度で付いていることを確認する。こうしておけばまず壊れることが無い。

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2019年12月23日

銀ハンダ

 ほとんどのハンダ付けは 63%のスズを含むハンダで行う。流れが最高で、薄く付く。この薄さが強度確保につながる。ハンダの厚さがあると弱い。これは接着剤の働きと同様である。スズとの合金層だけでくっついている状態が望ましいのだ。こういう接着をしようと思うと、十分な加熱が必要で、炭素棒を使えば簡単であるが、鏝ではなかなか難しい。

 他のハンダは使わないのですか、という質問を受けた。盛らなければならない時は50%のものを使う。フレイムを組むなど強度が必要な部分には銀ハンダを用いる。3.2 mmの板を直角に付けて、しかも力が掛かる部分(端梁など)はこれに限る。そうでないと連結時のショックで疲労し、取れてしまう。

silver solderingsilver bearing solder 今回は台枠の作り直しがあったので、銀ハンダをかなり使った。できあがりはロウ付けに近い。実は筆者はロウ付けは得意なのだが、あまりやらない。銅合金はロウ付けで全体に熱が廻り、焼き戻されるのを避けたいのだ。Oスケールは比較的大きく、モーメントが大きいので、くたんと曲がってしまうことがある。そういう点ではHO以下では便利な手法ではあろう。

 煙室戸にヘッドライト支えを付ける時など、ロウ付けすると固くて良さそうだが、銀ハンダでも十分な結果を得ている。イモ付けではなく、ピンを入れておくことだ。そうすれば落としても壊れない程度の強度がある。もっとも、十分に熱が廻らないと意味がない。良く削って新しい面を出し、機械的に接続された状態で保持し、加熱する。炭素棒があれば言うことは無い。

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2019年07月04日

炭素ディスクによるハンダ付け

 しばらく前の実演の写真を、MS氏から戴いた。炭素棒ハンダ付けの実演をせよ、とのことで、機材一式を持って出かけた。大きなトランスが入っているので、それを2つも入れると20 kgもあった。大きなスーツケースを牽いて行ったのだ。
 いつも手伝って戴くDr.Yも、自作のトランスを持って来られたので、それもお見せした。二次側の線は熱くなるので、ビニル被覆はいずれ可塑剤が昇華し、ぽろぽろと割れて来る。テフロン線に更新するようにお勧めした。一週間後にお会いしたら、直ちに巻き替えられたそうだ。

 伊藤 剛氏製作の炭素棒ハンダ付け機も、供覧するべく持って行った。非常にコンパクトに作られ、独立した足踏みスウィッチが無いにもかかわらず、1次側の断続が自由にできる優れものであった。
 ケースの蓋は蝶番で開くが、その陰にマイクロスウィッチが隠れている。蓋に触れると On になる工夫だ。実に素晴らしい工夫で、誰しも驚く。足元にケースを置いて、蓋を軽く押さえれば、On になるのだ。

炭素ディスク 炭素棒ハンダ付けの現場を見たことがある人は日本では少なく、かなりの方が熱心にご覧になった。太い材料(例えば 4 x 5 mmの角棒で出来たテンダの端梁)にステップを取り付けるのは、普通のコテではできないが、炭素棒なら3秒で完了だ。分厚い鋳物(Φ30、5mm厚)に小さなロスト部品を付けるのも5秒でOKである。外す時は。炭素棒で出来たピンセット状のもので挟めば、すぐ取れる。持ったまま、ずらして付けることも容易だ。

