金属加工

2017年05月22日

Alco RS3's

ALCO RS3's このRS3は、ケムトロンのキットから組んでいる。この板は30ミル (t0.75)で、比較的薄い。床フレームは、角棒を貼り足すので、大変重い。組むときはガスバーナが要る。
 キャブ妻板、フッドの妻、パイロットはロストワックス鋳物で、重厚である。このキットは、GP7の時代とは異なり、かなり洗練されている。手際よくまとめてあり、大量に売るつもりであったのだろう。しかし、これを完全に組める人の数は少なく、大抵の人は半分まで行ってギヴアップする。それを安く買ったのが、この2輌である。

RS3 cab cutout 台車はケムトロン・オリジナルのロストワックス一体のものと、韓国製のsprungと比較している。このキットで最も気になるところは、フッドを前後で一体にしていることである。アラインメントを考えるとそれは良いが、キャブの中にフッドがあるのは許せない。
 カッティング・ディスクで、無理矢理に拡げる。こうすれば床板が張れるし、運転台も置ける。

 フッドがあまりにも流麗で、その表面には何もない。本物にはヒンジ等があるから、ロストの部品を付けてみよう。つるりとした機関車ほど、多少の凹凸があると、実感味が増すものだ。


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2017年05月18日

EMD GP7’s

GP7's  Kemtronのキットを組んだものがかなりある。GP7だけで5輌ある。うち1輌は祖父江製作所製の製品のジャンクから組んだものだ。ごみ箱に捨ててあったものを拾ってきて、作った。ロングフッドが曲げてなかったので、切り離して角に骨を入れてハンダ付けしたのち、やすって丸みを付けた。こういう工作は得意だ。
 ケムトロンのキットはエッチングだけなので、板金打抜きのパーツを足して、より凹凸を大きくしている。細かい部品はロストワックスだ。この頃はロストワックス部品が大暴落だ。買う人が居ないのである。バケツ一杯50ドルで買った。一昔前なら、2000ドルでは買えないものだった。
 おかげで、ホーン、ベル、ライトなど好きなものをテンコ盛りにできる。贅沢な限りだ。
(この写真はしばらく前に撮ったもので、車体の上下を締めてないので隙間が見える。)

 台車はカツミが輸出した祖父江製作所製を、アメリカの市場で手に入れたものだ。軸箱がブラス製のものは加工してそのまま使えるが、1970年頃輸出したものは、軸箱がダイキャストである。部品が微妙に膨らんで、中の篏合させてある焼結軸受合金が外れて来る。やはりダイキャストはダメである。それ以前のように割れることはないが、微妙に膨張するようだ。

 仕方がないから、軸箱をすべて捨て、フライス盤でムクのブラスから作った軸箱体に、ロストワックスで作った軸箱蓋をハンダ付けしたものと取替える。こうすれば1000年でも持つ。軸受にはボール・ベアリングを入れる。機関車は重いので、ボール・ベアリングの効果は大きい。
 ケムトロンの機関車は板が厚いので、素組みでも質量が1300gもある。ぶつかっても壊れない。走行音は重厚である。こうでなければならない。

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2017年04月22日

通称「ガラ」

tapping しばらく前にこれを入手した。長年探していたものだ。行きつけのバッタ屋にたまたまあって、安く買うことができた。もうこんなものを見ても用途が分からない人が多いのだろう。

 洗い油できれいに洗って、乾かし、注油した。何十年か工場で使われたものなのだろう。良く使い込まれているが、ガタがある訳でもない。調子が良いのでアタリであった。

 ガラでタップを立てると、折り込むことがまずない。
 細いネジ穴を切るのはいつもヒヤヒヤであった。折るのではないか。折れたらまた何日かステンレス容器内で塩水漬けにしなければならない。そういうことを考えると、タップを立てるのに勇気が要る。ところがこれを使い始めると、ネジ立てはいくつでもできる。まず折れることは考えられない。

 今までは折れないようにするには、ボール盤のチャックに銜えて下ろし、そろそろと廻していた。専用のタップ立てジグも持っているが、細いものはやはり心配だ。手に持って廻すなど論外である。手の指が対称的でないので(要するに片方の手に親指が点対称で2本付いているのならば、問題ない)、廻すときに軸がずれてしまう。だから折れるのだ。回転力だけしかかからなければ、折れないものなのだ。
 以前E氏の工夫されたタッピングドリルを見せて戴いた。それは、自作の細い手持ち電動ドリルであった。ゆっくり廻ってトルクだけしか伝わらないから、折れない。

 この道具は軸が水平で、タップの捻じれ具合が分かる。負荷が掛かると捻じれるので、その具合を見て、戻したりする。相手がブラスとはいえども、厚い板に立てる時には、戻して切粉を出さねばならない。その時、切削用グリスを付けると、とても具合が良い。
 先日は1.25 mmの板にM1.4を30個ぐらい立てたが、あっという間である。ガラの下には切粉が積もって、山になり始めた。


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2017年04月18日

Jig

the jig このジグは何だろう。クラフツマンならすぐわかるはずだ。そうでない人はそれなりに?
 しばらく使っていなかったが、最近必要になったので引出しの奥から出した。一度踏んづけて壊したので、片方は作り直している。寸法を測らずに作ったので、ネジ孔の位置が少し違う。
  短いほうの板の裏には硬いリン青銅の板が張ってある。弾力で何かを挟むのだ。

 かなり前に、祖父江氏のところで見たものを自分なりに改良したものだ。祖父江氏は、相当頑丈なものを使って、ワークに嵌め込んでいた。これは上から載せるだけである。
 

115_5415 この台車の枕梁が行くえ不明なので、 t0.3 のリン青銅板を細く切って作った。台車枠が捻れるようにしたのだが、まだ硬い。t0.25でもよかっただろう。t0.2では薄過ぎた。
 この台車はカブース用である。リーフ・スプリングがほとんど飛び出していない台車のバネを切り捨て、長いロストワックス鋳物をハンダ付けした。内側は見えないので、半分に切って節約した。これくらい飛び出していると気持ちが良い。 
 カブースは韓国製で必要以上に重かった。K氏のところから戴いたものなのだが、元の所有者が余計な改造をしようと思ったものの、点対称に間違えていたりして、収拾が付かない物であった。購入者のK氏もギヴアップしたものらしい。
 思い切っておかしなところはすべて切り外して捨て、作り直した。とにかく重い車輌である。740gもあるので、ボールベアリングを入れざるを得ない。重いから、グリースの抵抗など問題にならない。よく走る。 

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2017年04月16日

motor bracket

 先日の写真で質問があった。モータ・ブラケットが意外と薄いのではないかというものである。確かに薄い。チェーンの張力などは知れているが、軽衝突の衝撃で曲がりそうに見えるかもしれないが、実は工夫がある。材料は t1.25 のブラス板である。本当は t3 を使いたいところだが、曲げるのに苦労する。専用の曲げる道具を持っているのだが、1つ2つを作るのに、引っ張り出してセッティングをするのが面倒だった。 

motor bracketmotor bracket2 t1.25 にV溝を掘って曲げてから、金鋸で切り目を入れて小さなブラス片を押し込み、ガスバーナであぶってハンダ付けする。それだけである。もちろんはみ出したところは削り取る。この方法が簡便にして丈夫である。
 見かけを気にする必要がないところだから、ジャンク箱から取り出した、汚い板である。工場で作るのなら、工程数が少ない厚板曲げが正解であろうが、アマチュアならこれでよい。あっという間にできる。

solderingchassis この種のちょっとした補強は効果的である。補強の種類がやや異なるが、祖父江氏の60年代の製品の床板にはこういう加工がしてある。
 長いものを一気にプレスで抜くのが大変なので、三つの部品に分けている。それを継ぐのに、重ね継ぎをしている。折り曲げているので加工硬化しているから強い。長いものを加工するのが面倒な場合に、使える技法である。それにしてもこのハンダ付けのテクニックは見事である。t1.5の板を組むのに、大きな焼きゴテでさっと流してある。 

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2017年04月06日

International Harvester Co.

International Harvester このホッパも自作である。と言っても側面の板だけは安達製作所製のプレス部品である。このpanel side というホッパは、1929年あたりから製造され始めている。非常に賢い発想で、プレスで加工硬化させて強度を出し、同時に容量を増やしている。

 先回紹介したoff-set hopperよりも作るときの工程数がはるかに少なく、ほぼ同様の容量を持つ。安達製作所製のプレス板は焼き鈍し板を使っているので、曲がっているところは硬いが、真ん中あたりは軟らかい。本物のようだ。

 この板が何十枚かあった。プレスの不良品は捨て、15輌以上完成させた。切り継いで3-bayにしたものもいくつかある。ホッパの自作は、側面さえあれば簡単なのだ。
 それ以外の部品はほとんどが長方形で、あとはプレスの骨だけである。骨の数は厳密に数えて、管理してきた。足らなくなると組めないからである。しかし現実にはかなり足らなくなって、骨を自作して足した。骨は帯板に角線を貼って作る。それほど面倒でもない。床下のホッパは展開図を作ったので、板を切り抜いて曲げればできる。床に接する部分を僅かに長めに作り、ベルトサンダで落とすと楽である。アングルはかなり予備があり、その点は楽であった。角の丸みを作る金具は貴重品で、これだけは無いと作れない。 

 インターナショナル・ハーヴェスタという会社は元々は農業機械の会社だが、自動車分野に進出してトラックなどに大きなシェアを持っていた。トレーラ・トラクタ、四輪駆動車、消防車などでよく見た。現在は他の会社と合併して、名前は聞かなくなった。労働争議が原因でつぶれたと聞いた。 

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2017年03月29日

パンタグラフとポール

OBJX パンタグラフは台の上に載っている。このような背の低い機関車では、乗務員が手を伸ばしたときにパンタグラフに触って、感電することがある。それを防ぐためになるべく高くするのがふつうである。

 パンタ台はアングルを組んで作るが、そのアングルを作らねばならなかった。ジャンク箱で見つけたアングルは 、なんとエッチングで溝を掘って曲げたものだった。くたくたでパンタ台の用をなさない。よくもこんな役に立たない商品を作るものだ。ジャンク箱から全部出して点検すると、そういうものが何種類か出て来た。一部は捨て、残りは角の内側に角線をハンダ付けして保管した。
 アングルは曲げたものでないと硬さがない。加工硬化が必要なのだ。例のベンダを持ってきて、t0.4板を曲げた。曲げたものをシャアで切り落として、50 mm程度のものを10本ほど作った。多少反るから、修正して使う。

 パンタ台ごと外せるように、台の下にネジを出し、屋根を貫通させた。当然パンタグラフ本体を固定するネジは余分を切り落とした。この径の超硬のドリルは持っていなかったので、普通のハイスのドリルを、ステンレス用の切削油を用いて使用した。切粉が硬く、手に刺さると痛い。すぐに始末した。このステンレスは磁石に付かない組成のものだが、切粉は付く。熱で構造が変化するのだ。強力な磁石でほとんど拾い集めることができる。

