工具

2022年10月07日

続 内野日出男氏の工作

side rods これはDM&IR鉄道の2-8-8-4サイドロッドである。厚さ 3 mmのステンレス板を糸鋸で切り抜いている。穴あけして概略を切ってからヤスリがけして正確な外形にする。それをフライスで削って薄くし、スリットを入れ、相手と組み合わせて関節とする。

side rods (2) 余分にいくつか作って、良いものを選んだのだろうが、余っているものも素晴らしい出来である。
 ロッドにステンレスを選んだのは、単純に色の問題である。内野氏も、洋白の色は好きではなかった。

 このステンレスは、SUS430であろうと思う。磁石に付く。それほど硬くないから、糸鋸で切れる。多少の油を付けると切り易いが、ブラスの2倍ほどの時間がかかる。切り粉は磁石で完全に集められる。

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2022年03月28日

続 糸鋸盤

 古いベルトは、ウレタンのオレンジ色の丸ベルトだったようだ。「ようだ」というのは、よく分からないからである。痕跡を留めないほど、劣化している。
 硬い消しゴムかと思ったが、多少粘り付く。そういう塊がいくつか見つかるが、ベルトの形はしていない。一度融けて液状になり、それが表面張力で丸くなり、重力との兼ね合いでまんじゅうのようになったのだろう。
 やはりウレタンは使うべきではない。

NBR belt-drive 今回買ってきたのはNBR(ニトリルゴム)である。これは耐油性で、そう簡単には変化しない。ホームセンタで、様々なサイズを手に入れることが出来る。紐を巻いて円周の長さを知り、そのサイズを買えば良い。円周長で10 mm刻みで売っている。安いものである。

 これで、3台の機械が専用機となった。博物館の作業台は十分に広いので、便利に使える。

 切り粉が飛ぶので、その処理を考える必要がある。また、ストロークが30 mm程度なので、刃の使ってないところがもったいない。折れたら、未使用部分を、ブラスの針金をハンダ付けして再利用するというのも現実的アイデアだろう。   

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2022年03月26日

糸鋸盤

coping saw attachment (2)coping saw attachment (3) 糸鋸アタッチメントを組んで、取り付けた。バランスウェイトが付いたクランクがあって、クロスヘッドで上下動に変換している。クランク部にはボールベアリングがあるので、摩擦が少ない。また振動も感じられない。モータの回転を、3段のベルトで減速して、元の1/16ほどにしている。我々が手で糸鋸を動かすのと同程度の速さだ。この程度の速度であるから、バランスが多少狂っていたとしても、ほとんど影響はない。 

coping saw attachment (1) 滑らかである。音がしない。こんなに静かに動くとは思わなかった。よく出来た機械だ。糸鋸の上半分を保持する部分は、弓をかなり切り捨てた。硬いバネをt 0.8のリン青銅板から切り出し、長く保持して取り付ける。先端の固定部(赤で示す)の設計中である。普通に保持すると、バネの曲がりで、鋸刃の付け根は疲労する可能性がある。そうすると、折れやすい。
 また、この種の板バネには、疲労しにくい材料が必要だ。リン青銅は、その点では最高の材料である。優秀なバネ鋼は手に入れにくいからだ。

coping saw bow 熱処理した薬研(やげん)型の溝を作り、ナイフエッジで承けて、多少の傾きがあっても張力だけが掛かるようにするのが理想だが、その必要もないかも知れない。伊藤英男氏の仰ったように12分持てば良いので、実験して差がなければ、簡易型で良いだろう。


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2022年03月24日

またまた Unimat SLの到来

 最近、遺品の始末について、ご遺族から問い合わせが多い。あまり関わりたくないが、「是非に」と指名して来られると、お断りするのは難しい。いよいよ應迎寺住職として永代供養をせねばならない時期が来たのかも知れない。

 先日も呼ばれて、かなり遠方に行った。故人は金工職人だったので、趣味で作られたものとは言え、素晴らしい作品があった。その行き先を探して差し上げるわけだが、機械、工具類も素晴らしい。どれもピカピカに磨き上げられ、50年以上使っていたとは思えないものばかりだった。素晴らしいマイフォードの旋盤と500 mmベッド のフライス盤(約200 kg)があった。どなたか興味のある方は、連絡されたい。筆者も20歳若ければ、手を挙げたかも知れない。条件としては、自力で土間から運び出して、トラックに積み込めることである。チェイン・ブロックが必要である。

 小さな工具類はどうぞお持ち下さい、とのことで、戴いて来たものがある。小物を作るのにユニマットSLを愛用していたそうだ。このユニマットは、最近は人気がなく、引き取り手が見つけにくいことはお伝えした。 
 かなりの改造が加えられ、使いやすくなっている。また、切り粉受けが付けられている。この機械はかなり古い。極めて初期のものである。ネジ切り装置を移植できればと思った。

unnamed 移植後の姿がこれである。簡単に組み換え出来た。ハンドルはアルミ合金で作ってある。プラスティック製は劣化するが、これは変化しない。初期型だけである。引き出しは、自作である。とても手際よく作ってある。

 チャックやライヴ・センタは防錆油漬けになっていたので、新品同様に輝いている。

 ネジ切りを外した機械は、とりあえず、糸鋸盤に改装してみる。オリジナルの設計では役に立たないので、少々工夫をせねばならない。


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2022年02月08日

切断機の整備

 遠藤機械の切断機の出入りが多い。最近はこの機械のディーラになったような気分になる。立て続けに古いものが持ち込まれ、処分を依頼される。ほとんど切れなくなったものもあるが、鉄クズで捨てるには忍びないので、再生させる。再生品はクラブ員などに世話することになる。

 刃がガタガタのものがある。全部分解して、刃を研ぐ。この種の刃は、当たり面を触ってはいけない。材料に接する面だけを研ぐ。荒砥、中砥と来て最後はアーカンソーで研ぐ。最初の二段はダイヤモンド砥石で研いだ。無茶な使い方をしていたらしく、刃こぼれがひどい。長時間研がねばならず、結局、ダイヤモンド砥石がタダの鉄板になってしまった。
 当たり面のカエリだけを擦り落とし、研ぎは完成だ。SK鋼の鈍い輝きはなかなか良い。

 刃が上下に滑る溝には薄い鉄板が入っていて、その厚さが切れ味を決めている。先回到来したのは、限界まで刃をせり出していた。しかし、その鉄板に当たって、それ以上刃の隙間を小さく出来なかった。 切れるようにするには、その鉄板を薄くする以外ないのだ。0.2 mm削って研いだ。組み直すと素晴らしい切れ味になった。こういう作業は、工作機械があればこそだ。 

 この切断機の駆動シャフトはΦ16であった。これもシャフトが軟らかく、ネジを締めると変形してハンドルが抜けなかったり、カムがあらぬ位相にまで廻り始めていた。
 こういうものは、工具なのだから、分解できなければいけない。分解整備できないようなものは、工具とは言えない。これも前回と同じで、普通の分解を諦めて、鋸で切断した

 硬いS45Cのシャフトを磨棒鋼屋で取り寄せてもらい、縦フライスで加工して、カムの取り付けネジの座を作った。また、折れないハンドルを付けるには、少し細くしなければならない。径を15.87 mm(5/8インチ)まで削って、キィ溝を彫った。磨棒鋼屋は、同じ材を何度も買いに行くので不思議そうな顔をしていた。 
 このS45Cという材はかなり快削で、旋削は気持ちが良い。あっという間に作業は終わった。ハンドルを付け、キィを入れた。キィはスルスルと入り、ハンドルは微動もしない。カムには派手な打痕があり、油が固まって汚いので、全周を研磨した。こういう作業は楽しい。

 出来たものを発送するに当たり、少々考えた。完全に衝撃から防護すると同時に、他への影響も小さくせねばならない。ダンボール箱の中でこんな重いものが踊ると、箱を突き破って周りのものを傷つける可能性もある。

Packing Shears (1)Packing Shears (2) 15 mmの合板を切って、ずれないように縁取りを接着剤と木ネジで付ける。切断機をはめて、ずれ留めをねじ込む。上からは、これも大きな合板を切って押さえを作り、載せる。こうしておけば、かなりのショックに耐えられる。一番上の合板が箱の内法と一致しているところが、ミソである。やや厚い合板の切れ端を大量にもらったので、ふんだんに使っている。

Packing Shears (3)Packing Shears (4) 箱に入れて押さえを載せ、蓋を閉めてテープ貼りをする。重いので、持ちにくい。太めのロープで2重に縛れば、運び易い。これで 24 kg強であった。
 重心位置を書いておいた。郵便局はあまりの重さに驚いたが、25 kg以下なので、文句はない。発送先には重い箱が届く旨、知らせておいた。先方は、この梱包を随分お気に召したようだ。  

 工具の整備は楽しい。切れ味が戻ると感動する。        

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2022年01月21日

大型のシァが到来

 全く予想もしていなかったのだが、よくコメントを戴く某氏から連絡が入った。
「24インチ(620 mm)のシァを買ってしまったのだが、家に持ち込むのを家族に拒否されている。博物館に置かせてもらえないか。」
 とのことだった。場所はあるが、重そうだ。130 kg位ある。切れ味は極めて良く、ティシュがスパリと切れることは確認した。

unnamed 軽トラックに積んできたのを降ろす工夫に頭を絞った。軽トラの荷台高さは600 mmだ。フォークリフトは無い。
 450 mmの頑丈な台を作って、荷台から半分ずらした。次は300 mm、150 mmという具合に片方ずつ下ろした。3人がかりで30分の作業だ。

 刃渡り620 mmは、Oスケールには便利な大きさである。86 ftの客車の側板も一発で切れる。今まではこのシァを持っている工場まで行って、切ってもらっていた。

 希望者は、長物を切ることができる。その時、某氏には寸志をお渡ししたいので、募金箱を置く。ご協力をお願いする。

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2022年01月15日

改良済 切断機

shear improved2 この遠藤機械の切断機は、ある方から委託されたものである。錆びて使いにくいものであった。古い製品を、完全に分解し、錆取り、再構築した。

