工具

2009年07月02日

押し出しリヴェット

 押し出し方式のリヴェット打ち器には2方式ある。凹んだ雌型に針状のポンチを打つ方法と、飛び出した針に工作物(ワーク)を載せて、凹んだダイを打つ方法である。

 日本では前者しか見たことがない。アメリカではどちらも使われている。炭水車の側面のように細かくリヴェットが並んでいるときには、ダイを細くしてその肩に成型したリヴェットをひっかけて次に送るという方法が用いられる。

 下から押し出す方式は板のそりが少ないという。しかし、筆者は下から押し出す方式はあまり使わない。

 テキサスの男が作ったのを持っている。70年代のMRに広告が載っているものである。アルミ合金製の比較的大きな装置である。この道具には、上からのと下からのと2方式のポンチとダイが数サイズついていた。

 ワークに卦書き線を入れて、針をその溝の中で滑らせながら打つ。打つ力を一定にしなければならないので、ハンマを持ち上げて落とす高さを一定にする。簡単な道具であるが、手順を守らないとよい結果は出せない。

 針状のポンチの形が大切で、円錐形というよりも針状に尖っていた方がうまくいく。祖父江欣平氏の押し出しリヴェットはレコード針で作られていた。雌型は鋼板に穴を開けただけである。焼き入れはしていない。レコード針は、昔はいくらでも手に入ったが、現在入手は難しい。特注で作ってもらっているようだが高いという。

2008年11月14日

Foredom

Foredom Moto-Flexはどちらかと言えば、素人用である。
 プロ用はこのForedomである。このモータは直巻電動機であり、トルクが電流の二乗に比例して発生するから、低速でも使いやすい。昔は極端に高いと思ったが、現在の実売価格は200ドル強である。強力型もあるがこの程度で十分だ。

 このフォアダムは宝飾加工用とか歯科技工用としての目的でつくられ、各種のアタッチメントが自由に組み替えられるようになっている。フレクシブル・シャフトは、中と外とが別売である。専用グリースもある。ハンドピースも各種ある。シャンクが1/4インチ(6.35mm)や6mmのものもあるから、いろいろな工具が使える。  

 ある程度以上の設備を持っているクラフツマンは必ず持っている。Dennisのところにもあった。理由は「使いやすいから」に尽きる。低速でのトルクは凄い。それだけに、ワイヤをねじ切ることもあるのだろう。

Dental Drill Engine 筆者は持っていない。その代わりに、この歯科用エンジンを持っている。親類の歯科医が廃業するときにもらってきた。これも低速トルクの大きい直巻モータを使用している。ベルト(紐)ドライヴなので、その保守をしなければならないがとても使いやすい。刃物は2.35mm(3/32inch)である。速度調整はカーボン・パウダをシリンダ内で圧縮するようになっている。昔の電動ミシンの速度調整と同じである。この写真ではベルトが緩んでいるが、それはアームを立てて休ませておくときに自動的に緩むようになっているからである。珍しくドイツ製の機械である。

 電車や機関車のモータに直巻モータが使われ続けてきた理由はよく分かる。起動時のトルクが大きい。
 その点、模型のマグネットモータ(分巻特性)は、重負荷で使うときには挙動が実感的でない。短い編成の時には感じないが、80両以上の貨物列車をじわりと牽き出す時には、妙な感じがする。これは最近のDCC化によりかなり改善されているが、直巻特性の挙動にはとても及ばない。

2008年11月12日

新型Dremel

Dremel cordless Moto-Tool Texasに行ったときに、ホームセンタに行って、工具や材料を見た。そこでこのドレメルを買った。安くて使いやすい。Dennisはこれを3台ぶら下げて使っている。先端工具を替える時間が惜しいからだ。

 ドレメルは2つ持っている。一番古いのは35年以上前に買ったボールベアリングつきの速度固定タイプだ。何度か焼いてしまったので今のは電機子が三代目である。
 当時は速度固定しかなかった。スライダックで電圧を変えて使った。界磁が磁石なのでモータは分巻特性である。これは意外に使いにくい。
 低速では力がない。しかもスライダックは手で回すので、力が足らないとき、もう少し電圧を上げるということが出来ない。足踏み式のスライダックを作らねばと思っていたところ、サイリスタ制御の足踏みコントローラが出たのですぐに購入した。これは便利である。トルクがあって使いやすい。

 次に買ったのはMoto-Flexである。これは尖端が細くて使いやすい。特に、線路のギャップ付けには便利だ。Cutting Diskがレイルに対して直角に切り込めるからだ。これも足踏みコントローラで使った。これもワイヤをねじ切ったので、部品を交換した。
 コントローラはひとつなので切替スウィッチで選択する。現在、工作台にはこの二つがある。後者は天井からぶら下げてある。

