ロストワックス鋳造

2018年08月07日

ロストワックス

 ケムトロンは鉄道模型に大量のロストワックスを提供した最初の会社である。社長のKemalyan氏はエッチングで車体を作り、手際よく製作できるキットを作った。
 ケマルヤン氏は、Max Grayの友人で一緒に日本によく来ていた。カツミでいろいろなものを作らせて、アメリカで売るためだ。LobaughのChallenger用のテンダーをはじめとして、様々なものを注文した。
 本業は印刷屋で、フォト・エッチングはお手のものである。彼の製品のブラス板は普通のアメリカのブラスとは異なり、さらに緑色がかっている。印刷原版を作る板は腐食しやすい配合になっていて、それを使っているからだ。

 日本では、鉄道模型社が世界で最初にエッチングを使った事になっているが、アメリカでも戦前からあったという話もある。大量か個人の楽しみかはわからない。

 ケムトロンはゴムで型を取ってロウを流し込む普通のロストワックス以外に、金型にプラスティックを注入して作る方法(investment casting)を開発し、精巧な台車等を作っていた。
 ライアン氏はそれをHOに応用したかったので、ケムトロンの主要な従業員を、ケマルヤン氏が日本に来ているうちに全て引き抜いた。別会社を作り、それをPFM製品に付けたのだ。かなり強引なことをやってのけたわけだ。このあたりのことは、またの機会に詳しく話そう。 

stratum 博物館のレイアウトは少しずつ進捗している。今、崖の部分の堆積岩を作っている。地層が傾いているのがミソである。こうすると実感的である。隙間があるが、それはあとで埋める。
 材料は何であろうか。

    実は先月末から台湾に来ている。阿里山鉄道が何年も不通だったのだが、ようやく開通したので乗りに来た。筆者の中国語は全く感心できないレヴェルなので、元台湾に来ていた技術者の方たちに、連れて来てもらっているのだ。
 その間の記事は、自動的に送り出されている。

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2016年01月08日

Lou Cross 氏の死去

 Right of Way のLou Cross氏が亡くなったと、友人から知らせがあった。93歳であった。 
 寝ているうちに亡くなったとのことである。二日前には友人と一緒に食事をして模型の話をしたばかりだったという。歳を感じさせない矍鑠とした人であった。100歳まで生きられると思った。残念である。

 もうかれこれ30年近く親交があった。大きなレイアウトが遺された。
 彼のことについては当ブログで何回か採り上げている。類まれな器用な人で、様々な模型を作った。どれも実によくできていた。
 下記の記事等を参照されたい。  

   Louの仕事

   続Louの仕事

   続々Lou の仕事    


       
Double Slip

        Daylight

        Hard Center

 
彼の作ったフログ等は当レイアウトにもいくつかあって、その精密感は大したものである。

2014年08月20日

続 Lost Plastic Casting

Inspection Vehicle came out 指をクロスさせたおかげか、仕上がりはまずまずであった。ボディ表面には目立った瑕疵は見えず、つるりと仕上がった。簡単な下回りと良く効くバネを仕込めば、出来上がりである。最近は小さなデコーダもあるので、ありがたい。
 Inspection Vehicle の実物写真を見せると、Dennis もかなり気に入ったようだ。小さい車輪を探さねばならない。あるいは旋削して自作することになるだろう。

 同時にTamiya の2-1/2トン 6輪トラック や バンダイのジープもブラスに置き換えた。6輪トラックもレイル上を走るようにしたい。実物の写真もある。
 ジープは積荷であって可動にはしない。

Bulldozer 6輪トラックのキャブはきれいにできたが、荷台はざらざらだ。同じ埋没材を使ってもこんなに差が出る。違いは何だろう。Dennis は、「うまく行ったのは灰色だ。緑のプラスティックは駄目になった。」と言ってウィンクした。
 これはjokeで、実際には、灰色のブルドーザもあまりうまく行っていない。火山の噴火で埋まったのを掘り出したかの様な状態である。積荷としては失格である。積荷は新品であろうからだ。トラックの荷台は板から作り出す予定だ。簡単に出来る。ぼろ荷台はジャンク置き場に捨てた状態にするしかないだろう。

Hollow parts was cut out プラスティック・モデルを組んでから持ち込むと、検査を受けて、あちこちを切り開くように指示される。
 例えば燃料タンクは内部に空間があろうから、それを外部とつながなければならない。タンクの下側に孔をあけて、四角に切り取り、内部まで埋没材が浸入できるようにする。内部が完全に独立した空間なら良いが、接着がまずくて隙間があると、そこに埋没材が浸入し、あとで取り出すことが不可能になる。また、独立空間はブラスに置き換わるが、質量測定の時に空間分の金属量が算入されないので、溶融金属が足らなくなる可能性もある。今回は完全に下側を切り取って持っていたので、すんなり検査に通った。エンジンブロックとか、色々な塊に孔をあけて削り取った。

 
ready for investmentremoving investment これらは、正直なところお遊びの域を出ていない。手間を掛けてもビジネスにはならない。成功確率は1/2を大きく割り込むだろう。Staff Carが成功したので、それだけで筆者は満足した。
 
 その他のロストワックスは台車部品で、かねてから依頼してあったものだ。
 



2014年08月18日

Lost Plastic Casting

 今回のテキサス行きは2年振りであった。その間にDennisはロストワックス工房を廃業した。あまりにも注文が多くて、自分の好きなことができないというのが、その理由である。
 全部やめてしまうのかと思っていたら、「自家用の鋳造装置は残したから、好きなものを持って遊びに来い。」と誘いがあった。 ワックス型を作って持って行こうと思っていたのだが、例の博物館の方が忙しくなり、間に合わなかった。

 数年前に買ったTamiyaのStaff Carをブラスに置き換えたかった。このプラスティック模型を作ったのだが、ボディ・シェルが薄過ぎて、持つと撓むのが分かる。触らなければよいのだが、筆者はこれを動力化したかった。

Inspection Vehicle 鹿ケ谷氏の訪問記に同時代の Inspection Vehicle がある。これを作りたいのだ。バネをよく効かせて、ぐわぐわ、ゆらゆらさせたい。それには、どうしても重い車体が必要となる。補重した車体は、丈夫でないと持った時割れてしまう。
 そういうわけで、ブラス置換がどうしてもやりたかった。

 プラスティックはロウとは異なり、加熱焼成するときに膨張し、型が割れてしまう惧れがある。Dennisは、「うまくいくかどうかは分からない。指を交差させて幸運を祈るんだな。」と言う。
 指を交差させる (crossing fingers) とは、人差し指と中指を、交差というよりも捩った状態にすることである。彼は鋳造時には両手ともそうして、さらに腕まで交差させて、「うまく行きますように!」と唱えた。筆者も唱和した。

Staff Car フラスコの底部に入れ、より圧力が掛かるようにした。12時間の焼成での温度上昇を緩やかにし、型が割れないような配慮もする。全てに亘って最深の注意を払って、なおかつ成功確率は1/2以下だと言う。「失敗しても、文句言うなよ。」ということであった。
 型が割れると、細かいひびが全面に入る。

 



2012年10月15日

GSC台車を作る

U30C 以前Alco U30Cのイギリス製のキットの紹介をした。それには台車枠が付いていなかったが、その後別の場所でその機関車用の台車キットを見つけた。多分同じ作者であろうと思った。軸箱寸法が珍しいサイズであるのに一致したからだ。その軸箱はソフトメタルで出来が悪く、捨てざるを得なかった。
 

 台車枠の形が良くないのである。色々な写真を見たが、同じ形のものはみつからなかった。すなわち造形上の問題であって、作り替える以外ない。厚い板から切り出して原型を作るつもりであったが、少し縦方向に厚みを足せばなんとかなりそうである。鋳縮みの分を見越して軸距離を足し、上下に貼り足した。車体キットがあまりよくないので、台車を精密に作る気はなく、遠くから見た時のシルエットが違わない程度の工作である。

 作業を始めて気が付いたが、この種の仕事はかなり面倒であった。全体をジグの中に入れて押さえ込み、ハンダを流して固め、それを削り出す。あとで少しだけと思ってハンダ付けを修正するとばらばらになる。
 水の中に半分沈めて炭素棒ハンダ付けをした。大変面倒で、やはり全面的に作り直すべきであった。

 出来た台車枠にSprue(湯道)を付ける。1台分だから4枚で良いのだが、どうせ手間は大して変らないので、2台分作った。いつか使う時が来るだろう。
 

GSC truck side frames 鋳物と原型を並べるとこの程度の違いがある。上から、台車キットのサイドフレイム、修正した原型、鋳物の順である。鋳縮みは2.2%強であった。

 台車キットのボルスタは奇妙な形をしていて薄いので、厚板から削り出すことにした。
 これで懸案のU30Cが一歩完成に近づいた。

2012年10月11日

F3A を作る

EMD F9A to F3AEMD F3A sides F3AはAll Nation 製のを何台か持っているから、それ以上必要はないはずであった。
 3月にシカゴに行った時に、旧AtlasのF9AをF3Aにする変換キットを見つけたのがきっかけで、倉庫の中を探して古いF9Aを探し出した。これはプラスティック車体を切り欠いて、サイドをはめ込むようになっている。それでは壊れやすいだろうし、何よりも作りにくい。異種の材料を継ぐと熱膨張係数が異なるので、よほど工夫しないと壊れてしまうだろう。現実にそれを加工して完成したという事例にはほとんどお目にかかっていない。このキットも手に負えなくなって手放したのだろうと推測する。

