旋盤

2017年10月14日

home-made Set-Tru

How it works 筆者はこのSet-Truが欲しかったが、何年も買えない時期が続いた。仕方がないから作ってみようと、寸法を当たってみた。

 細いネジは、M4くらいの鋼製ネジを使えるだろう。やや太い貫通孔はかなり大変だが、あけられると思った。その場所もないわけではない。

 問題は左のフランジの突出部が小さく、移動ネジが当たる場所がほとんど無いことであった。ネジ移動を諦めれば、コンコン叩いて移動できるから、それで我慢することもできる。

 大真面目でその作業工程を考えていたことがあるが、結局改良工作はせずに、Set-Tru に移行した。たまたまe-Bay で新古品が安く出ていて、競争無しで2万円ほどで手に入ったのだ。しかもアメリカ製であった。運が良かったとしか言いようがない。

 現在新品は、安い店でも10万円ほど出さないと買えないようだ。しかもポーランド製だ。品質は悪くないと思うが、高過ぎる。

 コレット、万力(vise)、正直板等は良いものが欲しい。昔のアメリカ製の新古品をいつも探している。

pine wood 2pine wood 3pine wood ところで、ブラスの材料置き場の敷き板として、こんな物を使っていたのを見つけた。
 30年ぶりに発掘されたのだ。さてこれは何であろうか。鉄道とは関係がないが、アメリカで少年期を送った方ならだれでも知っているだろう。ボーイスカウトに子供たちが誘われたときに、これを渡されて、親も手伝って参加せよと言われたのだ。 汚れはご容赦願いたい。
 いくつかお答を戴いているが、正答の発表は、しばらくお待ち願う。

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2017年10月12日

truing 3-jaw chuck

 以前にも書いたが、何人かの方から詳しく説明してほしい、という要望があった。この方法は町工場では広く行われている方法であり、難しいことではないが、旋盤の教科書ではまず見ない。

 条件としては、スピンドルがフランジを持つことである。要するに三爪チャックがそのフランジを覆うように嵌まり、ネジを主軸台側から締めるタイプであることだ。まず三爪チャックで各サイズの丸棒をつかみ、廻して振れを測定する。たとえば 0.5 mm振れていれば、チャックをある方向に 0.5 mm動かせばよい。

 三爪チャックがバックプレートを介して付けられているときは、手間はかかるが、細工は簡単だ。バックプレートのネジ穴を大きくする。
 振れを無くする方向にヤスリで削ってしまえばよい。沈め穴があるときはフライスで削る。なければドレメルでも削れるだろう。一回で成功することは難しいので、二、三回やってみて、具合を見る。バックプレートに段があるときは、下記の方法をおすすめする。小型旋盤にはこのバックプレートは無い場合が多い。

adjusting center バックプレート無しの場合は、スピンドル・フランジの外周を 0.5 mm削る。もちろん面取りを施す。チャックが、ごそごそと 1mm ほど動くだろう。その遊びの中で振れを吸収する。フランジの、ネジが通る穴をヤスリで少し大きくする。チャックをネジで軽く仮締めし、丸棒をくわえて廻す。振れが少なくなる方向に、チャックをプラスティック・ハンマで叩いてずらす。何度も測定して、誤差をゼロに持って行く。そこでネジを本締めしてできあがりだ。
 慣れると、この工程は2分でできるようになり、四爪に勝るとも劣らない精度を出せる。コレットを持たない人には具合が良い方法だと思う。

 この工程を心押し台方向からできるようにしたのが、Set-Tru chuckである。最小の5インチを手に入れたので、出来の悪い四爪は廃棄した。使うたびに腹の立つ思いをしていたので、ストレスが無くなった。現在新品を買おうと思うと、とんでもない価格である。程度の良い中古を探すべきだ。そうするとアメリカ製が買えるかもしれない。

 心を出すことを英語で truing という。 

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2017年10月06日

ミニ旋盤

Lathe この旋盤も無期限貸与ということになった。この写真は置いてみて、位置関係を調べたときのもので、ゴミだらけである。



 高級機ではないが、整備すれば十分使えるので、有難く受け取った。付属部品にコレットがあったので、コレット専用機として使うことにした。小物をある程度の量、細工するには便利なはずだ。
 三爪は使わないことにする。この国で作られたチャックは材質が軟らかく、締めたときにカツンと締まらないのが嫌だ。

 心が出ていないが、それは価格相応で、文句を言ってはいけない。この価格で心の出ている三爪チャックがあるわけがない。チャックだけに数万円ほど出して、日本製を手に入れれば話は別だ。通販サイトで、この機種に対する不満コメントにそれがたくさん見つかるが、常識がない人たちである。ヤトイを作るか、コレットか生爪を使うべきだ。あるいは、スピンドルのフランジをやや小さくして、チャック全体が少し動くようにし、ずらして締めるという高級テクニックもある。
 筆者が最初に買った旋盤は、ネジ込みのチャックだったので、その方法が採れなかった。1mm弱偏心していた三爪は、爪を砥石で擦って調整し、ある程度心を出した。

 旋盤というものは、使う人が工夫して使うべきもので、買ったらすぐ所定の性能が得られると思うのは間違いだ。しかし、精度を出す準備作業について書いてある手引書は、まず見ない。

collet chuck 筆者はこのような小型機は使ったことが無いので、練習が必要だ。いずれDROを付ける。
 この機種は、感心なことに、ベルトドライヴになっている。


 中国製の機械はどれも手触りが良くない。何を触ってもざらざらしていて、角が手に痛い。油目のヤスリで、すべての角を一舐めしてから、ゴム砥石で磨く。レイル磨き用のもので十分だ。

 丁寧に擦ると、つるつるしてくる。手になじむ感じがしてきたら、よく掃除する。砥石の粉があるといけないので、掃除機で丹念に掃除し、溶剤スプレイで洗い落とす。
 摺動部に注油して動かしてみた。ベアリングのガタを調べるために、快削材をコレットに銜えて表面を一舐めしてみる。十分な性能である。

 後ろのガードの背が足らないような気がする。Swarf (キリコ)がどのように飛ぶのか研究してから、追加を付けることになるだろう。

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2016年08月27日

gas engine

Greenfield Village (26) これがそのガス・エンジンである。gas motorとも言う。「〇×モータース」という言葉はここから来ている。アメリカではいまだによく聞く。diesel motorという言葉もある。

Greenfield Village (29) さて、エンジンはこの配置であったのだ。排気ガスは観客のほうに出て行ったらしく、途中で切れている。軸受は二つで、クランクケースはない。コンロッドやピストンの潤滑はどうしたのだろう。シリンダの中頃にパイプがある。そこから潤滑油を滴下したのであろう。油は飛び散り、ブロゥ・バイ・ガスはすさまじいものだったろう。点火プラグが見えないから、焼玉エンジンのようなものであったのかもしれない。窓を開けないと、とても運転できないだろう。
 当時は電気モータは非常に高価だったようだ。また直流送電の区域では大電流が取れず、使えなかったらしい。

