フライス盤

2017年10月04日

workbench

work bench X-1は意外と重く、36 kgほどもある。それを載せる台が必要だ。厚いムクの台を考えた。イチイの木で分厚いのがあるが、ちょいともったいない。
 15 mmのシナ合板の切れ端が大量にあるので、それを貼り合わせて、45mmの天板を作った。接着剤が固まるまで、四隅をクランプで締めた上、100 kgほど重しを載せて一昼夜放置した。下部は15mmの板を組合せて作った。棚を補強材として、ネジと接着剤を十分に使って作ったので、ひねりに対する剛性は大きい。

with guard ウレタンニスを十分に浸み込ませて固め、ヤスリを掛けてケバを取った。例のグレイのペンキをたっぷり塗ってできあがりだ。Swarf (キリコ)が飛ぶので左右と後方にはガードを付けた。それにはプラスティックが貼ってある化粧合板を使った。汚れが取りやすいはずだ。


milling machine on the work bench このX-1は、長いテーブルを付けているので、40 kg以上ある。一人で載せるのは大変で、片方ずつ持ち上げては、下に木材を井桁に組んだ。椅子の高さまで持ち上げたのち、抱えて載せた。低い位置で重いものを持つと、腰を傷める可能性があるからだ。


Quiz ここでクイズを一つ。これは何だろう。正解は10月8日号で発表予定。

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2017年10月02日

micro mill X-1 

 小型縦フライス盤にいわゆるX-1という機種がある。SIEG という中国の会社が作って、日米欧に輸出していた。最近は新型に代わったようだが、筆者の友人は、かなりの方が、この機種を持っている。モータ出力をスピンドルに伝えるギヤトレインの設計があまりにも拙い。ガラガラゴロゴロとやかましい。たまに歯が折れることもあるらしい。

gear train そもそもこんな所に歯車を使うのがおかしいと、筆者は考える。旋盤でもフライスでも、こういうところには、ベルトを使うのが常識の筈だ。刃物がワークに喰い込んでしまった時には、急停止するだろう。その時、ベルトが滑るか、切れるかすれば安全である。歯車では止まらないから危険であるし、多分この材質では歯が折れてしまう。それを狙っているのかもしれないが、賢明な方法ではない。
 
 最近、知人からX-1を無期限貸与された。博物館で使えということなのだ。やかましいので蓋を開けて驚いた。中学生の設計かと思ったほど、稚拙な設計である。
 筆者のフライスはもう一段大形のもので、それもギヤを捨ててベルト式に改造してある。友人の U氏の希望で、X-1用のベルトドライブ改造キットをアメリカから取り寄せたことがあるので、それを再度取り寄せようとしたのだが、数年前に廃盤になっていた。再生産はないそうだ。アメリカではすでにX-1が市販されていないからだ。交換用歯車だけは売っている。しかも金属製の歯車も高価だが売っている。歯が折れないから、かえって危険だ。使いたくない。

 図面を描いて、あちこちに打診しているうちに12台以上なら作る、という店が見つかった。仲間内で既に半分以上は捌けたが、それを見て欲しがる人もいるので、見切り発車しようと思う。デザインは少しシンプルになるが、3段変速で、最高回転数が今の2倍以上になる。細いエンドミルを折ることが減るだろう。上記リンクの写真よりも機能的な設計にする。読者の皆さんの中で、これを欲しいと思われる方があれば、お知らせ願いたい。価格は送料を含めて2万円程だろう。欲しい方はコメントを通じて連絡されたい。個人情報は漏らさない。 


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2015年12月09日

面取りの意義

 質問を複数受けているのでお答えする。
「面取りは必要なのですか?」という質問が多い。答えは、「そうです。面取りのしてない部品を組み付けることはできません。」である。
「フライスで直角に削り出した溝に、角棒がきっちり入るはずです。」という意見もあった。それは幻想に過ぎない場合が大半だ。

chamfering 底を直角に削った溝あるいは入隅というのは、考えにくい。まず、フライスの刃が本当に直角に切り込めるかが怪しいのである。フライスの刃の先端が欠けていることはよくある。欠けていなくても、本当に角が出ているかはよくわからない。業界ではこういう直角の角をピン角(かど)というらしい。 もちろんうまくできているときの話だ。「ピン角が出ている。」と言う。
 見かけ上直角に切り込んであったとしても、信用できないのである。面取りしてある材を使えば、そのようなことはどうでもよくなる。面だけが接して、角は浮いている。これが大切なのだ。こうすれば要求される寸法通りのものができる。

