ディーゼル電気機関車

2022年09月24日

turbo-charger の排気管

 近代型(と言っても当鉄道で扱っているのは1980年代までではあるが)の機関車の排気管の内部は四角錐の空間である。中が狭く、外に向かって開いている。KTMがDDA40XSD40を製品化したときは、PSC Precision Scale Companyという会社に輸出していた。PSCはロストワックス鋳物を製造していた。アメリカで模型化したい機種を選び、現地で調査してロストワックス鋳物を作り、それを送ってきて製品を作らせていたのだ。日本側の設計者は誰かわからない。構造的に正しい設計とは言えない部分がある。
 
turbo exhoust PSCのディーゼル用の部品は素晴らしいものが多い。特にこの排気管はよくできている。今様でない50年前の設計の機関車でも、これがついていると、雰囲気が変わるようだ。いろいろな人に褒めてもらっている。しかし拡大すると、バリが出ているのが分かる。細いヤスリで修正するつもりだ。 

 どういうわけか、この部品をたくさん持っていたので、今回完成させる機関車全てに取り付けた。取り付ける孔をあけねばならない。これは意外に大変な作業である。Φ6の孔をあけて角ヤスリを突っ込んで少し拡げ、ハンドニブラで拡げる。ホーザンとエンジニアの両方を持っているので、その場で使い易い方を用いる。

 切り口は多少めくれるので、ヤスリを掛けて浮き上がらないようにする。酸化皮膜を取り、塩化亜鉛飽和溶液を塗って、63%ハンダを置く。ガスバーナで軽く焙って完成である。

 実物の排気は消音器もなく、猛烈な勢いで出る。タービンに当たっているから、多少は脈動が減り、ほぼ均一な流れであるが、凄まじい噴出速度である。
 機関車を斜め上から見下ろすように陣取って撮影すると、極端に熱い排気を浴びて驚く。しかもそれがドカンとぶつかってくるから、「眉毛が焦げそう」という表現は、決して大げさでもない。

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2022年09月22日

SP の inertial separator の排気管周辺

 SP Southern Pacificには山岳路線が多い。トンネルの中でも確実に働く機関車を長年に亘り、作り続けて来た。より低い温度の空気を吸い込むために、ラジエータの吸気は最下部から吸う。

inertial separator on SP engine (1) モータ冷却用の吸気は高いところにあって、しかも慣性による塵埃分離機で濃縮されてゴミをたくさん含む排気は、すぐその上から放り出される。トンネル天井面にあたって跳ね返るのもあるだろうが、大きな問題は低速時に気流が周回することだ。要するに排出したものが、すぐに吸い込まれてしまう。

inertilal filter hatch on SP engines これを防ぐには、その「周回気流が発生する位置」を上げるべきである。そのためにSPは1980年頃から、奇妙な板を水平に取り付けている。足は4本で、排気口を延長している。この図を見るとその効果がわかるだろう。なかなか賢い解決法である。

inertial separator on SP engine (2) 工作は簡単で、SPの機関車らしい賑やかな外観が再現できる。 

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2022年09月20日

inertial separator hatch  

filling silver solderinertial separator on DDA40X Bill Melisが作ってくれたロストワックス鋳物に、この薄い箱形部材がある。ディーゼル電機機関車の屋根に付ける部品である。先回の写真の右端に見える。

 この下には空気清浄装置がある。普通のフィルタではない。高速の空気の通路を曲げると、重い粒子は慣性でまっすぐ進もうとするから、外へ飛び出すところを捕捉する。いわゆるinertial filterである。最近の真空掃除機は、この原理をさらに進化させた装置を付けているものが増えてきた。
 機関車では、駆動モータの冷却用に大量の空気を吸い込むので、普通のフィルタではすぐ詰まってしまう。砂漠地帯ではこれは深刻な問題であり、処理をしないと駆動モータの中に砂塵が溜まって焼損する。
 エンジンの吸気は更に細かい塵を除くために、いわゆる濾過装置を2段目に用いている。これは自動車用と同等の構造である。

 この種の機関車では、その捕捉した塵を含む空気を屋根上の孔から吹き出させている。この部品はその装置を覆う屋根で、少し膨らませている。

 その部品の斜面の傾斜は、45度以下のものが多い。緩いものは40度弱である。Billの部品ではそれが60度もある。少し削って緩やかにしたいが、肉が薄いので削ると分解してしまう。

inertial separator hatch 中に何か、貼れば良いのだ。角線の角を削いで、銀ハンダで付ける。たっぷりハンダを流してから削ると、ハンダの色が見えるほどになる。貼らなかったら悲惨なことになっただろう。

 削った蓋を付けるのは、63%ハンダである。ガスバーナで予熱してから部品を載せて、例の押えを効かせる。150 Wのコテで、わずかの63%ハンダを融かして当てると、さっと沁み込んで終了である。銀ハンダは融けない。
 4x30の ブラス平角棒を削って作ったものは、DD35A用に使う。これは少し幅が狭い。ガスバーナーで焙って付ける。こういうときも、屋根の板には孔をたくさんあけて、ハンダが完全に廻ったことを裏側から確かめる。 


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2022年09月18日

続々 DDA40X を作る

building  a DDA40X  (3) DDA40X はエンジンフッドの中央部が盛り上がっている。それをどう作るかが一番の問題点である。
 前回は左右の盛り上がりを別々に作って中央で接ぎ合わせた。その接ぎ合わせのときに幅を決めねばならず、面倒であったし、計算値と現実は合わないこともあった。

building  a DDA40X  (1) 今回は左右を余裕を持たせて切り、隙間を空けた。その隙間には、後で帯材を嵌めてハンダで埋めることにした。別の大きな板で上を覆うので、わずかの距離の分しか見えないから、さほど大きな問題ではない。上の板は完全に密着させねばならない裏から63%ハンダで全面ハンダ付けである。下になる板には孔をたくさんあけておいて、流れ具合を確認する。この操作は非常に簡単である。この写真でアメリカのブラスの色がよく分かる。黄色である。快削で硬い。

 5本の6x6角材をフライスで高さを整えて削り、嵩上げ分を確保した。車体に載せて、上の張り出し分をハンダで仮留めしてから外し、確実にハンダ付けした。すなわち、車体との隙間は全く無くなる。

DDA40X Body section 車体側には、その角棒が当たるところに孔をあけ、嵩上げ部分を押し付けて炭素棒で加熱してハンダを完全に沁み込ませた。非常に強い車体になった。中央部が、通路として欠き取られて細くなっているが、強度は十分である。 問題はファンの取り付けである。こういう部分を動かすのは、筆者の趣味ではない。見えないところに手を掛けて、色が剥げたり、部品が欠落するのは耐えられない。


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2022年09月08日

続 DDA40Xを作る

DDA40X 3 (1)DDA40X 3 (2) ラジエータ・グリルの延長部分を作らねばならない。前回作った2輌をどのように作ったのだったか、40年以上も昔で、しかと覚えがない。
 ロストワックスではないように思う。木型を作って、近くの鋳物屋でふいてもらったような気がする。砂型鋳物特有の表面の色を持っているからだ。もうその鋳物屋は廃業して久しい。あるいはロストワックス鋳物をもらったのかもしれない。

DDA40X 3 (3)) 斜面が3つあり、曲面でつながっているところもある。実物は薄い板金製であるが、模型はブロックをヤスリで削り出さねばならない。フライス盤で、目見当で粗取りし、近い大きさまで削る。それを太い角棒にハンダ付けし、万力に銜えてヤスリで削るのだ。

 仕上工であった祖父江氏のテクニックを思い出している。こういうものは2つを左右対称に置く。削って、目的の形にする。
「なーに、人間の目は意外に確かなんだよ。左右対称に置いときゃね、違いがよく分かるんだぁ。」
 こういうときのヤスリ作業は、大きな単目ヤスリを用いる。ザクザクと削って行くのだ。新しいヤスリはよく切れる。  

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2022年09月04日

DDA40X を作る

 1976年頃に組み始めた”キット”(Bill Melisのところの型を使って作らせてもらったもの)を完成させるべく、少しずつ進めている。自作3号機である。

 以前はプレスで丸穴を抜いていたのだが、今回は 1 mm板にドリルでΦ6の孔をあけ、ハンダ付けした。快削材であるから、メクレもほとんど無い。
 50年ほど前のものであるから、設計思想が現在とは全く異なる。今ならレーザまたはエッチングで切り込みを入れて表現するだろうが、当時は、板を貼り重ねている。ケガキ針で傷を付け、蝶番などをプレスで押し出し、ドア・ラッチは押し込んで凹ませている。
DDA40X (1) 裏に飛び出た部分は、ベルトサンダで落として平面にし、密着するようにする。板は反るからゴムハンマで叩いて直す。板の厚みの分だけ出るが、全く気にしない。本体の 1 mm板(40ミルの快削材)に0.5 mmを貼り足すので、厚みは1.5 mmになる。極めて頑丈である。現在の水準から見れば荒っぽい作りだが、塗ると素晴らしい。これで良いのだ。

DDA40X (2) 前回は 200 Wのコテで付けたが、今回はガスバーナだけで加熱した。他に何も部品が付いていないので、壊れるものはない。手製のクランプ類で押さえ込んで、塩化亜鉛液を沁み込ませ、63%ハンダの小粒を境目に置く。炙るとさっと沁み込んで完了だ。裏から見ると、丸穴のところから銀色に光っているのが見える。これは、完全なハンダ付けができた証明である。この手法では、隙間にフラックスが残ることがない。
 手前の板は少し浮き上がっている。こういうこともあるので、クランプを移動し、再度加熱すると完成である。こうすれば、全面ハンダ付けは簡単だ。63%を使うのが秘訣である。融けているか、固まっているかの2つしか無いので、加熱をやめるタイミングはすぐ分かる。他のハンダを使うと、加熱しすぎて、板が反るだろう。  
 はみ出したハンダは、例の編み線を当てて、炭素棒を押し付ければ、瞬時に取り除くことができる。ハンダの色がつくなどと言う人は、この話題とは無縁の人である。 


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2022年08月27日

SD40 の改装

brothers of SD40'sbrothers of SD40-2's (2) SD40は1970年代に活躍したEMD(GMの電気機械部門)の6軸機関車である。これが改良されるとSD40-2となり、ますます売れてアメリカ中の鉄道がこの機種を購入した。それは”ダッシュ2”と呼ばれた。ダッシュが付いた機関車は電気系統に大幅な改良(制御回路をユニット化、HTC台車採用)を施して、メンテナンスが楽になった。外見上は長い下廻りに短い SD40 のボディを載せたので、前後にporch が付いたようになった。T-2は車体が長いので後ろの隙間がなくなり、この機関車はスヌートなので前も隙間がなくなった。SD40だけはKTM製。最近ヤフー・オークションにも出ていた。
 写真は上から、SD40T-2、SD40-2、SD40。 

reinforcing engine hood さて、これはKTM製のボディシェルに補強を付けている様子である。2つのタブにはネジが切ってあって、それが床下からネジで締められる。そのネジ穴付近以外を持つとどうなるか、はお分かりだろう。凹んでしまって隙間が空く。ブラス板が焼き鈍してあるからだ。微妙な歪みが出ても、焼き鈍すべきではなかった。HOでは問題にならなくても、Oの大きさではもたない。
 仕方がないので、4 mm角の棒を貼り付ける。タブに当たりそうなところは、フライスで削り落としておく。クランプで挟んでガスバーナで炙ると、63%ハンダは瞬時に融け、隙間に沁み込む。一瞬で完成である。このハンダの持つ特性を最大限に生かした例である。上は取り付けた状態、下は原状。