Greenfield Village (25)  翼の組み立てはここで行われたのだ。堅い木を接続して作られ、ワイヤで引張って羽を捩じる工夫がある。細かい細工は自転車の技法を駆使してあり、自転車屋ならではである。

Greenfield Village (28) この一角にはボーリング中のガス・エンジンがある。4気筒だ。既存のものでは役に立たなかったので自作し、出力を上げている。この大きさでもせいぜい12馬力であるが、他の熱機関に比べると、対質量比で大きく勝っている。

 風洞では、揚力を羽の断面を変えながら測定していた様子が分かる。彼らは職人であると同時に科学者であった。考えながら作るというところが、他の挑戦者と大きく異なるところであったことを実感した。理屈だけではだめなのだ。

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2016年08月25日

Curator

 Henry Ford博物館の隣にあるGreenfield Villageは、古き良き時代のアメリカを再現している博物館である。明治村は、これの劣化コピィである。

 Edisonの研究所とか、Wright Brothersの自転車店もそのまま本物を移築して、内部も再現してある。エジソンの研究所には電池の開発のための、ありとあらゆる試作品があった。試薬瓶もかなりたくさん当時のものを置いてある。錫箔に録音した当時の機械を実際に作動させて、音声の再現を見せてくれる。ただしアルミ箔であった。

Greenfield Village (18)Greenfield Village (19) ライト兄弟は自転車屋を開いていて、その利益で飛行機の開発をした。当時の自転車はとても高く、現在の3000ドルほどもしたそうだ。だからこそ、開発資金が賄えたのだ。
 裏には自転車を加工する工場があり、その一角で飛行の原理を研究した。風洞なども当時の本物がある。研究ノートも再現してある。

Greenfield Village (23)Greenfield Village (22) 1989年に行ったとき、筆者はその工場の動力がないのに気が付いた。天井にはベルト駆動で旋盤、ボール盤を動かすシャフトがあるのに、どこにも動力がない。
 たまたまやって来たキュレイタに、
「この工場の動力は何を使っていたのですか。ないのはおかしい。」と聞いてみた。
 彼女は博士号を持つキュレイタで、
Greenfield Village (29)「確かにおかしいですね。蒸気機関はこの工場にはあまりにも大きすぎて維持が大変ですし、水車というのも考えられない場所です。小型の
gas engineかもしれない。」と言う。
ちなみにガスエンジンというのはガソリンエンジンのことである。
「とても素晴らしい質問です。早速調査して、今度お越しになるときには、納得のいく形にしておきます。」ということであった。
 今回はその確認もあって、楽しみにしていた。 

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2012年11月24日

Leo を訪ねて

812_6152 Leoは80歳だ。毎日地下の工作室で仕事をしている。それを邪魔したわけだから申し訳なかったが、訪問をとても喜んでくれた。
 この工作室で一番驚いたのは、工作機械の数だ。ボール盤は7台、旋盤5台、フライス盤は縦横合わせて4台ある。 あとはシァとかプレス機である。

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 どうしてこんなにたくさんの機械があるのかと聞いてみると、
「私はアマチュアではなかった。プロフェッショナルであったからだ。」という答えが返ってきた。詳しい話を聞くと、彼は超高級オーディオ装置の少量生産をしていたのだそうだ。アルミのシャーシに穴を開けるときには、一つずつやっていては大変なのでドリル毎にセッティングをして、次から次へと仕事をしていたのだそうだ。旋盤も同様で、刃物のセッティングを動かしたくなかったので、旋盤を増やした。フライスも同じことで、横フライスも必要になってしまったと言う。その理屈はよく分かる。しかし、この工作室の面積はせいぜい12畳ほどである。

812_6159-2 すでにその種の仕事をすることは無くなったので、半分くらいしか使っていない。どの機械もよく整備された状態で、いつでも使えるようになっている。ロータリィテーブルやジグなどもたくさんある。
 筆者のように12個以上の生産をしないと決めている人の工作室は単純であるが、量産をする人の仕事場は複雑怪奇で面白い。

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2012年06月14日

続 Stuを訪ねて

 Stuの機械は全てリビルトされている。運び込むときにバラしてしまうので、ついでに自分の思うように改良してしまうのだ。
COM_4326-2COM_4328-2COM_4338-2 この旋盤は三相交流で動いていたが、ゴルフカート用の大型直流モータが安く手に入ったので、直流サーボモータ駆動にしてしまった。回転速度は自由に変えられる。トルクは信じられないほど大きい。彼はインヴァータ制御より、信頼できると言う。刃物台に触った感触は素晴らしく、バックラッシュは感じられない。こういう旋盤が欲しい。
 電磁クラッチ2個で減速率の変化をさせるようにしてある。巧妙な仕掛けである。
 左手の木製の丸ハンドルは、コレット・クローザ(コレットを締めるもの)である。

COM_4331-2COM_4339-2 自分の旋盤をどのように整備すればこの状態に保てるか、しばし考え込んでしまった。 旋盤は大小3種類ある。どれも使いこまれ、ピカピカである。大は小を兼ねないので、小さい旋盤も欲しい。しかし、市販の小型旋盤にこの旋盤ほどの性能があるかは、大いに疑問である。

COM_4340-2COM_4329-2 コレットは5Cの規格をフルセットで持っている。筆者は3Cであるから、少しこちらの方が大きい。リーマもかなりたくさんの寸法を持っていて、必要に応じて使えるようになっている。

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2012年06月12日

Stu を訪ねて

COM_4320-2 Stu Kleinschmidtは名だたる精密工作屋である。名字からして「小さな鍛冶屋」であることに興味を持った。彼の名前はもう30年以上も前から知っていた。時々会うが、なかなか気難しい男で話ができなかった。StuはStewartの短縮型である。

 シカゴの会合で祖父江氏の業績を伝えるプレゼンテイションをすることになって、それが告知された途端に問い合わせがあった。「参加したい。期待している。」ということであった。
 その席上、「Mr.Sofueは偉大だ。尊敬している。」という発言があり、その後筆者のテーブルに現れて、1時間ほど色々な話をした。
 「一度お宅に伺いたいが、」と申し出ると、「ぜひとも来てくれ、明日の午後はどうか。」ということになった。

 道を説明してくれたが、「GPSがある。」というと「すぐ来られるよ。」ということであった。
 実のところは大変手間取った。もらった名刺の住所にミスプリントがあったのだ。近くで何度か聞いて、1時間遅れで到着した。
COM_4412-2 先方は首を長くして待っていた。玄関先に来ていた荷物の住所は、筆者の受け取った間違った住所であったので、聞くと、「運送会社は間違いを知っているから問題なく配達される。」と言った。筆者の到着が遅れたので、「訂正してない名刺を渡したことに気がついた。」と言う。
 