 祖父江氏の工場で見ていると、プレスで打ち抜いた板をヤスリでひと舐めして、バリを取り、同時に面取りをしている。そのひと手間を掛けるかどうかで、仕上がりが違ってくる。線の切り口も、さっと撫でて角を取る。祖父江氏は仕上工をしていたから、そのあたりのことは当然のようにする。厚板を組合せたギヤボックスなどの仕上がりは素晴らしく、他の追随を許さぬものであった。
 面取りはヤスリ以外にキサゲなどを用いることもある。筆者は回転式のキサゲを用いる。30年ほど前アメリカで見つけたもので、非常に使いやすい。このShavivはイスラエル製だという。動画の1分のあたりから30秒ほど出てくるのを使っている。日本でも売っているからお薦めする。


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2015年04月26日

続々々 3-way switch

 先日、久しぶりにある友人に会った。彼は腕の立つ模型人である。
 
「ブログを読んでいるよ。最近はポイントを作る話だね。フライスを使えば訳なくできる。でもヤスリじゃあ難しいね。」
「そうなんだよ。僕も昔はヤスリで作っていたけど、結局のところ、尖端レイルの密着が悪くて苦労したよ。でもフライスがあれば楽だし、確実にできる。」

というわけで、しばらくは工作機械導入のメリットについて盛り上った。オークションを見ていると、小型フライスは安く出ている。しかも使用感があまり無いものもある。

「安いフライスだって、要は使い方次第だ。ガタがあっても送りの当たったところでダイヤルを廻してゼロにすれば、ちゃんと出来る。ディジタルスケールなんかなくても、何とかなるよ。ヤスリで削ったものとは大違いだ。ちゃんと平面が出るからね。」
「いや、最近はDROは安いからね。付けると労力が半減するよ。」
と、話は尽きなかった。

 お金を掛けなくても良いものは出来る。そのためには、素人は良い道具を使うべきだ。それが工作機械である。模型の価格以下で、旋盤とフライス盤が手に入る。材料はクズ屋で買う。そうすればいくらでも工作が楽しめる。

 彼は面白いことを言った。
鉄道模型をやる人はプライドが妙に高いのだ。助けを求められない人が多い。プラ模型の友達はそういう人は少ない。『これをハンダ付けしてくれないか。』という頼みはよくある。そんなものすぐできるからやってあげるよ。すごく喜んでいる。
 鉄道模型の人は誰も頼まないみたいだ。機械を持っている人に頼めばすぐできるのに、一人でやってうまくできないと、放置する。オークションでキットの組みかけが安く出ているだろ。出来ると思って買うんだろうね。でもできないんだろう。助けを求めればよいのに。」
「そうなんだ。そのためにクラブがある。伊藤剛氏は昔からそう言っていたよ。助けを求めれば、出来る人はいるはずだ。」

 その後、キットの組み立てについて話が進んだ。
「キットの組みかけ放置はもったいない。」
「そのことについてブログで書こうと思っている。キットを組める人は、結局のところ、スクラッチ・ビルディングが出来る人なんだ。」
「まあ、そういうことだね。」

 彼は安く買ったジャンク品を組み直して素晴らしいものに作り替える天才である。見せてくれたジャンクがどう変化するか、楽しみである。



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2015年04月24日

続々 3-way switch

 筆者は特殊ポイントを作るのが好きだ。高校生のころからかなりたくさん作ったが、最近の方がずっと多い。
 クラブの人たちがやって来て、「すごいね、これ。こんなのよく作れるね。」とお褒め戴くが、たいしたことではない。一言で言えば、骨(コツ)はフライス作業が出来るかどうかである。

