2022年09月12日

HOのギヤボックスの見分

3-thread worm gear 友人がHO用として売られているギヤを見せてくれた。よく売れているそうだ。ところが、彼の知り合いの博物館の人が、「すぐダメになる」と言うので「どうしてだろう」と、筆者に見分を依頼してきたのだ。

 開けてみて驚いたのは、3条ウォームギヤが入っていたことだ。その割には押しても動きにくい。多少は動くが、動きは渋い。
 しかし、じっくり見ないと3条ウォームには見えない。進み角が小さいからだ。なぜ小さいか、よく考えてみよう。

  以前にも見かけたが、太いウォームに3条を彫っても、細い1条の普通のウォームと進み角は大差ない。どうしてもっと細いウォームを作らなかったのだろう。それは軸の太さに拘っているからである。

 軸が Φ2 もあるのだ。これではダメだ。軸と一体にしてギヤを細くすべきであった。そうすれば、進み角は大きくなる。

 博物館での連続使用でダメになる理由だが、それは進み角の小ささによる低効率から来ているのだろう。摩擦熱が大きいので、POM製のウォームホィールが融けるのでは、と推測する。また、グリースがたくさん入っている。多すぎるのではないか。その撹拌抵抗だけでかなりの損失である。スラストを受けるボールベアリングもない。
 設計は元KTM社員のT川氏らしい。彼とは親しかった。どうして筆者に相談してくれなかったのだろう。いくらでも助言をしてあげたのに。

コメント一覧

1. Posted by YUNO   2022年09月13日 02:37
押した時の動きが渋いのは、たくさん入ったヘリカルギヤも影響しているのではないでしょうか。すべての部分でスラスト方向の摩擦が発生しているはずです。
ボールベアリングの採用は設置スペースやコストの面で難しいと思いますが、オイルレスメタルの軸受けやブッシュをすべてステンレスに置き換えたらどうでしょう。設計変更せずにスラスト方向の損失を減らせると思います。
2. Posted by dda40x   2022年09月13日 12:26
 ヘリカルギヤについてはいくつかの事例を見ていますが、さほど問題ありません。そのスラストに関しては、軸を細くするということをしていないので、半径比の問題があって不利です。よその国の例を見ると、径の小さなワッシャを入れている例が多いのです。
 軸受は銅合金が良いです。逆駆動よりも効率を優先して考えることにしましょう。ウォームは細くして軸も細くし、ここだけはボールベアリングを入れるべきです。
 モジュールが小さいのも、過負荷に弱くなる要因です。ましてやPOM製のウォームホィールを使っているのは問題です。発生した摩擦熱が逃げません。ウォームは快削鋼、相手が砲金であれば、二硫化モリブデングリスの潤滑で、半永久的に使えるでしょう。
3. Posted by yakumo   2022年09月13日 23:39
 いつも興味深く拝見させていただいています。
インサイドギア全盛時代にこのギアボックスが発売されたときは革命的と思い、モーターの性能向上もあり実感的な運転ができるのではと大いに期待しましたがラビットスタートぎみになることが多くがっかりした覚えがあります。
 結局手放してしまいましたが、今思えば前後のギアボックスをつなぐシャフトに反トルクがかかり抵抗になっていたのではないかと思います。ギヤタワーに反トルク受けを設けるか、反トルクを前後の軸で受けれるようにギアボックスを接続する加工をしてみればよかったと思っています。
 最近発売されているものは耐久性はともかく重負荷時にスロースタートができるのでしょうか?
4. Posted by ユとチ   2022年09月14日 07:44
5 一読者です。よろしくお願いします。
博物館で壊れた現物は具体的にどこがダメになっていたのでしょうか?コスト、時間の制約で個人では重負荷の状況を再現できず、実際の症状に興味があります。

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