工具

2018年07月18日

tapping aid

tapping aid (2) 先日、工具箱を整理していて見つけた。30年以上前に作ったものだ。

 タップでネジを立てる時に使う、極めて単純明快な補助具である。砲金のブロックに孔をあけただけのものであって、下穴の上にこれを置き、タップを挿す。歯車を廻すとネジが立つ。必ず直角に立つし、タップに妙な力がかかることも防げる。すなわち折れにくい。
 歯車は指に痛いが、それがかえって良い方向に働く。無理に廻そうとしないので、折れることが少ない。


tapping aid (3)tapping aid (1) M1〜M2のタップは太い部分の外形径が 3 mmで共通だが、M1は短いので、ブロックの薄い部分に貫通させてある。M3は、外径 4 mmである。

 インチのタップは、 外形が 3.2 mmなどいろいろあるから、測定して孔をあけねばならない。孔にはリーマを通す。

 筆者は最近はガラなどを使うので、久しく使ってなかった。ガラ導入以前は、やや大掛かりなtapping aid を使っていた。それはこんな形をしていた。

 GOW_3158六角のカートリッジをたくさん作って、タップを挿してハンダ付けしてある。それを差し替えて、上の大きなハンドルで廻す。
 M3 以上ではとても使いやすいが、M1.4あたりでは具合が悪いから、このブロックを使った。この大掛かりな道具の小さいヴァージョンを作ろうと思っていた矢先に、ガラが手に入ったので、使わなくなり、すっかり忘れていた。

 このブロックは単純な形であるので、お薦めする。材料はアルミ合金でも良いだろう。40年前、アメリカで見たことを記憶しているが、銘柄等思い出せない。 それは、細くて短いタップを挿す部分が、らせん階段のように低くなっていた。六角形だったような気がする。Bill Melisの自作品であったかもしれない。

2018年05月08日

ニブラ

 転車台の回転橋を作り始めた。まず 0.4 mm厚の薄板を 35 mm幅、900mm長に切らねばならない。この橋は薄板を使って作り、捩じり剛性を低くすることに重きを置く。

 定尺の小板(365 x 1200 mm)を切るに当たって、シァで短く切ってつなぐことを考えていたが、圧延の方向による「目」を考えると得策ではないのと、つないだ部分の剛性が高くなるのを避けたかった。

81556_R-3 ニブラという道具がある。電動式で、1.6 mm径の刃物が上下して薄板(0.8 mm厚の鉄板、1.5 mm厚のブラス板)を自在に切り抜く道具である。
 ガイドも付けられるので、同じ幅で切り出すことが可能である。これを使えば簡単に同一幅のストリップができる。もちろん切り口は剪断面が出ているので、多少のダレはある。ゴムハンマで打って伸ばして、ヤスリを掛ければ問題ない。

 たまたま、northerns484氏がいらしたので、板を押さえて戴いて、一気に切った。あまりにも速くて、驚かれたようだ。細かい三日月状の切粉がたくさん出た。新聞紙を敷き詰めて行ったので、回収は簡単である。
 今回は板が薄すぎて、多少のダレがあったが、1 mm厚程度の板なら、後処理はほとんど要らない。写真を撮るのを忘れたのは残念であった。いやむしろ動画を撮るべきであった。900 mm を10秒程度で切れる。

 切った薄板はくたくたで、こんなもので橋ができるのかと思うほどしなやかだ。

2018年03月13日

続々 旋盤のカスタマイズを終了

 実は筆者はロウ付けはあまり好きではない。鉄合金に対してはロウ付けは良いのだが、銅合金に対しては材料が軟化するので使いたくない。HOの人はモノが小さいのでモーメントが小さく、あまり感じないようだが、Oスケールでは長くなるので、曲がりやすい。銀ハンダは、より低温で付くので具合がよく、強度も十分だ。融けても、あまりさらさらしていない。やや粘りがあるが、より高温にするとさらさらになる。固まると普通の鉛ハンダより、表面がざらざらしている。ロストワックス鋳物の鬆(す)を埋めるのに具合が良い。この銀ハンダは acid core である。塩化亜鉛ペーストが入っているから、ハンダ付け後、洗わないと錆びる。


 この旋盤が来てから半年になる。いろいろな作業に使ってみると、この位置に工具があるとベストというのが分かって来る。照明の位置も必然的に決まる。
 六角レンチはいくつか常備しているが、サイズごとに種類を変えている。サイズと形が結びつけば、迷うことが無いからだ。

 今でも落ち着かないのはスピンドルから飛び出している透明なチャック・ガードの棒である。安全スイッチになっていて、ガードを閉じないとモータが廻らない。ガードは邪魔で捨ててしまった。スイッチが切れると腹立たしいので、短絡した。突き出した棒はいずれ切り落とす。このチャック・ガードを使っている人は居るのだろうか。
 むしろ、横の歯車箱の蓋を開けると止まるようにするのが筋だ。マイクロスイッチを付ければ解決だろう。

 最近、旋盤の初心者からの相談をよく受ける。どなたも原型を保ったままで、使いにくいとおっしゃる。それはそうだろう。
 自分の使い勝手が良いように、切り捨てて増設するべきだ。機械に使われているようではいけない。「機械」を「工具」として使いこなすべきなのだ。これもプラグマティズムだろう。

Central Valley's ところで、こんなものが出て来た。何だろう。寸法が分かっているから、簡単だろうか。

2018年02月05日

ER25コレット

ER25 collets and holder 自宅の工作室の抽斗を整理したら、ERコレットのMT2シャンクが出て来た。ER25も1 mm〜16 mmまで完全に揃っている。しかも引きネジはどういう訳か、M10であった。つまり、そのまま使えるわけだ。これを付ければ、引きネジを緩める必要がなくなる。即ち、上に飛び出しているZ軸DROが、邪魔にはならないということだ。

 博物館に持って行って取り付けてみた。40 mm以上突出するので、ワーキングパス(working path)が長くなって多少不利であるが、小径の刃物しか使わないので問題がないかもしれない。ブレが大きければ、元に戻しても良い。エアスプリングの取り付け位置も下げて、動く範囲の邪魔をしないようにした。少々大き過ぎるような気もする。もう少し小さいERコレットがあると短く掴めて良いのだが。
 モータの出力から考えても、12mm径の刃物は使うはずもない。

 新しく来た旋盤の主軸もMT2なので、それに付けても使える。ERコレットなら連続した寸法を掴める。ただ、貫通穴がないと不便だ。

 ER25コレットはどこに仕舞うべきか考えたが、下手に仕舞うと目的の大きさのコレットを取り出しにくい。一覧できなければならない。そういうホルダをブラスの板を切って作ろうと思って居たところ、具合の良いものを見つけた。
 もう少し大きめのR8コレット用のロータリィ・ホルダである。実はR8を入れるつもりであったのだが、オーク材でやや贅沢な専用ホルダを作ってしまったので、行き先がなくなってしまったのだ。

collet holder フライス台の背面壁に取り付けた。3つは余るが、それは大径の16, 15, 14mmのものだから、抽斗に仕舞った。もちろん一覧できるような仕切りを付けた。

 

 道具や部品が一覧できるというのは、時間の節約になる。昔、近所の自動車修理工場に行くと、すべての道具が、壁に絵を描いて、その通りに掛かっていた。あんなことしなくても、と当時は思ったが、非常に理にかなった方法である。

 実は模型の部品もすべて一覧できるように、床と壁に並べてある。床は正月には片づけなければならないが、壁はそのままである。これは便利である。


2018年01月26日

砥粒

 フライス盤の改良記事中、「砥粒が落ちる・・・」と書いたところ、質問を戴いている。そんなに気にするようなことだろうか、ということである。

 筆者は大変気にする。摺動面がある機械では、摺動面に砂ぼこりが噛むと、たちまち磨り減る。送りネジはもっと気を遣う。

 旋盤工の仕事を見るのは面白かった。子供のころ、近くの工場でよく見ていた。最後にサンドペーパを当てる時に、油を塗った新聞紙をベッドの上に広げて、ホンの少しではあるが飛び散る可能性のある埃を受けていた。新聞紙の裏表は当然区別する。

 その仕事が終わると、丹念に埃を払い、新聞紙を丁寧に4つに畳む。筆者が質問すると、大事な旋盤を少しでも長持ちさせるためには当然のことだと言った。
 自分で旋盤やフライス盤を持つようになってからは、埃が掛からぬように気を付けるし、サンドペーパは極力使わぬようにしている。使うときは習った通り、油と新聞紙で防護し、電気掃除機を持ってきて、発生する時点で吸い取っている。

 職人の仕事は研究すべきなのだが、もはや職人はほとんどいなくなってしまった。旋盤の上で、サンドペーパを無頓着に使う人は、よく見る。やめるべきだと思う。
 筆者の子供時代は、職人たちが働いているのをよく観察できる時代であった。今思えば、貴重な授業を受けたことになる。そういう意味では現代の若者は不幸だ。なんでも教科書に書いてある通りにすれば出来ると思っている。なかなかそうはいかない。正解は、年月をかけた経験からしか得られない。
 Knowledge is from books, wisdom is from age. (知識は書物から、知恵は経験から。 )
 

2017年12月09日

スコヤを捨てる

squares これらのスコヤ(英語でmachinist square、直角定規)を捨てることにした。どれも狂っている。軟らかい材質と組んでいるので、落としたりすると、組んだところが塑性変形したのだろう。
 狂ったのだから直せるが、直してもまた狂う。より狂いやすくなる。
駄目なのは印をつけて箱に投げ込んであったが、先週全部解体して捨てた。ブラスの部分は切り取ったから、いつか何かに使うことになる。ステンレス部分は磁石に付くクロムステンレスであったので、鉄くず箱に入れた。

solid steel square 右にあるのは一体型のスコヤである。これに限る。元はイギリスで作られた形のようだが、今は中国製である。機械の精度で作られているので、どこで作っても同じである。価格は比較的安い。輸入してクラブ員に頒布して喜ばれた。総数100本ほど輸入した。ほとんどが、スーツケースで持ち帰ったものだ。

 一度手持ちのスコヤをチェックされたい。愕然とする人が多かろうと推測する。
このスコヤを希望する人が多いので、いずれ再輸入してみよう。
 
composite squares 捨てる時にタガネで根元を割った。驚いたことにスリ割りを入れただけで、刃型の丸味が見える。ということは両端でしか接触していない。当然狂いやすい。ハンダ付けしたこともあったが、またすぐ狂ったのはこのせいだ。