 
 このF9Aは1975年ごろ購入した。当時定価は30ドルで、それを22.5ドルで購入した。今でもあるStandard Hobby Supplyという通販会社から4台購入したうちの一つである。
Atlas F9A Ad そのうちの2台は切継いでBユニットにした。伝導メカニズムが間抜けで、センタピンと荷重受けを兼ねる点(心皿)が、運転台の高さにある。推力が発生すると、台車が傾き、前方の軸が浮き上がるというものであった。改造してそれは解消した。その方法は当時Model Railroaderに精力的に記事を発表していたBrewster氏によるものであったと記憶する。
 栗生弘太郎氏の御指摘で、Armstrong 氏の記事であることが判明した。訂正させて戴く。
Armstrong brackets for F9 by Atlas 動力台車の中に、ちょうど実物のボルスタにあたるところが空洞になっているのでそこに貫通穴を開ける。新製したボルスタを通し、心皿を設けるものであった。早速その通りに改造すると俄然調子は良くなったが、いかんせんプラスティック製ボディシェルの悲しさで、妙なビビリ音が出た。あちこち金属板を貼りつけて音を抑えたが良くならなかった。
 この種の「高い心皿問題」は、最近のKATOのEF510でも問題になっている。力学の素養が少々あれば、この種の問題は起きなかったはずだ。

 
 都合3台からUPのABセットを作り、1台はAmtrak塗装にした。しばらく走っていたが、金属製には敵わないので、お蔵入りとなった。そのAmtrak塗装をはがしているのがこの写真である。後ろのUPは最近新たに12ドルで購入したものである。これもいずれ金属に置き換える。機関車が金属製でないのは、当鉄道の社是に反するからである。
 機関車は丈夫でなければならない。慣性を持たねばならず、重重しく走り、Sprungであって、しかも押して動かねばならないのだ。

F9A Body ShellF9A cast brass body shell 今回は屋根をたくさんくり抜いた。こうしないと鋳型が連結されない面積が大きく、割れてしまう恐れがあるからだ。また、プラスティックのモールドはある程度の抜き勾配があり、ディテールが損なわれているからだ。前回のF9Aはその抜き勾配を苦労して取り除いた。今回は問題になる部分は最初から切除して新たな部品を取りつける。この方がはるかに楽である。写真は前回のF9Aである。

[追記] ボルスタの写真が見つかった。これはe-bayで売っていた商品である。このような商品があったということは、この心皿問題はかなり根深いものであったということである。
Nov 5, 2012記
 


2012年10月09日

鋳造 型ばらし 清掃 

712_5622-2 クライマックスは熔湯を注型する瞬間だ。最深の注意を払って必要量の熔湯を入れる。ワックスの質量から、熔湯の量は計算できるが、部分的にプラスティックが入っていると、多少の誤差ができる。
 湯が多いと型から溢れてしまう。その解決は容易である。箒で掃いてしまえば良い。湯が固まるまでに15秒ほど時間があるのでその間にやる。あとは圧縮空気で押して引けを無くす。しかしそれまでに末端部分は固まっているだろう。圧搾空気は、Sprue(湯口)付近が固まる時に引けるのを防ぐだけだ。

712_5650-2712_5664-2 湯が冷えて赤みが無くなったところで、水につけて冷やす。この時、埋没材はばらばらになる。水が滲み込んでは100℃以上で爆発を起こし、その衝撃波で自然に落ちて行く。
 ある程度落ちたところで、水の中に浸漬(しんし)する。それをエンジン付きの高圧洗浄機で清掃する。このような籠に入れ、丁寧に石膏を洗い落とす。ものすごい勢いで白い泥水が飛ぶので、ぼろ着を身に付けて行うのだ。4軸台車も見える。

712_5663-2 フラスコには石膏がついていると、次の作業時に密着が悪く事故の元になる。このような柱に引っ掛けて丁寧に清掃する。この柱は庭に埋め込まれたパイプに作業時だけ差し込んで使う。うまい工夫である。熔接の外れはよくチェックして、必要とあれば直ちに補修する。

712_5666-2 これが今回の鋳造品である。前回の成功に味を占め、F9の前頭部と屋根を利用してF3Aを作ることにした。 今回は屋根の開口部を大きくして、鋳型の割れを防いだ。 

2012年10月07日

プラスティック型によるロストワックス

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 今回新しい型が入っていた。これはCentral Locomotive Worksのプラスティック型である。これをワックスでインジェクションしてそれをブラスで置き換えようというわけである。
 この型は本来ポリスチレンでインジェクションしたものを接着剤で組んで金属置換するのだが、ワックスは思うように接着出来ない。ワックス用の接着剤もあるのだが、付きが悪い。仕方が無いので細い縫い針を加熱して、接合部に刺す。するとその部分だけ融け合うので、接着剤で付けたようになる。非常に手間が掛かるがそれをやった。

 この型はピン角(直角の角)が出るようにいくつもの型を積層して組み合わせたものだ。非常に丁寧な仕事をしてある。注型後、固まったプラスティックを外すためのピンがたくさん埋め込んである。それを避けてクランプで締めてロウを入れる。この型は金属製なので冷えやすく、仕事は速い。固まったら型を二つに分け、ピンを押す板を押さえつけると、プラスティックがむっくりと起き上がる。ワックスは型の金属に粘りつくので、離型剤をスプレイしておくと無理が無い。型の設計のコツはつかめたので、何かの型を作ってみたくなった。

 左二枚の写真の部品はブロンバーグ二軸台車の揺れ枕バネである。二つを組み合わせて使う。良く出来ている。
 中の写真はエンドビームとブレーキハンガーである。小さな部品を組立ててから鋳造する。
 右の写真は台車枠である。台車は軸距離が大切なので、プラスティック成型は望ましい。

 これらの型を保管していた人が居るのだが、毎回注文を出すとき送って来なければならないので、だんだん面倒になり、ここに置きっ放しとなった。そのような型が、ここにはごろごろある。
 


2012年02月05日

UP F9A 

F9 Atlas 炭素棒ハンダ付け機を頒布して、色々な方から感謝のメールを戴いている。しかし、「厚板工作をする上で非常に具合が良い。」と書いていらした方は僅かに2,3名だ。薄板ではあまり有難みが無いのではないかと思った。

 そこで、何か具合の良いサンプルとなるべきものを探した。しばらく前に鋳造したAtlas社のプラスティック製品を金属で置き換えたものが良いことに気が付いた。ボディ・シェルの厚みが平均1.8mmほどあり、普通のハンダゴテではハンダ付けすることができない。

 車体を二つに切って鋳造したので、その二つをネジ留めしておいてガス火で予熱し、200Wのコテで仕上げた。しかし、ディテール・パーツを取りつけるのにその方法は使えない。他の部品が落ちてしまうからだ。ところが炭素棒ハンダ付けなら、簡単にできる。炭素棒が当たっている部分から半径 5 mmの範囲はハンダが融けるまで温度が上昇するが、その外の範囲はやや温かくなる程度である。これを使えばいくらでも細かい工作ができる。 

 前部のスカート部分の切り欠きが大きく、補修せねばならなかった。これはティンプレート用の連結器を付けていたためである。直せばよいのだが、違う形にしてみたくなった。資料集を当たってみると、Snow Plowを付けた個体があることに気が付いた。これを付ければ、スカートを直さなくても良いし、新しい形で気分も良い。

 レイアウト上で運転すれば何かの事故で引っ掛かることもあるだろうし、軽衝突を起こすこともあるだろう。丈夫さが必要である。そこでこの部分は念を入れてかなりの補強をした。
 衝突したとき力が直接にフレイムに伝わるようにしたので、多少の事故でも生き残るであろう。また、雪掻き部分(プラウ)はリン青銅の板を曲げて作った。バネ性が強いので曲がりにくいが、それは工作もしにくいということである。

2010年10月01日

続々 再度ロストワックス鋳造

IMG_2345 鋳造が完了したら水に浸ける。内部まで冷えるのには時間が掛かる。このクランプを緩めるとフラスコはバケツの底に沈む。そうすると、熱いのでバケツの底が抜ける。



IMG_2355 沸騰が止まるくらいまで冷やしてから、高圧洗浄機で埋没材を落とす。
白い塊から鋳物の姿が現れる瞬間は、何度見ても感動する。




SDP35 cast in brassfins on the casting Sprue(湯口)を切り落せば出来上がりである。今回は失敗で大きなFin(ヒレ)が出来てしまった。
 このフィンは、良く切れる「のみ」で押して切り取ることが出来る。幸いにも複雑な表面の部分にはフィンは出ていなかった。簡単に処理できるであろう。

IMG_2251 他にもいくつか持って行った鋳型で鋳造したものがある。
 これは、アシュ・ピットのレイルを支える足である。16個もあるので手で作るのは面倒だった。このようにある程度の精度で形がそろえば良いものは、鋳物に限る。あっという間にロウ型が出来て、鋳造準備が出来た。単純な形であるから、湯流れも良い。デニスは、「そうだ、うちのレイアウトにもアシュ・ピットを作る予定だ。」と自分の分も作った。

 この原型の湯口は Super X で付けた。これにはデニスも驚いた。加硫する時の温度で剥がれるのではないかと心配していたが、「大丈夫!」と押し切った。結果はもちろん問題なしであった。デニスはとても驚き、それを欲しがったので送ってあげた。固まった後でも軟らかいのが不思議そうであった。