 尖端軌条をヤスリで作るのは大変である。完全に垂直に削り落す技能を、身に付けなければならない。かなりの修練が必要である。フログ角を計算通りに削るのも大変難しい。過去にいろいろなテクニックが公開されているが、どれもなかなか難しいと感じる。

 フライス盤さえあれば、あっという間である。問題は斜めに保持する工夫である。筆者は正直板という直角の支え金の代わりに、斜めに切ったブラスの板を用意する。レイルの側面(正確にはウェブという)に2,3か所ハンダで仮留めをする。そうすれば斜面はいつも完全に保持される。レイルヘッドと底面を万力で挟んで締める。後は削り落すだけである。

 レイルは、ブラスといえども難削材である。一般に引抜き材は粘い。難削材用の刃物を用意する。何回も往復するとずれることがあるので、なるべく一回で落としてしまう。回転は中程度、送り速度は小さくする。
 ストックレイルの尖端軌条が当たるところもフライスで落としてしまう。ここの落とし方がまずいと、密着しないから脱線の元になる。

 市販のポイントはあまり好きではない。フログの構成が甘いと感じる。機械美が感じられない。HOの既製品の三枝ポイントはオモチャっぽい。指の腹でなでると同一平面上にないように感じる。これでは脱線する。
 最近亡くなったある先輩は、「大きな油目のヤスリで上面を丹念に落としてしまうと完璧になりました。」とおっしゃった。その程度のクォリティならば、自作の方が良い。

 フログ位置を正確に求め、そこから始めると楽である。直線を先に敷き、あとは矛盾が生じないように工夫して付ける。決して難しくないから、挑戦されると良いと思う。

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2014年12月17日

木工会社

 合板を切り抜かねばならないので、その種の作業をする会社を探していた。比較的近い所に、納得できる価格で請け負ってくれるところが見つかったので、工場見学をお願いしてみた。二つ返事で許可が出たので、さっそく出かけた。

CNC router これはコンピュータで指示した通りに動くフライスである。刃物はΦ12、Φ10、Φ6、Φ5、Φ3を使うことが出来る。Φ12の時の回転数は、2700 rpm だそうだ。径が大きいので、周速によって回転数が制限されるのだろう。
 切り抜くときは、何回かに分けて同じ軌跡をなぞる。一回で切ると、めくれ上がるのだ。材料は4x8の合板(1220 mm × 2440 mm)まで置ける。真空ポンプで吸着するのだ。動くところは見なかったが、どういうものかはよく分かった。
 刃物は二次元平面内を動き、軸を傾けることはできない。

cutting saw これはホームセンタなどに置いてある合板を切る鋸盤であるが、とても大きい。普通の物の1.5倍程度である。この工場では、合板を小売してくれるが、1枚に付き、5カットまで無料で切ってくれるそうだ。


gang drilling machine ついでに他の面白そうな機械も見せて貰った。これは孔空きハードボードなどの孔を開ける機械である。たくさんの合板を重ねて、1列20個以上の孔を同時に開ける。そして等間隔で送って、全体に孔を無数に開けるわけだ。このような機械を使っているとは思わなかった。
 この機械で全国の需要の半分近くをまかなっていると言う。左の方に完成品がある。

hydraulic press これは厚い合板を作るプレスである。普通の合板を接着剤で張り付けて、いくらでも厚くすることが出来る。これはある住宅会社に納品する耐力壁の材料で、30 mmの厚さのものを作っているところである。これをはめ込めば、筋交いは要らないわけだ。
 一回にたくさん作りたいので、重ねてプレスする。

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2014年04月21日

続 線路を敷く

 尖端レイルはフライスで削り落す。その時、先が浮いてしまうのを防ぐため、レイルを曲げておく

 レイルを斜めに保持するのだが、下から支える工夫が必要である。適当なブラスの板を斜めに切ってレイルの溝にはさみ、両端を軽くハンダ付けする。そしてレイルを万力に銜えて削る。簡単な作業である。要するに斜めの正直板である。こういうのは正直板とは言わないのだろうか。
 尖端は1/20の角度にした。はじめ1/25にしていたがやや薄過ぎた。