 クラインシュミット氏は親が電気機械の製作修理をしていたらしい。幼少の頃から家業を手伝った。「アメリカ製の電気器具は全て直せる。」と自負している。真空管式の各種のラジオ、アンプ、無線機が大量に置いてある。全て完動品である。未使用の真空管もどっさりあった。

 工作機械は全てアメリカ製とドイツ製である。その数も凄い。ちょっとした町工場である。かなり大きな旋盤が、地下室にある。どうやって入れたのかと聞くと、全てばらして小さくして運び込んだ。「最大200ポンド(100kg弱)にすれば、滑らせて入れられるさ。」とのことである。出すことは考えていないようだ。

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2012年04月19日

続々 友人 Harmon

COM_3838 ハーマンは大量の図面を持っている。全て本物の図面だ。それを元に作っているので正確そのものの模型である。洋白材の丸棒、角材、板が大量にあった。

 旋盤はもう一つあり、それは7 × 10である。7とは回転させられる最大径のインチであり、175mm程度である。
10は10インチの長さのものまで回転させることができるという意味である。最近買ったというのだが、調子が悪いので使いたくないと言う。

 調べてみると刃物台のgib(いわゆるカミソリ)の調整が良くない。また、それを留めるネジの穴の周りが膨らんでいる。間抜けなことにこの中国製の旋盤は、刃物台を仕上げてからネジを切っている。タップが通れば塑性変形も起こるので、ネジ穴が膨らみ、よそに当たっている。
 全てばらして、研ぎ直し、カミソリも800番のサンドペーパの上でバリを取り、良く油を付けて拭き取った。これを組立てたところ、非常に調子が良くなり彼は大喜びだ。ちょっとしたことなのだが、それが出来ていない旋盤など使えないのは当然である。
「中国製だから駄目なのかと思っていたが、そうではなかった。」
という言葉が出てきたのは意外であった。 
「この整備法を友達に教えてあげるといいよ。」と言うと、
「もちろんだ」ということになった。

COM_3842 sCOM_3840 s これは動輪の組立ジグである。へその部分が凹むので、挟んで締めれば出来上がりである。自作品である。
ブラスが使ってあるので、あまり頻度高く使うと、変形するであろう。アマチュア用である。プロ用は別の場所で見たが、全て鋼製である。
 プレスはラックを使ったタイプでアメリカには良くあるが、日本ではほとんど見ない。

COM_3844 s 最後にこのエプロンをご覧戴きたい。
 裾にベルクロ(いわゆるマジックテープ)が付いていて、机の下のテープと噛みあう。仕事を始める前にエプロンを仕事台と結びつければ、部品が無くならないと言う。

後記 鹿ケ谷氏のサイトに写真入りの説明があるので、それをご覧戴くと分かりやすいと思う。

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2011年07月31日

続々 ロクロ作業

 ロクロ屋さんは家内工業である。職業訓練を受けた人はまずいなかった。全て、見よう見まねで行われていた。中学を出たばかりの小僧の仕事は油注し(さし)である。
 前回の穴に油を注す仕事である。二人の作業者の間に居て両方の工具に油を注す。うっかりすると焼き付くので、親方に怒鳴られながら油を注していたのを見たことがある。2,3年経つとハシを持たせてもらえる。はじめは切断ばかりやらされているが、そのうち、段付けやネジ立てをさせてもらえるようになり、何年か経つとのれん分けしてもらったようだ。

 筆者が子供のころ(昭和30年代)見たのは水道部品を作っているところで、いわゆるコマ(水を止める部品)を作っていた。ブラスの丸棒を銜えて、段削り、タップ立て、切断を繰り返していた。材料の8割は切り粉になる。凄まじい勢いでダライ粉が溜まった。それをリヤカーで運んでいた。ダライ粉には他のものが混じらないように注意していた。持って行く前には、磁石で鉄粉が入っていないか調べていた。

 大量生産品には、比較的まともなバイトを使っていたが、少量品は刃先をハンダ付けしたものであった。少し削って刃先の様子を確認してハンダ付けの位置をずらす。極めて怪しい方法であるが、それでも100個や200個は問題なく削れる。

 この方法は筆者も使っている。ハイス製の突っ切りバイトが折れたものを捨てるのはもったいないので、S45Cのキィ材の切れ端にハンダ付けして使う。相手が快削材であるから問題なく削れるし、もし剥がれても、下に落ちるので危険ではない(剥がれたことは今のところない)。
 彼らはハイス(高速度鋼)など使っていなかったと思う。色から考えると今でいうSK2あたりだ。ノミやカンナの刃を作る材料である。グラインダなどというものはなく、手で砥石を使って研いでいた。
 少し規模の大きいところは工場の片隅にコークス炉があって、フイゴを使い、鋼を赤めて簡易鍛冶屋をやっていた。それくらいの規模になるとグラインダを持っていた。

 ロクロ屋の機械は全て手作りで、既製品というものはなかったように思う。工場によって全く違うものを使っていた。根本的には廻る材料があって、それに食いつくハシがあれば仕事ができるということになる。この仕事が世の中から消えてしまったのは昭和40年くらいではないかと思う。いくつかの町工場は老齢化で廃業し、残りは旋盤を買って近代産業へと成長した。

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2011年07月27日

ロクロ作業

 ロクロは旋盤の一種であるが、堅固なベッドを持たない。ロクロ屋さんは日本中にたくさんあったが、その作業を記録したものにはほとんどお目に掛からない。今回伊藤氏を訪ねたのはそれを記録するためである。
1406 これがロクロ作業の「ハシ」と呼ばれる工具である。ワークが差し込まれる孔と刃物を移動させるためのテコを組み合わせただけのものである。この写真ではワークは左から差し込まれる。握りには刃物の動く限度を決めるストッパがついている。
 これは一定の長さで切断するための工具である。これ以外にも目的に応じて種々の「ハシ」があり、ネジ切り専用のダイスをはめる「ハシ」もある。
1403 裏側から見てみよう。右から材料が差し込まれる。ストッパが刃物であり、限度まで強く差し込まれたワークは、端面削りされる。ワークをいったん少し戻し、もう一度差し込む。そこですかさず工具を握ると、切断刃物が動いて切り離される。こう書けば簡単であるが、実はここには面倒なことがある。切断刃物の動く軌跡は円であり、材料に対して直角に動くわけではない。切り込んでいくと微妙に長さが変化する。バーサインが出てくるからである。
14041407 この設定だと長さ数mmの円筒形の部品ができるようだ。切断面が垂直になるためには、長さ方向のストッパが動く必要がある。切断刃物が食い込むと、刃先は切り込むが刃の片方の側面には刃がなく、ワークを横に逃がすための微妙な丸みが付いている。その部分で、仕上がる部品の側面を押しながら刃が食い込む。バーサインで、材料はストッパ方向に少し押し込まれる。上から2枚目の写真のストッパには長穴が付いていて多少動くようになっているのがお分かりであろう。これは適度の強さのバネで押されている。切断に伴い長手方向に動くのをこれで許容する。刃物の反対側の側面には刃が付いていて、材料の端面は多少削れて平面ではなくなるが、それは次の最初の工程で仕上げられるから問題ない。