 客車側板のシル、ヘッダを隙間なく付けるのは、熟練がいる。プロは大きなコテの温度を最高に上げ、ジグで押さえ付けた細い帯板を一気に付ける。これはアマチュアには、かなり難しい。もたもたしていると、熱が板の方に廻って、全体が反る。こうなると修復不可能だ。
 帯板にハンダを塗り付け、良く磨いた側板にはフラックスを塗る。そしてこの炭素ディスクを当てて毎秒 2 cmほどで移動させると、全く隙間なく、完璧なハンダ付けができる。ハンダが両側に僅かに光って見える、理想的な状態である。

carbon disk 炭素ディスクは仙台の今野氏に挽いて戴いたものだ。中心部の金属が炭素ディスクとよく篏合し、この部分の接触抵抗が小さいことが肝要である。そうでないとこの部分が発熱し、燃えてしまう。
 アメリカで見たのは炭素ローラで、直径より幅が広いものであった。工業用途のもので、電流は100 Aも流れるそうだ。極端に太い電線が付いていた。何を付けるのに使ったのだろう。


 今度は右手の手術で入院しているので、しばらく休載する。左手は、お陰様でとても調子が良い。こんな事なら、もっと早く手術を受ければ良かったと後悔している。ボタンを嵌めたり、靴下が普通に履ける生活を、久しぶりに体験した。ここ何年かは、ヤットコでボタンを嵌めていたのだ。

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2019年04月23日

ハンダ付けの補助具

soldering aid モハメイド氏の記事を見て、「オッ」と思わず声が出てしまった。この補助具は筆者も同様のものを持っている。30年以上前に作ったものだ。何度かの修整を経験しているが、捨てがたいものだ。いつも重宝している。


passemgercar errection 客車や貨車を組むときに使う。手前の一部は少し持ち上がっている。それはこの写真のように、裾がすぼまっている車輌があるからである。この部分は焦げたりして傷むから、時々ノミで剥がしとって、新しい板に交換する。この部分の無いものも作った。

 最近は炭素棒の出番が多いので、焦げる回数は減った。

 ハンダゴテを仕舞ってある棚を探すと、いろいろなものがあるので、ついでに紹介する。
square 直角ジグである。左は伊藤 剛氏のところから来たもので、井上大令氏の作られたものである。今では使ってはいけない石綿板が張ってある。ガス火で加熱する時に使う。これはよくある形だが、右は筆者の自作した貫通型である。45年ほど前に作った。
 アメリカの古い雑誌からアイデアを頂戴した。1950年代のModel Railroad Craftsman誌だったと思う。下の板はジグの下の隙間を貫通している。縦の板はクランプで軽く留めて倒れないようにしている。大きなコテで、さっと一息で付けると、傾かない。ハンダが片方だけにあると、それが縮んで傾くのだ。ハンダが浸み込んで、向こう側にも等量なければならない。これは祖父江氏から教わった。向こう側に出したくない事情があるときは、少し向こうに倒しておくと、固まった時に垂直になる。
 その角度はと聞くと、
「そんなもなぁ、メケンだよぉ。」
とのことだった。メケンとは目で見て、見当をつけることである。

 5月19日にあるKKCの展示会で、ハンダ付けの講習会の講師をせよ、と言われている。何かリクエストがあれば応じたい。炭素棒を主題としてやってくれ、とのことだ。


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2018年12月07日

続 watermelon car 

 通風扉(ventilation door) を作らねばならない。それらしく作るだけだが、部品数が多く大変である。なるべく簡単に作る工夫をした。
 まずt0.6快削ブラス板を固定して、Φ0.5のエンドミルで溝を掘った。間隔はインチサイズだから、DRO表示をインチに切替えて削った。こういうことは楽になったと思う。それを短冊に切り、型紙の上に並べる。 

ventilation door1 Φ0.5のリン青銅線を入れるのだから、深さを0.25 mmにするのが普通なのだが、経験上浅くする。0.15 mmである。こうすると二枚合わせた時、底衝きしているのである。板は多少は反っているので、厚さ方向に一定の深さに削れる訳ではないのだ。線が中で踊るよりも、底衝きしていた方が揃って見える、というのが筆者の意見である。
ventilation door2 手前側の一枚にリン青銅線をコテでハンダ付けする。ハンダは多めにする。この写真はそれを表から見たところである。そしてフラックスを薄く塗った二枚目を重ね、炭素棒の太いピンセットでつまんで通電すると、1秒で完了である。冷えるまでそのまま3秒ほど待つ。