 左右に振った時に接触するだけでは、電気抵抗が大きいので、尖端レイルにも給電する。

 今回のレイアウトは素人も使うことを前提にしているので、荒っぽい取り扱いでも壊れにくくなければならない。また確実な工作が必要である。

 ポイントマシンはネジ式のを戴いた。補助接点がたくさんあるので助かる。以前はマイクロスイッチをあちこちにつけて給電方向を決めていた。

 ストックレイル(尖端レイルが接触する部分)は僅かに削り込んで、尖端レイルの先がはまりこむようにした。こうすれば脱線の可能性が大幅に減る。

 昔の三線式Oゲージは、ポイント≒脱線器のようなものであった。色々な工夫をしたが脱線を皆無にすることができなかった。現在では脱線などしたことがない。イコライジングによる軸箱可動、バネ、フランジ形状、それと、このストックレイルの削り込みの効果である。

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2012年11月24日

Leo を訪ねて

812_6152 Leoは80歳だ。毎日地下の工作室で仕事をしている。それを邪魔したわけだから申し訳なかったが、訪問をとても喜んでくれた。
 この工作室で一番驚いたのは、工作機械の数だ。ボール盤は7台、旋盤5台、フライス盤は縦横合わせて4台ある。 あとはシァとかプレス機である。

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 どうしてこんなにたくさんの機械があるのかと聞いてみると、
「私はアマチュアではなかった。プロフェッショナルであったからだ。」という答えが返ってきた。詳しい話を聞くと、彼は超高級オーディオ装置の少量生産をしていたのだそうだ。アルミのシャーシに穴を開けるときには、一つずつやっていては大変なのでドリル毎にセッティングをして、次から次へと仕事をしていたのだそうだ。旋盤も同様で、刃物のセッティングを動かしたくなかったので、旋盤を増やした。フライスも同じことで、横フライスも必要になってしまったと言う。その理屈はよく分かる。しかし、この工作室の面積はせいぜい12畳ほどである。

812_6159-2 すでにその種の仕事をすることは無くなったので、半分くらいしか使っていない。どの機械もよく整備された状態で、いつでも使えるようになっている。ロータリィテーブルやジグなどもたくさんある。
 筆者のように12個以上の生産をしないと決めている人の工作室は単純であるが、量産をする人の仕事場は複雑怪奇で面白い。

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2012年10月05日

続 DRO

vertical-mill 筆者がDROを採用した最も大きな理由は、インチ目盛の機械を購入したからである。今使っている旋盤はアメリカに居た時に買ったので、必然的にインチ目盛であった。Bill Melisという鉄砲鍛冶の大家について習ったので、インチ目盛のテクニックは身に付いた。しかし、ミリで加工したいときもある。

 一所懸命に電卓で計算しても、間違って泣きを見ることもあった。ダイヤルゲージのミリ単位のものを買って刃物台に付けたけれども、決して楽しい作業ではなかった。そうこうしているうちに、DROが安くなる気配があり、試しに買ってみると、なかなか具合が良い。3軸のディスプレイの価格もそれほど高くなくなった。
 思い切ってフライスに付けてみると、今までのあの苦労は一体何だったのかと思うほど効率が上がった。と同時に、頭の中はガクンと音がするほど劣化した。もうインチの分数計算は頼まれても出来ないような気がする。

 コレットや刃物が全てインチサイズなので、事前の計算には多少の注意は必要だ。しかし、先回お見せしたような起点を決めた数値による切削は容易で、一回も間違えたことはない。たとえミリ単位のダイヤルのついた機械を使っていたとしても、DROを使うほど容易な切削は考えられない。

 軸距離が大切なギヤボックスも一発で穴開けが完了し、ギヤの噛み合いは極めて正確だ。このような時は二枚刃のエンドミルを用いる。四枚刃のエンドミルではドリル代わりに切り込めないからだ。

 フライスは、使いこなせれば極めて安い工具であると思う。最近は糸鋸代わりに細いエンドミルで切り離しをすることもある。ワークを見ることもなく、DROの数字だけを見ている。

 起点を決めるのはいつもこの工具である。安くて正確なのでお勧めしたい。最初に打ったポンチ穴をゼロゼロ点にする。この画面の下の方のChris' Tipsに動画があるので、ご覧戴きたい。