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2010年05月06日

CDCO

Mr. Frank Fan CDCOをご存じだろうか。中国製の安い工具を売っている店だ。シカゴのオヘア空港の近くにある。倉庫街に事務所を置いて、通信販売をしている。価格は、まず一番安いと思われる。
 品物は良くないものもあるが、総じて合格である。この店とは結構長くお付き合いしている。友人に頼まれたものは、大抵ここで買っている。
 重いものが多いので、アメリカに行くときに注文して、アメリカ国内の友人宅に送って貰う。それを持ち帰る。
 今までで一番重かったのは8インチのスクロール・チャックである。20キロ以上あった。木箱に入っていて、荷物検査で引っ掛かって1時間以上待たされた。その他、割り出し盤とか重いものばかりを友人のために買っている。

 刃物類はあまり感心しないが、ブラスを削る分には何の問題もない。そういう意味でお勧めする。ジグ製作などでで鋼を工作する時は、日本製の刃物を買う必要があるだろう。

 長年お付き合いしていても一度も会ったことがないので、今回は事前に訪問予定を知らせておいた。大歓迎してくれて驚いた。おそらく、誰とも会わずに仕事をしているのだろうと思う。こんな笑顔で握手した。また重いものばかり買ったので、スーツケースは空港で開けて検査された。
 QCTP(刃物台で刃の高さを毎回合わせなくても、カートリッジごと嵌めかえればよい工夫)を安く売っている。筆者は20個も持っている。
 この店のホームページでMachine Tool toolingをクリックし、Lathe Toolingを選択すると最初に出てくる。

 みなさん御贔屓に。 

2008年11月02日

Dennis のWork Shop

Dennis' workshop Dennisの車庫には工作機械が並んでいる。一般人でもこの種の機械を持っている人はいる。あまり高級な機械ではない。台湾製の25年位前の機種である。しかし模型を作るには十分である。

 
 アメリカでは住宅地では三相交流の給電は難しい。単相三線の120、240Vしか来ていない。結線を見て驚いた。単相を擬似三相にするコンバータを付けている。小さなコイルと巨大なオイル・キャパシタを組み合わせた原始的なものであった。1本を進角させるだけのもので、2馬力程度なら何とかなるというが、効率はよくない。大きさは縦75cm、幅45cm、奥行20cm程度のものであるが、すごく重そうである。縦フライスの奥の壁に取り付けてあった。どこかで中古品を手に入れたらしい。

 今なら、インバータがあるからそれを採用すべきである。無断変速で急停止用のブレーキ回路まで付いたものが約3万円で買える。それを使えば、ベルトの掛替え、ギヤの切替えが要らなくなる。そのあたりのことは左のリンク先のSEC_SUZUKI氏に相談するとすぐ解決する。単相モータに比べて、三相モータはトルクが大きく、使いやすい。足踏みで急ブレーキが効くと安心でもある。また、起動が滑らかになり、ベルトの傷みも減る。
 単相電源から200Vの三相交流が作り出せ、なおかつ周波数が30〜90Hz程度まで無段階に変動させることが出来る。400Hzまで周波数を上げる事も出来るだろうが、それではモータが分解するだろう。設計の段階では想定していない条件ではあるが、1.5倍なら持つはずだ。入力を200Vのタイプを100Vで使うには、100Vを倍電圧検波(懐かしい言葉!!)する。
 ブレーキ回路は外部に抵抗をつけ、放熱させる必要がある。

 なんとなく、ディーゼル電気機関車のダイナミック・ブレーキを操作する気分でもある。

2008年01月26日

段付きネジを作る

段付きねじ
旋盤で快削ブラスを削るのは気持ちがよい。

 写真の段付きネジである。台車の側枠を台車ボルスタに付けるネジである。鉄道模型にはいろいろな場面で段付きネジが利用される。回転を許し、外れないようにすることが多いからだ。台車のキングピンも段付きネジにすれば簡単である。頭の溝は鋸でつけるので、あまりきれいではない。本当はスリ割りのカッタでの工作が必要であるが、面倒なのでやらない。

 オークションやスワップ・ミートで手に入る部品は、このような段付きネジが無くなっているものが多い。当然、価値が下がり、安く手に入る。それを活用するためにはネジを作る必要がある。アメリカの友人にも頼まれてよく作る。彼らにはメートルネジが手に入り難いからだろう。

 このような工作にはDROが役に立つ。数字だけ見ていればいくつでも簡単に削れる。

 ネジを切るには、写真のダイス・ホルダを使う。これは自作で、1インチ径のダイスが保持できる。旋盤のスイッチを切り、主軸が止まりかけた時、心押し台を使って押し付ける。3,4回転して止まるが、それまでにネジは切れている。場合によっては足らないときがあるが、手で回して出来上がる。主軸の慣性を使うと、下手をするとねじ切りそうに感じるが、それまでにネジが進むのでモース・テーパが抜き取られて停止する。実に簡単である。

 この台車は昭和30年代に作られたもので、砂鋳物に機械加工して、コイニングで作った部品をハンダ付けしたものである。ボルスタでイコライズして、軸バネ可動という凝ったつくりで、実によく走る。ネジはISOではなく、JISであり、ピッチが大きい。この時代のものを修理するには、各種のタップやダイスが必要である。

2007年10月04日

旋盤の価格

 KKCの皆さんの御意見は一致している。旋盤を持つべきだ。ブラスの機関車一台分で、旋盤が買える。その通りである。

 旋盤があれば何でも出来る。やろうと思えば、フライス盤の代わりをさせることもできる。旋盤を持つと、いろいろなアタッチメントが欲しくなる。おそらく本体以上に出費することになるだろう。そこまでそろえれば、模型屋通いが減る。ほとんど自分で出来るからだ。その後の出費はかなり少なくなるだろう。

 材料はクズ屋で調達できる。筆者は新品の材料はほとんど使わない。切れ端を目方で買ってくればよいのだ。大きな切れ端から作るには大きな旋盤が要るから、旋盤の大きさに応じた買い物をする必要がある。

 旋盤は工作物に応じた大きさが必要だ。大は小を兼ねないし、その逆も言える。筆者の旋盤は心間600ミリ、ベッド上の振り直径が180mmである。改造に次ぐ改造で、かなり原型から遠ざかっている。手を入れた機械は、自分の一部のようなものだ。

 旋盤の部品は、ネットオークションで安く調達できる場合もある。

 このような旋盤工作の達人たちのサイトがいくつかあるのでそれを見てアイデアを頂戴する。もっとも、そのようなアイデアは、ほとんどが長らく現場で伝えられて来たものであろう。