 ジャンク箱からHO用のポールが見つかった。壊れたところを修理すると使えそうだ。Sacramento Northern の一部の機関車は構内で始動時にポールを使用している。大型のパンタグラフは重く、バネ上昇ではない。空気圧で上げなければならないのだが、その圧縮空気を作るのに補助コンプレッサを始動する。その電源を取るためのものだ。一度パンタグラフが上がれば必要がなくなり、走行時には降ろしている。この写真では、ポールのネジがまだ締めてないので、傾いている。  

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2017年03月17日

Kimpei Sofue’s life  (9)

 祖父江氏のハンダ付けのテクニックは白眉である。常に完璧なハンダ付けをするから、彼の模型でハンダ付けが外れるということはない。 
 棚にハンダは何種類もストックがあった。また、ブラスの材料も何種類かあり、より楽にかつ、正確に工作できるものを用意していた。
 最終期の特製品には、彼独特の仕上げ加工が随所にみられる。ブラスの針金を切ると、すぐにヤスリでその断面は面取りされる。シャァで剪断加工された板は、全ての切断面をヤスリで加工して直角にする。彼は大量のヤスリを持っていた。すべてのヤスリは使用前にsafety edgeを油砥石で擦って、準備する。そうしないと、削れて欲しくないところが削れてしまうからだ。
 足踏みのシャァは完璧に研がれ、薄いティッシュの一枚を置くと、真っ二つになる。彼の工房はすべて整頓され、美しかった。

 25年前、私は再度アメリカに居て、祖父江氏の望むものを送って差し上げていた。日本に戻って、彼に会いに行った。祖父江氏はドイツの機関車のスポーク動輪の原型を作っていた。私と話をしていても、手を休めない。眼はこちらに向いているのだが、糸鋸でブラスの円盤を切り続けていた。指に目が付いているのか!と思ったほどだ。
 お茶と菓子を戴きながら話をするのだが、彼の手はテーブルの下で動いている。突然彼は、言った。
「ほら、できた!」
 彼は小さなキサゲを用い、手の感触だけでスポークの断面の丸味を付けていたのだ。

 アメリカの模型人で、祖父江氏の工房を訪ねたのは二人で、ペンシルヴァニアのBill Pierson氏と、Original Whistle Stop のFred Hill氏だけである。 

 祖父江氏はKTMで長く働いたが、要求される以上のことをしていた。それは彼のプライドである。彼は世界最高の機関車が作りたかった。そして、彼はそれを成し遂げたのである。

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2017年03月01日

Kimpei Sofue’s life  (1)

日本語版を発表してくれという要望が多いので、しばらく連載することにした。

     祖父江欣平氏の生涯

           マックス・グレイに機関車を作った男
 
 70年代の中ごろ、アメリカで見るHO、Oの機関車は、ほとんどすべてが日本製であった。日本で誰が作っているのか、全く見当もつかなかった。 
 日本に帰ってから、友人がHOのいろいろな製造所で機関車の図面を描いていたという老人を紹介した。(訳者註  椙山氏が酒井喜房氏を紹介してくれたのだ。) 彼曰く、「祖父江さんに会うべきです。その人がKTMのOゲージの機関車を作っている、まさにその人ですよ。」
 私は、たった一人の人がKTMのほとんどのOゲージ機関車を作っていると聞き、とても驚いた。Oゲージのみならず、その設計がHOの機関車にも使われていたという。私は東京の郊外の田舎にある祖父江氏の工場を訪問してみようと思った。

 彼の工場は小さく、6 m X11 m ほどの作業場であった。3台の旋盤のうち1台は中型、残りは小型である。足踏みプレスが2台、型削り盤が1台、縦フライス、横フライス各1台、足踏みシャア1台、コンタマシン(いわゆる縦型帯鋸)、ボール盤数台とタッピングマシン2台があった。一角には簡単な鍛冶屋をする場所があった。ほとんどの特別な刃物はここで自作して焼きを入れていた。一番大きな機械は湿式研削盤である。これは自製のプレス型を研削して平面にする装置だ。

 3,4人の女性が主としてハンダ付けをしていた。祖父江氏は彼女らに組み立てさせる”キット”を作っていたのである。もちろん奥さんも手伝っていた。私が彼女らのハンダ付けを見ていたら、祖父江氏は聞いた。
「あんたはハンダ付けはできるかい?」
「もちろんできます。」と答えたので、私がハンダ付けする準備をしてくれた。

「駄目だ。」と彼は長いブラスの棒(断面は 3 mm X 25 mm)で、私の手首をぴしゃりと叩いた。「そんなんじゃ駄目だね。」と、彼は肘を机の端に付ける方法をやって見せてくれた。(次ページの私が鋼製トラス橋をハンダ付けしている写真を参照されたい。)これが、強い圧力を掛けながら鏝先を正確に制御するコツなのだ。
 彼が言うには、ハンダ付けは温度だけではなく、圧力で出来るのだ。熱い鏝はたくさんの熱量を持ち、先端には平らな面がある。押し付けると、熱エネルギィは短時間にワークになだれ込むのだ。私は練習生で、彼は厳しい教官であった。私は彼のところによく通って、模型の作り方を習った。 

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2017年02月27日

祖父江欣平氏の生涯

 OSRの最新号が出たKimpei Sofue。かねてより依頼のあった祖父江氏の生涯について書いた。いつか発表するつもりで祖父江氏の生涯について書いておいたものを、投稿した。1999年にワープロで打って、ご本人に修正して戴いたものだ。直筆での添削が入っているから、今となっては貴重なものである。博物館で保存する。

 英語訳は何回も書き直した。「もしこうだったならば、このようになっていただろう。」という仮定法過去完了の表現が必要であったので、堅苦しいがお許し願いたい。ほとんど書いたとおりに出てしまった。編集者による添削を期待していたのだが、そのままでよいということになった。

 "a stag at bay" という表現があるが、「いよいよ追い詰められた」という意味である。これは、過去の人生で2回しか使ったことが無い表現だ。この表現は編集者に褒められた。

 写真を探して、表情の良いものを選んだ。工場の様子はあまり生々しいものは避け、半製品が積まれている様子を載せた。
 14,000輌もの機関車を数人で作っていたのだ。ハンダ付け、小さな旋盤仕事などはアルバイトの女工さんがしていた。祖父江氏は彼女らに組ませるキットを作っていたのだ。この14,000という数字は、聞いた人が誰しも驚く数字だ。 


 編集者は、
「とてもすばらしい。読んで、ためになる。多くの人たちがこの話を喜んで読むだろう。もしこの歴史を貴方が書いてくれなかったなら、誰も知らずに終わってしまっただろう。」
と書いてきた。

 思った以上の反応でうれしい。

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2017年02月07日

続々 Lobaughの台車

Lobaugh bolster2Lobaugh bolster ロボゥのボルスタはこんな格好をしている。1 mmほどの薄い板である。ブラスの板をプレスで押し曲げて、加工硬化させている。日本の鉄道模型はどうしてこれを真似しなかったのだろう。薄い板でも剛性があり、へたらない。台車枠には2-56のネジ(2.1mm)が切ってあり、段付きワッシャをかませて締める。筆者としてはこの段付きワッシャにネジを通して締めるのは気に食わない。1本のネジで2つのものを締めることになるからだ。ネジは1本で一つを締めるというのが常識である。ばらす時、パラリと部品が落ちる。韓国製の模型はもっとひどく、一つのネジで4つを締めているものがあった。
 やはり、段付きネジを使うのが筋だ。

 現代のボルスタ高さから、かなりずれているので、高さを調整した上でセンタピン孔をあけている。 場合によってはボルスタを上下逆にして、厚板を貼って使うこともある。この貨車はその方法を採用した。

 さて、前々回のクイズはいかがであろうか。かなり近い答を寄せられた方もあるが、まだ正解者はいない。その種の高速貨車は、蒸気暖房の配管を持っている場合が大半だが、これはそうではない。その理由も含めて次回発表とする。

糸鋸台 糸鋸台は仲間内では大変評判がよく、欲しがる人が多いので、材料を切ってキットの形にした。いつも手伝いに来て下さる方へのお土産だ。すぐ組み立てて持っていらっしゃるので、ベルトサンダで角を落とすと完成だ。
 博物館のオリジナル商品にすれば良いという意見も戴いている。

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2017年01月20日

サンドブラスト

 鉄橋が多少錆びて来た。ハンダ付けの塩化亜鉛のせいだ。放置するとますますひどくなるので、錆を取っておく必要がある。

sand blast2 足立健一氏のところには大きなサンド・ブラスト装置がある。筆者のものと比べると、桁違いに大きい。自動車の部品を処理することもできるほどの大きさだ。お願いして使わせてもらった。錆は面白いように取れる。ハンダの部分は軟らかいのでなくなってしまう。非常にきれいになった。 

sand blast 砂は細かなもので、よく流動する。全部で 4 L ほど使った。もちろん下から回収して何度も使う。

 錆はきれいに飛んでいき、全体がサテン地になった。鈍い鉄の色は美しい。

 サンド・ブラストに用いるエア・コンプレッサは2馬力以上のものが必要だ。流量が大きいので、小さなものではエアタンクが一杯になるまで待っても数秒でなくなってしまう。
 

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2017年01月18日

続 作業台の高さ

 それを聞いて、「やはり、そうか」と思った。
 裏庭の物置を整理した時に、実家から引き揚げてきた風呂の椅子が出てきた。ほぞが緩んで壊れていた。 捨てようと投げたが、その瞬間ひらめいた。

 V-board ルータで切り込んで、V-boardを沈め、面一(つらいち)にする。裏も少し削って、握りの前の締め金具が当たらぬように逃げる。V-boardは、硬い樫の木を用いた。


V board 2 接着剤を十分塗って締め上げ、一日待つ。多少の不陸はベルトサンダで落とすと、平らな作業台ができる。ワークをクランプで締めることも可能だ。
 脚の裏にはゴム板を貼り、多少摩擦を大きくする。足の手前にはストッパを貼りつけ、作業台の縁に引っ掛ける。

V board 3 極めて単純な工作で、1時間で完成だ。筆者の体格で、普通の椅子に座り、ほど良い高さである。この種の椅子は最近はあまり見かけないが、わざわざ探すほどのことはない。スクラッチから作ったとしても、大した手間ではない。

 友人が来た時に試してもらったが、なかなか良いという評価だった。 お試しあれ。


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2017年01月16日

作業台の高さ

 三本ローラの写真をご覧になって、
「これは博物館の奥の、高くなっている線路路盤に付けてありますね。」
と、いうメイルを戴いた。
「高いと、見易くて良いですよね。」とある。
その通りなのである。