 今筆者が興味を持っているのはこのウェブサイトである。RS232を持つ使わないコンピュータをDROにする工夫である。コンピュータと連動させるので、かなり複雑なことができる。上の図はここからお借りしている。

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2012年06月16日

続々 Stu を訪ねて

COM_4345COM_4343-2 続いてフライス盤を見て行こう。縦横兼用の機械がある。これはドイツ・ミュンヒェン製の機械だ。頭の部分を外し、横フライスアタッチメントを付ける事ができる。このアタッチメントの収納棚ごと安価で手に入れたそうだ。うらやましい限りである。取り換え用のヘッドだけで数通りあるようだ。
 割り出し盤のたくさんあることにも驚く。一つもらってくればよかったと思う。

COM_4342-2COM_4341-2 工具を収納するトレイの中に、個別に工具を支えるものがつくられている。これらは自分で作ったものだ。このアイデアは採用したい。


COM_4346-2 Clausingのフライスである。剛性の高そうな機械だ。最近は安く出るそうで、安価に運ぶ方法があれば欲しい。
 クロウズィングはミシガン州カラマズーにある工作機械メーカで、今でもアメリカ製の工具を作っている。昔Atlasブランドの小型旋盤が日本にも入っていたが、Atlasはこの会社に吸収されたはずだ。

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2011年02月08日

続々 Centering Indicator

窓抜きジグ これは、客車の側板を切り抜くためのジグである。10mm厚のジュラルミン板を、側板の厚みマイナス0.1mm沈めてある。0.1mm分飛び出しているので、8箇所のネジを締めると押さえが働き、側板が動かなくなる。

窓抜きジグ裏面 このジグは近所の Y製作所にお願いしてタダで作って貰った。Y氏にはお礼をしなければならないのだが、その後現れなくなったので、その機会を逸している。

 電話で概要を伝えただけで、思ったものが出来てきたので驚いた。さすがにその道のプロは違うと思った。四隅を8mmのキャップボルトで 、テーブル上のスロットに締め付ける。そのときキャップボルトは沈め穴に入って頭は出ないから、側板はその上に載る。

 この種の沈め穴(座繰穴)のことを英語でCounterboreという。しばらく前にこの種のドリルをボールベアリング装着用に作ったのだが、それをCounterbore bit という。
 
 8個の締め具は、2.6mmのブラス板である。適度の硬さで傷がつきにくい。この板は、しばらく前のレーザカットの残材を捨てずにとっておいたものを、フライス加工したものである。
 このジグが無ければ客車の窓抜きは難しい。

 

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2011年02月04日

Centering Indicator

QCTP パサディナでは、久しぶりに親しい工具屋を訪ねた。
 友人たちに頼まれている工具を買い付けに行ったのである。かなりの量なので10%の値引きをしてくれたし、輸出用として地方税の免除措置を講じてくれた。全部で20kg程もあった。スーツケース一杯分である。帰国後直ちに彼らに渡して喜ばれた。

 その工具とはQCTPである。小さな旋盤用のクイック・チェンジ・ツール・ポストである。アルミ合金製なのであるが、その材質は鋼と同等の強度がある。軽くて運びやすいので助かった。
 アメリカで工具を買うと、この超ジュラルミン製のものによく出会う。強くて軽いので問題ないのだがヤング率が小さいのでよく撓む。もちろんQCTPは小さいので撓むことはない。 
 旋盤で刃先の高さをあわせるほど面倒なことはない。QCTPなら一度合わせれば、もう何も考えなくてもよいから助かる。

coaxial centering indicator 他には、以前から欲しかったセンタリング・インディケータを購入した。フライスで軸の中心を所定の位置に合わせるのはかなり面倒だ。
 材料の端を軸の外径に触らせるとずれて知らせる装置や、電気的に検知する装置を使う方法、レーザ光で罫書き線の交点にあわせる方法などいろいろあるがどれも結構面倒でまた、誤差が生じる心配もある。
 今回紹介するものは簡単であっても誤差が少ない。穴や丸棒の中心を簡単に見つけ出す。
 この動画を見て戴ければ、その効果の程はすぐお分かりになるはずだ。