 鉄道模型は造形の美を楽しむだけではない。正しく走らなければならない。それには旋盤を使った工作が不可欠である。


2007年10月02日

ドリルレース

 ドリルレース(Drill Lathe)という言葉があった。最近はとんと聞かないから、死語になってしまったようだ。
 要するに電動ドリルのチャックにワーク(工作物)を取り付け、回転させておいてヤスリを押し付ける。昔のTMSにはよく紹介されていた技法である。やってみたけれど、ヤスリに切り粉が完全に詰まってしまう。ヤスリを動かしながらやってみても、うまく行かない。

 ヤスリは次々と新しい刃が接触しながら移動する様に作られているから、同じ刃にワークがこすり付けられることを想定していない。ロクロならば固定された刃で削るのだから、旋盤と同じだ。

 金鋸の刃を折ったものを研いで、それでやってみるとうまく行くが、刃先が安定しなかった。仕方がないので刃物を載せる簡単な台を作ってみた。何のことはない。一種の旋盤である。
 よし、旋盤を買おう、ということになって小型旋盤を入手した。その旋盤は、引っ越すとき神戸の友人に貸してそのままになっていたところ、地震で壊滅した。現在のは3代目である。

 著名な模型人で、ドリルレースで何でも出来ると強調される方がいらした。素晴らしい工作ではあったが、走るところは見たことがなかった。あるとき、初めてその走行を見るチャンスがあった。驚いたことに、動輪の芯が出ていない。ぐらぐらと揺れながら走った。見てはいけない物を見てしまったような気がした。

 その後、何を思われたか、その方は筆者に話しかけてきた。

「『ドリルレースで何でも出来る』というのは、あれは私の強がりだった。反省している。旋盤を購入すべきだった。しかしもう遅い。私にはもう時間がない。あなたは偉い。最初から旋盤を使っている。それが正しい。私にはそれを褒める勇気がなかった。旋盤の価格など知れていたのに。」

 心に残る言葉であった。その後まもなく、その方は亡くなられた。

2006年10月29日

NC旋盤屋

improved frog 当初、RP25でどの程度の走行抵抗があるのか調べたくなった。材質を、摩擦の少ないステンレスにするとどうなるのかも、興味があるところであった。

 材料の自動供給装置付きNC旋盤をもつ旋盤屋を「量産屋」という。量産屋を訪ね歩いて、見積もりを取り、とりあえず発注した。こういうときは「現金、領収書なし」というのは大変効果がある。かなり安い値段で引き受けてくれた。もちろん1000軸単位でしか引き受けてくれない。友人と連絡をとってかなりの数を注文した。
 
 受け取った友人はみな大喜びであった。SUS303ステンレス製のRP25など、どこにも売っていないのだから。しかも原価で頒けたので、価格は信じられないほど安かった。

 しかし、筆者は走行テストを繰り返した結果、まだまだ性能アップの可能性はあると踏んでいた。そういうときに、吉岡精一氏からの助言により、大いに力づけられたのだ。

 フランジ形状のみならず、「ユルミ」まで踏み込んだ検討は、当初の予定を超えていた。「ユルミ」を減らすと、踏面の幅を減らすことができる。RP25の踏面はどう考えても分厚すぎるから、これはありがたかった。これで前面から見た車輪の形状は、かなり改善された。

 吉岡氏との連絡を密にして検討を繰り返した結果、決定版というべきものが生まれた。これを1万軸作ることにした。再度友人からの注文を取り、余ったら海外にも紹介するという予定であったが、殆ど国内で捌けてしまった。しかもあっという間に。

 3年後に「再度作ってくれ」と云う人が多かったので、その量産屋に行ってみたら、更地になっていた。倒産して夜逃げした、と近所の人が教えてくれた。残念至極である。

 同じ質量の車両に同じ台車を付け、筆者のレイアウトのエンドレス上で、突放して停止するまでの走行距離を測定するテストを、繰り返し行った。やはり、RP25の2/3の抵抗しか無いことが判明した。同じ列車でもカーブ上で五割増しの牽引輌数ということになる。

 曲線上でもLow-D車輪では100両以上の牽引が可能であることが証明されたのである。
 Low-Dとは"Low Drag"すなわち低摩擦のことである。

 写真はフランジウェイが狭いフログ。車輪が落ち込まない。しかし、ガードレイル側は少し広くせねばならない。

2006年09月28日

太くなるヤトイ

6afeab18.jpg モッチー様が正解である。よくおわかりになられたと思う。あまりよい写真ではないがこれで勘弁願いたい。
 英語ではExpanding Mandrelという。快削材で出来ていて、簡単に所定の太さに削れる。そうしてロック・スクリュウを締めれば多少広がって固定される。つかみ様のないパイプ状のものには適する。
 機関車のタイヤを削る時には不可欠である。

 
 さてJan Lorenzen氏のキットの話に戻ろう。彼のキットはいわゆるエッチング・キットである。昔鉄道模型社が出していたようなものと言えば、お分かりになる方もいらっしゃるであろう。非常に緻密に考えられたキットで、平面を組み合わせて三次元の模型を構成する。思わぬところで接合させるので、意外性があって面白い。

 「機関車のキャブの窓枠が、機関士の視線の高さで接合される」と言ったら、信じて戴けるであろうか。当然、添え木を当てることになるがうまく接合されている。

 Janには一度しか会ったことはない。ありとあらゆる機関車、貨車のエッチング・キットを作り出している。しかし、下回りはどれもこれも感心しない。聞くところによると、建築の方の出身で機械工学は知らないと言う。さもありなんという感じである。コンピュータを一切使わず、すべて手で計算して、原図も手で書くと言っていた。

 まだ、組んでいない彼のキットがいくつかあり、下回りの設計に頭を悩ませている。最終的に下回りは捨てて、自分で作ることになる。

2006年09月25日

続々QCTP

a88cd98a.jpg これはQCTPにつける自作アタッチメントである。複合刃物台の角度が、平行かどうかを確認するためのものである。これは日本製の高級品がつけてある。

 ダイヤルゲージをテスト・バァに当て、刃物台をスライドさせればすぐわかる。もちろんその前にチャックの心が出ているかをこれで確認する。

 今まで面倒な方法でダイヤルゲージを当てていたが、これさえあればたちまち完了する。

 最近中国製のダイヤルゲージがとても安く手に入る。心の振れを見るぐらいなら、何の問題もなく使える。磁石のついた自在台もこれまた安い。こういうものは使えればよいので、アマチュアには低価格はありがたい。目盛りがミリでもインチでも関係がない。動けばよいからだ。
 何種類ものダイヤルゲージを買ってしまった。内径用のインジケータはアタッチメントがいろいろあり、工夫してその組み合わせを考えるだけでも楽しい。