IMG_2359 さて、これは何であろうか。

2010年09月29日

続 再度ロストワックス鋳造

 このエンジン・フッドは15ドル以下である。失敗したらまた買えばよいと思っていた。むしろ、ファン・ガードとかラジエータ・グリルが高い。
 
IMG_2274 今回は一本のフラスコ(埋没材を入れる円筒)にこのエンジン・フッドだけを入れた。埋没材が割れ難い様に、外側の肉を厚くする必要があったからだ。
 入念に脱泡して、焼成温度に至るまでの時間を十分長くした。多分大丈夫だと思ったが、埋没材を落としてみると沢山のフィン(ひれ)が出来ていた。フィンは外側だけに生じた。内側は何の傷もない。
 ファンガードが付く丸穴の部分はつないでいるところが細いので、ロウで肉盛りして太くしてある。太くしないと湯流れが悪いからだ。
 見えないところなので、あとで削ってやればよい。

IMG_2346 結論としては、ABSは小物以外は避けるべきである。ポリスチレンであれば、かなり大きなものでも問題ない。
 フィンは意外と薄いものであるから、根元の部分を切れ味の良い刃物で切り落すと痕があまり気にならない。もちろん、ダイヤモンド砥石でその周りを削って、全体を滑面にすることが必要である。
 ファン・ガード一つとラジエータ・グリルの湯流れが悪かった。それは再度製作ということになった。

IMG_2258IMG_2272 これは千手観音のように沢山のパーツを付けたツリィである。フラスコに入れてから、上から覗き、フラスコへの距離を保っているかどうかを確認する。左の写真の右下に付けてあるファン・ガードは湯流れが悪く失敗した。
 湯口からの深さが足らないので、圧力が掛からなかったのだろう。
 

2010年09月27日

再度ロストワックス鋳造

IMG_2249IMG_2248 今回のテキサス行きの目的は、前回やり残したABSプラスティックのボディ・シェルをブラスに置き換えることであった。



 このエンジンフッドは AtlasのSDP35 である。実は何年か前に、CLWのSD35を友人から売り付けられている。それは初期のものでエンジンフッドの出来が良くない。
 UPにはSDP35が何台か居た。写真は撮っていないが見たことがある。それを作ることにした。資料を集めたが、その程度の資料ではエンジン・フッドをすべて自作してもあまりよいものが出来るとは思えなかった。
SDP35 ちょうどうまい具合にATLASが新製品を出し、それを見るチャンスがあった。そこそこの出来であったがブラスではない。機関車は全てブラス製というポリシィから外れるので、パーツとしてボディシェルだけを買った。ところがそれはABS製であった。DennisはABSをうまく焼く自信がないと言って前回はあきらめた。今回、「新しいインベストメント(埋没材)を手に入れたのでやって見るか?」という誘いがあったのだ。「出来は保証できないが、やって見よう」ということになった。

 ABSの流動点はポリスチレンより高い。すなわち、加熱しても融けずに熱膨張するだけの状態が続く。その間に埋没材が割れる可能性がある。また、ABSはアクリロニトリルを含むので焼くとススが残り易い。焼成中に十分酸素を供給して燃やしてしまわねばならない。

 埋没材が割れると融けた金属がその隙間に入り込み、Fin(ひれ)状の飛び出しができる。凹んでいるわけではないのだから、修正は可能だが、あまり綺麗には直らないだろう。

 とにかくやって見ようということになり、出掛けて行った。

2010年09月03日

Texas への旅

Texas 久しぶりにテキサスに行った。先回やり残したロストワックスの後片付けをしなければならないのと、近在の模型人と交歓したかったからだ。



 今回はDennisにDFW国際空港まで迎えに来てもらった。「隣の町だからすぐだよ。」とはいうものの300kmはある。ダラス・フォートワース空港は巨大な空港で、5つのターミナル・ビルディングと7本の滑走路がある。4機が同時に離着陸するのを見ることが出来る。これが、いずれ、13のターミナルと9本の滑走路になるというのだから恐れ入る。

IMG_2367 二年前には乗らなかったが、今回は Skylink という電車に乗ってターミナル間を移動した。これは速度が高く、乗り心地が良い。10年ほど前乗り換え時に乗ったのは、信じられないほどノロい電車で時速25kmほどであった。さすがに評判が悪く、2005年頃更新したと言っていた。もともとターミナルが3つしかなかった時代に作られたものだ。

Old Dennis Road Dennisの車でAbileneに向かう途中、"Dennis Rd."という表示を見つけて、面白がっていたら、「笑うのはまだ早い。」と言う。しばらく走ると今度は "Old Dennis Rd."というのが出てきて、笑い転げた。「お互い、歳を取ったものだね。」と語りあった。もう20年以上の付き合いである。
 今回はLAX乗り換えで行ったものだから、入国、通関に時間が掛かった。なるべく小さい空港で入国するのが賢明である。そういう点では Portland かSeattle 辺り、あるいは San Jose から入った方が良かったが、切符が手に入らなかった。LAX とはロスアンジェルス国際空港である。

 アビリーンへの途中、この数年仲よくしているMike Rossの家に寄った。彼は1970年前後に横須賀のアメリカ海軍病院に研修に来ていた医師である。当時の日本の蒸気機関車を追って全国を巡り、スティル写真、ムービィともにたくさん撮っている。大変な親日家で、玄関で日本式のお辞儀を上手にしたのには驚いた。
 彼は、Low-D車輪を評価してくれ、大量に購入した。その使用状況を確認に行ったのである。「音が静かなのには驚いた。」ということであった。摩擦が少ないのは、牽く輌数が少ないのでまだ感じていないという。

2010年06月09日

続 Atlas の40ft Boxcar

grab irons この写真はSOOの貨車の grab iron である。元の貨車は浮き出しモールドになっているのだが、それを削り落して新製した。

 本当は飛び出している三角の部分は中空であるのだが、たまたまたくさん持っていたロストワックスパーツを流用した。
 木造貨車のターンバックルのキングポストである。それを少々修正して使った。十分それらしく見える。誰も気が付かない。

 このようにいくつかの部分をオリジナル以上に改造したので、かなり見栄えがよくなった。
 これらの部品はスーパーXで取り付けた。

 プラスティックの貨車は軽い。新しいLow-D車輪を付けても150g位である。鉄のアングルの切れ端を載せて340g(12oz.)程度にする。
 
 鉄のアングルは脱脂しておいて、これまたスーパーXで取り付ける。大変良く付いて、剥がれない。衝突のショックでも大丈夫である。

 以前エポキシで付けたものは、長年の間に連結のショックなどで剥がれて、車内で踊るようになった。非常に腹立たしい。


2008年11月18日

鋳物を湯口から外す

Castings on the Tree 3Castings on the Tree 2Castings on the Tree 






 
 まだロストワックスの話は終わらない。

 洗い終わったツリィを机の上に並べた。失敗がないか、ざっと目視して調べる。今回はF9のステップが2箇所欠けただけで、あとはひとつも失敗がなかった。
 Dennisが言うには、近年にない最高の出来であるそうだ。新しい埋没材はプラスティックにもよいことが分かった。今後はこれで行こうということになった。

 さてこのツリィから部品を外さねばならない。ワックス型を組立てるときは取り外しやすいように組んであるので、ニッパでパチンとやれば切れるはずなのである。

Cutting from sprue しかし太さが3mm以上もあるのを一気に切るのは大変な作業である。この機械は空圧で作動するカッタである。足で踏むと切れ、放すと開く。5mm径でも切れる。刃がむき出しで危ないが、極めて便利である。数百の部品が瞬く間に切り離された。



Power Cutter この写真はその手元の様子である。刃は片刃で大きなニッパという風情である。ブスンという腹に響く音を立てながら刃が動く。


2008年10月31日

ロストワックス鋳造の秘訣7

F9A splicedF9A Soldered 切り離してあった二つの鋳物を接続し、鋳縮みを測定した。驚くべきことに長さは0.7%弱しか縮んでいない。幅は0.9%強であった。縮み率は不等というわけでもなく、ほぼ均一に縮んでいる。

 ロストワックス鋳造では、ゴム型を採るときの縮み、ロウの縮み、鋳型の縮み、鋳縮みの正確な検証が必要だ。今回のようにプラスティックの製品を埋没するときには最後の二つだけである。鋳型は焼成されるときに多少は熱膨張するはずで、それが鋳縮みをある程度キャンセルしてくれている。熱い鋳型に湯を注ぐからだ。

 ゴム型にロウを入れると、ゴムの中だから簡単に縮む。金型の中ではロウが縮みにくいことがわかっている。しかも金型は多少熱膨張するから好都合だ。

comparison この写真は3種のFを並べたものである。一番上のAll-NationのF-3は妻の屋根が張り出しているので大きさがわかりにくい。
 黒いのはAtlasのF-9である。もちろんプラスティック製である。それと比べて鋳物が縮んでいるようには見えない。

 Wikipediaの粘度問題は英語版の間違いから来ている。要するに、機械翻訳に掛けて手直ししただけで載せているということだ。正しい知識の持ち主がそこに関与していない。

2008年10月29日

ロストワックス鋳造の秘訣6

erosion 今回、大量の熔湯を流し込んだF9Aの側面に、無視できない傷が生じた。それは湯口から分かれた支流が型に当たる部分である。
 この図で言うと、下から2本目の分岐が当たる部分に傷が発生した。熔湯が長い時間、当たり続けると、埋没剤が剥離するのだ。この部分は鋳物がざらざらしている。細かく飛び出しているのだ。

 ふくらんだのだから、削ればよいのであり、あと始末は可能ではある。しかし、細かい凹凸が彫刻してある部分であると、修復できない。すなわち、このような部分は出来る限り平らな部分に接続する必要がある。

 下の支流にはそれほど大きな傷は付かなかった。すぐに湯の中に浸ってしまうので、流速が小さくなるからであろう。先回も書いたが、湯の流れる速度は驚くほど早い。ハンダを溶かして流したことがある人なら、すぐにわかると思う。粘り気を全く感じさせない。