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2010年12月18日

続 慣性を考える

 昔遊んだおもちゃの自動車のはずみ車は、車輪の回転速度の大体10倍から12倍位で廻っていた。全く怪しい構造のギヤボックスと、鉄板をプレス打ち抜きしたギヤの組合わせであったが、よく走った。しかしそのうちブラスのピニオンが擦り減って、御陀仏となった。小さい方の歯車が軟かい材料で作られているので、すぐ歯が無くなってしまう。そうすると、父は「ひどい設計だ。」と憤慨して、歯車を減っていない方に少しずらしてくれた。そうすれば、またしばらくの間走るようになったことを覚えている。このこともあって、歯車の組合せには人並み以上の注意が向くようになった。
 軸受も0.5mm厚以下の鉄板で、軟鋼の軸が嵌まっていた。摩擦が大きくてキーキー言った。しかし父にミシン油を注して貰うと、廊下の端から端まで、調子よく走った。エンジンオイルを使うと抵抗が大きくなることも分かった。
 
 回転体の慣性モーメントの計算は積分を使う数学の問題で出会った。工学を修めた方なら結果の式を暗記しているはずだ。筆者は覚えていないので、計算して求める。
 大事なことは角速度の2乗で効くことだ。2倍の速度で廻せば4倍になる。実はそれを現実のものにするために、現代の材料で、合理的な機構の試作を行っているところだ。運動エネルギを溜め込む装置が付けば、実物並みの慣性を持つ模型が出来る。これは筆者の高校生の時からの夢であった。いよいよその実現が近付いてきた。

duplicating a lever さてこの写真は、先日のレーザ・カットの失敗で挫折した部品を、手作りで増産しているところである。穴を開けてリーマを通し、シャフトを通して卦書く。ざっと荒取りしてシャフトを通し、ハンダで貼り重ねて周りを削り落す。
 久しぶりにフライス盤の前に立って数時間の作業である。最近はレーザに頼っていて、コツを忘れてしまったので時間が掛かるようになった。



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2008年11月02日

Dennis のWork Shop

Dennis' workshop Dennisの車庫には工作機械が並んでいる。一般人でもこの種の機械を持っている人はいる。あまり高級な機械ではない。台湾製の25年位前の機種である。しかし模型を作るには十分である。

 
 アメリカでは住宅地では三相交流の給電は難しい。単相三線の120、240Vしか来ていない。結線を見て驚いた。単相を擬似三相にするコンバータを付けている。小さなコイルと巨大なオイル・キャパシタを組み合わせた原始的なものであった。1本を進角させるだけのもので、2馬力程度なら何とかなるというが、効率はよくない。大きさは縦75cm、幅45cm、奥行20cm程度のものであるが、すごく重そうである。縦フライスの奥の壁に取り付けてあった。どこかで中古品を手に入れたらしい。

 今なら、インバータがあるからそれを採用すべきである。無断変速で急停止用のブレーキ回路まで付いたものが約3万円で買える。それを使えば、ベルトの掛替え、ギヤの切替えが要らなくなる。そのあたりのことは左のリンク先のSEC_SUZUKI氏に相談するとすぐ解決する。単相モータに比べて、三相モータはトルクが大きく、使いやすい。足踏みで急ブレーキが効くと安心でもある。また、起動が滑らかになり、ベルトの傷みも減る。
 単相電源から200Vの三相交流が作り出せ、なおかつ周波数が30〜90Hz程度まで無段階に変動させることが出来る。400Hzまで周波数を上げる事も出来るだろうが、それではモータが分解するだろう。設計の段階では想定していない条件ではあるが、1.5倍なら持つはずだ。入力を200Vのタイプを100Vで使うには、100Vを倍電圧検波(懐かしい言葉!!)する。
 ブレーキ回路は外部に抵抗をつけ、放熱させる必要がある。

 なんとなく、ディーゼル電気機関車のダイナミック・ブレーキを操作する気分でもある。

2007年11月27日

続 Milling Machine

Cradle Vise Palmgrenの万力は安くて確実で、重宝している。筆者は揺り篭型旋盤に取り付けて横フライスにするタイプを持っている。前者はどういうわけか「コーナン」というホームセンターで、安く売っている。後者は、アメリカでもとても高価である。

