蒸気機関車

2022年08月21日

イコライザの間違い

a mistake D社が頒布した1/24のC62のキットの組立て説明書があったので、目を通したところ、驚くべき間違いを見つけた。これは15年ほど前、別のG出版社が出した本の図と同じ間違いである。その出版社に手紙を出したところ、すぐ改訂された。新しい版を送ってくれたので古い本は捨ててしまったが、その古い本の図のコピィのようだ。

IMG-2475 新しい本の図はこの様になって、前群と後群が分かれている。これは正しい。



 上の本のイコライザでは、機関車は鼻を擦るか、しりもちをつくはずだ。そのC62の模型キットを購入した人は、これを読んで気付いたのだろうか。

C62 C62の模型のイコライザはこんな構造には出来ないから、先台車で一点、動輪従輪で二点となっている。A氏が写真を送ってくれたので、それを見ると先台車が一点となっている。 それで問題ないが、この図のような間違いは多い。

 以前にも指摘したが、不安定なイコライザもどきはよくある。よく出来たメカニズムならば、完成した瞬間に失敗であることが分かる。走り出した瞬間につんのめったり、尻を引きずるのだが、摩擦が大きいメカニズムだと、その不具合に気付きにくいのだろう。

 以前のコメントにもあったが、某社製の高価な輸出用機関車のイコライザがまさにこれで、前後にギッコンバッタンした。早速修正して、先台車を一点としたらよく走るようにはなったが、それを購入した人たちは何も感じなかったのだろうか。


dda40x at 08:21コメント(1) この記事をクリップ!

2022年08月05日

ラージ・エンジン・ポリシー

 表題の言葉を使おうと、何回か思ったことがあるが、今まで控えてきた。
 この言葉が英語であるのか、和製英語であるのかが今だにわからないからだ。I田氏が使っているのを見て、それほど違和感を感じないので、今回は使ってみることにする。

 この言葉は高木宏之氏の著作にたくさん出てくる。大きなボイラを持つ機関車を使うと、運転も保守も楽であるということを、繰り返し述べている。車も、アメリカの大排気量の車の運転は、実に楽である。
 井上 豊氏も同様のことを言った。
「C62になって楽になった。C59ではギリギリだった。ほんの少しの余裕があるだけで、こんなに違うものか。」
と思ったそうである。 

 筆者が最初に作った4-8-4は当時最大級のコアレスモータを用い、低ギヤ比にして効率を稼いだ。ギヤ比は低いほど伝達効率が大きいというのは常識である。同じギヤを使っても小動輪の貨物機関車の効率は低い。同速度でもモータの回転が多いからだ。
 そういう意味では大動輪の4-8-4のエネルギィ伝達効率はすこぶる高い。今でも50%以上をマークする。
 もう一つの秘密は、主動輪のクランクピンには複列のボールベアリングが入っていることだ。これだけでも10%弱の差が生じる。寒いときに高速で重負荷を掛けて走らせると、貨物機のこの部分が温かくなるのが分かるのだ。

 筆者は犬に馬車を牽かせるのには反対である。なるべく大きなモータを入れたい。むしろそんなことより、牽かれる物の責任を追求するほうが、生産的である。


dda40x at 08:05コメント(6) この記事をクリップ!

2022年08月01日

続々 高効率ギヤによる改装報告

 US氏は技術系の方であるので、説明しなくても正しい分析をされている。当初M0.6と書かれたので、「進み角を忘れていませんか。」と書いたら即座に反応されて、M0.5と書き換えられた。こういうところにピンと来る方であるから、分析は客観的である。 

 いまだに、「ギヤ比が低いから最高速が…」という揚げ足を取る人が居るが、それは今までの低い効率の動力伝達装置しか見たことがない人の推論である。
 US氏は、「実際に交換してみると、同じモータであるのに、従来の1条ウォームより低速が効く」とおっしゃる。他の方からは、「高効率」の意味が初めて分かったという感想も来ている。

 例の「犬に馬車を牽かせる」話については、US氏は次のように解釈された。
 従来の方法では動かせなかったものが、高効率ギヤでは動かせるので、犬でも馬車が牽けるとも言える。しかし、モータのトルクが小さく、低速が安定しないときはDCCで補正するのが実用的だ。
 しかし、従来の1条ウォームで低速走行が安定しないようなモータでは、高効率ギヤに替えても芳しい結果は得られない


 正しい能力を持った方が分析されているので、これをお読みになって着手しようと決断される方が多くなれば、それは喜ばしい。食わず嫌いの方もいるだろうが、困るのはそれを吹聴する人が居ることである。
 最近はウェブ上で各種の知識が容易に得られるので、US氏の意見のような客観的な情報に接する人が増えてきた。すなわち、より客観的になってきたわけで、望ましいことだ。

dda40x at 08:01コメント(1) この記事をクリップ!

2022年07月30日

続 高効率ギヤによる改装報告

 次はUS氏の感想である。

 想像以上の静かさと滑らかさで、高速から低速まで安定した走りでした。負荷に応じた速度の変化が見られ、実物に近い運転感を楽しめます。牽き出し時はスロットルをゆっくり回さないと空転するのも実感的です。
 スロットルの動きと列車の動きが異なっても、車両の慣性や走行抵抗を感じられるので集電不良のような不快感はありませんでした。

 DCC運転では負荷による速度変化が抑えられて安定した走行になり、低速での安定性も向上しました。3条ウォームは1条ウォームより減速比が小さいので低速時の安定性が心配されましたが、コアレスでなくてもトルクがあるモーターなら低速も問題ないことも分かりました。

 自動運転を楽しむにはDCCが有利ですが、個人的にはアナログの方が、運転は面白く楽しいと感じます。


dda40x at 07:30コメント(0) この記事をクリップ!

2022年07月28日

高効率ギヤによる改装報告

 HO用ギヤセットを購入された方から、次々と改装の報告が入る。
 まずMS氏の報告から。

 中村精密キット組みの旧作8200の動力系を換装しました。
動輪の軸バネはコイルで硬かったので、「続・蒸機を作ろう」誌掲載の高木幹夫氏の記事を参考にして、リン青銅バネに取り換えました。モーターは「I田氏」のブロクで推奨の17x25コアレスモーターを採用、吊掛け式とし、ジョイントは当然ながら六角ジョイントです。結果は上々で、単機で2 V、0.2 A前後で起動、平地でブラス製客車14輌を牽き出します。機関車を手で押すと、軽く転がります
曲線(750R)でのスピード低下はありますが、PowerPacのつまみを少し上げる程度で気になるほどではありません。急なパワーオフで、客車に押されて数十cmは惰行します。換装時のポイントはモーターの選択と車両側の軸受けの改良(今回バネだけですが、車軸受けもベアリングないし樋状軸受けにするとさらに良いかもしれません)、ウェイトによる補重と重心調整と考えます。HOでは、モーターおよび動輪径の制約から小型機への装着は難しいようで、大型機に長大編成を牽かせる状況がベストな印象です。
ブラス製客車 + ケィディー・カプラです
と、牽き出し時に実物の自動連結器のような挙動も楽しめます。最近はプラ製客車が出回っているので忘れてしまっていましたが、再発見でした。 

dda40x at 07:28コメント(0) この記事をクリップ!

2022年07月06日

続々々 高効率ギヤへの換装報告

 そもそも、HO以下の模型に新ギヤを取り付けることは、筆者の想定外のことであった。そのような要望があって驚いた、というのが本音である。     
 Oゲージ用の歯車を薄く削ったものを作り、試作品として供給した。ギヤボックスは新規に起こした。幅が少々苦しく、シールド型ベアリングが使えないので、ギヤボックスの形を工夫して、ゴミが入りにくい構造にした。それが一次試作である。その後何度か改良して現在の形に至る。

 とにかく、なんとか収まれば良いと形を決めたので、イコライザ装備の模型等には、苦しい寸法だそうだ。筆者はHOの模型を持たないので、それについては配慮が足らず、反省すべき点もある。しかし、イコライザを付けている方はクラフツマンであろうから、その点はご自分で工夫されるだろう。例えば、軸箱とギヤボックスを一体化するという手もある。

 13 mmゲージにはギヤボックスを自作しないと使えない。その写真を見せてもらうと、なんとウォーム前後のスラストの処理がなく、ギヤボックスは開放型であった。具合が悪いとのことであった。それは当然である。
 すぐに要点を伝え、作り直して戴いたら、調子が良いとのことである。このブログに写真が載っているが、これは撮影時に蓋を外して中を見せているもので、実際は密閉型だそうだ。この歯車は模型用の精度の製品ではないから、わずかでも埃を噛むと、性能が著しく落ちる。 

 小さなモータでうまく動かないという報告もあるが、それに対してこんな比喩を送ってくれた方があった。
「犬に馬車を牽かせるようなもので、調子が悪いと言って、DCCを御者にしようとしていますね。」 
 なかなか良いところを突いていると思った。そろそろお止め戴くようにお願いしている。犬は死にそうだ。 

 櫻井氏からの情報では、例の低速モータはここで手に入るそうである。このモータが収容できる機関車の換装を考えていらっしゃる方には、お薦めする。

dda40x at 07:06コメント(1) この記事をクリップ!

2022年07月04日

続々 高効率ギヤへの換装報告

 最高速の考察も、たくさん戴いている。一番多いのは、
「12Vを掛けて走らせることはあまりない。」
ということである。しかも無負荷というのはありえないそうだ。これは筆者の意見を補強している。

 高効率ギヤを装着した機関車で、重い列車(輪軸を改良したもの)を牽くと、実物のような牽き出しができるそうである。電圧を徐々に上げると、あるところでスリップするので、少し戻すと再粘着する。そして電圧を少し上げるということを繰り返すと、牽き出せてしまうそうだ。
 今までの非効率な模型では、牽き出し時に余分な電圧を掛けざるを得ず、止まっているか、動いているか、どちらかのクリティカルな動きをしていたのだろうと推察する。だから牽き出せない。新ギヤでは、じわりとトルクを掛けるということが、できるようになった、ということである。

 当然のことではあるが、新ギヤボックスを付ける前の段階の改装で、「トルクアーム + 六角ジョイント」の効果に驚いた、というお知らせをたくさん戴いている。
 ゴム・ジョイントと怪しい継手で、モータ出力の半分を失っていたのだろう。素晴らしい性能アップだそうだ。何も他にしていなくても走行性能が劇的に良くなり、「天地がひっくり返ったような衝撃を受けた」と書いて来た人が居る。

 考えてみれば、戦後すぐから、70年以上も何も進歩していなかったのだ。ゴム・ジョイントがシリコーン・チューブに変わっても、駄目なものは駄目なのである。もう、皆さんはお分かりになったとは思うが、どなたか、客観的な比較実験をしてくださるとありがたい。
 Oゲージの模型を作っている人は、この不具合が気にならない人がいるらしい。これも大きさの効果である。大きなものは柔らかいのである。

 六角ジョイントは作るのが簡単である。さほどのノウハウはないが、材質には注意すべきだ。POMまたはナイロンで射出成形すれば良い。どこかのメーカが作ってくれれば、こちらも助かる。

dda40x at 07:04コメント(2) この記事をクリップ!

2022年07月02日

続 高効率ギヤへの換装報告

 このような感想も戴いている。

 送付いただきましたギヤをフジヤマ製の4-8-4に装着し、あまりのギヤの滑らかさに感動いたしました。手持ちのコアレスモーターとの組み合わせでは、アナログの電流計がほとんど振れないほどです。
 また、いただいた詳細なマニュアルは誠にありがたく、無事に取り付けることができました。当初69インチ以上の動輪径のみを置き換えようと考えておりましたが、小さな動輪径の機関車も含めて変更したいと思います。


 おそらく、今までのゴム・ジョイントを使い、スラスト処理のない開放型ギヤボックス、トルクアームなしの状態だったのだろう。それから考えれば、とてつもない変化である。 


dda40x at 07:02コメント(0) この記事をクリップ!