 オリジナルの折れるかもしれないハンドルは捨て、レーザ切り抜きの新ハンドル、新たに硬いS45Cを削ったシャフト鋼板製テイブル、刃物用ステンレスから作った定規19 mm鋼板からレーザで抜いた足を組合わせた。現在考えられる最高の組合せである。

shear improved 4 mmの鋼板製テイブルであるから、材料をクランプで留めやすい。すなわち、定規で直角を合わせた状態で、間違いなく切断できる。1 mmのブラス板を切っても、確実に直角に切れる。切れ味は最高である。また、テイブルの角は、押し込んだ際、手を怪我しないように切り取ってある

 大切に使って下さる方にお譲りした。 

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2021年12月20日

コレット と 割出盤

 コレットが2つ付いていた。Φ4 と Φ6 を掴むものだ。ERコレットに似たサイズだが、取り外し用の溝がない。
 試しにERを嵌めてみたが、しっくり来ない。少し長いのだ。この旋盤専用のコレットを売っていたようだ。売れた数が多いので、その種の中古市場で手に入れたい。


Indexingindex teeth 割出装置があった。どういうわけか48分割一つしかない。奇数、素数のインデックス・プレートが欲しい。



 レーザで切り出して 、割り出し板を作ってみたくなった。17分割とか23分割のインデックスがあると面白そうだ。問題はホブである。インヴォリュートのホブを手に入れたい。
 おそらく、まともな刃物屋で作ると、17枚用と23枚用は歯形が異なるはずだ。高そうである。

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2021年12月18日

糸鋸、剣鋸盤

coping saw さらに戴いた部品を調べると、糸鋸盤がある。大きな剛性のある弓がついているので、それが上下するのかと思いきや、そうではなかった。堅く曲がりにくい糸鋸が、弓に取り付けられた鞘の中を上下する。要するに片持ちの糸鋸である。これは果たしてうまくいくのだろうか。鋸刃にはいつも曲げ応力が掛かる。少しずつ曲がるだろう。そうすると鞘からはみ出そうとする。鞘には丸い筒が嵌っていて、刃がはみ出さないようになっている。 付属の刃は、いわゆる木工用のものと同じ太さである。もちろん、材質・熱処理はずっと高級だ。
coping saw mechanism 後には弓の上端に板バネを付け、その弾力の範囲で、ぴょこぴょこと動くものがあったようだ。
 それよりも、最近、他社のものでよく見るコイル・スプリングのほうが安定するだろう。


sabresaw どうするか迷っているうちに、もう一つの付属品があることに気が付いた。それは剣鋸盤の部品であった。糸鋸盤のメカニズムを利用して短い剣状の鋸 sabre saw が出入りする。市販のジグソウを裏返したような物が、できるわけだ。これは使えるかもしれないが、その用途の剣鋸の供給は、すでに無いだろう。
 市販のボッシュなどの刃の根本を切り取って、試してみたい。うまく行けば活用できる。 

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2021年12月16日

丸鋸盤

circular saw 実は当博物館にはもう一つユニマットが来ている。伊藤剛氏の遺品である。これはよく使ってあり、心押台は磨り減り、ハンドルは欠けている。ハンドルを新たに挽き出して改装する計画があったが、手を付けてなかった。今回到着した部品の中に丸鋸盤コンヴァージョン・キットがあったので、とりあえず取り付けてみた。

 組立図を見ると、Φ60 または Φ90 の鋸刃が使えるようだ。中心の孔径はΦ16.0である。この孔径16 mmという規格はヨーロッパには多いが、アメリカ、日本ではまず見ない。近いものは15.87 mmである。すなわち、5/8インチである。これなら、高級な国産品が簡単に手に入る。

 それを採用するには、鋸のアーバ arbor(軸)径を少し削るだけであるから、簡単である。スピンドルに取り付けた状態で削るのだから、心も自然に出る。

 手持ちのプロクソンの丸鋸は、出力が小さく、2 mmのブラス板が切れなかった。これは出力が100 Wなので、楽勝のはずである。
 この機械は鋸盤としての専用機になりそうな気配だ。   

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2021年12月14日

ユニマットの品質

 1960年代から、ユニマットは雑誌に載っていた。子供の小遣いではとても買えないものではあったが、いつかは手に入れようと思った。    
 1970年代になり、Myfordを持っていた人が薦めたので、イギリス製を買うつもりであったが、思わぬことでオーストラリア製の小さな Sherlineを買ってしまった。アメリカに代理店を持っていたためだ。それには、いくつかのアタッチメントを付けて補助機として便利に使っていたが、貸出し先の神戸の友人宅で地震により壊滅した。

 80年代にアメリカで小型旋盤を手に入れ、Bill Melis氏の指導のもと、様々なものを作って楽しんだ。その後、日本に持ち帰って部品を取り替え、現在に至っている。

 その後ユニマットを見ることもなく過ごしてきたが、吉岡精一氏の遺品のユニマットを動かしてみて、その精度には驚いた。スピンドルの振れの無さ、各部のガタの少なさ、チャックの締り具合が最高である。
 その頃には粗悪な中国製の旋盤が上陸していたが、それらは比較の対象にもならない。国産品、米国製と比べても上回る精度であった。中でも、付属していたフライス用万力には驚いた。ガタはなく、鋼材は熱処理が完全で、とても硬い。 

 精密機械とはかくあるべき、という信念を持った人が作っている事がよく分かる。酒井のMLシリーズと比べても、一段上である。 


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2021年10月17日

続 マキタ・スライド丸鋸の安全部品

Makita LS1012 新型機のカヴァを外してみると、なんと旧型機と同じ形の部品でつながっているではないか。嵌め替えができるかもしれないと思い、やってみたら全く問題なく作動した。旧型機ではオレンジ部分が初めから無い設計であった。バネで戻していたが、新型の部品をはめると、より重くなっているので、自重で下がりやすく、都合が良い。(この写真は新型)

 営業所で聞いたときには、「供給打ち切りで部品がない」の一点張りで、取り付く島もない状態であったが、「簡単に解決できた」とメイルを送ると、営業所長が来て詫びるとともに礼を言った。
「驚きました。まさか嵌るとは思いませんでした。この方法は使えますね。」
と言う。マキタの本社にもメイルを送り、このことを知らせた。全国の営業所に、
「古い機種の壊れたカヴァを、新型の部品で交換できます。」
という掲示を出すように求めた。わずか1000円弱で買えて、今までよりずっと調子の良いカヴァである。

 機番が変わると、共通点はないと思ってしまうのだろう。しかし設計者は、新型になっても使える構造はそのまま使いたいはずだ。今回は見かけも変わっていたので、共通使用ができるとは思わなかったのも、多少は理解できる。しかし、労働災害を防ぐという観点から見ると、古い機械を使っている大工も多いだろうから、少しは頭を使うべきであった。

 この道具は、正確に木材を直角に切るときには不可欠であるから、クラブの会員が使いに来る。鋸刃は常に目立てに出して、切れ味を最高に保っている。あまりにも簡単に正確な仕事ができるので皆驚く。筆者の木製の貨車は、全てこれで直角を出している。

 下手な道具で悩むより、良い道具を持ちたい。最近は旧形式がヤフオクなどで非常に安く手に入る。刃は、新品を買うと極めて高い。目立てに出すべきである。近くにお値打ちにやってくれるところがあるので、頻繁に出している。鋭い刃で切ると、かんなを掛けたようにツルツルになる。

 引金から手を離すと、自動ブレーキが掛かって安全だが、ブレーキの効きが甘くなったときは、カーボンブラシの摩耗である。取替部品がある。似た部品をヤスリで削ってサイズを合わせて使ったことがあるが、問題はなかった。 


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2021年10月15日

マキタ・スライド丸鋸の安全部品

 sliding compound miter sawと言うらしい。1980年代に生まれた木工機である。

 それまでは、垂直に立った軸に直角のアームがついて、その腕にレイルがあって鋸刃が水平移動するものしかなかった。アームを廻せば斜め切りが出来る上に、鋸刃を傾けることも可能で、便利な道具であったが、持ち運びは不便で、重かった。それは、radial arm sawと呼ばれた。
 アメリカではよく使わせて貰い、便利なものなので、それを買おうと思っていた。そこに、このコンパクトなスライド・ソウが売り出された。日立とマキタから出た。小さくて軽いが、幅の広い材を一発切断できるばかりか、鋸刃を傾けることができるので便利である。ラジアル・アーム・ソウには負けない性能を持っていたので、アメリカでは大人気であった。営業所が近くにあったのでマキタを買った。

Makita LS1011 家を建てるときには大いに活躍し、その大工にこの道具を貸したので、都合3軒建てることに貢献したことになる。その後、塀を作り、デッキを整備した。自宅のレイアウトの建設、家の増築その他に大活躍をした。ところが使い過ぎて透明な保護カヴァが疲労して欠け、危ない状態になった。緑の部分が欠けてなくなってしまい、そこは握りに近いので危なくて使えない。注意力が低下すると指が無くなる可能性があったので、使用を中止し、新型機を手に入れた。新型は更に性能が向上し、使いやすくなっていて、博物館建設に大活躍した。

 旧型機の安全カヴァが手に入らないかと営業所に持っていったが、2008年に部品供給が終了して、修理不能だと言う。それは仕方がないが、この部分にカヴァがないのは、現在は違法らしい。安全基準を満たさないから、建設現場では使ってはいけないのだ。しかし、本体は全くヘタっていないので、もう少し使いたい。

 写真の下にあるバネは、当初のカヴァの復元バネだ。押し切るときはリンクで押されて開き、戻すと強制的に降りて閉まるようになっていた。

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2021年09月27日

補強板を作る

 先回の ”girth” を作るときは、シアとリヴェット打出し機を使った。先頃導入のシアは、このような同じ幅の板を切り出すのに便利である。あっという間に出来る。

riveting machine2riveting machine リヴェットはこの器械で打出した。最初は x,y の座標で位置決めする大掛かりな機械(英国製)で打出し始めたが、何回か間違えたので、それは断念した。この器械では奥行きを制限しているが、左右は手で滑らせる。金属板にケガいても見えにくいので、ガイドの上にテープを貼り、それに目盛りを描いた。実に簡単で、あっという間に4本できた。