 最初のハンダ付けで、線の配置が多少ばらついても、重ねて挟むと有無を言わさず、揃った位置に落ち着く。隙間にはハンダが埋まる。

ventilation door 針金が留まったら、横桟の端を仕上げて縦桟を付ける。ハンダ付けはアッという間に終わる。あとはラッチとか小さな金具を付ければ、塗装への準備が整う。
 塗装後に、ドアをはめて下のレールに外れ留めを接着すれば完成だ。  

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2018年11月01日

簡易バッフル付き空気清浄機

air purifiers ハンダ付けの時のフラックスの fume(煙・霧)の処理には困る。最近は中型の空気清浄機が3台揃ったので、殆ど問題なく吸えている。塩化亜鉛のフュームは金属を錆びさせるので問題だ。長い貨車をハンダ付けする時は、少し配列を変えるとよく吸ってくれる。
 右からバッタ屋で安価で入手したもの、粗大ごみの中から拾ったもの、新品をご寄付戴いたもの。さすがにこれだけ並べるとすごい効果である。背後から風が吸い込まれていくのを実感する。光が反射して、LED1灯でも手元がとても明るい。

fume collector 所属する模型クラブ員が来て、作業場として使っている。たまたまこの形の吸煙装置を持って来た方があったが、直前 5 cmで吸わせないと全く吸わないことが分かった。そこで廃段ボール箱を加工して無理やり押し込んだ。捨てる時困らないよう、内部は粘着テープでしか留めていない。上にヒサシを付け全体を前に傾けた。

fume suckerexhoust 加工の手順はこんな調子である。中に台として合板を接着し、その上に吸煙機を置く。排気部は箱の上の方に密着させる。隙間はすべてマスキングテープで塞ぐ。

buffle バッフルには縁を付け、それを向こう側(吸煙機側)に向けた。こうすると、空気の流れがより自然になる。上下左右の隙間は 25 mm程度あけて取付けた。段ボールと合板は、水性ボンドで良く接着できる。
 風量が少ないので、このままではハンダ付けの煙は上に行ってしまう。少し手前に傾けると同時に、ヒサシを付けて前に出してある。これはよく効く。

fume sucker 結果は上々で、風量の少ない機種ではあるが、十分に吸ってくれる。配線作業などにはとても好都合だ。材料費はゼロに近い。
 中の汚い木の板は、バッフルとの隙間を少し狭くするように貼ったものだ。

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2018年03月13日

続々 旋盤のカスタマイズを終了

 実は筆者はロウ付けはあまり好きではない。鉄合金に対してはロウ付けは良いのだが、銅合金に対しては材料が軟化するので使いたくない。HOの人はモノが小さいのでモーメントが小さく、あまり感じないようだが、Oスケールでは長くなるので、曲がりやすい。銀ハンダは、より低温で付くので具合がよく、強度も十分だ。融けても、あまりさらさらしていない。やや粘りがあるが、より高温にするとさらさらになる。固まると普通の鉛ハンダより、表面がざらざらしている。ロストワックス鋳物の鬆(す)を埋めるのに具合が良い。この銀ハンダは acid core である。塩化亜鉛ペーストが入っているから、ハンダ付け後、洗わないと錆びる。


 この旋盤が来てから半年になる。いろいろな作業に使ってみると、この位置に工具があるとベストというのが分かって来る。照明の位置も必然的に決まる。
 六角レンチはいくつか常備しているが、サイズごとに種類を変えている。サイズと形が結びつけば、迷うことが無いからだ。

 今でも落ち着かないのはスピンドルから飛び出している透明なチャック・ガードの棒である。安全スイッチになっていて、ガードを閉じないとモータが廻らない。ガードは邪魔で捨ててしまった。スイッチが切れると腹立たしいので、短絡した。突き出した棒はいずれ切り落とす。このチャック・ガードを使っている人は居るのだろうか。
 むしろ、横の歯車箱の蓋を開けると止まるようにするのが筋だ。マイクロスイッチを付ければ解決だろう。