 ウィキペディアというものは、誰でも参加できるのがよいところではあるが、誰も校閲者がいないというところが問題だ。
 それと投稿マニアが居て、怪しい知識をどんどん書き込むのには参る。直しておいても3日後には元に戻っている。
 困ったことに、記事を書き込む回数によって何らかのランキングが上昇するらしい。それが記事の粗製濫造につながる。いずれ何らかの方策を考えねばならないだろう。

2008年10月27日

ロストワックス鋳造の秘訣5

pressure plate 湯を注いで数秒で末端は固まり始めるだろう。湯口は多量の熔湯が通過しているので温まっていて、その部分が固まるまで多少の時間がある。

 各部品のゲート部分が細いと熱が逃げやすいのでその部分が早く固まる。ゲートは太い方がよい。しかも断面が丸い方がよい。表面積が小さいほど良いのだ。

 ゲート部が融けているうちに、湯口から相当の圧力を掛けると、熔湯の収縮を補う様に湯が流れて固まる。空気でも水蒸気でもよい。

 筆者は圧迫蓋(あっぱくがい)という道具を使う。小さなお椀の底に棒をつけたものである。お椀の中にはロックウール(最近評判の悪い石綿とは少し違うが、似たような耐火材)を詰めて水で濡らしておく。熔湯を流し込んだらその上から水を含んだ圧迫蓋を押し付ける。鋳型が熱いので多量の水蒸気が発生する。蒸気の逃げ場所がないので湯を押し下げる。

 これはジャガイモでも代用できる。ただしよい匂いがするのと、あとでそのジャガイモを食べなければならないので、面倒である。
 アメリカではかぼちゃを使うのだそうだ。この季節は例のハロウィーンのかぼちゃがいくらでもある。大きいから適当に切って使う。においはそれほどでもない。
 最近日本にも売っているズッキーニという野菜でもよい。これはにおいがほとんどない。

2008年10月25日

ロストワックス鋳造の秘訣4

 湯が回らないのは、湯の粘度のせいであると思っている人は多い。Wikipediaを見るとそう書いてあるが、とんでもない間違いである。どなたか直しておいて下さるとありがたい。
 「Wikipedia は娯楽」とどなたかがおっしゃったが、的を得ていると思う。正しいことを知るために見るのではなく、何か面白いことがないかというつもりでしか、見てはいけないのだろう。それはWebからの情報全てに当てはまるのかもしれない。
 
 融けた金属は粘度が小さい。水の何分の一位しかない。その代わり表面張力が極端に大きい。銅で言えば、粘性は1/2.5で表面張力は18倍である。 要するによく流れるが、はじかれやすく、型の中で丸まろうとするから、うんと圧力を掛けないと、型に密着しない。

 この図は、それを強調して描いた。型との隙間にある空気が吸い出されれば型に密着する。型は固体のように見えるが、極めて小さい孔がある。多孔質で、微妙に空気が通る。真空度は2mmHg程度にはなる。

 湯口部分は多少へこむ。これは湯が型に吸い付けられたからではない。ただ、金属が固まると体積が減るということである。
 ゲート(各鋳造物が湯道につながっている部分を指す言葉)が固まるとき、ゲート部分が先に固まると、悲惨な結果をもたらす。ゲートがヒケるのである。プラモデルの部品の中には時々あるから気が付かれる方もおありだろう。ゲートのヒケをなくすのが、プロの腕である。Dennisは湯口から圧搾空気を入れていた。筆者は圧迫蓋を用いる。

 
 Wikipediaの間違いは直っている。どなたかが直してくださったのだ。ありがたいことである。07.07.'15

2008年10月23日

ロストワックス鋳造の秘訣3

C30-7 Snowplowを鋳造するのを手伝った。その原型はハンドレイルも一体となっていた。本物はハンドレイルが熔接されているのだから、あとでハンダ付けすればよいのに、一体鋳造となっている。原型を作った人は湯流れのことなど、何も考えていない。このような形のものは、湯が回らないのだ。

 湯口から遠いところに、一番細い部分が来る。このような時は埋没材の一番深いところにこのスノウプラウを置く。底から吸い出しているので湯が回るはずなのだが、まずうまくいかない。細い部分からの吸出し速度が小さいからだ。Dennisはそのことで頭を悩ましていた。

snow plow castings 筆者の方法はこれだ。細いハンドレイルの中央部分に、あとで切り取りやすい物(赤い部分)を付けておく。ただそれだけである。この部分が吸出し速度を飛躍的に向上させる。すると湯が回る。この飛び出した部分はあとでプチンと切り取ればよい。その痕跡は全く残らない。

 残念ながら、写真を撮らなかったので現物はお見せできない。手持ちの鋳物に描き加えたものでご理解戴きたい。Dennisはとても驚いた。
「これで歩留まりが100%になる。」と喜んだ。



2008年10月21日

ロストワックス鋳造の秘訣2

 鋳縮み率を測定すると面白いことがわかる。物によって鋳縮み率は違うのだ。

 細長い丸棒状のものは鋳縮みが大きく3〜4%である。ところがその両端に四角い大きな物が付いていると1%も縮まない。要するに固まる瞬間に鋳型の中で滑って行く形のものは簡単に縮むということである。

 鋳型に引っ掛かって縮めないようにすると、太さの方が縮むことになる。引っ掛かりの部分は、あとで切り捨てればよい。このあたりのことは実験を繰り返して、形との相関を精密に調査する必要があると考えている。

 最近ご紹介戴いた雑誌の記事の方法では、そのあたりのことをまったく考えていないのではないかと推察する。ごく適当に作っているのではないだろうか。それではギヤボックスのようなものは出来ないし、蒸気機関車のフレームもできない。

 鋳造ほど難しいものはないとしみじみ思う。機械工作やハンダ付け、塗装などの模型工作の単元とはまったく異質の薀蓄がにじみ出る分野である。

 設備は乗用車1台分くらいの投資でまかなえるが、ノウハウの取得には10年かかるだろう。Dennisは「それでも難しい」と言う。奥様の献身的な支えの下、年に数百本のフラスコを鋳造する。好きだからこそ出来るが、単なる金儲けでは出来ない。

 今回は筆者のノウハウも公開して交換授業をした。お互いに得るところが大きかった。


2008年10月19日

ロストワックス鋳造の秘訣

washing a tree これもツリィを洗っているところである。細いものが多いと曲がってしまうので、水圧を下げて当てる。この湯口はかなりへこんでいる。凝固時の収縮はかなり大きい。



F9A Nose これは例のF9Aのノーズがフラスコから抜き出されたところである。埋没材はこのような形で付いてくる。窓の部分で外型にあたる部分と内型にあたる部分がつながっている。この部分が多ければ型は安定し、失敗することがない。プラスティック製品を焼くときにはそこに注意が必要である。

Opening furnace 次から次へと鋳造を行う。この日だけで18本のフラスコに湯を注いだ。このフラスコは長い。F9Aのボディ・シェルが入っている。



Vacuum casting machines 鋳造機は2台並んでいる。2台は当然必要である。鋳造というのは不確定要素が多く、不測の事態が起こりうる。故障したり破損したりすると、鋳造を中止せねばならない。中止すると熱いフラスコは冷やされ、クラックが入る。すなわち、それまでの労力が全て水泡に帰す。

2008年10月17日

続 埋没材をはずす

spraying water 裏庭で高圧洗浄機で埋没材を外しているところである。煉瓦の隙間にはさんでスプレィする。あっと言う間にきれいに外せる。ただし跳ね返りがすごいので、そのつもりで防護しておく必要がある。着衣はボロを着ていないと、あとが大変だ。靴もその程度のものを用意する。



water jet cleaning これは銀製の十字架である。頼まれてたくさん作ったのだ。銀のインゴットを切り刻んで熔かした。銀を使うときは坩堝も銀専用の物を使わないと歩留まりが悪い。



silver casting これが出来上がり。銀製品は切り取るときに、追加工がなるべく少なくなるようにする。削ると損失が大きいので切り取るだけにする。尖っているところは押しつぶすように加工する。





2008年10月15日

埋没材をはずす

dumping in water  まだ熱いフラスコを水の中に漬ける。バリバリ、メリメリ、ガラガラという凄まじい音と共にある程度はここで外れる。
 バケツの中でフラスコを放すと、バケツの底の部分が熱で融けてしまうので、しばらくはこの態勢で保持する必要がある。

 落ち着いたら引き出して高圧の水を吹きかける。エンジン付きの高圧洗浄機で洗うと99%の埋没材は落とせる。残りは超音波洗浄機を用いるときれいになる。

 埋没材を落とす瞬間はいつでもどきどきする。湯流れはどうだろうと心配である。幸い。今回の鋳造ではさしたる失敗はなかった。例のF9Aボディ・シェルのステップだけが失敗であった。しかしそれもすぐ直る部分であったから、今回の鋳造は成功だ。

 高圧洗浄機の噴射が強すぎると小さいものは曲がってしまう。そういう場合は早めに噴射を打ち切って別の方法に切り替える。

 今回は埋没材を新しいものにしたので、仕上がりに心配な点があったが、問題になる点はなかった。

 仕上がった部品を空圧で作動するニッパで切り取り、寸法を測定する。鋳縮み率を測定するためだ。大体、予定していた率であった。台車などは鋳縮みが異なると面倒なことになる。ディーテイル部品であっても鋳縮み率が一定であるということは大切なことである。ゴム型での縮小率を一定にしなければならないから、加硫温度のコントロールも大切であるし、ロウ温度も厳しく管理せねばならない。

 先の韓国の場合、そこのところを少しでも考えているのだろうか。人ごとながら心配である。

  