 リヴェットを打出すと、t 0.3のブラスの板は反るので、金床に置いてゴムハンマで凸部の上から叩く。数回叩くと真っ直ぐになる。
 45度切りは、シアのテーブル上に引かれた線を使った。極めて楽である。 

 接着はエポキシを用い、錘を載せた。その時、位置がずれるのを防ぐために、マスキングテープで仮留めした。わずかに反った状態で、中心付近をブロックで押さえて錘を積み、5分待てば出来上がりだ。
 この状態で点検し、はみ出した接着剤があれば取り除く。まだ軟らかいので、可能である。 

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2021年04月20日

truck tuner

 新しく作った焼結ナイロンの台車の軸受内部は、ざらついている。この部分をさらって、新しいナイロン面を出さないと摩擦が大きい。表面は染色してあるが、内部は白く、緻密である。削って滑面を出す必要があるのだ。精密に作られたステンレス製ピヴォット・コーンとの摩擦は非常に少ない。また、ナイロンは硬いので軸重を増やせる。以前の基準ではPOM(ポリアセタール、デルリン、ジュラコンなど)では軸重100 gを限度としていたが、150 gまで認めることにしている。

truck tuner2 この工具は以前にも紹介している。最近いくつか製作依頼があって、作った。この種のものは一つだけ作ると、大変な手間がかかる。綾目ローレットを掛けた材料がなくなったので、作らねばならなかった。買えばよいのだが、量が少ないと買いにくい。丸棒から作るのは楽しいので、たまにやる分には気分転換になる。

truck tuner 下のものは、以前紹介したHO用を延長したものである。テーパを削ってつるつるに研磨する。コレットで逆に銜えてセンタ穴をあけ、 ドリルで穴をあける。リーマを入れて内部を滑らかにし、ガラスドリルの軸を切って差し込む。先は少し削っておかないと、リーマの喰い付き部分のテーパで引っかかる。長さを確認して、必要ならば調整する。

 よく洗って油気を取り、エポキシ接着剤を入れ、ドリルの軸を差し込む。簡単そうに見えるが、精密に作ってあると、ここで引っかかる。内部の空気が出ないのだ。ドリル軸にダイヤモンド・ヤスリで縦溝を付けるのを忘れたからだ。横から細孔をあけておくのも良い。四苦八苦して所定の深さまで押し込み、1昼夜保持して完成だ。

 このガラスドリルは切れ味が良く、アッという間に彫り込める。また角度が良く、摩擦が少ないと同時に、寿命も長い。


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2021年03月29日

続々 ER collet

 ERコレットの精度の高いものは、所定の軸を入れると抜けて来ないようになっている。よくできている。
 例えば、Φ6 のコレットに Φ6 のエンドミルを差し込んでも、落ちて来ない。すなわち抜け落ちた時、万力に当たってしまって刃が欠けるということが無いのだ。

 振れが大きいものは、当然不良品だ。それ以外に駄目なものがある。クランプナットの偏心した留め輪にひっかからず、ナットを緩めても抜くことができないものがある。これでは話にならない。これは、コレットよりもナットに問題がある場合が多い。

 いくつかの販売サイトで買ってみたが、アメリカの店経由で買うと、変なものにはまず当たらない。台湾の店も良い。ところが、中国から直接送って来るのは、ハズレが多い。
 これにはいろいろなファクタがあるだろうが、一つだけ言えることは、アメリカ人は駄目なものには駄目と言って、返金を要求する。ところが日本人は、駄目でも簡単に諦めてしまうことが多いからだと思う。おかしな商品が来たら、直ちに抗議して交換を求めるべきである。クレジット会社に言って支払いを止めるのが効果的であろう。

 最近は、中国のサイトは全て日本語表示で、怪しい日本語のオンパレードだ。その中に、”春コレット”と書いてあるものがあったそうだ。間違っていたのは、訳だけであったかどうかは分からない。

 ER コレットは使い易く、精度が高いが、切り粉を噛みやすい。外したら、歯ブラシで丁寧に内外を払い、注意して組み直すようにしたい。また、コレット、コレットホルダー、クランプナットには適宜注油しておく必要がある。 

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2021年03月25日

ER collet

 旋盤でいつも心を出して掴もうと思うと、コレットで掴むしかない。コレットは各種あるが、特定の径の物しか掴めないので各種の径の物を多数持たねばならない。
 ERコレットはいわゆる spring collet であり、多少の誤差があっても平均して収縮するので、1 mm程度のピッチで揃えていれば、いかなる径の物でも掴むことができることになる。この8度、30度のテーパによって平均的に縮みながらワークを把持する。パイプも潰さず掴めるところが有難い。

 模型人が使う頻度の高い軸を掴むのなら、ER11(Φ7まで)、あるいはER25(Φ16まで)のセットを持っていると良いだろう。コレットはクランプナットに斜めに押し込まれると、内部の偏心した留め輪に引っ掛かり、抜けて来ない。これは卓抜したアイデアである。

 コレットの嵌め替え時に、探すのは時間の無駄であるし、無くす可能性もある。コレットは一覧できるようにすべきである。

collet turret for ER25collet holder  ER32 筆者はER25用のセットを回転するホルダに入れてある。大きなER32は、堅木で傾けて作ったホルダに入れ、取り出し易くしている。 

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2021年03月21日

続々々々 アメリカ製の切断機

 実のところ、到着時にはすでに刃は傷付いていた。固定刃に乗り上げてしまって降りない状態なのに、無理に押し下げて、"Shipped tested"(検査して出荷)と称している。どうしようもない組立工がいるのだ。
 定盤上で、1200番のサンドペーパで研いで平面を出し、2000番の砥石で擦った。この作業で2/100ミリ強薄くなった。刃物を研ぐのは好きであるから、時間を掛けて行った。
 これらの刃を取り付け、きっちりと位置合わせをすると、素晴らしい切れ味である。

back stopper この切断機の特長の一つに、可動刃の裏側のストッパがある。そこまで(緑の線の高さで)材料を突き当てて(黄色矢印の深さまで)切り落とすと、同じ幅のものが大量に簡単にできる。深さ寸法は0から始められるところが優秀である。
 ストッパの回転軸の高さ(オレンジの線)が絶妙で、押しても逃げないが、刃を下ろすと逃げるようになっている。バネで逃げるのだ。うまい工夫だが、可動刃は斜めに降りるのだから、ストッパがプラットフォーム方向から見て水平であってもよいのか、詳しく調べてみたい。回転軸にはわずかのガタがある。それには害があるのか、それともそのガタが有効に作用している可能性があるのか、まだ判断できていない。
 深さの目盛りは、ミリとインチの併用であるのは有難い。

 リン青銅板を正確な幅に切り落とせるから、重ね板バネが簡単にできる。窓枠の部材切断なども簡単だ。

slide 切り落とした小さなものが奥に入ってしまうと取り出しにくいので、滑り台を付けた。滑りの良い洋白の板を、少し曲げて貼り付けただけである。切ったものが滑り出して来るのを見るのは面白い。         


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2021年03月19日

続々々 アメリカ製の切断機

slack 可動刃のブロックである。本体のスロットにはめ込むと微妙なガタがある。矢印がそのガタである。その分だけ刃が前に出る(この写真では左に行く)と、固定刃に当たる。乗り上がって自壊するのだ。 
 可動刃が、上下するスロットの中で一番奥(右へ)に押し込まれて、手前に出て来られないようにする必要がある。
  
wavy shim 薄い洋白の板を短冊にして、はさんでみた。0.1 mm厚では足らない。0.15 mmでは少し苦しい。こういう時は、0.10 mmを波状に細かく折ってから、平らな金床上でゴムハンマで叩き伸ばす。折ったところは微妙に曲げ跡が見えるが、押せば凹む。すなわち極めて薄いバネを作ることができる。これを隙間に押し込んだらぴったりで、何もしなくても固定されてしまい、なおかつズレて出て来ることもなかった。刃は滑らかに降りる。

 次に、刃当たり調節ネジを少しずつ締め、刃が無理なく降りて剪断するかどうか確認する。祖父江氏の言うように、ティッシュをはがした1枚を置き、それがスパッと切れるようにするのだ。クラインシュミット氏も同じことを言っていた。
 今度は反対側を締めるが、こちらでは固定刃により、可動刃はスロットの中で後ろ側に押し付けられているから、洋白の短冊を押し込む必要はない。すでに刃は降りているので、コジることが無いようにするだけである。少しずつ締めて様子を見る。この締めネジはつぶれていて困ったが、M6ネジであることが判明した。鋼製に取り替えれば安心だ。アメリカでもメートルネジが増えてきたのだ。車の影響だろう。

ネジ山破損 H氏からお知らせ戴いたが、ネジを切り忘れたところがあり、それにネジ込まれていたので、外すのにも苦労したそうだ。写真を送ってくれた。M6のタップでネジを切ったという。ネジ切りの深さが足らないところもあったそうである。

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2021年03月17日

続々 アメリカ製の切断機

 バリではないが、キサゲを掛けていないので、刃の固定が怪しいということもあった。可動、固定の両方の刃が鋼製ブロックにはめ込まれ、ネジで固定されるが、その接触面は機械で削っただけである。手仕上げはなく、フライスの刃が切った面そのものを黒染めして刃を締めてある。これでは、メクレで微妙な浮き上がりが生じ、ネジを締付けても、刃の平面性が保証されない。おそらく微妙にすり鉢状に締まるはずだ。

hand scraping 台に固定し、バイトに”のみ”のような握りを付けたキサゲで時間を掛けて仕上げた。部分的に虹のように光る。こういう仕事は、昔見せてもらったことがある。油を付けて撫で、違和感を感じなくする。刃を置くと吸い付いて取れなくなる。好きな作業でもあるから、時々やる。概略の平面は機械が出しているので、微細なメクレを取ることが目的だ。サンドぺーパを当てるとそこが凹んでしまう。あくまでも出ている部分を無くすことに傾注する。
 プロは、1/100ミリの凹凸でも指先で感じるそうだ。筆者は3/100ミリ程度しかわからないだろうと思う。 

 刃を外し、丁寧に研いで取り付けた。彼らが使っている機械の精度は素晴らしいと思う。しかし、わずかの手仕上げが足らない。キサゲでなくても、砥石で擦るだけでも良かったのだが。