 最近、旋盤の初心者からの相談をよく受ける。どなたも原型を保ったままで、使いにくいとおっしゃる。それはそうだろう。
 自分の使い勝手が良いように、切り捨てて増設するべきだ。機械に使われているようではいけない。「機械」を「工具」として使いこなすべきなのだ。これもプラグマティズムだろう。

Central Valley's ところで、こんなものが出て来た。何だろう。寸法が分かっているから、簡単だろうか。

2017年10月08日

pizzacutter

 4日のクイズの答は、表題のような形をした、炭素棒ハンダ付けの回転電極である。長いシルとかヘッダを連続して付けることができる。実に調子が良い。コン氏に材料を作って戴いた。あとは自作である。 コメントは本日公開した。コメント以外にもたくさんの方からメイルを戴いた。

 不思議なのは、皆さんは現物をご覧になったことがない筈なのに、正解を出されたことだ。黒いものはグラファイト(炭素)で、電線が付いているから、推理によって答を出されたのだろう。お見事である。

 グラファイト・ディスクは今野氏に作って戴いたのだ。大きさは直径80 mmである。軸穴は Φ10でお願いした。Tavata氏のコメントにあったように、中心部に電流が集中するので、電流が分散するように径を大きくしている。
 軸は旋盤で挽いたΦ9.2のブラスで、0.8 mmの隙間に0.4 mm厚のブラス板を丸く曲げたものを圧入して、接触を確保している。ただ廻っているだけでは、ここが熱くなってしまう。軸にはフランジが付いていて、ネジで締めてあるから、接触面積は十分だ。

 先々回の写真の緑の線は仮のものである。現在はもっと太いテフロン線で接続してあるから、耐熱性は十分だ。製作中の客車のシルとヘッダをハンダ付けする時に用いる。
 ハンダメッキしておいて一端を曲げて引っ掛け、引張りながらゴロゴロと押すと、相手が薄ければ秒速 5 cmでハンダ付けが完了する。隙間が全くない完璧なハンダ付けである。動画を撮る必要がありそうだ。

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2017年07月17日

あるコメント

 先日、このようなコメントが入った。
ハンダの流れ方や、6か所ある梯子の造形やら、雑な工作ですね。スクラッチビルドを「しない」と言うより、正直に人並みの工作は「できない」と言った方が良いのでは。 」

 なかなかの自信家なのであろうと推測する。ただ、読解力には大きな疑問符が付く。このブログを最初から読めば、全くの見当違いである事はすぐ分かるはずだ。
 筆者は外見にはそれほど拘らない。塗装することが前提だから、キサゲでハンダを削ってぴかぴかにするようなことはしない。また、内側にはいくらハンダが見えていても、削らない。ただ、接着面には100%ハンダが付いていることが条件だ。

perfect soldering このコメント主はOスケール (OJではない)の客車を持ったことが無いことは明白だ。1.5 kg〜2 kg以上もある客車をわしづかみにすると 、ハンダ付けが外れることがある。経験上一番多いのは、面積の大きな荷物扉である。だから厚めの板を用いて、完璧な、水も漏れないハンダ付けをする。窓ガラスは、アクリル板をアングルに嵌めておく。接着では剥がれるからだ。

 ブラスの板はクズ屋で買ったものだから、錆びて汚いが、気にしない。塗れば全く問題ないし、錆びているものの方が塗装が剥げない。フェルト・ペンで書いた文字はシンナで拭いて、塗装する。プライマは無くて良い。

 梯子は片足しか付けてない。最終的な完工時には両足付けるが、作業中は曲がりやすいので、直しやすい状態のほうが良いのだ。中段のハンダはすべてが完成した時に削り取る。頑丈でないと作業中に壊れてしまう。今回も撮影直前に落としたので、一部の部品が落ちている。しかし、机の高さから落としたのだが、本体にはまったく被害はなかった。