 X-1のベルトドライヴは、間もなく入って来る。写真が送られてきた。まじめな男で好感が持てる。


2017年10月04日

workbench

work bench X-1は意外と重く、36 kgほどもある。それを載せる台が必要だ。厚いムクの台を考えた。イチイの木で分厚いのがあるが、ちょいともったいない。
 15 mmのシナ合板の切れ端が大量にあるので、それを貼り合わせて、45mmの天板を作った。接着剤が固まるまで、四隅をクランプで締めた上、100 kgほど重しを載せて一昼夜放置した。下部は15mmの板を組合せて作った。棚を補強材として、ネジと接着剤を十分に使って作ったので、ひねりに対する剛性は大きい。

with guard ウレタンニスを十分に浸み込ませて固め、ヤスリを掛けてケバを取った。例のグレイのペンキをたっぷり塗ってできあがりだ。Swarf (キリコ)が飛ぶので左右と後方にはガードを付けた。それにはプラスティックが貼ってある化粧合板を使った。汚れが取りやすいはずだ。


aaa このX-1は、長いテーブルを付けているので、40 kg以上ある。一人で載せるのは大変で、片方ずつ持ち上げては、下に木材を井桁に組んだ。椅子の高さまで持ち上げたのち、抱えて載せた。低い位置で重いものを持つと、腰を傷める可能性があるからだ。


Quiz ここでクイズを一つ。これは何だろう。正解は10月8日号で発表予定。

2017年04月22日

通称「ガラ」

tapping しばらく前にこれを入手した。長年探していたものだ。行きつけのバッタ屋にたまたまあって、安く買うことができた。もうこんなものを見ても用途が分からない人が多いのだろう。

 洗い油できれいに洗って、乾かし、注油した。何十年か工場で使われたものなのだろう。良く使い込まれているが、ガタがある訳でもない。調子が良いのでアタリであった。

 ガラでタップを立てると、折り込むことがまずない。
 細いネジ穴を切るのはいつもヒヤヒヤであった。折るのではないか。折れたらまた何日かステンレス容器内で塩水漬けにしなければならない。そういうことを考えると、タップを立てるのに勇気が要る。ところがこれを使い始めると、ネジ立てはいくつでもできる。まず折れることは考えられない。

 今までは折れないようにするには、ボール盤のチャックに銜えて下ろし、そろそろと廻していた。専用のタップ立てジグも持っているが、細いものはやはり心配だ。手に持って廻すなど論外である。手の指が対称的でないので(要するに片方の手に親指が点対称で2本付いているのならば、問題ない)、廻すときに軸がずれてしまう。だから折れるのだ。回転力だけしかかからなければ、折れないものなのだ。
 以前E氏の工夫されたタッピングドリルを見せて戴いた。それは、自作の細い手持ち電動ドリルであった。ゆっくり廻ってトルクだけしか伝わらないから、折れない。

 この道具は軸が水平で、タップの捻じれ具合が分かる。負荷が掛かると捻じれるので、その具合を見て、戻したりする。相手がブラスとはいえども、厚い板に立てる時には、戻して切粉を出さねばならない。その時、切削用グリスを付けると、とても具合が良い。
 先日は1.25 mmの板にM1.4を30個ぐらい立てたが、あっという間である。ガラの下には切粉が積もって、山になり始めた。


2017年01月14日

板を丸める

 友人の依頼で、金属板を丸めた。いつもは薄い板を大きな半径で丸めていたが、今回は1 mm 板を半径15 mm で丸めてくれという依頼であった。

 厚い板は何度もローラを通すと少しずつ薄くなる。今回も0.02mmくらい薄くなったような気がする。その分延びるので、計算値よりすこし短くして開始した。
 まず、アルミニウム板で練習する。これは軟らかく、あっという間にできた。

115_5223115_5226115_5235 ブラス板はそれに比べると硬いので、何回かに分けて通す。事前に端の部分は丸みを付けておかねばならない。それには例の丸いダイを使う。
 端の部分を当てて、ゴムハンマーで丹念に叩く。それをローラに通す。少しずつネジを締めて隙間を減らす。20回くらい通すと具合よく丸まる。ローラを外して、逆回しでも通しておくと、形が整う。

 この器械はシカゴから来たものだ。イギリス製である。万力に取り付けて使う。以前から持っているものは半径が20 mm程度のものまでしか曲げられなかったので、今回初めてこれを使った。

2016年10月20日

the bender

the bender この工具をご存知の方も多いだろう。NWSLという会社が、かれこれ40年ほど販売している。ネジを締めると、上から刃が降りてきて、下のVブロック状の雌型に食い込む。ワークを挟んでおくと、任意の位置で曲げられる。角度も好きなように曲げられる。

 この工具を博物館の作業用に自宅から持って行って置いてある。作業にいらした方が触って、どなたも「使いやすい。便利だ。」と仰る。先日複数の方から、取寄せを依頼された。取るのは簡単だが、送料がかさむ。数が少ないと、送料がばかにならない。もう少し沢山注文したい。

 もし読者の皆さんの中で、欲しいと思われる方はコメントを通じて連絡されたい。締め切りは今月24日とさせて戴く。現地価格は60ドル程度だ。

 写真の手前に置いてあるのは、その曲げ見本である。赤いネジを緩めると、突き当てのフェンスが動かせる。自由な位置で留められて、同じものをたくさん作れる。
 見本の二か所曲がったのは、カヴァード・ホッパの歩み板を取り付ける支えだ。たくさん同じ形のものを作らねばならないから、これがないととても苦労する。足の長さが違うと、歩み板が真っ直ぐ取り付けられない。

 0.6 mm程度の板なら、簡単に曲げられる。0.8mm以上はこの道具の限界を超えるだろう。もっと大きな道具を使うべきだ。
 筆者はもう少し大きな道具(業界ではブレーキと呼ぶ)も持っていて、この小さいのはこのような小物専用である。


2016年06月19日

客車ヤードの現況

passenger car yard bpassenger car yard finished 懸案の客車ヤードの線路敷きが完了し、配線も済んだ。線路間隔を本線と同じ100 mmにしたが、それは正解であった。長い85 ft車(25 m車)を曲線上に置くと、車端がかなり近接する。

 この部分は機関車が走る部分ではないので、饋電線は少ない。客車の照明だけだから、レイルボンドに頼っている。饋電は 3 m おきで十分である。

rail bonds and bender レイルボンドを作るときに、今まではごく適当に銅線を捩じり、手で曲げていた。正確に曲げて取り付けると見栄えが良いので、 今回は工具と型紙を使った。銅線は裸撚り線の一端を万力で挟み、他方をヴァイス・グリップでつまんで捩じった。

making rail bonds この工具は、歯科の入れ歯保持用の針金を曲げるためのものである。日本製の本物は極めて高価であるが、これはPakistan製であると表示してある。アメリカの工具屋で手に入れたまがい物であるが、何ら問題ない。細い線を実に正確に曲げることができる。
wire bender 他にも丸く曲げる道具もあり、それは挟む位置で曲率を連続して変えられるようになっている。入手したのは20年ほど前であるが、当時の価格は一つ3ドルくらいだった。今ではもう少し高いだろう。

rail bonds and tools この種の工具は日本ではまず使っている人を見ない。とても便利である。立てて置く時は、このような保持台に置く。
 これは以前紹介したが、厚板に穴を開けて、底に薄い合板を張ればいくらでもできる。


2016年05月12日

隠しヤードへの進入路

 隠しヤードへの下り勾配は1.9%もある。しかも急曲線だ。この部分にカントを付けるとろくなことはない。内側に引き倒される可能性がある。本来ならば逆カントを付けるような条件だが、カントなしでやってみることにした。
 電流は大きいだろうから、饋電線を太くする。

rubber roadbed underlay 音がするといやなので、エラストマ道床の下に5 mmのゴム板を敷く。
水道工事用の黒ゴムが10 mもあったので、それを切って敷く。長い間吉岡氏宅の天井裏にあったので、捲き癖が付いていて戻らない。この種のゴムは、出荷時はまだ加硫が不完全で、屋根裏のような高温になる部分に置いてあると、加硫が進み、形が固定されてしまう。細く切っても丸くなっているが、スーパーXで貼ると、真っ直ぐに固定される。
 この写真の白っぽいものはエラストマである。曲がり癖が付いていると貼りにくいので、数日間真っ直ぐな状態で放置し、ストレスを解放してから使用する。

隠しヤード 丸くなっている裏をチーズ削りで細かく傷を付けて新しい面を出す。そこにスーパーXを薄く塗って、厚い合板を置きクランプで圧締する。(写真左の方)
 接着剤は完全に押しつぶされて密着し、素晴らしい接着力を示す。はみ出したゴムに切り目を入れはがそうとすると、ゴムがちぎれる。

rotary cutter 1rotary cutter ゴム板を切るのはこの道具を使った。回転式のカッタだ。床のタイル・カーペットを切るのに買ったのだが、段ボールなどを切るのも楽である。固定刃は超硬、回転刃はハイスだ。絶妙な角度で組み合わさっていて、ハイスの刃がいつも最高の切れ味を示す。自動研磨と書いてある。リチウムイオン電池で、軽くて使いやすい。

2016年05月06日

倣いルータ

 所属クラブの会員であるN氏が、自宅用の組立て線路を作りたいので、工具を使わせてほしいとやって来た。聞くと、正確な曲線をたくさん作るのが面倒だそうだ。それなら、一枚だけ正確に作って、それをコピィしようということになった。そういう用途には倣い(ならい)ルータが最も適する。

pilot router bit そのルータ(ラウタ)の刃先はこのような形になっている。英語では、pilot router bit という。pilotには案内するという意味がある。
 ボール・ベアリングの径は刃物と同じである。すなわち、ボール・ベアリングに原型が触るまでは、ワークに刃物が当たる。そこでワークをずらすと原型をなぞって切込みが行われる。
 
router table 原型とワークとは釘で固定する。ずれないように正確に打ち付け、倣いルータを起動する。切粉は熱く、猛烈な勢いで飛び散る。出力1-1/4馬力の機械なので、1 kWほどである。最大出力を出すためには、電圧を120 Vにせねばならないから、昇圧トランスを用意する。
 1枚当たり、1分も掛からない。次から次へとワークに原型を打ち付け、作業する。

 切粉だらけになったが、十数枚の曲線があっという間にできた。N氏はとても驚き、
「この方法でやればレイアウトはすぐできるね。」
とご満悦であった。

 筆者は自宅のフェンスをこれで作った。100本ほどの19 mmのwestern red ceder(杉の一種で腐りにくい材)から切り抜いた。いわゆる picket fence である。切粉が大きなゴミ袋3杯以上出た。