 先ごろ核兵器開発に使える超高級精密測定機器を、低級品と偽装して輸出した件で検挙された会社も、売上をかなり食われていると推察する。最近はかなりの赤字だったらしい。この値段で売られてはたまらないだろう。

 QCTPのカートリッジには、他に綾目のローレットを切るための専用のものもある。2つのローラーがついている。高さを無段階に変化させられるので、先端が首を振らなくても、アタリを均等に設定できて都合が良い。

2006年09月24日

続QCTP 内径削り

13047d7d.jpg 鉄砲鍛冶という仕事は内径削りの作業が多い。あまり詳しく書くと、読者の中で逮捕者が出る可能性があって書けない。ほんのさわりの部分だけにしておく。

 Billの内グリ作業を見学していると、ただひたすら、「刃物を高くせよ」という。刃物は切削によりたわむから、ちょうど中心を通る水平線上に刃物があると食い込んでしまう。その結果えぐった内径が大きくなってしまうから始末が悪い。

 高く保つと、たわんでも刃が工作物から逃げる方向に行くので安心である。角バイトよりも、このような丸いバイトの方が、刃先の角度を調節できるので便利である。この写真では見えないが簡単に目盛りをつけて角度を覚え易くしてある。 

 QCTPは内グリ時には大いに威力を発揮する。刃物をZ軸方向のみならずY軸方向にもネジで動かせるので、高さの調整をしやすい。これがシムによる調整だけではとても難しい。BillはQCTPではなく、特製の内グリ用刃物台で高さを決めていた。

 昨日の写真で心押台に付いている銀色の丸いものは何かという質問を戴いた。それは傘センタ(Bull Nose Live Centerという)である。大きな丸い穴が空いている物に押し込むことによって安定保持ができる。作っても良かったが、安いものなので完成品を買った。パイプを切ったりするときは不可欠である。

 その写真では複合刃物台のDROの取付け法も分かる。多少傾けてあるので見やすい。

2006年09月23日

QCTP

5a17a1f0.jpg  QCTPというのはQuick Change Tool Postのことである。旋盤の刃物台の一部を瞬時に取り替えられる工夫である。

 旋盤作業で面倒なのは、刃先の高さを合わせる作業だ。刃物の下に敷くシムをたくさん用意しておいて、刃物を締め付ける。切粉が入ると誤差を生じて面倒なことになる。

 QCTPはひとつの刃物ごとに高さをネジで調節してロックする装置がついている。ということはどの刃物も取り替えただけで刃先の高さが合う。

 これは大変な変化をもたらす。作業時間が大幅に短縮されるのだ。今まで刃物を3回取り替えれば、そのたびに数分間が無駄に費やされ、合計15分ほどは仕事をしていない。QCTPならその時間が限りなくゼロに近くなる。

 刃物を取り付ける部分(カートリッジという)を刃物の数だけ持っていると良い。以前はそれがかなり高価で、なかなか買えなかったが、現在は中国製の廉価版が出ている。たくさん買っても、悩まなくて良い価格であるので、20個ほど持っている。上にあるネジを廻して高さを決め、ロックナットで固定する。

 カートリッジはいろいろな形があり、角バイトをはさむ形はもちろんのこと、丸い刃物を保持するものとか、突っ切りバイトを保持するものなどがある。

 どれもかなり出来がよい。完全な互換性があるので番号さえ間違えなければ、どのメーカの部品も合う。

 ツール・ポストはピストン式といって上のレバを廻すと1mm程度飛び出してくる。するとカートリッジが斜面に密着して固定されるのだ。


2006年09月19日

Self-Ejecting Chuck Wrench

e75a0824.jpg これは旋盤のチャックを締めるハンドルであるが、小さいスプリングがつけてあるのがミソである。

 旋盤を持っている人なら、どなたも一度や二度はハンドルを挿したまま起動させて、冷や汗をかいた経験がおありではないだろうか。
 
 Billの旋盤では、このスプリング付きのハンドルを使った。手を放せば飛び出してくるのである。
 うまい工夫だと感心していたら、「そんなもの、戦争前からあるぞ。」と言われてしまった。日本ではまず見ないように思うが、いかがだろうか。Bisonの製品はこんな形である。

 筆者のチャック・ハンドルには、スプリングをはめるのに適する細くなった部分があるので、適当なスプリングをはめて使っている。あまり堅いスプリングでは押し込みにくいので、かなり柔らかい物を使うのが良いようだ。

 ボール盤のドリル・チャックのハンドルを、挿したまま起動することもたまにある。鎖でぶら下げてあるので飛んでくる心配はまず無いが、かなりびっくりする。これも同じ理屈で出来ないかと試作したが大変調子が悪い。太くなりすぎて良くない。
 中心の部分が、ぴょんと飛び出るようにできればいいのだが、熱処理してあって穴をあけるのは難しそうだ。焼きなまして加工してみようと思っていたら市販品があった。
 ただし、これはかなり大きなキィである。小さいのを作ってみたいものだ。人間の考えることは世の東西を問わず、みな一緒であると納得した。

2006年09月18日

Z軸 DRO

7c283d38.jpg どうしても目盛りが半分に表示される装置が欲しいので、電子工学の専門家のK・K氏に頼んだ。二つ返事で作ってくれた。

 これがその装置である。任意の場所でゼロを設定することが出来、直径および半径の差分が表示される。

 これを使うと便利な事この上無い。あと0.02mm削るなどという切削も訳なくできる。これを導入してから殆ど失敗が無くなった。

 このような便利な装置がどうして売られていないのだろうと調べてみたら、三軸DROを買えばその機能が付いていることがわかった。しかしとても高価だ。


 しばらく前に写した写真であまり整頓していないところはお許し戴きたい。
 写真の右奥が昨日の説明の心押台である。4インチ(100mm)のノギスをちょん切り、ブラスのリング状のスクラップと角材で作った支持台につけた。見やすいように角度をつけてある。2時間の工作である。
 X軸は6インチ(15cm)のノギスをつけた。これもジャンク箱を探してそれらしい部品を介してつけた。
 Z軸はK・K氏に戴いた物で、Mitutoyoの高級品であった。デジタル出力を強引に取り出してある。



2006年09月17日

”DRO"について

bc373a4d.jpg これがC型コレットとクローザ(締めるもの)である。主軸を貫通して締める。中空軸であるから長材を通したまま、つかめる。入手したものに少々の加工を施して筆者の旋盤に合わせた。

 ブラス色のものは前述のEmergency Colletで好きな太さの穴をあけて使える。今はミリサイズの穴を空けて使っている。

 今日の表題のDROとはDigital Read Outのことである。すなわちデジタル読み取り装置だ。普通、こういう装置は20万円以上するものだ。しかしいくらなんでも高すぎる。
 