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2021年03月15日

続 アメリカ製の切断機

shear 1 もう一つ、根本的なミスがあった。
 刃当たりを調整する送りネジがある()。それはステンレスネジであった。筆者はステンレスネジは原則として使わない。伸びたりつぶれたりするからだ。ネジ穴から抜けなくなることがありうる。この写真の()は先回の面取りの足らない部分である。
 今回の送りネジは、締め込んで相手の鋼製ブロックを押すのだが、馬鹿力で締めた跡があり、先端がわずかにつぶれて太くなっていた。ネジがつぶれると太くなると同時に、ピッチが狂うから始末に負えない。こうなると緩ませて抜くことは不可能だ。こういうところには、鋼製ネジを使わねばならない。仕方がないから、時間を掛けて先端のネジ溝をヤスリで削って拡げ、抜き取った。ひどい話だ。

 このステンレスはオーステナイトと云う状態で、塑性変形が起こりやすい。力を掛けてはいけないものなのだ。ステンレス・ボルトで締めると時間が経つと緩むのはこのせいだが、日本ではそんなことはお構いなしで、あちこちで使われて事故を起こしている。
 近所で上水道の大規模水漏れ事故があった。交通を遮断して掘り返すことになり、自治会としての立ち合いを求められた。見るとおバカなことに、このステンレスボルトが使われていた。水道事務所の工事担当者は、
「緩んでいるのは不思議だ。締め付けトルクの記録もあるのに。」
と言うので、このことを教えたら大変驚いた。
 後日上司から感謝の電話があった。今後すべてのステンレスボルトを、順次高張力ボルトに切り替えると言っていた。ついでに濡れるところではステンレスと鋼とを混用しないように釘を刺した。今まで税金をドブに捨てていたのだ。世の中こんなものらしい。

 アメリカ製の物で、間違って使われているのを見るのは初めてだ。アメリカ人はステンレスボルトを使うのに、ためらうことが多い。いろいろな弊害を知っているのだ。これはおそらく、指示間違いであろう。

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2021年03月13日

アメリカ製の切断機

 複数人でアメリカから取り寄せた切断機について書きたい。動画を見て、設計の妙に驚き、注文した。日本製のものにはない工夫が凝らされ、どうしても使ってみたかった。過去に遠藤機械製の切断機を改良する工夫はしたが、根本的に異なる発想から出てきた製品を見たかったこともある。
 消費税の10%を逃れる術はなかったが、たまたまセールで割安であったのと、多人数で運賃を割って大幅に節約できたのは有難かった。今回の幹事は、このブログにもよく登場するF氏である。

 生産地のオクラホマは、未曾有の大雪で交通が1週間ほど遮断され、発送には時間が掛かったが、無事に到着し、F氏の献身的な努力で無事配送された。一つだけ部品が足らなかったが、電話を掛けてすぐに解決してくれたのは有難かった。

Shear1 鋼製の本体に、硬いアルミ合金製のプラットフォームと足が付いている。黒染め処理で美しいが、作動状況は芳しいものではなかった。可動刃が微妙にせり出しやすく、固定刃の上に乗ってしまう。そのまま押し込むと刃がへたり、修復が難しい。上の可動刃を安定させ、一定の位置で降ろすようにせねばならない。何度も分解して検討した。この写真では乗り上げていない。ちらりと四角の金属板が見えているのは、後述するバネを兼ねたシムである。 

 問題点はいくつかあった。
 設計は素晴らしいと思う。しかし、クラフツマンシップには大きな疑問点があった。良いものを作って、客を喜ばせようと考えているようには、見えない。工員の質が悪いのである。
「言われた通りに組んだから、これでいいだろ?」と言わんばかりだ。

 分解して気が付いたのは、バリが取ってないところがあることだ。面取りが不完全だから、直角に仕上げた入隅に押し付けても、隙間から光が透けて見える。密着させるためには、双方の面を良く仕上げるのみならず、出隅の角の面取りを念入りに行う必要があるのは常識だ。また、削りクズが残っていて、はさまっている。


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2021年01月30日

圧着工具

 最近は電気工事ばかりしている。信号機周りはハンダ付けが多いが、路盤下の配線は圧着端子が多い。
 以前、この工具が原因で拇指の脱臼が始まった。それ以来なるべく使わないようにしていたが、使わざるを得ない時がある。そういう時は床に立てて、体重を利用して押していた。そうすると、不安定でなかなか難しい。

crimping tool 台を付けてハンドルを太くすれば楽に押せるし、体重を掛けても問題ないだろう。自分で熔接しようと思ったが、体重を掛けるものを下手に熔接すると、外れたときに大けがをする。ここはプロの腕に頼ろうと、友人の鉄工所に行き、図面を渡してお願いした。
 すぐにやってくれたので、さび止めの黒い塗料を塗っておいた。

 安定が良く、使いやすい。どうしてもっと早く、こうしなかったのだろうかと、悔やまれる。整形外科の先生は、工具の現物を見て、
「これは良くない。こんなに手を開いて力を入れれば、関節が壊れるのは当たり前だ。」
と言った。圧着工具はもう一つあるので、それは小物を付けるときに使う。どうしても手に持ってやらねばならないこともあるからだ。細い端子なら取っ手の開きも少なく、安全な範囲にある。

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2020年09月28日

車輪を抜く

custommade 動輪などを抜く台は、錆びやすいので油を塗ってポリ袋に入れてある。それを見て、欲しいという人が居たので、鉄工所に注文して作ってもらった。右は既存のもので、チャネル材を平板に伏せた形である。左が今回作ったものである。上の板を薄くしている。さすがはプロの熔接で完璧である。

custommade2 寸法は似ているが、「軸箱フランジを大きくし、表の板を薄くしてほしい」と言うので、t4.5の板の裏側を一部えぐり取った。この写真では、左だけを裏返している。
 面板が比較的薄い板であるので硬い材料にしたかったが、工場で手持ちがなかったそうで、SS(普通鋼)にした。撓むといけないので、僅かではあるが支えを入れた。この支えは効く。単に側面だけを熔接したのでは凹んでしまうのだ。

 この種の補助具を用意せずに車輪を外したりする人が多いが、フレの元である。例の”コンコン改軌”などは決して褒められたものではない。HO用でもある程度まとまれば作れる。希望があれば、皆さんで相談して寸法を統一されると良い。クラブなどで数をまとめて戴くと有難い。

 プレスをお持ちの方は少ない。完成品を買う金があったらプレスを買うべきである。一度使えば、他の方法など考えられなくなる。便利なものである。


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2020年04月21日

切断機のカスタマイジング 追補

 むすこたかなし氏が切断機のテイブルで手を切る可能性があることを示唆された。なるほど、ハンドルに丸い握りゴムを付けている人にとっては、無視できない話だ。筆者は電車の断面のようなカマボコ型にしたので、握らずに手の平で押し切っていた。
 
metal cutting saw (5) テイブルの 4 mm鋼板を糸鋸で切るのは体力的に避けたい。思い付くのは丸鋸である。最近はチップソウというものが安くなってきて、超硬の刃(チップ)を付けた金属用丸鋸が廉価で手に入るようになった。鉄筋などを簡単に切ることができるので、工事現場ではよく見る。

metal cutting saw (4)metal cutting saw (1) 鉄骨を熔接したものをばらす必要があって、この刃を買ってあった。30 mmのアングルならあっという間に切れる。この程度の鋼板もすぐ切れる。実際3秒弱で切れてしまった。角度が悪かったのでもう一度切り、計15秒ほどである。近所の人が見ていたが、その速度にはとても驚いた。
 切粉は焼けたのが飛ぶので、下に敷いたポリエチレンシートに喰い込み、穴だらけになった。

metal cutting saw (3)metal cutting saw (2) 刃の設計は巧妙で、押し込んでも一回に切れる量は変化しない。サーメットのチップを使っている。驚くべき切れ味である。もっと薄い歯であればブラスも切るのだが。切粉は箒と磁石で集めた。フィリピンで日本企業が作っている。
 切り口の鋭った角はディスク・グラインダで落とした。

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2020年01月30日

ボールベアリング

 重いフライホィールを確実に支え、摩擦を少なくするにはボールベアリングを取り付けねばならない。この大きさからすると 5 mm軸はやや細いが、なるべく小径にしたい。静止しているものではなく、走る車輛だから事故を起こす時もあるだろう。その時に壊れてはならない。丈夫な軸受にスラストベアリングと共に取り付け、ラジアル方向だけの力だけを受け持つようにした。

stopper 基礎になる1.5 mm厚の板に、厚さ6 mmのブラスの板をハンダ付けしたものを、前の軸受にした。本体の床板と合わせて、底面の厚みは2.5 mmとなるから、十分な剛性である。支えも付けて、耐衝撃性を持たせた。この支えの材料は廃金属商で買ったブラスの円盤で、直径は75 mmあった。あいていた穴には、 6 mmの棒を通してハンダ付けして埋めた。
 メタル・ソウで円盤を平行に切って生じるかけらを、支えにしたのだ。ハンダ付けは銀ハンダで確実に付けている。こういう仕事はガスバーナーで念入りに行う。ハンダは完全に浸み込み、合金層は薄いからとても強い。ロウ付けと同等の強度だろう。母材が焼きなまされないから、結果としてはこちらの方が強いであろう。後ろの支えは、支えを付けたものをネジ留めした。スラストベアリングを挿んで取り付ける。

installing ball bearing ボールベアリングは、専用工具で埋め込み、予圧を掛けてスペーサを固定する。これは日本製のベアリングであって、極めて静粛である。某国製のベアリングには、シャーと音がするものがある。こういう高回転で重負荷の物には、とても使えない。

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2019年12月29日

リーマ

reams reamer と綴るが、アメリカ人の大半はreamと言う。なぜだろう。

 先日博物館に来てくれた友人(日本人)にリーマを見せたら、「始めて見た」と言った。これには驚いた。
 今までドリルで孔をあけて、軸を通したと言う。それではいけない。リーマを通さなければ、軸受にならない。油膜が切れてしまうからだ。