 この程度太いと、持ったときの剛性が全く異なり、「ゴン」という感じがする。  


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2022年08月13日

Loctiteを使う

gear centering jig (1) ディーゼル電気機関車の40インチ動輪軸に、歯車を組み付けねばならない。正確に動軸の中心に来るように、ジグを作る。ロックタイトを使うので、それがジグに付着すると取れなくなる。また、はみ出したロックタイトがジグに付かないように、逃げておく必要がある。

 ジグは丸棒から旋盤で挽き出した。許容誤差は 0.03 mm以下なので、何度も計測して作り、磨いた。

gear centering jig (2) 絶縁側は、車軸を圧入してあるので外せないから、そちら側(右側)のボールベアリングは先に入れて置く。ギヤを入れてロックタイトを手前に塗る。この写真では写真写りを考えて、塗る量を多くしている。本当は、少しで良い。ジグを嵌めて車輪をネジ込む。


gear centering jig (3) ギヤを廻しながら左にずらして、ロックタイトをなじませる。20秒ほど待てば固着しているから、あとは車輪を外して、ジグを外すだけだ。
 ロックタイトは購入後20年ほど経過している。心がけが良いせいか、よく固まる。はみ出した分は、綿棒に溶剤を滲み込ませて、拭き取る。拭き取りが不完全であると、もう一つのボールベアリングを滑り込ませたときに、固着してしまう。 
 また、ジグの内径は車軸よりも 0.5 mm程度太くしておかないと、何かの間違いで固着してしまう可能性がある。

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2022年08月11日

続 スズ63%ハンダを使う

 この機関車の床板は 0.6 mmのエッチングされた板で、へなへなである。エッチングは焼き鈍した板を使うからだ。見かけは良いが、衝突したら悲惨である。その事故車を筆者が安く手に入れたのである。前頭部は取り替えた。
 床のサブフレイムは、なんと2mmの板である。剛性が素晴らしいはずなのに、大きな孔が全幅の6割もあるので、そこで折れやすくて話にならない。上廻りがついていても車体に力を掛けると撓むのが分かるが、設計した人は何も感じなかったようだ。モータは2個も付いているから、この孔が2個もあって剛性がない。伝達効率が高ければ、モータは1つで十分であったはずだ。 

 1 mmの板を貼って、孔を塞げば剛性は飛躍的に高まる。細い部分の厚みが増すからである。厚みが1.5倍になれば、その3乗で効くから、強度は3.37倍になる。孔があっても剛性は保たれる。
  0.4 ✕ 3.37=1.34
であるから十分だ。

63%ハンダ こういうときは正確に切った板を載せて、例の押さえを使う。塩化亜鉛液を塗って、63%ハンダを置き、ガスバーナで加熱する。間もなく、ハンダは融け、隙間に一瞬で吸い込まれる。全面に均等に吸い込まれ、合わせ面からわずかにハンダが見えている。

 このハンダ付け工程を来客に見せたら、大変感動していた。彼の思っていたハンダ付けとは全く異なるものであったようだ。

 右の方にモータが見える。丸みに合わせて長穴の内側面を斜めにヤスって、モータを沈めた(モータが持ち上がる)。ドライヴ・シャフトが水平面に来るので、伝達効率が飛躍的に良くなる。
 モータは、U字状の支えで取り付けた。今野氏のとは違い、薄い板を曲げたものである。

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2022年08月09日

スズ63%ハンダを使う

6-wheel truck bolster overlay6-wheel truck bolster 完全なハンダ付けをする必要があった。6軸ディーゼル電機の修復作業で、台車ボルスタを作り直した。強度が必要なので、銀ハンダを用いる。貼り付けてからフライスで削らねばならない。
 手に入れた事故車には台車が付いていなかったので、手持ちのCLWの台車を付ける。軸距離等の寸法は同じだ。

king pin location このCLWの台車のセンタ・ピン位置は、中央軸の上には無かった。おそらく中央軸のギヤボックスが邪魔になって、少し逃げたのだ。と同時に、センタ・ピンが車体中央方向に寄れば、ユニヴァーサル・ジョイントの曲がりが少なくなり、有利であるということだろう。軸重は中心付近に掛かっているが、微妙に偏ることもあり、面白くない。センタ・ピンを切り捨てて、中央軸上に新しいセンタピンを立てることにした。
 既存の台車ボルスタに 2 mmの快削ブラス板を銀ハンダで貼り付ける。ギヤボックスの遊動を許す空間を作るために、フライスで 1.5 mm切り込む。その上に更に 1 mmの板を63%ハンダで貼り付ける。銀ハンダは融点が高いので、2回目のハンダ付けでは融けない。融点の差を利用すれば、このような大物でも順番に付けることができる。加熱はガスバーナである。

kingpin (1)kingpin (2)kingpin (3) センタ・ピンを立てる。これはΦ4の丸棒で、その先にM3のネジを切る。板に差してハンダ付けし、バネを介してM3のダブル・ナットを締めれば、出来上がりだ。ネジは長めになっている。取り付けてから、先を切ることになる。 センタ・ピンは細いと折れやすい。  

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2022年07月26日

続 EMDの機関車群 5

 先回の最初の写真の一番右は、左から2番目と同等であるが、ショート・フッドを切り縮めてキャブの窓を増やしている。これを作った人は、現物を見て作ったのだろうが、その現物が何なのか不明だ。Southern Pacific にあったという話は聞いたが、写真が見つからない。

 どの機関車にも、Winterization Hatchが付いている。これはアメリカのジャンク市で見つけたものだ。もちろん日本製のアフターマーケット商品である。 売れなくて、非常に安くなったものを買った。

EMD GP7 truck これらの台車はKTM製の中古部品を集めた。GP7,GP35に使ったものを部品として分売していたのだ。安くはなかったが、CLWのものよりは廉価であるので、買い集めた。祖父江氏の設計で、非常に頑丈であり、筆者の好みである。重ね板バネの表現がやや浅いが、砂型鋳物の限界だろう。軸箱蓋は張り替えた。一部の台車には板バネを貼り重ねたが、さほどの効果もなかった。台車のディテールは、車体全体の印象には負けるのだ。
 韓国製の台車もあるが、弱くて実用に耐えない。補強しても構造に無理があるから、効果がない。内側台車にして、外にぶら下げるだけにするのが良いだろうと思う。
 これらの機関車は軸重が350 gfもある。ウェイトを積んでいないのにブラスとモータだけで、これほど重い。台車にはボールベアリングが入っているから動くが、摩擦軸受ではすぐヘタってしまう。また、ちょっとした軽衝突でも、連結器周りはかなり破損する可能性が高いので、補強を十分に入れている。

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2022年07月24日

EMDの機関車群 5

GP7's (2) これらのGP7はいずれもジャンクから作ったものである。1960年以前のものをアメリカの中古市場で買い集めた。左は Kemtron の初期のキットである。厚さ50ミル(1.3 mm弱)の板から出来ていて、エッチングの深さは0.3 mmもある。とても重い。All-nationの下廻りを使うことが指定されていた。起動電流は2 Ampsほどもあった。3条ウォームに作り変えたところ、50 mAで起動するようになった。

GP7's (1) 左から2番目も、Kemtronの後期のキットである。板は多少薄くなって40ミル(約1 mm)である。これも部品が欠落していたので作った。排気管はまさに煙突で、飛び出している。根本に支えが付いていて、それをどう作るか、かなり考えた。結局、伊藤 剛氏の方法で、切れ目を入れて長い板を差し込み、座板にハンダ付けしてから耳を切り取った。簡単で良い方法だ。

GP7's (3) 3番目は1955年にMax Grayがカツミに注文して作らせたGP7で、その残材が祖父江氏のスクラップ置き場にあったのを拾ってきたものだ。 フッドはコの字に曲げてなかったので、切り離して角材にハンダ付けし、角を丸く落とした。曲げるよりは、簡単で安全な工法である。
 キャブはSD7用のを見つけたので僅かな改造を施して付けた。不足部はスクラッチから作ったが、ロストワックス鋳物を安く買えたので、細かい部品を付けた。排気管が平面で、面白い形である。


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2022年07月22日

続 EMDの機関車群 4 

SD40-2 engagiment このアメリカ人が組んだものは、上下を組合わせる時、アングルで噛むようになっている。こうするとエンジン付近を握った時、この部分のフッドが内側にめり込むことがないから、隙間が空いたりしない。
 上下をハンダ付けすれば良いではないか、と思う人もいるだろうが、それでは塗り分けが大変だ。上下に別れるなら、塗り分けは簡単である。

 1966年に祖父江氏が作ったGP35も、ここの部分が分かれるようになっていた。念のために、祖父江氏にどうして分かれるようにしたのか、聞いてみた。
「ここんとこが分かれねえと、塗り分けが出来ねえんだよぉ。ラニングボードは、色が違うからさぁ。」と言った。その時代に塗り分けを考えた構成になっていたのは素晴らしい、と今でも思う。

 モータは高い位置にあり、コグド・ベルトで下に降ろしている。こうすると、駆動中間軸の長さを長くでき、ユニヴァーサル・ジョイントの折れ角が小さくなるから、効率が上がる。

SD40-2 porch このSD40-2は先述のSD40とは台枠長さが異なる。20気筒エンジン用のフレイムに16気筒を載せているので、前後のデッキが ”porch” と呼ばれる空きスペイスになっている。UPではそれを利用してスヌート・フッドを前に載せている。この中には列車無線装置が入っていたのだ。

mrn-tunnelmotor-04 SD40T-2は冷却装置が長いので、後ろのポーチはなくなっているが、前にはある。さらにスヌートを付けたものもあるので、その場合は前のポーチもなくなり、ボディシェルがおそろしく長い。 

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2022年07月20日

EMDの機関車群 4

SD40-2 これらはSD40-2である。同じくCentral Locomotive Worksの製品であったが、時期が異なる。
 左は1989年に新発売の時、製作者のBob Smith氏から直接買ったキットである。東部に行った時、手渡ししてもらった。CLWにしては薄い板で驚いた。このショート・フッドはsnootという、犬の鼻のような長いものだ。それを注文した。 

 右はその20年後にebay で見つけたジャンクである。かなり構成が異なるので驚いた。全く別物である。元の厚板に、戻っていた。このジャンクは素晴らしい出来である。アメリカ人が作ったもので、ここまで素晴らしいものはまず見ない。全てに神経が行き届き、ハンダ付けは完璧である。塗り分けを考えて、上下をうまく分割し、それが組まれたときには、一体になるよう、組み合わせ部分に特別な工夫がしてある。
 もう一つ不思議なことに、モータはドイツ製のコアレスで、ベルトドライヴになっていて、それが極めてストレスなく動くユニヴァーサル・ジョイントの位相も正しい。また、全てのネジがメートルネジであった。アメリカでメートルネジを使っている人がいるのだろうか。 
            
