2022年12月10日
ABS の劣化
思わぬものが見つかった。1970年代に購入したプラスティック製のキットである。50 ftの Boxcar でPULLMAN-STANDARD の当時の新車だ。製造元は US Hobbiesであり、Kemtron の社長ケマルヤン氏がMax Grayの会社を引き継いで作った会社だ。彼は1976年に亡くなったので、その直後の在庫一掃セールで買ったような気がする。これも安価だったので、ほとんど記憶に残っていない。冷暗所にあったので、劣化していないと思った。しかし箱を開けて細かい部品を手ではずそうとしたところ、ランナの方が折れた。これは要注意のサインで、薄刃のカッタで切り離した。
全体にもろくなっている。実はほぼ同型をもう一輌組んだのを持っている。それを参考にしようと紙袋に入れて持ち帰ったが、自室で紙袋が破れた。ほんの30 cm弱だが、木の床に連結器から落ちた。
この連結器はバネで実際に縮むように出来ており、十分な緩衝力があるから壊れるはずはないと思ったが、妙な音がして連結器の付け根付近から折れてしまった。素材が劣化しているのだ。これは接着剤では直らないから、その縮む部品をブラスで作り直すしかないと覚悟した。
上記リンクの貨車は自作だからエア・ダンパがついているが、このキットにはそんなものは無い。押し込むと、手を放した瞬間にぴょこんと飛び出すが、適度な摩擦でそれほど速くは飛び出して来ない。
このキットを組み始めたが、やはりもろい。大きな部材は安心だが、細いものは割れてくる。直ちに溶剤で溶かして付けるが、期待はできない。可塑剤が加水分解されている可能性が高い。細かい部品はブラスで作って差し替えるしかない。
当鉄道にはプラスティック製のものは少ない。経年劣化が予想されたからだ。いずれこのように割れてくると確信したのだ。ABS製と書いてあってもこの程度である。たった40年でこの調子だから、この先どうなるのだろう。
非常に虚しい。これは読者諸氏のプラスティック製模型の未来を暗示しているのだ。結晶性でないプラスティックは、全て同じ運命をたどる。
全体にもろくなっている。実はほぼ同型をもう一輌組んだのを持っている。それを参考にしようと紙袋に入れて持ち帰ったが、自室で紙袋が破れた。ほんの30 cm弱だが、木の床に連結器から落ちた。
この連結器はバネで実際に縮むように出来ており、十分な緩衝力があるから壊れるはずはないと思ったが、妙な音がして連結器の付け根付近から折れてしまった。素材が劣化しているのだ。これは接着剤では直らないから、その縮む部品をブラスで作り直すしかないと覚悟した。
上記リンクの貨車は自作だからエア・ダンパがついているが、このキットにはそんなものは無い。押し込むと、手を放した瞬間にぴょこんと飛び出すが、適度な摩擦でそれほど速くは飛び出して来ない。
このキットを組み始めたが、やはりもろい。大きな部材は安心だが、細いものは割れてくる。直ちに溶剤で溶かして付けるが、期待はできない。可塑剤が加水分解されている可能性が高い。細かい部品はブラスで作って差し替えるしかない。
当鉄道にはプラスティック製のものは少ない。経年劣化が予想されたからだ。いずれこのように割れてくると確信したのだ。ABS製と書いてあってもこの程度である。たった40年でこの調子だから、この先どうなるのだろう。
非常に虚しい。これは読者諸氏のプラスティック製模型の未来を暗示しているのだ。結晶性でないプラスティックは、全て同じ運命をたどる。