 筆者は1 mmから12.7 mmまで、かなりたくさんのリーマを持っている。シャフトを通すところには全て必要だ。傷をつけないよう、大切に保管している。
 継手など旋盤で作っても、その内側を平滑にしないとシャフトが通らない。ミシン油を塗って組む。油膜が必要である。

 ドリル寸法が公称値よりわずかに細いことは、知られている。即ち、ドリルで孔をあけてもシャフトは通らない。リーマを通す前提になっている。使っているシャフトの寸法のリーマは持つべきだ。

 ロックタイトを使うときも、リーマを通して滑り込みにし、そこに浸み込ませると世話が無い。その程度の隙間に入るように設計されているからだ。

 圧入する時は微妙に細いリーマを使う。リーマは 1/100 mmピッチで揃っているし、特注寸法も買える。ドリルであけただけではダメなのである。
 昔何かの記事で、ドリル孔をそのまま使えば、細いリーマを使ったのと同じ効果で圧入に使える、と書いてあった。これはとんでもない間違いで、拡大鏡で孔の内側を見れば、あまりにも違うので驚くだろう。2枚刃のドリルではまっすぐ正確な孔があく訳がない。細密工作が自慢の方達なのが、基本的なことをおろそかにしている。
 圧入用の少し細いリーマは、特注しても3、4千円程度で買えるものである。

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2019年11月23日

続 遠藤機械の切断機ハンドルを取り替える

recipro saw 2台目の修理は、まず回転軸を切断することから始まる。砥石で切るつもりだったが、埃が出るのと、火花で火災を引き起こす可能性がある。レシプロ・ソウで切ることにした。たまたま良く切れる刃を入手してある。写真の軸の下に敷いてある合板は、切断した瞬間に刃が下に落ちて、傷をつけるのを防ぐための保護板である。 
 相手は軟鋼だから、30秒ほどで切れる。もちろん切削油はふんだんに注す。

 2箇所切って、カムを取る。片方は簡単に取れたが、他方は動かない。しょうがないから、12トンプレスで押し抜いた。2.5トンほど掛けたら、取れた。これでは、叩いても動かないわけだ。

619_1462 取り出した軸を見てびっくりした。押しネジが少しずつずれて軸が塑性変形している。軸が軟らかいからだ。このように軟らかいものに押しネジを使う時は、縦フライスで十分な平面を作る必要がある。ところが、浅い穴をドリルで掘っただけだから、ずれていくことがある。筆者のように1mmを大量に切る人は傷みやすい。この写真で、片方は数年前に縦フライスで修理した痕が分かるだろう。
 
 今頃になって思い出したが、その時も抜くのに苦労した。ついでに両方やればよかったのに、片方しか加工しなかったバチが当った。軸が膨らんでいるので、プレスで押し抜いた時に、カムに ”めくれ” が生じたのが見える。

Finished! 新しいハンドルは、すぽっと嵌まり、キィを入れると固くなる。うまく行った。これもハンドルの、手に当たるところは削っておいた。テーブル上のものは切り落としたシャフトだ。軟らかいから叩く台にもならない。切り刻んでウェイトにするしかない。


Finished!! これで2台完成だ。この2台の仕様は、すべての点で異なる。カムの留めネジの角度まで違うから、部品の流用はできない。互換性ということを一切考えていないのだ。一台は自宅に持って帰る。

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2019年11月20日

遠藤機械の切断機ハンドルを取り替える

 頒布元が仮組でもたついている間に、早速組み立てた人がいらしゃる。二日遅れで、筆者も組み立てた。

 ハンドルの孔の内側を仕上げるのは簡単だったが、回転軸を外すのは大変だ。材料がナマクラで、抜こうと思って叩くと太くなる。
 もちろんブラスの塊を当ててから、sledgehammer(大ハンマー)で叩く。そうしないと軸は変形する。助っ人にブラス塊を保持してもらって、10ポンド(4.5 kg)のでゴンとやるのだ。
 
 ある程度まではズレるが、その後が動かない。逆方向に叩いたりしているうちに、軸の先端が太くなってきたことに気が付いた。軟らかい金属塊を当てているのに、である。ひどい話だ。この材料はごく普通の軟鋼である。S45Cではない。修理ができないような材料を使っているのは、だめだ。
 仕方がないから、大きなヤスリで軸端を少し削り、軟らかい材料のボルトを差して叩いて、それで押し抜きした。12トン油圧プレスがあるのでそれで抜くつもりだったが、ふところがあと 30 mm足らず、その方法は諦めた。

 S45C の 5/8 インチの丸棒を注文するつもりだ。今のままでは、押しネジの当たっているところが、徐々に変形してまた抜けなくなる可能性が高い。現在のは、ディスクグラインダで真ん中から切って分割すれば、抜き取れるだろう。ご希望の方があれば、同時に注文すると割安だ。

 ハンドルはちょうど良い大きさの孔に調整できた。軸に縦フライスで5mmの溝を切った。細いエンドミルで中心を削り、両側をゆっくり送って削り、滑らかに仕上げた。

tapping with mallet 組立ては木槌でコンコンと叩いた。ハンドルもキィも、そこそこの固さで入り、軽く納まった。
ということは、抜くことも難しくない。



finished ハンドルはある程度、ディスク・グラインダで削ってみたところ、手に優しい感じである。面積が大きいので圧力が少ないためであろう。丸棒よりずっと気分よく切れる。ちょうど裾の絞ってある電車のような断面になった。黒い箱はLED照明の電池箱である。
 
 とりあえず、ペンキを塗ってみる。その上に何を被せるかは思案中だ。被せなくても構わないような気もしてきた。
 1台完成だ。あと1台が難物なのだ。どうしても抜けないのである。軸を切り刻んでバラすしかない。


 ハンドル購入者から連絡があった。なんと、その方の回転軸はΦ16だったという。5/8インチより 0.13 mm太いのだ。ハンドルの穴を拡げねばならないが、大変だ。軸を旋盤で挽いて、細くすることができるから、それをやってみよう。
 申し訳ないことをした。まさかそんなヴァージョンがあるとは知らなかった。この会社の製品には、一体何種類のヴァリエイションがあるのだろう。



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2019年11月18日

工作機械とジグ

 先日来訪した友人が一通り見て、質問した。
「一体何輌あるのか?」
「ざっと機関車が40輌、客貨車が400輌位だろうか。ここにある機関車の大半は土屋氏から来たものだけどね。家には自分の機関車が40輌位あるかな。未完のものもかなりある。」
 この数字には驚いたらしい。

「20代から、機関車は年に1輌、貨車などは月に1輌という目標でやってきたから、そんなものだよ。」
「どれも、みな押して動くようになっているのか。」
「動くよ、ほら。」と何輌かの機関車を押した。
「やらせて貰って良いか。」と聞くので、
「どうぞ。」と許可した。
 UP9000を押して、彼は仰天した。
「こんなに軽く動くの?ギヤが外れているみたいだ。」

 120輌の貨物列車を牽いている時に、登り坂で停まると滑り落ちてくるのには興奮した。
「三条ウォームは逆駆動できるとは知っているけど、こんなに軽く動くとは思わなかった。」
歯型潤滑剤が大切なのだ。歯数も考慮しないとだめだ。手で廻して軽く回るから満足するようではいけない。十分な負荷の掛かった時に、本当に等速運動できないと意味がない。」と言うと、
「そこまで考えないと、この性能は出ないのか!」 と感慨しきりであった。それと走行音がほとんど無いのにも、驚いたようだ。機関車は事実上無音で走る。車輪とレイルの転動接触音だけである。ギヤ比が小さいことも貢献している。伝達効率が良ければ、低ギヤ比に出来る。高ギヤ比は様々な点で損である。

 工作機械、ジグをたくさん用意している事について説明した。
「TMSの100号から300号あたりに沢山の記事があるけど、あの凄い記事に出て来る機関車を走らせても、真っ直ぐ走るのは少ないよ。」と言うと、
「そうかもしれないね。当時は旋盤を使っていないからね。」と納得した。

 ジグの大切さには共感してくれた。quartering jigを使わないで組まれた動輪が、うまく作動するはずがないのだ。
 プロは手間がかかっても、必ずうまく行く方法を採る。素人は、殆どうまく行くはずの無い方法で作って、泣きを見る。そういう意味では、この種のジグを持っている人が仕事を有償で請け負うことは、模型界のためになるはずだ。決して自分だけのために秘匿すべきではない。
 但し、すべてのジグが正確に90度を出せるか、ということは別問題だ。つまり、あるジグで組んだ動軸を、他の物と混ぜると、具合が悪くなることもあるだろう。それぞれのジグによって、何らかの印を付けるべきかもしれない。そうしておけば、”X氏のジグによって組まれた動輪は、Y氏のとは互換性がある”、などということも分かるようになる。


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2019年10月29日

Driver Quartering Jig

MR quartering 崖製作のお手伝いに来て戴いた F氏から、quartering のアイデアが古いModel Railroader '61 10月号 に載っていると、連絡があった。
 
 この手法では、HOの機関車加工を考えている。クランクピンをネジで締める方式でないとできないから、Oスケールでは使えない。クランク角を90度にするよりも、むしろすべての動輪のクランク角を等しくすることに重きを置くべきである。

 抄訳(筆者の注釈付)を載せると、
 ‘偉悗離丱奪ゲージの長さの丸棒を用意する。
  直径はフランジ径よりも大きくなければならない。
  輪心部分は少し凹ませておく。
◆90度にケガキ線を入れる。それを他方にまで延長する。
 反対側にも同じ位相でケガく。
ぁ―住線は、異なるクランク半径の動輪のために余分に描いておくと良い。
ァヾ殍世房崋瓦同じ太さの孔を貫通させる。 
Α‘偉惻憾把衢僂離優弦Δ鮑遒襦動輪軸より太い留めネジを使うこと。
А‘偉惻瓦鮹γ緲僂垢襪燭瓩旅造鯢佞韻襦
  糸鋸、ヤスリで削っても良いが、フライスで削り取るのが楽。
➇ 動輪のクランクピンのネジ孔位置にドリルで穴をあける。 
  ネジ山に当らない太さのドリルを使うこと。
 反対側にも穴をあける。
以降はどうでも良いことだが、孔を貫通させておくと便利(ジグのAB線上の孔を貫通させておくと、目視でクォータリングができるし、動輪にクランク孔がない場合に新たにネジ孔を作るガイドとしてのジグにもなる)とある。