2022年06月30日

高効率ギヤへの換装報告

 頒布した高効率ギヤを取り付けた方々から、次々と報告を戴いている。賛辞を戴くのは嬉しい。
 ここで何度も書いたので、最近は「逆駆動できるギヤ」という表現が減ってきたのはありがたい。

 動画を送って下さった方が多い。良く走るさまを皆さんにも見て戴きたいとのことであったが、動画の形式が異なり、ここではお見せすることができない。Youtube での公開を待とう。 

AT&SF3760 まずは櫻井成道様の作例である。古い United製 のAT&SF4-8-4に組み込んである。モータは以前紹介した12Vで2400 rpm(実測)のΦ22、32 mm長のコアレスモータである。
 単機でも惰力で30 cmほど動くそうである。動きの悪い客車13輌を牽いたので満足している、とある。 

 このモータは大型蒸機には最適であるとNK氏から、お墨付きを戴いている。

 小さなモータを付けて、牽けない、とか登り坂で遅くなる、などという意見もたまに来るが、その他の方は概ね肯定的である。
 高効率であるということは、モータの出力が直接動輪の回転に表れるということである。登り坂では過負荷である。小さなモータでたくさん牽けないのは当然で、実物でできないことを、模型にさせる必要はない。

 今までの模型は低効率の動力伝達装置でモータの出力を大半すりつぶしながら、モータをフル回転し、そのごく一部が連結器から出力されていたに過ぎない。だからDCCの補正効果が顕著であった。
 少し考えて、最適のモータ、最適の負荷(付随車の輪軸の改善)をすれば、素晴らしくよく走る模型になるのである。中学校の理科の時間に戻って考えてみてはいかがだろう。

dda40x at 06:30コメント(1) この記事をクリップ!

2022年06月04日

六角ジョイントの効果

 I田氏が紹介している動画が興味深い。ゴム・ジョイントを調整しても、あまりうまくいかなかったが、六角ジョイントに交換したら、極めて調子が良くなった例を示している。

 今野氏も述べているように、低速から引っ掛かりなく、徐々に加速させたいという願望は誰でも持っている。しかし現実には、それは難しい。ゴム・ジョイントには、回転を妨げる様々な要因があるのだ。低速回転時には、出力の大半がそれに費やされ、動輪を回転させるのには向かわない。しかし、ある程度の速度になるとモータの出力は大きくなり、損失は相対的に小さくなるので、気が付かなくなる。
 じわっと走り出させるには、ゴム・ジョイント以外の継手が必要なのだ。

 ここにはユニヴァーサル・ジョイントを付けると良いのだが、場所がない。また、位相が正しいものは手に入りにくい。六角ジョイントなら、大抵の場合、問題なく付けられる。

 六角ジョイントを付けた人は、みな、その劇的な変化に驚嘆する。今まで何をやっていたのか!?と感じるそうだ。  

 
 しばらく品切れであった六角ジョイントが入荷した。全長10 mm と 7 mmがある。狭いところには短いほうが有利なのは当然である。
 希望者はコメントに<私信>として、本文中にメイルアドレスを書かれたい。
 ギヤボックスは、入荷までしばらくお待ち戴きたい。 

dda40x at 06:04コメント(0) この記事をクリップ!

2022年05月27日

蒸気機関車の吊掛け駆動

 本来の吊掛け駆動(平行にモータ軸を搭載)を蒸気機関車に応用するのは、極めて困難だ。直角駆動にせざるを得ない。そうすると、モータはかなり後ろに付き、モータの質量はほとんど台枠の上に載る。こうなると、完全浮動のトルクアーム方式とほとんど変わらないが、分解時にギヤボックスはモータと共に外さねばならない。そういう点では分解の楽なトルクアーム方式が気楽だ。モータの差し替えが自由だからだ。ちなみに、トルクチューブであればもっと楽に外せる。

 また、ギヤボックスをモータと完全に一体にするのは、難しい点が多い。ギヤ軸、モータ軸の同心性が確保されるか、が問題である。長い軸を持つモータが手に入れば良いが、そうでなければ諦めるほうが良い。
 ある人が、
「ギヤにモータ軸の先を入れて固着し、ギヤの反対側に別の軸を挿してはどうか?」
と聞いてきたが、お答えしなかった。失敗する確率が高い。このギヤは極めて高精度である。微妙な心振れが大きな不具合を生じる可能性がある。ギヤボックスは浮動させるのがベストだ。すなわち、トルクアームを使うのが、本来の使い方である。
 どうしても吊掛け型にするときは、NK氏のような方法で、モータに固着し、間を六角ジョイントで結ぶことだ。

 六角ジョイントの効果が想像できない人が多いらしい。すなわち、ゴムジョイントを用いる方法でも十分に良いと思っているのである。六角ジョイントを用いた駆動方式の動画をご覧になるべきだ。
 先日、新ギヤシステムの実践者が来訪されたので、感想を伺った。はじめはギヤボックスだけを取り替えて走らせて、かなり改善されたと思っていたが、六角ジョイントに付け替えたところ、劇的な変化があったそうである。多少曲がっていても、 引っ掛かることが全く無くなり、電流値が激減したとおっしゃる。


dda40x at 05:27コメント(3) この記事をクリップ!

2022年05月21日

改装された方々の感想

 NK氏は、はじめ少数の機関車改装を考えていらしたようだ。試しにやってみたら、意外な結果だったようで、極めて調子が良かった。メイルで、その時の感想を知らせてくれた。
素晴らしい走りです。これまで動力装置を色々と試してきましたが、これ以上のものはありません。
 その後ギヤセットをたくさん購入して、次々に改装されている。
異次元の走行が手に入るというのが、モチベーションになります。
とあった。お気に召したようで嬉しい。

 他の方からも完成させて喜びのメイルを受け取っている。その方はFujiyama製の4-8-4に装着されたようだ。
あまりのギヤの滑らかさに感動いたしました。手持ちのコアレスモータとの組合せでは、アナログの電流計がほとんど振れないほどです。」 
とある。おそらく今までは消費される電流の大半が、ゴムジョイントの前後で浪費されていたのである。トルクアームの効果は、歴然たるものがある。

 このような感想も戴いている。
手押しで動く機関車は、50年近い鉄道模型歴でも初の経験で、空走させたり、発電によって前照灯を点灯させたり、といろいろ楽しんでいます。

 外観だけで満足することなく、走りの改善をすることがいかに大切であるのが、分かったという意見が多い。それこそが、筆者の言いたいことである。このブログの副タイトルそのままである。
  低摩擦、高効率の鉄道模型を追求する



dda40x at 05:21コメント(0) この記事をクリップ!

2022年05月17日

NK氏の換装手順

 早くからの3条ウォームギヤ装着者であるNK氏は、やや簡易な換装法を紹介している。ご許可を得たので、紹介したい。戴いた原稿に少々加筆している。

NK1 動輪の非絶縁側の中心部に、軸と輪心をまたぐケガキ線を入れる。これは復元時に位相合わせをするガイドになるものである。



NK 2 非絶縁側を外す。これはプレスで押し抜く。決して叩いてはいけない。片方の軸箱を外し、ウォームホィールを露出させる。これも押し抜く。プレスがないときには、ボール盤に短い押し棒を付けて押す。支えは頑丈なものを用意する。押し棒は軟らかいブラスあるいは銅の棒を用いること(この頑丈な鋼製抜き台は、今野氏に頒布して戴いている)。

NK 3NK4 天賞堂、鉄道模型社の製品は、軸にローレット(ウォームホィールと動輪を固定するための凹凸が、軸の円周上にある)が3箇所切ってあるので、片側から、2箇所を旋盤に銜えて削り取る。太さを調べながら、細かいヤスリを当てて削り取り、ボールベアリングがぎりぎり通る太さにする。軸端が段付きの場合は中央の1箇所を削るだけで済む(この写真の韓国製模型の場合は、中央1箇所だけである)。

Jig 新ウォームホィールを所定の位置で留めるためのU字型ジグを用意する。これはボールベアリングを逃げた内径に作るべきである。ボールベアリングを嵌めてから、ロックタイトを塗り、ウォームホィールを滑り込ませる。

 はみ出したロックタイトを少量の溶剤を付けた綿棒で拭き取り、ミシン油を塗ってボールベアリングをもう一つ滑り込ませる。先に嵌めたボールベアリングの軸との接触面にも、ミシン油を沁み込ませる。ボールベアリングは油膜で浮いた状態が正しい

NK6NK5 非絶縁動輪を軽く嵌めて、付けた傷を基に、位相を合わせる。ロックタイトを塗って、プレスで締める。余分のロックタイトを拭き取る。動輪を締めるときに、バックゲージが一定になるようなジグ(上のジグの厚いものであり、ギヤを逃げるように大きな切り欠きが必要)を作っておくと、作業は楽になる。

NK7 少量のモリブデン・グリースを全周に薄く塗り、ウォーム軸の嵌まったギヤボックスをかぶせてから、底蓋を閉める。これで完成だ。この機関車は 2-10-4 であり、火室は長大である。この写真から判断すると吊掛け式ではあるが、モータの重さはほとんどギヤボックスには掛からないから、トルクアーム式に近い。このモータは、例の低速モータである。

 この方法は、位相を決める操作が省略できるから、非常に簡易である。ただし、プレス、あるいはそれに代わるボール盤などが必要だ。または口金が平行に締まる万力でも良いが、その万力の口金は研磨されていることが不可欠だ。


dda40x at 05:17コメント(0) この記事をクリップ!

2022年04月01日

ライヴ・スティーム

livesteamlivesteamlivesteam この5インチのBタンク機関車を作るのには、10年ほど掛かったそうだ。素晴らしい出来である。水圧試験をしてある。
 ボイラのロウ付けを見ると、腕のほどがわかる。素晴らしい。ロッド類も、手が切れそうである。きちんと面が取ってあるから、手が切れることはないが、日本刀のような仕上がりである。 
 質量は60 kgくらいだろうか。大人2人で持ち上げられる。

livesteam 他に仕掛品としてD51の台枠がある。これも極めて美しい。よくぞ、このような仕上げをしたものだ。動輪は見当たらなかった。テンダの台車になりそうな、ベッテンドルフタイプの台車はあるが、乗用車用かも知れない。 
 ご興味のある方は連絡を戴きたい。連絡先をコメント本文に書くようにお願いする。<私信>として戴ければ、公開はしない。 

dda40x at 04:01コメント(0) この記事をクリップ!

2022年02月20日

8-wheel Buckeye truck for Allegheny

 自宅の地下室の棚を整理している。長らく進まなかったプロジェクトを進ませるべく、順次引っ張り出して、工程を考えている。いくつか同時にやれば効率が良いからだ。
 地下室は20坪あるので、そこに置いてあるものは4トン車1台分くらいである。この一年で1/3ほど点検して、捨てるものは捨て、資源回収に廻すものは業者に持っていった。高校生のときに作った貨車、客車もかなり出てきたが、経年変化で捨てざるを得なかったので、地金として処分した。やはり、ブラス製は残るが、その他の材料は全て駄目であった。それを考えると、稲葉氏の客車群の状態は奇跡的である。 筆者は木工用ボンド(酢酸ビニル・エマルション)を使ったので、全て壊滅的な状態であった。エポキシは全く問題ない。
 
 1990年代、祖父江氏の仕事がなくなってしまった時期にお願いしたのが、このC&O 2-6-6-6 Allegheny である。プレスで抜いた板を井上豊氏が保管していて、それを戴いたものだ。主台枠の鋳物などはあったが、祖父江氏は自分の作ったものなのに「気に入らねえ。」と捨ててしまった。新たに、ブラスの厚板から切り出したものだ。シリンダ廻り、運転室の支持は、手が込んでいる。カスタムビルトの素晴らしい作品である。

8-wheel Buckeye truck テンダは自分で作りなさいということで、部品をある程度揃えてくれた程度だ。8輪台車の部品はあったが、肝心のイコライザがなかった。すぐ作るはずが、30年近く放置されてしまった。このイコライザは 3 mmの厚さである。快削材を削り出して作るのだが、寸法が大切である。誤差があると、動きが不自然になる。この写真撮影後、少し削って外形が変化している。

8-wheel Buckeye2 縦フライスで計算通りの穴をあけて、切欠きを付けた。それを切り抜いたのだ。イコライザの形は、力が掛かっても折れない設計になっている。この図は軸受等が異なるタイプである。図面は半分しかないので、反転して継ぎ足した。平面図もあるので拡大して見ている。素晴らしい設計だ。 
 ピンは何本か挽き出して、良いものを取った。余分なところにハンダが廻らないように注意して、目的部に完全にハンダを流した。滑らかに動き、強度は十分だ。

 この台車はある程度ひねられる可能性があるので、ボールベアリングは付けなかった。写真に写っている樹脂製の滑りの良いブッシュを入れ、シャフトは細いものを用いた。こういう時のシャフトは#2000で研磨しておく必要がある。素晴らしい滑りである。このテンダはとても重く、1 kgほどあるから、何も対策せずにブラスの鋳物に穴をあけただけでは、損失が大き過ぎる。

 祖父江氏は今から65年以上前に、この台車を作った。輸入者のMax Gray は、それを見せられて、驚嘆したらしい。それまでの台車は、全く可動しない、文鎮のようなものであったからだ。 

dda40x at 02:20コメント(0) この記事をクリップ!