 ハンダ付けは、ロジン(松ヤニ)をフラックスとして使っているところが、我々とは異なる。ロジンがこびりついているので、リモネンで洗って溶かした。 

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2022年07月18日

続 EMDの機関車群 3

 GP38-2は、2000馬力の中型機で、ターボ・チャージャがついていない。ルーツ・ブロワによる掃気である。音が違うので、遠くからでもわかる。
 以前採り上げたとんでもない作りのジャンクだ。丁寧に焙ってバラし、全て削り直して作った。CLWのキットはこのような作り直しに耐える。板が厚いということは何よりも大きな利点である。ハンダ付けはクランプで挟んでガスバーナで炙れば良い。完全に密着させる事ができる。

 エンジンフッドはやや薄く、0.8 mmである。頼りないので、上下の組合わせ部分を工夫し、噛み込むようにしたから、強く掴んでも安全である。薄いと、エンジンフッドを持って持ち上げると凹んで壊れる可能性が高い。

両軸化する 下廻りを仕上げている。両軸モータで直接に駆動すると、伝達効率が高くなる。両軸モータは高価なので、ロータリィ・エンコーダの付いているものを探し、そのエンコーダ部分を壊す。軸の太さは異なるが、旋盤でスリーヴを挽いて取り付ければ良い。

 安価で手に入れたものが、高性能な機関車に生まれ変わる。こういう瞬間は、何度経験しても嬉しい。筆者自身のコレクションの機関車で、新品完成品を買ったものは一輌もない。

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2022年07月16日

EMDの機関車群 3

SDP35 GP38-2 左はSDP35、右はGP38-2である。
 SDPのPはPassengerであって、冷暖房用の蒸気発生器 SGを持つ6軸機関車である。その分だけエンジンフッドが長い。台枠は普通型と共通なので、デッキを少し張り出してなんとか収めている。だから、後部のデッキは普通型とはかなり異なる形である。
 この機種の実物を見たことがある。ギヤ比が小さく、高速運転できる。Amtrakの旅客列車の先頭についているのを一度見た。SGが付いているから補機として付けたのだろう。
 
 このジャンク・キットは、もともとはSD35であったが、エンジンフッドに派手な傷があり、SDPに改造する事にした。Atlasという会社がプラスティック製の完成品を売っていた。その修理用パーツが分売されていて、エンジンフッド全体と、ダイナミックブレーキ、冷却ファンなどを購入した。それらをテキサスまで持っていって、ブラスに置き換えたのだ

GP38-2 SDP35 鋳造は成功したが、できたものは背が高かった。これがはまり込む筈のプラスティックの床板には 2.4 mmの溝が彫ってあり、そこに嵌まるようになっていたわけだ。厚さ 3.2 mmもあるものを糸鋸で全周切るのは自信がなく、ベルトサンダの上で押し付けて、ケガキ線まで削った。青ニスを塗り、ケガキ線を入れたのだ。写真で暗く見えている部分が、青ニスである。
 よく削れるので、やり過ぎるといけないから、かなり緊張した。本来は、プラスティック部品の状態で、裾を削り落としておくべきであったのだ。   

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2022年07月14日

続 EMDの機関車群 2

 安価なジャンク品では部品が足らないことが多い。使えそうな部品を取って、売るのであろう。この場合も排気管の鋳物がなかった。 

EMD GP15 (4) t 1.5の板を4枚貼り重ね、フライスで正確な座標で細穴をあけて、後で中の長穴を切る。パイプを潰して扁平にする。この時、パイプは焼き鈍して、中に芯金を入れて挟むとこのような形のものができる。芯金は硬くないといけないから、ヤスリの柄を使った。芯金がないと雪だるまのような形になってしまう。芯金に当たってからも力を掛けると、形態が落ち着く。要するに、全体に応力を掛けて塑性変形させるのだ。
 また、芯金は二段階程度を用意しておくことがコツである。一回では思うような形にならない。もちろん、万力の口金は研いだものを用いるのは言うまでもない。掴み代がないと作業しにくいので、それは後で切り落とす。

EMD GP15 (5) 細穴に線材を押し込んで所定の位置に置き、例の押さえで全体をセットしたのち、塩化亜鉛水溶液を塗って63%ハンダの小片を横に置く。ガスバーナで軽く炙ると、ハンダはすべての接合面に一瞬で沁み込んで、完了する。こんな簡単なハンダ付けはまずない。しかし、これをやっている人は少ないように思う。銀ロウ付けも全く同じ感じである。

 はみ出したハンダはそのままでも良いが、塩化亜鉛を塗った平編み線を当てて、炭素棒で触ると、余分はすべて平編み線に吸い込まれる。ハンダの色が見えていないハンダ付けは、付いているかどうかわからない。

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2022年07月12日

EMDの機関車群 2

EMD GP15 (3) これらはGP15である。1980年代に増備された。この機種は排気タービンも、ダイナミックブレーキも無い。    
 この機関車は古いGP9を引き取って、エンジン、発電機、モータを取り替えたもので、台車は古いものを使っているものが大半だが、中には軸箱にオイル・ダンパを付けているものもある。
 この機種も先回のSD40T-2と同じく、冷却用の吸気口が下にあり、素抜けている。トンネル内の熱気を避けるためではないが、同系統だと主張する人もいる。
 
EMD GP15 (1) この機種を 3輌同時に求めた。スワップミートで安価なジャンクを買ったのだ。驚いたことに、2つのボディはエッチングが裏表逆のところがあり、そのままでは組めない。だから捨て値だったのだ。細かく調査すると、一部を切り離して逆に組み、残りをスクラッチから作れば製作可能と判定された。捨てる部分は未練がましく持っていると、勘違いしそうだったので、切り刻んで捨てた。

EMD GP15 (2) 10年ぶりに組み始めた。キャブ部分は諦めてスクラッチから作るべきだったと、後悔した。大変な苦労をして形になった。2機種作ることにした。UP仕様とBN仕様である。どちらもそれほど正確ではないが、仕方がない。これらは床板の形、側面のモータ・ブロワのダクトの形が異なる。 
 床板の前後端には 2.4 mmの板を貼り重ねる必要がある。運良く見つかったその太さのインチ材の角線を貼る事によって解決した。

 床板の前後を補強するのは必須である。軽衝突で修復不能になるのを回避する。先回のKTM製は衝突でパイロットがめり込んでいた。切り離して別部品と取り替えた。その種の部品は、アメリカ製の代替品のストックが有る。前後が微妙に異なるものが出来たが、snow plow スノウプラウで隠れて見えない。 

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2022年07月10日

EMD の機関車群 1

EMD Engines (2) 左から、SD40 UP、SD40 SP、SD40T-2 Rio Grande 、SD40T-2 SP である。いずれも20年ほどの眠りから覚めて、組立て中である。SD40はKTM製のジャンクである。購入者がぶつけて修理不能になったのだろう。細かく出来ていて見かけは素晴らしいが、走りは限りなく零点に近い。伝達効率は5%もなかった。バラして車体を修理し、下廻りは新規に作った。元の製品はギヤが多く、粘いグリースが使われていた。グリースの撹拌抵抗だけで損失の大半を占めていたし、モータの効率は50%もなかった。それが2個も使われていた。起動電流は3 A以上で、いつも使っている電源では起動できなかった。改装後は 50 mAで起動する。

 右の2輌はキットだったのだが、気に入らず、改造を施している。全体の2割くらいが自作である。

EMD Engines (1) 後ろから見るとT-2は異様に大きなラジエータを持っていることがわかる。トンネル内で、より冷たい空気を求めて冷却用空気は低い部分から取り、ラジエータ長を1.5倍にしている。ラジエータは中でV字型に折られていて、放熱面積は通常型の2倍もある。


EMD Engines (3) これら4輌は同じエンジンを積んでいるが、長いフッドの長さがこれほども異なる。長い20気筒エンジン用のフレイムを用意して、冷却装置部分を増設したのだ。ラジエータの下は単なる空洞で、素抜けて向こうが見える。 

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2022年06月22日

続 8軸ディーゼル電気機関車を作る

 相手が大きく、厚い板の場合、加熱しても熱はどんどん逃げていく。すなわち、炎の当たっているところだけが熱くなる。
 これを利用するわけだから、付けるものの表面積はある程度大きく、比較的薄くて温度の上がるものが良い。 

unnamed この屋根上のエアコンユニットは薄いロストワックス部品で、中には金網がある。金網は先に銀ハンダで付けておけばそう簡単には外れない。


 屋根に載せて、塩化亜鉛飽和水溶液を塗って馴染ませる。押さえを効かせて、スズ63%のハンダの小片を置く。小さな炎を当てると、塩化亜鉛水溶液は泡立つこともなく、ハンダが融けて隙間に吸い込まれる。加熱をやめればその瞬間に固まる。反対側も同様にすれば良い。全接触面にハンダが付いているから、剥がれることはない。この写真ではキャブを仮に置いただけで、見える隙間が不均等なのはご容赦願いたい。

 この方法は、祖父江氏のテクニックである。1番ゲージのドイツ型蒸気機関車のキャブ前方についている長いひさしを付ける方法だ。狭く、板が厚いので裏からのコテによる伝熱は難しい。ひさしにハンダを塗って、キャブ前面に垂直に立てて保持し、細いガスバーナで加熱する。一瞬で完璧に付いた。接着面がヤスリ仕上げしてあるので、接合距離が一定になり、ハンダが最高の強度を発揮する。

 要するに、ハンダ付けする面はヤスリで平面を出し、密着させることだ。その時、油目のヤスリではなく、並目のヤスリで多少ざらつかせることが、隙間の管理上望ましいだろう。

  このテクニックは大型模型には使えるが、小さな模型では板が薄すぎて、反りくり返る可能性があるからやめたほうが良い。

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2022年06月20日

8軸ディーゼル電気機関車を作る

 このブログを始めた頃は、ブログ全体を表題の記事で埋め尽くす予定であった。ところが他にやることが増え過ぎて、チャンスが巡って来なかった。
 最近、自宅地下室の整理を始めたので、次から次へといろいろなものが発見される。本人は何の部品か、よくわかっているが、他の人は単なるゴミだと思って捨ててしまう可能性が高い。そういうものは、ある程度の道筋を付けておくべきだと考えた。

soldering DDA40X スクラッチから作っているものは、部品をきちんと付け始めた。ロストワックスの部品は1 mm厚のボディに全面的に密着させてハンダ付けするのだ。
 ボディの表面の薄い酸化皮膜を取り、ロストワックス鋳物の裏をよくヤスって平面性を確保する。中央の一点を押さえて完全に密着することを確認する。塩化亜鉛飽和溶液を塗って、例の押さえジグで押し付ける。

 細いガスバーナで鋳物を加熱し、スズ63%のハンダ粒を融かす。一瞬で流れて沁み込む。ガスの火を離せば瞬時に固まる。本当は酸素アセチレン炎を使いたい。炎がとても小さいからだ。ブタンでは炎が大きく、他のものを融かしそうになるから注意が必要だ。加熱の必要のない部分は断熱を施す必要がある。