 

2015年05月10日

続 パズル

biscuit joiner 切れ目をつなぐにはビスケット・ジョイナと云う機械を使う。この機械はアメリカで買ったものである。日本でこれを使っている人に、まだ会ったことがない。
 とても簡便な操作で確実な接合ができるので、筆者は愛用している。

biscuit joiner2 接合部に高さを揃えて、円の一部の切り込みを入れる。木工用接着剤を入れて、ビスケット状の接合部材を差し込む。このビスケットは水を吸うと膨らみ、30秒で抜けなくなる。筆者は、使用前に電子レンジで30秒加熱して乾燥する。乾いていれば縮んでいて、差し込みやすい。接着剤はElmerの大工用の強力型を用いている。一般の物は白いが、これは淡黄色である。どういうわけか、日本ではかびやすく、時々黒い部分を捨てている。1ガロンの包装を買ったので割安であるが、半分は捨てているような気がする。

 動画でお分かりのように、長手方向には多少のガタが許される。すなわちある程度動かせるので、微調整が効く。

biscuits are inserted この路盤を作るのには10個ほど使用した。45度に差し込むことも容易にできるので、四角の箱を組むこともできる。さらに角度を調整することができるので、多角形にすることもできる。

 現在はマキタなどの国産品もあるようだが、現物を見たことはまだない。箱形の棚を作ったりするときはとても便利である。

biscuit joiner3 クランプで、裏表交互に押さえておく。数時間以上の放置が望ましい。
 後ろに見える水色の箱は、昇圧器である。長い30mのコードリールを使うと多少の抵抗があるので、大電流を取り出すと電圧降下が無視できない。回転が上がらす 、モータが焼ける恐れがある。それを防ぐ装置であるが、輸入品の電動工具を使うときには便利である。125 Vの出力を使うが、使用時には120 Vになる。

  以前は単巻き変圧器(いわゆるオートトランス)を自作して使っていたが、電流が大きいと焼けそうだった。この昇圧器は便利だ。いわゆるバッタ屋で手に入れた人が「使わないから」と、くれたものだ。

trimmimg the edge レシプロ・ソウで外周に沿って細く切って出来上がりだ。切口はなめらかで、仕上げがいらない。
 
     

 

2015年04月16日

ジグソウ

 中心の位置を割り出して、ネジを立て、コンパスの中心を留めた。フェルトペンで半径3050 mmの円周を描いた。これがレイアウトの縁の半径だ。それより100 mm入ったところに、半径2900 mmの線路道床の外周がある。
 ターンテイブルの位置が微妙にずれる可能性があるので、まだ孔を開けられない。

 突然助っ人が現れたので、頼んで外周を切った。このように大きな板の外周を切ろうと思うと、切り離した方の板を支える人が要るからだ。ジグソウはあまり好きではない。卦書き線の上を切りたいのだが、それはなかなか難しい。以前コンパスのアームにジグソウを取り付けたので、何も考えなくても真円が切れると思ったが、刃が少し傾いたりして、非常に難しい。今回も微小な凹凸があり、削り落す必要が出てきた。

 室内でやると埃が出るので、外でやりたい。1枚ずつ、外せば位置関係はすぐに復元できるから、外に持ち出してやすりがけをした。ベルトサンダでやれば、すぐ削れる。削った板は所定の位置に、うまく嵌まる。

仮配置 北の方を見た写真である。雑然といろいろなものが置いてある。ポイントがつながっている様子が分かる。貨車の類は車輛が置かれるとどんな風に見えるかを見るために置いた。

 この渡線を境に、DCとDCCが分かれる。それを跨いで運転するには、いろいろな点で面倒な操作が必要だ。発表されている方法は面倒だし、高くつく。

 ここに先回の電池式機関車を置くと、便利だ。全ての電源を切って、異なる電力区間を跨ぐ部分を、自前の電池を持つラジコンでカヴァすると、面倒なことは考える必要が無くなる。ラジコン機関車は線路がなくても走るので、事故を起こしてしまうことがあるそうだ。注意せねばならない。 

2014年12月17日

木工会社

 合板を切り抜かねばならないので、その種の作業をする会社を探していた。比較的近い所に、納得できる価格で請け負ってくれるところが見つかったので、工場見学をお願いしてみた。二つ返事で許可が出たので、さっそく出かけた。

CNC router これはコンピュータで指示した通りに動くフライスである。刃物はΦ12、Φ10、Φ6、Φ5、Φ3を使うことが出来る。Φ12の時の回転数は、2700 rpm だそうだ。径が大きいので、周速によって回転数が制限されるのだろう。
 切り抜くときは、何回かに分けて同じ軌跡をなぞる。一回で切ると、めくれ上がるのだ。材料は4x8の合板(1220 mm × 2440 mm)まで置ける。真空ポンプで吸着するのだ。動くところは見なかったが、どういうものかはよく分かった。
 刃物は二次元平面内を動き、軸を傾けることはできない。

cutting saw これはホームセンタなどに置いてある合板を切る鋸盤であるが、とても大きい。普通の物の1.5倍程度である。この工場では、合板を小売してくれるが、1枚に付き、5カットまで無料で切ってくれるそうだ。


gang drilling machine ついでに他の面白そうな機械も見せて貰った。これは孔空きハードボードなどの孔を開ける機械である。たくさんの合板を重ねて、1列20個以上の孔を同時に開ける。そして等間隔で送って、全体に孔を無数に開けるわけだ。このような機械を使っているとは思わなかった。
 この機械で全国の需要の半分近くをまかなっていると言う。左の方に完成品がある。

hydraulic press これは厚い合板を作るプレスである。普通の合板を接着剤で張り付けて、いくらでも厚くすることが出来る。これはある住宅会社に納品する耐力壁の材料で、30 mmの厚さのものを作っているところである。これをはめ込めば、筋交いは要らないわけだ。
 一回にたくさん作りたいので、重ねてプレスする。

2014年10月30日

ネジを立てる

ネジの噛合い率 平岡幸三氏の講演の中で、ネジを立てるときの下穴径を、ネジ径の8割と見込むのは無駄であるとの話があった。2 mmネジなら 1.6 mm の下穴と堅く信じていたが、もっと大きくても良いのだそうだ。


 ネジの噛合い率は55%で良いそうで、それをもとに考えると1.7 mmドリルでも十分過ぎる。言われるまで気がつかなかったが、ネジの先端部など力が掛かったら曲がってしまうのだから、そこまで噛ませる必要はない。根元の太い部分で噛み合うのが大部分の荷重を支えているはずだ。

 先日、トヨタ車のシャシ部分のネジを外した。10mmネジなのだが、小指の先を入れてみると、ネジ山の先端がない。妙にネジの山が低いので不思議だと思った。以前乗っていたドイツ車のネジ穴は、手が切れそうであった。

 平岡氏の話だと、ネジ山を低くすれば、工具の持ちが良くなる。また、省エネルギー、省時間であるということだ。トヨタのような渋い会社ではそういうことは調査済みであろうから、最も安くなる方法を採っているはずだ。
 引抜き強度を調べると、55%くらいでネジ自身の破断と同等になるとのことである。もっともそれは鋼製ネジでのデータであり、快削材製のブラスネジはもっと早く破断するであろう。一度詳しく調べてみたい。

 今まで、ネジ立てには苦労していた。タップを折らないように最深の注意を払っていたが、それも必要がなくなりそうだ。大きな下穴なら、潤滑剤もほとんど要らないだろう。
 タップが垂直に立つように、ネジ立て台を使ってそろそろとグリスを付けてやっていたが、これからはタップを廻すのにクランクを使ってできるであろうと思う。場合によっては、簡単な動力を付けて自動でネジ立てができるであろう。

2014年03月17日

技能伝承

 その模鐡技師のジグと称する記事を読んで以来、頭の中にもやもやとしていたことがはっきり形になってきた。金属工作塾を開くべきであるということになった。いろんな人がアイデアを語るのは聞いたことがあるが、実現したのはあまり知らない。10年ほど前、安達庄之助氏は鉄道模型工作の講師を、地元の文化センタで務めていらした。名古屋模型鉄道クラブでは加藤清氏が、中日文化センタで講師をしていらした。いずれも市販のブラス製キットを組む手助けをするわけである。

 もう少し基礎的かつ応用的な塾を開きたい。おそらく1年以内に実現できるだろう。場所も確保した。後進を育てれば、この趣味を継承することが可能だ。吉岡利隆氏ともその点でも話が一致していた。本来ならば、彼にも講師をしてもらうはずであった。

 最近のプラスティック製模型ではなく、ブラス製模型を正しく作る手助けをしたい。幸いにも、筆者には祖父江氏アメリカの鉄砲鍛冶のところで学んだノウハウがある。他にも近所の鉄工所の親父さんや、超精密加工をしていた友人のノウハウも多少は吸収した。また、この道の達人を、客員としてお呼びし、ご活躍願うつもりである。

 まずはヤスリの整備から始めて、糸鋸の使いかた、ハンダ付け、その他のテクニックを伝授する。いずれ旋盤やフライス加工までやりたい。若い人を育てたいのである。もちろん、Oスケールに興味を持ってもらいたい。日本のOスケールは、もはや風前の灯である。オークションを見ていても相場が立たないのが現状である。HOもかつての勢いを失い、ひどい状態であるが、Oほどではない。

 実はある計画が進んでいて、夏あたりに形になるだろうと思う。まだ中味が確定していないので、詳しいことは発表できない。

 プラスティック製の模型は、50年というタイムスパンを考えると、不安要素がいっぱいだ。ブラス製模型は数百年後も形を保っているであろう。もちろんモータ内にはプラスティック部品があるから、交換せねば走らないだろうが、主たる構成部品は安泰だ。

2014年03月15日

ジグ

 またも模鐡技師の記事についてである。skt氏がブログでおかしいと書いていらして、その号を読もうと思っていた。ちょうど眼の手術を受けたところであって、視線を動かすと痛いので、しばらく安静にしていた。
 先日、ようやく本屋でその記事を見たが、意味不明のジグと称するものの話があった。残念ながらこれはジグではない。それでは何か?と問われても答えられない。効果はほとんど期待できない。