2022年01月29日

続々 actuating gimmicks

 この機関車の中に組み込まれた工夫は、昔からあるものだ。古いTMSのページを繰れば、かなり見つかる。MRにもよく載っていた。それを狭い場所にうまく配置し、電気装置でコントロールしているのは大したものであるが、すでにそういう時代ではなくなっていた。
 これも本人が言っていたことだが、
「時代はDCCだ。これは前世紀の遺物だ。」
 その年は2001年で、21世紀の最初の年であった。 

 発煙装置もケロシン(灯油)を加熱するものであった。装置はテンダに移植され、煙はパイプを介して送られている。吹き出す様子はブロワが効くとなかなか良いが、素晴らしいとは言い難いものであった。超音波振動子による霧化の話をすると、
「素晴らしい。でももう、私はできないよ。」と残念そうであった。

Mr.Wangrow 奇しくも隣のブースでは、Wangrow氏がDCCの実演をしていた。このDCCは、現在ではNCEになっている。  
 Wangrow氏が開発したものだが、NCEがOEM(相手先の銘柄で製造)していた。両者の契約切れと同時に、NCEが自社で販売を始めたので、Wangrow氏は商売をやっていけなくなった。Wangrow氏はNCEに対して訴訟を起こしたが、勝てるはずもなく、彼は2003年ごろ失意のうちに亡くなった。

 多数のポイントを同時に切り替える工夫とか、その他の同時制御の工夫はWangrow氏のアイデアによるものが多い。筆者は1996年にこの人と出会って、DCCに足を踏み入れた。当時珍しかった大電流 (4 Amps、のちに 8 Ampsも出来た) の流せる子機はGゲージ、Oゲージの人たちにとっては貴重なものだったので、筆者の友人はWangrow, NCEを採用している人が多かった。
 彼は、筆者が買うデコーダが小さな1.3 Amps のものばかりなので、不思議がっていた。高効率の機関車の存在は、彼の理解の範囲には無かったのだ。 

dda40x at 01:29コメント(5) この記事をクリップ!

2022年01月27日

続 actuating gimmicks

CB&Q tenderMRJuly85 テンダの中には平ギヤ駆動による大きなフライホィールが入っていた。MRへの発表当時は、一定電圧を掛けて、それを内部で電圧を制御していた。その後、制御方式は、かなり変化している。
 また、筆者の3条ウォームが85年の11月号に載った件を、彼はよく覚えていた。それを組み込むと面白そうだとも言った。
 フライホィールで惰行するのだ、と自慢されたので、例の伊藤 剛氏の話をした。怒り始めるかもしれないと身構えていたが、意外にも、
「そうだ。あなたの言う通りだ。これでは機関車はスリップしない。真に慣性のある走りをさせようと思えば、別の車輌、例えばテンダーからの動力ピックアップも必要だろうね。」
と返されたので、非常に驚いた。
「実はそれをやろうとしているのです。3条ウォームは無音で逆駆動できるのですよ。」と筆者が言うと、
「そうだ。ウォームギヤは音がしないのが最大の特長だ。早く作って見せてくれ。」
と言った。
 この作者は極めて客観的な思考をする方だと感心した。サイエンティストであった。ただ、すでにかなりのお歳で、もう気力がないと言っていた。

CB&Q boiler 機関車の出力は小さい。フライホイールの後ろの黒い小さなモータがそれである。出力は 3 W程度だろう。発煙ヒータは 20 Wくらいで、その送風モータ、ベルを動かすモータ、焚口戸を動かすモータ、機関士の腕を動かすモータ、逆転機を動かすモータがある。焚口戸が開くとまばゆいオレンジの光がキャブ内に満たされた。機関士がスロットルを引くと、前方までリンクが動く。


dda40x at 01:27コメント(2) この記事をクリップ!

2022年01月25日

actuating gimmicks

CB&Q smoking 少々古い写真が出てきたので、複写してお見せする。21年前の3月19日撮影とある。撮影場所はシカゴである。O scale conventionがあって、東部の友人に誘われた。オヘア空港の近くの殺風景なホテルであった。名前だけは知っているいろいろな人と会ったので、楽しかった。その後お付合いが続いている人も多い。入り口でこのデモンストレィションがあった。その十数年前のModel Railroaderに載った機関車である。

 このCB&Q 鉄道のO5bの模型は、あまり良い設計ではない。誰が設計したのかは、見当がつくが詳しくは書かないでおこう。形がおかしいのである。それをかなり丁寧に直してあった。

 この模型は、考えられるすべてのギミックを満載した機関車で、パルス電圧を掛けてリレィを切り替え、様々な部品を動かした。この機関車の中には7個のモータが入っている。

CB&Q O5 高校生の頃考えたことがすべて実現されていたので、興味深く見た。残念ながら、動きは今ひとつであった。余りにも入り組んでいて、故障も多い。テンダの中には電気装置が満載で、そこに発煙装置もあるので、熱の影響もあるかもしれない。 

 テンダ内のモータで機関車を駆動している。機関車の中には、様々な仕掛けがたくさんあって、駆動モータを入れる場所がなかったのだ。

MR July85 railtruck氏から、MR誌の掲載号を教えて戴いたので、早速UPした。 

dda40x at 01:25コメント(1) この記事をクリップ!

2022年01月23日

続 先輪はなぜ小さいのか 

against derailment この図を示せば、何も説明は要らないだろう。α<βであるから、小さな先輪のフランジ先端がレイル面に当たる位置は、大きな動輪のフランジが当たる位置より、ずっと手前にある。すなわち脱線しにくい。

 もちろん、フランジ形状、摩擦係数などのファクタはあるが、脱線しにくいのは小径車輪であることは間違いない。気になる方は、レイル面でフランジを切った断面図を描かれると良いだろう。それが曲線上でどうなるかである。

 それでもわからない方は、ふすまのはまっている敷居の溝の中を考えると良いだろう。ビー玉を転がすのと、大きなボウリングのボールを転がすのとでは、どちらが外れにくいかである。当然ビー玉の方が外れにくい。

 このようなわけで、小さな軸重が掛かっているだけで、復元力を大きくしても外れない。だから誘導輪としての効果を発揮する。模型の場合も同様の筈だが、HO以下では、復元力はほとんど無きが如しである。復元力が無いと、かえって脱線しやすいようにも思うが、それについて研究された方は居るのだろうか。

 先回お見せしたUP835は先従輪の復元力が極めて大きいので、動輪のフランジはほとんど触らないはずだ。ある人はフランジレス動輪でも走るのではないかと言ったほどだ。
 ボールベアリングの外輪をローラとして、V字斜面の中心に転がり落ちるようになっている。先輪は摩擦の少ないステンレス製 Low-D であるから、脱線の可能性は極めて小さい。  

dda40x at 01:23コメント(4) この記事をクリップ!

2022年01月19日

先輪はなぜ小さいのか

 先輪の軸重が少なくても脱線しない理由を、問われた。それを疑問に持つ人が少ないのは不思議だったので、良い機会であるから説明したい。
 これも、まず作図をすることから始めるべきだ。ここに図を出してしまうと「ふーん、そうか」で終わってしまう。読者が手描きで良いから作図をしてみるべきなのだ。
 フランジがレイルヘッド側面に当たる図を描けば、同じフランジ高さであっても、小半径の先輪が如何に脱線しにくいかわかるはずだ。

 蒸気機関は実用最大回転数が限られているから、高速を出すには大動輪を持たせるしか方法がない。最大、直径 2 m程度である。このような動輪では脱線しやすいので、先輪は不可欠なのである。

 最近「蒸気機関車の◯◯」という3冊の本を読む機会があったが、説明に怪しいところがかなりある。工学に疎い人のような気がする。しかし、大上段に構えて書いているので、初学者が読むと信じてしまう人もいるだろう。間違いを指摘して差し上げたいが、これをやると「『悪口を言われた。』と取られる可能性が高いから気をつけろ。」と友人に釘を差された。

 振り返ると、筆者は人生の中でサイエンティストとしか話をしなかった。間違いを指摘して感謝されたことは数多くあるが、逆恨みされたことはまず無い。しかしこの趣味界では、サイエンティストでない人のほうが多い。どうするべきか思案している。 

dda40x at 01:19コメント(1) この記事をクリップ!

2022年01月13日

続 Youtubeへの投稿 

 博物館には1年に300日ほど出かけて作業している。この半年、毎日このUP835を起動する。Pullmanの急行列車を牽いて、DCCの出力70%で走らせる。そのまま数時間放置する。電流は、登りで0.55 Amps、平坦線で0.25 Amps、下りでは客車の照明だけだから、0.12 Ampsくらいだ。

 毎日、8 km位走るだろう。半年で1000 km以上走ったことになる。今までの分を合わせると2000 kmほど走ったわけだ。ロッドに注油するだけで、特に何もメンテナンスはしていない。撮影直前にヘッドライトが切れた。白熱灯であったが、点灯しなくなった。そろそろ全検でLEDに更新の時期なのだ。このレイアウトはカーヴが左右にほぼ均等にあるので、フランジの片減りは心配しなくて良い。

 硬い鋼製の動輪タイヤ、ステンレス製Low-D車輪、日本製ボールベアリングのおかげで、全くへたる気配がない。おそらく筆者の死後も、何の変わりもなく走り続けるはずだ。主連棒の掛かるロッドにもボールベアリングが付けられている。先台車の復元もボールベアリングによるから、復元力は顕著である。
 客車はLow-Dと3D print台車である。よく持っている。

 登り坂になると、途端に遅くなり、均衡速度20マイル/時(約35 km/h)でゆっくり登るが、白い勾配標を過ぎると平坦線であるから、俄然速くなる。下りは、とんでもない速度になる。フルスロットルで下ると130 マイル/時(約210 km/h)出るから、いささか怖い。

 脱線したことはないから問題ないだろうが、Tom Harveyの言う通り、旅客列車は安全第一であるから、制限速度を守っている。
  彼が乗務している列車の動画を撮ったので、公開している。白い帽子、白いシャツと赤いバンダナが彼の趣味であった。すすを出さない運転をすれば、問題ないそうだ。

注 ここでのキロ数は模型でのキロ数で、実物であれば10万キロに相当する。

dda40x at 01:13コメント(5) この記事をクリップ!

2022年01月09日

続々々 またまたイコライジング

 最後に、重心を決めねばならない。重心はイコライザの支えの位置からは求められない。イコライザ系の中の、目に見えない動作点から求められる。これは別の図(等価図)を作図せねばならない。

Equivalence Diagram  軸距離と軸重が決まっているので、それらから、目に見えないシーソウ運動するテコを考え、どこが中心であるかを求める。前群の軸重の総和は 2f である。後群の総和は (5/3)x f であるから、一番上のテコのどこを押さえると、そのような荷重配分ができるかを考えれば良い。

 前群から5:6 の位置を押さえれば、すべての軸に所定の軸重が掛かる。動輪上に掛かる力は全て等しくなるのは言うまでもない。これは、モータを取り付けた後、上廻りを載せた状態での話である。完成した機関車の重心を求めていることを、忘れてはならない。

 簡単な話なのに、これを理解しようとせず、ウェイトを所定の位置に付けない人が居るのには驚く。それでは脱線する。イコライザ付きの機関車にとっては重心位置が命である。正しくウェイトを設置して、重心が定位置にあれば、機関車の質量を測定するだけで、牽引力が求められる。

 難しく考える人は多いが、中学校の理科である。正しい鉄道模型の実現のために、理解したい。  

dda40x at 01:09コメント(10) この記事をクリップ!