 万力がその場所にある。各種の切断はそこで行う。切粉が落ちるのはその下の隠しヤードへの路盤である。紙を敷いて受ける。

 糸鋸作業が高いところで行われると仕事が捗る、というのが筆者の認識である。視線が水平に近くなるので、直線が見易いのだ。以前は高さ750 mmの作業机に薬研台(英語ではV-boardという)を取り付けていた。結局のところはしゃがんでやることが多かった。

 自宅のレイアウト工作の時、1200 mmの路盤に万力をとりつけ、作業した。やや高い椅子に座って作業したのだが、なかなか具合が良い。
 普通の机(720〜750mm高)では何かを用いて高くすると良さそうだと思っていたところ、今野氏が興味深いことを教えてくれた。
「他の趣味界の人と話すと面白いですよ。金工をされる方で、全くの素人さんの様でしたが、糸鋸を使うとき、机の上に作業用の台として、箱を載せると言うのですよ・・・・・」

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2017年01月14日

板を丸める

 友人の依頼で、金属板を丸めた。いつもは薄い板を大きな半径で丸めていたが、今回は1 mm 板を半径15 mm で丸めてくれという依頼であった。

 厚い板は何度もローラを通すと少しずつ薄くなる。今回も0.02mmくらい薄くなったような気がする。その分延びるので、計算値よりすこし短くして開始した。
 まず、アルミニウム板で練習する。これは軟らかく、あっという間にできた。

115_5223115_5226115_5235 ブラス板はそれに比べると硬いので、何回かに分けて通す。事前に端の部分は丸みを付けておかねばならない。それには例の丸いダイを使う。
 端の部分を当てて、ゴムハンマーで丹念に叩く。それをローラに通す。少しずつネジを締めて隙間を減らす。20回くらい通すと具合よく丸まる。ローラを外して、逆回しでも通しておくと、形が整う。

 この器械はシカゴから来たものだ。イギリス製である。万力に取り付けて使う。以前から持っているものは半径が20 mm程度のものまでしか曲げられなかったので、今回初めてこれを使った。

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2016年12月29日

続 コメントへの反応

 今回投稿されたコメントで、思わず吹き出してしまったところがある。
”工作マニアが「模型に価値観を与えたいからだ」なら理解できます”の部分だ。

 確かに、我々は工作マニアの中に入るだろう。しかし、価値観(多分、「価値」の方が適切か?)を与えるつもりはない。それによって人にどう思われるかはわからない。現実にこの投稿者は、その価値を完全に否定しているように見える。
 ロンビックから始まる等角逆捻りの概念を実現するためには、様々なアプロ−チの仕方がある。剛氏は4つほど試作された。筆者はそれを含めて7種作ってみた。どれが一番作り易いか、どれが見かけに影響を与えないか、どれが一番ガタが少ないか、どれが最も理論的に誤差の無い方法かなど、様々な見地からの分析を行い、生き残った物が筆者の3種である。

 だからこそ、これを付けると良いですよ、と広く公表しているわけだ。筆者の場合、機能以外全く考えていないから、裏側のハンダ付けの後処理も全くしていない。キサゲも掛けてないから、ひどい状態で、ただよく着いているだけである。そういう意味での価値の向上は期待できない。
 
 我が国の鉄道模型は、相も変わらず外観重視だ。投稿者はそのような土壌の中にいるのだから、今回の投稿がなされたのも無理はない。実物のみを観察し、その精密縮尺模型を作ってもうまく走らないのである。これは作ってみて、初めて実感できることである。実物業界人が、したり顔で論評することがあるが、的外れなことが多いのは、これが原因である。

 今回、解説コメントを投稿して下さった方は、鉄道よりも、もう少し大きな実物を扱っている方で、物が動くことを解析することに長けている方だ。
 「模型は堅いからね。」「二乗三乗則が効いているからね。」「ステップ応答がピーキーだからね。」と説明してくれたのだが、専門語を一切使わずさらにわかりやすく、擬音、擬態語を使って書き直して下さったのだ。
 今回の解説コメントは、非常に評判が良いので、筆者も嬉しい。
 「専門家であっても、素人に説明できない人は、自分自身も分かっていない。」とはよく聞く。自戒したい。

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2016年12月09日

鉄橋を組む

laser cutting115_5045 レーザ加工の工場に頼んであったものが、ようやく出来たので取りに行った。あまりにも細かい部品があって、大変だったようだ。
 仮に現場に置いてみると、なかなか立派である。

 
115_5042115_5039 細部の設計と発注図面の作成は northerns484氏にお願いした。この Baltimore Truss橋は圧縮材を極力太く、引張りのほうは最小限にしている。しかも圧縮材が座屈するのを防ぐため副材を入れている。 それを表現するために、側面のトラスは三枚合わせとし、中心部分は厚さ8mmの鋼板とした。出来上がると大人一人くらいの負荷には十分耐えられるはずだ。

 引張り材は薄く細くし、間に細かなトラスを入れる。これがよく出来ていて見ごたえがある。組みながら「おおっ」と声が出てしまうほど、 素晴らしい設計になっている。northerns484氏には感謝する。 

 薄い板は 0.8mmの鉄板で、熱が逃げにくいので、100 W のハンダ鏝で十分に付けられる。すべての部品がタブとスロットで組み上がる。薄板を組んで形が出来たところで、厚板を接着するという手順になっている。 

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2016年12月01日

Walthers の客車キット

Old Walthers Walthersの客車キットについては以前書いたが、新たに発掘されたキットについて書かねばならない。このキットは1940年代のものだ。
 木製屋根と床板をホワイトメタルの妻板で結合し、ブリキ製のサイドを貼るのは同じなのだが、これは少々面倒な構造になっている。どうやったら組めるのか考えていた。
 先に屋根をネジで留めてから床板を斜めに嵌め込んで連結器座で留めるのか、それとも床を先に留めてから屋根を床板に穴を開けて細いねじ回しで留めるのか、それを考えているうちにやる気がなくなってお蔵入りになったような気がする。
fastening roof この写真はあとの方法である。細い穴からネジを落とさないように4本締めるのは難しい。屋根を留めて側面を張ると、ネジを外して床板を外すことができるが、再度締め付けるのは難しい。即ち、室内を作る方法がなくなる。今回は現代風の工法を採ることにした。
 説明書がないし、図面もない。多分コーチ(座席車)である。よくあるタイプだから、さほど気にしていない。屋根をハリマン型丸屋根にすれば、UPあるいはSPのコーチになる。


 これは同時に発掘されたSolarium Dinerである。要するに一等食堂車だ。日当たりのよい食堂車で、少人数で豪華な食事をする。おそらく、貸切りが基本であろう。この発音はカタカナのソラリウムの綴りからは推測し難く、ソゥイリャム である。太字を強く発音する。
 椙山 満氏はこの種の車についてお詳しく、様々な話をして戴いた。アメリカ人は日なたが好きなのだ。日本で電車に乗って日が差すと、たとえ冬であってもシェードを下ろすが、アメリカ人は日に当たりたがる。日に当たると生命力が増すと考えているのだろう。という話だった。確かに映画を見ていてもそれを感じる。マリリン・モンローの「お熱いのが好き」などにはそんな場面が出てくる。

Solarium Diner2Solarium Diner この模型のサイドは熔接してある。キッチン部分のドアは、少し引っ込んでいる。その部分をプレスした部品を付けて表現するのだが、ハンダ付けが面倒なのか、スポット溶接だ。もちろん、製造時に熔接したのだ。模型部品で熔接してあるものは珍しい。これは1950年代の製品だ。

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2016年10月20日

the bender

the bender この工具をご存知の方も多いだろう。NWSLという会社が、かれこれ40年ほど販売している。ネジを締めると、上から刃が降りてきて、下のVブロック状の雌型に食い込む。ワークを挟んでおくと、任意の位置で曲げられる。角度も好きなように曲げられる。

 この工具を博物館の作業用に自宅から持って行って置いてある。作業にいらした方が触って、どなたも「使いやすい。便利だ。」と仰る。先日複数の方から、取寄せを依頼された。取るのは簡単だが、送料がかさむ。数が少ないと、送料がばかにならない。もう少し沢山注文したい。

 もし読者の皆さんの中で、欲しいと思われる方はコメントを通じて連絡されたい。締め切りは今月24日とさせて戴く。現地価格は60ドル程度だ。

 写真の手前に置いてあるのは、その曲げ見本である。赤いネジを緩めると、突き当てのフェンスが動かせる。自由な位置で留められて、同じものをたくさん作れる。
 見本の二か所曲がったのは、カヴァード・ホッパの歩み板を取り付ける支えだ。たくさん同じ形のものを作らねばならないから、これがないととても苦労する。足の長さが違うと、歩み板が真っ直ぐ取り付けられない。

 0.6 mm程度の板なら、簡単に曲げられる。0.8mm以上はこの道具の限界を超えるだろう。もっと大きな道具を使うべきだ。
 筆者はもう少し大きな道具(業界ではブレーキと呼ぶ)も持っていて、この小さいのはこのような小物専用である。


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2016年09月18日

girder bridges

girder bridge construction レーザで切った鉄板を仮組みして、様子を見ている。0.8 mmの板のタブを0.8 mmのスロットに入れるのはやや難しい。タブの先端を斜めに削いで、ぐっと押し込む。ブラスの棒を当てて、金槌で軽く叩くとスロットに入って抜けなくなる。
 この状態でフラックスを塗り、ハンダ付けをする。隙間を、完全にハンダで埋めるようにする。鉄板だから熱が逃げず、100Wのコテでも簡単にできる。

 Xブレイスの両側に板をつけるのは少々難しい。反対側にも楽にはまるように、スロットをダイヤモンド・ヤスリで削っておくことが必要だ。するすると入らないと組むことができない。

 上下の稲妻は逆位相にすることにした。ピッツバーグの街の中でN&Wの橋を見上げて、同位相のものを確認したが、たった1例しかない。あとはすべて逆位相であった。

tie jig 転車台上の枕木整列ジグである。先回の失敗を踏まえて、肉盗みしてある。簡単に嵌められ、外しやすい。この上でレイルをスパイクする。線路の中心がずれると、回転した時、線路が合わないから、精度が必要だ。
       

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2016年06月25日

Walker氏のこと その2

flat car 会社のための模型作りだから、勤務中に会社で作る。
「私の人生の中で、あれが唯一の経験でしたね。仕事で模型を作ったのは。」と、剛氏は仰った。剛氏が図面を描き、一部はカツミ模型店で作ったものもある。

reefer 模型とはいうものの、実物通りに扉は開き、ロックも掛かるようにした。実物の図面があるのだから、やればできてしまう。材料は会社が購入し、塗料は塗料会社に注文した。白眉はレイルで、製鋼会社が、わざわざその断面を作って挽き出した。ポイントも熟練工が実物同様に削り出したものを用いた。クロッシングは一体鋳造である