 今回のドレメルはリチウムイオン電池駆動である。作動中に電池のモニターが点灯するのでどれくらい充電量があるかがよく分かる。電線がないというのは、すこぶる便利で、庭先で作業するときはそれを実感する。

 値段は70ドル弱で、往時の価格を知っているものとしては、その安さに驚く。昔は40ドルもした。物価は6倍として、240ドルである。とても高かった。
 それを某出版社が極めて高い値段で国内販売していた。もっと安く売れたのに。そのせいで普及が遅れたと私は見ている。

2007年11月25日

Milling Machine

Milling Machine フライスというのはドイツ語で、英語ではミリングマシンという。コラムに剛性がないと何の意味もない。筆者の機械は、コラムが傾けられると言うふれ込みで売られているようだが、コラムを傾けるより、ワーク(被工作物)を傾けるのが筋である。ベッドに乗っているのは傾斜万力である。PALMGRENブランドである。

 どうしても剛性不足なので20mmの鋼板を12mmのボルト4本で組み合わせて、コラムの後ろを支えてある。期待以上の結果で、筆者のようにブラスしか削らない者には十二分である。大きなものは外注する。

 三軸にDROをつけている。贅沢なようだが、失敗を防ぐ上で必ず役に立つ。刃物はなるべく短く取り付け、剛性が低くならないようにする。この写真ではたまたま長く持つ必要があって延ばしているが、正規の使い方ではない。実際はもっと低くする。

 原型が分かリにくくなるくらい改造してしまった。Z軸の上下はガススプリングで支えて、勝手に落下しないようにしてある。ギヤは外して捨て、静粛なベルトドライヴにした。X軸は自動送りにしてある。これがあると仕事がきれいである。

 主軸はR8テーパで、付け外しが容易である。 この機械は総重量が約100kgである。本体は安いものであったが、改造費が本体価格よりはるかに高くなった。

Column Reinforcement アメリカにはこの機械の愛用者がたくさんいて、情報交換が盛んである。改造パーツの直販もしてくれる人がいる。

 本当はもう少し大きな機械が欲しかったのだが、重量が300kg を超えるのであきらめた。


2006年09月08日

工具を買う

de5190b7.jpg 9月6日の問題には、どなたからも回答がなかった。少々難しかったようだ。

 これは針金を曲げる道具である。歯科の技工に用いるもので、入れ歯を止める針金の曲げをコントロールするために作られた道具である。

 曲率が徐々に変化しているので、どこで挟むかによって、自由に曲率が選べる。これを使っているのを見ても、確かに便利だが買うほどのこともあるまいと思っていた。しかし、使わせて貰うととそのありがたみがわかる。
 歯科材料店でも売っているが、とても高価である。筆者は15年ほど前、Micro-Markという通販店で買った。インド製とか書いてあったが、特に不都合はない。価格は5分の1程度であった。最近はカタログに載っていないようだが、似たものはある。

 歯科とか、耳鼻科で使う道具は模型用に都合の良いものが多い。Micro-Markはそのような道具を探し出して、比較的安く売っている。おそらく模型工作用に人件費の安い国で作らせているのだろう。高価なものを買わされることがないので私は満足している。

Micro-Markのカタログを久しぶりに見ていたら、Billが使っていたものも載っていた。これは卓抜したアイデアである。ちょっとした嵌めあい調節にはとても具合が良い。


 刃物は日本製かアメリカ、ドイツ製あたりのものが優秀である。しかしブラスを切削する程度なら、中国製のものでも十分役に立つ。筆者のフライスの刃とかバイトは半分以上が中国製である。もちろん鋼を切削するとてきめんに駄目になるものが多い。

 さて今日の問題。これは何であろうか。

2006年09月06日

キズをつけない小型バイス

c7cfa30b.jpg SEC様が正解である。先端から見るとこんな風だ。

 これは元々は、宝石屋さんが指輪などを挟んで、石を嵌める時の保持台として使われているもののようだ。Billがドリルの刃先を修正する時これにはさんでいるのを見て、買った。
 商品名はたしかNon-marring Viseだったと思う。「要するにキズがつかない」というもの。今はさんであるのは薄板用ドリルという物で業界ではローソクドリルと言っているものである。
 このバイスを締める時には、後ろにくさびを差込む。皮が張ってあるので摩擦が大きく、緩まない。頭としっぽをひっくり返しても全く同様に使える。