2022年01月07日

続々 またまたイコライジング

 たまに手つかずの機関車が発掘されると、まずモータ、ギヤを捨てる。次にテンダ台車、先従台車の車輪を取り替えて、ボールベアリング化する。最後に台枠を寝かせて、寸法を写し取り、イコライジングの案を練る。主台枠の加工は、縦フライスがあると実に容易である。動輪軸のギヤ廻りの加工は一番最後である。 

Weight distribution PRR E6s 近代型のPennsylvania鉄道の従台車は、通常型とは異なり、台車枠自体がイコライザとして機能するので、一度やってみたいと思っていた。軸重配分は、当鉄道の基準である先台車軸を動輪軸の1/2、従台車軸を2/3としてイコライザの構成図を描いてみた。従台車軸には軸バネが付いてはいるが、テコで掛かる軸重は同じである。

 従台車の幅を少し詰めて、イコライザ支点を内側に各1 mmずらすことができれば、後はほとんど何もすることがない。バネ吊りは長くなるが、硬いリン青銅板を使えば問題ない。従台車の前端では曲げモーメントが発生するので、硬い材料で作り、銀ハンダで付ければ良いだろう。この従台車はブラスの砂鋳物でよく出来ているが、とても重い。バラしついでに、裏側をフライスで削って肉抜きをしてみたい。 
 イコライザ自身が重過ぎると、せっかく正しく設計しても、意味がなくなるからである。 

 この機関車は、何らかの理由でテンダが正規の製品とは異なるので、市場価値が低かった。しかし、たくさんの実物写真を見ていくと、そういう組合せもあったので、問題にはならない。
(次回の重心位置の決め方に続く)

dda40x at 01:07コメント(4) この記事をクリップ!

2021年11月04日

カルダン・ドライヴ

 GG1の記事に対するコメントで、本物通りでない駆動方式と書いたところ、何人かの知人から連絡を戴いた。クイル駆動の模型化は出来ないのは明白だからだ。

Cardan drive for GG1 大方の予想通り、平行カルダンを考えていた。12台のコアレスモータに14枚歯のピニオンを付け、29枚歯のスパーギヤに伝動する。
 その先は反対側にある駆動軸ピニオンまで、短いユニヴァーサルジョイントで結び、45枚歯のスパーギヤに伝えるものであった。総ギヤ比は、14/29 ✕ 14/45 ≒ 1:6.7になり、出力 20 W強というとんでもなく強力な機関車になるはずであった。軸重は 8 N(800 g重)で、牽引力は11 N以上もあり、全体の質量は6 kgになる。もちろん、可動のギヤボックスには反トルク承けを付ける。

直角カルダン駆動 ところが新たに作った3条ウォームの性能が予想以上に良く、直角カルダン駆動が簡単に出来てしまうので、設計を破棄した。軽い機関車に変更だ。この図は昔TMSに載った井上豊氏の記事からである。ユニヴァーサルジョイントの位相、バネを用いた簡易トルクアームなど手抜かりがない。

 過去に人を乗せて牽く機関車はいくつか見たが、どれも吊掛け駆動で、面白くなかった。原氏のGG1も12モータであったが、平行駆動であった。平行カルダンの機関車を作った人は、まずいないのではないかと思う。ED54を3人での競作記事がTMSにあったが、簡易ブフリィと称して、オルダム継手を付けたものもあった。 

 モータはたまたま20個を手に入れたので、これで人を牽いて走る予定であったが、それらのモータは電車などの駆動用に転用された。

 重い機関車の動輪が自由に動くさまを見るのは、楽しいはずだ。


dda40x at 11:04コメント(0) この記事をクリップ!

2021年08月02日

続 吊掛け駆動

 これは簡単で良いが、シャフトではいささか剛性が足らない。ショックを与えるとパイプが曲がり、修復不能である。自宅のHOレイアウトの上から動かさないなら良いが、クラブに持って行って見せている時に、ゴンと衝撃があるとまずいだろう。分解したものを再度機関車に組み込む時に、引っ掛かりがあっても曲がりそうだし、鞄の中に入れていても心配だ。ご本人は「大丈夫だ」とは言っていたが、移動時には何があるか、わからない。宅配便での配送は、こわくてできないのではないか。これはHOの模型の話である。大きなOスケールならば、脱線した衝撃でさえも、間違いなくアウトだ。大きいものは弱いのである。

 やはり、吊り掛け式の場合は、前回の図のように支持装置に十分な剛性が必要である。先にお見せしたギヤボックスの角は、その剛性のある腕を取り付けるものである。 
吊掛け駆動方式 これは、友人の依頼で作ったOJ蒸機用の吊掛けドライヴである。簡易な支持構造で、ある程度の剛性を確保している。腕は、チャネルを使用しているので剛性は十分だ。駆動軸には小さな伸縮する自在継手を 用いているので、微小な”心ずれ”に対処できる。あまり剛性を大きくすると重くなる。剛性が足らない分、その時に生じる軸のずれはユニヴァーサルジョイントで解決すると、極めて滑らかに回転させることが出来る。ここにゴムジョイントを用いると、押して動かすことは難しい。様々な損失がそこに生じるからだ。鉄道模型からゴムジョイントを排除できれば、かなりの走行改善が望める。

 筆者のOゲージ機関車群と同様の、非常に滑らかな運転ができたので、依頼者は大喜びであった。

 筆者は、OJの蒸機の主台枠の内側がこんなに狭いとは知らなかった。ギヤを薄くし、ボールベアリングを薄いものに取替え、ギヤボックスを新製して、HO並に薄いものを作った。On3のギヤボックスはこれを使えるはずだ。 

dda40x at 08:02コメント(5) この記事をクリップ!

2021年06月13日

OゲージのC53

 ”ウーンド”を調べている途中で、益田氏のC53の記事を見つけた。TMSの99号である。98号には辻阪信一郎氏の作品が載っている。

C53 drive HOの棒型モータを2台つなげて、スパーギヤで平行に落とし、それからウォームギヤで減速している。スパーギヤはヘリカルギヤを使っているそうだが、騒音がひどいらしい。よほど優秀なギヤを使って密閉式ギヤボックスに入れない限り、この方法では騒音を撒き散らし、とても蒸気機関車とは思えない走りになる。記事にも、うるさくてだめだったと書いてあるが、その後に売り出された模型で、この種のドライヴを持つものは多い。すべてギャーギャーとやかましい。

 益田氏のドライヴで良いところは、隣の軸に跨がせて反トルクを受け持たせたところだ。残念なことにひねりが利くようには作られていない。2軸が3点支持にはなっていないからだ。この種の、反トルクを受け持たせる機構(トルクアームトルクチューブ)を付けた模型は、その後60年以上に亘って、ほとんど出現していないのは、理解に苦しむ。少数は発表されているが、強調がなされていない。前後進で調子の異なる機関車が大半だ。これは走らせている人が少ないということだろう。

C53 写真を見るとボイラが少し太くて立派過ぎる。C59の感じである。説明には2 mm太くしたとあり、失敗だったと書いている。キャブも低くしたようだ。
 この模型は今どこにあるのだろう。拝見したいものだ。


dda40x at 06:13コメント(0) この記事をクリップ!

2021年05月06日

続 C62

C6229C6229 (1) この機関車をK氏宅で棚から降ろす時、左手首を捻挫しそうになった。それほど重いのである。
 一瞬目を疑うような状態だ。ここまで重くしないと、12輌牽けなかったのだ。この機関車のボイラ内は全て鉛で埋め尽くされているのは当然であるが、シリンダブロック、主台枠下も全て鉛の塊を後付けしている。横から見えているが、なりふり構わず、補重しているのだ。機関車だけで6 kg以上ある。 
 

 当時の客車の車輪は Φ3 のブラス製ジャーナルで、ブラス製軸箱である。いくら注油しても摩擦は大きい。せめて鋼製の Φ2 にしていれば、かなり違ったであろう。そのころ、メルクリンでは熱処理した鋼製のΦ1 を使っていた。それを使えば、ずいぶん違った走りを示したに違いない。

 このC62のロッド、クランクピンは、外れそうになるくらい磨り減っている。また、軸はガタガタで、すでに限界に来ている。タイヤを含めて動輪はブラス製であるから、かなり磨り減って、フランジは薄くなり、また相対的に高くなってしまっている。

 下廻りは全て新製する。部品は揃えた。主台枠を作り直すのにレーザを使うか、切削で作るかは悩むところだ。主台枠を一体で3Dプリントする、というアイデアも来ている。可能な範囲にあるそうだ。
 動輪は鋼製タイヤの高級品があるから、気楽な工作である。

C6229 (2) 前方の連結器はダイキャスト製であったが、座もろとも粉になっていた。取付穴に合うように板金工作して、仮の連結器を付けた。いずれエンドビームごと更新されるので、まじめに作ってはいない。 
 
 このOゲージの機関車は走行を目的とし、余り細かく飾り付けないようにするが、走行性能は最高にする。サウンドと煙が出れば文句あるまい。  

dda40x at 05:06コメント(3) この記事をクリップ!

2021年05月04日

C62

 四日市のK氏に会って、最近の博物館の事情を説明した。預かっている車輛の台車車輪を換装したら、14輌でも軽く牽けるという話をした。 「はと」編成の写真を見せたところ、大変興奮し、撮影に来るとのことだ。
「これが走れば大したものだ。すごいね。昔の四日市のクラブ仲間を誘って見に行くよ。」
とは言うものの、最後に走ったのは60年前である。

C62 by Mr.Inaba「うちで預かっているC62も作り直して貰えば、牽くよね。」と、C62の改造も引き受けてしまった。この機関車のダイキャストの部品は全て崩れ、かなりひどい状態である。後述するが、この機関車は極端に重い。

TR73 disassembled 同時に、稲葉氏製作の優等客車群も預かって来た。これらの客車は何の編成のものかは、まだ調査中である。3軸台車を付けたのが2輌あるので、また台車の改造をせねばならない。これは意外と大変な作業である。
 驚いたことにスイロネフ37が含まれていた。進駐軍に白帯を取られて、黄帯の一等車である。マイネもあって、それにはJNRと書いてある。外国人旅行者用だ。


 このC62は酒井喜房氏の設計で、設計番号A‐1である。縮尺は1/43だ。この縮尺でないと、クロスヘッド裏がサイドロッドに当たってしまう。この計算は酒井氏が「模型鉄道」誌に発表している。
 当然のことながら、この機関車は大きい。その昔、Oゲージ 1/45を採用しようと呼びかけた湯山一郎氏は、1/43が大きいとの指摘に対し、
「機関車は大きい方が立派に見えます。」
などと、怪しいことを言っていた。確かに、アメリカの機関車は客車よりはるかに大きい。日本は客車がかなり大きいので、丸屋根の客車(3等寝台など)と並べると見劣りがしたのは否定できない。

 これをOJに作り替えたものを見たことがあるが、それはかなり奇妙な様子を示す。相対的に軌間が異常に狭く見えるのだ。

 のちに1985年ごろ、KTMはOJのC62を発売した。1/45で、これは祖父江氏の設計だ。その機関車はC6217を模型化したものである。実は、名古屋の東山公園の植物園に置いてあったのを、筆者が正式な許可を得て、機関車屋根上に登って 詳細な写真を撮影したものから作られている。現在、その機関車はJR東海のリニア・鉄道館にある。 

(カツミの番号の付け方はOゲージをAとし、HOゲージをBとした。ちなみにA-2はこだま号である。) 

dda40x at 05:04コメント(2) この記事をクリップ!