NYC J-1e and streamliner 蒸気機関車はライヴ・スティームだから、ボイラを作らねばならない。井上 豊氏は銅板を丸く曲げてリヴェット留めし、銀鑞付けするつもりであった。ところが、日本碍子の旋盤工が、「ワンピースで作ってやる」と言い出し、薄いボイラを肉厚銅菅から挽き出してしまった。その話を何度も井上 豊氏から聞いてはいるが、いまだに信じられない。銅のような粘っこい材料を旋盤に掛けると、喰い込んでお釈迦になるはずだ。

「彼はね、今で言えば技能オリンピックで金メダルを取れるような人なんだ。出来ないことなんか無いんだよ。」と井上氏は強調した。
 ピカピカの薄いボイラで、素晴らしい出来だったそうだ。 

 1967年、井上氏は C&Oの2-6-6-6 アレゲニィのHOモデルをTMS誌(233号)に発表した。当時はそのような機関車の存在すら、ほとんどの日本人は知らなかったが、彼は本物の図面を持っていたので、わけなく作ってしまったのだ。
 また、井上氏はAlleghenyの発音を正確に覚えていらした。日本の模型人はこの地名をよく知っているのだが、筆者が出会った人の中で、正しい発音をされたのは井上氏と剛氏だけだ。
 参考までに書くと、最初のA強く言うラゲィニ と言えば通じるが、それ以外の発音では不思議そうな顔をされるだろう。しかし、TMSの表記はやや異なってアレゲーニーとなっている。この表記だと第三母音にアクセントが来ると思ってしまうだろう。筆者もそう思った。

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2016年06月08日

plate girder bridge

 シカゴから届いたダイキャスト製の橋を架けるにあたって、その内側をどうすべきか、しばらく考えていた。 間隔を保てばよいので、木の角棒を作って接着するのが一番簡単だ。
 下から見ることなどないと思っていたが、最近は車載カメラという面倒なものがあって、全て見えてしまう。手を抜くと後々まで後悔することになるので、ある程度のところまでは作ることにした。レーザ・カットなら設計さえ気を付ければ、組むのも簡単である。 精度も高い。

girder bridge bracing 実物の図面を何日か眺めて、 作図を開始した。この手の物は非常に単純で30分で設計が終了した。Xブレイスにタブを付けて側面のスロットに入れる。簡単な直角ジグで支えながらハンダ付けすれば、たちまち形が出来る。
 それに上下の稲妻を付ければ良い。問題はこの稲妻の位相だ。同位相なのか、半周期ずらしたほうが良いのかがわからない。近所のものを調査中である。アメリカでの調査では逆位相であった。理論的にはどちらが有利なのだろう。

 このようにして作った箱状のトラスに、側面のダイキャストを接着すればできあがりだ。 稲妻は、透けて見えれば用は足りている。細かい造作は省略する。

 ガーダの上をどうするか、しばらく悩むことになる。直接線路を敷くのか、コンクリートの路盤を載せるかである。後者の場合はバラストが敷いてある。これも資料が手に入ったので、 あれこれと迷う羽目になった。




 

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2016年05月08日

レーザ・カット

鉄橋枕木整列ジグ 鉄橋の枕木整列ジグの写真をお目に掛ける。最近、カメラが不調で代わりのカメラで撮ったので、やや不鮮明なのはお許し願いたい。
 鉄板は2.3 mm厚を用いたので、少々厚すぎた。枕木の薄い部分を外そうと思うと、指が掛からず、なかなか難しい。

転車台index これは転車台のインデックスである。同じく2.3 mm板を用いている。合板の円盤(ピットを切り抜いた時の残材)の外周にぴたりと嵌まるものを設計した。そのドーナツ状の板を円盤に取り付ける板(セクタ)をタッピング・スクリュウで留め、それを合板にタッピング・スクリュウで固定した。非常に正確なインデックスができた。例によって、作図はnortherns484氏に助けて戴いた。   

転車台index2 これは円板の裏である。滑らかに回るように玉の入った支えを付けたが、思ったほど回転の滑らかさがない。再々度、別の部品を用意して付け替える予定である。ボール・ベアリングの入った戸車状のものが良いだろう。 最初は金属製を用いたが、騒々しかった。プラスティック製は静かになるだろうと思ったが、滑りが良くない。古いものは外すのが面倒なので取り付けたままである。
 
転車台レール 車が走る部分は合板では摩擦が大きいので、鉄板の平面レイルを貼った。薄く塗装しないと、錆びてくるだろう。 長四角の穴は、集電ブラシの調整用の覗き穴である。


 これらの部品を自分で作ろうと思うと、その手間は想像を絶するものである。文明の利器を使えるということは、素晴らしいことである。 価格も特別に安くしてもらった。次は鉄橋である。恐るべき細かさで、とても手作業ではできない。

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2016年03月19日

続々 加工硬化

 伊藤 剛氏の話は続く。

 剛氏は応召して中国戦線で戦った。日本製のトラックの車軸がよく折れたのだそうだ。ここぞというところで折れるので、これじゃだめだということになった。
 破損放置されている敵方のトラックからシャフトを外して付け替えると、折れることがないことが分かった。それはフォードのものだったが、ちゃんと合う。当時の日本製はアメリカ製のコピーだったので、合うわけだ。何が違うかはよくわからなかったが、
「『これでは勝てない。』と兵隊レベルでもわかりましたよ。」
 
 当時のバネはよく折れたそうだ。機関銃のバネが折れると暴発する。航空機のエンジンのヴァルヴ・スプリングもよく折れて困ったという。
 
 戦後ショット・ピーニングという方法が紹介されて、なるほどと思ったそうだ。表面に加工硬化を起こさせて、亀裂発生を防ぐ技術だ。元はハンマで丹念に叩いてそれを行っていたのであろう。この技術が導入されて、その種の事故はかなり減った。金工用ハンマに先の丸い部分があるものを、 point peen hammer という。
 しかし、1960年頃の自動車技術はまだまだ未熟で、父の乗っていたトヨタの2代目コロナの前輪トーション・バァが折損したことを覚えている。(このリンク先のサスペンションの説明は間違いで、コイル・スプリングではない。)その車を買ったとき、父は
「この車のバネはトーション・バァだ。賢い設計だよ。普通のコイル・バネも広い意味ではトーション・バァだけども、その一部を拡大している。」
 嬉しそうに解説してくれたけども、一月も立たないうちに右側が折れて、悲惨な姿で帰って来た。トヨタの友人に電話を掛けて、文句を言っていたことを思い出す。
 のちに連絡があって、「ショットの掛け方に問題があった。」とのことであった。

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2016年03月17日

続 加工硬化

 伊藤剛氏は、折に触れて加工硬化の話をされた。
 ドイツの電気機関車の歩み板(running board)の薄さを語った。

「普通の材料を使っているんだけど硬いのです。加工硬化させてあるんですな。」
 写真を見ると槌痕が見える。そのうちに機械でプレスして硬くするようになった。

「真鍮の針金が軟らかい時には一端を万力に挟んで、ハンドドリルに銜えて廻すんです。ハンドルを廻すと堅くなってくるのが分かります。糸鋸で切ると中は軟らかいのですが外は硬い。外だけ引っ張られるからですよ。」
 
「使ったレイルは硬いけど、新品は軟らかいんです。 それと、レイルの外側は硬いけど、中は軟らかい。」

「ポイントのフログは最近は鋳造になりましたね。あれは出荷時にはあまり硬くないけど、列車が通ると硬くなるんですね。」 

 筆者のFEFを見せたときのことを思い出す。屋根の上のシンダ除けをご覧になって、
「これは切り抜いたものとは違いますね。叩いたんでしょう?薄くできている。どこでこんな知識を得たのですか?」 
 祖父江氏の話をすると、「恐れ入りました。あの人は天才です。」と真顔でおっしゃった。

 別の機会に祖父江氏に針金を捩じる話をすると、
「そんなことしなくっても、簡単に出来らあ。万力に銜えて、ペンチで挟んで引っ張るんだよ。長さが1%も伸びれば出来上がりさ。 」

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2016年03月15日

加工硬化

 最近、加工硬化の話題を二つ出している。あまり反響はない。残念だ。

 先回の分岐のノーズレイルの延長の記事を書きながら、コメントが殺到するかと思っていた。ところが、何の反響もない。今回もほとんどない。

 仙台の今野氏と話した時に、「加工硬化の話題を出したら、みな飛びついてくると思ったけど、ダメですね。興味ないのか、全く知らないのか、どっちでしょうね。」と話を振ってみた。
 今野氏は、「僕たちはよく使いますよ。今度の記事を拝見して、うまくやったなと思いましたがね。」と答えられた。

smoke lifter on roof 祖父江氏のところで、いろいろなことを教えて戴いたが、この加工硬化については思い出がある。
「たいていの人は切り抜いてハンダ付けすりゃあできると思ってんだろうが、曲げるとか、叩くとかすると硬くなるんだよ。それを使わないってのは意味ねえよ。薄い材料でも曲がらねえんだ。飛び出した細かい部分は加工硬化させねえと、機関車をひっくり返すと曲がっちまうだろ。」
 筆者はちょうどUPのFEFを仕上げていた。屋根の上の smoke lifter (シンダ除け)を作ったのだ。展開図を書いて貼り付けたのが曲がって困っていた。再度硬い材料で作り直そうと思っていたのだが、
「そんなもの、真鍮で問題ねえよ。細い板を片方叩けば曲がるし、薄くなる。ヤスって付ければ簡単だよ。」

 早速やってみた。曲率を自由に選べ、しかも見える方向からは薄いので、恰好が良い。重い機関車をひっくり返して置いても、smoke lifter は曲がらない。しかも、展開図を書かなくてよいから楽である。

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2016年03月11日

rivet forming tool

 吉岡精一氏からお預かりした製作途上の電車を完成させる必要があり、足立健一氏に助けを求めた。足立氏は電車製作の達人で、あっという間にブラス製電車を、ほとんど完成して戴けた。日本車輛製をプロトタイプにした自由形であったが、たちまち近鉄タイプに作り変えられた。
 連絡があって、「小さいリヴェットがうまく打てないから作業が止まっている。リヴェット打ち機を貸してよ。」ということであった。筆者はテキサスの友人が譲ってくれたものを改造して使っていた。それを持って行こうとしたら、ハンマが緩くて頭が落ちてしまった。

rivet forming tool 直したが、小さいリヴェットには衝撃が大きすぎて具合が悪い。ちょうど伊藤 剛氏のところから来た小ハンマがあり、それを加工して取り付けると絶妙な衝撃を与えられることに気が付いた。取り付け台を加工して完成だ。縦の角棒はハンマを振り上げる時のリミッタで、クランプで調節する。
 黒いT字型の台は板材のガイドで、10 cm程度の奥行を持たせることができる。奥の板にある孔は、T字ガイドをひっこめた時の逃げである。丸棒が後ろに突出する。写真よりも、以前示した図の方が分かり易いかもしれない。    

rivet forming tool 2 ハンマを振り上げたときの様子である。写真を写すために、つっかい棒をしている。ハンマの錘部分を軽く持って持ち上げると、リミッタで引っ掛かり、コトンと落ちる。実に小気味よく仕事がはかどる。送りはダイの縁に引っ掛けることに依って決まる。
 ワークをネジで送るようにすれば目的を達するが、様々な送り量を任意に設定するのはなかなか難しい技である。いくつか設計案があるが、なかなか手が出ない。DROを付けるアイデアもあったが、余計に間違えそうである。やはりワンウェイ・クラッチで送る方法が一番良さそうだ。ラックを細かくしてバックラッシをなくす工夫が必要である。