 PalmgrenはBillに勧められた品であり、満足のいく性能を持っている。



 旋盤の上にコラムをつけ、刃物台をX-Yテーブルとして使う、簡易フライス機能を持つ製品がある。

 見かけは一緒のように思うが、力の掛かり方の点では大きな差がある。刃物台は左右に動き力の掛かるところが変化する。フライスの場合はベッドが左右に動き、それを支えるベースは動かない。すなわち力の掛かる点が変化しないので、長いものを扱うことが出来る。もっとも、小さいものしか作らないときは何の問題もない。

 筆者のミリング・マシンは中国製である。アメリカの商社数社が、いろいろな仕様で輸入している。大きな違いは、スピンドルがR-8かMT3かである。他に送りネジが16TPIであるか20TPIであるとか、モータが120V用か240V用であるという違いがある。

 アメリカで各コンポーネントごとに分けて売っているので、それを買い、スーツケースに入れて持ち帰った。25kgずつに分けて4本であった。同行者に頼んで持ち帰った。

 現地で要らない物を捨てたがまだ重かった。税関検査で引っ掛かったが、蓋を開ければ「なーんだ」という顔をしていた。他にも車の部品をたくさん持っていたので、それで引っ掛かったということもある。帰国後、全てのネジを日本製のネジに取り替えた。首が折れるものがあるからである。



2007年11月25日

Milling Machine

Milling Machine フライスというのはドイツ語で、英語ではミリングマシンという。コラムに剛性がないと何の意味もない。筆者の機械は、コラムが傾けられると言うふれ込みで売られているようだが、コラムを傾けるより、ワーク(被工作物)を傾けるのが筋である。ベッドに乗っているのは傾斜万力である。PALMGRENブランドで、どういうわけか、これはアメリカで買うより日本での価格の方が安い。

 どうしても剛性不足なので20mmの鋼板を12mmのボルト4本で組み合わせて、コラムの後ろを支えてある。期待以上の結果で、筆者のようにブラスしか削らない者には十二分である。大きなものは外注する。

 三軸にDROをつけている。贅沢なようだが、失敗を防ぐ上で必ず役に立つ。刃物はなるべく短く取り付け、剛性が低くならないようにする。この写真ではたまたま長く持つ必要があって延ばしているが、正規の使い方ではない。実際はもっと低くする。

 原型が分かリにくくなるくらい改造してしまった。Z軸の上下はガスシリンダで支えて、勝手に落下しないようにしてある。ギヤは外して捨て、静粛なベルトドライヴにした。X軸は自動送りにしてある。これがあると仕事がきれいである。

 主軸はR8テーパで、付け外しが容易である。 この機械は総重量が約100kgである。本体は安いものであったが、改造費が本体価格よりはるかに高くなった。

Column Reinforcement アメリカにはこの機械の愛用者がたくさんいて、情報交換が盛んである。改造パーツの直販もしてくれる人がいる。

 本当はもう少し大きな機械が欲しかったのだが、重量が300kg を超えるのであきらめた。


2007年11月23日

End Mill

End Mill ラフカットとはこの写真の一番右の刃である。英語ではRoughing End Millという。粗取り専用である。実によく切れる。

 刃は、左から2枚刃、3枚刃、4枚刃で6枚刃もある。2枚刃は下穴なしで真下に切り込める。すなわち、ドリルの代わりになる。そういう点では便利であるが、刃が欠けやすい。刃の数が多くなれば一回に削る量が少ないので。事故は減る。

 この種の刃物は非常に高価だ。超硬合金の一体型など極めて高価なものである。筆者の場合は幸運なことにほとんどタダで貰ったものばかりだ。

 大きな自動車部品工場の廃棄物である。この種の工場では、刃物は定期的に交換する。刃物ごとの耐久時間が決まっているそうで、研ぎ直しをしないでそのまま捨てるのだそうだ。そのゴミ箱から拾ってきたものを貰う。