2020年05月23日

続々 Heavy Pacific

2 pacifics (3) こんなに軽そうでも、Heavy Pacific の仲間に入れることになっている。それは動輪径で分類しているからだ、という。軽いヘヴィ級なのだ。Light Pacific は動輪径が 73 インチ(1854 mm)を指すらしい。

2 pacifics (1) 日本で言えばC51だろうか。軸重は軽く、25トン弱である。ボイラは、ATSF3400クラスと比べると、情けないほど細い。罐胴の体積は半分ほどだ。

2 pacifics (2) 汽笛はキャブの前にあるが、反射板を付けている。煙突は太い。いわゆるSweeney Stackである。このスウィーニィ氏はバーリントン鉄道の技術者だったそうで、それがどうしてUPで採用されたのかがよく分からない。
 UPは機関車の出力を上げるには通風を良くすることであることを知り、ひたすらその路線を歩んだ。大口径の煙突を付け、ノズルを調整して、煙がよく吹き上がるようにした。煙室を長くするのも、火の粉止めの工夫の一つである。それにしてもこの煙突は大きい。

 テンダは細く小さい。これではすぐ水が無くなりそうだが、走らせる線区には水が豊富にあった。台車をばらして車輪を取り替え、ボ−ルベアリングを入れた。これも0.2%勾配を勢いよく転がり降りる。
 UP本線は山岳路線であったため、Pacificを本線上では殆ど使わなかった(平坦な支線では多用している)。旅客列車の牽引にはMountain 4-8-2 を使用したのだ。のちに大動輪のNorthern 4-8-4の天下となる。

 その後の韓国製の機関車を見たことが無いが、改良されていると信じたい。この機関車は、とても走るとは言えないものだった。走らせているうちに部品がぽろぽろ取れ、それがひっかかって急停止という状態であった。ボイラのハンダ付けは稚拙で、すべて補強を当てて作り直した。キャブ内のディテールだけは、必要以上にあり、位置を修正するだけで使えた。カウキャッチャの鋳物は使ったが、それ以外のフレイムはすべて新製である。


dda40x at 05:23コメント(0) この記事をクリップ!

2020年05月21日

続 Heavy Pacific

UP 2888 (1) ATSFを塗っている時、ガラス棚の反対側にあるパシフィックも塗装できる状態であったので、ついでに塗ってしまった。これは韓国のAjinからサンプルで貰って、それを完全に作り直したものだ。駆動方式のみならずフレイムを切り落として、棒台枠を新製した。従台車のイコライジングも見かけだけでなく、ある程度それらしく動かしている。この改装後、見せてやったら声が出ないほど驚いていた。

UP 2888 (2) 彼らは蒸気機関車の構造を知らないのだ。横から見た写真だけで作っているので、従台車へのイコライザがどんな形をしているのかわからなかったのだ。
 内側台枠から外に出るのだから斜めに付いているのだが、怪しい板を途中でぐにゃりと曲げて売っていたのには失望した。また、それは途中で切れていた。
 走らせて見せた時の彼らの驚きようは、ビデオに撮っておくべきであった。押して動くということの重要性が分かったのだ。その時前照灯が点いたので、それにも驚いていた。

 そのあとでアメリカのインポータに見せたらしいが、彼らは全く評価しなかったそうだ。Tom Marshはそういう人らしい。ディーゼルは大好きだが、蒸気機関車には興味が無いのだ。 

 メインロッド関連部品を、ある理由で作り直している。外した状態で撮ったので、いずれ写真は取り替える予定である。炭庫の側面の汚れは写真を見て付けてみた。単なる試しであって今後どうなるか未定である。機炭間のdrawbar pinが光っているのは許せない。

dda40x at 05:21コメント(0) この記事をクリップ!

2020年05月19日

Heavy Pacific

 このパシフィックのボイラは国鉄のC59よりもはるかに太い。C62を腰高にしてパシフィックにした感じだ。

ATSF 3420 (1) このATSFの3400クラスは、1919年製造の中古を1936年に完全にリビルトしたもので、殆ど原型をとどめていない。ボイラを替えて圧力を上げ、シリンダと台枠を一体鋳造し、剛性を高めている。動輪は新設計のディスク車輪だ。機関車のみで154トン、軸重は32トンほどもある。テンダは新製で、当時としては超大型であり、満載時180トンもあって機関車より重い。砂漠地帯で重急行列車を、高速で牽くことが目的であった。

ATSF 3420 (2) 煙突は延長が可能である。今回塗ってしまったのは、この煙突がネジ一本で取り外せることに気が付いたからだ。もしやる気になったら、そこだけ作り直して、延長煙突を可動にすることができる。

 アチソン、トピーカ & サンタ・フェ鉄道では煙室にもジャケットが巻いてある。即ち、罐胴に巻いてあるのと同じ色で先端まで仕上げている。煙室戸だけが耐熱の銀灰色のグラファイト塗装だ。この部分は、時期、線区、機種によってさまざまな仕上が施してある。銀色や真っ白のもある。白くすると目立ちやすく、事故を防ぐと信じられていた。煙突はジャケットを被っていないので、グラファイト色である。まだ、あちこちタッチアップをせねばならないところがある。ナンバ・ボードに数字を入れねばならない。

 車輪の裏まで塗ってあることに、注目願いたい。ここが白いと、おもちゃっぽく見える。汽笛は高いところについている。もちろん助士席側だ

 ディカールを貼って、仕上が施してない状態で撮ったので、部分的に妙な艶がある。いずれまともな写真に取り換える。


dda40x at 05:19コメント(0) この記事をクリップ!

2020年05月13日

トルクアーム、トルクチューブ、吊掛け式

 コメントが多いので、予定を変更して稿を起した。

 吊掛け式は、トルクチューブの先端に剛の状態でモータが付いていると考えられる。そしてそのモータの一部を、僅かの自由度を与える方法で(ゆうえん氏は軟かい素材の両面テープで)フレイムに取付けている。要するにモータ軸の延長線に対して垂直の動輪軸が、減速装置を介して廻るだけ、と考えることができる。その動軸が、バネその他の懸架装置で、レイルに押し付けられている。反トルクはモータの尻で承けている。遠いところにあるから、力は小さい。

torque tube 左の写真のトルクチューブは、その先端が一点で固定されている。長孔があり、多少の伸縮(チューブが斜めになっているから)があっても逃げられるようになっている。この方法ではモータは固定できる。これはOスケールではありがたい。モータは350 gもある。そのモータが吊掛け式で動くと壊れやすい。また吊掛け式ではモータ固定ネジが、軸方向から締められるので、どうやって締めるべきか、設計に苦労する。また、吊掛け式ではバネ下質量が大きいから、軸重は均等にはならない。即ちレイル接続部を渡る音が、同じ音ではなくなる。

 トルクアーム方式は機種ごとにトルクアームの位置を考えねばならない、ところがトルクチューブはすべて共通部品で済む。モータ軸とドライブシャフトとはほぼ同一直線上にあれば良い。ルース・カプリングを介して付ければ、全く無調整でよく走る。トルクチューブには簡単な腕を付け、その先端にはピンを差すようになっているだけで、とても簡単である。モータ・ブラケットに小さな腕をつけたのは、祖父江氏のアイデアである。これは優れたアイデアで、簡単に、かつ確実にできるので、量産には都合が良い。筆者のプロトタイプは、配線用のゴムのグロメットで承けたが、これでは経年変化が無視できない。10年でパリパリになったので改装した。

 この駆動方法は、祖父江氏が改造して世界中に出て行った1000輌超のほとんどすべてに使われている。即ち、Sofue Drive の一部を成している。

 愛読者氏のコメントで質問されているフレイムが曲がる話は、ギヤボックスや反トルク承けとは全く無関係の話である。おそらく、高ギヤ比の減速装置の付いたモータを取り付けたが、動輪が何らかの原因で廻らなかっただけのことである。単なる失敗の話であるので、削除した。


dda40x at 05:13コメント(3) この記事をクリップ!

2020年05月11日

続々々々々 ATSF Heavy Pacific

 本物では、インジェクタなどの補機類はどこに付いているのだろうか。たいていは運転室床下にある。機関士が手を伸ばしてレヴァを引き、あるいはコックを開き、作動させる。インジェクタは配管だけでぶら下がっているのではない。配管だけでは、振動で折れてしまう。大型機のインジェクタは重い物である。最低100 kg、大きいものは300 kgほどもありそうだ。垂直荷重の大半はフレイムから生えた支え(stay)で持つ。配管には殆ど力が掛からない。ステイは垂直方向にもある。三角形にして重さも受け持つようにしたものもある。また、Uボルトでインジェクタを押さえたり、インジェクタそのものに取付ボルトがあるものもある。

 模型では、インジェクタはキャブに配管だけでぶら下がるものが、ほとんどだ。だから塗装などで上下分解すると、上廻りをインジェクタで支えるような置き方になる。HO 以下のサイズなら、さほど問題にはならないかもしれないが、Oスケールの大きさであると、これは 大きな問題である。上廻りをどうやって置くべきか、考えねばならない。事前に台を作ったりする。そのまま置けば、インジェクタが曲がってしまったり、配管が折れたりするからだ。

injector suppoert (1)injector suppoert (2) 今回は火室底板に付いている配管を延長し、インジェクタまで一体にした。インジェクタには支えをハンダ付けし、フレイムに作ったネジ穴で固定することにしたのだ。2箇所留まっていれば安定する。

 このやり方は祖父江氏と何回か相談したことがある。どうすれば実感的で、しかも壊れにくいか、だ。今までは、キャブ床板からステイを下に延ばしたものが多かった。これは実感を損なうし、弱い。今回のやり方でいくつか作って検討してみることにする。

  既製品であるので、寸法を出すのが難しい。配管だけで浮かしたものに、フレイムにネジ留めしたステイを接触させ、その先に炭素棒でインジェクタをハンダ付けした。こうすれば位置は必ず合う。 そうしておいて外して洗う。

 塗装はばらばらの状態で行い、組んでネジを締める。あちこち触っているので塗装は傷だらけだ。後でタッチアップする。裏面だから見る人はいないが、気にする人もいるからだ。

dda40x at 05:11コメント(0) この記事をクリップ!

2020年05月09日

続々々々 ATSF Heavy Pacific

torque tube 動力部分を示す。過去に何度か触れたトルクチューブである。これは筆者の発案で、祖父江氏が全面的に採用したメカニズムである。ギヤボックスから生えた剛性のある円筒の後ろをピンで支える。発生するトルクは、そのピン一本で受ける。ギヤボックスは自由に動くので、サスペンションに何ら影響を及ぼさない。トルクをリンクで承けるのも良いが、そのリンクは意外に目立つものである。トルクチューブは目立ちにくい。

 この種の反トルク承けは実物にとっては大切な機械要素であるが、そのスケールモデルと称する模型に正しく付いているのを見ることは、まれである。TMSの記事で出現確率を調査されると面白いと思う。コンテストの入賞作品でさえも、ついているものはまれだ。

 スリップさせながら(最大のトルクを発生)、フログなどの不整部分を通過させる時、バネ、イコライザの動作があっても、全く同じように引張力を発揮することが求められる。要するに動輪の上下動があっても、引張力が変化してはならないのである。これはサウンド装置を働かせながら、重列車を牽いてポイント上で起動するとよくわかる。

 ギヤボックスは、負荷の大小に関係なく、自由に動かねばならないのだ。 

dda40x at 05:09コメント(5) この記事をクリップ!

2020年05月07日

続々々 ATSF Heavy Pacific

ATSF (1) テンダ床の補強工事をした。3/8インチ (9.5mm) のアングルを、全長に亘って貼り付けた。この厚みは1.3 mmであるから、かなり強い。要は前後の端梁付近が弱いので、衝突時の力を受けるようにしたわけだ。
 端梁は厚いブラス鋳物だから、それにしっかりとハンダ付けすれば、安心である。ハンダが廻るように傷をつけ、ブラスのネジで締め付ける。ガスで焙って持てなくなる温度(100 ℃くらい)まで予熱し、その上で炭素棒で短時間加熱すると、狭い部分だけを完全に融かすことができる。途中はネジで締めただけで十分だ。おそらくオリジナルの状態よりも丈夫になっている。

ATSF (3) 塗装をした。絶好の天気であった。前日に水洗いをして、風に当てた。特に錆取りはしない。ゴミとか埃が取れれば良い。下塗りをし、太陽を背にして裏側から塗り始める。最終的に金網の上に正置して、少しずつ回してどこにも塗り残しが無いように確認する。テンダは2つあり、これは慣性増大装置を付けない方の物だ。 
 背後から太陽光を受けると、塗り残しを発見しやすい。蒸気機関車のように凹凸が大きく、丸いものは難しいものだ。

ATSF (2) 今回はインジェクタの支えに工夫を施したので、それを塗るのに、少し手間取った。マスキングテープは銘版を隠している。これは”Product of Japan”の時代だ。その横の21という数字はこのロットの中の製造番号だろう。ボイラの中には祖父江氏の筆跡で番号が書いてある。
 不思議なのはその番号で、機関車は30、この灰箱下の板は21、テンダは22であった。もう一つのテンダは20だ。


dda40x at 05:07コメント(2) この記事をクリップ!