 工作機械は時間節約のために使うのである。手作業で失敗しながらやるより、機械で一発で精度高くやりたいのである。その記事では訳の分からない装置を組んで、直角にドリルで穴を開けるとあるが、ボール盤を持っていないのであろうか。しばらく前の記事ではフライス盤を使う方法と称して、摩訶不思議な方法が紹介されていた。批判を浴びてフライス盤を捨てた、というわけでもあるまい。あんな奇妙な装置を作るぐらいなら、ホームセンタで一番安いボール盤を買うべきだ。数千円で買えるだろう。それでも直角は出る。

Steel Parallels この記事を見て、作者の知識には大きな欠落部分があると感じた。それはSteel Parallelである。日本語では、敷板、正直板、ヨーカンなどと呼ばれる。全く同じ高さの板を万力の中に立てて、それを台としてワークを締めたジグを固定するのである。

 軽く締めてから、プラスティック・ハンマで叩いて密着させ、本締めをする。

 この板は各種の高さを揃えていると便利だ。筆者は1/8インチ(約3mm)ごとのピッチで10段階持っている。安いものである。厚さも色々あるが、薄いと使いやすい。結局のところ薄いものばかり使っている。安い製品を輸入して、所属クラブで頒布した。万力の大きさに合わせて長さを切断し、お配りした。

 図中の青い部分がジグである。スリットを入れておけば、締めると動かなくなる。こういうものは少し開き目にしておいて、ワークを挟んで締めると前後が平行になるように作るのが骨(コツ)である。万力は固定し、ジグは顎の中の特定の位置に固定できるように印を付けるか、位置決め板を仮接着する。
 
 以前にも書いたが、この記事を書いている人はどういう人なのだろう。決して技師ではないことは確かだ。ドリルビットのセンタリングは、やはりポンチマークに頼っているようだ。
 経験豊富な人に見てもらってから、原稿を出すべきだった。若い人がこの記事を読んで、こうしなければならないと思い込んだら迷惑な話だ。

2013年12月04日

続 Antelope Island へ

Antilope Island FAntilope Island KAntilope Island H 島に入ってすぐの丘の上にはVisitor Centerがあり、そこで島のかなりの部分が見渡せる。島の名前のAntelopeとはPronghornのことであり、西洋人が初めてこの地に来た時に、大きな群れがいた事から名付けられた。
 当時は湖面が比較的高く、島までは馬で30cmの水の中を歩いて行ったという。島には十分な湧水があり、入殖が始まった。その後、20世紀になってから、バッファロを放し飼いにした。今では数が増えて、アメリカでも有数の繁殖地である。ただ、元になった個体が少ないと近親交配で弱くなるので、定期的に他の血筋を入れているということである。
 上の3枚目の写真は、牧場から望遠レンズで撮ったものをさらにトリミングしたものである。左のブッシュのすぐ脇の奥に、バッファロらしきものが見える。小さすぎてよくわからない。

Antilope Island I たくさんいるらしいが、実際には見るのはなかなか難しく、ようやくこの一頭を見つけた。黙々と歩き続けていた。
 



Antilope Island LAntilope Island M 湖岸には海水浴(湖水浴)ができるビーチがあり、そこまでの道はこのように足場を確保してある。
 砂が細かいのでうっかりすると、めり込んで歩きにくい。この砂は長年の間に角が削り取られて、山にしても自然に流れてしまう。サンドブラストに適する砂である。

 最近サンドブラストが安く入手できるので、筆者も持っているが、砂の確保には困る。砂ならなんでも良いわけではないのだ。ここに示すような角の無い砂を探さねばならない。窯業の材料を扱っている友人に頼んで、ベトナム産の海砂を手に入れてもらった。20kg入りの袋であったが、袋に穴があくと、そこから全て流れ出してしまう。それほど流れやすいのである。
 穀物などは細かい凹凸があって、ひっかかりやすい。すなわち流れにくい。小麦粉もそうである。ホッパ車で運ぶ時は、下から出すときに、振動を与えたり、空気を吹き込んだりする必要がある。 

2013年12月02日

Antelope Island へ

Antilope Island CAntilope Island J 半日空き時間があったので、アンティロープ島に行ってみた。この島は見えているのだが、行くチャンスがなかった。というのはGreat Salt Lake の水位は上下していて、たまたまその高い時期に住んでいたものだから、道が水没して行けなかったのだ。今回は、地元の人に話を聞いて行く気になった。水位が上がると塩が薄くなる。

Antilope Island B 入口のToll Gateで10ドル取られた。湖面に伸びた道を行く。これをCausewayという。大陸横断鉄道も、同じような構造の堤防を走っている。昔は木の杭を打って作った橋であったが、1940年頃作り替えている。砂をかき寄せて盛り上げただけの道であるから、また湖面が上昇すると水没するだろう。島の北のはずれに行く道である。南の方の道は閉鎖されている。 
 この湖はとても浅い。九州ほどの面積があるが、最深部で7mほどである。だから雨が多いと水位が上がる。日照りが多いと下がるわけである。

Antilope Island A 素晴らしい晴天でカモメがたくさん飛んでいた。ソルトレイクの街とカモメは非常に深い関係がある。中学校の英語の教科書にその話が載っていた。


Antilope Island EAntilope Island D この島には牧場があり、長らく自給自足の生活をしていたらしい。牧場の備え付けの工作所には昔ながらの機械が据え付けられている。これはドリルプレスである。手回しの増速歯車が見える。上のクランクで刃物を下げるのだ。かなり疲れそうだが、面白い。

2013年08月02日

続 持ち帰った工具

6-inch Degital Caliper 他に持ち帰ったものとしては、デジタルノギスとDremelのMoto-Toolがある。
 前者は評判が良い。日本国内で売られている中国製のノギスの中には、誤差が大きいものがあるそうである。しかし、筆者はシカゴの親しい店から購入しているので、精度は保証付きである。店に行くと、1インチ、1.5インチ、2インチの精密ゲージ・ブロックがあって、それで調べてくれるのだ。中には微妙なハズレもあるそうだが、ほとんど間違いない。1/100 mm まできちんと測れて、再現性が完璧である。しかも安い。米国内送料を入れても2000円ほどである。必ず欲しがる人が居るので、いつも多めに手配しておくと喜ばれる。

Dremel 8200 もう一つはドレメルの充電式のモート・トゥールである。最近は10.8 V リチウム電池搭載で、かなり強力である。ケースに入って、ある程度の先端工具付きである。コレットは1/8 インチ用しか付いていない。3/32インチ用のは別途買う必要がある。旋盤工作が好きな人なら、自作できるであろう。
 この2台の行き先が、決まっていなかったが、拙ブログで紹介したら、あっという間に無くなった。 電池の持続時間は、全速で使用して6分間位である。緩速使用なら、12分間ほど使える。電池は継ぎ足し充電が可能であるので、充電しながら使うことができる。公称1時間で充電可能である。
 

2013年07月25日

持ち帰った工具

 今回は純粋に人に会うだけの旅行であって、コンベンションのように物を持って行ったり、買ったりすることが無い。スーツケースは空同然であった。こういうときは頼まれていた工具類を持って帰るチャンスである。

14 今回、頼まれていたOptical Center Punchをたくさん買った。知りあいの店に注文して、これも友人宅に送らせておいた。軽くて大きな箱が届いた。注文数を間違えて少し余ったが、欲しい人はたくさん居るので、心配はない。現にメイル1本であっという間になくなった。
 この工具は評判が良い。最近は円安で高くなったが、それでも8000円ほどである。日本でも類似品はあるようだが2倍ほどもするようだ。
 brass_solder氏が早速レポートを書いて下さった。 


Steel Square 2Steel Square 他にもリクエストに応えて購入したのは、このスコヤである。通常の組み立て式とは異なり、全体が一体である。すなわち狂いにくい。組み立て式のものを信用して使っていてひどい目に会ったので、それを廃棄してこれに乗り換えた。
 厚板から削り出しであるので、重厚である。「この重さが何とも言えない。」という感想を多くの人から戴く。今回はHOの人たちからのリクエストなので、小さいものを選んだ。大きなものもある。エッジが斜めになっているので、全体を少し傾けてエッジを密着させて使う。昨年のKonno氏のレポートをご覧戴きたい。

towing member and hitch 車の部品でかさばる物を買った。これは車の後ろに取りつけて、トレーラを牽く装置である。ネジ4本で付けられる。とは言え、アンダーカバァの一部を切り取らねばならない。
 私の車種用は日本ではまず見つからない。たとえあっても10万円もするだろう。それがたかだか130ドルだったので買った。箱ごと手荷物として預けたら、案の上、荷物検査で箱は切られ、中身が飛び出していた。
 下のタイルが30cm角だから、大きさは見当が付くだろう。自動車部品はほとんどがこのように大きな箱に入り、その大部分が空気である。しかし、この箱を切り縮めたりすると、平均密度が大きくなって持ちにくかったり、壊れやすくなる。箱ごとの質量は15 kgであった。
 中味は11 kg強である。
 友人宅に送らせた。友人の奥さんは、「貴方宛の荷物が届くと、貴方が来るということが分かる。」と笑った。 

2013年06月01日

続々 Optical Center Punch

1112 この写真を見れば先端の角度が分かる。ドリルの刃先と一致しているので、刃を降ろせばぴたりと納まる。
 透明軸の太い部分は光を集めるために必要である。また、梨地仕上げの部分は光を散乱させて、視野全体の明るさを均一にする。

13 その先端はこのようになっている。円の中心には黒い点があるが、肉眼では見えない。と言うことは1/10 mm以下である。多分0.03mm程度であろう。
 穴に差し込むと先端はワークに当たる。その時、この点を付けた部分が当たると傷が付くので僅かに凹ませてある。
 凸レンズの曲率と先端の凹ませ具合が、ノウハウなのであろう。
 
14 このような円筒ケースに入っている。注文された方にこれを送ったところ、「化粧クリームなんか注文してないのに…と思った。」と言われた方が複数あった。
 円高の恩恵を受けていた時代にはこれを定価6000円前後で買えたのだが、今は1.25倍以上になった。軽いものなので、友人宅に送らせてそれを持ち帰った。

 このポンチを使って確認したことがある。祖父江氏がたくさんの板を積み上げて、それをボール盤で一気に穴を開けるのだが、上から下まで穴は完璧に同じ位置に開く。自分でやって見るとずれてしまう。
 このポンチを使ってドリルを誘導し、貫通させるとドリルがまったく踊らないので垂直に穴が開く。すなわち、穴が真っ直ぐに開いてずれない。単純な話だが、気が付く人は少ない。
 


