2022年09月20日

inertial separator hatch  

filling silver solderinertial separator on DDA40X Bill Melisが作ってくれたロストワックス鋳物に、この薄い箱形部材がある。ディーゼル電機機関車の屋根に付ける部品である。先回の写真の右端に見える。

 この下には空気清浄装置がある。普通のフィルタではない。高速の空気の通路を曲げると、重い粒子は慣性でまっすぐ進もうとするから、外へ飛び出すところを捕捉する。いわゆるinertial filterである。最近の真空掃除機は、この原理をさらに進化させた装置を付けているものが増えてきた。
 機関車では、駆動モータの冷却用に大量の空気を吸い込むので、普通のフィルタではすぐ詰まってしまう。砂漠地帯ではこれは深刻な問題であり、処理をしないと駆動モータの中に砂塵が溜まって焼損する。
 エンジンの吸気は更に細かい塵を除くために、いわゆる濾過装置を2段目に用いている。これは自動車用と同等の構造である。

 この種の機関車では、その捕捉した塵を含む空気を屋根上の孔から吹き出させている。この部品はその装置を覆う屋根で、少し膨らませている。

 その部品の斜面の傾斜は、45度以下のものが多い。緩いものは40度弱である。Billの部品ではそれが60度もある。少し削って緩やかにしたいが、肉が薄いので削ると分解してしまう。

inertial separator hatch 中に何か、貼れば良いのだ。角線の角を削いで、銀ハンダで付ける。たっぷりハンダを流してから削ると、ハンダの色が見えるほどになる。貼らなかったら悲惨なことになっただろう。

 削った蓋を付けるのは、63%ハンダである。ガスバーナで予熱してから部品を載せて、例の押えを効かせる。150 Wのコテで、わずかの63%ハンダを融かして当てると、さっと沁み込んで終了である。銀ハンダは融けない。
 4x30の ブラス平角棒を削って作ったものは、DD35A用に使う。これは少し幅が狭い。ガスバーナーで焙って付ける。こういうときも、屋根の板には孔をたくさんあけて、ハンダが完全に廻ったことを裏側から確かめる。 


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