 コメント主は、店で売っているキンピカの完成品のようなものが理想だ、と考えているのだろう。ところがこの博物館では、よく走り、多少の事故でも破損しないことが最優先だ。20輌編成の客車が30 kg以上もあるとは、見当もつかないだろう。床板のセンタ・ビームはあのような形でないとビビリが出る。1.5 mm厚のチャネルを付ける時に、完全なハンダ付けが必要なのである。はみ出さないようにできるものなら、お見せ願いたいものだ。長さ464 mm、幅63 mmの車体を、0.8 mmと1 mmの板で作ってみれば、いかに不見識なコメントであるかが分かるだろう。実際に作れる人はこのようなコメントは書かない。
 
 (自己)相対性という概念がある。自分が社会の中でどのような位置を占め、何ができて何ができないかを知ることだ。それができる人が大人である。すべての鉄道模型人にそれを要求するのは、無理なことなのだろうか。


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2017年07月05日

ハンダ付けとフラックス

 台車の内側でハンダ付けする必要があった。すでに車輪が付けてあり、外すのがとても面倒である。薄い板バネに中間車軸のキャノン・ボックスを付けねばならなかった。こういう時は、フラックスが間違って飛散する事からの防護をしなければならない。濡れタオルでマスクする方法もあるが、狭いところでやや困難である。飽和溶液を使って炭素棒で加熱すれば全く飛ばさないでもできるが、この場所ではそれが使えない。間違って飛散させて仕舞う可能性だってある。

 こういう時のための秘策がある。僅かの塩酸が入ったタイプのフラックスがある。それを少し塗りつけてしばらく待つ。30秒も経てば、塗った部分の色が変わる。ブラスが溶けているのだ。高校の教科書には、塩酸は銅を溶かさないと書いてあるが、それは試験管中での話だ。空気中ならよく溶かすことができる。薄い塩酸に酸素が溶け込み、酸化剤として機能する。酸素の働きであるから、少し息を吹きかけると、さらに反応速度が大きくなる。塩化水素は薄い水溶液からは蒸発しにくいから、臭いもない。

 そこでフラックスをティッシュに浸み込ませて取り除く。そこにコテで融かしたハンダを触れさせると、ハンダはフラックスを塗ったところだけに、薄く広がる。要するに、ハンダめっきをすることができる。この時、フラックスはほとんど残っていないので、飛散することはないと考えて良い。

 コツは薄く塗ることである。薄いと、酸素がよく届く。事前に金属表面の酸化被膜は軽くヤスリを掛けて除いておくことは不可欠だ。ティッシュで液体を取り除いてから、時間を置いてはいけない。30秒以内が良い。ティッシュは直接ごみ箱に捨てないでとっておき、あとで水ですすいでから捨てる。含ませたまま乾かすと、塩化水素が逃げやすく、周りの何かが錆びやすくなる。

 相手にもハンダめっきしておいて、重ねてコテを押し当てると、ハンダ付けは完了だ。ごく微量のフラックスが付いているので、さっと水洗いすると終了である。ボールベアリングを付けたまま洗っても、潤滑油があるので、水は浸み込まない。すぐに水を切り、タオルで水を吸い取って、強い風を当てて乾かせば良い。

 この方法をお試しあれ。図面を広げた上でハンダ付けしても安全である。


2017年05月20日

EMD SD7

SD7 このSD7は非常に珍しいものだ。これも祖父江氏のゴミ箱から再生したものである。祖父江氏いわく、「これは安達さんが作ったパイロット・モデルだよ。ロング・フッドの細かい造作はすべて手作りだ。このダイナミック・ブレーキ・グリルは、信じられねえ仕事がしてある。ほらご覧よ、全部薄板で組んであるから透けてるよ。あの人はこういう仕事は本当にうまいよねぇ。」 (この写真はしばらく前に撮ったものである。)