2008年10月13日

鋳造完了

setting burnt flask よく焼けたフラスコを正立させ、真空鋳造機のChamberに載せる。そのとき耐熱ガスケットを敷くことを忘れないようにする。
 フラスコは焼成の時は必ず倒立させておく。ロウが流れやすくするのと、ゴミが入るのを防ぐためである。

 真空チェンバの真空度が良いことを確認する。ここで真空にならないということは鋳型に欠陥があって空気が漏れていることである。もし漏れていればそれを塞ぐことが必要だ。Dennisはエポキシ樹脂を使うと言う。二液性エポキシを、クラックになすり付けると、熱で瞬時に硬化し、鋳造に耐えるという。筆者は過去に何度も失敗し、フラスコひとつ分を廃棄してきた。このような簡便な方法で解決するのならすばらしいことだ。
 鋳造機の奥には、非常用のエポキシ接着剤と攪拌棒が置いてあった。

casting finished これは熔湯が入った直後の写真である。まだ赤い。ヒケが少なく湯口の凹みがない。
 フラスコには茶色のペンで番号が書いてある。普通のペンではインクが燃えてしまう。このペンはセラミック・インクというもので、決して燃えない顔料で出来ている。

 内部のロウの質量がメモに書き出してあるので、その番号で熔湯の量を決める。大事なメモである。そのメモに従って、アルミニウムを入れる量が決まる。



2008年10月11日

熔融炉  

melting pot 鋳造で最も大切なのは、寸法精度である。要するに鋳縮み率が一定でなければならない。材料を一定にし、熔湯の温度管理を精密にし、さらに鋳型温度を一定にするのがその秘訣だ。

 ガストーチでは温度管理は出来ない。貴金属のように組成、純度が同じものを使うときは色で温度がわかるようになる。そのときは全体を暗くし、外光を入れないようにする必要がある。これも熟練が必要である。

 卑金属を含むブラスはトーチでの加熱は避けるべきである。この写真で坩堝の中心を通っている太い棒は、坩堝の底を開けるロッドである。そのむこうに細い棒が見えるが、これがプロパンガスを送り込むセラミックパイプである。炎は赤くめらめらと燃える。これが酸素を不足させ、しかも均一に加熱している。筆者のようにグラファイト坩堝を使わなくても良いから安上がりだ。ブラスが熔けたら、アルミニウムの切れ端を投げ込みかきまわす。

 坩堝の底には温度計が付いていて、ディジタルで読める。所定の温度で鋳造する。
この茶色のノブをぐいと引き上げるだけのことである。もちろんその直前に、鋳型を据えつけ、真空ラインを開く。真空計を見て確認する。

 湯が流れ込んだら鋳型を引き出し、上から圧搾空気で圧迫する。固まると同時に湯口がヒケていくので、押し込むわけだ。この時期には先端はもう固まっている。湯口に近い部分のヒケを解消する方法である。

2008年10月09日

還元剤投入

 RAIL TRUCK様のご指摘を受け、早速本屋に走った。確かに載っていた。少々荒っぽい記事で、書いている人が100%理解しているとは思えないところもある。また、業者の方も理屈を理解しているのかどうかが不明である。

 判ったのは、遠心鋳造をしていることと、融解には酸素アセチレンのトーチを使用していることだ。すなわち、規模は大きくない。鋳造できる最大寸法がせいぜい5インチ(127mm)程度である。また、一回の熔湯量はせいぜい200g程度であろう。

 問題はトーチの使用である。歯科で用いるような貴金属なら全く問題ないが、酸化され易い亜鉛を含むブラスでは、亜鉛の酸化および蒸発に対して全く無防備であろう。
 以前韓国で見たのは、高周波炉であった。希ガス雰囲気で行うと良いのではないかと意見を述べたことがある。その実現は簡単なことであるからだ。
 スクラップを材料にしているのもやや問題があると思う。材料は常に一定の組成でないと、鋳縮み率が一定でなくなる。当然色も変化する。

 マグネシウムのチップを入れていたが、その形がよく分からない。機械加工の削りクズなのか、涙滴状のものなのかもよく分からない。純度は高いのであろうか。また入れる比率を一定にしているのであろうか。トーチであぶれば、酸化されるであろうから表面積の大きな板材などでは還元剤の量を増やさねばならない。しかし、亜鉛が飛んでしまえば意味がなくなる。
 筆者の熔解炉は、グラファイト坩堝で、電熱線で外から加熱するタイプである。かなり還元的雰囲気である。

 また、ユニバーサル・ジョイントの写真が小さくて探すのに苦労したが、ご指摘の通り位相が間違っている。こういうことで発注者の力量が露呈してしまうのだろう。 

2008年10月07日

真空鋳造

vacuum Casting その点、真空鋳造は大きさにあまり制限がない。 鋳型を通して空気を吸い込むのだ。鋳型を構成する粒子にそれほど大きな隙間があるようには見えないが、多少の空気が通る。すると熔湯の液面には大気圧が掛かっているので、型の隅々まで熔湯が吸いつけられる。
 真空計で見ていると、ほとんど真空状態を保っているから、空気の通過量はかなり少ないと思われる。

埋没材を注ぐとき、フラスコにはテープを巻きつけて孔を塞ぐ。 時々漏れ出すが、すぐに手当てをすればよい。このテープは焼成のとき燃えてしまう。
 フラスコは穴あきステンレス製であるが、何度も焼いているとかなりがたがたになる。熔接が外れたりするので時々修理が必要である。

 鋳造機の既製品はあまり深さがないので、Dennisは改造して深くしている。それでも10インチ(254mm)しかない。るつぼの容量の問題もあるので、余り大きくしても仕方がない。

 溶解炉はDennisの工夫がある。 加熱の仕方は、電熱線を巻いたもの、高周波加熱、ガス加熱がある。デニスはプロパンガスで加熱している。空気をやや不足させたガスを直接内部に入れている。要するに還元的雰囲気での加熱をしているわけだ。これは良い工夫だ。ブラスが融けてから、少量のアルミニウムを入れる。これはさらなる還元剤で、亜鉛を還元している。マグネシウムでもよいだろう。


2008年10月05日

焼成と鋳造

 脱泡が済んだフラスコは静置し、固まるのを待つ。硬化したら、電気炉に入れる。最初の数時間は100℃程度に保ち、水分を飛ばす。この間にロウが溶け、下の皿にたまるので捨てる。大規模な工場では回収して精製し、再利用するが、小規模な工場なので全て捨ててしまう。

 回収することが前提のときは、全てのロウ型を同一のロウで作らねばならない。プラスティックが混じることなど論外だ。ロウが抜けたあとは、空気穴を開いて昇温する。このとき、ロウは燃える。完全には燃えないので、すすが出る。また多少臭う。テキサスでは、臭いのことなど問題にならない。うらやましい限りだ。筆者が鋳造を休んでいる理由はそこにある。日本の住宅地では、少しでも変なにおいがすれば、サリン製造かと疑われてしまうだろう。いずれ田舎に鋳造工場を移すか、テキサスに引越さねばならないだろう。

 今回はプラスティックが入っているので昇温速度は普段の半分にしている。完全に焼けたら、その空間に金属を熔かして入れるわけだ。

vacuum casting machine そのとき、重力だけで入れると細かいところには熔湯が廻らない。遠心鋳造か真空鋳造を採用する。小さいものは遠心鋳造でよいが、大物はそうはいかない。
 
 質量が200gくらいまでは遠心鋳造で十分である。それ以上では加速度が足らない。アームの長さ、スプリング・モータの出力等いろいろな問題がある。最初の一瞬で勝負がつくので、重いものは無理である。



2008年10月03日

続 埋没の手順

sucking dust これは埋没材の混和用のミキサである。食品用のものを転用している。最初は埃が立つので、このように吸い出してしまう。手早くかき混ぜられるのは良いが、多量の泡が含まれてしまう。
  



vacuum chamber それを抜くには真空の中に置く。真空引きは二段階に行う。まず、ミキサで混ぜたものをバケットに入れて置く。すると混和物の体積が3倍くらいになる。泡がはじけると体積は小さくなる。この写真のむこうの方に見えるのが、そのバケットである。




pouring investment 次にワックス・ツリィを立てたフラスコに紙テープを巻いて漏れを防ぎ、それに埋没材を注ぐ。このときフラスコの上部には必要以上の高さまで紙テープを巻く。それは次の工程で役に立つ。




debubblring in vacuum chamber 埋没材の入ったフラスコを、またvacuum chamber(真空室)の中に入れる。前回よりも長く真空に保つ。すると泡がどんどん出て盛り上がる。先ほどのテープは、このとき溢れ出させないためである。ここまでの工程を水を注いでから5分以内に終わる必要がある。


2008年10月01日

埋没の手順

wax tree example これはDD35の台車枠のワックス型である。それをこのように丸く放射状に組み立てる。あとで切り取りやすいようにせねばならない。
 また、放射状にするのは湯流れを均一にするためでもある。フラスコの中に隙間を一定にして立つようにする。フラスコに触っているようだと、その部分のInvestment(埋没材)が薄くなり、クラックが入る可能性が生じる。

debubbler この液体は脱泡液である。要するに、ワックス型、プラスティック型の表面に付着した空気の泡を取れやすくする液で、界面活性剤を溶かしたアルコールである。組みあがったワックス型を数秒浸して揺する。「ぬれ」がよくなり、泡が取れるようになる。そこに埋没材を水で溶いて流し込むわけである。

investment container これは,investmentのコンテナである。これひとつに45kg入っている。プラスティック埋没用の特殊なものである。これを取り寄せるのに手間どった。これを水で溶くのだが、水の量は厳しく管理せねばならない。また時間も正確に計らなければならない。 