 ドリルは刃が二枚なので、これではさむと砥石を当てる角度が2回とも同じになり勘違いしない。以前は三爪チャックではさんだりしていたが、2箇所削るものを三爪ではさむのはまずいものである。
 しかもこれだと、刃のついた部分をはさんでも問題ないので力の掛かっている点と支点とが近く、モーメントが小さくなるので保持が正確になる。
 机の角に押し当て、細かい砥石を当てる。

 子供の頃、近所の時計屋のおじいさんが作業するのを、ガラス窓越しにじっと観察していた。その時に見たことは何十年も経って少しづつ形として現れる。熟練した職人の作業を見るのは楽しかった。近所にはブリキ屋さん、かざり職人、鍛冶屋さん、鋳物屋さんなどがあった。学校から帰ると、飽きもせずその人たちの仕事振りをじっと眺めていたものであった。
 
 それしかなかった、ということもある。私は小学校のときは体が弱く、友達と走り回って遊ぶということがあまり出来なかったからである。

 あの人たちが使っていた道具は今思えばたいしたものではないかもしれない。しかし長年の経験で無駄がそぎ落とされ、機能だけが生き残った物ばかりだ。
 また、彼らが作業をするときの姿勢、腕の向き、光の当て方など極めて合理的なものであった。

 模型を作る時には、それらのことが少しづつ思い出され、結果として大きな力となっている。


 さて今日の問題は、右のペンチ状のもの。これは何であろうか。




追記
 Micro Markのカタログ中にあるのを発見した。これである。
 筆者のものと微妙に形が違うようにも思う。ほとんど一緒であるが値段が安すぎる。手元のものは20年位前に10ドルくらい払ったように思う。いまなら25ドル以上だ。
この写真の持ち方では安定せず、失敗する。机の角にこのバイスがはまり込む部分を作り、そこに押し当てて作業するのが正解。 Sep.9, 2006


2006年09月01日

抵抗発熱型ハンダ付け

d6bb09b7.jpg むろん電気を使う限りどんなものでも抵抗発熱型だが、これはその発熱部分が少々異なる。
 左がピンセット型の発熱装置で、先がニクロム線の特別に太いもので出来ている。これで小さい部品をはさんで通電すると、接触面積が小さいのでその部分の発熱が大きい。あっという間に400℃くらいになる。電流は25Aくらいだろうか。5Vだから125Wに相当する。電線はかなり太いものを用いる必要がある。
 
 ロストワックスの小部品をよく磨いて塩化亜鉛ペーストを塗り、軽く通電する。トランスのスウィッチは足で踏む。糸ハンダを触らせれば、たちまちハンダめっきができる。相手にもコテでハンダめっきを施しておいて、部品を押し当て、5秒ほど通電すれば完璧にハンダ付けできる。
 場合によっては炭素棒を押し当てる。素材をアースしておけば触るだけでOK。接触面で発熱するので熱が逃げるひまがなく、あっという間に温度が上昇する。省エネルギでもある。
 
 Billの工房には30センチ四方の分厚い真鍮板が張ってある机があった、その上で車体を組み立てる。自然にアースが取れるので実に効果的である。
 板を張り合わせる時の秘密兵器もあった。なんと炭素棒ではなく炭素ローラである。直径2インチ(5cm)、幅1/2インチ(13mm)の黒鉛の円盤の中心に軸を差込み、握りをつけたものである。あたかもピザ・カッタの柄から太い電線が生えたような格好である。これでごりごりやると、たちまち全面ハンダ付けが完了する。出力は500Wくらいである。どうやらこれはパテント商品らしかった。

 ピンセット型の出力120Wというものを買った。当時(20年前)の価格で50ドルくらいだったように思う。電源は自分で作ろうと思っていたら、電気の専門家のI氏が、ジャンクのテレビから外したトランスを巻き替えると安くできると教えてくれた。要するに、二次巻線は太いものをくるくると巻いただけで出来上がり、とおっしゃる。簡単なものであるが、とにかくケースに入れて一次巻線にタップを付け、出力が3段に変化するようにした。確かに出力調整はあると助かる。調整がないと、足踏みスイッチをこまめに踏んで時間的平均値を小さくするしか方法がなかった。スイッチが壊れそうなほど踏みつづけたものだった。

 最近はかなり洗練された商品が、Micro-Markから出ている。詳しくはこちらをご覧あれ。

 右は、Bill直伝のキサゲである。折れたヤスリを研いで、ヤスリの柄に挿したものである。握りにこれぐらいの太さがあると力が入るし、微妙な向きの調整ができる。
 刃を下にしてこれを握って、肘をついて…。その様子を頭の中に描いて見られよ。何とやり易いかたちではないか。

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