SD7 pilot model キャブやショート・フッドは無かったから、自作である。グリルは白眉で、向こうが透けて見える。本物のようだ。量産品はドロップで押しただけだから、透けていない。細かな造作もすべて手仕上げである。 細かな部品もすべて一つづつハンダで貼り付けてある。

SD7 floor 床板は安達庄之助氏が作ったもので、板に角材を貼ってある。台車はこれもアメリカ市場で購入したものだ。駆動部品は3条ウォームで、逆駆動できるようにしてある。ロストワックス部品はまだ高価であった時に購入したものを付けている。
 量産品も持っていたが、エッチング製であまり面白くなかったので、別の機関車とトレードした。

SD7 extended exhaust pipes 筆者としては看過できない間違いがあった。ダイナミック・ブレーキのブリスタ(膨らみ)の、内側の造形である。本物は凹んでいるのに、資料不足で、斜面を作ってしまったのだ。この種の修整はかなり手間が掛かる。切り抜いてL字型の板を張り、左右に隙間がないように三角の板を嵌める。この写真は修整後のものである。排気管の立っている場所が斜面だったのである。
 排気管は延長型に作り替えた。この種の仕事は伊藤 剛氏に手ほどきを受けた。
小さい物を付けようと思ってはいけませんよ。大きなものを付けておいて、それを小さくするのです。」
 パイプを焼き鈍して、芯金を入れてつぶす。切れ目を入れて二枚の板を差し込み、ハンダ付けする。それを削って修整すればすぐできてしまう。 2本が15分で完成だ。伊藤 剛氏のご指導の賜物である。


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2017年03月25日

ステンレスのハンダ付け

 ステンレスの車体をハンダ付けするのは簡単である。コツとしては塩酸を多少含むフラックスを使うことだけである。塩化亜鉛だけではぬれが悪い。表面の酸化被膜が堅いのである。塩化亜鉛だけの時は、接合面をヤスって新しい面を出す必要がある。
 小さなコテでも熱が逃げないので楽に付けられる。しかも素手で持っていても熱くない。いつもは熱絶縁を考えて木片等で押さえていたが、今回はそのまま手で握って付けた。バケツに水を張ってその上で付け、終わったら即、水に漬けて冷やす。こうすれば火傷もせず、効率的である。

BlogPaint 車体に部品をイモ付けするのは簡単である。ブラス車体の時は穴を開けて部品を差し、裏から大きな鏝で留めるのがふつうであった。ステンレス車体の場合は、表面から細い55 Wの鏝を添わせるだけで、完全にハンダが廻る。エアタンクの台座(t 1.5ブラス板をフライスで加工)を屋根に付ける時にその方法を採ったが、実に簡単で驚いた。炭素棒の出番は、ほとんどなかった。この写真は、余分のハンダを削る前の状態である。 

 手違いで一部の部品が足らなくなった。10台分を作って配分したのだが、自分の分の妻板が無い。仲間に一人ずつ電話して問い合わせるより、作った方が早いと判断して、洋白板で作った。その時、手間を省くために、ヘッドライト穴を無くした。その結果、ヘッドライトは外に設置することになった。
 ステンレスは洋白よりも一桁以上硬いので、ステンレスの窓枠を付けておいて、それをガイドにヤスリで窓を仕上げた。実に簡単で、これは技法として使えると思った。

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2017年03月17日

Kimpei Sofue’s life  (9)

 祖父江氏のハンダ付けのテクニックは白眉である。常に完璧なハンダ付けをするから、彼の模型でハンダ付けが外れるということはない。 
 棚にハンダは何種類もストックがあった。また、ブラスの材料も何種類かあり、より楽にかつ、正確に工作できるものを用意していた。
 最終期の特製品には、彼独特の仕上げ加工が随所にみられる。ブラスの針金を切ると、すぐにヤスリでその断面は面取りされる。シャァで剪断加工された板は、全ての切断面をヤスリで加工して直角にする。彼は大量のヤスリを持っていた。すべてのヤスリは使用前にsafety edgeを油砥石で擦って、準備する。そうしないと、削れて欲しくないところが削れてしまうからだ。
 足踏みのシァは完璧に研がれ、薄いティッシュの一枚を置くと、真っ二つになる。彼の工房はすべて整頓され、美しかった。