 筆者はインチサイズの旋盤を使用している。インチのネジが手に入りにくかったので自分で作るには便利であった。しかし、そのようなネジも日本で簡単に手に入るようになり、わざわざ自分で作ることも無くなった。 車軸はミリ規格だし、いちいち換算して作るのが面倒になってきた。送りネジをメートルネジに取り替えればメートル法の旋盤になる。この際、取り替えてみようかと考え始めた。

 そんな時、中国製のデジタル・ノギスが異常な安さでアメリカで市販され始めた。1本20ドル以下なら迷うことも無い。たくさん買って友達に分けたりした。4インチ、6インチのノギスを旋盤に当ててみたらどうやら使えそうだ。それでは、DROを限りなく安く作ろうということになった。ノギスの首をはねて、取り付け金具を介して固定するのだ。そうすれば、インチもミリも両方同時に使える。

 心押台のドリルの進み代は今まで、1回、2回と数を数えてこの目盛りまでという具合で加工していた。それをデジタルで直読できればありがたい。いつでも0に戻せるので、0起点からの深さがすぐ出る。思いついたその日に作ってしまった。

 次はX軸である。これも訳なく作れた。Z軸(前後方向、つまり工作物の太さの方向)には参ってしまった。取りつけたは良いが、1mm進むと直径は2mm細くなる。今まで失敗したことが無いのに、DROをつけたら余計に失敗するのである。どうしても数字を信用してしまうからである。だから、直径をあと0.05mm削るところを0.10ミリ削ってしまうことが多くなった。
 しかも、もう材料が無いものに限って失敗して、頭を抱える羽目になる。どうしても刃物が進む量の二倍を表示するものが必要である。

2006年09月16日

コレット

9790f6f0.jpg これは私の持っているコレットのカタログである。 すでに30年は経って印刷も変色している。

 引棒はステンレス製で握りに荒いローレットが刻まれている。コレットは中古をE-bayで探して買い集めている。どうしてもミリサイズも要るので、それは新品を買わねばならない。

 下の列の中央がコレット・スリーブである。MTにはめて使う。

 主軸が回転中に、このコレットを開閉する装置もあるが、私は量産はしないので買わなかった。メカ的には面白そうで欲しかったが…。

 この種の旋盤付属品はE-bayを見ているといくらでも手に入る。問題は発送方法と送り先で、殆どが海外には発送しませんとある。たまに海外発送するとあっても、航空貨物に限るとある。それは大物で高価な品なら十分に引き合うが、安い小物では贅沢すぎる。

 仕方が無いので、友達に頼み込んで受取人になって貰う。幾つか集まったら再発送を頼んだり、現地に行く用事があれば取りにいく。いつぞやは工具を50kgも頼んでしまい、スーツケースに木箱ごと入れておいたら検査で引っかかり、一時間も調べられてしまった。

 どうしてもミリ規格の工具が要る時は仕方が無いが、切削工具はインチ・サイズで問題ない。その方がトータルでは安くつくのは間違いない。

2006年09月15日

くさび

3a55bdd0.jpg これがMTを外すためのくさびである。これは必ず生の材料(要するに焼きが入っていない材料)で作れと教わったので、拾ってきた鋼材の端を切って作った。

 トングがついていれば楽に外せるが、もしこれがトング無しであるならと考えてみられよ。私の工具箱の中のMTのうち、大半はトングなしである。そのようなMTを使っていると外せなくなるというのは日常茶飯事であろう。
 
 運がよければ、引きネジの頭をプラスチック・ハンマで一撃すれば取れるだろう。それでも取れなければこれは悲劇である。

 イギリスの工具屋はMTをたくさん扱っている。上記のような問題を承知して使うよう勧めているのだろうか。アメリカではMTは人気が無い。

 イギリスにはMTの斜面を使ったコレットが市販されている。アメリカの商品にもある。これは良く締まるだろうが外しにくいだろう。しかもスピンドルの内側を毎回滑らせるわけだから、使用頻度が多くなると磨り減って、テーパが狂う。また、コレットは貫通型には作れないので長い材料は使えない。

 私はスピンドルのMTに嵌るコレット・スリーブを入れ、Cコレットを差し込んで使っている。コレットの引き棒は、当然中空で長い材料が貫通する。



2006年09月14日

モース・テーパとR-8

c2c479fc.jpg 旋盤のスピンドル(主軸)、テイル・ストック(心押台)の内側にはテーパがついている。たいていはモース・テーパ(日本ではモールス・テーパと発音する人が多い)である。以下「MT」と略す。
 他にはBSテーパとかJテーパなどがある。いずれも角度が緩く、はまり込むと自分の摩擦力で抜けにくくなるように設計されている。これを自己保持力(Selflock)という。


 写真の左はMT3テーパのスリーブである。スリーブというのは細いMT2のシャンク(軸)をMT3に嵌めるために太くするためのものである。日本で紹介されている(素人向けの)参考書には殆どMTを利用した製品の利用しか載っていない。素人向けに販売されている縦フライスのスピンドルもMT仕様である。
 
 そのためか、工作好きを対象にしたウェブサイトを見ていると、「MTのスピンドルからシャンクが抜けなくなりました。どうしたらよいでしょう。」というSOSが発せられているのを時々見かける。

 これはMTの性質上当然の結果であり、そのような使い方を推奨、あるいは他の方法を取りえない設計をしてしまった方に責任があると考える。

 Billにはこのように習った。「MTは抜くためのくさびが打ち込めないところには嵌めてはならない。くさびは押し出すためにある。MTを引っ張って抜こうとは考えるな。」
 
 この写真をご覧になればお分かりのように、縦に長い穴が作ってある。これはくさびを打ち込むためのものである。もしこのスリーブに細いMTのシャンクを挿し込んだ時、長穴から先端(トング)が見えない時は使うなということである。

 写真の右はR-8テーパである。これは角度が急であり、引張りを開放すればするりと抜ける。 ボール盤や縦フライスのように軸方向の力が掛かる所には適する構造である。これはMT3を差し込めるようになっているスリーブであり、これを持っているといろいろな工具を差し込める。

 日本ではこのようなR-8テーパを持つ縦フライスなどが、アマチュア用に市販されていない。おそらく日本中で「MTが抜けなくなった」という悲鳴が上がっているはずである。「棒を突っ込んで上から叩く」などと指南する人までいて、あちこちで精度の失われた機械が出現することになる。こういうときはスピンドルをばらして、油圧プレスで押し出す以外ないのだ。

 写真を見ればお分かりのようにR-8はMT3をちょうど包み込む大きさである。Billは「スピンドルがR-8の機械を買え。アマチュア向けにもたくさん工具が出ている。」と勧めてくれた。


2006年09月13日

微調整付き三爪チャック の内側

64c2532d.jpg 内側はご覧のとおりで右の穴に左の飛び出したフランジが差し込まれるようになっている。嵌めあいは緩く、1/32インチ(0.8mm)くらいの遊びがある。つまり0.4mmの偏心は吸収できるわけである。