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2016年01月14日

installing ball bearings

ball bearings on crankpins ロッドにボ−ルベアリングを取り付けるには、大きさが限られているので、クランクピンを細くせねばならない。それともう一つ気を付けねばならないところがある。
 近代機(UP4-8-4 や ナイアガラ等)はロッドに関節がなく、クランクピンのところで、二本が重なっている。ここにボールベアリングを入れるには複列にせねばならない。すなわち、ベアリングを中空軸でつないで、その中空軸の外で折れるようにするのである。

 この中空軸は、当初ブラスのパイプで作るつもりであった。祖父江氏にそれを伝えると、
「パイプは快削じゃねえから、リーマが通らないぜ。」と言われてしまった。
 確かにその通りで、仕方なく、快削鋼を削って作った。内側にshoulder(堰)をつけて、ベアリングが離れているようにした。後から考えてみれば、パイプの輪切りを入れれば済んだかもしれない。
 その中空軸は片方のロッドにはハンダ付けされ、他方はかぶせてあるだけである。動軸の動きで生じる多少の捻れを吸収できるようにしている。 末端は一つだけだが、力の掛かる中心を外さないようにしている。

 効果は抜群で、素晴らしい走りを示した。効率が重負荷でも下がらないのが良い。もっとも、そんな重負荷を楽しんでいる人など、世界中で一人なのかもしれないが。

 中空軸の外側の端には、フランジ付きを使うともっと簡単だったろう。フランジ付きはあまり買ったことがない。軸上に荷重が掛かる時にベアリング上に掛からねばならないので、奥のほうに入れる必要があるからだ。

ball bearing with flange 最近、某XXゲージの人たちから、「フランジ付きのベアリングを分けてくれないか。」という問い合わせがあった。持っていないので要請に応えることはできなかったが、何に使うのか聞いてみると、軸箱に使うのだそうだ。
「そんな使い方は間違っていますよ。」
と言うと、
「模型的にはこれでよい。」と言う。

 指導的な立場にある人がそんなことを言うので、とても驚いた。短時間なら壊れるまでは行かないが、長時間負荷をかけて走らせると確実に壊れる。走らせた距離が短くて、壊したことがないのだろう。
 本物の構造はどうだ、こうだと言っている人たちなのに、こういうことには無頓着なのだ。

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2015年12月03日

”面取り”と”お迎え”

 最近所属クラブの会員が、本を整理したりする作業を手伝いに来て下さる。重い本を高い棚に入れるのは大変だから、ありがたい。
 今まで紙でできた家が載っていた棚に、本を載せた。さすがに100 kg 近く載せると撓んでいる。二段目を載せ始めたところ、棚受けがぐにゃりと座屈し、本が落ちそうになった。慌てて棚を支え、本を一部下ろして事なきを得た。明らかに許容荷重を超えていた。それを見ていた会員が、
「dda40xさん、棚を受ける縦の柱が必要です。前から嵌めるようにすると良いですよ。」と教えてくれた。
 早速、厳密に寸法を測定して棚板の厚み分を切り取った柱を作り、次の機会に押し込むことにした。もちろん、棚受けは交換した。

book shelves 翌週、3人で棚を押し上げながら嵌めようとした。ゴムハンマで前から打てばきちんと嵌まるはずだ。しかし、なかなか棚板が3枚同時には嵌まらない。それを見た車輛工場に勤務していた友人が、
「”お迎え”がないと無理だ。」と言う。
 ”お迎え”とは、溝の角を少し斜めに削ることだ。そうすれば、多少の誤差があっても叩き込める。なるほどと思い、早速削り落とした。ゴムハンマで各5回くらい叩いたら、ぴったり収まった。

 角のあるものを組み付けるには、”面取り”が不可欠だ。面取りがしてないと角にぴたりと嵌まらない可能性がある。ほんの少しのバリがあっても組み付けられない。この話をある人にしたら、なんとそれは家庭科の教科書に書いてあるそうだ。意外な話だったが詳しく聞くと、大根を煮る時、角を落としておくと煮崩れしにくいそうだ。

chamfering さて、面取りの図を示す。面取りとは英語で chamferingという。図面上には”c”という記号で表される。正確に削られた直角の角などはまずないので、微細なカエリなどを吸収する遊びの空間が必要なのである。

chamfering 今度は”お迎え”の図を示す。こうすれば、多少の誤差を吸収できて組み立てが楽になる。特に複数のものを同時に嵌めるのは困難なので、これは助かる。この言葉も英語では chamfering である。”お迎え”は車体のフレイム組立の時に使う言葉のようだ。熔接仕事にはよく出てくる。

 

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2015年05月02日

続 曲率ゲージ 

Steel Curvature Gauge 2 レーザ・カットの工場に作成依頼してあったものが出来てきた。素晴らしい仕上がりである。2800R、2900R、3000R、3100Rの線路と道床のエラストマを正確に敷くことが出来る。緩和部分も正確に出来る。

 見せ場となる頂上部の緩いSカーヴも細かい曲率変化を指定して作った。路盤のカントも同時に高さを指定して作ったので、完成すると、右に左にうねる素晴らしい光景が出来るはずだ。半径は10 m以上のものから順次小さくして、繊細な変化である。

steel curvature gauge 良く似たのがたくさんあると、間違える惧れがあるので、文字を刻んでもらった。ほんのわずか凹ませてあるだけである。



合板の曲げ 先日出来てきたCNCで切り抜いた路盤用合板を組んでみた。せっかく計算して長さを決めたのに、側板が数mm余る。そんなはずはないと巻尺で測っても、曲線の外の長さと足に相当する合板の長さは一致しているではないか。
 合板は天板の下に直角に貼られるので、側板の中心線は外周より内側にある。中心線の伸縮はないと考えると、側板の厚みの半分の位置、つまり天板の外から6 mmの位置の円周長さに切るべきであった。


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2015年04月28日

多くのコメントに感謝

 最近読者数がかなり増えて、多数のコメントを戴くようになった。大半は知人からで、私信であるから公表できない。初めての方はお若い方が多いらしく、昔のことを御存じないようで、少々的外れのこともある。今回は予定を変更して、コメントの内容を紹介したい。

「キットを組めるのはスクラッチ・ビルドを出来る人」と書いたところ、何人かの人からは「その通り」という御意見を頂戴しているが、そんなのおかしい、というコメントも戴いている。
 最近のキットは優秀らしい。昔のキットはひどいものが多かった。本物の形を知らないと、まずできない。曲げや絞りがいい加減で、縦裂きにして縮めないと合わない。窓の間隔がすこしずれているので、1枚物を貼り重ねて側板にすることが出来ない。仕方がないから、窓枠の板は細かく切って順番に貼りつける。
 キットのままでは、荷重がかかると台車枠が開いてしまい、車軸が外れる。など枚挙にいとまがない。それをキットと呼んでいた時期があるのだ。

 筆者も初めは一所懸命に修正を施して組んだが、ある時、合わないものは捨てたら良いということに気が付いた。ゴミ箱を横に用意して、どんどん捨てながら組む。捨てた部品はその場で作る。横にブラス板、ブロック、丸棒を置いておくと都合がよい。糸鋸をバリバリ折りながら猛烈な速度で作る。スクラッチビルドとさほど変わらないが、一から作るよりははるかに速い。
 最近のキットがどの程度の出来なのかは知らない。多少は良くなったのだろう。

 匿名の方から、非常に面白いコメントを戴いたので、紹介させて戴く。

>……という頼みはよくある。そんなものすぐできるからやってあげるよ。すごく喜んでいる。……
というお話は、助けを求められないというよりは、求め方を知らない、または求めてみたけれど助けてくれない場合も結構ある、ということが影響しているのでは、と考えられるのではないでしょうか。

例えばKKC会員の方達なら喜んで助けてくださるでしょうが、鉄道模型工作を趣味とする方々は、特に職人的な雰囲気があってなかなか近付き難いものです。昔の経験ですが、技術的な事で丁寧に教えを乞うたら何故かはぐらかされてしまったり(ポイントマシンを操作する回路に関して。)、持っておられる機械での加工をお願いした時には言を左右して断られたり(卓上サーキュラー・ソーでの枕木用角材の正確なカット。機械を使えば数分で済む作業でしたが、これは結局マイターボックスを使ってレザーソーで気長にこなしました。苦笑。)しました。また、引き受けてもらえはしたもののあまりいい顔をされずしぶしぶながら協力していただいた(マイクロドライプリンターでのデカール印刷。気遣いとお礼が大変でした。)などという例もあり、秘伝の技術や知識(それほど大層なものでもないと思われるのですが)を教えたくない、自分の機械を使わせたくない、という方々もかなり居られるのではないかと想像します。

逆に、見ず知らずの方からいきなり「私は今レイアウトを作っているが、ネットであなたが作った樹木を見て大変気に入った。模型店で売っている樹木は高くて買えないから、50本ほど作ってプレゼントしてくれ」とメールが来て、「作るのには相当の手間と時間、それに材料費がかかるし、まったく面識のない方からいきなりプレゼントしてくれと言われても困る。作り方は下記urlのHPに掲載されているからそれを参考に自分で作ってください」と返信したら、一言「ケチ!」という返信が来たという経験もあります。この場合は、頼み方を知らない以前に常識がないという部類でしょう。まあ、この世界、変な人が多いのも確かですので、そんなものかなという感覚でした。

最近はネット環境が発達し、検索すれば相当特殊なことでもない限り、それなりに知識技術も見つける事が出来ますし、ホームセンターなどが設置している工作室では、ある程度の工作機械も利用可能です。デカールやインレタもネットでオーダー出来ますし、良い時代になったものだと思います。相変わらず一部妙な方々が跋扈してはいますが、時代が進み、世代が入れ替わるに従ってかなり良くなってきているのではないかと感じます。

このあたりの事情に関しては、プラモデル趣味の方々は、最初からそういう世界に住んでいるであろうし、ネットでも書籍でも非常に豊富に詳細にテクニックが公開されていたり、模型クラブ活動も盛んであったりするのが、鉄道模型界隈とは異なるところではないかと邪推(苦笑)しておりますが、いや、最近は鉄道模型でも、若い方々が多いNゲージの世界ではプラモデル趣味の世界に近いのではないか、とRM Modelsなどの雑誌をみて感じております。いかがなものでしょう。