2008年09月25日

wax を注入する

wax injection ワックスはwax potから注入する。温度はワックスの融点より少し高めに保たれている。圧力は、大気圧プラス0.1気圧程度にしておく。ゴム型を押し当てると弁が開き、瞬時にゴムの中の空洞にワックスが満たされる。
 このとき、ゴム型の保持の仕方にノウハウがある。大切なことは押しつぶさないようにすることだ。できたロウ型がつぶれた形になる。できる限り均一に軽く保持する。しかし、面積が大きなものは大きな力で押さえ付けないと、口が開いてしまう。そこは経験が物を言う。

 また、全体の形がゆがむのを防ぐために、ゴム型自体をきちんとした箱状の押し型に入れるという手がある。この方法をとるには、全てのゴム型が同じ寸法であることが必要だ。すなわち、Vulcanizeする枠に基準寸法があるということである。

 ワックスを注入するとき、ちっともワックスが入らないようなゴム型が、たまにある。そんな時ワックス注入圧を上げてみるのだが、ちっともうまく入らない。
 こんなときにはワックス圧を思い切って下げてみる。ゴム型を軽く保持して、ゆっくりとワックスを入れるとうまくいくものだ。 

 ワックスがゴム型内に進入するとき、空気の逃げ場所はどうなるのか心配する方がいらっしゃるだろう。ゴムの型にはパウダが振ってある。するとそのパウダの分だけ隙間があって、空気は逃げる。しかしワックスはその隙間には入れない。

 この写真の手前のスプレィ缶は方からワックスが外れやすいようにするための、シリコーン・スプレィである。この効果は絶大である。

2008年09月23日

ゴム型を作るもうひとつの方法

split mold もうひとつの方法はsplit moldという方法だ。ゴムが固まってから切り開くのではなくて、あらかじめゴムが分かれるように準備をしておく方法だ。
 別れ面にはパウダを十分に塗っておく。合印がいるので特殊な形をしたピンを半分まで埋める。このピンは4本程度だが、位置を不均等にすることが肝要だ。もし正方形に置いてしまうとゴム型の上下を4通りにおくことができ、勘違いを生じやすい。
 4つを台形の頂点の位置に置くのが良い。

DDA40X Sand Boxes このsplit mold法は平坦な部品の型どりに適する。 例えばDDA40Xのサンドボックスなどは最も適するものである。複雑な形のものは、やはり切り開く方法がよい。

 二つがくっついたまま加硫されるが、合わせ目から剥がしとることができる。パウダが足らないとくっついてしまうから、注意が必要だ。


DD35,DDA40X Parts by split mold  これらのパーツはDD35DDA40Xの外装部品である。これらのように単純明快な形のものはスプリット・モールドが適する。しかし凹んだ部分にはあらかじめゴムを入れておく必要がある。はさんで加熱し、剥がすだけだから、ゴム型つくりはとても簡単である。

2008年09月21日

ゴムを切り開く

cutting rubber mold 加硫して固まったゴムを放冷する。原型がどこにあるのか考えながら、ゴムを切り開く。そのとき、切り口がジグザグになるように切り込むのがコツである。そうしないと、上下のゴム型が横にずれてもわからない。全ての面がジグザグなら必ず上下の面があうはずだ。

cutting rubber mold 3 この道具はDennisの手製である。単純明快な道具である。ただ、片方を引っ張っているだけである。
 ひざにはさんで引っ張りながら切り込みを入れる。ゴムはよく伸びるから多少のアンダ・カットもするりと外すことができる。
 このようにして切り外したゴムは、空気の逃げ道を作るために針で突いて、その穴にパウダを入れる。細かい部品ほどその穴の数が多くなる。

 ゴムが縮んだとき、その穴が事実上ふさがるので、ワックスが流れ出す心配はない。僅かな量の空気が、ワックスの進入時に逃げる必要があるのだ。

2008年09月19日

ゴム型をとる

putting door in the rubber frame これはゴム型をとるために原型を埋めているところである。アルミ製の枠に型を埋めるのだが、まず底の部分にゴムを敷く。その上に型を載せてその型が流れていかないようにアルミの枠の穴に原型から出ている棒を差し込む。
 この棒が湯口になる。湯口の位置、本数は長年の経験で決める。

filling rubber sheets 原型の上にもゴムを敷き詰める。そのとき、あらかじめ全ての隙間にゴムが入っていることが必要だ。例えば、へこんだ部分にはゴムを小さく切って埋めておく。このドアのように片方がカーヴして持ち上がっているようなときは、その持ち上がっている所の下にも十分詰め込んでおかねばならない。それを怠ると、ゴムがあらぬ方向に流れて型が移動し失敗する。
vulcanizer ゴムは空洞の105%くらいの量を置く。そしてアルミ板で挟んでこのVulcanizerで温める。バルカナイザとは、加硫する機械という意味である。ネジで締め付けて、生ゴムの隙間をなくす。
 生ゴムに硫黄を数%練りこんだものを加熱すると20分くらいで固まり、弾力性のあるゴムになる。加硫前は硬目のはんぺんみたいな物であるが、加硫後はゴムそのものになる。引っ張ると8倍くらい伸びるようになるのだ。
 余分のゴムは、はみ出して固まるので切り捨てる。

2008年09月15日

続々 Atlas F9A

F9A nose casting このボディシェルは質量が870gもある。組み立てたときに補重する必要性はなさそうだ。

 大きさがよく分からないというご指摘があったので写真を撮り直した。筆者の手との対比でお分かりになると思う。


cracks on the body shell 今回の鋳造でわかったことがいくつかある。深さが25cmもあると、熔湯を入れた瞬間に底部がかなり高圧になる。水に比べて9倍の密度だから、水深2m以上に相当する。すると鋳型に大きな力がかかる。特に開口部がないこのボディシェルでは面のさしわたしで15cm以上に渡って中子に全く支えがない状態になるわけだから、埋没材が割れるのも致し方ない。

 このような場合、割れを防ぐには開口部を作ることである。窓があればその部分で内外の型がつながり、圧力で押し広げられるのを防ぐだろう。今回の場合、ボイラの排気管のあたりの天蓋は切り取って、あとで別部品を付ければよかった。妻の角窓の周りはすばらしく良い。幸いにも今回の失敗は削れば直る方向なので、修正できる。

F9A body shell casting 湯口に近いところは押し湯が少ないのでステップの先は湯が回らなかったが、これは簡単に修正できるので、大きな問題ではない。

 大きなものを作ると熔湯の量が大きい。湯口から流れ込む量が多いと、湯口の先の鋳型が湯で削られる。この写真右端のドアのざらついているところがそれである。削りやすいところの裏に湯口をつけることが大切である。
 一番上の写真のナンバ・ボードの後ろも同様に裏に湯口があってざらついている。

2008年09月13日

続 Atlas F9A

F9A Nose 再度、F9Aのノーズの中をご覧に入れる。湯口がどのようについているかがよく分かる。湯口はアクリルの棒で太いのを3本入れた。これは十分な深さがあり、押し湯が深いので、湯流れは完璧だ。何の心配もない。溢れない程度に湯を入れられれば成功疑いなしだ。

 内部のスペースには先回も述べたように大きな部品をあとで取りやすいように適当につける。この部品は、3ユニット・タービン機関車のカプラの取り付け座である。といっても見当も付かない方が多いと思われるので、実物の写真を添える。

Turbine coupler retainer この写真はユタ州オグデンに保存中の#26の下にもぐりこんで撮ったものである。この機関車は床板が高く、カプラが相対的にかなり低いところについている。そのカプラ取り付け座である。
 緩衝装置は簡単だ。僅かに厚いスプリングらしきものが見える。これをくさびの斜面で押し開くような形になるのではないかと思う。
 この部品を手作りするのは面倒だと思っていた矢先にBill Melisの型が見つかったので、少々加工してロウ型を作ったというわけである。同じ形のものを作るのは好きではないので助かった。

2008年09月11日

Atlas F9A

Nose このAtlasのF9Aは筆者の車籍簿中、かなり前にある。10番目以内である。
1972年のWalthersカタログに載っているのを見て注文したのだ。価格は22.50ドルであったと記憶する。その後いくつか買って加工した。ノーズを切ってBユニットにしたのもある。
 動力機構があまり賢明なつくりではないのでいつしか休車になり、廃車になったものもある。上廻りのディテールはそこそこに良いので、加工すれば使えると思ってとっておいたのが今回の車体だ。
 栗生氏のブログには広告が掲載されているので、それもご覧戴きたい。

 動力機構は、長持ちするかも知れないが、負荷がかかると台車の一方が浮き気味になるという恐ろしい設計であった。支点の位置が高いので、根本的に駄目である。

 そこで、ギヤボックスに貫通穴を開けて、ブラスのボルスタを突っ込み、支点を動輪軸とほとんど同じ高さに改造した。しかし、ブラスの台車に換える方が後々のためにもなるという判断で、下回りは全部捨てた。台車のディテ−ルも良いが、分厚い車輪を避けるようになっていて、興ざめした。

F9A今回の鋳造で上下全てがブラスになる。随分、時間と金を掛けたお遊びになった。ひどい写真でお詫びしたいが、大きさを示すだけの写真である。
タイルの1辺が305mmであるので、大体の大きさがお分かりいただけると思う。


2008年09月09日

続々Lostwax Casting

F9 cut into 2 pieces この写真をご覧戴ければ、何を鋳造したかお分かりになるだろう。かなり大きなものを鋳造できるかどうかが知りたかった。このF9はAtlasが1970年頃発売したもので、それを一体鋳造するつもりで持っていった。