 25年前、私は再度アメリカに居て、祖父江氏の望むものを送って差し上げていた。日本に戻って、彼に会いに行った。祖父江氏はドイツの機関車のスポーク動輪の原型を作っていた。私と話をしていても、手を休めない。眼はこちらに向いているのだが、糸鋸でブラスの円盤を切り続けていた。指に目が付いているのか!と思ったほどだ。
 お茶と菓子を戴きながら話をするのだが、彼の手はテイブルの下で動いている。突然彼は、言った。
「ほら、できた!」
 彼は小さなキサゲを用い、手の感触だけでスポークの断面の丸味を付けていたのだ。

 アメリカの模型人で、祖父江氏の工房を訪ねたのは二人で、ペンシルヴァニアのBill Pierson氏と、Original Whistle Stop のFred Hill氏だけである。 

 祖父江氏はKTMで長く働いたが、要求される以上のことをしていた。それは彼のプライドである。彼は世界最高の機関車が作りたかった。そして、彼はそれを成し遂げたのである。

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2016年12月13日

続々 鉄橋を組む 

115_5051115_5052 これは仮に博物館の床に置いたものである。側面のトラス中、引張り材のトラスが実感的である。
 床版と側面のトラスを組まねばならないが、一人で直角を保ちつつハンダ付けするのは少々荷が重い。ハンダ付けの達人の助力が必要だ。

115_5057115_5059 長老の橋本三郎氏にお願いしたところ、二つ返事で引受けて下さった。翌日工作室に伺うと、大きなハンダ付け用の台を用意して戴いていた。各種のフラックス、ハンダごても準備してあった。
 橋本氏は、TMSの30号あたりから記事を投稿されている近鉄電車の達人である。最近も、極めて美しく仕上がった全金属製の電車群を、発表されている。この台を用いて、あの素晴らしい電車群が出来上がるのかと、納得した。

115_5056 組んでいる途中の写真を撮って戴いた。ハンダごての持ち方に注意して戴きたい。この持ち方でないと、大物は付けられない。支えの小さな角材の配置等、橋本氏の細かい神経が行き届いている。
 手前のニッパは、ハンダを細かく切るためのものだ。必要量ずつ、こてに付けて目的の場所に持って行く。大きなハンダの棹から持っていくと、量が不定である。 
 
 側面のトラスを何かで水平に支えて、二人で接合面を押え、ハンダを流す。塩化亜鉛の飽和溶液を塗っておくと、音もせずハンダがすべての接合面に均一に流れる。すべての接続部が、タブとスロットになっているので、位置関係は完璧に決まる。ただ、差込みが緩いのはまずいので、確実に差し込まねばならない。一人では難しいが、二人でやれば、確実である。 横から見て、隙間がなくなるのを確認すれば良いのだ。
 必要最少量のハンダを目的の長さの隙間に浸み込ませるのは、快感である。 橋本氏は、
「熔接のビードみたいな仕上がりでよろしいな。」
と、仰った。合格であった。

2016年12月11日

続 鉄橋を組む

 115_5038これは床版部分のパーツだ。溝を入れて、菓子折りの仕切りのような組み方をする。レーザで切る時、寸法を少し加減して、するりと入るようにする必要がある。その辺がノウハウだ。嵌め合いが固いとゆがんでしまい、どうしようもなくなる。

115_5036115_5043 黒いものは組み立て用のジグだ。角を盗んで8 mmの板から切り抜いた。重くて具合が良い。角が当たらないのでそのままハンダ付けできる。この写真の稲妻型の部材は様子を見るために置いてあるだけだ。