 右の方で少し飛び出した黒いネジは偏心の微調整用である。本来は直交しているべきなのだが、何かの部品を逃げるためにこのようにやや傾いた形になっている。使用上は全く不都合は感じない。

 昨日の写真の長いネジは十分に細く、チャックの偏心をその撓みで吸収して締め付けるようになっている。このあたりの発想が実に賢いと感じる。

 爪はリバーシブルであり、Soft Jaws(生爪)にも簡単に取替えできる。

 BillにBisonを勧められてから、彼が勧める理由は何だろうと考えつづけてきたが、その答は使ってみてようやく分かった。今までチャックは中国製、日本製、イギリス製を使ってきたがBisonは抜きん出てよい。

 これに味をしめて、フライス用のチャックもBisonを買った。日本製より安いのには驚いた。

2006年09月12日

微調整付き三爪チャック

74e13bc8.jpg Bisonの鋼の質が一番良いということだったので、苦労して探した。鋼の専門家が言っているのだから信用するしかなかった。
 アメリカ製のBisonはすでに市場にはなく、Poland製の物しかない。それは、すでにBillのお勧めのBisonではないことになる。

 E-bayの工具のところを、ずいぶん長い間探していた。ついに「新品、30年ほど棚ざらし品、少々錆あり」という絶好のものを格安で見つけた。

 発送も船便で出してくれるという最高の条件の店であった。大きな箱にすると運賃がかさむので、なるべく小さい箱でと指定した。そうしたらチャックにぴったりした箱で送ってくれた。あたかもダンボール一枚を巻いたような状態で、10kg以上の鋼鉄の塊そのものを送ってくれたのだ。E-bayのほとんどの工具屋は「航空貨物で発送する」以外、受け付けない店がほとんどである。高価品は良いが、このような安い品では、運賃の方が高くなってしまう。
 配達に来た郵便屋さんは重くて持ちにくいので、郵袋にいれて抱えて来てくれた。申し訳ないことをした。税関も中身をちらりと見て、そこから錆が見えたらしく、免税であった。

 旋盤のスピンドルを少し加工してチャックのバックプレートをつけた。普通はバックプレートを加工するのだろうけど、私は「旋盤は工具」と割り切っているのでさっさと削り落とした。このあたりはBillからの仕込である。

 今日の写真は正面から撮った物で長いネジは固定ボルト、チャックの円周面に小さく黒いネジが見えているのが調整ネジ。バックプレートにはそれがあたる部分が見える。

 錆はそれほど深く進行していたわけではなく、丹念に磨いて防錆油を塗った。動作は完璧で焼き入れした物をつかむと、その剛性感が直接感じられる。低級品では硬いものをつかむと、内部のどこかがつぶれるような感触がある。 

2006年09月11日

step collet

6171601b.jpg これらがステップコレットのステップである。用途に応じて、ありとあらゆるステップが作ってある。

 筆者の持っている旋盤の教科書(日本語3冊)をもう一度おさらいした。やはり、コレットについてはさらりと説明してあるだけである。ひたすら四爪チャックで心を出すテクニック、ヤトイを作って心を出す方法、いろいろ書いてある。

 アメリカ人の工作の達人たちは必ずコレットをたくさん揃えている。このあたりの違いはどこから来ているのだろう。しかも生爪(ヤキの入っていない軟鋼の爪)を使う方法も日本の教科書には紹介されていない。私の持っている教科書が偏っているのだろうか。
  
 普通のコレットも生の材料で出来たものを売っている。中にはブラス製のコレットがある。耐久性は無いが、望みの径に内グリして使える。これを"Emergency Collet”という。非常用というのは言い過ぎのような気がするが、持っていれば便利ではある。

 Billは「チャックは高くても良い物を買え」と言っていた。銘柄を聞くと
"Bison”が良いと言う。私の旋盤に合うBisonを長年探して、ようやく見つかった。

 今まで三爪チャックはスピンドルにぴったり合う、いわゆる印籠組みになっていた。これではチャックの固有の誤差は絶対に除くことが出来ない。チャックのつかみ径が違えば、その径での固有の誤差が出てくる。多分0.1mm以下の誤差ではあるが許されるものではない。この誤差を克服するには、スピンドルの印籠部分を0.5mm程度細く削ってしまい、そこにチャックをつける。チャックの締めボルトをほんの少し緩めておいて、工作物(ワークという)の「振れ」がなくなるまで、チャックをプラスチックハンマーでコンコンと叩いて心を出す。要するに、チャックをスピンドル軸に対してわずかに平行移動させて偏心させるわけだ。これは近くの工場の経営者に教えてもらった。

 こう書けば面倒くさそうだが、意外に早くできるものである。練習すれば1分くらいで可能である。もちろん、調整が終われば、ネジを締め上げて、再度チェックしてワークを削る。

 明日はその叩く操作をネジで行うタイプのものの内部を紹介する。もちろんBison製である。これを、Adjustable Chuckという。商品名は"Set-Tru"である。最近の価格は信じられないほど高い。

2006年09月09日

ステップ・コレット

f128182d.jpg 皆さんよくお分かりである。 


 Billは「旋盤を持っているか」と聞いた。筆者は殆ど使ったことがなかった。
「旋盤を持っていないと鉄道模型は作れない。小さいのでいいから買うんだな。」と勧めた。
 それからしばらくBillの旋盤で練習をさせてもらった。

 三爪チャックで締めると多少の心ぶれが出る。それを修正するわけだが時間が掛かる。「コレットを使うのだ」と言って、見せてくれたその数の多いこと。1/32インチ(0.8mm)ごとに全寸法を持っていた。六角や四角のコレットもあった。

 日本で見た旋盤の教科書にはコレットのことはあまりたくさん書いてなかったように思う。コレットは、その構造上、心が完全に出る。その代わり、つかめる範囲はきわめて狭く、±1/64インチぐらいの余裕しかない。

 錆びるといけないので油で湿らせたぼろきれに包んであった。蒸気機関車の動輪のように大きくまた、クランクピンが飛び出しているものを心を出してつかむには、特製のコレットを用意する。

 今日の写真がそれである。これはまだ未加工のものでスリ割の幅の広い部分に同じ厚さのものをはさんで引き、絞り上げる。その状態で、くわえたいものの大きさまでコレットを削る。車輪の踏面にはテーパがついているのでそれもつける。フランジのフィレット(丸み)を面取りで逃げて、フランジの斜面で当たるようにしておく。クランクピンの逃げは最初から大きくえぐり取って置く。

 このようなコレットは、Dish Collet とか、Step Colletと呼ばれる。どうしてステップなのかというと、削り取る穴を階段状にすると各種の大きさの物がつかめるからである。Billは、あたかも階段教室のごとく加工したものをたくさん持っていた。

 このようなブランクのコレットはそれほど高価ではないので、まとめ買いをしておく。


dda40x at 09:09コメント(0) この記事をクリップ!
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