2013年05月30日

続 Optical Center Punch

 鹿ケ谷氏の仰るように、日本人は熟練を基調としている。持って生まれた「才能」 + 「鍛練」が大切だということになっている。いわゆる達人はその二つを兼ね備えた人である。昔から職人は、「センタ・ポンチを打たせれば、ある程度のことが分かる。」と言う。
 その人の前で打って見せたら、こっぴどく叱られた。
「姿勢が悪い。ポンチが垂直になっていない。ハンマーが水平に当たっていない。」 その他は忘れたが、あと二つくらいあった。
 彼らが使うポンチは先端の角度が浅く、ドリルと同じ角度になっている。
「こんなに浅い角度ですか。」と聞くと「ドリルが踊るからな。」と言う。工具箱に先端が尖ったポンチも在ったので、「これを使うことがあるのですか。」と聞くと、照れくさそうに、
「たまには失敗することもあるからな、ほんの少しずらすときはこれで斜めに打つ。やすりでめくれを取ってから、浅い角度の方でコンと打つのだ。」
 この話は30年ほど前のことで、近所の鉄工所の親父さんに教えてもらったことである。その方も10年以上前に故人となった。
 それ以来、ポンチは2種類持っていたが、オプティカル・センタ・ポンチを入手してからは、失敗することは全く無くなり、尖ったポンチは使っていない。

 日本の模型工作の先輩たちはどんなポンチを使っていたのだろう。おぼろげに覚えているのは、どれも尖ったポンチだ。それではドリルが踊って失敗する。
 祖父江氏だけは、細かい作業の時は浅い角度のポンチを使っていた。

 先回頒布した時は、名人クラスの方が何人か注文されたので、少々驚いた。しかもその方たちから、「素晴らしい。よくぞ勧めてくれた。」と感謝して戴いたので、ますます驚いた。
 正直なところ、「大した物ではない。」というコメントが返って来るものと思っていたのだ。世の中が成熟したのか、我々が歳を取ったのかは分からない。

2013年05月28日

Optical Center Punch

Optical center punch この工具を手に入れてから、かれこれ20年ほどになる。使うたびに便利なものだと感心し、発明者に感謝する。
 所属クラブの工具頒布で希望者があったので何回も購入し、都合20個ほど持ち帰った。国内小売価格はかなり高い。

 初めて見る人が多く、最初は皆おっかなびっくりだったようだ。黒い台座の裏にはコルクが張られていて、滑り止めになっている。透明な軸を真上から見るとこうなっている。

Optical center punch2 ケガキ線の交点に黒い点を合わせて、そっと引き抜く。台座を動かさないようにして、ポンチを差し込み、軽く一撃する。
 すると目的の位置にポンチ・マークが出来る。誰がやっても外れることがない。


Optical center punch3 再度、透明軸を差し込んで覗くとこうなっている。作例ではケガキ線が太過ぎて、ありがたみが分かりにくいが、狙ったところにポンチ・マークが確実に打てる。
 若いうちは良いが、だんだん歳を取るとむずかしくなる。これを使えば百発百中である。日本人は「腕」に頼りがちであるが、彼らは「腕」より、「誰でも出来る方法」を尊ぶ。

 ポンチの先端はドリルの先端の角度と同じ118°である。これがこの工具の最大の秘密で、ポンチ・マークからドリルが外れない。普通のポンチの先端はやや尖っている場合が多い。それではドリルが踊って逃げる可能性がある。

 細い帯材とか角材に穴を開ける為には、正確なポンチが必要である。これがあれば必ず成功する。



2012年10月03日

DRO

712_5602-2 以前彼に勧めたDROが採用されていた。価格があまりにも下がって、付けない理由が見つからなくなったからだろう。この台湾製の縦フライスの3軸全部に付けられていた。


712_5604-2 この図面はUSRAの0-6-0のフレイムである。もともとはLobaughのフレイムであるが、それを複製することにしたのである。スクラップ屋で安価に購入したアルミ材を削り出して、鋳縮みを含めた大きさに削り出す。図面を見るとDROで加工するべき手順が良く分かる。起点を決めてそこからの絶対値で加工する。もちろん刃物の直径を含めた寸法が出してある。この検算をするのにつきあった。簡単な計算ではある。彼はこのフレイムをロストワックス鋳造で複製するのである。元型は砂鋳物で抜き勾配が大きく、あまり恰好が良くない。

712_5614-2712_5615-2712_5612-2 これらが3軸の棹である。昔は1本十万円もしたのだ。現在の価格はなんと6インチ(15cm)で 34ドルほど、12インチ(30cm)で42ドルほどである。48インチは60ドルほどである。あまりの安さに卒倒しそうである。おそらく今が底値で、急速に値上がりするであろうと思う。
 この機種はディスプレイが個別になっている簡易型である。もちろん棹を買うと付属してくるのだ。しばらく休んでいると、電源は自然に切れる。1/2を出す機能は無いので、旋盤のY軸には使い難いが、それにしても安い。

2012年10月01日

続 Dennis の工夫

712_5816-2 先回の写真は角度が悪く、あまり良くお分かり戴けなかったと思われる。もう少し異なる角度からの写真を探してみた。
 ダイヤルゲージの先端に小さなプローブを付けている。それがクランクピンに当たる位置を調べている。もちろんクランクピンの太さが完全に同じであることを調べなければならない。動軸をセンタで押さえてクランクピンを水平なゲージにこつんと当て、もう片方をプローブで押さえる。いくつかの動輪を調べて見ると、大体2〜5/1000インチの誤差がある。ミリで言うと0.051mmから0.13mmくらいの振れである。
 日本製のKTM製品はまず問題ない。韓国製、中国製は問題がある。後者は壊滅的に駄目である。試運転すればすぐ分かるはずなのに、ずさんにも検査を通してしまうのだろう。
 調整して、2/1000インチ以下の振れに留めるようにする。

 振れを調整して、プレスで押し込む。一度は嵌っていた軸なので問題なく垂直に押し込める。この時精度の良いアーバ・プレスを用いないと振れが出る。もちろん限界まで押し込んで完了するように、Back to Back(バックゲージ)のブロックを挟んで行う。

25ton Arbor Press アーバ・プレスとはこんな形の工具である。力が掛かったときに口が開かないような設計が必要である。Oゲージでは0.25トンが必要である。写真は筆者が持っているタイプのカタログ写真である。ラック刃の付いた角棒が垂直に降りるように、調整ネジが付いている。ワークの高さに合わせてアーバを引き抜き、ピニオンとの噛み合いを調整することができる。そうすることにより、ハンドルの角度を変えられ、最も力を入れ易い所に持って行くことができる。

 アーバの先端にはネジ穴があり、色々な工具を取り付けられる。抜き型を付ければプレス抜きもできる。ボール盤で代用すると、軸が回ってしまい、プレス加工は困難だ。達人はベルトをシャコ万で締めて回らなくしたりするようだが、筆者は自信が無い。この工具はかなり前に仕入れたアメリカ製である。e-bayを丹念に見ているとたまに見かける。それほど重いものでもないので運賃も心配するほどのことはない。

2012年06月20日

続々々々 Stu を訪ねて

COM_4362-2 このエア・コンプレッサが面白いので写真を撮った。エアタンクがどこかで見た形だと思った。これは航空機の非常用酸素タンクである。高空で与圧が抜けた時に酸素マスクに酸素を供給するためのもので、近くにある飛行機の解体屋でもらってきたものだという。
 飛行機の解体屋は日本ではまず見ないが、アメリカにはかなりある。エア・ポンプは大型トラックから外したものらしい。静かに作動した。Stuはどんなことでも理屈を全て理解しているから、巧妙な工夫によってより高い完成度の作品を作る。見掛けだけの工作ではないのだ。
 
COM_4365-2 これが彼の工作台である。長年の間にこうなったと言う。特に何か方針があってこう並べたわけではないそうだ。工作台の上には仕掛品がたくさんあった。1台ずつ作るのではなく、同じ機種が溜まるまで待つのだそうだ。その間にジグを作り、部品を作っておく。一度に10台仕上げれば時間の節約になる。

COM_4350-2COM_4351-2 これは蒸気機関車の動輪を締めるジグである。全て鋼製で、先回見たブラス製とは出来が違う。「へそ」の部分がバネで出入りする。動輪軸のセンタに嵌めて締めると、心が出たまま締められる。締めるときは縦型のプレスを使う。

2012年06月18日

続々々 Stu を訪ねて

 電動でない工具を見て行こう。

COM_4335-2 右はシァである。素晴らしくよく整備されていて、ティッシュがすぱりと切れる。このようによく切れるシァを見るのは久しぶりである。
 昔祖父江氏の工房のシァが、そのように整備されていて驚いたことがある。
 左はいわゆる「カキ(欠き)」である、角を落とすように刃が付いていて、箱状のものを作る時に便利な道具である。

COM_4336-2 上から見るとこのようになっている。周りに台を増設してあり、ワークの保持が楽である。
 刃の上下は、上のレヴァを降ろすと、カムで動くようになっている。アメリカの手動プレス機は、たいてい、カムか、リンクまたは歯車式である。日本はネコプレスに代表される回転式の、慣性を利用するタイプが多い。
 筆者は中型のネコプレスを持っているので、それをこのタイプの専用機に作ろうと思っていた。よい見本を見たので、簡単に出来そうである。もちろん周りのテーブルも作る。

COM_4332-2 これは、ブレーキ(折り曲げプレス機)である。折り台がぴかぴかで素晴らしい。全ての工具が完璧な状態に保たれている。
 これは親子代々で経営してきた工場を見るといつも感じることである。工具に対する愛着がそうさせているのだ。

COM_4337-2 これはベンダ(板金折り曲げ機)である。筆者も持っているがもっと簡便なものである。それはジュラルミンで出来ていて、あまり厚い板は曲げられない。その工具は買う場所を間違えたのである。飛行機の修理用具を売っている店があって、そこで買ってしまった。アルミ合金の板しか曲げないのであるから、仕方が無い。ブラス板は 0.6 mm 程度しかうまく曲がらない。

2012年06月16日

続々 Stu を訪ねて

COM_4345COM_4343-2 続いてフライス盤を見て行こう。縦横兼用の機械がある。これはドイツ・ミュンヒェン製の機械だ。頭の部分を外し、横フライスアタッチメントを付ける事ができる。このアタッチメントの収納棚ごと安価で手に入れたそうだ。うらやましい限りである。取り換え用のヘッドだけで数通りあるようだ。
 割り出し盤のたくさんあることにも驚く。一つもらってくればよかったと思う。

COM_4342-2COM_4341-2 工具を収納するトレイの中に、個別に工具を支えるものがつくられている。これらは自分で作ったものだ。このアイデアは採用したい。