115_5035 仮に線路を載せてみた。なんとか行けそうだ。まだ枕木裏の絶縁処理がしてない。薄い絶縁フィルムを貼ることになる。



 圧縮の掛からない部材は最小限の断面で作り、撓まないようにトラスを入れるのが、合理主義のアメリカ流だ。すべて細いトラスで作られている。それをどのように表現するかが、今回の鉄橋製作の最も重要な部分である。
115_5044 portal(門構)や横工部分は、非常に繊細な構造である。 小さな部品をスロットに入れてハンダ付けする。熱が伝わりにくいので、指で押さえていても大丈夫だ。即ち、正確にハンダ付けできる。ハンダは共晶のものを用いる。流れるか固まるかのどちらかなので、粘りが少なく、隙間に流し込むことができる。


2016年09月20日

続 girder bridges

girder bridge inside ハンダ付けをした。鉄のハンダ付けは久しぶりで、コテを使った。炭素棒では炭素が鉄のほうに拡散して(浸炭)、部分的に不均一になり、しかも硬くなる。以前やった時は部分的に焼きが入った状態になり、ヤスリが引っ掛かった。コテならその心配はない。

 まず片方の板に垂直にXブレイスを差し込み、締めて固着させる。ハンダを流して固定する。もちろん塩化亜鉛飽和溶液を付けておく。ハンダはすべての隙間を満たして完全に付く。もう一方の板のスロットをよく掃除し、Xブレイスのタブを入れ、水道工事用のプライヤ(アゴが平行に開くように調整できて好都合)で締めると「コツン」と嵌まる。

 すべてが嵌まったら、また塩化亜鉛を塗って、コテで留めていく。 音もせず、臭いもないハンダ付けである。次に稲妻型の部材を逆位相に付けてできあがりだ。完璧にハンダが廻っているので、極めて丈夫である。静荷重なら、大人一人が載れる。

 終わったらすぐに流水を掛けて洗う。錆びないように直ちに高圧空気で吹き飛ばし、扇風機で乾かす。下地処理材を多方向から吹き付け、錆止めする。 

girder bridge completed ダイキャスト製側板をよく洗い、スーパーXで接着するとできあがりだ。思ったよりよくできていて安心した。完成した線路を載せると、透けていて気持ちが良い。


 鉄橋上はガードレイルが必要だ。ガードレイルの図面を見ている。細いものを使うのがデザイン的には良いことに気が付いた。

2016年09月06日

続 Greenfield Village

 この村の中には、20世紀初頭の様々な職業を再現して見せてくれる場所がある。印刷屋とか、焼き物を作る工房とか、機織り、ガラス屋、木工所、鍛冶屋などがある。
 その中で特に興味を持ったのはこのブリキ屋である。ブリキ板(スズめっきをした軟鋼板)を曲げて、いろいろなものを作ってくれる。大物は時間が掛かるので、簡単なクッキィの抜型をお願いした。短冊形に切ったブリキを片方だけ曲げて手を切らないようにする。それをくねくねと曲げて目的の形にして、最後はハンダ付けだ。

Greenfield Village (11) 大きな焼ゴテ(1ポンド級)を出して見せたが、これは使わないと言う。どうするのかと思えば、アルコールランプを使うのだそうだ。このアルコールランプは、タンク部分が多面体で、いろいろな角度で置くことができる。

Greenfield Village (12) ほとんど横向きに置き、吹管を使って炎を所定の場所に導く。吹管は、長さが30 cmほどの平仮名の「し」の字の形をしたブラスの細い管で、青い炎を目的の場所に当てることができる。フラックスを少量塗ってハンダの粒を置く。やはり置きハンダだ。ブリキはハンダ付けが極めて容易で、あっという間に付く。机に松脂が置いてあるので、それも使うのかと聞いてみたら、松脂はあと始末が面倒だから使わないそうだ。
 ハンダは2×3×1.5mm程度の大きさであった。

 ここで作られた商品は、売店で適価で売っている。 

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