 63%のハンダは50%のハンダに計算量のスズを足したもので、ダンボールの溝に流し込んで作った。

 63%のハンダを使ったことがない人は、流れて沁み込む様子を見ると、きっと興奮するだろう。一瞬でハンダ付けが終了する。しかも全面ハンダ付けである。板を貼り合わせるときも、気持ちが良い。もちろん、タガネで傷を付けておくことを忘れないようにする。

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2022年06月18日

Double Diesels 3

DDA40X's 左から、カツミの完成品DDA40X、45年ほど前にスクラッチから作ったもの2輌、その後もう1輌作っているものである。 時系列で行くと、カツミの製品より、このスクラッチの方が10年ほど早い。
 50年前にBill Melisが作った時点では、この機種が製品化されるとは思っていなかった。筆者もそう思ったので、一生懸命作ったわけである。台車はあと1組あるから、増備はできる。いずれ作ってみたい。

 盛り上がったエンジンフッドは、フライスで高さ調整した平角棒を用いて嵩上げしている。フラックスが洗い落とせるように、水の出入りする隙間を残している。ブラスの板はアメリカで入手したものを用いているので、硬く、快削である。色は黄色い。時間が経つと緑がかってくる。

 スクラッチからではあるが、Bill Melis の工房で、型を借りて作っているから、かなりの省力化だ。例によって、ハンダはたっぷりと付けてある。フラックスを塗った平編み線を当てて、炭素棒で加熱すると、余分のハンダはきれいに取れる。 

 ここで紹介している機関車群は、長い台枠が折れないように、補強を入れてある。非常に重い。台車、モータなしでも、2 kg以上ある。ブラスの板が厚いからだ。

 DDA40Xは、総計6輌ある。

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2022年06月16日

Double Diesels 2

doublee diesels (1) これらはDD35Aである。先回同様、左からカツミ製、スクラッチビルトの機関車、同新造車である。

 キャブ(運転室)がないDD35は、運用上面倒な点があった。そこでキャブ付きを作ると便利だと、作ったのがこれだ。DD35AにはAという文字がついているが、DD35にはBを付けない。DD35Bと書いてあるのを散見するが、あり得ない機種名である。これはよくある間違いだ。

 UPがDD35Aの発注時に「DD35と同じ長さに作れ」という指示を出したそうなので、EMDはキャブの長さ分だけ、ラジエータ部分を切り詰めることにした。とは言えども面積は確保せねばならないから、縦に伸ばし、さらに斜めにして面積を稼いだ。このラジエータを斜面にする発想は、のちのSD45に生きている。力強さを感じさせるデザインだ。 

 この高いラジエータ部分を、昔どうやって作ったのか、覚えがない。今回は材料がふんだんにあるから、5 mm角棒を数本寝かせて嵩上げし、斜めの板を張ることにした。もちろんフライスで、高さは調節した。斜面のラジエータ・グリルは用意できている。

 カツミ製は繊細な感じがするが、衝突時に生き残れるかは、少々怪しい。先頭部には置かないほうが良さそうだ。

 DD35Aは、4輌ある。1輌は、Ping Pong table(卓球台)と呼ばれる列車無線のアンテナを付けることにした。 

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2022年06月14日

Double Diesels

 最近はHOギヤの話ばかりで、模型工作を、少しくらいはしているのか?という質問があった。
 
 答は、「している」である。自宅の地下室の整理で見つかった古い 8軸 diesel electric の機関車群を一気に完成に持ち込むつもりだ。すべてを動力化する必要もなさそうだが、できる限り装着するつもりだ。

doublee diesels (3) DD35のDDは、Double Dieselの略語だ。2500馬力のエンジンを、2台積んだブースタ機関車で、キャブ(運転台)はない。この原型のGP35をキャブ・ユニットとして前後に置き、DD35を2輌、間に挟んだ合計15000馬力の4重連機関車群であった。
 当時、筆者はUP沿線に住んでいたので、その必要性はよく分かった。出力が1750馬力のGP9を9輛もつないだ編成をよく見た。中には調子の悪いのも入っているから、蒸気機関車のような黒煙を出して、悲惨な状態であった。

 この写真の左はカツミ製の完成品(1987年)、中は45年前にスクラッチから作ったもの、右は最近作り始めたものである。厚い板から作っているので、とても重い。ハンダはたっぷり付けてあるから、多少のことでは壊れない。ウェイト無しで、3 kg弱もある。妻板のグラブアイアン(ハシゴを形成するつかみ棒)は無いものが多いことがわかった。ヘッドライトの位置も変化が多い(そもそもヘッドライトは必要性があるのだろうか)。

 上廻りも 1 mm以上の厚さの板から作っている。ロストワックスパーツは、Bill Melis氏 のところで作ったものである。一部は原型を作って、Dennisのところで作った。
 炭素棒がないとハンダ付けができなかったから、重い焼きゴテで付けた部分もある。また、ガスバーナで少し焙って、100 Wのコテで付けたところもある。少し温めて、100℃くらいにしておくだけで、ずいぶんと楽にハンダを沁み込ませることができた。
 DD35は、4輌ある。

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2021年11月10日

続 博物館の入場者

 最近親しい友人たちに会うと、必ず言われることがある。博物館を開館するにあたっては、性善説を採ってはいけないと言うのだ。

 窃盗目的の者が、ある確率で来ると主張する。これは、それに詳しい業界の人達の話である。その種の犯罪者予備軍は、目の動き、素振りでもわかるという。筆者にはそんなことはとても無理だが、
「絶対に入場者から目を離してはいけない。トイレにも行くな、入場者は一回3人までとせよ。」
と言う。

 すぐには対応出来ないことをリクエストして、奥に引っ込んだ瞬間に盗むのだそうだ。また、奥(backshop)には他人を入れないことなど、細かく御指導戴いた。

 クラブの会合でも、窃盗事件は発生するそうだ。その手口も教えて戴いた。みなさんもご注意戴くと良い。目的の車輌の周りに自分の車輌を置くのだそうだ。撤収時に目的のものも一緒にかばんに入れたそうで、その現場を押さえた人から聞いた。不思議なことにその犯人は、まだクラブに在籍しているそうだ。間違いだと言い張ったのだろう。しかし事前に目をつけられていて、現場を押さえられたようだから、言い逃れはむずかしい筈であった。その後、彼には皆が注意を払っている。

 盗癖のある人は居る。実は当博物館でも、すでに被害が発生している。この写真の奥の機関車の上廻りが忽然と消えた。容疑者は居るのだが、今の所、直接の証拠がない。
 以前、別件でいたずらをされて迷惑をしたことがあった。わざと見えにくいところに隠してあった。今回もそれだと思ったが、何年も見つからない。もし見かけたらご連絡をお願いしたい。薄謝進呈する。犯人は知っている人だから、始末に負えない。

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2020年04月19日

Alco PA,PB のグリル

ALCO PA fan grill (2) CLWのキットに入っているグリルである。非常に薄い。0.16 mm (0.006インチ)のリン青銅板である。抜き落としなので、焼きなましていない。だからそこそこの堅さがある。これを大きな枠にハンダ付けせねばならない、少しのハンダを枠に塗っておいて落とし込み、フラックスをたくさんつけて、周りから炭素棒で温めると固着する。ハンダゴテでは難しい。

 中のファンは、細い棒にくっついている。これを厚い板の本体に付けるのは、かなり難しい。これもハンダを塗っておいて加熱する。強度が要るので、銀ハンダで付ける。

 3輌のうち1輌のグリルは完全なものが付属していた。1輌分は端が少し欠けた不良品、後の1輌は付属無しであった。無いわけにはいかないので、以前作ったことがあるが、トナの密着(”ぬれ”という言葉が正しい)が足りなくて、うまく行かなかったのだ。そのまま10年経ってしまった。

ALCO PA fan grill (1) 今回、新しい方法を実用化されたむすこたかなし氏に作ってもらった。素晴らしい出来で、オリジナルより良い。抜き落としであれば、焼き鈍さなくても問題がない。単に凹ませる一般的なエッチングであると、”目”が出てしまう。圧延の時の加工硬化の痕である。抜き落としなら、根こそぎ溶けてなくなるので、問題がなくなる。 

 車体のハンダ付けについては以前解説した通りで、アメリカでは称賛され、日本ではケチを付けられるのは承知している。


 ハンダ付けの理論についてのコメントが来たので、参考になる記事を紹介した。 

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2020年04月07日

可撓ジョイント

flexible joint PA のモータには可撓ジョイントを付けた。本来ならユニヴァーサル・ジョイントを付けるのだろうが、先回の工夫で、推進軸の振れ角が極めて小さくなった。半径2800 mmを走行時で、1度ほどである。より損失の小さいジョイントを使うことにしたのだ。
 内部損失の小さな材料であるから具合が良いが、ただ一つの欠点は伸縮ができないことである。振れ角が小さいから殆ど伸縮は無いが、ゼロではない。相手のユニヴァーサル・ジョイントは中のスパイダが滑動するので 1 mmほど伸縮する。これを使えば、全く問題が無くなる。金属製の伸縮するスプライン付きのユニヴァーサル・ジョイントも用意してあるから、いずれ取り替えたい。

 この可撓ジョイントは様々なタイプのものがある。昔のスプリングジョイントという怪しげなものを、今様に改良したものだ。様々なサイズがある。HOには少々固いかもしれない。要は使い方次第だ。長い軸を使ってモーメントが大きいところなら、軽く曲がるから問題ないだろう。今回使ったのは、両方が Φ2 であったのを、旋盤に銜えて大きな貫通孔にしたものだ。

Flexible drive 3軸を駆動する台車の場合は、3軸目の支え方に工夫が要る。多少の上下動、捻りを許しつつ、トルクを伝えねばならない。軸重は大きい。過去にいろいろな形を試作したが、大軸重の機関車には向かない物ばかりであった。
 そこで、2軸を通し軸にし、3軸目をこの可撓継手で駆動すると解決した。剪断力には十分に耐えるからだ。それが昔のスプリングジョイントとの根本的な違いである。剪断力は、即ち動軸の反トルクである。ガスタービン機関車にはそれを使ってある。

 こういう部品はまとめて作ってあるので、順次取り替えて様子を見る。 

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2020年04月05日

ALCO PA+PB+PA

PA+PB+PA もう30年以上掛かっている。1輌目は1985年に入手した。2つ目のAは1989年だ。Bが手に入らなかったので、スクラッチから作るつもりで図面を描き、作り方を工夫していた。側面上のグリルが他と合わないとおかしなものであるから、全く進まなかった。13年ほど前に Lou Cross氏から Bユニットを譲ってもらい、3輌が揃った。

 動力化もでき、手摺を付ければ、後少しで完成である。久しぶりに箱から出して、並べてみた。重厚である。韓国製のを見たことがあるが、これには敵わない。前頭部の平均厚みは 4 mm位もあって、正面衝突しても原型を留めるであろう。

 補重無しでA unitは 2.7 kgある。Bは軽く1.8 kgだ。前頭部の砲金一体鋳造が効いている。これをボディにハンダ付けするのは、かなり大変であった。ジグを作って耐火煉瓦で押さえ込み、ガスバーナで焙って付けた。Dennisはアセチレンを使えば早いと言った。それは当然であるが、国内では難しい。