 発案者は機械工らしく、簡単にできるように書いてある。しかし、これを間違いなく作るのは、かなりの腕前と設備とが必要である。ジグは丸棒を切った物を正確に加工して作る。大きなコレットがないと難しそうだ。卓上旋盤の四爪では、切れ目を入れてからは、どうやって掴んでもうまく行かないような気がする。

 腕に自信のある方は挑戦して戴きたい。ここで一番問題となるのは、ネジ穴の中の山の部分にちょうど接触するが、ガタの無い寸法のドリルがあるかということである。僅かに太いものを使って、ネジ山が削れるのは良いかもしれない。その代わりすべての動輪のクランク穴にそのドリルを通しておく必要がある。

 この技法を見ていて感じるのは、垂直に削り、垂直にドリルで孔をあけられる技量を持つまでには、かなりの修練が必要であるということだ。筆者は、二回くらいは失敗せねば、出来ないような気がする。

 このジグを持つと、組立てた動輪の踏面の切削にも使える、とある。その場合は、ジグごとコレットで掴むことになる。あるいは、心を出して掴むための他の工夫が必要である。大きな旋盤でないと難しそうだ。Δ離優犬2本以上あれば、四爪チャックでも掴めるかもしれない。ネジが1本では、片方の端を強く掴むと歪んでしまう可能性がある。

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2019年10月21日

quartering jig 2

quartering jig USA2 アメリカで入手したジグはこれである。作者はクラインシュミット氏ではない。彼の家で同じようなものを見たがそれはスティール製であった。これとは出来がかなり違う。
 スライドバァがあって、それに沿って滑らせる。へそはバネで支えられていて、出入りする。2枚のブラス厚板は、平行に動く万力で締める。本当は縦に動くプレスで締めるべきだ。

quartering jig USA この写真は上下を逆にして写している。クランクピンの入る溝は妙に長い。HOでも使えるかもしれない。ただし、そうするにはクランクピンにはパイプを被せて、太くせねばならない。
 また、右先行と左先行の2種類に適合する。アメリカにも左先行があったのだろうか。120度クランクには適合しない。
 以前は軸箱を支える構造のものを作ったが、ややこしい割に精度が良くなかった。やはりセンタを支える方が良いのだ。

quartering jig USA3 これも上下を逆で、反対側から見たものである。スライドバァの中心は、伸縮ピンから外れたところにあるので、万力で締めればうまくいくはずである。しかし、万力の精度によっては傾いて締められる可能性もある。口が開き気味の万力では、何の意味もない。
 大きな万力の口金を整備して、直角を出して使ったが、やはり専用機が欲しかった。
 手持ちのすべての機関車を調査して、どの大きさにすると最大径の動輪を締められるか調べた。あまり大きな装置だと、移動させるのも難しい。それで津田駒の100 mmを入手したのだ。もちろん、125 mmの方が余裕があって、設計がより楽であった。


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2019年10月19日

quartering jig 

quartering jig2quartering jig3 このジグには「へそ」がある。出べそだ。




 HO以下の模型を加工されている人にとっては、まず見るチャンスがないと思い、ここに写真を載せることにした。本物の機関車の車軸にはセンタ穴がある。旋盤では、そこを支えて旋削するのだ。
 Oスケールの模型には、センタ穴があるから、これを使って心を支える。(HO以下ではセンタ穴がないものもある。)押し込むときは、その出べそが引っ込まねばならない。心を保ちながら引っ込むようにするのだ。バネで支えて伸縮させる。ここにガタがあってはいけない。そういう意味では精度を高くせねばならないから、気合を入れて作るつもりであった。

 万力を奮発した。最高級品の津田駒製である。これを入手して、口金を新調した。S45C製である。この万力の平行度には感服している。まがい物では平行に締まらないから、だめだ。

 車軸を支えれば良いではないか、という意見もあろうが、筆者の手法では車軸中央部は露出していないのが大半だから無理だ。両方の軸箱はパイプ状の canon box でつながっているからである。また、フランジで支えるという手もあるが、フランジは車軸と同心であるとは限らない
 以前、韓国製のとんでもない機関車を見たことがある。フランジが偏心していたのである。材料をいい加減に掴んだのだ。旋盤工が職人としての気構えを持っていないとこういうことになる。以来、フランジは信用できないものとしている。

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2019年09月25日

疲労しにくいハンドル

shear handle この形で行こうと思う。どこにも角がない形にする。レーザで切って作るのだから、好きなようにできる。多少重くなるのと、重心位置が遠くなるので、バネの力に勝って、何もしなくても刃が降りると面白くない。場合によっては、バネを強くする(何か挟み込む)ことが必要かもしれない。
 厚さ19 mm(3/4 インチ)までは垂直に切れることが分かっているので、キィ溝もレーザで切ってもらう。追加工なしで完成の筈だ。手に当たるところだけは削って丸くする。伊藤英男氏の方法で、四角を八角にし、それを十六角に・・・するのだ。そこにはちょうど合う太さのゴムホースでも被せておく。自転車ハンドルの握りでも良い。

 回転軸は 5/8 インチの丸棒だから、外してフライスでキィ溝を彫る。こういう仕事は訳ない。抜け留めは、軸の末端にワッシャ付きのネジを締めれば良い。

 キィ材は考えている。インチ材は各種あるがミリ材がない。自分の分はインチでも良いが、友人から頼まれるときはミリ材の方が良い。NG氏によると 5 mm角が適合するそうだ。 

 この構想を友人たちと話していたら、蒸気機関車のメインロッドの形にしたらと言う人がいた。残念ながら、メインロッドはトルクを掛けることを想定していない形である。EF15のブレーキレヴァのような形も良いが、その通りに作ろうと思うとコスト的に難しい。

 希望者はコメント欄を通じて連絡して欲しい。連絡先は本文に入れて送られたい。公表はしない。軸のキィ溝切りも必要があれば引き受けざるを得ない。


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2018年12月23日

press

PanaVice (3) 圧入、取り外しには不可欠の工具であるが、日本の模型人はあまり持っていないような気がする。
 叩いて嵌め込む、あるいは抜く、と書いてある記事をよく見るが、やめるべきである。曲がる可能性があるし、叩いたところが斜めに凹むことがある。

 筆者はこれと1トンのネコプレスを持っている。PanaPressは軽合金製で、250 kg重(2.5 kN)程度の軽作業用だ。車軸を抜いたりするのには十分な力がある。
PanaVice (2) 厚い木の板に取り付けてある。手前に出ているのがミソである。これがないと、てこを引いた時に力が入らない。補助具は熔接して作った。これも専用のを作っておかないと、水平が出ないから、軸が曲がる可能性がある。押すものはブラスの挽きものである。ある程度軟らかくないとワークに傷が付く。ラム(上下する鋼製角棒)は3/4インチ角(19 mm角)である。
 先端工具は、1/4インチである。ブラスだから作るのは極めて楽である。たまに鋼製のピンを植え込むことがある。

Panavice (1) 専用の補助具(台)には裏に穴があいている。こうしておかないと抜けたものの行き場所がない。補助具を高くする手もあったが、低くしたかったので穴をあけた。

 車輪、動力機構を作るときにはプレスの出番が多い。


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2018年09月12日

最新の切断機

LatestLatest3 つい最近購入したという切断機を見せて貰った。ぴかぴかで素晴らしい。筆者のも昔はこうだったのだろうか。いや少し違うと思う。
 加工する工作機械の進歩で、表面の粗さが違う。つるつるしていて、面取りも大きい。おそらく錆びにくい。錆びやすさは表面の粗さに関係がある。筆者のも細かいサンドペーパで磨って、油を塗っていた。だんだん面倒臭くなってきて、溶剤で洗ってクリヤ・ラッカを吹いた。それが段々変色して現在に至る。

latest3 新しいものには安全装置の針金が刃物の前に通っている。指を切らないようにという配慮らしいが、むしろ邪魔である。それよりも刃物と連動する押えがあったほうが良い。コメントで藤井氏が教えてくださった AccuCut には、それが付いている。良さそうだ。真似をして作ってみたいものだ。

 今考えているものはリンク式の押えで、トグル式クランプを使うものだ。テイブル脇に熔接して、ワンレバーで押し付けたいと思う。伊藤 剛氏のお得意のイコライザ機構を付けて、均等な押し付けを考えているが、AccuCut方式のほうが良いかもしれない。


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2018年09月10日

続 切断機をカスタマイズする

0001607_3 ブラス板を固定するとこんな感じである。小さなクランプ二つで留めて、簡単に切れる。直角ガイドがあるから極めて楽である。




 これをクラブの仲間に見せると加工希望者が集まった。鉄工所の暇な時期を狙って注文することにしたが、問題は個体差である。
 長年の間に微妙な設計変更があり、固定刃の位置を微調整するネジが付いたり、足が太く長くなったりしていた。ハンドルのネジも当初は1/2インチのネジであったが、途中で5/8インチになり、最近はM16のようだ。
 今のところ、固定刃の高さには4通りがあることが分かっている。即ち、テイブルの脚の長さが4通りになる。同じものを作れば安いが、異なるものを現物に合わせて作ると手間が掛かり過ぎて、高いものになる。
 脚の長さは一定として、シムを挟んで高さ調整というのが一番楽な方法であろう。


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2018年09月08日

切断機をカスタマイズする

 遠藤機械が発売している切断機は、鉄道模型界では根強い人気を保っている。薄板を切るには便利な道具で 1 mm厚のブラス板が切れる。1200×365 mmのいわゆる定尺板(業界では小板という)を切ることができる。

 TMS1972年3月号の新製品紹介記事に出ている。当時の価格は12,000円だった。それが50年近く売り続けられている。確かに便利な道具である。しかし、ワークを手で保持しなければならないし、どうしても引き込まれる方向に力が掛かる。直角に切るのは少々コツがあって、そう簡単ではない。

plywood table 筆者は2本の足に大きな合板製のテイブルを付け、そこに留め具をネジ留めするようにしていた。マホガニィの合板の屑を用いた。合板は厚く、留めにくい。薄い鉄板で作れば小さなクランプで留められる。一念発起して簡単な図面を描き、友人の鉄工所に持ち込んだ。


