2022年11月20日

転落事故

 慣性増大装置の実演をしている時に2輌のOゲージ貨車が落下した。線路の末端の車止めに雑誌が広げて置いてあり、貨車が乗越え易くなっていたのだ。ジャンクから組直したもので、もとは事故車を安く買ったものである。そのジャンクは衝突事故で、両端が潰れた状態であった。連結部がめり込んでいたのだ。壊れやすいのは背骨の末端の連結器がついている部分である。板が薄くて座屈していた。そのあたりをすべて切り離し、新しく部品を作り、組み直した。

fixing reinforcement in the spine その部分に1.5 mmの厚板を貼り重ね、連結器の付く部分だけを、フライスで0.3 mm削り落とす。厚板は背骨の溝の中に完全にハンダ付けする。これは炭素棒でないと無理である。こうすると極端に丈夫になる。もちろん上下左右には細かい骨で支えてある。たっぷりのハンダを付け、接合部の隙間には完全に流し込む。この種の仕事はコテでは難しい。既製品では、このあたりのハンダ付けがチョイ付けであるから弱いのだ。全面的にハンダが流れるようにする。連結器はエポキシ接着剤で付ける。接着は剪断力に対しては強い。重しを掛けて、接着剤層を薄くするのが秘訣である。
 事故直前にご覧になったTMSの名取編集長が、
1.5 mmですか!?」と驚かれたが、「必要なのですよ。」とお答えした。  

 今回の事故の1輌は連結器を下にして垂直に落ちたようで、Kadeeのトリップピンがわずかに曲がっていた。もう1輌は完全に裏返しで落ちたようだ。上面にかすり傷があった。 
 前者は事実上被害なしである。後者は、タッチアップして補修完了である。Pタイルの床には傷がついたかもしれない。
 
 奇しくも、事故によって頑丈さが立証された。何人かから、どうして壊れなかったのかという質問があったようだが、この程度の答で良いだろうか。この種の貨車は引っ張りには十分強いが、圧縮には弱いので、そこを補強するのがミソである。既製品の構造ではとても足らない。当社の貨車はすべてこの仕様で作られているから、かなり荒っぽい連結作業にも耐える。 

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