 動力は各台車2軸である。アメリカで見た模型は、本物と同じくA-1-Aにして、中央軸を遊輪としていたものばかりだ。これは賢明ではない。ギヤボックスが車体中央に近づくので、台車の回転によって、短い駆動軸が大きく曲がり、角速度が一定にならない。即ち、音がする原因になる。
 1軸を遊輪にするなら、モータに近いところを遊ばせて、ユニヴァーサル・ジョイントを台車心皿に近付けるべきである。そうすると伸縮量が小さくなり、折れ角も小さくなる。 軸はイコライザ+バネで懸架されているので、軸重は同じで牽引力も変わらない。こういうところで「本物通り」に拘るのは賢明でない。

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2020年04月03日

続々 アメリカ製キット

CLW SD-40-2 (2) これはebayで買ったものだ。前々回とは全く対照的な方向に行っていて、素晴らしい出来である。炭素棒を使って組んでいる。
 ハンダがすべての接合面に100%流れ込み、全く隙間がない。組んだ人は工学的素養に溢れた人だ。よく考えて組んである。塗装時に塗り分けとなる部分で切り離せるようになっている。またその部分がへなへなしないように補強部材を入れているところは実にうまい手法だ。
 床下には太い部材を貼り付け、衝突に耐えるような作りになっている。

CLW SD-40-2 (1)CLW SD40-2(3) モータはMaxonのかなり大きめのコアレス・モータで、バンドーのコグド・ベルトを廻している。よく見ると多少増速である。この部分の抵抗は、意外に小さい。中間軸は Φ4 のメトリック・サイズのボールベアリングが嵌まっている。
 ユニヴァーサル・ジョイントの位相は正しい。こういうところから考えても、この工作をした人はかなりの能力の持ち主である。

 不思議なのは、すべてのネジがISOネジであることだ。アメリカ人が組んだものでメトリックのシャフトやネジが使われているのは珍しい。モータに合わせたのだろうか。車体の上下を締める部分は厚いアングルをしっかりとハンダ付けし、それにM3のネジを切ってある。細かな部品も、すべてM1.4のタップを立て、ブラスネジで仮留めしてハンダ付けしてある。筆者の理想とする組み方である。実に上手である。
 
CLW SD40-2 不思議なことに、塩化亜鉛を使わずにロジンを使っている。要するに溶剤で溶いた松脂である。裏にはそれがぎっしりと結晶化している。錆びにくいようだが、無いに越したことは無い。リモネンで湿らせて拭き取った。リモネンとは兄弟に当たる分子構造を持つ物質であるから、実によく溶ける。

 手摺等と台車を付ければ即完成、と言えるところまで来たのを売りに出したのだ。どういう訳だろう。上廻りだけで 2 kg弱ある。ウェイト無しで、生地+モータ の質量である。台車は1つ 400 g弱だ。 
 正しい O scale の質量である。よくO scaleはウェイトをたくさん積めるから重いと思われているが、そんなことは無い。韓国製の薄い板を使ったものは軽いから補重するが、アメリカ製、日本製のまともなものは丈夫に出来ているから、生地のブラスだけで十分に重いのである。

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2020年04月01日

続 アメリカ製キット

 このキットは厚い板で出来ているから、持った時の堅さ、冷たさが気持ち良い。ただエッチングが甘いので、access door latch の形が面白くない。遠くから見れば同じなのだが、じっくり見た時にラッチを外すハンドルの形が見えると良い。

 これとは別に、20年ほど前に友人から買い受けたGP15のキットを点検していたら、エッチングが間違っている。どういうわけか、2段 + 裏から1段のエッチングのはずが2段目が裏からエッチしてあった。即ち、ドアラッチが無い、のっぺらぼうの側面になる。
 これは回収すべきだったのだろうが、製作者が入院し、そのまま還らぬ人になってしまった。だからそのままになったのだった。そのまま組むと、妙なものだ。このキットはCLWの製品ではあるが、エッチングを主体とする繊細な作りで、それ以前のロストワックス主体の物とは作風が異なる。韓国製の模型に対抗するために、改良したのだろう。

access door latch (2) このロストワックス部品を大量に入手してあった。ドアラッチである。必要量の10倍くらいもある。
 顔を出す部分は、2.5 x 5.5 mmである。フランジ部分の段差は、0.50 mmである。板に角穴をあけて裏からハンダ付けすればよいのだ。角ヤスリで丁寧にあけて、付けた。

 薄板ならそのまま、置いてハンダ付けして良い。上述の厚い板には裏から孔の周りをフライスで削って、厚みを減らした。これが大変な手間で、参ってしまった。削れば、ヤスる量は減るわけで、多少楽にはなる。1.02 mmを0.55 mmにするのだ。しかし、フライス仕事は手間がかかる。

access door latch (1) 出来たものはこんな具合だ。部品の周りにハンダがぐるりと、にじんで見えている。これがベストの状態だ。こういうハンダ付けをしたい。


solder ところで、ジャンク箱からこんなハンダが見つかった。多分アメリカ製だろう。直径は19 mmであった。3/4インチだ。
 柔らかく使い易い。刻み目があるので、長さを確認して切りやすい。置きハンダには便利だ。使った感じでは、スズ60%の鉛ハンダだろうと思った。


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2020年03月30日

アメリカ製キット

CLW GP38-2 (1) レイアウトの工作ばかりでは疲れるので、車輛工作も手掛けている。30年ほど前アメリカで安く買ったジャンクを、少しずつ加工している。これらはCLWの製品である。アメリカ製のキットを組んだものだ。
 1日1時間のつもりだったが、意外と面白くなり、毎日超過勤務をしている。

CLW GP38-2 (2) この手前の機関車はGP38-2である。全く経験のない人がハンダ付けを初めてやったという感じの「作品」で、どうしようもない。部品を削って形を整えてからハンダ付けするべきだが、鋳物の湯口を付けたままでハンダ付けしてある。板もエッチングの指示している外形まで削ってから組むべきなのに、無理矢理付けている。ヤスリや糸鋸の存在を知らないようだ。前後の昇降台のハシゴが入るところだけは、金鋸で切り込んだ跡がある。
 ハンダのしずくで金属がつながっているような付け方であって、二つの金属板の隙間に浸み込んだような付け方は一箇所たりともなかった。曲げも、裏にV字溝を彫って曲げるところを、ペンチでぐいっと曲げただけで、話にならない。焼き鈍して、プラスティック・ハンマで叩き延ばした。
 
CLW GP38-2(3) 普通なら途中で諦めるのに、最後まで行ったところは、ある意味ですごいと思う。ペーストを使っているので、全体がべとべとである。少し錆び始めて、裏は緑色であった。
 結局、全体が漫画みたいに歪んだものができた。動力も押し込んであって、一応動かしたようだ。要するに、本物の形を観察しないで、箱に入っていたものを順に付けただけである。エポキシ接着剤は使ってないところが珍しい。

 すべてのパーツをガスバーナで焙りながら外す。よくぞここまで、という感じである。伊藤剛氏に教えて戴いた英語に、”the man who has ten thumbs" というのがあった。全部の指が親指であるということは、どういう状態かお分かりであろう。その実例は前にもあったが、これはそれを下回る。

 すべての板の外周部を単目のヤスリで削り落とし、油目ヤスリで仕上げた。完全に直線を出しておかないと、歪んで後で後悔する。削り粉がたくさん出た。ハンダは、ガスで焙って圧搾空気で吹き飛ばした。回収して使えるほどたくさん使ってある。

 このキットは板厚が 40ミル(1.02 mm)もあるので、極めて頑丈である。ぶつかっても被害が少ない。組み上がるとかなり重い。ハンダ付けは、200W以上の大きなコテか、炭素棒に依るのが望ましい。

 組み直すと立派になるはずだ。

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2020年02月27日

Kemtron の Alco RS2

 先日の韓国製ギヤボックスの高性能化が、意外なレヴェルで可能であったのに驚き、もう一つやってみた。初段のギヤを外してギヤ比を下げた。これで効率がさらに上がるだろうし、押して動かすことも楽になる。ほとんどの場合、ギヤ比は高過ぎる。ギヤ比が低いものほど高効率が達成できる。これは筆者の経験によるが、自動車でも同じである。原動機の回転数が高いと損失は大きくなる。ポルシェのギヤ比は低い。
 高トルクのモータを使ってギヤ比を低く、というのはあまり見ることが無い。これを採用すれば、ピニオンの歯数を増やして音が小さい模型を作れるが、だれもやらない。ほとんどの人は外見が綺麗に出来れば満足してしまうのだろう。
 勾配線で重列車を牽けば実力はすぐわかるコンテストでそういうことをしない現状では、スケールスピードで走って、重負荷でもつまずかない機関車を誰も評価しない。

 高トルクモータは仕様書を読めばすぐ見つかる。また300台も注文すれば作ってくれる。30年前、祖父江氏との共同作業の中で特注したものは、その後その会社の定番商品になっている。
 今でもかなりの数を持っている。ディーゼル電気機関車の3条ウォーム化改造に適する回転数とトルクを持つ。

Alco RS2 Alco のroad switcher RS2 である。先のスウィッチャは、S2 であった。要するに、本線用にも入替用にも使えるというのがウリであった。この会社の名前の付け方は単純である。その点EMDはややこしい名付け方法を採っている。NW とは900馬力(nine hundred HP)で熔接台枠(welded frame)を使っているのだそうだ。こんな話であれば、付き合い切れない。 

 Kemtronのキットは重い。ボディの丸味のある部分はすべてロストワックス製で、それに30ミル(0.76 mm)の厚さのブラス製ボディがかぶさる。床板は同じ厚さで、そこに1/8インチ(3.2 mm)厚、1/2インチ(12.7 mm)幅の帯材を両側に貼り付けるという堅牢な構造である。下廻りの床板関連だけで、600 gほどもある。
 ハンダ付けは炭素棒でも良いが、筆者はピンで位置決めしてクランプで挟み、ガスバーナで焙り付けである。隙間なくできると気持ちが良い。床は堅く、パイロット部は一体鋳造で安心である。相手が貨車なら、正面衝突しても決して負けないだろう。

 動力はAll-nationのものを推奨していたが、開放型のギヤボックスは当社の方針に合わないので、すべて売却した。その動力装置はアメリカでは希少価値があり、ずいぶん高く売れた。その後3条ウォーム化したものが1輌、ダミィが1輌あった。今回のAjin製をそれにつけることにした。改造費はジャーナル部のボールベアリング8個とコアレスモータだけである。在庫は十分で、すぐできる工作であった。レイアウトの作業が終わってから2時間くらいずつ、それに充てた。

Alco RS2's Kemtronの製品は、荒っぽく扱っても決して壊れない丈夫さがあり、筆者の好みである。ただ、ハンダ付けは素人にはできないだろう。ということは、これを手に入れておくと、ハンダ付け教室の良い教材になるということに気付いた。しかしもう入手することは困難だ。

 Alcoの機関車は美しい。当時から、EMDに比べると頭一つ出ているデザインであった。

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2020年02月25日

EMD NW2

 改装で細かい傷がついたのでタッチアップした。先日の神戸の催しに持って行って、披露した。筆者がスウィッチャを持って行ったのは初めてだそうで、「珍しいね。」と言われた。確かに今までは本線用の大型機しか持って行かなかった。
 下の写真の、UPカブースの付いているタンク車一編成を持って行った。Texaco は新作である。このディカールを Dr.Yに 新しく作ってもらったので、一気に増えた。本当は Texaco だけで60輌編成が組みたかったが、当時はディカールが高くて、とても無理であった。  