0001607 テイブルは 180 mmの奥行(足の長さと同じ)とし、4本の支えで固定した。4 mm厚の板だから、踏んでも曲がらないが、それほど重くもない。1インチ(25 mm)のクランプで簡単に留められる。

0001607_2 直角に切りたい時の直角定規も同時に取り付けた。有効幅が 370 mmしかないので、365 mm幅の材料に対しては 5 mmしか余裕がない。細い角材の先を 2 mmまで削って熔接してもらった。ここの熔接は素人にはできない。プロの仕事である。筆者がやると真っ直ぐにはならない。
 これでざくざく切れる。

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2018年07月18日

tapping aid

tapping aid (2) 先日、工具箱を整理していて見つけた。30年以上前に作ったものだ。

 タップでネジを立てる時に使う、極めて単純明快な補助具である。砲金のブロックに孔をあけただけのものであって、下穴の上にこれを置き、タップを挿す。歯車を廻すとネジが立つ。必ず直角に立つし、タップに妙な力がかかることも防げる。すなわち折れにくい。
 歯車は指に痛いが、それがかえって良い方向に働く。無理に廻そうとしないので、折れることが少ない。


tapping aid (3)tapping aid (1) M1〜M2のタップは太い部分の外形径が 3 mmで共通だが、M1は短いので、ブロックの薄い部分に貫通させてある。M3は、外径 4 mmである。

 インチのタップは、 外形が 3.2 mmなどいろいろあるから、測定して孔をあけねばならない。孔にはリーマを通す。

 筆者は最近はガラなどを使うので、久しく使ってなかった。ガラ導入以前は、やや大掛かりなtapping aid を使っていた。それはこんな形をしていた。

 GOW_3158六角のカートリッジをたくさん作って、タップを挿してハンダ付けしてある。それを差し替えて、上の大きなハンドルで廻す。
 M3 以上ではとても使いやすいが、M1.4あたりでは具合が悪いから、このブロックを使った。この大掛かりな道具の小さいヴァージョンを作ろうと思っていた矢先に、ガラが手に入ったので、使わなくなり、すっかり忘れていた。

 このブロックは単純な形であるので、お薦めする。材料はアルミ合金でも良いだろう。40年前、アメリカで見たことを記憶しているが、銘柄等思い出せない。 それは、細くて短いタップを挿す部分が、らせん階段のように低くなっていた。六角形だったような気がする。Bill Melisの自作品であったかもしれない。

2018年05月08日

ニブラ

 転車台の回転橋を作り始めた。まず 0.4 mm厚の薄板を 35 mm幅、900mm長に切らねばならない。この橋は薄板を使って作り、捩じり剛性を低くすることに重きを置く。

 定尺の小板(365 x 1200 mm)を切るに当たって、シァで短く切ってつなぐことを考えていたが、圧延の方向による「目」を考えると得策ではないのと、つないだ部分の剛性が高くなるのを避けたかった。

81556_R-3 ニブラという道具がある。電動式で、1.6 mm径の刃物が上下して薄板(0.8 mm厚の鉄板、1.5 mm厚のブラス板)を自在に切り抜く道具である。
 ガイドも付けられるので、同じ幅で切り出すことが可能である。これを使えば簡単に同一幅のストリップができる。もちろん切り口は剪断面が出ているので、多少のダレはある。ゴムハンマで打って伸ばして、ヤスリを掛ければ問題ない。

 たまたま、northerns484氏がいらしたので、板を押さえて戴いて、一気に切った。あまりにも速くて、驚かれたようだ。細かい三日月状の切粉がたくさん出た。新聞紙を敷き詰めて行ったので、回収は簡単である。
 今回は板が薄すぎて、多少のダレがあったが、1 mm厚程度の板なら、後処理はほとんど要らない。写真を撮るのを忘れたのは残念であった。いやむしろ動画を撮るべきであった。900 mm を10秒程度で切れる。

 切った薄板はくたくたで、こんなもので橋ができるのかと思うほどしなやかだ。

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2018年03月13日

続々 旋盤のカスタマイズを終了

 実は筆者はロウ付けはあまり好きではない。鉄合金に対してはロウ付けは良いのだが、銅合金に対しては材料が軟化するので使いたくない。HOの人はモノが小さいのでモーメントが小さく、あまり感じないようだが、Oスケールでは長くなるので、曲がりやすい。銀ハンダは、より低温で付くので具合がよく、強度も十分だ。融けても、あまりさらさらしていない。やや粘りがあるが、より高温にするとさらさらになる。固まると普通の鉛ハンダより、表面がざらざらしている。ロストワックス鋳物の鬆(す)を埋めるのに具合が良い。この銀ハンダは acid core である。塩化亜鉛ペーストが入っているから、ハンダ付け後、洗わないと錆びる。


 この旋盤が来てから半年になる。いろいろな作業に使ってみると、この位置に工具があるとベストというのが分かって来る。照明の位置も必然的に決まる。
 六角レンチはいくつか常備しているが、サイズごとに種類を変えている。サイズと形が結びつけば、迷うことが無いからだ。

 今でも落ち着かないのはスピンドルから飛び出している透明なチャック・ガードの棒である。安全スイッチになっていて、ガードを閉じないとモータが廻らない。ガードは邪魔で捨ててしまった。スイッチが切れると腹立たしいので、短絡した。突き出した棒はいずれ切り落とす。このチャック・ガードを使っている人は居るのだろうか。
 むしろ、横の歯車箱の蓋を開けると止まるようにするのが筋だ。マイクロスイッチを付ければ解決だろう。

 最近、旋盤の初心者からの相談をよく受ける。どなたも原型を保ったままで、使いにくいとおっしゃる。それはそうだろう。
 自分の使い勝手が良いように、切り捨てて増設するべきだ。機械に使われているようではいけない。「機械」を「工具」として使いこなすべきなのだ。これもプラグマティズムだろう。

Central Valley's ところで、こんなものが出て来た。何だろう。寸法が分かっているから、簡単だろうか。

2018年02月05日

ER25コレット

ER25 collets and holder 自宅の工作室の抽斗を整理したら、ERコレットのMT2シャンクが出て来た。ER25も1 mm〜16 mmまで完全に揃っている。しかも引きネジはどういう訳か、M10であった。つまり、そのまま使えるわけだ。これを付ければ、引きネジを緩める必要がなくなる。即ち、上に飛び出しているZ軸DROが、邪魔にはならないということだ。

 博物館に持って行って取り付けてみた。40 mm以上突出するので、ワーキングパス(working path)が長くなって多少不利であるが、小径の刃物しか使わないので問題がないかもしれない。ブレが大きければ、元に戻しても良い。エアスプリングの取り付け位置も下げて、動く範囲の邪魔をしないようにした。少々大き過ぎるような気もする。もう少し小さいERコレットがあると短く掴めて良いのだが。
 モータの出力から考えても、12mm径の刃物は使うはずもない。

 新しく来た旋盤の主軸もMT2なので、それに付けても使える。ERコレットなら連続した寸法を掴める。ただ、貫通穴がないと不便だ。

 ER25コレットはどこに仕舞うべきか考えたが、下手に仕舞うと目的の大きさのコレットを取り出しにくい。一覧できなければならない。そういうホルダをブラスの板を切って作ろうと思って居たところ、具合の良いものを見つけた。
 もう少し大きめのR8コレット用のロータリィ・ホルダである。実はR8を入れるつもりであったのだが、オーク材でやや贅沢な専用ホルダを作ってしまったので、行き先がなくなってしまったのだ。

 道具や部品が一覧できるというのは、時間の節約になる。昔、近所の自動車修理工場に行くと、すべての道具が、壁に絵を描いて、その通りに掛かっていた。あんなことしなくても、と当時は思ったが、非常に理にかなった方法である。

 実は模型の部品もすべて一覧できるように、床と壁に並べてある。床は正月には片づけなければならないが、壁はそのままである。これは便利である。


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2018年01月26日

砥粒

 フライス盤の改良記事中、「砥粒が落ちる・・・」と書いたところ、質問を戴いている。そんなに気にするようなことだろうか、ということである。

 筆者は大変気にする。摺動面がある機械では、摺動面に砂ぼこりが噛むと、たちまち磨り減る。送りネジはもっと気を遣う。

 旋盤工の仕事を見るのは面白かった。子供のころ、近くの工場でよく見ていた。最後にサンドペーパを当てる時に、油を塗った新聞紙をベッドの上に広げて、ホンの少しではあるが飛び散る可能性のある埃を受けていた。新聞紙の裏表は当然区別する。

 その仕事が終わると、丹念に埃を払い、新聞紙を丁寧に4つに畳む。筆者が質問すると、大事な旋盤を少しでも長持ちさせるためには当然のことだと言った。
 自分で旋盤やフライス盤を持つようになってからは、埃が掛からぬように気を付けるし、サンドペーパは極力使わぬようにしている。使うときは習った通り、油と新聞紙で防護し、電気掃除機を持ってきて、発生する時点で吸い取っている。

 職人の仕事は研究すべきなのだが、もはや職人はほとんどいなくなってしまった。旋盤の上で、サンドペーパを無頓着に使う人は、よく見る。やめるべきだと思う。
 筆者の子供時代は、職人たちが働いているのをよく観察できる時代であった。今思えば、貴重な授業を受けたことになる。そういう意味では現代の若者は不幸だ。なんでも教科書に書いてある通りにすれば出来ると思っている。なかなかそうはいかない。正解は、年月をかけた経験からしか得られない。
 Knowledge is from books, wisdom is from age. (知識は書物から、知恵は経験から。 )
 