 見た途端、「ちょっと長すぎる。ほら1/2インチはみ出す。」というわけで二つに切り離すことになった。どこで切るかは自由だが、その切り口はハンダ付けで完全修復できる部分に限られる。サイドのラジエータ・グリルは避けるべきで、結局ノーズの部分をドアの前で切り落とした。糸鋸でざくざくと切った。糸鋸の厚み分はハンダで埋めることになる。
 
 車体の内側の体積がもったいないので、適当な大きさの部品をつけておく。ここで内部にたくさんの部品を付けると、あとで外し難いので、外しやすい大物をつけるのがミソである。

 熔湯が流れて行く経路は十分に吟味せねばならない。しかし、深さが十分あるので圧力は十分である。問題は長い方の浅い部分である。注ぎ口からの深さが足らないので、湯が回らない可能性がある。

 このようなプラスティックを埋没するときは事前にサンドブラストを掛けて、表面の塗装、デカルを全て削り落とす必要がある。塗料は燃え残るのである。SantaFe塗装の赤い塗料を削り落とすのは意外に手間取る仕事であった。

2008年09月07日

続 Lostwax Casting

 ロウ型を作ってツリーにし、それを焼いて鋳造すれば、Lost Wax である。プラスティックで作った型を焼いたらどうなるだろうか。

 これは難しい問題が生じる。ロウの場合はすぐ融けるので液化して融け出したり、埋没材の中にしみ込んだりする。何の問題も起こらない。
 プラスティックは融ける温度が高い。200度くらいにしないと融けない。しかしその前にプラスティックは膨張する。そうすると何が起こるだろうか。

 埋没材が割れる可能性がある。埋没材はセッコウに添加剤が加えられている。より強度を出し、融けた金属と反応しにくいような工夫がしてあるのだ。
 ガラス繊維を入れて割れ難くしたものもある。

 プラスティックを埋没したときには、焼成温度の上昇速度を小さくする必要がある。普通は8時間で焼くところを,12時間くらい掛けて昇温する。その間にプラスティックが燃えるはずだ。臭いがよくない。炉の中に燃え残りがとぐろを巻いている。酸素を補給するとよいかもしれない。筆者は通風をよくして、排気口には予熱した触媒を置いて、排気を浄化していた。

 



 


2008年09月05日

Lostwax Casting

DD35 truck frames 久しぶりにロストワックスの話題に戻る。
 Dennisはロストワックス・パーツを作っている。空軍を退役してからは本業になった。今回のTexas行きの目的はそこにあった。「一緒に鋳造しようじゃないか」という誘いがあったからである。
 ロストワックスを作っている場面を見るのは初めてではない。それぞれに個性があリ、ノウハウがある。普通、それを秘密にしているのだが、Dennisはすべてオープンにしている。というのは仕事が来すぎて要望に応え切れないというのが本音である。だから、二言目には、「ここに引っ越してきて、二人で大きな工場を作ろうぜ。」と言う。こちらにもいくつかのノウハウがあるのでそれをお互いに見せ合った。このワックス・パターンはDD35の台車である。これについては後述するが、Bill Melisの型がここにあったのだ。それを加工した。
wax trees この写真はワックスを整列させたワックス・ツリィである。これをinvestment(埋没材)の中に埋め込んで加熱する。するとワックスは全て蒸発し空洞ができる。そこに融けた金属を流し込めば出来上がりである。
 この写真の右端の大きなものは何であろうか。

2007年05月05日

続々々 Central Locomotive Works

CLW EMD Bulldog Nose Casting Mold CLWの機関車のノーズは、ブラスではなく、ブロンズのロストワックスである。写真はそのモールド型である。

 内型はいくつかに分割できるようになっている。外は2つに分かれるだけである。Louはこの型をより精密に作り直したかった。日本で作れないかと打診があったが、価格が向こうの想定の十倍以上であったので、お流れになった。

CNC Machined Frame and Fuel Tank LouはCLWの弱い下廻りが嫌いであった。CNCでブラスのバーから削りだして堅くて重いフレームを作った。明らかに過剰品質であったが、なかなか人気があった。しかしコストが掛かりすぎて利益が出ず、倒産してしまった。

 CLWは、ボディ・シェルの剛性を高め、フレームは位置関係を保つだけという方針をとっていた。下回りは薄い板のハシゴ状フレームで、あまり見掛けがよくなかったのだ。

 Louはさらに燃料タンクもCNCで削り出していた。重く、素晴らしいウェイトではあった。



2006年10月24日

ロウ以外の材料

 GTEL truck sideframe
 ロウを用いて空洞を作り、そのなかに熔湯を流し込むという基本的な概念は、おそらく2000年以上前から存在していると思われる。

 「奈良時代の仏像もロストワックスでできている」と言うと驚かれる方も多いはずだ。粘土で作った内型にロウを塗り、彫刻を施す。それにさらに粘土を塗りつけ、外側で大規模な焚き火をすれば空間ができる。そこに融けた銅合金を流し込んで外型を壊せばよい。

 日本ではロストワックスの基本特許が成立していない。戦後、アメリカの業者が特許をいくつか申請したらしいが、全て拒絶されている。そのとき、この歴史的事実を示すと出願者は退散したそうだ。これは特許庁の役人の談話としてO氏から聞いたことである。

 ロウは取り扱いが容易で便利な材料だが、熱膨張率が大きい。すなわち、加熱すると埋没材にひびが入る可能性がある。だから、加熱速度が非常に大きな問題になる。

 他にはよい材料がないのだろうか。尿素がよいことが分かっている。尿素は133℃で融解し、簡単に熱分解する。しかも熱膨張率が極めて低い。ただし、水に溶けやすいので、水ベースの埋没材では扱えない。水中で尿素が使える工夫があればロストワックス技法は大きく変化するだろう。

 

 簡単に書くつもりであったが、ずいぶん長くなった。ロストワックス鋳物を手にご覧になるとき、じっくり眺めて戴きたい。そのなかには長い歴史が潜んでいるのだ。

 写真は3-unit GTELの台車。Billの原型を用いて鋳造した。   


2006年10月23日

なぜ鋳造ができるか

 DD35A 台車 鋳造ができるのは当たり前だと考えられているかもしれないが、良く考えてみよう。たとえば砂型鋳物を作る時、砂の隙間にどうして融けた金属が入ってしまわないか。という心配がある。これはよく質問を受けることだ。

 その答は、
 〆修篭眤阿陵参魃佞砲呂未譴覆
 金属の融解液の表面張力が著しく大きい
の2つである。

 ,燭箸┐仗絛笋鮑修忙悗任覆召辰萄遒辰森造卜し込むと、水銀は決して砂の隙間にしみ込んだりはしない。水を流し込めばたちどころに吸い込まれてしまう。金属は砂によってはじかれているという表現が良いだろう。一方、水は砂と親和力が大きく、表面で保持されることはありえない。これを、「砂粒は水に『ぬれ』るが、水銀には『ぬれ』ない」という。

 ▲汽肇ぅ發陵佞両紊鯏召る露は丸く、水銀は玉のようになる。水銀の表面張力はきわめて大きい。水の5倍以上もある。融けた銅では18倍ほどである。

 すなわち、融けた金属は型によってはじかれながら流れ込む。細かい凹凸があればはじかれて(サトイモの葉の表面のようになり)流れ込まないところが生じる。それだからこそ、圧力をかけて押し込まねばならない。

 時々聞く表現であるが、「融けた金属は粘り気があるから流れにくい」というのがある。これは正しくない。

 融けた銅は水の2.5倍程度流動しやすい。ハンダは7倍くらい流動する。水銀は9倍ほどである。湯流れが悪い時は、型の温度が低くて途中で固まるか、鋳造方案が悪い、以外ありえない。

2006年10月22日

湯口

sprue 湯口は英語でsprueという。これがその写真。漏斗状に作っておき、この上に鋳造方案に従ってツリィを組み立てる。

 鋳型の一番高いところから注ぎ込んで、製品にならなかった部分がそこに残る。
湯口にはもろもろの不純物が濃縮される。ブラスの場合は埋没材と反応して、亜鉛分の少ない部分が残ることになる。スラグ(ノロ)も含まれている。

 一般的に言えば、湯口は捨てるのが賢明だ。しかし、ベリ銅はそのまま何度でも使える。これが非常に大きな利点で、今まで述べてきた諸事情を考慮すると、ベリ銅による鋳物が最も簡単かつ経済的で高品質であることになる。

 最近戴いたメイルによると、日本製のロストワックス部品にも赤い材質の物があり、やや硬いのでベリ銅ではないかと言う指摘である。現物を見ていないのでなんともいえないが、その可能性は高い。

 亜鉛を含む鋳物はダイカストのような高圧をかけるもの以外はうまくいかないと考えるべきであろう。事実、見掛けはよくても拡大してみると、細かい気泡がある鋳物が多い。

 最近、日本国内の工業的な規模でのベリ銅の消費量はいちぢるしく伸びが大きい。プラスティック成型用型材としての利点が分かってきたからであろう。アメリカに遅れること20年である。

 模型材料として、色の点を除けばよいことばかりである。しかし、「ブラス模型は全て金色でなければならない」というのはおかしな思い込みである。部分的に洋白を使うのはよくても「銅の色は許せない」と言うのはおかしい。洋白の色は鋼の色とは違うので玩具っぽく見える、と筆者は感じる。

2006年10月21日

脱ロウ

脱ロウ炉 埋没材に埋め込まれたロウは、加熱して抜き取る。湯口部分を下にして、ロウの融点以上に数時間保つ。すると8割程度のロウが抜き取られる。また、埋没材の水分も蒸発する。この操作は専用の脱ロウ炉中で行う。写真はその内部を示す。

 大規模な鋳造業ではこのロウは全て回収され、次回のロウ型の原料となる。しかし、模型の製作程度では、回収したロウのなかのごみ除去の手間を考えると、使い捨てのほうが楽である。