 S2 と NW2 とを同じ線路の上に置き、片方を押すと、もう一つも走り出す。これを見せたら、驚愕した人が居た。彼には初めてだったらしい。話には聞いたことがあるけど、本当に動くとは思わなかったそうだ。どういう風に話が伝わるとそうなるのだろう。あいつはウソツキだと言う人も居るらしいから、油断はできない。この動画を撮って、早くUPしておく必要がある。 名古屋の会合で撮って貰った動画があるので、それを近日中に youtube にUPする。 

displayed in Kobe 神戸の催しでは、モハメイドペーパー氏による解説が日に4回あるので、そこでの紹介に入れて貰った。押して動かすと、どよめきがあるかと思ったが、そうでもない。皆よく分からないのだろう。しかし、数人が接触してきて話をした。「面白いですね。」と言ってくれる人も居る。

UP NW2DCC NW2 はまもなくDCC化する。DCC化すると、2台並べて片方を押す演示は出来なくなるのは残念だ。その前に1枚写真を撮った。なかなか良い雰囲気である。

 この種の機関車はこのスロットルがあると面白そうだ。動画を見て欲しくなった。アメリカ人の作るものだから、厚みはかなりある。今後進歩するだろう。

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2020年02月07日

Ajinのギヤボックス

3 unit turbine + S2 この機関車S2の製造元がどこかは分からない。GTEL タービン電気機関車も Alco製である。しかし、大きさが全然違う。
 台車の造形は素晴らしい。よくぞここまでというほど、よくできている。しかし、台車にバネは無く、単純な2点支持である。肝心の動力部分の構成は最低で、直ちにゴミ箱行きであった。入れ替えるべきギヤボックスの伝達様式を考えた。3条ウォーム以外も探っていたのだ。

 先日、処分するものをより分けていたら、比較的新しいアジン製のギヤボックスを見付けた。なんと、逆駆動できそうな気配である。少々ぎこちないが、整備すれば行けそうな感触だったので、早速バラして灯油に浸けておいた。グリースが溶けてきたところで、溶剤スプレイを吹き付けて洗い、ダイヤモンド砥石で歯車のバリを完全に取った。すべての回転部分を研磨して、入念に再調整した。
 スパイラルギヤには二硫化モリブデングリスを少々塗り、他のギヤにはスピンドルオイルを垂らした。オイルレス・メタルによく浸み込ませてから再組立てした。

 このAjinのギヤボックスは、アメリカで開かれるショウで安く並べておくと、喜んで買っていく人が居る。今までそうやって処分してきた。今回のは今までのとは形が違った。

 アジンには80年代によく行って、ある程度の技術移転をしていた。その後に作られたものだと思う。
Ajin gearbox アジンに持って行ったギヤ・ホブ(少ない歯数の歯車には、専用の歯切り用ホブを使うように助言した)を使ったようで、そこそこの性能を得ているようだ。だから、10枚歯でも音が小さい。(わが国で売られている小歯車の歯型はひどいものが多い。14枚以下は全滅に近い。)
 このギヤボックスでは、小さな歯車は硬い材料で、大きな歯車は軟らかい材料で、という原則は守ってあるようだ。ところが最終段の90度ひねりが全く駄目である。どうしてこんな歯数の少ないギヤを使うのか、理解できない。8枚歯では歯車とは言い難い。見るからに歯型が良くない。モジュールを小さくして歯数を増やせば、効率はずっと上がる。(逆駆動しにくいから、無理やり廻して歯を折った人が居るのかもしれない。だからスティール製の大きな歯にしていると考えると、合点がいく。)


 ジャーナル 即ち車軸端にはボールベアリングを嵌め、台車を組立てた。押してみると見事に逆駆動できる。ギヤ比が大きいので、3条ウォームほどは軽くないが、台車の自重の摩擦力で、逆駆動できた。潤滑油であるグリースの粘性によって、廻りにくかったのだ。ここまでの整備時間は、4時間くらいである。
 車輪は替えなかったので、やはりめっき音がする。アジンはどういうわけか、車軸が Φ4.5 なのだ。車輪を替えると、各種のスリーブを嵌め替える手間がかかるが、いずれ替えることになるだろう。しかし少々先の話だ。
 この台車は2点支持のイコライズ方式だ。バネがないから、レイルの継ぎ目音がカツンカツンと頭に響く。軽い機関車だからまだ良いが、衝撃は大きい。
 次回の整備時には、ボルスタの心皿にゴム板をはさむことにする。機関車にバネを入れずにイコライザ支持だけで、ジョイント音が良いと悦に入っている人が多いが、Oスケール以上ではそれは非常にまずい。車輛、線路双方に影響がある。衝撃でハンダが疲労して外れることがある。分岐のフログ付近がよく傷む。
 HO以下では問題になることは少ない。この機関車は、当鉄道では初登場の、バネ無しでイコライザのみの機関車である。実のところ、こんなに響くとは思わなかった。枕木下にエラストマが敷いてあっても、かなり響く。これがなければ、もっと凄まじい音だろうと思う。車輪踏面が真円でないこともファクタの一つかもしれない。バネ懸架、あるいはゴムによる緩衝が必要だ。

 モータをコアレスモータに取り換えて、試運転した。
 もう一輌の方(3条ウォーム)は1.5 V, 0.07 Aで起動するが、これは1.3 V, 0.06 Aほどで起動する。12 Vでの無負荷走行電流も、他方は 0.09 A に対して、0.07 Aしか喰わない。12 V掛けてスリップさせるときの電流は0.36 Aと0.31 Aである。起動し易さは同等であるが、最大負荷時の効率に関してはウォームに微妙に勝る結果が出ている。おそらくこれは、前者のギヤ比が大きいことと、後者ではチェインがわずかに伸びて効率を低下させるファクタが大きいと思う。

 いずれも、車輛の質量は1.17 kgと1.21 kgであってほぼ同じである。引張力はどちらも2.9 Nである。多段スパーギヤは非常に良い結果を出している。このギヤボックスは、チェイン無しの駆動ができるところが大きな利点である。ギヤボックスにボールベアリングを入れることができれば、さらに良くなるだろう。しかし、押した時の動き易さということに関しては、3条ウォーム + チェインの方が、はるかに良い。
 改装費用は1/10、時間は1/4であったから、その点でも助かった。もう一輌分見つけ出したので、やってみよう。

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2020年02月05日

続 UP switcher

NW2 (1)NW2 (6) ハンダ付けがへたくそで、肝心の部品が取れて来る。上廻りを床に留める金具がパラリと落ちる。ハンダが廻っていない。左が取れる前、右が取れて落ちた物。塗装してあるので、ハンダ付けはできない。良く磨いてエポキシ接着剤を塗り、クランプで締めた(圧締)。こうすれば極めて強力に付く。

NW2 (3) 運転室(キャブ)があるので、推進軸支えの位置をキャブ側は中心に近く、手前に置き、機関室側を遠くに置いた。モータ位置も少し移動した。そうしないとユニヴァーサル・ジョイントのスペイスが無いからだ。オリジナルでは、モータも床上にあったのは同じだが、中央のギヤボックスで推進軸を下に降ろし、極端に短いユニヴァーサル・ジョイントで無理につないでいた。しかも位相は間違っていた。そのせいで、カーヴでゴリゴリという音がした。改造したら、とても静かになった。ユニヴァーサル・ジョイントは、ある程度の長さが必要で、曲がる角度を小さくすべきなのだ。
 改造により、燃料タンクの中が空になったので、活字をぎっしり詰めた。すると、ハンダ付けが不完全なせいで、重さにより分解して試運転中に落下した。仕方がないので、丈夫に作り直すことになった。こういうことは、韓国製の模型の宿命である。

NW2 (4) ジョイントはこんな形である。Ajinのジョイントを拾っておいたのを、有効利用している。あまり精度は高くない。中間軸が微妙に震えるが、軽いものだから我慢する。ブラスで作ったスリーヴと接合するのだが、抜け留めが要る。超硬の 0.5 mmのドリルで軸を貫通して孔をあけ、針金を通して曲げる。ドレメルで3万回転であけるのだ。これには熟練を要する。

 モータ・マウントは1.6 mmの板で、4 mm角の棒に銀ハンダで付けてある。簡単なジグ上で、焙り付けである。角棒にフライスで溝を入れ、軽く押し込んで付けた。その時、板にはニッパで軽く傷を付けて、押し込んで噛合わせた。こうするとハンダが廻りやすい。工作が簡単な割には、剛性が大きく、具合の良いものであり、お薦めできる技法である。普通のハンダでは強度が足らない。

UP NW2UP S2 30年の懸案課題が解決した。同時に中身の怪しいスウィッチャ Alco S2 も整備した。 これは後述するが、軽整備である。モータを取り替え、車軸にボールベアリングを入れただけだ。
 DCC化するが、近々ある神戸の行事に持って行ってからの予定だ。

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2020年02月03日

UP Switcher

chain drive (3)chain drive (2) ギヤボックスの上にはモータからの推進軸が来る。その支えは9 mm角棒を切って、2 mmの板に貼り付けたものだ。銀ハンダであるからとても強い。貼ってからフライスに掛けても、剥がれる心配はない。高さが足らなかったから、1 mmの板をはさんで持ち上げてある。


 チェインドライヴの紹介のついでに、このスウィッチャについて書いておこう。この機関車はずいぶん前からたなざらしになっていた。80年代にアメリカに居た頃、友人から買った韓国製の機関車だ。彼の手による、美しい塗りであった。本物を毎日見ている人であったから、エンドビームのスコッチライトは本物を切って貼ってある。
 上廻りにはそれほど不満が無かったが、下廻りは悲惨だった。 とにかく走らない。集電が悪いのは車輪のメッキの問題、軸の仕上げ、集電ブラシの材質に問題があった。要するにまるでダメである。台車の鋳物は軟らかく、すぐに歪んで、車輪が浮く。ギヤボックスは固くて廻らない。

NW2 (5) 駆動装置はすべて廃棄して、新型ギヤボックスを付けた。運転室の床下には、限られたスペイスしかないから、スプロケットの位置を少し横にずらす必要がある。要するにチェインが少し斜めに掛かることになる。したがって、推進軸支えは短くせねばならない。下げる量を計算してフライスで削って沈める。こういう時は、三角関数にお世話になる。便利なものである。銀ハンダで付けてあるので、事後のフライス加工にはためらいが無い。外れて飛んでいくということはない。

 運転室は、窓が大きいので丸見えだ。機関士の人形を見付けたが、縮尺が違う。身長 2 m以上あるだろう。尻を削って座高を低くしたが、まだ大きく見える。体重は120 kgはあるだろう。そんな人も居るから、良しとした。 

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2017年09月06日

続々々 Abo Canyon

 Abo Canyonで撮った動画が見つかったのでYouTube にupした。たまたま、短い80輌ほどの列車で、面白くない。機関車は4輌だ。5輌つないでいれば、100輌以上ある。