2017年12月09日

スコヤを捨てる

squares これらのスコヤ(英語でmachinist square、直角定規)を捨てることにした。どれも狂っている。軟らかい材質と組んでいるので、落としたりすると、組んだところが塑性変形したのだろう。
 狂ったのだから直せるが、直してもまた狂う。より狂いやすくなる。
駄目なのは印をつけて箱に投げ込んであったが、先週全部解体して捨てた。ブラスの部分は切り取ったから、いつか何かに使うことになる。ステンレス部分は磁石に付くクロムステンレスであったので、鉄くず箱に入れた。

solid steel square 右にあるのは一体型のスコヤである。これに限る。元はイギリスで作られた形のようだが、今は中国製である。機械の精度で作られているので、どこで作っても同じである。価格は比較的安い。輸入してクラブ員に頒布して喜ばれた。数100本輸入した。ほとんどが、スーツケースで持ち帰ったものだ。

 一度手持ちのスコヤをチェックされたい。愕然とする人が多かろうと推測する。
このスコヤを希望する人が多いので、いずれ再輸入してみよう。
 
composite squares 捨てる時にタガネで根元を割った。驚いたことにスリ割りを入れただけで、刃型の丸味が見える。ということは両端でしか接触していない。当然狂いやすい。ハンダ付けしたこともあったが、またすぐ狂ったのはこのせいだ。

 X-1のベルトドライヴは、間もなく入って来る。写真が送られてきた。まじめな男で好感が持てる。


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2017年10月04日

workbench

work bench X-1は意外と重く、36 kgほどもある。それを載せる台が必要だ。厚いムクの台を考えた。イチイの木で分厚いのがあるが、ちょいともったいない。
 15 mmのシナ合板の切れ端が大量にあるので、それを貼り合わせて、45mmの天板を作った。接着剤が固まるまで、四隅をクランプで締めた上、100 kgほど重しを載せて一昼夜放置した。下部は15mmの板を組合せて作った。棚を補強材として、ネジと接着剤を十分に使って作ったので、ひねりに対する剛性は大きい。

with guard ウレタンニスを十分に浸み込ませて固め、ヤスリを掛けてケバを取った。例のグレイのペンキをたっぷり塗ってできあがりだ。Swarf (キリコ)が飛ぶので左右と後方にはガードを付けた。それにはプラスティックが貼ってある化粧合板を使った。汚れが取りやすいはずだ。


aaa このX-1は、長いテイブルを付けているので、40 kg以上ある。一人で載せるのは大変で、片方ずつ持ち上げては、下に木材を井桁に組んだ。椅子の高さまで持ち上げたのち、抱えて載せた。低い位置で重いものを持つと、腰を傷める可能性があるからだ。


Quiz ここでクイズを一つ。これは何だろう。正解は10月8日号で発表予定。

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2017年04月22日

通称「ガラ」

tapping しばらく前にこれを入手した。長年探していたものだ。行きつけのバッタ屋にたまたまあって、安く買うことができた。もうこんなものを見ても用途が分からない人が多いのだろう。

 洗い油できれいに洗って、乾かし、注油した。何十年か工場で使われたものなのだろう。良く使い込まれているが、ガタがある訳でもない。調子が良いのでアタリであった。

 ガラでタップを立てると、折り込むことがまずない。
 細いネジ穴を切るのはいつもヒヤヒヤであった。折るのではないか。折れたらまた何日かステンレス容器内で塩水漬けにしなければならない。そういうことを考えると、タップを立てるのに勇気が要る。ところがこれを使い始めると、ネジ立てはいくつでもできる。まず折れることは考えられない。

 今までは折れないようにするには、ボール盤のチャックに銜えて下ろし、そろそろと廻していた。専用のタップ立てジグも持っているが、細いものはやはり心配だ。手に持って廻すなど論外である。手の指が対称的でないので(要するに片方の手に親指が点対称で2本付いているのならば、問題ない)、廻すときに軸がずれてしまう。だから折れるのだ。回転力だけしかかからなければ、折れないものなのだ。
 以前E氏の工夫されたタッピングドリルを見せて戴いた。それは、自作の細い手持ち電動ドリルであった。ゆっくり廻ってトルクだけしか伝わらないから、折れない。

 この道具は軸が水平で、タップの捻じれ具合が分かる。負荷が掛かると捻じれるので、その具合を見て、戻したりする。相手がブラスとはいえども、厚い板に立てる時には、戻して切粉を出さねばならない。その時、切削用グリスを付けると、とても具合が良い。
 先日は1.25 mmの板にM1.4を30個ぐらい立てたが、あっという間である。ガラの下には切粉が積もって、山になり始めた。


2017年01月14日

板を丸める

 友人の依頼で、金属板を丸めた。いつもは薄い板を大きな半径で丸めていたが、今回は1 mm 板を半径15 mm で丸めてくれという依頼であった。

 厚い板は何度もローラを通すと少しずつ薄くなる。今回も0.02mmくらい薄くなったような気がする。その分延びるので、計算値よりすこし短くして開始した。
 まず、アルミニウム板で練習する。これは軟らかく、あっという間にできた。

115_5223115_5226115_5235 ブラス板はそれに比べると硬いので、何回かに分けて通す。事前に端の部分は丸みを付けておかねばならない。それには例の丸いダイを使う。
 端の部分を当てて、ゴムハンマーで丹念に叩く。それをローラに通す。少しずつネジを締めて隙間を減らす。20回くらい通すと具合よく丸まる。ローラを外して、逆回しでも通しておくと、形が整う。

 この器械はシカゴから来たものだ。イギリス製である。万力に取り付けて使う。以前から持っているものは半径が20 mm程度のものまでしか曲げられなかったので、今回初めてこれを使った。

2016年10月20日

the bender

the bender この工具をご存知の方も多いだろう。NWSLという会社が、かれこれ40年ほど販売している。ネジを締めると、上から刃が降りてきて、下のVブロック状の雌型に食い込む。ワークを挟んでおくと、任意の位置で曲げられる。角度も好きなように曲げられる。

 この工具を博物館の作業用に自宅から持って行って置いてある。作業にいらした方が触って、どなたも「使いやすい。便利だ。」と仰る。先日複数の方から、取寄せを依頼された。取るのは簡単だが、送料がかさむ。数が少ないと、送料がばかにならない。もう少し沢山注文したい。

 もし読者の皆さんの中で、欲しいと思われる方はコメントを通じて連絡されたい。締め切りは今月24日とさせて戴く。現地価格は60ドル程度だ。

 写真の手前に置いてあるのは、その曲げ見本である。赤いネジを緩めると、突き当てのフェンスが動かせる。自由な位置で留められて、同じものをたくさん作れる。
 見本の二か所曲がったのは、カヴァード・ホッパの歩み板を取り付ける支えだ。たくさん同じ形のものを作らねばならないから、これがないととても苦労する。足の長さが違うと、歩み板が真っ直ぐ取り付けられない。

 0.6 mm程度の板なら、簡単に曲げられる。0.8mm以上はこの道具の限界を超えるだろう。もっと大きな道具を使うべきだ。
 筆者はもう少し大きな道具(業界ではブレーキと呼ぶ)も持っていて、この小さいのはこのような小物専用である。


2016年06月19日

客車ヤードの現況

passenger car yard bpassenger car yard finished 懸案の客車ヤードの線路敷きが完了し、配線も済んだ。線路間隔を本線と同じ100 mmにしたが、それは正解であった。長い85 ft車(25 m車)を曲線上に置くと、車端がかなり近接する。

 この部分は機関車が走る部分ではないので、饋電線は少ない。客車の照明だけだから、レイルボンドに頼っている。饋電は 3 m おきで十分である。

rail bonds and bender レイルボンドを作るときに、今まではごく適当に銅線を捩じり、手で曲げていた。正確に曲げて取り付けると見栄えが良いので、 今回は工具と型紙を使った。銅線は裸撚り線の一端を万力で挟み、他方をヴァイス・グリップでつまんで捩じった。

making rail bonds この工具は、歯科の入れ歯保持用の針金を曲げるためのものである。日本製の本物は極めて高価であるが、これはPakistan製であると表示してある。アメリカの工具屋で手に入れたまがい物であるが、何ら問題ない。細い線を実に正確に曲げることができる。
wire bender 他にも丸く曲げる道具もあり、それは挟む位置で曲率を連続して変えられるようになっている。入手したのは20年ほど前であるが、当時の価格は一つ3ドルくらいだった。今ではもう少し高いだろう。

rail bonds and tools この種の工具は日本ではまず使っている人を見ない。とても便利である。立てて置く時は、このような保持台に置く。
 これは以前紹介したが、厚板に穴を開けて、底に薄い合板を張ればいくらでもできる。


2016年05月12日

隠しヤードへの進入路

 隠しヤードへの下り勾配は1.9%もある。しかも急曲線だ。この部分にカントを付けるとろくなことはない。内側に引き倒される可能性がある。本来ならば逆カントを付けるような条件だが、カントなしでやってみることにした。
 電流は大きいだろうから、饋電線を太くする。

rubber roadbed underlay 音がするといやなので、エラストマ道床の下に5 mmのゴム板を敷く。
水道工事用の黒ゴムが10 mもあったので、それを切って敷く。長い間吉岡氏宅の天井裏にあったので、捲き癖が付いていて戻らない。この種のゴムは、出荷時はまだ加硫が不完全で、屋根裏のような高温になる部分に置いてあると、加硫が進み、形が固定されてしまう。細く切っても丸くなっているが、スーパーXで貼ると、真っ直ぐに固定される。
 この写真の白っぽいものはエラストマである。曲がり癖が付いていると貼りにくいので、数日間真っ直ぐな状態で放置し、ストレスを解放してから使用する。

隠しヤード 丸くなっている裏をチーズ削りで細かく傷を付けて新しい面を出す。そこにスーパーXを薄く塗って、厚い合板を置きクランプで圧締する。(写真左の方)
 接着剤は完全に押しつぶされて密着し、素晴らしい接着力を示す。はみ出したゴムに切り目を入れはがそうとすると、ゴムがちぎれる。

rotary cutter 1rotary cutter ゴム板を切るのはこの道具を使った。回転式のカッタだ。床のタイル・カーペットを切るのに買ったのだが、段ボールなどを切るのも楽である。固定刃は超硬、回転刃はハイスだ。絶妙な角度で組み合わさっていて、ハイスの刃がいつも最高の切れ味を示す。自動研磨と書いてある。リチウムイオン電池で、軽くて使いやすい。

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