2020年05月05日

続々 ATSF Heavy Pacific

ATSF Tender (3) テンダの床板は1 mm板である。 フライスで切り抜いたら、前後方向の剛性が小さくなって、衝突時にめり込む可能性が出て来た。内側に厚いアングルを2本、全長に亘って貼り付けることにする。回転体を避ける位置である。前後の端梁は分厚くて丈夫なブラス鋳物であるから、そこにネジ留めしてハンダ付けすれば良い。前より強くなるだろう。

ATSF Tender (2) これは6輪台車である。砂鋳物でできていて、幅が広い。ジャーナル部がガバガバしている。これではボールベアリングが左右に踊ってしまう(既にボールベアリングが見えている)。こういう台車のボルスタを幅詰めするのは面倒である。ネジ孔の隣に近接して孔をあけ直すのが難しい。M2のネジを1 mmずらすのはやりたくない。削るならたくさん削って孔一つ分ずらしたい。

ATSF Tender (1) ボルスタを片方からフライスで切り込んで、2mm狭くした。片方から削り取ると心皿位置が変わるが、今回はどうせその付近を削りとってしまうのだから問題ない(普通は対称的に両方から同じ量を削る)。ネジ孔は、ブラスの丸棒を突っ込んで銀ハンダで固めた。こうすれば隣に孔をあけても、ドリルが引き込まれない。台車の幅を絞ると、見かけがかなり改善される。模型の台車枠は厚いのだ。

 テンダの集電シュウは祖父江方式で前後の2軸から採っている。DCCの時の雑音を無くすには効果がある。左右の動輪と従輪から2極採り、テンダの台車で2極を採るテンダ本体は機関車と同極性であるが、カプラは絶縁してある。いろいろな方法で試したが、この方法が、最も集電が良く、ショートが無い。

 台車ボルスタの心皿の周りは、ギヤボックスを収容するために四角の穴を大きく抜いた。ここに 2 mmの板を貼り重ね、ドライヴ・シャフトを貫通させるスペイスをボールエンドの刃物で削る。可撓継手のスペイスも要る。その 上に、さらに2 mm板を貼り重ねる。全体を厚板から作ると設計施工が面倒なので、よくやる方法である。銀ハンダを使えば、一体構造と同等の強度を持たせることができる。切り取るものは補強板を付けてからという原則を守ると、寸法の狂いが無い。合計でボルスタの最大厚みは7.5 mmになった。過去最高である。

ATSF Tender (4) 床板に台車を置いて位置確認をする。両端の軸からチェインで駆動するのは同じだが、スプロケットはギヤボックスの内側寄りであって、2軸目まで共通のドライヴシャフトである。その次に可撓継手が来て3軸目がつながる。ガスタービン機関車と同じ方法だ。簡単にして確実である。

 心皿高さは現行より5.8 mm高くなる。床板の上面とほぼ同じ高さになるが、心皿が邪魔なので別の方法を考えている。中央軸のギヤボックスの収容は大きな体積を必要とするからだ。
 先回のリンク機構は今思えば、ベストの方法であった。駆動軸を通すと心皿は邪魔である。今回もそれが気になっていた。ギヤボックスを偏心させ(中心に置かない)、センタピンを反対に置くという手もあるが、見た人が驚いて落とすといけないので、それはやめた。

dda40x at 05:05コメント(0) この記事をクリップ!

2020年05月03日

続 ATSF Heavy Pacific

 この機関車は場違いなところにあったのだ。東部の機関車は西部で、西部の機関車は東部で買うと良い、と言われていた。人気がない機種は、安く買えるということだ。サンタフェの機関車がニュー・イングランドにあっても、欲しい人などいない訳である。当時の相場としては900ドル位であった。その価格で出ていたが、誰も見向きもしない。売り主と話をすると、
「800ドルにするから買ってくれないか。」と言う。
「いや、こちらはアメリカ一周の旅行中だから、買いたくない。」と答えると、「最終日まで待って誰も買う人が居なかったら、600でも良い。」と言う。
「いやそれでも買いたくないな。」
「じゃ500でいいから。」と言う。その価格でなら魅力があった。

 そして最終日の夕方行って見ると、筆者の名前を書いた箱があり、小切手を渡してそれを受け取って来た。良い買い物であった。南部の友人を訪ねてから、自宅に帰って箱を開けた。驚いたことに、ACモータが入っていて、逆転スウィッチはキャブの中にあった。Max Gray時代の極めて初期のものだったのだ。それが安い理由であった。ニ線式であったのは助かった。帰国する時には錘とモーターは捨てた。それでも十分に重かった。
 祖父江氏に見せると、「参ったねー。こいつぁー古いよ。30輌位作ったっけな。モータが入らねえから、バックプレートを切り開いて、無理に押し込んだんだよ。テンダは重いよ。厚い板で作ったんだ。高くついたね。あとでUS Hobbies向けにも作ったけど、あれは薄い板で作ったから軽いよ。」と言った。
「煙突の裾はハンダの丸味だよ。プレス型を作るほどの数が無かったからね。あとで作った時はプレスになったな。」

pneumatic smoke deflector (2) バネを入れ、動力を改造して押して動くようにした。外装もかなり手を入れた。塗ってしまえば良かったのだが、ガラス棚に長期間鎮座していた。今回テンダを改造する予定だが、先に塗ってしまうつもりだ。本物の煙突は2フィート(61 cm)ほど折れて畳めるようになっている。それをやりたいのに、資料が見つからなかったのが、塗装が遅れた理由だ。DCCで畳めるようにしようと思っていたのだ。この図面がかなり近いと思う。

 実は、この機関車はもう一輌ある。テンダを手に入れたので、スクラッチからある程度作ってあった。並べると壮観だろうと思った。それは贅沢にもフル・イコライジングである。作りかけのまま、30年以上放置されている。スポーク動輪を他に使ってしまったのだ。今度作るときはボールドウィン・ディスク輪心にしたい。最近は3Dプリントでもできるから、試しにやってみたくなった。しかしタイヤを挽くのは大変である。快削鋼のΦ45を買ってきて削り出すのだ。ほとんど切粉になってしまう。昔は鋳鉄からも作ったことがある。鋳鉄製タイヤでは、牽引力は確かに増大するが、見た目が良くない。ステンレスのタイヤは許せない。色が悪いし、滑りやすい。快削鋼の色は素晴らしい。錆びると言う人がいるが、よく走らせていれば心配ない。
 精度の点ではタイヤだけは外注したいのだが、20枚程度では引き受け手がない。タイヤを研削する時に使うヤトイを作ってあったのだが、見当たらない。頑張って作ってみよう。 

dda40x at 05:03コメント(2) この記事をクリップ!

2020年05月01日

ATSF Heavy Pacific

ATSF Pacific Santa Fe鉄道のヘヴィ・パシフィックである。背が高い。動輪径は79インチ、2006 mmだ。古いパシフィックを大改造して作られた。大きな動輪に替え、ボイラを作り替えて圧力を上げ、給水装置をElescoにした。筆者の好みの形だ。この機関車は、筆者としては珍しく完成品を入手している。1960年より前の祖父江氏の作である。

 1989年、アメリカ東部のOスケールのショウを見てみたいと思った。西部から車で何日も掛けて走り、あちこちで友人を訪ねながらメイン州まで行った。帰りにコネチカット州のスタンフォードに寄った。駅前のホテルでその模型ショウがあったので、Bill Wolferに頼んで、入場券を押さえて貰った。ホテルはマリオットで高級だが、参加者は安く泊まれた。すぐ裏に、St. John's Episcopal Church があり、そこの地下には巨大なOスケールのレイアウトがある。その大きさ、精緻さは全米で屈指のものである。

 物品販売しているテーブルはたくさんあり、手紙のやり取りで知っている人も多かったので、一つずつ訪ねて歓談した。中には金を払ったけど送って来なかった奴がいて、乗り込んで行って名乗った。非常に驚いて、「もうすぐ送るつもりだった。」と言い訳をした。「黙れ!さっさと商品を渡さないと主催者に言うぞ。」と怒鳴ると、慌てて渡した。もう廃業しているから名前を出すが、Sal Marino’sというイタリア系の店であった。何回か電話したが、ごまかすつもりで、でたらめなことを言っていた。まさか西部から乗り込んで来るとは思わなかったのだろう。啖呵を切る練習をして行ったので、うまく行った。そのせりふの手ほどきをしてくれたのは、Bill Wolferである。後ろでニコニコして、見ていてくれた。


dda40x at 05:01コメント(0) この記事をクリップ!

2020年04月29日

慣性増大装置付き機関車の増備

 今アメリカの複数のフォーラム(非公開サイト)で筆者のUP850が採り上げられている。Youtube を見て討論しているのだ。傍観しているが、いろいろな意見があって面白い。
 増速装置にウォームギヤを使っているとは思わないので、様々な想像をして、多段スパーギヤ + 食い違い傘歯車だろうと書いている。そんな歯車装置では、高価だろうし、多分すさまじい音がする。たとえウォームギヤが使ってあっても正しい歯型のものでないと無意味なのだが、そのあたりはあまり理解されていない。動けば良いというものではないのだ。高効率で静粛性を求めるには何をすべきか、ということは自分で計算をしてみないと分からないだろう。7軸の内、6軸から動力採取をしていることの意味は読み取った人がいた。これは嬉しい。
 そのうちに、誰かが3条ウォームを使っている筈だ、と言い出した。ここでも"3条"に意味があると思っている人が多いことがわかった。3という数字には意味はない。「互いに素」の組み合わせが相手が偶数でも作りやすいという利点しかない。かなり頭を絞って考えているようだが、進み角 lead angle にたどり着いた人は、まだいない。

 多条ウォームは、世の中に沢山ある。オルゴールとか、蓄音機に使われて来た。しかしそれらはゼンマイ動力であって、駆動側の慣性モーメントが無いに等しい。
 歯形がでたらめでも、被駆動側の大きな慣性モーメントで、均等化されていたのだ。今回は、大きな慣性モーメントを持つものを駆動し、また逆に、それによって駆動されるのだから、話は違ってくる。角速度の均一性は極めて重要なファクタである。そこに気が付くかどうかを見ている。
 MRに投稿する原稿をまとめる上でとても参考になるので、しばらく議論を眺めていたい。


 原氏の博物館からは、当分帰って来ないことが確定した。その間落下事故がないことを祈る。
ATSF Tender フライホィールの効果を見たい友人がいる。もう一台くらい作って見せてくれ、と言う。作るのが簡単で効果が大きいものは、テンダの体積の大きな、大動輪のパシフィックであろう。このSanta Feのパシフィックは塗る直前の状態で10年以上置いてあった。

 車輪は既にLow-Dに交換してあり、この重いテンダは0.2%の坂を下り降りる。塗装前にテンダの床に孔をあけて準備しておけば、フライホィールの増設は難しくない。このテンダは箱型で、高さがあるから、改造には適する。台車のシルエットも、動力ピックアップ装置をかなり隠せる大きさだ。 車輪径が小さいので、増速率を減らすことができる。これは音の問題を小さくするだろう。


dda40x at 04:29コメント(1) この記事をクリップ!

2020年03月26日

続々 Texasからのメイル

 もう一人のMike Rは糖尿病の医者である。こちらも週2日しか、仕事に行っていないという。レイアウト漬けになっている。静電気で芝を植える装置を改良して、猛烈な速度で緑化したようだ。
 知らない間に橋を架けた。トラス橋は韓国製のブラス製である。ガーダ橋は Atlas の製品だそうだ。本体は金属製で、上のデッキ部分は耐候性のあるABS樹脂である。屋外での使用を考えた製品らしい。
 このレイアウトも線路はすべてハンドスパイクである。ここまで来るのに20年以上掛かっている。生きているうちにはできないと言っているが、もったいないから早く作れ、とけしかけてある。

 

「Tad が来てくれると出来る。航空運賃を払うから一月ほど来ないか。」と言ってきたが、こちらは信号機と転車台で忙しいから断っている。
 逆にこちらへも来たいという。彼は48年前に横須賀の海軍病院に赴任していた。当時はまだ蒸気機関車が沢山いた時代なので、日本中写真を撮りに歩いていた。コダクロームのスライドが数千枚あるそうなので、それを日本で出版したいとも言っていた。それもあって日本に来たいのだ。その時はうちに居候する予定だ。博物館の工事を手伝ってもらう。

 彼のところにはLow-D車輪が沢山ある。先日それを付けたタンク車を線路に置いて振り向いたら、それが消えていた。猛烈な速度で1%の勾配を下り降り、レイアウトをほぼ半周して目の前に止まった。事故はなかった。「壊れないで良かったけど、ひやひやしたぜ」と言う。この動画を送ったら、全く同じ走りだったそうで、喜んで見ていた。


 彼はFEF4のメカニズムに非常に興味がある。驚異的なメカニズムだと言っている。テンダの先台車の首振りリンクもやりたいようだ。 

dda40x at 03:26コメント(0) この記事をクリップ!