COM_4346-2 Clausingのフライスである。剛性の高そうな機械だ。最近は安く出るそうで、安価に運ぶ方法があれば欲しい。
 クロウズィングはミシガン州カラマズーにある工作機械メーカで、今でもアメリカ製の工具を作っている。昔Atlasブランドの小型旋盤が日本にも入っていたが、Atlasはこの会社に吸収されたはずだ。

2012年04月17日

続 友人Harmon

COM_3824 sCOM_3825 sCOM_3828 s ハーマンはスクラッチ・ビルダである。手先が器用で、極端に細かい作業をこなす。作りかけの機関車が2輌あったが、どちらも気が遠くなるほど細かく作ってある。
 彼はイリノイ・セントラル鉄道が好きである。子供の時からすぐ近くに駅があって、入れ替え作業を見ていた。たまに特急が通過するのを、眺めた記憶があるからだ。

 彼はこのパシフィックに2年掛かっている。九割がた、完成の域に達している。ブラスと洋白との組み合わせである。火室の下部のMud Ring(マッドリング)があるのには驚く。電動模型でこれを作っている人は少数だ。火室は二重の鋼板で出来ていて、隙間に水が入る。水の中の不純物は火室下部に溜まりやすいので、それを時々排出する。その部分を「泥が溜まる部分」として、こう呼ぶ。 

COM_3833 sCOM_3835 sCOM_3837 s 手工具はイギリス製だ。リヴェット打ち出し機、3本ローラ、小型旋盤、小型フライス盤があった。
よく見ると旋盤はもう少し大きなのも買ってある。

COM_3839 s 加工硬化を実演した。このくねくねと曲がってしまうロストワックス鋳物のハンドル(キャブ内のターレットから来る長い軸付き)を固くしないと取り付けしにくいし、また曲がってしまう。
 鉄板の上に乗せて、ネジまわしの軸でこするだけで具合良く硬化し、ぴんとした。ハーマンは「知らなかった。こんな方法で硬くなるのか。」と驚いた。

2011年11月01日

工具立て

DSC_2732 良く使うニッパなどをどこに置くかということは、長年の悩みのタネであった。棚を少し斜めにして柔かい布を敷き、そこに置いてみたがあまり機能的ではなかった。
 この工具立てはどうだろう。しばらく前に買ってあったのだが、つい出し忘れていた。難しい工作ではないので自分で作ることもできる。実はそのつもりで、見本として買ったのであった。

 立てる工具に合わせて穴を開ければよい。太い穴は深くせねば工具が立たないだろうから、厚い板で作る必要がある。

 ところで、「ハンダゴテをどこに置くか」というのは永遠の悩みである。子供のころから置き場所には困った。机の片隅に置き台を作り、パイロットランプをつけ、通電中であることが分かるようにした。電圧を変えると明るさも変わるので、出力もすぐ分かる。しかし邪魔である。

 今考えているのは、バネで握りの後端を支えるようにぶら下げる方法である。握るのは先端が小指の方に向くように持つのでこれで良いはずである。しかしバネに緩衝性がないと、コテを放した時飛び跳ねる。
DSC_2873 弱いコイルバネで紐を繰り出して伸縮する、このようなものを探している。これは30年も前に米国で手に入れたもので、注文しようにも、このブランドを頼りに検索すると、会社はすでに異なる業種に売却されてしまった模様である。同じ物が見つからない。この大きさ、引きの強さが気に入っているが、試しに日本製のバランサも買ってみようと考えている。
 今まではドレメルの Moto-Flex をぶら下げていた。電線付きの回転工具は、これまた置き場所に困るのである。最近はコードレスになったので引き出しに入れてある。

 これをハンダゴテに使えば使えば、不要な時は高く上げておくことができ、必要な時は引き出せばよいと思う。このような悩みを持つようになったのは、炭素棒ハンダ付けをよく使うようになり、ハンダゴテの出番が減ったからである。
 

2011年10月18日

続々 Golden Gate Depot の客車

DSC_2729 GGD (Golden Gate Depot) の客車はそこそこに出来が良く、安いというのが魅力である。しかし、よく走るとは言い難い。台車の懸架方式にも問題があるが、もう一つは軸受にある。軸受のピヴォットの設計がまずい。しかもロットによって出来具合が異なる。
 あるものは調子良く、あるものは摩擦が大きい。それをばらしてみるとピヴォットの穴がいびつであったり、バリがあったりする。それをさらう必要があって、この工具を作った。

 ドリルは既製品の穴さらいである。これはHO用をMicro Markでも売っているが、普通の模型屋の店頭にもある。しかも安い。価格は1/2程度である。ブランド名は忘れてしまったが、次回いくつか購入して来ようと思っている。希望者が居るのだ。

 これをブラスの挽き物の中に収めてOスケール用を作る。これは8mmのブラス棒にロレットを施した物で、滑り止めである。ロレットを付けた棒は、この種の小さな工具を作るときのために、適当な長さに切って作り貯めしてある。それをコレットに挟み、テーパ仕上げして、穴をあけて突っ込んだだけである。接着剤は例によって Super X である。問題は穴の深さで、これが狂うと意味がない。

 筆者の旋盤の心押し台にはDROが付けてある。と言ってもデジタルノギスをちょん切って付けただけのものである。この種の仕事をするときは本当に便利である。以前は、一回1mmで6回転と23/100という具合に数えていたが、よく間違えた。デジタルでは、ドリルの先を当てて、0セットすれば、何回でも往復できる。切り粉の排出にはこの往復動が不可欠であるが、面倒な確認作業も要らない。時間と材料の節約になる。

2011年07月27日

ロクロ作業

 ロクロは旋盤の一種であるが、堅固なベッドを持たない。ロクロ屋さんは日本中にたくさんあったが、その作業を記録したものにはほとんどお目に掛からない。今回伊藤氏を訪ねたのはそれを記録するためである。
1406 これがロクロ作業の「ハシ」と呼ばれる工具である。ワークが差し込まれる孔と刃物を移動させるためのテコを組み合わせただけのものである。この写真ではワークは左から差し込まれる。握りには刃物の動く限度を決めるストッパがついている。
 これは一定の長さで切断するための工具である。これ以外にも目的に応じて種々の「ハシ」があり、ネジ切り専用のダイスをはめる「ハシ」もある。
1403 裏側から見てみよう。右から材料が差し込まれる。ストッパが刃物であり、限度まで強く差し込まれたワークは、端面削りされる。ワークをいったん少し戻し、もう一度差し込む。そこですかさず工具を握ると、切断刃物が動いて切り離される。こう書けば簡単であるが、実はここには面倒なことがある。切断刃物の動く軌跡は円であり、材料に対して直角に動くわけではない。切り込んでいくと微妙に長さが変化する。バーサインが出てくるからである。
14041407 この設定だと長さ数mmの円筒形の部品ができるようだ。切断面が垂直になるためには、長さ方向のストッパが動く必要がある。切断刃物が食い込むと、刃先は切り込むが刃の片方の側面には刃がなく、ワークを横に逃がすための微妙な丸みが付いている。その部分で、仕上がる部品の側面を押しながら刃が食い込む。バーサインで、材料はストッパ方向に少し押し込まれる。上から2枚目の写真のストッパには長穴が付いていて多少動くようになっているのがお分かりであろう。これは適度の強さのバネで押されている。切断に伴い長手方向に動くのをこれで許容する。刃物の反対側の側面には刃が付いていて、材料の端面は多少削れて平面ではなくなるが、それは次の最初の工程で仕上げられるから問題ない。

2011年07月19日

糸鋸の達人

DSC_1659 糸鋸のframe(弓)は何本も持っている。中学生のとき買ったものはネジが甘く捨ててしまったが、その他の物は今でも使っている。英国製の弓も良かったが、20年ほど前アメリカで買った弓が軽くて使いやすく、もっぱらそれを使っている。

 この写真の上は英国製らしいがアメリカで買った。少々重いのが難点だが、使いやすい。狙った方向に刃が向いて曲線切りには良い。下が米国製である。弓の一部がダイキャストであり、それがすぐ折れるだろうと思ったが、永持ちしている。価格は意外に安かったことを覚えている。当時の価格で10ドル強だったと思う。
 このダイキャストが軽いので驚く。マグネシウムでも入っているのではないかと思うほど軽い。ブランドはなく、ただ Made in USA としかない。 歳を取ってくると、少しでも軽いほうが助かる。人に勧めたいのだが、銘柄が不明なので検索しようがない。見つけたら買おうと思っているが、なかなか遭遇しない。

 刃はVallorbeである。この箱は10グロス(1440本)入りで、筆者が普通に使って10年分である。達人に使い方を習って折らないようにしているが、5秒で折ったりすることもあり、そういう時は別の仕事をして気を紛らす。達人とは伊藤英男氏のことである。先年TMSに平岡氏による紹介記事が発表されたので、ご記憶の方もあるだろう。

 伊藤氏によると「糸鋸の寿命は12分間」であるそうだ。「それ以上は持ちません。距離にして大体1200mmですね。」と仰る。「鋸も疲労するのです。どこにも引っ掛けないように注意していても、12分経つと自然に切れます。」と仰る。氏はおそらく生涯に何万本かの糸鋸を消費された上での結論であろう。伊藤氏はシァを使わないで、すべての直線を糸鋸で切るのである。
 伊藤氏は東京模型研究所という工房で船舶模型の一品物を製作するのを業とされた。生涯に約300隻作られたそうだ。戦後すぐ、カワイやカツミで特製品の製作をしていたと仰る。
 「その頃カツミに祖父江(欣平)さんが入って来られて、あの人にはとてもかなわないと思って、船の方に行ったのですよ。」と当時を振り返られた。それはちょうど一品物の特製品の時代から、機械を使う大量生産に移り変わる過渡期であったのだ。「私は糸鋸とハンドドリルとヤスリだけしか使わないハンドメイドでしたから、祖父江さんのように速く作ることはできませんでした。」と述懐する。

2011年05月20日

閑話休題 新しいカッタ

折るセラS折るセラS2  実物の鉄道の話が続いた。この間ホームセンタに行ったところ見かけない刃物が置いてあった。曰く、一般カッターの50倍も切れ味が持続するというセラミックナイフを売っていたのだ。商品名は「折るセラS」、あるいは”OLCERA S”である。購入価格は980円であった。

 試しに買ってみた。確かに良く切れるがそれが大きな差を生むような場面には遭遇しなかった。筆者は紙工作はしないので窓抜きなどに使ってその差を実感するということもなかった。