 YouTubeにはAbo Canyon関連の動画がいくつかある。
 BNSFの広報ビデオは分かり易い英語で、楽しめるだろう。

 単線時代の動画である。規制の無かった時代の撮影で、気楽に撮っている。

 複線運用を4倍速で再生したビデオが面白い。走行方向は自在のようだ。
 
 Belenのヤードを空撮した動画である。ターンテイブルが残してあるのは興味深い。

 ベレンは長閑な街である。

2017年09月04日

続々 Abo Canyon

BNSFBNSF2 待っているうちに次々と来るので、写し損なう事がある。
 この写真で曲がっている線路が在来の本線で、直線が新線である。

 この写真は西の方を向いて撮っているから、曲がっている方は坂を登っている。この撮影地点の背後が峠になっているので、かなりあえぎながら通過するが、対する西向きの列車は、あっという間に通過してしまう。しかも音がほとんどしない。

 連結輌数は120輌ほどであるが、勾配は12.5‰程度であるから、比較的楽そうである。4重連ないし5重連である。

 Belenを通過するこの本線は、Belen Cutoffと呼ばれている。シカゴ ― ロスアンジェルス間のほとんどの重量貨物列車は、ここを通過する。ざっと一日120万トン強である。

2017年08月31日

Abo Canyon

 今回はアメリカの南西部の取材が主体である。目的は別にあって、鉄道は添え物であるが、通り道なのでほんの少し、回り道して撮影した。

Abo Caynon 3 元は単線の隘路であったが、近年複線化されたことにより、膨大な貨物列車がここを通るようになった。Abo Canyonはその脇にある峡谷で、小型のグランド・キャニヨン風の様相であるが、見に行くほどの価値は全くない。
 サンタ・フェ鉄道の大陸横断線は、後述するRaton Passを通っていたが、この勾配は急で、最大35‰もある。長い貨物列車は、とても通すことができない。その代替線として開発され、テキサスを通ってシカゴと西海岸を結ぶ重要な線区である。2011年頃、複線化工事が完成して、15分に一本程度も長大貨物列車が通過するようになった。
 この区間は西のBelenで、Raton Pass からのATSF旧本線に接続しているが、事実上こちらが本線になった。
 
Abo Canyon 1Abo Canyon 2 ベレンを出て南下すると砂漠の中で複線に遭遇する。遠くからでも列車がやってくるのが分かる。タイミングを合わせて踏切で撮影すると、間もなく反対側からもやってくるのが見える。それを撮り終わると、また反対側からやってくるのが見える。というわけで、いくらでも撮れる。 

 最近、写真のサイズが妙に大きくなっている。編集して小さくしてあるのだが、大きく引き伸ばされてしまい、粗く見える。あちこちの設定を触っているのだが、うまくいかない。原版のままアップすると、はみ出してしまう。小さくしてもこの程度で、困っている。


2017年05月24日

EMD SD45

SD45 pingpong table SD45は1970年頃導入された、当時としては最大級の単エンジン機関車だ。V型20気筒ディーゼルエンジンを搭載し、ラジエータ面積を稼ぐために斜めに配置したデザインは刺激的であった。長大なフレーム一杯に、長いフッドが載っている。
 音は独特で、遠くからでも認識できた。非常に低い音というよりも空気振動があり、腹の皮が共振した。KTMはインポータの US Hobbies からの発注でこの機関車を製作・輸出した。祖父江製作所製ではない。構成は明らかにGP7、SD7とは異なる。エッチング板を使用した非常に簡素な作りである。板がすべて焼き鈍されているので、剛性が足らない。台枠を補強して軽衝突に耐えるようにした。
 
 これは1980年代にアメリカで購入した。当然のように中身は外して売却し、3条ウォームを搭載、慣性モーメントを稼ぐために巨大なフライホイールを搭載した。モータ軸よりも1.3倍ほど増速している。これ以上の増速はコマの効果が出て危険である。これは実験上求めた値だ。
 我が家の地下レイアウトでは、最高速でpower off すると、慣性でエンドレス(約30 m)を一周してきた。 軸重は500 gwである。運転は楽しい。

 実物はしばらく見ないと思ったら、キャブ上に卓球台みたいなものを載せて復帰した。しかも機番が1から始まっている。実物の機番はその時々の空き番号を付けるので、タービンが引退した後の番号を付けたのだ。実物の写真があるので、それを見て改造した。この機関車は”1”になる予定だ。
 屋根の上の”pingpong table”は無線による列車の総括制御のアンテナであった。

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2017年05月22日

Alco RS3's

ALCO RS3's このRS3は、ケムトロンのキットから組んでいる。この板は30ミル (t0.75)で、比較的薄い。床フレームは、角棒を貼り足すので、大変重い。組むときはガスバーナが要る。
 キャブ妻板、フッドの妻、パイロットはロストワックス鋳物で、重厚である。このキットは、GP7の時代とは異なり、かなり洗練されている。手際よくまとめてあり、大量に売るつもりであったのだろう。しかし、これを完全に組める人の数は少なく、大抵の人は半分まで行ってギヴアップする。それを安く買ったのが、この2輌である。

RS3 cab cutout 台車はケムトロン・オリジナルのロストワックス一体のものと、韓国製のsprungと比較している。このキットで最も気になるところは、フッドを前後で一体にしていることである。アラインメントを考えるとそれは良いが、キャブの中にフッドがあるのは許せない。
 カッティング・ディスクで、無理矢理に拡げる。こうすれば床板が張れるし、運転台も置ける。

 フッドがあまりにも流麗で、その表面には何もない。本物にはヒンジ等があるから、ロストの部品を付けてみよう。つるりとした機関車ほど、多少の凹凸があると、実感味が増すものだ。


2017年05月20日

EMD SD7

SD7 このSD7は非常に珍しいものだ。これも祖父江氏のゴミ箱から再生したものである。祖父江氏いわく、「これは安達さんが作ったパイロット・モデルだよ。ロング・フッドの細かい造作はすべて手作りだ。このダイナミック・ブレーキ・グリルは、信じられねえ仕事がしてある。ほらご覧よ、全部薄板で組んであるから透けてるよ。あの人はこういう仕事は本当にうまいよねぇ。」 (この写真はしばらく前に撮ったものである。)

SD7 pilot model キャブやショート・フッドは無かったから、自作である。グリルは白眉で、向こうが透けて見える。本物のようだ。量産品はドロップで押しただけだから、透けていない。細かな造作もすべて手仕上げである。 細かな部品もすべて一つづつハンダで貼り付けてある。

SD7 floor 床板は安達庄之助氏が作ったもので、板に角材を貼ってある。台車はこれもアメリカ市場で購入したものだ。駆動部品は3条ウォームで、逆駆動できるようにしてある。ロストワックス部品はまだ高価であった時に購入したものを付けている。
 量産品も持っていたが、エッチング製であまり面白くなかったので、別の機関車とトレードした。

SD7 extended exhaust pipes 筆者としては看過できない間違いがあった。ダイナミック・ブレーキのブリスタ(膨らみ)の、内側の造形である。本物は凹んでいるのに、資料不足で、斜面を作ってしまったのだ。この種の修整はかなり手間が掛かる。切り抜いてL字型の板を張り、左右に隙間がないように三角の板を嵌める。この写真は修整後のものである。排気管の立っている場所が斜面だったのである。
 排気管は延長型に作り替えた。この種の仕事は伊藤 剛氏に手ほどきを受けた。
小さい物を付けようと思ってはいけませんよ。大きなものを付けておいて、それを小さくするのです。」
 パイプを焼き鈍して、芯金を入れてつぶす。切れ目を入れて二枚の板を差し込み、ハンダ付けする。それを削って修整すればすぐできてしまう。 2本が15分で完成だ。伊藤 剛氏のご指導の賜物である。


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2017年05月18日

EMD GP7’s

GP7's  Kemtronのキットを組んだものがかなりある。GP7だけで5輌ある。うち1輌は祖父江製作所製の製品のジャンクから組んだものだ。ごみ箱に捨ててあったものを拾ってきて、作った。ロングフッドが曲げてなかったので、切り離して角に骨を入れてハンダ付けしたのち、やすって丸みを付けた。こういう工作は得意だ。
 ケムトロンのキットはエッチングだけなので、板金打抜きのパーツを足して、より凹凸を大きくしている。細かい部品はロストワックスだ。この頃はロストワックス部品が大暴落だ。買う人が居ないのである。バケツ一杯50ドルで買った。一昔前なら、2000ドルでは買えないものだった。
 おかげで、ホーン、ベル、ライトなど好きなものをテンコ盛りにできる。贅沢な限りだ。
(この写真はしばらく前に撮ったもので、車体の上下を締めてないので隙間が見える。)

 台車はカツミが輸出した祖父江製作所製を、アメリカの市場で手に入れたものだ。軸箱がブラス製のものは加工してそのまま使えるが、1970年頃輸出したものは、軸箱がダイキャストである。部品が微妙に膨らんで、中の篏合させてある焼結軸受合金が外れて来る。やはりダイキャストはダメである。それ以前のように割れることはないが、微妙に膨張するようだ。

 仕方がないから、軸箱をすべて捨て、フライス盤でムクのブラスから作った軸箱体に、ロストワックスで作った軸箱蓋をハンダ付けしたものと取替える。こうすれば1000年でも持つ。軸受にはボール・ベアリングを入れる。機関車は重いので、ボール・ベアリングの効果は大きい。
 ケムトロンの機関車は板が厚いので、素組みでも質量が1300gもある。ぶつかっても壊れない。走行音は重厚である。こうでなければならない。

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2017年05月16日

H氏のWiFi制御

 このブログの開設当初からの読者のH氏が、特製のWiFi制御機関車を持って来られた。先日お渡しした機関車を加工して下さったものだ。プラスティック・ボディだが、金属ボディをかぶせても作動することが分かった。

iPadGP7-1demo 機関車の制御部分がWiFiの発信機である。機関車のSWをonにすると、電波が発信され、手元の iPad に届く。iPad の設定を開いて、WiFi設定をすると”GP7-1”が出ている。それをタッチするとつながる。

functions 画面のスロットルを触ると10段階で加減速する。減速を続けると符号が変わって逆行し、そのまま加速する。
 物理の法則の ma を実現しているような感触である。
 ファンクションは4chあるので、前照燈、尾灯、室内灯、ホーンの on, off ができることになる。

 電池は006P型ニッケル水素電池だ。少々出力が不足する可能性があるので、大きな電池を探している。先日の来訪時には、ブラス製の客車(ボールベアリング装備)9輌(約13 kg)を引張って1.9%の坂を登らせた。機関車に補重がしてないので、スリップしている。500gほど補重すると良いだろう。2往復すると電池が無くなった。仕事量としてはかなり大きく、小さな電池ではおのずから限界がある。
 隠しヤードから、多数の貨車を引張り上げて列車を仕立てるのだ。牽引力を稼ぐには重連が不可欠だ。もう一つの機関車はブラス製で、電池を積むようにする。単二型を8本積めるはずだ。重くなる。

 この方式は簡単に作れるそうだが、取り敢えず1チャンネルだけだ。重連を総括制御することは難しい。複数の機関車を同時に扱うには、手元にWiFiの受信ができる端末を複数並べることになる。1台の発信機で重連するにはジャンパ・ケーブルを渡して半永久連結として、電力、モータ出力、燈火出力を接続する必要がある。見栄えを考えると、連結部が賑やかになるのは避けたいが、仕方がない。