TMSなど伝統ある純粋鉄道模型雑誌にも、製作者による作品紹介や製品紹介記事ばかりではなく、プラモデル関係の雑誌に見られるように、もっとプロorセミプロ作家や編集部による製作テクニックの解説記事などが掲載されたり、工具の入手、使用のような記事が増えると状況は随分と変わってくるように思います。期待したいものです。



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2015年01月13日

角スタッド

 クラブの会合で、建設業を営むK氏に話を聞いた。角スタッドは間仕切壁の他に、天井にも使うそうで、剛性が大きく、軽くて良い材料であるそうだ。切るのは高速切断機(いわゆる砥石ディスク)で切るのだそうだ。何本かまとめて切ることができて都合がよいとのこと。筆者は鉄板も切れる丸鋸を使ったが、お勧めしないとのことであった。 金切りはさみで切ることもできるが、ちょっと難しいと云うことだ。最初の切り出しが難しいのだ。

 接続は熔接するのが簡単であるとのことだ。板が薄いので電流を小さくする必要があるが、出来ないことはない。今回は梁の途中から直角に延ばす部分があって、L金具で簡単に留め、熔接した。

 天井に使うと、十分な強度があり、その上を人が歩けるそうだ。いわゆる「軽天」である。説明書を見ると、組むのは容易で、ほとんどネジも熔接もなしで組むことが出来る。

 今回のようにレイアウトの架台に使うのは、あまり見ない事例だそうだが、十分に強度がある。

 先日大量に材料を買ったが、嵩の割に安いもので、驚いた。4 m材を運ぶ時はトラックが必要であったが、買ったホームセンタの貸し出し車で運ぶことが出来て安上がりであった。 

 


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2014年11月27日

続々 博物館工事進行状況 2

piers painted 鉄骨に塗料を塗った直後の写真である。上端部は梁を熔接するので、未塗装である。
 
 これらをコンクリート床に直接取り付け、オートレヴェルで覗きながら梁を水平に仮留めし、熔接する。熔接は力が掛からないので、完全に水平が出る。熔接の火花でカーペットが傷むといけないので、養生用の防炎シートも用意した。
 梁に薄肉角パイプを置き、ビス留めする。それに15 mm合板を載せれば、完全な平面が出現するはずである。 

 合板はコンピュータ制御の加工機で、設計図通りの切り抜きが出来る。刃物は12 mm径が標準だが、最低3 mm径の刃物も使えるという。ただし切削速度は遅くなる。

 ターンテイブルの丸穴をジグソウで抜こうと思っていたが、外注することにした。実は自宅のレイアウトは手で抜いて、微妙な失敗がある。後でノミで少し削りとらねばならず、たいへんな苦労をしたことがあるからだ。

 作業していると、近所の人が御親切にも話しかけてくれる。向かいに廃業した医院があるのだが、その駐車場を使わせて戴けることになった。御主人は内科の先生であったのだが、メルクリンが大好きで、戦後すぐの時代からのコレクションをお持ちだそうだ。博物館が開業したら、毎日来られるとのことである。
 たくさんの人が来られたら、休む場所も必要だろうから、待合室を解放して下さると云う御親切な話も出て感謝している。

 他にも楽しみにしてくださる方がたくさんいらっしゃって、仕事の励みになる。


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2014年11月03日

続 平岡氏の講演から学ぶこと

 趣味を楽しむことができるような職業選択をする必要があるとおっしゃった。日本の企業人は世界的に見て働き過ぎで、たまの休日は寝ているだけという話も聞く。
 
 自由業の人は仕事量を制限すれば、余暇を増やせる。生活に必要な費用と趣味に掛ける費用さえ稼ぎ出せれば良いはずだが、なかなか現実には難しそうだ。

 筆者のアメリカの友人で、模型を嗜む人は、たいてい自由業である。勤め人であっても自由業に近い人が多い。また、自営の人も多い。軍人も多いが、軍務は連続して数日あって、そのあと数日の休みというパターンが多いようだ。

 大切なのはモティヴェイションを連続して維持することだろう。自分の力量を正確に把握している人は、無茶なことはしない。むやみに細かいものを設計してしまい挫折することもない。
 腕が上がってくると、すごいものを作り始める。Dennisが非常に良い例である。初めは荒っぽかったが、徐々に精緻なものを作り始め、今は達人の領域にある。

 平岡氏の講演では、趣味Hobbyの定義の話があった。
 引用させて戴くと、「生活のための仕事とは別の価値を創造する行為であり、人生における大きな課題とされている。」だそうだ。
 抽象的ではあるが、その通りだと思う。

 筆者が博物館建設で毎日重労働をしているのを見て、知人が「よくやるね。」と冷やかす。筆者自身にとって極めて大きな価値のあることで、それが日本の模型界のためになればと思ってやっている。決してつらい作業ではなく、日々楽しく過ごしている。しかし、自宅のレイアウトには埃が積り、工作台は物置になっている。いずれこちらも整理ができる日が来るので、楽しみにしている。

 しばらく、アメリカの話題から離れていたので、次回からそちらの方に戻ろう。



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2014年11月01日

平岡氏の講演から学ぶこと

 平岡氏の工作技術はすばらしい。天下一品である。その秘密を知ることができた。
 
 いろいろな人から質問を受けるそうだ。
「長い間掛かって完成させるのは大変だと思います。どうしてそんなに気が長いのですか。」
 平岡氏は決して気が長いほうではないのだそうだ。ライヴスティームの機関車の完成まで二年以上も掛かる。その間気力を充実させる秘訣は、品位の高い部品を作ることだということだ。美しい仕上がりの正確な部品を作れば、次の仕事への原動力になるのだそうだ。
 確かにその通りで、ある。良い品を作ればそれが組合わせられる機関車を早く完成したくなる。

 昔、祖父江欣平氏がBig Boyを作られていたころ、何度かお邪魔した。凄まじい精度の部品をたくさん作られて、
「おい、これどうだ。」
と見せてくれるのだ。セーパー(shaper)を駆使して作られた、小ピラミッドを集積したステップなどをこれでもか、と見せる。
 その時、同じようなことを言われたのだ。
「世界一の精度の部品を作れば、それを組み合わせた機関車も世界一だ。こうやって部品ができてくると、完成が楽しみなんだ。寝ずにでもやりたくなるよ。」

 結局、発注元からの入金が途絶えても、自力で借金までして完成に持ち込んだ。経済的には成功したかどうかはわからないが、すばらしい作品が完成したのだ。その時の祖父江氏の嬉しそうな顔が目に浮かぶ。

 最近は筆者はスクラッチ・ビルドをしないが、再開する時があれば、この言葉を思い出しながらやりたい。
 

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2014年10月30日

ネジを立てる

ネジの噛合い率 平岡幸三氏の講演の中で、ネジを立てるときの下穴径を、ネジ径の8割と見込むのは無駄であるとの話があった。2 mmネジなら 1.6 mm の下穴と堅く信じていたが、もっと大きくても良いのだそうだ。


 ネジの噛合い率は55%で良いそうで、それをもとに考えると1.7 mmドリルでも十分過ぎる。言われるまで気がつかなかったが、ネジの先端部など力が掛かったら曲がってしまうのだから、そこまで噛ませる必要はない。根元の太い部分で噛み合うのが大部分の荷重を支えているはずだ。

 先日、トヨタ車のシャシ部分のネジを外した。10mmネジなのだが、小指の先を入れてみると、ネジ山の先端がない。妙にネジの山が低いので不思議だと思った。以前乗っていたドイツ車のネジ穴は、手が切れそうであった。

 平岡氏の話だと、ネジ山を低くすれば、工具の持ちが良くなる。また、省エネルギー、省時間であるということだ。トヨタのような渋い会社ではそういうことは調査済みであろうから、最も安くなる方法を採っているはずだ。
 引抜き強度を調べると、55%くらいでネジ自身の破断と同等になるとのことである。もっともそれは鋼製ネジでのデータであり、快削材製のブラスネジはもっと早く破断するであろう。一度詳しく調べてみたい。

 今まで、ネジ立てには苦労していた。タップを折らないように最深の注意を払っていたが、それも必要がなくなりそうだ。大きな下穴なら、潤滑剤もほとんど要らないだろう。
 タップが垂直に立つように、ネジ立て台を使ってそろそろとグリスを付けてやっていたが、これからはタップを廻すのにクランクを使ってできるであろうと思う。場合によっては、簡単な動力を付けて自動でネジ立てができるであろう。

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2014年05月07日

穴をずらす

 Brass_Solder氏のブログを拝見していて面白い事例を見せて戴いた。ブラス板の穴を少しずらす方法である。板は十分厚いので、ポンチで片方を叩いて延ばし、反対側をヤスリで少し削るのである。0.3 mmくらいずらすときはこれは便利である。この方法は時計の修理法のひとつであって、一般人は知らないテクニックである。
 
 柱時計の歯車が減って噛合いがおかしくなってくると、この方法で歯車を近づけるのである。子供のころ、近所の時計屋のお爺さんが、こうしているのを見た。実にうまいもので、あっという間に直った。当時は時計の寿命は30年くらいのようで、歯車が滑るようになると二箇所ずらして直していた。ゼンマイの力が掛かるところは減り易いのである。

 さらに伊藤剛氏はこういう方法もあると教えてくれた。これも時計修理の常套手段であったそうだ。

shifting a hole slightly
 1 穴の周りを「コの字」に糸鋸で切る。その時、ずらす方向を考えて、バーサインを吸収するように切り方を決める。

 2 休み穴は片方で良い。向うに行って戻って来る時に隙間を切る。切り終わったら、刃を抜いてしまう。 

 3 細いネジ廻しのようなものでコジて、想定した量、穴をずらす。平面性を確認する。

 4 隙間にハンダを流して出来上がりである。

 やり方を工夫すれば 5 mm くらいずらすのは訳ない、とおっしゃった。そこまでやったことはないが、何回か助けられたことを思い出す。

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2014年03月17日

技能伝承

 その模鐡技師のジグと称する記事を読んで以来、頭の中にもやもやとしていたことがはっきり形になってきた。金属工作塾を開くべきであるということになった。いろんな人がアイデアを語るのは聞いたことがあるが、実現したのはあまり知らない。10年ほど前、安達庄之助氏は鉄道模型工作の講師を、地元の文化センタで務めていらした。名古屋模型鉄道クラブでは加藤清氏が、中日文化センタで講師をしていらした。いずれも市販のブラス製キットを組む手助けをするわけである。

 もう少し基礎的かつ応用的な塾を開きたい。おそらく1年以内に実現できるだろう。場所も確保した。後進を育てれば、この趣味を継承することが可能だ。吉岡利隆氏ともその点でも話が一致していた。本来ならば、彼にも講師をしてもらうはずであった。