 先日アメリカに行った際、スポンジで作られた車体点検用の台を購入した。友人がそれを必要としているのでそれは譲り、自分の分をなんとか調達しなければならなかった。もちろん買えばよいのだが、体積は大きく、しかも重量など無きが如きもので、そんなものを送らせると箱代とその送料がかなり掛かる。行ったときに買えばよいが、どこでもすぐに手に入るとは限らない。作るにしても、ほどほどの硬さのスポンジが手に入るとは限らないので困っていた。

DSC_1485 偶然、見つかったスポンジが手触りも良いのでこれで作ろうということになった。たくさん買い溜めしてあったオルファ・カッタの刃を取り替えて切り込んでみたが、スポンジというものは本当に切りにくいものだ。四苦八苦しているうちに、この「折るセラS」を思い出して使ってみた。
 素晴らしい切れ味である。サクサクと切れてあっという間に出来上がった。

 定性的な感想だが、鋼製の刃は刃先に目に見えないささくれがあるように感じる。微妙にひっかかるのである。
これはカミソリも同じである。ところがこのセラミック刃はひっかかリを感じない。スッ、スッと切れる。
 ゴムも切ってみた。ゴムほど切りにくいものはないが、これはよく切れる。摩擦が少ないからであろう。

 面白くなって、カレンダの紙を切ってみた。この種の艶のある紙は繊維の隙間に Filler という鉱物の粉末が充填(じゅうてん)してある。フィラは紙の繊維よりはるかに硬いので刃が傷みやすい。延べ数十メートル切ってみたが、切れ味は衰えない。素晴らしい!。
 同時に鋼刃物も並べて使ってみたが、約3メートルで切れ味が劣るようになった。今まで折りながら使ってきたのだが、この刃物は折る必要がほとんどなくなったと言える。
 大型の方にはダイヤモンドの研ぎ器が付属しているから、それを使えば半永久的に使えるかもしれない。

 科学技術の進歩はこのようなところにもある。


[後記] 閑話休題の意味であるが、「話を元に戻して」という意味である。 このブログは鉄道模型工作を中心に進めてきた。「最近は実物の話ばかりでつまらない」というお話をよく伺う。たまには工作ネタを入れようということになって、「本筋に戻す」の意味で使ったのである。複数の方からこの使い方はおかしいのではないかという問い合わせがあったが、そのような経緯があったのである。

2011年04月24日

高速ボール盤

Cameron Deep Throat このような模型ショウの会場には、たいてい工具屋さんが店を出している。

 筆者の興味を引いたのはこのボール盤である。Deep Throatと言う名前だ。文字通り懐が深く(20 cm)、大きな板に穴を開けることができる。回転数は9500,17,000,30,000 RPMとなっているが、速度調整器を付ければ低回転も可能である。チャックのつかみ能力は0.002インチから5/32インチ( 0.05 mm から 4mm まで)である。ただし、注文時に他のサイズを頼めばそれを付けて出荷する。チャックはアメリカ製のJacob、ドイツ製のAlbrecht, 日本製のYukiwa から選べる。後二者はキィレス・チャックである。
「ユキワがいいけど高いね。」とのことである。

 この時代には珍しいアメリカ製で、カリフォルニア州Sonomaで作っている。その会社の社長が売りに来たのだ。質量は36ポンド( 16 kg 強)だから持って帰れる範囲にあった。

 筆者が今使っているボール盤は細かい作業には向かないのでいずれ購入することになるだろうと思う。同時に何台か買えば価格の交渉の余地が生まれる。どなたかご希望の方はお知らせ願いたい。

 オプションとしてXYテーブル等もあるが、インチ目盛である。「それをメトリックにしてくれたら欲しい人が何人か居る。」と言うと、「考えてみる。」とのことであった。要は数である。

 価格はチャックにもよるが1000ドル近辺で、速度調整器が110ドル、チャック抜きのくさびが10ドルである。XYテーブルは390ドルである。これらの価格は、2009年の資料に基づく。

2011年02月06日

続 Centering Indicator

 プローブ(探針)には外径用、内径用などがあるが、筆者が一番良く使うだろうと思われるものは、真直ぐの尖端が円錐形をした物である。
 それは丸穴に差し込んで位置を決めたり、卦書いた材料のセンタ・ポンチ穴に当てて位置を出す。DROと組み合わせるとそこから任意の位置まで切り込むことが出来る。

Window Cut-Out by Centering Indicator 実は筆者は今、軽量客車の量産準備をしている。窓をたくさん抜くときに、角の丸みに一致する径のエンドミルで切り抜く。


recessed window sash この装置を用いると、各窓のどこかの隅の座標さえ指定しておけば、どんな窓でもDROだけを見ていれば抜けることになる。窓の外の段つき部分を表現するのも、やや大きなエンドミルがあれば簡単にできる。

 それほど多くない窓を抜くにはプレス型を作るより簡単である。しかし段つき窓を作るのは三次元DROがないと大変であろう。

 この装置の応用にはいろいろな可能性があり、その例を模索している。


2011年02月04日

Centering Indicator

QCTP パサディナでは、久しぶりに親しい工具屋を訪ねた。
 友人たちに頼まれている工具を買い付けに行ったのである。かなりの量なので10%の値引きをしてくれたし、輸出用として地方税の免除措置を講じてくれた。全部で20kg程もあった。スーツケース一杯分である。帰国後直ちに彼らに渡して喜ばれた。

 その工具とはQCTPである。小さな旋盤用のクイック・チェンジ・ツール・ポストである。アルミ合金製なのであるが、その材質は鋼と同等の強度がある。軽くて運びやすいので助かった。
 アメリカで工具を買うと、この超ジュラルミン製のものによく出会う。強くて軽いので問題ないのだがヤング率が小さいのでよく撓む。もちろんQCTPは小さいので撓むことはない。 
 旋盤で刃先の高さをあわせるほど面倒なことはない。QCTPなら一度合わせれば、もう何も考えなくてもよいから助かる。

coaxial centering indicator 他には、以前から欲しかったセンタリング・インディケータを購入した。フライスで軸の中心を所定の位置に合わせるのはかなり面倒だ。
 材料の端を軸の外径に触らせるとずれて知らせる装置や、電気的に検知する装置を使う方法、レーザ光で罫書き線の交点にあわせる方法などいろいろあるがどれも結構面倒でまた、誤差が生じる心配もある。
 今回紹介するものは簡単であっても誤差が少ない。穴や丸棒の中心を簡単に見つけ出す。
 この動画を見て戴ければ、その効果の程はすぐお分かりになるはずだ。

2010年05月06日

CDCO

Mr. Frank Fan CDCOをご存じだろうか。中国製の安い工具を売っている店だ。シカゴのオヘア空港の近くにある。倉庫街に事務所を置いて、通信販売をしている。価格は、まず一番安いと思われる。
 品物は良くないものもあるが、総じて合格である。この店とは結構長くお付き合いしている。友人に頼まれたものは、大抵ここで買っている。
 重いものが多いので、アメリカに行くときに注文して、アメリカ国内の友人宅に送って貰う。それを持ち帰る。
 今までで一番重かったのは8インチのスクロール・チャックである。20キロ以上あった。木箱に入っていて、荷物検査で引っ掛かって1時間以上待たされた。その他、割り出し盤とか重いものばかりを友人のために買っている。

 刃物類はあまり感心しないが、ブラスを削る分には何の問題もない。そういう意味でお勧めする。ジグ製作などでで鋼を工作する時は、日本製の刃物を買う必要があるだろう。

 長年お付き合いしていても一度も会ったことがないので、今回は事前に訪問予定を知らせておいた。大歓迎してくれて驚いた。おそらく、誰とも会わずに仕事をしているのだろうと思う。こんな笑顔で握手した。また重いものばかり買ったので、スーツケースは空港で開けて検査された。
 QCTP(刃物台で刃の高さを毎回合わせなくても、カートリッジごと嵌めかえればよい工夫)を安く売っている。筆者は20個も持っている。
 この店のホームページでMachine Tool toolingをクリックし、Lathe Toolingを選択すると最初に出てくる。

 みなさん御贔屓に。 

2009年07月18日

続 ボールベアリングを取り付ける工具

 counterbore bits  (3 sizes) これらが、今回の製品群である。届いたばかりで切削油が付いている。多少の汚れはご容赦願いたい。

 3 mmを5 mmへ、3 mmを6 mmへ、そして5 mmを8 mmへ広げる座グリドリルである。座グリドリルを英語で何と言うかは難しい。Seat Cutter とかSpot Face Cutter と言う言葉もあるが、どうやら       Counterbore Bit というらしい。

 小さいボールベアリングは、滑り嵌めによって取り付ける。17ミクロンの隙間を作り、そこに注油して押し込むが、決して無理をしてはいけない。アウタ・レースが変形する。油膜でぬるぬるとはまるのが正解である。

 このドリルも、所定の寸法+17ミクロンに作られている。先端部のテーパなどの細かい寸法は祖父江欣平氏に監修を戴いた。
 8 mmのドリルはシャンクを6.5 mmとし、小さいボール盤でもつかめるようにした。



2009年07月12日

沢山のリヴェットを打つ

 祖父江製作所で、リヴェットを打つ所を見せて戴いたことがある。20個以上を同時に打つのはたくさんのオス型をメス型に一気に押しつけるわけである。

 ダイ(メス型)は軟鋼で所定の位置に穴を開けてある。それとぴったり同じ位置にポンチ(オス型)の針が配列されねばならない。

 ポンチはSPレコードの針を使っていたそうだ。SPレコードを知っているのはもう50歳以上の人だけだろう。長さ20ミリくらい、直径1.2mmの針である。昔はいくらでもあったのだが、いつしか見かけなくなった。少し使うと駄目になるので次から次へと替えたものだ。先はかなり硬く焼きが入っているので都合が良い。

 オス型に針を差し込んで高さの調節をする。これが狂うと何の意味もない。定盤の上で念入りに調節して裏からハンダを流す。ガスバーナを使って完全に流し、裏を研削盤で研ぐ。

 表から見ると生け花に使う剣山のようである。しかし、飛び出しているのは1mm程度だ。このような状態を英語でGangという。ギャングとは集団という意味で、建築分野で木造トラスを組む時に使う金具にGang‐Nailというものがある。
 ちなみにアメリカ人に剣山を見せたとき、"Gang-Nail"と言ったのを聞いたことがある。
 