2020年02月19日

続々 FEF4 UP850

centipede tender (2) テンダは最前部のデッキを切り落とせば済むわけではなかった。キャブが延長されているので、それと連結するにはデッキ下の台枠を13 mmほど延長してやらねばならない。機関車の連結部を伸ばすと、オウヴァハングが大きくなる。これは避けるべきである。テンダのdraw barのピン位置は10 mm移動した。この部分は力が掛かるところであるから、十二分に補強してある。床板にはチェインが通る穴があいている。強度を持たせるために、ボディ・シェル側に太い骨を入れて、それとネジで連結するようにした。銀ハンダで付けてあるから、オリジナルより丈夫かもしれない。

 テンダのボディ・シェルの骨は、重いのをわしづかみにされても凹まないように設計した。また、シェルと床板をネジで締める部分は、力がシェル全体に掛かるような設計にした。こうしておけば、メネジ取り付け部が剥がれたりしない。ここまで考えておかないと、塗装完成後に壊れて泣きを見る。ここまで重いテンダはまずないから、気を付けねばならない。

centipede tender オリジナルの模型の製造は1966年頃で、祖父江氏による。まだKadeeはなく、怪しいダイキャスト製のダミィ・カプラが付いていた。その取付部の高さは、どのように工夫してもKadeeには適合しない。フライスですべて削り取り、ブロックを作成して埋め込んだ。テンダは重いので、バネの沈み込み量が大きい。実験・測定を繰り返して、高さを決めた。

FEF4 painted (1) 今までの車輛とは大幅に異なる質量を持ち、なおかつ客車ほど長くない。即ち平均密度が大きい。初めて触れる人はきっと驚く。落とすまいとしっかり握るから、何も対策しないとつぶされる可能性があった。だいたい、わしづかみにする人はHOの人で、Oスケールの標準軌車輛を持ったことが無い人だろう。

 博物館に来た人で、車輛に触りたい人が居るが、それは遠慮願っている。HO以下の模型とは全く異なるので、壊す可能性が高い。握って客車の窓をぶち抜いたり、荷物室扉を押し潰したりする例は多い。機関車を持つときは、どこが一番堅いかを調べてからしか、持ってはいけない。テンダについては今まで特に注意を与えなかったが、これに限っては重いので最高の注意が必要である。

 今回は審査員が触るという前提があったので、最大限の補強を入れているし、壊れそうなものは付けなかった。一般論で言えば、他人の車輛には手を触れてはいけない。


dda40x at 02:19コメント(2) この記事をクリップ!

2020年02月17日

続 FEF4 UP850

UP FEF4 finished (2)cab support キャブは新製である。オリジナルは、落として凹んでいたので捨てた。0.5 mm厚の板から作り直した。
 火室は大きくした。実物で 8 inch 延ばした。運転室内に余裕があるので室内方向に延ばし、キャブ前端は移動していない。FEF3は石炭焚きで登場した。今回は、そのストーカ部分のスペイスが浮いたのである。

 all-weather cab いわゆる密閉式キャブである。ナイアガラと寸法的には近いので、キャブ後端の絞りはそれに倣った。作図して、半径2800 mmと8番分岐で、当たらないことを確認した。ドアは解放状態と閉まった状態の2種とした。
FEF4 painted (2) 運転装置はぎっしり詰め込んである。DCC化するとキャブの照明が点くので、良く見えるようになる。ハシゴのデザインは、NPのZ8を参考にした。同時代のAlco製の機関車だ。下がすぼまっている。図面はA氏から提供戴いた。 
 屋根上の樋の形も、各種の機関車を参考にした。シンダ除けを付けてある。これも叩いて作ったものを取り付けたのだ。

 座席は4名 + 補助椅子2名とした。補助椅子は後ろの壁についていて、引き起こすタイプである。後ろの壁は全体が外れるようにした。そうしないとキャブ・インテリアが付けられない。

ts_90823_39hanging cab キャブは例によって後ろ下がりとした。本物のFEFは、新車時以外、すべてキャブが下がっている。ボイラ後端から突き出た三角の支えにキャブが載っている。落ちて行かないように、火室上部から伸びているボルト2本がキャブを引っ張っている。そのボルトは天井の裏にあって、ナットで締めて、持ち上げるようになっているが、キャブ全体が薄板なので、徐々に歪んでくる。そうするとキャブは後ろにぶら下がる感じである。これが水平に真っ直ぐだと全く実感味が無い。当鉄道のUPの機関車は、すべてぶら下がっているようにしてある。知らない人は「曲がっていますね」と言うが、苦労して下げているのだ。FEF4はキャブが長いので、三角板では間に合わず、角パイプで支えている。また、ハシゴ部には蹴込みがあって、後ろにスペイスが要る。だから三角板は付けにくい。

 後ろの妻板にはドアがある。そのドアは少しオフセットさせた。そうしないとテンダによじ登った時、手摺を掴めない。手摺りはオイルタンクの縁に付いているからだ。これも身長180 cm(模型で3.75 cm)の人形を置いてステップ等の位置の可否を調べた。

dda40x at 02:17コメント(5) この記事をクリップ!

2020年02月15日

FEF4 UP850

UP FEF4 finished(4) 機関車の外観については、詳しく発表していなかった。

 まず前頭部である。パイロットは Holizontal Swing Coupler を付けている。要するに水平回転収納型である。Vertical Swing 縦に動いて収納するタイプは、転換操作に二人必要で、評判が悪かった。FEF1とFEF2は縦型だったが、後に水平型に取り替えられたのは、このような理由だ。
 NYCのナイアガラは縦に動く。それは殆ど起伏のない線路を走るので、重連をすることがなく、問題が無かったからだ。UPは山岳路線であって、多重連が日常茶飯事であったから、連結器の出し入れがしやすいタイプが望ましかった。
 水平型は、夏は良いのだが、冬は凍り付いて全く動かなかったらしい。だから、冬は出しっぱなしにしていた。

 除煙板は、文献によっては、French type small wingsとあったりするが、わざわざCanadian National type と明記してあるものがあった。調べてみると、小さなものは一つしか該当するものがみつからなかったので、その形を採った。位置は簡単には決まらない。列車番号を掲示する行燈が見えなくなってはいけないのだ。だからあまり前には出せない。高さも問題だ。結局、行燈位置を少し上げて解決した。番号板を差し替える時、人が登らねばならないので、握りも必要だ。ステップは煙室戸に付いている。実際に人形を置いてみて、握りの位置を確認した。こういうところをおろそかにすると、不自然な模型になる。
 除煙板は、煙室から生えたアングル、チャネルに付けられた。ここを持っても壊れない程度に、強度を持たせた。煙室に近いところにあるので、人は外側を通る。当然手摺も要る。それはボイラ側面と同じ高さにしないと危ない。あとで黒く色を塗った。

4 smokestacks 煙突は4本で巨大である。出力を上げるには、通風面積を増大させ、大量の燃料を燃やすことしかない。FEFは1本から始まって、2本が主流になり、後に試作で3本ができた。そしてこれは4本である。本物の図面を基に、設計手法を分析し、その延長上で作ったのがこれである。ST氏にはお世話になった。
 空気圧縮機の排気管も付いている。40年前、ある人が穴がないことを指摘したので、今回は実物の寸法を調べてパイプを付けた。取付けの六角ナットの位相はすべて変えてある。3Dプリンタによるインヴェストメント鋳造だから、こういうことは容易にできる。
 開口部が大きいので、この下にスピーカを付けることにする。そうすると、ドラフト音、汽笛音などすべて矛盾が無くなる。戻ってきたらDCC化する予定だが、瞬時の逆転、急加速ができるか調べている。

 今だけは、前照灯はLEDを押し込み、電池で点燈するようにしてある。スウィッチは煙突の下に付けてあるから、棒を突っ込んで操作する。この写真は、水平に付けて様子を見ていた時のものだ。
 
 塗装は当時のグラファイト塗装である。ざらざらにしたかったが、もう少し目が細かい方が良かったかもしれない。汽笛の引き棒に針金を付け、ボイラ・ケーシングに引き込んだ。

 給水温め器は、Worthington SA型である。文献を良く調べて、配管を正しく施した。lift ring 吊りボルトも付けたのはよく目立つ。
  
 アフタ・クーラは割合よく目立つので、付けて正解であった。


dda40x at 02:15コメント(1) この記事をクリップ!

2020年01月22日

鳥羽給炭所

 もう60年以上昔の話だ。親戚が居たので、志摩半島に年に一回は行った。
 名古屋から亀山までの湊町行き快速列車は、たいていはC51と C57の重連だった。快速は、亀山までの60 kmがちょうど1時間で、表定速度は60 km/hである。単線での蒸気列車としてはかなり速い。快速用の機関車は磨かれて、輝いていた。
 亀山からはC51の単機が牽いた。それも快速列車だった。姫路から来る快速もあった。伊勢を過ぎて鳥羽までは、平坦線であって軽やかに走った。当時は伊勢まで行くのでも、国鉄の方が近鉄の中川乗り換えより、ずっと早かった。


 筆者の世代は、蒸気機関車が全速力で走るのを見た最後の世代であろう。蒸機はノロいと思っている人が多いだろうが、決してそんなことは無かった。速い乗り物の代表だった。筆者の父親の世代はもっと速かったのだ。蒲郡駅で上り下りの特急がすれ違うのを見るのが楽しみだったそうだ。どちらもC53で100 km/hをはるかに上回る速度であったと聞いた。蒲郡駅はどちらからも下りで谷のようになっている。 
 

 参宮線の六軒駅で大事故があり、機関車が証拠物件なのか、長く放置してあった。ブレーキの構造が重連仕様でなかったのが原因らしい。アメリカの機関車は重連用のブレーキ管を持っている。 

 当時の国鉄鳥羽駅はそこそこに大きな駅で、貨物も扱っていた。三重交通志摩線では貨物も扱っていたし、鳥羽港で陸揚げした砂利置き場もあった。プラットフォームは1本しかなく、到着列車は海側に着くことが多かった。その窓からは転車台が見え、給水タンクも目の前であった。接続電車まで時間があると、客車の窓から機関車の動きを見ることができる。
 切り放された機関車は軽やかに走って転車台に向かい、転向する。水をたくさん呑んで、前後に走り、ポイントを渡って先頭に着く。

 ちょうど目の前に機関車が来た時、機関士が大きな声で叫んだ。
「おーい坊主!見てろよ。」
 機関士はスロットルを少し強めに引き、動輪をしゅるしゅると一回転させて発進した。それは禁止されているはずであったが、見せてくれたのだ。単機でも動輪がスリップするのは初めて見た。単なる格好つけであるが、少年の眼には焼き付いた。その後、機関車は列車の先頭に行って停止するが、その時もブレーキを使わずに、動輪を逆回転させて停めた。実に見事なスロットルさばきで、機関車が止まる瞬間に動輪も止まった。機関士は満面の笑顔で、どんなもんだい、という顔をした。こちらは飛び上がって喜んだのは言うまでもない。

 その時の情景は鮮明に思い出される。いつかあんな動きをする模型を作ってみよう、と思ってから50年以上経つ。今それが完成したのだ。
 列車を牽いている時にスリップさせることは容易だが、単機では不可能だったのだ。

 
 
 T氏から、このウェブサイトを紹介戴いた。元機関士の方が公開している。写真は自由に使ってよい、とあるのがすごい。また、別の角度からの写真を紹介するウェブサイトもある。懐かしい風景だ。近鉄が鳥羽に乗り入れて、志摩線も買収された。標準軌が賢島まで続いたので、貨物は廃止された。以前は電車が貨車を牽いていたのを見たことがある。

19670224tobaekimeikanban 国鉄の旧鳥羽駅には真珠と海女の看板があったのはよく覚えている。日和山(ひよりやま)のエレベータにも乗った。天気が良ければ富士山が見えるとあった。しかしそれは、鳥羽駅が火事になって延焼してしまった。
 写真は上記の藤田憲一氏のサイトからお借りしている。

dda40x at 01:22コメント(14) この記事をクリップ!