 最近のプラスティック製模型ではなく、ブラス製模型を正しく作る手助けをしたい。幸いにも、筆者には祖父江氏アメリカの鉄砲鍛冶のところで学んだノウハウがある。他にも近所の鉄工所の親父さんや、超精密加工をしていた友人のノウハウも多少は吸収した。また、この道の達人を、客員としてお呼びし、ご活躍願うつもりである。

 まずはヤスリの整備から始めて、糸鋸の使いかた、ハンダ付け、その他のテクニックを伝授する。いずれ旋盤やフライス加工までやりたい。若い人を育てたいのである。もちろん、Oスケールに興味を持ってもらいたい。日本のOスケールは、もはや風前の灯である。オークションを見ていても相場が立たないのが現状である。HOもかつての勢いを失い、ひどい状態であるが、Oほどではない。

 実はある計画が進んでいて、夏あたりに形になるだろうと思う。まだ中味が確定していないので、詳しいことは発表できない。

 プラスティック製の模型は、50年というタイムスパンを考えると、不安要素がいっぱいだ。ブラス製模型は数百年後も形を保っているであろう。もちろんモータ内にはプラスティック部品があるから、交換せねば走らないだろうが、主たる構成部品は安泰だ。

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2014年02月09日

吉岡利隆氏の死去

 本ブログにもリンクされているシドニィ在住の吉岡利隆氏が、ご病気で本年1月9日にお亡くなりになった。本日ご子息からお知らせ戴いた。鹿ケ谷氏と言った方が通りが良いかもしれない。時々コメントを投稿されていたので、名前をご記憶の方もいらっしゃるだろう。

 吉岡氏の腕の確かさは折り紙つきで、筆者はライヴスティーム方面のことしか詳しく知らなかったが、飛行機の模型においても卓抜した力量を持ち、その世界でも有名人であった。

吉岡利隆氏
 
 日本に出張されるときはよくお会いし、また、拙宅にも逗留されたことがある。名古屋模型鉄道クラブの例会にも特別参加され、伊藤剛氏やお客様の今野喜郎氏と親しくなれたことをとても喜んでおられた。
 当家にいらしたときは特殊な刃物類を差し上げ、それが工作に使われている様子が発表されて喜んでいたのに、あまりにも早い逝去で、残念至極である。

 この夏にはオーストラリア訪問を実現させようと思っていたところであった。

 ご子息からの連絡によると、3月9日に都内某所で、国内の関係者のお別れ会が開かれるとのことである。

 

 

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2013年06月05日

続 伊藤剛氏を訪ねて

伊藤 剛 3 工作室を拝見したいと申し出ると、「さあどうぞ」と案内された。人間国宝に匹敵する人の仕事場拝見というのはなかなかないチャンスなので、奥の奥まで見せて戴いた。
 全ての道具がありとあらゆる場所に差し込まれている。
「先端が見えているのが大事」なのだそうだ。「道具を探していると模型は出来ない。」
と仰る。確かに工具の先が見えていると早い。
 筆者の工作台も大改装せねばならない。椅子に座れば、全ての道具が手を伸ばさずに掴める環境は大事だ。

 足もとに電燈(電球色蛍光燈)があって、いつも点いているのは、物を落とした時にすぐ分かるからだ。確かに、落としてから電燈を点けても、たいていは手遅れで、どちら方面に飛んだのかが分からない。これは良いアイデアである。

伊藤 剛 2伊藤 剛 4 右手方向にはこのようなカートがある。これも工夫を凝らした造りである。道具が全て差し込んであって一覧できる。ここには写っていないが、細かいところを見るメガネも市販品を改造して、高機能にしてあった。このメガネはOptiVISORという商品名であるが、アメリカではDoneganと言う。発明者の名前が商品を表すのである。Staplerをホッチキスと言うのと同じだ。

 この「一覧できる」というのは大切なことである。部品でも、紙箱とか缶に入っていると、すぐには出て来ない。筆者のところでは、全てプラスティックケースに移し替えた。それほど透明度が無くても、中に入っているものの見当が付く。さらに細かいものはポリ袋に入れ、壁にぶら下げた。模型屋の店先のようであるが、これはとても良い工夫である。お勧めする。いつの間にやら、模型屋ほど在庫がある。

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2012年11月28日

続々 Leoを訪ねて

812_6142-2 この旋盤の切子よけが気に入っている。アクリルガラスの板をオヴンの中で曲げたものだ。型の上に置いて温度を上げておくと、自然に曲がる。融けているわけではなく、多少柔らかくなった程度なので、透けて見える像がゆがむこともない。

812_6156-2 自作の油圧プレスで屋根を曲げている。オス型は硬い木で作り、メス型はポリアセタールのブロックを削ったものだ。一回で所定の形にする。



812_6144-2 先先回紹介したGP30の異なる角度からの写真である。実にうまく出来ている。



812_6153-2812_6154-2812_6155-2 Williamsという会社の出している普及価格版の韓国製ブラスだ。よく走らないので直してくれと持ち込まれているのだ。動力装置をごっそり取り換える工事を引き受けている。
 とにかく腕の立つ人である。大したものだと感心した。

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2012年10月07日

プラスティック型によるロストワックス

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 今回新しい型が入っていた。これはCentral Locomotive Worksのプラスティック型である。これをワックスでインジェクションしてそれをブラスで置き換えようというわけである。
 この型は本来ポリスチレンでインジェクションしたものを接着剤で組んで金属置換するのだが、ワックスは思うように接着出来ない。ワックス用の接着剤もあるのだが、付きが悪い。仕方が無いので細い縫い針を加熱して、接合部に刺す。するとその部分だけ融け合うので、接着剤で付けたようになる。非常に手間が掛かるがそれをやった。

 この型はピン角(直角の角)が出るようにいくつもの型を積層して組み合わせたものだ。非常に丁寧な仕事をしてある。注型後、固まったプラスティックを外すためのピンがたくさん埋め込んである。それを避けてクランプで締めてロウを入れる。この型は金属製なので冷えやすく、仕事は速い。固まったら型を二つに分け、ピンを押す板を押さえつけると、プラスティックがむっくりと起き上がる。ワックスは型の金属に粘りつくので、離型剤をスプレイしておくと無理が無い。型の設計のコツはつかめたので、何かの型を作ってみたくなった。

 左二枚の写真の部品はブロンバーグ二軸台車の揺れ枕バネである。二つを組み合わせて使う。良く出来ている。
 中の写真はエンドビームとブレーキハンガーである。小さな部品を組立ててから鋳造する。
 右の写真は台車枠である。台車は軸距離が大切なので、プラスティック成型は望ましい。

 これらの型を保管していた人が居るのだが、毎回注文を出すとき送って来なければならないので、だんだん面倒になり、ここに置きっ放しとなった。そのような型が、ここにはごろごろある。
 


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2012年06月24日

Kleinschmidt Drive

COM_4347 Kleinschmidt Drive という言葉がある。Stu によって開発された伝導方式だ。 普通の既製品のドライヴを外して、彼が作ったギヤボックスを付ける。それだけでも十分なのだが、もうひとつディーゼル機関車には特別の装置を付ける。遠心クラッチである。この動作をYoutubeで探したが、みつからない。

 まずモーターをアイドリングにすると、プルプルと廻っている。この時車輪を廻すトルクは取り出されない。回転数を最大速度の20%程度にすると、緩やかにクラッチがつながって行く様子が分かる。巡航速度では、クラッチは全く滑ることがない。
 これの現物を見た時、非常に驚いた。構造はすぐに推測したが、それを大量に作り、十分な寿命を持たせることができる技術力に感嘆したのである。一つや二つなら、筆者にも出来る自信はある。しかし、それを金を取って人に売る自信は全くない。彼はこのドライヴを1000台は作ったと言う。

COM_4333COM_4334 中はこのようになっている。ブラスの丸棒を薄切りにしたものを鋼製の丸棒に通してある。遠心力で外に行って接触するようになっている。相手は鋼製の円筒である。錆びにくいように、黒染めが施してある。注油穴があって、年に一滴油を注せば十分と言っている。20年ほど走らせたものを分解したが、ほとんど減っていなかったと言う。
 多分200年位は十分持つだろうと言う話だ。
 
 この方式は安いモータを使っても滑らかな発進を可能にする。音もなく動き出す。同心性が高くないと、不具合が起きる。その部分の設計、工作が卓抜である証拠だ。
 電気機関車、蒸気機関車には付けたことが無いと言うが、それは当然だろう。安いモーターを使っても、押して動く機関車にはなる。しかし、発電できないから、押したときにヘッドライトは点かない。

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2012年06月22日

続々々々々 Stu を訪ねて  

COM_4366-2COM_4367-2 フライスで削り出したフレイムである。多分ペンシィのロッド式電気機関車であろう。中の二軸ずつが動軸で、外の一軸がジャック・シャフトである。
 短く作って継ぎ手でつないである。長いものの工作は好きではないらしい。

COM_4368-2 ギヤボックスがたくさん作ってある。事前に必要数以上にたくさん作っておき、それを順次使う。歯数は互いに素である。
 全てのギヤボックスにはボール・ベアリングが入っている。予圧を掛けてあるのでガタはない。彼はそこが大事だと言っている。本物と同じようにスプリングで予圧しているのでいつまでもガタが無いと言う。

 Stuは、「私もキットを作っているようなものだ。」と言った。それは祖父江氏の工房での作業を講演で紹介した時に筆者が使った表現である。女工さん数人を使ってキットを組み立てさせるわけである。祖父江氏はその部品を作るわけだ。そうして1ロット200両の製作が進んだ。Stuは自分でキットを組んでいる。

COM_4348-2 これはギヤボックスを作るジグというべきかヤトイというべきか迷うものである。ブラスの塊りから削り出したものをこのアルミのブロックにネジ止めし、中を Tスロット・カッタで削り取る。Tスロット・カッタは、軸に比べ先が数倍太い円周を持つエンドミルである。ギヤの収納部のエグリをするのである。
彼はロストワックスを一切使用せず、全てを削り出す。

COM_4330-2 ある程度完成したものはこのように並べてある。これらは韓国のAjinの製品である。台車枠が自重で撓んで開いてしまう具合のよくない製品である。

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2012年06月18日

続々々 Stu を訪ねて

 電動でない工具を見て行こう。

COM_4335-2 右はシァである。素晴らしくよく整備されていて、ティッシュがすぱりと切れる。このようによく切れるシァを見るのは久しぶりである。
 昔祖父江氏の工房のシァが、そのように整備されていて驚いたことがある。
 左はいわゆる「カキ(欠き)」である、角を落とすように刃が付いていて、箱状のものを作る時に便利な道具である。

COM_4336-2 上から見るとこのようになっている。周りに台を増設してあり、ワークの保持が楽である。
 刃の上下は、上のレヴァを降ろすと、カムで動くようになっている。アメリカの手動プレス機は、たいてい、カムか、リンクまたは歯車式である。日本はネコプレスに代表される回転式の、慣性を利用するタイプが多い。
 筆者は中型のネコプレスを持っているので、それをこのタイプの専用機に作ろうと思っていた。よい見本を見たので、簡単に出来そうである。もちろん周りのテーブルも作る。