 ロウは融けて埋没材に滲みこむ。これは燃やしてしまう以外、除去の方法はない。そのときかなりの臭気が発生する。O氏の発案の触媒装置でかなりの臭いは無くなった。しかし、住宅地の中でやるのは難しい。

 折りしも、オウム真理教事件で日本中が大騒ぎしていた時期で、警察に踏み込まれても文句が言えない雰囲気であった。それ以降、鋳造は家の中ではやっていない。

 近い将来、田舎に工房を移転して再開するつもりである。

 埋没材を加熱する時は、ゆっくりと温度を上げていく。これは非常に大切なことで、手動ではうまくいかない。300℃まで2時間掛けて昇温し、2時間保つ。ここでロウを気化させる。そのあと5時間掛けて800℃まで上昇させる。

 この温度調節は手動ではうまくいかない。フィードバック付きコンピュータ制御で行う。この焼成炉もO氏の手作りである。

 いったん加熱が始まったら、冷やしてはならない。冷えると埋没材にひびが入る。すなわち、鋳造作業は開始から鋳造まで連続して作業せざるを得ない。焼成炉に入れてからの8時間に睡眠時間が来るように予定する。

2006年10月20日

熔解炉

熔解炉 実際そのとおりで、ベリ銅であれば、どんな複雑な形状のものでも、下手な鋳造方案であっても、素晴らしい鋳物ができる。 結局のところ、労力を勘定に入れれば、安上がりな方法であると言える。

 また、鋳造後、仕上げを施して電気炉で熱処理をすると、素晴らしく硬い物が出来る。Ralphにカウキャッチャをベリ銅で作ったのを見せてもらったが、正面衝突すると相手の機関車のカウキャッチャに食い込むそうだ。

 熱処理をしなくても、ベリ銅の鋳物は硬い。叩くと、焼き入れした工具鋼のようなキンキンという音がする。ブラスのゴンゴンという音とは異なる。ベルを作ればいい音が出るだろう。 


 熔解炉は黒鉛のるつぼを用いる。鉄系合金では炭素が入ってしまうので避けるべきであるが、銅系合金ではそれは全く問題ない。
  
 熔解に必要な電力は意外と少ない。水に較べてはるかに比熱が小さいので、熱が逃げないようにうまく設計してあれば1KWもあれば十分すぎるほどである。

 融けた金属に少量のフラックスを入れ、表面の酸化物など(いわゆるスラグ)を黒鉛の棒で巻き取って除く。

 蓋を開けると、800℃以上に焼けた炭素に空気中の酸素が結合して、一酸化炭素が発生する。それに引火して青い炎が出ることがある。るつぼは消耗品である。全体をアルゴンガスで包めば、消耗は完全に抑えられるし、一酸化炭素中毒になることもない。

 温度を調べるには、熱電対温度計を用いる。非常に高精度で瞬時に計れる。これもO氏の手作り品である。

 地金を融かす時に注意しなければならないことは、大きな塊を入れないことである。これをやると熱膨張でるつぼを破壊する。必ず小さな粒を入れるようにする。長いものは縦に差し込む。当たり前のことであるがやってしまうミスである。
 
 融けた金属はとても重いので、取っ手を二つ付けた。鋳込みは照明を消して、暗がりで行う。人間の目は意外に正確に温度を測ることができる。温度計の数字を見て、眼で色温度の確認を行いながら鋳込む。左は、真空鋳造機、右は熔解炉。

2006年10月19日

ブラスの鋳造は難しい

電気炉 ベリ銅とブラスとは何が違うのだろうか。
 
 ブラスは黄銅と呼ばれ、銅に亜鉛を混ぜたものである。快削性を持たせるには鉛を添加する。亜鉛の代わりにスズを入れると青銅になる。

 青銅と較べるとブラスの実用化はかなり遅い。ブラスが大量に用いられるようになったのはせいぜい300年くらい前からである。イギリスは亜鉛の製錬法を東洋から導入し、大英帝国の発展とともにブラスは世界中に広まった。

 なぜ亜鉛は製錬が難しかったのか。それは沸点が907℃と低いからである。融点は420℃である。還元炉の中で亜鉛が生成するのと沸騰するのは殆ど同時に起こりうるからだ。せっかく還元して生成した亜鉛は、煙とともに消え、煙突の上部で青い火を上げていたのだろう。

 金属が沸騰する様子を見たことがある人は少ないはずだ。亜鉛の兄弟元素の水銀は357℃でポコポコと音を立てて沸騰し、蒸気を冷やすと忽ち液化する。減圧下ではかなり低い温度で沸騰する。

 燃えさかる火の中に亜鉛のたくさんついた釘を入れると亜鉛は気化し、青い炎を上げて燃える。昔、暖炉の中でよくやったものだ。

 融けたブラスの温度が900℃に近くなると明らかに亜鉛が気化し始める。温度を上げないと粘り気が大きいし、上げると亜鉛が気化する。ぎりぎりの温度で鋳造するのだが、泡が入る可能性は否めない。特に真空鋳造では深刻な問題である。また、高温では埋没材と反応して表面が変化する。

 ベリ銅は全く泡が出ないので、温度をかなり高くできる。また、埋没材と反応することもないので、素人でも美しい鋳物ができることになる。O氏がおっしゃるには、「ブラスで良い鋳物を作ろうと思うのは、はっきり言って、無いものねだりだね。」

 写真は電気炉。煤けて黒くなっているのは脱ロウ後も多少残っているロウが燃えた時のもの。

2006年10月18日

ベリリウム銅

GTEL Clamps ベリリウム銅(以下ベリ銅と略す)をロストワックス鋳造に使うとよいと最初に教えてくれた人はBillの友人のRalphである。Ralphは本業(交響楽のフルート奏者)のかたわら、鉄道模型が趣味から仕事になってしまった人である。

 HOのディーテイル・パーツを作っていたUtah Pacificの社長であったと言えば、分かる方もおありだろう。彼の家には非常に細かくできたレイアウトがあった。どんなものも動くレイアウトである。車両のみならずストラクチュアも全てモータライズされている。彼は主席フルート奏者であったが演奏は夜が多く、昼間は少し練習するだけなので、その時間をロストワックス製造に充てることができたと言っている。

 Utah Pacificの部品のなかで赤い銅の色をしているものがあれば、それはベリ銅である。曲げてみると、妙に硬いはずだ。鋳肌はきれいである。
 
 ベリリウム銅は熱処理によって工具鋼と同等の硬さが得られる。磁性がないので、磁気を嫌う環境で用いられた。例えば、録音テープの編集用ハサミ、ピンセットなどをはじめとして、磁気機雷の除去に当たる掃海艇のエンジン、歯車、ボールベアリングなど、全てベリ銅製である。
 
 しかしベリリウムの酸化物などを吸い込むと、いわゆるベリリウム肺になる惧れがある。昔、蛍光灯の蛍光物質がベリリウム化合物だったことがあり、蛍光灯工場で患者が続出したらしい。そのせいもあって日本ではベリリウム銅の加工まで厳しく管理されるようになった。これは過剰反応で小さな鋳物にする程度のことでは、まず問題はない。

 ベリ銅は湯流れが極めてよく、細部まで再現される。Mother(母)型から作った鋳物をDaughter(娘)という。その娘から再度作った鋳物をGrand Daughter(孫娘)という。

 たくさんの部品を作らなければならないときは、20個の娘をベリ銅で作り、それをツリーにして、再度、型を採る。そうすれば一回に20×20個くらい孫娘の鋳造ができる。この方法では複製時の劣化がほとんどない。


 写真はその方法で作ったGTELの屋根上のクランプ(孫たち)。一部湯が廻っていない。湯流れの悪いブラスで作ったからである。

2006年10月17日

続 鋳込み

centrifugal casting machine 熔湯に圧力を掛ける方法は大きく分けて次の四つである。
_,慧鬚鬚垢襦
何らかの方法で湯の表面に高圧の気体を接触させる。
C魴燭領側から真空ポンプで吸う。
け鷽肝呂撚,傾む。

〕侏散眤阿禄鼎い里如⊃爾気20cmもあれば水柱で1.5mくらいに相当する。表面の印象が気にならない構造用のものなら、これでも十分である。

∋科で行われた義歯の鋳造法のひとつである。融けた金属の液面を覆うように作られた蓋の内側に、アスベスト等を湿らせて入れておき、押し付ける。高温であるから急速に水蒸気が発生し、その圧力で熔湯が押し込まれる。この蓋を圧迫蓋(あっぱくがい)という。

これが筆者の採用している方法で、硬化したinvestment(埋没材)の中を多少の空気が通過するので、熔融金属を流し込んで型の下側を真空タンクに直結すると熔湯は吸い込まれる。
大物に適する方法である。真空タンクの容量が大きくないとうまくいかない。

せ慘悗覆鼻⊂物に適する方法である。investmentを詰め込んだステンレスパイプ(フラスコと言う)の前に置いたるつぼ中で、アセチレンバーナを用いて熔湯を作り、ばね等などに蓄えたエネルギで回転させ、遠心力を与える。
 
 あまり大きなものは回転させられない。カウンタ・バランスを調整しておかないと、振動して、事故の元になる。
 
 また、加速度が大きくないと意味がないので、その構造にはいくつかの工夫がある。これを「大きな金だらい風の容器」の中で作動させる。たらいの役割は融けた金属が飛び散るのを防ぐためである。写真はかなり大型の遠心鋳造機である。腕が折れるのは加速時に熔湯が飛び散らない工夫である。ぜんまいばねは極めて強力である。重力加速度の数倍の加速度がかけられる。


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