2020年01月12日

続 500時間

 最初の10日間は、資料を再度読み直す調査期間とした。イギリス、フランスの文献を探した。ドイツには参考になるものは見つからなかった。
 その機関車には、高速時の高出力が求められていた。それには poppet valve の採用しか、解決策が無い。ワルシャートやベイカー弁装置では、成しえないものである。これらは弁が徐々に開き、徐々に閉じる。力が要る瞬間に、蒸気が少しずつしか入らないようでは、出力が出ない。大きな開口面積で、大量の高圧蒸気が瞬時に流れ込んで、ピストンを押せば、出力は増大する。高回転の旅客用の大型蒸機に求められる性能である。貨物用機関車には縁が無い話だ。

 その後は設計に没頭した。数十枚の図面を描いた。すべて方眼紙に手描きで描いた。今回はフルスクラッチ・ビルディングではないから、寸法の採取には大変手間取った。リンクの長さを決定するのには苦労した。寸法を決めておけば、材料の選択、加工の時間を節約できる。使う材料は選び出して机の上に順に並べ、取り出しやすくした。机が広いのは有難い。博物館には広い机が沢山ある。
 工具類、特にリーマ、タップ類を点検した。ボールベアリングは十分にあったから、注文せずに済んだ。この種の準備に時間を割くことは、後の作業時間を大幅に節減できる。工作の途中で材料や工具を探すと時間がもったいない。 

 ポペット弁は、アメリカではNYC、Pennsylvania、C&O、AT&SFなどに採用例があるが、その数は多くない。この機関車が必要とされたのは、対日戦争勝利後の旅客需要の増大に対処するためである。当時の大陸横断は鉄道によるものが大半で、ディーゼル電気機関車の出力不足、信頼性の低さには参っていたのだ。やはり、信頼性の非常に高い蒸気機関車を高出力化することが、当時としては最良の案だったのだ。

 ポペット弁に関する情報は日本では極めて少なくて困ったが、工学エキスパートのT氏からお借りしたイギリスの本に、参考になる記事が見つかった。Franklin式を採用することにし、valve chestを切断した。

removing valve chest 作り始めて気が付いたが、改造をするべきではなかった。シリンダブロック全体を新製すべきであったのだ。今回は時間がなく、そのまま突っ走ったが、いずれ3Dプリンタにより、文句なしのものを作って嵌め込むつもりだ。 この写真では既に先台車は新製され、Low-Dを装備している。
 また、ワルシャート式リンク機構は外され、スライドバァの保持枠も余分なところを切り捨ててある。この後、クロスヘッドは作り替えられる。

dda40x at 01:12コメント(0) この記事をクリップ!

2020年01月10日

500時間

 昨年末、ある機関車を作った。正味2箇月しか時間が無かったのだ。500時間で作らねばならなかった。各単元分野の仕事は、大体の時間が計算できるので、工程表を作れば、製作可能かどうかが分かる。

 9月末に、親しい友人からその話が持ち込まれた。コンテストに出せ、というのである。筆者のコンテスト嫌いは知られていて、過去一度も出したことが無いし、今後も出すつもりがなかった。友人は、
「このまま逃げ切るつもりか。お前は作品を出すべきだ。世界の模型界に影響を与えた過去の作品群も、コンテストの入賞作であったら、日本国内でのインパクトがさらに大きかったはずだ。コンテストに出てないから、山崎氏が意図的に無視したので広まらなかった。」と言った。
「でもさ、それを審査する人達の資質の問題があるんだよ。外観ばかりじゃないか。自宅にレイアウトを持っていないような人が審査するんじゃ、意味は無いよ。こちらは最高の走りを実現することが目的だ。外観なんてそこそこに出来ていれば十分だと思っているのだからね。
 過去の実際の入賞作には、構造が根本的に間違っている作品が多々あったことは前にも話しただろう。審査する側に能力が欠けていることは明白だ。そんな人たちが審査するコンテストなんて、意味がない。」 
と蹴飛ばしていた。
「それじゃ、内容を審査するように、説明をちゃんと付ければよい。実際に走って見せて、驚かせればいいんだろう?」と畳みかけられた。

 その後主催者側に通じている人に聞くと、運転して審査するということだったので、それならやってみるか、ということになった。


 作ろうとしているモデルは、実際には製造されなかった機関車なので、どうあるべきかを考えねばならない。資料は集めてある。関係者からの情報を精査し、ありうる形にしなければならない。その機関車は、当時の最先端の技術を採り入れた史上最強力の機関車であった。誰も模型化していない。雑誌に紹介記事が載るのだが、例によってBenett氏の絵があって、いくつか間違いが含まれている。蒸気機関車の構造が全く分かっていない人が描いた絵などには価値はない。

 その話をすると、
「それじゃちょうど良い。むこうが『恐れ入りました。』というものを作ればいいんだよ。」
とけしかけられた。

 さて何を作ったのだろう。正解者は今のところお一人である。かなりヒント発表されているのだが。

dda40x at 01:10コメント(2) この記事をクリップ!

2019年12月25日

続 洋白材を削る

milling 3 横から見るとこんな形をしている。土台の 2.6 mm厚のブラス小片との対比で大きさがお分かりであろう。溝や穴は0.35 mm彫り込んである。


 removing soldering ハンダを外すとこんな形である。周りをヤスリで削って成型する。この種の仕事に使うヤスリはセイフ・エッジを持たねばならない。それがあれば、簡単に削れるし、失敗が無い。これの縁をさらに薄く削り、例の丸アンヴィルに載せて、ゴムハンマでぶん殴るとできあがりである。丸みが大切で、ここがうまく出来ていないと密着しない。

finished これが完成品である。ここまで来るのに2時間もかかった。これは蒸気機関車のボイラ・ジャケットに付けてあるステップである。飛び出している状態と、畳んだ状態があるのだ。出ているものは7個あった。畳んだものを用意してあると思っていたが、どうしても見つからない。板材を切って貼り、ごまかすつもりであったが、置いてみると不自然だ。結局彫り出すことにした。ロストワックス部品というものは高価であるが、自作するともっと高くつくという事例である。

steps 完成品を貼り付けるとこんな状態である。例によって、完全なハンダ付けがしてある。絶対に剥がれない。付着したハンダは吸い付けて、磨き砂で磨けば取れる。ちなみに黒いのは炭素棒の粉であるからすぐ取れる。吸い付けるというのは別項でいずれ紹介するが、毛細管現象を利用するものである。


dda40x at 12:25コメント(2) この記事をクリップ!

2019年12月23日

銀ハンダ

 ほとんどのハンダ付けは 63%のスズを含むハンダで行う。流れが最高で、薄く付く。この薄さが強度確保につながる。ハンダの厚さがあると弱い。これは接着剤の働きと同様である。スズとの合金層だけでくっついている状態が望ましいのだ。こういう接着をしようと思うと、十分な加熱が必要で、炭素棒を使えば簡単であるが、鏝ではなかなか難しい。

 他のハンダは使わないのですか、という質問を受けた。盛らなければならない時は50%のものを使う。フレイムを組むなど強度が必要な部分には銀ハンダを用いる。3.2 mmの板を直角に付けて、しかも力が掛かる部分(端梁など)はこれに限る。そうでないと連結時のショックで疲労し、取れてしまう。

silver solderingsilver bearing solder 今回は台枠の作り直しがあったので、銀ハンダをかなり使った。できあがりはロウ付けに近い。実は筆者はロウ付けは得意なのだが、あまりやらない。銅合金はロウ付けで全体に熱が廻り、焼き戻されるのを避けたいのだ。Oスケールは比較的大きく、モーメントが大きいので、くたんと曲がってしまうことがある。そういう点ではHO以下では便利な手法ではあろう。

 煙室戸にヘッドライト支えを付ける時など、ロウ付けすると固くて良さそうだが、銀ハンダでも十分な結果を得ている。イモ付けではなく、ピンを入れておくことだ。そうすれば落としても壊れない程度の強度がある。もっとも、十分に熱が廻らないと意味がない。良く削って新しい面を出し、機械的に接続された状態で保持し、加熱する。炭素棒があれば言うことは無い。

dda40x at 12:23コメント(0) この記事をクリップ!

2019年12月15日

whistle support

whistle support 汽笛は斜めに付いている。配管は前の方からスーパ・ヒータを避けて、後ろに来る。場所がないから、汽笛は斜めにせざるを得ない。この手法は日本のC62で真似をしている。こんな長い汽笛を、単に斜めに付けると、モーメントが大きいので振動で疲労して根元が折れてしまう。必ず先端にサポートがある。これが付いていないと、見た時に不安感がある。しかし、サポートを付けた模型には殆ど遭遇しない。

whistle support on FEF1 模型を見て、本物を想像し、その機能、作動を考える。ありえない形をしていると、気持ちが悪い。今回の製作では、特にそこに留意した。この写真は、土屋氏と行った時に Council Bluffで撮ったものだ。支えは1/4インチ(6.35 mm)の鉄板である。意外に厚い。

 昔から汽笛の位置には興味がある。
 Tom Harvey は、「湯気で視界を妨げられるのは、許せない。」
と言っていた。
 手元にある機関車を見ると、大半の機関車では、汽笛は左側(要するに機関士席側ではない方)にある。中心線上の時は、ついたてを立てて、湯気が直接には流れて来ないようになっている。UPの大型機では煙突直後にあって、前に傾けている。この場合、湯気は煙突の方に吹き出し、排気と共に上に向けて飛んでいくのだろう。

 小型機ではキャブの真前にあるのが普通だ。安全弁もそこにある。この場合は速度が小さいので、問題は起こらないだろう。キャブの近くだからやかましい。ついたてを付けて、音を反射するようにしたものがある。 

dda40x at 12:15コメント(5) この記事をクリップ!

2019年12月13日

aftercooler

aftercooler しばらく前に作った部品が出て来た。Challenger用に作った部品だ。空気圧縮機で作った高圧の空気が熱いので、これを通して冷やす。日本では単なる蛇管であるが、この機関車は大きな圧縮機が2台もあるので、このフィン付き放熱管を通して冷やす。後ろに置いてあるshield(盾)の背後に置かれる。ゴミやほこりが付くのを避けるためである。

 本物によじ登ってみるチャンスがあったので、写真を撮って寸法を測り、その通りに作った。配管は実物通りで、縦横にU字型のパイプを付けた。 これだけ見るとなかなか良い。ただし、機関車に取り付けるとほとんど見えなくなる。

 チャレンジャではヘッドライトの下になって、ますます見えなくなるが、今製作中の機関車なら多少見えるので、これに付けることにしたのだ。

cab interior (1)cab interior (2) 運転室の内装もある程度作った。凝っても仕方が無いが、窓から見える部分は作った。35年前に作った 4-8-4 にはキャブの吊りボルトまで入れた。今回は oil burnerだから、焚口戸は簡易型である。この写真はしばらく前のもので、現在はもうすこし実感的になっている。ブレーキ・スタンドが大き過ぎるので切縮めたり、スロットルとか砂撒き装置、その他を追加した。どの部品も完全にハンダを廻してある。絶対に外れることが無い。まだ洗ってない状態で写した。黒いものは炭素のかけらである。

 洗口栓を付けるがミソである。それらしい部品を7つ作ってつける。ロストワックス鋳物は、似たものを探して切り継いで作る。すなわち、あまりまじめに考えないようにしている。 それらしく出来ていれば良いのだ。ただし、正しい位置になければならない。locomotive  cyclopedia は毎日ひっくり返して見ている。

 今回はメカニズムが主体で、外観は添え物である。シリンダブロックはブラスで作ったが、いずれ3Dプリンタで作り直す。あまりにもややこしい形で、ブラスでは作り切れない。

dda40x at 12:13コメント(0) この記事をクリップ!
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