2017年05月14日

続 GP20's 

extending damaged areabrass fixing この手の補修は得意で、このような方法を採る。
 t1.5 のブラスの平角棒をフライスに取り付け、幅の半分を1 mm落とす。段を付けたブラスの棒をクランプで挟んで表面を面一(ツライチ)にし、フラックスを浸み込ませてハンダをコテで等間隔に盛る。あとはガスバーナで焙って浸み込ませると完全に付く。それをベルトサンダで注意して削っていく。

GP20's やり過ぎるとまた同じことになるので、+0.3 mm 程度で止めて、あとは大きなヤスリで少しずつ削る。最終的に、定盤の上に置いたサンドペーパで平面を出す。定盤は作業後、よく清掃しておかないと、傷がついて泣きを見る。出来上がると大したもので、失敗作とは思えない。この写真では中心部に隙間が見えているが、ネジを締めれば密着する。

 ブラス工作はこのようなことが簡単にできるというところが非常に優れている。部分的に切り外して、別の板を嵌め込み、ハンダで埋めてごまかすことも容易だ。これがダイキャストだったり、プラスティックではそうはいかない。
 アメリカの友人の失敗作をよく修理して上げたことがある。彼らは非常に驚き、”これをビジネスにすると良い。”と言ってくれたが、そういう仕事ばかりやるとかなり疲れるだろうと思った。しかし、久し振りにやるとなかなかの快感である。

 また、最近の韓国製のような薄い板の製品は勘弁してほしい。厚板でないと修理が完璧には行えない。これは40ミルであるが、以前は50ミル(1.27 mm)もあった。快削ブラスであって、フライスで調子よく削れる。

 筆者はこの種の機関車を2台ずつ持っている。70年代によく見た8重連、10重連を再現するためである。動力はそれぞれ片方に入れるだけで十分であろう。


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2017年05月12日

GP20’s

GP20 2 1960年頃のディーゼル 電気機関車である。 ターボチャージで2000馬力になったばかりの、当時の新鋭機であった。EMDの既製品にUPが独自にタービンを搭載して実験したので”Omaha”と呼ばれていた。
 1970年代には既に老朽化して入替用に使われているものもあった。二台一組での運用が多かったように記憶する。Kemtron が模型化していたので、それを入手するチャンスを探っていた。

 ebayで一つ入手したのとほぼ同時にアメリカのショウでもう一台入手した。前者は150ドル程度、後者は100ドル程度であった。安くて良いのだが、後者には安い理由があった。エンジン側のフッドがおかしい。後端で4mm程度低くなっている。これでは安いわけだ。

GP20 1 組んだ人はフッドの下端の不揃いをベルトサンダで落としたのだろう。ベルトサンダの削り速度は非常に速い。うっかりよそ見をしたか、人と話しながらやってしまったのだろう。あっという間に削りすぎて、後ろに傾いた。ショートフッドが浮いたのでハンダ付けをずらしてゴマ化した。それでもキャブが当たるので削ってしまった。というのが想像できる顛末である。
 このケムトロンのキットは1.01 mm(40ミル)のブラス板に深くエッチングしてあり、とても堅く重い。筆者の好きなキットである。ハンダ付けは細いガスバーナで行うと全面ハンダ付けができる。写真はキャブ下に2 mmの角線を貼り付けた状態である。これを削って修整する。

 さて、買ったキットをホテルの部屋でばらし、動力機構をごっそり外して、次の日に売ったら80ドルで売れた。つまり、車体を20ドルほどで手に入れたことになる。先に買った方も同様に売却した。筆者はこのような形で、上廻りを廉価で入手している場合が大半である。車体は、現物が目の前にあった時代なので、それほど大きな間違いはない。


2017年04月14日

続々々 radio controlled engine

H氏のWiFi制御 H氏から試作途中の写真が送られてきた。最近は006P型の蓄電池があるのだ。こんなに小さくてもかなり長時間走るようだ。

 制御部分の体積は小さく、補重が十分にできる。タイヤは鉄製であるから、牽引力は大きい。隠しヤードから1.9%の坂を、2輌で60輌引張り上げなければならない。計算すると、引張力はあるが、半径がやや小さい2600Rの曲線上であるから、抵抗が大きく、ぎりぎりだ。

 先日チラ見せの電気機関車は、付随車用のステンレス製Low-Dを使っているので、牽引力は少ない。軽編成専用であるから、それで十分なのである。

 ボディ・シェルが金属製であっても、短距離なら作動に問題はなさそうな雰囲気である。金属製の機関車とはいえども、窓もある。波長の1/10程度の窓なら通信は可能であろう。2.4GHzの波長は125mmであるから、O scaleの窓ならいけるだろう。電子レンジの波長を考えると、扉の窓のシールドの穴は相対的にかなり小さい。
 鉄道模型の場合はレイルにつながっている可能性があるので、それが有利になるのか、不利になるのかはわからない。

 今回はプラスティック製のボディ・シェルを付けての基礎実験であるから、順次ハードルを上げてみたい。

2017年04月12日

続々 radio controlled engine

 集電は、特定の場所で集電する方法と、走行レイルから取る方法がある。
 前者は簡単な話だ。床下に突起をつけ、レイル間の給電端子に接触させれば良い。許される停車位置の範囲を長くするには給電端子をレイル方向に延ばす必要がある。
 後者の場合は、DC運転とDCC運転の双方に対応するような整流および電圧調整装置が必要であるが、現代の電子工学では極めて簡単なことであろう。 
 非接触の給電方法もあるが、効率が悪そうだ。これは50年前に「子供の科学」の記事を基にやってみたことがある。当時の実験は商用周波数だったので、効率が悪いのは当然だ。周波数を上げると様々な問題が起こるだろう。最近の電話機の充電は非接触が多くなってきた。研究してみる価値がある。

 アメリカでは無線制御方式をいろいろなメーカが出している。屋外のレイアウトが多いという証左である。最初は”Dead Rail"という言葉を使っていた。要するに錆びて集電が不能な線路に対応するという意味だ。最近はあまり言わなくなった。
 筆者も受信機を買ったのだが、うっかりして送信機を買うのを忘れた。送信機は手元にある別のもので良いと思っていたのだが、指定のものが必要であった。

 博物館のレイアウトでこの方式を採用するが、それはDC, DCCをまたぐ入替え用である。すべての電源を落としておいて、渡り線を通らせる。いろんな方法を考えたがこれが一番楽である。長い列車を牽く可能性があるので、重連で対応する。そのつもりでGP7、2輌を用意した。2輌の機関車の引上げ線も作った。そこで充電するつもりだから、接触方式でもよいだろう。下からだと車輛限界以下に下がる可能性があるので、側面からの方が問題が少ないかもしれない。あるいは給砂装置のホースを模したもので、上からぶら下げても良いかもしれない。 

 40年以上前だが、この機関車が入替え用に働いているのを見ていた。それが再現されることになる。当時、既にこの機関車は旧型に属し、本線を走ることが無かった。ヤードと、工場や倉庫の間を縫う専用線だけを走っていた。問題は音声である。エンジン音、ホーン、ベル音をどう出すかだ。限られた範囲だけなら、線路の下に付けたスピーカで用が足りる。と言っても10mほどを動く。観客もいるので、それほどおかしな感じがしないようにせねばならないから、これはなかなか難しい。ホーンだけは擬音発生装置がある。

 本物を見た人は、ディーゼルエンジンの重低音に驚く。腹の皮が共振してぶるぶると動くあの感じが欲しい。低音は指向性がないので巨大スピーカを線路下に置くというアイデアは古くからあるが、日本でやっている人はあるのだろうか。 アメリカのショウでは見たことがある。

2017年04月10日

続 radio controlled engine

 柔らかいプラスティックのシェルに重い下廻りをどうやって付けるかは、大いに悩むところだ。

 中に完全に密着するかご状の直方体を入れて接着すれば、ネジを締めても良いかもしれない。しかし、強く締めれば壊れるだろう。締めないと、ネジが脱落する可能性がある。
 これを解決するためには、中のメネジを下廻りの床面と密着させねばならない。そうするとメネジを立てたブロックはどうやって留めるのだろう。この答がなかなか見つからなかった。

 ボディ・シェルの床板部分の厚さが1.6 mmであった。1/16インチだ。その部分に引っ掛かるようにブラスの角棒をフライスで加工した。それを接着すればよい。ただ、下廻りの床板の穴と一致しなければならない。後で加工すると熱と力で壊れる。事前に孔を開けたい。

Fixing body shell これを解決する方法を思いつくのにかなり時間が掛かった。図のオレンジ部分には2 mmのネジ穴がある。ブラス製床板にはネジが通る穴があけてある。 
 
 長いネジを作った。2 mmの丸棒をダイスに通し、長さ60 mmほどのネジを作ったのだ。それを差しておいて、接着剤を塗ったブラスの角棒を床板の裏から引き上げた。片方抜いてネジを締め、もう片方も抜いて締める。こうして半日待てば、メネジを立てたブラスの角棒は所定の位置に接着される。
 
 ネジを思い切り締めても、壊れることはない。金属同士が密着している。はみ出した接着剤で床板がくっつかないよう、薄く油を塗っておいた。もちろん後でよく洗った。
 スーパーXの接着力は素晴らしい。この方法は堅固でありながら、工作が簡単で確実である。

2016年07月07日

Walker氏のこと その8

FM2400FM 2400 ディーゼル電気機関車の完成写真がまだ見つかっていない。製作中の写真が数葉あるだけだ。この機関車はFairbanks-MorseのC-liner 2400seriesだと思う。前後で台車が異なるB-A1Aタイプだ。steam generatorを載せると、軸重が大きくなるので、一軸足したのだ。

「このような設計はいかにもアメリカ的な発想で、日本人にはできませんなぁ。」と、
伊藤 剛氏は語った。

 自動逆転機はもちろん、燈火の点滅、汽笛吹鳴まで手元でできるようにした。車内はその制御器が満載だ。制御器は冷却ファンの部分の天井からも操作できるようになっていて、制御器の軸はモータの大きさがあるので斜めに配置されているのが面白い。駆動用モータはまだ取り付けていない。 前部台車2軸と、後部3軸台車の後ろ2軸が駆動されている。 

伊藤 剛氏(左)伊藤 剛氏 (左 作っている時の写真が数葉ある。伊藤剛氏(左)はまだ二十代で、髪の毛もふさふさとしている。右は青木茂氏と思われる。
「ある時、髪の毛が突然どこかに行ってしまったのですよ。毛があった時代を知っている人はほんとに少なくなりましたねぇ。元々なかったわけではないのですからね。」

 工作台の写真もあったが、今回は見つからない。その工具ラックが面白い。すべての工具が見た瞬間にわかるような配置になっている。金鋸をはじめとする工具が、木製のラックに掛けられていた。決して引き出しには仕舞わない。ネジ廻しは先端が見えるように斜めに差さっている。ハンダ鏝は目玉クリップをつけて浮かせてある。
「工具を探す時間は無駄そのものです。アマチュアであっても、プロであっても同じです。」
 筆者はそれを聞いて、直ちに工作台を改装した。

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