COM_4332-2 これは、ブレーキ(折り曲げプレス機)である。折り台がぴかぴかで素晴らしい。全ての工具が完璧な状態に保たれている。
 これは親子代々で経営してきた工場を見るといつも感じることである。工具に対する愛着がそうさせているのだ。

COM_4337-2 これはベンダ(板金折り曲げ機)である。筆者も持っているがもっと簡便なものである。それはジュラルミンで出来ていて、あまり厚い板は曲げられない。その工具は買う場所を間違えたのである。飛行機の修理用具を売っている店があって、そこで買ってしまった。アルミ合金の板しか曲げないのであるから、仕方が無い。ブラス板は 0.6 mm 程度しかうまく曲がらない。

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2012年06月14日

続 Stuを訪ねて

 Stuの機械は全てリビルトされている。運び込むときにバラしてしまうので、ついでに自分の思うように改良してしまうのだ。
COM_4326-2COM_4328-2COM_4338-2 この旋盤は三相交流で動いていたが、ゴルフカート用の大型直流モータが安く手に入ったので、直流サーボモータ駆動にしてしまった。回転速度は自由に変えられる。トルクは信じられないほど大きい。彼はインヴァータ制御より、信頼できると言う。刃物台に触った感触は素晴らしく、バックラッシュは感じられない。こういう旋盤が欲しい。
 電磁クラッチ2個で減速率の変化をさせるようにしてある。巧妙な仕掛けである。
 左手の木製の丸ハンドルは、コレット・クローザ(コレットを締めるもの)である。

COM_4331-2COM_4339-2 自分の旋盤をどのように整備すればこの状態に保てるか、しばし考え込んでしまった。 旋盤は大小3種類ある。どれも使いこまれ、ピカピカである。大は小を兼ねないので、小さい旋盤も欲しい。しかし、市販の小型旋盤にこの旋盤ほどの性能があるかは、大いに疑問である。

COM_4340-2COM_4329-2 コレットは5Cの規格をフルセットで持っている。筆者は3Cであるから、少しこちらの方が大きい。リーマもかなりたくさんの寸法を持っていて、必要に応じて使えるようになっている。

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2012年06月12日

Stu を訪ねて

COM_4320-2 Stu Kleinschmidtは名だたる精密工作屋である。名字からして「小さな鍛冶屋」であることに興味を持った。彼の名前はもう30年以上も前から知っていた。時々会うが、なかなか気難しい男で話ができなかった。StuはStewartの短縮型である。

 シカゴの会合で祖父江氏の業績を伝えるプレゼンテイションをすることになって、それが告知された途端に問い合わせがあった。「参加したい。期待している。」ということであった。
 その席上、「Mr.Sofueは偉大だ。尊敬している。」という発言があり、その後筆者のテーブルに現れて、1時間ほど色々な話をした。
 「一度お宅に伺いたいが、」と申し出ると、「ぜひとも来てくれ、明日の午後はどうか。」ということになった。

 道を説明してくれたが、「GPSがある。」というと「すぐ来られるよ。」ということであった。
 実のところは大変手間取った。もらった名刺の住所にミスプリントがあったのだ。近くで何度か聞いて、1時間遅れで到着した。
COM_4412-2 先方は首を長くして待っていた。玄関先に来ていた荷物の住所は、筆者の受け取った間違った住所であったので、聞くと、「運送会社は間違いを知っているから問題なく配達される。」と言った。筆者の到着が遅れたので、「訂正してない名刺を渡したことに気がついた。」と言う。
 
 クラインシュミット氏は親が電気機械の製作修理をしていたらしい。幼少の頃から家業を手伝った。「アメリカ製の電気器具は全て直せる。」と自負している。真空管式の各種のラジオ、アンプ、無線機が大量に置いてある。全て完動品である。未使用の真空管もどっさりあった。

 工作機械は全てアメリカ製とドイツ製である。その数も凄い。ちょっとした町工場である。かなり大きな旋盤が、地下室にある。どうやって入れたのかと聞くと、全てばらして小さくして運び込んだ。「最大200ポンド(100kg弱)にすれば、滑らせて入れられるさ。」とのことである。出すことは考えていないようだ。

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2012年02月23日

不思議な工作記事

 かねてより疑問を感じている連載記事がある。とれいん誌のED19を作ると言う記事だ。 文調は、「素人に金属加工を教えてやる」という感じである。内容はかなり怪しいと思っていた矢先に、親しい模型工作の大家から、相談があった。

「Φ1.2のネジを切る時に、バイスにワークを銜えて、ダイスを手持ちで回すという行があり、とても違和感を感じました。小さな径のネジを切るのであれば、ワークをピンバイスに銜えて、手回しで(手に持った)ダイスにねじ込めば済む問題ですよね。ダイスを手で持って回すなんて、あまり一般的ではないような気がします。」
 
ガラ 確かにやり方は色々ある。早くて楽なのは、このご指摘の方法だ。直角を出そうと思うと、もう一工夫必要だ。プロはダイスを付けた板に、通称「ガラ」という手廻しの増速装置(クランク軸には大径の内歯歯車があり、小ピニオンに付けたチャックが4倍くらい早く回転する)で棒材をねじ込む。この工具はクランクの回転方向と刃物、ワーク等の回転方向が同じであるところが優れている。
 ダイスを大き目の板に付けるところがミソで、こうすると目で見て直角が出やすい。タップとは違うので自然に直角に入るが、こうすれば最初からすんなりと入る。
 筆者は速度は必要ないので、ボール盤の直角を利用して手回しでねじ込む。もちろん大きなものは旋盤を使う。

 いくつかある工作法を唯一であるかのように書くのは、視野が狭いということである。要するに経験が少ない。この種の記事を書く人は、十分な経験を積んだ大人であるべきだ。
 しばらく前の記事ではフライス盤の話があったが、ほとんど怪しげな工作法の紹介に終始していた。
 編集部は、この種の記事を書ける人かどうかが分からないということだ。プロを装った素人では、周りが迷惑する。雑誌の評価も下がるだろう。

 万力の底板部分にワークを載せて締めている。これではだめだ。必ず敷板(正直板)を立てて万力の顎の先で銜えるようにせねばならない。その万力も、できれば締めた時、顎の上部が開かない構造の物が良い。

 スコヤの話もあったが、あのタイプのスコヤの信頼性はほとんどない。組み立て式のスコヤなど、工場ではまず見たことが無い。必ず削り出しの焼きの入った物を使うべきである。それほど高いものではない。
 組み立て式のスコヤをお持ちの方は、一度直角を調べてみるべきだ。愕然とする方が多いと思う。

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2012年02月09日

続々 UP F9A

EMD F9 grabirons EMDのブルドッグ・ノーズの側面上方にはくねくねと曲がったグラブアイアン(握り棒)がある。これは登るときに単に手を掛けるだけのものではない。地上から梯子を掛けるとき、梯子が横に滑って倒れるのを防ぐ形になっている。即ち、その形は車体側面に対して平行に近くなっていて、ノーズの丸みに沿っているわけではない。とは言え、完全に平行のものは少なく、この模型のようにやや前が狭くなっているものが多いように思う。平行だと飛び出し過ぎるということもあるだろう。

 この形は既製品を見ても正しい形になっているものは少ない。設計者の注意不足である。どんなものも目的があるのだから、その目的に沿った形に作らねばならないはずだ。

GOW_3388grabiron さて、この梯子掛けを針金を曲げて作らねばならない。意外と難しいものだ。端から曲げると真ん中の直線部分の長さがうまく決まらない。これは真ん中から曲げるべきである。曲げると加工硬化するので次に曲げる部分が決まり易い。ジグも要らないほど簡単にできる。直線部の長さはいわゆるラジオ・ペンチのテーパ部に印を付け、位置決めをする。たった二つしか要らないのに、作り方を考えているうちにたくさん作ってしまった。

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2012年02月07日

続 UP F9A

 スノウ・プラウの丸みを付けるにはこの方法が最も適するが、加工硬化するので一発で仕留める必要がある。

 位置関係を十分に確認して、テープで仮留めする。ゴムハンマで満身の力を込めて一発で変形させる。とても硬くなり、二度と変形しそうもない。もちろん、リン青銅板の「目」を確認して曲がり易い方向を探すことも大切である。
 左右二つの曲げを完了してから、折り目を付ける。この時は、裏に軽く筋掘りして応力を集中させる工夫をする。

 万力に挟んで、押し板で一気に曲げる。これも繰り返すと硬くなるので、戻るのを見越して曲げ、戻った瞬間に所定の角度になっていることを確認する。

GOW_3391GOW_3393 下回りのフレイムは 1 mm厚のアングルを用いて作ってある。その前端にスノウプラウのベースが密着するようにした。これはいわゆるメタルタッチで、衝突時に力が直接フレイムに伝達されるようにした。機関車と正面衝突するとどうなるかは分からないが、貨車、客車なら余裕を持って耐えられるはずである。

 駆動装置は3条ウォームギヤをロストワックス製のギヤボックスに収めたものである。これは25年ほど前に祖父江氏と共同製作したもので、鋳物は韓国に発注し歯車は日本製である。このギヤボックスはアメリカにもかなり売れ、シカゴの科学工業博物館のレイアウトでも使用されていたらしい。素晴らしい転がりと耐久性がある。
 ユニヴァーサル・ジョイントは韓国製のものにアメリカ製の金属製スパイダを入れている。当時、AJINの社長はこのギヤの性能に惚れ込み、アメリカに輸出する製品に付けたいと思ったらしいが、インポータの無能によってそれは評価されなかった。筆者はアイデアを無償提供すると言ったのであるが。結局、競合する他社によって、"coasting gear" などという勝手な名前を付けて売り出された。開発者である筆者は、"free rolling drive" と名付けているのも関わらず。
 この"coasting"という語感にはあまり良い印象が無い。財産があり経済的に余裕のある人の退職後などの生活をこの言葉を用いて表す。遊んでいるということを強調しているように感じるのだ。
 列車がその質量により惰行するのは、物理の法則により当然のことであり、「金持ちが遊んで暮らす」というのとは少々違うし、この方法は他の歯車を用いる方法より経済的であるという点が、大きなセールスポイントだったのだから。

 チェイン・ドライヴは、そこそこに効率がよく、また手軽である。しかも安い。最近はMicro-Markでも売っている
 当時はこの会社を探し出して手紙を書き、小切手を送って購入した。祖父江氏は、「これは使えるよ。面倒なギヤボックスなしで済むんだったら、こんな簡単なものはない。」と気に入り、ずいぶんたくさん買った。
 軸はインチサイズであったので、ミリサイズのスリーブを入れた。

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