 この二つの型を足踏みプレスに付け、一列ずつ打っていく。千鳥になっているものは同時に2列を打つ。縦横の座標がきっちり合うのは達人だからとしか言いようがない。

 このようにして作られたリヴェットは、素晴らしい実感を持つ。虫眼鏡で覗くと、頭はちゃんと丸くなっている。
 

2009年07月10日

曲線上のリヴェット打ち

rivetting machine 1rivetting machine 2 直線上にリヴェットを打つのは難しいことはない。前にも述べたように罫書き線を深く掘り、その上をなぞれば簡単である。

 筆者の持っている道具は、別の方法で直線を打つ。前後に自由に動くガイドがあり、その角に沿わせて左右に移動すれば良い。このガイドは鋼でできていて、剛性が高い。組み合わせて鑞付けしてあり、強度は信用できる。

 これはなかなか良い工夫で、エッジからの距離を自由に決められる。細い帯状の板に連続して打つ時も、まっすぐ打てる。
 

rivetting machine 3 このガイドの反対側には先を薄く削った長い棒が付いている。これは曲線上のリベットを打つ時に使う。曲線と言っても、自由曲線ではなく、円盤などの縁に沿ったリヴェットを打つ時の工夫である。
 使い方は図をご覧になればすぐおわかり戴けると思うが、実に簡単である。手前に、ダイと同じ高さの台を置いて作業すると板が安定して具合が良い。その補助台は付属していた。

 ポンチを打つ強さを一定にしなければならないので、ハンマーを持ち上げて打つようにしている。振上げの上限は調節できるようになっている。


2009年07月08日

rivetting by a sawing machine

Rod's Rivetting Machine 以前、この写真をお見せしたことがある。手前の孔雀の羽根は邪魔であるのはご容赦願いたい。
 Rod Miller氏の自作品である。手廻しミシンの針の部分にポンチを置き、送り装置を利用して大きな鉄板を動かす。この鉄板には長穴が開けてあり、リベットを打つと、波状の軌跡を描きながら移動する。

 ミシンであるから送り量は自在に変化する。しかも「送り金」と称する部分が持ち上がって動くので、ダイの上を飛び越していく。良く考えられた方法である。

 あまり送り量が少ないと、ダイの角で潰れてしまうから、ある程度の送り量しか採用できないようになっている。
 ダイは固定されている。ワークがポンチを打つたびに持ち上がって向こうに移動する。

 送り金はこの台の鉄板を摩擦で送るので、台の裏が少々すりへる。毎日使うものではないので、寿命は十分あると判断しているのだろう。

 ポンチは当然ミシン針を短くしたものであった。先端が鋭角であったのは、祖父江氏の見解と一致する。ダイの中の傾斜とポンチの先端の傾斜が一致すると、打った時に板が薄くなる。その分だけ板にひずみが蓄積して、結果として板がうねる。昨日の図のように細い針で打つのが良い。

 筆者も高校生の頃、ミシンを使えば何とかなりそうだと思って思っていたので、この機械を見た瞬間に「やられた」と思った。そのうちミシンを手に入れて加工してみようと思っている。

2009年07月06日

rivetting die

rivetting die リヴェットの間隔は規格で決まっているので、だいたい3種程度である。

 このダイは既製品を削ったもので砥石で擦ってある。これで3種類のスペースができる。汚い写真で申し訳ない。

 ポンチは何種類か作ってみたが、針が一番良い。何と言う針かは知らないが布団針よりも太い針を見つけたので、丸棒に穴を開けて押し込みハンダ付けした。こういうときは穴の奥にハンダが回らないので、棒の側面にも穴を開け、空気が逃げるようにする。

 押し出しリヴェットの都合の良いところは、失敗しても多少なら修復できることだ。表から軽く叩いてつぶし、やすりで削る。このとき、板(ワーク)は弓なりに反らすか、曲ったやすり(riffler's file)を使う。リフラというのはさざ波という意味である。波型の模様を作るときに使う。

 昔の日本製のブラスモデルの裏を覗くと、たまにこの方法で修復したものに出会う。表面は、最終的に細かいサンドペーパで磨いてごまかしてある。

 よほど気をつけて眺めなければ分らず、十分に目的は達している。ブラスが模型を作る材料として優れているのは、このようなことが可能であることも含まれる。

 実は筆者の製作した模型にも失敗を修復したものが多い。ひどいものは1列全部を打ちかえたものもある。人に見せる時、ばれないかと思ってひやひやしているのだが、今のところ誰も気がついた方はいない。


2009年07月04日

リヴェット間隔

Rivetting Pitch リヴェットを打つ時、間隔を揃えるのは大きな意味を持つ。達人の工作は素晴らしい実感を生み出す。一言で言えば、それは直線性と間隔の正確さである。

 直線性を持たせるのは、昔から深い卦書き線の中をポンチを滑らせることでなされていた。これについては個人による差異はそれほどないだろう。

 等間隔に打つのはダイの先端を研いで、その角にひっかける方法が採用されている。間隔を変えたいときは、ダイを90度ひねって別の寸法に研いだ部分を使う。
 無段階に変化させるのは事実上無理な話である。実物のリヴェット間隔も決まっているのだから、3段階くらいで十分である。

rivet forming machine1rivet forming machine3rivet forming machine2 












 以前お見せしたこの機械は、無段階である。既存の模型の部分的な補修などには、そのピッチに合わせねばならないから便利である。

 打撃の強さの均等性も大きなファクタである。

 
 

2009年07月02日

押し出しリヴェット

 押し出し方式のリヴェット打ち器には2方式ある。凹んだ雌型に針状のポンチを打つ方法と、飛び出した針に工作物(ワーク)を載せて、凹んだダイを打つ方法である。

 日本では前者しか見たことがない。アメリカではどちらも使われている。炭水車の側面のように細かくリヴェットが並んでいるときには、ダイを細くしてその肩に成型したリヴェットをひっかけて次に送るという方法が用いられる。

 下から押し出す方式は板のそりが少ないという。しかし、筆者は下から押し出す方式はあまり使わない。

 テキサスの男が作ったのを持っている。70年代のMRに広告が載っているものである。アルミ合金製の比較的大きな装置である。この道具には、上からのと下からのと2方式のポンチとダイが数サイズついていた。

 ワークに卦書き線を入れて、針をその溝の中で滑らせながら打つ。打つ力を一定にしなければならないので、ハンマを持ち上げて落とす高さを一定にする。簡単な道具であるが、手順を守らないとよい結果は出せない。

 針状のポンチの形が大切で、円錐形というよりも針状に尖っていた方がうまくいく。祖父江欣平氏の押し出しリヴェットはレコード針で作られていた。雌型は鋼板に穴を開けただけである。焼き入れはしていない。レコード針は、昔はいくらでも手に入ったが、現在入手は難しい。特注で作ってもらっているようだが高いという。

2008年11月14日

Foredom

Foredom Moto-Flexはどちらかと言えば、素人用である。
 プロ用はこのForedomである。このモータは直巻電動機であり、トルクが電流の二乗に比例して発生するから、低速でも使いやすい。昔は極端に高いと思ったが、現在の実売価格は200ドル強である。強力型もあるがこの程度で十分だ。

 このフォアダムは宝飾加工用とか歯科技工用としての目的でつくられ、各種のアタッチメントが自由に組み替えられるようになっている。フレクシブル・シャフトは、中と外とが別売である。専用グリースもある。ハンドピースも各種ある。シャンクが1/4インチ(6.35mm)や6mmのものもあるから、いろいろな工具が使える。  

 ある程度以上の設備を持っているクラフツマンは必ず持っている。Dennisのところにもあった。理由は「使いやすいから」に尽きる。低速でのトルクは凄い。それだけに、ワイヤをねじ切ることもあるのだろう。

Dental Drill Engine 筆者は持っていない。その代わりに、この歯科用エンジンを持っている。親類の歯科医が廃業するときにもらってきた。これも低速トルクの大きい直巻モータを使用している。ベルト(紐)ドライヴなので、その保守をしなければならないがとても使いやすい。刃物は2.35mm(3/32inch)である。速度調整はカーボン・パウダをシリンダ内で圧縮するようになっている。昔の電動ミシンの速度調整と同じである。この写真ではベルトが緩んでいるが、それはアームを立てて休ませておくときに自動的に緩むようになっているからである。珍しくドイツ製の機械である。

 電車や機関車のモータに直巻モータが使われ続けてきた理由はよく分かる。起動時のトルクが大きい。
 その点、模型のマグネットモータ(分巻特性)は、重負荷で使うときには挙動が実感的でない。短い編成の時には感じないが、80両以上の貨物列車をじわりと牽き出す時には、妙な感じがする。これは最近のDCC化によりかなり改善されているが、直巻特性の挙動にはとても及ばない。

2008年11月12日

新型Dremel

Dremel cordless Moto-Tool Texasに行ったときに、ホームセンタに行って、工具や材料を見た。そこでこのドレメルを買った。安くて使いやすい。Dennisはこれを3台ぶら下げて使っている。先端工具を替える時間が惜しいからだ。

 ドレメルは2つ持っている。一番古いのは35年以上前に買ったボールベアリングつきの速度固定タイプだ。何度か焼いてしまったので今のは電機子が三代目である。
 当時は速度固定しかなかった。スライダックで電圧を変えて使った。界磁が磁石なのでモータは分巻特性である。これは意外に使いにくい。
 低速では力がない。しかもスライダックは手で回すので、力が足らないとき、もう少し電圧を上げるということが出来ない。足踏み式のスライダックを作らねばと思っていたところ、サイリスタ制御の足踏みコントローラが出たのですぐに購入した。これは便利である。トルクがあって使いやすい。

 次に買ったのはMoto-Flexである。これは尖端が細くて使いやすい。特に、線路のギャップ付けには便利だ。Cutting Diskがレイルに対して直角に切り込めるからだ。これも足踏みコントローラで使った。これもワイヤをねじ切ったので、部品を交換した。
 コントローラはひとつなので切替スウィッチで選択する。現在、工作台にはこの二つがある。後者は天井からぶら下げてある。

 今回のドレメルはリチウムイオン電池駆動である。作動中に電池のモニターが点灯するのでどれくらい充電量があるかがよく分かる。電線がないというのは、すこぶる便利で、庭先で作業するときはそれを実感する。

 値段は70ドル弱で、往時の価格を知っているものとしては、その安さに驚く。昔は40ドルもした。物価は6倍として、240ドルである。とても高かった。
 それを某出版社が極めて高い値段で国内販売していた。もっと安く売れたのに。そのせいで普及が遅れたと私は見ている。

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