 ドリルの刃も、みな廃品を貰ってきたものばかりである。チャックの締めが悪くて、シャンクにちょっとでも傷が付いたら直ちに廃棄である。製品に不良品を出さないためには、そのような管理が必要なのだそうだ。

 筆者は長らく旋盤上のフライス作業をしていたが、それでは大きなものは出来ない。車輌のフレームを削りだすのは専用機が必要であった。やはり小さいながらも独立したものを持つべきだという事になった。
 

2006年09月15日

くさび

3a55bdd0.jpg これがMTを外すためのくさびである。これは必ず生の材料(要するに焼きが入っていない材料)で作れと教わったので、拾ってきた鋼材の端を切って作った。

 トングがついていれば楽に外せるが、もしこれがトング無しであるならと考えてみられよ。私の工具箱の中のMTのうち、大半はトングなしである。そのようなMTを使っていると外せなくなるというのは日常茶飯事であろう。
 
 運がよければ、引きネジの頭をプラスチック・ハンマで一撃すれば取れるだろう。それでも取れなければこれは悲劇である。

 イギリスの工具屋はMTをたくさん扱っている。上記のような問題を承知して使うよう勧めているのだろうか。アメリカではMTは人気が無い。

 イギリスにはMTの斜面を使ったコレットが市販されている。アメリカの商品にもある。これは良く締まるだろうが外しにくいだろう。しかもスピンドルの内側を毎回滑らせるわけだから、使用頻度が多くなると磨り減って、テーパが狂う。また、コレットは貫通型には作れないので長い材料は使えない。

 私はスピンドルのMTに嵌るコレット・スリーブを入れ、Cコレットを差し込んで使っている。コレットの引き棒は、当然中空で長い材料が貫通する。



2006年09月14日

モース・テーパとR-8

c2c479fc.jpg 旋盤のスピンドル(主軸)、テイル・ストック(心押台)の内側にはテーパがついている。たいていはモース・テーパ(日本ではモールス・テーパと発音する人が多い)である。以下「MT」と略す。
 他にはBSテーパとかJテーパなどがある。いずれも角度が緩く、はまり込むと自分の摩擦力で抜けにくくなるように設計されている。これを自己保持力(Selflock)という。


 写真の左はMT3テーパのスリーブである。スリーブというのは細いMT2のシャンク(軸)をMT3に嵌めるために太くするためのものである。日本で紹介されている(素人向けの)参考書には殆どMTを利用した製品の利用しか載っていない。素人向けに販売されている縦フライスのスピンドルもMT仕様である。
 
 そのためか、工作好きを対象にしたウェブサイトを見ていると、「MTのスピンドルからシャンクが抜けなくなりました。どうしたらよいでしょう。」というSOSが発せられているのを時々見かける。

 これはMTの性質上当然の結果であり、そのような使い方を推奨、あるいは他の方法を取りえない設計をしてしまった方に責任があると考える。

 Billにはこのように習った。「MTは抜くためのくさびが打ち込めないところには嵌めてはならない。くさびは押し出すためにある。MTを引っ張って抜こうとは考えるな。」
 
 この写真をご覧になればお分かりのように、縦に長い穴が作ってある。これはくさびを打ち込むためのものである。もしこのスリーブに細いMTのシャンクを挿し込んだ時、長穴から先端(トング)が見えない時は使うなということである。

 写真の右はR-8テーパである。これは角度が急であり、引張りを開放すればするりと抜ける。 ボール盤や縦フライスのように軸方向の力が掛かる所には適する構造である。これはMT3を差し込めるようになっているスリーブであり、これを持っているといろいろな工具を差し込める。

 日本ではこのようなR-8テーパを持つ縦フライスなどが、アマチュア用に市販されていない。おそらく日本中で「MTが抜けなくなった」という悲鳴が上がっているはずである。「棒を突っ込んで上から叩く」などと指南する人までいて、あちこちで精度の失われた機械が出現することになる。こういうときはスピンドルをばらして、油圧プレスで押し出す以外ないのだ。

 写真を見ればお分かりのようにR-8はMT3をちょうど包み込む大きさである。Billは「スピンドルがR-8の機械を買え。アマチュア向けにもたくさん工具が出ている。」と勧めてくれた。


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